JP2010036736A - 鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構、鉄道車両の床下構造物 - Google Patents

鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構、鉄道車両の床下構造物 Download PDF

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Sotoo Ito
外男 伊藤
Norihisa Yamamoto
徳久 山本
Norihide Nishiyama
典秀 西山
Shinsuke Kagami
慎祐 各務
Yuki Ono
勇気 小野
Toshihiko Ichioka
俊彦 市岡
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Abstract

【課題】鉄道車両の床下に設置される構造物の清掃時などに構造物を覆う覆体を着脱する作業において作業者の身体に掛かる負荷を軽減するとともに作業効率を向上させること。
【解決手段】冷却水用ラジエータ取付部材31を冷却水用ラジエータ13に取り付けるとともに変速機油用ラジエータ取付部材32を変速機油用ラジエータ16に取り付けることにより、変速機油用ラジエータ16を冷却水用ラジエータ13に取り付けた状態で接続ピン33を中心として回動させることが可能となる。そして、変速機油用ラジエータ16を接続ピン33を中心として回動させると、冷却水用ラジエータ13が変速機油用ラジエータ16に覆われた状態から、冷却水用ラジエータ13が変速機油用ラジエータ16に覆われずに開放された状態となり、冷却水用ラジエータ13を高圧の洗浄水で直接洗浄することが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、鉄道車両の床下に設置される構造物の清掃時などに構造物を覆う覆体を着脱する作業において作業者の身体に掛かる負荷を軽減するとともに作業効率を向上させる技術に関する。
内燃機関を搭載する鉄道車両には、内燃機関を冷却するための冷却水や変速機を冷却するための変速機油の冷却に用いられるラジエータが搭載されている(例えば、特許文献1参照。)。
この種のラジエータの中には、鉄道車両の床下に設置されるものがある。このような鉄道車両の床下に設置されるラジエータは、車両の床下に形成される冷却用の風道がその内部に形成される箱体の開口部に取り付けられることで冷却用風道上に位置し、冷却ファンの作用によって内部を循環する冷却水や変速機油を冷却する機能を有する。
なお、ラジエータには、冷却水用ラジエータと変速機油用ラジエータとがあり、このうちの冷却水用ラジエータが箱体に開口部を塞ぐようにボルトで取り付けられ、変速機油用ラジエータが冷却水用ラジエータにボルトで取り付けられ、さらに、フィルタが変速機油用ラジエータにボルトで取り付けられている。
ところで、このようなラジエータは、鉄道車両の床下で常に外気に曝されており、内燃機関の後方に配置されることが多いために汚れやすく、上述の冷却機能が低下しやすい。このことが原因で内燃機関にオーバーヒートが発生することがあり、ラジエータを定期的に清掃する必要がある。
ラジエータを清掃するには、フィルタを変速機油用ラジエータから取り外して、変速機油用ラジエータに向けて洗浄水を高圧で吹き付けることで、変速機油用ラジエータおよび冷却水用ラジエータを洗浄する。
なお、このような洗浄を実施する時期としては、5月上旬から6月下旬の冷房整備期間に併せ、ラジエータ整備期間として、90日周期で洗浄を行う。なお、7〜9月にはラジエータの汚れが酷くなるため、45日周期の洗浄を行う。
しかし、上述のようなラジエータを取り外さずに実施される洗浄では、変速機油用ラジエータの内部に配置される冷却水用ラジエータを充分に洗浄できない場合があり、内燃機関にオーバーヒートが発生することがある。
そこで、変速機油用ラジエータを取り外し、冷却水用ラジエータにも洗浄水を高圧で直接吹き付けるようにしている。具体的には、まず、変速機油用ラジエータの配管を外し、変速機油用ラジエータから変速機油を抜き、作業者が変速機油用ラジエータを冷却水用ラジエータに固定しているボルトを取り外す。このとき、二人の作業者が変速機油用ラジエータを保持しながら、他の作業者がボルトを取り外す。続いて、二人の作業者が変速機油用ラジエータを冷却水用ラジエータから取り外し、取り外した変速機油用ラジエータをピット外に運び出して洗浄する。さらに、内側の冷却水用ラジエータも洗浄する。洗浄が終了したら、変速機油用ラジエータをピット内に運び込み、再び冷却水用ラジエータに取り付ける。このとき、二人の作業者が変速機油用ラジエータを保持しながら、他の作業者がボルトを取り付ける。このような作業を、前面のラジエータ、横面のラジエータ、裏面のラジエータについて行う。
特に、裏面のラジエータの着脱作業時には、作業スペースが狭く、取り外した変速機油用ラジエータをそのままピット外へ運び出そうとすると、中腰の姿勢のままで長い距離を移動することとなり、腰など作業者の身体に負担がかかる上に、手を滑らせて変速機油用ラジエータを落下させてしまうおそれがある。そのため、取り外した変速機油用ラジエータを一旦ピットに降ろすようにしている。
このことにより、冷却水用ラジエータも充分に洗浄されるようになり、上述のような定期的な洗浄実施によって内燃機関にオーバーヒートが発生することを防止している。
しかし、上述のような変速機油用ラジエータを取り外して冷却水用ラジエータを直接洗浄する方法においては、次のような理由により作業者の身体に負荷が掛かるとともに作業効率も低くなっていた。すなわち、作業時に上げ下ろしする荷物などの重量は、作業者の体重の30〜40%とされており、作業者の体重が60kgの場合には、18〜24kgが限度であると考えられる。これに対して変速機油用ラジエータの重量は約55kgであり、この重量は作業者の上げ下ろし可能な荷物の重量を大幅に超える。さらに、上述のような変速機油用ラジエータの着脱作業はピットでの作業となるが、鉄道車両の床下には内燃機関などの構造物が設置されているために狭いスペースでの作業となるため、二人の作業者による作業とならざるをえず、作業者の身体への負担は大きい。また、変速機油用ラジエータは汚れが酷く、作業者にとって作業が行いにくいだけでなく、汚れを吸い込むおそれもある。
このように、ラジエータの着脱作業は、ラジエータの重量や作業スペースの広さなどにより人力による作業の中でも特に作業者に負担が掛かり、重症災害になりやすい作業となっている。なお、人力による作業としては、ラジエータの着脱作業の他に、充電発電機の取り替え作業や、セルモータの取り替え作業、制輪子の取り替え作業、などが挙げられる。また、機械による作業としては、車輪の取り替え作業や、内燃機関の取り替え作業、送風機の取り替え作業などが挙げられる。
なお、作業者の負担を少しでも軽減するため、ラジエータの下方に梯子状の案内レールを水平となるように置き、案内レールの上にジャッキを設置する方法が行われている。すなわち、作業者がジャッキの上端部を変速機油用ラジエータの下面に当接するまで上昇させ、変速機油用ラジエータの配管を外して、変速機油用ラジエータから変速機油を抜く。続いて、一人の作業者が変速機油用ラジエータを保持しながら、他の作業者がボルトを取り外す。そして、作業者がジャッキの上端部を下降させ、変速機油用ラジエータを冷却水用ラジエータから取り外す。さらに、二人の作業者が変速機油用ラジエータをジャッキから降ろし、ピット外に運び出して洗浄する。また、冷却水用ラジエータも洗浄する。このような作業を、前面のラジエータ、横面のラジエータ、裏面のラジエータについて行う。
因みに、このような案内レールやジャッキを用いた洗浄作業に要する作業時間は、二人の作業者が行った場合に、ラジエータの取り外しに30分、清掃および気吹きに20分、ラジエータ取り付けに50分、掃除に10分、後片付けに5分となっており、総作業時間は230分となる。しかも、作業者の身体への負担は大きいことに変わりはない。
なお、変速機油用ラジエータをジャッキから降ろさず、変速機油用ラジエータをジャッキに乗せたままで洗浄することも考えられる。
しかし、変速機油用ラジエータを充分に洗浄する必要があるために洗浄水を高圧で変速機油用ラジエータに吹き付けるため、作業者が変速機油用ラジエータを押えている必要がある。それでも、高圧の洗浄水によって変速機油用ラジエータがジャッキから落下するおそれがある。また、高圧の洗浄水が作業者に掛かることが避けられない。
特開昭62−221919号公報
しかし、上述のような案内レールおよびジャッキを用いたラジエータの着脱作業においても、作業スペースが狭く、取り外した変速機油用ラジエータを中腰の姿勢のままでピット外へ運び出すこととなり、腰など作業者の身体に負担がかかる上に、手を滑らせて変速機油用ラジエータを落下させてしまうおそれがある。そのため、案内レールやジャッキを用いる場合であっても、取り外した変速機油用ラジエータを一旦ピットに降ろす必要があり、作業効率がよくないという問題があった。
特に、裏面のラジエータの着脱作業時には、作業スペースがさらに狭く、取り外した変速機油用ラジエータをそのままピット外へ運び出そうとすると、中腰の姿勢のままで長い距離を移動することとなり、腰など作業者の身体に負担がかかる。
なお、このような問題は、鉄道車両の床下に設置されるラジエータに限られず、ラジエータ以外の鉄道車両の床下に設置される構造物についても同様の問題が生じていた。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、鉄道車両の床下に設置される構造物の清掃時などに構造物を覆う覆体を着脱する作業において作業者の身体に掛かる負荷を軽減するとともに作業効率を向上させる技術を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構は、鉄道車両の床下に設置される構造物を覆う覆体を着脱可能に保持する鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構であって、前記覆体に取り付け可能な覆体側取付部材と、前記構造物に取り付け可能な構造物側取付部材と、前記覆体側取付部材と前記構造物側取付部材とを回転軸上にて相対回転可能に連結する連結部材と、を備えることを特徴とする。
このように構成された本発明の鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構によれば、連結部材が、鉄道車両の床下に設置される構造物を覆う覆体に取り付け可能な覆体側取付部材と、構造物に取り付け可能な構造物側取付部材とを回転軸上にて相対回転可能に連結するので、覆体取付部材を覆体に取り付けるとともに構造物取付部材を構造物に取り付けることにより、覆体を構造物に対して連結部材を中心として回動させることが可能となる。
ここで、本発明の鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構の作用を、構造物としてのラジエータ装置を例に説明する。すなわち、鉄道車両の床下に設置される内燃機関を冷却する冷却水および前記内燃機関から出力される回転エネルギーを車輪へ動力伝達する変速機に用いられる変速機油を冷却するために、鉄道車両の床下にはラジエータ装置が設置されている。このラジエータ装置は、上述の冷却水および変速機油を冷却するために鉄道車両の床下に形成される冷却用の風道の一部をその内部に包含する箱体と、箱体に取り付けられて冷却用風道に送風する送風ファンと、箱体の開口部に対して冷却用風道上に位置するように着脱可能に取り付けられて冷却水を冷却する冷却水用ラジエータと、冷却水用ラジエータに対して冷却用風道上に位置するように着脱可能に取り付けられて変速機油を冷却する変速機油用ラジエータと、を備えている。そして、覆体側取付部材が、覆体としての変速機油用ラジエータに取付可能であり、構造物側取付部材が、構造物としての箱体および冷却水用ラジエータに取付可能であり、上述の連結部材が、覆体側取付部材と構造物側取付部材とを回転軸上にて相対回転可能に連結する(請求項5)。このことにより、構造物側取付部材を箱体および冷却水用ラジエータに取り付けるとともに覆体側取付部材を変速機油用ラジエータに取り付けることにより、変速機油用ラジエータを箱体および冷却水用ラジエータに取り付けた状態で連結部材を中心として回動させることが可能となる。そして、変速機油用ラジエータを連結部材を中心として回動させると、冷却水用ラジエータが変速機油用ラジエータによって覆われた状態から、冷却水用ラジエータが変速機油用ラジエータに覆われずに開放された状態となり、冷却水用ラジエータを高圧の洗浄水で直接洗浄することが可能となる。このとき、変速機油用ラジエータは、作業者によって支持されなくても、箱体または冷却水用ラジエータに支持される。
つまり、従来のようなラジエータを持ち運ぶ作業およびラジエータを保持する作業が必要なく、ラジエータの清掃作業において作業者の身体に掛かる負荷を軽減するとともに作業効率を向上させることができる。
なお、本発明をラジエータ装置に適用した場合の洗浄作業に要する作業時間は、一人の作業者が行った場合に、開閉機構の取り付けに30分、気吹き清掃に30分、開閉機構の取り外しに30分、掃除に10分、後片付けに10分となっており、総作業時間は110分となる。
また、従来は一人の作業者が変速機油用ラジエータを支持しながら他の作業者がボルトの着脱を行っていたが、本発明によれば、変速機油用ラジエータを固定するためのボルトの着脱を一人で行うことができる。
また、本発明については、キハ11形車両向けであるが、取付部材の大きさの調整や穴位置の調整、穴の長孔化などを工夫することで、他機種であるキハ40系にも使用できる。
したがって、鉄道車両の床下に設置されるラジエータ装置などの構造物の清掃時などに構造物を覆う覆体を着脱する作業において作業者の身体に掛かる負荷を軽減するとともに作業効率を向上させることができる。
ところで、上述の構造物については、側面に開口部が形成され、覆体がその構造物の開口部を側方から覆うように構成されている場合がある。この場合には、覆体側取付部材が、構造物を側方から覆うよう構成された覆体に取付可能であることが考えられる(請求項2)。
なお、上述の構造物については、下面に開口部が形成され、覆体がその構造物の開口部を下方から覆うように構成されている場合がある。この場合には、覆体側取付部材が、構造物を下方から覆うよう構成された覆体に取付可能であることが考えられる。また、上述の構造物については、鉄道車両の床下との間に空間が形成されてその上面に開口部が形成され、覆体がその構造物の開口部を上方から覆うように構成されている場合がある。この場合には、覆体側取付部材が、構造物を上方から覆うよう構成された覆体に取付可能であることが考えられる。
ところで、覆体を回動させるには、覆体を左右の端部の何れかに鉄道車両の床下面に対して垂直な方向に沿って形成される回転軸を中心として回動させることや、覆体を上下の端部の何れかに鉄道車両の床下面と平行な方向に沿って形成される回転軸を中心として回動させることなどが考えられる。
このうち、覆体を左右の端部の何れかに鉄道車両の床下面に対して垂直な方向に沿って形成される回転軸を中心として回動させるには、覆体取付部材を回動させる回転軸を前記垂直方向に形成するとよい。具体的には、請求項3のように、連結部材が、前記鉄道車両の床下面に対して垂直な方向に沿って形成された回転軸上にて覆体側取付部材と構造物側取付部材とを相対回転可能に連結することが考えられる。
また、覆体を上下の端部の何れかに鉄道車両の床下面と平行な方向に沿って形成される回転軸を中心として回動させるには、覆体取付部材を回動させる回転軸を前記平行方向に形成するとよい。
ところで、鉄道車両の床下には、内燃機関や変速機、各種配管などの他の構造物が設置されており、連結部材を中心として回動する覆体がそれら他の構造物に当接する場合がある。そこで、請求項4のように、連結部材が、覆体側取付部材と構造物側取付部材とを回転軸に沿う方向に相対移動可能に連結することが考えられる。
このように構成すれば、鉄道車両の床下に設置された他の構造物に当接しない位置まで覆体を相対移動させることができ、連結部材を中心として回動する覆体が鉄道車両の床下に設置された他の構造物に当接するのを防ぐことができる。
なお、本発明は、請求項6〜10に示すように、鉄道車両の床下構造物としても実現することができる。
具体的には、上記課題を解決するためになされた請求項6に係る鉄道車両の床下構造物は、鉄道車両の床下に設置される構造物本体と、前記構造物本体を覆う覆体と、を備え、前記覆体を着脱可能に保持する鉄道車両の床下構造物であって、前記覆体に取り付け可能な覆体側取付部材と、前記構造物本体に取り付け可能な本体側取付部材と、前記覆体側取付部材と前記本体側取付部材とを回転軸上にて相対回転可能に連結する連結部材と、を備えることを特徴とする。
また、請求項7に係る鉄道車両の床下構造物は、請求項6に記載の鉄道車両の床下構造物において、前記覆体は、前記構造物本体を側方から覆うよう構成され、前記覆体側取付部材は、前記構造物本体を側方から覆うよう構成された前記覆体に取付可能であることを特徴とする。
また、請求項8に係る鉄道車両の床下構造物は、請求項6または請求項7に記載の鉄道車両の床下構造物において、前記連結部材は、前記鉄道車両の床下面に対して垂直な方向に沿って形成された前記回転軸上にて前記覆体側取付部材と前記本体側取付部材とを相対回転可能に連結することを特徴とする。
また、請求項9に係る鉄道車両の床下構造物は、請求項6〜請求項8の何れかに記載の鉄道車両の床下構造物において、前記連結部材は、前記覆体側取付部材と前記本体側取付部材とを前記回転軸に沿う方向に相対移動可能に連結することを特徴とする。
また、請求項10に係る鉄道車両の床下構造物は、請求項6〜請求項9の何れかに記載の鉄道車両の床下構造物において、前記構造物本体とは、前記鉄道車両の床下に設置される内燃機関を冷却する冷却水および前記内燃機関から出力される回転エネルギーを車輪へ動力伝達する変速機に用いられる変速機油を冷却するために前記鉄道車両の床下に形成される冷却用の風道の一部をその内部に包含する箱体および前記箱体の開口部に対して前記冷却用風道上に位置するように着脱可能に取り付けられて前記冷却水を冷却する冷却水用ラジエータであり、前記覆体とは、前記冷却水用ラジエータに対して前記冷却用風道上に位置するように着脱可能に取り付けられて前記変速機油を冷却する変速機油用ラジエータであることを特徴とする。
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、様々な態様にて実施することが可能である。
[実施形態]
図1は、ラジエータ装置1の各部構成を示す概略構成図である。
[1.ラジエータ装置の構成の説明]
ラジエータ装置1は、箱体11と、送風ファン12と、内燃機関を冷却するための冷却水を熱交換によって冷却する冷却水用ラジエータ13〜15と、内燃機関から出力される回転エネルギーを車輪へ動力伝達する変速機に用いられる変速機油を熱交換によって冷却する変速機油用ラジエータ16〜18と、当該ラジエータ装置1に導入される大気中の空気から塵埃を除去するフィルタ19〜21と、を備える。
箱体11は、その内部が空洞となっている略直方体形状を有しており、鉄道車両の床下に設置される内燃機関と隣接して設置される。
また、箱体11は、内燃機関に面する部分に開口部11aを有する。なお、この開口部11aには送風ファン12が取り付けられている。また、箱体11は、箱体11から内燃機関を見た場合の左側に開口部11bを有する。なお、この開口部11bには冷却水用ラジエータ13がボルトによって着脱可能に取り付けられており、冷却水用ラジエータ13の前面には変速機油用ラジエータ16がボルトによって着脱可能に取り付けられており、変速機油用ラジエータ16の前面にはフィルタ19が着脱可能に取り付けられている。また、箱体11は、箱体11から内燃機関を見た場合の後側に開口部11cを有する。なお、この開口部11cには冷却水用ラジエータ14がボルトによって着脱可能に取り付けられており、冷却水用ラジエータ14の前面には変速機油用ラジエータ17がボルトによって着脱可能に取り付けられており、変速機油用ラジエータ17の前面にはフィルタ20が着脱可能に取り付けられている。また、箱体11は、箱体11から内燃機関を見た場合の右側に開口部11dを有する。なお、この開口部11dには冷却水用ラジエータ15がボルトによって着脱可能に取り付けられており、冷却水用ラジエータ15の前面には変速機油用ラジエータ18がボルトによって着脱可能に取り付けられており、変速機油用ラジエータ18の前面にはフィルタ21が着脱可能に取り付けられている。
なお、送風ファン12は、上述のように開口部11aに取り付けられて開口部11aと内燃機関との間に位置しており、箱体11内部の空気を開口部11aから吸引して内燃機関へ向けて噴出すことにより内燃機関を冷却する機能を有する。
また、上述のように送風ファン12が箱体11内部の空気を開口部11aから吸引することから、箱体11には、開口部11bから箱体11の内部の空洞を経て開口部11aに到る冷却用風道22、開口部11cから箱体11の内部の空洞を経て開口部11aに到る冷却用風道23、および開口部11dから箱体11の内部の空洞を経て開口部11aに到る冷却用風道24が形成され、このうちの冷却用風道22上には冷却水用ラジエータ13、変速機油用ラジエータ16およびフィルタ19が位置するとともに、冷却用風道23上には冷却水用ラジエータ14、変速機油用ラジエータ17およびフィルタ20が位置し、冷却用風道24上には冷却水用ラジエータ15、変速機油用ラジエータ18およびフィルタ21が位置する。
[2.前面用ラジエータ取付治具30の構成および効果の説明]
図2は、前面用ラジエータ取付治具30の各部構成を示す概略構成図である。
前面用ラジエータ取付治具30は、冷却水用ラジエータ13に取り付け可能な冷却水用ラジエータ取付部材31と、変速機油用ラジエータ16に取り付け可能な変速機油用ラジエータ取付部材32と、冷却水用ラジエータ取付部材31と変速機油用ラジエータ取付部材32とを回転軸上にて相対回転可能に連結する接続ピン33と、専用ボルト34と、を備えている。
なお、前面用ラジエータ取付治具30が鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構に相当し、冷却水用ラジエータ取付部材31が構造物側取付部材に相当し、変速機油用ラジエータ取付部材32が覆体側取付部材に相当し、接続ピン33が連結部材に相当する。
冷却水用ラジエータ取付部材31は、略台形形状の板材の一方の端部に二つの貫通孔31aを直列に配置するとともに、板材の他方の端部に二つの筒状の取付孔31bを所定間隔で直列に配置した形状を有する。なお、二つの貫通孔31aは、冷却水用ラジエータ13に形成されたボルト用取付孔に同時に連通可能な間隔で形成されている。また、冷却水用ラジエータ取付部材31には、軽量化を目的として一方の端部に略方形の切り欠き31cが形成されている。また、冷却水用ラジエータ取付部材31には、軽量化を目的として中央部に略方形の二つの切り抜き31d,31eが形成されており、二つの切り抜き31d,31eに挟まれた部分31fが取手となっている。
一方、変速機油用ラジエータ取付部材32は、略方形状の板材の中央に二つの貫通孔(図示省略)を直列に配置するとともに、板材の一方の端部に四つの筒状の取付孔32bを所定間隔で直列に配置した形状を有する。なお、二つの貫通孔は、変速機油用ラジエータ16に形成された二つのボルト用取付孔(図示省略)に同時に連通可能な間隔で形成されている。
そして、変速機油用ラジエータ取付部材32の四つの取付孔32bのうちの一組の取付孔32bの間には、冷却水用ラジエータ取付部材31の二つの取付孔31bの一方が配置されるとともに、他の一組の取付孔32bの間には、他方の取付孔31bが配置され、これらの変速機油用ラジエータ取付部材32の四つの取付孔32bおよび冷却水用ラジエータ取付部材31の二つの取付孔31bに棒状の接続ピン33の軸部33aが内挿されている。なお、接続ピン33は、後端部33bの外径寸法が軸部33aの外径寸法よりも大きく形成されるとともに、先端部の雄螺子部(図示省略)が最後に内挿される取付孔31b内部に形成された雌螺子部(図示省略)に取り付けられている。このことにより、冷却水用ラジエータ取付部材31と変速機油用ラジエータ取付部材32とが接続ピン33によって回転軸上にて相対回転可能に連結される。
なお、冷却水用ラジエータ取付部材31を冷却水用ラジエータ13に取り付けるには、冷却水用ラジエータ13の二つのボルト用取付孔から、冷却水用ラジエータ13を箱体11の開口部11bに取り付けているボルトの二つを取り外す。次に、冷却水用ラジエータ取付部材31の二つの貫通孔31a,31aを冷却水用ラジエータ13の二つのボルト用取付孔に前面側から連通させ、冷却水用ラジエータ取付部材31の二つの貫通孔31a,31aそれぞれに前面から挿入させた二つのボルトを冷却水用ラジエータ13の二つのボルト用取付孔それぞれに挿通させ、ボルトの先端にナットをそれぞれ取り付ける。
また、変速機油用ラジエータ取付部材32を変速機油用ラジエータ16に取り付けるには、変速機油用ラジエータ16の二つのボルト用取付孔から、変速機油用ラジエータ16を冷却水用ラジエータ13に取り付けている二つのボルトを取り外す。次に、変速機油用ラジエータ取付部材32の二つの貫通孔を変速機油用ラジエータ16の二つのボルト用取付孔に前面側から連通させ、二つのボルト用取付孔および二つの貫通孔に裏面から専用ボルト34の二つのボルト34a,34aをそれぞれ挿入させ、ボルト34aの先端にナットをそれぞれ取り付ける。
なお、専用ボルト34は、二つのボルト34a,34aの後端部を棒状のシャフト34bに溶接で固定した構造を有している。なお、棒状のシャフト34bに二つのボルト34a,34aが固定される間隔寸法は、変速機油用ラジエータ取付部材32に形成される二つの貫通孔の間隔寸法と同一に設定されている。また、シャフト34bの一方の端部34cは、専用ボルト34の二つのボルト34a,34aを変速機油用ラジエータ16の二つのボルト用取付孔に裏面からそれぞれ挿入させる際に、作業者が把持しやすいように手前側に折り曲げられて把持部を形成している。
このように本実施形態の前面用ラジエータ取付治具30によれば、接続ピン33が、冷却水用ラジエータ取付部材31と変速機油用ラジエータ取付部材32とを回転軸としての接続ピン33の軸部33a上にて相対回転可能に連結するので、冷却水用ラジエータ取付部材31を冷却水用ラジエータ13に取り付けるとともに変速機油用ラジエータ取付部材32を変速機油用ラジエータ16に取り付けることにより、変速機油用ラジエータ16を冷却水用ラジエータ13に取り付けた状態で接続ピン33を中心として回動させることが可能となる。そして、変速機油用ラジエータ16を接続ピン33を中心として回動させると、冷却水用ラジエータ13が変速機油用ラジエータ16に覆われた状態から、冷却水用ラジエータ13が変速機油用ラジエータ16に覆われずに開放された状態となり、冷却水用ラジエータ13を高圧の洗浄水で直接洗浄することが可能となる。このとき、変速機油用ラジエータ16は、作業者によって支持されなくても、前面用ラジエータ取付治具30を介して冷却水用ラジエータ13に支持される。
つまり、従来のような変速機油用ラジエータ16を持ち運ぶ作業および変速機油用ラジエータ16を保持する作業が必要なく、変速機油用ラジエータ16の清掃作業において作業者の身体に掛かる負荷を軽減するとともに作業効率を向上させることができる。
[3.右側用ラジエータ取付治具40の構成および効果の説明]
図3は、右側用ラジエータ取付治具40の各部構成を示す概略構成図である。
右側用ラジエータ取付治具40は、冷却水用ラジエータ14に取り付け可能な冷却水用ラジエータ取付部材41と、変速機油用ラジエータ17に取り付け可能な変速機油用ラジエータ取付部材42と、冷却水用ラジエータ取付部材41と変速機油用ラジエータ取付部材42とを回転軸上にて相対回転可能に連結する接続ピン43と、を備えている。
なお、右側用ラジエータ取付治具40が鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構に相当し、冷却水用ラジエータ取付部材41が構造物側取付部材に相当し、変速機油用ラジエータ取付部材42が覆体側取付部材に相当し、接続ピン43が連結部材に相当する。
冷却水用ラジエータ取付部材41は、略方形状の板材の一方の端部に二つの貫通孔41aを直列に配置するとともに、板材の他方の端部に二つの筒状の取付孔41bを所定間隔で直列に配置した形状を有する。なお、二つの貫通孔41aは、冷却水用ラジエータ14に形成されたボルト用取付孔(図示省略)に同時に連通可能な間隔で形成されている。また、冷却水用ラジエータ取付部材41には、軽量化を目的として略円形の二つの切り抜き41cが形成されている。また、冷却水用ラジエータ取付部材41には、軽量化を目的として中央部に略方形の二つの切り抜き41d,41eが形成されており、二つの切り抜き41d,41eに挟まれた部分43fが取手となっている。
一方、変速機油用ラジエータ取付部材42は、略方形状の一方の端部に二つの貫通孔42a,42aを直列に配置するとともに、板材の他方の端部に四つの筒状の取付孔42bを所定間隔で直列に配置した形状を有する。なお、二つの貫通孔42a,42aは、変速機油用ラジエータ17に形成された二つのボルト用取付孔(図示省略)に同時に連通可能な間隔で形成されている。また、変速機油用ラジエータ取付部材42には、軽量化を目的として略円形の二つの切り欠き42cが形成されている。また、変速機油用ラジエータ取付部材42には、軽量化を目的として中央部に略円形の切り抜き42dが形成されている。
そして、変速機油用ラジエータ取付部材42の四つの取付孔42bのうちの一組の取付孔42bの間には、冷却水用ラジエータ取付部材41の二つの取付孔41bの一方が配置されるとともに、他の一組の取付孔42bの間には、他方の取付孔41bが配置され、これらの変速機油用ラジエータ取付部材42の四つの取付孔42bおよび冷却水用ラジエータ取付部材41の二つの取付孔41bに棒状の接続ピン43の軸部43aが内挿されている。なお、接続ピン43は、後端部43bの外径寸法が軸部43aの外径寸法よりも大きく形成されるとともに、先端部の雄螺子部(図示省略)が最後に内挿される取付孔41b内部に形成された雌螺子部(図示省略)に取り付けられている。このことにより、冷却水用ラジエータ取付部材41と変速機油用ラジエータ取付部材42とが接続ピン43によって回転軸上にて相対回転可能に連結される。
なお、冷却水用ラジエータ取付部材41を冷却水用ラジエータ14に取り付けるには、冷却水用ラジエータ14の二つのボルト用取付孔から、冷却水用ラジエータ14を箱体11の開口部11cに取り付けているボルトの二つを取り外す。次に、冷却水用ラジエータ取付部材41の二つの貫通孔41a,41aを冷却水用ラジエータ14の二つのボルト用取付孔に前面側から連通させ、冷却水用ラジエータ取付部材41の二つの貫通孔41a,41aそれぞれに前面から挿入させた二つのボルトを冷却水用ラジエータ14の二つのボルト用取付孔それぞれに挿通させ、ボルトの先端にナットをそれぞれ取り付ける。
また、変速機油用ラジエータ取付部材42を変速機油用ラジエータ17に取り付けるには、変速機油用ラジエータ17の二つのボルト用取付孔から、変速機油用ラジエータ17を冷却水用ラジエータ14に取り付けている二つのボルトを取り外す。次に、変速機油用ラジエータ取付部材42の二つの貫通孔42a,42aを変速機油用ラジエータ17の二つのボルト用取付孔に前面側から連通させ、二つのボルト用取付孔および二つの貫通孔42a,42aに裏面から二つのボルトをそれぞれ挿入させ、ボルトの先端にナットをそれぞれ取り付ける。
このように本実施形態の右側用ラジエータ取付治具40によれば、接続ピン43が、冷却水用ラジエータ取付部材41と変速機油用ラジエータ取付部材42とを回転軸としての接続ピン43の軸部43a上にて相対回転可能に連結するので、冷却水用ラジエータ取付部材41を冷却水用ラジエータ14に取り付けるとともに変速機油用ラジエータ取付部材42を変速機油用ラジエータ17に取り付けることにより、変速機油用ラジエータ17を冷却水用ラジエータ14に取り付けた状態で接続ピン43を中心として回動させることが可能となる。そして、変速機油用ラジエータ17を接続ピン43を中心として回動させると、冷却水用ラジエータ14が変速機油用ラジエータ17に覆われた状態から、冷却水用ラジエータ14が変速機油用ラジエータ17に覆われずに開放された状態となり、冷却水用ラジエータ14を高圧の洗浄水で直接洗浄することが可能となる。このとき、変速機油用ラジエータ17は、作業者によって支持されなくても、右側用ラジエータ取付治具40を介して冷却水用ラジエータ14に支持される。
つまり、従来のような変速機油用ラジエータ17を持ち運ぶ作業および変速機油用ラジエータ17を保持する作業が必要なく、変速機油用ラジエータ17の清掃作業において作業者の身体に掛かる負荷を軽減するとともに作業効率を向上させることができる。
[4.内側用ラジエータ取付治具50の構成および効果の説明]
図4は、内側用ラジエータ取付治具50の各部構成を示す概略構成図である。
内側用ラジエータ取付治具50は、冷却水用ラジエータ15に取り付け可能な冷却水用ラジエータ取付部材51と、変速機油用ラジエータ18に取り付け可能な変速機油用ラジエータ取付部材52と、冷却水用ラジエータ取付部材51と変速機油用ラジエータ取付部材52とを回転軸上にて相対回転可能に連結する接続ピン53と、冷却水用ラジエータ取付部材51に対する変速機油用ラジエータ取付部材52の相対位置を調整するための調整ピン54と、を備えている。
なお、内側用ラジエータ取付治具50が鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構に相当し、冷却水用ラジエータ取付部材51が構造物側取付部材に相当し、変速機油用ラジエータ取付部材52が覆体側取付部材に相当し、接続ピン53および調整ピン54が連結部材に相当する。
冷却水用ラジエータ取付部材51は、板材の一方の端部に二つの貫通孔51aを直列に配置するとともに、板材の他方の端部に三つの筒状の取付孔51bを所定間隔で直列に配置した形状を有する。なお、二つの貫通孔51aは、冷却水用ラジエータ15に形成されたボルト用取付孔(図示省略)に同時に連通可能な間隔で形成されている。また、冷却水用ラジエータ取付部材51には、軽量化を目的として一方の端部に略方形の切り欠き51cが形成されている。また、冷却水用ラジエータ取付部材51には、軽量化を目的として上端および下端それぞれに略円弧形状の切り欠き51d,51eが形成されている。また、冷却水用ラジエータ取付部材51には、軽量化を目的として中央部に略半円形状の切り抜き51fが形成されている。また、冷却水用ラジエータ取付部材51には、中央部にコの字状に形成された把持部51gが取り付けられている。
一方、変速機油用ラジエータ取付部材52は、略方形状の一方の端部に二つの貫通孔52a,52aを直列に配置するとともに、板材の他方の端部の中央に二つの筒状の取付孔52b,52bを所定間隔で直列に配置し、板材の他方の端部の上端に一つの筒状の取付孔52cを配置した形状を有する。なお、二つの貫通孔52a,52aは、変速機油用ラジエータ18に形成された二つのボルト用取付孔(図示省略)に同時に連通可能な間隔で形成されている。また、変速機油用ラジエータ取付部材52には、軽量化を目的として略円形の二つの切り抜き52dが形成されている。
そして、冷却水用ラジエータ取付部材51の三つの取付孔51bの間には、変速機油用ラジエータ取付部材52の二つの取付孔52bがそれぞれ配置され、これら冷却水用ラジエータ取付部材51の三つの取付孔51bおよび変速機油用ラジエータ取付部材52の二つの取付孔52bに棒状の接続ピン53が内挿されている。なお、冷却水用ラジエータ取付部材51の三つの取付孔51bには接続ピン43が圧入されており、変速機油用ラジエータ取付部材52の二つの取付孔52bが接続ピン43上を自由に移動可能となっている。
また、変速機油用ラジエータ取付部材52には調整ピン54が相対移動可能に取り付けられている。具体的には、調整ピン54は、後端部54bの外径寸法が軸部54aの外径寸法よりも大きく形成されるとともに、軸部54aの雄螺子部が変速機油用ラジエータ取付部材52の取付孔52c内部に形成された雌螺子部(図示省略)に取り付けられている。
そして、調整ピン54を回転させることにより、調整ピン54の先端部と変速機油用ラジエータ取付部材52の上側の取付孔52bとの間の距離を調整することができ、調整ピン54の先端部と変速機油用ラジエータ取付部材52の上側の取付孔52bとの間の距離が小さくなるに従って変速機油用ラジエータ取付部材52が冷却水用ラジエータ取付部材51に対して上方へ相対移動し、一方、調整ピン54の先端部と変速機油用ラジエータ取付部材52の上側の取付孔52bとの間の距離が大きくなるに従って変速機油用ラジエータ取付部材52が冷却水用ラジエータ取付部材51に対して下方へ相対移動するようになっている。
なお、冷却水用ラジエータ取付部材51を冷却水用ラジエータ15に取り付けるには、冷却水用ラジエータ15の二つのボルト用取付孔から、冷却水用ラジエータ15を箱体11の開口部11dに取り付けているボルトの二つを取り外す。次に、冷却水用ラジエータ取付部材51の二つの貫通孔51a,51aを冷却水用ラジエータ15の二つのボルト用取付孔に前面側から連通させ、冷却水用ラジエータ取付部材51の二つの貫通孔51a,51aそれぞれに前面から挿入させた二つのボルトを冷却水用ラジエータ15の二つのボルト用取付孔それぞれに挿通させ、ボルトの先端にナットをそれぞれ取り付ける。
また、変速機油用ラジエータ取付部材52を変速機油用ラジエータ18に取り付けるには、変速機油用ラジエータ18の二つのボルト用取付孔から、変速機油用ラジエータ18を冷却水用ラジエータ15に取り付けている二つのボルトを取り外す。次に、変速機油用ラジエータ取付部材52の二つの貫通孔52a,52aを変速機油用ラジエータ18の二つのボルト用取付孔に前面側から連通させ、二つのボルト用取付孔および二つの貫通孔52a,52aに裏面から二つのボルトをそれぞれ挿入させ、ボルトの先端にナットをそれぞれ取り付ける。
そして、調整ピン54を回転させることにより、調整ピン54の先端部と変速機油用ラジエータ取付部材52の上側の取付孔52bとの間の距離を調整可能である。調整ピン54を時計回りに回転させると、調整ピン54の先端部と変速機油用ラジエータ取付部材52の上側の取付孔52bとの間の距離が小さくなり、前記距離が小さくなるに従って変速機油用ラジエータ取付部材52が冷却水用ラジエータ取付部材51に対して上方へ相対移動する。一方、調整ピン54を反時計回りに回転させると、調整ピン54の先端部と変速機油用ラジエータ取付部材52の上側の取付孔52bとの間の距離が大きくなり、前記距離が大きくなるに従って変速機油用ラジエータ取付部材52が冷却水用ラジエータ取付部材51に対して下方へ相対移動する。
このように本実施形態の内側用ラジエータ取付治具50によれば、接続ピン53が、冷却水用ラジエータ取付部材51と変速機油用ラジエータ取付部材52とを回転軸としての接続ピン53上にて相対回転可能に連結するので、冷却水用ラジエータ取付部材51を冷却水用ラジエータ15に取り付けるとともに変速機油用ラジエータ取付部材52を変速機油用ラジエータ18に取り付けることにより、変速機油用ラジエータ18を冷却水用ラジエータ15に取り付けた状態で接続ピン53を中心として回動させることが可能となる。そして、変速機油用ラジエータ18を接続ピン53を中心として回動させると、冷却水用ラジエータ15が変速機油用ラジエータ18に覆われた状態から、冷却水用ラジエータ15が変速機油用ラジエータ18に覆われずに開放された状態となり、冷却水用ラジエータ15を高圧の洗浄水で直接洗浄することが可能となる。このとき、変速機油用ラジエータ18は、作業者によって支持されなくても、内側用ラジエータ取付治具50を介して冷却水用ラジエータ15に支持される。
なお、変速機油用ラジエータ18を接続ピン53を中心として回動させる際に、変速機油用ラジエータ18の配管などが妨げとなる場合には、変速機油用ラジエータ取付部材52を冷却水用ラジエータ取付部材51に対して上下方向に相対移動させることで障害物を回避する。具体的には、調整ピン54を時計回りに回転させると、調整ピン54の先端部と変速機油用ラジエータ取付部材52の上側の取付孔52bとの間の距離が小さくなり、前記距離が小さくなるに従って変速機油用ラジエータ取付部材52が冷却水用ラジエータ取付部材51に対して上方へ相対移動し、一方、調整ピン54を反時計回りに回転させると、調整ピン54の先端部と変速機油用ラジエータ取付部材52の上側の取付孔52bとの間の距離が大きくなり、前記距離が大きくなるに従って変速機油用ラジエータ取付部材52が冷却水用ラジエータ取付部材51に対して下方へ相対移動する。
したがって、従来のような変速機油用ラジエータ18を持ち運ぶ作業および変速機油用ラジエータ18を保持する作業が必要なく、変速機油用ラジエータ17の清掃作業において作業者の身体に掛かる負荷を軽減するとともに作業効率を向上させることができる。
[5.その他]
本実施形態における洗浄作業に要する作業時間は、一人の作業者が行った場合に、開閉機構の取り付けに30分、気吹き清掃に30分、開閉機構の取り外しに30分、掃除に10分、後片付けに10分となっており、総作業時間は110分となる。
また、従来は一人の作業者が変速機油用ラジエータ16〜18を支持しながら他の作業者がボルトの着脱を行っていたが、本実施形態によれば、変速機油用ラジエータ16〜18を固定するためのボルトの着脱を一人で行うことができる。
また、上記実施形態では、前面用ラジエータ取付治具30や右側用ラジエータ取付治具40、内側用ラジエータ取付治具50を、洗浄作業時に取り付けるようにしているが、これには限られず、図5に例示するように、前面用ラジエータ取付治具30や右側用ラジエータ取付治具40、内側用ラジエータ取付治具50を鉄道車両の床下構造物としてのラジエータ装置101に予め組み込んでおいてもよい。
また、本実施形態については、キハ11形車両向けであるが、取付部材の大きさの調整や穴位置の調整、穴の長孔化などを工夫することで、他機種であるキハ40系にも使用できる。
ラジエータ装置の各部構成を示す概略構成図である。 前面用ラジエータ取付治具の各部構成を示す概略構成図である。 右側用ラジエータ取付治具の各部構成を示す概略構成図である。 内側用ラジエータ取付治具の各部構成を示す概略構成図である。 取付治具付きラジエータ装置の各部構成を示す概略構成図である。
符号の説明
1…ラジエータ装置、11…箱体、12…送風ファン、13,14,15…冷却水用ラジエータ、16,17,18…変速機油用ラジエータ、19,20,21…フィルタ、22,23,24…冷却用風道、30…前面用ラジエータ取付治具、31…冷却水用ラジエータ取付部材、32…変速機油用ラジエータ取付部材、33…接続ピン、34…専用ボルト、40…右側用ラジエータ取付治具、41…冷却水用ラジエータ取付部材、42…変速機油用ラジエータ取付部材、43…接続ピン、50…内側用ラジエータ取付治具、51…冷却水用ラジエータ取付部材、52…変速機油用ラジエータ取付部材、53…接続ピン、54…調整ピン

Claims (10)

  1. 鉄道車両の床下に設置される構造物を覆う覆体を着脱可能に保持する鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構であって、
    前記覆体に取り付け可能な覆体側取付部材と、
    前記構造物に取り付け可能な構造物側取付部材と、
    前記覆体側取付部材と前記構造物側取付部材とを回転軸上にて相対回転可能に連結する連結部材と、
    を備えることを特徴とする鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構。
  2. 請求項1に記載の鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構において、
    前記覆体側取付部材は、前記構造物を側方から覆うよう構成された前記覆体に取付可能であることを特徴とする鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構。
  3. 請求項1または請求項2に記載の鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構において、
    前記連結部材は、前記鉄道車両の床下面に対して垂直な方向に沿って形成された前記回転軸上にて前記覆体側取付部材と前記構造物側取付部材とを相対回転可能に連結することを特徴とする鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに記載の鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構において、
    前記連結部材は、前記覆体側取付部材と前記構造物側取付部材とを前記回転軸に沿う方向に相対移動可能に連結することを特徴とする鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構。
  5. 請求項1〜請求項4の何れかに記載の鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構において、
    前記構造物とは、前記鉄道車両の床下に設置される内燃機関を冷却する冷却水および前記内燃機関から出力される回転エネルギーを車輪へ動力伝達する変速機に用いられる変速機油を冷却するために前記鉄道車両の床下に形成される冷却用の風道の一部をその内部に包含する箱体および前記箱体の開口部に対して前記冷却用風道上に位置するように着脱可能に取り付けられて前記冷却水を冷却する冷却水用ラジエータであり、
    前記覆体とは、前記冷却水用ラジエータに対して前記冷却用風道上に位置するように着脱可能に取り付けられて前記変速機油を冷却する変速機油用ラジエータであること
    を特徴とする鉄道車両の床下構造物用覆体保持機構。
  6. 鉄道車両の床下に設置される構造物本体と、前記構造物本体を覆う覆体と、を備え、前記覆体を着脱可能に保持する鉄道車両の床下構造物であって、
    前記覆体に取り付け可能な覆体側取付部材と、
    前記構造物本体に取り付け可能な本体側取付部材と、
    前記覆体側取付部材と前記本体側取付部材とを回転軸上にて相対回転可能に連結する連結部材と、
    を備えることを特徴とする鉄道車両の床下構造物。
  7. 請求項6に記載の鉄道車両の床下構造物において、
    前記覆体は、前記構造物本体を側方から覆うよう構成され、
    前記覆体側取付部材は、前記構造物本体を側方から覆うよう構成された前記覆体に取付可能であること
    を特徴とする鉄道車両の床下構造物。
  8. 請求項6または請求項7に記載の鉄道車両の床下構造物において、
    前記連結部材は、前記鉄道車両の床下面に対して垂直な方向に沿って形成された前記回転軸上にて前記覆体側取付部材と前記本体側取付部材とを相対回転可能に連結すること
    を特徴とする鉄道車両の床下構造物。
  9. 請求項6〜請求項8の何れかに記載の鉄道車両の床下構造物において、
    前記連結部材は、前記覆体側取付部材と前記本体側取付部材とを前記回転軸に沿う方向に相対移動可能に連結することを特徴とする鉄道車両の床下構造物。
  10. 請求項6〜請求項9の何れかに記載の鉄道車両の床下構造物において、
    前記構造物本体とは、前記鉄道車両の床下に設置される内燃機関を冷却する冷却水および前記内燃機関から出力される回転エネルギーを車輪へ動力伝達する変速機に用いられる変速機油を冷却するために前記鉄道車両の床下に形成される冷却用の風道の一部をその内部に包含する箱体および前記箱体の開口部に対して前記冷却用風道上に位置するように着脱可能に取り付けられて前記冷却水を冷却する冷却水用ラジエータであり、
    前記覆体とは、前記冷却水用ラジエータに対して前記冷却用風道上に位置するように着脱可能に取り付けられて前記変速機油を冷却する変速機油用ラジエータであること
    を特徴とする鉄道車両の床下構造物。
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