JP2010042886A - 光学フィルムの製造方法、光学フィルムの製造装置、光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転自在な複数の搬送ロールは、少なくとも片方の端部近傍の周面に搬送補助部を有し、樹脂フィルムの一方の端部と搬送補助部とが接触するように、樹脂フィルムの幅に応じて、搬送ロールを、軸方向に移動することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
連続する樹脂フィルムを回転自在な複数の搬送ロールと接触させて搬送し、巻きとる光学フィルムの製造方法において、
前記搬送ロールは、少なくとも片方の端部近傍の周面に搬送補助部を有し、前記樹脂フィルムの一方の端部と前記搬送補助部とが接触するように、
前記樹脂フィルムの幅に応じて、前記搬送ロールを、該搬送ロールの軸方向に移動することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
前記複数の搬送ロールの内、前記樹脂フィルムを搬送する経路で隣り合う2本の搬送ロールにおいて、
一方の搬送ロールの搬送補助部が前記樹脂フィルムの一方の端部と接触するとき、他方の搬送ロールの搬送補助部が前記樹脂フィルムの他方の端部と接触することを特徴とする前記1に記載の光学フィルムの製造方法。
前記樹脂フィルムの一方の端部と前記搬送補助部とが、前記樹脂フィルムの端から内側の位置で接触するように、前記樹脂フィルムの幅に応じて、前記搬送ロールを、該搬送ロールの軸方向に移動することを特徴とする前記1又は2の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
前記搬送補助部が前記樹脂フィルムの端部と接触する位置は、前記樹脂フィルムの端から内側に10mm〜130mmの領域であることを特徴とする前記1乃至3の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
前記樹脂フィルムの幅が、1200mm〜3400mmであることを特徴とする前記1乃至4の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
前記搬送補助部は、溝で形成されていることを特徴とする前記1乃至5の何れかに記載の光学フィルムの製造方法。
前記樹脂フィルムがセルロースエステルフィルムであることを特徴とする前記1乃至6の何れかに記載の光学フィルムの製造方法。
連続する樹脂フィルムを回転自在な複数の搬送ロールと接触させて搬送する搬送手段と、前記樹脂フィルムを巻きとる巻きとり手段とを有する光学フィルムの製造装置において、
前記搬送ロールは、少なくとも片方の端部近傍の周面に搬送補助部を有し、
前記樹脂フィルムの一方の端部と前記搬送補助部とが接触するように、
前記樹脂フィルムの幅に応じて、前記搬送ロールを、該搬送ロールの軸方向に移動する移動手段を有することを特徴とする光学フィルムの製造装置。
前記複数の搬送ロールの内、前記樹脂フィルムを搬送する経路で隣り合う2本の搬送ロールにおいて、
一方の搬送ロールの搬送補助部が前記樹脂フィルムの一方の端部と接触するとき、他方の搬送ロールの搬送補助部が前記樹脂フィルムの他方の端部と接触することを特徴とする前記8に記載の光学フィルムの製造装置。
前記搬送補助部が前記樹脂フィルムの端部と接触する位置は、前記樹脂フィルムの端から内側に10mm〜130mmの領域であることを特徴とする前記8又は9に記載の光学フィルムの製造装置。
前記8乃至10の何れか1項に記載の光学フィルムの製造装置を用いて製造されることを特徴とする光学フィルム。
前記11に記載の光学フィルムを一方の面に用いたことを特徴とする偏光板。
前記12に記載の偏光板を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
〈原料樹脂〉
本発明に用いる原料樹脂としては、光学フィルムとして一般に用いられる樹脂フィルムの原料樹脂であれば良く、特に限定するものではないが、例えばセルロースエステルを用いることが好ましい。セルロースエステルは、セルロース由来の水酸基がアシル基などで置換されたセルロースエステルである。例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートなどのセルロースアシレートや、脂肪族ポリエステルグラフト側鎖を有するセルロースアセテートなどが挙げられる。中でも、セルロースアセテートプロピオネート、脂肪族ポリエステルグラフト側鎖を有するセルロースアセテートが好ましい。本発明の効果を阻害しない範囲であれば、その他の置換基が含まれていてもよい。
〈溶媒〉
上記のセルロースエステルを溶解する溶剤(溶媒)としては、単独でも併用でもよいが、良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが、生産効率の点で好ましい。
〈可塑剤〉
本発明の光学フィルムの製造方法に用いるドープには、可塑剤が含有されるのが好ましい。可塑剤としては、特に限定するものではないが、セルロースエステルフィルムに対しては、従来公知のセルロースエステル用の可塑剤が好ましく使用できる。特に相溶性に優れたものが好ましく、例えばリン酸エステルやカルボン酸エステルが好ましい。リン酸エステルとしては、例えばトリフェニルホスフェイト、トリクレジルホスフェート、フェニルジフェニルホスフェート等を挙げることができる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステル及びクエン酸エステル等、フタル酸エステルとしては、例えばジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジオクチルフタレート及びジエチルヘキシルフタレート等、またクエン酸エステルとしてはクエン酸アセチルトリエチル及びクエン酸アセチルトリブチルを挙げることができる。またその他、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバチン酸ジブチル、トリアセチン、等も挙げられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートもこの目的で好ましく用いられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートのアルキルは炭素原子数1〜8のアルキル基である。アルキルフタリルアルキルグリコレートとしてはメチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、プロピルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等を挙げることができ、メチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレートが好ましく、特にエチルフタリルエチルグリコレートが好ましく用いられる。分子量の大きい可塑剤は、押し出し成形の際の揮発が抑制でき好ましい。これらの例としては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートなどのグリコールと二塩基酸とからなる脂肪族ポリエステル類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸などのオキシカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル類、ポリカプロールクトン、ポリプロピオラクトン、ポリバレロールクトンなどのラクトンからなる脂肪族ポリエステル類、ポリビニルピロリドンなどのビニルポリマー類などが挙げられる。上記可塑剤は、これらを単独もしくは併用して使用することができる。
〈他の添加剤〉
本発明のドープには、他の添加剤として、紫外線吸収剤、酸化防止剤、微粒子などを添加するのが好ましい。
〈光学フィルムの製造方法〉
次に、本発明の光学フィルムの製造方法について、セルロースエステルフィルムを例として詳しく説明する。
ここで、Mはフィルムの任意時点での質量、Nは質量Mのものを110℃で3時間乾燥させたときの質量である。
〈偏光板〉
偏光フィルムは、従来から使用されている、例えば、ポリビニルアルコールフィルムの如き延伸配向可能なフィルムを、沃素のような二色性染料で処理して縦延伸したものである。偏光フィルム自身では、十分な強度、耐久性がないので、一般的にはその両面に保護フィルムとしての異方性のないセルローストリアセテートフィルムを接着して偏光板としている。
〈液晶表示装置〉
本発明の偏光板を液晶セルの少なくとも一方の面に貼合した液晶表示装置とすることによって、輝度が向上出来、視認性に優れた本発明の液晶表示装置を作製することが出来る。本発明の光学フィルムは反射型、透過型、半透過型LCD或いはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型(PVA型、MVA型)、IPS型等の各種駆動方式のLCDで好ましく用いられる。特に画面が30型以上の大画面の表示装置では、色むらや波打ちむらが少なく、長時間の鑑賞でも目が疲れないという効果があった。
(実施例1)
〈ドープの調整〉
セルローストリアセテート 100質量部
(Mn=148000、Mw=310000、Mw/Mn=2.1)
トリフェニルフォスフェート 8質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2質量部
メチレンクロールイド 440質量部
エタノール 40質量部
チヌビン109(チバ・ジャパン(株)製) 0.5質量部
チヌビン171(チバ・ジャパン(株)製) 0.5質量部
アエロジル972V(日本アエロジル(株)製) 0.2質量部
上記の材料を密閉したドープ溶解釜に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解した。溶解後、濾紙を使用して濾過し、ドープを調製した。
図1に示す光学フィルムの製造装置を用いた。製造装置に用いる自由回転する搬送ロールの幅は、2400mmで、搬送ロールの両端部から中央部の方向50mmから95mmの領域に搬送補助部を形成した。搬送補助部の溝は、深さ0.5mm、幅5mmの断面がコの字形状で、5本の溝をピッチが10mmで円周上に形成したものを用いた。
(実施例2〜5)
実施例2〜5においては、実施例1における光学フィルムA、Bを製造するときに、光学フィルムAを製造した後、光学フィルムBを製造する前に、乾燥工程の上部の搬送ローラ20本と下部の搬送ローラ20本をそれぞれ搬送する樹脂フィルムの中央部方向に移動させた距離を変化させている。即ち、実施例2〜5においては、光学フィルムAを製造した後、実施例2〜5に対応する次の光学フィルムC、D、E、Fを作製する前に、搬送補助部が樹脂フィルムの両端部と接触する位置(L1:搬送補助部のローラ端部側の端と樹脂フィルムの端との距離、L2:搬送補助部のローラ中央側の端と樹脂フィルムの端との距離(図3参照))が表1のようになるよう変化させて、実施例2〜5に対応する光学フィルムC、D、E、Fを作製した。光学フィルムC、D、E、Fの延伸後の幅は、光学フィルムBと同じにした。その他は、実施例1と同様に行った。
(比較例1)
比較例1においては、実施例1における光学フィルムBを製造するときの搬送ロールの移動を行わなかった他は、実施例1と同様にして、光学フィルムA、Gを1000m作製した。光学フィルムGの延伸後の幅は、光学フィルムBと同じにした。乾燥工程における樹脂フィルムの両端部は、光学フィルムAの場合、搬送ロールの搬送補助部と実施例1と同様に接触していたが、光学フィルムGの場合は、樹脂フィルムの両端部と搬送ローラの搬送補助部とは接触していなかった。
作製した光学フィルムA、B、C、D、E、F、Gの表面を反射型CCDで擦り傷を観察した。擦り傷の長さ5mm以上のものが100m2につき7本以下を○。1本以下が◎。8本以上を×とした。8本以上あると製品品質上問題となる。
(偏光フィルムの製造)
実施例1〜3で作製したセルロースエステルフィルムA〜Dを用いて、工程1〜5に従って偏光板を作製した。
偏光板保護フィルムとして、実施例1〜3で作製したセルロースエステルフィルムA〜Dを60℃の2モル/Lの水酸化ナトリウム溶液に90秒間浸漬し、ついで水洗、乾燥して偏光子と貼合する側をケン化した。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子を固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒浸漬した。
工程2で偏光子に付着した過剰の接着剤を軽く拭き除き、これを工程1で処理したセルロースエステルフィルムの鹸化した面上にのせ、更に反対側の偏光板保護フィルムとして、工程1で処理した市販のセルロースエステルフィルムKC8UCR−5の鹸化した面が偏光子に接するようにして積層し、偏光板とした。
工程3でセルロースエステルフィルムと偏光子を積層した偏光板を、圧力20〜30N/cm2、搬送スピードは約2m/分で貼合した。
80℃の乾燥機中に工程4で作製した偏光板を2分間乾燥した。
(偏光板の評価)
実施例1〜3のセルロースエステルフィルムA〜Dを用いて作製した偏光板を用いて、以下の評価を行った。
輝点(光漏れの発生している故障部分)を数えた。実施例1〜3のセルロースエステルフィルムA〜Dを用いて作製した偏光板全て、光漏れの故障が無く、良好であった。
(液晶表示装置の作製)
実施例1〜3のセルロースエステルフィルムA〜Dを用いて作製した偏光板を用いて、視認性評価を行う液晶パネルを以下のようにして作製した。
(液晶表示装置の視認性評価)
上記で作製した液晶パネルで白および黒を表示させて、その時の輝度ムラ、光漏れを目視で評価した。実施例1〜3で作製した本発明の光学フィルムA〜Dを用いた偏光板を使用して作製した液晶パネルでは白表示での輝度ムラが少なく、黒表示の光漏れもほとんどなく、良好であった。
2 ダイス
3 剥離ロール
4 外箱
4a、5a 乾燥風取り入れ口
4b、5b 排出口
4c テンター延伸装置
5 乾燥箱
6a、6b 搬送ロール
7 搬送ロール
8 巻き取り装置
10 セルロースエステルフィルム
10a、10b 樹脂フィルム
60 偏光板
61 本発明に係る光学フィルム
62 二色性偏光子
63 偏光板保護フィルム
64 光拡散板
65 導光板
66 光拡散板
67 バックライト
68 液晶表示パネル
69 視認側偏光板
100 光学フィルムの製造装置
101 流延工程
102 延伸工程
103 乾燥工程
104 巻き取り工程
Claims (13)
- 連続する樹脂フィルムを回転自在な複数の搬送ロールと接触させて搬送し、巻きとる光学フィルムの製造方法において、
前記搬送ロールは、少なくとも片方の端部近傍の周面に搬送補助部を有し、前記樹脂フィルムの一方の端部と前記搬送補助部とが接触するように、
前記樹脂フィルムの幅に応じて、前記搬送ロールを、該搬送ロールの軸方向に移動することを特徴とする光学フィルムの製造方法。 - 前記複数の搬送ロールの内、前記樹脂フィルムを搬送する経路で隣り合う2本の搬送ロールにおいて、
一方の搬送ロールの搬送補助部が前記樹脂フィルムの一方の端部と接触するとき、他方の搬送ロールの搬送補助部が前記樹脂フィルムの他方の端部と接触することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。 - 前記樹脂フィルムの一方の端部と前記搬送補助部とが、前記樹脂フィルムの端から内側の位置で接触するように、前記樹脂フィルムの幅に応じて、前記搬送ロールを、該搬送ロールの軸方向に移動することを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
- 前記搬送補助部が前記樹脂フィルムの端部と接触する位置は、前記樹脂フィルムの端から内側に10mm〜130mmの領域であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
- 前記樹脂フィルムの幅が、1200mm〜3400mmであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
- 前記搬送補助部は、溝で形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の光学フィルムの製造方法。
- 前記樹脂フィルムがセルロースエステルフィルムであることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の光学フィルムの製造方法。
- 連続する樹脂フィルムを回転自在な複数の搬送ロールと接触させて搬送する搬送手段と、前記樹脂フィルムを巻きとる巻きとり手段とを有する光学フィルムの製造装置において、
前記搬送ロールは、少なくとも片方の端部近傍の周面に搬送補助部を有し、
前記樹脂フィルムの一方の端部と前記搬送補助部とが接触するように、
前記樹脂フィルムの幅に応じて、前記搬送ロールを、該搬送ロールの軸方向に移動する移動手段を有することを特徴とする光学フィルムの製造装置。 - 前記複数の搬送ロールの内、前記樹脂フィルムを搬送する経路で隣り合う2本の搬送ロールにおいて、
一方の搬送ロールの搬送補助部が前記樹脂フィルムの一方の端部と接触するとき、他方の搬送ロールの搬送補助部が前記樹脂フィルムの他方の端部と接触することを特徴とする請求項8に記載の光学フィルムの製造装置。 - 前記搬送補助部が前記樹脂フィルムの端部と接触する位置は、前記樹脂フィルムの端から内側に10mm〜130mmの領域であることを特徴とする請求項8又は9に記載の光学フィルムの製造装置。
- 請求項8乃至10の何れか1項に記載の光学フィルムの製造装置を用いて製造されることを特徴とする光学フィルム。
- 請求項11に記載の光学フィルムを一方の面に用いたことを特徴とする偏光板。
- 請求項12に記載の偏光板を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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