JP2010037657A - 銀ナノ粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、銀含有ナノ粒子組成物のより低コストな調製法を提供することにある。
【解決手段】実施形態において、(a)銀塩、ヒドラジン化合物含有還元剤、熱で除去できる安定剤、および任意選択の溶媒を含有する反応混合物(該反応混合物は酸を発生する)を調製して、銀含有ナノ粒子の表面に安定剤の分子をもつ複数の銀含有ナノ粒子を形成すること、および(b)酸を除去して、実質的に酸を含まない銀含有ナノ粒子を製造することを含む方法が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、銀ナノ粒子の製造方法に関する。
液体堆積技術を利用する電子回路素子の製作は、当該技術が、薄膜トランジスター(TFT)、発光ダイオード(LED)、RFIDタグ、光発電などの電子応用分野のための従来からの主流であるアモルファスシリコン技術に対して低コストの可能性を秘めた代替技術を提供するので、重大な関心をもたれている。しかし、伝導性、加工性および実際的応用のためのコスト要件を満たす機能電極、画素パッド、ならびに伝導性のトレース、ラインおよびトラックの堆積および/またはパターン形成が、大きな難題であった。銀は、金よりもコストがはるかに低く、かつ銅よりもはるかに良好な環境安定性を有するので、電子デバイス用の伝導素子として特に関心がもたれている。したがって、本発明の実施形態が対処する決定的な必要性であって、電子デバイスの電気伝導素子を製作するのに適した、液体処理が可能で安定な銀含有ナノ粒子組成物のより低コストな調製法に対する必要性が存在する。
米国特許第7270694号明細書
そこで、本発明の目的は、銀含有ナノ粒子組成物のより低コストな調製法を提供することにある。
実施形態において、(a)銀塩、ヒドラジン化合物含有還元剤、熱で除去できる安定剤、および任意選択の溶媒を含有する反応混合物(該反応混合物は酸を発生する)を調製して、銀含有ナノ粒子の表面に安定剤の分子をもつ複数の銀含有ナノ粒子を形成すること、および(b)酸を除去して、実質的に酸を含まない銀含有ナノ粒子を製造することを含む方法が提供される。
さらなる実施形態において、(a)銀塩、ヒドラジン化合物含有還元剤、熱で除去できる安定剤、および任意選択の溶媒を含有する反応混合物(該反応混合物は酸を発生する)を調製して、銀含有ナノ粒子の表面に安定剤の分子をもつ複数の銀含有ナノ粒子を形成すること、および(b)(i)酸と反応する安定剤を選択すること、または(ii)酸と反応する塩基を添加すること、または(iii)手段(i)および(ii)の両方(ここで、手段(i)、(ii)および(iii)に関して、該安定剤、該塩基、または該安定剤と該塩基との組合せは、酸を除去して実質的に酸を含まない銀含有ナノ粒子を製造するのに有効な量で存在する)によって酸を除去して、実質的に酸を含まない銀含有ナノ粒子を製造することを含む方法が提供される。
さらなる実施形態において、(a)銀塩、ヒドラジン化合物含有還元剤、熱で除去できる安定剤、および任意選択の溶媒を含有する反応混合物(該反応混合物は酸を発生する)を調製して、銀含有ナノ粒子の表面に安定剤の分子をもつ複数の銀含有ナノ粒子を形成すること、および(b)塩基を酸と反応させることによって酸を除去して、実質的に酸を含まない銀含有ナノ粒子を製造することを含む方法が提供される。
適切な銀塩には、有機および無機の銀塩が含まれる。実施形態において、銀塩には、酢酸銀、プロピオン酸銀、酪酸銀、炭酸銀、硝酸銀、過塩素酸銀、リン酸銀、トリフルオロ酢酸銀、安息香酸銀、乳酸銀、銀アセチルアセトナート、臭素酸銀、臭化銀、塩化銀、クエン酸銀、フッ化銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、亜硝酸銀、硫酸銀など、または任意の適切な比率のこれらの混合物が含まれる。
銀塩の還元剤には、ヒドラジン化合物が含まれる。ヒドラジン化合物には、ヒドラジンおよび任意の適切な誘導体(一方または両方の窒素原子において置換されており、その各窒素原子は、同一または異なる置換基で1または2回置換され得る)、加えて、ヒドラジンの塩および水和物、ならびにヒドラジン誘導体の塩および水和物が含まれる。ヒドラジン化合物に関して本明細書に記載の代表的化合物には、適切なら、水和物形態も含まれる。例えば、化合物「ヒドラジン」には、ヒドラジン水和物、および水和物形態でないヒドラジンが含まれる。ヒドラジン化合物の典型的な例は、次の通りである。
ヒドラジン(HNNH);例えば、酒石酸ヒドラジン、一臭化水素酸ヒドラジン、一塩酸ヒドラジン、二塩化ヒドラジン、一シュウ酸ヒドラジン、および硫酸ヒドラジンなどのヒドラジン塩が挙げられる。
ヒドロカルビルヒドラジン(例えば、RNHNH、RNHNHR、およびRRNNH):ここで、一方の窒素原子は、Rで単置換または二置換されており、他方の窒素原子は、Rで単置換または二置換されていてもよく、各Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヒドロキシエチル、フェニル、ベンジル、トリル、ブロモフェニル、クロロフェニル、ニトロフェニル、キシリルなど、独立に選択された炭化水素基である。ヒドロカルビルヒドラジンの実例には、例えば、メチルヒドラジン、tert−ブチルヒドラジン、2−ヒドロキシエチルヒドラジン、ベンジルヒドラジン、フェニルヒドラジン、トリルヒドラジン、ブロモフェニルヒドラジン、クロロフェニルヒドラジン、ニトロフェニルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、1,1−ジフェニルヒドラジン、1,2−ジエチルヒドラジン、および1,2−ジフェニルヒドラジンが含まれる。
ヒドロカルビルヒドラジン塩(本明細書に記載のヒドロカルビルヒドラジンの塩):例えば、塩酸メチルヒドラジン、塩酸フェニルヒドラジン、シュウ酸ベンジルヒドラジン、塩酸ブチルヒドラジン、ブチルヒドラジンシュウ酸塩、およびプロピルヒドラジンシュウ酸塩などである。
ヒドラジド(例えば、RC(O)NHNH、RC(O)NHNHR’、およびRC(O)NHNHC(O)R):ここで、一方または両方の窒素原子は、式RC(O)のアシル基で置換されており、各Rは、水素および炭化水素基から独立に選択され、一方または両方の窒素原子は、R’で単置換または二置換されていてもよく、各R’は、独立に選択される炭化水素基である。ヒドラジドの実例が、例えば、ギ酸ヒドラジド、アセトヒドラジド、ベンズヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、カルボヒドラジド、ブタノヒドラジド、ヘキサン酸ヒドラジド、オクタン酸ヒドラジド、オキサミド酸ヒドラジド、マレイン酸ヒドラジド、N−メチルヒドラジンカルボキサミド、およびセミカルバジドである。
カルバジン酸エステル(またはヒドラジノカルボン酸エステル)(例えば、ROC(O)NHNHR’、ROC(O)NHNHおよびROC(O)NHNHC(O)OR):ここで、一方または両方の窒素原子は、式ROC(O)のエステル基で置換されており、各Rは、水素および炭化水素基から独立に選択され、一方または両方の窒素原子は、R’で単置換または二置換されていてもよく、各R’は、独立に選択される炭化水素基である。カルバジン酸エステルの実例が、例えば、カルバジン酸メチル(ヒドラジノカルボン酸メチル)、カルバジン酸エチル、カルバジン酸ブチル、カルバジン酸ベンジル、およびカルバジン酸2−ヒドロキシエチルである。
スルホノヒドラジド(例えば、RSONHNH、RSONHNHR’、およびRSONHNHSOR):ここで、一方または両方の窒素原子は、式RSOのスルホニル基で置換されており、各Rは、水素および炭化水素基から独立に選択され、一方または両方の窒素原子は、R’で単置換または二置換されていてもよく、各R’は、独立に選択される炭化水素基である。スルホノヒドラジドの実例が、例えば、メタンスルホノヒドラジド、ベンゼンスルホノヒドラジン、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホノヒドラジド、およびp−トルエンスルホノヒドラジドである。
その他の代表的なヒドラジン化合物は、例えば、酢酸ヒドラジン、アミノグアニジン、チオセミカルバジド、メチルヒドラジンカルブイミドチオラート、およびチオカルボヒドラジドである。
別途指摘しない限り、各種ヒドラジン化合物のRおよびR’に関する置換基の識別において、句「炭化水素基」は、非置換炭化水素基および置換炭化水素基の両方を包含する。非置換炭化水素基は、例えば、直鎖アルキル基、分枝アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、およびアリールアルキル基でよい。典型的なアルキル基には、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびこれらの異性形が含まれる。置換炭化水素基は、本明細書に記載の非置換炭化水素基が、例えばハロゲン(塩素、臭素、フッ素およびヨウ素)、ニトロ、シアノ、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシおよびプロポキシ)、またはこれらを混交して1、2回またはそれ以上置換されているものでよい。実施形態において、炭化水素基は、置換されていてもよいアルキルおよび置換されていてもよいアリールでよい。
実施形態において、ヒドラジン化合物は、1種のヒドラジンおよびヒドラジン塩に限られず、他の実施形態において、ヒドラジン化合物は、1種のヒドラジドに限られず、さらなる実施形態において、ヒドラジン化合物は、1種のヒドラジン、ヒドラジン塩、およびヒドラジドに限られない。
1、2、3種またはそれ以上の還元剤を使用できる。2種以上の還元剤を使用する実施形態において、各還元剤は、例えば、約99(第1還元剤):1(第2還元剤)〜約1(第1還元剤):99(第2還元剤)などの任意の適切な重量比またはモル比で存在できる。本発明の実施形態で使用される還元剤の量は、例えば、銀塩1モルにつき約0.25モル当量以上である。
液体中で銀含有ナノ粒子が凝集するのを最小にする、または防止し、かつ場合によっては液体への銀含有ナノ粒子の溶解性および分散性を提供する機能を有する任意の適切な安定剤を使用できる。さらに、安定剤は、熱で除去することができ、このことは、該安定剤が、加熱を介することなどの特定の条件下で、銀含有ナノ粒子の表面から解離されることになり得ることを意味する。加熱は、約250℃未満、または約200℃未満などの特定の温度まで、通常の大気条件、または数ミリバール〜10−3ミリバールなどの減圧下で完遂できる。例えば約250℃未満などの温度での銀含有ナノ粒子からの安定剤の熱解離は、安定剤の蒸発、または安定剤の気体形態への分解を生じさせることができる。
実施形態において、安定剤は、有機安定剤でよい。用語「有機安定剤」での「有機」は、炭素原子(群)の存在を指すが、有機安定剤は、窒素、酸素、硫黄、ケイ素、ハロゲンなどの1種または複数の非金属へテロ原子を含むことができる。典型的な有機安定剤には、例えば、チオールおよびその誘導体、アミンおよびその誘導体、カルボン酸およびそのカルボキシレート誘導体、ポリエチレングリコール、およびその他の有機界面活性剤が含まれる。実施形態において、有機安定剤は、例えば、ブタンチオール、ペンタンチオール、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、およびドデカンチオールなどのチオール、例えば、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、およびドデシルアミンなどのアミン、例えば、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、および1,4−ブタンジチオールなどのジチオール、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタンなどのジアミン、チオールとジチオールとの混合物、ならびにアミンとジアミンとの混合物からなる群から選択される。銀含有ナノ粒子を安定化できるピリジン誘導体(例えば、ドデシルピリジン)および/または有機ホスフィンを含む有機安定剤も、安定剤として本発明の実施形態に含まれる。
実施形態において、安定剤は、例えば、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ヘキサデシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノへプタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノデカン、ジアミノオクタン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、メチルプロピルアミン、エチルプロピルアミン、プロピルブチルアミン、エチルブチルアミン、エチルペンチルアミン、プロピルペンチルアミン、ブチルペンチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミンなど、またはこれらの混合物などの有機アミンである。
1、2、3種またはそれ以上の安定剤を使用できる。2種以上の安定剤を使用する実施形態において、各安定剤は、例えば、約99(第1安定剤):1(第2安定剤)〜約1(第1安定剤):99(第2安定剤)などの任意の適切な重量比またはモル比で存在できる。使用される安定剤の量は、例えば、銀塩1モルにつき約1モル当量以上、または銀塩1モルにつき約2モル当量以上、または銀塩1モルにつき約10モル当量以上、または銀塩1モルにつき約25モル当量以上である。
実施形態において、銀含有ナノ粒子は、安定剤と化学結合を形成できる。本明細書中で提供される安定剤の化学名は、銀含有ナノ粒子と何らかの化学結合を形成する前のものである。安定剤の性質は、化学結合の形成に伴って変化する可能性があるが、便宜上、化学結合を形成する前の化学名を使用することに留意されたい。
銀含有ナノ粒子と安定剤との間の引力は、化学結合および/または物理的付着でよい。化学結合は、例えば、共有結合、水素結合、配位錯結合、またはイオン結合、あるいは異なる化学結合の混交の形態を取り得る。物理的付着は、例えば、ファンデルワールス力または双極子−双極子相互作用、あるいは異なる物理的付着の混交の形態を取り得る。
安定剤が銀含有ナノ粒子の表面を隠蔽する程度は、例えば安定剤が溶媒中で銀含有ナノ粒子を安定化する能力に応じて、例えば部分的から完全な隠蔽まで変わり得る。もちろん、個々の銀含有ナノ粒子の間での安定剤の隠蔽度にも変動がある。
例えば有機溶媒および/または水を含む反応混合物には、任意の適切な溶媒を使用できる。有機溶媒には、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの炭化水素溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノールなどのアルコール、テトラヒドロフラン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ニトロベンゼン、シアノベンゼン、アセトニトリル、およびこれらの混合物が含まれる。1、2、3種またはそれ以上の溶媒を使用できる。2種以上の溶媒を使用する実施形態において、各溶媒は、例えば、約99(第1溶媒):1(第2溶媒)〜約1(第1溶媒):99(第2溶媒)などの任意の適切な容積比またはモル比で存在できる。
銀塩と還元剤との反応は、例えば約−50℃〜約200℃、または約0℃〜約150℃の適切な温度で、特に例えば約20℃〜約120℃の範囲の温度で実施される。
銀含有ナノ粒子は、例えば、約1000nm未満、約100nm未満、約50nm未満、または約10nm未満の平均粒径を有する。本明細書中で、粒径は、透過電子顕微鏡法(「TEM」)によって決定される、安定剤を除外した銀含有粒子の芯の平均直径と定義される。一般に、調製から得られる銀含有ナノ粒子中には、複数の粒径が存在する可能性がある。実施形態において、異なる大きさの銀含有ナノ粒子の存在は許容される。
実施形態において、銀含有ナノ粒子は、単体銀または銀複合体から構成される。銀に加えて、銀複合体は、(i)1種または複数の他の金属、および(ii)1種または複数の非金属のどちらかまたは両方を含む。適切な他の金属には、例えば、Al、Au、Pt、Pd、Cu、Co、Cr、In、およびNi、特に、遷移金属、例えば、Au、Pt、Pd、Cu、Cr、Ni、ならびにこれらの混合物が含まれる。典型的な金属複合体は、Au−Ag、Ag−Cu、Au−Ag−Cu、およびAu−Ag−Pdである。金属複合体中の適切な非金属には、例えば、Si、C、インジウムスズ酸化物(ITO)、SiO、AgO、AgO、およびGeが含まれる。銀複合体の各種構成成分は、例えば約0.01重量%〜約99.9重量%、特に約10重量%〜約90重量%の範囲の量で存在できる。実施形態において、銀複合体は、銀、および1、2種またはそれ以上の他の金属から構成される金属合金であり、銀は、例えば、ナノ粒子の少なくとも約20重量%、特にナノ粒子の約50重量%超を構成する。別途言及しない限り、銀含有ナノ粒子の構成成分に関して本明細書中で挙げる重量百分率は、安定剤を含まない。
銀複合体から構成される銀含有ナノ粒子は、例えば、反応で(i)銀塩(群)と、(ii)別の金属塩(群)または別の非金属化合物(群)との混合物を使用して作製できる。金属塩(群)または非金属化合物(群)は、別の金属(群)または非金属(群)を含有する銀複合体のナノ粒子を形成するための還元剤によって還元されてもよいし、されなくてもよい。
銀含有ナノ粒子の作製において、銀塩の陰イオンとヒドラジン化合物からの水素イオンとの反応から、酸が生じる可能性がある。この酸は、本発明の銀含有ナノ粒子合成法の副産物(「残留酸」とも呼ぶこともできる)である。この酸は、銀含有ナノ粒子とその表面で会合する。該酸は、組成物中での銀含有ナノ粒子の安定性を低下させる可能性がある。該酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフルオロ酢酸、HCl、HBr、HI、HNO、HNO、HSO、安息香酸、乳酸など、またはこれらの混合物である可能性がある。
実施形態において、酸を除去すると、組成物中での銀含有ナノ粒子の安定性が改善される可能性がある。例えば、(i)酸と反応する安定剤を選択すること、または(ii)酸と反応する塩基を添加すること、または(iii)手段(i)および(ii)の両方などの任意の適切な方法を使用して、酸の少なくともかなりの部分を除去することができ、ここで、手段(i)、(ii)および(iii)において、安定剤、塩基、または安定剤と塩基との組合せは、酸の少なくともかなりの部分を除去するのに効果的な量で存在する。
手段(i)では、酸と反応する任意の適切な安定剤を使用できる。実施形態において、安定剤は、例えばアミンなどの塩基である。代表的なアミンは、本明細書に記載の有機アミンである。大過剰量の安定剤を採用して、酸の少なくともかなりの部分を除去することができ、例えば、安定剤は、次の例示的大過剰量、すなわち、反応混合物中で約5:1〜約100:1、特に約8:1〜約20:1の範囲である銀塩に対する安定剤の出発時点でのモル比で存在できる。
手段(ii)では、酸と反応する任意の適切な塩基を使用できる(この塩基は、安定剤が塩基とも考えられる実施形態では、「追加的塩基」と見なすことができる)。該塩基は、有機塩基(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムブトキシド、ナトリウムペントキシド、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムブトキシド、カリウムメトキシド、ピリジン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オレイルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、およびテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA))でよい。該塩基は、無機塩基(例えば、NaOH、LiOH、KOH、CsOH、NaO、LiO、およびKO)でよい。塩基は、還元剤を添加する前に、添加中に、添加した後に加えることができる。より具体的には、塩基は、還元剤を添加した後に加えられる。使用される塩基の量は、銀塩に対して約1モル当量〜約1000モル当量、または約1モル当量〜約100モル当量でよい。塩基と酸との反応は、約0℃〜約100℃、または約20℃〜約80℃の温度で実施できる。塩基と酸との反応時間は、約1分〜約240分、または約5分〜約60分でよい。安定剤が塩基である実施形態において、追加的塩基は、該安定剤と同一または異なるものでよい。
酸の少なくともかなりの部分を除去することを完遂するための別の例示的手段(iv)は、(iv)分離した銀含有ナノ粒子を、酸、または酸と安定剤との錯体は溶解するが、銀含有ナノ粒子表面の安定剤を溶解または除去しない(または、微量のみ溶解もしくは除去する)溶媒を使用して徹底的に洗浄することである。代表的な溶媒が、例えば、水、メタノール、エタノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)など、またはこれらの混合物である。手段(iv)を、単独で、または手段(i)、手段(ii)もしくは(iii)と組み合わせて使用できる。手段(iv)で使用される「徹底的洗浄」は、反応混合物からナノ粒子を分離する際に使用される「簡潔的洗浄」と異なる。「簡潔的洗浄」の目的は、ナノ粒子から、例えば過剰な安定剤、残留している還元剤、反応副産物などの不純物を除去することである。「簡潔的洗浄」は、室温で3回または3回未満実施される。一方、「徹底的洗浄」の目的は、ナノ粒子表面の酸または酸と安定剤との錯体を除去することである。実施形態において、「徹底的洗浄」は、「簡潔的洗浄」の後にさらに1〜5回実施できる。「徹底的洗浄」は、酸、または酸と安定剤との錯体の除去を促進するために、室温、または35℃〜約100℃などの高められた温度で実施できる。
本明細書中の「実質的に酸を含まない銀ナノ粒子」は、その表面に安定剤および酸の分子をもつ銀含有ナノ粒子の重量を基準にして、例えば、約2重量%(「wt%」)未満の酸、約1wt%未満の酸、約0.1wt%未満の酸、または約0.01wt%未満の酸を含む(句「未満」は、下限として、酸の検出できない量、例えば酸の0.00wt%も包含する)。銀含有ナノ粒子中に存在する酸の量は、GC−MSまたはHPLC−MSなどの一般的な分析技術で決定できる。
電子応用分野のための伝導素子を調製するのに適している銀含有ナノ粒子組成物の調製は、次の手順の全部または一部を使用して実施できる。(i)銀含有ナノ粒子の調製からの最終反応混合物にスカベンジャーを添加して、過剰の還元剤を破壊すること、(ii)溶媒を除去することによって反応混合物を濃縮すること、(iii)濃縮した反応混合物を非溶媒に添加して(または、その逆)、銀含有ナノ粒子を沈殿させること、(iv)濾過または遠心分離によって銀含有ナノ粒子を捕集して、単離された銀含有ナノ粒子(その銀含有ナノ粒子の表面には安定剤分子が存在する)を得ること、(v)単離された銀含有ナノ粒子(その銀含有ナノ粒子の表面には安定剤分子が存在する)を適切な液体に溶解または分散すること(例えば、超音波および/または機械的攪拌で援助して)。
銀含有ナノ粒子組成物は、銀含有ナノ粒子を、他の金属または非金属ナノ粒子と混合することによっても調製できる。
実施形態において、反応混合物から銀含有ナノ粒子を単離するための上記手順を必要としないで、電子応用分野のための伝導素子を形成するのに適した銀含有ナノ粒子(その銀含有ナノ粒子の表面には安定剤分子が存在する)組成物を形成できる可能性がある。このような実施形態では、該反応混合物(反応混合物中で使用される溶媒と同一または異なってもよい別の液体で増強されていてもよい)を、銀含有ナノ粒子組成物と見なすことができる。
過剰な還元剤を破壊するのに使用できるスカベンジャーには、例えば、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、またはこれらの混合物が含まれる。具体的で典型的なスカベンジャーには、アセトン、ブタノン、ペンタノン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、酢酸など、またはこれらの混合物が含まれる。
銀含有ナノ粒子を沈殿させるのに使用できる適切な非溶媒には、銀含有ナノ粒子を調製するための反応溶媒または溶媒群と混和できる任意の液体が含まれる。
銀含有ナノ粒子を分散または溶解して銀含有ナノ粒子組成物を形成するのに使用できる液体には、有機液体または水が含まれる。有機液体には、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの炭化水素溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール、テトラヒドロフラン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ニトロベンゼン、シアノベンゼン、アセトニトリル、およびこれらの混合物が含まれる。1、2、3種またはそれ以上の液体を使用できる。2種以上の溶媒を使用する実施形態において、各溶媒は、例えば、約99(第1液体):1(第2液体)〜約1(第1液体):99(第2液体)などの任意の適切な容積比またはモル比で存在できる。
銀含有ナノ粒子組成物の構成成分の典型的な量は、次の通りである。銀含有ナノ粒子および安定剤は、例えば、約0.3重量%〜約90重量%、または約1重量%〜約70重量%の範囲の量で存在し、残りは、液体など、該組成物の他の構成成分である。
実施形態において、銀含有ナノ粒子組成物中に存在する安定剤は、銀含有ナノ粒子を調製するための反応混合物に由来し;安定剤は、銀含有ナノ粒子を形成するために後で添加されない。他の実施形態では、同一または異なる安定剤を、銀含有ナノ粒子を形成するために、銀含有ナノ粒子組成物の重量を基準にして、例えば約0.3重量%〜約70重量%の範囲の量を後で添加することができる。
銀含有ナノ粒子組成物は、例えば少なくとも約10日間、または約10日〜約30日間の安定性(すなわち、銀含有ナノ粒子の極微量の沈殿または凝集が現われるまでの期間)を有する。
銀含有ナノ粒子組成物(「組成物」)からの電気伝導素子の製作は、基板上への他の任意選択の層または層群の形成に先立つまたは形成に続く任意の適切な時点で、液体堆積技術を使用して、基板上に該組成物を堆積することによって実施することができる。したがって、基板上への組成物の液体堆積は、基板上で、または層化された材料(例えば、半導体層および/または絶縁層)を既に含む基板上のどちらかで起こることができる。
「液体堆積技術」は、液体被覆または印刷などの液体処理を利用して組成物を堆積することを指し、ここで、該液体は溶液または分散液である。印刷を使用する場合には、銀含有ナノ粒子組成物をインクと呼ぶこともできる。実例となる液体被覆法には、例えば、スピン被覆、ブレード被覆、ロッド被覆、浸漬被覆などが含まれる。実例となる印刷技術には、例えば、リソグラフィーまたはオフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、ステンシル印刷、インクジェット印刷、スタンピング(マイクロ接触印刷など)などが含まれる。液体堆積は、約5nm〜約5mm、好ましくは約10nm〜約1000μmの範囲の厚さを有する組成物層を堆積する。堆積された銀含有ナノ粒子組成物は、この段階で、感知できる電気伝導性を示してもよいし、示さなくてもよい。
本明細書中で使用する場合、用語「加熱」は、加熱される材料に、熱による加熱(例えば、ホットプレート、オーブン、およびバーナー)、赤外(「IR」)放射、マイクロ波放射、プラズマ放射、またはUV放射、あるいはこれらの組合せのような所望の結果をもたらすのに十分なエネルギーを付与できる任意の技術(群)を包含する。
例えば約250℃未満、または約200℃もしくは約150℃未満の温度で堆積した組成物を加熱すると、銀含有ナノ粒子が、電子デバイス中の電気伝導素子として使用するのに適した電気伝導層を形成することになる。加熱温度は、好ましくは、前以て堆積された層(群)または基板(単層基板または複層基板のいずれであろうと)の特性における有害な変化を引き起こさない温度である。加熱は、例えば、約1秒〜約10時間、特に約10秒〜約1時間の範囲の時間で実施される。加熱は、空気中、不活性雰囲気中、例えば窒素またはアルゴン下で、あるいは還元雰囲気中、例えば約1〜約20容積%の水素を含む窒素下で実施される。加熱は、標準大気条件、または例えば数ミリバール〜約10−3ミリバールの減圧で実施される。
加熱は、いくつかの効果を生み出す。加熱前に、堆積した銀含有ナノ粒子層は、電気的に絶縁されているか、あるいは極めて低い電気伝導率を有する可能性があるが、加熱は、伝導率を増加させるアニールされた銀含有ナノ粒子から構成される電気伝導層をもたらす。実施形態において、アニールされた銀含有ナノ粒子は、合着された、または部分的に合着された銀含有ナノ粒子であってよい。実施形態において、アニールされた銀含有ナノ粒子において、銀含有ナノ粒子は、十分な粒子−粒子接触を達成して、合着なしで電気伝導層を形成することができる可能性もある。
安定剤および液体は、電気伝導層中に概して組み込まれず、存在しても残留量であるという意味において、加熱は、安定剤および液体の銀含有ナノ粒子からの分離を引き起こすことができる。実施形態において、加熱は、安定剤の一部を分解して「分解された安定剤」を作り出す可能性もある。加熱は、また、分解された安定剤の分離を引き起こす可能性もあり、その結果、分解された安定剤は、電気伝導層中に概して組み込まれず、存在しても残留量である。安定剤、液体、および分解された安定剤の銀含有ナノ粒子からの分離は、これらの構成成分の存在が、銀含有ナノ粒子−銀含有ナノ粒子の接触または合着の度合いを低下させる可能性があるので、生じる電気伝導層の高められた電気伝導率につながる可能性がある。分離は、例えば、固体または液体から気体への物質の状態変化、例えば揮発などの任意の方式で起こる可能性がある。
実施形態において、1種または複数の安定剤、分解された安定剤、および液体が、電気伝導層に存在しない。実施形態において、1種または複数の安定剤、分解された安定剤、および液体の残留量が、電気伝導層中に存在する可能性があるが、その残留量は、電気伝導層の伝導率に感知できるほどの影響を与えない。実施形態において、1種または複数の安定剤、分解された安定剤、および液体の残留量は、電気伝導層の伝導率を低下させる可能性があるが、生じる伝導率は、なお、意図した電子デバイスに対して有用な範囲内にある。各構成成分の残留量は、加熱の温度および時間などの処理条件に応じて、電気伝導層の重量を基準にして、独立に、例えば最大で約5重量%まで、または約0.5重量%未満の範囲でよい。加熱が、安定剤および/または分解された安定剤の銀含有ナノ粒子からの分離を引き起こす場合には、分離された安定剤/分解された安定剤と銀含有ナノ粒子との間の引力を、断絶または縮小する。UV放射、マイクロ波放射、またはIR放射への曝露などのその他の技術を使用して、または熱による加熱と組み合わせて、銀含有ナノ粒子からの液体および安定剤(および/または分解された安定剤)の分離を加速できる。
実施形態において、加熱後に、生じる電気伝導層は、例えば約5nm〜約5mm、好ましくは約10nm〜約1000nmの範囲の厚さを有する。
堆積した銀含有ナノ粒子組成物を加熱することによって製造されて生じる銀含有素子の伝導率は、4探針法で測定すると、例えば、約0.1ジーメンス/センチメートル(「S/cm」)を超え、約100S/cmを超え、約500S/cmを超え、約2,000S/cmを超え、約5,000S/cmを超え、約10,000S/cmを超え、約20,000S/cmを超える。
生じる伝導素子は、電子デバイス中の伝導電極、伝導パッド、伝導トレース、伝導ライン、伝導トラックなどとして使用できる。句「電子デバイス」は、薄膜トランジスター、有機発光ダイオード、RFIDタグ、光発電などのマクロ−、ミクロ−およびナノ−電子デバイス、および伝導性の素子または構成要素を必要とするその他の電子デバイスを指す。
実施形態において、銀含有ナノ粒子を調製するための本発明による化学的方法の利点は、次の1つまたは複数である:(i)界面活性剤を必要としない、単一相での合成(銀塩、安定剤、および溶媒は単一相を形成する)、(ii)短い反応時間、(iii)約100℃未満の低い反応温度、(iv)均一な粒径および狭い粒径分布、(v)液体堆積技術によって容易に製造できる安定な銀含有ナノ粒子組成物、(vi)比較的安価な出発原料、および(vii)銀含有ナノ粒子のコストを相当に低下させる大規模生産に適する。
次に、本発明を、その具体的で典型的な実施形態に関して詳細に説明するが、これらの実施例は、単に例示することを意図したものであって、本発明は、本明細書に挙げる材料、条件、またはプロセスパラメータに限定されることを意図しないと理解されたい。別途指摘しない限り、すべての百分率および部は、重量による。室温は、例えば約20℃〜約25℃の範囲の温度を指す。
(NaOHを添加して酸を除去)
酢酸銀(1.67g、10ミリモル)および1−ドデシルアミン(4.63g、25ミリモル)を、20mLのトルエンに溶解し、55℃で酢酸銀が溶解するまで(約2〜5分間)攪拌した。激しく攪拌しながら、フェニルヒドラジン(0.6g、5.5ミリモル)のトルエン(5mL)溶液を上記溶液中に滴加した。溶液は暗赤褐色になった。溶液を、55℃でさらに5分間攪拌した。次いで、25mLの2N NaOHを添加し、15分間攪拌した後、溶液を室温まで冷却した。水層を廃棄し、有機層を、攪拌しているメタノール(200mL)に添加した。沈殿物を、濾過し、アセトンで1回(100mL)、メタノールで2回(100mL×2)簡潔に洗浄した。次いで、固体を、真空下に室温で2時間乾燥して暗青色固体を得た。収量は1.24gであった。
上記銀ナノ粒子のトルエン溶液(15wt%)を、ガラススライド上に1000rpmで2分間スピン被覆して、銀ナノ粒子の褐色薄膜を得た。該薄膜を、ホットプレート上、120℃で10分間加熱して、厚さが100〜140nmの光沢のある鏡様薄膜を得た。薄膜の伝導率を、通常の4探針技術を使用して測定した。伝導率は、3.0×10S/cmであった。
これらの銀ナノ粒子の溶液は、室温で21日間安定であった。
(比較例)
酢酸銀(1.67g、10ミリモル)および1−ドデシルアミン(4.63g、25ミリモル)を20mLのトルエンに溶解し、55℃で酢酸銀が溶解するまで(約2〜5分間)攪拌した。激しく攪拌しながら、フェニルヒドラジン(0.6g、5.5ミリモル)のトルエン(5mL)溶液を上記溶液中に滴加した。溶液は暗赤褐色になった。溶液を、55℃でさらに5分間攪拌した。次いで、溶液を室温まで冷却し、アセトン/メタノール(150mL/150mL)の混合物に滴加した。沈殿物を、濾過し、アセトンで1回(100mL)、メタノールで2回(100mL×2)簡潔に洗浄した。次いで、固体を、真空下に室温で2時間乾燥して暗青色固体を得た。収量は1.33gであった。
上記銀ナノ粒子のトルエン溶液(15wt%)を、ガラススライド上に1000rpmで2分間スピン被覆して、銀ナノ粒子の褐色薄膜を得た。該薄膜を、ホットプレート上、120℃で10分間加熱して、厚さが100〜140nmの光沢のある鏡様薄膜を得た。薄膜の伝導率を、通常の4探針技術を使用して測定した。伝導率は、1.0〜3.5×10S/cmであった。
これらの銀ナノ粒子の溶液を室温で3日間貯蔵すると、不溶性沈殿が生じた。

Claims (3)

  1. (a)銀塩、ヒドラジン化合物含有還元剤、熱で除去可能な安定剤、および任意選択の溶媒を含有する反応混合物を調製して、銀含有ナノ粒子の表面に安定剤の分子をもつ複数の銀含有ナノ粒子を形成すること(ここで、該反応混合物は、酸を発生する);および
    (b)酸を除去して、酸を実質的に含まない銀含有ナノ粒子を製造すること
    を含むことを特徴とする方法。
  2. (a)銀塩、ヒドラジン化合物含有還元剤、熱で除去可能な安定剤、および任意選択の溶媒を含有する反応混合物を調製して、銀含有ナノ粒子の表面に安定剤の分子をもつ複数の銀含有ナノ粒子を形成すること(ここで、該反応混合物は、酸を発生する);および
    (b)(i)酸と反応する安定剤を選択すること、または(ii)酸と反応する塩基を添加すること、または(iii)手段(i)および(ii)の両方によって酸を除去して(ここで、手段(i)、(ii)、および(iii)に関して、安定剤、塩基、または安定剤と塩基との組合せは、酸を除去して酸を実質的に含まない銀含有ナノ粒子を製造するのに有効な量で存在する)、酸を実質的に含まない銀含有ナノ粒子を製造すること
    を含むことを特徴とする方法。
  3. (a)銀塩、ヒドラジン化合物含有還元剤、熱で除去可能な安定剤、および任意選択の溶媒を含有する反応混合物を調製して(ここで、該反応混合物は、酸を発生する)、銀含有ナノ粒子の表面に安定剤の分子をもつ複数の銀含有ナノ粒子を形成すること;および
    (b)塩基を酸と反応させることによって酸を除去して、酸を実質的に含まない銀含有ナノ粒子を製造すること
    を含むことを特徴とする方法。
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