JP2010042886A - 光学フィルムの製造方法、光学フィルムの製造装置、光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

光学フィルムの製造方法、光学フィルムの製造装置、光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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【課題】本発明の目的は、光学フィルムの幅が変更されても搬送ロールの交換の必要が無く、ロール滑りが発生せずに、擦り傷のない高品質な光学フィルムの製造方法と製造装置及び該製造装置で製造した光学フィルムを提供することである。
【解決手段】回転自在な複数の搬送ロールは、少なくとも片方の端部近傍の周面に搬送補助部を有し、樹脂フィルムの一方の端部と搬送補助部とが接触するように、樹脂フィルムの幅に応じて、搬送ロールを、軸方向に移動することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルムの製造方法、光学フィルムの製造装置、光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置に関する。
近年、自動車搭載用の液晶ディスプレイ、大型液晶テレビのディスプレイ、携帯電話、ノートパソコン等の普及から液晶表示装置の需要が増えてきている。液晶表示装置は、従来のCRT表示装置に比べて、省スペース、省エネルギーであることからモニターとして広く使用されている。さらにTV用としても普及が進んできている。このような液晶表示装置には、偏光フィルムや位相差フィルムなどの種々の光学フィルムが使用され、その需要が急増してきている。
ところで、液晶表示装置に用いられる偏光板の偏光フィルムは、延伸ポリビニルアルコールフィルムから成る偏光子の片面または両面にセルロースエステルフィルムが保護膜として積層されている。また、位相差フィルムは視野角の拡大やコントラストの向上などの目的で用いられており、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン樹脂、セルロースエステルなどのフィルムを延伸するなどしてリタデーションが付与されたものである。光学補償フィルムとも呼ばれることがある。
これらの光学フィルムでは、光学的な欠陥がなく、リタデーションが均一であること、特に位相軸のばらつきがないことが要求される。特に、モニターやTVの大型化や高精細化が進み、これらの要求品質は、ますます厳しくなってきている。
光学フィルムの製造方法としては、溶液流延製膜法や溶融流延製膜法がある。溶液流延製膜法を用いる場合では、溶剤に樹脂を溶解した溶液を金属支持体上に流延し、乾燥工程で溶剤を除去してフィルムを巻き取ることで製造されている。また溶融流延製膜法を用いる場合には、樹脂を熱で溶融し、高温になった溶融樹脂をダイより溶融押し出しし、冷却ロール上で製膜し、フィルムの温度を下げるための搬送工程を得てフィルムを巻き取ることで製造されている。
これら両方法とも、製膜後のフィルムは複数の回転自在な搬送ロールで搬送され、この搬送される過程で延伸工程や乾燥工程を経て、巻きとりロールに巻きとられて光学フィルムとなる。
この際に、搬送ロールの表面形状が転写しないように、表面粗度の小さい搬送ロールを用いる必要があった。また、回転自在な搬送ロールは、搬送するフィルムとの摩擦力により、つれ回ることで、搬送フィルムの搬送速度と同じ速度の周速度で回転する。
しかし、昨今の液晶表示装置の需要増加に伴い光学フィルムの増産に対応するため生産の高速化が進められている。この高速化を行う場合、表面粗度の小さい搬送ロールのみでは搬送される光学フィルムの搬送速度と、搬送に使用される搬送ロールの周速度とが一致しない、所謂、ロール滑りが発生し、光学フィルムの搬送ロールとの接触面にスリキズが発生し製品として使用出来なくなってしまうと言う問題があった。
搬送ロールの表面と光学フィルムとの摩擦力を大きくすることでロール滑りは抑制することが可能であるが、摩擦力を大きくするために搬送張力を大きくすると搬送時に光学フィルムにシワが発生したり、リタデーションや寸法安定性が悪くなる危険がある。又、別の手段として搬送ロールの表面の粗さを大きくする方法があるが、この場合搬送ロール表面の微小な凹凸がフィルム面に転写し、出来上がったフィルムの平面性が製品に適さないものになってしまう。
このような問題に対して、特許文献1においては、搬送ロールの表面のうち製品にならないフィルムの両端部に接するロール端部を粗面加工した搬送ロールを使用し搬送するセルロースエステルフィルの製造方法が提案されている。
特開2003−19726号公報
しかしながら、特許文献1に記載の様な端部に粗面加工を施した搬送ロールを使用することで、所定幅の光学フィルムを生産する場合のロール滑りに対しては効果があるが、生産する光学フィルムの幅が、より狭い幅に変更された場合、搬送ロールの粗面加工した部分がフィルム端部よりも外側になり、フィルムと搬送ロール間の摩擦力が得られず、ロール滑りが発生して、フィルムに擦り傷が生じるという問題がある。また、フィルムの幅がより広くなると、粗面加工した部分がフィルムの中央側に来るため、最終的に製品となるフィルムの幅に粗面部がかかり、フィルム表面が粗面化され、不良品となる。そのため、光学フィルムの幅が変更される毎に、製品にならないフィルムの両端部に対応した位置に粗面加工を施した搬送ロールに、全て取り替える必要があった。その結果、搬送ロールの交換時間が発生して生産性が落ち、また、各種の搬送ロールを準備しておく必要があり、生産コストが増加するという問題が生じている。生産現場における光学フィルムの幅の多様化への対応は、近年の液晶ディスプレイの種類の多様化に伴って、ますます要求されるようになってきており、その対応が急がれている。
よって、本発明の目的は、上記の問題に鑑みてなされたもので、光学フィルムの幅が変更されても搬送ロールの交換の必要が無く、ロール滑りが発生せずに、擦り傷のない高品質な光学フィルムの製造方法と製造装置、該製造装置で製造した光学フィルム、該光学フィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.
連続する樹脂フィルムを回転自在な複数の搬送ロールと接触させて搬送し、巻きとる光学フィルムの製造方法において、
前記搬送ロールは、少なくとも片方の端部近傍の周面に搬送補助部を有し、前記樹脂フィルムの一方の端部と前記搬送補助部とが接触するように、
前記樹脂フィルムの幅に応じて、前記搬送ロールを、該搬送ロールの軸方向に移動することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
2.
前記複数の搬送ロールの内、前記樹脂フィルムを搬送する経路で隣り合う2本の搬送ロールにおいて、
一方の搬送ロールの搬送補助部が前記樹脂フィルムの一方の端部と接触するとき、他方の搬送ロールの搬送補助部が前記樹脂フィルムの他方の端部と接触することを特徴とする前記1に記載の光学フィルムの製造方法。
3.
前記樹脂フィルムの一方の端部と前記搬送補助部とが、前記樹脂フィルムの端から内側の位置で接触するように、前記樹脂フィルムの幅に応じて、前記搬送ロールを、該搬送ロールの軸方向に移動することを特徴とする前記1又は2の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
4.
前記搬送補助部が前記樹脂フィルムの端部と接触する位置は、前記樹脂フィルムの端から内側に10mm〜130mmの領域であることを特徴とする前記1乃至3の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
5.
前記樹脂フィルムの幅が、1200mm〜3400mmであることを特徴とする前記1乃至4の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
6.
前記搬送補助部は、溝で形成されていることを特徴とする前記1乃至5の何れかに記載の光学フィルムの製造方法。
7.
前記樹脂フィルムがセルロースエステルフィルムであることを特徴とする前記1乃至6の何れかに記載の光学フィルムの製造方法。
8.
連続する樹脂フィルムを回転自在な複数の搬送ロールと接触させて搬送する搬送手段と、前記樹脂フィルムを巻きとる巻きとり手段とを有する光学フィルムの製造装置において、
前記搬送ロールは、少なくとも片方の端部近傍の周面に搬送補助部を有し、
前記樹脂フィルムの一方の端部と前記搬送補助部とが接触するように、
前記樹脂フィルムの幅に応じて、前記搬送ロールを、該搬送ロールの軸方向に移動する移動手段を有することを特徴とする光学フィルムの製造装置。
9.
前記複数の搬送ロールの内、前記樹脂フィルムを搬送する経路で隣り合う2本の搬送ロールにおいて、
一方の搬送ロールの搬送補助部が前記樹脂フィルムの一方の端部と接触するとき、他方の搬送ロールの搬送補助部が前記樹脂フィルムの他方の端部と接触することを特徴とする前記8に記載の光学フィルムの製造装置。
10.
前記搬送補助部が前記樹脂フィルムの端部と接触する位置は、前記樹脂フィルムの端から内側に10mm〜130mmの領域であることを特徴とする前記8又は9に記載の光学フィルムの製造装置。
11.
前記8乃至10の何れか1項に記載の光学フィルムの製造装置を用いて製造されることを特徴とする光学フィルム。
12.
前記11に記載の光学フィルムを一方の面に用いたことを特徴とする偏光板。
13.
前記12に記載の偏光板を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
本発明によれば、樹脂フィルムの幅に応じて、樹脂フィルムの端部と搬送補助部とが接触するように、搬送補助部を有する搬送ロールを、該搬送ロールの軸方向に移動するようにしたので、幅の異なる樹脂フィルムを生産する場合でも、搬送ロールを替える必要が無く、また、樹脂フィルムと搬送ロールとの間でロール滑りを生じることが無い。よって、擦り傷のない高品質な光学フィルムの製造方法と製造装置、該製造装置で製造した光学フィルム、該光学フィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置を提供することができる。
本発明の実施の形態を、光学フィルムとしてセルロースエステルフィルムを代表として図を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1に本発明の光学フィルムの製造装置の実施形態を示す。本実施形態においては、光学フィルムの製造方法として、溶液流延製膜法を用いた方法を例にして説明するが、溶融流延製膜法であっても良い。
本発明の光学フィルムの製造装置100は、流延工程101と、延伸工程102と、乾燥工程103と、巻き取り工程104とを有している。
流延工程101は、エンドレスで走行(図中の矢印方向)する無端支持体の鏡面帯状金属流延ベルト(以下、ベルトという)1と、セルロースエステル樹脂を溶媒に溶解したドープを、ベルト1に流延するダイス2とを有している。3はベルト1に流延されたドープが固化したセルロースエステルフィルムを剥離する剥離ロールを示し、10は剥離された樹脂フィルムであるセルロースエステルフィルムを示す。
延伸工程102は、乾燥風取り入れ口4aと排出口4bとを有する外箱4と、外箱4の中に入れられたテンター延伸装置4cとを有している。テンター延伸装置4cに使用するテンターは特に限定はなく、例えば、クリップテンター、ピンテンター等が挙げられ、必要に応じて選択し使用することが可能である。尚、乾燥風取り入れ口4aと排出口4bとは逆であってもよい。延伸工程102で必要とする幅に延伸し、セルロースエステルフィルムに含まれる溶剤量を、スリキズ、収縮率、変形等を考慮し、5質量%〜30質量%にすることが好ましい。
乾燥工程103は、乾燥風取り入れ口5aと排出口5bとを有する乾燥箱5と、セルロースエステルフィルム10を搬送する上部の搬送ロール6aと下部の搬送ロール6bとを有している。上部の搬送ロール6aと下部の搬送ロール6bとは上下で一組で、複数組から構成されている。7は延伸工程102から出てくるセルロースエステルフィルム10を搬送する搬送ロールを示す。乾燥工程103に配設される搬送ロールの数は、乾燥条件、方法、製造されるセルロースエステルフィルムの長さ等により異なるが、通常は、例えば200本〜800本程度である。上部の搬送ロール6aと下部の搬送ロール6bとは駆動源によって回転駆動されない回転自在な搬送ロール(自由回転する搬送ロールともいう。)となっている。又、剥離ロール3での剥離した後、巻き取り工程までの間には、全て自由回転する搬送ロールが用いられるわけではなく、通常、1本〜数本の搬送用駆動ロール(駆動源によって回転駆動するロール)の設置を必要とする。基本的に、搬送用駆動ロールは、その駆動でセルロースエステルフィルムを搬送するのが目的であるので、ニップやサクション(エアの吸引)などにより、セルロースエステルフィルムの搬送と、駆動ロールの回転とを同期させる機構が付いている。
巻き取り工程104は、巻き取り装置を有し、乾燥終了したセルロースエステルフィルム10を必要量の長さに巻き芯に巻き取る。8は巻き芯にセルロースエステルフィルム巻き取る巻き取り装置を示す。尚、巻き取る際の温度は、巻き取り後の収縮によるスリキズ、巻き緩み等を防止するために室温まで冷却することが好ましい。使用する巻き取り機は、一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることが出来る。
本発明の光学フィルムの製造方法においては、連続する樹脂フィルムを回転自在な複数の搬送ロールと接触させて搬送し、巻きとる光学フィルムの製造方法であって、搬送ロールは、少なくとも片方の端部近傍の周面に搬送補助部を有し、樹脂フィルムの一方の端部と搬送補助部とが接触するように、樹脂フィルムの幅に応じて、前記搬送ロールを、該搬送ロールの軸方向に移動することを特徴とするものである。
本発明で搬送補助部とは、回転自在な搬送ロールの少なくとも一方の端部付近のロール表面に形成され、搬送される樹脂フィルムが搬送ロール上を走行するとき、樹脂フィルムの搬送により、搬送ロールが回転力を得て、樹脂フィルムの搬送速度と同じ周速度で搬送ロールが回転するようにして、搬送ロールによって樹脂フィルムの接触面に擦り傷が付かないようにするものである。
図2を用いて、広幅の光学フィルムを製造している状態から、より狭い幅の光学フィルムを製造するときに、搬送ロールの搬送補助部が樹脂フィルムの端部に接触するように、搬送ロールを移動させる方法について説明する。
図2(a)に、本実施形態の製造装置において、最も広幅(W0)の樹脂フィルム10aを搬送するときの搬送ロール6a、6bと該搬送ロール6a、6bの端部に形成された搬送補助部9、該搬送補助部9と接触する樹脂フィルム10aとの位置関係を模式的に示し、図2(b)にW0より狭い幅(W1)の樹脂フィルム10bを搬送するときの搬送ロール6a、6bと該搬送ロール6a、6bの端部に形成された搬送補助部9、該搬送補助部9と接触する樹脂フィルム10bとの位置関係を模式的に示す。
搬送ロール6a、6bには、搬送ロール6a、6bをフィルム搬送方向とは直角な搬送ロール軸方向に移動可能なように移動手段Ma、Mbが取り付けられている。移動手段は、搬送ロールを軸方向に所定の距離移動させることができれば良く、特に限定しないが、油圧ポンプ、ギアポンプによる駆動、リニアモーター等を用いて行うことができる。
図2(a)に示すように、最も広幅(W0)の樹脂フィルム10aを搬送するときは、フィルムの両端部は、搬送ロール6a、6bの端部近傍の周面に設けられた搬送補助部9と接触して搬送されるように配置されている。このように搬送補助部9と樹脂フィルム10aの両端部とが接触することにより、搬送補助部9と樹脂フィルム10aとの間に摩擦力が働き、ロール滑りを起こすことなく樹脂フィルム10aを搬送することができる。
次に、幅がW0より狭い幅(W1)の樹脂フィルム10b用に変更する場合、図2(b)に示すように、各搬送ロール6a、6bに取り付けられたリニアモータMa、Mbにより、各搬送ロールの搬送補助部9に、狭い幅の樹脂フィルム10bの端部が接触するように移動させる。このように各搬送ローラを移動させることで、ロール滑りを防止することができ、擦り傷のない高品質な光学フィルムを製造することができる。
図2では、互いに隣り合う1組の搬送ロール6a、6bを取り出して説明したが、他の回転自在な搬送ロールについても同様にして移動させることができる。また、1つの移動手段で、複数の搬送ロールを移動するようにしても良い。
また、本実施形態における複数の搬送ロールの内、樹脂フィルムを搬送する経路で隣り合う2本の搬送ロールにおいては、一方の搬送ロールの搬送補助部が樹脂フィルムの一方の端部と接触するとき、他方の搬送ロールの搬送補助部が樹脂フィルムの他方の端部と接触することが好ましい。図2(b)を用いて説明すると、一方の搬送ロール6aの搬送補助部9が接触している樹脂フィルムの端部10b1と、搬送ロール6aと隣り合う搬送ロール6bの搬送補助部9が接触している樹脂フィルムの端部10b2とが、互いに異なる端部であることが好ましい。このようにすることにより、搬送される樹脂フィルムの端部にかかる抵抗が、搬送方向の左右でより均一にかかり、フィルムを安定して搬送することができる。搬送補助部9と接触する樹脂フィルムの端部が、一方だけになると、搬送時に一方の端部が伸び易くなり、シワの発生や膜厚偏差が大きくなったりする可能性がある。
また、搬送補助部9の形状は、フィルムの搬送時にフィルムと摩擦抵抗が生じて、フィルムの搬送速度と同じ周速度で、搬送ロールが回転できれば良く、表面粗さの荒い粗面部で形成された部分であっても良いが、溝形状が好ましい。粗面部にすると、長期に樹脂フィルムを搬送した場合、粗面部にわずかな樹脂成分が付着しやすく、ロール滑りを起こしやすくなり、樹脂フィルム面にキズがつきやすくなる。溝形状にすると、長期に使用しても、ロール滑りを起こすことが無く、好ましい。また、市販のテープなどを用いて、搬送補助部としても良い。
図3に搬送補助部と樹脂フィルム端部との接触状態を模式的に示す。
搬送補助部が、樹脂フィルムの端部と接触する幅H1は、10mm〜100mmであることが好ましい。より好ましくは20mm〜100mmである。図3に搬送補助部9が、樹脂フィルム10aと幅H1で接触している様子を示す。接触する幅H1が10mm未満では、搬送補助部と樹脂フィルムとの摩擦力が小さくなり、ロール滑りが発生しやすくなる。また、100mmを越えると、搬送補助部との接触でフィルムに傷が付き、製品とならない不要部分の幅が多くなり、生産コストが上がり好ましくない。
また、搬送補助部9の溝は、深さdが0.05mm〜1mmが好ましい。0.05mm未満だと、樹脂フィルムとの間の摩擦力が十分に得られず、ロール滑りを起こしやすくなる。また、1mmを越えると、その部分のみグリップ力が高くなるためツレやシワの原因となるという点で好ましくない。
搬送補助部9の溝の幅h及び本数や配置のピッチなどに、特に制限は無く、搬送する樹脂フィルムの種類に合わせて適宜設定することができる。また、溝の凹部の形状も特に制限はなく、コの字状や半円弧状や逆三角状など、適宜決めることができる。
樹脂フィルムの一方の端部と搬送補助部9は、樹脂フィルムの端部から内側で接触するように設定する。樹脂フィルムの外側にまで搬送補助部9が存在する状態で搬送すると、樹脂フィルムのエッジ部分のグリップ力がより高まり、複数のロールが滑るときの機械的な変動が樹脂フィルムに伝達し、寸法精度変動や、シワ、キズが発生する。
搬送補助部9は、図3に示すように搬送補助部9のローラ端部側の端と樹脂フィルムの端との距離L1が10mm以上内側になるように設定することで前記問題を回避することができる。より好ましくは20mm以上内側とすることである。
また、搬送補助部9のローラ中央部側の端と樹脂フィルムの端との距離L2が130mmを越えると、搬送補助部との接触によるフィルム端部のグリップ力が弱くなり、フィルム端部の浮きによるシワ、キズの原因となる点で好ましくない。
本発明の光学フィルムの製造方法に係る構成要素について、溶液流延製膜法を例に取り、詳しく説明する。
〈原料樹脂〉
本発明に用いる原料樹脂としては、光学フィルムとして一般に用いられる樹脂フィルムの原料樹脂であれば良く、特に限定するものではないが、例えばセルロースエステルを用いることが好ましい。セルロースエステルは、セルロース由来の水酸基がアシル基などで置換されたセルロースエステルである。例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートなどのセルロースアシレートや、脂肪族ポリエステルグラフト側鎖を有するセルロースアセテートなどが挙げられる。中でも、セルロースアセテートプロピオネート、脂肪族ポリエステルグラフト側鎖を有するセルロースアセテートが好ましい。本発明の効果を阻害しない範囲であれば、その他の置換基が含まれていてもよい。
セルロースアセテートプロピオネートの例としては、アシル基の置換度が、2.0以上3.0以下、アセチル基の置換度が1.4以上2.4以下であることが好ましい。さらに、アシル基の置換度が、2.5以上2.8以下、アセチル基の置換度が1.5以上2.0以下であることが好ましい。置換度をこの範囲にすることで、溶融流延製膜装置による良好な成形性が得られ、かつ所望の面内方向リタデーション(Ro)、及び厚み方向リタデーション(Rt)を容易に得ることができるのである。アセチル基の置換度が、この範囲より低いと、位相差フィルムとしての耐湿熱性、特に湿熱下での寸法安定性に劣る場合があり、置換度が大きすぎると、必要なリタデーション特性が発現しなくなる場合がある。
プロピオニル基を置換基として導入すると、セルロースエステルの可塑性が向上し、成形性が向上するのである。
本発明に用いられるセルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることができる。また、それらから得られたセルロースエステルは、それぞれ任意の割合で混合使用することができる。
本発明において、セルロースエステルの数平均分子量は、60000〜300000の範囲が、得られるフィルムの機械的強度が強く好ましい。さらに70000〜200000が好ましい。
〈溶媒〉
上記のセルロースエステルを溶解する溶剤(溶媒)としては、単独でも併用でもよいが、良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが、生産効率の点で好ましい。
ここで、本発明の方法において用いる良溶剤、貧溶剤とは、使用するセルロースエステルを単独で溶解するものを良溶剤、単独で膨潤するかまたは溶解しないものを貧溶剤と定義している。そのため、セルロースエステルの結合酢酸量によっては、良溶剤、貧溶剤が変わり、例えばアセトンを溶剤として用いるときには、セルロースエステルの結合酢酸量55%では良溶剤になり、結合酢酸量60%では貧溶剤となってしまう。
セルロースエステルの溶剤としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールなどの低級アルコール類、シクロヘキサン、ジオキサン類、メチレンクロールイドのような低級脂肪族塩化炭化水素類などを用いることができる。
ドープを調製する時のセルロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用いることができるが、好ましい方法としては、セルロースエステルを貧溶剤と混合し、湿潤あるいは膨潤させ、さらに良溶剤と混合する方法があげられる。このとき加圧下で、溶剤の常温での沸点以上でかつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱し、撹拌しながら溶解する方法が、「ゲル」や「ママコ」と呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため、より好ましい。
溶剤比率としては、例えばメチレンクロールイド70〜95質量%、その他の溶剤は5〜30質量%が好ましい。またセルロースエステルの濃度は10〜50質量%が好ましい。
溶剤を添加しての加熱温度は、使用溶剤の沸点以上で、かつ該溶剤が沸騰しない範囲の温度が好ましく例えば60℃以上、80〜110℃の範囲に設定するのが好適である。また、圧力は設定温度において、溶剤が沸騰しないように定められる。
溶解後、ドープは冷却しながら容器から取り出すか、または、容器からポンプ等で抜き出して熱交換器などで冷却し、これを製膜に供する。
〈可塑剤〉
本発明の光学フィルムの製造方法に用いるドープには、可塑剤が含有されるのが好ましい。可塑剤としては、特に限定するものではないが、セルロースエステルフィルムに対しては、従来公知のセルロースエステル用の可塑剤が好ましく使用できる。特に相溶性に優れたものが好ましく、例えばリン酸エステルやカルボン酸エステルが好ましい。リン酸エステルとしては、例えばトリフェニルホスフェイト、トリクレジルホスフェート、フェニルジフェニルホスフェート等を挙げることができる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステル及びクエン酸エステル等、フタル酸エステルとしては、例えばジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジオクチルフタレート及びジエチルヘキシルフタレート等、またクエン酸エステルとしてはクエン酸アセチルトリエチル及びクエン酸アセチルトリブチルを挙げることができる。またその他、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバチン酸ジブチル、トリアセチン、等も挙げられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートもこの目的で好ましく用いられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートのアルキルは炭素原子数1〜8のアルキル基である。アルキルフタリルアルキルグリコレートとしてはメチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、プロピルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等を挙げることができ、メチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレートが好ましく、特にエチルフタリルエチルグリコレートが好ましく用いられる。分子量の大きい可塑剤は、押し出し成形の際の揮発が抑制でき好ましい。これらの例としては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートなどのグリコールと二塩基酸とからなる脂肪族ポリエステル類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸などのオキシカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル類、ポリカプロールクトン、ポリプロピオラクトン、ポリバレロールクトンなどのラクトンからなる脂肪族ポリエステル類、ポリビニルピロリドンなどのビニルポリマー類などが挙げられる。上記可塑剤は、これらを単独もしくは併用して使用することができる。
上述した可塑剤の含有量は、セルロースエステルに対して1〜30質量%含有させることが好ましい。可塑剤をこの範囲含有させることで、セルロースエステルフィルムの湿熱下での寸法安定性を向上することができる。
〈他の添加剤〉
本発明のドープには、他の添加剤として、紫外線吸収剤、酸化防止剤、微粒子などを添加するのが好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができるが、着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。また、特開平10−182621号公報、特開平8−337574号公報記載の紫外線吸収剤、特開平6−148430号公報記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。紫外線吸収剤としては、偏光子や液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、かつ、液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。
本発明に有用な紫外線吸収剤の具体例として、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、市販品として、チヌビン(TINUVIN)109、チヌビン(TINUVIN)171、チヌビン(TINUVIN)326(何れもチバ・ジャパン(株)製)を好ましく使用できる。
ベンゾフェノン系化合物の具体例として、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
これらの紫外線吸収剤の配合量は、セルロースエステルに対して、0.01〜10質量%の範囲が好ましく、さらに0.1〜5質量%が好ましい。使用量が少なすぎると、紫外線吸収効果が不十分の場合があり、多すぎると、フィルムの透明性が劣化する場合がある。紫外線吸収剤は熱安定性の高いものが好ましい。
セルロースエステルのアセチル基の置換度が低いと、耐熱性が低下する場合がある。この場合、酸化防止剤を配合することが有効である。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等が挙げられる。特に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。
本発明におけるドープには、光学フィルムに滑り性を付与するために、マット剤等の微粒子を添加するのが好ましい。微粒子としては、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙げられる。
無機化合物の微粒子の例としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル株式会社製)の商品名で市販されており、使用することができる。その中でも、微粒子はケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化ケイ素が好ましい。これらの例としては、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル株式会社製)の商品名で市販されているものがあり、使用することができる。さらに、二酸化ケイ素微粒子の1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見掛比重が70g/リットル以上の二酸化ケイ素微粒子であることが好ましい。これらを満足する二酸化ケイ素の微粒子としては、例えば、アエロジル200V、アエロジルR972Vがあり、フィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいために、特に好ましい。
有機化合物の微粒子の例としては、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素化合物樹脂、ウレタン樹脂等の微粒子が挙げられる。
微粒子の1次粒径は、特に限定されないが、最終的にフィルム中での平均粒径は、0.05〜5.0μm程度が好ましい。さらに好ましくは、0.1〜1.0μmである。
微粒子の平均粒径は、セルロースエステルフィルムを電子顕微鏡や光学顕微鏡で観察した際に、フィルムの観察場所における、粒子の長軸方向の長さの平均値を指す。フィルム中で観察される粒子であれば、1次粒子であっても、1次粒子が凝集した2次粒子であってもよいが、通常観察される多くは2次粒子である。
上記の微粒子の平均粒径が5μmを超えると、ヘイズの劣化等が見られたり、異物として巻状態での故障を発生する原因にもなる。また、微粒子の平均粒径が0.05μm未満の場合は、フィルムに滑り性を付与するのが難しくなる。
上記の微粒子は、セルロースエステルに対して、0.04〜0.5質量%添加して使用される。好ましくは、0.05〜0.3質量%、さらに好ましくは0.05〜0.25質量%添加して使用される。微粒子の添加量が0.04質量%以下では、フィルム表面粗さが平滑になりすぎて、摩擦係数の上昇によりブロッキングを発生する。微粒子の添加量が0.5質量%を超えると、フィルム表面の摩擦係数が下がりすぎて、巻き取り時に巻きズレが発生したり、フィルムの透明度が低く、ヘイズが高くなるため、液晶表示装置用フィルムとしての価値を持たなくなるので、上記の範囲が必須である。
微粒子の分散は、微粒子と溶剤を混合した組成物を高圧分散装置で処理することが好ましい。本発明で用いる高圧分散装置は、微粒子と溶媒を混合した組成物を、細管中に高速通過させることで、高剪断や高圧状態など特殊な条件を作りだす装置である。
高圧分散装置で処理することにより、例えば、管径1〜2000μmの細管中で装置内部の最大圧力条件が980N/cm以上であることが好ましい。さらに好ましくは、装置内部の最大圧力条件が1960N/cm以上である。またその際、最高到達速度が100m/sec以上に達するもの、伝熱速度が100kcal/hr以上に達するものが、好ましい。
上記のような高圧分散装置としては、例えば、Microfluidics Corporation社製の超高圧ホモジナイザー(商品名マイクロフルイダイザー)あるいはナノマイザー社製ナノマイザーが挙げられ、他にもマントンゴーリン型高圧分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホモゲナイザーなどが挙げられる。
〈光学フィルムの製造方法〉
次に、本発明の光学フィルムの製造方法について、セルロースエステルフィルムを例として詳しく説明する。
まず、製造する光学フィルムの幅から、光学フィルムの製造装置における流延工程、延伸工程、乾燥工程、巻き取り工程の各工程における樹脂フィルムの幅と、樹脂フィルムの両端部の位置を決定する。次に、剥離ロール3で剥離した後、巻き取り工程までの間にある、樹脂フィルムと接触し自由回転する搬送ロールの搬送補助部が、樹脂フィルムの端部と所定の範囲で接触するように、各搬送ロールに接続された移動手段を用いて所定量移動させる。
このようにして、製造する光学フィルムの幅に応じた搬送ロールの位置を調整してから製造を始める。
まず、セルロースエステルを、良溶媒及び貧溶媒の混合溶媒に溶解し、これに可塑剤や紫外線吸収剤を添加してセルロースエステル溶液(ドープ)を調製し、ドープを鏡面処理された表面を有するエンドレス支持体上に流延ダイから流延してフィルムを得る(流延工程)。
流延される側の支持体の表面温度は、10〜55℃が好ましい。支持体温度は、高いほど溶媒の乾燥速度が速くできるので好ましいが、あまり高すぎると発泡したり、平面性が劣化する場合がある。なお、剥離する際の支持体温度を10〜40℃、さらに好ましくは、15〜30℃にすることで、フィルムと支持体との密着力を低減できるので、好ましい。
支持体上において、フィルムの溶媒を蒸発させるには、フィルム側から風を吹かせる方法、及び/または支持体の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、裏面液体伝熱の方法が乾燥効率が好ましい。またそれらを組み合わせる方法も好ましい。流延後の支持体上のフィルムを温度40〜100℃の雰囲気下、支持体上で乾燥させることが好ましい。温度40〜100℃の雰囲気下に維持するには、この温度の温風をフィルム上面に当てるか、赤外線等の手段により加熱することが好ましい。
そして、フィルムがエンドレス支持体の下面に至りほぼ一巡したところで、剥離ロールにより剥離する(剥離工程)。支持体の上下の移送経路の表裏両側に、支持体上に流延されたドープを加熱乾燥してフィルムを形成する加熱乾燥装置をそれぞれ配置するのが、好ましい。
剥離工程において、フィルムを支持体から剥離ロールにより剥離する際のフィルムの平均残留溶媒量は、20〜120質量%が好ましい。剥離工程での残留溶媒量が120質量%を越えると、剥離不良が発生しやすくなり、フィルムの破断の恐れがある。また、20質量%未満であると、途中でフィルムが剥がれたりすることがある。
残留溶媒量は、下記の式で表わせる。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはフィルムの任意時点での質量、Nは質量Mのものを110℃で3時間乾燥させたときの質量である。
上記のように剥離時の残留溶媒量を調整するには、流延後の流延用支持体の表面温度を制御し、フィルムからの有機溶媒の蒸発を効率的に行えるように、流延用支持体上の剥離位置における温度を前記の温度範囲に設定することが、好ましい。支持体温度を制御するには、伝熱効率のよい伝熱方法を使用するのがよく、例えば、液体による裏面伝熱方法が、好ましい。
輻射熱や熱風等による伝熱方法は支持体温度のコントロールが難しく、好ましい方法とはいえないが、ベルト(支持体)マシンにおいて、移送するベルトが下側に来た所の温度制御には、緩やかな風でベルト温度を調節することができる。
支持体の温度は、加熱手段を分割することによって、部分的に支持体温度を変えることができ、流延用支持体の流延位置、乾燥部、剥離位置等異なる温度とすることができる。
剥離したフィルムは、延伸工程において、クリップやピンなどでフィルムの両端を把持するテンターによりフィルムを幅方向に1.2〜1.6倍に延伸する。
延伸倍率は、所望のリタデーション特性が得られるように前記範囲内で倍率を選ぶことができる。延伸温度は、通常、フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)−40℃〜Tg+60℃の温度範囲で行われる。より好ましくはTg−20℃〜Tg+40℃の温度範囲である。延伸倍率が小さすぎると、所望のリタデーションが得られない場合があり、逆に大きすぎると、破断してしまう場合がある。延伸温度が低すぎると、破断し、また高すぎると、所望のリタデーションが得られない場合がある。
上記の方法で作製した光学フィルムのリタデーションを合目的の値に修正する場合、フィルムを長さ方向や幅手方向に延伸または収縮させてもよい。
テンターをベースの走行方向にいくつかの温度ゾーンに分けることも一般によく行われる。延伸する際の温度は所望の物性や平面性が得られるような温度が選択されるが、テンター前後の乾燥ゾーンの温度はまた種々の理由により延伸の際の温度とは異なる温度が選択されることもある。例えば、テンター前に乾燥ゾーンを配置する場合、乾燥ゾーンの雰囲気温度がテンター内の温度と異なる場合は、テンター入り口に近いゾーンの温度を、テンター前の乾燥ゾーンの温度とテンター中央部の温度の中間的な温度に設定することが一般に行われている。テンター後とテンター内の温度が異なる場合にも同様にテンター出口に近いゾーンの温度をテンター後とテンター内の温度の中間的な温度に設定する。テンター前後の乾燥ゾーンの温度は一般に30〜120℃であり、好ましくは50〜100℃、テンター内延伸部の温度は50〜180℃、好ましくは80〜140℃であり、テンター入り口部あるいは出口部の温度はそれらの中間的な温度から適宜選択される。
延伸のパターン、すなわち把持クリップの軌跡は、温度同様に膜の光学物性や平面性から選択され、様々であるが、把持開始後しばらくは一定幅で、その後延伸され、延伸終了後再び一定幅で保持されるパターンが良く用いられる。テンター出口付近のクリップ把持終了する付近では、把持を開放することによるベース振動の抑制のために幅緩和を行うことが一般に行われる。
延伸のパターンはまた延伸速度とも関連するが、延伸速度は一般的には10〜1000(%/min)好ましくは100〜500(%/min)である。この延伸速度はクリップの軌跡が曲線である場合には一定でなく、ベースの走行方向に徐々に変化する。
テンターでは、剥離したフィルムの両端部を把持手段により把持して、幅方向に延伸しながら搬送される。
延伸工程後のフィルムは乾燥工程で乾燥する。乾燥工程では、一般にロール懸垂方式でフィルムを移送しながら乾燥する方式が採られる。すなわち、セルロースエステルのフィルムは、乾燥装置内では上下に交互に配置せられた回転自在な複数の搬送ロールによってフィルムが蛇行させられ、その間にフィルムを移送しながら乾燥する方式が採られる。
本発明においては、回転自在な搬送ロールの両端部の近傍には、搬送補助部が形成され、搬送補助部とフィルムの端部とが接触することにより、ロール滑りを発生すること無く、搬送することができる。搬送補助部の形状、フィルムとの接触状態については、前述しているので説明は、省く。
フィルムを乾燥させる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行う。簡便さの点で熱風で行うのが好ましい。乾燥温度は40〜150℃の範囲で3〜5段階の温度に分けて、段々高くしていくことが好ましく、80〜140℃の範囲で行うことが寸法安定性を良くするため、さらに好ましい。
乾燥工程で乾燥が進むと樹脂フィルムの幅が収縮する。搬送ロールの移動量はこの収縮量に応じて乾燥工程の後部の搬送ロールほど大きくし、前記搬送補助部が接触する位置を制御することが更に望ましい。
乾燥工程で乾燥され、巻きとり工程でロール状に巻きとられ光学フィルムとなる。
なお、本発明の方法により溶液流延製膜法によって作製したセルロースエステルフィルムは、延伸した乾燥後のセルロースエステルフィルムの膜厚が、20〜100μmの範囲であるのが、好ましい。その理由は、セルロースエステルフィルム全体の膜厚が薄すぎると、光学フィルムを偏光板の保護フィルムとして用いた場合の強度が不足し、偏光板の寸法安定性や湿熱での保存安定性が悪化する。膜厚が厚いと偏光板が厚くなり、液晶ディスプレイの薄膜化が困難になる。これらを両立するセルロースエステルフィルムの膜厚は20〜100μmで、好ましくは30〜90μm、さらに好ましくは35〜80μmである。
膜厚の調節には、所望の厚さになるように、ドープ濃度、ポンプの送液量、ダイの口金のスリット間隙、ダイの押し出し圧力、流延用支持体の速度等をコントロールするのがよい。また、膜厚を均一にする手段として、膜厚検出手段を用いて、プログラムされたフィードバック情報を上記各装置にフィードバックさせて調節するのが、好ましい。
上記のように本発明の光学フィルムの製造方法を用いて製造された本発明の光学フィルムは、異物故障が無く高品質を有することから、液晶表示用部材、特に偏光板用保護フィルムに用いられ、偏光板に用いることができる。
〈偏光板〉
偏光フィルムは、従来から使用されている、例えば、ポリビニルアルコールフィルムの如き延伸配向可能なフィルムを、沃素のような二色性染料で処理して縦延伸したものである。偏光フィルム自身では、十分な強度、耐久性がないので、一般的にはその両面に保護フィルムとしての異方性のないセルローストリアセテートフィルムを接着して偏光板としている。
偏光板は、上記のセルロースエステルフィルムが、偏光フィルムの両側に配置された2枚の偏光板用保護フィルムのうちの少なくともいずれか一方を構成するものである。
偏光板は、上記の偏光フィルムに、本発明の光学フィルムであるセルロースエステルフィルムを位相差フィルムとして貼り合わせて作製してもよいし、また本発明の光学フィルムであるセルロースエステルフィルムを、位相差フィルム及び保護フィルムを兼ねて、直接偏光フィルムと貼り合わせて作製してもよい。貼り合わせる方法は、特に限定はないが、水溶性ポリマーの水溶液からなる接着剤により行うことができる。この水溶性ポリマー接着剤は完全鹸化型のポリビニルアルコール水溶液が好ましく用いられる。
また、長手方向に延伸し、二色性染料処理した長尺の偏光フィルムと、長尺の本発明の光学フィルムであるセルロースエステルフィルムよりなる位相差フィルムとを貼り合わせることによって、長尺の偏光板を得ることができる。偏光板はその片面または両面に感圧性接着剤層(例えば、アクリル系感圧性接着剤層など)を介して剥離性シートを積層した貼着型のもの(剥離性シートを剥すことにより、液晶セルなどに容易に貼着することができる)としてもよい。
〈液晶表示装置〉
本発明の偏光板を液晶セルの少なくとも一方の面に貼合した液晶表示装置とすることによって、輝度が向上出来、視認性に優れた本発明の液晶表示装置を作製することが出来る。本発明の光学フィルムは反射型、透過型、半透過型LCD或いはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型(PVA型、MVA型)、IPS型等の各種駆動方式のLCDで好ましく用いられる。特に画面が30型以上の大画面の表示装置では、色むらや波打ちむらが少なく、長時間の鑑賞でも目が疲れないという効果があった。
液晶表示装置における偏光板の配置位置については、特に限定はなく視認側に配置することも出来るが、散乱偏光板による後方散乱に基づく視認阻害を回避する点などから、液晶パネルの光源側における偏光板として配置することが好ましい。
図4に本発明に好ましい液晶表示装置の構成例について示すが、これに限定されるものではない。
本発明の液晶表示装置は、光反射板64、バックライト67、導光板65、光拡散板66に隣接して、本発明に係る偏光板60(本発明に係る光学フィルム61/二色性物質による光吸収作用を利用した二色性偏光子62/偏光板保護フィルム63の構成)、液晶表示パネル68、視認側偏光板69の順に積層された構成をとることが好ましい。
導光板の具体例としては、透明な樹脂板の側面に(冷,熱)陰極管等の線状光源や発光ダイオード、EL等の光源を配置し、その樹脂板に板内を伝送される光を拡散や反射、回折や干渉等により板の片面側に出射するようにしたものなどが挙げられる。導光板を含む積層偏光板の形成に際しては、光の出射方向を制御するためのプリズムシート等からなるプリズムアレイ層、均一な発光を得るための光拡散板、線状光源からの出射光を導光板の側面に導くための光源ホルダなどの補助手段を導光板の上下面や側面などの所定位置に必要に応じ1層又は2層以上を配置して適宜な組合せ体とすることが出来る。
液晶表示装置のバックライトは直下式バックライト方式であることが好ましい。具体的な直下式バックライト方式としては、特開2001−215497号公報、特開2001−305535号公報、特開2003−215585号公報、特開2004−29091号公報、特開2004−102119号公報等に記載のバックライトが有効に用いられる。
特に、本発明の偏光板を用いた液晶表示装置ではサイズが15インチ以上で、光源と偏光板の距離を短くした熱の影響が大きい薄型液晶表示装置で本発明は有効である。
なお、本発明の光学フィルムとしてのセルロースエステルフィルムには、ハードコート層、防眩層、反射防止層、防汚層、帯電防止層、導電層、光学異方層、液晶層、配向層、粘着層、接着層、下引き層等の各種機能層を付与することができる。これらの機能層は塗布あるいは蒸着、スパッタ、プラズマCVD、大気圧プラズマ処理等の方法で設けることができる。
また、本発明によるセルロースエステルフィルムは、その他、反射防止用フィルムあるいは光学補償フィルムの基材としても使用できる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
(実施例1)
〈ドープの調整〉
セルローストリアセテート 100質量部
(Mn=148000、Mw=310000、Mw/Mn=2.1)
トリフェニルフォスフェート 8質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2質量部
メチレンクロールイド 440質量部
エタノール 40質量部
チヌビン109(チバ・ジャパン(株)製) 0.5質量部
チヌビン171(チバ・ジャパン(株)製) 0.5質量部
アエロジル972V(日本アエロジル(株)製) 0.2質量部
上記の材料を密閉したドープ溶解釜に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解した。溶解後、濾紙を使用して濾過し、ドープを調製した。
〈光学フィルムの製造〉
図1に示す光学フィルムの製造装置を用いた。製造装置に用いる自由回転する搬送ロールの幅は、2400mmで、搬送ロールの両端部から中央部の方向50mmから95mmの領域に搬送補助部を形成した。搬送補助部の溝は、深さ0.5mm、幅5mmの断面がコの字形状で、5本の溝をピッチが10mmで円周上に形成したものを用いた。
まず、調製したドープを流延ダイから30℃に保ち、30℃の乾燥風を吹かせたステンレス鋼製エンドレスベルト支持体上に流延し、支持体上で溶媒を蒸発させ、樹脂フィルムを形成した後、これが約1周したところで、エンドレスベルト支持体上から剥離した。
剥離ロールで剥離した後のフィルムをテンターにより幅方向に延伸した。延伸後の樹脂フィルムの幅は、2400mmであった。この樹脂フィルムの両端45mmづつ断裁除去し、乾燥工程で自由回転する上部の搬送ロール20本と自由回転する下部の搬送ロール20本で搬送し、乾燥した。この時の搬送速度は、50m/minで、乾燥温度は、100℃であった。また、樹脂フィルムの幅方向の両端は、搬送ロールの端から搬送ロール中央部方向45mmの位置になるように設定している。よって、搬送補助部が樹脂フィルム両端部と接触する位置は、樹脂フィルムの端から5mmの位置(L1:搬送補助部のローラ端部側の端と樹脂フィルムの端との距離)から50mmの位置(L2:搬送補助部のローラ中央側の端と樹脂フィルムの端との距離)までであった(図3参照)。
このようにして、乾燥した厚さ80μmの光学フィルムAを1000m作製した。
次に、乾燥工程の上部の搬送ローラ20本と下部の搬送ローラ20本をそれぞれ搬送する樹脂フィルムの中央部方向に、それぞれ400mmずつ移動させ図2(b)のように配置した。その後、調整したドープを流延ダイから30℃に保ち、30℃の乾燥風を吹かせたステンレス鋼製エンドレスベルト支持体上に流延し、支持体上で溶媒を蒸発させ、樹脂フィルムを形成した後、これが約1周したところで、エンドレスベルト支持体上から剥離した。剥離ロールで剥離した後のフィルムをテンターにより幅方向に延伸した。延伸後の樹脂フィルムの幅は、1600mmであった。この樹脂フィルムの両端45mmづつ断裁除去した。この場合、搬送補助部が樹脂フィルム両端部と接触する位置は、樹脂フィルムの端から5mm(L1)の位置から50mmの位置(L2)であった。
このような状態で、樹脂フィルムを乾燥工程で自由回転する上部の搬送ロール20本と自由回転する下部の搬送ロール20本で搬送し、乾燥した。この時の搬送速度は、50m/minで、乾燥温度は、100℃であった。
このようにして、乾燥した厚さ80μmの光学フィルムBを1000m作製した。
ここでは膜厚が80μm、搬送速度が50m/minの場合であるが、薄くなるほど、また搬送速度が速くなるほど、擦り傷に対する効果が更に高まる。
(実施例2〜5)
実施例2〜5においては、実施例1における光学フィルムA、Bを製造するときに、光学フィルムAを製造した後、光学フィルムBを製造する前に、乾燥工程の上部の搬送ローラ20本と下部の搬送ローラ20本をそれぞれ搬送する樹脂フィルムの中央部方向に移動させた距離を変化させている。即ち、実施例2〜5においては、光学フィルムAを製造した後、実施例2〜5に対応する次の光学フィルムC、D、E、Fを作製する前に、搬送補助部が樹脂フィルムの両端部と接触する位置(L1:搬送補助部のローラ端部側の端と樹脂フィルムの端との距離、L2:搬送補助部のローラ中央側の端と樹脂フィルムの端との距離(図3参照))が表1のようになるよう変化させて、実施例2〜5に対応する光学フィルムC、D、E、Fを作製した。光学フィルムC、D、E、Fの延伸後の幅は、光学フィルムBと同じにした。その他は、実施例1と同様に行った。
(比較例1)
比較例1においては、実施例1における光学フィルムBを製造するときの搬送ロールの移動を行わなかった他は、実施例1と同様にして、光学フィルムA、Gを1000m作製した。光学フィルムGの延伸後の幅は、光学フィルムBと同じにした。乾燥工程における樹脂フィルムの両端部は、光学フィルムAの場合、搬送ロールの搬送補助部と実施例1と同様に接触していたが、光学フィルムGの場合は、樹脂フィルムの両端部と搬送ローラの搬送補助部とは接触していなかった。
〈評価方法及評価結果〉
作製した光学フィルムA、B、C、D、E、F、Gの表面を反射型CCDで擦り傷を観察した。擦り傷の長さ5mm以上のものが100mにつき7本以下を○。1本以下が◎。8本以上を×とした。8本以上あると製品品質上問題となる。
評価結果を表1に示す。また、実施例1〜5及び比較例1の各光学フィルムAは同一条件で作製しているので、擦り傷の発生状況も同じであったので、表1には、実施例1の結果を示した。
Figure 2010042886
表1の結果から、実施例1と比較例1とを比較すると、光学フィルムの幅に応じて、搬送ロールの位置を軸方向に移動して、搬送補助部と樹脂フィルムの端部とが接触するようにすることで、搬送ロールを交換することなく、擦り傷のない高品質な光学フィルムを製造できることが分かる。また、実施例1〜5を比較すると、搬送補助部が前記樹脂フィルムの端部と接触する位置は、前記樹脂フィルムの端から内側に10mm〜130mmの領域であることが好ましいことがわかる。
(偏光フィルムの製造)
実施例1〜3で作製したセルロースエステルフィルムA〜Dを用いて、工程1〜5に従って偏光板を作製した。
工程1
偏光板保護フィルムとして、実施例1〜3で作製したセルロースエステルフィルムA〜Dを60℃の2モル/Lの水酸化ナトリウム溶液に90秒間浸漬し、ついで水洗、乾燥して偏光子と貼合する側をケン化した。
同様に、反対側の偏光板保護フィルムとして、市販のセルロースエステルフィルムKC8UCR−5(コニカミノルタオプト(株)製:位相差フィルム)のケン化も行った。
工程2
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子を固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒浸漬した。
工程3
工程2で偏光子に付着した過剰の接着剤を軽く拭き除き、これを工程1で処理したセルロースエステルフィルムの鹸化した面上にのせ、更に反対側の偏光板保護フィルムとして、工程1で処理した市販のセルロースエステルフィルムKC8UCR−5の鹸化した面が偏光子に接するようにして積層し、偏光板とした。
工程4
工程3でセルロースエステルフィルムと偏光子を積層した偏光板を、圧力20〜30N/cm、搬送スピードは約2m/分で貼合した。
工程5
80℃の乾燥機中に工程4で作製した偏光板を2分間乾燥した。
(偏光板の評価)
実施例1〜3のセルロースエステルフィルムA〜Dを用いて作製した偏光板を用いて、以下の評価を行った。
作製した偏光板の吸収軸を直交させ、暗室中でライトテーブル上に置き1mあたりの
輝点(光漏れの発生している故障部分)を数えた。実施例1〜3のセルロースエステルフィルムA〜Dを用いて作製した偏光板全て、光漏れの故障が無く、良好であった。
(液晶表示装置の作製)
実施例1〜3のセルロースエステルフィルムA〜Dを用いて作製した偏光板を用いて、視認性評価を行う液晶パネルを以下のようにして作製した。
IPSモード型液晶表示装置である日立製液晶テレビWooo W17−LC50を用いてあらかじめ貼合されていた両面の偏光板を剥がして上記で作製した偏光板をそれぞれ液晶セルのガラス面に貼合した。その際、偏光板の貼合の向きは、該偏光板のセルロースエステルフィルムの面が、バックライト側となるように、かつ、予め貼合されていた偏光板と同一の方向に吸収軸が向くように行い、液晶表示装置を各々作製した。
(液晶表示装置の視認性評価)
上記で作製した液晶パネルで白および黒を表示させて、その時の輝度ムラ、光漏れを目視で評価した。実施例1〜3で作製した本発明の光学フィルムA〜Dを用いた偏光板を使用して作製した液晶パネルでは白表示での輝度ムラが少なく、黒表示の光漏れもほとんどなく、良好であった。
本発明の光学フィルムの製造方法の実施形態を示す模式図である。 製造する光学フィルムの幅が変更されたときに搬送ローラを移動する方法を説明するための模式図である。 本発明に係る搬送ローラに形成した搬送補助部を説明するための模式図である。 本発明に係る液晶表示装置の構成例を示す模式図である。
符号の説明
1 鏡面帯状金属流延ベルト、ベルト
2 ダイス
3 剥離ロール
4 外箱
4a、5a 乾燥風取り入れ口
4b、5b 排出口
4c テンター延伸装置
5 乾燥箱
6a、6b 搬送ロール
7 搬送ロール
8 巻き取り装置
10 セルロースエステルフィルム
10a、10b 樹脂フィルム
60 偏光板
61 本発明に係る光学フィルム
62 二色性偏光子
63 偏光板保護フィルム
64 光拡散板
65 導光板
66 光拡散板
67 バックライト
68 液晶表示パネル
69 視認側偏光板
100 光学フィルムの製造装置
101 流延工程
102 延伸工程
103 乾燥工程
104 巻き取り工程

Claims (13)

  1. 連続する樹脂フィルムを回転自在な複数の搬送ロールと接触させて搬送し、巻きとる光学フィルムの製造方法において、
    前記搬送ロールは、少なくとも片方の端部近傍の周面に搬送補助部を有し、前記樹脂フィルムの一方の端部と前記搬送補助部とが接触するように、
    前記樹脂フィルムの幅に応じて、前記搬送ロールを、該搬送ロールの軸方向に移動することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  2. 前記複数の搬送ロールの内、前記樹脂フィルムを搬送する経路で隣り合う2本の搬送ロールにおいて、
    一方の搬送ロールの搬送補助部が前記樹脂フィルムの一方の端部と接触するとき、他方の搬送ロールの搬送補助部が前記樹脂フィルムの他方の端部と接触することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 前記樹脂フィルムの一方の端部と前記搬送補助部とが、前記樹脂フィルムの端から内側の位置で接触するように、前記樹脂フィルムの幅に応じて、前記搬送ロールを、該搬送ロールの軸方向に移動することを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
  4. 前記搬送補助部が前記樹脂フィルムの端部と接触する位置は、前記樹脂フィルムの端から内側に10mm〜130mmの領域であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
  5. 前記樹脂フィルムの幅が、1200mm〜3400mmであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
  6. 前記搬送補助部は、溝で形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の光学フィルムの製造方法。
  7. 前記樹脂フィルムがセルロースエステルフィルムであることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の光学フィルムの製造方法。
  8. 連続する樹脂フィルムを回転自在な複数の搬送ロールと接触させて搬送する搬送手段と、前記樹脂フィルムを巻きとる巻きとり手段とを有する光学フィルムの製造装置において、
    前記搬送ロールは、少なくとも片方の端部近傍の周面に搬送補助部を有し、
    前記樹脂フィルムの一方の端部と前記搬送補助部とが接触するように、
    前記樹脂フィルムの幅に応じて、前記搬送ロールを、該搬送ロールの軸方向に移動する移動手段を有することを特徴とする光学フィルムの製造装置。
  9. 前記複数の搬送ロールの内、前記樹脂フィルムを搬送する経路で隣り合う2本の搬送ロールにおいて、
    一方の搬送ロールの搬送補助部が前記樹脂フィルムの一方の端部と接触するとき、他方の搬送ロールの搬送補助部が前記樹脂フィルムの他方の端部と接触することを特徴とする請求項8に記載の光学フィルムの製造装置。
  10. 前記搬送補助部が前記樹脂フィルムの端部と接触する位置は、前記樹脂フィルムの端から内側に10mm〜130mmの領域であることを特徴とする請求項8又は9に記載の光学フィルムの製造装置。
  11. 請求項8乃至10の何れか1項に記載の光学フィルムの製造装置を用いて製造されることを特徴とする光学フィルム。
  12. 請求項11に記載の光学フィルムを一方の面に用いたことを特徴とする偏光板。
  13. 請求項12に記載の偏光板を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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