JP2010036580A - 液体吐出ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット記録用として、多様なインクに対応可能で安価なインク吐出ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】吐出口部材を形成するための基材の表面に、該表面に撥水性を付与するための第1の組成物と、光を受けることにより親水性を発現することが可能な第2の組成物と、の混合物を提供する工程と、前記表面の全体または一部に、前記第1の組成物を利用して撥水性を付与する工程と、前記撥水性を付与することを行った後に、前記表面の一部の第2の組成物に光を照射して、光が照射された部分を親水性とする工程とにより液体吐出ヘッドを製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッドおよびその製造方法に関し、具体的にはインクを被記録媒体に吐出することにより記録を行うインクジェット記録ヘッドおよびその製造方法に関するものである。
インクジェットヘッドのフェイス面の表面処理の従来例として、特許文献1には、インクジェットヘッド(以降IJヘッド)のフェイス面に光触媒活性をもつ酸化チタンを配置する技術が記載されている。
特許文献1は、2枚のSi基板を積層して流路を構成したIJヘッドに関するものである。このIJヘッドは、Si基板で作製されたオリフィスプレート上に、Ti化合物(無定形チタニア)を形成した後、400〜500℃で焼成することにより製造される。高温で焼成することにより、Ti化合物がアナターゼ型の酸化チタンとなる。したがって、フェイス面にUV光を照射すると、フェイス面に形成された酸化チタンが超親水性になるため、インク付着物が付着しずらくなる。また、他の効果として、インク付着物をUV光で分解することも記載されている。しかしながら、特許文献1に記載のIJヘッドでは、セルフクリーニング機能は有するが、高温で焼成するために無機物でIJヘッドを作製しなければならず、製造方法や材料が限定されるため、高解像なIJヘッドを安価に生産することは困難であることが懸念される。
一方、特許文献2には、フッ素及びカチオン重合可能な官能基を有する加水分解性のシラン縮合物よりなる撥水層を有するIJヘッドが開示されている。このIJヘッドは、フォトリソ製法により製造され、また、シラン化合物の縮合体より構成される撥水面は硬く、ブレード耐久性にも優れていると思われる。また同公報には、撥水を付与しない部分を設けることで部分撥水も行われている。近年では、吐出用のインクが多様化し、吐出口フェイス面にもさらなる多様化が求められている。
米国特許第6540330号明細書 米国特許出願公開第2007/0085877号明細書
本発明は前述した従来技術における課題を解決し、多様化した吐出口フェイス面を有する液体吐出ヘッドを提供することを一つの目的とする。
本発明の一例は、液体を吐出する吐出口が設けられた吐出口部材を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記吐出口部材を形成するための基材の表面に、該表面に撥水性を付与するための第1の組成物と、光を受けることにより親水性を発現することが可能な第2の組成物と、の混合物を提供する工程と、前記表面の全体または一部に、前記第1の組成物を利用して撥水性を付与する工程と、前記撥水性を付与することを行った後に、前記表面の一部の第2の組成物に光を照射して、光が照射された部分を親水性とする工程と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法である。
本発明により、多様化した吐出口フェイス面を有する液体吐出ヘッドを提供することができる。
接触角の概念を示す図である。 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造方法の一例における各工程を示す図である。 本発明に関するパターンの作成方法を説明する図である。 インクジェットプリンタの構成例を示す外観斜視図である。 実施例9における作製方法を示す。 評価パターンの作製方法を示す図である。 吐出口のフェイス面を説明する概略図である。
本発明の一例では、光触媒粒子を含むフェイス面処理組成物を吐出口フェイス面に塗布した後、フォトリソ製法を利用してパターニングし、フェイス面処理層を形成することができる。光パターニングを利用したフォトリソ製法は、精密な微細加工が可能でかつ生産性もよい製造方法として、レーザー等を駆使した製法に比べ優れている。なお、光パターニングとは、塗布した材料にマスクを施して光を照射し、該照射部分を硬化させ、未硬化部を現像により除去してパターンを作製する(ネガ型)、あるいはマスクを施して光を照射し、該照射部分の結合を切断し、現像除去してパターンを作製する(ポジ型)ことをいう。
本発明に係る液体吐出ヘッドは、フォトリソ製法により容易に製造することができる。また、その表面には、光触媒機能を有するフェイス面処理層が形成されているため、プリンタ内に配置したランプから特定波長の光を照射することで、フェイス面処理層に付着した印字汚れの原因となる異物を分解することができる。フェイス面処理層に光触媒機能を付与する光触媒粒子としては、例えば酸化チタンが用いられるが、酸化チタンは、光照射により活性化して異物の分解を行うため、長期にわたりフェイス面の超親水性を保つことができる。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
(光触媒粒子)
前記光触媒粒子とは、そのバンドギャップ以上のエネルギーを持つ波長の光を照射すると光触媒機能を発現する粒子のことである。光触媒機能とは、光の照射を受けて励起状態になった粒子が大気中の水分よりOHラジカルを発生させて接触している有機物を酸化分解させる機能のことをいう。したがって、光触媒粒子は光触媒活性により表面に付着した有機物を酸化分解することができる。また、光触媒粒子にUV光を露光すると、光触媒その表面に水酸基が生じ吸着水を保持して超親水性となるため、フェイス面に付着物が付着しづらくなる。これは励起により表面に水酸基が固定されるためであると考えられる。たとえ付着しても、超親水化したフェイス面はワイピング性に優れるため、容易にブレードで付着物をワイピングすることができる。したがって、本発明のIJヘッドによれば、長期保存や使用によりIJヘッドのフェイス面に汚れが付着しても、光触媒粒子を含有しているため、UV照射によりフェイス面をクリーニングすることができる。
光触媒粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化鉄若しくはチタン酸ストロンチウム又はこれらのうち2種以上を組み合わせて構成される混合物等を挙げることができる。なお、本明細書において「酸化チタン」とは、二酸化チタン(TiO2)のほか、含水酸化チタン、水和酸化チタン、メタチタン酸、オルトチタン酸又は水酸化チタンなどと一般に呼ばれているものを含み、その結晶型は問わない。前記光触媒粒子としては、高い光触媒機能を有し、化学的に安定であり、かつ、無害である酸化チタンが好ましく、酸化チタンの中でも特に二酸化チタンが好ましい。二酸化チタンの場合は、Ti原子同士が酸素原子を介して結合され、光触媒作用が生じると、各Ti原子に水酸基が結合していると考えられる。
また、前記光触媒粒子の内部又はその表面に、第二の成分として、V、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Ag、PtおよびAuからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属または金属化合物を含有させることができる。こうすることで、一層高い光触媒機能を発揮することができるため好ましい。前記金属化合物としては、例えば、金属の酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物、硫酸塩、ハロゲン化物、硝酸塩、さらには金属イオンなどを挙げることができる。第二の成分の含有量はその物質により適宜設定できる。光触媒粒子の含有量は、光触媒粒子を分散させる分散材と合算して5〜98%が好ましい。光触媒粒子の量がこの範囲より小さいと、光触媒体としたときの光触媒機能が低下する場合がある。
光触媒粒子は、以下の方法で得られる。例えば、酸化チタンを得る方法としては、(i)硫酸チタニル、塩化チタン又はチタンアルコキシドなどのチタン化合物を必要に応じて核形成用種子の存在下で加熱加水分解する方法、(ii)必要に応じて核形成用種子の存在下で硫酸チタニル、塩化チタン又はチタンアルコキシドなどのチタン化合物にアルカリを添加し、中和する方法、(iii)塩化チタンやチタンアルコキシドなどを気相酸化する方法、(iv)前記(i)又は(ii)の方法で得られた酸化チタンを焼成あるいは水熱処理する方法、などがある。特に、前記(i)又は(iv)の方法で得られた酸化チタンが光触媒機能が高いため好ましい。
光触媒粒子の内部又はその表面に、前記第二の成分を含有させる方法としては、例えば、光触媒粒子を製造する際に前記第二の成分を添加し、吸着させる方法を挙げることができる。また、光触媒粒子を製造した後に、前記第二の成分を添加し、吸着させ、必要に応じて加熱したり、あるいは必要に応じて還元したりする方法を用いることができる。
(重合基を有する加水分解性シラン化合物)
本発明に用いられる重合基を有する加水分解性シラン化合物の一例としてはカチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物が挙げられる。その他にラジカル重合、アニオン重合も例示される。
本発明に用いられるカチオン重合基(カチオン重合能を有する官能基)を有する加水分解性シラン化合物は、加水分解による無機の結合と、カチオン重合基による有機の結合により、高い耐久性を有する縮合架橋膜を形成することができる。また、化合物内部にカチオン重合基を有するため、パターン露光により光パターニングが可能な感光性材料である。パターンは、前記カチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物の縮合膜に所定のマスクをして光照射を行い、この光照射により光カチオン重合開始剤を活性化させて重合反応を起こし照射部を硬化させ、未硬化部分を現像除去することにより形成できる。
前記カチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物とは、少なくとも一つのカチオン重合基と、少なくとも一つの加水分解性基とを有するシラン化合物である。前記カチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物として、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
(R1)pSi(X)4-p (1)
一般式(1)において、R1は各々独立のカチオン重合基である。Xは各々独立の加水分解性基である。pは1〜3の整数である。
カチオン重合基R1は、カチオン重合能を有する官能基である。このような官能基を有する加水分解性シラン化合物を用いることにより、フォトリソ製法を用いてフェイス面処理層を形成することができる。さらに、縮合によるシロキサン結合に加えてカチオン重合による結合が合わさることで、より耐久性のある強固なフェイス面処理膜とすることができる。つまり、シラノール基による硬化反応(縮合反応)のみならず、カチオン重合基による硬化反応(重合反応)を同時に生じさせることができる。
カチオン重合基R1としては、例えば、環状エーテル構造を有する有機基、ビニルエーテルを有する有機基等が挙げられる。そして、より好ましくは、環状エーテル構造を有する有機基である。かかる環状エーテル基としては、直鎖や環状構造を有する3〜6員環の環状エーテル構造を挙げることができ、より具体的にはエポキシ基、オキセタン基、テトラヒドロフラン又はピラン単位を含む構造を有する基を挙げることができる。また、これらの環状エーテル基のうち、より好ましいものはエポキシ基又はオキセタン基である。また、特に、流路形成層(ノズルプレート又は吐出口部材とも称す)がエポキシ樹脂で構成される場合、前記カチオン重合基としては、流路形成層との密着性の観点から、エポキシ基であることが好ましい。
加水分解性基Xは、加水分解してシラノール基を生成し、ついで縮合してシロキサン結合を形成することができる基を指す。通常、無触媒、過剰の水の共存下、室温(25℃)〜100℃の温度範囲内で加熱することにより、加水分解される。加水分解性基Xとしては、例えば、水素原子、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基又はアシルオキシ基等が挙げられ、アルコキシ基がより好ましく、炭素数が1〜3のアルコキシ基が特に好ましい。ここで、炭素数1〜3のアルコキシ基の具体例を挙げると、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基等を挙げることができる。また、上述した炭素数1〜3のアルコキシ基のうち、エトキシ基又はプロポキシ基が保存安定性の観点より特に好ましい。これらのアルコキシ基は、容易に加水分解されてシラノール基を生成するため、光硬化反応を安定して生じさせることができる。
本発明に用いるカチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物として、より具体的には、例えば、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン又はエポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
また、縮合反応において高分子化を行なうためには、一般式(1)中のpが1であること、つまり、3つの加水分解性基を有することが好ましい。
なお、前記カチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物の加水分解物において、一部未加水分解の加水分解性基が残っていても構わない。その場合は、カチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物とその加水分解物との混合物となる。また、カチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物の加水分解物というときは、加水分解性基(例えばアルコキシ基)が加水分解してシラノール基に変わった化合物ばかりでなく、一部のシラノール基同士が縮合した部分縮合物をも意味している。さらに、カチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物は、光カチオン重合開始剤を配合する時点で加水分解されている必要は必ずしもなく、光(UV光)を照射する段階で、少なくとも一部の加水分解性基が加水分解されていればよい。縮合後は、カチオン重合基を有するシロキサン化合物が得られる。
(重合開始剤)
次に、本発明で使用する重合開始剤は、重合基を有する化合物にカチオン、ラジカル、アニオン等の重合活性種を提供することが可能な化合物である。
前記光カチオン重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えばオニウム塩、スルホン塩、ハロゲン含有化合物、キノンジアジド化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物又はニトロベンジル化合物等を挙げることができる。
また、上述した化合物のうち、より有効なオニウム塩は芳香族オニウム塩であり、特に好ましくはジアリールヨードニウム塩である。
光カチオン重合開始剤の含有割合は、特に制限されるものではないが、前記カチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物100質量部に対して、通常0.1質量部以上15質量部以下の範囲内とするのが好ましい。光カチオン重合剤の添加量が0.1質量部未満となると、硬化性が低下し、十分な硬化速度が得られない場合がある。一方、光カチオン重合開始剤の添加量が15質量部を超えると、得られる硬化物の耐候性や耐熱性が低下する場合がある。したがって、硬化性と得られる硬化物の耐候性等とのバランスがより良好な観点から、光カチオン重合開始剤の添加量を、前記カチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物100質量部に対して1〜10質量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
光カチオン重合開始剤を分解させてカチオンを発生させるための放射線としては、例えば、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を挙げることができる。一定のエネルギーレベルを有し、大きな硬化速度が得られ、しかも照射装置は比較的安価で小型のものでよい利点があることから、紫外線が好ましい。
(フェイス面処理組成物)
本明細書におけるフェイス面処理組成物の一例は、少なくとも、前記光触媒粒子と、前記重合基を有する加水分解性シラン化合物と、前記重合開始剤とを含む。該フェイス面処理組成物を流路形成層(ノズルプレート)等の基材に塗布・硬化し、フェイス面処理層が形成される。
より具体的には、例えば、フェイス面処理組成物をIJヘッドのフェイス面に塗布した後、紫外線を照射してカチオンを発生させ、カチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物に重合反応を起こさせることにより、フェイス面処理層を形成することができる。このフェイス面処理層は、光触媒粒子を含むため、UV光を露光することでセルフクリーニング機能を発揮する。また、光照射をする際に、所定のマスクを用いることにより、光照射部を硬化させ、未露光部分を現像除去することにより、フェイス面処理層に所定のパターン形状を形成することができる。なお、本発明に係るフェイス面処理組成物はネガ型の感光性を有する。
さらに、本発明に係るフェイス面処理層は、シラン化合物の性質からくる撥水性を有する。そして、その内部に光触媒粒子(例えば酸化チタン)を具備しているため、UV照射により照射部を親水性とすることができる。光を照射していない場合は、特に限定されるものではないが、接触角90°程度の撥水性とすることができる。そして、UV照射により、照射部を接触角20°未満の親水性とすることができる。したがって、UV照射時にマスクを用いることで、フェイス面の任意の領域を容易に親水性とすることが可能である。保存時間の経過により親水性が低下した場合は、再度光を照射することにより親水性を回復することができる。なお、撥水性については、フェイス面処理組成物の組成を変えることにより、適宜調整することができる。
本発明のフェイス面処理層は、カチオン重合反応を生じさせる際の紫外線照射により、光触媒粒子が活性化し、フェイス面が親水化することがある。しかしながら、IJヘッドを作成するための実装等種々の工程を通りかつ物流期間を経過するころにはフェイス面の親水性は失われ、フェイス面はシラン化合物の性質(撥水性)を呈している。このため、プリンター内部に装着したUVランプ等でUV照射を行い、所望の部分に親水性を付与する必要がある。
なお、前記カチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物は、予め加水分解、脱水縮合が行われ、その一部がオリゴマー若しくはポリマー化されていてもよい。
<他の添加物質>
また、このフェイス面処理組成物には、前記光触媒粒子、前記カチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物及び前記光カチオン重合開始剤以外にも、前記光カチオン重合開始剤と重合反応する樹脂やモノマー(例えばエポキシ樹脂、エポキシモノマー、エポキシオリゴマー)や溶剤、界面活性剤、消泡剤、光増感剤又は反応希釈剤等を必要に応じて添加することができる。
さらに、このフェイス面処理組成物の造膜性を高めたい場合は、下記一般式(2)で表される第2の加水分解性シラン化合物を含有させることができる。
(R2)p2Si(X')4-p2 (2)
一般式(2)において、R2としては、アルキル基又はアリール基が挙げられる。これらの基は、直鎖状、分岐状、環状あるいはこれらの組み合わせであってもよい。また、より具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基又は重水素化アルキル基もしくはハロゲン化アルキル基等が挙げられる。造膜性能より好ましくはヘキシル基である。また、より具体的なアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基又は重水素化アリール基もしくはハロゲン化アリール基が挙げられる。造膜性能より、好ましくはフェニル基である。X'は前記一般式(1)で挙げたXと同様の加水分解性基を表す。また、p2は0〜3の整数を表すが、1であることが好ましい。
第2の加水分解性シラン化合物の具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン又はジメチルジエトキシシランなどを挙げることができる。
また、より高い撥水性を得たい場合は、下記一般式(3)で表される第3の加水分解性シラン化合物を含有させることができる。
(R3)p3Si(X")4-p3 (3)
一般式(3)において、R3は、フッ化アルキル基である。X"は前記一般式(1)で挙げたXと同様の加水分解性基を表す。また、p3は1〜3の整数を表すが、1であることが好ましい。
第3の加水分解性シラン化合物の具体例としては、例えば、ペンタフルオロエチルトリエトキシシラン、ヘキサフルオロプロピルトリエトキシシラン、ペンタフルオロエチルトリメトキシシランなどを挙げることができる。上記化合物は撥水性を発現させる上で重要である。上記を用いた場合、撥水性領域は、Si原子同士が酸素原子を介してシロキサン結合し、シロキサン結合を行っているSi原子のいくつかがフッ素含有基と結合を行っている状態となる。
なお、前記一般式(2)及び(3)に表される加水分解性シラン化合物を添加する場合には、前記一般式(1)で表されるカチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物と混合して加水分解性シラン化合物溶液を調製し、この加水分解性シラン化合物溶液と他の材料とを混合するとよい。下記の実施例ではこのように加水分解性シラン化合物溶液を調製してから、他の材料と混合し、フェイス面処理組成物を調製している。
<光触媒粒子分散液の調製>
また、前記光触媒粒子を添加混合する際には、微量の樹脂や加水分解性を有するシラン化合物等を用いて、あらかじめ光触媒粒子分散液として調製しておくことが好ましい。例えば、光触媒粒子として酸化チタン粒子を選択した場合、酸化チタン粒子と適当な溶剤とを混合して酸化チタン分散液を調製することが好ましい。
また、前記酸化チタン分散液は市販されているものを用いることができる。市販の酸化チタン分散液としては、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製、商品名「STS−02」(平均粒径7nm)、商品名「ST−K01」)を挙げることができる。また、他にも、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製、商品名「TA−15」(平均粒径12nm))を挙げることができる。その他、商品名「ビストレイター」(日本曹達製)、商品名「UC−100」(ナノチタニアコーティング剤、昭和電工製)、商品名「TKS−201」、「TKS−202」,「TKS−203」、「TKD−701」又は「TKD−702」(テイカ株式会社)等を挙げることができる。
酸化チタンの粒径は、小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、その平均粒径は光散乱型粒径測定において50nm以下が好ましく、20nm以下が特に好ましい。また、光触媒粒子の粒径が小さいほど、光パターニング性が良くなるので好ましい。一方、光触媒粒子の粒径が200nmを越えると光散乱が生じ、光パターニング性が悪化するため好ましくない。
<カチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物の加水分解条件>
前記カチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物を加水分解または縮合させるための条件は、特に制限されるものではないが、一例として、以下に示す(1)〜(3)の工程によって実施することが好ましい。
(1)カチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物(例えば一般式(1)に示される化合物)と、所定量の水とを、撹拌機付の容器内に収容する。
(2)次いで、溶液の粘度を調節しながら、有機溶媒を容器内にさらに収容し、混合溶液とする。
(3)得られた混合溶液を、空気雰囲気中、0℃から有機溶媒及びカチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物の沸点以下の温度で、1〜24時間の間加熱撹拌する。なお、加熱撹拌中、必要に応じて蒸留によって混合溶液を濃縮したり、あるいは溶剤を置換することも好ましい。
また、これらのカチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物の一部は、商品として市販されており、入手することができる。例えば、信越化学社製の,「、「KBM−303」,「KBM−403」,「KBE−402」及び「KBE−403」(以上、商品名)等を挙げることができる。
本発明において、カチオン重合基を有する加水分解性シラン化合物の縮合反応は、水の存在下で加熱することにより、加水分解と縮合反応を進行させることによって行うことが好ましい。加水分解/縮合反応を温度、時間、pHなどで適宜制御することで、所望の縮合度を得ることが可能である。
また、加水分解反応に際して、金属アルコキシドを加水分解の触媒として利用し縮合度を制御することも可能である。金属アルコキシドとしては、アルミニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシド若しくはジルコニウムアルコキシド又はこれらの錯体(アセチルアセトン錯体など)等が挙げられる。
<光増感剤>
前記フェイス面処理組成物には、光カチオン重合開始剤と併用して光増感剤を配合してもよい。光増感剤は、光等のエネルギー線を吸収し、光カチオン重合開始剤の感度を向上させる化合物である。このような光増感剤としては、例えば、チオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;アントラキノン、ブロムアントラキノン等のアントラキノン誘導体;アントラセン若しくはブロムアントラセン等のアントラセン誘導体;ペリレン若しくはペリレンの誘導体;キサンテン、チオキサンテン若しくはそれらの誘導体;クマリン若しくはケトクマリン等を挙げることができる。また、これらの光増感剤の中で、より好ましい化合物はジエチルチオキサントン又はブロムアントラセンである。
<反応性希釈剤>
前記フェイス面処理組成物に、反応性希釈剤を添加(配合)することにより、得られるフェイス面処理層の硬化収縮を低減したり、その機械的強度を制御することができる。特に、カチオン重合性の反応性希釈剤を用いた場合には、光反応性や機械的特性を調節することができる。
反応性希釈剤としては、カチオン重合性モノマーを配合することが好ましい。ここで、反応性希釈剤であるカチオン重合性モノマーとは、光カチオン重合開始剤の存在下で光照射することにより重合反応や架橋反応を起こす有機化合物である。したがって、反応性希釈剤としては、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、オキソラン化合物、環状アセタール化合物、環状ラクトン化合物、チイラン化合物、チエタン化合物、エポキシ化合物とラクトンとの反応生成物であるスピロオルソエステル化合物等の環状エーテル化合物、環状チオエーテル化合物又はビニル化合物、ビニルエーテル化合物等のエチレン性不飽和化合物などを挙げることができる。これらのカチオン重合性モノマーは、1種を単独で使用することもできるし、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
また、上述したカチオン重合性モノマーとしてのエポキシ化合物は、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、等が挙げられる。
また、特に好ましいカチオン重合性モノマーは、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシルレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等、1分子中に2個以上の脂環式エポキシ基を有するエポキシ化合物である。
<塗布方法>
前記フェイス面処理組成物を塗布する手段としては、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、またはインクジェット法等を用いることができる。これらのうち、特にスピンコート法が好ましい。また、フェイス面処理組成物のレオロジー特性を、実際の塗布手段に適したものとするために、各種レベリング剤、チクソ付与剤、フィラー、有機溶媒、界面活性剤等を、必要に応じて配合することができる。
フェイス面処理組成物の塗布により形成された塗布膜は、50〜90℃の温度で乾燥させ、あるいは必要に応じてさらに60〜120℃に加熱してプリベークすることにより、薄膜が形成される(以下、この薄膜をフェイス面処理縮合膜とする)。プリベークのための加熱の条件は、用いるフェイス面処理組成物の各成分の種類、配合割合などによっても異なるが、通常60〜120℃で10〜600秒間程度である。
形成されたフェイス面処理縮合膜は、放射線等の光を照射することにより、カチオン重合反応を起こし硬化する。ここで、光線としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を用いることができるが、既述のように、特に紫外線が好ましい。そして、紫外線を照射する手段としては、特に制限されるものではなく、種々の手段を利用することができる。例えば、光源としては、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ等の紫外線光源ランプを用いることができる。薄膜に照射される放射線は、波長200〜390nm、照度が1〜500mW/cm2のものを所定時間照射することにより照射量が10〜5000J/cm2となるようにすることが好ましい。
放射線等の光照射は、所定のパターンに従って行われ、その後、現像液により現像することにより、未硬化の不要な部分が除去され、これによってフェイス面処理膜が形成される。所定のパターンに従って光照射を行う方法としては、所定のパターンのマスク孔を有するフォトマスクを用いる方法に限られず、例えば液晶表示装置と同様の原理を利用した、所定のパターンに従って放射線透過領域と放射線不透過領域とよりなるマスク像を電気光学的に形成する手段を利用する方法、多数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、この導光部材における所定のパターンに対応する光ファイバーを介して放射線を照射する方法、レーザ光、あるいはレンズ、ミラー等の集光性光学系により得られる収束性放射線を走査させながらフェイス面処理縮合膜に照射する方法を用いることもできる。
このようにして所定のパターンに従って選択的に硬化させた薄膜に対しては、硬化部分と未硬化部分との溶解性の差異を利用して、適宜の有機溶媒あるいはアルカリ現像液によって現像処理することにより、未硬化部分を除去し硬化部分を残存させることができ、所定のパターン部分が形成される。
また、放射線の照射によって得られる硬化膜は、必要に応じて、さらに加熱することができる。この場合の加熱は、通常、室温から基板や薄膜の分解開始温度以下の温度で、例えば5分間〜72時間、行えばよい。このように、放射線硬化後にさらに加熱することにより、硬度および耐熱性に優れたパターン部分を得ることができる。
(装置本体の概略説明)
図4は、本発明に係るIJヘッドを適用可能なインクジェットプリンタの一例の概要を示す外観斜視図である。図4において、キャリッジ(HC)はガイドレール405に支持されて矢印方向を往復移動する。キャリッジHCには、IJヘッド401が搭載されており、インクタンク404からインクがチューブ供給されている。また、該装置はクリーニングユニット、記録ヘッドの吸引回復ユニットなどの回復系403のほか、UV照射装置402等を搭載し構成される。
前記UV照射装置は、UV照射によりフェイス面処理層に含まれる光触媒粒子(例えば酸化チタン)を活性化し、フェイス表面の付着物を分解させる。また、前記吸引回復ユニットは、吸引回復操作によりフェイス面を初期状態にもどす。次にIJプリンタ本体に内蔵するUVランプについて説明する。
UVランプはメタルハライド、高圧、低圧水銀、LED等、酸化チタンを活性状態にするものであればどのようなランプでも良いが、小型のLEDが好ましい。ランプのほかに光を集光するためのレンズや導光するためのプリズム、反射鏡を内蔵していてもよい。
フェイス面へのUV光の照射は、プリンタのユーザーが適宜実施してもよいし、深夜等のプリンタの使用頻度が少ない時間帯に、定期的に実施しても良い。
長期間の使用、フェイス面にインク成分が付着し、フェイス面の親水性部の接触角変動が生じた場合においても、プリンターに内蔵されたUVランプからUV光を照射することで、フェイス面の触媒粒子が活性状態となり、初期状態にもどすことができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、光触媒粒子として酸化チタン、カチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物としてグリシドキシプロピルトリエトキシシラン、光カチオン重合開始剤としてスルホニウム塩を用いてフェイス面処理組成物を調製し、そのフェイス面処理組成物をフェイス面に塗布し硬化させ、IJヘッドを作製した。また、流路形成組成物としては、感光性樹脂材料を使用し、フェイス面組成物と同様に光パターニング性を有するものを用いた。
<加水分解性シラン化合物溶液A>
カチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物としては、グリシドオキシプロピルトリエトキシシランを用いた。また、造膜性及び撥水性を向上するために、該加水分解性シラン化合物溶液にメチルトリエトキシシラン及びフッ素基を有するペンタフルオロエチルトリエトキシシランを添加した。下記材料を室温で攪拌した後、24時間加熱還流を行い、加水分解性シラン化合物溶液Aを得た。29Si−NMRにより、該加水分解性シラン化合物溶液Aについてシランの縮合度を測定したところ、約65%であった。
グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 28g(0.1mol)
メチルトリエトキシシラン 18g(0.1mol)
ペンタフルオロエチルトリエトキシシラン 5.6g(0.013mol)
水 21.6g
エタノール 27g
<酸化チタン分散液A>
光触媒粒子としては酸化チタンを用いた。酸化チタン分散体(商品名:TKD−701、テイカ株式会社製)をメチルイソブチルケトン(以下、MIBKと略す)で50質量%に希釈し、酸化チタン分散液Aを調製した。
<光カチオン重合開始剤分散液A>
光カチオン重合開始剤としては、スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP172、ADEKA製)を用いた。該スルホニウム塩をMIBKで50質量%に希釈し、光カチオン重合開始剤分散液Aを調製した。
<フェイス面処理組成物A>
上記調製した加水分解性シラン化合物溶液A、酸化チタン分散液A及び光カチオン重合開始剤分散液Aを下記の組成に従って混合及び攪拌を行い、フェイス面処理組成物Aを得た。
酸化チタン分散液A 50g
加水分解性シラン化合物物溶液A 50g
光カチオン重合開始剤分散液A 6g
<流路形成組成物A>
下記材料を混合し、攪拌(常温、1〜3時間)し、流路形成組成物Aを調製した。なお、流路形成組成物Aに用いた光重合性触媒とは、上記光カチオン重合開始剤と同様の働きをする材料である。
エポキシ樹脂(商品名:EHPE3150、ダイセル化学社製) 100g
1,4HFAB(商品名、セントラル硝子社製) 20g
スルホニウム塩(光重合性触媒)(商品名:アデカオプトマーSP172、ADEKA製) 1g
MIBK 78g
<評価パターンの作製>
評価パターンの作製については、図6に示した製造方法に従った。
まず、所定の位置にエネルギー発生素子602が配置された基板601上(図6(a))に、溶解可能な樹脂で所定のインク流路パターン603を形成した(図6(b))。溶解可能な樹脂としては、例えば、イソプロペニルケトン等のポジ型レジストを用いることができる。
次に、調製した感光性を有する流路形成組成物Aをスピンコート法にて前記インク流路パターン603上に塗布し、90℃にて4分プリベークを行い、流路形成塗布膜604を形成した(図6(c))。なお、塗布およびプリベークは2回行った。
次に、前記流路形成塗布膜604の上に、フェイス面処理組成物Aをスピンコートにて塗布し、90℃で1分プリベークを行ない、フェイス面処理縮合膜605を形成した(図6(d))。前記流路形成塗布膜604とフェイス面処理層605とを合わせたインク流路パターン603上の膜厚は45μmであった。
次に、フォトマスク606及びマスクアライナー「MPA600 super」(商品名、キヤノン製)を用いて、インク吐出口のパターン露光を行った。露光量は150mJ/cm2であった。
次に、90℃で4分間加熱してポストベークした後、MIBKで現像、イソプロピルアルコールでリンスを行い、吐出口607、流路形成層604'及びフェイス面処理層605'を形成した。作製したIJヘッドをしばらく放置した。なお、この工程により形成されたフェイス面処理層605'は撥水性を有する。
また、最終工程として、図6には示していないが、フェイス面に親水性の領域(親液部702)を形成するため、フォトマスクA(不図示)を用いてUV光(浜松フォトニクスLC5、波長365nm、100mW)を20分照射し、図7(a)に示すように、吐出口71の周辺領域が親液性である親液部702と撥水性である撥液部703を有するフェイス面処理層とした。なお、上記の説明の通り、UV光の照射により、光触媒粒子である酸化チタンが活性化し、その照射部分が親水性となる。
(実施例2)
フォトマスクB(不図示)を用いた以外は、実施例1と同様に評価パターンを作製した。フォトマスクBを用いてフェイス面処理層605'を処理することにより、図7(b)に示すように、吐出口801の周辺領域が撥水性である撥液部803と撥液部803以外の領域が親液性である親液部802を有するフェイス面処理層とした。
(実施例3)
最終工程のUV照射を行わなかった以外は、実施例1と同様に評価パターンを作製した。つまり、フェイス面処理層の全面が撥水性領域となっている。
(実施例4)
本実施例では、下記のフェイス面処理組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にして評価パターンを得た。
<加水分解性シラン化合物溶液B>
下記材料を室温で攪拌した後、24時間加熱還流を行い、加水分解性シラン化合物溶液Bを得た。29Si−NMRにより、シランの縮合度を測定したところ、約69%であった。
メチルトリエトキシシラン 36g(0.2mol)
ペンタフルオロエチルトリエトキシシラン 5.6g(0.013mol)
水 21.6g
エタノール 37g
<フェイス面処理組成物Bの調製>
下記の組成に従い調製後、攪拌を行い、フェイス面処理組成物Bを調製した。
酸化チタン分散液A 50g
加水分解性シラン化合物溶液B 50g
光カチオン重合開始剤分散液A 6g
実施例1と同様にフォトマスクAを用いて評価パターンにUV光を20分間照射した。
(実施例5)
酸化チタン分散液Aのかわりに下記酸化チタン分散液Bを用いてフェイス面処理組成物Cを調製し、フェイス面処理組成物Aの代わりに下記フェイス面処理組成物Cを用いた以外は、実施例1と同様に評価パターンを作製した。膜厚は40μmであった。
<酸化チタン分散液B>
下記材料を計量し、ホモジナイザーにおいて100Hz、2時間攪拌し、酸化チタン分散液Bを得た。
酸化チタン(商品名:P25、日本アエロジル社)10g
チタンカップリング剤(商品名:338X 味の素ファインテクノ社製)2.3g
グリシジルプロピルトリエトキシシラン 2g
MIBK 70g
<フェイス面処理組成物C>
下記の組成に従い調製後、攪拌を行い、フェイス面処理組成物Cを得た。
流路形成組成物A 100g
酸化チタン分散液B 100g
得られた評価パターンの表面に酸素プラズマ処理を行い、酸化チタン表面を被覆しているエポキシ樹脂をエッチングし、酸化チタンが露出する状態とした。
(実施例6)
流路形成組成物Aの代わりに下記流路形成組成物Bを用い、また、最終工程のUV照射をフォトマスクなしで実施した以外は、実施例1と同様に評価パターンを作製した。また、フォトマスクは使用せずにUV光照射を行うことで、フェイス面処理層の全面を親水性とした。膜厚は35μmであった。
<流路形成組成物B>
エポキシ樹脂(商品名:EHPE3150、ダイセル化学社製) 100g
1,4HFAB(セントラル硝子社) 20g
光重合性触媒(商品名「SP172」 ADEKA(株)製) 1g
MIBK 78g
(実施例7)
<酸化チタン分散液C>
下記材料を計量し、ホモジナイザーにおいて100Hz、2時間攪拌し、酸化チタン分散液Cを得た。
酸化チタン(商品名:P25、日本アエロジル社) 10g
ヘキシルトリエトキシシラン 2.3g
グリシジルプロピルトリエトキシシラン 2g
EtOH 70g
水 15.7g
<フェイス面処理組成物D>
流路形成組成物A 100g
酸化チタン分散液C 100g
(評価パターンの作製)
評価パターンの作製は、図3に示す製造工程により行った。まず、帝人アドバンストフィルム株式会社が製造する25ミクロン厚のアラミカ(登録商標)フイルム(パラ型アラミドを原料とした極薄・高耐熱・低熱膨張フイルム)(図3(a))を基材901として用いた。その基材901の底面に、後工程で使用する接着剤層902、及び穴開け加工の際の分解物付着防止よけの犠牲層903(ポリビニルアルコール)をそれぞれ形成した(図3(b))。
次に、基材901の上面に、フェイス面処理組成物Dをロールコーターにて塗布し、乾燥させ、フェイス面処理縮合膜904を形成した。その膜厚は約1ミクロンであった(図3(c))。
次に、フェイス面処理縮合膜904に、インクジェットオリフィスプレートの為の吐出口907を開け、さらに、底面にある犠牲層903を溶解除去した(図3(d))。なお、吐出口開けには、254nmのエキシマーレーザーを用い、開口径20μφのノズルを180個/インチのピッチで1インチ(約2.5cm)分作製した。
次に、フェイス面処理縮合膜904に所望のマスキングをし、マスク部分以外をキヤノン製マスクアライナー「MPA600 super」を用い、パターン露光を行った(図3(e))。図3(e)において、露光した部分はフェイス面処理縮合膜904の内部に含まれるカチオン重合基により重合反応が起こって硬化し、フェイス面処理層905となる。
その後、フェイス面処理縮合膜904をMIBKにて現像除去した(図3(f))。さらに、130℃で1時間処理、硬化させた。
その後、フェイス面処理層905をUV光にて20分間露光した。この処理により、撥水性を有するフェイス面処理層905中に含まれる酸化チタン光触媒が活性化された状態となり、親水性のフェイス面処理層905'となった(図3(g))。
(評価パターンの評価)
実施例1乃至7において作製した評価パターンについて、その接触角、光パターニング性、ブレード耐久性について評価した。
<接触角の測定>
材料の表面状態を評価する尺度としては、接触角を用いるのが一般的である。図1は、Youngの接触角θの概念を示した図であり、γS=γSL+γLcosθの関係が成立する。なお、γSは固体の表面張力、γSLは固液界面張力、γLは液体の表面張力を表す。
したがって、接触角θは、液体の表面張力γLに依存し、液体として水を用いた場合その表面張力から想定される接触角θの限界は、110°となる。
IJヘッドのフェイス面としては、メニスカスを安定的に維持するために、親水性または撥水性が求められる。しかしながら、フェイス面が長時間インクに接する状態にあると、微細な付着物が表面に付着し、その撥水性又は親水性が変化し、接触角に変動が生じる。接触角の変動はメニスカスの状態と密接な関係を示すため、フェイス面処理層の耐久性を評価する手法として接触角の測定は特に有効となる。なお、酸化チタンは、UV光照射部は接触角20°以下の親水性を示すが、UV未照射部は90°以上の撥水性を示す。
実施例において作製した評価パターンに、前記条件にてUVを照射した。その後、UVを照射した部分の水に対する接触角を測定した。具体的には、BCI7Cyanインク(商品名、キヤノン製)に60℃で4週間浸漬させた後、純水で洗淨する。そして、UV光(浜松フォトニクスLC5、波長365nm、100mW)を10分間照射し、再び接触角を測定した。測定には協和界面科学(株)社製の接触角計CA−X150を用い、水を滴下した場合の接触角を測定した。
接触角の評価基準は以下のように設定した。
◎:インク浸漬後の接触角が15°以下、かつ接触角変動(60℃保存前後)が5°以下
○:インク浸漬後の接触角が20°以下、かつ接触角変動が10°以下
△:インク浸漬後の接触角が20°より大きく、接触角変動が10°より大きい。
<光パターニング性>
露光、現像後の評価パターンを金属顕微鏡で観察し、パターン精度を確認した。
光パターニング性の評価基準は以下のように設定した。
○:吐出口部周囲に欠けが全くない。
×:吐出口部のパターニングがされていない。
表1に、各実施例における評価パターンの作製に用いたフェイス面組成物の種類と使用したフォトマスク、及び評価結果を示した。
Figure 2010036580
(実施例8)
本実施例では、実施例1に記載の流路形成組成物A及びフェイス面処理組成物Aを用いて、図2に示した手順にしたがって、インクジェット記録ヘッドを作製した。
まず、インク吐出圧力発生素子1002としての電気熱変換素子を形成したシリコン基板1001を用意した(図2(a)及び(b))。
次に、溶解可能な樹脂材料としてポリメチルイソプロペニルケトン(東京応化工業(株)社製ODUR−1010)を選択し、これをスピンコートで塗布した。次いで、120℃にて6分間プリベークした後、ウシオ電機製マスクアライナーUX3000にてインク流路のパターン露光を行った。露光は3分間行った。その後、メチルイソブチルケトン/キシレン=2/1で現像処理し、キシレンでリンスし、インク流路パターン1003を形成した(図2(c))。なお、前記ポリメチルイソプロペニルケトンは、UV照射により、分解し有機溶剤に対して可溶となる、所謂ポジ型レジストである。インク流路パターン1003は、パターン露光の際に露光されていない部分に形成され、インクを供給するインク流路を確保するためのものである。なお、現像後のインク流路パターンの膜厚は20μmであった。
次いで、流路形成組成物A(光硬化性)を、スピンコートにて、前記溶解可能な樹脂層で形成されたインク流路パターン1003上に塗布し、90℃にて4分プリベークを行い、流路形成塗布膜1004を形成した(図2(e))。なお、塗布及びプリベークは2回行った。
次に、流路形成縮合膜1004上に、フェイス面処理組成物Aをスピンコートにて同様に塗布し、90℃で1分間プリベークを行ない、フェイス面処理縮合膜1005を形成した(10(g))。なお、フェイス面処理縮合膜1005と流路形成塗布膜1004とのインク流路パターン1003上での合計膜厚は45μmであった。
次いで、フォトマスク1006とキヤノン製マスクアライナー「MPA600 super」を用いて、インク吐出口のパターン露光を行った。
次に、90℃で4分間加熱し、メチルイソブチルケトン(MIBK)で現像、イソプロピルアルコールでリンスを行い、吐出口1007、フェイス面処理層1005'、及び流路形成層1004'を形成した。このようにして、シャープなパターンエッジ形状を持つ吐出口1007が得られた。
次いで、基板1001の裏面にインク供給口を形成するためのマスクを適宜配置し、シリコン基板の異方性エッチングにてインク供給口1008を形成した。なお、シリコンの異方性エッチング中は、流路を形成した基板の表面は、ゴム系の保護膜で保護した。
次に、異方性エッチングが終了後、ゴム系保護膜を除去し、更に、前記UX3000にて再び全面にUV照射を行い、インク流路パターン1003を形成している溶解可能な樹脂層を分解させた。次いで、前記基板に超音波を付与しつつ、乳酸メチル中に1時間浸漬し、インク流路パターン1003を溶出させ、流路を形成した(図2(k))。
その後、樹脂を完全に硬化させるため、200℃にて1時間過熱処理を施した。最後に、インク供給口にインク供給部材(不図示)を接合してIJヘッドを作製した。
なお、作製したIJヘッドは、そのフェイス面処理層にUV光を照射することにより、親水性を付与することができる(図2(l))。
<ブレード耐久性>
本実施例で作製したIJヘッドをプリンタに装着し、吸引回復によるブレードこすり評価を繰り返し行った後、SEMにおいてフェイス面観察を行ったところ、初期と比べ特に大きな差は見られなかった。
(実施例9)
本実施例は、吐出口の周辺部に光触媒層を有する評価パターンの製造例であり、その製造方法を説明する工程図を図5に示す。
まず、シリコンウエハーからなる基板1101の上に、感光性樹脂組成物を塗布し、95℃でプリベークし、感光性樹脂層1102を形成した(図5(a))。感光性樹脂組成物としては、光酸発生剤を含有しカチオン重合性を有するエポキシ系厚膜フォトポリマーである「SU−8 4025」(商品名、Micro−Chem社)を用いた。感光性樹脂層1102の膜厚は25ミクロンであった。また、塗布には精密スプレーを使用した。
次いで、ピッチ42.3ミクロン(600dpi)で、直径20ミクロンの円形のノズル孔を持つマスクを装着し、キヤノン製マスクアライナー「MPA600 super」を用いてパターン露光を行った(図5(b))。露光された感光性樹脂層を1102'とする。
露光後、現像することなく、感光性樹脂層1102及び1102'の上に、本発明に係るフェイス面処理組成物をスピンナーにて塗布し、乾燥させた(図5(c))。この層の乾燥後膜厚は約2ミクロンであった。
次に、こうして準備したウエハー上に形成した層の上部から、直径20ミクロンの円形のノズル孔を持つマスクを装着し、キヤノン製マスクアライナー「MPA600 super」を用いてパターン露光した(図5(d))。
次に、キシレンとIPAの混合溶媒にて現像処理を行い、120℃、30分のポストベークを順次行い、図5(e)に示す断面形状のノズル口を形成した。
次に、ノズル外口を親水性に賦活化させるために、図5(f)に示すφ31μの口径のノズルマスクを用いて、ノズル口を囲む円周部をUV光にて、20分間露光した。
このようにすることで、フォトリソグラフィーにて形成したインクジェットノズル口の外表面に、ノズルを囲む親水性領域1103"、その外延部が撥水性領域1103'となるように表面処理を施すことが出来る(図5(g))。
上述した説明においては、撥水部を作成してから、親水部を作成したが、親水部を部分的に発現させてから、撥水部を作成することも可能である。
また上述した本発明の撥水化、親水化方法は電子実装用の皮膜や、構造物、鏡、事務用品、自動車部品、建造物等への応用も可能である。

Claims (7)

  1. 液体を吐出する吐出口が設けられた吐出口部材を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記吐出口部材を形成するための基材の表面に、該表面に撥水性を付与するための第1の組成物と、光を受けることにより親水性を発現することが可能な第2の組成物と、の混合物を提供する工程と、
    前記第1の組成物を利用して前記表面に撥水性を付与する工程と、
    前記撥水性が付与された部分の前記第2の組成物に光を照射して、光が照射された部分を親水性とする工程と、
    を有する液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記第1の組成物は、フッ素含有基と重合性基とを有するシロキサン化合物と、重合開始剤と、を含む請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記第2の組成物は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化鉄およびチタン酸ストロンチウムのいずれから選ばれる化合物を含み、前記光を照射することにより、前記化合物を励起する請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記1の組成物に対して露光を行った後、前記重合性基を利用した前記シロキサン化合物の重合反応を行う請求項2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記撥水性が付与された表面は水の接触角が90°以上であり、
    前記親水性が付与された表面は水の接触角が20°以下である請求項1乃至4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 液体を吐出する吐出口が設けられた吐出口部材を有する液体吐出ヘッドであって、
    前記吐出口部材の前記吐出口が開口している面は、フッ素含有基と結合したSi原子が酸素原子を介してシロキサン結合を行っている部分と、水酸基と結合したTi原子同士が酸素原子を介して結合を行っている部分と、を有する液体吐出ヘッド。
  7. 前記水酸基と結合したTi原子同士が酸素原子を介して結合を行っている部分は、前記、フッ素含有基と結合したSi原子同士が酸素原子を介してシロキサン結合を行っている部分、に含まれる請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
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