JP2010049021A - カラー画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レイアウトの自由度を維持しつつ、現像チリに起因する画像劣化を抑制することができるカラー画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体ベルト2の表面に対向配置され、ブラック用の現像装置と、ブラックとは異なる色のトナーを用いるカラー用の現像装置とを含む複数の現像装置(6a〜9a)を備えるカラー画像形成装置であるプリンタ100で、複数の現像部のうち、現像ローラとの最近接位置に対して表面移動方向下流側での感光体ベルト2の張架面が、最近接位置における現像対向ローラの接線よりも現像対向ローラ側となる下流側ベルト対向ローラ側現像部となる第四作像部9の第四現像装置9aに、他の色に比べて現像チリに起因する画像劣化が生じ易いブラック用の現像装置を配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、カラープリンタやカラー複写機等のカラー画像形成装置に係り、詳しくは、ベルト状の潜像担持体である潜像担持体ベルトを用いる画像形成装置に関するものである。
プリンタや複写機等の画像形成装置は、一般に、ドラム状またはベルト状の潜像担持体である感光体を用いて、その感光体の外周面に対向するように帯電、露光、現像、転写、クリーニング等の作像プロセス手段が順次適所に配置されている。このとき感光体とトナー担持体である現像ローラの位置関係は現像方式によって、互いに当接または非当接としているが、高速化、高画質化、混色回避等の要求から最近の画像形成装置においては、非当接としているものが多く、非接触現像や磁気ブラシ現像などの現像方式が採られている。
感光体とトナー担持体とが当接する接触現像方式の構成としては、特許文献1の図3にベルト状の感光体に現像ローラを当接させて現像する例が記載されている。感光体とトナー担持体とが当接しない非接触現像方式の構成としては、特許文献1の図2、特許文献2、特許文献3、及び、特許文献4等に感光体と現像ローラとが非当接状態で、トナーを現像ローラから感光体に飛翔させる例が記載されている。これらの公報に記載の例では、ベルト状の感光体と現像ローラとの間に所定の間隔を保持し、交番電界を印加して現像する非接触現像の構成である。また、非接触現像方式の構成としては、特許文献5に感光体と現像ローラとが非当接状態で、磁気ブラシによってドラム状の感光体を摺擦し、現像する例が記載されている。この公報に記載の例では、現像剤の磁性粒子の穂である磁気ブラシを現像ローラ上に形成して現像を行う磁気ブラシ現像の構成である。
感光体とトナー担持体とが当接、非当接の何れの場合であっても現像時に生じる問題点として、潜像以外の感光体表面上にトナーが付着する現像チリがあり、この現像チリが画像劣化の大きな原因となっている。現像チリは、感光体とトナー担持体とが対向する所定の有効現像領域(当接現像方式では当接する領域、非当接現像方式の場合は、感光体表面とトナー担持体表面との距離が良好な現像を行うことができる所定の現像ギャップとなる領域)に対して、感光体の表面移動方向について上流側及び下流側に少し外れる領域である有効現像領域境目近傍において、トナーの挙動が制御しきれずトナーの挙動が不安定な状態となり、トナー担持体から離脱して浮遊したトナーが、本来トナーがついてはならない所(潜像以外の感光体表面)に付着してしまうことで起こる現象である。
感光体表面が有効現像領域に進入する直前となる有効現像領域に対して感光体表面移動方向上流側の有効現像領域境目近傍の領域で浮遊トナーが感光体の潜像以外の箇所に付着してしまっても、感光体表面はそのまま有効現像領域に入り、通常の現像が行われる。このため、有効現像領域に対して感光体表面移動方向上流側の領域で感光体表面の潜像以外の箇所に付着したトナーは、有効現像領域での現像ポテンシャルによってトナー担持体側へ移動する。よって、有効現像領域に対して感光体の表面移動方向上流側で感光体表面上に付着したトナーの影響はほとんど無く、有効現像領域に対して感光体表面移動方向上流側の領域での浮遊トナーはあまり問題とならない。すなわち、画像劣化の大きな原因となる現像チリは、有効現像領域に対して感光体表面移動方向下流側の領域での浮遊トナーが要因であるといえる。
図14は、非接触現像方式のトナー担持体と感光体とが近接する現像位置周辺の概念図である。感光体である感光体ドラム58は図14中の矢印Bで示すように左回転、トナー担持体である現像ローラ31は図14中の矢印Cで示すように右回転している。また、図中の一点鎖線L1は現像ローラ31の回転軸と感光体ドラム58の回転軸とを結ぶ直線であり、現像位置周辺のうち、一点鎖線L1上の位置が現像ローラ31表面と感光体ドラム58とが最も近接する最近接位置である。
図14に示す有効現像領域A1は、現像ローラ31の表面と感光体ドラム58の表面との距離が良好な現像に適した間隔である現像ギャップG1以下となる領域である。また、現像ギャップG1は予備実験等によって最適値(通常、現像ギャップは0.2〜0.5[mm])が決められて予め設定されるものである。このため、有効現像領域A1の感光体表面移動方向の長さである幅w1は、最近接位置近傍のトナー担持体表面の曲率、感光体表面の曲率、及び、予め設定された現像ギャップG1の間隔によって決定される。特に、図14に示す例では、ローラ状のトナー担持体である現像ローラ31と、ドラム状の感光体である感光体ドラム58とによって現像ギャップG1が形成されているので、有効現像領域A1の幅w1は、現像ローラ31の径、感光体ドラム58の径、及び現像ギャップG1の間隔によって決定される。
現像ローラ31上のトナーTは現像ローラ31の回転に伴い、感光体ドラム58に対する距離が変化する。そして、トナーTを担持する現像ローラ31表面の感光体ドラム58に対する距離が設定された現像ギャップG1までは近づかないが、ある程度のところまで接近すると、トナーTを現像ローラ31上に付着させている力とそのトナーTを感光体ドラム58側に移動させようとする力が拮抗する状態となる。このような状態では、トナーTが現像ローラ31表面から浮上して、現像ローラ31にも感光体ドラム58にもどっち付かずで、挙動が不安定な状態となってしまう浮遊トナーTfとなる。
このような浮遊トナーTfが発生するトナーの挙動が不安定になる領域は、感光体ドラム58表面と現像ローラ31表面との距離が、現像ギャップG1よりも離れていて、現像ポテンシャルの影響を受けるある程度の距離(以下、現像影響ギャップG2と呼ぶ)以下となる領域である。そして、このような領域は、有効現像領域A1に対して感光体ドラム58の表面移動方向の上流側と下流側との両側にあり、以下、この上流側の領域を上流側現像影響領域A2、下流側の領域を下流側現像影響領域A3と呼ぶ。
上流側現像影響領域A2の感光体表面移動方向の長さである幅w2及び下流側現像影響領域A3の感光体表面移動方向の長さである幅w3は、有効現像領域A1との境界近傍のトナー担持体表面の曲率、感光体表面の曲率、及び、現像影響ギャップG2によって決定される。なお、現像影響ギャップG2も現像ギャップG1と同様にある程度予備実験で把握できる。そして、図14に示す例では、上流側現像影響領域A2の幅w2及び下流側現像影響領域A3の幅w3も有効現像領域A1の幅w1と同様に現像ローラ31の径、感光体ドラム58の径、及び現像影響ギャップG2によって決定される。
なお、感光体がドラム状であれば、感光体表面上のどの位置においても感光体表面の曲率は同じである。このため、図14に示す例では、感光体ドラム58の回転軸と現像ローラ31の回転軸とが略水平となるような配置であるが、感光体がドラム状であるので、現像ローラ31の径、感光体ドラム58の径、現像ギャップG1及び現像影響ギャップG2が変わらなければ、感光体ドラム58に対する現像ローラ31位置が変わっても、有効現像領域A1および現像影響領域(A2、A3)の幅(w1、w2、w3)は変わらない。
上述したように、有効現像領域に対して感光体表面移動方向上流側の領域での浮遊トナーはあまり問題とならず、有効現像領域に対して感光体表面移動方向下流側の領域での浮遊トナーが要因となって現像チリが発生する。図14に示す例では、現像画像トナーT1が有効現像領域A1で感光体ドラム58上の潜像に付着し、現像チリトナーT2が主に下流側現像影響領域A3で付着する。このため、下流側現像影響領域A3の幅w3が狭ければ狭いほど、現像チリトナーT2の付着量を少なくし、現像チリを軽減し、現像チリに起因する画像劣化を抑制することができる。
なお、図14に示す例では、非当接現像方式について説明したが、当接現像方式の場合は、トナー担持体と感光体とが当接する領域が有効現像領域である。そして、この当接する領域に対して感光体表面移動方向上流側及び下流側で、トナー担持体と感光体とがある程度近接し、トナーの挙動が不安定になる領域が現像影響領域となる。
図14で示した例では感光体がドラム状の構成について説明したが、感光体としては、特許文献1乃至特許文献5に記載の画像形成装置のように、複数の張架ローラまたは張架部材によって張架され無端移動するベルト状の感光体がある。そして、感光体がベルト状の場合、感光体表面上の位置、または、張架部材の配置によって感光体表面の曲率が異なってくる。特許文献4に記載の画像形成装置では、感光体ベルトの外周面が複数の現像ローラと対向する領域の内周面に張架部材としてのガイド部材を備えている。そして、このガイド部材は、各現像ローラと対向する位置では感光体ベルトが平面、または、略平面に近い曲率面となるように感光体ベルトを張架している。
また、特許文献2、3及び5に記載の画像形成装置では、複数の現像ローラを備え、感光体ベルトの外周面が各現像ローラと対向する領域のそれぞれの内周面側に現像対向ローラを備えた構成であり、各現像ローラと対向する位置では感光体ベルトが略平面となるように感光体ベルトが張架されている。
図15は、特許文献2、3及び5に記載の画像形成装置と同様に、現像対向ローラ32を備え、現像ローラ31と対向する位置の感光体ベルト2が略平面となっている構成の現像位置周辺の概念図である。感光体である感光体ベルト2は現像ローラ31と対向する位置で現像対向ローラ32によって張架されている。現像対向ローラ32は図15中の矢印Eで示すように左回転し、現像対向ローラ32に張架される感光体ベルト2は図15中矢印Dで示すように上方から下方に向けて表面移動し、現像ローラ31は図15中の矢印Cで示すように右回転している。また、図15中の一点鎖線L1は現像ローラ31の回転軸と現像対向ローラ32の回転軸とを結ぶ直線であり、現像位置周辺のうち、一点鎖線L1上の位置が現像ローラ31表面と感光体ベルト2とが最も近接する最近接位置である。また、図14の例と同様に、現像ローラ31と感光体ベルト2との間隔が現像ギャップG1となる領域を有効現像領域A1とし、現像影響ギャップG2となる領域を上流側現像影響領域A2及び下流側現像影響領域A3とする。
図15に示す例では、最近接位置に対して感光体ベルト2の表面移動方向上流側、及び、下流側ともに感光体ベルト2は現像対向ローラ32にほとんど巻き付いておらず、最近接位置における現像対向ローラ32の接線と感光体ベルト2とが実質的に重なる構成となっている。
図15に示す例でも、有効現像領域A1の幅w1、上流側現像影響領域A2の幅w2、及び、下流側現像影響領域A3の幅w3は、最近接位置近傍のトナー担持体表面の曲率、感光体表面の曲率、及び、予め設定された現像ギャップG1と現像影響ギャップG2とによって決定する。ここで、図15に示す例では、感光体ベルト2が略平面で曲率がほとんどないため、図中の一点鎖線L1に平行な方向について、感光体ベルト2表面の現像ローラ31の回転軸に対する距離が変化せず、現像ローラ31表面の現像対向ローラ32の回転軸に対する距離だけが変化する。このため、トナー担持体表面の曲率、現像ギャップG1、及び、現像影響ギャップG2が同じで、感光体表面に曲率がある構成に比べて、図15に示す例では、有効現像領域A1の幅w1、上流側現像影響領域A2の幅w2、及び、下流側現像影響領域A3の幅w3の何れも広くなる。上述したように、下流側現像影響領域A3の幅w3が狭ければ狭いほど、現像チリトナーT2の付着量を少なくすることができる。よって、下流側現像影響領域A3の幅w3が広くなる、図15に示す例のように最近接位置近傍の感光体表面の曲率がほとんど無い構成では、最近接位置近傍の感光体表面が曲率を有する構成に比べて、現像チリに起因する画像劣化を抑制することは困難である。
一方、特許文献1に記載の画像形成装置では、複数の現像ローラを備え、感光体ベルトの外周面が各現像ローラと対向する領域のそれぞれの内周面側に現像対向ローラを備えた構成であり、各現像ローラと対向する位置では感光体ベルトが現像対向ローラの周面に沿うように感光体ベルトが張架されている。
図16は、特許文献1に記載の画像形成装置と同様に、現像対向ローラ32を備え、現像ローラ31と対向する位置の感光体ベルト2が現像対向ローラ32に沿った形状となっている構成の現像位置周辺の概念図である。図15を用いて説明した例と図16に示す例とでは、現像対向ローラ32に対する感光体ベルト2の張架状態が異なるが他の点は共通するため、共通する部分についての説明は省略して相違点について説明する。
図15を用いて説明した例では、感光体ベルト2が現像対向ローラ32にほとんど巻き付いておらず、最近接位置における現像対向ローラ32の接線と感光体ベルト2とが実質的に重なるよう感光体ベルト2が張架されている。一方、図16に示す例では、最近接位置に対して感光体方面移動方向の上流側と下流側との両側で感光体ベルト2が現像対向ローラ32に巻き付き、最近接位置の近傍では感光体ベルト2が現像対向ローラ32の周面に沿うように張架されている。このため、最近接位置に対して感光体方面移動方向の上流側と下流側との両側で、最近接位置における現像対向ローラ32の接線よりも、感光体ベルト2が現像対向ローラ32側となっている。
図16に示す例では、図中の一点鎖線L1に平行な方向についの感光体ベルト2表面の現像ローラ31の回転軸に対する距離が、最近接位置から上流側であるほど、または、下流側であるほど離れるように、変化する。詳しくは、感光体ベルト2が現像対向ローラ32に巻き付いている領域では、現像対向ローラ32の周面に沿った感光体ベルト2の曲率に合せて、感光体ベルト2表面の現像ローラ31の回転軸に対する距離が変化する。また、感光体ベルト2が現像対向ローラ32に巻き付いていない領域では、感光体ベルト2が現像対向ローラ32に巻き付いている領域の上流側端部または下流側端部における現像対向ローラ32の接線に沿って、感光体ベルト2表面の現像ローラ31の回転軸に対する距離が変化する。
このように、最近接位置に対して感光体ベルト2の表面移動方向上流側と下流側との何れについても、最近接位置から離れるほど感光体ベルト2表面の現像ローラ31の回転軸に対する距離が離れる。また、現像ローラ31表面の現像対向ローラ32の回転軸に対する距離は、図15に示す例と同様に、現像ローラ31表面の曲率に沿って変化する。
このような図16に示す例の構成であれば、図15に示す例に比べて、有効現像領域A1の幅w1、上流側現像影響領域A2の幅w2、及び、下流側現像影響領域A3の幅w3の何れも狭く設定することができる。上述したように、下流側現像影響領域A3の幅w3が狭ければ狭いほど、現像チリトナーT2の付着量を少なくすることができるため、下流側現像影響領域A3の幅w3が狭くなる図16に示す例の構成では、図15に示す例の構成に比べて現像チリに起因する画像劣化を抑制することは容易である。
特許3632245号公報 実登2543308公報 特開2004−109539号公報 特開平3−96976号公報 特開2004−198593号公報
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置では、複数の現像装置を備えるカラー画像形成装置で、現像対向ローラの位置を変位可能に構成し、有るタイミングにおいては一つの現像ローラのみが感光体ベルトに近接するように現像対向ローラの位置が変位する構成である。このような構成では、1色の現像が終わらなければ次の色の現像を行うことができない。さらに、1色の現像が終了後、次の色の現像を行う前の現像対向ローラの位置を移動させる制御を行い、現像対向ローラの移動が終わって後でないと、次の色の現像を行うことができない。このため、カラー画像を形成するときの生産性が悪くなる。
現像剤対向ローラの位置を移動させることなく、カラー画像形成装置の全ての現像位置について図16に示す例の構成を適用しようとすると、無端状の感光体ベルトの断面を張架面が辺となる多角形と見る場合、各現像位置が辺の途中ではなく多角形の頂点となるような張架状態とすることが要件となる。さらに、現像ローラと現像対向ローラとの最近接位置よりも感光体表面移動方向下流側の感光体ベルトが最近接位置における現像対向ローラの接線よりも現像剤対向ローラ側となるように、感光体ベルトに対して現像装置を配置することが要件となる。
これらの要件を満たすように感光体ベルトや各現像装置を配置すると、レイアウトの自由度が狭まり、画像形成装置の装置全体の大型化に繋がる。
なお、上述の記載では、トナー担持体と感光体ベルトとが非接触の非当接現像方式の画像形成装置について説明したが、当接現像方式であっても、トナー担持体と感光体ベルトとが当接する領域を有効現像領域とすると、その領域に対して感光体表面移動方向上流側及び下流側にトナーの共同が不安定な状態となる現像影響領域があり、同様の問題が生じる。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、レイアウトの自由度を維持しつつ、現像チリに起因する画像劣化を抑制することができるカラー画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、外周面に静電潜像を担持し、複数の張架ローラによって張架され無端移動する潜像担持体ベルトと、表面にトナーを担持して無端移動するトナー担持体の表面上のトナーを、該潜像担持体ベルト上の静電潜像に供給してトナー像化するように該潜像担持体ベルト上の表面に対向配置され、異なる色のトナーを用いる複数の現像手段と、複数の該現像手段の各トナー担持体に対して該潜像担持体ベルトを挟んで対向し、該潜像担持体ベルトの内周面に接触しながら複数の張架ローラの一部を担う複数の現像対向ローラと、上記潜像担持体ベルト上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段とを備え、上記複数の現像手段として、ブラックトナーを用いるブラック用現像手段と、ブラックとは異なる色のトナーを用いるカラー用現像手段とを備えるカラー画像形成装置において、上記トナー担持体とそれに対向する上記現像対向ローラとによって形成される複数の現像部について、該トナー担持体と該現像対向ローラとが最も近接する最近接位置に対して上記潜像担持体ベルトの表面移動方向下流側での該潜像担持体ベルトの張架面が該最近接位置における該現像対向ローラの接線と実質的に重なる現像部(以下、「下流側ベルト接線方向現像部」と呼ぶ)と、該最近接位置に対して該潜像担持体ベルトの表面移動方向下流側での該潜像担持体ベルトの張架面が該最近接位置における該現像対向ローラの接線よりも該現像対向ローラ側となる現像部(以下、「下流側ベルト対向ローラ側現像部」と呼ぶ)とがあり、上記ブラック用現像手段は、該下流側ベルト対向ローラ側現像部に配置することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のカラー画像形成装置において、上記カラー用現像手段の少なくとも一つはイエロートナーを用いるイエロー用現像手段であり、該イエロー用現像手段を上記下流側ベルト接線方向現像部に配置することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2のカラー画像形成装置において、上記複数の現像部のうち、上記下流側ベルト接線方向現像部となる現像部が複数箇所ある場合、複数の該下流側ベルト接線方向現像部のうちの少なくとも一箇所に上記イエロー用現像手段を配置することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3のカラー画像形成装置において、上記潜像担持体ベルトの外周面における上記転写手段によってトナー像の転写が行われる位置を基準とした場合、上記複数の現像部のうち該潜像担持体ベルトの表面移動方向の最下流の現像部が上記下流側ベルト接線方向現像部とならないように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4のカラー画像形成装置において、上記複数の現像部のうち、上記下流側ベルト対向ローラ側現像部となる現像部が複数箇所ある場合、複数の該下流側ベルト対向ローラ側現像部のうちの少なくとも一箇所に上記ブラック用現像手段を配置することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5のカラー画像形成装置において、上記潜像担持体ベルトの外周面における上記転写手段によってトナー像の転写が行われる位置を基準とした場合、上記複数の現像部のうち該潜像担持体ベルトの表面移動方向の最下流の現像部が上記下流側ベルト対向ローラ側現像部となるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5または6のカラー画像形成装置において、上記現像手段は、上記トナー担持体上でトナーが浮遊している状態を形成して現像を行う非接触現像方式であることを特徴とするものである。
色が異なるトナーで同程度の現像チリを発生させて画像を比較したところ、他の色に比べてブラックトナーによる現像チリが一番目立ち、最も画像品質を劣化させることが分かった。
請求項1乃至7の画像形成装置では、複数の現像部が、最近接位置に対して潜像担持体ベルトの表面移動方向下流側での潜像担持体ベルトの張架面が最近接位置における現像対向ローラの接線と実質的に重なる下流側ベルト接線方向現像部と、最近接位置における現像対向ローラの接線よりも対向ローラ側となる下流側ベルト対向ローラ側現像部とが存在し、上述した要件を満たすのは下流側ベルト対向ローラ側現像部だけでよいため、レイアウトの自由度を維持することができる。また、ブラックトナーを用いるブラック用現像手段を、下流側ベルト対向ローラ側現像部に配置することにより、少なくとも、他の色に比べて現像チリが目立つブラックトナーによる現像チリの発生を抑制することができるため、画像品質の劣化を抑制することができる。
このように、請求項1乃至7の発明によれば、レイアウトの自由度を維持しつつ、現像チリに起因する画像劣化を抑制することができるという優れた効果を奏する。
以下、本発明を適用したカラー画像形成装置としてのカラープリンタ(以下、単にプリンタ100という)の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態のプリンタ100の画像形成部の構成を示す概略断面図である。図1に示すように、プリンタ100は、潜像担持体ベルトとしてのベルト状の感光体(以下、感光体ベルト2という)と、4つの現像手段としての現像装置60とを備えるカラー画像形成装置である。また、プリンタ100は、走査型書込み手段である書込みユニット21により潜像担持体である感光体ベルト2に形成した潜像から現像手段である現像装置60によりトナー像を形成し、そのトナー像を感光体ベルト2の1回転中に感光体ベルト2上で色毎に順次重ね合わせてカラー画像を形成するカラー画像形成装置である。感光体ベルト2上で各色のトナー像を重ね合わせるので、中間転写体を用いたカラー画像形成装置よりも位置ずれを少なくすることができる利点を有している。また、感光体ベルト2は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を形成するための4つの現像装置としての第一現像装置6a、第二現像装置7a、第三現像装置8a、及び第四現像装置9aを備え、4つの作像部としての第一作像部6、第二作像部7、第三作像部8、及び、第四作像部9を構成する。
プリンタ100において、潜像像担持体としての感光体ベルト2が駆動ローラ3、テンションローラ4、転写対向ローラ5、4つの現像対向ローラ(6d、7a、8d、9d)等によって張架され、縦長に略垂直配置されている。駆動ローラ3と連結された図示しない駆動モータを駆動することによって、駆動ローラ3が図1中反時計回り方向に回転し、感光体ベルト2は反時計周回り方向に無端移動する。縦長に配置された感光体ベルト2の図1中の左側の外周面には、上から第一作像部6、第二作像部7、第三作像部8、及び、第四作像部9が積み重なるようにして感光体ベルト2の移動方向に沿って一定の間隔を置いて順次配置されている。また、第四作像部9の下部にテンションローラ4に対向するように転写前除電器10が配置されている。各作像部は横置きに配置され、感光体ベルト2を挟んで現像対向ローラ(6d、7d、8d、9d)と対向するように後述する現像ローラ(6e、7e、8e、9e)が感光体ベルト2に対して現像ギャップと言われる所定間隔だけ離れるように、各作像部(6、7、8、9)が配置されている。そして、各作像部(6、7、8、9)を構成する各現像装置(6a、7a、8a、9a)が備える各現像ローラ(6e、7e、8e、9e)が感光体ベルト2と近接して対向する位置が、現像領域である。また、縦長に配置された感光体ベルト2の反対側である図1中の右側の外周面には、クリーニング手段としてのクリーニング部11、除電手段としての除電ランプ12が配置されている。感光体ベルト2の右側の外周面の下部側に感光体ベルト2を挟んで転写対向ローラ5と対向し、転写部14を形成する転写ローラ15が配置されている。
また、作像部(6、7、8、9)が配置されている側の現像装置(6a、7a、8a、9a)を挟んで感光体ベルト2の反対側には、各作像部(6、7、8、9)に対応して感光体ベルト2上に潜像を形成する書込みユニット21が配置されている。感光体ベルト2の下方には、転写部14に対して用紙搬送方向が斜めになるよう、搬入側に給紙ローラ19やレジストローラ対18などから成る給紙搬送部17と、搬出側に定着装置20が配置されている。
ここで、第一作像部6周辺の構成について説明する。第一作像部6は第一現像装置6a、第一帯電器6b、及び、第一現像対向ローラ6dなどで構成されている。また、第一現像対向ローラ6dよりも感光体ベルト2の移動方向上流側の書込みユニット21からのレーザ光が照射される感光体ベルト2の表面上の位置が露光位置としての第一露光部6cである。そして、第一作像部6に対して感光体ベルト2の移動方向下流側の各第二作像部7、第三作像部8、及び、第四作像部9も第一作像部6と同様の構成となっている。
なお、書込みユニット21から射出されるレーザ光による露光位置である露光部(6c〜9c)の各間隔(6cと7c間、7cと8c間、8cと9c間)は所定の間隔となるよう設定されている。
第一〜四現像装置(6a〜9a)には、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナーが格納されており、感光体ベルト2上に各色トナー像を形成し、4色のトナー像を重ね合わせてからカラー画像として用紙に転写する。
本実施例の書込みユニット21は一般的なレーザ走査光学系の書込み手段であり、画像情報毎に変調されたレーザ光を射出する。一般的にレーザ光は、コリメートレンズを通過して走査手段としてのポリゴンミラーによりその偏向反射面で偏向され、ポリゴンミラーの回転により主走査方向に走査する。ポリゴンミラーにより走査されるレーザ光は結像レンズにより集光されて感光体ベルト2上の各露光位置(6c〜9c)に結像され、感光体ベルト2の副走査方向の動きと同期して画像全体の潜像を形成する。
次に第一〜四現像装置(6a〜9a)について説明する。ただし全ての現像装置は同形状/同構成なので、1つの現像装置、本実施形態では第一現像装置6aに着目して説明する。本実施形態の第一〜四現像装置(6a〜9a)は、クラウド現像方式の現像装置であるが、このような現像装置としては、例えば、特開2007−133387号公報に記載の現像装置を用いることができるが、これに限るものではない。
第一現像装置6aは現像速度や現像画質の観点から感光体ベルト2と第一現像ローラ6eを非当接状態にして現像を行う非接触の現像装置である。第一現像装置6aは、第一現像ローラ6e、第一マグローラ6f、2本の第一攪拌スクリュ6gと、第一現像ローラ6e上のトナーを薄層化する第一ブレード6i、そしてそれらを収納する第一ケース6hなどで構成され、例えばイエローの二成分現像剤が格納されている。磁性キャリアにトナーを混合させた二成分現像剤を永久磁石が内包された第一マグローラ6fに担持され、第一マグローラ6fの表面移動によって第一現像ローラ6eとの対向部まで搬送される。そこでトナーの一部が第一マグローラ6fと第一現像ローラ6eとの間のバイアス電位によって第一現像ローラ6eの表面に転移する。第一現像ローラ6eに転移されたトナーは、クラウド状態となり、第一現像ローラ6eの回転によって第一現像ローラ6eと感光体ベルト2とが対向する現像位置へと運ばれる。そして、感光体ベルト2表面から0.2〜0.5[mm]程度の現像ギャップが設けられた第一現像ローラ6e表面の平均電位と感光体ベルト2の表面電位との差によって現像が行われる(トナー像が形成される)。現像位置で、現像に用いられなかったトナーは第一現像ローラ6eの回転によって第一現像ローラ6eと第一マグローラ6fとの対向部に戻ってくるようになっている。クラウドはトナーの付着力が非常に低い状態なので、現像されず戻ってきたトナーは、第一マグローラ6fの回転に追随した二成分現像剤の穂によって容易に掻き取られたり均されたりする。これを繰り返すことによって、第一現像ローラ6e上には常にほぼ一定量のトナーがクラウド状態として担持される。他の現像装置(7a、8a、9a)についても同様である。
第一〜四帯電器(6b〜9b)はコロナ帯電器である。解りやすくするため具体的な数値の例を示して説明すると、コロナ電極に印加する交流電圧をピーク間電圧12[kV]、周波数2[kHz]、感光体ベルト2の回転方向の上流側のシールドに印加する直流電圧を−800[V]、下流側のシールドに印加する直流電圧を−400[V]とし、帯電の目標電位を−400[V]とする。感光体ベルト2の回転方向の上流側では目標電位の−400[V]よりも大きい−800[V]をシールドに印加するので帯電速度が大きく、一時的に−400[V]より大きく感光体ベルト2は帯電される。そして、感光体ベルト2の回転方向の下流側のシールドに−400[V]の電圧を印加するので、−400[V]まで除電されて収束することになる。このように、一度電位を上げてから下げる経路を経ると、感光体ベルト2上にトナー層が形成されている時に、トナーが持つ電荷を除電(または、帯電量の増加を抑えること)することが可能となる。
次に、プリンタ100における画像形成動作について説明する。
駆動ローラ3が回転することにより所定の線速で無端移動する感光体ベルト2を、先ず、第一作像部6において第一帯電器6bにより例えば−400[V]で一様に帯電させる。そして、画像のイエロー情報により変調された書込みユニット21のレーザ光が露光位置である第一露光部6cで感光体ベルト2を露光すると、露光部分の電位が低下しイエローの静電潜像を形成する。その静電潜像は、例えば−300[V]の現像バイアスの第一現像装置6aによってイエロートナー像として感光体ベルト2上に形成する。
さらに、感光体ベルト2の無端移動により、イエロートナー像が形成された感光体ベルト2表面は第二作像部7まで移動する。そして、第二帯電器7bにより再帯電され、露光位置である第二露光部7cでの露光後、第二現像装置7aでマゼンタトナー像をイエロートナー像の上に重なり合わせるように現像する。
続けて、感光体ベルト2の無端移動により、現像されたイエローとマゼンタとの二色重ねトナー像が形成された感光体ベルト2表面は、第三作像部8まで移動する。そして、第三帯電器8bにより再再帯電され、露光位置である第三露光部8cでの露光後、第三現像装置8aでシアントナー像をイエローとマゼンタとの二色重ねトナー像の上に重なり合わせるように現像する。
最後に、感光体ベルト2の回動により、現像されたイエロー、マゼンタ及びシアンの三色重ねトナー像が形成された感光体ベルト2表面は第四作像部9まで移動する。そして、第四帯電器9bにより四度目の帯電が行われ、露光位置である第四露光部9cでの露光後、第四現像装置9aでブラックトナー像をイエロー、マゼンタ及びシアンの三色重ねトナー像の上に重なり合わせるように現像する。
感光体ベルト2上に形成された四色の重ねトナー像は、用紙への転写効率が最適となるよう転写前除電器10で電荷が調整され、転写部14まで進む。そして、上述した作像動作に同期して給紙搬送部17で用紙搬送シーケンスが動作し、給紙ローラ19やレジストローラ対18などにより用紙が搬送され、感光体ベルト2の表面に沿うように接触する。そして転写部14でトナー像と用紙が合わさり、転写ローラ15のバイアス印加により感光体ベルト2上の四色のトナー像が一括して用紙に転写される。転写後の用紙は、図示しない除電針などにより感光体ベルト2から剥離され、定着装置20に送られ定着される。
転写後の残トナーおよび感光体ベルト2は、除電ランプ12で帯電状態が調整され、残トナーはクリーニング部11でクリーニングされ、感光体ベルト2は次の画像形成に備える。
上述した動作によってプリンタ100での四色の画像形成動作が完了する。このようなカラー画像形成装置によれば、中間転写体を用いることなく感光体ベルト2上に四色を重ね合わせ、感光体ベルト2の1回転でカラー画像を出力するので、高品位なカラー画像を高速で出力することができ、しかも装置の小型化が可能となる。
次に、本実施形態の各現像装置(6a、7a、8a、9a)に適用可能なクラウド現像方式の現像装置の一例について説明する。
図2は、本実施形態の各現像装置に敵用意可能なクラウド現像方式の現像装置56の概略説明図である。
図2に示すように、現像装置56は、現像ローラ31、ケース60、マグローラ57、及び、2本の攪拌スクリュ61等から構成される。
図3は、マグローラ57から供給されたトナーを現像位置まで担持するトナー担持体としての現像ローラ31の斜視説明図である。トナー担持体としての現像ローラ31は、トナー搬送基板を回転ローラ形状に形成したものであり、現像ローラ31の表面移動に所定(数[μm]程度)のピッチで配列されて空間周期的に配置された複数の電極41、42、43・・・を備える。複数の電極41、42、43・・・からなる電極バターンにおける、ある電極から現像ローラ31の表面移動方向に数えて奇数番目の電極の集合体である奇数番目電極群におけるそれぞれの電極に接続された第一共通電極としての第一電極軸40Aを有している。また、偶数番目の電極の集合体である偶数番目電極群におけるそれぞれの電極に接続された第二共通電極としての第二電極軸40Bも有している。
第一電極軸40Aは、現像ローラ31の回転軸線方向の一端側に位置する金属製の回転軸部材が第一共通電極として兼用されたものである。また、第二電極軸40Bは、現像ローラ31の回転軸線方向の他端側に位置する金属製の回転軸部材が第二共通電極として兼用されたものである。これら第一電極軸40A及び第二電極軸40Bは、互いに絶縁状態を維持するように配設されており、それぞれ図示しない軸受けに回転自在に支持されている。そして、現像ローラ31の表面移動方向である回転方向の全周に渡って導電性表面を露出させている。
第一電極軸40A及び第二電極軸40Bには、図示しない電極ブラシ等の摺擦接点部材によって交流電源からバイアス電位として交流電圧が印加される。この交流電圧は、図4に示されるように、上述の奇数番目電極群を束ねた第一電極軸40Aに印加される矩形波状のA相パルス電圧と、偶数番目電極群を束ねた第二電極軸40Bに印加される矩形波状のB相パルス電圧とからなる。これらA相パルス電圧、B相パルス電圧は、図示のように互いに逆位相になっており、単位時間あたりにおける平均電位は互いに同じである。なお、図5に示すように、一方の電極軸に周波数fの矩形波状のパルス電圧を印加する一方で、もう一方の電極軸には、前記パルス電圧の平均電位となる直流電圧を印加しても、逆位相のパルス電圧を採用する場合と同様に、フレア現象を生起せしめることが可能である。
現像ローラ31は、図6(a)に示すように、絶縁体であるアクリル樹脂の円筒51に軸穴52を設け、図6(b)に示すようにステンレス製の第一電極軸40A及び第二電極軸40Bを円筒51の軸穴52に圧入して第一電極軸40Aを奇数番目電極群41、43・・・に、第二電極軸40Bを偶数番目電極群42・・・にそれぞれ接続する。
次に、図7(a)〜(e)に示す各工程でパターン電極を形成する。図7は現像ローラ31の表面を回転軸に沿った方向に見た図である。図7(a)に示す工程では、図6に示す工程よって得られた円筒51の表面を外周旋削によって平滑に仕上げる。図7(b)に示す工程では、溝のピッチが100[μm]、溝幅が50[μm]となるように溝53の切削を行う。図7(c)に示す工程では、溝切削を行った円筒51に無電解ニッケル54のメッキを施し、図7(d)に示す工程では、無電解ニッケル54のメッキを施した円筒51の外周を旋削して不要な導体膜を取り除く。この時点で電極41、42、43・・・が溝53の部分に互いに絶縁して形成される。その後、円筒51にシリコーン系樹脂をコーティングすることで円筒51の表面を平滑にし、同時に表面保護層55(厚み約5[μm]、体積抵抗率約1010[Ω・cm])を形成して現像ローラ31を製作した。
図8は、現像ローラ31を平面状に展開した状態を示す平面図である。この現像ローラ31は、表面保護層55上に薄いトナー層が形成される。そして、第一電極軸40A及び第二電極軸40Bに対して図4に示した交流電圧がバイアス電位として図示しない交流電源から電極ブラシ等を介して印加される。この印加は、次のようにして行われる。即ち、図9に示すように、現像ローラ31の第一電極軸40Aの周面には、現像装置56本体側に固定された金属等の導電性材料からなる第一摺擦接点部材91Aが接触しており、回転する第一電極軸40Aと摺擦する。上述の奇数番目電極群におけるそれぞれの電極に対しては、A相交流電源59Aから出力される上述のA相パルス電圧(図4参照)が、この第一摺擦接点部材91Aと第一電極軸40Aとを介して印加される。また、現像ローラ31の第二電極軸40Bの周面には、現像装置56本体側に固定された金属等の導電性材料からなる第二摺擦接点部材91Bが接触しており、回転する第二電極軸40Bと摺擦する。上述の偶数番目電極群におけるそれぞれの電極に対しては、B相交流電源59Bから出力される上述のB相パルス電圧(図4参照)が、この第二摺擦接点部材91Bと第二電極軸40Bとを介して印加される。このようにして各電極にパルス電圧が印加されると、トナーは奇数番目電極群41、43・・・と偶数番目電極群42・・・を往復するような運動(フレア)を行う。
かかる構成において、現像ローラ31の複数の電極における同一群の電極に対して共通した電圧を導くための第一電極軸40A及び第二電極軸40Bについては、トナーの粒径やホッピング性を考慮して幅を決定する必要がないため、図示のようにかなり広幅のものを用いることが可能となる。更には、これら電極軸に摺擦せしめる図示しない電極ブラシ等の摺擦接点部材についても、電極軸(40A、40B)の幅にあわせて、広幅のものを用いることが可能になる。これらの結果、電極軸と摺擦接点部材との摩耗による接触不良の発生時期を従来よりも遅らせて、従来よりも現像装置の長寿命化を図ることができる。
第一電極軸40Aと第二電極軸40Bとは、現像ローラ31において互いに回転軸線方向にずらして配設されている。かかる構成では、第一電極軸40Aと第二電極軸40Bとを互いに回転軸線方向にずらしていることで、回転する電極軸40A、電極軸40Bに対して、それぞれ摺擦接点部材を独立させて摺擦せしめることができる。
また、本実施形態に適用可能な現像装置56においては、現像ローラ31の回転軸線方向における一端側に位置する金属製の第一電極軸40Aを第一共通電極として兼用するとともに、他端側に位置する金属製の第二電極軸40Bを第二共通電極として兼用し、それら電極軸を互いに絶縁状態にしている。かかる構成では、現像ローラ31に新たな共通電極を設けることなく、それぞれの電極群に独立してパルス電圧を印加することができる。
ここで現像装置56において、交流電源から電極41、42、43・・・間に印加する交流電圧のプラス側ピーク値とマイナス側ピーク値との差分の絶対値がVmax[V]とし、電極41、42、43・・・のうち、隣り合う電極間の距離をp[μm]とする。この場合、特開2007−133387号公報に記載されているように、Vmax[V]/p[μm]>1である時にフレアが活性化し始めて、Vmax[V]/p[μm]>3はフレアが完全に活性化する。また、現像ローラ31は、表面保護層55の体積抵抗率が10〜1012[Ω・cm]の範囲にあることが適正であり、表面保護層55がシリコーン系樹脂である。表面保護層55の材料は、上述のように、トナーとの摩擦でトナーに正規の電荷を与えられる材質であることが好ましく、例えばガラス系のものや、二成分現像剤のキャリアコートに使用されている材料を用いることが好ましい。pは現像ギャップG1より小さいこと、すなわちp<G1に設定される。
プリンタ100では、トナーとして、母材樹脂(トナーの主成分)がポリエステル又はスチレンアクリルからなり、且つ正規帯電極性がマイナス極性(負極性)であるものを用いている。そして、潜像担持体である感光体ベルト2の一様帯電部(地肌部)と潜像部とを共にトナーの正規帯電極性と同極性(本例ではマイナス極性)にし、且つ地肌部よりも電位を減衰せしめた潜像部に対してトナーを選択的に付着させるいわゆる反転現像を行うようになっている。
図8における現像ローラ31は、図7を用いて説明した基板となる円筒51と、複数の電極(41、42・・・)と、これら電極を覆う表面保護層55とを有している。この表面保護層55としては、トナー担持体たる現像ローラ31の表面上でホッピングするトナーとの摺擦に伴ってトナーの正規帯電極性側(本例ではマイナス側)への摩擦帯電を促す材料からなるもの、を用いている。即ち、トナーの方が表面保護層55よりも摩擦帯電系列上でマイナス側に位置しているのである。このような関係を実現し得る表面保護層55の材料としては、シリコーン、ナイロン、メラミン樹脂、アクリル樹脂、PVA、ウレタンなどの有機材料を例示することができる。また、第四級アンモニウム塩やニグシロン系染料などでもよい。更には、これまでに例示した材料の2つ以上を混合した材料でもよい。これらの材料は、トナーの正規帯電極性側への摩擦帯電を促すことに加えて、自らの絶縁性によってトナー電荷の電極へのリークを回避することが可能である。
このような表面保護層55を具備する現像ローラ31では、表面保護層55がホッピングするトナーとの摺擦に伴ってトナーの正規帯電極性側への摩擦帯電を促す。そして、表面保護層55との摺擦に伴うトナーの正規帯電極性とは逆極性側への摩擦帯電を回避する。これにより、ホッピングに伴うトナーの帯電量(正規帯電極性)の低下を抑えることで、トナーのホッピング不良による現像不良の発生を抑えることができる。
なお、トナーとして、正規帯電極性がプラス極性(正極性)であるものを用いてもよい。この場合には、表面保護層55として、トナーとの摺擦に伴ってトナーのプラス極性側への摩擦帯電を促す材料からなるものを用いればよい。
また、トナーの帯電系列とは、トナー母材樹脂(粒子)にシリカ、酸化チタンなどの外添剤を添加したトナー全体としての帯電系列を意味する。帯電系列における序列については、次のようにして調べることが可能である。即ち、トナーを表面保護層上で所定時間だけ表面保護層に摺擦せしめた後、そのトナーを吸引して採取する。そして、採取したトナーの帯電量をエレクトロメータで測定する。この測定結果がトナーの負極性への帯電量増加を示すものであれば、トナーの方が表面保護層よりもマイナス側の帯電系列となる。また、測定結果がトナーの正極性への帯電量増加を示すものであれば、トナーの方が表面保護層よりもプラス側の帯電系列となる。
また、表面保護層55と電極との間に中間層を設けてもよい。この場合、中間層として、Ti、Sn、Fe、Cu、Cr、Ni、Zn、Mg、Al、TiO、SnO、Fe、Fe、CuO、Cr、NiO、ZnO、MgO、Al等の導電性の材料からなるものを用いることも可能である。
図2に示す現像装置56は上述した現像ローラ31を備える現像装置である。ケース60とマグローラ57とからなる構成は、通常の二成分現像装置と同様の構成であり、マグローラ57上に形成された二成分現像剤の穂が現像ローラ31の表面に当接されている。具体的には、粒径50[μm]の磁性キャリア粉と粒径約6[μm]のポリエステルトナーを重量比で7〜8[wt%]混合させた二成分現像剤をケース60内に収容し、永久磁石を内包するマグローラ57によって二成分現像剤を現像ローラ31と対向する位置まで搬送する。そして、この対向する位置でトナーの一部がマグローラ57と現像ローラ31との間に印加される直流バイアス電位によって現像ローラ31に転移する。
現像ローラ31に転移したトナーは、現像ローラ31上でフレアを形成しながら、現像ローラ31が図示しない駆動部により回転駆動されることで感光体ベルト2との対向部である現像位置に搬送される。そして、現像ローラ31表面の平均電位と感光体ベルト2の表面電位との差によって現像ローラ31表面上のトナーが感光体ベルト2上の静電潜像に付着することで静電潜像を現像してトナー像を形成する。なお、第一電極軸40A及び第二電極40B間には交流電源59から電極ブラシ等によってバイアス電位として交流電圧が印加され、奇数番目電極群41、43・・・と偶数番目電極群42・・・との間に時間周期的な電位差が形成される。
現像位置で現像に寄与しなかったトナーは現像位置から再びマグローラ57との対向部に戻ってくる。フレアが形成されているので、現像ローラ31に対するトナーの付着力は非常に低く、現像ローラ31の表面移動によって現像位置からマグローラ57との対向部に戻ってきたトナーは、マグローラ57の回転に追随した二成分現像剤の穂によって容易に掻き取られたり馴らされたりする。これを繰り返すことによって、現像ローラ31上には常にほぼ一定量のトナーフレアが形成されることになる。現像装置56では、ケース60内の二成分現像剤63を2本の攪拌スクリュ61で攪拌しながら搬送して循環させ、マグローラ57がその二成分現像剤の一部を現像ローラ31まで搬送すると共に現像位置から現像に寄与しなかった不要なトナーケース60内を戻す。
なお、クラウド現像方式の現像装置としては上述した一例の構成に限るものではない。
また、非当接の構成は、感光体と現像ローラが互いにメカ的ストレスや負荷変動を与え合うことがなく、どちらかを弾性体にする必要もない。しかし、所定間隔を高精度に保持/管理し、現像ギャップが最適となるようにする必要がある。また、特許文献1〜特許文献5の公報を含む非接触現像方式と磁気ブラシ現像方式の共通した問題点として、感光体と現像ローラを非当接としたことによる現像時のトナー飛散や現像チリなどが挙げられ、画像劣化の大きな要因となっている。
そして、上述したように実施例のクラウド現像はトナーの付着力が非常に低い状態にあるので、図14〜図16で説明した浮遊トナーの発生が必至であり、その量が他の現像方式に比べて多くなることが確認されている。
本出願人が行った現像チリの観察実験によれば、現像チリの原因となる浮遊トナーの数(量)を感光体の表面移動方向について有効現像領域の上流側と下流側とで比較してみたところ、上流側に比べて下流側の方が多いことが確認された。簡単に言うと、感光体表面が有効現像領域に進入する直前である入り口付近よりも有効現像領域を通過した直後の出口付近の方が、現像チリが多く発生しているということである。
これは現像ポテンシャルや、感光体及びトナー像担持体の表面移動で生じる気流などが影響していると考えられる。もっとも感光体表面が有効現像領域に進入する直前となる上流側で浮遊トナーが感光体の潜像以外の箇所に付着してしまっても、感光体表面はそのまま有効現像領域に入り、通常の現像が行われる。このため、感光体表面の潜像以外の箇所に付着したトナーは、有効現像領域での現像ポテンシャルによってトナー担持体側へ移動するため、有効現像領域に対して感光体の表面移動方向上流側で感光体表面上に付着したトナーの影響はほとんど無く、有効現像領域の上流側での浮遊トナーはあまり問題とならない。すなわち、画像劣化の大きな原因となる現像チリは、有効現像領域の下流側での浮遊トナーが要因であり、有効現像領域の下流側での浮遊トナーを抑制することにより、現像チリに起因する画像劣化を抑制することができる。
なお、図14〜図16を用いて説明したように、下流側現像影響領域A3の幅w3が狭ければ狭いほど、現像チリトナーT2の付着量を少なくし、現像チリを軽減し、現像チリに起因する画像劣化を抑制することができる。また、非接触現像方式などの非当接の現像方式では、有効現像領域の幅は実質、現像ローラ径および感光体ドラム径で決定される。
図14を用いて説明した構成は、感光体がドラム状の感光体ドラム58である。図14に示す例では、有効現像領域A1の幅W1は実質、現像ローラ31の径、および感光体ドラム58の径で決定される。
最近の画像形成装置においては、装置自体の小型化に伴い感光体ドラムおよび現像ローラの小径化も進んでいるが、感光体ドラムおよび現像ローラの小径化は有効現像領域の幅を狭くすることにも役立ち、所謂、狭間現像となり、凝集した密な現像を行うことができるので現像画質を向上させている。さらに現像影響領域の幅をも狭くすることになるので、現像チリの発生を抑制することができる。
逆に言えば、ドラム状の感光体を備える構成では、現像影響領域の幅は感光体ドラムおよび現像ローラの径に依存しており、現像影響領域を更に小幅化するには更に小径化するしかない。しかし、技術的にも装置のレイアウト的にも現状では感光体ドラムは直径25[mm]程度、現像ローラは直径14[mm]程度がほぼ限界と思われるので、感光体をドラム状とする場合、現像影響領域の更なる小幅化は困難であり、現像チリのこれ以上の改善は難しい状況である。また感光体ドラムの小径化は感光体の寿命に直接係わることなので、コストや交換回数などが問題となってくる。
それに対し感光体をベルト状にすると、感光体ドラムほどの小周長化は望めないが設計レイアウトの自由度が増すことで、感光体がドラム状である場合に生じた問題を解消することができる。感光体ベルトの場合、現像ローラに直接対向するのは当然、感光体ベルト自体であるが、現像位置における感光体ベルトの表面形状は、感光体ベルトの裏面をガイドし、現像ローラ対向位置にある現像対向ローラによって決まる。つまり、上記での感光体ドラムと現像ローラの関係が、感光体ベルトでは現像対向ローラと現像ローラの関係となる。現像対向ローラであれば一般的な金属ローラで良く、形状の自由度が大きくなり、感光体ドラムよりも大幅な小径化が望める。従って感光体をベルトにし、現像位置において感光体ベルトが現像対向ローラに巻きつくように構成することによって、現像影響領域の更なる小幅化は可能となり、現像チリの発生を抑制することが可能となる。
なお、図1に示すプリンタ100のように、四色のトナーを用いて画像形成するために、感光体ベルト2に対して4つの現像装置を対向させて配置する構成では、すべての現像位置において感光体ベルトが現像対向ローラに巻きつくように構成することは困難である。このため、プリンタ100では、現像チリが目立ち易いブラックトナーで現像する現像位置で、現像位置の少なくとも下流側で感光体ベルトが現像対向ローラに巻きつくように構成する。現像位置の少なくとも下流側で感光体ベルトが現像対向ローラに巻きつくように構成することにより、図14〜図16をもちいて説明したブラックトナーの現像位置での下流側現像影響領域A3の幅w3を狭めることができ、ブラックトナーによる現像チリを抑制することができる。これにより、現像チリに起因する画像劣化を抑制することができる。
プリンタ100のように、感光体ベルトと、感光体ベルトを挟んで現像位置に現像ローラと対向する現像対向ローラを設け、感光体ベルトと現像ローラを非当接状態にして画像形成を行う画像形成装置においては、感光体ベルトと現像ローラとの間を所定の間隔離し高精度に保持して、現像ギャップG1が最適となるようにしている。このとき感光体ベルトは、現像位置で撓みや振動による浮きが発生しないように、感光体ベルトにテンションを与えて、ある程度の幅で現像対向ローラに巻きつくようにしている。その巻きつき状態は大まかに、以下の(1)〜(4)の4つに分けることができる。
(1)現像位置を基準に上流側にのみ巻きつき、下流側は巻きつかない状態。言い換えると、現像ローラ31と現像対向ローラ32との最近接位置に対して、感光体表面移動方向上流側は感光体ベルト2の張架面が最近接位置における現像対向ローラ32の接線よりも現像対向ローラ32側となり、最近接位置に対して感光体表面移動方向下流側は感光体ベルト2の張架面が最近接位置における現像対向ローラ32の接線と実質的に重なる状態。
(2)現像位置を基準に下流側にのみ巻きつき、上流側は巻きつかない状態。言い換えると、現像ローラ31と現像対向ローラ32との最近接位置に対して、感光体表面移動方向下流側は感光体ベルト2の張架面が最近接位置における現像対向ローラ32の接線よりも現像対向ローラ32側となり、最近接位置に対して感光体表面移動方向上流側は感光体ベルト2の張架面が最近接位置における現像対向ローラ32の接線と実質的に重なる状態。
(3)現像位置を基準に上流側、下流側の両方ともに巻きつく状態。言い換えると、現像ローラ31と現像対向ローラ32との最近接位置に対して、感光体表面移動方向下流側と感光体表面移動方向上流側との両側とも、感光体ベルト2の張架面が最近接位置における現像対向ローラ32の接線よりも現像対向ローラ32側となる状態(図16参照)。
(4)現像位置を基準に上流側、下流側の両方ともに巻きつかない状態。言い換えると、現像ローラ31と現像対向ローラ32との最近接位置に対して、感光体表面移動方向下流側と感光体表面移動方向上流側との両側とも、感光体ベルト2の張架面が最近接位置における現像対向ローラ32の接線と実質的に重なる状態(図15参照)。
ここで、上記(1)及び(4)のように、現像ローラ31と現像対向ローラ32とが最も近接する最近接位置に対して感光体ベルト2の表面移動方向下流側での感光体ベルト2の張架面が最近接位置における現像対向ローラ32の接線と実質的に重なる現像部を下流側ベルト接線方向現像部と呼ぶ。また、上記(2)及び(3)のように、現像ローラ31と現像対向ローラ32とが最も近接する最近接位置に対して感光体ベルト2の表面移動方向下流側での感光体ベルト2の張架面が最近接位置における現像対向ローラ32の接線よりも現像対向ローラ32側となる現像部を下流側ベルト対向ローラ側現像部と呼ぶ。
図1に示すプリンタ100では、第一作像部6、第三作像部8、及び、第四作像部9が上記(2)の状態であり、第二作像部7が上記(1)の状態である。よって、本実施形態では、上記(1)及び上記(2)の状態について説明する。
なお従来のカラー画像形成装置では、現像ローラと現像対向ローラとの関係は設計のし易さ、位置設定の容易性などから現像ローラの回転中心と現像対向ローラの回転中心とを結ぶ直線が水平方向や鉛直方向に平行になるように、または、水平方向や鉛直方向に対して5[°]や20[°]などと判りやすい位置や角度に設定することが多い。
先ず、上記(1)の状態について、第二作像部7の構成に基づいて説明する。
図10は、現像動作時における第二作像部7の現像位置周辺の拡大図である。感光体ベルト2が第二現像対向ローラ7dに現像位置を基準に上流側にのみ巻きつき、下流側は巻きついていない状態となっている。言い換えると、第二現像ローラ7eと第二現像対向ローラ7dとの最近接位置に対して、感光体表面移動方向上流側は感光体ベルト2が第二現像対向ローラ7dに巻きつき、感光体ベルト2の張架面が最近接位置における第二現像対向ローラ7dの接線よりも第二現像対向ローラ7d側となっている。また、第二現像ローラ7eと第二現像対向ローラ7dとの最近接位置に対して感光体表面移動方向下流側は感光体ベルト2が第二現像対向ローラ7dに巻きついていない状態で、感光体ベルト2の張架面が最近接位置における第二現像対向ローラ7dの接線と実質的に重なる状態である。すなわち、第二作像部7の現像部は下流側ベルト接線方向現像部である。
図14を用いて説明したように感光体がドラム状の場合、現像位置の感光体ドラム58と現像ローラ31の中心を結ぶ一点鎖線L1(この場合は水平線)を基準に、有効現像領域A1、上流側現像影響領域A2及び下流側現像影響領域A3を比較すると、と同じ幅、すなわち、一点鎖線L1を挟んで上下対象であることが分かる。一方、図10に示すプリンタ100の第二作像部7においては、一点鎖線L1を挟んで有効現像領域A1の幅は上下対象ではなく、さらに、上流側現像影響領域A2の幅w2と下流側現像影響領域A3の幅w3とも違いが出ていることは明らかである。
有効現像領域A1は全体ではw1という幅であるが、有効現像領域A1を第二現像ローラ7eと第二現像対向ローラ7dの中心を結ぶ一点鎖線L1(この場合は水平線)を基準に感光体表面移動方向について上流側と下流側とで分けると、上流側の幅は狭く、下流側の幅は広くなっていることが分かる。また現像影響領域については、上流側現像影響領域A2の幅w2と下流側現像影響領域A3の幅w3との関係が、w2<w3となり、現像影響領域も下流側の幅が広くなっていることが分かる。これらは感光体ベルト2が第二現像対向ローラ7dに巻きついているか否かによるものである。
現像ギャップG1及び現像影響ギャップG2は予備実験等により設定される値であり、一点鎖線L1を挟んで上流側または下流側に関係無く、等しい値である。そして、プリンタ100では、現像ギャップG1は0.4[mm]であり、現像影響ギャップG2は0.7[mm]である。
しかし、現像ギャップG1、及び、現像影響ギャップG2の間隔が等しくても上流側と下流側では感光体ベルト2の巻きつき方が違うので、第二現像ローラ7eと感光体ベルト2との間隔が、現像ギャップG1以下となる領域、及び現像影響ギャップG2以下となる領域の位置に違いが出る。
これは、一点鎖線L1を挟んで下流側では感光体ベルト2が第二現像対向ローラ7dに巻きついていない分、現像ギャップG1及び現像影響ギャップG2となる領域が第二現像ローラ7e側(図の左側)にシフトしてしまうことにより違いが生じるためである。結果として図10の状態(現像位置を基準に上流側にのみ巻きつき、下流側は巻きついていない状態)では、上流側に比べて下流側の有効現像領域および現像影響領域の方が広くなってしまうのである。よって、図10の第二現像対向ローラ7dに対する感光体ベルト2の巻きつき方、及びそのときの第二現像対向ローラ7dに対する第二現像ローラ7eの位置においては、有効現像領域の幅が広くなり狭間現像が難しくなる。さらに、問題にしていた下流側の浮遊トナーの発生領域である下流側現像影響領域A3の幅w3も広くなってしまうので、現像チリの発生をかえって増進させてしまっている。また有効現像領域A1の下流側と下流側現像影響領域A3との感光体ベルト2が、第二現像対向ローラ7dに巻きついていない状態にあるため、その領域では感光体ベルト2の振動や撓みの影響を受けやすく、ギャップ変動による現像不良も危惧される。
また、上述したように非接触現像方式であるクラウド現像は、現像ローラに対するトナーの付着力が非常に低いので、それが要因となって現像チリが発生し、現像画像を劣化させていた。特にブラックの現像チリが目に付きやすく、対策を必要としていた。
そこで、図10のような現像下流側で現像チリやギャップ変動が危惧される構成においては、その箇所に設置する現像手段の色を少なくともブラックではないようにすれば問題は軽減される。ブラックは微小なトナーの粒や僅かな位置ずれ(色ずれ)であっても容易に認識されてしまうため、現像チリや現像不良が少しでも危惧される箇所にはブラックの現像手段を置くことは避けるべきである。そうすれば、特にテキスト等の黒文字を多く含む画像において良好な画像形成を行うことができるようになる。逆にその箇所の現像手段の色をイエローのような淡色とした場合、目視で認識され難く、多少の現像チリや現像不良はイエローであれば気にならないため、特にイエローを多く含む画像においては良好な画像形成を行うことができる。
図1に示すのプリンタ100では、現像位置を基準に上流側にのみ感光体ベルト2が現像対向ローラ巻きつき、下流側は巻きついていない状態の箇所は第二作像部7の1箇所だけである。しかし、感光体ベルト2の張架状態が同じであっても現像装置の配置が異なれば、他の作像部でも現像位置を基準に上流側にのみ感光体ベルト2が現像対向ローラ巻きつく状態になりうる。
図11は、第三作像部8で、感光体ベルト2の張架状態は変えることなく、第三現像装置8aの配置を変えた場合の説明図である。
第三作像部8は図11(a)状態であり、詳細は後述する上記(2)のように、下側のみ感光体ベルト2が現像対向ローラに巻きつき、上流側は巻きつかない状態で有る。しかし、図11(a)の状態から第三現像対向ローラ8dに対する第三現像ローラ8eの位置/角度を変えることで、図11(b)に示すように第二作像部7と同様の上流側にのみ巻きつき、下流側は巻きついていない構成となる。このように構成すれば上流側にのみ巻きつき、下流側は巻きついていない状態の箇所は複数箇所とすることができる。複数箇所となった場合においても、その箇所に設置する現像手段はブラックを避け、少なくとも1箇所はイエローを設置することが望ましい。
また、カラー画像形成装置において一般的に、色の重ね合せ時の画質やモノクロ画像のプリントスピードの観点から、潜像担持体ベルトの最下流に設置して最後に現像動作を行う現像手段をブラックとしている。しかしその箇所が上流側にのみ巻きつき、下流側は巻きついていない構成であっては、現像チリや現像不良による画像劣化が危惧され、特にブラックでは目立ってしまう。従って、ブラック現像手段を像担持体ベルト最下流の位置に設置する場合において、最近接位置よりも感光体表面移動方向下流側で感光体ベルト2が現像対向ローラに巻きついていない構成は避けるべきである。
次に、上記(2)の状態について、第三作像部8の構成に基づいて説明する。
図2に示すプリンタ100では、第一作像部6、第三作像部8、及び、第四作像部9は、感光体ベルト2が現像対向ローラ(6d、8d、及び、9d)に対して現像位置を基準に下流側にのみ巻きつき、上流側は巻きつかない構成となっている。
図12は、現像動作時における第三作像部8の現像位置周辺の拡大図である。感光体ベルト2が第三現像対向ローラ8dに現像位置を基準に下流側にのみ巻きつき、上流側は巻きついていない状態となっている。言い換えると、第三現像ローラ8eと第三現像対向ローラ8dとの最近接位置に対して、感光体表面移動方向上流側は感光体ベルト2が第三現像対向ローラ8dに巻きついていない状態で、感光体ベルト2の張架面が最近接位置における第三現像対向ローラ8dの接線と実質的に重なる状態である。また、第三現像ローラ8eと第三現像対向ローラ8dとの最近接位置に対して感光体表面移動方向下流側は感光体ベルト2が第三現像対向ローラ8dに巻きつき、感光体ベルト2の張架面が最近接位置における第三現像対向ローラ8dの接線よりも第三現像対向ローラ8d側となっている。すなわち、第三作像部8の現像部は下流側ベルト対向ローラ側現像部である。
感光体ベルト2の巻きつき方が図10と上下逆さな関係となっている。図10の場合と同様に、第三現像ローラ8eと第三現像対向ローラ8dとを結ぶ直線である一点鎖線L1(この場合も水平線)を挟んで、有効現像領域A1の幅は上下対象ではなく、上流側現像影響領域A2の幅w2と下流側現像影響領域A3の幅w3とも違いが出ている。そして、有効現像領域A1は図10と同様に全体ではw1という幅であるが、有効現像領域A1を、一点鎖線L1を基準に上流側と下流側とで分けると、図10とは逆に下流側の幅は狭く、上流側の幅は広くなっている。また現像影響領域でも一点鎖線L1を挟んで下流側の下流側現像影響領域A3の幅w3と上流側の上流側現像影響領域A2の幅w2との関係が、w3<w2となり、上流側現像影響領域A2の幅w2が広くなっている。これらは感光体ベルト2が第三現像対向ローラ8dに巻きついているか否かによるものである。
現像ギャップG1及び現像影響ギャップG2は予備実験等により設定される値であり、一点鎖線L1を挟んで上流側または下流側に関係無く、等しい値である。そして、第三作像部8現像部でも第二作像部7の現像部と同様に、現像ギャップG1は0.4[mm]であり、現像影響ギャップG2は0.7[mm]である。
しかし現像ギャップG1、及び、現像影響ギャップG2の間隔が等しくても上流側と下流側では感光体ベルト2の巻きつき方が違うので、第三現像ローラ8eと感光体ベルト2との間隔が、現像ギャップG1以下となる領域、及び現像影響ギャップG2以下となる領域の位置に違いが出る。
これは、一点鎖線L1を挟んで上流側では感光体ベルト2が第三現像対向ローラ8dに巻きついていない分、現像ギャップG1及び現像影響ギャップG2となる領域が第三現像ローラ8e側(図の左側)にシフトしてしまうことにより違いが生じるためである。結果として図12の状態(現像位置を基準に下流側にのみ巻きつき、上流側は巻きついていない状態)では、図10の状態とは逆に下流側に比べて上流側の有効現像領域および現像影響領域の方が広くなる。よって、図11の第三現像対向ローラ8dに対する感光体ベルト2の巻きつき方、及びそのときの第三現像対向ローラ8dに対する第三現像ローラ8eの位置においては、有効現像領域の幅が広くなり狭間現像が難しくなる。
しかし図10の場合と違い、問題にしていた現像位置に対して感光体表面移動方向下流側の浮遊トナーの発生領域である下流側現像影響領域A3の幅w3を狭くすることできるので、現像位置の下流側での現像チリ発生の抑制効果を出すことができる。また有効現像領域A1の最近接位置よりも上流側と上流側現像影響領域A2は感光体ベルト2が第三現像対向ローラ8dに巻きついていない状態にあるので、その領域では感光体ベルト2の振動や撓みの影響を受けやすく、ギャップ変動による現像不良が危惧される。しかし、最近接位置よりも上流側であり、現像不良が生じた感光体ベルト2表面がその後、最近接位置に向かい、適切な現像が行われるため画質への影響は少ない。従ってこの箇所に設置する現像手段の色を、微小なトナーの粒や僅かな位置ずれ(色ずれ)であっても容易に認識されてしまうブラックにすれば、ブラックによる現像チリや現像不良による画像劣化が大幅に改善され、高品質の画像が望めるようになる。そのようにすれば、特にテキスト等の黒文字を多く含む画像において良好な画像形成を行うことができるようになる。
なお、図12に示すように、感光体ベルト2が最近接位置に対して感光体表面移動方向下流側にのみ巻きつき、上流側は巻きつかない状態は第三作像部8だけでない。
図13は、第三作像部8と同様に感光体ベルト2が最近接位置に対して感光体表面移動方向下流側にのみ巻きつき、上流側は巻きつかない状態の説明図であり、図13(a)は第一作像部6、図13(b)は第四作像部9の説明図である。現像対向ローラに対する現像ローラの位置/角度と、巻きつき幅が違うだけで、図13(a)及び(b)に示すように第一作像部6及び第四作像部9も第三作像部と同じ構成となっている。このような構成箇所が図1に示すプリンタ100のように複数箇所ある場合は、その箇所に設置される現像手段は少なくとも1箇所はブラックを設置することが望ましく、この構成とブラックの設置位置を組み合わせれば画像品質を向上させることができる。
また、上述したようにカラー画像形成装置において一般的に、像担持体ベルトの最下流に設置して最後に現像動作を行う現像手段をブラックとしている。そして、その箇所に、最近接位置に対して少なくとも感光体表面移動方向下流側で感光体ベルト2が現像対向ローラに巻きついている構成を採用すれば、現像チリや現像不良による画像劣化の問題が軽減され、特に目立つブラックにおいて問題が軽減されればより良好な画像形成を行うことができる。従って、ブラック現像手段を潜像担持体ベルト最下流の位置に設置する場合においては、最近接位置に対して少なくとも感光体表面移動方向下流側で感光体ベルト2が現像対向ローラに巻きついている構成にすべきである。
以上、本実施形態では、感光体ベルト上で色毎に重ね合わせてカラー画像を形成するタイプのカラー画像形成装置に本発明を適用した例を挙げて説明したが、本発明の構成はそれに限定されることはなく、転写紙上で色を重ね合わせるタイプでも、中間転写媒体上で色を重ね合わせるタイプでも適用可能である。
また、現像方式として非接触のクラウド現像方式を用いて説明したが、本発明の構成はそれに限定されることはなく、感光体ベルトと現像ローラが非当接の他の非当接現像方式であっても適用可能である。また、当接現像方式であっても、現像ローラと感光体ベルトが当接する領域を有効現像領域とし、最近接位置における接線を、当接する領域での感光体表面移動方向下流側端部における接線とすることにより、本発明の特徴部を適用可能である。
また、二成分現像方式の現像装置を用いた構成を説明したが、一成分の磁性または非磁性のトナーを用いる一成分現像方式であっても、感光体ベルトに複数の現像装置が対向するカラー画像形成装置であれば適用可能である。
以上、本実施形態のカラー画像形成装置であるプリンタ100は、外周面に静電潜像を担持し、複数の張架ローラによって張架され無端移動する潜像担持体ベルトとしての感光体ベルト2を備える。また、表面にトナーを担持して無端移動するトナー担持体である現像ローラ(6e〜9e)の表面上のトナーを、感光体ベルト2上の静電潜像に供給してトナー像化するように感光体ベルト2上の表面に対向配置され、異なる色のトナーを用いる複数の現像手段としての現像装置(6a〜9a)を備える。また、複数の現像装置(6a〜9a)の各現像ローラ(6e〜9e)に対して感光体ベルト2を挟んで対向し、感光体ベルト2の内周面に接触しながら複数の張架ローラの一部を担う複数の現像対向ローラ(6d〜9d)を備える。また、感光体ベルト2上に形成されたトナー像を転写部14で記録媒体である用紙に転写する転写手段である転写ローラ15を備える。また、複数の現像装置(6a〜9a)として、ブラックトナーを用いるブラック用の現像装置と、ブラックとは異なる色のトナーを用いるカラー用の現像装置とを備える。そして、現像ローラ(6e〜9e)とそれに対向する現像対向ローラ(6d〜9d)とによって形成される複数の現像部について、第二作像部7における現像部は、第二現像ローラ7eと第二現像対向ローラ7dとが最も近接する最近接位置に対して感光体ベルト2の表面移動方向下流側での感光体ベルト2の張架面が、図10で示すように、最近接位置における第二現像対向ローラ7dの接線と実質的に重なる下流側ベルト接線方向現像部となっている。一方、第三作像部8における現像部は、最近接位置に対して感光体ベルト2の表面移動方向下流側での感光体ベルト2の張架面が、図12で示すように、最近接位置における第三現像対向ローラ8dの接線よりも第三現像対向ローラ8d側となる下流側ベルト対向ローラ側現像部となっている。また、第一作像部6及び第四作像部9における現像部も、第三作像部8の現像部と同様に、下流側ベルト対向ローラ側現像部となっている。そして、ブラック用の現像装置を、現像部が下流側ベルト対向ローラ側現像部となる第四作像部9の第四現像装置9aに配置する。
感光体ベルト2が最近接位置を基準に現像対向ローラの下流側には巻き付かない構成の箇所には、ブラックを除く色の現像装置を設置するようにしたので、特に目立つブラックの現像チリによる地汚れや色ずれ、現像ギャップ変動による現像不良の問題を軽減することができるので、高品質の画像を提供することができる。また、感光体ベルト2が最近接位置を基準に現像対向ローラの下流側に巻きつく構成の箇所に設置する現像装置にブラックを用いているので、特に目立つブラックの現像チリによる地汚れや色ずれ、現像ギャップ変動による現像不良の問題を軽減することができる。よって、テキスト等の黒文字を多く含む画像などで高品質化が可能となる。
また、複数の現像部が、下流側ベルト接線方向現像部と、下流側ベルト対向ローラ側現像部とが存在する。そして、感光体ベルト2の断面を張架面が辺となる多角形と見た場合に現像位置が辺の途中ではなく多角形の頂点となるような張架状態とするという要件と、最近接位置よりも感光体表面移動方向下流側の感光体ベルト2が最近接位置における現像対向ローラ32の接線よりも現像剤対向ローラ32側となるように、感光体ベルト2に対して現像装置を配置すること要件とを件を満たすのは下流側ベルト対向ローラ側現像部だけでよい。このため、レイアウトの自由度を維持することができる。
このように、プリンタ100では、レイアウトの自由度を維持しつつ、現像チリに起因する画像劣化を抑制することができる。
また、プリンタ100は、カラー用の現像装置の少なくとも一つはイエロートナーを用いるイエロー用の現像装置であり、イエロー用の現像装置を現像部が下流側ベルト接線方向現像部となる第二作像部7の第二現像装置7aに配置しても良い。感光体ベルト2が最近接位置を基準に現像対向ローラの上流側にのみ巻きつき、下流側には巻きつかない構成の箇所に設置する現像手段の色をイエローとしたので、特に目視で認識し難い色を考慮し、実質的に目視で認識される現像チリや色ずれ、現像ギャップ変動による現像不良の問題を軽減することができるので、高品質の画像を提供することができる。
また、図11を用いて説明したように、4つの現像部のうち、下流側ベルト接線方向現像部となる現像部が複数箇所ある場合、複数の下流側ベルト接線方向現像部のうちの少なくとも一箇所にイエロー用の現像装置を配置する。これにより、実質的に目視で認識される現像チリや色ずれ、現像ギャップ変動による現像不良の問題を軽減することができるので、高品質の画像を提供することができる。
また、プリンタ100は、感光体ベルト2の外周面における転写手段である転写ローラ15によってトナー像の転写が行われる位置を基準とした場合、4つの現像部のうち感光体ベルト2の表面移動方向の最下流の現像部第四作像部9における現像部が下流側ベルト接線方向現像部とならないように構成している。これにより、一般的に最下流にブラックを設置することの多いカラー画像形成装置において、ブラックの現像チリや色ずれ、現像ギャップ変動による現像不良の発生をできるだけ抑えることができるので、高品質の画像を提供することができる。
また、プリンタ100は図13を用いて説明したように、4つの現像部のうち、下流側ベルト対向ローラ側現像部となる現像部が複数箇所あり、複数の下流側ベルト対向ローラ側現像部のうちの少なくとも一箇所にブラック用の現像装置を配置している。これにより、特に目立つブラックの現像チリによる地汚れや色ずれ、現像ギャップ変動による現像不良の問題を軽減することができるので、高品質の画像を提供することができる。
また、プリンタ100は、感光体ベルト2の外周面における転写手段である転写ローラ15によってトナー像の転写が行われる位置を基準とした場合、4つの現像部のうち感光体ベルト2の表面移動方向の最下流の現像部である第四作像部9における現像部が下流側ベルト対向ローラ側現像部となるように構成している。これにより、一般的に最下流にブラックを設置することの多いカラー画像形成装置において、ブラックの現像チリや色ずれ、現像ギャップ変動による現像不良の発生をできるだけ抑えることができるので、高品質の画像を提供することができる。
また、プリンタ100の四つの現像装置(6a〜9a)は、現像ローラ(6e〜9e)上でトナーが浮遊している状態を形成して現像を行う非接触現像方式であるクラウド現像方式である。そして、プリンタ100では、トナーの付着力が非常に低く、浮遊トナーが発生し易いクラウド現像方式にて、現像チリや色ずれ、現像ギャップ変動による現像不良を軽減した高品質の画像を提供することができる。
本実施形態のプリンタの画像形成部の構成を示す概略断面図。 クラウド現像方式の現像装置の一例の概略構成図。 同現像装置に用いられる現像ローラの斜視説明図。 同現像ローラの電極に印加されるA相パルス電圧及びB相パルス電圧の特性を示す波形図。 同現像ローラの電極に印加されるパルス電圧及び平均電圧の特性を示す波形図。 同現像ローラの製造工程の一部を示す断面図。 同現像ローラの製造工程の他の一部を示す断面図。 同現像ローラを平面状に展開した状態を示す展開図。 同現像ローラを示す平面図。 現像動作時における第二作像部の現像位置周辺の拡大図。 感光体ベルトの張架状態は変えることなく、第三現像装置の配置を変えた場合の説明図。 現像動作時における第三作像部の現像位置周辺の拡大図。 感光体ベルトが最近接位置に対して感光体表面移動方向下流側にのみ巻きつき、上流側は巻きつかない状態の説明図、(a)は、第一作像部、(b)は、第四作像部。 非接触現像方式のトナー担持体と感光体とが近接する現像位置周辺の概念図。 現像ローラと対向する位置の感光体ベルトが略平面となっている構成の現像位置周辺の概念図。 現像ローラと対向する位置の感光体ベルトが現像対向ローラに沿った形状となっている構成の現像位置周辺の概念図。
符号の説明
2 感光体ベルト
3 駆動ローラ
4 テンションローラ
5 転写対向ローラ
6 第一作像部
7 第二作像部
8 第三作像部
9 第四作像部
10 転写前除電器
11 クリーニング部
12 除電ランプ
14 転写部
15 転写ローラ
17 給紙搬送部
18 レジストローラ対
19 給紙ローラ
20 定着装置
21 書込みユニット
31 現像ローラ
32 現像対向ローラ
58 感光体ドラム
100 プリンタ
A1 有効現像領域
A2 上流側現像影響領域
A3 下流側現像影響領域
G1 現像ギャップ
G2 現像影響ギャップ

Claims (7)

  1. 外周面に静電潜像を担持し、複数の張架ローラによって張架され無端移動する潜像担持体ベルトと、
    表面にトナーを担持して無端移動するトナー担持体の表面上のトナーを、該潜像担持体ベルト上の静電潜像に供給してトナー像化するように該潜像担持体ベルト上の表面に対向配置され、異なる色のトナーを用いる複数の現像手段と、
    複数の該現像手段の各トナー担持体に対して該潜像担持体ベルトを挟んで対向し、該潜像担持体ベルトの内周面に接触しながら複数の張架ローラの一部を担う複数の現像対向ローラと、
    上記潜像担持体ベルト上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段とを備え、
    上記複数の現像手段として、ブラックトナーを用いるブラック用現像手段と、ブラックとは異なる色のトナーを用いるカラー用現像手段とを備えるカラー画像形成装置において、
    上記トナー担持体とそれに対向する上記現像対向ローラとによって形成される複数の現像部について、
    該トナー担持体と該現像対向ローラとが最も近接する最近接位置に対して上記潜像担持体ベルトの表面移動方向下流側での該潜像担持体ベルトの張架面が該最近接位置における該現像対向ローラの接線と実質的に重なる現像部(以下、「下流側ベルト接線方向現像部」と呼ぶ)と、
    該最近接位置に対して該潜像担持体ベルトの表面移動方向下流側での該潜像担持体ベルトの張架面が該最近接位置における該現像対向ローラの接線よりも該現像対向ローラ側となる現像部(以下、「下流側ベルト対向ローラ側現像部」と呼ぶ)とがあり、
    上記ブラック用現像手段は、該下流側ベルト対向ローラ側現像部に配置することを特徴とするカラー画像形成装置。
  2. 請求項1のカラー画像形成装置において、
    上記カラー用現像手段の少なくとも一つはイエロートナーを用いるイエロー用現像手段であり、
    該イエロー用現像手段を上記下流側ベルト接線方向現像部に配置することを特徴とするカラー画像形成装置。
  3. 請求項2のカラー画像形成装置において、
    上記複数の現像部のうち、上記下流側ベルト接線方向現像部となる現像部が複数箇所ある場合、複数の該下流側ベルト接線方向現像部のうちの少なくとも一箇所に上記イエロー用現像手段を配置することを特徴とするカラー画像形成装置。
  4. 請求項1、2または3のカラー画像形成装置において、
    上記潜像担持体ベルトの外周面における上記転写手段によってトナー像の転写が行われる位置を基準とした場合、上記複数の現像部のうち該潜像担持体ベルトの表面移動方向の最下流の現像部が上記下流側ベルト接線方向現像部とならないように構成したことを特徴とするカラー画像形成装置。
  5. 請求項1、2、3または4のカラー画像形成装置において、
    上記複数の現像部のうち、上記下流側ベルト対向ローラ側現像部となる現像部が複数箇所ある場合、複数の該下流側ベルト対向ローラ側現像部のうちの少なくとも一箇所に上記ブラック用現像手段を配置することを特徴とするカラー画像形成装置。
  6. 請求項1、2、3、4または5のカラー画像形成装置において、
    上記潜像担持体ベルトの外周面における上記転写手段によってトナー像の転写が行われる位置を基準とした場合、上記複数の現像部のうち該潜像担持体ベルトの表面移動方向の最下流の現像部が上記下流側ベルト対向ローラ側現像部となるように構成したことを特徴とするカラー画像形成装置。
  7. 請求項1、2、3、4、5または6のカラー画像形成装置において、
    上記現像手段は、上記トナー担持体上でトナーが浮遊している状態を形成して現像を行う非接触現像方式であることを特徴とするカラー画像形成装置。
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