JP6071512B2 - 車両用機器収容装置、及び鉄道車両用機器収容装置 - Google Patents
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Description
次に、この発明の実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る機器収容装置を備えた鉄道車両の概略図である。尚、以下の実施形態及び参考例の説明において、鉄道車両の進行方向前後を単に前後方向、前後方向に直交する鉄道車両の左右方向を車幅方向、重力方向上下を単に上下方向などと称して説明する場合がある。
図1に示すように、鉄道車両1は、車体2と、車体2の床下に空気ばね3を介して設けられている一対の台車フレーム4と、車体2の下部における一対の台車フレーム4間に設けられている機器収容装置(車両用機器収容装置)5とを備えている。
車体2の天井側には、架線10と接触可能に設けられたパンタグラフ9が配置されている。架線10からパンタグラフ9に供給された電力は、機器収容装置5に供給される。この機器収容装置5が、不図示の運転席での操作に基づいて主電動機7の駆動制御を行う。そして、主電動機7が駆動することにより、車輪6が回転し、車体2がレール8上を走行する。
図2は、機器収容装置の斜視図、図3は、機器収容装置の機器収容部を切欠いた上面図、図4は、機器収容装置のカバーを取り外した状態の正面図である。
図2〜図4に示すように、機器収容装置5は、前後方向に長くなるように直方体状に形成されている箱筐体11を有している。箱筐体11の天井側には、この箱筐体11を車体2の床下に固定するためのブラケット12が4隅に設けられている。
尚、以下の実施形態の説明において、説明を分かりやすくするために、箱筐体11のパワーユニット13が収容されている前後方向一方側を後方とし、機器収容部50が設けられている前後方向他方側を前方として説明する。また、前方を向いて右側を単に右方とし、前方を向いて左側を単に左方として説明する。ここで、箱筐体11の前後の向きは、逆向きであってもよい。
また、この開口部14が形成されている側面11a(以下、開口側面11aという)には、開口部14を開閉するカバー15が設けられている。
図2に示すように、開口側面11aには、開口部14よりも上側に蝶番16が設けられており、この蝶番16を介して箱筐体11にカバー15が取り付けられている。カバー15の下側にはハンドル17が設けられている。このハンドル17を持ってカバー15を上側に持ち上げることにより、開口部14が開放される。
尚、モニタは、鉄道車両1の運転席の操作に基づいて出力された信号が機器収容装置5に適正に入力されているか否か、その信号に基づいて機器収容装置5から主電動機7に所定の電力が出力されているか否か等が視認できるように構成されている。
次に、図3、図4に基づいて、第1制御ユニット18、可動BOX19及び第2制御ユニット20の配置構造について説明する。
図3、図4に示すように、第1制御ユニット18は、機器収容部50内の後方側に配置されている。そして、第1制御ユニット18の左側面18aが、箱筐体11の開口部14から所定距離(例えば、30cm程度)離間した位置となるように配置されている。このように、第1制御ユニット18の左側面18aが開口部14から所定距離離間した位置となるように配置するのは、第1制御ユニット18に接続される不図示のハーネス等の引き回しスペースを確保するためである。
ここで、可動BOX19は、操作面19aが開口側面11aに対して横向きとなるように配置されている。換言すれば、可動BOX19は、開口側面11aの法線方向L1と、可動BOX19の操作面19aの法線方向L2とが略直交するように、箱筐体11内に収容されている。尚、ここでいう法線方向とは、対象となる面(開口側面11a、操作面19a)に対して垂直方向外側を向く方向をいう(矢印L1,L2参照)。
またこのとき、第1ステー本体23a及び第2ステー本体23bの長さは、第1ステー本体23aと第2ステー本体23bとを合わせた長さが、第2ステー本体23bが固定されている側面11bの箇所から開口部14よりも長い距離であればよい。但しこのとき、
第2ステー本体23bの長さ≦第1ステー本体23aの長さ
を満たすようにする。
以下、可動BOX19、可動ステー23、及び第2制御ユニット20の挙動について詳述する。
まず、図3、図4に基づいて、箱筐体11内に可動BOX19が収容された状態について説明する。
箱筐体11に可動BOX19が収容された状態では、可動ステー23を構成する2つのステー本体23a,23bが折り畳まれた状態になっており、これらステー本体23a,23bの長手方向が箱筐体11の前後方向(図3における左右方向)に沿っている。そして、可動BOX19の操作面19aが、開口側面11aに対して略直交している。
図5は、機器収容装置の機器収容部を切欠いた上面図であって、可動BOXが突出した状態を示す。図6は、機器収容装置のカバーを取り外した状態の正面図であって、可動BOXが突出した状態を示す。
図5、図6に示すように、箱筐体11から可動BOX19を突出させる場合、2つのステー本体23a,23bを拡げ、さらに、第2ステー本体23bの一端が開口部14側に向くように回動させる。これにより、第1ステー本体23aが開口部14よりも外側に突出する。そして、箱筐体11から可動BOX19が開口部14を通って突出する。
このとき、可動ステー23を2つのステー本体23a,23bにより折り畳み式として構成することで、第2制御ユニット20の手前側のスペースを避けた位置に第1ステー本体23aを配置することができる。また、第2ステー本体23bの一端が可動BOX19の上面上の開口側面11a側に位置しているため、機器収容装置5外の作業スペースが制限されている場合においても、可動BOX19の可動領域を広域に保ちながらも可動ステー23(23a,23b)が第2制御ユニット20の動線上に位置することを回避することができる。これにより、第2制御ユニット20のL1方向の障害物を確実に無くすことができる。
また、機器収容装置5外での作業スペースが非常に狭い場合には、第2ステー本体23bの可動BOX19の固定位置を、開口側面11a側で、且つスイッチ21側とする。これにより、可動BOX19の可動領域を広域に保ちながら、第2制御ユニット20の動線領域に可動BOX19が位置することを回避できる。
同図に示すように、第2制御ユニット20をスライド移動させることにより、箱筐体11の外側に開口部14を介して第2制御ユニット20を引き出すことができる。これにより、第2制御ユニット20の操作も容易に行うことが可能になる。尚、箱筐体11の外側に第2制御ユニット20を引き出す構造として、例えば、箱筐体11と第2制御ユニット20との間に伸縮自在なテレスコープ構造のレールを設けることが可能である。
したがって、上述の実施形態によれば、箱筐体11に可動ステー23を介して可動BOX19を支持することにより、箱筐体11内に可動BOX19を収容した状態では、可動BOX19の操作面19aが、開口側面11aに対して横向きになっているのに対し、可動BOX19を操作する場合には、箱筐体11から可動BOX19を外部に引き出して操作することができる。このため、スイッチ21等が配置されている操作面19aを、各制御ユニット18,20の左側面18a,20aと同一面に配置する必要がない。そして、スイッチ21等が搭載された可動BOX19を、各制御ユニット18,20の前のハーネス引き回しスペースに収容するので、箱筐体11内の無駄なスペースを排除することができる。よって、作業者の機器収容装置5に対する作業性を確保しつつ、機器収容装置5全体の小型化を図ることができる。
さらに、箱筐体11に可動ステー23を介して可動BOX19を支持することにより、簡素な構造で可動BOX19を可動式とすることができる。このため、製造コストを抑えた機器収容装置5を提供できる。
このように、可動BOX19が引き出されている状態ではカバー15が閉じることがないので、運転者等がメンテナンス作業や点検作業が完了しているか否かを容易に視認することが可能になる。
より具体的には、上述の実施形態では、可動ステー23の回動軸を上下方向に沿って配置し、可動BOX19を箱筐体11の車幅方向外側に突出させる場合について説明した。しかしながら、例えば、可動ステー23の回動軸を前後方向に沿って配置し、箱筐体11の下方に可動BOX19を突出させてもよい。この場合、箱筐体11に収納された状態において、可動BOX19の操作面19aは、上面に配置される。
次に、参考例につき、図1を援用し、図8〜図14に基づいて説明する。尚、実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
図8は、機器収容装置のサブユニットが収容されている箇所の一部を切欠いた上面図、図9は、機器収容装置の側面図、図10は、機器収容装置の要部拡大側面図である。
この参考例において、鉄道車両1は、図1に示すように、車体2と、車体2の床下に空気ばね3を介して設けられている一対の台車フレーム4と、車体2の下部における一対の台車フレーム4間に設けられている機器収容装置105とを備えている。この点は、前述した実施形態と同様である。また、機器収容装置105は、箱筐体111を有し、この箱筐体111内にさまざまな電子機器が収容されている。この点も、前述した実施形態と同様である。
図8〜図10に示すように、機器収容装置105の箱筐体111には、天井側の4隅に、箱筐体111を車体2の床下に固定するためのブラケット112が設けられている。
また、箱筐体111の車幅方向両側(図8における左右側)の側面(第1側面)111aには、それぞれ開口部114が形成されている。箱筐体111の車幅方向両側の側面111aに開口部114が形成されることにより、作業者が車体2の横に立った際、作業者と開口部114とが対面する形になる。尚、以下の説明において、開口部114が形成されている側面111aを開口側面111aと称して説明する。
サブユニット30は、箱筐体111内に4つ収容可能な大きさの小箱筐体31を有している。各小箱筐体31には、それぞれ箱筐体111に設けられているブラケット112に対応する角部31aに、横断面略U字状のフック部34が設けられている。一方、図10に示すように、箱筐体111には、フック部34を着脱可能に支持するシャフト35がブラケット36を介して立設されている。シャフト35のフック部34に対応する部位には、段差により縮径形成された縮径部35aが形成されている。
また、この参考例では、第2ユニット33側にスイッチ21やコネクタ22を図示しているが、これに限られるものではなく、第1ユニット32側にスイッチ21やコネクタ22を設けることも可能である。
次に、機器収容装置105の操作方法について説明する。
機器収容装置105を操作する際、まず、箱筐体111に設けられているカバー115を開ける。そして、カバー115を開けた状態でサブユニット30を手前に引く。このとき、箱筐体111に対してサブユニット30が、このサブユニット30の角部31aを中心に回動自在、つまり、シャフト35に回動自在に支持されているので、このシャフト35を中心にサブユニット30が回動し、箱筐体111の外側にサブユニット30が引き出される。
尚、第1ユニット32は、箱筐体111にサブユニット30を収容した状態で、操作面32aが開口側面111aに面するように配置されている。このため、第1ユニット32の操作、及びメンテナンスについては、箱筐体111からサブユニット30を引き出すことなく行うことも可能であるし、箱筐体111からサブユニット30を引き出して行うことも可能である。
したがって、上述の参考例によれば、第1ユニット32、及び第2ユニット33を背中合わせに配置したサブユニット30を設け、このサブユニット30を機器収容装置105内に回動自在に設けることにより、作業者の機器収容装置105に対する作業性を確保しつつ、機器収容装置105全体の小型化を図ることができる。
また、例えば従来、図15に示すように、第1ユニット32、及び第2ユニット33を背中合わせに配置する場合もあった。このような場合、第1ユニット32の操作面32aを車幅方向外側に向けると、第2ユニット33の操作面33aは、車幅方向内側を向くことになる。このため、従来の箱筐体211では、底面に作業者が潜り込めるような点検窓100を設ける必要があり、この分、箱筐体211全体が大型化してしまう。
しかしながら、上述の参考例によれば、機器収容装置105内に、第1ユニット32、及び第2ユニット33を背中合わせに配置したサブユニット30が回動自在に設けられているので、第1ユニット32、及び第2ユニット33を横並びに配置したり、箱筐体111の底面に点検窓100を設けたりすることなく、第1ユニット32、及び第2ユニット33を容易に操作することが可能になる。このため、機器収容装置105全体を小型化しつつ、作業者の作業性を確保することができる。
また、上述の参考例では、箱筐体111にシャフト35を設ける一方、小箱筐体31にフック部34を設けることにより、箱筐体111に小箱筐体31を回動自在、且つ着脱自在に取り付けた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、箱筐体111に対して小箱筐体31が回動自在、且つ着脱自在に取り付け可能な構造であればよい。例えば、シャフト35やフック部34に代わって、着脱可能な抜差蝶番を箱筐体111と小箱筐体31の両者に取り付けることも可能である。
図11、図12に基づいて、サブユニット30同士の電気的接続方法、及びサブユニット30と不図示のパワーユニットとの電気的接続方法の第1変形例について説明する。
図11は、第1変形例における機器収容装置のサブユニットが収容されている箇所を切欠いた上面図であって、箱筐体にサブユニットが収容されている状態を示す。図12は、第1変形例における機器収容装置のサブユニットが収容されている箇所を切欠いた上面図であって、箱筐体の外側にサブユニットを引き出した状態を示す。尚、前述の参考例と同一態様には、同一符号を付して説明し、詳細な説明を省略する(以下の変形例についても同様)。
このように、フック部34が設けられている角部31aの近傍にハーネス40を配線することにより、図12に詳示するように、サブユニット30を回動させた場合であっても、ハーネス40が引っ張られて無理な力がかかってしまうことが防止される。
したがって、上述の第1変形例によれば、前述の参考例と同様の効果に加え、サブユニット30を回動する際にハーネス40が邪魔になることを防止できる。
次に、図13、図14に基づいて、サブユニット30同士の電気的接続方法、及びサブユニット30と不図示のパワーユニットとの電気的接続方法の第2変形例について説明する。
図13は、第2変形例における機器収容装置のサブユニットが収容されている箇所を切欠いた上面図であって、箱筐体にサブユニットが収容されている状態を示す。図14は、第2変形例における機器収容装置のサブユニットが収容されている箇所を切欠いた上面図であって、箱筐体の外側にサブユニットを引き出した状態を示す。
一方、箱筐体111には、この箱筐体111内にサブユニット30を収納した状態で小箱筐体側コネクタ41に対応する位置に、この小箱筐体側コネクタ41と嵌着可能な箱筐体側コネクタ(第2コネクタ)42が設けられている。箱筐体側コネクタ42は、パワーユニットや他のサブユニット30と不図示の導線を介して電気的に接続されている。
一方、図14に示すように、箱筐体111の外側にサブユニット30を引き出した場合、小箱筐体側コネクタ41と箱筐体側コネクタ42とが分離され、両者41,42の接続が切断される。
したがって、上述の第2変形例によれば、前述の参考例と同様の効果に加え、サブユニット30同士を電気的に接続したり、サブユニット30とパワーユニットとを電気的に接続したりするためのハーネスを削除することができると共に、これらの電気的接続作業を簡素化できる。
より具体的には、例えば、メンテナンスの際に箱筐体111からサブユニット30を取り外す際、箱筐体111からサブユニット30を引き出すだけで電気的接続を遮断することができるので、コネクタ41,42の引き抜き作業を省略できる。このため、サブユニット30のメンテナンス作業を簡素化することが可能になる。
例えば、上述の実施形態では、鉄道車両1に機器収容装置5,105を設けた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、鉄道車両1以外のさまざまな車両に、機器収容装置5,105の構成を採用することが可能である。
2…車体
3…空気ばね
4…台車フレーム
5,105…機器収容装置(車両用機器収容装置、鉄道車両用機器収容装置)
6…車輪
7…主電動機
8…レール
9…パンタグラフ
10…架線
11,111…箱筐体
11a,111a…開口側面(第1側面)
11b…側面
12,112…ブラケット
13…パワーユニット
14,114…開口部
15,115…カバー
16,116…蝶番
17,117…ハンドル
18…第1制御ユニット
18a…左側面
19…可動BOX(キャリア)
19a…操作面(第2側面)
20…第2制御ユニット(第2機器)
20a…左側面
21…スイッチ(第1機器)
22…コネクタ(第1機器)
23…可動ステー
23a…第1ステー本体
23b…第2ステー本体
30…サブユニット(キャリア)
31…小箱筐体
31a…角部
32…第1ユニット
32a…操作面
33…第2ユニット
33a…操作面
34…フック部
35…シャフト
35a…縮径部
36…ブラケット
37…ヒンジ部
40…ハーネス
41…小箱筐体側コネクタ(第1コネクタ)
42…筐体側コネクタ(第2コネクタ)
50…機器収容部
100…点検窓
211…従来の箱筐体、箱筐体
L1,L2,L3,L4…法線方向
Claims (3)
- 第1方向を法線方向とする第1側面に開口部を有する箱筐体と、前記箱筐体の内部に収容された第1機器と、前記箱筐体の内部に収容された第2機器と、を備えた機器収容装置であって、
前記箱筐体に対して移動可能に支持され、且つ前記第1方向に対して直交する第2方向を法線方向とする第2側面に前記第1機器を配置したキャリアと、
前記キャリアを前記箱筐体に対して移動可能に支持し、2つのステー本体により折り畳み式として構成された可動ステーを設け、
前記キャリアは、前記箱筐体の内部において前記第2機器の前記第1方向に配置されていると共に、前記可動ステーによって前記第2側面の法線方向が前記第1方向に向くように、且つ前記第2機器の前記第1方向前方に向けて前記開口部から前記箱筐体の外部に引き出し移動可能とされており、
前記第2機器は前記キャリアを移動することにより操作可能とされている車両用機器収容装置。 - 前記箱筐体に前記開口部を開閉する蓋体を設け、
前記可動ステーは、前記キャリアを外部に移動した状態で、前記開口部から突出するように構成されており、前記キャリアを外部に移動したまま前記蓋体が前記開口部を閉塞してしまうことを防止するためのインターロック機構として機能する請求項1に記載の車両用機器収容装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の車両用機器収容装置を、鉄道車両に設けた鉄道車両用機器収容装置。
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