図1および図2に示す実施例の弾球遊技機(ここではパチンコ遊技機)1は、いわゆる第三種始動入賞口付きパチンコ遊技機と同様の遊技を遊技者に付与するものである。実施例の弾球遊技機1は、遊技盤3の縁に遊技球の外側誘導レール4および内側誘導レール5が略円形に立設され、前記内側誘導レール5によって囲まれた遊技領域6の中心線上にその上部から下部に向かって順に表示装置9、始動入賞口10、大入賞口15を開放する権利を発生させる電動役物である権利発生入賞口11、特別電動役物である大入賞口15、アウト口17が配設され、また上方両側には左回転式入賞口21aと右回転式入賞口21b、その下方に左袖入賞口23と右袖入賞口25、さらには前記大入賞口15の両側に左落とし入賞口27と右落とし入賞口29が配設されている。前記種々の入賞口に遊技球が入賞すると所定数の遊技球が賞球として払い出される。なお、実施例では、前記左回転式入賞口21aと右回転式入賞口21bが、それぞれ前記遊技領域6に形成された第一遊技球入球領域と第二遊技球入球領域である。また、後に詳述する前記大入賞口15を開放する権利が発生したときに遊技球が前記左回転式入賞口21aまたは右回転式入賞口21bに設けられた特別始動入賞口に入賞すると、前記大入賞口15の開閉板61が開放されて遊技球が入賞し易い状態となる。
また、この実施例の遊技領域6には流下する遊技球を誘導する遊技釘7が適宜設けられている。図中の矢印の如く、複数の遊技釘7が、前記左右の回転式入賞口21a,21bの上方に配設されて各回転式入賞口21a,21bに遊技球を入球しやすくする遊技球の流路を形成している。遊技者は、後述の発射装置Hによって前記遊技領域6に打ち込まれた遊技球を前記遊技球の流路によって各回転式入賞口21a,21bに入球しやすくすることができる。
この発明の弾球遊技機は第一回転駆動体と第二回転駆動体とを備えている。第一回転駆動体は、前記遊技領域6に打ち込まれた遊技球を受け入れて保持する第一球受け部を備え、前記第一球受け部へ遊技球を受け入れる球受入位置と前記第一球受け部に保持された遊技球を開放して前記第一遊技球入球領域へ入球させる球開放位置との間を回転するように構成されている。
実施例では、図3に示すように、前記左回転式入賞口21aは、遊技領域6への固定板B1と、この固定板B1に突設して設けられる突設部材B2と、この突設部材B2の内部を回転する左回転部材70Aとによって形成されている。なお、突設部材B2は、図示するように、遊技球P等を後述の凹設部71Aに受け入れるために切欠部B3を有している。前記左回転式入賞口21aには、図中の破線部に示すように、特別始動入賞口72が設けられている。
この実施例では、第一回転駆動体は前記左回転式入賞口21aを形成する左回転部材70Aであり、この左回転部材70Aは、円柱状部材であって側面に前記第一球受け部である凹設部71Aを備えている。この凹設部71Aは、図示するように、前記遊技領域6に打ち込まれた遊技球P,P1,P2を受け入れて保持するものである。この左回転部材70Aは、図3の(a)図に示す遊技球P等の球受入位置80と(b)図に示す球開放位置85との間を矢印の如く反時計方向に回転する。(a)図に示す球受入位置80は前記切欠部B3と前記凹設部71Aとが上下に一致する位置であり、(b)図に示す球開放位置85は前記凹設部71Aと前記特別始動入賞口72が同一平面で一致する位置である。前記凹設部71Aに保持されて球開放位置85に到達した遊技球Pは、前記特別始動入賞口72に入球する。前記切欠部B3は、図示するように、所定の厚さtを有している。(b)図に示すように、この切欠部B3と前記凹設部71Aとの位置が上下に一致していない場合には、遊技球P1がこの切欠部B3によって前記左回転部材70Aの側面上に保持される。その後、前記左回転部材70Aが矢印の如く回転することにより、(c)図に示すように、凹設部71Aが、前記球受入位置80に到達して前記遊技球P1を受け入れて保持する。
第二回転駆動体は、前記遊技領域6に打ち込まれた遊技球を受け入れて保持する第二球受け部を備え、前記第二球受け部へ遊技球を受け入れる球受入位置と前記第二球受け部に保持された遊技球を開放して前記第二遊技球入球領域へ入球させる球開放位置との間を回転するように構成されている。
この実施例では、第二回転駆動体は、図3に図示する前記右回転式入賞口21bを形成する右回転部材70Bであり、この右回転部材70Bは、円柱状部材であって側面に前記第二球受け部である凹設部71Bを備えている。なお、この右回転部材70Bは、前述した左回転部材70Aと同一の構成であるので同一符号を付しその説明を省略する。
この発明の弾球遊技機は、前記第一回転駆動体と第二回転駆動体が前記遊技領域の左端と右端にそれぞれ設けられている。この実施例では、図示するように、前記左回転部材70Aと右回転部材70Bが前記遊技領域6の左端と右端にそれぞれ設けられている。
この発明の弾球遊技機は第一電気的回転駆動手段および第二電気的回転駆動手段を備えている。この第一および第二電気的回転駆動手段は、前記第一回転駆動体および第二回転駆動体をそれぞれ回転させるものである。さらに、この弾球遊技機は、前記各回転駆動体があらかじめ定められた特定位置となったことを認識する回転駆動体位置認識手段を備えている。
実施例では、第一電気的回転駆動手段と第二電気的回転駆動手段および前記第一回転駆動体の回転駆動体位置認識手段と第二回転駆動体の回転駆動体位置認識手段は同一の構成であるため第一電気的回転駆動手段および第一回転駆動体の回転位置認識手段のみについて説明する。この実施例では、図4に示すように、前記第一電気的回転駆動手段を公知のモータMによって構成している。さらに、実施例の回転駆動体位置認識手段は、図示するように、公知の透過型フォトセンサからなる回転位置認識センサ91と、切欠部92と、開口部93とによって構成される。
回転位置認識センサ91は、図示するように、発光素子91A,91Cと受光素子91B,91Dとが対向する位置に配置されて両素子間の光が遮断されることにより検出機能を持たせたものである。切欠部92は、図示するように、前記左回転部材70Aに固着された棒状部材94の一端に設けられる円盤状部材95の外周面から所定範囲を切り欠いて形成したものである。開口部93は、図示するように、前記円盤状部材95の所定位置を貫通するように形成したものである。なお、前記棒状部材94は、歯車95が嵌入されて前記固定板B1を貫通するように設けられている。この歯車95は、前記モータMの回転軸に軸着された歯車96と歯合している。
この実施例では、図4に示すように、前記素子91Aと91B間の光が前記切欠部92によって遮断されずかつ前記素子91Cと91D間の光が前記円盤状部材95によって遮断されるときは、前記フォトセンサ91が、前記凹設部71Aが前記球受入位置80にあることを検出する。一方、前記素子91Aと91B間の光が前記円盤状部材95によって遮断されかつ前記素子91Cと91D間の光が前記開口部93によって遮断されないときは、前記フォトセンサ91が、前記凹設部71Aが前記球開放位置85にあることを検出する。なお、このフォトセンサ91の検出信号はメイン制御回路121に送信される。
なお、図5に示すように、前記第一電気的回転駆動手段を公知のステッピングモータM1によって構成してもよい。この場合には、前記ステッピングモータM1の回転角度と回転速度の動作を制御することによって前記第一回転駆動体(ここでは左回転部材70A)の回転制御と前記第一回転駆動体があらかじめ定められた特定位置となったことを認識させることができる。
前記遊技盤3の前面側には払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿32、該上側球受け皿32を取り付けるための取付板33、前記上側球受け皿32の飽和時に遊技球を受けるための下側球受け皿34、遊技状態を報知するランプ表示器35,36、音声や効果音を発して遊技状態を遊技者に報知するスピーカ37、遊技者が操作して遊技球を遊技領域6に打ち込む弾発力を調節する発射装置H(弾発力調節手段)等がそれぞれ組み付けられている。
前記表示装置9の図柄表示装置43は、この発明の弾球遊技機の回転速度制御データ報知手段に相当する。前記図柄表示装置43は、液晶、ドットマトリックスもしくはLED表示装置等の表示装置からなり、この実施例ではカラー表示可能な液晶表示器(TFT−LCDモジュール)等からなる画像表示部(可変表示領域)50を備えている。前記画像表示部50は、数字、アルファベット、記号あるいは絵(キャラクタ)または図柄を変動表示および停止表示可能としている。さらに前記画像表示部50は、横に並ぶ表示領域に分割されて左側表示領域、右側表示領域となっており、左側表示領域には左図柄が、右側表示領域には右図柄が、それぞれ変動表示および停止表示可能とされている。なお、この実施例における前記左側表示領域、右側表示領域にそれぞれ表示される図柄は、‘0’,‘1’,‘2’,‘3’,‘4’,‘5’,‘6’,‘7’,‘8’,‘9’,‘10’,‘11’の12通りの図柄とされている。
また、前記画像表示部50は、前記図柄の変動中に、該図柄に加えて背景(建物、風景等)、キャラクタ(人物、動物、植物、物等)、文字等の装飾図柄を表示し、該装飾図柄は前記図柄の変動開始等の所定始動条件に起因して変動表示可能となっている。さらに、図示しないが、前記画像表示部50は図柄変動数記憶表示部を備えている。
また、前記始動入賞口10の背面には、該始動入賞口10に入賞した球を検出する図柄変動開始スイッチが入賞球の通路に設けられており、該入賞球の検出によって遊技の当たり外れに関係する数値を取得し、前記図柄表示装置43ではその数値に対応する図柄の変動を開始するようになっている。その際、図柄の変動中に始動入賞口10に入賞し前記数値を記憶して保留、すなわち保留回数(この実施例では最高4回)を前記画像表示部50の図柄変動数記憶部に表示し、図柄変動の開始による保留回数の減少によって前記表示部の表示個数を減らすようになっている。
前記権利発生入賞口11は始動入賞口10の下方に設けられ、権利発生入賞口開放用ソレノイドと該ソレノイドによって開閉する開閉板11aとを備えている。前記権利発生入賞口11の開放は、遊技者が視覚を通じて認識する前記画像表示部50の図柄が変動停止して特定の図柄が表示された当たりとなった時に行われる。この実施例では、遊技状態時に画像表示部50の停止図柄が特定図柄で停止表示された場合には、10秒間の権利発生入賞口11の拡大開放を1回行う。この権利発生入賞口11には入賞球を検出する入賞球検出スイッチが設けられ、該入賞球の検出により前記大入賞口15を開放させる権利が発生する。
この実施例では、前記遊技領域6には、前記左右の回転式入賞口21a,21bとは異なる大入賞口15が設けられ、該大入賞口15は開閉板61が開いて遊技球が入球しやすい第一状態と遊技球が入球しにくい第二状態とに変化し、後述の特典遊技は前記開閉板61が前記第一状態となって開始される。この実施例では、前記開閉板61は、所定時間(例えば29.5秒)経過後あるいは後述の入賞球数カウントスイッチで検出された入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じる。この大入賞口15の開閉板61が開いてから所定時間が経過した等の所定条件が成立するまでの間もしくは該所定条件が成立してから次回の所定条件が成立するまでの間の特典遊技状態をラウンドと称する。この特典遊技状態つまりラウンドが繰り返されることによって特別遊技状態(大当たり状態)を形成する。この実施例では、ラウンド数は10とされており、前記開閉板61の開放中に遊技球が第一遊技球入球領域または第二遊技球入球領域に入球しなかった場合には、前記開閉板61が閉鎖されることによってラウンド数が1ずつ増加する。そして、10ラウンド目の開閉板61の開放が終了すると、特別遊技が終了して通常の遊技状態となる。詳細な処理は後述するが、この開閉板61の開放中に遊技球が第一遊技球入球領域または第二遊技球入球領域に入球すると、例えば前記ラウンドが2ラウンド目の場合には、上述した開閉板61を閉鎖する条件、つまり実行中のラウンドの終了条件を満たしていなくても、ラウンドが3ラウンド目に移行する。つまり、定められた1ラウンドの特典遊技が、遊技者に付与されることがなく当該ラウンドが終了して次のラウンドへ移行してしまうことになる。
前記大入賞口15は権利発生入賞口11の下方に設けられ、大入賞口開放用ソレノイドと該ソレノイドによって開閉する開閉板61とを備えている。この大入賞口15は、通常は開閉板61が閉じた状態とされ、当該大入賞口15の内部には、入賞球を検出する入賞球検出スイッチが設けられる。
前記図柄表示装置43と権利発生入賞口11の作動および大入賞口15の作動、つまり特別遊技実行時(大当たり成立時)の動作について説明する。前記のように始動入賞口10に遊技球が入賞し、図柄変動開始スイッチによって入賞球が検出されると、前記図柄変動開始スイッチにより入賞信号が後述する図6に示すメイン制御回路121へ送られ、それに伴って、メイン制御回路121のラベル−TRND−A等の各種の数値が取得(抽出)され、その取得数値がメイン制御回路121のRAMの図柄数値記憶領域等に一旦格納される。そして、当該格納された各数値に基づいて大当たりの判定、確定停止図柄の決定(作成)、図柄変動・停止パターンおよび装飾図柄の種類の決定等が行われ、前記図柄表示装置43における画像表示部50の左側表示領域、右側表示領域で図柄の変動を開始する。
前記図柄の変動開始から所定時間変動後、例えば、左側表示領域、右側表示領域の順等で図柄が変動停止して、停止図柄が確定表示される。その際、前記画像表示部50における図柄の変動時間を長くしたり、前記画像表示部50における図柄の背後に表示される背景画像を変化させたり、該画像表示部50上に前記キャラクタや文字を表示する等の複数の画像情報からなる表示態様(リーチアクション等)の中から選択された表示態様による演出がされるようになっている。
前記停止図柄の組合せが同一図柄の組合せからなる大当たり図柄組合せであると、前記権利発生入賞口11は、開閉板11aが開いて遊技領域6表面を落下してくる遊技球を入賞可能とする。権利発生入賞口11への入賞があると、前記大入賞口15を開放させる権利が発生する。この権利が発生したときに前記左回転式入賞口21aまたは右回転式入賞口21bの各特別始動入賞口72への入賞を入賞球検出スイッチが検出すると、大当たり状態に移行する。大当たり状態になると、前記大入賞口15の開閉板61が開いて遊技領域6表面を落下してくる遊技球を受け止め、大入賞口15へ入賞可能にし、該大入賞口15への入賞があると、図示しない賞球払出装置により所定数の遊技球が賞球として払い出される。前記開閉板61は、所定時間(例えば29.5秒)経過後、あるいは入賞球数カウントスイッチで検出された入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じるようにされている。なお、前記入賞球数カウントスイッチで検出された入賞球数は、図柄表示装置43の画像表示部50に、0〜10までの数字または棒グラフのように表示されるようになっている。
この発明の弾球遊技機は、前記各遊技球入球領域(実施例では左右の回転式入賞口21a,21b)に遊技球が入球することに起因して所定時間(実施例では29.5秒)継続して遊技者に特典を付与する特典遊技(実施例では大入賞口15の開放)を複数回数(実施例では10回)にわたり遊技者に付与するものである。
次に、前記画像表示部50における左側表示領域,右側表示領域における図柄の変動の制御について説明する。前記左右の表示領域における図柄の変動の制御は、図6に示すメイン制御回路121および該回路121と前記表示装置9とを接続する表示制御回路125によって行われる。
メイン制御回路121は、この発明の弾球遊技機の回転速度制御データ選択手段に相当し、該制御回路121の主制御基板に組み込まれていて、CPU,RAM,ROM,複数のカウンタを備えたコンピュータ121bと、該コンピュータ121bと前記透過型フォトセンサからなる回転位置認識センサ91,回転部材制御回路,払出制御回路,表示制御回路125等を結ぶ入出力回路と、前記コンピュータ121bと大入賞口15に接続される中継回路等を結ぶ入出力回路等で構成される。前記CPUは、制御部,演算部,各種カウンタ,各種レジスタ,各種フラグ等を備え、演算制御を行うようになっている。また、前記RAMは、図柄変動開始スイッチの検出信号用の記憶領域,CPUで生成される各種乱数値用の記憶領域,各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ,CPUの作業領域を備えている。さらに、前記ROMには、遊技上の制御プログラムや制御データ、制御コマンド等が書き込まれている。なお、このROMは、前記第一電気的回転駆動手段(ここではモータM)の回転速度制御データおよび前記第二電気的回転駆動手段(ここではモータM2)の回転速度制御データが複数記憶される回転速度制御データ記憶手段に相当する。
また、前記表示制御回路125は、CPU,RAM,ROMを備えたコンピュータと、該コンピュータと前記メイン制御回路121を結ぶ入力回路と、前記コンピュータと左側表示領域および右側表示領域を結ぶ出力回路等で構成される。前記CPUは、内部に制御部,演算部,各種カウンタ,各種レジスタ,各種フラグ等を有し演算制御を行うようになっている。また、前記RAMは、各種データの記憶領域と前記CPUによる作業領域等を有している。さらに、前記ROMには、前記左側表示領域および右側表示領域への表示データや各種表示プログラム等の図柄データが書き込まれている。
さらに、前記払出制御回路には貸球払出装置等が接続され、この払出制御回路及びフォト分配回路には賞球払出装置が接続されている。また、発光体制御回路には、この弾球遊技機1の前記ランプ表示器35,36が接続されており、音声制御回路には前記スピーカ37が接続され、回転部材制御回路には左回転部材用モータM,右回転部材用モータM2が接続されている。
なお、この実施例では、前記メイン制御回路121に大当たりフラグA1、前記左右の回転部材70A,70Bの回転速度を制御するフラグ、前記画像表示部50に確定停止表示する図柄のフラグや該画像表示部50に演出される表示態様のフラグ等が設けられている。この大当たりフラグA1等は、初期設定時にはすべて0にセットされている。
さらに、この実施例では、前記メイン制御回路121に設けられる複数のカウンタが、ラベル−TRND−A,ラベル−TRND−AZ1,ラベル−TRND−B1,ラベル−TRND−B2,ラベル−TRND−T1,ラベル−TRND−C1,の6種類である。各カウンタの作用については次に示す。なお、前記各カウンタの所定時に取得された各種の数値は、メイン制御回路121のRAMに最高4個まで格納される。なお、前記RAMに記憶された各種の数値は、この数値に関する一連の遊技動作処理後、クリア処理される。各カウンタの作動については次に示す。
表1に示すように、ラベル−TRND−Aは、大当たりおよび外れを判定する数値である。このラベル−TRND−Aは、弾球遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、所定の割り込み時間(例えば2msec)毎に1ずつ加算され、数値が‘70’に至ると、再び‘0’に戻って前記加算を繰り返すように制御されている。ラベル−TRND−Aの数値は、遊技球が始動入賞口10に入賞して図柄変動開始スイッチによって検出された時に取得され、予め決定されている所定値(当たり数値)、この実施例では‘5’と対比されて大当たりか否か判断される。また、当否の判定が終了するまでの間に、遊技球が始動入賞口10に入賞してラベル−TRND−Aの数値が再び取得されることがあるため、ラベル−TRND−Aの記憶取得値(更新取得数値)は最大4個が前記メイン制御回路121のRAMに一旦格納され、順次判定に供される。
ラベル−TRND−AZ1は、大当たり成立時、前記画像表示部50の左側表示領域と右側表示領域に同一確定停止して揃う確定大当たり停止図柄組合せを決定するものである。このラベル−TRND−AZ1は、電源投入時に‘0’から始まって前記割り込み時間毎に‘1’ずつ加算され、‘11’に至ると再び‘0’に戻る繰り返しを行う。ラベル−TRND−AZ1の数値は、前記始動入賞口10への入賞球が図柄変動開始スイッチによって検出された時に取得され、変動表示中の図柄に対するものを含めず、最大4個までメイン制御回路121のRAMの図柄数値記憶領域に格納される。前記ラベル−TRND−AZ1の数値には、各数値に対応する確定大当たり停止図柄組合せが予め割り当てられている。実施例においては、取得された前記ラベル−TRND−AZ1の数値が‘0’の場合には0、‘1’の場合には1、‘2’の場合には2、‘3’の場合には3、‘4’の場合には4、‘5’の場合には5、‘6’の場合には6、‘7’の場合には7、‘8’の場合には8、‘9’の場合には9、‘10’の場合には10、‘11’の場合には11を、それぞれ前記左右の表示領域に確定大当たり停止図柄組合せとして最終的に確定停止表示する。
ラベル−TRND−B1,B2は、前記ラベル−TRND−Aによる大当たり判定結果が外れとなる場合において、画像表示部50に確定停止表示する外れ図柄組合せの決定に用いられるものである。前記ラベル−TRND−B1は左側表示領域の左図柄、ラベル−TRND−B2は右側表示領域の右図柄にそれぞれ対応する。
そして、前記ラベル−TRND−B1は、電源投入時に‘0’から始まって前記割り込み時間毎に‘1’ずつ加算され、‘11’に至った後、再び‘0’から始まって加算が繰り返される。また、前記ラベル−TRND−B2は、電源投入時に‘0’から始まって、前記ラベル−TRND−B1の数値が再び‘0’に戻る際に‘1’ずつ加算され、‘11’に至った後、再び‘0’から始まって加算が繰り返される。これによって、ラベル−TRND−B1,B2の各数値範囲が同一であっても、当該ラベル−TRND−B1,B2が同期(同一の組合せで加算)するのを避けることができる。
前記ラベル−TRND−B1,B2の数値には、各数値に対応する図柄が予め割り当てられている。この実施例では、ラベル−TRND−B1,B2の各数値に対して、数値が‘0’の場合には0、‘1’の場合には1、‘2’の場合には2、‘3’の場合には3、‘4’の場合には4、‘5’の場合には5、‘6’の場合には6、‘7’の場合には7、‘8’の場合には8、‘9’の場合には9、‘10’の場合には10、‘11’の場合には11が割り当てられている。そして、前記図柄変動開始スイッチによって入賞球が検出される毎にラベル−TRND−B1,B2から取得される数値の組合せによって、外れ時に画像表示部50の左側表示領域、右側表示領域に表示される確定停止図柄が定まる。また、ラベル−TRND−B1,B2の取得数値は、メイン制御回路121のRAMに所定数、この実施例では、最大4個まで格納される。
この実施例では、ラベル−TRND−B1とB2の数値が一致しない場合には、ラベル−TRND−B1,B2の数値に割り当てられている各図柄を確定停止表示するようになっている。一方、ラベル−TRND−B1とB2の数値が一致する場合には、ラベル−TRND−B2の数値を1減算し、その値とラベル−TRND−B1の数値に割り当てられている各図柄を確定停止表示するようになっている。
ラベル−TRND−T1は、前記画像表示部50で表示される図柄の変動パターンを決定すると共に、前記ラベル−TRND−Aによる大当たり判定において大当たりとなる場合、および前記ラベル−TRND−Aによる大当たり判定において外れとなる場合において前記画像表示部50に表示される装飾図柄の種類(ここではキャラクタの種類および文字,数字の種類)と図柄の変動・停止パターンを決定するものである。また、当該ラベル−TRND−T1の数値は弾球遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、前記割り込み時間ごとに1ずつ加算され、数値が‘35’になると、再び‘0’に戻って前記加算を繰り返すようになっている。当該ラベル−TRND−T1の数値は、前記始動入賞口10への入賞球が図柄変動開始スイッチによって検出された時に取得され、最大4個が前記メイン制御回路121のRAMに格納される。
この実施例では、前記ラベル−TRND−Aによる大当り判定結果が外れとなり、前記ラベル−TRND−T1の取得数値が‘0’〜‘20’であるときには、画像表示部50で、左右の図柄が指定された変動の開始から確定停止表示までの変動時間を5秒とし、キャラクタ(装飾図柄の一種)を前記画像表示部50に表示しない表示態様1に決定される。
前記ラベル−TRND−Aによる大当り判定結果が外れとなり、ラベル−TRND−T1の取得数値が‘21’〜‘30’であるときには、画像表示部50で、左右の図柄が指定された変動の開始から確定停止表示までの変動時間を10秒とし、キャラクタ(装飾図柄の一種)として『飛行機』が前記画像表示部50に表示される表示態様2に決定される。また、前記取得数値が‘31’〜‘35’であるときには、画像表示部50で、左右の図柄が指定された変動の開始から確定停止表示までの変動時間を20秒とし、キャラクタとして『潜水艦』が前記画像表示部50に表示される表示態様3に決定される。
一方、前記ラベル−TRND−Aによる大当り判定結果が大当りとなる場合、ラベル−TRND−T1の取得数値が‘0’〜‘2’であるときには、画像表示部50で、左右の図柄が指定された変動の開始から確定停止表示までの変動時間を15秒とし、キャラクタとして『飛行機』が前記画像表示部50に表示される表示態様4に決定される。また、前記取得数値が‘3’〜‘15’であるときには、画像表示部50で、左右の図柄が指定された変動の開始から確定停止表示までの変動時間を25秒とし、キャラクタとして『潜水艦』が前記画像表示部50に表示される表示態様5に決定される。さらに、前記取得数値が‘16’〜‘35’であるときには、画像表示部50で、左右の図柄が指定された変動の開始から確定停止表示までの変動時間を35秒とし、キャラクタとして『宇宙船』が前記画像表示部50に表示される表示態様6に決定される。
ラベル−TRND−C1は、左回転部材70Aおよび右回転部材70Bの回転速度を決定するもので、弾球遊技機1の電源投入時、‘0’から始まって前記割り込み時間毎に‘1’ずつ加算され、‘9’に至った後、再び‘0’から始まって加算が繰り返される。このラベル−TRND−C1の数値は、後述のメイン処理Mにおける回転部材制御データ選択設定処理(S190)において取得される。
次に、本発明に係る弾球遊技機1において前記メイン制御回路121が行う一連の処理について、具体例を示しつつ前記カウンタとの関係から詳述する。なお、図6に示したメイン制御回路121のCPUは、割り込み時間(2msec)毎にメイン制御回路121のROMに記憶されている各プログラム(メインルーチン)を実行する。
図7のフローチャートに示すように、メイン処理Mにおいては、まず、電源投入がなされたか否かが確認されてから(S10)、初期設定(S20)、出力処理(S30)、入力処理(S40)、乱数更新処理(S50)、前記始動入賞口10への入賞確認(S60)、前記始動入賞口10への入賞による保留回数が4回となったか否かの確認(S70)、乱数取得処理(S80)、大当たり当否判定開始条件(図柄始動条件)成立の確認(S90)、大当たり当否判定処理(S100)、確定停止図柄決定処理(S110)、表示態様決定処理(S120)、権利発生入賞口開閉処理(S140)、特別装置作動処理(S150)、大入賞口閉鎖設定処理(S160)、ラウンド数決定処理(S170)、大入賞口開放設定処理(S180)、回転部材制御データ選択設定処理(S190)、回転部材作動設定処理(S200)、その他の処理(S220)が行われる。
初期設定(S20)では、スタックの設定、定数設定、CPUの設定、SIO,PIO,CTCの設定等を行う。なお、電源投入時のみに必要な処理は1順目のみに実行され、後は実行されることがない。
出力処理(S30)では、図8のフローチャートから理解されるように、後述の特別装置作動処理(S150)において特別装置作動処理(S152)がなされて特別装置が作動中であるか否かが確認され(S31)、特別装置が作動中である場合には、後述の大入賞口開放設定処理(S180)において大入賞口開放コマンド設定処理(S184)がなされて大入賞口開放コマンドが設定済であるか否かが確認される(S32)。そして、後述の回転部材制御データ選択設定処理(S190)において右低速度回転制御フラグおよび左高速度回転制御フラグを設定する処理(S197)がなされて右低速度回転制御フラグと左高速度回転制御フラグが設定済であるか否かが確認され(S33)、両速度回転制御フラグが設定済である場合には、右低速度回転制御コマンド・左高速度回転制御コマンドおよび大入賞口15の開放コマンドを出力する処理(S34)がなされる。なお、この右低速度回転制御コマンドは、右回転部材70Bが、前記球受入位置80から球開放位置85となるまでの時間が前記特典遊技が実行される所定時間(ここでは29.5秒)よりも長くする制御信号である。また、この左高速度回転制御コマンドは、左回転部材70Aが、前記球受入位置80から球開放位置85となるまでの時間が前記特典遊技が実行される所定時間(ここでは29.5秒)よりも短くする制御信号である。
それと同時に、後述の確定停止図柄決定処理(S110)において設定された確定停止図柄コマンド,変動態様決定処理(S120)において設定された表示態様のコマンド,右回転部材作動設定処理(S200A)と左回転部材作動設定処理(S200B)において設定された左右の回転部材用モータ駆動コマンドが出力されるその他のコマンド出力処理(S36)がなされる。一方、前記S33で、右低速度回転制御フラグと左高速度回転制御フラグが設定済でなければ、右高速度回転制御コマンド・左低速度回転制御コマンドおよび大入賞口15の開放コマンドを出力する処理(S35)がなされ、それと同時に前記その他のコマンド出力処理(S36)がなされる。前記各速度回転制御コマンド、確定停止図柄コマンド、表示態様コマンド、大入賞口開放コマンド等は、回転部材制御回路、表示制御回路125、中継回路等へ送信される。
入力処理(S40)では、左右の回転式入賞口21a,21bの各特別始動入賞口72、始動入賞口10、権利発生入賞口11、大入賞口15等に設けられたスイッチが遊技球を検出した場合にその検出信号に関する処理が行われる。
乱数更新処理(S50)では、図9に示すように、各カウンタ(ラベル−TRND−B2を除く。)の各数値Qn(n=1〜3,5,6)が前記所定時間毎に1ずつ加算され(S51)、前記各数値Qnが所定最大値X(ラベル−TRND−Aの場合は70、ラベル−TRND−AZ1の場合は11、ラベル−TRND−B1の場合は11、ラベル−TRND−T1の場合は35、ラベル−TRND−C1の場合は9)に至ると次に再び‘0’に戻る繰り返しを行う(S52,S53)。そして、各カウンタの更新数値がメイン制御回路121のRAMの各カウンタと対応する数値記憶エリアにそれぞれ格納される(S54)。図9中における『Qn’』は、加算(更新)される前の各カウンタの数値(前記各種の数値)を意味する。なお、ラベル−TRND−B2については、前述したようにラベル−TRND−B1と関連したタイミングで数値Q4が加算され、前記RAMの数値記憶エリアにそれぞれ記憶されるようになっている。
前記乱数更新処理(S50)の後、前記始動入賞口10に入賞があったか否かが前記図柄変動開始スイッチの検出により確認される(S60)とともに、前記画像表示部50での図柄の変動の表示中に始動入賞口10に入賞して記憶される保留回数が4回であるか否か確認される(S70)。ここで、前記始動入賞口10への入賞ありと判断されるとともに、前記保留回数が4回ではない場合、すなわち保留回数が最高回数ではない場合には、乱数取得処理(S80)、大当たり当否判定開始条件が成立しているか否かが確認される(S90)。なお、前記S60で始動入賞口10への入賞がないかまたは前記S70で保留球数が4回である場合、すなわち前記最高回数であると判断された場合には、前記大当たり当否判定開始条件が成立しているか否かの確認(S90)にジャンプする。
乱数取得処理(S80)では、図10のフローチャートから理解されるように、まず、前記ラベル−TRND−A,ラベル−TRND−AZ1,ラベル−TRND−B1およびラベル−TRND−B2,ラベル−TRND−T1,ラベル−TRND−C1の更新数値Qn(n=1〜6)が、遊技球が前記始動入賞口10に入賞し、前記図柄変動開始スイッチが入賞球を検出し、図柄の変動に関する保留回数が4以下、すなわち数値取得条件成立時(S83)に取得される(S81)。次いで、前記取得された各数値Qnを、メイン制御回路121のRAMの取得数値記憶エリアに各々記憶する(S82)。
前記乱数取得処理(S80)の後、大当たり当否判定開始条件が成立しているか否かが確認される(S90)。ここで、大当たり当否判定開始条件が成立しているとは、現在特別遊技実行中でないあるいは図柄変動中でないことをいう。そして、前記大当たり当否判定開始条件成立と判断された場合には、以降で、大当たり当否判定処理(S100)、確定停止図柄決定処理(S110)、表示態様決定処理(S120)が実行される。一方、前記S90で大当たり当否判定開始条件不成立と判断された場合には、権利発生入賞口開閉処理(S140)にジャンプする。
大当たり当否判定処理(S100)では、図11に示すように、前記ラベル−TRND−Aの取得数値Q1が当たり数値である‘5’と対比され(S101)、前記取得数値Q1が前記当たり数値であれば特別遊技実行可、つまり大当たりとなり、大当たりフラグA1が1にセットされると共に、該大当たりフラグA1(=1)がメイン制御回路121のRAM内に格納される(S102)。このように、実施例の弾球遊技機1においては、画像表示部50に当たり図柄組合せが確定停止表示される大当たりが成立する確率は1/71に設定されている。
確定停止図柄決定処理(S110)では、前記大当たり当否判定処理(S100)に基づき図柄表示装置43の画像表示部50に確定(最終)停止表示する図柄の決定が行われる。図12に示すように、この確定停止図柄決定処理(S110)では、まず、前記大当たりフラグA1の値が1か否かが判断される(S111)。該値が1と判断された場合、すなわち大当たり(特別遊技実行可)となる場合、前記ラベル−TRND−AZ1の記憶取得数値Q2が読み出され、その取得数値Q2に対して予め決められている図柄の組合せが、画像表示部50に確定停止表示される確定大当たり停止図柄組合せとして決定される(S112)。
それに対して、前記S111で大当たりフラグA1の値が1でない、すなわち前記値が0と判断され、外れと判定された場合には、前記ラベル−TRND−B1,B2の記憶取得数値Q3,Q4が読み出され、その数値Q3とQ4とが一致するか否かが判断され(S113)、数値Q3とQ4とが一致しない場合には、このラベル−TRND−B1,B2の取得数値Q3,Q4に対して予め決められている図柄が、画像表示部50の左側表示領域、右側表示領域に確定停止表示される外れ図柄として決定される(S114)。一方、前記S113でラベル−TRND−B1の取得数値Q3とラベル−TRND−B2の取得数値Q4が一致する場合には、ラベル−TRND−B2の取得数値Q4を1減算した数値に変更し、その値とラベル−TRND−B1の取得数値Q3に対して予め決められている図柄が各表示領域に確定停止表示される外れ図柄として決定される(S115)。なお、前記S112〜S115において画像表示部50に確定停止表示される図柄が決定された後、これらの決定に応じた確定停止図柄指定コマンドをメイン制御回路121のRAMに格納する確定停止図柄コマンド設定処理(S116)がなされ、確定停止図柄決定処理(S110)が終了する。
表示態様決定処理(S120)では、先に説明した大当たり当否判定処理(S100),確定停止図柄決定処理(S110)に基づいて、前記図柄表示装置43の画像表示部50における図柄の変動・停止パターンの決定、装飾図柄の種類(この実施例ではキャラクタの種類および文字,数字の種類)の決定等が行われる。
図13に示すように、この表示態様決定処理(S120)では、まず大当りフラグA1が1か否かが確認され(S121)、該大当りフラグA1が1でない場合、つまり大当り不成立となる場合、さらに前記ラベル―TRND−T1の記憶取得数値Q5が読み出され、その取得数値Q5が‘0’〜‘20’の何れかに一致するか否かが判断され(S122)、両値が一致している場合には、画像表示部50で、全図柄が指定された変動の開始から確定停止表示までの変動時間を10秒とし、キャラクタとして『飛行機』が前記画像表示部50に表示される表示態様1に決定される(S123)。また、前記取得数値Q5が‘0’〜‘20’の何れにも該当しない場合、さらに、前記取得数値Q5が‘21’〜‘30’の何れかに一致するか否かが判断され(S124)、21〜30と一致している場合には、画像表示部50で、全図柄が指定された変動の開始から確定停止表示までの変動時間を20秒とし、キャラクタとして『潜水艦』が前記画像表示部50に表示される表示態様2に決定される(S125)。一方、前記S124で前記取得数値Q5が‘21’〜‘30’の何れにも該当しない場合、すなわち前記取得数値Q5が‘31’〜‘35’の場合には、画像表示部50で、全図柄が指定された変動の開始から確定停止表示までの変動時間を30秒とし、キャラクタとして『宇宙船』が前記画像表示部50に表示される表示態様3に決定される(S126)。
これに対し、前記S121で大当りフラグA1が1、つまり大当りが成立する場合、前記ラベル―TRND−RT1の記憶取得数値Q5が読み出され、その取得数値Q5が‘0’〜‘2’の何れかに一致するか否かが判断され(S127)、両値が一致している場合には、画像表示部50で、全図柄が指定された変動の開始から確定停止表示までの変動時間を15秒とし、キャラクタとして『飛行機』が前記画像表示部50に表示される表示態様4に決定される(S128)。また、前記取得数値Q5が‘0’〜‘2’の何れにも該当しない場合、さらに、前記取得数値Q5が‘3’〜‘15’の何れかに一致するか否かが判断され(S129)、3〜15に一致している場合には、画像表示部50で、全図柄が指定された変動の開始から確定停止表示までの変動時間を25秒とし、キャラクタとして『潜水艦』が前記画像表示部50に表示される表示態様5に決定される(S130)。一方、前記S129で、前記取得数値Q5が‘3’〜‘15’の何れにも該当しない場合、すなわち、前記取得数値Q5が‘16’〜‘35’の場合には、画像表示部50で、全図柄が指定された変動の開始から確定停止表示までの変動時間を35秒とし、キャラクタとして『宇宙船』が前記画像表示部50に表示される表示態様6に決定される(S131)。なお、前記S123,S125,S126,S128,S130,S131において各表示態様が決定された後、これらの決定に応じた表示態様指定コマンドをメイン制御回路121のRAMに格納する表示態様コマンド設定処理がなされ(S132)、表示態様決定処理(S120)が終了する。
権利発生入賞口開閉処理(S140)においては、前記権利発生入賞口11の開閉板11aを開放および閉鎖する処理がなされる。図14に示すように、この権利発生入賞口開閉処理(S140)では、最初に大当たりフラグA1が1か否かが確認され(S141)、大当たりフラグA1が1の場合には、前記開閉板11aの開放を開始する時間が経過した否か、すなわち前記決定された図柄および前記決定された表示態様が前記画像表示部50で変動表示を終了したか否かが確認される(S142)。ここで、図柄および表示態様が変動表示されていない場合、つまり開閉板11aの開放時間が経過した場合には、前記権利発生入賞口11の開閉板11aを開放する権利発生入賞口開放処理がなされる(S143)とともに、前記大当たりフラグA1の値が0にリセットされる(S144)。なお、前記S141で大当たりフラグA1が1ではない場合には、後述のS145にジャンプする。
次に、前記権利発生入賞口11の開閉板11aが開放中であるか否かが確認され(S145)、開放中である場合には、前記開閉板11aを開放させる時間が終了(ここでは開閉板11aの開放から10秒経過)したか否かが確認される(S146)。ここで、開閉板11aの開放時間が終了していない場合には、前記特別装置が作動中であるか否かが確認され(S147)、特別装置が作動中である場合には、前記権利発生入賞口11の開閉板11aを閉鎖する権利発生入賞口閉鎖処理がなされる(S148)。一方、前記S146で開閉板11aを開放させる時間が終了したと判断された場合には、前記権利発生入賞口閉鎖処理がなされる(S148)。なお、前記S142で開閉板11aの開放時間が経過していない場合、前記S145で前記権利発生入賞口11の開閉板11aが開放中ではない場合、すなわち開閉板11aが閉鎖されている場合、前記S147で特別装置が作動中ではない場合には以降の処理が行われず、この権利発生入賞口開閉処理(S140)は終了する。
特別装置作動処理(S150)においては、権利発生入賞口11への入賞があると前記大入賞口15を開放する権利を発生させる特別装置の作動に関する処理がなされる。図15に示すように、この特別装置作動処理(S150)では、前記権利発生入賞口11に入賞があるか否かが確認され(S151)、前記権利発生入賞口11への入賞があると前記特別装置を作動させる特別装置作動処理がなされる(S152)。なお、前記S151で権利発生入賞口11への入賞がないと判断されると以降の処理は行われず、この特別装置作動処理(S150)は終了する。
大入賞口閉鎖設定処理(S160)においては、前記大入賞口15の開閉板61を閉鎖する処理がなされる。図16に示すように、この大入賞口閉鎖設定処理(S160)では、最初に前記大入賞口開放用ソレノイドのタイマ計測値が0より大きいか否かが確認され(S161)、このソレノイドタイマの計測値が0より大きいと判断された場合には、続いて前記入賞球数カウントスイッチで検出された入賞球数が所定個数(例えば10個)となったか否かが確認され(S162)、所定個数の入賞があったと判断された場合には、前記ソレノイドタイマの計測値を0にリセットし(S163)、前記開閉板61を閉鎖するための大入賞口閉鎖コマンド設定処理(S164)がなされる。
一方、前記S162で所定個数の入賞がないと判断された場合には、前記大入賞口開放用ソレノイドタイマの計測値が前記所定時間毎に1ずつ減算され(S165)、次にこのソレノイドタイマの計測値が0であるか否かが確認される(S166)。ここで、このソレノイドタイマの計測値が0であると判断された場合には、前記大入賞口閉鎖コマンド設定処理(S164)がなされる。なお、前記S161で前記大入賞口開放用ソレノイドのタイマ計測値が0より大きくない、すなわちこのタイマ計測値が0であると判断された場合、または前記S166でソレノイドタイマの計測値が0でないと判断された場合には以降の処理が行われず、この大入賞口閉鎖設定処理(S160)が終了する。
ラウンド数決定処理(S170)においては、前記大入賞口15の開閉板61を所定回数にわたり開閉するラウンド数を決定する処理がなされる。図17に示すように、このラウンド数決定処理(S170)では、最初に前記特別装置が作動中であるか否かが確認され(S171)、特別装置が作動中である場合には、続いて前記ラウンド数が0より大きいか否かが確認される(S172)。そして、前記ラウンド数が0より大きくない場合、すなわちラウンド数が0であると判断された場合には、前記所定最高回数であるラウンド数を10ラウンドに設定するラウンド数設定処理がなされる(S173)。
一方、前記S172でラウンド数が0より大きい場合、すなわち前記特典遊技が実行されていると判断された場合には、大入賞口閉鎖設定処理(S160)において大入賞口閉鎖コマンド設定処理(S164)がなされて大入賞口閉鎖コマンドが設定済であるか否かが確認され(S174)、大入賞口閉鎖コマンドが設定されていないと判断された場合には、前記左回転式入賞口21aまたは右回転式入賞口21bの各特別始動入賞口72に遊技球が入賞済であるか否かが確認される(S175)。そして、前記特別始動入賞口72に遊技球が入賞済であると判断された場合には、ラウンド数を1減算する処理がなされる(S176)。この処理(S176)は、前記特典遊技の実行中に遊技球が第一遊技球入球領域(ここでは左回転式入賞口21a)または第二遊技球入球領域(ここでは右回転式入賞口21b)に入球すると該実行中の特典遊技を終了させるものである。つまり、実行中のラウンドが、終了して次のラウンドに移行してしまう。また、この処理(S176)によって、ラウンド数が変化して特典遊技の継続回数を変化させることができる。なお、前記S174で大入賞口閉鎖コマンドが設定済であると判断された場合には、前記ラウンド数を1減算する処理(S176)にジャンプする。
次に、前記減算処理がなされた後のラウンド数が0となったか否かが確認され(S177)、ラウンド数が0であると判断された場合には、前記特別装置の作動を終了する処理がなされる(S178)。前記S177でラウンド数が0でないと判断された場合には、前記特別装置の作動を終了する処理がなされることなくこのラウンド数決定処理(S170)が終了する。なお、前記S171で特別装置が作動中ではないと判断された場合には以降の処理が行われず、このラウンド数決定処理(S170)は終了する。
なお、実施例の弾球遊技機1は、図2を用いて前述したように、前記遊技領域6に左右の回転部材70A,70Bよりも前記大入賞口15に遊技球を入球しやすくする遊技球流路Rが設けられている。これによって、遊技者は、遊技球が、前記特典遊技の実行中は大入賞口15に入球し、前記左回転式入賞口21aまたは右回転式入賞口21bに入球して該実行中の特典遊技が終了することを防ぐことができる。
大入賞口開放設定処理(S180)においては、前記大入賞口15の開閉板61を開放する処理がなされる。図18に示すように、この大入賞口開放設定処理(S180)では、最初に前記ラウンド数が0より大きいか否かが確認され(S181)、ラウンド数が0より大きい場合、すなわち前記特典遊技が実行されていると判断された場合には、前記特別始動入賞口72に入賞があるか否かが確認される(S182)。ここで、特別始動入賞口72への入賞があると判断された場合には、前記開閉板61を開放する大入賞口開放用ソレノイドのタイマ計測値を設定するソレノイドタイマ設定処理がなされる(S183)とともに、前記開閉板61を開放するための大入賞口開放コマンド設定処理がなされる(S184)。この実施例の計測値は所定時間(2msec)毎に1減算され、該計測値が前記開閉板61を開放する時間(例えば29.5秒)が経過した時に0となるように設定されている。なお、前記S181でラウンド数が0より大きくない場合、すなわちラウンド数が0である判断された場合、または特別始動入賞口72への入賞がないと判断された場合には以降の処理が行われず、この大入賞口開放設定処理(S180)は終了する。
回転部材制御データ選択設定処理(S190)では、前記回転速度制御データ記憶手段(ここではメイン制御回路121のROM)に記憶される複数の回転速度制御データから前記各電気的回転駆動手段(ここではモータM等)の回転速度制御用データを選択する処理がなされる。図19に示すように、この回転部材制御データ選択設定処理(S190)では、最初に前記特別装置が作動中であるか否かが確認され(S191)、特別装置が作動中である場合には、続いて前記ラウンド数が最高回数(ここでは10ラウンド)であるか否かが確認される(S192)。そして、前記ラウンド数が最高回数である場合には、右低速度回転制御フラグ・左低速度回転制御フラグ設定処理がなされる(S193)。この処理(S193)は、前記左右の回転部材70A,70Bが前記各球受入位置80から前記各球開放位置85となるまでの時間を、前記特典遊技が実行される所定時間(ここでは29.5秒)よりも長くする設定を行うものである。この処理(S193)によって、1ラウンド目の特典遊技の実行時は、左右の回転部材70A,70Bが前記各球受入位置80から前記各球開放位置85となるまでの時間を、前記特典遊技が実行される所定時間(ここでは29.5秒)よりも長くする設定がなされる。
一方、前記S192で前記ラウンド数が最高回数ではないと判断された場合には、前記大入賞口開放コマンドが設定済であるか否かが確認され(S194)、大入賞口閉鎖コマンドが設定済であると判断された場合には、前記ラベル―TRND−C1の数値の取得および該取得数値Q6を前記メイン制御回路121のRAMの数値記憶エリアに記憶する回転部材制御乱数取得処理がなされる(S195)。この処理(S195)の後には、前記ラベル―TRND−C1の記憶取得数値Q6が読み出され(S196)、その取得数値が‘0’,‘2’,‘4’,‘6’,‘8’のいずれかの偶数である場合、すなわち前記右回転部材70Bが前記球受入位置80から前記球開放位置85となるまでの時間を、前記特典遊技が実行される所定時間よりも長くする場合には、右低速度回転制御フラグ・左高速度回転制御フラグ設定処理がなされる(S197)。この処理(S197)では、前記右回転部材70Bの回転制御に加え、前記左回転部材70Aが前記球受入位置80から前記球開放位置85となるまでの時間を、前記特典遊技が実行される所定時間よりも短くする設定がなされる。
また、前記S195で記憶取得数値Q6が前記偶数ではない場合、すなわち‘1’,‘3’,‘5’,‘7’,‘9’のいずれかの奇数である場合、すなわち前記右回転部材70Bが前記球受入位置80から前記球開放位置85となるまでの時間を、前記特典遊技が実行される所定時間よりも短くする場合には、右高速度回転制御フラグ・左低速度回転制御フラグ設定処理がなされる(S198)。この処理(S198)では、前記右回転部材70Bの回転制御に加え、前記左回転部材70Aが前記球受入位置80から前記球開放位置85となるまでの時間を、前記特典遊技が実行される所定時間よりも長くする設定がなされる。
回転部材作動設定処理(S200)においては、前記第一電気的回転駆動手段(ここではモータM)および第二電気的回転駆動手段(ここではモータM2)が、前記各回転駆動体位置認識手段(ここではフォトセンサ91,切欠部92,開口部93)により前記各回転駆動体(ここでは左右の回転部材70A,70B)があらかじめ定められた特定位置となったことを認識したときから前記回転速度制御データ選択手段(ここではメイン制御回路121)により選択された回転速度制御データに基づいて前記各回転駆動体の回転を制御する処理がなされる。なお、前記各回転駆動体(ここでは左右の回転部材70A,70B)の特定位置は、該各回転駆動体が前記各球受入位置から前記各球開放位置へ回転するまでの位置である。
また、回転部材作動設定処理(S200)においては、前記各回転駆動体(ここでは左右の回転部材70A,70B)の回転速度を変化させる位置が、該各回転駆動体が前記各球受入位置から前記各球開放位置へ回転するまでの位置となるような処理がなされる。
図20に示すように、右回転部材作動設定処理(S200A)においては、最初に前記特別装置が作動中であるか否かが確認され(S201A)、特別装置が作動中である場合には、続いて前記フォトセンサ91によって前記右回転部材70Bの凹設部71Bが球開放位置85(前記特定位置)にあることが検出されたか否かが確認される(S202A)。そして、球開放位置85にあることが検出されなかった場合には、前記フォトセンサ91によって前記右回転部材70Bの凹設部71Bが球受入位置80(前記特定位置)にあることが検出されたか否かが確認され(S203A)、球受入位置80にあることが検出された場合には、前記右高速度回転制御フラグが設定済であるか否かが確認される(S204A)。そして、この右高速回転制御フラグが設定済であると判断された場合には、高速度回転制御データ選択処理がなされる(S205A)。この処理(S205A)は、前記第二電気的回転駆動手段(ここではモータM2)により回転する第二回転駆動体(ここでは右回転部材70B)が、前記球受入位置80から前記球開放位置85となるまでの時間が前記特定遊技が実行される所定時間よりも短くなる回転速度制御データを選択する処理である。
また、前記S204Aで右高速度回転制御フラグが設定済ではないと判断された場合には、低速度回転制御データ選択処理がなされる(S206A)。この処理(S206A)は、前記第二電気的回転駆動手段(ここではモータM2)により回転する第二回転駆動体(ここでは右回転部材70B)が、前記球受入位置80から前記球開放位置85となるまでの時間が前記特定遊技が実行される所定時間よりも長くなる回転速度制御データを選択する処理である。なお、前記S203Aで球受入位置80にあることが検出されなかった場合には以降の処理が行われず、この右回転部材作動設定処理(S200A)は終了する。
一方、前記S202Aで前記フォトセンサ91によって前記右回転部材70Bの凹設部71Bが球開放位置85(前記特定位置)にあることが検出された場合には、前記右高速度回転制御フラグが設定済であるか否かが確認される(S207A)。そして、この右高速回転制御フラグが設定済ではないと判断された場合には、上述した高速度回転制御データ選択処理がなされる(S208A)。また、前記S207Aで右高速度回転制御フラグが設定済であると判断された場合には、上述した低速度回転制御データ選択処理がなされる(S209A)。なお、前記S201Aで特別装置が作動中ではないと判断された場合には、上述した低速度回転制御データ選択処理がなされる(S210A)。前記S205A,S206A,S208A〜S210Aにおいて各回転速度制御データが選択された後、これらの選択に応じた右回転部材用モータ駆動コマンドをメイン制御回路121のRAMに格納する右回転部材用モータ駆動コマンド設定処理がなされ(S211A)、右回転部材作動設定処理(S200A)が終了する。
図21に示すように、左回転部材作動設定処理(S200B)においては、最初に前記特別装置が作動中であるか否かが確認され(S201B)、特別装置が作動中である場合には、続いて前記フォトセンサ91によって前記左回転部材70Aの凹設部71Aが球開放位置85(前記特定位置)にあることが検出されたか否かが確認される(S202B)。そして、球開放位置85にあることが検出されなかった場合には、前記フォトセンサ91によって前記左回転部材70Aの凹設部71Aが球受入位置80(前記特定位置)にあることが検出されたか否かが確認され(S203B)、球受入位置80にあることが検出された場合には、前記左高速度回転制御フラグが設定済であるか否かが確認される(S204B)。そして、この左高速度回転制御フラグが設定済であると判断された場合には、高速度回転制御データ選択処理がなされる(S205B)。この処理(S205B)は、前記第一電気的回転駆動手段(ここではモータM)により回転する第一回転駆動体(ここでは左回転部材70A)が、前記球受入位置80から前記球開放位置85となるまでの時間が前記特定遊技が実行される所定時間よりも短くなる回転速度制御データを選択する処理である。
また、前記S204Bで左高速度回転制御フラグが設定済ではないと判断された場合には、低速度回転制御データ選択処理がなされる(S206B)。この処理(S206B)は、前記第一電気的回転駆動手段(ここではモータM)により回転する第一回転駆動体(ここでは左回転部材70A)が、前記球受入位置80から前記球開放位置85となるまでの時間が前記特定遊技が実行される所定時間よりも長くなる回転速度制御データを選択する処理である。なお、前記S203Bで球受入位置80にあることが検出されなかった場合には以降の処理が行われず、この左回転部材作動設定処理(S200B)は終了する。
一方、前記S202Bで前記フォトセンサ91によって前記左回転部材70Aの凹設部71Aが球開放位置85(前記特定位置)にあることが検出された場合には、前記左高速度回転制御フラグが設定済であるか否かが確認される(S207B)。そして、この左高速度回転制御フラグが設定済ではないと判断された場合には、上述した高速度回転制御データ選択処理がなされる(S208B)。また、前記S207Bで左高速度回転制御フラグが設定済であると判断された場合には、上述した低速度回転制御データ選択処理がなされる(S209B)。なお、前記S201Bで特別装置が作動中ではないと判断された場合には、上述した低速度回転制御データ選択処理がなされる(S210B)。前記S205B,S206B,S208B〜S210Bにおいて各回転速度制御データが選択された後、これらの選択に応じた左回転部材用モータ駆動コマンドをメイン制御回路121のRAMに格納する左回転部材用モータ駆動コマンド設定処理がなされ(S211B)、左回転部材作動設定処理(S200B)が終了する。
上述の右回転部材作動設定処理(S200A)と左回転部材作動設定処理(S200B)は、前記左右の回転部材70A,70Bの回転速度を変化させる位置が、該左右の回転部材70A,70Bが前記各球受入位置80から前記各球開放位置85へ回転するまでの位置となるようにする。これによって、遊技球を各回転部材70A,70Bに打ち込む前に、該各回転部材70A,70Bの回転速度を変化させる位置が遊技者に知られることがなく、遊技の趣向性を高めることができる。
この右回転部材作動設定処理(S200A)における高速度回転制御データ選択処理および低速度回転制御データ選択処理は、前記左回転部材作動設定処理(S200B)における高速度回転制御データ選択処理および低速度回転制御データ選択処理と同一の処理を行う。例えば、右回転部材作動設定処理(S200A)において高速度回転制御データ選択処理がなされるとともに左回転部材作動設定処理(S200B)において低速度制御回転データ選択処理がなされた場合であっても、両回転部材70A,70Bの回転が終了したときは、両回転部材70A,70Bを前記各球受入位置80となるようにすることができる。
さらに、メイン処理Mにおいては、上述した各処理の他、遊技状態時に必要となるその他の処理(S220)、例えば、エラーの処理等が行われて爾後の処理に備えて待機状態となる等の処理が行われる。なお、メイン処理Mにおいて利用されるフラグ、コマンド等は、一連の遊技動作の終了後等に、出力処理やその他の処理等で適宜クリアされる。
この実施例の前記表示制御回路125に設けられるカウンタは、ラベル−TRND−D1である。このラベル−TRND−D1の数値は表示制御回路125のRAMに格納される。なお、この表示制御回路125のRAMに記憶された数値は、この数値に関する一連の遊技動作処理後、クリア処理される。前記カウンタの作動については次に示す。
ラベル−TRND−D1は、大当たり時、遊技者に、画像表示部50に前記低速度回転制御データに基づいて制御される前記左右の回転部材70A,70Bが設けられた前記左右の回転式入賞口21a,21bを形成する各凹設部71A,71Bに遊技球を打ち込むことを報知する回数を決定するものである。このラベル−TRND−D1は、弾球遊技機1の電源投入時、‘0’から始まって前記割り込み時間毎に‘1’ずつ加算され、‘50’に至った後、再び‘0’から始まって加算が繰り返される。このラベル−TRND−D1の数値は、後述のサブ処理Sにおけるコマンド受信処理(S340)において取得され、予め決定されている所定値、この実施例では‘1’,‘3’,‘11’と対比されて前記画像表示部50での報知を行う否かを判断するものである。
次に、前記メイン制御回路121から送信されるコマンドに基づいて表示制御回路125が行う一連の処理であるサブ処理Sについて、具体例を示しつつ詳述する。なお、図6に示した表示制御回路125のCPUは、所定の割り込み時間(2msec)毎に表示制御回路125のROMに記憶されている各プログラムを実行する。なお、この表示制御回路125のRAMは、この発明の報知回数記憶手段に相当する。
図22のフローチャートに示すように、サブ処理Sにおいては、まず、電源投入がなされたか否かが確認されてから(S310)、初期設定(S320)、乱数更新処理(S330)、コマンド受信処理(S340)、回転速度制御データ報知設定処理(S360)、画像データ作成処理(S370)、VDP出力処理(S380)、表示処理(S390)、その他の処理(S400)が行われる。
初期設定(S320)においては、スタックの設定、定数設定、CPUの設定、SIO,PIO,CTCの設定等を行う。なお、電源投入時のみに必要な処理は1順目のみに実行され、後は実行されることがない。
乱数更新処理(S330)においては、前記メイン処理Mの乱数更新処理(S50)と同様に、ラベル−TRND−D1の数値Q7が前記所定時間毎に1ずつ加算され、前記数値Q7が50に至ると次に再び‘0’に戻る繰り返しを行う。
コマンド受信処理(S340)においては、前記メイン処理Mの出力処理(S30)で表示制御回路125に向けて出力された図柄表示装置43の画像表示部50に確定停止表示する図柄の決定等に応じた前記確定停止図柄コマンド、前記画像表示部50に表示する図柄の変動・停止パターンの決定,装飾図柄の種類(この実施例ではキャラクタの種類および文字,数字の種類)の決定等に応じた表示態様コマンド、前記大入賞口15の開閉板61を閉鎖するための大入賞口閉鎖コマンド等を、前記表示制御回路125に受信する処理がなされる。
このコマンド受信処理(S340)においては、前記回転速度制御データ選択手段(ここでは、前記メイン制御回路121)により選択された回転速度制御データを報知するか否かを決定する報知抽選用データ(ここでは、前記ラベル−TRND−D1の取得数値)が用いられる。また、この処理(S340)では、前記回転速度制御データ選択手段により選択された回転速度制御データの報知回数を記憶する処理(ここでは、後述の報知回数設定処理(S350))がなされる。
図23および図24に示すように、このコマンド受信処理(S340)においては、最初に前記確定停止図柄のコマンド等を受信したか否かが確認され(S341)、このコマンド等を受信した場合には、続いて前記大入賞口開放コマンドを受信したか否かが確認される(S342)。そして、前記大入賞口開放コマンドを受信していないと判断した場合には、前記確定停止図柄コマンドおよび表示態様コマンドを受信したか否かが確認され(S343)、両コマンドを受信した場合には、該コマンドにより指定された確定停止図柄データ・表示態様データを表示制御回路125のRAMに設定する確定停止図柄データ・表示態様データ設定処理がなされる(S344)とともに、確定停止表示フラグ・表示態様フラグを前記RAMに設定する処理がなされる(S345)。
次に、前記メイン処理Mの表示態様決定処理(S120)で前記表示態様が表示態様4,5,6のいずれかの態様、すなわち大当たりが成立した場合の表示態様であるか否かが確認され(S346)、表示態様4,5,6のいずれかに決定されている場合には、遊技者に、遊技球を前記左右の回転式入賞口21a,21bを形成する各凹設部71A,71Bに打ち込むことを報知する回数が0となったか否かが確認される(S347)。そして、この報知回数が0、すなわち前記回転速度制御データの報知回数が前記RAMに記憶されていないと判断された場合には、前記ラベル−TRND−D1の数値Q7の取得および該取得数値Q7を前記RAMに記憶する乱数取得処理がなされる(S348)。この処理(S348)の後には、前記ラベル−TRND−D1の記憶取得数値Q7が読み出され(S349)、その取得数値が‘1’,‘3’,‘11’のいずれかである場合には、報知回数設定処理がなされる(S350)。この処理(S350)では、前記記憶取得数値Q7が‘1’である場合には前記報知回数を15回、前記記憶取得数値Q7が‘3’または‘11’である場合には前記報知回数を1回にそれぞれ前記RAMに設定する処理がなされる。この報知回数が15回に設定されると、前記左右の回転式入賞口21a,21bを形成する各凹設部71A,71Bに遊技球を打ち込むことが、15回継続して各回の大当たり状態時に前記画像表示部50に報知される。
また、前記S347で報知回数が0ではない、すなわち報知回数が設定されていると判断された場合には、この報知回数が1減算される(S351)。なお、前記S341で確定停止図柄のコマンド等を受信していないと判断した場合、前記S346で表示態様4,5,6のいずれにも決定されていないと判断した場合、前記S349で前記記憶取得数値Q7が‘1’,‘3’,‘11’のいずれでもないと判断した場合には以降の処理が行われず、このコマンド受信処理(S340)が終了する。
一方、前記S343で確定停止図柄コマンドおよび表示態様コマンドを受信していないと判断した場合には、確定停止図柄コマンドを受信したか否かが確認され(S352)、確定停止図柄コマンドを受信したと判断した場合には、該コマンドにより指定された確定停止図柄データを表示制御回路125のRAMに設定する確定停止図柄データ設定処理がなされる(S353)とともに、確定停止表示フラグを前記RAMに設定する処理がなされる(S354)。これに対し、前記S352で確定停止図柄コマンドを受信していないと判断した場合には、前記図柄変動数記憶部への保留回数の表示コマンドにより指定されたデータ等を前記RAMに設定するその他データ設定処理がなされる(S355)。
なお、前記S342で前記大入賞口開放コマンドを受信していると判断した場合には、前記メイン処理Mの出力処理(S30)で表示制御回路125に向けて出力された前記各速度回転制御コマンドにより指定された回転速度制御コマンドを、該表示制御回路125のRAMに設定する回転速度制御コマンド設定処理(S356)がなされる。
回転速度制御データ報知設定処理(S360)においては、前記報知抽選用データ(ここでは、前記ラベル−TRND−D1の取得数値)の抽選結果に基づいて回転速度制御データを報知する設定がなされる。また、この処理(S360)においては、前記報知回数記憶手段(ここでは、表示制御回路125のRAM)から前記報知回数を読み出すとともに該報知回数に基づいて前記回転速度制御データ選択手段(ここではメイン制御回路121)により選択された回転速度制御データを報知する設定がなされる。
図25に示すように、この回転速度制御データ報知設定処理(S360)においては、最初に報知回数が0より大きいか否か、すなわち前記表示制御回路125のRAMに前記報知回数が設定されているか否かが確認される(S361)。ここで、報知回数が設定されていると判断された場合には、大入賞口開放コマンドを受信したか否かが確認され(S362)、この大入賞口開放コマンドを受信した場合には、前記コマンド受信処理(S340)で設定された回転速度制御コマンドにより指定された報知態様を設定する回転速度制御データ報知態様設定処理がなされる(S363)。
画像データ作成処理(S370)においては、前記確定停止図柄コマンド、表示態様コマンド、回転速度制御コマンド等に基づいて表示制御回路125のROMから必要なデータを読み出し、前記確定停止図柄や背景,キャラクタ,文字等の装飾図柄等の画像データを作成する処理がなされる。
VDP出力処理(S380)においては、前記画像データ作成処理(S370)において作成された画像データに基づくRGB信号および複合同期信号SYNCを前記表示装置9の図柄表示装置43に送信する処理がなされる。
表示処理(S390)においては、前記VDP出力処理(S380)で前記図柄表示装置43に送信されたRGB信号および複合同期信号SYNCに基づいて前記画像表示部50に画像を表示する。この処理(S390)においては、前記回転速度制御データ報知手段(ここでは図柄表示装置43)によって前記回転速度制御データ選択手段によりいずれの回転速度制御データが選択されたかを報知する。この回転速度制御データを報知する具体例は、図26および図27を用いて後述する。
さらに、サブ処理Sにおいては、上述した各処理の他、遊技状態時に必要となるその他の処理(S400)、例えば、前記確定停止表示フラグ等の各種フラグを一連の遊技動作終了後にクリアする処理、エラーの処理等が行われて爾後の処理に備えて待機状態となる等の処理が行われる。
前記表示処理(S390)による図柄表示装置43の画像表示部50に表示される表示画像の第1具体例として、前記表示態様4が選択された場合の表示画像を、図26および図27を用いて説明する。この具体例では、前記始動入賞口10に遊技球が入賞すると、図示しないが、前記図柄表示装置43の画像表示部50の左側表示領域、右側表示領域で各図柄のスクロール(この具体例では縦スクロール)変動を開始する。その後、前記メイン処理Mの大当たり当否判定処理(S100)で大当たりとなる場合には、前記スクロール変動から所定時間経過した後、図26に示すように、前記左側表示領域の左図柄ZL、右側表示領域の右図柄ZRの順に、前記メイン処理Mの確定停止図柄決定処理(S110)により決定された図柄(ここでは‘3’の大当たり図柄組合せ)でスクロール変動が終了し、左図柄ZLおよび右図柄ZRが確定停止表示され該左図柄ZLの下方に「大当たり」の文字が表示されるとともに、前記画像表示部50に、図示しない『飛行機』のキャラクタが表示される。また、回転速度制御データを報知する際には、前記サブ処理Sの回転速度制御データ報知設定処理(S360)での回転速度制御データ報知態様設定処理(S363)により、「右に打て」の文字と右方向の矢印とを画像表示部50に表示して遊技者に前記右回転式入賞口21bを形成する凹設部71Bに遊技球を打ち込むことを報知する。この具体例では、この「右に打て」の文字と右方向の矢印とを表示することが、前記回転速度制御データ(ここでは前記右回転部材70Bの低速度回転制御データ・左回転部材70Aの高速度回転制御データ)を報知することである。なお、凹設部71Bに打ち込まれた遊技球が特別始動入賞口72の入賞球検出スイッチで検出されると前記大当たり状態に移行する。
第2具体例は、前記メイン処理Mの確定停止図柄決定処理(S110)により決定された図柄(ここでは‘6’の大当たり図柄組合せ)でスクロール変動が終了し、左図柄ZLおよび右図柄ZRが確定停止表示され該左図柄ZLの下方に「大当たり」の文字が表示されるとともに、前記画像表示部50に、図示しない『飛行機』のキャラクタが表示される。その際、前記サブ処理Sの回転速度制御データ報知設定処理(S360)での回転速度制御データ報知態様設定処理(S363)により、「左に打て」の文字と左方向の矢印とを画像表示部50に表示して遊技者に前記左回転式入賞口21aを形成する凹設部71Aに遊技球を打ち込むことを報知する。この具体例では、この「左に打て」の文字と左方向の矢印とを表示することが、前記回転速度制御データ(ここでは前記左回転部材70Aの低速度回転制御データ・右回転部材70Bの高速度回転制御データ)を報知することである。なお、凹設部71Aに打ち込まれた遊技球が特別始動入賞口72の入賞球検出スイッチで検出されると前記大当たり状態に移行する。
第1および第2具体例に示す回転速度制御データ(前記低速度回転速度制御データおよび高速度回転速度制御データ)の報知は、前記報知抽選用データの抽選結果、つまり前記サブ処理Sのコマンド受信処理(S340)での取得数値Q7の対比結果によって行われる場合と行われない場合がある。この報知が行われる場合には、遊技者は、遊技球が前記報知がなされた回転式入賞口21a等の特別始動入賞口72に入賞するとラウンドを有効にして遊技をすることができ、遊技の有効性を向上させることができる。一方、この報知が行われない場合には、遊技者は、遊技球を左右いずれの回転式入賞口に向けて発射するかを楽しみながら遊技を行うことができる。この報知が行われる場合と行われない場合とでは、遊技者に異なる遊技を提供することができる。
また、第1および第2具体例に示す回転速度制御データ(前記低速度回転速度制御データおよび高速度回転制御データ)の報知は、前記サブ処理Sのコマンド受信処理(S340)での前記記憶取得数値Q7によって定められた報知回数(15回または1回)に基づいて行われる。この報知回数が多い場合には、ラウンドが有効に継続する可能性が高まり遊技の有効性が向上するので、遊技者が報知される回数に興味を抱くという新たな趣向を提供することができる。
図2を用いて前述したように、実施例の弾球遊技機1は、前記左回転部材70Aと右回転部材70Bが前記遊技領域6の左端と右端にそれぞれ設けられている。これによって、遊技者は、遊技球を左回転部材70Aもしくは右回転部材70Bに打ち分けて該遊技球を打ち込むことの報知が行われていない回転部材へ打ち込むことを防ぎ、遊技の有効性が低下することを防止することができる。
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の一部を適宜に変更して実施することができる。上記実施例では、前記回転部材作動設定処理(S200)における高速度回転制御データ選択設定処理が、前記モータM等により回転する左右の回転部材70A,70Bが、前記各球受入位置80から前記各球開放位置85となるまでの時間が前記特定遊技が実行される所定時間よりも短くなる回転速度制御データを選択するものであるが、これに限定されない。例えば、前記高速度回転制御データ選択設定処理が、前記モータM等により回転する左右の回転部材70A,70Bが、前記各球受入位置80から前記各球開放位置85となるまでの時間が前記特定遊技が実行される所定時間と同じになる回転速度制御データを選択するものであってもよい。
また、上記実施例では、「右に打て」の文字と右方向の矢印等を画像表示部50に表示して遊技者に右回転式入賞口21bを形成する凹設部71B等に遊技球を打ち込むことを報知しているが、これに限定されない。例えば、音声を前記スピーカ37から発することやランプ表示器35,36の発光態様等によって、遊技者に右回転式入賞口21bを形成する凹設部71B等に遊技球を打ち込むことを報知してもよい。
さらに、上記実施例の弾球遊技機1は、特典遊技の実行中に遊技球が左回転式入賞口21aまたは右回転式入賞口21bの各特別始動入賞口72に入賞するとラウンド数を1減算する処理を行うが、この例に限定されない。例えば、前記特典遊技の実行中に遊技球が前記各特別始動入賞口72に入賞したときは、弾球遊技機1が、ラウンド数を1減算する処理に代えてもしくは前記減算処理に加えて大入賞口15を閉鎖する処理を行うようにしてもよい。
前記フォトセンサ91の配置は、上記実施例に限定されず、各回転部材70A,70Bがあらかじめ定められた特定位置となったことを認識することができるように適宜に定めることができる。