JP2010037525A - 光学シート - Google Patents

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Abstract

【課題】ロール成形法により、転写性に優れるとともに、高い正面輝度を有し、密着性、及び耐熱性に優れる光学シートを提供する。
【解決手段】連続搬送される可撓性支持体上に形成された活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる樹脂層にエンボスロールを当接させて前記樹脂層の表面に凹凸パターンを転写し、前記凹凸パターンが転写された樹脂層に活性エネルギー線を照射することにより樹脂層を硬化させて得られる光学機能層を有する光学シートであって、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、フルオレン骨格を有する2官能モノマー(A)を20〜75質量%、1.50以上の屈折率を有する単官能モノマー(B)を10〜65質量%、及び6官能モノマー(C)を4〜30質量%を含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は可撓性支持体の一面上に光学機能層を有する光学シートに関する。特に、本発明は、エンボスロールを用いて可撓性支持体上に形成された樹脂層に連続して凹凸パターンを転写する方式により製造される光学シートに関する。
液晶表示装置などのバックライトユニットに用いられるプリズムシート、プロジェクションテレビやマイクロフィルムリーダーなどの投射スクリーンに用いられるフレネルレンズシートやレンチキュラレンズシート、及び立体写真に用いられるレンチキュラレンズシートなどの光学シートとして、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる光学機能層を有するものが使用されてきている。
上記のような用途においては、光学特性の性能向上が求められており、例えば、液晶表示装置ではバックライトの消費電力の割合が大きく、これを低く抑えるために、プリズムシートなどの光学シートでは正面輝度の向上が求められている。この種の光学シートは、バックライトからの出射光を屈折作用により正面方向に向けることによって、正面輝度を向上させバックライトの光学的な効率を向上させる目的で使用されるものであり、その正面輝度の向上効果は光学シートの屈折率に依存する。そのため、例えば、高屈折率のフルオレン骨格を有する2官能モノマー、ビフェニル骨格を有する単官能モノマー、及び他の2官能モノマーを重合性化合物として含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて光学機能層を形成した光学シートが提案されている(例えば、特許文献1)。
ところで、上記のような光学シートの製造方法としては、特許文献1などに記載されているように、従来、逆型の凹凸パターンを有する金型に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布し、透明基板と金型とで該樹脂組成物を挟み込み、透明基板側から活性エネルギー線を照射して樹脂組成物を硬化させるプレス成形法が採用されてきたが、この方法は透明基板1枚毎に光学機能層を形成するバッチ方式であるため、製造効率が悪く、また多数の金型を必要とするため、製造コストが高くなるという問題がある。このため、連続搬送される可撓性支持体上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化の樹脂層を形成し、これにエンボスロールを当接して樹脂層に凹凸パターンを転写し、この凹凸パターンが転写された樹脂層に紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより樹脂層を硬化して凹凸パターンを有する光学機能層を形成し、形成された光学機能層を有する原反ロールを所定長さに裁断して光学シートを作製するロール成形法が提案されている(例えば、特許文献2、3)。このロール成形法によれば、連続して光学機能層が形成されるため、安価に光学シートを製造することができる。
特開2008−94987号公報 特許第3016638号公報 特許第3490099号公報
しかしながら、フルオレン骨格を有する2官能モノマーは高粘度であり、そのため特許文献1に記載されている活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を上記のようなロール成形法に適用した場合、高速で回転するエンボスロールの凹凸パターンに樹脂組成物が入り込み難く、転写性が悪いという問題がある。樹脂組成物の低粘度化のために、低粘度の単官能モノマーを併用することも考えられるが、一般に単官能モノマーは屈折率が低い。そのため、良好な転写性を得ようとして単官能モノマーの含有量を多くすると、光学機能層の屈折率が低下して正面輝度が低くなる。
また、可撓性支持体上に光学機能層を形成した光学シートにおいては、光学特性だけでなく、基材である可撓性支持体と光学機能層との間で高い密着性が要求される。しかしながら、上記のような可撓性支持体を連続搬送しながら光学機能層を形成するロール成形法においては、エンボスロールによる凹凸パターンの転写と同時にあるいは凹凸パターンの転写後、極めて短時間で活性エネルギー線を樹脂層に照射して樹脂層を硬化させる必要があることから、照射時間が短く、硬化性が不足しやすい。そのため、特許文献1のようなバッチ方式で用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物では、高温保存後の密着性が不十分となりやすい。具体的には、低粘度化のために単官能モノマーの含有量を増加すると光学機能層に凝集破壊が生じやすくなり、一方、密着性を向上するためにフルオレン骨格を有する2官能モノマー以外の他の2官能モノマーの含有量を増加すると、樹脂層の硬化収縮が大きくなりすぎて、光学機能層が可撓性支持体から剥離する界面剥離が生じやすくなるという問題がある。
さらに、上記のような光学シートは液晶表示装置などの装置内で高温に晒される場合があるため、耐熱性も要求されているが、特許文献1のようなフルオレン骨格を有する2官能モノマー、単官能モノマー、及び他の2官能モノマーを含有する樹脂組成物を用いてロール成形法により形成した光学機能層を有する光学シートは、高温放置後に光学機能層に未反応モノマーの遊離物と考えられるシミや汚れが発生しやすいことが明らかとなった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、フルオレン骨格を有する2官能モノマーを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて、エンボスロールを使用したロール成形法により連続的に凹凸パターンを形成した場合でも、転写性に優れ、高い正面輝度を有するとともに、密着性、及び耐熱性に優れる光学シートを提供することにある。
本発明は、連続搬送される可撓性支持体上に形成された活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる樹脂層にエンボスロールを当接させて前記樹脂層の表面に凹凸パターンを転写し、前記凹凸パターンが転写された樹脂層に活性エネルギー線を照射することにより樹脂層を硬化させて得られる光学機能層を有する光学シートであって、
前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、下記式(1)で示されるフルオレン骨格を有する2官能モノマー(A)、1.50以上の屈折率を有する単官能モノマー(B)、及び6官能モノマー(C)を少なくとも含む重合性化合物を含有し、
前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物全量に対して、前記2官能モノマー(A)の含有量が20〜75質量%、前記単官能モノマー(B)の含有量が10〜65質量%、前記6官能モノマー(C)の含有量が4〜30質量%である光学シートである。
Figure 2010037525
(式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立で、水素原子またはメチル基であり、m+nは0〜5の整数である)
上記フルオレン骨格を有する2官能モノマー(A)は高粘度を有するが、該2官能モノマー(A)と、単官能モノマー(B)とをそれぞれ一定量含有すれば、低粘度の活性エネルギー線樹脂組成物を得ることができるため、ロール成形法によってもエンボスロールで樹脂層の表面に微細な凹凸パターンを転写性良く形成することができる。また、前記単官能モノマー(B)は1.50以上の屈折率を有するため、単官能モノマー(B)とフルオレン骨格を有する2官能モノマー(A)を併用しても、硬化後に高い屈折率を有する光学機能層を形成することができる。さらに、2官能モノマー(A)と、単官能モノマー(B)と、高反応性の6官能モノマー(C)とをそれぞれ一定量の範囲で使用すれば、高温保存後でも光学機能層の凝集破壊、界面剥離いずれも抑えることができる。そして、2官能モノマー(A)及び単官能モノマー(B)は反応点が少ないが、これらと高反応性の6官能モノマー(C)とを一定量使用すれば、光学シートを高温保存した場合でも、シミ・汚れの発生の少ない耐熱性に優れた光学機能層を形成することができる。
上記重合性化合物は、600以下の平均架橋点間分子量を有することが好ましい。平均架橋点間分子量が600以下の重合性化合物であれば、低粘度、高屈折率でありながら、十分な硬化性が得られ、機械的・熱的強度を確保することができるため、転写性、正面輝度、密着性、及び耐熱性をさらに向上することができる。
前記単官能モノマー(B)は、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、及びこれらの変性体からなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。上記単官能モノマー(B)は低粘度で、高屈折率を有するため、さらに転写性及び正面輝度を向上することができる。
上記6官能モノマー(C)は、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びその変性体からなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。上記6官能モノマー(C)は反応性に優れるため、さらに密着性及び耐熱性を向上することができる。
上記可撓性支持体は、前記光学機能層が形成される面にポリエステル系易接着層を有することが好ましい。光学機能層が形成される面にポリエステル系易接着層を有する可撓性支持体であれば、該易接着層が軟化しやすいため、光学機能層と可撓性支持体との密着性をさらに向上することができる。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、さらにマロン酸エステル系紫外線吸収剤を含有することが好ましい。フルオレン骨格を有する2官能モノマー(A)は芳香環を有するため紫外線により変色しやすいが、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物によればそのような耐光性の劣化も抑えることができる。
また、上記樹脂層の表面への凹凸パターンの転写は、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度を10〜550mPa・sの範囲に調整しながら行なわれることが好ましい。活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる樹脂層に、エンボスロールを当接させて樹脂層の表面に凹凸パターンを形成する転写工程において、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度が10〜550mPa・sになるように粘度調整すれば、高粘度のフルオレン骨格を有する2官能モノマー(A)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた場合でも、転写性を向上することができる。
以上のように、本発明によれば、フルオレン骨格を有する2官能モノマーを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて、エンボスロールを使用したロール成形法により連続的に凹凸パターンを有する光学機能層を形成した場合でも、転写性に優れ、高い正面輝度を有するとともに、密着性、及び耐熱性に優れる光学シートを提供することができる。
図1は、本実施の形態に係る光学シート1の基本構成の一例を示す概略断面図である。図1に示されるように、可撓性支持体2の一面上には光学機能層3が形成されている。
可撓性支持体2としては、プリズムシート、レンズシート、情報記録媒体などで使用されている従来公知の可撓性支持体を使用することができる。一般的には各種合成樹脂からなる可撓性フィルムが挙げられる。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアラミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが挙げられる。これらの中でも光学特性、機械的強度、寸法安定性、耐熱性、価格などの点からポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、特に2軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。使用する可撓性支持体の厚さは特に制限されないが、用途に合わせて、通常200μm以下の厚さを有する可撓性支持体が用いられる。
また、可撓性支持体2に対する光学機能層3の密着性を高めるため、可撓性支持体2は光学機能層3が形成される面に易接着層4を有することが好ましい。このような易接着層としては、具体的には、例えば、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系などの易接着層が挙げられる。これらの中でも、本実施の形態の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物との密着性に優れ、加温により軟化しやすいポリエステル系の易接着層がより好ましい。
可撓性支持体2の平均表面粗さ(Ra)は、1μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.1μm以下が最も好ましい。また、可撓性支持体2の十点平均表面粗さ(Rz)は、5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、0.5μm以下が最も好ましい。
光学機能層3は、上記の可撓性支持体2を連続搬送しながら、可撓性支持体2上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成し、これにエンボスロールを当接させて樹脂層の表面に凹凸パターンを転写し、前記凹凸パターンが形成された樹脂層に活性エネルギー線を照射して樹脂層を硬化することにより形成することができる。
本実施の形態の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重合性化合物として、下記式(1)で示されるフルオレン骨格を有する2官能モノマー(A)を含有する。
Figure 2010037525
(式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立で、水素原子、またはメチル基であり、m+nは0〜5の整数である)
上記フルオレン骨格を有する2官能モノマー(A)を使用することにより、高屈折率を有する光学機能層を形成することができ、正面輝度を向上することができる。上記2官能モノマー(A)の中でも、反応性の点から式中のR〜Rはいずれも水素が好ましい。また、式中のm+nは1.6〜2.4が好ましく、硬化性、安定性、及び屈折率の点からm及びnはいずれも1がより好ましい。m+nが5より大きくなったり、m及びnの繰り返し単位内の炭素数が増加すると、分子量の増大により、樹脂組成物が高粘度化するとともに、反応性が低下して密着性及び耐熱性が不十分となる。このような2官能モノマー(A)としては、具体的には、例えば、9,9−ビス{4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル}フルオレンが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の2官能モノマー(A)の含有量は、樹脂組成物全体に対して、20〜75質量%であり、より好ましくは20〜34質量%である。2官能モノマー(A)の含有量が20質量%より少ないと、光学機能層の屈折率が低下し、正面輝度が低下する。一方、2官能モノマー(A)の含有量が75質量%より多いと、樹脂組成物が高粘度となり、単官能モノマー(B)を使用しても、転写性が低下する。
また、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重合性化合物として、1.50以上の屈折率を有する単官能モノマー(B)を含有する。このような単官能モノマー(B)を一定量含有することにより、樹脂組成物を低粘度化することができ、転写性を向上することができる。また、単官能モノマー(B)の屈折率が1.50以上であれば、高屈折率の光学機能層を得ることでき、正面輝度を向上することができる。単官能モノマー(B)の屈折率が1.50未満では、低粘度化のために一定量の単官能モノマーを必要とする本実施の形態の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の場合、2官能モノマー(A)を用いても光学機能層の屈折率が低下し、正面輝度が低下する。
単官能モノマー(B)としては、具体的には、例えば、スチレン、o−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェニル−フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、ネオペンチルグリコールアクリル酸、安息香酸エステル、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、及びこれらの変性体からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。上記変性体としては、エチレンオキサイド変性、プロピレンオキサイド変性、カプロラクトン変性体などが挙げられる。これらの中でも、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、及びこれらの変性体からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。これらの単官能モノマー(B)は低粘度で、高屈折率を有するため、さらに転写性を向上できるとともに、高い正面輝度を得ることができる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の単官能モノマー(B)の含有量は、樹脂組成物全体に対して、10〜65質量%であり、より好ましくは30〜56質量%である。単官能モノマー(B)の含有量が10質量%より少ないと、樹脂組成物の粘度が高くなり、転写性が低下する。一方、単官能モノマー(B)の含有量が65質量%より多いと、樹脂組成物は低粘度となるが、2官能モノマー(A)の含有量が低下するため、屈折率が低下し、正面輝度が低下したり、あるいは低反応性モノマーの含有量が増加するため、硬化性が低下し、光学機能層が凝集破壊しやすくなり、また高温保存時の耐熱性も低下する。
さらに、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重合性化合物として、6官能モノマー(C)を含有する。高反応性の6官能モノマー(C)を含有することにより、低粘度化のために樹脂組成物中に単官能モノマー(B)を一定量含有しても、高温保存時の密着性及び耐熱性を向上することができる。官能基数が6未満の多官能モノマーでは、正面輝度の向上のために2官能モノマー(A)と、低粘度化のために単官能モノマー(B)とをそれぞれ一定量含有する本実施の形態の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の場合、密着性及び耐熱性が低下する。
6官能モノマー(C)としては、具体的には、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びその変性体からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。上記変性体としては、エチレンオキサイド変性、プロピレンオキサイド変性、カプロラクトン変性体などが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の6官能モノマー(C)の含有量は、樹脂組成物全体に対して、4〜30質量%であり、より好ましくは5〜30質量%であり、さらに好ましくは8〜30質量%である。従来の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物のように多官能モノマーとして低反応性の2官能あるいは3官能モノマーのみを含有し、6官能モノマー(C)を含有しない場合、活性エネルギー線の照射時間が短いロール成形法により光学機能層が形成される本実施の形態の光学シートでは、硬化性が低下し、光学機能層が凝集破壊しやすくなり、また高温保存時の耐熱性が低下する。一方、6官能モノマー(C)の含有量が30質量%より多いと、樹脂層の硬化収縮が大きくなりすぎ、可撓性支持体と光学機能層が界面剥離しやすくなる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、2官能モノマー(A)、単官能モノマー(B)、及び6官能モノマー(C)を上記各含有量の範囲で含有していれば、必要に応じて他の重合性化合物をさらに含有してもよい。このような重合性化合物としては、脂肪族系2官能モノマー、ビスフェノール系2官能モノマー、及び脂肪族系の3〜5官能の多官能モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。脂肪族系及びビスフェノール系の2官能モノマーとしては、具体的には、例えば、トリシクロデカンジメチルエタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビス(4−メタクリルオキシチオフェニル)サルファイド、ビス(2−メタクリロイルチオエチル)サルファイド、ビスフェノールAのエトキシ付加物ジ(メタ)アクリレート、臭素化ビスフェノールAのエトキシ付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロポキシ付加物ジ(メタ)アクリレート、2,2,2−トリスアクリロイロキシメチルエチルフタル酸エトキシ化ビフェノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、4−(4’アクリロイルエトキシフェニルチオ)フェノキシエチルアクリレートなどが挙げられる。脂肪族系の3〜5官能の多官能モノマーとしては、具体的には、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ただし、これらの他の重合性化合物の含有量が多すぎると、転写性が劣化したり、正面輝度、密着性、及び耐熱性が低下するため、樹脂組成物全体に対して、10質量%以下が好ましい。また、本実施の形態においては、重合性化合物として、従来公知のオリゴマーなども少量使用してもよい。
本実施の形態において、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の重合性化合物は600以下の平均架橋点間分子量を有することが好ましい。平均架橋点間分子量は、熱硬化性樹脂などでも利用される重合物の架橋度合いを示すものであり、本実施の形態の光重合性化合物の場合、重合性化合物中のモノマーの総含有量を100としたとき、これを以下で表される2官能以上の多官能モノマーの架橋の総数(Y)で除した値である。すなわち、重合性化合物としてi種の単官能モノマーと、j種の2官能モノマーと、k種の3官能以上の多官能モノマーとを含有する場合、架橋の総数(Y)は、各多官能モノマーの含有量(Cj,Ck)を次式で表される各多官能モノマーの架橋間分子量(Mj,Mk)で除した値の総和である。
2官能モノマーの場合、Mj=MWj
3官能以上の多官能モノマーの場合、Mk=MWk/官能基数
(ただし、Mjは2官能モノマーの架橋間分子量、Mkは3官能以上の多官能モノマーの架橋間分子量、MWjは2官能モノマーの各分子量、MWkは3官能以上の多官能モノマーの各分子量である)
Figure 2010037525
従って、平均架橋点間分子量は、次式で表される。
Figure 2010037525
(ただし、Ci,Cj,及びCkは、重合性化合物を100としたときの単官能モノマー、2官能モノマー、及び3官能以上の多官能モノマーの各質量部である)
本実施の形態で用いられる重合性化合物の平均架橋点間分子量が600以下であれば、2官能モノマー(A)、単官能モノマー(B)、及び6官能モノマー(C)の各機能のバランスを最適化することができ、低粘度、高屈折率でありながら、十分な硬化性が得られ、機械的・熱的強度を確保することが可能となり、樹脂層の転写性、光学機能層の正面輝度、密着性、及び耐熱性のいずれの特性も優れた光学シートを得ることができる。なお、平均架橋点間分子量は低いほど架橋度合いが向上するため好ましいが、本実施の形態の重合性化合物を用いる場合、平均架橋点間分子量は250以上がより好ましい。
また、本実施の形態において、重合性化合物の平均官能基数は1.3〜2.2が好ましい。上記平均官能基数であれば、密着性及び耐熱性をさらに向上することができる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には上記の重合性化合物以外に、必要に応じて汎用樹脂、光開始剤、増感剤、促進剤、レベリング剤、離型剤、色材、フィラーなどを添加してもよい。光開始剤の必要性は活性エネルギー線の種類による。特に紫外線、可視光線を活性エネルギー線として使用する場合、光開始剤が必要とされる。このような光開始剤としては、α−ヒドロキシアルキルフェノン系光開始剤が好ましい。市場で入手可能な光開始剤としては、チバ社製のIRGACURE184などが挙げられる。また、活性エネルギー線の照射を可撓性支持体を介して行う場合には、可撓性支持体を透過する活性エネルギー線の波長に応じた光開始剤を使用することが好ましい。例えば、可撓性支持体としてポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルムが用いられる場合には、チバ社製のIRGACURE369、IRGACURE819、IRGACURE907などのそれぞれの可撓性支持体の吸収波長と重ならないような波長領域で吸収をもつ光開始剤を使用することができる。光開始剤の量は、使用する重合性化合物や光開始剤の種類にもよるが、樹脂組成物全体に対して、通常0.5〜5質量%である。
また、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は紫外線吸収剤を含有することが好ましい。2官能モノマー(A)は芳香環を有するため、紫外線などにより変色しやすいが、紫外線吸収剤を使用することによりそのような変色も抑えることができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアゾール系紫外線吸収剤などの従来公知のものを用いてもよいが、2官能モノマー(A)を含有する本実施の形態の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の場合、マロン酸エステル系紫外線吸収剤を使用すると、優れた耐光性が得られるため好ましい。市場で入手可能なマロン酸エステル系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、クラリアント社製のHostavin PR−25、Hostavin B−CAPなどが挙げられる。これらは単独でも複数混合して使用してもよい。
次に、本実施の形態の光学シートの製造方法について説明する。光学シートの製造にあたっては、まず、上記の重合性化合物と、必要に応じて他の添加剤とを所定の割合で混合して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調製する。混合装置としては、ディスパなどの従来公知の混合装置を使用することができる。なお、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中に有機溶剤を含有させると、乾燥工程をさらに設ける必要があり、低コスト化が図れるロール成形法を使用する意義が失われるため、非溶剤系の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。
図2は、本実施の形態の光学シートの製造装置の一例を示す概略構成図である。図2に示すように、この製造装置は、送り出しロール10a及び巻き取りロール10bを有する搬送部10と、上記のようにして調製される活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる樹脂層5を可撓性支持体2上に形成するための樹脂層形成部20と、樹脂層5の表面にエンボスロールから所定の凹凸パターンを転写し、転写された樹脂層5を硬化するための転写・硬化部30とを有している。また、上記の転写・硬化部30は窒素ガス雰囲気(例えば、酸素濃度300ppm以下)で樹脂層5の硬化を行うために不図示の密閉ボックス内に配置されている。
図2に示すように、まず、樹脂層形成部20において、コータ等からなる塗布手段21から一定の供給量で易接着層(図示せず)を有する可撓性支持体2上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が供給されて、可撓性支持体2の一面上に未硬化の樹脂層5が形成される。塗布方法としては、従来公知のロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ディップコート法、カーテンコート法などが挙げられる。塗布手段21は、凹凸パターンの転写前であれば、特に配置される場所は制限されない。例えば、図3に示すように、塗布手段21はエンボスロール31上に配置してもよい。可撓性支持体2の搬送速度は、通常、1〜30m/分である。
樹脂層5が形成された可撓性支持体2は、次に転写・硬化部30に搬送される。この転写・硬化部30は、樹脂層2に凹凸パターンを転写するエンボスロール31と、可撓性支持体2をエンボスロール31に押圧するためのニップロール32と、凹凸パターンが転写された樹脂層5に活性エネルギー線Eを照射し樹脂層5を硬化させる照射手段34と、バックアップロール33と、活性エネルギー線Eの拡散を防止するための遮蔽板35とを備えている。
転写・硬化部30において、搬送されてきた可撓性支持体2は、樹脂層5が表面に逆型の凹凸パターン(図示せず)を有するエンボスロール31に当接し、樹脂層5が形成された側と反対側の可撓性支持体2の他面がニップロール32に当接するように、エンボスロール31とニップロール32との間に供給される。そして、ニップロール32で可撓性支持体2側から樹脂層5をエンボスロール31に押し付け、エンボスロール31上の逆型の凹凸パターンを樹脂層5に転写することにより、凹凸パターンが樹脂層5の表面に形成される。
本実施の形態においては、上記エンボスロール31から樹脂層5に凹凸パターンを転写させる際、樹脂組成物の粘度を10〜550mPa・s、好ましくは20〜340mPa・sの範囲に調整しながら凹凸パターンを転写することが好ましい。すなわち、本実施の形態の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は重合性化合物として高粘度の2官能モノマー(A)を含有するため転写性が悪くなりやすいが、樹脂組成物の粘度を上記範囲に調製しながら凹凸パターンを転写することにより微細な凹凸パターンを形成する場合でも、転写性を向上することができる。粘度調整の方法として、例えば、エンボスロール31、ニップロール32のいずれかまたは両方を加温する方法、ヒータ等を用いて樹脂組成物あるいは可撓性支持体2を直接加温する方法が挙げられる。また、このような加温により、樹脂層5が形成される面にポリエステル系易接着層を有する可撓性支持体2を用いた場合、該易接着層が軟化し、それによって可撓性支持体2と光学機能層3との密着性をさらに向上できるため、好ましい。
エンボスロール31及びニップロール32を加温する手段としては、特に限定されず、例えば、図2に示すように、各ロール31,32内に加温ヒータ311,321を埋め込んでもよい。また、図示しないが、エンボスロール31、ニップロール32を外部から一定温度に設定した加温ヒータで加温してもよい。加温温度は、調製した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の加温時の粘度を予め測定することにより決定することができる。なお、加温温度は高いほど樹脂組成物の粘度が低下するため好ましいが、余りに高温となると光学シートに反りが発生しやすくなるため、30〜100℃が好ましく、30〜80℃がより好ましい。
ニップロール32の平均表面粗さ(Ra)は5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、1μm以下が最も好ましい。平均表面粗さ(Ra)が5μmより大きいと、ニップロール表面の凹凸が可撓性支持体2の他面に転写され、ロール成形法を用いて原反ロールを作製する本実施の形態の光学シートの場合、原反ロール内で可撓性支持体2の他面に転写した凹凸が光学機能層3に転写し、欠陥の原因となる場合がある。また、同様の理由からニップロール32の十点平均表面粗さ(Rz)は15μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下が最も好ましい。ニップロール32は、ゴムロール、金属ロールいずれを用いてもよい。ゴムロールは柔軟性があるため、ニップの均一性に優れているが、弾性体であるため研磨による鏡面化が困難であり、表面粗さが粗くなりやすいため、金属ロールがより好ましい。ゴムロールに用いられる樹脂としては、PET等のポリエステル、PE、PP、ポリイミド、ポリカーボネート、各種ゴムなどが挙げられる。金属ロールに用いられる金属としては、SUS304、301、631、チタン、ハステロイ、インコネル、ニッケル合金などの各種鋼が挙げられる。また、ニップロールには継ぎ目のないシームレススリーブを用いることが好ましい。さらに、強度、弾性、平滑性、耐摩耗性、及び腐食耐性などを付与するため、ニップロールの表面に各種コーティングを施してもよい。このようなコーティングとしては、具体的には、例えば、ゴム、樹脂、セラミック、グラスファイバー、ダイヤモンドライクカーボン、金属メッキ(ニッケル・クロム等)などが挙げられる。例えば、ゴムロールの表面にダイヤモンドライクカーボンのコーティングを施すことにより、強度アップや摩擦係数の低減を図ることができる。また、金属ロールの表面にフッ素樹脂コーティングを施すことにより、耐腐食性の向上や摩擦係数の低減を図ることができ、また、表面に適度な弾性も付与することもできる。
上記のようにして凹凸パターンが転写された樹脂層5に照射手段34から活性エネルギー線Eを照射することにより樹脂層5が硬化される。照射手段34は、樹脂層5を硬化することができれば、特に配置される場所は制限されない。例えば、図4に示すように、エンボスロール31内に照射手段34を配置してもよい。この場合、エンボスロール31としては、活性エネルギー線Eを透過する樹脂製ロールが用いられる。この方法によれば、可撓性支持体2が活性エネルギー線Eを透過しない材料からなる場合でも樹脂層5を硬化することができる。照射エネルギーは、例えば紫外線の場合、通常50〜50,000J/cmである。
光学機能層3の凹凸パターンは、目的、用途に応じて種々の形状で形成される。例えば、凹凸の平均間隔(D)が0.01〜50μm、凹凸の平均高さ(H)が0.01〜50μm、凹凸の平均間隔(D)と凹凸の平均高さ(H)との比(D/H)が0.01〜100である凹凸パターンも形成可能である。図5は、本実施の形態の光学機能層に形成される凹凸パターンを例示する概略断面図である。図中、(a)は一定間隔の平坦な凹凸パターンを示し、(b)は、一定間隔のプリズム状の凹凸パターンを示し、(c)はランダムなプリズム状の凹凸パターンを示す。
次に、光学機能層3が形成された可撓性支持体2を巻き取りロール10bでロール状に巻き取ることにより、原反ロール6が形成される。原反ロール6の巻き取り張力は、0.01〜1kg/mmが好ましく、0.05〜0.5kg/mmがより好ましく、0.1〜0.3kg/mmが最も好ましい。
本実施の形態の光学シートは、上記のようにして作製される原反ロールを所定長さに裁断することにより製造することができる。このようにして得られる光学シートは種々の用途に使用することができる。例えば、レンチキュラレンズやフライアイレンズなどの微細なレンズを有するレンズシート、プリズムシート、反射防止フィルムなどの他、情報記録媒体のトラック層形成用シートとして使用することもできる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
各実施例及び比較例で用いた樹脂組成物の成分を以下の表1に示す。
Figure 2010037525
(実施例1〜14及び比較例1〜8)
表2〜4に示す組成を有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をそれぞれ調製した。表中、「部」とあるのは、「質量部」を意味する。また、各活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の25℃における粘度と、転写時の加温温度での粘度を、東機産業社製のE型粘度計(回転数:10rpm)で測定した。さらに、各活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に紫外線(1000mJ/cm)を照射し、硬化物の25℃における屈折率をアタゴ社製アッペ屈折率計(NAR−2T)で測定した。
原反ロールの作製にあたっては、図2に示す製造装置を用いた。まず、樹脂層形成部において、搬送速度10m/分で連続搬送されるPETフィルム(厚さ:188μm,Ra:0.01μm,Rz:0.3μm,易接着層:ポリエステル系)上に、樹脂組成物を塗布して、樹脂層を形成した。その後、樹脂層が形成された可撓性支持体を表2〜4に示す温度に加温されたエンボスロールとニップロールとの間に供給し、転写部において、樹脂層を、可撓性支持体の搬送速度と同速で回転するプリズム形状の逆型の凹凸パターンを有するエンボスロール(凹凸の平均間隔(D):40μm,凹凸の平均高さ(H):20μm,D/H:2)に当接させ、樹脂層がエンボスロールに押し当てられた状態で、高圧水銀ランプから紫外線(1,000mJ/cm)を照射し樹脂層を硬化することにより、凹凸パターンを有する光学機能層を形成した。ついで、巻き取り張力0.1kgf/mmでロール状に可撓性支持体を巻き取ることにより、原反ロールを作製した。
上記のようにして作製した各原反ロールを一定長さに裁断して各光学シートを作製し、これらを用いて以下の評価を行った。表2〜4にこれらの結果を示す。なお、表中、各モノマーの組成における括弧書内の数値は、重合性化合物全量を100としたときの含有量を示す。
[転写性]
電子顕微鏡により光学機能層の微細な転写欠陥(レべリング不良などに起因する塗布スジ、未塗布部(ボイド)など)の有無を観察し(測定倍率:2000倍,視野数:20,測定視野:45μm×45μm)、下記の基準で評価した。
○:20視野中、転写欠陥なし
△:20視野中の1〜2視野で極わずかに転写欠陥あり
×:20視野中の3〜20視野で転写欠陥あり
[正面輝度]
冷陰極管を収納し、内面に反射フィルムが敷設され、開口部に光拡散板が嵌着されたハウジングに光学シートを敷設した測定試料を作製した。この測定試料の輝度を輝度計で測定し、光学シートを敷設していないときの正面輝度を1として、相対値で光学シートの正面輝度を求めた。
[密着性]
光学シートを60℃80%環境下に500時間高温保存した。測定試料として、保存前の光学シートと、保存後の光学シートとを用い、JIS K 5600−5−6に基づいて、クロスカット法による剥離試験を行い、光学機能層の剥離の程度を試験方法に記載の0〜5の6段階で評価した。「0」は剥離が観察されないことを意味し、数が大きくなるほど剥離の程度が大きくなることを意味している。なお、試験後の光学機能層の剥離状態を目視により観察し、光学機能層の途中から剥離している場合を凝集破壊とし、光学機能層が可撓性支持体の界面から剥離している場合を界面剥離とした。
[耐熱性]
光学シートをガラス板で挟んだ測定試料を作製した。この測定試料を、60℃及び85℃の各ドライ環境下で500時間保存し、保存後の光学シートの光学機能層におけるシミ・汚れの発生を目視で観察し、以下の基準で耐熱性を評価した。
○:シミ・汚れの発生なし
△:シミ・汚れが若干発生する
×:シミ・汚れが顕著に発生する
[耐光性]
サンシャインウエザ(スガ社製,キセノンウエザー,7.5kW)にて24時間紫外線照射(紫外線強度:62.5mW/cm)を行い、照射前後の色相変化ΔEを測定し、耐光性を評価した。
[鉛筆硬度]
光学機能層の表面の鉛筆硬度を、JIS K 5600−5−4に基づいて測定した。
Figure 2010037525
Figure 2010037525
Figure 2010037525
上記表に示すように、2官能モノマー(A)、単官能モノマー(B)、6官能モノマー(C)をそれぞれ一定量含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて作製した実施例の光学シートはいずれも、転写性に優れ、正面輝度が高く、密着性及び耐熱性にも優れていることが分かる。また、これらの中でも、平均架橋点間分子量が600以下、特に500以下の重合性化合物を用いた実施例の光学シートは、密着性及び高温での耐熱性にも優れていることが分かる。さらに、マロン酸エステル系紫外線吸収剤を含有する実施例の光学シートは、耐光性にも優れていることが分かる。そして、2官能モノマー(A)、単官能モノマー(B)、6官能モノマー(C)をそれぞれ一定量含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用い、エンボスロールを加温して、樹脂組成物の粘度が10〜535mPa・sの範囲で転写することにより、転写性よく凹凸パターンを転写することができる。
これに対して、低屈折率の単官能モノマーを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて作製した比較例の光学シートは、転写性は優れるが、正面輝度が低いことが分かる。
また、6官能モノマー(C)を含有せず、他の2官能または3官能モノマーを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて作製した比較例の光学シートは、高温保存後の密着性及び耐熱性が低いことが分かる。これは、多官能モノマーとして2官能や3官能のモノマーのみを含有する場合、ロール成形法では十分な硬化性が得られないためと考えられる。
さらに、2官能モノマー(A)、単官能モノマー(B)、6官能モノマー(C)を含有しても、6官能モノマー(C)の含有量が多い活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて作製した比較例の光学シートは、高温保存後の密着性で界面剥離が生じやすいことが分かる。これは、6官能モノマー(C)の含有量が多すぎ、硬化収縮が大きくなったためと考えられる。
また、2官能モノマー(A)、単官能モノマー(B)、6官能モノマー(C)を含有しても、2官能モノマー(A)の含有量が少ない活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて作製した比較例の光学シートは、低粘度で、転写性は優れるが、屈折率が低く、正面輝度が低下することが分かる。一方、2官能モノマー(A)の含有量が多い活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて作製した比較例の光学シートは、単官能モノマー(B)を含有しても、高粘度となり、転写性が低下することが分かる。
そして、2官能モノマー(A)、単官能モノマー(B)、6官能モノマー(C)を含有しても、単官能モノマー(B)の含有量が少ない活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて作製した比較例の光学シートは、高粘度となり、転写性が低下することが分かる。一方、単官能モノマー(B)の含有量が多い活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて作製した比較例の光学シートは、粘度は低下するが、低反応性モノマーを多量に含有するため、凝集破壊が発生し、密着性が低く、また耐熱性も低いことが分かる。
本発明の実施の形態に係る光学シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る光学シートを製造するための製造装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る光学シートを製造するための製造装置の他の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る光学シートを製造するための製造装置の他の一例を示す概略構成図である。 光学機能層の凹凸パターンを例示する概略断面図であり、(a)は一定間隔の平坦な凹凸パターンを示し、(b)は、一定間隔のプリズム状の凹凸パターンを示し、(c)はランダムなプリズム状の凹凸パターンを示す。
符号の説明
1 光学シート
2 可撓性支持体
3 光学機能層
4 易接着層
5 樹脂層
31 エンボスロール
32 ニップロール
E 活性エネルギー線

Claims (7)

  1. 連続搬送される可撓性支持体上に形成された活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる樹脂層にエンボスロールを当接させて前記樹脂層の表面に凹凸パターンを転写し、前記凹凸パターンが転写された樹脂層に活性エネルギー線を照射することにより樹脂層を硬化させて得られる光学機能層を有する光学シートであって、
    前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、下記式(1)で示されるフルオレン骨格を有する2官能モノマー(A)、1.50以上の屈折率を有する単官能モノマー(B)、及び6官能モノマー(C)を少なくとも含む重合性化合物を含有し、
    前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物全量に対して、前記2官能モノマー(A)の含有量が20〜75質量%、前記単官能モノマー(B)の含有量が10〜65質量%、前記6官能モノマー(C)の含有量が4〜30質量%である光学シート。
    Figure 2010037525
    (式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立で、水素原子またはメチル基であり、m+nは0〜5の整数である)
  2. 前記重合性化合物は、600以下の平均架橋点間分子量を有する請求項1に記載の光学シート。
  3. 前記単官能モノマー(B)は、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、及びこれらの変性体からなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項1または2に記載の光学シート。
  4. 前記6官能モノマー(C)は、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びその変性体からなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学シート。
  5. 前記可撓性支持体は、前記光学機能層が形成される面にポリエステル系易接着層を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学シート。
  6. 前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、さらにマロン酸エステル系紫外線吸収剤を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学シート。
  7. 前記樹脂層の表面への凹凸パターンの転写は、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度を10〜550mPa・sの範囲に調整しながら行なわれる請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学シート。
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