JP4269205B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、図柄変動を保留可能な遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機の一つであるパチンコ機の中には、パチンコ球が始動口に入賞すると液晶表示装置で図柄変動を始め、例えば「777」等のように特定の図柄パターンが表示されると大当たり遊技を行うものがある。ここで「図柄変動」は後述するように図柄群を用いた変動であり、「大当たり遊技」は大入賞口を例えば15回開閉して入賞機会を与える遊技である。始動口入賞によって始めた図柄変動を終えるには時間がかかるため、変動途中に別個のパチンコ球が始動口に入賞することがある。この例ではすぐに図柄変動を始められないので、現在行なっている図柄変動を終えた後に次回の図柄変動を可能にするべく保留機能を備える。
ところで、保留機能によって保留可能な保留数は上限値(現時点では4)を超えることができず、せっかく入賞できたとしても上限値を超過した超過分については図柄変動が行われなかった。こうした措置はパチンコ遊技に対する遊技者の遊技意欲を低下させるので、上限値の撤廃が要請されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、単に上限値を撤廃しただけでは、保留数が多くなるにつれて遊技者はパチンコ球を発射させなくなる傾向が強くなる。そのためパチンコ機の稼働率が低下してしまい、遊技場(ホール)側にとって不利益になる。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、遊技者の遊技意欲を向上させ、かつ遊技場側に過度の不利益とならないように保留数の計数範囲を弾力的に変化させ得る遊技機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段1】
課題を解決するための手段1は、第1図柄と第2図柄とで図柄群を構成し、検出器が遊技球を検出したことを契機として表示装置で前記図柄群を用いて図柄変動を開始し、図柄変動を開始不能な期間中に前記検出器が遊技球を検出すると図柄変動を保留し、実行中の図柄変動を終えると保留していた図柄変動を消化し、前記表示装置で前記第1図柄が第1表示態様になると遊技者に有利な遊技状態にするように構成した遊技機において、図柄変動を保留するごとに保留数を増やし、図柄変動を始めるごとに前記保留数を減らす計数手段と、前記表示装置に表示された前記第2図柄が第2表示態様になると、前記計数手段による保留数の計数範囲を変化させる範囲変更手段とを有する遊技機である。ここで、解決手段1に記載した用語については以下のように解釈する。当該解釈は他の請求項および発明の詳細な説明についても同様である。
(1)「図柄変動」は、図柄群を用いて変動を行うことを意味する。当該図柄群はほぼ同じ図柄または異なる図柄を任意に複数個で構成したものであって、第1図柄と第2図柄とからなる。第1図柄と第2図柄は互いに異なる図柄であって、例えば文字(英数字や漢字等),記号,符号,図形(キャラクタ等),映像などからなる特別図柄,普通図柄,装飾図柄(背景図柄)等が該当し、静止画であってもよく、アニメーション等の動画であってもよい。なお単に「図柄」というときは、第1図柄および第2図柄のいずれか一方または双方を意味する。
(2)「保留数」は、図柄変動を開始不能な期間中(例えば図柄変動中や大当たり遊技中等)において、検出器が遊技球を検出することを契機として保留された図柄変動の数量を意味する。
(3)「第1表示態様」と「第2表示態様」は互いに異なる表示態様であって、遊技機の種類,日時,遊技状態等に応じて適切に設定する。第1表示態様と第2表示態様は、それぞれ例えば特定の図柄や特定の図柄パターン等が該当する。
【0005】
当該手段1によれば図1に模式的に示すように、遊技機は第1図柄2aと第2図柄2bとで図柄群を構成し、検出器1が遊技球Bを検出したことを契機として表示装置2で図柄群を用いて図柄変動を開始し、図柄変動を開始不能な期間中に検出器1が遊技球Bを検出すると図柄変動を保留し、実行中の図柄変動を終えると保留していた図柄変動を消化し、表示装置2で第1図柄2aが第1表示態様になると遊技者に有利な遊技状態(例えば大当たり遊技の実現等)にするように構成する。さらに、図柄変動を保留するごとに保留数3を増やす一方で図柄変動を始めるごとに保留数3を減らす計数手段と、表示装置2に表示された第2図柄2bが第2表示態様になると計数手段4による保留数3の計数範囲5(例えば上限値および下限値の一方または双方)を変化させる範囲変更手段6とを備える。
【0006】
図1の例で示す第2表示態様は、「+2」の内容を意味する三個の第2図柄2bが有効ラインL上に揃ったことである。有効ラインLは通常表示しないので、図1では破線で図示する。本例では、例えば計数範囲5の上限値を「+2」だけ広げる。このようにして保留数3の計数範囲5が変化すると、従来では入賞しても保留されなかった図柄変動が保留されるようになる。よって従来よりは多くの図柄変動が実行され得るので、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。その一方で当該計数範囲5を変化させるのは、第2表示態様の第2図柄2bが表示装置2に表示された場合に限られる。よって計数範囲5が無制限に変化するのではないので、遊技場側に過度の不利益とはならない。
【0007】
【課題を解決するための手段2】
課題を解決するための手段2は、検出器が遊技球を検出したことを契機として表示装置で図柄変動を開始し、図柄変動を開始不能な期間中に前記検出器が遊技球を検出すると図柄変動を保留し、実行中の図柄変動を終えると保留していた図柄変動を消化し、前記表示装置で図柄が特定の表示態様になると遊技者に有利な遊技状態にするように構成した遊技機において、図柄変動を保留するごとに保留数を増やし、図柄変動を始めるごとに前記保留数を減らす計数手段と、前記表示装置に表示された前記特定の表示態様以外の図柄の表示態様に応じて、前記計数手段による保留数の計数範囲を変化させる範囲変更手段とを有する遊技機である。ここで、解決手段2に記載した用語の「特定の表示態様」は上述した第1表示態様等と同様に遊技機の種類,日時,遊技状態等に応じて適切に設定し、例えば特定の図柄や特定の図柄パターン等が該当する。当該解釈は他の請求項および発明の詳細な説明についても同様である。
【0008】
当該手段2によれば、検出器1が遊技球Bを検出したことを契機として表示装置2で図柄変動を開始し、図柄変動を開始不能な期間中に検出器1が遊技球Bを検出すると図柄変動を保留し、実行中の図柄変動を終えると保留していた図柄変動を消化し、表示装置2で図柄が特定の表示態様になると遊技者に有利な遊技状態にするように構成する。さらに、図柄変動を保留するごとに保留数3を増やし図柄変動を始めるごとに保留数3を減らす計数手段4と、表示装置2に表示された特定の表示態様以外の図柄の表示態様(例えばハズレ図柄等)に応じて計数手段4による保留数3の計数範囲5を変化させる範囲変更手段6とを備える。
【0009】
範囲変更手段6は、例えば有効ライン上に揃った第1図柄2aのパターンが[337]や[557]ならば上限値を1だけ増やし、[737]や[757]ならば上限値を2だけ増やす。その一方で、例えば第1図柄2aのパターンが[449]や[388]ならば上限値を1だけ減らし、[494]や[838]ならば上限値を2だけ減らす。このように保留数3の計数範囲5が変化すると、従来では入賞しても保留されなかった図柄変動が保留されるようになる。よって従来よりは多くの図柄変動が実行され得るので、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。その一方で当該計数範囲を変化させるのは、特定の表示態様以外の図柄の表示態様が表示装置2に表示された場合に限られる。よって無制限に計数範囲5が変化するのではないので、遊技場側に過度の不利益とはならない。
【0010】
【課題を解決するための手段3】
課題を解決するための手段3によれば、範囲変更手段6は表示装置2に表示された表示態様の内容に応じて、変化させる保留数3の計数範囲5を異ならせる。すなわち、当該計数範囲5がどれだけ変化するかは表示態様の内容次第である。図1の例では第2図柄2bの内容が「+2」であるので、例えば上限値を2だけ増やす。よって、どのような表示態様が表示装置2に表示されるのかを期待する期待感を遊技者に与えることができる。
【0011】
【課題を解決するための手段4】
課題を解決するための手段4によれば、範囲変更手段6は、表示装置2に表示された二以上の図柄に基づいて演算(四則演算や関数演算等)を行い、その演算結果に従って保留数3の計数範囲5を変化させる。すなわち増減値からなる図柄(図1の例では第2図柄2b)を用いた演算や、図柄で示す数値と演算子(+,−,×,÷等)とからなる演算などを行い、その演算結果に従って計数範囲5が変化する。よって表示装置2にどのような図柄が表示されるのかだけでなく、どのような増減値や演算子等が表示されるかによっても演算結果が異なってくるので、より有利な演算結果になることを期待する期待感を遊技者に与えることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔実施の形態1〕
実施の形態1は遊技機の一つであるパチンコ機に本発明を適用し、大当たり図柄を構成し得る図柄に基づいて保留数の計数範囲を変化させる例である。当該実施の形態1は、図2〜図9を参照しながら説明する。
【0013】
まず図2は、カードユニット10(CRユニット)およびパチンコ機12の外観を正面図で示す。カードユニット10は、記録媒体(例えば磁気カードやICカード等)に記録された残高情報(有価価値情報)が入出力であって、当該残高情報の範囲内で遊技者が望む金額分に対応するパチンコ球(遊技球,遊技媒体)の貸し出しが指示可能に構成する。なお、カードユニット10の具体的な構成や作動等については周知の構成と同様であるので、図示および説明を省略する。
【0014】
パチンコ機12の遊技盤14には、通過するパチンコ球を検出するゲートセンサ54を有するゲート56、入賞したパチンコ球を検出する始動口センサ48を有する始動口24、ソレノイド46で開閉可能な開閉蓋28を有する大入賞口26、保留数表示器50,52,58や液晶表示器22等を有する複合役物装置16、例えばそれぞれハート形状に形成した複数の表示器を有する報知装置20、その他に一般の入賞口や風車,障害釘などを適宜に配置している。
ここで、大入賞口26は上述した開閉蓋28の他に、パチンコ球が大入賞口開放期間(例えば20秒間)内に入賞すると大当たり遊技状態を所要回数(例えば16回)内で継続可能なVゾーン(特別領域)や、当該Vゾーンに入ったパチンコ球を検出するVセンサ62等を備える。
【0015】
複合役物装置16は、普通図柄の図柄変動や特別図柄の図柄変動等を表示可能な液晶表示器22(表示装置2)、特別保留数(特別図柄にかかる図柄変動の保留数;保留数3)を表示する保留数表示器50,52、普通保留数(普通図柄にかかる図柄変動の保留数)を表示する保留数表示器58等を有する。特別図柄の図柄変動で用いる図柄は、例えば1から9までの数字を表す図柄で構成する。
保留数表示器50,52と保留数表示器58はそれぞれが所定個数(例えば4個や9個等)の発光体からなり、二色以上(赤色,緑色等)で発光可能なLEDで構成する。保留数表示器50,52は例えばハート形状に点灯可能に構成し、保留数表示器58は例えば星状に点灯可能に構成する。上述したLEDに代えて、電球,ランプ,セグメント素子,プラズマ表示器等を任意に用いてもよい。
【0016】
パチンコ球がゲート56を通過すると、液晶表示器22の特定領域22aで普通図柄の図柄変動等を表示する。当該普通図柄の図柄変動等は、液晶表示器22とは別体に遊技盤14に備えた普通図柄表示器(例えばセグメント素子,複数色を発光可能なダイオード等)で表示する構成としてもよい。普通図柄を変動し始めてから所要期間(例えば10秒間)を経過すると停止し、普通図柄が当たり態様になると、始動口24の可動片49(いわゆるチューリップ)を所要期間(具体的には0.3秒間)だけ開けるように構成している。
【0017】
遊技盤14の下方には、タバコの吸い殻等を入れる灰皿38、賞球を含むパチンコ球を一時的に貯留する下皿36、遊技者が接触しているか否かを検出するタッチセンサ34を有するハンドル32、上皿30の内部に設けられており音(音声,音楽,効果音等)を出すスピーカ40(音響装置)などを備える。遊技領域の周囲等には、遊技状態等に応じて発光するランプ類18(発光体)を備える。上皿30の上方には、球貸しを指示する球貸ボタン44、残高情報等を表示する残高表示器60、記録媒体の返却を指示する返却ボタン64等を備える。
【0018】
次に、パチンコ機12によるパチンコ遊技を実現するために接続構成をした各種基板の一例について図3を参照しながら説明する。CPU(プロセッサ)122を中心に構成したメイン制御基板120は、遊技制御プログラムや所要のデータ等を格納するROM124、乱数,保留数(特別保留数や普通保留数等),保留範囲(上限値や下限値等),変動パターンの番号等のように一時的データを格納可能なRAM126等を備える。CPU122はROM124に格納した遊技制御プログラムを実行してパチンコ機12による遊技を実現するが、当該遊技制御プログラムには後述する始動口処理,保留処理,消化処理,範囲変更処理等の手続きを実現するプログラムを含む。ROM124にはEPROMを用い、RAM126にはDRAMを用いるが、他種のメモリ(例えばEEPROM,SRAM,フラッシュメモリ等)を任意に用いてもよい。他の構成要素については周知の構成と同様であるので、図示および説明を省略する。
【0019】
メイン制御基板120には、タッチセンサ34や払出制御基板112からの信号を受けて発射用のモータ100を駆動制御する発射制御基板110、駆動センサ104や計数センサ106等からの信号を受けて払い出し用のモータ102を駆動制御する払出制御基板112、カードユニット10や払出制御基板112と接続しデータの送受信や残高表示器60の表示を制御するインタフェース基板114(図3では「I/F基板」と示す)、液晶表示器22に表示する図柄を制御する図柄制御基板130、スピーカ40から出す音を制御する音声制御基板132、ランプ類18等の表示を制御するランプ制御基板134などを接続する。これらの各基板は、いずれもメイン制御基板120と同様にCPUを中心に構成する。駆動センサ104はモータ102やパチンコ球を払い出す払出装置等の駆動状態を監視する。計数センサ106は、実際に払い出したパチンコ球の個数をカウントする。なお駆動センサ104,計数センサ106,ゲートセンサ54,始動口センサ48,Vセンサ62等には、接触型センサ(例えばリードスイッチ,マイクロスイッチ,圧力センサ等)、あるいは非接触型センサ(例えば近接センサ,光センサ,赤外線センサ等)を用いる。
【0020】
またメイン制御基板120には、上述した始動口センサ48等のほかに、パチンコ機12の外部装置に信号(例えば大当たり,図柄確定,確変中等の遊技情報を含む)を伝達可能な外部端子板108や、報知装置20、保留数表示器50,52,58などを直接に接続する。さらに、メイン制御基板120から離れた位置に備えた装置(例えばゲートセンサ54,Vセンサ62,ソレノイド46等)は信号中継用の中継端子板136を介して接続する。ソレノイド46の作動を制御することにより、開閉蓋28を矢印D方向に往復運動させて開閉を行うことができる。なお図3の例では、図柄制御基板130,音声制御基板132,ランプ制御基板134はそれぞれメイン制御基板120から直接に制御する構成としたが、メイン制御基板120から図柄制御基板130を通じて音声制御基板132,ランプ制御基板134を制御する構成としてもよい。
【0021】
上述のように構成したパチンコ機12において、本発明を実現するべくメイン制御基板120で実行する手続きについて図4〜図7を参照しながら説明する。ここで図4には始動口24へのパチンコ球の入賞判別を実現する始動口処理の手続きを、図5には変動不能等のときに図柄変動を保留する保留処理の手続きを、図6には変動可能のときに保留した図柄変動を消化する消化処理の手続きを、図7には一定の場合に上限値を変える範囲変更処理の手続きをそれぞれフローチャートで示す。これらの手続きのうち、図5の保留処理と図6の消化処理は計数手段4に相当し、図7の範囲変更処理は範囲変更手段6に相当する。
なお、特別保留数の現在値を単に「現在値」と呼び、当該現在値が動き得る範囲を「保留範囲」と呼ぶ。保留範囲は上限値と下限値とからなり、上限値は正の値とし、下限値は0又は負の値とする。すなわち特別保留数はマイナスにもなることがあり、その場合には図柄変動が可能な状態になっても当該図柄変動を行わない。そして、始動口入賞により負の値が減少して0に戻ると、以降は通常通りに図柄変動が可能になる。上限値と下限値のいずれか一方または双方は、一定値としてもよい(例えば下限値を0とする場合)。
【0022】
図4に示す始動口処理では、まず始動口24にパチンコ球が入賞したか否かを判別する〔ステップS10〕。例えば図2,図3に示す始動口センサ48(検出器1)からの検出信号があれば入賞した(YES)と判別し、当該検出信号がなければ入賞していない(NO)と判別する。もし始動口24にパチンコ球が入賞すると(YES)、当該入賞ごとに対応して各種乱数を読み込んでRAM126に記憶する〔ステップS12〕。ステップS12で読み込む乱数は、カウンタ等を用いたソフトウェア乱数と、発振器等を用いたハードウェア乱数とのいずれか一方または双方を用いる。RAM126に記憶する乱数は、例えば大当たりか否かを決定する大当たり判定用乱数RAや、その大当たり判定用乱数RAに基づいて大当たりを決定した場合に表示する大当たり図柄を特定する大当たり図柄用乱数RB、図柄変動の開始から停止までの表示パターン等を特定する図柄表示用乱数RC、リーチか否かを決定するリーチ判定用乱数RDなどが該当する。
【0023】
各種乱数をRAM126に記憶すると、入賞に対応する個数の賞球を払い出すべく払出制御基板112に対して払出コマンドを送信し〔ステップS14〕、特別保留数の増減等を処理するために保留処理を実行する〔ステップS16〕。当該保留処理の具体的な手続きについて、図5を参照しながら説明する。
【0024】
図5に示す保留処理では、まず現在値が上限値を超えたか否かを判別する〔ステップS30〕。もし現在値が上限値を超えていないときは(上限値>現在値;YES)、現在値を増やして計数結果を保留数表示器50,52に表示し〔ステップS32〕、保留ごとについてそれぞれ上記ステップS12で記憶した乱数や抽選確率等を設定したブロックデータをRAM126に記憶したうえで〔ステップS34〕、保留処理を終える。ここで、抽選確率は液晶表示器22で大当たり図柄が表示される確率(特定の表示態様になる確率)を意味する。その一方で、ステップS30において現在値が上限値を超えたときは(現在値>上限値;NO)、保留球として有効にしないのでそのまま保留処理を終える。
【0025】
上述した保留処理を終えて図4に戻ると、変動不能か否か、または現在値が下限値以下であるか否かを判別する〔ステップS18〕。すなわち現在の遊技状態が図柄変動中であるときや大当たり遊技中であるとき等は変動不能と判別し、そのいずれの状態でもないときは変動可能と判別する。また、現在値が下限値を下回っていれば、既に保留にかかる図柄変動を全て終えている。
もし図柄変動が可能な時期であって、かつ現在値が下限値を上回っているならば(ステップS18のNO)、今後の処理に備えて現在値を減らすべく消化処理を行う〔ステップS20〕。消化処理の具体的な手続きについて図6を参照しながら説明する。
【0026】
図6に示す消化処理では、まず現在値が下限値を超えているか否かを判別する〔ステップS40〕。もし現在値が下限値を超えていれば(上限値>下限値;YES)、現在値を減らして計数結果を保留数表示器50,52に表示する〔ステップS42〕。さらに、ステップS42を実行して減らした現在値が0以上であれば(ステップS44のYES)、上記図5のステップS34でRAM126に記憶したブロックデータ(例えば図柄表示用乱数RC等)に基づいて変動パターンの番号等を決定し〔ステップS46〕、消化処理を終える。
その一方で、ステップS40において現在値が下限値以下のときや(下限値≧現在値;NO)、ステップS44で現在値が0を下回ったときは(0>現在値;NO)、その時点で消化処理を終える。
【0027】
こうして保留の消化処理を終えると再び図4に戻って、液晶表示器22で図柄変動を始める〔ステップS22〕。すなわち図6のステップS46で決定した変動パターンを含む表示コマンドを図柄制御基板130に送信することで、図柄変動を実現する。こうして始めた図柄変動を終えるのには所定の表示期間(例えば30秒間等)を要するので、その表示期間中はステップS24〜S28の実行を待機する必要がある。なお、現在値が0以下のときは変動パターンを決定していないので(図6のステップS40でNO)、図柄変動を行わない。
【0028】
図柄変動を停止して図柄を確定するタイミングまで待機した後、当該図柄変動後に表示された図柄に基づいて保留範囲を変更するべく範囲変更処理を実行する〔ステップS24〕。当該範囲変更処理の具体的な手続きについて、図7を参照しながら説明する。
【0029】
図7に示す範囲変更処理では、液晶表示器22に特定の図柄や特定の図柄パターンが表示されたとき(ステップS50のYES)、確定状態または不確定状態で表示された図柄や図柄パターンの内容に従って保留範囲を変更して変更結果を保留数表示器50,52に表示し〔ステップS56〕、範囲変更処理を終える。ここで、特定の図柄には例えば特定のキャラクタ等が該当し、特定の図柄パターンには例えば特定の大当たり図柄やハズレ図柄等が該当し、保留範囲には例えば上限値および下限値の一方または双方が該当する。その一方で、液晶表示器22に特定の図柄や特定の図柄パターンが表示されなかったときは(ステップS50のNO)、保留範囲を変更しないので、そのまま範囲変更処理を終える。よって、一定の条件下で保留範囲(多くは上限値)が変わることになる。
【0030】
なお、液晶表示器22に特定の図柄や特定の図柄パターンが表示されたときに限らず、乱数や番号等が特定値と一致するときに(ステップS52のYES)、保留範囲を変更する構成としてもよい〔ステップS56〕。ここで、乱数には例えば図4のステップS12で記憶した大当たり判定用乱数RA,大当たり図柄用乱数RB,図柄表示用乱数RC,リーチ判定用乱数RDなどが該当し、番号には例えば図6のステップS46で決定した変動パターンの番号などが該当する。
また、図柄の内容そのものではなく、当該図柄の内容(数値や演算子等)に基づいて演算を行い〔ステップS54〕、その演算結果に従って保留範囲を変更する構成としてもよい〔ステップS56〕。例えば、有効ライン上に表示された二以上の図柄にかかる各数値について総和した結果で上限値等を変更する。
【0031】
範囲変更処理を終えて再び図4に戻り、今回の抽選の結果が大当たりか否かを判別する〔ステップS26〕。外来ノイズ等の影響を受けにくく信頼性が高いパチンコ機12では、大当たり判定用乱数RAに基づいて大当たりか否か、すなわち乱数値=大当たり値か否かで判別する。当該大当たり値はROM124等に予め記憶されており、1つまたは複数からなる。もし大当たりならば(YES)、大当たり遊技を実現して賞球を得る機会を遊技者に与えるべく大当たり処理を実行する〔ステップS28〕。当該大当たり処理は、例えば大入賞口26の開閉蓋28を一定期間(一例として30秒間)だけ開放し、当該大入賞口26等に入賞したパチンコ球の数に応じて賞球を払い出す等を行う。当該大当たり処理の具体的な手続きは周知であるので、その説明および図示を省略する。
一方、ステップS18で変動不能または現在値が下限値以下になったときや(YES)、ステップS26での抽選結果がハズレであったときは(NO)、その時点で始動口処理を終える。
【0032】
次に、上述した図4〜図7に示す各処理を実行して図柄変動の保留と消化を実現した表示例1,2について、図8と図9を参照しながら説明する。表示例1,2では、現在値と上限値はともに6である状態からの変化を説明する。保留数表示器50,52の表示は、赤色の点灯状態を/字状の斜線ハッチで図示し、緑色の点灯状態を\字状の斜線ハッチで図示し、橙色の点灯状態を×字状の斜線ハッチで図示し、消灯状態を白抜きで図示している。なお各例の変動開始時には、保留数表示器50,52で合わせて6個のLEDが赤色で点灯している。
【0033】
〔表示例1〕
表示例1は、液晶表示器22に特定のハズレ図柄が確定して表示されると、保留範囲の上限値を変化させる例である。まず遊技開始後にパチンコ球が始動口24に入賞し(図4のステップS10でYES)、かつ図柄変動を開始可能な状態であれば(図4のステップS18でNO)、図8(A)に示すように図柄変動(いずれもが縦方向に変動する左図柄変動C2,中図柄変動C4,右図柄変動C6)を始める〔図4のステップS22〕。すなわち左図柄群70を用いて左図柄変動C2を行い、中図柄群72を用いて中図柄変動C4を行い、右図柄群74を用いて右図柄変動C6を行う。左図柄群70,中図柄群72,右図柄群74は、例えば数字図柄(1〜9)でそれぞれ構成する。変動後は、左図柄変動C2→右図柄変動C6→中図柄変動C4の順番に停止すると仮定する。
【0034】
左図柄70a,中図柄72a,右図柄74aにかかる図柄パターンが[7↓7(↓は変動中を意味する)]のように変動途中でリーチに達したが、図8(B)に示すように上記図柄パターンが[737]で確定したときは(図7のステップS50でYES)、保留範囲の上限値を2だけ増やして変更する(図7のステップS56)。このとき、保留数表示器50のうち2個のLED50aを緑色で点灯し(図7のステップS56)、液晶表示器22には『惜しい!でも、保留上限2アップ』等のような内容のメッセージ76aを表示し(図4のステップS22)、抽選結果に従って保留範囲の上限値が変わったことを遊技者に報知する。
【0035】
同様に変動途中ではリーチにも達せず、図9(A)に示すように左図柄70b,中図柄72b,右図柄74bにかかる図柄パターンが[449]で確定したときは(図7のステップS50でYES)、保留範囲の上限値を1だけ減らして変更する(図7のステップS56)。このとき、保留数表示器50のうち2個のLED50bを緑色で点灯し(図7のステップS56)、液晶表示器22には『残念!保留上限1ダウン』等のような内容のメッセージ76bを表示する(図4のステップS22)。このように抽選によって確定した特定のハズレ図柄等に応じて保留範囲の上限値を異ならせてもよく、その一例を次の表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
〔表示例2〕
表示例2は、液晶表示器22に確定して表示された図柄パターンの内容(数値)と演算子による演算結果とに基づいて、保留範囲の上限値を変化させる例である。図柄変動を始めてから停止して図柄を確定するまでの過程は上述した表示例1と同様だが、表示例2では演算子の変動を表示する点で表示例1と異なる。
【0038】
まず左図柄群70,中図柄群72,右図柄群74とは別個に、例えば四則演算(+,−,×,÷等)からなる演算子群をRAM126や図柄制御基板130内等に記憶する。そして、図柄変動(左図柄変動C2,中図柄変動C4,右図柄変動C6)と別個独立に演算子群の変動を行う(図4のステップS22)。当該演算子群の変動に係る開始や停止のタイミングは任意である。例えば図柄変動の停止後に演算子群の変動を始め、その後に停止する。左図柄群70,中図柄群72,右図柄群74と演算子群との双方について、変動を停止して確定した状態の例を図9(B)に示す。本例では、左図柄70c(左図柄群70)と中図柄72c(中図柄群72)との間に左演算子群78aを表示し、中図柄72cと右図柄74c(右図柄群74)との間に右演算子群78bを表示している。左演算子群78aと右演算子群78bの構成要素は同一としてもよく、異ならせてもよい。
【0039】
そして、左図柄70c,中図柄72c,右図柄74cが表示された有効ライン上に表示された演算子を対象として演算を行う。図9(B)の例では左演算子群78aと右演算子群78bとの双方ともマイナス「−」演算子が対象となる。左図柄70c,中図柄72c,右図柄74cの内容(数値)を考慮すると、演算式{8−5−2}によって演算が行われ、この演算結果は明らかに「+1」である。よって保留数表示器50のうちLED50dを緑色で点灯し(図7のステップS56)、液晶表示器22には『=+1(保留上限1アップ)』等のような内容のメッセージ76cを表示し(図4のステップS22)、演算結果に従って保留範囲の上限値が変わったことを遊技者に報知する。
【0040】
上記実施の形態1によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(a1)始動口センサ48(検出器1)がパチンコ球(遊技球B)を検出したことを契機として{図4のステップS10でYES}、液晶表示器22(表示装置2)で図柄変動を開始する{ステップS22}。図柄変動を開始不能な期間中に始動口センサ48がパチンコ球を検出すると{図4のステップS10でYES}、図柄変動を保留する{図4のステップS16,図5}。実行中の図柄変動を終えると{図4のステップS18でNO}、保留していた図柄変動を消化する{図4のステップS20,図6}。液晶表示器22に大当たり図柄が表示されると{図柄が特定の表示態様になると;図4のステップS26でYES}、大当たり遊技を実現する{遊技者に有利な遊技状態にする;図4のステップS28}。図柄変動を保留するごとに現在値(保留数3)を増やし{図5のステップS34}、図柄変動を始めるごとに現在値を減らす{計数手段4;図6のステップS42}。液晶表示器22に表示された図柄パターン(特定の表示態様以外の図柄の表示態様)に応じて{図7のステップS50でYES}、保留範囲の上限値(保留数3の計数範囲5)を変化させる{範囲変更手段6;図7のステップS56}。
【0041】
液晶表示器22に表示された図柄パターンに応じて、保留範囲の上限値が変化する{図8(B),図9(A)を参照}。このように保留範囲の上限値が変化すると、従来では入賞しても保留されなかった図柄変動が保留されるようになる。よって従来よりは多くの図柄変動が実行され得るので、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。その一方で上限値が変化するのは、特定の図柄パターンが液晶表示器22に表示された場合に限られる。よって無制限に上限値が変化するのではないので、遊技場側に過度の不利益とはならない。
【0042】
(a2)液晶表示器22に表示された図柄パターン等が異なると、保留範囲の上限値も異なって変化する{図8(B),図9(A)を参照}。すなわち上限値がどれだけ変化するかは図柄パターン等(表示態様の内容)次第である。よって、どのような図柄パターン等が液晶表示器22に表示されるのかを期待する期待感を遊技者に与えることができる。
【0043】
(a3)液晶表示器22に表示された左図柄70c,中図柄72c,右図柄74c(二以上の図柄)に基づいて演算を行い、その演算結果に従って保留範囲の上限値を変化させた{図9(B)を参照}。すなわち図柄で示す数値と演算子とからなる演算などを行い、その演算結果に従って上限値を変化させた。よって液晶表示器22どのような図柄が表示されるのかだけでなく、どのような演算子が表示されるかによっても演算結果が異なってくるので、より有利な演算結果になることを期待する期待感を遊技者に与えることができる。
【0044】
〔実施の形態2〕
実施の形態2は実施の形態1と同様にパチンコ機12に本発明を適用し、大当たり図柄を構成し得ない図柄(いわゆるブランク図柄)に基づいて保留数の計数範囲を変化させる例である。当該実施の形態2は、図10〜図12を参照しながら説明する。なおパチンコ機12の構成等は実施の形態1と同様であり、図示および説明を簡単にするために実施の形態2では実施の形態1と異なる点について説明し、当該実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付す。
【0045】
実施の形態2が実施の形態1と異なるのは、変動方向が横方向である点と、当該変動に用いる図柄群に大当たり図柄を構成し得ない図柄(いわゆるブランク図柄)を含む点である。図柄変動に用いる図柄群は、例えば図10のように構成する。本例で示す上図柄群80,中図柄群82,下図柄群84は、いずれの図柄群についても大当たり図柄を構成し得る数字図柄(1から9までの数字)と、当該大当たり図柄を構成し得えないブランク図柄(+1,−2等の符号付き数値)とによって構成している。上図柄群80と中図柄群82は同一構成であるが、これらと下図柄群84とは数字図柄の配列とブランク図柄の数値が異なる。
【0046】
次に、実施の形態1における図4〜図7に示す各処理を実行して図柄変動の保留と消化を実現した表示例3,4について、図11と図12を参照しながら説明する。実施の形態1と同様に、表示例3,4も現在値と上限値がともに6である状態からの変化を説明し、保留数表示器50,52も同様の表示とする。
【0047】
〔表示例3〕
表示例3は、液晶表示器22に大当たり図柄が確定して表示されると、保留範囲の上限値を変化させる例である。図柄変動を始めてから図柄を確定するまでの過程は実施の形態1と同様だが、本例では図11(A)に示すように上図柄変動C12,中図柄変動C14,下図柄変動C16は横方向に変動し、上図柄変動C12→下図柄変動C16→中図柄変動C14の順番に停止すると仮定する。
【0048】
変動を停止して図11(B)に示すように上図柄80a,中図柄82a,下図柄84aにかかる図柄パターンが有効ライン86上に[555]で確定し、ブランク図柄のパターンが「+3」で有効ライン88上に揃ったので(図7のステップS50でYES)、保留範囲の上限値を3だけ増やして変更する(図7のステップS56)。このとき保留数表示器50のうち3個のLED50eを緑色で点灯し(図7のステップS56)、保留範囲の上限値が増えたことを遊技者に報知する。よって本例における遊技者は、大当たり遊技が実現されるとともに(図4のステップS28)、保留範囲が広がるという二重の利益が得られる。
【0049】
同様に、図12(A)に示すように上図柄80a,中図柄82a,下図柄84aにかかる図柄パターンではハズレ図柄であるが、ブランク図柄のパターンが「−2」で有効ライン90上に揃ったので(図7のステップS50でYES)、保留範囲の上限値を2だけ減らして変更する(図7のステップS56)。このとき保留数表示器52のうちLED52aを橙色で点灯し(図7のステップS56)、保留範囲の上限値が減ったことを遊技者に報知する。よって本例における遊技者は、大当たり遊技が実現されず、保留範囲も狭まるという遊技状態になる。
【0050】
〔表示例4〕
表示例4は、液晶表示器22に確定して表示されたブランク図柄を用いた演算の演算結果に基づいて、保留範囲の上限値を変化させる例である。図柄変動を始めてから図柄を確定するまでの過程は上述した表示例3と同様である。
【0051】
図12(B)で示すようにブランク図柄が有効ライン92上に停止し確定した場合には、当該ブランク図柄の内容(符号付き数値)を演算の対象とし、当該演算を実行する。具体的にはブランク図柄で示す数値を総和する演算を行う。本例では「−3」,「+3」,「+1」の総和を求め、演算結果は明らかに「+1」となる。よって保留数表示器50のうちLED50fを緑色で点灯し(図7のステップS56)、液晶表示器22には『TOTAL +1』等のような内容のメッセージ76dを表示し(図4のステップS22)、演算結果に従って保留範囲の上限値が変わったことを遊技者に報知する。
【0052】
上記実施の形態2によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(b1)上図柄群80,中図柄群82,下図柄群84は、数字図柄(第1図柄2a)とブランク図柄(第2図柄2b)とで構成した{図10を参照}。さらに、液晶表示器22(表示装置2)に表示されたブランク図柄が同一の数値で有効ライン上に揃うと(第2表示態様になると;図7のステップS50でYES)、保留範囲の上限値(保留数3の計数範囲5)を変化させた{範囲変更手段6;図7のステップS56}。図11(B)の例では、上限値を「+3」だけ広げる。このようにして保留範囲が広がると、従来では入賞しても保留されなかった図柄変動が保留されるようになる。よって従来よりは多くの図柄変動が実行され得るので、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。その一方で保留範囲の上限値を変化させるのは、ブランク図柄が同一の数値で有効ライン上に揃った場合に限られる。よって上限値が無制限に変化するのではないので、遊技場側に過度の不利益とはならない。
(b2)その他の要件,構成,作用,作動結果等については実施の形態1と同様であるので、当該実施の形態1と同様の効果を得ることができる{上述した(a2),(a3)を参照}。
【0053】
〔他の実施の形態〕
上述したパチンコ機12(遊技機)において、他の部分の構造,形状,大きさ,材質,配置および動作条件等については、上記実施の形態に限定されるものでない。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
(c1)実施の形態1,2では、パチンコ機12に本発明を適用した。この形態に代えて、パチンコ機以外の他の遊技機(例えばアレンジボール機,雀球遊技機,テレビゲーム機等)であって図柄変動を保留可能なものにも同様に本発明を適用することができる。当該他の遊技機であっても保留数の計数範囲が弾力的に変化するので、遊技者の遊技意欲を向上させ得る。また、一定の条件下に限って保留数の計数範囲を変化させるので、遊技場側に過度の不利益とならない。
【0054】
(c2)実施の形態1,2では保留範囲(計数範囲5)として上限値を変更する例を示したが、下限値を変更する場合でも本発明を同様に適用できる。通常の下限値はゼロであるが、負の値を設定してもよい。現在値(保留数3)が負の値になるときは、始動口24に入賞したパチンコ球を始動口センサ48が検出したとしても現在値がゼロに戻るまでは図柄変動を行わないことになる{図6のステップS44}。このように上限値だけでなく下限値も変化させることによって、図柄変動をより多く実現しようとする遊技者の遊技意欲を向上させ得る。
【0055】
(c3)実施の形態1,2では、数字図柄(大当たり図柄を構成し得る図柄)またはブランク図柄(大当たり図柄を構成し得えない図柄)に基づいて四則演算による演算を行う構成としたが、他の演算を行う構成としてもよい。当該他の演算としては、例えば指数関数(Exp等),対数関数(Log等),三角関数(Sin, Cos, Tan等)などが該当する。こうした様々の演算方法を用いることによって、保留範囲をより大幅に変更するも可能になる。
【0056】
(c4)実施の形態2では、有効ライン上に揃って表示された図柄に基づいて保留範囲を変更する例を示したが、液晶表示器22における特定の位置に表示された図柄に基づいて保留範囲を変更してもよい。当該特定の位置としては、例えば図12(B)における図柄「7」「6」「1」で示す位置などが該当する。なお遊技者に特定の位置であることを容易に認識させるために、背景を他と異ならせたり、表示する図柄の態様(形状,色彩,大きさ等)を他と異ならせるのが望ましい。こうすれば特定の位置に表示される図柄を期待する期待感を遊技者に与えることができる。また、特定の位置を遊技中に変化させるとなお面白い。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、保留数の計数範囲が弾力的に変化するので、遊技者の遊技意欲を向上させ得る。また、一定の条件下に限って保留数の計数範囲を変化させるので、遊技場側に過度の不利益とならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概要を模式的に示す図である。
【図2】パチンコ機の外観を示す正面図である。
【図3】各種の基板と装置にかかる概略構成を示すブロック図である。
【図4】始動口処理の手続きを示すフローチャートである。
【図5】保留処理の手続きを示すフローチャートである。
【図6】消化処理の手続きを示すフローチャートである。
【図7】範囲変更処理の手続きを示すフローチャートである。
【図8】液晶表示器や保留数表示器の表示例を示す図である。
【図9】液晶表示器や保留数表示器の表示例を示す図である。
【図10】図柄群の構成例を示す図である。
【図11】液晶表示器や保留数表示器の表示例を示す図である。
【図12】液晶表示器や保留数表示器の表示例を示す図である。
【符号の説明】
1 検出器
2 表示装置
2a 第1図柄
2b 第2図柄
3 保留数
4 計数手段
5 計数範囲
6 範囲変更手段
B 遊技球
10 カードユニット
12 パチンコ機(遊技機)
22 液晶表示器(表示装置,表示部)
48 始動口センサ(検出器)
50,52,58 保留数表示器
54 ゲートセンサ(検出器)
120 メイン制御基板(計数手段,範囲変更手段)
122 CPU
124 ROM(記憶部)
126 RAM(記憶部)
130 図柄制御基板
132 音声制御基板
134 ランプ制御基板
Claims (3)
- 第1図柄と第2図柄とで図柄群を構成し、検出器が始動口へ入賞した遊技球を検出したことを契機として表示装置で前記図柄群を用いた複数列の図柄変動を開始し、図柄変動を開始不能な期間中に前記検出器が遊技球を検出すると図柄変動を保留し、実行中の図柄変動を終えると保留していた図柄変動を消化し、前記表示装置で複数列における前記第1図柄が第1表示態様になると大当たり遊技を実現するように構成された遊技機において、
前記表示装置の図柄変動を保留するごとに保留数を増やし、図柄変動を始めるごとに前記保留数を減らす計数手段と、
前記表示装置の図柄変動を停止して表示された複数列における前記第2図柄が第2表示態様になると、前記計数手段による保留数の計数範囲を変化させる範囲変更手段と、を備え、
前記第1図柄は大当たりを構成し得る複数の特別図柄により構成し、また、前記第2図柄は大当たりを構成し得ないと共に符号付き数値からなる複数のブランク図柄により構成し、且つ、前記複数列の各図柄群における前記特別図柄及びブランク図柄は、当該ブランク図柄が特別図柄と特別図柄との間に位置する構成にして、
前記範囲変更手段は、図柄群の図柄変動が停止して、前記ブランク図柄のパターンが有効ライン上で確定した前記第2表示態様となった際には、大当たりを構成し得る前記特別図柄が第1態様になるかならないかに拘わらずブランク図柄の符号付き数値に応じて保留数の計数範囲を変化させる遊技機。 - 請求項1に記載した遊技機において、
前記複数列の図柄群は、特別図柄及びブランク図柄を各々含む上表示群、中表示群、下表示群で構成すると共に、当該図柄変動を横方向に構成し、上表示群及び中表示群に対して下表示群は、特別図柄の配列とブランク図柄の符号付き数値が異なる遊技機。 - 請求項1または2に記載した遊技機において、
前記第2表示態様は、複数の同じ符号付き数値のブランク図柄が有効ライン上で揃った表示態様であり、前記範囲変更手段は、保留数の計数範囲を当該符号付き数値分だけ変化させる遊技機。
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