JP2010039287A - 原版データ作成プログラム、原版データ作成方法、原版作成方法、露光方法及びデバイス製造方法 - Google Patents

原版データ作成プログラム、原版データ作成方法、原版作成方法、露光方法及びデバイス製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010039287A
JP2010039287A JP2008203251A JP2008203251A JP2010039287A JP 2010039287 A JP2010039287 A JP 2010039287A JP 2008203251 A JP2008203251 A JP 2008203251A JP 2008203251 A JP2008203251 A JP 2008203251A JP 2010039287 A JP2010039287 A JP 2010039287A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
original
pattern
optical system
mask
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008203251A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5159501B2 (ja
JP2010039287A5 (ja
Inventor
Kenji Yamazoe
賢治 山添
Noriyuki Honda
徳行 本多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2008203251A priority Critical patent/JP5159501B2/ja
Priority to US12/512,649 priority patent/US8321815B2/en
Priority to TW098126279A priority patent/TWI417753B/zh
Priority to KR1020090071564A priority patent/KR101185865B1/ko
Priority to EP09167265A priority patent/EP2151714B1/en
Publication of JP2010039287A publication Critical patent/JP2010039287A/ja
Publication of JP2010039287A5 publication Critical patent/JP2010039287A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5159501B2 publication Critical patent/JP5159501B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70425Imaging strategies, e.g. for increasing throughput or resolution, printing product fields larger than the image field or compensating lithography- or non-lithography errors, e.g. proximity correction, mix-and-match, stitching or double patterning
    • G03F7/70433Layout for increasing efficiency or for compensating imaging errors, e.g. layout of exposure fields for reducing focus errors; Use of mask features for increasing efficiency or for compensating imaging errors
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F1/00Originals for photomechanical production of textured or patterned surfaces, e.g., masks, photo-masks, reticles; Mask blanks or pellicles therefor; Containers specially adapted therefor; Preparation thereof
    • G03F1/36Masks having proximity correction features; Preparation thereof, e.g. optical proximity correction [OPC] design processes
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70483Information management; Active and passive control; Testing; Wafer monitoring, e.g. pattern monitoring
    • G03F7/70491Information management, e.g. software; Active and passive control, e.g. details of controlling exposure processes or exposure tool monitoring processes
    • G03F7/705Modelling or simulating from physical phenomena up to complete wafer processes or whole workflow in wafer productions

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

【課題】 目標パターンを基板に精度良く形成するための原版のデータを少ない計算量で算出することができるプログラム及び方法を提供する。
【解決手段】 原版のデータを算出するために以下のステップをコンピュータに実行させるプログラム。基板に形成すべき目標パターンを設定するステップ。目標パターンに関するデータを周波数領域のデータに変換するステップ。原版が投影光学系の物体面に配置されていない場合に照明装置が投影光学系の瞳面に形成する有効光源を表す関数と、投影光学系の瞳関数と、を用いて2次元相互透過係数を算出するステップ。周波数領域のデータと、算出された2次元相互透過係数の少なくとも1つの成分のデータとを用いて、物体面にあるとされるパターンからの回折光分布を算出するステップ。該算出された回折光分布のデータを空間領域のデータに変換することにより原版のデータを決定するステップ。
【選択図】 図5

Description

本発明は、原版データ作成プログラム、原版データ作成方法、原版作成方法、露光方法及びデバイス製造方法に関する。
原版(マスク又はレチクル)に描画された回路パターンを投影光学系によってウエハに露光する投影露光装置には、高解像性能が要求されている。高解像度を達成する手段として投影光学系の開口数(NA)を増加する方法、露光波長(λ)の短波長化、及び、k1ファクターを小さくする方法が知られている。
k1ファクターが小さくなればなるほど、マスクパターンとウエハ面上に形成されるパターンが異なる。従来は、目標となるパターンがウエハ面上に形成されるようになるまで、試行錯誤でマスクパターンの変形を繰り返して、最適なマスクパターンを計算していた。
しかし、近年、ウエハ面上に露光したい目標パターンから、マスクパターンを導出する方法が脚光を浴びてきた。いわゆる、インバースリソグラフィーと言われる分野である。インバースリソグラフィーの考え方そのものは1980年代に提案されたものであるが、当時は計算方法が確立されておらず、かつ、当時の計算機の能力では実用的なマスクの設計方法はなかった。
近年の計算方法とコンピュータ性能の向上により、いろいろなインバースリソグラフィーの手法が提案された。例えば、特許文献1、及び、特許文献2に記載の手法がある。また、非特許文献1(Yuri Granik著)に記載の手法はインバースリソグラフィーの標準的考え方になっている。
米国特許出願公開第2006/0269875号明細書 米国特許第7124394号明細書 「Solving inverse problems of optical microlithography」,Proc. of SPIE,USA,SPIE press,2005,Vol.5754,pp.506−526
上述の公知例に共通な考え方は2点ある。第1の共通点は、ウエハ面上の光強度分布を、複数種類の固有関数の和として表現していることである。この手法については後に詳しく説明するが、計算が複雑であり計算に長い時間を要する。第2の共通点は最適化問題を解くことである。一般に最適化問題を解くためには多大な計算時間を必要とする。
そこで、本発明は、目標パターンを基板に精度良く形成するための原版のデータを少ない計算量で算出することができる原版データ作成プログラム及び方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の側面としての原版データ作成プログラムは、照明装置を用いて原版を照明し、投影光学系を介して前記原版のパターンの像を基板に露光する際に使用する前記原版のデータの算出をコンピュータに実行させる原版データ作成プログラムであって、前記基板に形成すべき目標パターンを設定するステップと、前記目標パターンに関するデータを周波数領域のデータに変換するステップと、前記原版が前記投影光学系の物体面に配置されていない場合に前記照明装置が前記投影光学系の瞳面に形成する光強度分布を表す関数と、前記投影光学系の瞳関数と、を用いて2次元相互透過係数を算出するステップと、前記周波数領域のデータと、算出された前記2次元相互透過係数の少なくとも1つの成分のデータとを用いて、前記物体面にあるとされるパターンからの回折光分布を算出するステップと、該算出された回折光分布のデータを空間領域のデータに変換し、前記空間領域のデータを用いて前記原版のデータを求めるステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明の第2の側面としての原版データ作成方法は、照明装置を用いて原版を照明し、投影光学系を介して前記原版のパターンの像を基板に露光する際に使用する前記原版のデータを算出する原版データ作成方法であって、前記基板に形成すべき目標パターンを設定するステップと、前記目標パターンに関するデータを周波数領域のデータに変換するステップと、前記原版が前記投影光学系の物体面に配置されていない場合に前記照明装置が前記投影光学系の瞳面に形成する光強度分布を表す関数と、前記投影光学系の瞳関数と、を用いて2次元相互透過係数を算出するステップと、前記周波数領域のデータと、算出された前記2次元相互透過係数の少なくとも1つの成分のデータとを用いて、前記物体面にあるとされるパターンからの回折光分布を算出するステップと、該算出された回折光分布のデータを空間領域のデータに変換し、前記空間領域のデータを用いて前記原版のデータを求めるステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、形成すべき目標パターンから原版のデータを少ない計算量で精度良く計算することができる。
本発明で開示する概念は、数学的にモデル化することができる。そのため、コンピュータ・システムのソフトウェア機能として実装可能である。コンピュータ・システムのソフトウェア機能は実行可能なコードを含んだプログラミングを含み、本実施形態では原版データの算出を実行する。ソフトウエア・コードは、コンピュータ・システムのプロセッサによって実行される。ソフトウエア・コード動作中において、コード又は関連データ記録は、コンピュータ・プラットフォームに格納される。但し、ソフトウエア・コードは、他の場所に格納される、或いは、適切なコンピュータ・システムにロードされることもある。従って、ソフトウエア・コードは、1つ又は複数のモジュールとして、コンピュータで読み取り可能な記録媒体で保持することができる。本発明は、上述したコードという形式で記述することが可能であり、1つ又は複数のソフトウェア製品として機能させることができる。
まず、本実施形態における露光装置の座標系について説明する。露光装置の座標系は、本実施形態では2つに大別される。第1の座標系は、マスク面(投影光学系の物体面)とウエハ面(投影光学系の像面)における座標であり、本実施形態では(x,y)で表す。マスク面上のパターンの大きさとウエハ面上のパターンの大きさとでは、投影光学系の倍率分だけ異なる。ただし、以下では説明を簡単にするために、マスク面上のパターンの大きさに投影光学系の倍率をかけて、マスク面上のパターンの大きさとウエハ面上のパターンの大きさを1:1で対応させる。これにより、マスク面の座標系とウエハ面の座標系も1:1で対応する。
第2の座標系は投影光学系の瞳面のおける座標であって、本実施形態では(f,g)で表す。また、投影光学系の瞳面における座標(f、g)は、投影光学系の瞳の半径が1となるように規格化した座標系である。
露光装置では、投影光学系の物体面にマスクを配置しない状態において、投影光学系の瞳面に形成される光強度分布を有効光源と呼び、本実施形態ではS(f、g)で表す。また、投影光学系の瞳は本実施形態では瞳関数P(f、g)で表す。瞳関数には収差や偏光の影響(情報)を組み込むことができるため、一般的に瞳関数といえば、収差や偏光の影響が含まれる。
露光装置は、部分コヒーレント照明で原版であるマスクを照明して、マスクのパターン(マスクパターン)を、基板であるウエハに投影する。本実施形態では、透過率及び位相情報を含むマスクパターンをo(x、y)で定義し、投影光学系の像面(ウエハ面)に形成される光強度分布(空中像)をI(x、y)で定義する。また、マスクパターンで回折された回折光の振幅は、投影光学系の瞳面で定義され、本実施形態ではa(f、g)と表す。
ここで、従来の部分コヒーレント結像計算について説明する。従来の部分コヒーレント結像計算(投影光学系の像面における光強度分布の計算)は、3種類の計算方法に大別することができる。
第1の計算方法は、光源面積分の方法(所謂、アッベの方法)である。具体的には、光源面積分の方法は、以下の数式1に示すように、光強度分布I(x、y)を算出する。
Figure 2010039287
数式1において、Nは数値計算上の点光源の数を表し、Fはフーリエ変換を表す。
第2の計算方法は、相互透過係数(TCC:Transmission cross coefficient)を固有値分解せずに計算する方法である。TCCは、以下の数式2に示すように定義される。
Figure 2010039287
ただし、アスタリスク「*」は複素共役を表す。数式2から、TCCは4次元関数であることがわかる。光強度分布I(x、y)は、TCCを用いることで、以下の数式3から算出することができる。
Figure 2010039287
数式3において、Nは、i、j、k、lがとりうる種類(数)を表し、数値計算上の瞳分割数に依存する。
第3の計算方法はSOCSと呼ばれる方法であって、数式2に示すTCCを複数の固有値及び固有関数に分解する。第i番目の固有値をλ、第i番目の固有関数をψ(f,g)とすれば、光強度分布I(x、y)は以下の数式4で算出される。
Figure 2010039287
数式4において、Nは数値計算上の点光源の数を表す。上記の非特許文献1に記載のインバースリソグラフィーでは、数式4を用いて最適化問題を解いていた。数式4において、固有値が大きい順番に固有値を並び替えたときの第1番目の固有値と、対応する固有関数と用いると、光強度分布I(x、y)は数式5で近似される。
Figure 2010039287
数式5は、部分コヒーレント結像を簡略化しているので最適化問題の複雑さを低減できる反面、最適解の精度が低い。
本実施形態では、数式4及び数式5を用いるのではなく、数式3を変形した式を用いる。まず、数式3を数式6のように書き換える。
Figure 2010039287
ただし、F−1は逆フーリエ変換を表す。Wf’,g’(f’’,g’’)は、ある固定の(f’,g’)に対して、下記の数式7のように定義される。
Figure 2010039287
(f’,g’)が固定されているのでWf’,g’(f’’,g’’)は2次元関数であるため、2次元相互透過係数と呼ぶことにする。
有効光源の中心はf=g=0に対応し、瞳座標系の原点にあるとする。投影光学系の瞳関数P(f,g)を原点から(f’,g’)だけずらした関数と、投影光学系の瞳関数の複素共役P(f,g)を原点から(f’’,g’’)だけずらした関数と、有効光源を表現する関数とが重なっている部分の和がTCCと定義される。
一方、Wf’,g’(f’’,g’’)は、瞳関数P(f,g)のずれが一定量(f’,g’)のときに定義される。有効光源を表す関数と、原点から(f’,g’)だけずれた瞳関数Pとが重なっている部分が、瞳関数の複素共役P(f,g)を原点から(f’’,g’’)だけずらした関数と重なっている部分の和として定義される。
すなわち、有効光源を表現する関数S(f,g)と瞳関数を(f’,g’)だけずらした関数P(f+f’,g+g’)との積、及び、瞳関数の複素共役関数P(f,g)の畳み込み積分を行えば2次元相互透過係数が得られる。(f’,g’)に設定されうる全て条件で2次元相互透過係数を求めれば、4次元の相互透過係数TCCを求めることができる。
数式6では4次元関数のTCCを算出する必要はなく、2次元相互透過係数の2重ループの計算のみで済むので、計算量を小さくすることができ、計算時間を短縮することができる。
数式6の両辺をフーリエ変換すれば、数式8の近似式を得る。なお、数式8を導くにあたり位相項は無視してある。
Figure 2010039287
以下、数式8に示すa(f,g)の求め方を説明する。なお、数式8に示すI(x,y)は、目標パターンの光強度分布であるので既知の値である。Wf’,g’(f,g)は有効光源から導出可能である。
I(x,y)をフーリエ変換等を用いて周波数領域に変換した関数をI’(f,g)とする。数値計算上、I’(f,g)は全部でM個あり、それらをI’、I’、・・・、I’とする。同様に、a(f,g)もM個あり、それらをa、a、・・・、aとする。f’とg’のある組み合わせにおけるWf’,g’(f,g)もM個あり、それらをg11、g12、・・・、g1Mとする。f’とg’の別の組み合わせにおけるWf’,g’(f,g)をg21、g22、・・・、g2Mとする。f’とg’の組み合わせは全部でM個あるので、gM1、gM2、・・・、gMMまで定義することができる。
そして、数式8の両辺をa(f,g)で割って、行列表示すると下記の数式9のようになる。
Figure 2010039287
、a、・・・、aを求めるためには、数式9の左辺のa、a、・・・、aに適切な値b、b、・・・、bを代入すればよい。代入した式を数式10に示す。
Figure 2010039287
、a、・・・、aはマスクからの回折光なので、短時間で精度良くa、a、・・・、aを求めるために、b、b、・・・、bに、例えばI’、I’、・・・、I’を代入する。その式を数式11に示す。
Figure 2010039287
数式11のa(f,g)について解けば、近似的にa、a、・・・、aを算出することができる。
、a、・・・、aを算出した後、求められたa、a、・・・、aを逆フーリエ変換等で空間領域に変換することにより、o(x,y)すなわちマスクのデータ(パターン形状、透過率、位相差などを含む)を算出することができる。
次に、本実施形態の原版データ作成方法の、より詳細な説明をする。
露光装置100(図16参照)に用いられる露光光の波長λを248nmとし、投影光学系140の像側開口数NAを0.73とする。投影光学系140は無収差であって、マスクを照明する照明光は無偏光とする。さらに、ウエハ174に塗布されるレジスト172は考慮しないとする。照明光学系110よりマスク面(投影光学系の物体面)に入射する光束がなす開口数と投影光学系140の物体側開口数の比をσとする。
有効光源は図2(a)のようであるとする。図2(a)の白い円はσ=1を表している。白い部分が光照射部であって、光照射部が4箇所ある、いわゆる、四重極照明である。ウエハ上に形成したい目標パターンI(x,y)は図2(b)のように5本のラインからなる。図2(b)のようなパターンをウエハ上に形成するには、四角形のパターン内の強度が1で、その他の場所では光強度が0になればよい(1と0が逆でもよい)。しかし、ウエハ面上での光強度を1と0だけの2値にすることは現実的ではない。そこで、目標パターンの光強度分布にローパスフィルタなどを使用して、光強度分布をなまらせるように補正する。図2(c)に、図2(b)の目標パターンとガウス関数を畳み込み積分することでローパスフィルタをかけた結果を示す。図2(c)の目標パターンをフーリエ変換等で周波数領域に変換すると図2(d)に示すデータI’(f,g)が得られる。
f’,g’(f,g)を求めるには数式7を用いればよい。この例では、(f’,g’)の組み合わせは全部で961種類(成分)あり、その中でWf’,g’(f,g)の全ての成分が0ではない(f’,g’)の組み合わせは605通りある。Wf’,g’(f,g)のひとつの例としてW0,0(f,g)を図2(e)に図示する。
求められたWf’,g’(f,g)と、I’(f,g)とのデータを数式11に代入して、a、a、・・・aを求めると、図2(f)のようになる。図2(f)に示す回折光分布a、a、・・・、aはWf’,g’(f,g)に応じて無効なデータが存在する領域がある。どの(f’,g’)の組み合わせにおいてもWf’,g’(f,g)が0の部分では回折光分布を求めることはできないからである。そこで、データを外挿して計算領域全体で回折光分布を求める。外挿した結果を図3(a)に示す。図2(f)に示すデータから図3(a)に示すデータを求める際のデータの外挿方法について簡単に説明する。まず、図2(f)に示すデータをフーリエ変換して、空間周波数が低い成分を取り出したのち、逆フーリエ変換する。次に、逆フーリエ変換したデータを無効なデータが存在する領域に挿入する。挿入済みのデータに対して再びフーリエ変換をして、空間周波数が低い成分を取り出したのち、逆フーリエ変換する。これを繰り返すことによってデータを外挿する。
図3(a)に示すデータを逆フーリエ変換等で空間領域に変換すると、図3(b)に示すデータが得られる。図3(b)に示すパターンが理想的なマスクのパターンとなる。図3(b)には、連続的に変化しているマスクの振幅を示しているが、振幅が連続的に変化するマスクを作成することは非常に困難である。そこで、図3(b)に示すデータを用いて、実際に作成しやすいマスクのデータに補正する。
図3(b)に示すデータを、光透過部、光遮光部、及び、光減衰部で表現すると図3(c)に示すデータとなる。図3(c)の白抜き部分は光透過部である。図3(c)の灰色の部分は光遮光部である。図3(c)の黒い部分は光減衰部である。光減衰部の特性は、光減衰部を透過した光の強度が光透過部を透過した光の強度の6%になるように設定されている。さらに、光減衰部を透過した光と、光透過部を透過した光との位相差は180度になるように設定されている。このような光減衰部は一般にハーフトーン部と呼ばれることがある。
図3(c)に示すマスクのデータと、図2(a)に示す有効光源のデータを用いて、投影光学系の像面における光強度分布をシミュレーションした結果を図4に示す。y方向が目標パターンよりもやや短くなっているが、目標パターンに近いパターンが精度良く形成されていることがわかる。このように、本実施形態の原版データ作成方法を用いれば、目標パターンを精度良く形成するためのマスクのデータを少ない計算量で算出することができる。
次に、本実施形態に係る原版データ作成プログラムを実行するためのコンピュータの構成を、図1を用いて説明する。
コンピュータ1は、バス配線10、制御部20、表示部30、記憶部40、入力部60及び媒体インターフェース70を備える。
制御部20、表示部30、記憶部40、入力部60及び媒体インターフェース70は、バス配線10を介して相互に接続されている。媒体インターフェース70は、記録媒体80を接続可能に構成されている。
記憶部40には、パターンデータ40a、マスクデータ40b、有効光源情報40c、NA情報40d、λ情報40e、収差情報40f、偏光情報40g及び原版データ作成プログラム40iが記憶されている。パターンデータ40aは、集積回路などの設計においてレイアウト設計されたパターン(レイアウトパターン、もしくは、目標パターンと呼ぶこともある)のデータである。マスクデータ40bは、マスクにCr等のパターンが描画されるためのデータである。有効光源情報40cは、後述の露光装置100(図16参照)において、マスクが投影光学系の物体面に配置されていない場合に、投影光学系の瞳面142に形成される光の強度分布に関する情報である。NA情報40dは、露光装置100の投影光学系140の像側開口数NAに関する情報である。λ情報40eは、露光装置100に用いられる露光光の波長λに関する情報である。収差情報40fは、投影光学系140の収差に関する情報である。露光装置100の投影光学系140に複屈折がある場合、複屈折に応じて位相ずれが生じるが、この位相ずれも収差の一種として考えることができる。偏光情報40gは、露光装置100の照明装置110で形成する照明光の偏光に関する情報である。原版データ作成プログラム40iは、原版(マスク又はレチクル)のデータを作成するためのプログラムである。
制御部20は、例えば、CPU,GPU,DSP又はマイコンなどであり、一時記憶のためのキャッシュメモリをさらに含む。表示部30は、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイなどの表示デバイスである。記憶部40は、例えば、メモリやハードディスクなどである。入力部60は、例えば、キーボードやマウスなどである。媒体インターフェース70は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CD−ROMドライブやUSBインターフェースなどである。記録媒体80は、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROMやUSBメモリなどである。
次に、本実施形態における原版データ作成プログラムを実行してマスクのデータを作成する流れを、図5のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1では、コンピュータ1の制御部20は、有効光源情報40c、NA情報40d、λ情報40e、収差情報40f、偏光情報40g及びパターンデータ40aを決定する。
あらかじめ、有効光源情報40c(例えば、図2(a)に示す有効光源のデータ)、NA情報40d(例えば、0.73)、λ情報40e(例えば、248nm)が入力される。また、収差情報40f(例えば、無収差)、偏光情報40g(例えば、無偏光)及びパターンデータ40a(例えば、図2(b)のデータ)が入力される。制御部20は、パターンデータ40aからマスクデータ40bを算出するために、上記の情報を受け取り、記憶部40に記憶させる。ここで、有効光源情報40c、NA情報40d、λ情報40e、収差情報40f、偏光情報40g及びパターンデータ40aを合わせて原版データ作成用情報と呼ぶ。
また、原版データ作成プログラム40iが記録された記録媒体80が、媒体インターフェース70に接続される。そして、原版データ作成プログラム40iがインストールされ、制御部20を介して記憶部40に記憶される。
入力部60には、利用者により、原版データ作成プログラム40iの起動命令が入力されうる。制御部20は、原版データ作成プログラム40iの起動命令を受け取り、その起動命令に基づいて、記憶部40を参照し、原版データ作成プログラム40iを起動する。制御部20は、原版データ作成プログラム40iに従い、原版データ作成用情報情報を表示部30に表示させる。制御部20は、命令に基づいて、原版データ作成用情報を決定し、その情報を保持する。
ステップS2では、コンピュータ1の制御部20は、パターンデータ40aを変形(補正)する。制御部20は、パターンデータ40aの変形命令を受け取り、その命令に基づいて記憶部40を参照する。制御部20は、パターンデータ40aを記憶部40から受け取る。制御部20は、例えば、パターンデータ40aにローパスフィルタをかけて、図2(c)に示すようにパターンデータ40aを変形する。なお、ローパスフィルタはガウス関数が一般的であるが、他のいかなるローパスフィルタを用いても良い。変形されたパターンデータを表示部30に表示してもよい。さらに、変形されたパターンデータをフーリエ変換等で周波数領域に変換する。
ステップS3では、制御部20は2次元相互透過係数を求める。2次元相互透過係数の算出は、有効光源を表す関数及び瞳関数に基づき数式7を用いて実行される。有効光源を表す関数に有効光源情報が用いられ、瞳関数にNA情報、収差情報および偏光情報が用いられる。
ステップS4では、制御部20は物体面にあるとされるマスクからの回折光分布を算出する。回折光分布の算出は、数式9、数式10、もしくは、後述の数式13を用いて実行される。さらに、制御部20は、回折光分布のデータを上述のように外挿する。
ステップS5では、制御部20はマスクデータ40bを算出する。制御部20は、ステップS4で算出した回折光分布を逆フーリエ変換等で空間領域に変換し、理想的なマスクデータを作成する。その後、実際に作成可能なマスクデータに変換する。制御部20は、記憶部40を参照し、作成可能なマスクデータを含むマスクデータ40bを作成する。そして、制御部20は、パターンデータ40aに代えて、マスクデータ40bを表示部30に表示させる。また、制御部20は、マスクデータ40bを記憶部40に記憶させる。
また、EB描画装置にマスクデータ40bを入力として与えれば、マスクデータ40bに応じたCr等のパターンをマスクに描画することができる。これにより、マスクを作成することができる。
以上のように、本実施形態の原版データ作成プログラム40iによれば、微細パターンの露光に好適なマスクデータ40bを作成できる。すなわち、最適化問題を解くのではなく、微細パターン露光に好適なマスクデータ40bを作成できるので、数値計算を全体的に簡素化できる。これにより、マスクデータ40bの作成時間を短縮することができる。
以下では、原版データ作成方法(プログラム)の実施例について、図を用いて詳細に説明する。
露光装置として、NAが0.86、波長が248nmの場合を考える。投影光学系は無収差で照明光は無偏光、さらに、レジストは考慮しないとする。目標パターンは図2(b)に示すラインパターンであるとする。有効光源は図2(a)のようであるとし、有効光源情報40cを決定する。
上述のように、原版データ作成方法により算出されたマスクデータは、図3(c)のようになる。図3(c)のマスクデータを用いた場合の技術的効果を検討する。
比較例として、バイナリーマスクで5本バーパターンを形成したマスクと、ハーフトーンマスクで5本バーを形成したマスクを考える。本実施形態の原版データ作成方法を用いて作成されたマスクA(図3(c))、従来のバイナリーマスクB及び従来のハーフトーンマスクCのそれぞれについて、デフォーカスに対する線幅(CD)の変動をシミュレーションした結果を図6に示す。マスクAを用いれば、デフォーカス量変動に対するCD変動が一番小さいことが分かる。すなわち、マスクAはデフォーカス変動に強く、結像特性が良いことを示している。
図7(a)は、マスクAを用いた場合の、ベストフォーカス位置での光強度分布(空中像)を示している。目標通りの5本バーが形成されていることがわかる。さらに、図7(b)は、マスクAを用いた場合の、デフォーカス量0.16μmの位置での空中像を示している。空中像は細くなっているものの、目標パターンの形状を保っていることがわかる。
それに対して、図7(c)は、従来のバイナリーマスクBを用いた場合の、ベストフォーカス位置での空中像を示している。中心のバーは目標パターンの形状に近いが、端のバーは目標パターンに似ているとはいえない。さらに、図7(d)は、従来のバイナリーマスクBを用いた場合の、デフォーカス量0.16μmの位置での空中像を示している。もはや目標パターンの形状を保っていないことがわかる。
図7(e)は、従来ハーフトーンマスクCを用いた場合の、ベストフォーカス位置での空中像を示している。中心のバーは目標パターンの形状に近いが、端のバーは目標パターンに似ているとはいえない。図7(f)は、従来のハーフトーンマスクCを用いた場合の、デフォーカス量0.16μmの位置での空中像を示している。やはり目標パターンの形状を保っていないことがわかる。
以上のように、本実施形態の原版データ作成方法を用いて作成されたマスクを使用すれば、ウエハ上にパターンを精度良く形成することが可能である。
本実施例では、パターンデータの変形(補正)方法の違いにより、算出されるマスクデータがどのように異なるかを詳細に検討する。
原版データ作成用情報は実施例1と同じとする。まず、数式10において、b、b、・・・、bにI’、I’、・・・、I’を代入することによって、マスクデータを算出する。図2(b)に示すパターンデータ(0及び1で表される2値データ)を図2(c)に示すように補正してからマスクデータを算出すると、図3(b)の結果が得られることは前述の通りである。
一方、図2(b)のパターンデータ(0及び1で表される2値データ)を図8(a)のようになまりを弱くして補正してからマスクデータを算出すると、図8(b)の結果が得られる。図3(b)と図8(b)の結果を比較すると、図8(b)の方が負の値が大きいことがわかる。すなわち、2値のパターンデータをなまらせるほど、算出されるマスクデータはバイナリーマスクのデータに近くなる。2値のパターンデータをなまらせない程、算出されるマスクデータは位相シフトマスクのデータに近くなる。
すなわち、作成したいマスクをバイナリーマスクにしたいか、位相シフトマスクにしたかを予め決めておいて、マスクの種類に応じて2値のパターンデータの変形方法を決定して、マスクデータを算出することができる。
さらに、別の変形方法を説明する。目標パターンは光強度で表されるため負の値は存在しない。しかし、ここではあえて負の値を目標パターンに設定する。負の値を設定するとは、目標パターン(パターンデータ)に位相を定義することである。
例えば、図8(c)のように、5本バーに交互に、負の値と正の値を割り当てる。図8(c)には、パターンデータにローパスフィルタをかけたものを示す。有効光源情報40cは、図8(d)のように設定する。これらのデータを用いて本実施形態の原版データ作成を実行すると、図8(e)に示すマスクデータが得られた。算出されたマスクデータは図3(b)と全く異なるものである。図8(d)に示す有効光源の情報と図8(e)に示すマスクデータを用いて、ウエハ面での光強度分布をシミュレーションで確認すると図8(f)のようになった。図8(f)から、目標パターンである5本バーが得られていることがわかる。
以上のように、目標パターンに位相情報を与えても、正しくマスクデータを算出することが可能である。
また、空中像とウエハ上に形成されるパターン(レジスト像など)とがレジスト等の影響で異なる場合がある。その場合は、レジストの情報を考慮して、ウエハに形成したい目標パターンを空中像のパターンへ補正し、補正されたパターンデータを用いてマスクデータを算出してもよい。
マスクデータを求める際、本来ならば数式9を解いて正確な回折光分布を求めるのが良い。しかし、数式9を解くのは容易ではないため数式10の近似式を用いていた。
そこで、近似による精度低下が生じないように、本実施例ではマスクデータを算出する際の精度を向上させる方法を説明する。
原版データ作成用情報は実施例1と同じとする。数式11を用いて近似的に回折光分布a、a、・・・、aを求めれば図2(f)に示すデータが得られることは前述のとおりである。図2(f)に示す回折光分布は、数式9を解いて得られる正確な回折光分布ではない。あくまで、正確な回折光分布を近似した近似データである。
そこで、数式11を用いて求めた回折光分布を正確な回折光分布と区別して、a’、a’、・・・、a’と書く。a’、a’、・・・、a’はI’、I’、・・・、I’よりも正確な回折光分布a、a、・・・、aに近いことは明らかである。そこで、数式10のb、b、・・・、bにa’、a’、・・・、a’を代入すれば、より精度の高い近似になる。すなわち、以下の数式12を得る。
Figure 2010039287
数式12を用いれば、より近似の精度が高い回折光分布を求めることができる。さらに、数式12を用いて得られた暫定データとしての回折光分布を再び数式12のa’、a’、・・・、a’の部分に代入して回折光分布を求めればさらに近似精度が高い回折光分布を得ることができる。
以上の手続きのフローチャートを図9に示す。まず、ステップS100では、繰り返し回数を示す値iの初期値を1にセットする。
ステップS101では、数式10を解く。すなわち、数式10のb、b、・・・、bに適切な値を代入して、近似的に回折光分布を算出する。
ステップS102では、ステップS101で算出した回折光分布をa’、a’、・・・、a’とする。
ステップS103では、繰り返し回数iが所定の繰り返す回数n未満かどうか判断する。iがn未満ならば制御部20は処理をステップS104に進める。iがn以上ならば、制御部20は処理をステップS107に進める。
ステップS104では、数式12を解く。すなわち、a’、a’、・・・、a’を数式12に代入して、回折光分布a、a、・・・、aを算出する。
ステップS105ではステップS104で算出した回折光分布をa’、a’、・・・、a’に置き換える。
ステップS106では、繰り返し回数iに1を加えたものを新たにiと定義する。そして、S103に戻る。
ステップS107では、最終的に算出された回折光分布a’、a’、・・・、a’を逆フーリエ変換等で空間領域に変換することでマスクデータを算出する。
以上のステップを経て、マスクデータが算出される。もし、nが1ならば、単に数式10を解くだけである。もし、nが2以上ならば、nが1のときよりも厳密解に近いマスクデータを算出することができる。
ここで、原版データ作成用情報は実施例1と同じとする。初めに数式10のb、b、・・・、bにI’、I’、・・・、I’を代入する。nを5として、図8に記載のフローチャートに従ってマスクデータを算出すると、図10のようなマスクデータが得られる。
原版データ作成用情報は実施例1と同じとする。数式9などを用いて算出された回折光分布を逆フーリエ変換して得られるマスクデータは図3(b)のようになる。図3(b)のデータは理想的なマスクを示しており、現実的には作成困難なのでマスクを作成しやすいように変換する必要がある。本実施例では、マスクを作成しやすいように変換する方法を詳細に述べる。
現在のマスクの製造技術によれば、パターンとして透光部、光減衰部、遮光部及び位相シフト部を設けることができる。さらに、光減衰部を透過した光と、透光部を透過した光との位相差を180度にすることもできる。したがって、理想的なマスクのデータを、透光部、光減衰部、遮光部及び位相シフト部などに分類すればよい。
本実施例では、理想的なマスクのデータを透光部、光減衰部及び遮光部に分類する場合を考える。分類する方法としては、一定の閾値を設けて分類する方法が挙げられる。例えば、図3(b)に示すマスクデータにおいて、0.30以上の値の領域を透光部にする。−0.05以上0.30未満の領域は遮光部とする。−0.05未満の領域は光減衰部とする。ただし、光減衰部を透過した光と透光部を透過した光との位相差が180度になるようにする。
理想的なマスクのデータを上述のように分類した結果を図11に示す。ここで、白抜き部は透光部であり、灰色の部分は光遮光部である。黒い部分は光減衰部である。
図11に示す透光部において、透光部O1と透光部O2が問題である。なぜならば、もとの理想的なマスクで、透光部O1と透光部O2に対応するところは、もともと値が小さい。しかし、閾値0.30以上ということで透光部にしてしまっているため、透光部O1と透光部O2の影響が強すぎる。
そこで、透光部O1と透光部O2の影響を低減させる必要がある。すなわち、透光部O1と透光部O2の領域を縮める必要がある。透光部O1と透光部O2の領域を縮小すると図12のようになる。図11に示すマスクのデータを用いてシミュレーションした結果を図13(a)に、図12に示すマスクのデータを用いてシミュレーションした結果を図13(b)に示す。
図13(a)、(b)は、それぞれベストフォーカス位置での空中像を示す。図13(a)では、中心のバーの光強度が強くなっており、そのため、周辺部のバーの強度が弱くなっていることがわかる。一方、図13(b)では、5本のバーがほとんど同じ形をしていることがわかる。すなわち、透光部O1と透光部O2の領域を縮小すると良い効果が得られていることがわかる。
本実施例では、マスクデータをより少ない計算量で算出する方法を説明する。
数式10において、M種類(成分)あるWf’,g’(f,g)を求めるのに時間がかかってしまう。しかし、実際にはM種類あるWf’,g’(f,g)を全て求める必要はない。そこで、以下の数式13に示すように、数式10を変形する。ただし、数式13においてM’はM以下である。
Figure 2010039287
数式13において、M’=Mならば、数式13は数式10に一致する。M’がM未満ならば、M種類全てのWf’,g’(f,g)を求める必要はないので、計算が簡素化される。
一例を示す。最も簡単な場合として、M’=1を考える。全てのWf’,g’(f,g)の中で、もっとも重要なWf’,g’(f,g)はW0,0(f,g)である。なぜならば、瞳関数と有効光源を表す関数が重なるからである。そこで、W0,0(f,g)だけを用いてマスクデータを算出する例を説明する。
0,0(f,g)はM点あり、それらをg11、g12、・・・、g1Mとする。I(x,y)をフーリエ変換した関数をI’(f,g)とし、(f’、g’)=(0,0)におけるI’(0,0)をI’とする。I’を数式13のbに代入すれば、以下の数式14を得ることができる。
Figure 2010039287
数式14を用いれば、回折光分布a、a、・・・、aを求めることができる。以下、図を用いて上記の流れを説明する。
原版作成用情報は実施例1と同じとする。W0,0(f,g)を算出すると、図2(e)に示すデータが得られるのは前述のとおりである。目標パターンであるパターンデータにローパスフィルタをかけて図2(c)のような光強度分布を得たのち、フーリエ変換すると図2(d)に示すデータが得られる。これら全てのデータを数式14に代入して、回折光分布a、a、・・・、aを求めると図14(a)に示すデータが得られる。図14(a)において、回折光分布を求めることができなかった領域にデータを外挿すると、図14(b)に示すデータが得られる。図14(b)のデータを逆フーリエ変換すると、図14(c)に示すマスクデータを得ることができる。
全ての(f’,g’)の組み合わせでWf’,g’(f,g)を求めて、マスクデータを算出した結果は図3(b)に示すとおりである。図3(b)と図14(c)のデータを比較すると、ほとんど差がないことがわかる。
すなわち、M種類全てのWf’,g’(f,g)を用いるではなく、少なくとも1種類のWf’,g’(f,g)を用いるだけでも、最適なマスクデータに近いデータを算出することが可能である。
以上の実施例を包含する、原版データの詳細な作成フローをまとめた実施形態を図15に示す。
ステップS201では、コンピュータ1の制御部20は、有効光源情報40c、NA情報40d、λ情報40e、収差情報40f、偏光情報40g及びパターンデータ40aを決定する。
また、原版データ作成プログラム40iが記録された記録媒体80が、媒体インターフェース70に接続される。そして、原版データ作成プログラム40iは、インストールされ、制御部20を介して記憶部40に記憶される。
入力部60には、利用者により、原版データ作成プログラム40iの起動命令が入力される。制御部20は、原版データ作成プログラム40iの起動命令を受け取り、その起動命令に基づいて、記憶部40を原版データ作成プログラム40iに従い、原版データ作成用情報を表示部30に表示させる。制御部20は、命令に基づいて、原版データ作成用情報を決定して保持する。
ステップS202では、コンピュータ1の制御部20は、パターンデータ40aを変形する。制御部20は、パターンデータ40aの変形命令を受け取り、その変形命令に基づいて、記憶部40を参照する。制御部20は、パターンデータ40aを記憶部40から受け取る。制御部20は、例えば、ローパスフィルタをかけて、パターンデータ40aを変形する。さらに、パターンデータ40aに位相情報やレジスト情報を考慮しても良い。さらに、制御部20は、変形したパターンデータを表示部30に表示させ、記憶部40が変形したパターンデータを保持する。
ステップS203では、制御部20は2次元相互透過係数を算出する。制御部20は記憶部40を参照し、原版データ作成用情報から2次元相互透過係数を求める。2次元相互透過係数の算出は、数式7を用いて実行される。算出された2次元相互透過係数は、記憶部40に保持される。なお、ステップS202とステップS203の順番は逆でもよい。
ステップS204では、制御部20は、回折光分布の近似解を求めるか、厳密解を求めるかを判断する。近似解を求める場合、制御部20は処理をAに進め、厳密解を求める場合は処理をステップS205に進める。
ステップS205では、制御部20は、数式9を解いて回折光分布a、a、・・・、aを算出する。なお、数式9を解くためには、制御部20は変形したパターンデータをフーリエ変換するが、この変換はステップS205に含まれるものとする。算出された回折光分布は、記憶部40に保持される。
ステップS206では、制御部20は、回折光分布が算出不可能な領域にデータを外挿(補間)するかどうかを判断する。回折光分布のデータを外挿する場合、制御部20は処理をステップS207に進める。回折光分布のデータを外挿しない場合、制御部20は処理をS208に進める。
ステップS207では、算出された回折光分布にデータを外挿する。制御部20は記憶部40から回折光分布を受け取り、データを外挿する。制御部20は、データが外挿された回折光分布を記憶部40に保持する。
ステップS208では、制御部20はマスクデータを算出する。すなわち、制御部20は記憶部40からデータが外挿された回折光分布を受け取り、回折光分布を逆フーリエ変換等で空間領域に変換することにより理想的なマスクのデータを算出する。理想的なマスクのデータは記憶部40に保持される。
ステップS209では、制御部20は理想的なマスクのデータを、実際に作成しやすいマスクデータに補正する。すなわち、制御部20は記憶部40から理想的なマスクのデータを受け取り、閾値を用いて離散的に分類することで、マスクデータを作成する。また、マスクデータは表示部30に表示される。
次に、ステップAからステップBまでのフローを説明する。ここでは実施例3に示すように繰り返し計算により回折光分布を算出する。
ステップS300では、繰り返し回数を示す値iの初期値を1にセットする。すなわち、コンピュータ1の制御部20は、繰り返し回数を示す値iの初期値を1にセットし、記憶部40に保持する。
ステップS301では、数式13を解く。制御部20は、数式13において、b、b、・・・、bに適切な値を代入して、M’種類(少なくとも1種類)のWf’,g’(f,g)を用いて、近似的に回折光分布を算出する。算出された近似的な回折光分布は、記憶部40に保持される。
ステップS302では、繰り返し回数iが所定の繰り返す回数n未満かどうか判断する。iがn未満ならば、制御部20は処理をステップS303に進める。iがn以上ならば、制御部20は処理をステップBに進める。
ステップS303では、制御部20は記憶部40を参照し、ステップS301で数式13を解いて得られた回折光分布a、a、・・・、aを、b、b、・・・、bに置き換える。
ステップS304では、b、b、・・・、bの値を数式13に代入し、新たに回折光分布a、a、・・・、aを算出する。算出された回折光分布a、a、・・・、aは記憶部40に保持される。
ステップS305では、繰り返し回数iに1を加えたものを新たにiと定義する。すなわち、制御部20は記憶部40を参照し、繰り返し回数を示す値iに1を加えたものを、新たに繰り返し回数を表す値iとし記憶部40に保持する。そして、ステップS302へ戻る。
上記の原版データ作成方法の実行により得られたマスクデータを用いてマスクが作成される。以下では、そのように作成されたマスクを用いる露光装置100について、図16を用いて説明する。
露光装置100は、照明装置110と、マスクステージ132と、投影光学系140と、主制御ユニット150と、モニタ及び入力装置152と、ウエハステージ176と、媒質としての液体180とを備える。この露光装置100は、投影光学系140の最終面とウエハ174との間に液体180が供給され、液体180を介してマスクパターンをウエハ174に露光する液浸露光装置である。露光装置100は、ステップアンドスキャン方式の投影露光方式(即ち、スキャナー)でも、ステップアンドリピート方式その他の露光方式でもよい。
照明装置110は、転写用の回路パターンが形成されたマスク130を照明し、光源部と照明光学系とを有する。
光源部は、光源としてのレーザー112と、ビーム整形系114とを含む。レーザー112は、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシマレーザー、波長約157nmのF2エキシマレーザーなどのパルスレーザーからの光を使用することができる。レーザーの種類、個数は限定されず、光源部の種類も限定されない。
ビーム整形系114は、例えば、複数のシリンドリカルレンズを備えるビームエクスパンダ等を使用することができ、レーザー112からの平行光の断面形状の寸法の縦横比率を所望の値に変換することによりビーム形状を所望のものに成形する。
照明光学系はマスク130を照明する光学系である。本実施形態では、集光光学系116、偏光制御手段117、オプティカルインテグレーター118、開口絞り120、集光レンズ122、折り曲げミラー124、マスキングブレード126及び結像レンズ128を含む。照明光学系は、図2(a)に示す変形照明など様々な照明モードを実現することができる。
集光光学系116は、複数の光学素子から構成され、オプティカルインテグレーター118に所望の形状の光束を効率よく導入する。集光光学系116は、マスク130への照明光の露光量を照明毎に変更可能な露光量調整部を含む。露光量調整部は、主制御ユニット150によって制御される。
偏光制御手段117は、例えば偏光素子を含み、投影光学系140の瞳142とほぼ共役な位置に配置される。偏光制御手段117は、実施例2で示したように、瞳142に形成される有効光源の所定の領域の偏光状態を制御する。複数種類の偏光素子からなる偏光制御手段117が図示しないアクチュエータによって回転可能なターレット上に設けられて主制御ユニット150がかかるアクチュエータの駆動を制御してもよい。
オプティカルインテグレーター118はマスク130に照明される照明光を均一化し、入射光の角度分布を位置分布に変換して出射するハエの目レンズとして構成される。ハエの目レンズは、その入射面と出射面とがフーリエ変換の関係に維持され、ロッドレンズ(即ち、微小レンズ素子)を多数組み合わせることによって構成されている。但し、オプティカルインテグレーター118はハエの目レンズに限定されず、光学ロッド、回折格子、各組が直交するように配置された複数の組のシリンドリカルレンズアレイ板などを含む。
オプティカルインテグレーター118の出射面の直後には、形状及び径が固定された開口絞り120が設けられている。開口絞り120は、投影光学系140の瞳142に形成される有効光源とほぼ共役な位置に配置され、開口絞りの120の開口形状は、投影光学系140の物体面にマスクがない場に、投影光学系140の瞳面142に形成される光強度分布(有効光源)に相当する。有効光源は、開口絞り120により制御される。
開口絞り120は、照明条件に応じて絞り交換機構(アクチュエータ)121によって、開口絞りが光路中に位置するように切り替え可能となっている。アクチュエータ121の駆動は、主制御ユニット150によって制御される駆動制御ユニット151によって制御される。なお、開口絞り120は、偏光制御手段117と一体に構成されてもよい。
集光レンズ122はオプティカルインテグレーター118の射出面近傍の2次光源から射出し、開口絞り120を透過した複数の光束を集光し、ミラー124で反射させて被照斜面としてのマスキングブレード126面を均一にケーラー照明によって照明する。
マスキングブレード126は複数の可動遮光板より構成され、投影光学系140の有効面積に対応するほぼ矩形の任意の開口形状を有している。結像レンズ128は、マスキングブレード126の開口形状をマスク130面上に照射して転写する。
マスク130は、上記のように原版データ作成方法により作成されたマスクであり、マスクステージ132に支持及び駆動される。マスク130から発せられた回折光は投影光学系140を通りウエハ174に投影される。マスク130とウエハ174とは光学的に共役の関係に配置される。マスク130としては、バイナリーマスク、ハーフトーンマスク、位相シフトマスクのいずれも使用することができる。
投影光学系140は、マスク130に形成されたパターンを経た回折光をウエハ174上に結像する機能を有する。投影光学系140は、複数のレンズ素子のみからなる光学系、複数のレンズ素子と少なくとも一枚の凹面鏡とを有する光学系(カタディオプトリック光学系)、複数のレンズ素子と少なくとも一枚の回折光学素子とを有する光学系等を使用することができる。
主制御ユニット150は、各部の駆動制御を行うが、特に、モニタ及び入力装置152の入力装置から入力される情報、照明装置110からの情報に基づいて照明制御を行う。主制御ユニット150による制御情報やその他の情報はモニタ及び入力装置152のモニタに表示される。
ウエハ174にはフォトレジスト172が塗布されている。なお、ウエハ174は、液晶基板その他の基板でも良い。
ウエハ174はウエハステージ176に支持される。液体180には、露光波長の透過率がよく、投影光学系に汚れを付着させず、レジストプロセスとのマッチングが良い物質が選択される。
露光において、レーザー112から発せられた光束は、ビーム成形系114によりそのビーム形状が整形された後で、集光光学系116を介して、オプティカルインテグレーター118に導入される。オプティカルインテグレーター118は照明光を均一化し、開口絞り120は、例えば、図2(a)に示すような有効光源を設定する。かかる照明光は集光レンズ122、折り曲げミラー124、マスキングブレード126、結像レンズ128を介してマスク130を最適な照明条件で照明する。マスク130を通過した光束は投影光学系140によって、ウエハ174上に所定倍率で縮小投影される。
投影光学系140のウエハ174への最終面は空気よりも屈折率の高い液体180に浸漬されているので、投影光学系140のNAは高くなり、ウエハ174に形成される解像度も微細になる。また、偏光制御により、レジスト172上にはコントラストの高い像が形成される。これにより、露光装置100はレジストへのパターン転写を高精度に行って高品位なデバイスを提供することができる。
次に、前述の露光装置を利用したデバイス(半導体IC素子、液晶表示素子等)の製造方法を説明する。デバイスは、前述の露光装置を使用して、感光剤が塗布された基板(ウエハ、ガラス基板等)を露光する工程と、その基板(感光剤)を現像する工程と、他の周知の工程と、を経ることにより製造される。他の周知の工程には、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等が含まれる。本デバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。
本実施形態の原版データ作成プログラムを実行するためのコンピュータの構成を表す図である。 (a)は有効光源の一例を示す。(b)目標パターンの一例を示す。(c)は目標パターンにローパスフィルタをかけたデータを示す。(d)は(c)のデータをフーリエ変換した後のデータを示す。(e)は2次元相互透過係数の一例を示す。(f)は数式10を解いて求めた回折光分布を示す。 (a)は、図2(f)で回折光を求めることができなかった領域にデータを外挿して計算領域全面で回折光分布を定義した図である。(b)は(a)のデータをフーリエ変換して求めた理想的なマスクのデータを示す。(c)は(b)の理想的なマスクを作成可能なマスクに変換して得られたデータを示す。 図3(c)のマスクを用いた場合の空中像のシミュレーション結果を示す図である。 本実施形態の原版データ作成方法のフローチャートを示す図である。 本実施形態の原版データ作成方法により得られたマスクデータを用いて作成されたマスクと、従来のマスクとについて結像特性を示す図である。 (a)はマスクAによるベストフォーカス位置での空中像である。(b)はマスクAによるデフォーカス位置での空中像である。(c)はバイナリーマスクBによるベストフォーカス位置での空中像である。(d)は従来のバイナリーマスクBによるデフォーカス位置での空中像である。(e)は従来のハーフトーンマスクCによるベストフォーカス位置での空中像である。(f)は従来のハーフトーンマスクCによるデフォーカス位置での空中像である。 (a)は目標パターンにローパスフィルタをかけて得られたデータを示す。(b)は(a)のデータから算出されたマスクデータを示す。(c)は目標パターンに位相情報を入れたデータを示す。(d)は有効光源の一例を示す。(e)は位相情報を考慮してマスクデータを算出した結果を示す。(f)は、(e)のマスクによる空中像シミュレーション結果を示す。 繰り返し計算により回折光分布を求める場合の原版データ作成のフローチャートを示す図である。 実施例3の原版データ作成方法により得られたマスクデータを示す図である。 理想的なマスクのデータを、透光部、光減衰部および遮光部に分類した結果を示す図である。 図11のO1とO2の部分の大きさを調整した結果を示す図である。 (a)は図12のマスクによる空中像シミュレーション結果を示す。(b)は図13のマスクによる空中像シミュレーション結果である。 (a)は1種類の2次元相互透過係数から算出した回折光分布を示す。(b)は(a)の回折光分布の値がないところにデータを外挿した図である。(c)は(b)のデータを逆フーリエ変換して得られた理想的なマスクを示す。 (a)は原版データ作成の詳細なフローチャートである。(b)は(a)のステップAからステップBまでのフローチャートである。 本実施形態の一側面としての露光装置の概略ブロック図である。
符号の説明
1 コンピュータ
20 制御部
40 記憶部
40a パターンデータ
40b マスクデータ
40c 有効光源情報
40d NA情報
40e λ情報
40f 収差情報
40g 偏光情報
40i 原版データ作成プログラム
100 露光装置
110 照明装置
130 マスク
117 偏光制御手段
140 投影光学系
150 主制御ユニット
174 ウエハ
180 液体

Claims (10)

  1. 照明装置を用いて原版を照明し、投影光学系を介して前記原版のパターンの像を基板に露光する際に使用する前記原版のデータの算出をコンピュータに実行させる原版データ作成プログラムであって、
    前記基板に形成すべき目標パターンを設定するステップと、
    前記目標パターンに関するデータを周波数領域のデータに変換するステップと、
    前記原版が前記投影光学系の物体面に配置されていない場合に前記照明装置が前記投影光学系の瞳面に形成する光強度分布を表す関数と、前記投影光学系の瞳関数と、を用いて2次元相互透過係数を算出するステップと、
    前記周波数領域のデータと、算出された前記2次元相互透過係数の少なくとも1つの成分のデータとを用いて、前記物体面にあるとされるパターンからの回折光分布を算出するステップと、
    該算出された回折光分布のデータを空間領域のデータに変換し、前記空間領域のデータを用いて前記原版のデータを求めるステップと、
    を前記コンピュータに実行させることを特徴とする原版データ作成プログラム。
  2. 前記回折光分布を算出するステップにおいて、前記目標パターンに関するデータを周波数領域のデータに変換して得られたデータで前記回折光分布を近似することにより、前記回折光分布を算出することを特徴とする請求項1に記載の原版データ作成プログラム。
  3. 前記回折光分布を算出するステップにおいて、前記周波数領域のデータと、算出された前記2次元相互透過係数の少なくとも1つの成分のデータとを用いて、前記回折光分布の暫定データを算出した後、前記暫定データと、前記周波数領域のデータと、算出された前記2次元相互透過係数の少なくとも1つの成分のデータとを用いて、前記回折光分布を算出することを特徴とする請求項1に記載の原版データ作成プログラム。
  4. 前記周波数領域のデータに変換するステップにおいて、前記目標パターンに関するデータをローパスフィルタで補正して得られたデータを周波数領域のデータに変換することを特徴とする請求項1に記載の原版データ作成プログラム。
  5. 前記周波数領域のデータに変換するステップにおいて、前記目標パターンに関するデータに位相情報を加えて得られたデータを周波数領域のデータに変換することを特徴とする請求項1に記載の原版データ作成プログラム。
  6. 前記光強度分布を表す関数と前記瞳関数をずらした関数との積、及び、前記瞳関数の複素共役関数の畳み込み積分を行うことにより、前記2次元相互透過係数を算出することを特徴とする請求項1に記載の原版データ作成プログラム。
  7. 照明装置を用いて原版を照明し、投影光学系を介して前記原版のパターンの像を基板に露光する際に使用する前記原版のデータを算出する原版データ作成方法であって、
    前記基板に形成すべき目標パターンを設定するステップと、
    前記目標パターンに関するデータを周波数領域のデータに変換するステップと、
    前記原版が前記投影光学系の物体面に配置されていない場合に前記照明装置が前記投影光学系の瞳面に形成する光強度分布を表す関数と、前記投影光学系の瞳関数と、を用いて2次元相互透過係数を算出するステップと、
    前記周波数領域のデータと、算出された前記2次元相互透過係数の少なくとも1つの成分のデータとを用いて、前記物体面にあるとされるパターンからの回折光分布を算出するステップと、
    該算出された回折光分布のデータを空間領域のデータに変換し、前記空間領域のデータを用いて前記原版のデータを求めるステップと、
    を有することを特徴とする原版データ作成方法。
  8. 照明装置を用いて原版を照明し、投影光学系を介して前記原版のパターンの像を基板に露光する際に使用する前記原版を作成する原版作成方法であって、
    請求項1に記載の原版データ作成プログラムを実行することにより前記原版のデータを作成するステップと、
    該作成されたデータを用いて前記原版を製造するステップと
    を有することを特徴とする原版作成方法。
  9. 照明装置を用いて原版を照明し、投影光学系を介して前記原版のパターンの像を基板に露光する露光方法であって、
    請求項8に記載の原版作成方法により前記原版を作成するステップと、
    該作成された原版を前記照明装置を用いて照明するステップと、
    前記投影光学系を介して、該照明された原版のパターンの像を前記基板に投影するステップと
    を有することを特徴とする露光方法。
  10. 請求項9に記載の露光方法を用いて、前記原版のパターンの像を基板に露光するステップと、
    該露光された基板を用いてデバイスを形成するステップと
    を有することを特徴とするデバイス製造方法。
JP2008203251A 2008-08-06 2008-08-06 原版データ作成プログラム、原版データ作成方法、原版作成方法、露光方法及びデバイス製造方法 Active JP5159501B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008203251A JP5159501B2 (ja) 2008-08-06 2008-08-06 原版データ作成プログラム、原版データ作成方法、原版作成方法、露光方法及びデバイス製造方法
US12/512,649 US8321815B2 (en) 2008-08-06 2009-07-30 Recording medium storing original data generation program, original data generation method, original fabricating method, exposure method, and device manufacturing method
TW098126279A TWI417753B (zh) 2008-08-06 2009-08-04 儲存原形資料產生程式之記錄媒體,原形資料產生方法、原形製造方法、曝光方法及裝置製造方法
KR1020090071564A KR101185865B1 (ko) 2008-08-06 2009-08-04 원판 데이터 작성 프로그램을 기억한 기록매체, 원판 데이터 작성 방법, 원판 제조 방법, 노광 방법 및 디바이스 제조 방법
EP09167265A EP2151714B1 (en) 2008-08-06 2009-08-05 Original data generation program and original data generation method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008203251A JP5159501B2 (ja) 2008-08-06 2008-08-06 原版データ作成プログラム、原版データ作成方法、原版作成方法、露光方法及びデバイス製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2010039287A true JP2010039287A (ja) 2010-02-18
JP2010039287A5 JP2010039287A5 (ja) 2011-09-22
JP5159501B2 JP5159501B2 (ja) 2013-03-06

Family

ID=41397487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008203251A Active JP5159501B2 (ja) 2008-08-06 2008-08-06 原版データ作成プログラム、原版データ作成方法、原版作成方法、露光方法及びデバイス製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8321815B2 (ja)
EP (1) EP2151714B1 (ja)
JP (1) JP5159501B2 (ja)
KR (1) KR101185865B1 (ja)
TW (1) TWI417753B (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012060024A1 (ja) * 2010-11-01 2012-05-10 パナソニック株式会社 照明形状の最適化方法、マスク形状の最適化方法及びパターン形成方法
CN108693715A (zh) * 2018-06-22 2018-10-23 北京理工大学 提升全视场光刻成像均匀性的多目标光源和掩模优化方法

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4402145B2 (ja) 2007-10-03 2010-01-20 キヤノン株式会社 算出方法、生成方法、プログラム、露光方法及び原版作成方法
JP5086926B2 (ja) * 2008-07-15 2012-11-28 キヤノン株式会社 算出方法、プログラム及び露光方法
JP2012151246A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Canon Inc 有効光源の決定プログラム、露光方法、デバイス製造方法及び周波数フィルタの強度透過率分布の決定プログラム
US20120212722A1 (en) 2011-02-21 2012-08-23 Nikon Corporation Fast Illumination Simulator Based on a Calibrated Flexible Point Spread Function
CN106125511B (zh) * 2016-06-03 2017-11-21 北京理工大学 基于矢量成像模型的低误差敏感度多目标光源‑掩模优化方法
CN109164683B (zh) * 2018-09-30 2020-09-01 墨研计算科学(南京)有限公司 基于掩模版图形处理的光强分布快速确定方法及装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002031882A (ja) * 2000-07-14 2002-01-31 Mitsubishi Electric Corp マスクデータ補正装置、フーリエ変換装置、アップサンプリング装置、ダウンサンプリング装置、転写用マスクの製造方法、および、パターン構造を有する装置の製造方法
US20070198963A1 (en) * 2005-02-28 2007-08-23 Yuri Granik Calculation system for inverse masks
JP2007286362A (ja) * 2006-04-17 2007-11-01 Toshiba Corp リソグラフィシミュレーション方法、プログラム及び半導体装置の製造方法
JP2008040470A (ja) * 2006-07-12 2008-02-21 Canon Inc 原版データ作成方法及び原版データ作成プログラム
JP2009508161A (ja) * 2005-09-13 2009-02-26 ルミネセント テクノロジーズ インコーポレイテッド フォトリソグラフィのためのシステム、マスク、及び方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20050136340A1 (en) * 2000-07-21 2005-06-23 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and methods, patterning structure and method for making a patterning structure, device manufacturing method, and device manufactured thereby
TW552561B (en) * 2000-09-12 2003-09-11 Asml Masktools Bv Method and apparatus for fast aerial image simulation
TWI236574B (en) * 2002-02-08 2005-07-21 Sony Corp Forming method of exposure mask pattern, exposure mask pattern and manufacturing method of semiconductor device
SG139530A1 (en) 2003-01-14 2008-02-29 Asml Masktools Bv Method of optical proximity correction design for contact hole mask
US7124394B1 (en) * 2003-04-06 2006-10-17 Luminescent Technologies, Inc. Method for time-evolving rectilinear contours representing photo masks
WO2006001785A1 (en) * 2003-05-30 2006-01-05 Cdm Optics, Inc. Lithographic systems and methods with extended depth of focus
US7310796B2 (en) * 2004-08-27 2007-12-18 Applied Materials, Israel, Ltd. System and method for simulating an aerial image
US7487489B2 (en) * 2005-02-28 2009-02-03 Yuri Granik Calculation system for inverse masks
JP4589998B2 (ja) * 2006-05-10 2010-12-01 株式会社目白プレシジョン 投影露光装置及び投影露光方法
JP4345804B2 (ja) * 2006-11-17 2009-10-14 ソニー株式会社 マスクパターン補正プログラムおよびマスクパターン補正システム
JP4484909B2 (ja) * 2007-07-24 2010-06-16 キヤノン株式会社 原版データ作成方法、原版作成方法、露光方法および原版データ作成プログラム
EP2040120B1 (en) 2007-09-19 2011-03-02 Canon Kabushiki Kaisha Mask data generation method, mask fabrication method, exposure method, device fabrication method, and program

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002031882A (ja) * 2000-07-14 2002-01-31 Mitsubishi Electric Corp マスクデータ補正装置、フーリエ変換装置、アップサンプリング装置、ダウンサンプリング装置、転写用マスクの製造方法、および、パターン構造を有する装置の製造方法
US20070198963A1 (en) * 2005-02-28 2007-08-23 Yuri Granik Calculation system for inverse masks
JP2009508161A (ja) * 2005-09-13 2009-02-26 ルミネセント テクノロジーズ インコーポレイテッド フォトリソグラフィのためのシステム、マスク、及び方法
JP2007286362A (ja) * 2006-04-17 2007-11-01 Toshiba Corp リソグラフィシミュレーション方法、プログラム及び半導体装置の製造方法
JP2008040470A (ja) * 2006-07-12 2008-02-21 Canon Inc 原版データ作成方法及び原版データ作成プログラム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012060024A1 (ja) * 2010-11-01 2012-05-10 パナソニック株式会社 照明形状の最適化方法、マスク形状の最適化方法及びパターン形成方法
CN108693715A (zh) * 2018-06-22 2018-10-23 北京理工大学 提升全视场光刻成像均匀性的多目标光源和掩模优化方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5159501B2 (ja) 2013-03-06
EP2151714B1 (en) 2012-10-10
EP2151714A2 (en) 2010-02-10
US20100037199A1 (en) 2010-02-11
EP2151714A3 (en) 2010-09-01
KR101185865B1 (ko) 2012-09-26
TW201022977A (en) 2010-06-16
US8321815B2 (en) 2012-11-27
KR20100018467A (ko) 2010-02-17
TWI417753B (zh) 2013-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5235322B2 (ja) 原版データ作成方法及び原版データ作成プログラム
KR100993851B1 (ko) 원판 데이터 작성방법, 원판 작성방법, 노광방법, 디바이스제조방법, 및 원판 데이터를 작성하기 위한 컴퓨터 판독가능한 기억매체
JP3867904B2 (ja) 特定のマスク・パターンのための照明の最適化
KR100825454B1 (ko) 리소그래피 장치 및 디바이스 제조 방법
JP5159501B2 (ja) 原版データ作成プログラム、原版データ作成方法、原版作成方法、露光方法及びデバイス製造方法
JP5300354B2 (ja) 生成方法、原版作成方法、露光方法、デバイス製造方法及びプログラム
JP5188644B2 (ja) 原版データの生成方法、原版作成方法、原版データを作成するためのプログラム及び処理装置
JP5607348B2 (ja) 原版データを生成する方法およびプログラム、ならびに、原版製作方法
KR20120024451A (ko) 결정 방법, 노광 방법 및 기억 매체
US8576377B2 (en) Lithographic apparatus and device manufacturing method
JP5607308B2 (ja) 原版データ生成プログラムおよび方法
JP2011187597A (ja) 照明光源評価方法、照明光源設定方法、露光方法及びデバイス製造方法、並びにプログラム
JP2012124289A (ja) 有効光源の算出プログラム、露光方法並びにデバイス製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100201

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20100630

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110808

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110808

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121012

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121211

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5159501

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151221

Year of fee payment: 3