JP2010047000A - 記録装置及び搬送制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送ローラの幅方向の振れを考慮した高精度な記録媒体の搬送制御を行って、高品位な画像を記録することである。
【解決手段】搬送ローラを回転させながら記録媒体の所定位置に、記録媒体の搬送方向に所定の搬送ローラの回転角度の間隔でレジストマークを記録する。これをレジストマーク読取機で読み取り、記録媒体の移動誤差情報を取得する。取得された移動誤差情報を不揮発性メモリに格納する。実際の記録時には、ホストから受信した記録に用いる記録媒体のサイズ情報と記録媒体の幅方向の記録位置情報と移動誤差情報とに基づき、搬送ローラの記録媒体の幅方向に関する振れ量を演算する。次に、その回転角度位置と格納された移動誤差位置情報とに基づき記録媒体の搬送量を算出し、その搬送量に対して演算された振れ量で補正した搬送ローラの回転角度を算出する。そして、算出された回転角度に基づいて搬送ローラを回転させ記録媒体を搬送制御する。
【選択図】 図9

Description

本発明は記録装置及び搬送制御方法に関し、特に、例えば、インクジェット記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置、及びその装置において記録媒体を搬送するために適用される搬送制御方法に関する。
従来のインクジェット記録装置において、記録媒体などの記録用紙を搬送する搬送機構における駆動源としてはパルスモータが主流であった。しかし、近年の写真画質といわれる高画質記録が要求される記録装置では、記録媒体の搬送における精密な精度の要求と、静音化に対する要求から、ロータリエンコーダを用いたクローズドループ制御によるDCモータの使用が一般的となってきている。
このようなサーボ制御を用いた搬送制御では、ロータリエンコーダから得られる位置情報により搬送ローラを所望の位置にいかに精度よく回転させることができるかが肝要となる。
通常の搬送制御では、たとえ高精度にその回転制御を行えたとしても、制御できるのはローラの回転角度に過ぎない。従って、記録媒体を搬送するローラの外径の製造精度が悪く、ローラに振れが生じると、搬送を行うローラの外周長は所定回転角度に対して不均一なものになってしまい所望の搬送精度を得ることはできない。
ここで、搬送精度とは、ローラの回転角度をθ、ローラの半径をrとすればrθで表わされる記録用紙などの記録媒体の搬送長の精度のことである。この目標値が実際の値に近いほどその精度は高いと言える。
上述のようにθのみを厳密に管理する従来の方法は、rが一定であることを前提とするものであり、ローラ外径が場所によってばらつきrの値が異なったり、rがθの関数として可変となるローラの振れなどは考慮にされていない。従って、記録媒体の搬送精度が悪く、結果として、記録画像に白スジや黒スジが発生し、画像品質の低下につながることがしばしば生じている。
従来からも、搬送ローラへの外乱成分を極力除去し、搬送精度を安定化させるため、ローラ外径精度、振れ精度の高い搬送ローラを用いるなどの工夫をしてきたが、製造上、ローラの外径や触れをこれ以上抑えることは現実的に難しくなってきている。
このような課題の中、搬送機構の外乱成分を除去して記録用紙の搬送精度を安定化させていくという試みがいくつか行われている。そのアプローチは大きく分けると、機構構成から偏芯成分の影響を弱めていく方法(例えば、特許文献1)と、補正値等を用いた制御シーケンスを用いた方法(例えば、特許文献2)の2つに分類される。
特許文献1に開示される装置では、搬送回転体のローラ外周長Lを、基本のシート搬送量Mに対し、L≒M、又はL<Mに構成したことを特徴としている。この例では搬送回転体の振れ成分は搬送量が搬送回転体のちょうど一周分、または複数回転にあたる量であれば偏芯成分は顕在化しにくいことを述べている。しかし、この方法は、画像形成上のローラの振れ成分の影響をできるだけ小さくできるに過ぎず、より高い搬送精度を得られるものではない。
特許文献2に開示される記録装置は次の構成を備える。即ち、記録用紙を往復運動させる搬送ローラと、この搬送ローラによる記録紙の往動時にその記録紙上の同一領域に各々異なる色で記録を行う記録手段と、その搬送ローラの回転角度位置を検出する検出手段とを備える。さらに、その記録手段による第1色目の記録開始時の搬送ローラの角度位置を記憶する記憶手段と、その記録手段による第2色目以降の記録を第1色目の記録開始時の角度位置から開始するよう制御する制御手段とを備える。このような構成により、記録のタイミングを各色で合わせることにより、振れの影響を少なくすることが可能となる。
また、特許文献2に開示される記録装置はさらに、次の構成も備える。即ち、記録紙に一定時間間隔でレジストマークを記録するレジストマーク記録手段と、レジストマークを読み取る読取手段と、レジストマークの読み取り情報から搬送ローラの各回転角度位置における記録紙の移動速度変位を演算する演算手段を備える。またさらに、演算値に基づいて記録タイミングの補正データを作成する作成手段と、その作成手段により作成された補正データに基づいて記録を制御する制御手段とを備える。これにより、記録開始後の理想搬送量からの実記録ズレを補正データを用いた制御によって補正し、高画質な記録を可能としている。この方法によればローラ外径や振れによる外乱要因を同時に低減させることができる。
特開平6−92521号公報 特開平8−101618号公報
しかしながら上記従来例の方法では、その制御は用紙サイズ、用紙の搬送ローラの幅方向に関する記録位置によらず、一律なものである。つまり、ローラの振れに起因するような用紙の記録位置による搬送周期関数の振幅不均一性が考慮されておらず、あるサイズの用紙には制御を強くかけすぎてしまったり、逆に別のサイズの用紙には制御を弱くかけてしまうという問題がある。その結果、十分な画質向上が望めない。
搬送ローラの振れは、その特性上、支持両端での振れは“0”で、ローラの幅方向の中央部でが振れの最大値となることを考慮する必要がある。その意味において、ローラの任意の位置における厳密な搬送長はローラ幅方向位置をxとすれば、r(θ,x)・θで表されるはずである。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、搬送ローラの幅方向に関する位置を考慮に入れた上で、記録媒体のサイズに係わらず、十分な画質向上が容易に、かつ低コストで実現可能な記録装置と搬送制御方法とを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の記録装置は、以下のような構成からなる。
即ち、搬送モータにより駆動される搬送ローラの回転により搬送された記録媒体を記録媒体に記録ヘッドにより記録を行う記録装置であって、記録媒体の移動誤差情報を格納する記憶手段と、ホストから記録媒体のサイズの情報と前記記録媒体の幅方向の記録位置の情報を受信する受信手段と、前記記憶手段に格納された前記移動誤差情報と前記受信したサイズの情報と記録位置の情報とに基づいて、前記記録媒体に適した前記搬送ローラの前記記録媒体の幅方向に関する振れ量を演算する演算手段と、前記搬送ローラの回転角度位置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された回転角度位置と前記記憶手段に格納された移動誤差情報に基づいて記録媒体の搬送量を算出し、該算出された搬送量に対して前記演算手段により演算された振れ量で補正した搬送ローラの回転角度を算出する算出手段と、前記算出された回転角度に基づいて前記搬送モータを駆動して前記搬送ローラを回転させることにより前記記録媒体を搬送するよう制御する搬送制御手段とを有することを特徴とする。
また他の発明によれば、搬送モータにより駆動される搬送ローラの回転により搬送された記録媒体を記録媒体に記録ヘッドにより記録を行う記録装置の搬送制御方法であって、前記搬送ローラを回転させながら記録媒体の予め定められた位置に、前記記録媒体の搬送方向に予め定められた搬送ローラの回転角度の間隔で複数個、前記記録ヘッドによりレジストマークを記録し、該記録されたレジストマークをレジストマーク読取機で読み取ることにより、記録媒体の移動誤差情報を取得する取得工程と、前記取得工程において取得された前記移動誤差情報を不揮発性メモリに格納する記憶工程と、ホストから記録に用いる記録媒体のサイズの情報と前記記録媒体の幅方向の記録位置の情報を受信する受信工程と、前記不揮発性メモリに格納された前記移動誤差情報と前記受信したサイズの情報と記録位置の情報とに基づいて、前記記録媒体に適した前記搬送ローラの前記記録媒体の幅方向に関する振れ量を演算する演算工程と、前記搬送ローラの回転角度位置を検出する検出工程と、前記検出工程において検出された回転角度位置と前記不揮発性メモリに格納された移動誤差情報とに基づいて記録媒体の搬送量を算出し、該算出された搬送量に対して前記演算された振れ量で補正した搬送ローラの回転角度を算出する算出工程と、前記算出された回転角度に基づいて前記搬送モータを駆動して前記搬送ローラを回転させることにより前記記録媒体を搬送するよう制御する制御工程とを有することを特徴とする搬送制御方法を備える。
従って本発明によれば、搬送ローラの振れや搬送ローラの外径公差などによる搬送精度の不安定要因を取り除き、高品位な画像を記録することができる。そして、このような処理は特別なハードウェアを必要とせず、記録動作シーケンスに簡単な算術処理を組み込むだけで実現できるので、容易で低コストであるという利点がある。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。なお、既に説明した部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。さらに人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かも問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
図1は、本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置(以下、記録装置)の概観斜視図である。
図1に示すように、キャリッジ1は駆動源となるキャリッジモータ(DCモータ)2の回転がキャリッジベルト4から伝達されることにより、記録媒体の搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復運動を行うことができる。また、キャリッジ1はリニアエンコーダ3によって、キャリッジ1の移動位置が検出され、その動作を制御することができる。キャリッジ1には記録ヘッド5が搭載されており、制御部(不図示)からの記録命令に従って、所定の位置でインクを吐出するよう構成されている。
記録用紙のような記録媒体11の搬送機構は、搬送ローラ6、搬送ローラ6に対向するピンチローラ12、搬送ローラ6の駆動源である搬送モータ7、ロータリエンコーダ8、搬送プーリ9、搬送ベルト10を含む。
搬送モータ7の駆動が搬送ベルト10を介して搬送ローラ6に把持固定された搬送プーリ9に伝えられると、搬送ローラ6は回転を始め、ピンチローラ12と搬送ローラ6に挟持された記録媒体11が搬送される。搬送機構のサーボ制御では、ロータリエンコーダ8の位置情報と、目標位置とから比較補償演算を行うフィードバックループを形成する。この比較補償演算結果をモータドライバに出力して搬送モータ7を駆動させ、制御駆動を行う。
次に、上述した記録装置の記録制御を実行するための制御構成について説明する。
図2は記録装置の制御回路の構成を示すブロック図である。
図2において、1700は記録信号を入力するインタフェース、1701はMPU、1702はMPU1701が実行する制御プログラムを格納するROMである。また、1703は各種データ(上記記録信号や記録ヘッドに供給される記録データ等)を保存しておくDRAMである。1704は記録ヘッド5に対する記録データの供給制御を行うゲートアレイ(G.A.)であり、インタフェース1700、MPU1701、RAM1703間のデータ転送制御も行う。
さらに、1706は搬送モータ7を駆動するためのモータドライバ、1707はキャリッジモータ2を駆動するためのモータドライバである。
上記制御構成の動作を説明すると、インタフェース1700に記録信号が入るとゲートアレイ1704とMPU1701との間で記録信号がプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ1706、1707が駆動されると共に、キャリッジ1に送られた記録データに従って記録ヘッド5が駆動され、記録媒体への画像記録が行われる。
さて、この実施例の記録装置では記録用紙の記録動作前に予め、レジストマーク記録動作、読み取り動作、補正値格納処理を実行する。これにより、搬送ローラ6の幅方向(主走査方向)の複数位置における各回転角度での単位角度あたりの用紙移動誤差情報がROM1702(或は、他の不揮発性メモリ(EEPROMなど))に格納される。
記録媒体への実際の記録時には、その格納された用紙移動誤差情報を適宜利用して、記録媒体の搬送量の微調制御を行う。つまり、この記録装置の搬送制御の特徴的な動作は、レジストマークによる用紙移動誤差情報の格納と、実際の記録時の搬送量の微調制御の2つに大別できる。
ここで、2つの動作を実行するのに必要な装置(システム)の構成について説明する。
図3はレジストマーク記録による用紙移動誤差情報の格納動作を実行するのに必要なシステム構成を表した概略図である。
図3に示されているように、このシステムは、記録装置20と、レジストマーク読取機21と、これら2つの装置を制御する制御装置22から構成される。
レジストマーク記録による用紙移動誤差情報は、記録装置個別に永続的なものであり、記録装置の初期動作時に1回のみ行えばよい。従って、その算出値は記録装置のROM1702やEEPROMなどに記憶される。これにより、その情報は再利用可能となる。
そのため、この実施例ではレジストマーク読み取り動作は、記録装置とは切り離して個別の装置で行うよう構成している。レジストマーク記録動作は当然、記録装置本体で行うことになる。なお、この実施例においてはレジストマーク読取機21と記録装置20とは切り離された別体構成であるが、記録装置と一体になるように構成しても良い。
図4はレジストマーク記録による用紙移動誤差情報の格納動作を行った後の、通常の記録動作を行う場合のシステム構成を表した概略図である。
この場合、そのシステムは記録装置20と、記録装置20を制御する制御装置(例えば、パーソナルコンピュータなどであり“ホスト”と呼ばれる)22からなる。このとき、レジストマーク記録による用紙移動誤差情報は既に記録装置20に格納されている。従って、制御装置22からの記録命令が記録装置20に送信されると、記録装置20は、格納された用紙移動誤差情報を利用して、搬送量微調制御を行いながら記録動作を行う。
次に、2つの動作のフローについて説明する。
まずレジストマークによる用紙移動誤差情報格納動作について説明する。
図5はレジストマーク記録による用紙移動誤差情報の格納動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS10では、制御装置22より、レジストマーク記録動作命令が記録装置20に送られると、記録装置20は記録動作を開始する。即ち、ロータリエンコーダ8により記録時のローラ位相情報を取得しながら、所定回転角度間隔であるπ/3毎に、レジストマークが搬送ローラ6の1回転分、計7個(複数個)が記録紙60に記録される。
図6は、レジストマークが記録された記録紙を示す図である。
図6において、60は記録紙、61と62はレジストマークが記録される主走査方向(搬送ローラのローラ幅方向)の位置を示すライン、63はレジストマークである。
この実施例ではレジストマーク記録における所定回転角度間隔をπ/3に設定してあるが、本発明はこの角度によって限定されるものではなく、任意の角度に設定することが可能である。また、ローラの周回もこの実施例では1回のみとしてあるが、数周回のデータを測定、平均化しデータの信頼性を上げることも可能である。
図7はレジストマークを記録する記録紙60と搬送ローラ6との位置関係を示す図である。
図7に示すように、この実施例では、搬送ローラ6の両支持端の中心にレジストマークを記録する記録紙60の片端が位置するようになっている。
このように配置することで、ライン61とライン62の測定を行えば、ローラの振れ最大点と最小点の用紙移動誤差情報を取得することが可能となる。
次に、ステップS20では、レジストマークが記録された記録紙60をレジストマーク読取機21にセットし、レジストマークの読取動作を実行する。
即ち、制御装置22から読み取り命令が送信されると、レジストマーク読取機21は記録紙60のライン61とライン62のライン毎にレジストマーク間隔各6個を測定する。そして、制御装置22にレジストマーク間隔の測定値とレジストマーク各点でのローラ位相情報を送信する。
さらに、ステップS30において、制御装置22はレジストマーク読取機21から送信された2つのライン間隔から搬送ローラの支持端近傍の用紙移動速度変位情報と、ローラ中心部の用紙移動速度変位情報を算出する。ライン61の値がローラ振れのない測定値、ライン62の値がローラ振れ最大となる測定値となるはずである。ローラ振れのないライン61を測定するのは、ローラの外径公差ばらつきを安定的に測定するためである。
ローラは所望の設定ローラ外径に対して、規定範囲内のばらつきを持つのが一般的である。この外径ばらつきはローラの幅方向位置に対しては一定であるが、記録媒体の搬送の際、回転角度位置に関わらず一様に、外径公差ズレ分だけ記録媒体の搬送量が大きくなったり、小さくなったりすることが、記録画像の品質劣化の原因となってしまう。この実施例では、まずライン61の測定によって記録装置のローラ外径を推定し、次にライン62の測定値からローラ振れ最大量を算出する。
図8は2つのラインの測定値を示す図である。
搬送ローラ6のローラ半径がrであったとすると、ライン61とライン62の各6個の測定値は、例えば、図8に示すような測定値となるはずである。
ライン61の測定値は図8(a)に示すように測定角度によらずほぼ一定の値を示すはずである。理想値rπ/3に対するズレがローラ外径公差ズレ量である。そこで、ライン61の6個の平均値r’π/3を算出し、r’を記録装置のローラ外径とし、記録装置20のメモリに記憶する。
次に、図8(b)に示すようなライン62の振れ量を推定する。ローラ振れによる用紙搬送誤差への影響はr’π/3を中心として、ローラ1周を周期とする周期関数を持つことになる。
そこで、ローラ振れをa、振れ位相をbとして、ライン62の離散データから、式(1)に最適なa、bの値を算出する。そして、これを記録装置20に記憶する。
F=aπ/3・sin(Φ+b)+r’π/3 ……(1)
また、レジストマーク位置と搬送ローラの位相を関連付ける情報としてレジストマーク初期位置(Φ=0)のロータリエンコーダの位置を記録装置20に記憶する。
以上述べた処理が、レジストマークによる用紙移動誤差情報の格納動作である。この動作によって記録装置20に記憶される情報は、ローラ外径r’と、ローラ振れaと、振れ位相bと、レジストマーク記録初期位置のロータリエンコーダ8の位置Φ=0のエンコーダ位置との4つのデータである。これら4つのデータをステップS40で格納する。
以上の4つのデータを用いること、そのサイズ、記録位置が異なる記録媒体(例えば、記録用紙)においても、ローラ外径ばらつきや振れの影響を除去した記録が可能となる。
次に、実際の記録時の記録媒体の搬送量微調制御について述べる。
前述したように、レジストマークの記録による用紙移動誤差情報格納動作を行った後、通常の記録動作を行う場合のシステム構成は図4に示すようになる。この時点でレジストマーク記録による用紙移動誤差情報は既に記録装置20の不揮発性メモリ(ROMやEEPROMなど)に格納されている。従って、制御装置22からの記録命令が記録装置20に送信されると、記録装置20は、格納された用紙移動誤差情報を利用して、記録媒体の搬送量微調制御を行いながら記録動作を行う。
図9は実際の記録動作の概要を示すフローチャートである。
所定の記録用紙が記録装置20にセットされ制御装置22から記録動作命令が送信されると、処理はステップS110において、記録装置20はセットされた記録用紙のローラ幅方向の位置情報を制御装置22より取得する。
図10は、記録装置20が制御装置22から取得する記録用紙情報を示す図である。
この情報は、図10に示すように、搬送ローラの左端を“0”とした、ローラ幅方向に関する位置座標(x)上の用紙左端位置P1と用紙右端位置P2である。
次に、ステップS120では、振幅演算処理を実行する。
図11は搬送ローラの幅方向に関する搬送ローラの振れの変化を示す図である。
振幅演算処理では、記録装置20内に記憶された、振幅aを読み出し、図11に示すように搬送ローラは正弦波(sin)の軌跡を描いて振れていると仮定して演算を行う。即ち、ローラ振れが両支持端では“0”、支持中心では最大値になるとして、式(2)のようなローラ幅方向に関する位置(x)を変数とした、振れ関数を定義する。なお、Lはローラの両支持端間の長さである。
a(x)=a・sin{(2π/L)・x}……(2)
次に、この振れ関数を利用して、指定された用紙に適した振れ量を算出する。指定された用紙は図10に示すように、P1≦x≦P2の条件を満たす任意の幅方向位置で異なる振れ量をもって用紙搬送が行われるはずである。このような場合、用紙内の任意の微小領域内において、用紙速度が異なるという現象が発生し、用紙内に用紙搬送速度差によるひずみが発生する。このひずみは用紙を搬送方向に伸び縮みさせる原因となりうるが、一般的に用紙の搬送方向の剛度は高く、この力による変形は無視することができる。実際にはこの速度差は用紙全体に広がり、搬送速度が高速になる領域においてはスリップが発生し、低速になる領域においてはその速度が増す現象が発生し、最終的には用紙全領域において一様な全体平均的速度に収束すると考えられる。
この実施例では、この速度収束は全異速度間の平均値をとると考え、用紙端位置P1、P2内の振れ積分値の重心位置を最適値として振れ量(AFIT)を設定する。AFITは、式(3)から求めることができる。
FIT={1/(P2−P1)}∫P2 P1{a・sin(2πx/L)}dx ……(3)
FITを計算することで振幅演算処理が終了する。
さらに、処理はステップS130において、記録装置20は記録用紙の給紙動作に実行して、記録用紙の搬送を始める。そして、搬送方向に関し、記録用紙先端の記録位置に記録ヘッド5が対向する位置にくると、処理はステップS140に進み、往復運動を行うキャリッジ1に搭載された記録ヘッド5によって最初の記録動作が開始される。
記録ヘッド5による最初の1スキャン記録動作が終了すると、処理はステップS150において、次の行に記録を行うか、或は記録終了かを判断する。記録終了であれば、処理はここで終了するが、記録継続であるなら、処理はステップS160に進む。
次の行を記録するために搬送ローラ6は用紙を所定量搬送するために所定回転角度ローラを回転させる必要がある。この時点の用紙の搬送制御動作以降より用紙の搬送補正を考慮し、補正制御を記録終了までを続行する。
用紙の搬送補正を行うために、記録装置は、ステップS160において、現時点でのロータリエンコーダ8の位置情報を取得する。取得されるエンコーダの位置はレジストマーク記録時に使用したΦに対応づけられる形でΦ=θという値をとる。
次に、ステップS170では、記憶保持されたパラメータから次の改行(記録ヘッドの記録幅だけの搬送)で記録装置20が搬送したいと思っている搬送量Lを算出し、ローラ振れを考慮したローラ回転角度Δθを算出する。ローラの半径rがローラ角度位置θによって変化することから、LとΔθの関係は式(4)のようになる。
L=∫θ+Δθ θr(θ)・θdθ ……(4)
式(4)のr(θ)は前述の式より、式(5)で表わされるので、上式より積分計算を求めればローラ回転角度Δθを算出することができる。
r(θ)=F/(π/3)=a・sin(θ+b)+r’ ……(5)
従って、ステップS180では、記録装置20はΔθを用いて、次の改行での記録を行うために搬送ローラ6を駆動し、所定の回転角度回したところで、搬送ローラ6を停止させる。その後、処理はステップS140に戻り、記録ヘッド5による次の改行での記録動作に移る。このようにステップS160〜S180の算術処理を記録終了となるまで改行毎に繰り返し行い、Δθを適宜求め、回転駆動制御を行う。
従って、以上説明した実施例に従えば、搬送ローラの振れやローラ外径公差による、搬送精度の不安定要因を取り除くことができ、高品位な画像を記録することができる。そして、このような処理は特別なハードウェアを必要とせず、記録動作シーケンスに上述の算術処理を組み込むだけで実現できるので、容易で低コストであるという利点がある。
なお、以上の実施例において、記録装置に適用される記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
また、以上の実施例は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体等)を備えている。そのため、その熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
さらに、以上の実施例では、記録装置の例としてインクジェット記録装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれによって限定されるものではない。ワイヤドット式や熱転写式等であっても、キャリッジの往復移動機構及び記録媒体の搬送機構の他に付加的な機構が設けられている場合には、搬送機構と付加的な機構とを同一の駆動源で駆動する目的で本発明を適用することができる。
さらに加えて、本発明のインクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力装置として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置の内部機構を右前方から見た斜視図である。 記録装置の制御回路の構成を示すブロック図である。 レジストマーク記録による用紙移動誤差情報の格納動作を実行するのに必要なシステム構成を表した概略図である。 レジストマーク記録による用紙移動誤差情報の格納動作を行った後の、通常の記録動作を行う場合のシステム構成を表した概略図である。 レジストマーク記録による用紙移動誤差情報の格納動作を示すフローチャートである。 レジストマークが記録された記録紙を示す図である。 レジストマークを記録する記録紙60と搬送ローラ6との位置関係を示す図である。 2つのラインの測定値を示す図である。 実際の記録動作の概要を示すフローチャートである。 記録装置20が制御装置22から取得する記録用紙情報を示す図である。 搬送ローラの幅方向に関する搬送ローラの振れの変化を示す図である。
符号の説明
1 キャリッジ
2 キャリッジモータ
3 リニアエンコーダ
4 キャリッジベルト
5 記録ヘッド
6 搬送ローラ
7 搬送モータ
8 ロータリエンコーダ
9 搬送プーリ
10 搬送ベルト
11 記録用紙
12 ピンチローラ
20 記録装置
21 レジストマーク読取機
22 制御装置
60 記録紙
61 ライン
62 ライン

Claims (9)

  1. 搬送モータにより駆動される搬送ローラの回転により搬送された記録媒体を記録媒体に記録ヘッドにより記録を行う記録装置であって、
    記録媒体の移動誤差情報を格納する記憶手段と、
    ホストから記録媒体のサイズの情報と前記記録媒体の幅方向の記録位置の情報を受信する受信手段と、
    前記記憶手段に格納された前記移動誤差情報と前記受信したサイズの情報と記録位置の情報とに基づいて、前記記録媒体に適した前記搬送ローラの前記記録媒体の幅方向に関する振れ量を演算する演算手段と、
    前記搬送ローラの回転角度位置を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された回転角度位置と前記記憶手段に格納された移動誤差情報に基づいて記録媒体の搬送量を算出し、該算出された搬送量に対して前記演算手段により演算された振れ量で補正した搬送ローラの回転角度を算出する算出手段と、
    前記算出された回転角度に基づいて前記搬送モータを駆動して前記搬送ローラを回転させることにより前記記録媒体を搬送するよう制御する搬送制御手段とを有することを特徴とする記録装置。
  2. 前記検出手段は、ロータリエンコーダを含むことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記移動誤差情報は、搬送ローラの外径と、搬送ローラの振れと、搬送ローラの振れ位相と、レジストマーク記録初期位置に対応するロータリエンコーダの位置の情報とを含むことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記移動誤差情報は、前記記録装置の記録動作にさき立って、前もって前記記憶手段に格納されることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記移動誤差情報は、
    前記搬送ローラを回転させながら記録媒体の予め定められた位置に、前記記録媒体の搬送方向に予め定められた搬送ローラの回転角度の間隔で複数個、前記記録ヘッドによりレジストマークを記録し、該記録されたレジストマークをレジストマーク読取機で読み取ることにより得ることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 前記レジストマークが記録される定められた位置とは、前記搬送ローラの前記記録媒体の幅方向に関し、前記搬送ローラの支持端近傍と前記搬送ローラの中央であることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記レジストマーク読取機は前記記録装置とは別体構成であることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  8. 前記レジストマーク読取機は前記記録装置とは一体の構成であることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  9. 搬送モータにより駆動される搬送ローラの回転により搬送された記録媒体を記録媒体に記録ヘッドにより記録を行う記録装置の搬送制御方法であって、
    前記搬送ローラを回転させながら記録媒体の予め定められた位置に、前記記録媒体の搬送方向に予め定められた搬送ローラの回転角度の間隔で複数個、前記記録ヘッドによりレジストマークを記録し、該記録されたレジストマークをレジストマーク読取機で読み取ることにより、記録媒体の移動誤差情報を取得する取得工程と、
    前記取得工程において取得された前記移動誤差情報を不揮発性メモリに格納する記憶工程と、
    ホストから記録に用いる記録媒体のサイズの情報と前記記録媒体の幅方向の記録位置の情報を受信する受信工程と、
    前記不揮発性メモリに格納された前記移動誤差情報と前記受信したサイズの情報と記録位置の情報とに基づいて、前記記録媒体に適した前記搬送ローラの前記記録媒体の幅方向に関する振れ量を演算する演算工程と、
    前記搬送ローラの回転角度位置を検出する検出工程と、
    前記検出工程において検出された回転角度位置と前記不揮発性メモリに格納された移動誤差情報とに基づいて記録媒体の搬送量を算出し、該算出された搬送量に対して前記演算された振れ量で補正した搬送ローラの回転角度を算出する算出工程と、
    前記算出された回転角度に基づいて前記搬送モータを駆動して前記搬送ローラを回転させることにより前記記録媒体を搬送するよう制御する制御工程とを有することを特徴とする搬送制御方法。
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