JP2010046964A - 剥離性ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属貼り積層板製造時のプリプレグプレス工程において使用されるキャリアフィルムであって、熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)99〜90質量%と熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)とは非相溶の熱可塑性樹脂(ロ)1〜10質量%からなる樹脂層(I)を片面または両面の表層に有する延伸フィルムであることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
(1)金属貼り積層板製造時のプリプレグプレス工程において使用されるキャリアフィルムであって、熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)99〜90質量%と熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)とは非相溶の熱可塑性樹脂(ロ)1〜10質量%からなる樹脂層(I)を片面または両面の表層に有する延伸フィルムであることを特徴とする剥離性ポリエステルフィルム、
(2)熱可塑性樹脂(ロ)が熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)より高いガラス転移温度を有することを特徴とする(1)記載の剥離性ポリエステルフィルム、
(3)熱可塑性樹脂(ロ)がスチレンマレイミド樹脂である(1)または(2)のいずれか1つに記載の剥離性ポリエステルフィルム、
(4)樹脂層(I)側から測定した空気抜け時間が1.5秒以下である(1)〜(3)のいずれか1つに記載の剥離性ポリエステルフィルム、
(5)熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)が平均粒径0.2〜4.3μmの不活性無機粒子を0.01〜3質量%含んでいることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の剥離性ポリエステルフィルム、
(6)剥離性ポリエステルフィルムが、第一の樹脂層(I)/熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)からなる樹脂層(II)/第二の樹脂層(I)で構成される三層フィルムであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つに記載の剥離性ポリエステルフィルム、
(7)三層フィルムの各樹脂層が質量比で合計100となるよう、第一の樹脂層(I)が5〜30、樹脂層(II)が90〜40、第二の樹脂層(I)が5〜30の割合で構成されることを特徴とする(6)に記載の剥離性ポリエステルフィルム、
(8)(1)から(7)までのいずれか1つに記載の剥離性ポリエステルフィルムを製造するに際し、熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)99〜90質量%と熱可塑性樹脂(ロ)1〜10質量%からなる樹脂層(I)を片面または両面の表層に有する未延伸フィルムを延伸することを特徴とする(1)から(7)記載の剥離性ポリエステルフィルムの製造方法、
を要旨とするものである。
本発明の剥離性ポリエステルフィルムは、金属貼り積層板製造時のプリプレグプレス工程において使用されるキャリアフィルムであって、熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)99〜90質量%と熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)とは非相溶の熱可塑性樹脂(ロ)1〜10質量%からなる樹脂層(I)を片面または両面の表層に有する延伸フィルムであることを特徴とする。
熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)と熱可塑性樹脂(ロ)、または熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)と熱可塑性樹脂(ロ)と不活性無機粒子(ハ)とを単軸あるいは二軸押出機で熱可塑性樹脂(イ)の融点〜(融点+40℃)の温度範囲で溶融混合して熱可塑性樹脂(ロ)と必要に応じて不活性無機粒子(ハ)とを熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)中に分散させる。
本発明の剥離性ポリエステルフィルムは、プリント配線基板の多数の導体層と絶縁層からなる積層体を積層させるビルドアップ工法における剥離性に優れるキャリアフィルムとして使用される。
(1)ガラス転移点
試料6〜8mgをアルミニウム製のDSCサンプルパンに入れ、Perkin Elmer社製DSC(pyris1)を使用し、窒素中において280℃で5分間溶融保持し、−55℃まで急冷固化した後、昇温速度20℃/分で280℃まで昇温した。この時観測されるガラス転移温度をその試料のガラス転移温度とした。
(2)溶融粘度
チップ状の試料を130℃で24時間減圧乾燥して水分を除き、フローテスター(島津製作所製、型式CFT-500)を用いて、280℃、3分間保持後の溶融粘度を測定し、剪断速度1000s-1における溶融粘度(Pa・s)をその試料の溶融粘度とした。
(3)中心線平均粗さ SRa(μm)及び突起数 SPc(個/0.1mm2 )
小坂研究所社製の表面粗さ測定器SE−3AK型を使用して試料フィルムの中心線平均粗さ及び突起数測定した。触針径2μmR、触針圧10mg、高さ倍率50000倍とした。
(4)各層厚み
電子顕微鏡(SEM)により試料フィルムの断面観察を行い、各層の厚みを測定した。
(5)無機または有機粒子の粒子径
島津製作所社製のレーザー回折散乱式粒子径測定機SALD−2000により測定した。
(6)空気抜け時間
図1に示す測定装置を使用した。台1の中央部に円形のガラス板2を取り付け、取り付けたガラス板2の外周に沿って空気溝1(X)及び空気孔1(Y)を形成させた。次に、その空気孔1(Y)と真空ポンプ5をコック4のついたホース3で接続し、台1の上部に、ガラス板2を覆い隠す大きさの試料フィルム6を粘着テープ7で固定し、真空ポンプ5を駆動させ、コック4を開き、ガラス板2の外周に干渉縞が出現してからガラス板2全体に広がり、最終的にその移動が止まるまでの時間(秒)を測定し、それを空気抜け時間とした。
(7)フィルター昇圧速度
ギヤポンプを具備したスクリュー径14mmの縦方向直下型短軸スクリュー(L/D=15)に濾過面積10mm2のブレーカープレートにステンレス鋼繊維でできたウェブを焼結圧縮成形した絶対濾過径20μm(日本精線社製ナスロン)のフィルターを固定して取り付け、280℃で1.0kg/hrの押出速度で試料樹脂を溶融押出して1時間後の押出圧力を測定して昇圧速度(MPa/hr)を求めた。連続生産を想定した場合、昇圧速度が3.0MPa/hrを超える場合は、フィルターの昇圧速度が速すぎて製造が安定しなくなるため剥離性ポリエステルフィルムの製造原料として使用できない。1.5〜3.0MPa/hrは、短期間の生産はできるが、好ましくは1.5MPa/hr以下である。
(8)プリント配線基板モデルテスト1
直径約0.1mmのビアホールを5個/cm2形成した銅箔(400mm×400mm)とガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸したプリプレグ(400mm×400mm)とを銅箔/プリプレグ/銅箔/プリプレグ/銅箔で積層した積層板を準備し、最外層である銅箔の上と下の両面に試料フィルム(450mm×450mm)を挟み込んで固定し、さらにアルミ板(420mm×420mm)で挟んで油圧プレス機に導入した。次に105℃とした油圧プレス機で2.5MPaの圧力で10分間プレス処理を行い、油圧プレス機から取り外した。冷却後、アルミ板を取り外した後、試料フィルムを剥がし、試料フィルムの剥離強力を測定した。
剥離強力が
0.07N/cm未満であるものを○
0.07N/cm〜0.3N/cmであるものを△
0.3N/cmを超えるものを×とした。
剥離強力が0.3N/cmを超えると、試料フィルムが積層板から剥がれる際に抵抗を受けて容易に剥がれないため剥離性ポリエステルフィルムとして使用できない。
(9)プリント配線基板モデルテスト2
プリント配線基板モデルテスト1と同様のテストにおいて10分間のプレス処理後、油圧プレスを解放した。この際、試料フィルムの端部を10N/cmで引っ張りながら油圧プレスを解放し、フィルムが破断することなく解放できれば○、フィルムが破断すれば×とした。
(10)欠落粒子測定
プリント配線基板モデルテスト1で得られた積層板の積層板表面1cm×1cm当たりに付着した試料フィルム表面の無機粒子からなる突起物の欠落数を顕微鏡観察した。欠落数の計測を10点行った結果、無機粒子の欠落が確認された点数が1点以下の場合を○、2点以上確認された場合を×とした。
(11)極限粘度
フェノール/テトラクロルエタン=1/1(質量比)の混合溶媒を用いて、20℃で測定した。
(12)融点
試料6〜8mgをアルミニウム製のDSCサンプルパンに入れ、Perkin Elmer社製DSC(pyris1)を使用し、窒素中において昇温速度20℃/分で昇温した時に得られた融解吸熱曲線において極値を与える温度を融点とした。
(13)フィルム生産状況
実施例、比較例、参考例に示した二軸延伸積層ポリエステルフィルムの連続製造を一週間行い、問題点の抽出を行った。
(ポリエステルA−1の製造)
2ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及び/またはそのオリゴマーの存在するエステル化反応装置にテレフタル酸とエチレングリコールのスラリー(エチレングリコール/テレフタル酸モル比1.6 )を連続的に供給し、250℃常圧下で滞留時間6時間にてエステル化反応を行い、平均重合度7.0 のエステル化生成物を連続的に得た。これを100 重量部重合槽に移送し、280℃に加熱し、ポリエステルを構成する全酸成分1モルに対し、酢酸マグネシウムを2×10-4モル添加し、触媒として酸成分1モルに対し、三酸化アンチモンを2 ×10-4モル添加し、減圧を開始し、重縮合反応させた結果、極限粘度が0.69(dl/g)のポリエステルA−1を得た。得られたポリエステルA−1のフィルター昇圧速度は0MPa/hrで全く昇圧しなかった。ポリエステルA−1の物性を表1に示す。
2ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及び/またはそのオリゴマーの存在するエステル化反応装置にテレフタル酸とエチレングリコールのスラリー(エチレングリコール/テレフタル酸モル比1.6 )を連続的に供給し、250℃常圧下で滞留時間6時間にてエステル化反応を行い、平均重合度7.0 のエステル化生成物を連続的に得た。これを100 重量部重合槽に移送し、280℃に加熱し、目開き30μmのフィルターで濾過した平均粒子径2.7μmのシリカ(富士シリシア社製サイリシア310P)のエチレングリコール分散液(濃度5.5質量%)を、生成ポリエステルに対して実質上2.0質量%となるように加え、さらにポリエステルを構成する全酸成分1モルに対し、触媒として、三酸化アンチモンを2 ×10-4モル添加し、減圧を開始し、重縮合反応させた結果、極限粘度が0.64(dl/g)のポリエステルA−2を得た。得られたポリエステルA−2のフィルター昇圧速度は0.6MPa/hrであった。
ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及び/またはそのオリゴマーの存在するエステル化反応装置にテレフタル酸とエチレングリコールのスラリー(エチレングリコール/テレフタル酸モル比1.6 )を連続的に供給し、250℃常圧下で滞留時間6時間にてエステル化反応を行い、平均重合度7.0 のエステル化生成物を連続的に得た。これを100 重量部重合槽に移送し、280℃に加熱し、目開き30μmのフィルターで濾過した平均粒子径3.9μmのシリカ(富士シリシア社製サイリシア550)のエチレングリコール分散液(濃度5.5質量%)を、生成ポリエステルに対して実質上0.3質量%となるように加え、さらにポリエステルを構成する全酸成分1モルに対し、触媒として、三酸化アンチモンを2.0 ×10-4モル添加し、減圧を開始し、重縮合反応させた結果、極限粘度が0.65(dl/g)のポリエステルA−3を得た。得られたポリエステルA−3の昇圧速度は0.3MPa/hrであった。
シリカの添加量、平均粒径を表1に示したものに変更した以外はポリエステルA−3と同様の処方により極限粘度0.64または0.66(dl/g)のポリエステルA−4〜A−10を得た。得られたポリエステルの昇圧速度を表1に示した。
シリカの代わりに平均粒径4.0μmのゼオライト(水澤化学社製JC−40)を生成ポリエステルに対して実質上2.0質量%添加した以外はポリエステルA−3と同様の処方により極限粘度0.65(dl/g)のポリエステルA−11を得た。得られたポリエステルA−11の昇圧速度は1.2MPa/hrであった。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100部とエチレングリコール60部とを、エステル交換反応触媒として酢酸マンガンを用いて150℃から240℃に徐々に昇温しながら反応させ、その後トリメチルホスフェートを添加して実質的にエステル交換反応を終了させた後、295℃に加熱し、目開き30μmのフィルターで濾過した平均粒子径3.9μmのシリカ(富士シリシア社製サイリシア310P)のエチレングリコール分散液(濃度5.5質量%)を、生成ポリエステルに対して実質上0.3質量%となるように加え、さらにポリエステルを構成する全酸成分1モルに対し、触媒として、三酸化アンチモンを2 ×10-4モル添加し、減圧を開始し、重縮合反応させた結果、極限粘度が0.70(dl/g)のポリエステルA−12を得た。得られたポリエステルA−12のフィルター昇圧速度は0.4MPa/hrであった。
熱可塑性ポリエステル樹脂として、極限粘度が3.56(dl/g)のポリ乳酸(ネイチャーワークス社製 4032D)を使用した。
スチレン約100部、無水マレイン酸約67部、ベンゾイルパーオキサイド0.2部、メチルエチルケトン(MEK)300部を窒素雰囲気中80℃で10時間反応させた。得られた重合体にトリエチルアミン1.2部、アニリン46.2部を加え、130℃で6時間反応を行ってマレイミド系共重合体樹脂(C−1)を得た。他のマレイミド系共重合体樹脂も同様に、表3の組成となるように調製した。C−3はC−1より重合時間を長くすることで溶融粘度を高くした。この結果を表3に示す。
乾燥により水分率を20ppm以下とした熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)である(A−1)と熱可塑性樹脂(ロ)である(B−1)〜(B−9)の各々を表4に示す割合で配合し、押出機(スクリュー径150mm)に投入し280℃で溶融押出した。一方、乾燥により水分率を20ppm以下とした熱可塑性ポリエステル樹脂(A−1)を別の押出機(スクリュー径220mm)に投入し280℃で溶融押出した。2台の押出機で溶融した樹脂をマルチマニホールドダイス中で重ね合わせて、熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)と熱可塑性樹脂(ロ)との混合樹脂からなる樹脂層(I)を外層に熱可塑性ポリエステル樹脂(A−1)からなる樹脂層(II)を内層に設けてなる三層フィルムが、表4記載の構成比で各層構成され且つ厚さ250μmとなるようTダイからシート状に押出し、表面温度25℃の冷却ドラム上にエアノズル法により密着させて冷却し、未延伸シートを得た。得られた未延伸シートをテンター式同時二軸延伸機を用い、延伸温度92℃にて縦方向に3.0倍、横方向に3.3倍の延伸条件で同時二軸延伸した後、温度240℃で5秒間熱処理を施し、さらに温度240℃の状態のまま横方向の弛緩率を5%とした後、80℃で冷却して巻き取り、厚さ25μmの三層延伸フィルムを得た。フィルムの特性値を表4に示す。
熱可塑性樹脂(ロ)を表4記載の樹脂に変更した以外は実施例1と同様にして厚さ25μmの三層延伸フィルムを得た。フィルムの特性値を表4に示す。
熱可塑性樹脂(ロ)を表4記載の配合量に変更した以外は実施例3と同様にして厚さ25μmの三層延伸フィルムを得た。フィルムの特性値を表4に示す。
乾燥により水分率を20ppm以下とした熱可塑性ポリエステル樹脂(A−1)と熱可塑性樹脂(B−3)とを表4に示す割合で配合し、押出機(スクリュー径150mm)に投入し280℃で溶融押出しした。一方、乾燥により水分率を20ppm以下とした熱可塑性ポリエステル樹脂(A−1)を別の押出機(スクリュー径220mm)に投入し280℃で溶融押出した。2台の押出機で溶融した樹脂をマルチマニホールドダイス中で重ね合わせて、熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)と熱可塑性樹脂(ロ)との混合樹脂からなる樹脂層(I)を外層に熱可塑性ポリエステル樹脂(A−1)からなる樹脂層(II)を内層に設けてなる三層フィルムが、表4記載の構成比で各層構成され且つ厚さ350μmとなるようTダイからシート状に押出し、表面温度25℃の冷却ドラム上に静電印加キャスト法により密着させて冷却し、未延伸シートを得た。次にこの未延伸フィルムを縦延伸ロールで90℃の温度で3.5倍に延伸し、連続して横テンター延伸機で120℃の温度で4倍に延伸した。温度240℃で5秒間熱処理を施し、さらに温度240℃の状態のまま横方向の弛緩率を5%とした後、80℃で冷却して巻き取り、厚さ25μmの三層延伸フィルムを得た。フィルムの特性値を表4に示す。
熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)を表4記載の樹脂に変更した以外は実施例3と同様にして厚さ25μmの三層延伸フィルムを得た。フィルムの特性値を表4に示す。
乾燥により水分率を100ppm以下とした熱可塑性ポリエステル樹脂(A−12)と熱可塑性樹脂(B−3)とを表4に示す割合で配合し、押出機(スクリュー径150mm)に投入し300℃で溶融押出した。一方、乾燥により水分率を100ppm以下とした熱可塑性ポリエステル樹脂(A−12)を別の押出機(スクリュー径220mm)に投入し300℃で溶融押出した。2台の押出機で溶融した樹脂をマルチマニホールドダイス中で重ね合わせて、熱可塑性ポリエステル樹脂(A−12)と熱可塑性樹脂(B−3)との混合樹脂からなる樹脂層(I)を外層に熱可塑性ポリエステル樹脂(A−12)からなる樹脂層(II)を内層に設けてなる三層フィルムが、表4記載の構成比で各層構成され且つ厚さ250μmとなるようTダイからシート状に押出し、表面温度25℃の冷却ドラム上にエアノズル法により密着させて冷却し、未延伸シートを得た。得られた未延伸シートをテンター式同時二軸延伸機を用い、延伸温度140℃にて縦方向に3.0倍、横方向に3.3倍の延伸条件で同時二軸延伸した後、温度245℃で5秒間熱処理を施し、さらに温度245℃の状態のまま横方向の弛緩率を5%とした後、80℃で冷却して巻き取り、厚さ25μmの三層延伸フィルムを得た。フィルムの特性値を表4に示す。
乾燥により水分率を100ppm以下にした熱可塑性ポリエステル樹脂(A−13)と熱可塑性樹脂(B−3)とを表4に示す割合で配合し、押出機(スクリュー径150mm)に投入し230℃で溶融押出した。一方、乾燥により水分率を100ppm以下とした熱可塑性ポリエステル樹脂(A−13)を別の押出機(スクリュー径220mm)に投入し230℃で溶融押出した。2台の押出機で溶融した樹脂をマルチマニホールドダイス中で重ね合わせて、熱可塑性ポリエステル樹脂(A−13)と熱可塑性樹脂(B−3)との混合樹脂からなる樹脂層(I)を外層に熱可塑性ポリエステル樹脂(A−13)からなる樹脂層(II)を内層に設けてなる三層フィルムが、表4記載の構成比で各層構成され且つ厚さ250μmとなるようTダイからシート状に押出し、表面温度30℃の冷却ドラム上にエアノズル法により密着させて冷却し、未延伸シートを得た。次に得られた未延伸シートをテンター式同時二軸延伸機を用い、延伸温度80℃にて縦方向に3.0倍、横方向に3.3倍の延伸条件で同時二軸延伸した後、温度140℃で5秒間熱処理を施し、さらに温度140℃の状態のまま横方向の弛緩率を5%とした後、80℃で冷却して巻き取り、厚さ25μmの三層延伸フィルムを得た。フィルムの特性値を表4に示す。
樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(I)からなる三層フィルムの構成比を表4記載の比率に変更した以外は実施例19と同様にして厚さ25μmの三層延伸フィルムを得た。フィルムの特性値を表4に示す。
乾燥により水分率20ppm以下にした熱可塑性ポリエステル樹脂(A−4)と熱可塑性樹脂(B−3)とを表4に示す割合で配合し、押出機(スクリュー径150mm)に投入し280℃で溶融押出して、厚み250μmのポリエステルフィルムとして、Tダイからシート状に押し出し、表面温度25℃の冷却ドラム上にエアノズル法により密着させて冷却し、未延伸シートを得た。得られた未延伸シートをテンター式同時二軸延伸機を用い、延伸温度92℃にて縦方向に3.0倍、横方向に3.3倍の延伸条件で同時二軸延伸した後、温度240℃で5秒間熱処理を施し、さらに温度240℃の状態のまま横方向の弛緩率を5%とした後、80℃で冷却して巻き取り、厚さ25μmの単層延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表4に示す。
熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)を表4記載の樹脂に変更した以外は実施例28と同様にして厚さ25μmの単層延伸フィルムを得た。フィルムの特性値を表4に示す。
熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)を表4記載の樹脂に変更した以外は実施例3と同様にして厚さ25μmの三層延伸フィルムを得た。フィルムの特性値を表4に示す。
熱可塑性樹脂(ロ)を表4記載の配合量に変更した以外は実施例3と同様にして厚さ25μmの三層延伸フィルムを得た。フィルムの特性値を表4に示す。
熱可塑性樹脂(ロ)を表4記載の配合量に変更した以外は実施例17と同様にして厚さ25μmの三層延伸フィルムを得た。フィルムの特性値を表4に示す。
熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)と熱可塑性樹脂(ロ)を表4記載の樹脂及び配合量に変更した以外は実施例26と同様にして厚さ25μmの三層延伸フィルムを得た。フィルムの特性値を表4に示す。
1(X) 空気溝
1(Y) 空気孔
2 ガラス平板
3 吸引ホース
4 コック
5 真空ポンプ
6 試料フィルム
7 粘着テープ
Claims (8)
- 金属貼り積層板製造時のプリプレグプレス工程において使用されるキャリアフィルムであって、熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)99〜90質量%と熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)とは非相溶の熱可塑性樹脂(ロ)1〜10質量%からなる樹脂層(I)を片面または両面の表層に有する延伸フィルムであることを特徴とする剥離性ポリエステルフィルム。
- 熱可塑性樹脂(ロ)が熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)より高いガラス転移温度を有することを特徴とする請求項1記載の剥離性ポリエステルフィルム。
- 熱可塑性樹脂(ロ)がスチレンマレイミド樹脂である請求項1または2のいずれか1項に記載の剥離性ポリエステルフィルム。
- 樹脂層(I)側から測定した空気抜け時間が1.5秒以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の剥離性ポリエステルフィルム。
- 熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)が平均粒径0.2〜4.3μmの不活性無機粒子を0.01〜3質量%含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の剥離性ポリエステルフィルム。
- 剥離性ポリエステルフィルムが、第一の樹脂層(I)/熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)からなる樹脂層(II)/第二の樹脂層(I)で構成される三層フィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の剥離性ポリエステルフィルム。
- 三層フィルムの各フィルム層が質量比で合計100となるよう、第一の樹脂層(I)が5〜30、樹脂層(II)が90〜40、第二の樹脂層(I)が5〜30の割合で構成されることを特徴とする請求項6に記載の剥離性ポリエステルフィルム。
- 請求項1から7までのいずれか1項に記載の剥離性ポリエステルフィルムを製造するに際し、熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)99〜90質量%と熱可塑性樹脂(ロ)1〜10質量%からなる樹脂層(I)を片面または両面の表層に有する未延伸フィルムを延伸することを特徴とする請求項1から7記載の剥離性ポリエステルフィルムの製造方法。
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