JP2010045118A - 半導体発光装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
炭素の取り込みを抑制すると共に、表面モフォロジの低下を抑制する。
【解決手段】
半導体発光装置は、基板と、基板上に形成された第1導電型AlGaInP混晶の第1のクラッド層と、第1のクラッド層上に形成されたAlGaInP混晶の活性層と、活性層上に形成された、第1導電型と逆の第2導電型AlGaInP混晶の第2のクラッド層と、を有し、第1のクラッド層及び第2のクラッド層が活性層より広いバンドギャップを有し、活性層、第1のクラッド層、第2のクラッド層の少なくとも1つがバンドギャップは変化させない不純物濃度レベルのAsをドープされている。
【選択図】 図12

Description

本発明は、半導体発光装置及びその製造方法に関し、特にAlGaInP混晶の積層構造を有する半導体発光装置及びその製造方法に関する。
活性層をAlGaInP混晶で形成した発光ダイオード(LED)は、黄色から赤色領域のLEDとして広く用いられている。例えば、n型のGaAsまたはAlGaAs基板の上に有機金属化学気相堆積(MOCVD)により、必要に応じてn型バッファ層を介し、バンドギャップを拡げたn型クラッド層、バンドギャップの狭い活性層、バンドギャップを拡げたp型クラッド層、p型電流拡散層がエピタキシャルに成長され、ダブルへテロ構造のLED構造を形成する。
特開平11−121796号(スタンレー電気)は、p型クラッド層、p型電流拡散層からp型不純物が活性層に拡散し、pn接合をn型クラッド層内に移動させてしまう問題を指摘し、発明の実施の形態の欄にp型クラッド層を積層構造とし、活性層と接するp型クラッド層部分をノンドープ、又は低不純物濃度とする構造を提案している。
図15は、この提案による発光ダイオード構造の例を示す断面図である。不純物としてSiが添加されたn型GaAs基板11の上に、厚さ1.2μmのSiドープ(n型)Al0.5 In0.5 Pクラッド層12、厚さ0.6μmのアンドープ(Al0.25Ga0.750.5 In0.5 P活性層13、厚さ1μmのMgドープ(p型)(Al0.7 Ga0.3 0.5 In0.5Pクラッド層14、厚さ6μmのMgドープ(p型)GaP電流拡散層15が積層されている。電流拡散層15の上面の一部の領域上にp側電極16、GaAs基板11の下面にn側電極17が形成されている。
p型クラッド層14は3層の積層で構成され、下層14aは不純物を添加しないで成長し、中層14b及び上層14cは、p型不純物Mgを異なる濃度で添加して成長した層である。3層構造とする代わりに、中層を省略し、下層14aと上層14cの2層構造としてもよい。p型クラッド層14の活性層13に接する一部の厚さ部分に、アンドープの下層14aを配置しているため、p型不純物の活性層への拡散を抑制することができる。
特開平6−302852号は、発光装置の発光効率が、活性層のキャリア濃度よりむしろ、有機金属化学気相堆積(MOCVD)による結晶成長時に故意には入れていない不純物によって左右され、このため品質が安定しないという問題を指摘し、III族原料ガスである有機金属ガスを交換する毎に発光効率についてバラツキが発生すると報告し、不純物としてSiとOを指摘している。
特開2008−108964号(スタンレー電気)は、半導体発光装置の二次イオン質量分析(SIMS)を行ない、発光効率を低下させる不純物として炭素(C)を指摘している。
図16Aは、測定用に作製した半導体発光装置の構造を示す断面図である。半導体発光装置は、n型GaAs基板11、基板11上に順次エピタキシャル成長された、n型(Al0.7Ga0.30.5In0.5P下部クラッド層12、AlGaInP活性層13、例えば、井戸層が(Al0.2Ga0.80.5In0.5P、障壁層が(Al0.5Ga0.50.5In0.5Pからなる量子井戸もしくは多重量子井戸(QWもしくはMQW)や、(Al0.2Ga0.80.5In0.5Pからなるバルク活性層、p型(Al0.7Ga0.30.5In0.5P上部クラッド層14、p型GaP電流拡散層15の積層、および電流拡散層16上に形成されたp側電極16と基板11下面に形成されたn側電極17を有する。
エピタキシャル層の成長は、MOCVD装置を使用し、V族原料としてホスフィン(PH)、III族原料として有機金属材料のトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)を用いた。n型不純物として、シラン(SiH)、ジエチルテルル(DETe)もしくはセレン化水素(HSe)、p型不純物として、ジメチルジンク(DMZn)、もしくはビスシクロペンタディエニルマグネシウム(CPMg)を用いた。キャリアガスとして水素を用い、成長温度600℃〜900℃、10kPaの減圧下でエピタキシャル積層を成長した。
二次イオン質量分析(SIMS)装置によりエピタキシャル層中の組成分析を行った結果、エピタキシャル層中の炭素濃度が発光効率に相関があることを見出した。炭素は、III族原料として有機金属材料を用いることにより、取り込まれるものと考えられる。
図16Bに、各サンプルのAlGaInP層における平均炭素濃度と発光効率を表したダイアグラムを示す。サンプル間で発光特性に大きなばらつき(30%)がある。発光効率の高い半導体発光装置では炭素濃度が低いのに対し、発光効率の低い半導体発光装置ではAlGaInP中に多量の炭素が存在している。良好な発光効率を約2.5%以上とすると、サンプル2およびサンプル8の発光効率が約2.0程度であり、他のサンプルに比べ発光効率が劣っている。発光効率が劣っている2つのサンプルの平均炭素濃度はともに7×1016(7E+16と表記することもある)atoms/cmより大きい。
炭素の混入は、有機金属材料に含まれるメチル基やエチル基などの分解により起こるものと考えられる。この分解により生成した炭素を如何にAlGaInP中に取り込まれないようにするかが重要となる。V族原料とIII族原料のガスバランスも重要である。ホスフィン流量を変えてLEDサンプル群を作製し、それぞれのLEDにおけるn型クラッド層、p型クラッド層および活性層のAlGaInPに含まれる平均炭素濃度を測定した。
図17Aは、ホスフィン流量に対するAlGaInP層の平均炭素濃度の関係を表すグラフである。図17Bは、V族原料(ホスフィン)のIII族原料に対するモル比、V/III比、に対する、AlGaInP層の平均炭素濃度の関係を表すグラフである。V/III比は、ホスフィン流量から簡単に算出できる。ホスフィン流量(V/III比)を大きくするに従って、AlGaInP中の平均炭素濃度が減少していることが判る。次に、ホスフィン流量を変化させてLEDサンプル群を作製した。
図17Cは、AlGaInP層中の平均炭素濃度に対する発光効率の関係を表すグラフである。横軸が平均炭素濃度を、縦軸が発光効率を表わす。AlGaInP中の平均炭素濃度を減少させることにより、発光効率が向上することが判る。また、デバイスの効率が急激に減少するポイント(平均炭素濃度約7×1016atoms/cm)が存在することが判る。LEDが高い発光特性を得るためには、平均炭素濃度を7×1016atoms/cm以下に抑えることが好ましいことが示唆される。この結果から考察すると、発光効率の高いLEDを得るためには、供給するV族原料の、III族原料に対するモル比を60以上にすることが好ましいと判断されている。
特開平11−121796号公報 特開平6−302852号公報 特開2008−108964号公報 MOCVDによりAlGaInP混晶層をエピタキシャル成長するとき、有機III族原料に由来すると思われる炭素がエピタキシャル層中に取り込まれる。炭素は、n型層にも、i型層にも、p型層にも取り込まれ、発光効率を低下させると考えられる。本発明者らおよびその同僚は、エピタキシャル成長におけるV/III比を高く設定することにより、炭素の取り込みを抑制する方法を開発した。
V族原料ガスを増やした場合、AlGaInPエピタキシャル層への炭素取り込みは抑制されるが、表面モフォロジの低下(構造物の発生)という新たな課題が発生した。炭素取り込み抑制と表面モフォロジの両立できる範囲は狭く、かつ表面モフォロジは他の条件にも敏感である。そのため、他の要因に左右されることなく安定的な成長を維持することは容易でない。
本発明の1つの目的は、炭素の取り込みを抑制すると共に、表面モフォロジの低下を抑制できる化合物半導体装置、およびその製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、発光効率を向上できる半導体発光層地、およびその製造方法を提供することである。
本発明の1観点によれば、
基板と、
前記基板上に形成された第1導電型AlGaInP混晶の第1のクラッド層と、
前記第1のクラッド層上に形成されたAlGaInP混晶の活性層と、
前記活性層上に形成された、前記第1導電型と逆の第2導電型AlGaInP混晶の第2のクラッド層と、
を有し、前記第1のクラッド層及び前記第2のクラッド層が前記活性層より広いバンドギャップを有し、前記活性層、前記第1のクラッド層、前記第2のクラッド層の少なくとも1つがバンドギャップは変化させない不純物濃度レベルのAsをドープされている半導体発光装置
が提供される。
本発明の他の観点によれば、
半導体基板上に、第1導電型AlGaInP混晶の第1クラッド層、AlGaInP混晶の活性層、前記第1導電型と逆の第2導電型AlGaInP混晶の第2クラッド層を順次有機金属気相法でエピタキシャル成長する半導体発光装置の製造方法であって、前記第1クラッド層、前記活性層、前記第2クラッド層の少なくとも1つのエピタキシャル成長をバンドギャップは変化させない不純物濃度レベルのAsをその場ドープしつつ行なう半導体発光装置の製造方法
が提供される。
AlGaInPエピタキシャル層を成長する際、バンドギャップや組成を変えない程度の、適量のAsをドープすることにより、炭素の取り込みを抑制できる。表面モフォロジの低下を抑制可能となる。
本発明者らおよび同僚のこれまでの研究開発によれば、図17Cに示すように、LEDの輝度低下を生じる炭素濃度は1017atoms/cm程度で充分である。V/III比を高くすると炭素の取り込みが抑制されることは、V族サイトをより確実にP原子が占有すると、炭素が入りにくくなるとも考えられる。AlGaInPエピタキシャル層への炭素の取り込みが、V族サイトのベーカンシで生じる可能性が考えられる。対象とするベーカンシの濃度は、1×1017atoms/cm程度の不純物濃度レベルであろう。V族元素として、Pの他、AsやN等が存在する。PよりAsがより確実にV族サイトを占拠するとすれば、Asを不純物レベルでドープするとベーカンシが減少し、炭素の取り込みが抑制される可能性が考えられる。本発明者らの行なった実験に沿って説明する。
図1は、エピタキシャル成長中のV/III比を変化させるとともにAsを幾つかの条件でその場ドープして作成したサンプルの構成を示す断面図である。Siをドープしたn型GaAs基板21上に、Asをドープした(Al0.7Ga0.30.5In0.5P層22を厚さ約2μm、種々のV/III比の条件でエピタキシャル成長した。比較例としてAsをドープしないサンプルも成長した。(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pは、例えばクラッド層として採用される組成である。
図2は、用いたMOCVD装置の構成を示すブロック図である。反応炉RFは、ヒータHを備えた支持台SPを収容し、支持台SP上に成長用基板SUBを載置する。反応炉RFには複数のガス供給系GSが接続され、各ガス供給系GSには、マスフローコントローラと圧力計を含むガス制御装置GC。キャリアガス配管が接続されている。反応炉RFは真空排気ポンプVPによって所望圧力に維持され、徐害設備PRを介して排気される。
V族原料ガス供給系、III族原料ガス供給系は、それぞれのキャリアガス配管に、ガス制御装置を介してV族原料ガス源、III族原料ガス源が接続されている。V族原料ガスは、アルシン(AsH)とホスフィン(PH)である。III族原料ガスは有機金属であり、トリメチルアルミニウム(TMA),トリメチルガリウム(TMG),トリメチルインジウム(TMI)を用いた。
ドーピング原料DPは、n型不純物、p型不純物それぞれ独立に供給される。n型ドーピング源として、シラン(SiH)、セレン化水素(HSe)、p型ドーピング源としてジメチルジンク(DMZn)を用いた。さらに砒素が別配管で供給される。砒素のドーピング源として、水素で0.5%に希釈した希釈アルシンDILAsを用いた。
成長温度は760℃、成長圧力は10kPa、III族原料の反応炉への供給量は200μmol/minに保った。V族原料の供給量を変化させて、種々のV/III(モル)比を実現した。砒素供給量(モル)とIII族原料の供給量(モル)の比からAs/III比を定義する。
図1に戻り、(Al0.7Ga0.30.5In0.5P:As層22の成長を、As/III比を1×10−4〜2.5×10−1の範囲で変化させて行なった。また、V/III比を10〜120の範囲で変化させた。作成したサンプルのエピタキシャル層中の炭素濃度、砒素濃度を2次イオン質量分析(SIMS)により測定し、表面モフォロジを原子間力顕微鏡(AFM)により評価した。
図3は、代表的なサンプルにおける、エピタキシャル成長中のV/III比に対する(Al0.7Ga0.30.5In0.5P:Asエピタキシャル層中の炭素濃度の関係を示すグラフである。横軸がV/III比をモル比で示し、縦軸が炭素濃度をatoms/cmで示す。炭素濃度は膜中の平均濃度である。Asをドープしなかったサンプルの測定プロットを白抜き菱形◇で示し、As/III比:2×10−3(図では2E−3)で成長したサンプルの測定プロットを黒丸●で示し、As/III比:4×10−3(図では4E−3)で成長したサンプルの測定プロットを黒四角■で示し、As/III比:1.5×10−2(図では1.5E−2)で成長したサンプルの測定プロットを黒三角▲で示し、As/III比:5×10−2(図では5E−2)で成長したサンプルの測定プロットを黒菱形◆で示す。図示したプロットは代表的なサンプルの測定値であり、実際に作成したサンプルはより広範囲に亘っている。
砒素アンドープの(Al0.7Ga0.30.5In0.5PサンプルがV/III比10で1×1019atoms/cm(図では1E19atoms/cm)近い炭素濃度を示し、V/III比を増加すると炭素濃度は減少するものの、V/III比80で炭素濃度は1×1017(1E17)atoms/cmより大きい。特開2008−108964号が推奨するように炭素濃度を7×1016(7E16)atoms/cm以下にするには、V/III比は100以上が好ましいことになろう。砒素をドープすると、AlGaInP中の炭素濃度が大幅に減少することが示された。V/III比を大きくすると、残留炭素濃度が減少する傾向は砒素アンドープの場合と同様である。
V/III比が80の場合には、As/III比を増加すると炭素濃度が減少する傾向があるようである。但し、SIMS分析の検出限界は5×1015atoms/cmである。炭素濃度が1×1015atoms/cm以下であるV/III比60の一部のデータおよびV/III比80のデータの数値の大小関係はあまり議論できないと考える。V/III比が、60,40,20と減少した場合、As/III比と炭素濃度との関係は複雑化しているように見える。そこで、より直接的に砒素濃度の変化に対する炭素濃度の変化を調べた。
図4は、炭素の濃度が高くなる低V/III比(20〜40)の場合の、砒素濃度に対する炭素濃度の変化を示すグラフである。横軸が砒素濃度を単位atoms/cmで示し、縦軸が炭素濃度を単位atoms/cmで示す。砒素濃度の増加に伴って炭素濃度が一旦減少し、極小値を取った後砒素濃度の増加に伴って炭素濃度が増大し、飽和する傾向が共通に認められる。
砒素濃度が低い領域では、V/III比に関係なく、炭素濃度が高めになる。砒素による炭素取り込み抑制効果が十分に出ていないと考察する。砒素濃度を増加すると、V/III比により多少の差はあるが、炭素取り込み抑制効果が出てくる。V/III比が低くなるほど、炭素抑制効果が最大になる砒素濃度がやや高めに変化している。V/III比によりベーカンシ濃度が変化していることが考えられる。V/III比が高くなるほど、炭素濃度の極小値が小さくなっている。V/III比による炭素抑制効果と、砒素による炭素抑制効果が重複作用していることが考えられる。砒素濃度をさらに高くしていくと、炭素濃度は増加していく。砒素アンドープの場合と比べれば、炭素濃度は明らかに低いが、砒素濃度の増加に伴い、炭素濃度は増加し飽和する傾向を示している。
砒素濃度が少なくとも4×1018(4E18)atoms/cm〜1×1019(1E19)atoms/cmの範囲では、残留炭素濃度が特に減少している。V/III比20でも炭素濃度の極小値は1×1017(1E17)atoms/cm以下になることが判る。V/III比を30,40と増大すると、炭素濃度の極小値は更に低下する。
高い砒素濃度で炭素濃度が増大する原因は判っていない。砒素が格子間に入ったり、Pと置換して入ることが考えられる。1020atoms/cmレベル以上の砒素を入れると、組成として機能し始め、AlGaInPAs系材料へ変化していくことも考えられる。
表面モフォロジを良好に保ち易い低V/III比のMOCVD成長で、炭素の取り込みを抑制するためには、As濃度を4×1018atoms/cm〜1×1019atoms/cm(4E18atoms/cm〜1E19atoms/cm)の範囲内に設定することが好ましいことになる。
図5、図6は、表面モフォロジの凹凸を表すパラメータである表面粗さRmsの変化を示すグラフである。図5は、50μmエリア角の面積内の表面粗さRmsのV/III比に対する変化を示すグラフである。横軸がV/III比を示し、縦軸がRmsを単位nmで示す。砒素アンドープの場合と、砒素濃度1×1019atoms/cm,3×1019atoms/cm,1×1020atoms/cm(1E19,3E19,1E20atoms/cm)の4つの場合の原子間力顕微鏡(AFM)による測定結果を示す。Asアンドープの場合と比べると、Asドープにより表面粗さRmsは明らかに減少する。V/III比が20〜40の範囲内で表面粗さRmsは極小値を取り、両側で増大する。V/III比を20〜40程度から増加していくとRmsが増大していく傾向は、図3に示すV/III比を20から増加していくと炭素濃度が減少していく傾向とトレードオフの関係となる。V/III比20〜60の範囲で、Asをその場ドープしつつ、AlGaInP混晶を成長することにより、Asドープにより炭素濃度を抑制しつつ、優れた表面モフォロジを実現することが可能であろう。Asドープによるモフォロジの変化を確認する。
図6は、表面粗さRmsの砒素濃度に対する関係を示すグラフである。横軸が砒素濃度を単位atoms/cmで示し、縦軸がRmsを単位nmで示す。V/III比:20,40,120の3つの場合の傾向を示す。3つの場合の砒素濃度に対する変化の傾向はほぼ共通である。V/III比が20の場合、砒素濃度1×1020(1E20)atoms/cm以下ではRmsはほぼ一定の値を示し、砒素濃度が1×1020(1E20)atoms/cmを越すとRmsは増加する。各場合において、砒素濃度がほぼ1×1020(1E20)atoms/cm、特に2×1020(2E20)atoms/cmを超えると、表面粗さRmsは急激に増大する傾向を示している。砒素濃度が組成レベルまで増加するので、組成的な変化を生じており、組成的変化に応じて新たな現象が生じている可能性がある。モフォロジを良好に保つためには、砒素濃度を2×1020(2E20)atoms/cm以下にすることが好ましいであろう。砒素濃度を1×1020(1E20)atoms/cm以下にすることがさらに好ましいであろう。
図7は、別のサンプル群の構成を概略的に示す断面図である。Siをドープしたn型GaAs基板21の上に、砒素をドープした(Al0.25Ga0.750.5In0.5P:As層23を厚さ約1μmエピタキシャル成長した。(Al0.25Ga0.750.5In0.5Pは、活性層の組成に相当する。この時、As/III比を、5.0×10−4〜5.0×10−1(5.0E−4〜5.0E−1)の広い範囲で変化させ、As濃度を広範囲で変化させた。V/III比は、100,180,300,450と変化させた。成長温度等の他の条件は、前述の例と同様である。これらのサンプルに対し、フォトルミネッセンスの測定を行なった。
図8は、これらのサンプルのフォトルミネッセンス(PL)強度の砒素濃度に対する関係を示すグラフである。横軸が砒素濃度を単位atoms/cmで示し、縦軸がPL強度をリニアスケールで示す。PL強度は、最大強度で規格化した規格化強度で示す。砒素を添加しない場合のPL強度は、0.5程度であり、砒素を添加するとPL強度が1まで増大することが判る。さらに、PL強度は、V/III比に拘わらず、砒素濃度が凡そ1×1018(1E18)toms/cm〜1×1019(1E19)atoms/cm付近で最大値を示すことが判った。砒素添加によりPL強度をほぼ2倍にできることが示されている。なお、発光波長は砒素ドーピングによっては変化を示さなかった。
図9は、(AlGa1−z0.5In0.5Pにおいて、Al組成zを0.2,0.5,0.7と変化させた時の、(AlGa1−z0.5In0.5P中砒素濃度のV/III比に対する関係を示したグラフである。横軸がV/III比を示し、縦軸がAs濃度を単位atoms/cmで示す。As/III比は0.01で一定とした。Al組成の異なるサンプルの測定プロットが1本の曲線上に載っている。砒素はAl組成に関係なくほぼ同一濃度にドーピングされることが判る。(AlGa1−z0.5In0.5PのAl組成zを変えても、砒素濃度のV/III比に対する関係は変わらないことを示している。
図10は、Siをドープしたn型GaAs基板21の上にエピタキシャル成長し、砒素を濃度約1×1019(1E19)atoms/cmでドープした(Al0.25Ga0.750.5In0.5P:As層中の砒素濃度分布を示すグラフである。横軸が表面からの深さを単位μmで示し、縦軸が砒素濃度を単位atoms/cmで示す。GaAs基板上に砒素濃度が約1×1019(1E19)atoms/cmで一定な(Al0.25Ga0.750.5In0.5P層が成長していることが判る。砒素濃度は、測定誤差を含めて高々7×1018atoms/cm〜1.4×1019atoms/cm(±35%)の範囲内であり、ほぼ8×1018atoms/cm〜1.3×1019atoms/cm(±25%)の範囲内にあると言える。GaAs基板からのAs拡散は認められない。
これらの実験結果からAsを不純物レベルでドープすることにより炭素取り込みを抑制する効果が得られること、Asを適当な濃度でドープするとPL強度を向上できることが判った。これらの実験結果に基づき、発光ダイオードの活性層、活性層を挟む両クラッド層のいずれかにAsをドープした時にどのような現象が生じるかを観察する発光ダイオードのサンプルを作成した。
図11Aは、サンプルおよび比較例の基本構造の概略断面構成を示す断面図である。Siドープのn型GaAs基板1の表面上に、Siドープのn型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層8を厚さ1μm、導電型付与不純物アンドープの(Al0.2Ga0.80.5In0.5P活性層9を厚さ0.2μm、Znドープのp型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層10を厚さ1μm、Znドープのp型GaP電流拡散層5を厚さ10μm、順次、図2に示すMOCVD装置を用いて成長した。Siドープn型クラッド層8のキャリア密度は5×1017(5E17)cm−3、Znドープp型クラッド層10のキャリア密度は5×1017(5E17)cm−3とした。
n型GaAs基板1の下面上にn側電極6、p型電流拡散層5の上にp側電極を形成した。n側電極6はAu−Ge−Niで形成し、p側電極7はAu−Znで形成した。電極形成後、250μm×250μmの平面形状にダイシングし、パッケージした。
図11Bは、光取り出し側であるp側電極7のパターンを示す平面図である。十字型の電極パターンを用いた。n側電極6は、全面電極である。
上述の実験結果によれば、Asを不純物レベルで添加すると、成長層への炭素の取り込みが抑制される。Asをドープすると、炭素の取り込みが抑制されるので、低V/III比の採用が可能となる。Asドープの対象層は、n型クラッド層、活性層、p型クラッド層の3層である。クラッド層にAsをドープする場合、モフォロジを確保するため、V/III比はぎりぎりに低く40に設定した。砒素をドープしないクラッド層成長時のV/III比は100に設定した。活性層にAsをドープする場合は、V/III比は450に設定した。両クラッド層、活性層の3つの層の少なくとも1つにAsをドープする7種類のサンプルを作成した。作成した発光ダイオードを発光させて、発光状態をモニタし、光出力を測定し、炭素濃度をSIMSで測定した。基板に対して格子不整合である電流拡散層を形成した発光ダイオードにおいては、電流拡散層上に凹凸が生じてしまう。モフォロジ評価は、電流拡散層をエッチングで除去し、露出したp型クラッド層10のモフォロジを評価した。エッチングのむら等もあり、厳密な定量化は困難と判断した。モフォロジの厳密な評価は、図1に示したような単層のエピタキシャル層を用いることとなる。モフォロジの厳密な評価が困難な状況でも、構造物の有無、程度は評価できた。従って、モフォロジの評価は、間接的なものである。
図12A,12B,12Cは、クラッド層にAsをドープしたサンプルS1,S2,S3の構成を示す部分断面図である。図12AのサンプルS1においては、n型クラッド層8D、p型クラッド層10Dの両クラッド層にAsを5×1018(5E18)cm−3ドープした。両クラッド層8D,10D成長時のV/III比は、モフォロジを維持できるように、40に設定した。活性層9成長時のV/III比は450に設定した。
Asをドープしない比較例R1も作成した。図11におけるn型クラッド層8、p型クラッド層10を、Asはドープせず、V/III比40で成長した。比較例R1の表面モフォロジには問題がなかった。V/III比を40に設定した効果と考えられる。SIMS分析を行なった結果、クラッド層8,10に不規則に炭素の残留が認められ、その部分では光出力の大幅な減少が見られた。複数回の再現実験において、両クラッド層の炭素混入場所が不均一であり、その濃度も一定ではなかった。V/III比を40に設定したので、炭素の取り込みが避けられず、炭素が取り込まれると、光出力の大幅な低下が生じると考えられる。
図12BのサンプルS2においては、n型クラッド層8DにAsを5×1018(5E18)cm−3ドープし、成長時のV/III比は40に設定した。p型クラッド層10にはAsをドープせず、成長時のV/III比は100に設定した。他の点はサンプルS1と同様である。図12CのサンプルS3においては、p型クラッド層10DにAsを5×1018(5E18)cm−3ドープし、成長時のV/III比を40に設定した。n型クラッド層8にはAsをドープせず、成長時のV/III比は100に設定した。他の点はサンプルS1と同様である。サンプルS1,S2,S3において、SIMS分析で炭素の取り込みは検出されず、光出力の低下も観察されなかった。表面構造の発生も認められなかった。
図12Dは、活性層にAsをドープしたサンプルS4の構成を示す部分断面図である。活性層9DにAsを3.5×1018(3.5E18)cm−3ドープし、成長時のV/III比は450に設定した。両クラッド層8,10にはAsはドープせず、成長時のV/III比は100とした。他の点はサンプルS1と同様である。
活性層にAsをドープしない比較例R2も作成した。図11の構成において、n型クラッド層8をAsをドープせず、V/III比100で成長し、活性層9をAsをドープせず、V/III比45000で成長し、p型クラッド層10をAsをドープせず、V/III比100で成長した。他の点はサンプルS4と同様である。
比較例R2においては、一様な発光が得られた。炭素の取り込みは検出されなかった。クラッド層成長時のV/III比を100に設定した効果と考えられる。但し、表面構造の発生が認められた。
サンプルS4においては、比較例R2に対して、光出力は5%程度増加することが認められた。但し、表面構造の発生も比較例R2同様に認められた。活性層にAsをドープすることにより、発光効率上昇の効果が得られたことになる。
図12E,12F,12Gは、活性層及びクラッド層の少なくとも一方にAsをドープしたサンプルS5,S6,S7の構成を示す部分断面図である。図12Eに示すサンプルS5においては、n型クラッド層8Dと活性層9DにAsをドープした。n型クラッド層8DにAsを4×1018(4E18)cm−3ドープし、成長時のV/III比を40とした。活性層9DにAsを4.5×1018(4.5E18)cm−3ドープし、成長時のV/III比を450とした。他の点はサンプルS4と同様である。サンプルS4と比べ、サンプルS5においては表面構造の発生が減少した。比較例R2に対して、光出力は5%程度増加することが認められた。図12Fに示すサンプルS6においては、活性層9Dとp型クラッド層10DにAsをドープした。活性層9DにAsを4.5×1018(4.5E18)cm−3ドープし、成長時のV/III比を450とした。p型クラッド層10DにAsを4×1018(4E18)cm−3ドープし、成長時のV/III比を40とした。他の点はサンプルS4と同様である。サンプルS6においては、サンプルS4と比べ、表面構造の発生が減少した。比較例R2に対して、光出力は5%程度増加することが認められた。図12Gに示すサンプルS7においては、活性層9Dと両クラッド層8D,10DにAsをドープした。n型クラッド層8DにAsを4×1018(4E18)cm−3ドープし、成長時のV/III比を40とした。活性層9DにAsを4.5×1018(4.5E18)cm−3ドープし、成長時のV/III比を450とした。p型クラッド層10DにAsを4×1018(4E18)cm−3ドープし、成長時のV/III比を40とした。他の点はサンプルS4と同様である。サンプルS7においては構造物の発生もほとんどなかった。比較例R2に対して、光出力は10%程度増加することが認められた。
図13は,サンプルS1〜S7、比較例R1、R2の特徴をまとめて示す表である。クラッド層へAsをドープしたサンプルS1〜S3において、炭素の取り込みが抑制され、光出力の低下が抑制された。活性層へAsをドープしたサンプルS4〜S7においては、炭素の取り込みが抑制され、光出力の増加が認められた。なお、活性層にAsをドープしても発光波長の変化は認められなかった。活性層にAsをドープしない場合、発光波長のバラツキは±1〜2nm程度であり、活性層にAsをドープしても、発光波長のバラツキは±1〜2nm程度であった。
図12A〜12Gに示す7種類の構成はそれぞれ実施例となる。これらは種々の変形例が可能である。図14Aは、活性層9を多重量子井戸構造で形成する変形例を示す部分的断面図である。井戸層WLをバリア層BLで挟んだ構成を基本とし、ウェル層WL,バリア層BLを繰り返し積層して、所望層数のウェル層を有する多重量子井戸を形成する。図示の構成においては5層のウェル層WLを6層のバリア層BLが挟んでいる。例えば、ウェル層を(Al0.2Ga0.80.5In0.5P、バリア層を(Al0.5Ga0.50.5In0.5Pで構成する。ウェル層を単層とすることも可能である。両側のバリア層を省略することも可能である。
図14Bは、p側電極構造の変形例を示す。p型電流拡散層5の全面上にITO,ZnO等の透明電極17を形成し、その上に局所的なp側電極7を形成する。p側電極7の面積を制限しつつ、電流拡散層全面にキャリアを供給することが可能である。
図14Cは、p側電極の他の変形例を示す。幅の細い微細な電極を半径方向に関して2重に配置し、対角線状の十字型電極で接続する。中央部に円状のコンタクト部を形成する。微細電極のパターンは種々可能である。
図14Dは、基板をSiドープn型AlGaAsで形成した透明基板11とした構成を示す。基板裏面全面上に透明電極16を形成し、その上にn側電極6を局所的に形成すると、裏面側からも光出力を取り出せる。
図14Eは、透明基板を用いた場合の基板側電極の他の変形例を示す。透明基板11の裏面上にSiO等の透明絶縁膜18を分散配置し、基板11表面を選択的に露出する。透明絶縁膜を覆って、基板11上にn側電極26を形成する。n側電極26は基板11と接触する部分でオーミック接触を形成する。オーミック接触は高い反射率を供給しにくいが、透明絶縁膜18とn側電極26の積層部分は高い反射率を提供する。反射光は表面側から取り出される。
活性層をAlGaInPで形成し、クラッド層をAlInP若しくはAlGaInPで形成した場合を説明したが、その他の材料で形成してもよい。また、電流拡散層をGaP以外の材料で形成してもよい。このとき、クラッド層のバンドギャップを活性層のバンドギャップより大きくし、電流拡散層のバンドギャップも活性層のバンドギャプより大きくする。エピタキシャル成長を有機金属分子線エピタキシ(MO−MBE)で行なう場合も、有機金属原料を用いるので、成長層へ炭素が混入する可能性がある。Asを同時にドープすることにより、炭素取り込みを抑制できるであろう。MOCVDとMO−MBEとをまとめて有機金属気相法と呼ぶことにする。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
図1は、作成したサンプルの構成を示す断面図である。 図2は、用いたMOCVD装置の構成を示すブロック図である。 図3は、エピタキシャル成長中のV/III比に対する(Al0.7Ga0.30.5In0.5P:Asエピタキシャル層中の炭素濃度の関係を示すグラフである。 図4は、炭素の濃度が高くなる低V/III比(20〜40)の場合の、砒素濃度に対する炭素濃度の変化を示すグラフである。 図5は、表面粗さRmsのV/III比に対する変化を示すグラフである。 図6は、表面粗さRmsの砒素濃度に対する関係を示すグラフである。 図7は、別のサンプル群の構成を概略的に示す断面図である。 図8は、フォトルミネッセンス(PL)強度の砒素濃度に対する関係を示すグラフである。 図9は、Al組成を変えた時の、(AlGa1−z0.5In0.5P中砒素濃度のV/III比に対する関係を示したグラフである。 図10は、n型GaAs基板21の上にエピタキシャル成長した(Al0.25Ga0.750.5In0.5P:As層中の砒素濃度分布を示すグラフである。 図11A、11Bは、比較例の断面構成を示す概略断面図、およびp側電極の平面形状を示す平面図である。 図12A〜12Gは、クラッド層、活性層のいずれかにAsをドープしたサンプルの構成を示す部分断面図である。 図13は、比較例R,サンプルS1〜S7の特徴をまとめて示す表である。 図14A〜14Eは、変形例を示す断面図、平面図である。 図15は、関連技術による発光ダイオード構造の例を示す断面図である。 図16A、16Bは、関連技術による半導体発光装置の構造を示す断面図、および測定した炭素濃度と発行効率の関係を示すダイアグラムである。 図17A、17Bは、平均炭素濃度の、ホスフィン流量およびV/III比に対する関係を表すグラフである。図17Cは、発光効率のAlGaInP層の平均炭素濃度に対する関係を表すグラフである。
符号の説明
1,21 n型GaAs基板、
8 n型AlGaInPクラッド層、
9 AlGaInP活性層、
10 p型AlGaInPクラッド層、
5 p型GaP電流拡散層、
6 n側電極、
7 p側電極、
D 砒素ドープ、
BL バリア層、
WL ウェル層、
16 透明電極、
18 透明絶縁膜。

Claims (18)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成された第1導電型AlGaInP混晶の第1のクラッド層と、
    前記第1のクラッド層上に形成されたAlGaInP混晶の活性層と、
    前記活性層上に形成された、前記第1導電型と逆の第2導電型AlGaInP混晶の第2のクラッド層と、
    を有し、前記第1のクラッド層及び前記第2のクラッド層が前記活性層より広いバンドギャップを有し、前記活性層、前記第1のクラッド層、前記第2のクラッド層の少なくとも1つがバンドギャップは変化させない不純物濃度レベルのAsをドープされている半導体発光装置。
  2. 前記Asの濃度が2×1020atoms/cm以下である請求項1記載の半導体発光装置。
  3. 前記Asの濃度が1×1020atoms/cm以下であり、As濃度分布が、層内で厚さ方向で±35%以内で均一である請求項1または2記載の半導体発光装置。
  4. 前記第1、第2のクラッド層の少なくとも一方が、4×1018atoms/cm〜1×1019atoms/cmの濃度範囲のAs濃度を有する請求項1〜3のいずれか1項記載の半導体発光装置。
  5. 前記活性層が、1×1018atoms/cm〜1×1019atoms/cmの濃度範囲のAs濃度を有する請求項1〜4のいずれか1項記載の半導体発光装置。
  6. 前記活性層と、前記第1及び第2のクラッド層の少なくとも一方とにAsがドープされている請求項1〜3のいずれか1項記載の半導体発光装置
  7. 前記活性層が、1×1018atoms/cm〜1×1019atoms/cmの濃度範囲のAs濃度を有し、前記第1および第2のクラッド層の少なくとも一方が、4×1018atoms/cm〜1×1019atoms/cmの濃度範囲のAs濃度を有し、前記活性層のAs濃度が前記少なくとも一方のクラッド層のAs濃度より高い請求項6記載の半導体発光装置。
  8. 前記基板が、前記活性層の発光波長に対して透明な前記第1導電型半導体材料で形成されている請求項1〜7のいずれか1項記載の半導体発光装置。
  9. 前記基板裏面上に形成され、前記基板裏面を選択的に露出する透明絶縁膜パターンと、
    前記透明絶縁膜パターンを覆い、前記基板裏面との接触部でオーミック接触を形成する電極と、
    を有する請求項8記載の半導体発光装置。
  10. 前記第2のクラッド層上に形成された第2導電型GaPの電流拡散層と、
    前記電流拡散層上に形成された表面側電極と、
    を有する請求項1〜9のいずれか1項記載の半導体発光装置。
  11. 前記活性層が量子井戸構造を有する請求項1〜10のいずれか1項記載の半導体発光装置。
  12. 半導体基板上に、第1導電型AlGaInP混晶の第1クラッド層、AlGaInP混晶の活性層、前記第1導電型と逆の第2導電型AlGaInP混晶の第2クラッド層を順次有機金属気相法でエピタキシャル成長する半導体発光装置の製造方法であって、前記第1クラッド層、前記活性層、前記第2クラッド層の少なくとも1つのエピタキシャル成長をバンドギャップは変化させない不純物濃度レベルのAsをその場ドープしつつ行なう半導体発光装置の製造方法。
  13. その場ドープするAs濃度は2×1020atoms/cm以下である請求項12記載の半導体発光装置の製造方法。
  14. その場ドープするAs濃度は1×1020atoms/cm以下であり、層内で±35%以内で均一である請求項12または13記載の半導体発光装置の製造方法。
  15. 前記第1、第2のクラッド層の少なくとも一方のエピタキシャル成長を、4×1018atoms/cm〜1×1019atoms/cmの濃度範囲のAsをその場ドープしつつ、V/III比20〜60の範囲内で行なう請求項12〜14のいずれか1項記載の半導体発光装置の製造方法。
  16. 前記活性層のエピタキシャル成長を、1×1018atoms/cm〜1×1019atoms/cmの濃度範囲のAsをその場ドープしつつ行なう請求項12〜15のいずれか1項記載の半導体発光装置の製造方法。
  17. 前記活性層のエピタキシャル成長と、前記第1及び第2のクラッド層の少なくとも一方のエピタキシャル成長とを、Asをその場ドープしつつ行なう請求項12〜14のいずれか1項記載の半導体発光装置の製造方法。
  18. 前記活性層のエピタキシャル成長を、1×1018atoms/cm〜1×1019atoms/cmの濃度範囲のAsをその場ドープしつつ行い、前記第1および第2のクラッド層の少なくとも一方のエピタキシャル成長を、4×1018atoms/cm〜1×1019atoms/cmの濃度範囲のAsをその場ドープしつつ行ない、かつ前記活性層のAs濃度を前記クラッド層のAs濃度より高くする請求項17記載の半導体発光装置の製造方法。
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