JP2010044832A - 光情報検出方法、光ピックアップ及び光情報記録再生装置 - Google Patents

光情報検出方法、光ピックアップ及び光情報記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】2つの光の光路差の調整が容易で、信号増幅効果が高く、光学系の小型化に適した、干渉型の光ピックアップ、光情報検出方法及び光情報記録再生装置を提供する。
【解決手段】光ディスク209から反射信号光205と、同一光源から分岐して光ディスクに当てず検出器に導入する参照光206とを、検出器701〜704上で干渉させる。その際、参照光と信号光の位相関係が90度ずつずれた4種の干渉状態の検出器出力を同時に得て、演算することにより、ディスクばたつきによる光路長変動があっても、常に安定し、高品質に増幅された再生信号RFを得る。また、4つの4分割光検出器を用い、4組の上記検出器出力を同時に得て、演算することにより、サーボ信号も得る。
【選択図】図7

Description

本発明は光情報検出方法に関し、例えば光ディスク装置における再生信号の高S/N化に関する。
光ディスクは、青色半導体レーザと高NA対物レンズを用いるBlu-ray Disc(BD)の製品化に至って、光学系の分解能としてはほぼ限界に達し、さらなる大容量化に向けては、今後、多層化が有力となると考えられる。多層光ディスクにおいては、各層からの検出光量がほぼ同等となる必要性から、特定の層からの反射率は小さくせざるを得ない。ところが光ディスクは大容量化とともにビデオなどのダビング速度の高速化の必要性から、転送速度の高速化も続いており、そのままでは再生信号のS/N比が十分確保できなくなりつつある。したがって今後の多層化と高速化を同時に進めていくには、検出信号の高S/N化が必要となる。
光ディスクの再生信号の高S/N化に関する技術は、たとえば特許文献1,2などに述べられている。これらはいずれも光磁気ディスクの再生信号の高S/N化に関して、半導体レーザからの光を光ディスクに照射する前に分岐し、光ディスクに照射しない光を、光ディスクからの反射光と合波して干渉させることにより、微弱な信号の振幅を、光ディスクに照射しない光の光量を大きくすることによって増幅することを狙ったものである。光磁気ディスクの信号検出で従来用いられている偏光ビームスプリッタの透過光と反射光の差動検出では、本質的にはもとの入射偏光成分と光磁気ディスクによる偏光回転によって生じる入射偏光方向と直交する偏光成分を干渉させて、入射偏光で直交偏光成分を増幅して検出を行うことになっている。したがって、もとの入射偏光成分を増大させれば信号を増大させることができるが、光ディスクに入射させる光強度は、データを消去したり上書きしたりしないようにするために、ある程度以下に抑える必要がある。これに対して上記従来の技術では、予め信号光と干渉させる光を分離しておいて、これをディスクに集光せずに信号光と干渉させ、信号増幅のため干渉させる光の強度を、ディスク表面の光強度と関係なく強くできるようにしている。これにより原理的には光強度の許す範囲で、強度を強くすればするほど、光検出器からの光電流を電圧変換するアンプのノイズや、光検出器で生じるショットノイズなどに比べたS/N比を高めることができる。
特許文献1では、2つの光を干渉させて干渉強度を検出している。この際、干渉させるディスク非反射光の光路長を可変とし、干渉信号振幅の確保を狙っている。特許文献2では干渉強度検出に加えて、差動検出も行っている。これにより信号に寄与しない各光の強度成分をキャンセルし、これらの光の持つノイズ成分をキャンセルして高S/N化を図っている。この場合の差動検出には、無偏光のビームスプリッタを用いている。
特開平5−342678号公報 特開平6−223433号公報
上記従来技術に用いられている干渉計の光学系は、いずれもマッハツェンダー型の光学系であり、光学部品の点数が多く、光学系の小型化に不向きである。マッハツェンダー型の干渉計の光学系は、最初に光を信号光と参照光とに分割する分割手段と、信号光に信号としての何らかの変調が加えられたのち、参照光と再び合波させて干渉させるための手段が異なる干渉計である。これに対して、最初に分割する手段に再び信号光と参照光を戻すことによって干渉させるのが、トワイマングリーンあるいはマイケルソン型の干渉計の光学系である。上記従来例においてマッハツェンダー型の光学系を用いる理由については、上記文献には詳しく述べられていないが、光磁気ディスクの信号光が偏光回転により生じるため、干渉させる光の偏光方向を調整するため、回転調整のできるλ/2板(λ:波長)を干渉させる光路中に、往復でなく、片道方向だけ透過させるように配置させる必要があったためと推測される。さらに他の問題として、2つの光の光路差を調整する方法が特に述べられておらず、実用には難があることが挙げられる。特許文献2には、この問題に対して、干渉させる光を得るための参照ミラーをディスク上に記録膜と離して設置することが述べられているが、これは新規格のディスクを提案するものであり、既存のディスクを高S/N化するものではない。
本発明は上記問題を鑑みなされたものであり、2つの光の光路差の調整が容易で、信号増幅効果が高く、光学系の小型化に適した、干渉型の光ピックアップ、光情報検出方法及び光情報記録再生装置を提供することを目的とする。
本発明では、光源から出射した光束を第1の光束と第2の光束とに分割し、第1の光束を光情報記録媒体上に集光して照射し、光情報記録媒体から反射した信号光を4つの検出器に導き、第2の光束を光情報記録媒体には集光せず参照光として前記4つの検出器に導き、4つの検出器上で信号光と参照光を、当該信号光と参照光の間の位相関係が互いに異なる状態で光学的に干渉させ、4つの検出器からの出力を演算して再生信号を得ることとした。
具体的には、参照光と信号光の間の位相関係は、第1の検出器上と第2の検出器上では互いに180度異なり、第3の検出器上と第4の検出器上では互いに180度異なり、第1の検出器上と第3の検出器上では90度異なるようにした。これにより360度の位相関係のうち、90度ずつずれた4つの位相状態を同時に検出することができる。再生信号は光の位相状態の360度の変化に応じて正弦波状に変化するため、90度ずつ位相状態のずれた4つの信号を観測することで、任意の位相状態での信号状態を演算によって再現することが可能になる。すなわち任意の位相状態での安定した再生・検出が実現される。
前記の演算として、第1の検出器と第2の検出器の差動信号の2乗と、第3の検出器と第4の検出器の差動信号の2乗とを加算することとした。これにより、第1と第2の検出器の組と第3と第4の検出器の組では位相が90度ずれているため、前者の差動出力が正弦だとすると、後者の差動出力は余弦となる。したがって、両者の2乗和をとることで、常に一定した最大出力信号を得ることが可能になる。
別の演算法として、上記演算に平方根演算を付加して再生信号を得ることとした。このように演算することで、光源の光出力に比例した再生信号を得ることが可能になる。
別の演算法として、第1、第2、第3、第4の検出器を4分割光検出器とし、第1の検出器と第2の検出器の各領域の差動信号の2乗と、第3の検出器と第4の検出器の各領域の差動信号の2乗とを加算することとした。さらに、各領域ごとにそれぞれ前記2組の差動信号の2乗和をとることで、常に一定した出力信号を得ることが可能になる。さらに、各領域から得られた前記出力信号を加算することで再生RF信号が得られる。また、信号光と参照光の合波後に合成光に非点収差を付加し、焦点ずれ信号検出に非点収差法を、トラッキング誤差信号検出にプッシュプル法を用いて各領域から得られた前記出力信号に対して差動演算を行うことにより、焦点ずれ信号やトラッキング誤差信号のサーボ信号が得られる。
複数の検出手段である光検出器は、同一基板上に形成してもよい。これにより、光学系が大きくなることを防ぎ、安定に信号増幅が行えるとともに、光学系を小型に構成することが可能となる。
また、光情報記録媒体上の信号光の焦点ずれを信号として検出する手段を有し、焦点ずれ信号によって信号光を集光して照射する手段を制御して焦点ずれを補償するとともに、参照光の光路長を調整する手段を参照光の光路中に設けることにより、信号光と参照光の光路差が光源の可干渉距離(コヒーレンス長)以内にあるように調整する。これにより焦点制御により対物レンズが光軸方向に駆動され、信号光と参照光を分離する分割手段から光情報記録媒体までの光路長が光源のコヒーレンス長以上に変化する場合にも、信号光と参照光との干渉性を維持して、信号増幅効果を維持することが可能となる。
本発明によれば、2つの光の光路差を調整することが容易で、信号増幅効果が高く、光学系の小型化に適した、干渉型の光ピックアップ、光情報検出方法及び光情報記録再生装置を提供することができる。これにより、多層光ディスクなど、各層の反射率を低くせざるを得ない場合や、再生速度が速く、信号に対して相対的なノイズが増加する場合などに、信号増幅によって再生信号品質を向上させることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[光情報記録再生装置の全体構成]
図1は、本発明の光信号検出方法を実現する光情報記録再生装置の全体的な構成の一例を示したものである。
光情報記録再生装置1は、光ピックアップ101と回転モータ102を備えており、光情報記録媒体103は回転モータ102の回転軸に固定されて回転可能な構成となっている。光ピックアップ101は、光を光情報記録媒体103に照射してデジタル情報を記録及び/又は再生する役割を果たす。光ピックアップ101で検出された再生光は、電流電圧(IV)変換された後、信号処理回路105に入力される。信号処理回路105によって再生信号やサーボ信号が生成され、コントローラ104に送られる。
コントローラ104は、サーボ信号に基づき、サーボ制御回路106やアクセス制御回路107、自動位置制御手段108を制御する。自動位置制御手段108は回転モータ102により光情報記録媒体103の回転制御を、アクセス制御回路107は光ピックアップ101の位置制御を、サーボ制御回路106は後述する光ピックアップ101の対物レンズや参照光反射手段の位置制御などを行う。これにより光情報記録媒体103の任意の位置に光スポット110を位置づける。また、コントローラ104は再生か記録かによってレーザドライバ109を制御し、後述する光ピックアップ101に含まれるレーザを適当なパワー/波形で発光させる。
[光ピックアップ光学系の構成(1)]
図2は、光情報記録再生装置1における光ピックアップ101の光学系構成の一例を示したものである。
光ピックアップ101に搭載された半導体レーザ201から出射した光は、コリメートレンズ202によって平行光にコリメートされた後、第1のλ/2板203を透過することによって、偏光方向が45度回転させられる。偏光の回転した光は第1の偏光ビームスプリッタ204によって直交する2つの直線偏光に分離され、一方の偏光の光(再生光)は反射されて、第1のλ/4板207を透過することによって円偏光に変換された後、対物レンズ208で集光され、光ディスク209に照射される。光ディスク209からの反射光205(以降、信号光と呼ぶ)は、対物レンズ208で再び平行光に戻され、第1のλ/4板207で直線偏光に戻されるが、ディスク面での反射によって、円偏光の回転方向が反転するため、直線偏光の方向は元の光と直交する。このため、信号光205は第1の偏光ビームスプリッタ204を透過し、ビームスプリッタ212へ向かう。一方、最初に第1の偏光ビームスプリッタ204を透過した偏光方向の光206(以降、参照光と呼ぶ)は、第2のλ/4板210を透過し円偏光に変換され、参照光反射手段211によって反射され、信号光205と同様に第2のλ/4板210によって元の参照光と直交する直線偏光に変換される。このため、今度は第1の偏光ビームスプリッタ204によって反射され、信号光205と合成されてビームスプリッタ212の方向に向かう。このとき、信号光205と参照光206は、互いに偏光方向が直交した状態で合成されている。
合成光の一部は、サーボ用ビームスプリッタ213で反射されて、集光レンズ214、シリンドリカルレンズ215により非点収差を与えられて光検出器216へと導かれ、その出力信号からサーボ演算回路217により焦点ずれ信号(FES)やトラッキング誤差信号(TES)を出力する。焦点ずれ信号は対物レンズ208を搭載した2次元アクチュエータ228のフォーカス駆動端子にフィードバックされ、焦点位置が閉ループ制御される。さらに同じ信号が参照光反射手段211を搭載した1次元アクチュエータ229にもフィードバックされ、対物レンズ208と連動して参照光反射手段211も駆動される。これにより光ディスク209から反射した信号光205と、参照光反射手段211から反射した参照光206の光路差をほぼ0に保つことができる。通常の半導体レーザのコヒーレンス長は数10μmであるため、光路差の調整精度はこの範囲以下になっていればよい。トラッキング誤差信号は対物レンズ208を搭載した2次元アクチュエータ228のトラッキング駆動端子にフィードバックされ、閉ループ制御される。
サーボ用ビームスプリッタ213を透過した合成光の一方は、ハーフミラーであるビームスプリッタ212を透過し、第2のλ/2板218によって偏光方向を45度回転させられた後、レンズ220で集光され、偏光ビームスプリッタ222によって直交する直線偏光に分離され、第1の光検出器224(PD1)と第2の光検出器225(PD2)によって検出される。この時、2つの光検出器PD1,PD2で検出される光の偏光成分P,Sと、信号光の偏光方向(Esig)と参照光の偏光方向(Eref)の関係を示したのが図3である。光検出器PD1ではP偏光すなわちEsigとErefのP偏光方向の射影成分が検出され、光検出器PD2ではS偏光すなわちEsigとErefのS偏光方向の射影成分が検出される。S偏光方向の射影成分では、この図の場合、Erefの符号が反転して見える。光検出器PD1,PD2で検出される信号を式で表すと、それぞれ次のようになる。
Figure 2010044832
ここで、絶対値の二乗になっているのは、検出されるのは光のエネルギーであるからである。ここでは簡単のためにEsigとErefは完全コヒーレンスであることを仮定している。
サーボ用ビームスプリッタ213を透過した合成光のもう一方は、ハーフミラーであるビームスプリッタ212で反射され、信号光205及び参照光206の偏光方向に対し45度回転して配置された第3のλ/4板219によって円偏光に変換される。この時、信号光205と参照光206で元の偏光方向が90度異なるため、逆の回転方向の円偏光に変換される。この円偏光が、レンズ221で集光され、偏光ビームスプリッタ223によって直交する直線偏光に分離され、第3の光検出器226(PD3)と第4の光検出器227(PD4)によって検出される。この時、2つの光検出器PD3,PD4で検出される光の偏光成分P,Sと、信号光の偏光方向(Esig)と参照光の偏光方向(Eref)の関係も同様に図3で表されるが、EsigとErefの間に90度の位相差がついているのが、PD1とPD2の場合とは異なる。光検出器PD3,PD4で検出される信号を式で表すと、それぞれ次のようになる。
Figure 2010044832
式中のexp(±iπ/4)は、λ/4板でEsig,Erefに±45度(90度の差)の位相差がつけられていることを表している。
このようにして、各々の検出器で検出される信号には、光ディスク209上の情報には無関係な成分|Eref2が含まれているため、PD1とPD2、PD3とPD4でそれぞれ差動信号をとると、
Figure 2010044832
となり、信号光振幅強度と参照光振幅強度の積の形の信号が得られる。これは、参照光の強度を大きくすれば大きな信号出力を得られることを示している。即ち、信号光の強度を増幅できることを示している。
ここで、式(5)及び式(6)にはsin、cosが付随しており、これは信号光と参照光との間の位相差を表している。ところが参照光と信号光は別の光路を通り、ディスクの回転に合わせてフォーカスサーボにより対物レンズ209が上下して追随するため、信号光の光路長は絶え間なく変化することになる。したがって、式(5)及び式(6)の位相項が確定せず、この方式で得られる信号は大きく変化してしまう。
そこで本発明では、式(5)がcos、式(6)がsinであることに着目し、信号演算回路230により両者の二乗和の演算を行って信号を得ることとした。
Figure 2010044832
このように演算を行うことにより、信号光と参照光の位相が変化した場合でも、安定して確実に一定の信号を得ることができる。式(7)のように二乗加算の演算を行うことにより、出力Sは信号光強度|Esig2に比例した信号が得られるため、再生RF信号には従来のCD,DVD,BDと同じ信号波形が得られる。また、その増幅率は|Eref2であり、参照光強度を強くすることにより、増幅率を上げることができることがわかる。また、二乗和の後、平方根を取って再生RF信号としても良い。平方根を取る演算を行うと、信号光強度の平方根に比例した出力となるため、再生RF信号は従来の光磁気ディスクと同じ信号波形となる。
ここでは光検出器PD1,PD2,PD3,PD4は受光した総光量を出力するものとして説明したが、別の演算として、4つの光検出器PD1,PD2,PD3,PD4を図4に示すような領域A,B,C,Dからなる4分割の光検出器とし、それぞれの検出光量をIPD1(X),IPD2(X),IPD3(X),IPD4(X)として個別に出力してもよい。ただし、Xは領域A,B,C,Dのいずれかとする。PD1とPD2、PD3とPD4の領域X(Xは、A〜Dのいずれか)で検出された各信号に対して差動信号をとると、
Figure 2010044832
となり、それぞれ信号光振幅強度と参照光振幅強度の積の形の信号が得られる。さらに、信号演算回路230により両者の二乗和の演算を行って信号を得ることとした。
Figure 2010044832
このように演算を行うことにより、式(7)で示したのと同様に、信号光と参照光の位相が変化した場合でも、安定して確実に一定の信号を得ることができる。
信号演算回路230の構成の具体例を図5(a)の回路ブロック図に示す。Sig1とSig2はAD変換回路501,502によってデジタル化され、二乗演算器503,504によって二乗演算がなされた後に、加算器505によって加算され、デジタル信号Sが得られる。または、図5(b)に示すように、加算器505の後、平方根回路506によって平方根演算を行って、デジタル信号Sを得るのでも良い。
光ピックアップ101において、4つの4分割光検出器を用いた場合の信号演算回路230の構成の別の具体例を図6Aの回路ブロック図に示す。Sig1’(X)とSig2’(X)はそれぞれAD変換回路601によってデジタル化され、二乗演算器602によって二乗演算がなされた後に、加算器603によって加算され、デジタル信号S’(X)が得られる。ただし、Xは領域A,B,C,Dのいずれかである。さらに、再生RF信号が加算器604によって次の演算で得られる。
Figure 2010044832
または、再生RF信号は図6Bに示すように、式(11)の演算の後、平方根回路605によって平方根演算を行うのでもよい。
参照光反射手段211は、例えば反射ミラーによって実現される。この場合、参照光反射手段211による反射光が入射した参照光206の光軸に対して傾かないように、ミラーの傾きを調製する必要がある。このため、反射ミラーや参照光206の波面の傾きを検出し、参照光反射手段211にフィードバックして参照光206の波面の傾きを調整する機構を具備しても良い。または、参照光反射手段211は集光レンズと反射ミラーによって実現してもよい。参照光206を集光レンズによって集光し、その焦点位置に反射ミラーを置くことで、入射光と反対方向に反射する参照光を作り出すことができる。この場合、反射ミラーが傾いても、信号光に対して参照光の光軸がずれるだけなので、参照光反射手段211を反射ミラーだけで実現する場合に比べて反射ミラーの角度調整が容易となる。または、参照光反射手段211は、コーナーキューブによって実現してもよい。コーナーキューブは、どのような入射角で光を入射させても反射光が必ず入射光と同じ方向に戻るという素子であるため、波面の傾きを調整する必要が無くなる。
図1のサーボ制御回路106は、サーボ信号に基づき2次元アクチュエータ228で対物レンズ208をフォーカス制御すると同時に、対物レンズ208の移動に伴う信号光の光路長の変化に合わせて、1次元アクチュエータ229を介して参照光反射手段211の位置を制御し、参照光と信号光の光路長の差が常に20μm以下になるようにする。この20μmという距離は、本実施例で用いている半導体レーザ201の可干渉距離(コヒーレント長)70μmと比べて十分に小さく、参照光と信号光は常にほぼ完全コヒーレントな状態が保たれる。
図2は、光ディスク209に記録された情報の再生時の光線図を表しており、半導体レーザ201からの光を信号光205と参照光206の2光束に分離しているが、記録時には参照光は不要であるので、第1のλ/2板203を透過する光をS偏光とし、すべて第1の偏光ビームスプリッタ204で反射して信号光として用いてもよい。これは、例えば第1のλ/2板を記録時と再生時で回転することによって、信号光と参照光の強度比を変化させることによって実現される。または、電圧の印加によって入射する光の偏光方向が切り替わる液晶波長板を用いたり、λ/2板を抜き差ししたりする方法によっても良い。
[光ピックアップ光学系の構成(2)]
図7は、光情報記録再生装置1における光ピックアップ101の光学系構成の別の例を示したものである。図2に示した光ピックアップ101では、再生RF信号とサーボ信号(焦点ずれ信号、トラッキング誤差信号)を別の検出系で検出したが、図7に示すように同一の検出系で検出しても良い。このとき、光検出器701,702,703,704は図4に示したような4分割光検出器とする。信号光は、シリンドリカルレンズ705,706によって非点収差を与えられて光検出器701,702,703,704へと導かれ、その出力信号から信号演算回路707により再生RF信号やサーボ信号を出力する。焦点ずれ信号検出には非点収差法を、トラッキング誤差信号検出にはプッシュプル法を用いる。
また、トラッキング誤差信号検出には、信号光205中に回折格子を設置し、差動プッシュプル法を用いても良い。差動プッシュプル法では、光ディスク209に入射する光を回折格子で3ビームにする。そして、ディスク上のメインスポットを情報トラックに配置する場合、2つのサブスポットが隣接するトラック間に配置されるように回折格子の回転調整を行う。ここでは参照光も3ビームとなるが、これも信号光のそれぞれに対応するビーム同士で干渉させて、トラッキング誤差信号も差動演算により増幅する。
信号演算回路707の具体例を図8の回路ブロック図に示す。Sig1’(X)とSig2’(X)はそれぞれAD変換回路801によってデジタル化され、二乗演算器802によって二乗演算がなされた後に、加算器803によって加算され、デジタル信号S’(X)が得られる。ただし、Xは領域A,B,C,Dのいずれかである。さらに、加算器804,減算器805,806により再生RF信号及びサーボ信号(焦点ずれ信号、トラッキング誤差信号)が次の演算で得られる。
Figure 2010044832
また再生RF信号は、加算器804の後、平方根回路によって平方根演算を行って信号を得るのでも良い。このような構成とすると、多層ディスクなどの場合に、隣接層(対物レンズの集光点位置から光軸方向にずれた、検出すべき層とは他の層)からの信号漏れ込みに対して、検出すべき層からの光による信号を選択的に増幅でき、クロストーク低減に有利となる。
[光ピックアップ光学系の構成(3)]
図9は、光情報記録再生装置1における光ピックアップ101の光学系構成の別の例を示したものである。図2及び図7に示した光ピックアップでは、式(1)(2)(3)(4)に示す信号を別々の光検出器で検出したが、本実施例では、これを1つにパッケージ化された光検出器904により受光し、信号演算回路905により信号演算を行う。光ディスク209で反射された信号光と参照光反射手段211で反射された参照光は偏光位相変換分離素子901に入射し、2つの光の干渉による位相差が異なる4つの光に分割されて、集光レンズ902、シリンドリカルレンズ903により4分割光検出器904上に設けられた4つの受光部でそれぞれ検出される。
図10は、偏光位相変換分離素子901の構造と機能を説明する図である。偏光位相変換分離素子901は無偏光回折格子1003と、角度選択性偏光変換素子1004と、偏光分離回折格子1005からなる。図9ではこれらを一体化された状態で図示したが、ここでは説明の便宜上分離して示している。機能としては、各素子1003〜1005が一体化されていても、分離されていても変わりはない。
信号光偏光方向1001と参照光偏光方向1002が直交するように信号光と参照光が無偏光回折格子1003に入射すると、偏光方向を問わずに2つの光はともに2つの異なる進行方向の光にそれぞれ分離する。これは無偏光回折格子1003をブレーズ化することにより容易に実現可能である。一方は直進する0次光、他方は所定の回折角で回折する1次回折光である。次に、これらの光は角度選択性偏光変換素子1004に入射する。ここで、直進する0次光には何ら位相差を生じないが、傾いて入射した1次回折光については信号光と参照光の間に90度の位相差が発生する。そのためには、光学軸1006が角度選択性偏光変換素子の入射面に対して垂直な一軸異方性を持っており、無偏光回折格子の回折光の回折方向が信号光偏光方向1001あるいは参照光偏光方向1002と一致していればよい。このとき角度選択性偏光変換素子1004の厚さ、屈折率異方性量(垂直方向屈折率と面内屈折率の差)と1次回折光の入射角により、1次回折光の信号光成分、参照光成分の間の位相差を一意的に決めることができる。
さらに、角度選択性偏光変換素子1004の出射光を、偏光分離回折格子1005に入射させる。偏光分離回折格子は、たとえば特許公報第3832243号に記載の素子を用いることができる。これは液晶や、ニオブ酸リチウム、水晶などの異方性材料によりブレーズ格子を形成することにより容易に実現できる。すなわち、偏光方向により屈折率が異なる材質であるため、ある偏光方向とそれと直交する偏光方向とで格子によって加わる位相分布が逆転するように配置すればよい。これにより、1次回折光と−1次回折光が直交する偏光方向となるようにすることができる。あるいは、ウォラストンプリズムのような異方性光学結晶を張り合わせて作られる素子で代用してもよい。本実施形態で分離する偏光の方向は、信号光と参照光に対して45度の方向と、それに垂直な方向である。以上のようにして分離された4つの光における、信号光成分と参照光成分の干渉の位相差は、図中に示したように0°,90°,180°,270°とすることができる。
図11は、図10に示した角度選択性円偏光板とは別の実施形態を示す図である。ここでは図10の無偏光回折格子1003に代えて、偏光性回折格子1101を配置している。さらに角度選択性円偏光板1004に代えて、第2の偏光性回折格子1102を配置している。それぞれの光学軸方位1103,1104が図中に示すように直交する配置となっている。
それ以降の偏光性回折格子1005は図10と同じ配置となる。このようにすると、第1の偏光性回折格子1101により光学軸1103に沿った直線偏光成分の光が一部だけ回折する。また第2の偏光性回折格子1102により光学軸1104に沿った直線偏光成分の光が一部だけ回折される。したがって第1、第2の偏光性回折格子で回折される光は相互に直交する偏光方向となっており、なおかつ格子配列の位相を、図に示すように格子周期Pの1/4(90°)だけずらしてある。このようにすると回折光の位相も相互に90°ずれるので、2つの回折光を合成した偏光状態は円偏光状態となる。ここで回折光はそれぞれ1つしか表していないが、これは回折格子を階段格子や、鋸波状格子のようにブレーズ化することにより容易に実現できる。また第1、第2の偏光性回折格子でそれぞれ直交する偏光成分を同じ光量比だけ回折させることにすれば、回折しない光の偏光状態は最初に入射する光の偏光状態と同じままを維持させることができる。なおこれらの図では説明の便宜上素子を分離して表示しているが、実際の光学系ではこれらを張り合わせて一体化することができる。
このような構成は、図10に示した構成に比較して、無偏光回折格子が偏光性回折格子に置き換わるが、比較的高価な異方性光学結晶で形成した角度選択性円偏光板が、液晶固化などで容易に形成できる偏光性回折格子に置き換わるので、コストはやや軽減される。さらに、角度選択性円偏光板では90°の位相差を生じさせるために、光線入射角を大きくするか素子厚さを厚くする必要があるが、本実施例では任意の格子ピッチで円偏光の位相差を実現することができ、素子小型化には有利である。
以上の実施例では、単一の光源の光を分割して用いる例を示したが、単一の光源の光を分割して用いる代わりに、再生信号のデータ取り込み間隔に相当する時間に光が真空中を進む距離よりも長い可干渉距離を有する2つの光源から出射した第1と第2の光束を用いることも可能である。この場合、2つの光源の波長は略一致している必要があるが、再生信号のデータ取り込みの間は光の干渉状態がほぼ一定であるため、今まで述べてきた本発明の効果は同様に得られる。
また、本発明での光学系は図2、図7、図9に示したものに限られない。例えば90度ずつ異なる4つの位相差状態の信号出力を得るための光学素子として、λ/2板203,218やλ/4板219を用いた光学系の他に、偏光制御プリズムや偏光性回折光学素子や、ナノフォトニック材料などの複合光学機能素子を用いることによっても実現可能である。いずれにしても信号光と参照光の位相差状態が異なる少なくとも4つの状態の信号出力を得ることができる光学系を構成して、信号の演算/選択を行うことにより、本発明の効果を得ることができる。
また、本発明の効果は光ディスクの再生信号を増幅する光ピックアップに限られない。例えば、光通信における搬送波の信号増幅や光計測における検出信号の増幅など、ホモダイン検出方式を用いて信号光を別の光(参照光)と干渉させることにより信号光の光強度を増幅する場合に、本発明の効果を得ることができる。
本発明の光情報記録再生装置の構成例を表す概略図。 本発明の光情報検出方法を実現する光ピックアップの構成例を示す図。 信号光と参照光の偏光方向と検出光の偏光方向を示す図。 本発明の光ピックアップにおける検出器を表す概略図。 本発明の信号処理回路の構成例を示すブロック図。 本発明の信号処理回路の構成例を示すブロック図。 本発明の信号処理回路の構成例を示すブロック図。 本発明の光情報検出方法を実現する光ピックアップの構成例を示す図。 本発明の信号処理回路の構成例を示すブロック図。 本発明の光情報検出方法を実現する光ピックアップの構成例を示す図。 本発明の偏光位相変換分離素子を示す図。 本発明の偏光位相変換分離素子を示す図。
符号の説明
1…光情報記録再生装置、101…光ピックアップ、102…回転モータ、103…光情報記録媒体、104…コントローラ、105…信号処理回路、106…サーボ制御回路、107…アクセス制御回路、108…自動位置制御手段、109…レーザドライバ、110…光スポット、201…半導体レーザ、202…コリメートレンズ、203…λ/2板、204…偏光ビームスプリッタ、205…信号光、206…参照光、207…λ/4板、208…対物レンズ、209…光ディスク、210…λ/4板、211…参照光反射手段、212…ビームスプリッタ、213…サーボ用ビームスプリッタ、214…集光レンズ、215…シリンドリカルレンズ、216…光検出器、217…サーボ回路、218…λ/2板、219…λ/4板、220,221…レンズ、222,223…偏光ビームスプリッタ、224…第1の光検出器、225…第2の光検出器、226…第3の光検出器、227…第4の光検出器、228…2次元アクチュエータ、229…1次元アクチュエータ、230…信号演算回路、501,502…AD変換回路、503,504…二乗演算器、505…加算器、506…平方根回路、601…AD変換回路、602…二乗演算器、603,604…加算器、605…平方根回路、701,702,703,704…光検出器、705,706…シリンドリカルレンズ、707…信号演算回路、
801…AD変換回路、802…二乗演算器、803,804…加算器、805,806…減算器、901…偏光位相変換分離素子、902…集光レンズ、903…シリンドリカルレンズ、904…光検出器、905…信号演算回路、1001…信号光偏光方向、1002…参照光偏光方向、1003…無偏光回折格子、1004…角度選択性偏光変換素子、1005…偏光分離回折格子、1006,1007…光学軸、1101,1102…偏光性回折格子、1103,1104…光学軸

Claims (13)

  1. 光源から出射した光束を第1の光束と第2の光束とに分割し、
    前記第1の光束を光情報記録媒体上に集光して照射し、
    前記光情報記録媒体から反射した信号光を4つの光検出器に導き、
    前記第2の光束を前記光情報記録媒体には集光せず参照光として前記4つの光検出器に導き、
    前記4つの光検出器上で前記信号光と前記参照光を、当該信号光と参照光の間の位相関係が、第1の光検出器上と第2の光検出器上では互いに180度異なり、第3の光検出器上と第4の光検出器上では互いに180度異なり、前記第1の光検出器上と前記第3の光検出器上では90度異なる状態で光学的に干渉させ、
    前記第1の光検出器と前記第2の光検出器の差動信号の2乗と、前記第3の光検出器と前記第4の光検出器の差動信号の2乗とを、加算することを含む演算によって再生信号を得ることを特徴とする光情報検出方法。
  2. 請求項1に記載の光情報検出方法において、前記加算した結果に平方根演算を付加して、再生信号を得ることを特徴とする光情報検出方法。
  3. 光源から出射した光束を第1の光束と第2の光束とに分割し、
    前記第1の光束を光情報記録媒体上に集光して照射し、
    前記光情報記録媒体から反射した信号光を4つの4分割光検出器に導き、
    前記第2の光束を前記光情報記録媒体には集光せず参照光として前記4つの4分割光検出器に導き、
    前記4つの4分割光検出器上で前記信号光と前記参照光を、当該信号光と参照光の間の位相関係が、第1の4分割光検出器上と第2の4分割光検出器上では互いに180度異なり、第3の4分割光検出器上と第4の4分割光検出器上では互いに180度異なり、前記第1の4分割光検出器上と前記第3の4分割光検出器上では90度異なる状態で光学的に干渉させ、
    前記第1の4分割光検出器と前記第2の4分割光検出器の対応する領域の差動信号の2乗と、前記第3の4分割光検出器と前記第4の4分割光検出器の対応する領域の差動信号の2乗を演算し、
    さらに、各領域ごとにそれぞれ前記2組の差動信号の2乗を加算し、
    各領域から得られた加算信号を総加算することを含む演算によって再生信号を得ることを特徴とする光情報検出方法。
  4. 請求項3に記載の光情報検出方法において、前記各領域から得られた加算信号を演算することによって焦点ずれ信号及びトラッキング誤差信号を得ることを特徴とする光情報検出方法。
  5. 請求項3に記載の光情報検出方法において、前記各領域から得られた加算信号を総加算した結果に平方根演算を付加して、再生信号を得ることを特徴とする光情報検出方法。
  6. 半導体レーザと、
    前記半導体レーザからの光束を第1の光束と第2の光束に分岐する第1の光学素子と、
    前記第1の光束を光情報記録媒体の記録膜面に集光し、反射光を受光する対物レンズと、
    前記第2の光束の光路中に設けられた参照光束反射手段と、
    第1の光検出器と、
    第2の光検出器と、
    第3の光検出器と、
    第4の光検出器と、
    前記光情報記録媒体によって反射された前記第1の光束と前記参照光束反射手段によって反射された前記第2の光束とが合波された光束を分岐して前記第1の光検出器と前記第2の光検出器に入射させる第2の光学素子と、
    前記光情報記録媒体によって反射された前記第1の光束と前記参照光束反射手段によって反射された前記第2の光束とを前記第2光学素子による合波とは90度位相関係が異なる状態で合波し、当該合波された光束を分岐して前記第3の光検出器と前記第4の光検出器に入射させる第3の光学素子と、
    前記第1、第2、第3、第4の光検出器の出力を演算する演算回路とを有し、
    前記第1の光束と前記第2の光束の間の位相関係は、前記第1の光検出器上と前記第2の光検出器上では互いに180度異なり、前記第3の光検出器上と前記第4の光検出器上では互いに180度異なり、前記第1の光検出器上と前記第3の光検出器上では90度異なり、
    前記演算回路は、前記第1の光検出器と前記第2の光検出器の差動信号の2乗と、前記第3の光検出器と前記第4の光検出器の差動信号の2乗とを、加算することを含む演算によって再生信号を得ることを特徴とする光ピックアップ。
  7. 請求項6に記載の光ピックアップにおいて、前記演算回路は前記加算した結果に平方根演算を付加して、再生信号を得ることを特徴とする光ピックアップ。
  8. 請求項6に記載の光ピックアップにおいて、前記第1、第2、第3、第4の光検出器が、同一の基板上に形成されていることを特徴とする光ピックアップ。
  9. 半導体レーザと、
    前記半導体レーザからの光束を第1の光束と第2の光束に分岐する第1の光学素子と、
    前記第1の光束を光情報記録媒体の記録膜面に集光し、反射光を受光する対物レンズと、
    前記第2の光束の光路中に設けられた参照光束反射手段と、
    第1の4分割光検出器と、
    第2の4分割光検出器と、
    第3の4分割光検出器と、
    第4の4分割光検出器と、
    前記光情報記録媒体によって反射された前記第1の光束と前記参照光束反射手段によって反射された前記第2の光束とが合波された光束を分岐して前記第1の4分割光検出器と前記第2の4分割光検出器に入射させる第2の光学素子と、
    前記光情報記録媒体によって反射された前記第1の光束と前記参照光束反射手段によって反射された前記第2の光束とを前記第2光学素子による合波とは90度位相関係が異なる状態で合波し、当該合波された光束を分岐して前記第3の4分割光検出器と前記第4の4分割光検出器に入射させる第3の光学素子と、
    前記第1、第2、第3、第4の4分割光検出器の出力を演算する演算回路とを有し、
    前記第1の光束と前記第2の光束の間の位相関係は、前記第1の4分割光検出器上と前記第2の4分割光検出器上では互いに180度異なり、前記第3の4分割光検出器上と前記第4の4分割光検出器上では互いに180度異なり、前記第1の4分割光検出器上と前記第3の4分割光検出器上では90度異なり、
    前記演算回路は、前記第1の4分割光検出器と前記第2の4分割光検出器の対応する領域の差動信号の2乗と、前記第3の4分割光検出器と前記第4の4分割光検出器の対応する領域の差動信号の2乗を演算し、さらに、各領域ごとにそれぞれ前記2組の差動信号の2乗を加算し、各領域から得られた加算信号を総加算することを含む演算によって再生信号を得ることを特徴とする光ピックアップ。
  10. 請求項9に記載の光ピックアップにおいて、前記演算回路は、前記各領域から得られた加算信号を演算することによって焦点ずれ信号及びトラッキング誤差信号を得ることを特徴とする光ピックアップ。
  11. 請求項9に記載の光ピックアップにおいて、前記演算回路は、前記各領域から得られた加算信号を総加算した結果に平方根演算を付加して、再生信号を得ることを特徴とする光ピックアップ。
  12. 請求項9に記載の光ピックアップにおいて、前記第1、第2、第3、第4の4分割光検出器が、同一の基板上に形成されていることを特徴とする光ピックアップ。
  13. 回転軸上に光情報記録媒体を保持して回転させるモータと、前記光情報記録媒体に光照射し、反射信号を検出する光ピックアップと、サーボ制御回路とを備え、
    前記光ピックアップは、
    半導体レーザと、
    前記半導体レーザからの光束を第1の光束と第2の光束に分岐する第1の光学素子と、
    前記第1の光束を光情報記録媒体の記録膜面に集光し、反射光を受光する対物レンズと、
    前記第2の光束の光路中に設けられた参照光束反射手段と、
    第1の4分割光検出器と、
    第2の4分割光検出器と、
    第3の4分割光検出器と、
    第4の4分割光検出器と、
    前記光情報記録媒体によって反射された前記第1の光束と前記参照光束反射手段によって反射された前記第2の光束とが合波された光束を分岐して前記第1の4分割光検出器と前記第2の4分割光検出器に入射させる第2の光学素子と、
    前記光情報記録媒体によって反射された前記第1の光束と前記参照光束反射手段によって反射された前記第2の光束とを前記第2光学素子による合波とは90度位相関係が異なる状態で合波し、当該合波された光束を分岐して前記第3の4分割光検出器と前記第4の4分割光検出器に入射させる第3の光学素子と、
    前記第1、第2、第3、第4の4分割光検出器の出力を演算する演算回路とを有し、
    前記第1の光束と前記第2の光束の間の位相関係は、前記第1の4分割光検出器上と前記第2の4分割光検出器上では互いに180度異なり、前記第3の4分割光検出器上と前記第4の4分割光検出器上では互いに180度異なり、前記第1の4分割光検出器上と前記第3の4分割光検出器上では90度異なり、
    前記演算回路は、前記第1の4分割光検出器と前記第2の4分割光検出器の対応する領域の差動信号の2乗と、前記第3の4分割光検出器と前記第4の4分割光検出器の対応する領域の差動信号の2乗を演算し、さらに、各領域ごとにそれぞれ前記2組の差動信号の2乗を加算し、各領域から得られた加算信号を総加算することを含む演算によって再生信号を得ると共に、前記各領域から得られた加算信号を演算することによって焦点ずれ信号を発生し、
    前記サーボ回路は、前記焦点ずれ信号によって、前記対物レンズの光軸方向位置を制御して焦点ずれを補償すると共に、前記信号光と前記参照光との光路差が前記半導体レーザのコヒーレンス長以内となるように前記参照光束反射手段の光軸方向位置を調整することを特徴とする光情報記録再生装置。
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