JP2009204632A - トナー担持体、現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

トナー担持体、現像装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】金属層の旋削加工や、エッチング廃液を発生させるエッチング処理を行うことなく製造することが可能なトナー担持ローラを提供する。
【解決手段】ローラ基体32Yに対して、互いに独立した2本のワイヤをそれぞれローラ基体32Yの周面に沿って互いに重ねないように螺旋状に巻き付けて、独立した螺旋状の第1ホッピング電極33Y及び第2ホッピング電極34Yを形成した。そして、トナー担持ローラ30Yの表面上のトナーを、第1ホッピング電極33Yの螺旋によるループと、第2ホッピング電極34Yの螺旋によるループとの間でホッピングさせるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、トナー担持体の周面上でホッピングしているトナーを、トナー担持体の周面の無端移動に伴って潜像担持体に対向する現像領域まで搬送して潜像担持体上の潜像を現像する現像装置に搭載されるトナー担持体に関するものである。また、かかるトナー担持体を用いる現像装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、この種の現像装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。図14は、特許文献1に記載の現像装置に搭載されるトナー担持体としてのトナー担持ローラ400を示す拡大正面図である。同図において、図示しない駆動系によって図中矢印B方向に回転駆動されるトナー担持ローラ400は、円柱状のローラ部401と、これの回転軸線方向の両端部に固定された第1フランジ404及び第2フランジ405とを有している。ローラ部401の絶縁性材料からなるローラ基体には、回転軸線方向に延在した姿勢で回転方向に互いに所定の間隔をおいて並ぶ複数の短冊状電極が形成されている。ホッピング電極として機能するこれらの短冊状電極は、回転方向にて互いに交互に繰り返し配設されている第1短冊状電極402及び第2短冊状電極403からなる。複数の第1短冊状電極402は、それぞれローラ部401の回転軸線方向の一端側で金属製の第1フランジ404に電気接続されている。また、複数の第2短冊状電極403は、それぞれローラ部401の回転軸線方向の他端側で金属製の第2フランジ405に電気接続されている。第1フランジ404や第2フランジ405には、第1短冊状電極402や第2短冊状電極403に対してバイアスを供給するため、あるいは接地を施すため、の図示しない接点電極がそれぞれ摺擦している。そして、第1短冊状電極402及び第2短冊状電極403のうち、少なくとも何れか一方には、周期的なパルス電圧が接点電極とフランジとを介して印加される。すると、ローラ部401の周面上に担持されている図示しないトナーが、第1短冊状電極402上と第2短冊状電極403上との間を繰り返し往復移動するようにホッピングする。このようにしてホッピングしているトナーを、トナー担持ローラ400の回転に伴って図示しない潜像担持体に対向する現像領域まで搬送し、現像領域でホッピングしたトナーを潜像担持体上の静電潜像に付着させることで静電潜像を現像する。
かかる構成においては、ホッピングによってトナー担持ローラ400の表面から離脱してローラ表面に対する吸着力を発揮していないトナーを、ローラ上から潜像担持体上に転移させる。これにより、例えば潜像担持体において周囲の非画像部との電位差が僅か数十[V]である静電潜像に対してトナーを選択的に付着させるという低電位差現像を実現することができる。
特開2007−133387号公報
複数の第1短冊状電極402及び第2短冊状電極403を具備するローラ部401の製造方向として、特許文献1には次のような方法が記載されている。即ち、まず、アクリル樹脂からなるローラ基体の表面に、ローラ回転軸線方向に延在しつつローラ回転方向に所定の間隔をおいて並ぶ複数の溝を切削加工する。次いで、ローラ表面の全領域に対して無電解金属メッキ処理を施した後、ローラ基体表面の溝でない箇所の無垢のアクリル樹脂を露出させるまで、金属層を旋削する。これにより、ローラ基体の表面に全域に渡って形成した金属層のうち、溝内の金属だけを残すことで、互いに独立した複数の第1短冊状電極402及び第2短冊状電極403を得る。このような製造方法においては、ニッケル層を旋削するときの衝撃により、溝内のニッケルの一部を溝内壁から剥離させてしまうおそれがあった。
一方、絶縁性の基体の表面に互いに独立する複数の電極を形成する方法としては、周知のフォトリソグラフィー法が知られている。フォトリソグラフィー法によれば、金属層の旋削加工を行うことなく、互いに独立した複数の電極を基体の表面に形成することが可能である。しかしながら、基体の表面の全域に渡って形成した金属層の一部を除去して互いに独立した電極を得るためのエッチング処理を行う際に、不要な金属箇所を溶解したエッチング廃液を発生させてしまう。このようなエッチング廃液の発生は、環境保護や資源保護の観点から好ましくない。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、金属層の旋削加工や、エッチング廃液を発生させるエッチング処理を行うことなく製造することが可能なトナー担持体、並びに、それを搭載した現像装置及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、自らの無端状の周面に担持したトナーを該周面上でホッピングさせるためのホッピング電極を具備するトナー担持体を備え、該周面上でホッピングしているトナーを、該周面の無端移動に伴って画像形成装置の潜像担持体に対向する現像領域まで搬送し、該現像領域でホッピングしたトナーを該潜像担持体上の潜像に付着させて該潜像を現像する現像装置に搭載される該トナー担持体において、基体に対して、互いに独立した複数の導電性線材をそれぞれ上記周面に沿って互いに重ねないように螺旋状に巻き付けて、それぞれを互いに独立した上記ホッピング電極として機能させるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のトナー担持体において、互いに独立した2本の上記導電性線材を上記基体に螺旋状に巻き付けたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2のトナー担持体において、上記基体の周面における周方向とは直交する方向の両端部に、周方向に沿って延在する表面を具備する端部電極をそれぞれ設け、2つの上記導電性線材の何れか一方における端部を、2つの端部電極の何れか一方に接続するとともに、他方の導電性線材の端部を他方の端部電極に接続したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2又は3のトナー担持体において、2本の絶縁性線材を上記基体の周面に螺旋状に巻き付けて、それぞれを螺旋ピッチ方向にて2つの上記導電性線材の間に介在させたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかのトナー担持体において、上記基体の周面を、上記導電性線材の基体表面からの突出量よりも大きな厚みの絶縁層で被覆したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかのトナー担持体において、上記導電性線材として、体積抵抗率が75[μΩm]以下であるものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかのトナー担持体において、上記トナー担持体に、トナーとの摩擦によってトナーに対して正規帯電極性の電荷を与えることができる材料からなる表面層を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、自らの無端状の周面に担持したトナーを該周面上でホッピングさせるためのホッピング電極を具備するトナー担持体を備え、該周面上でホッピングしているトナーを、該周面の無端移動に伴って画像形成装置の潜像担持体に対向する現像領域まで搬送し、該現像領域でホッピングしたトナーを該潜像担持体上の潜像に付着させて該潜像を現像する現像装置において、上記トナー担持体として、請求項1乃至7の何れかのものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置において、上記現像手段として、請求項8の現像装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項8の画像形成装置において、上記トナー担持体として、請求項2、3又は4のものを用い、2本の上記導電性線材にそれぞれ周期的なパルス電圧を供給する電源を設け、且つ、該パルス電圧が印加されるそれら導電性線材の電位差の最大値をVmax[V]で示し、一方の導電性線材の螺旋によるループと他方の導電性線材の螺旋によるループとが交互に並ぶ二重螺旋構造の螺旋のピッチをp[μm]で示した場合に、「Vmax/p>1」の関係を具備させたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、一方の上記導電性線材に供給するパルス電圧と、他方の上記導電性線材に供給するパルス電圧との和を、パルス電圧の位相にかかわらず、上記潜像担持体の画像部電位と非画像部電位との間の値にするように、上記電源を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項9乃至11の何れかの画像形成装置において、上記潜像担持体に形成した複数のトナー像を転写体に重ね合わせて転写する転写手段を設けたことを特徴とするものである。
これらの発明においては、トナー担持体の基体に対して互いに重ならないように螺旋状に巻き付けられた複数の導電性線材が、それぞれ自らの螺旋による個々のループを他の導電性線材の螺旋による個々のループの間に位置させる。そして、それぞれ導電性線材が、トナー担持ローラの表面上のトナーを、自らの螺旋による個々のループと、他の導電性線材の螺旋による個々のループとの間でホッピングさせる。これにより、それぞれの導電性線材は、自らの螺旋による個々のループを、従来の現像装置における個々の短冊状電極と同様に機能させることが可能である。ホッピング電極として機能するそれらのループについては、導電性線材の基体に対する巻き付け処理だけで形成することが可能であるので、金属層の旋削加工やエッチング処理を行うことなく、ホッピング電極を具備するトナー担持ローラを製造することができる。
以下、発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のカラープリンタ(以下、単にプリンタという)の実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。このプリンタは、潜像担持体としての感光ベルト1を備えている。この感光ベルト1は、無端状のベルト基体と、ベルト基体のおもて側(ループ外面側)の全面に被覆された有機感光層とを具備するものである。そして、図示しない駆動手段によって回転駆動される駆動ローラ2と、従動回転可能なテンションローラ3とによって鉛直方向に一直線上に延在する姿勢で張架されながら、駆動ローラ2の回転駆動に伴って図中反時計回り方向に無端移動するようになっている。
感光ベルト1の図中左側方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の画像をそれぞれ個別に現像するための現像装置9Y,M,C,Kが鉛直方向に重なるように並べて配設されている。それぞれの現像装置(10Y,M,C,K)は、現像剤収容器(10Y,M,C,K)と、現像剤担持ロール(15Y,M,C,K)と、コロナチャージャー等からなる帯電装置(20Y,M,C,K)と、トナー担持体たるトナー担持ローラ(30Y,M,C,K)とを有している。また、Y用の現像装置9Yを除く現像装置(9M,C,K)は、それぞれ除電ランプ等を具備する除電装置(21M,C,K)を有している。
帯電装置20Y,M,C,Kは、感光ベルト1のおもて面に向けてコロナ放電を発することで、感光ベルト1のおもて面をトナーの帯電極性と同じ負極性に一様帯電せしめるものである。かかる帯電装置としては、スコロトロンチャージャーを例示することができる。帯電バイアスが印加される帯電ローラ等の帯電部材を感光ベルト1のおもて面に接触あるいは近接せしめながら、帯電部材と感光ベルト1との間に放電を発生させる方式のものを用いてもよい。
除電装置21M,C,Kは、感光ベルト1のおもて面に向けて一様に光照射を行うことで、感光ベルト1のおもて面を除電する。光照射による除電に代えて、交番電圧による放電によってベルト表面を除電する方式のものを用いてもよい。
4つの現像装置9Y,M,C,Kの図中左側方には、図示しない光書込ユニットが配設されている。この光書込ユニットは、レーザーダイオード、ポリゴンミラー、折り返しミラー、結像レンズ等を具備する周知の光学系による光走査を感光ベルト1のおもて面に対して行うことで、感光ベルト1のおもて面にY,M,C,K用の静電潜像を個別に形成することができる。
Y,M,C,K用の現像装置9Y,M,C,Kは、互いに異なる色のトナーを用いる点の他がほぼ同様の構成になっているので、以下、Y用の現像装置9Yについてのみ説明する。
Y用の現像装置9Yの現像剤収容器10Y内には、磁性キャリアと、Yトナーとを含有する2成分現像剤(以下、単に現像剤という)が収容されている。この現像剤は、粒径55[μm]の磁性キャリア粒子に対して、粒径約6[μm]のポリエステルトナー粒子を重量比5〜7[wt%]の割合で混合している。現像剤収容器10Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動される第1搬送スクリュウ11Yを内包する第1収容室と、図示しない駆動手段によって回転駆動される第2搬送スクリュウ12Yを内包する第2収容室とを具備している。第1収容室と第2収容室とは、両者間に存在する仕切壁13Yによって仕切られているが、仕切壁13Yの図紙面に直交する方向の両端部にはそれぞれ図示しない開口が設けられており、両収容室はこれら開口を介して互いに連通している。
第1収容室内の第1搬送スクリュウ11Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、第1収容室内の現像剤を図紙面に直交する方向における手前側から奥側へと搬送する。そして、第1収容室の同方向における奥側端部にて、仕切壁13Yに設けられた図示しない開口を通って第2収容室に進入する。なお、第1収容室の底壁には、透磁率センサからなる図示しないトナー濃度センサが配設されており、現像剤は、第1搬送スクリュウ11Yの回転に伴ってこのトナー濃度センサとの対向位置を通過する際に、Yトナー濃度が検知される。
第2収容室内の第2搬送スクリュウ12Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、現像剤を同方向における奥側から手前側へと搬送する。このようにして現像剤を搬送する第2搬送スクリュウ12Yの図中右側方には、現像剤担持ロール15Yが第2搬送スクリュウ12Yと平行な姿勢で配設されている。この現像剤担持ロール15Yは、図中時計回り方向に回転駆動せしめられる非磁性パイプからなる回転スリーブ16Y内に、スリーブと連れ回らないように固定されたマグネットローラ17Yを具備している。第2搬送スクリュウ12Yによって搬送される現像剤の一部は、マグネットローラ17Yの発する磁力によって回転スリーブ16Y表面に汲み上げられる。そして、現像部材たる回転スリーブ16Yと所定の間隙を保持するように配設された図示しないドクターブレードによってその層厚が規制された後、後述するトナー担持ローラ30Yと対向するトナー供給領域まで搬送される。このトナー供給領域では、回転スリーブ16Yの表面上に担持された現像剤内のYトナーがトナー担持ローラ30Yの表面上に供給される。
上記トナー供給領域でトナー担持ローラ30Yに対してYトナーを供給した後の現像剤は、回転スリーブ16Yの回転に伴って第2収容室との対向位置まで移動した後、第2搬送スクリュウ12Y上に戻される。そして、第2収容室内において、図紙面に直交する方向の手前側端部まで搬送されると、仕切壁13Yの図示しない開口を通って第1収容室内に戻る。
上記トナー濃度センサによるYトナー濃度の検知結果は、電圧信号として図示しない制御部に送られる。この制御部はRAM等のデータ記憶手段を備えており、この中にトナー濃度センサからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefや、他の現像装置に搭載されたC,M,K用のトナー濃度センサからの出力電圧の目標値であるC用Vtref、M用Vtref、K用Vtrefのデータを格納している。Y用の現像装置9Yについては、Y用のトナー濃度センサからの出力電圧の値とY用Vtrefを比較し、図示しないY用のトナー供給装置を比較結果に応じた時間だけ駆動させる。この駆動により、トナー担持ローラ30Yへのトナー供給によってYトナー濃度を低下させた現像剤に対し、第1収容室にて適量のYトナーが供給される。このため、第1収容室内の現像剤のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他色用の現像装置(10M,C,K)においても、同様のトナー供給制御が実施される。
トナー担持ローラ30Yは、回転スリーブ16Yから供給されたYトナーを、ローラ部の周面上でホッピングさせながら、図中時計回り方向に回転駆動する。そして、その回転駆動に伴うローラ周面の表面移動より、周面上でホッピングしているYトナーを感光ベルト1に対向する現像領域まで搬送する。
図中反時計回り方向に無端移動せしめられる感光ベルト1は、テンションローラ3に対する掛け回し領域を通過すると、Y用の現像装置9Yにおける帯電装置20Yとの対向位置に進入する。そして、帯電装置20Yによって負極性に一様帯電せしめられた後、上述した光書込ユニットから発せられるレーザー光Lyによる光走査を受けてY用の静電潜像を担持する。その後、Y用の現像装置9Yにおけるトナー担持ローラ30Yとの対向位置であるY用の現像領域に進入する。Y用の現像領域においては、トナー担持ローラ30Yの表面上でホッピングしたYトナーが、感光ベルト1のおもて面に担持されているY用の静電潜像に付着する。これにより、感光ベルト1のおもて面に担持されているY用の静電潜像が現像されてYトナー像になる。
このようにしてYトナー像が形成された感光ベルト1のおもて面は、ベルトの無端移動に伴って、M用の現像装置9Mにおける除電装置21Mとの対向位置に進入して除電された後、帯電装置20Mとの対向位置に進入して負極性に一様帯電せしめられる。その後、上述した光書込ユニットから発せられるレーザー光Lmによる光走査を受けてM用の静電潜像を担持した後、M用の現像装置9Mにおけるトナー担持ローラ30Mとの対向位置であるM用の現像領域に進入する。M用の現像領域においては、トナー担持ローラ30Mの表面上でホッピングしたMトナーが、感光ベルト1のおもて面に担持されているM用の静電潜像に付着する。これにより、感光ベルト1のおもて面に担持されているM用の静電潜像が現像されてMトナー像になって、感光ベルト1の表面上にY,Mの重ね合わせによる2色トナー像が形成される。
以降、同様にして、感光ベルト1のおもて面にC、K用の静電潜像が順次形成されて、Cトナー像、Kトナー像に現像される。これにより、Y,M,C,Kの重ね合わせによる4色トナー像が感光ベルト1のおもて面に形成される。
感光ベルト1の下方には、転写手段たる転写ローラ4が、感光ベルト1における駆動ローラ2に対する掛け回し箇所におもて面側から当接して転写ニップを形成するように配設されている。この転写ローラ4には、図示しない電源によってトナーの帯電極性とは逆極性である正極性の帯電バイアスが印加される。
本プリンタは、記録体たる記録紙を感光ベルト1のおもて面上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで転写ニップに向けて供給するレジストローラ対等の給紙手段を備えている。感光ベルト1の無端移動に伴って転写ニップに進入して記録紙に密着せしめられた4色トナー像は、転写ニップ内に形成される転写電界やニップ圧の作用により、ベルトおもて面から記録紙に転写される。これにより、4色トナー像が記録紙の白色と相まってフルカラートナー像になる。
転写ニップの図中右側方には、記録紙を加熱する手段を備える定着器5が配設されている。転写ニップを通過した記録紙は、この定着器5内を通過する際に、フルカラートナー像が定着せしめられる。そして、定着器5から出た後、機外へと排出される。
次に、本プリンタにおける特徴的な構成について説明する。
図2は、Y用のトナー担持ローラ30Yを示す正面図である。同図において、トナー担持ローラ30Yは、アクリル樹脂等の絶縁性材料からなるローラ基体を具備するローラ部31Yを有している。また、ローラ部31Yの軸線方向における図中左側の端面から突出するようにローラ部31Yに挿入固定された金属製の第1軸部38Yや、ローラ部31Yの軸線方向における図中右側の端面から突出するようにローラ部31Yに挿入固定された金属製の第2軸部39Yも有している。
ローラ部31Yの絶縁性のローラ基体32Yには、第1ホッピング電極33Y及び第2ホッピング電極34Yが形成されている。これらホッピング電極は、互いに独立した2本のワイヤ(導電性線材)がそれぞれ互いに重ならないように螺旋状に巻き付けられたものである。
なお、同図においては、便宜上、第1ホッピング電極33Yを太線で描く一方で、第2ホッピング電極34Yを細線で描いているが、実際には、それらホッピング電極の太さは互いに同じである。また、ローラ部31Yの表面には、それらホッピング電極を上から覆う絶縁層を設けているが、同図においては、便宜上、その絶縁層の図示を省略している。
第1ホッピング電極33Yの図中左側の端部は、図示しない領域で、ローラ基体32Yの図中左側の端面上を這わされた後、金属製の第1軸部38Yに接続されている。また、第2ホッピング電極34Yの図中右側の端部は、図示しない領域で、ローラ基体32Yの図中右側の端面上を這わされた後、金属製の第2軸部39Yに接続されている。
第1ホッピング電極33Y及び第2ホッピング電極34Yは、図示のように、互いに重なることなくローラ基体の周面上を螺旋状に這う2重螺旋構造を形成している。そして、それぞれ自らの螺旋による個々のループを、他のホッピング電極の螺旋による個々のループの間に位置させる。これにより、ローラ部31Yにおいては、ローラ軸線方向にて、第1ホッピング電極32Yのループと、第2ホッピング電極33Yのループとが所定の間隔をおいて交互に並んでいる。ローラ基体32Yの軸線方向の両端部には、それぞれホッピング電極のループを形成していない領域が存在している。換言すると、ローラ基体32Yにおいては、軸線方向の中央領域A1だけにホッピング電極のループが形成されているが、この中央領域A1の軸線方向の長さは、感光ベルト(1)の幅方向における画像形成領域の長さよりも大きくなっている。
トナー担持ローラ30Yの第1軸部38Yは、図示しない軸受けによって回転可能に支持されながら、図3に示すA相パルス電圧Vaがその軸受けを介して印加される。そして、このA相パルス電圧Vaは、第1軸部38Yを介して第1ホッピング電極32Yに印加される。また、トナー担持ローラ30Yの第2軸部39Yは、図示しない軸受けによって回転可能に支持されながら、図3に示すB相パルス電圧Vbがその軸受けを介して印加される。そして、このB相パルス電圧Vbは、第2軸部39Yを介して第2ホッピング電極33Yに印加される。
図3に示すように、A相パルス電圧VaとB相パルス電圧Vbとは、互いに周期Tのパルスを逆位相で出現させるものである。それぞれのパルス電圧のピーク・ツウ・ピーク電圧(Vpp)は互いに同じであり、それぞれのパルス中心電圧(Vac,Vbc)は何れもマイナス極性になっている。このようなパルス電圧が印加されると、ローラ部31Yの周面上に担持されているトナー粒子Tが、図4に示すように、互いに隣り合う第1ホッピング電極33Yのループと、第2ホッピング電極34Yのループとの間で繰り返しホッピングして往復移動する。このホッピングにより、ローラ部31Yの表面上には、浮遊した無数のトナー粒子Tによる一様なトナークラウドが中央領域A1の全域に渡って形成される。つまり、本プリンタにおいては、そして、ワイヤからなる第1ホッピング電極33Y、第2ホッピング電極34Yが、それぞれ自らの螺旋による個々のループを、従来の現像装置における個々の短冊状電極と同様に機能させる。
かかる構成のトナー担持ローラ30Yのローラ部31Yにおいて、各ホッピング電極のループについては、ローラ基体32Yに対する巻き付け処理だけで形成することが可能である。よって、金属層の旋削加工やエッチング処理を行うことなく、製造することができる。
なお、第1ホッピング電極33Y、第2ホッピング電極34Yに対してそれぞれパルス電圧を印加する例について説明したが、何れか一方の電極に対しては、他方の電極に印加するパルス電圧のパルス中心値と同じ値の直流電圧を印加してもよい。
また、図5に示すように、何れか一方の電極に対してパルス電極を印加する一方で、他方の電極については接地してもよい。
また、第1軸部38Yや第2軸部39Yをローラ基体32Yに挿入固定した例について説明したが、特許文献1に記載の現像装置のように、ローラ基体の両端部にそれぞれ、軸部を具備するフランジを固定してもよい。この場合、ワイヤからなるホッピング電極の端部をフランジに接続し、且つ、それぞれのフランジに接点電極を摺擦させることで、接点電極とフランジとを介してホッピング電極にパルス電圧を印加することが可能である。
先に示した図1において、Y用のトナー担持ローラ30Yの表面上でホッピングしている図示しないYトナーの一部は、感光ベルト1に対向するY用の現像領域で一部が現像に寄与する。また、現像に寄与しなかった残りのYトナーは、トナー担持ローラ30Yの回転に伴って上述したトナー供給領域に戻る。このトナー供給領域では、マグネットローラ17Yの発する磁力により、回転スリーブ16Yの表面に担持される現像剤中の磁性キャリアは穂を形成している。トナー担持ローラ30Yの回転に伴って現像領域からトナー供給領域に戻ってきたYトナーは、この穂によってトナー担持ローラ30Yの表面上から掻き取られたり、トナー担持ローラ30Yの表面上で一様に均されたりする。
ローラ基体32Yを構成する絶縁性材料としては、アクリル樹脂を用いたが、所定の剛性を発揮し得るものであれば、アクリル樹脂以外の絶縁性材料を用いてもよい。
ホッピング電極を構成する導電性線材たるワイヤとしては、直径30〜100[μm]程度の金属ワイヤを例示することができる。本プリンタにおいては、直径40[μm]の銅ワイヤを用いている。
2重螺旋構造の2つのホッピング電極におけるループの軸線方向のピッチpについては、等間隔とすることが望ましい。ピッチpとしては、30〜100[μm]程度を例示することができる。本プリンタにおいては、ピッチpを40[μm]に設定している。
ワイヤの材質としては、銅以外の金属材料を用いることも可能であるが、ステンレスのような比較的電気抵抗の高いものを用いることは好ましくない。本発明者らの実験によれば、体積抵抗率が75[μΩm]を超える金属材料からなるワイヤを用いると、ループ間の電界強度を狙いの値まで高くするのが困難になったり、ローラ部31Yの軸線方向の一端側と他端側とで電界強度を異ならせたりといった不具合が発生した。よって、本プリンタにおいては、ワイヤとして、体積抵抗率が75[μΩm]以下のものを用いている。
先に図4に示したように、ローラ部31Yのローラ基体32Yの周面には、絶縁性材料からなる絶縁層35Yが被覆されている。この絶縁層35Yは、ローラ部31Yの表面上のトナーと、各ホッピング電極(33Y、34Y)との間に介在することで、ホッピング電極からトナーへの電荷注入を阻止する。また、各ホッピング電極のループのピッチ変動を回避することもできる。具体的には、本プリンタにおいては、図示のように、絶縁層35Yとして、厚みtが、ホッピング電極(33Y、34Y)のローラ基体32Y表面からの突出量αよりも大きいものを形成している。このような絶縁層35Yでは、図示のように、ホッピング電極よりも大きな厚みで、ホッピング電極の各ループ間にそれぞれ介在することで、各ループの軸線方向への移動によるループピッチ変動を阻止することができる。
本発明者らは、実施形態に係るプリンタと同様の構成を備え、且つ、次のような構成を備えるプリンタ試験機を用意した。
・感光ベルト:厚み13[μm]の有機感光体。
・感光ベルトに対する光書込解像度:1200[dpi]。
・感光ベルト1の一様帯電電位:−300[V]。
・トナーの平均帯電量:−22[μC/g]。
・トナーの平均粒径:6[μm]。
・トナー担持ローラ30と感光ベルト1との間の現像ギャップ:500[μm]。
・パルス電圧(Va、Vb)の最小ピーク値:−400[V]。
・パルス電圧の最大ピーク値:0[V]。
(平均電位=−200V)
・パルス電圧の周波数:1[kHz]。
・感光ベルトの線速:300[mm/sec]。
トナー担持ローラ30の表面に多量のトナーが載っていると、ホッピング電極の周囲に形成される電界を表面近くに位置するトナーによってシールドして良好なトナークラウドを形成することができなくなる。そこで、プリンタ試験機においては、トナー担持ローラ30におけるトナーの単位面積あたりの担持量が約0.4[mg/cm]になるように、回転スリーブ16には、次のような電圧を印加した。即ち、トナー担持ローラ30の平均電位(−200V)に対して、200[V]の電位差が生ずるように、−400[V]の直流バイスを印加した。また、感光ベルト1のベタ潜像を良好に現像するのに必要とされる現像領域へのトナー搬送量が実験により0.4[mg/cm]であり、このトナー搬送量を確保するためにはトナー担持ローラ30の表面移動速度を感光ベルト1の表面移動速度の2倍以上にしなければならないことが実験により判明した。そこで、トナー担持ローラ30の表面移動速度については、感光ベルト1の表面移動速度の2.5倍に設定した。トナー担持ローラ30の現像領域における表面移動方向については、感光ベルト1に対して同じ方向に設定している。また、回転スリーブ16の上記トナー供給領域における表面移動方向については、スリーブ上の磁性キャリアの穂によるトナー担持ローラ30表面上のトナーの掻き取り効果を得る狙いから、トナー担持ローラ30に対して逆方向とした。
以上の条件に設定したプリンタ試験機でテスト画像をプリントしたところ、地汚れも、ベタ埋まりもなく、且つ1200[dpi]の1ドットを良好に再現することができた。
なお、本発明者らは、実施形態に係るプリンタを発明する前に、次に説明するような実験を行っていた。即ち、図6に示すように、ガラス基板501上にアルミニウムを蒸着することによって、p[μm]のピッチで移動方向に配列された複数の電極521、522、523・・・からなる電極バターン502を形成し、その上に保護層503として厚み約3[μm]、体積抵抗率約1010[Ω・cm]の樹脂コートを施したものを形成してトナー担持体としての基板504を作成した。基板504に対して図示しない2成分現像器によってベタ画像を薄層に現像することにで、基板504の上にトナー粒子Tからなるトナー層を形成した。トナーとしては、ポリエステル系の粒径約6[μm]のものを使い、基板504上に薄層に形成された状態でのトナーの帯電量を約−22[μC/g]にした。この状態のトナー層に対して、図7に示すように、奇数番目の電極521、523・・・の集合体である奇数番目電極群に交流電源506から交流電圧を印加する一方で、偶数番目の電極522、524・・・の集合体である偶数番目電極群に前記交流電圧とは逆位相の交流電圧を印加すると、トナーTは奇数番目電極群521、523・・・と偶数番目電極群522、524・・・との間をホッピングして往復移動する。この現象を以下、フレア(あるいはフレア現象)という。
電極521、522、523・・・のピッチがそれぞれ50、100、200及び400[μm]である4種類の基板504を用いて、交流電源506から電極521、522、523・・・に印加する交流電圧のプラス側ピーク値とマイナス側ピーク値との差分の絶対値であるVmax[V]を何点かに振りながら(変えながら)、フレアの活性度を高速度カメラで観察したところ、図8に示すような結果を得た。なお、電極521、522、523・・・の幅と、電極521、522、523・・・の隣同士の距離は、電極521、522、523・・・のピッチの1/2となるようにした。
図8におけるフレアの活性度とは、基板504の表面に張り付いて動かないトナーの様子を観察することで約5段階の官能評価により求められたものである。図8から、Vmaxやpの値に関わらず、Vmax[V]/p[μm]によってフレアの活性度がほぼ一義的に得られることが確認できる。そして、Vmax[V]/p[μm]>1の時にフレアが活性化し始めて、Vmax[V]/p[μm]>3ではフレアが完全に活性化していることが分かる。
また、本発明者らは、基板504の表面の摩擦帯電特性の影響を調べるために、表面層503をシリコーン系樹脂及びフッ素系樹脂の2種類として先の実験と同様なフレア活性度観察を行っていた。表面層503は、カーボン微粒子を微量分散させることにより、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂のいずれのコート層としても体積抵抗率を1011〜1012[Ω・cm]とした。交流電源506から電極521、522、523・・・に交番バイアスを印加してフレア活性度を観察すると、表面層503がシリコーン系樹脂の場合は長時間フレア状態を維持していたが、表面層503がフッ素系樹脂の場合は直ぐにフレアが消滅しトナーが基板504に張り付いたままとなってしまった。観察後に、基板504上のトナーの帯電量を測定したところ、表面層503がシリコーン系樹脂の場合には基板504上のトナーの帯電量は初期に比べて若干の低下がみられただけであったが、表面層503がフッ素系樹脂の場合には基板504上のトナーの帯電量はトナーの電荷がほとんど無くなっていた。試しに、帯電していないトナーをそれぞれの表面層503の表面に擦り付けてみたところ、表面層503がシリコーン系樹脂の場合にはトナーが正規の極性の摩擦電荷を得られたのに対し、表面層503がフッ素系樹脂の場合にはほとんど摩擦電荷を得られないばかりか若干逆の極性となっていた。つまり、フレア現象は、トナーと基板504の表面とが無数回衝突するプロセスであるため、表面層503の材料はトナーの電荷を奪ってしまうものではなく、トナーに正規帯電極性の電荷を与えられる材質であることが好ましいことが理解できる。これは材料の摩擦帯電系列に習うものであり、表面層503の材料としては、例えばガラス系のものや、現像剤のキャリアコートに使用されている材料を用いることが好ましい。
本発明者らは、次に、図10に示す装置を用いた実験を行った。具体的には、基板Eはアルミニウムからなる基板507の上に厚み約20[μm]の樹脂層(これは感光体を想定したもの)508が形成されたものである。基板507は接地され、樹脂層508にはベタ画像相当の0.4[mg/cm]のトナー層が形成されている。このトナー層は図示しない2成分現像器によって樹脂層508に対してベタ現像をすることで形成されたものである。この基板Eに間隔d[μm]で対向するように基板Fを設置する。この基板Fは上記基板504と同様に構成され、表面層503は以降の作業によってここに転移するトナーの量を光学的な測定装置(反射光濃度測定器)による計測を容易にするように白色のコート層となっている。先に示した図8から、Vmax[V]/p[μm]=4であればいずれの条件でも安定なフレアを形成し得ることが解っているので、Vmax[V]/p[μm]=4となる4種の条件を用いて、基板Fへのトナー転移量の現像ギャップ(d[μm])依存性を調べた。すると、図12に示すような結果が得られた。図11のグラフの縦軸は、基板Fにおける表面層503の光学濃度増加量を示しており、表面層503にトナーが全く付着していない状態では、光学濃度増加量が0となる。同グラフにおいて、光学濃度増加量が0よりも大きくなっている結果が含まれているが、これは基板Eの樹脂層508に付着していたトナー層における一部のトナーが基板F上に形成される電界の影響を受けてトナー層から基板Fの表面層503に転移したためである。このような転移が発生すると、重ね合わせ現像において、先行する現像時に潜像担持体(例えば感光体)上に形成されたトナー層のトナーが、後続の現像時に後続色の現像装置内に転移して混色を引き起こしてしまう。また、先行する現像で得られた潜像担持体上の画像を乱してしまう。このような混色や画像の乱れを回避し得るのは、同グラフにおいて光学濃度増加量が0となっている条件である。そして、同グラフにより、かかる条件は、ピッチ間距離pが現像ギャップdより小さいこと、すなわちp<dであることがわかる。
これは、トナー担持体(基板F)上に形成される電界カーテンの影響が、潜像担持体(基板E)上の静電潜像電場やトナー像に対して及ばない条件であると考えることができる。このような条件のもとでは、例えば1200dpiや2400dpiの孤立ドットをスキャベンジなしで正確に現像できるばかりでなく、上述したように、潜像担持体(基板E)上でのトナー像重ねのような作像プロセスを利用する際にも、先に潜像担持体上に形成されているトナー像を乱すこと無く、且つ、現像装置内のトナーの混色を招くことも無く、非常に高画質なトナー像重ねを実現することができる。
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる現像装置には、2成分現像方式や1成分現像方式などがある。2成分現像方式は、高速現像に非常に適しており、現在の中速や高速の画像形成装置の主流方式である。この2成分現像方式では、高画質を狙うためには、潜像担持体上の静電潜像との接触部における現像剤の状態を非常に緻密にする必要がある。そのために、現在はキャリア粒子の小径化が進んでおり、商用レベルでは30[μm]程度のキャリアも使われ始めている。
1成分現像方式は、機構が小型軽量になることから、現在の低速の画像形成装置の主流方式である。この1成分現像方式では、現像ローラ等の現像剤担持体の表面に担持したトナーをホッピングさせずに現像に用いる。具体的には、現像ローラ上にトナー薄層を形成するために、ブレードやローラなどのトナー規制部材を現像ローラ上のトナーに当接させ、そのときに現像ローラやトナー規制部材とトナーとの摩擦によってトナーは帯電される。現像ローラ上に薄層に形成された帯電トナー層は、現像部に運ばれて潜像担持体上の静電潜像を現像する。ここでの1成分現像方式には大きく分けて接触型と非接触型があり、前者は現像ローラと潜像担持体とが接触するものであり、後者は現像ローラと潜像担持体とが非接触であるものである。
2成分現像方式と1成分現像方式との欠点を補い合うべく、特開平3−100575号公報に記載のものなどのように2成分現像方式と1成分現像方式とをハイブリッド化したハイブリッド化方式も幾つか提案されている。
高解像度の微小均一ドットを現像する方法としては、例えば特開平3−113474号公報に記載の方式がある。この方式は、上記ハイブリッド化方式に対して、現像部に高周波バイアスを印加したワイヤを設置することにより、現像部でのトナークラウド化を行い、高解像度のドット現像性を実現するものである。
また、特開平3−21967号公報には、最も効率良く、且つ安定なトナークラウドを形成するために、回転ローラ上に電界カーテンを形成する方法が提案されている。
また、進行波電界による電界カーテンで現像剤を搬送する現像装置が特開2003−15419号公報に記載されている。また、現像ローラの周面上にほぼ1層のキャリアをほぼ均等に吸着する複数の磁極を有する現像装置が特開平9−269661号公報に記載されている。また、特開2003−84560号公報には、非磁性トナーを担持する現像剤担持体表面に、絶縁部を介して周期的な導電性電極パターンを設け、該電極に所定のバイアス電位を与えることで現像剤担持体表面近傍に電界勾配を発生せしめ、前記現像剤担持体上に前記非磁性トナーを付着搬送させる現像装置が記載されている。
従来の2成分現像方式では、高画質化に対する要求が益々高まっており、必要とされる画素のドットサイズ自身が現状のキャリア粒子径と同等もしくはそれよりも小さい必要があるために、孤立ドットの再現性という意味では更にキャリア粒子を小さくする必要がある。しかし、キャリア径を小さくしていくと、キャリア粒子の透磁率が低下するために、現像ローラからのキャリア離脱が生じやすくなり、離脱したキャリア粒子が潜像担持体に付着した場合には、キャリア付着そのものによる画像欠陥が生じるだけでなく、それを起点として潜像担持体に傷をつけてしまうなどいろいろな副作用が生じる。
このキャリア離脱を防止するために、材料面からキャリア粒子の透磁率を上げる試みや、現像ローラに内包されるマグネットの磁力を強くする試みが進められているが、低コスト化及び高画質化との兼ね合いの中で開発は困難を極めている。また、小型化の煽りを受けて、現像ローラは益々小径化の一途をたどっていることからも、キャリア離脱を完全に抑止できるような強力な磁場構成を有した現像ローラ設計が困難となっている。
そもそも2成分現像方式は、磁気ブラシと呼ばれる2成分現像剤の穂を静電潜像に対して擦り付けるようにしてトナー像を形成するプロセスであるために、どうしても穂の不均一性によって、孤立ドットの現像性にムラが生じやすい。現像ローラと潜像担持体との間に交番電界を形成することで画質の向上は可能であるが、現像剤の穂のムラといった根本的な画像ムラを完全に消滅させることは困難である。
また、潜像担持体上の現像されたトナー像を転写する工程や、転写後に潜像担持体上に残存するトナーをクリーニングする工程において、転写効率やクリーニング効率を向上させるためには、潜像担持体とトナーとの非静電的付着力を極力下げる必要がある。潜像担持体とトナーとの非静電的付着力を下げる方法としては、潜像担持体表面の摩擦係数を下げることが効果的であることが知られているが、この場合、2成分現像剤の穂が滑らかに現像部をすり抜けてしまうために現像効率やドット再現性が非常に悪くなってしまう。
1成分現像方式では、トナー規制部材により薄層化された現像ローラ上のトナー層は、現像ローラ上に十分に圧接されてしまっているために、現像部での電場に対するトナー応答性が非常に悪い。よって、通常は高画質を得るために、現像ローラと潜像担持体との間に強力な交番電場を形成するのが主流であるが、この交番電場の形成をもってしても静電潜像に対して一定量のトナーを安定して現像することは困難であり、高解像度の微小ドットを均一に現像することは難しい。また、この1成分現像方式は、現像ローラへのトナー薄層形成時にトナーに対して非常に大きなストレスをかけてしまうため、現像装置内を循環するトナーの劣化が非常に早い。トナーの劣化に連れて、現像ローラへのトナー薄層形成の工程でもムラなどが生じやすくなり、1成分現像方式は一般には高速や高耐久の画像形成装置としては向かない。
ハイブリッド化方式(特開平3−100575号公報)では、現像装置そのものの大きさや部品点数は増えてしまうものの、幾つかの課題は克服される。しかし、現像部においてはやはり1成分現像方式と同様の問題があり、つまり高解像度の微小均一ドットを現像することには難が残る。
特開平3−113474号公報に記載の方式は、高安定且つ高画質な現像が実現できるものと考えられるが、現像装置の構成が複雑になる。
また、特開平3−21967号公報に記載の方法は、小型且つ高画質の現像を得るには非常に優れたものと解釈できるが、本発明者らが鋭意研究した結果、理想的な高画質を得るためには、形成する電界カーテンや現像などの条件を限定しなくてはならないことが発見された。すなわち、適正な条件から外れた条件で作像を行ってしまうと、全く効果が得られないばかりか、返って粗悪な画質を提供してしまうことになる。また、この方式はトナー担持体上でホッピングするトナーをトナー担持体の表面移動によって現像領域まで搬送するものであるが、トナー担持体を表面移動させずに、ホッピングよる移動のみによってトナーを現像領域まで搬送する特開2002−341656号公報に記載の方式でも、同様のことが言える。
また、潜像担持体に第一のトナー像が形成され、その上に順次に第二のトナー像、第三のトナー像を形成していくような作像プロセスにおいては、先に潜像担持体上に形成されているトナー像を乱さないような現像方式でなくてはいけない。非接触一成分現像方式や、3−113474号公報に記載のトナークラウド現像方式を用いることで、潜像担持体上に順次に各色トナーを形成していくことは可能であるが、何れの方式も、潜像担持体と現像ローラとの間には交番電界が形成されてしまうために、潜像担持体上に先に形成されたトナー像からトナーの一部が引き剥がされて現像装置に入り込んでしまう。これによって、潜像担持体上の画像が乱されてしまうばかりでなく、現像装置内のトナーが混色するという問題も生じてしまう。これらは高画質画像を得るには致命的であり、この問題を解決する方法としては潜像担持体と現像ローラとの間には交番電場を形成しない方法で、クラウド現像を実現する必要がある。
このようなクラウド現像を実現できる方法としては、先に挙げた特開平3−21967号公報や特開2002−341656号公報に記載の方式が有効と考えられるが、これらに関しては先にも述べた通り、適当な条件の元で利用しないと全く効果が無い。具体的には、条件が不適切であると、トナーをクラウド化させることができなくなる。更には、トナーをクラウド化させたとしても、重ね合わせ現像においては、先行する現像で得られた潜像担持体上のトナー層中のトナーを後続色の現像装置内に転移させ、画像の乱れや混色を引き起こしてしまう。
そこで、本実施形態に係るプリンタにおいては、上述した実験の結果に鑑みて、Vmax[V]/p[μm]>1という条件を具備させている。かかる構成では、トナーを確実にクラウド化せしめることができる。よって、本実施形態によれば、従来技術よりも高画質を実現でき、且つより小型にできる。
なお、特開2002−341656号公報に記載の方式などの様に、トナー担持体の機械的な駆動を無くし、3相以上の交互電場によってトナーを静電的に搬送し現像する方法においても、上記条件を具備させることで、トナーを確実にクラウド化せしめることが可能であると考えられる。しかしながら、同公報に記載の方法によれば、何かのきっかけで静電搬送できなくなったトナーを起点として、搬送基板上にトナーが堆積してしまい、結果として機能しなくなる問題を抱えてしまう。このような問題を解決すべく、例えば特開2004−286837号公報に記載の方式のように固定搬送基板とその表面を移動するトナー担持体の組合せのような構造も提案されているが、機構が非常に複雑になってしまう。これに対し、本プリンタのように、トナーをホッピングによって電極間で往復移動させながら、トナー担持体の表面移動によって現像領域に搬送する方式では、前述のようなトナーの堆積や機構の複雑化を回避することができる。
先に示した図3において、A相パルス電圧とB相パルス電圧とは、互いにVppの値、パルス中心電圧(Vac,Vbc)及び周期が同じであり、且つパルス発生の位相が互いに逆位相の関係になっている。このような関係においては、経過時間にかかわらず(位相にかかわらず)、両パルス電圧の和をパルス中心電圧の値にする。そして、本実施形態においては、パルス中心電圧が、感光ベルト1の地肌部電位(一様帯電電位)と、潜像電位との間の値になっている。かかる構成では、トナー担持ローラ30Yの表面上でホッピングしたトナーを、両パルス電圧の和と、潜像電位(画像部電位)との電位差によって静電潜像に確実に付着させることができる。また、両パルス電圧の和と、地肌部電位(非画像部電位)との電位差により、トナーの地肌部への付着(地汚れ)の発生を確実に防止することができる。なお、感光ベルト1の一様帯電電位は、−300〜−500[V]である。また、潜像電位は0〜−50[V]である。そして、パルス中心電位は、−100〜−200[V]である。A相パルス電圧やB相パルス電圧の一例として、−400[V]と0[V]のそれぞれをピークに持ち、パルス中心電位が−200[V]であり、周波数が5[kHz]であるAC重畳DCバイアスを例示することができる。
トナーとしては、母材樹脂(トナーの主成分)がポリエステル又はスチレンアクリルからなり、且つ正規帯電極性がマイナス極性(負極性)であるものを用いている。そして、感光ベルト1の一様帯電部(地肌部)と静電潜像とを共にトナーの正規帯電極性と同極性(本例ではマイナス極性)にし、且つ地肌部よりも電位を減衰せしめた静電潜像に対してトナーを選択的に付着させるいわゆる反転現像を行うようになっている。
先に示した図4において、ローラ部31Yの絶縁層35Yとしては、その上でホッピングするトナーとの摺擦に伴ってトナーの正規帯電極性側(本例ではマイナス側)への摩擦帯電を促す材料からなるもの、を用いている。即ち、トナーの方が絶縁層35Yよりも摩擦帯電系列上でマイナス側に位置しているのである。このような関係を実現し得る絶縁層35Yの材料としては、シリコーン、ナイロン、メラミン樹脂、アクリル樹脂、PVA、ウレタンなどの有機材料を例示することができる。また、第四級アンモニウム塩やニグシロン系染料などでもよい。また、Ti、Sn、Fe、Cu、Cr、Ni、Zn、Mg、Al等の金属材料でもよい。また、T、SnO、Fe、Fe、CuO、Cr、NiO、ZnO、MgO、Al等の無機材料でもよい。更には、これまでに例示した材料の2つ以上を混合した材料でもよい。
このような絶縁層35Yを具備するトナー担持ローラ30Yにおいては、絶縁層35Yがホッピングするトナーとの摺擦に伴ってトナーの正規帯電極性側への摩擦帯電を促す。これにより、ホッピングに伴うトナーの帯電量(正規帯電極性)の低下を抑えることで、トナーのホッピング不良による現像不良の発生を抑えることができる。
なお、トナーとして、正規帯電極性がプラス極性(正極性)であるものを用いてもよい。この場合には、絶縁層35Yとして、トナーとの摺擦に伴ってトナーのプラス極性側への摩擦帯電を促す材料からなるものを用いればよい。
また、トナーの帯電系列とは、トナー母材樹脂(粒子)にシリカ、酸化チタンなどの外添剤を添加したトナー全体としての帯電系列を意味する。帯電系列における序列については、次のようにして調べることが可能である。即ち、トナーを絶縁層上で所定時間だけ絶縁層に摺擦せしめた後、そのトナーを吸引して採取する。そして、採取したトナーの帯電量をエレクトロメータで測定する。この測定結果がトナーの負極性への帯電量増加を示すものであれば、トナーの方が絶縁層よりもマイナス側の帯電系列となる。また、測定結果がトナーの正極性への帯電量増加を示すものであれば、トナーの方が絶縁層よりもプラス側の帯電系列となる。
Y用のトナー担持ローラ30Yについて説明してきたが、他色用のトナー担持ローラ30M,C,Kも、Y用のものと同様の構成になっている。
次に、実施形態に係るプリンタの各変形例について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各変形例に係るプリンタの構成は、実施形態と同様である。
[第1変形例]
図12は、第1変形例に係るプリンタのY用のトナー担持ローラ30Yを示す拡大縦断面図である。このトナー担持ローラ30Yにおいては、第1ホッピング電極33Y及び第2ホッピング電極34Yを構成する2本のワイヤの他に、第1絶縁性線材36Y及び第2絶縁性線材37Yをローラ基体32Yに螺旋状に巻き付けている。そして、軸線方向(螺旋ピッチ方向)において、第1ホッピング電極33Yの螺旋によるループ、第1絶縁性線材36Yの螺旋によるループ、第2ホッピング電極34Yの螺旋によるループ、第2絶縁性線材37の螺旋によるループという順で、各ループを並べる4重螺旋構造にしている。各ループを隙間無く並べるように、4本の線材を4重螺旋状に巻き付けている。これにより、第1ホッピング電極33Yの螺旋によるループと、第2ホッピング電極34Yの螺旋によるループとの間に、絶縁性線材の螺旋によるループを介在させることで、各ホッピング電極のループのずれを阻止している。かかる構成では、両ホッピング電極のループの間に絶縁層を介在させることで銅ループのずれを阻止する構成に比べて、すれを阻止するための構造体の強度を高めて、より確実にずれを阻止することができる。
[第2変形例]
図13は、第2変形例に係るプリンタを示す要部構成図である。このプリンタにおいては、潜像担持体としてドラム状の感光体101を備えている。このドラム状の感光体1の表面上に形成された潜像を現像する現像装置109としては、Kトナーを用いるものだけを備えている。つまり、このプリンタにおいては、モノクロ画像だけを形成するようになっている。
現像装置109は、1成分現像剤としてのトナーを収容するトナー収容ケース110と、トナー担持ローラ130とを有している。そして、トナー収容ケース110には、第1トナー搬送部材111、第2トナー搬送部材112、トナー供給ローラ113などが設けられている。第1トナー搬送部材111や第2トナー搬送部材113は、トナー収容ケース114の内部で回転駆動することで、ケース内のトナーをトナー供給ローラ113に向けて搬送するものである。
トナー供給ローラ114のローラ部は、発泡ポリウレタンなどといった無数のセル構造を有する部材からなり、周面の一部をトナー収容ケース109内に位置させている(以下、ケース内周面という)。トナー供給ローラ114のケース内周面の上には、第2トナー搬送部材112によって搬送されてくるトナーが載っている。このような状態でトナー供給ローラ114が回転することで、トナー収容ケース109内のトナーがトナー供給ローラ114のセル構造によって汲み上げられる。汲み上げられたトナーは、トナー供給ローラ114の周面に当接している規制ブレード114によって層厚規制されたり、摩擦帯電せしめられたりする。
トナー供給ローラ114の周面のうち、上記ケース内周面を除く領域は、トナー収容ケース109に設けられた開口を通じて外部に露出するケース外周面となっている。トナー供給ローラ114の回転に伴って規制ブレード114との対向領域を通過したトナーは、トナー収容ケース110の外部に出て、トナー担持ローラ130に対向するトナー供給領域に至る。そして、このトナー供給領域において、トナー供給ローラ114に保持されるトナーの一部が、トナー担持ローラ30に供給される。
以上のように、第2変形例に係るプリンタにおいては、2成分現像方式に代えて、1成分現像方式を採用している。
以上、実施形態に係るプリンタにおいては、互いに独立した2本のワイヤ(導電性線材)をローラ基体32Yに螺旋状に巻き付けている。かかる構成では、一方のワイヤによって構成されるホッピング電極(33Y)の螺旋によるループと、他方のワイヤによって構成されるホッピング電極(34Y)の螺旋によるループとを螺旋ピッチ方向に交互に並べる2重螺旋構造において、互いに隣り合うループの間でトナーをホッピングさせることができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、ローラ基体32Yの周面における周方向とは直交する方向の両端部に、周方向に沿って延在する表面を具備する端部電極としての第1軸部38Y、第2軸部39Yをそれぞれ設け、2つのホッピング電極を構成する2つのワイヤのうち、何れか一方における端部をそれら軸部のうちの何れか一方に接続するとともに、他方のワイヤの端部を他方の軸部に接続している。かかる構成では、ローラ基体32Yの螺旋ピッチ方向の両端側から、2つのホッピング電極に対してそれぞれ、個別のパルス電圧を印加したり、接地処理を施したりすることができる。
また、第1変形例に係るプリンタにおいては、2本の絶縁性線材をローラ基体32Yの周面に螺旋状に巻き付けて、それぞれを螺旋ピッチ方向にて2つのワイヤからなる2つのホッピング電極のループの間に介在させている。かかる構成では、上述したように、両ホッピング電極のループの間に絶縁層を介在させることで銅ループのずれを阻止する構成に比べて、すれを阻止するための構造体の強度を高めて、より確実にずれを阻止することができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、ローラ基体32Yの周面を、ホッピング電極を構成するワイヤのローラ基体表面からの突出量よりも大きな厚みの絶縁層35Yで被覆している。かかる構成では、上述したように、2つのホッピング電極のループの間に絶縁層35Yを介在させることで、ループのずれを阻止することができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、ホッピング電極を構成するワイヤとして、体積抵抗率が75[μΩm]以下であるものを用いている。かかる構成では、上述したように、ワイヤの電気抵抗が高すぎることによる電界強度不足や、電界強度ムラの発生を回避することができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、トナー担持ローラ30Yに、トナーとの摩擦によってトナーに対して正規帯電極性の電荷を与えることができる材料からなる表面層としての絶縁層35Yを設けている。かかる構成では、ホッピングするトナーとの摺擦に伴って絶縁層35Yがトナーに対して正規帯電極性とは逆極性の電荷を与えてしまうことによるホッピング不良の発生を回避することができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、2本のワイヤからなる2つのホッピング電極にそれぞれ周期的なパルス電圧を供給する電源を設け、且つ、パルス電圧が印加されるそれらホッピング電極の電位差の最大値をVmax[V]で示し、一方のホッピング電極の螺旋によるループと他方のホッピング電極の螺旋によるループとが交互に並ぶ二重螺旋構造の螺旋のピッチをp[μm]で示した場合に、「Vmax/p>1」の関係を具備させている。かかる構成では、上述したように、トナー担持ローラ30Yの表面上において安定したフレアを確実に形成することができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、一方のホッピング電極に供給するパルス電圧(Va)と、他方のホッピング電極に供給するパルス電圧(Vb)との和を、パルス電圧の位相にかかわらず、感光ベルト1の画像部電位と非画像部電位との間の値にするように、上記電源を構成している。かかる構成では、トナー担持ローラ30Yの表面上でホッピングしたトナーを、両パルス電圧の和と、潜像電位との電位差によって静電潜像に確実に付着させることができる。更には、両パルス電圧の和と、地肌部電位との電位差により、トナーの地肌部への付着(地汚れ)の発生を確実に防止することができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、感光ベルト1に形成した複数のトナー像を転写体たる記録紙に重ね合わせて転写する転写手段としての転写ローラ4を設けているので、複数色のトナー像の重ね合わせによるカラートナー像を形成することができる。
実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 同プリンタのY用のトナー担持ローラを示す正面図。 同トナー担持ローラの各ホッピング電極に印加されるパルス電圧の波形を示すグラフ。 同トナー担持ローラを示す拡大縦断面図。 各ホッピング電極に対する供給電圧の他の例を波形として示すグラフ。 実験基板を示す断面図。 同実験基板上でのフレア状態を示す断面図。 同実験基板を用いた実験結果に基づくVmax[V]/p[μm]とフレア活性度との関を示すグラフ。 同実験基板を用いた実験結果に基づく表面層の体積抵抗率とフレア活性度との関係を示すグラフ。 実験装置の概略構成を示す断面図。 同実験装置を用いた実験結果に基づく現像ギャップと基板A上の光学濃度増加分との関係を示すグラフ。 第1変形例に係るプリンタのY用のトナー担持ローラを示す拡大縦断面図。 第2変形例に係るプリンタを示す要部構成図。 特許文献1に記載の現像装置に搭載されるトナー担持ローラを示す拡大正面図。
符号の説明
1:感光ベルト(潜像担持体)
4:転写ローラ(転写手段)
9Y,M,C,K:現像装置
30Y:トナー担持ローラ(トナー担持体)
31Y:ローラ部
32Y:ローラ基体(基体)
33Y:第1ホッピング電極
34Y:第2ホッピング電極
35Y:絶縁層(表面層)
36Y:第1絶縁性線材
37Y:第2絶縁性線材
38Y:第1軸部(端部電極)
39Y:第2軸部(端部電極)

Claims (12)

  1. 自らの無端状の周面に担持したトナーを該周面上でホッピングさせるためのホッピング電極を具備するトナー担持体を備え、該周面上でホッピングしているトナーを、該周面の無端移動に伴って画像形成装置の潜像担持体に対向する現像領域まで搬送し、該現像領域でホッピングしたトナーを該潜像担持体上の潜像に付着させて該潜像を現像する現像装置に搭載される該トナー担持体において、
    基体に対して、互いに独立した複数の導電性線材をそれぞれ上記周面に沿って互いに重ねないように螺旋状に巻き付けて、それぞれを互いに独立した上記ホッピング電極として機能させるようにしたことを特徴とするトナー担持体。
  2. 請求項1のトナー担持体において、
    互いに独立した2本の上記導電性線材を上記基体に螺旋状に巻き付けたことを特徴とするトナー担持体。
  3. 請求項2のトナー担持体において、
    上記基体の周面における周方向とは直交する方向の両端部に、周方向に沿って延在する表面を具備する端部電極をそれぞれ設け、2つの上記導電性線材の何れか一方における端部を、2つの端部電極の何れか一方に接続するとともに、他方の導電性線材の端部を他方の端部電極に接続したことを特徴とするトナー担持体。
  4. 請求項2又は3のトナー担持体において、
    2本の絶縁性線材を上記基体の周面に螺旋状に巻き付けて、それぞれを螺旋ピッチ方向にて2つの上記導電性線材の間に介在させたことを特徴とするトナー担持体。
  5. 請求項1乃至4の何れかのトナー担持体において、
    上記基体の周面を、上記導電性線材の基体表面からの突出量よりも大きな厚みの絶縁層で被覆したことを特徴とするトナー担持体。
  6. 請求項1乃至5の何れかのトナー担持体において、
    上記導電性線材として、体積抵抗率が75[μΩm]以下であるものを用いたことを特徴とするトナー担持体。
  7. 請求項1乃至6の何れかのトナー担持体において、
    上記トナー担持体に、トナーとの摩擦によってトナーに対して正規帯電極性の電荷を与えることができる材料からなる表面層を設けたことを特徴とするトナー担持体。
  8. 自らの無端状の周面に担持したトナーを該周面上でホッピングさせるためのホッピング電極を具備するトナー担持体を備え、該周面上でホッピングしているトナーを、該周面の無端移動に伴って画像形成装置の潜像担持体に対向する現像領域まで搬送し、該現像領域でホッピングしたトナーを該潜像担持体上の潜像に付着させて該潜像を現像する現像装置において、
    上記トナー担持体として、請求項1乃至7の何れかのものを用いたことを特徴とする現像装置。
  9. 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置において、
    上記現像手段として、請求項8の現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項8の画像形成装置において、
    上記トナー担持体として、請求項2、3又は4のものを用い、
    2本の上記導電性線材にそれぞれ周期的なパルス電圧を供給する電源を設け、
    且つ、該パルス電圧が印加されるそれら導電性線材の電位差の最大値をVmax[V]で示し、一方の導電性線材の螺旋によるループと他方の導電性線材の螺旋によるループとが交互に並ぶ二重螺旋構造の螺旋のピッチをp[μm]で示した場合に、「Vmax/p>1」の関係を具備させたことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10の画像形成装置において、
    一方の上記導電性線材に供給するパルス電圧と、他方の上記導電性線材に供給するパルス電圧との和を、パルス電圧の位相にかかわらず、上記潜像担持体の画像部電位と非画像部電位との間の値にするように、上記電源を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項9乃至11の何れかの画像形成装置において、
    上記潜像担持体に形成した複数のトナー像を転写体に重ね合わせて転写する転写手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
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