JP2010031798A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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隆晟 伊藤
Keisuke Sano
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和弘 若尾
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Abstract

【課題】内燃機関の冷間始動時に排気ガス中の未浄化成分を吸着することのできる吸着材を備えた内燃機関の排気浄化装置に関し、吸着材に投入される熱量を高精度に制御することにより、より効率的な排気浄化を行う。
【解決手段】パージ処理実行条件が成立しているか否かを判定する(ステップ400)。エンジン10の機関情報に基づいて、投入熱量Hinを推定する(ステップ404)。投入熱量Hinに基づいて、U/F触媒18の触媒床温Tc(Pf)を推定する(ステップ406)。投入熱量Hinに基づいて、U/F触媒18の最小触媒床温Tcmin(Pf)を推定する(ステップ408)。触媒床温Tc(Pf)と最小触媒床温Tcmin(Pf)とが等しくなる分配比Pfを分配比Pfxとして特定する(ステップ410)。特定された分配比Pfxが実現されるようにバルブ22を制御する。
【選択図】図11

Description

この発明は、内燃機関の排気浄化装置に係り、特に、内燃機関の冷間始動時に排気ガス中の未浄化成分を吸着することのできる吸着材を備えた内燃機関の排気浄化装置に関する。
従来、例えば、特開平6−200750号公報に開示されるように、排気通路における排気浄化用触媒の上流から分岐したバイパス通路に、未燃HCを吸着可能な吸着剤を配設した内燃機関の排気浄化装置が提案されている。排気浄化用触媒は低温時の活性度が低く、冷間始動時には未燃HCを十分に浄化することができない。そこで、低温時でも未燃HCを吸着できる吸着剤を備えることで、未燃HCの大気中への排出を防止することとしている。
特開平6−200750号公報 特開平6−93897号公報 特開平5−59937号公報
ところで、上記従来の排気浄化装置では、吸着剤に導入される排気ガスの温度を検知するための温度センサを備えている。そして、該吸着剤に導入される熱量は、かかる温度センサからの温度フィードバックによって制御されている。このため、排気ガスの温度が急激に変化した場合等においては、該吸着剤に導入される熱量を精度よく制御できないことが想定される。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、吸着材に投入される熱量を高精度に制御することにより、より効率的な排気浄化を行うことのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の排気浄化装置であって、
内燃機関から排出された排気ガスが流通するための主排気通路と、
前記主排気通路との上流側接続部において前記主排気通路から分岐し、前記上流側接続部より下流の下流側接続部において、再び前記主排気通路に合流するバイパス通路と、
前記バイパス通路に配置され、排気ガス中の未浄化成分を低温時に吸着し高温時に脱離する機能を有した吸着材と、
前記主排気通路における前記下流側接続部の下流側に設けられた触媒と、
前記上流側接続部から前記吸着材へ流入する排気ガスの熱を受けて、前記吸着材に吸着していた未浄化成分を脱離させるパージ手段と、を備え、
前記パージ手段は、
前記内燃機関の機関情報に基づいて、排気ガスから投入される投入熱量を推定する投入熱量推定手段と、
前記投入熱量に基づいて、前記吸着材へ流入する排気ガスの流量を制御する流量制御手段と、
を含むことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記流量制御手段は、
排気ガスの流入先を前記吸着材と前記触媒とに分配する分配手段と、
前記吸着材に流入する排気ガスの投入熱量に基づいて、前記吸着材から脱離する未浄化成分の脱離量を推定する脱離量推定手段と、
前記触媒に流入する排気ガスの投入熱量に基づいて、前記触媒における未浄化成分の浄化可能量を推定する浄化可能量推定手段と、を含み
前記分配手段は、前記脱離量が前記浄化可能量以下となるように分配比を設定することを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、
前記分配手段は、前記脱離量が前記浄化可能量と等しくなるように分配比を設定することを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明において、
前記流量制御手段は、
前記吸着材から脱離する未浄化成分の脱離量の要求値(以下、要求脱離量)を設定する要求脱離量設定手段と、
前記吸着材において、前記要求脱離量の脱離に要する熱量(以下、要求熱量)を推定する要求熱量推定手段と、を含み、
前記吸着材へ流入する熱量が前記要求熱量となるように、前記吸着材へ流入する排気ガスの流量を制御することを特徴とする。
第5の発明は、第1の発明において、
前記流量制御手段は、
前記投入熱量に基づいて、前記吸着材から脱離する未浄化成分の脱離量を推定する脱離量推定手段と、
前記脱離量に相当する量の未浄化成分を浄化可能な前記触媒の最小温度を推定する最小温度推定手段と、
前記触媒の温度を取得する温度取得手段と、を含み、
前記触媒の温度が前記最小温度よりも高い場合に、前記吸着材へ排気ガスを流入させることを特徴とする。
第1の発明によれば、パージ手段を実行する場合に、排気ガスの投入熱量に基づいて、吸着材へ流入する排気ガスの流量が制御される。このため、本発明によれば、該吸着材から脱離する未浄化成分の脱離量を制御することができるので、触媒における未浄化成分の
浄化効率を有効に高めることができる。
第2の発明によれば、吸着材から脱離する未浄化成分の脱離量が、触媒における未浄化成分の浄化可能量以下になるように、排気ガスの分配比が設定される。吸着材における未浄化成分の脱離量は、該吸着材に流入する排気ガスの投入熱量に基づいて推定することができる。また、触媒における未浄化成分の浄化可能量は、該触媒に流入する排気ガスの投入熱量に基づいて推定することができる。このため、本発明によれば、脱離量が浄化可能量以下になるように、排気ガスの分配比を設定することができるので、触媒の浄化限界を超えた量の未浄化成分が該触媒に流入する事態を効果的に抑制することができる。
第3の発明によれば、脱離量が浄化可能量と等しくなるように、排気ガスの分配比が設定される。このため、本発明によれば、触媒の浄化限界を超えない範囲で、未浄化成分の脱離量を最大限に増やすことができるので、未浄化成分の浄化効率を効果的に高めることができる。
第4の発明によれば、吸着材に流入する排気ガスの熱量が、未浄化成分の要求脱離量の脱離に要する要求熱量となるように、該吸着材に流入する排気ガスの流量が制御される。このため、本発明によれば、未浄化成分の脱離量を任意に設定することができるので、触媒における浄化効率を高めることができる。
第5の発明によれば、投入熱量に基づいて未浄化成分の脱離量が推定され、この推定された脱離量の未浄化成分を浄化可能な触媒の最小温度が推定される。そして、触媒の温度が当該最小温度よりも高い場合に、排気ガスが該吸着材へ流入される。このため、本発明によれば、触媒の浄化限界を超えた量の未浄化成分が該触媒に流入する事態を効果的に抑制することができる。
以下、図面に基づいてこの発明の幾つかの実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1としての排気浄化装置を備える内燃機関システムの概略構成を説明するための図である。図1に示すとおり、本実施の形態の排気浄化システムは、内燃機関(以下、「エンジン」とも称す)10を備えている。エンジン10には、筒内に空気を取り込むための吸気通路12と、筒内から排出された排気ガスが流れる排気通路14とが接続されている。排気通路14には、上流側から順に、排気ガスを浄化するための触媒としての前段触媒(以下、「S/C触媒」と称する)16と後段触媒(以下、「U/F触媒」と称する)18とが直列に配置されている。U/F触媒18には、該触媒の床温を検知するための温度センサ32が配設されている。
また、本実施の形態のシステムは、排気通路14の一部を迂回するバイパス通路20を備えている。バイパス通路20は、S/C触媒16の下流に位置する上流側接続部において排気通路14から分岐し、当該上流側接続部の下流に位置する下流側接続部において再び排気通路14に合流するように構成されている。上流側接続部には、排気ガスの流入先を排気通路14側とバイパス通路20側との間で切り替える、或いは所望の比率で分配するためのバルブ22が配置されている。
バイパス通路20の途中には、排気ガスに含まれる未燃HCやNOxを吸着する機能を有する吸着材24が配置されている。そのような吸着材24としては、例えば、Feイオン交換ゼオライト等の金属イオン交換ゼオライトを用いることができる。
本実施の形態のシステムは、図1に示すとおり、ECU(Electronic Control Unit)30を備えている。ECU30の入力部には、エンジン10を制御するための空燃比センサ、エアフロメータ、水温センサなど(何れも図示せず)の各種センサが接続されている。また、ECU30の出力部には、上述したバルブ22の他、エンジン10を制御するための各種アクチュエータが接続されている。ECU30は、入力された各種の情報に基づいて、所定のプログラムに従って各機器を駆動する。
[実施の形態1の動作]
次に、ECU30によって制御されるシステムの動作について説明する。尚、ここでは、システムで実現される様々な動作のうち、吸着材24に係る動作について説明する。
(冷間始動時における動作)
エンジン10の冷間始動時には、筒内から排出される排気ガス中のHC等の未燃ガスを吸着材24に吸着させるための動作が行われる。具体的には、バルブ22によって排気ガスの流入先がバイパス通路20側に切り替えられる。
このような状態では、エンジン10から排出された排気ガスの全部が、排気通路14からバイパス通路20へ導入される。バイパス通路20へ導入された排気ガスは、吸着材24を通過した後、再び排気通路14に戻されて大気中に放出される。冷間始動時は、S/C触媒16およびU/F触媒18における活性が発現していないため、排気ガスに含まれる未燃ガスをこれらS/C触媒16およびU/F触媒18で浄化することができない。しかしながら、排気ガスの全部をバイパス通路20に導入することで、排気ガスに含まれる未燃ガスは吸着材24に吸着されて取り除かれる。これにより、S/C触媒16およびU/F触媒18で浄化できない未燃ガスが大気中に放出される事態を効果的に抑制することができる。
(触媒暖機後における動作)
エンジン10の始動後は、S/C触媒16に流れ込む排気ガスの温度が上昇することで、やがて、S/C触媒16の温度は活性温度まで上昇する。S/C触媒16が活性化することで、排気ガスに含まれる未燃ガスは、S/C触媒16で浄化できるようになる。そこで、S/C触媒16の温度が活性温度まで上昇したことが検出或いは推定されたら、バルブ22が操作されて排気ガスの流入先がバイパス通路20から排気通路14へ切り替えられる。これにより、S/C触媒16で浄化された排気ガスは、吸着材24を経ることなく、そのまま排気通路14を通って大気中に排出される。
(吸着HCのパージ処理動作)
次に、エンジン10の冷間始動時において、吸着材24に吸着されたHC(以下、「吸着HC」と称する)のパージ処理動作について説明する。上述したとおり、エンジン10の冷間始動が開始されてからS/C触媒16の活性が発現するまでの期間は、排気ガスがバイパス通路20に導入され、該S/C触媒16において浄化できなかったHCが吸着材24に吸着される。これらの吸着HCは、パージ実行条件が成立した場合に吸着材24からパージされて、U/F触媒18において浄化される。
つまり、エンジン10の暖機運転が進行すると、やがて、エンジン10から比較的離れた場所に配置されているU/F触媒18の温度も活性温度まで上昇し、当該U/F触媒18において未燃ガスを浄化できるようになる。そこで、U/F触媒18の温度が活性温度まで上昇したことが検出或いは推定されたら、バルブ22が操作されて排気ガスの流入先が排気通路14からバイパス通路20へ切り替えられる。これにより、筒内から排出された排気ガスがバイパス通路20に導入される。その結果、始動後に比較的暖まってきた排気ガスが吸着材24に導入されることで、吸着HCが該吸着材24から脱離し、排気通路14の下流に配置されたU/F触媒18によって浄化される。
(実施の形態1の特徴的動作)
次に、図2を参照して、本実施の形態1における特徴的動作について説明する。上述したとおり、吸着HCのパージ処理動作においては、バルブ22が操作されて、筒内から排出された高温の排気ガスが吸着材24へ導入される。ここで、吸着材24に吸着された吸着HCの脱離量Mdは、排気ガスから投入される投入熱量Hinによって変化する。図2は、投入熱量Hinと該吸着材24から脱離するHCの脱離量Mdとの関係を示す図である。この図に示すとおり、脱離量Mdは、投入熱量Hinが増加するに従い、所定のピーク値に到達し、それ以降徐々に減少する傾向を有している。このため、脱離量Mdが多量となるピーク値近傍の区間においては、脱離HC等の還元剤に対して酸化剤が不足してしまい、U/F触媒18において脱離HCの全量を浄化することができないおそれがある。このように、吸着材24から脱離するHCの脱離量Mdを正確に把握していない場合においては、U/F触媒18における浄化能力を最大限に利用することができず、エミッションが悪化してしまうおそれがある。
そこで、本実施の形態1では、投入熱量Hinに基づいて、吸着HCの脱離量Mdを推定し、U/F触媒に流入する排気ガスの空燃比がストイキになるように制御することとする。より具体的には、先ず、投入熱量Hinは、以下の式によって推定することができる。
Figure 2010031798
ここで、Gaはエンジン10へ吸入される吸入空気量、AFRは空燃比、TcatはS/C触媒16の推定温度を示している。また、ECU30は、上述した図2に示すマップを記憶している。したがって、かかるマップに従って、上式(1)で推定されたHinに対応する脱離量Mdを特定することができる。
エンジン10の空燃比は、脱離量Mdを考慮して設定される。すなわち、脱離HCを含む排気ガスの空燃比がストイキとなるように、燃料噴射量が設定される。これにより、U/F触媒18における酸化剤の不足を効果的に補うことができ、エミッションの悪化を抑制することができる。
[実施の形態1における具体的処理]
次に、図3を参照して、本実施の形態において実行する処理の具体的内容について説明する。図2は、ECU30が、吸着HCのパージ処理を実行するルーチンのフローチャートである。
図3に示すルーチンでは、先ず、パージ処理実行条件が成立しているか否かが判定される(ステップ100)。ここでは、具体的には、U/F触媒18が所定の活性温度に達しているか否かが判定される。その結果、U/F触媒18の温度が未だ所定の活性温度に達していない場合には、後段触媒18において未だ未燃ガスを浄化することができないと判断され、次のステップに移行し、排気ガスの流入先が排気通路14側に制御される(ステップ102)。ここでは、具体的には、バイパス通路20を閉塞させるべく、バルブ22が操作され、排気ガスの流入先が排気通路14側に制御される。
一方、上記ステップ100において、U/F触媒18が所定の活性温度に達していると判定された場合には、U/F触媒18において未燃ガスを浄化することができると判断され、次のステップに移行し、投入熱量Hinが推定される(ステップ104)。ここでは、具体的には、エンジン10の機関情報としての吸入空気量Ga、空燃比AFR、およびS/C触媒16の推定温度Tcatが上式(1)に代入される。
次に、脱離量Mdが特定される(ステップ106)。ECU30は、上述した図2に示す関係のマップを記憶している。ここでは、具体的には、かかるマップに従って、上記ステップ104において推定された投入熱量Hinに対応する脱離量Mdが特定される。
次に、エンジン10の空燃比が制御される(ステップ108)。ここでは、具体的には、上記ステップ106において特定された脱離量Mdを考慮して、脱離HCを含む排気ガスがストイキとなるように、燃料噴射量が制御される。
次に、吸着HCのパージ処理が実行される(ステップ110)。ここでは、具体的には、排気通路14とバイパス通路20とを連通させるべく、バルブ22が操作され、排気ガスの流入先がバイパス通路20側へ切り替えられる。
以上説明したとおり、本実施の形態1の排気浄化装置によれば、エンジン10の機関情報に基づいて、排気ガスによる投入熱量Hin、および吸着HCの脱離量Mdを推定することができる。このため、投入熱量をセンサ等で直接検知する場合に比して、良好な制御応答性を確保することができる。
また、本実施の形態1の排気浄化装置によれば、推定された吸着HCの脱離量Mdを含めた空燃比制御を行うことができるので、U/F触媒18において酸化剤が不足する事態を効果的に抑制することができる。これにより、未燃HCの排出による排気エミッションの悪化を効果的に抑制することができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、未燃HCを吸着材24に吸着させることとしているが、吸着材24に吸着させる未浄化成分はHCに限られない。すなわち、エンジン10の排気ガスに含まれる未浄化成分であれば、例えば、NOxを吸着するNOx吸着材を備える構成としてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、排気通路14が前記第1の発明における「主排気通路」に、U/F触媒18が前記第1の発明における「触媒」に、それぞれ相当している。また、ECU30が、上記ステップ104の処理を実行することにより、前記第1の発明における「投入熱量推定手段」が、上記ステップ110の処理を実行することにより、前記第1の発明における「流量制御手段」が、上記ステップ110の処理を実行することにより、前記第1の発明における「パージ手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴]
次に、図4乃至図7を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU30に後述する図7に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
上述した実施の形態1においては、パージ処理を実行する場合に、バルブ22を操作して、排気ガスの全部をバイパス通路20側へ導くこととしている。図4は、パージ処理の実行中における吸着HCの脱離量Mdの推移を示す図である。この図に示すとおり、排気ガスの全量をバイパス通路20に導入している場合、脱離量Mdの推移が局所的に大きくなっている。このため、HCが多量に脱離する期間においては、U/F触媒18へ導入される脱離HCの量が、該U/F触媒18の浄化限界量を超えてしまう事態も想定される。
そこで、本実施の形態2においては、パージ処理の実行中において、吸着材24から脱離する吸着HCの脱離量Mdを任意に制御することとする。より具体的には、バルブ22をリニアに制御して、バイパス流路20側に流れる流量Faと排気流路14側に流れる流量Fbとの分配比Pf(=Fa/(Fa+Fb))を可変に設定することとする。バイパス流路20側に流れる流量Faが減量されると、吸着材24へ投入される投入熱量が少量になる。このため、HCの脱離量Mdを有効に減量することができる。
分配比Pfを設定するにあたり、先ず、吸着材24から脱離する脱離HCの要求値(以下、「要求脱離量」と称する)Mdrが設定される。要求脱離量Mdrは、U/F触媒18における浄化限界量を超えない範囲で、好ましくは脱離量Mdが極力安定するように設定する。そして、次式(2)に従い、要求脱離量Mdrに対応する微小区間iの分配比Pfが演算される。
Figure 2010031798
ここで、Ga、AFR、およびTcatは、微小区間iにおけるエンジン10の吸入空気量、空燃比、およびS/C触媒16の推定温度をそれぞれ示している。つまり、上式(2)における分母は、微小区間iにおける排気ガスからの投入熱量を、分子は投入熱量から脱離量を演算する演算関数の逆関数の微分値を、それぞれ示している。
図5は、分配比Pfとバルブ22の開度との関係を示す図である。要求脱離量Mdrに対応するバルブ開度は、この図に示す関係に従って特定される。図6は、パージ処理において、要求脱離量Mdrを任意に設定した場合の一例を示す図である。この図に実線で示すとおり、例えば、脱離量Mdが多量となる期間において、脱離量Mdを安定化させることができる。これにより、脱離HCがU/F触媒18において浄化されずに排気されてしまう事態を効果的に抑制することができる。
[実施の形態2における具体的処理]
次に、図7を参照して、本実施の形態において実行する処理の具体的内容について説明する。図7は、ECU30が、吸着HCのパージ処理を実行するルーチンのフローチャートである。
図7に示すルーチンでは、先ず、パージ処理実行条件が成立しているか否かが判定される(ステップ200)。ここでは、具体的には、上記ステップ100と同様の処理が実行される。その結果、パージ処理実行条件が成立していないと判定された場合には、次のステップに移行し、排気ガスの流入先が排気通路14側に制御される(ステップ202)。ここでは、具体的には、バイパス通路20を閉塞させるべく、バルブ22が操作され、排気ガスの流入先が排気通路14側に制御される。
一方、上記ステップ200において、パージ処理実行条件が成立していると判定された場合には、次のステップに移行し、要求脱離量Mdrが設定される(ステップ204)。ここでは、具体的には、U/F触媒18における浄化量限界を超えない範囲で脱離量Mdが極力安定する値に設定される。
次に、分配比Pfが演算される(ステップ206)。ここでは、具体的には、上記ステップ204において設定された要求脱離量Mdr、微小区間iの吸入空気量Ga、空燃比AFR、およびS/C触媒16の推定温度Tcatが上式(2)に代入される。
次に、バルブ22の開度が、分配比Pfに基づいて制御される(ステップ208)。ECU30は、分配比Pfとバルブ開度との関係を規定したマップを記憶している(図5参照)。ここでは、具体的には、上記ステップ206において演算された分配比Pfiに対応するバルブ開度が、かかるマップに従って特定される。そして、特定されたバルブ開度となるように、バルブ22が制御される。
以上説明したとおり、本実施の形態2の排気浄化装置によれば、設定された要求脱離量Mdrを実現するためのバルブ開度を演算することができる。つまり、HCの脱離量Mdを任意に制御することができるので、U/F触媒18に導入されるHC量が該U/F触媒18の浄化限界量を越えないように制御することができる。
ところで、上述した実施の形態2においては、未燃HCを吸着材24に吸着させることとしているが、吸着材24に吸着させる未浄化成分はHCに限られない。すなわち、エンジン10の排気ガスに含まれる未浄化成分であれば、例えば、NOxを吸着するNOx吸着材を備える構成としてもよい。
尚、上述した実施の形態2においては、排気通路14が前記第1の発明における「主排気通路」に、U/F触媒18が前記第1の発明における「触媒」に、それぞれ相当している。また、ECU30が、上記ステップ208の処理を実行することにより、前記第1の発明における「流量制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、ECU30が、上記ステップ204の処理を実行することにより、前記第4の発明における「要求脱離量設定手段」が実現されている。
実施の形態3.
[実施の形態3の特徴]
次に、図8および図9を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU30に後述する図9に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
U/F触媒18におけるHCの浄化性能は、該U/F触媒18の床温Tcの大きさに応じて変化する。つまり、脱離量Mdと、これらの脱離HCの全部を浄化可能な床温Tcの最小値Tcminとの間には、一定の相関関係が存在する。図8は、脱離量Mdと最小触媒床温Tcminとの間の関係を示す図である。この図に示すとおり、脱離量Mdが大きくなるほど、これらの脱離HCを浄化可能な最小触媒床温Tcminは大きくなる。
そこで、本実施の形態3では、U/F触媒18の床温Tcが、脱離量Mdから特定される最小触媒床温Tcminよりも大きい場合に、パージ処理を実行することとする。これにより、脱離HCをU/F触媒18において浄化できる条件が成立していない場合には、パージ処理が実行されないので、U/F触媒18の下流に未燃HCが排気されて排気エミッションが悪化する事態を効果的に抑制することができる。
[実施の形態3における具体的処理]
次に、図9を参照して、本実施の形態において実行する処理の具体的内容について説明する。図9は、ECU30が、吸着HCのパージ処理を実行するルーチンのフローチャートである。
図9に示すルーチンでは、先ず、パージ処理実行条件が成立しているか否かが判定される(ステップ300)。ここでは、具体的には、上記ステップ100と同様の処理が実行される。その結果、パージ処理実行条件が成立していないと判定された場合には、次のステップに移行し、排気ガスの流入先が排気通路14側に制御される(ステップ302)。ここでは、具体的には、バイパス通路20を閉塞させるべく、バルブ22が操作され、排気ガスの流入先が排気通路14側に制御される。
一方、上記ステップ300において、パージ処理実行条件が成立していると判定された場合には、次のステップに移行し、脱離量Mdが推定される(ステップ304)。ここでは、具体的には、上記ステップ104〜106と同様の処理が実行される。
次に、U/F触媒18の最小触媒床温Tcminが特定される(ステップ306)。ECU30は、脱離量Mdと最小触媒床温Tcminとの関係を規定したマップを記憶している(図8参照)。ここでは、具体的には、かかるマップに従って、上記ステップ304において推定された脱離量Mdに対応する最小触媒床温Tcminが特定される。
次に、U/F触媒18の床温Tcが取得される(ステップ308)。ここでは、具体的には、温度センサ32によって触媒床温Tcが検出される。
次に、触媒床温Tcが最小触媒床温Tcminより大きいか否かが判定される(ステップ310)。ここでは、具体的には、上記ステップ306において特定されたTcminと、上記ステップ308において取得されたTcとの大小関係が比較される。その結果、Tc>Tvminの成立が認められない場合には、U/F触媒18において脱離HCの全部を浄化することができないと判断されて、上記ステップ302に移行し、排気ガスの流入先が排気通路14側に制御される。
一方、上記ステップ310において、Tc>Tcminの成立が認められた場合には、U/F触媒18において脱離HCの全部を浄化可能と判断されて、次のステップに移行し、排気ガスの流入先がバイパス通路20側へ制御される(ステップ312)。ここでは、具体的には、バルブ22が操作され、排気ガスの流入先がバイパス通路20側へ制御される。
以上説明したとおり、本実施の形態3の排気浄化装置によれば、吸着HCの脱離量Mdが推定され、これらの脱離HCの全部をU/F触媒18において浄化可能な場合にパージ処理が実行される。これにより、未燃HCがU/F触媒18の下流に排気されてエミッションが悪化する事態を効果的に抑制することができる。
ところで、上述した実施の形態3においては、未燃HCを吸着材24に吸着させることとしているが、吸着材24に吸着させる未浄化成分はHCに限られない。すなわち、エンジン10の排気ガスに含まれる未浄化成分であれば、例えば、NOxを吸着するNOx吸着材を備える構成としてもよい。
また、上述した実施の形態3においては、U/F触媒18の触媒床温Tcを温度センサ32により検出することとしているが、触媒床温Tcを取得する方法はこれに限られない。すなわち、エンジン10の機関情報に基づいて、触媒床温Tcを推定することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態3においては、排気通路14が前記第1の発明における「主排気通路」に、U/F触媒18が前記第1の発明における「触媒」に、それぞれ相当している。また、ECU30が、上記ステップ312の処理を実行することにより、前記第1の発明における「流量制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態3においては、ECU30が、上記ステップ304の処理を実行することにより、前記第5の発明における「脱離量推定手段」が、上記ステップ306の処理を実行することにより、前記第5の発明における「最小温度推定手段」が、上記ステップ308の処理を実行することにより、前記第5の発明における「温度検出手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態4.
[実施の形態4の特徴]
次に、図10および図11を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU30に後述する図11に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
触媒床温Tc(Pf)および最小触媒床温Tcmin(Pf)は、それぞれ分配比Pfに応じて変化する。図10は、分配比Pfに対するU/F触媒18の床温Tc(Pf)および最小触媒床温Tcmin(Pf)の変化を示す図である。この図に鎖線L1で示すとおり、U/F触媒18の床温Tc(Pf)は、分配比Pfが大きくなるほど小さくなっている。これは、分配比Pfが大きいほど、バルブ22から排気通路16側へ流入する排気ガス量が少量となるためである。
一方、図10に実線L2で示すとおり、U/F触媒18の最小触媒床温Tcmin(Pf)は、分配比Pfが大きいほど大きくなっている。これは、分配比Pfが大きいほど、バルブ22からバイパス通路20側へ流入する排気ガス量が多量となり、脱離量Mdがより多量になるためである。
ここで、実施の形態3において上述したとおり、触媒床温Tc(Pf)が最小触媒床温Tcmin(Pf)より大きい場合においては、脱離HCの全部をU/F触媒18において浄化することができる。したがって、この図に示すとおり、分配比Pfが図中の鎖線L1と実線L2が交差するPfx以下となる範囲であれば、脱離HCの全量をU/F触媒18において浄化することができる。
そこで、本実施の形態4では、パージ処理を実行する場合に、分配比Pfが、脱離HCの全量をU/F触媒18において浄化することができる範囲で、脱離量Mdが最大となる分配比Pfxとなるように制御することとする。これにより、パージ処理実行中の排気エミッションの悪化を抑制しつつ、脱離HCの浄化量を最大限に高めることができる。
[実施の形態4における具体的処理]
次に、図11を参照して、本実施の形態において実行する処理の具体的内容について説明する。図11は、ECU30が、吸着HCのパージ処理を実行するルーチンのフローチャートである。
図11に示すルーチンでは、先ず、パージ処理実行条件が成立しているか否かが判定される(ステップ400)。ここでは、具体的には、上記ステップ100と同様の処理が実行される。その結果、パージ処理実行条件が成立していないと判定された場合には、次のステップに移行し、排気ガスの流入先が排気通路14側に制御される(ステップ402)。ここでは、具体的には、バイパス通路20を閉塞させるべく、バルブ22が操作され、排気ガスの流入先が排気通路14側に制御される。
一方、上記ステップ400において、パージ処理実行条件が成立していると判定された場合には、次のステップに移行し、投入熱量Hinが推定される(ステップ404)。ここでは、具体的には、上記ステップ104と同様の処理が実行される。
次に、U/F触媒18の触媒床温Tc(Pf)が推定される(ステップ406)。ここでは、具体的には、先ず、上記ステップ404において推定された投入熱量Hinに基づいて、U/F触媒18へ投入される熱量Hin×(1−Pf)が分配比Pfの関数として推定される。ECU30は、U/F触媒18に投入される熱量と触媒昇温Tcとの関係を規定したマップを記憶している。ここでは、具体的には、かかるマップに従って、投入熱量に対応する触媒床温Tc(Pf)が特定される。
次に、U/F触媒18の最小触媒床温Tcmin(Pf)が推定される(ステップ408)。ここでは、具体的には、先ず、上記ステップ404において推定された投入熱量Hinに基づいて、吸着材24へ投入される熱量Hin×Pfが分配比Pfの関数として推定される。次いで、投入熱量Hin×Pfに対応する脱離量Md(Pf)が推定される。ここでは、具体的には、上記ステップ106と同様の処理が実行される。ECU30は、脱離量Md(Pf)と最小触媒昇温Tcmin(Pf)との関係を規定したマップを記憶している。ここでは、具体的には、かかるマップに従って、脱離量Md(Pf)に対応する最小触媒床温Tcmin(Pf)が特定される。
つぎに、分配比Pfxが特定される(ステップ410)。ここでは、具体的には、上記ステップ406において推定された触媒床温Tc(Pf)と、上記ステップ408において推定された最小触媒床温Tcmin(Pf)とが等しくなる分配比Pfが分配比Pfxとして特定される。
次に、バルブ22の開度が制御される(ステップ412)。ここでは、具体的には、上記ステップ410において特定された分配比Pfxが実現されるようにバルブ22が制御される。
以上説明したとおり、本実施の形態4の排気浄化システムによれば、推定された投入熱量Hinに基づいて、U/F触媒18の触媒床温Tc(Pf)と最小触媒床温Tcmin(Pf)とが等しくなる分配比Pfxを特定することができる。これにより、脱離HCの全量をU/F触媒18において浄化することができる範囲で、脱離量Mdを最大とすることができるので、パージ処理実行中の排気エミッションの悪化を抑制しつつ、吸着HCの浄化効率を最大限に高めることができる。
ところで、上述した実施の形態4においては、未燃HCを吸着材24に吸着させることとしているが、吸着材24に吸着させる未浄化成分はHCに限られない。すなわち、エンジン10の排気ガスに含まれる未浄化成分であれば、例えば、NOxを吸着するNOx吸着材を備える構成としてもよい。
また、上述した実施の形態4においては、触媒床温Tc(Pf)と最小触媒床温Tcmin(Pf)とが等しくなる分配比Pfxを設定することとしているが、設定される分配比はPfxに限られない。すなわち、触媒床温Tc(Pf)が最小触媒床温Tcmin(Pf)よりも大きい範囲で分配比Pfを設定することとすれば、少なくとも、脱離HCがU/F触媒18の浄化可能量を越えて流入する事態を抑制することができるので、排気エミッションの悪化を効果的に抑制することができる。
また、上述した実施の形態4においては、触媒床温Tc(Pf)と最小触媒床温Tcmin(Pf)とが等しくなる分配比Pfxを設定することとしているが、分配比Pfの設定に使用される値はこれらに限られない。すなわち、分配比の関数で表される脱離量と分配比の関数で表される浄化可能量とを比較することができるのであれば、温度に限らず他の物理量に基づいて分配比Pfxを設定することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態4においては、排気通路14が前記第1の発明における「主排気通路」に、U/F触媒18が前記第1の発明における「触媒」に、それぞれ相当している。また、ECU30が、上記ステップ312の処理を実行することにより、前記第1の発明における「流量制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態4においては、ECU30が、上記ステップ408の処理を実行することにより、前記第2の発明における「浄化可能量推定手段」が、上記ステップ410の処理を実行することにより、前記第2の発明における「分配手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態4においては、ECU30が、上記ステップ410の処理を実行することにより、前記第3の発明における「分配手段」が実現されている。
本発明の実施の形態に係る排気浄化装置の構成を説明するための図である。 投入熱量Hinと該吸着材24から脱離するHCの脱離量Mdとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 パージ処理の実行中における吸着HCの脱離量Mdの推移を示す図である。 分配比Pfとバルブ22の開度との関係を示す図である。 パージ処理において、要求脱離量Mdrを任意に設定した場合の一例を示す図である。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 脱離量Mdと最小触媒床温Tcminとの間の関係を示す図である。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。 分配比Pfに対するU/F触媒18の床温Tc(Pf)および最小触媒床温Tcmin(Pf)の変化を示す図である。 本発明の実施の形態4において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関(エンジン)
12 吸気通路
14 排気通路
16 S/C触媒
18 U/F触媒
20 バイパス通路
22 バルブ
24 吸着材
30 ECU(Electronic Control Unit)
32 温度センサ

Claims (5)

  1. 内燃機関から排出された排気ガスが流通するための主排気通路と、
    前記主排気通路との上流側接続部において前記主排気通路から分岐し、前記上流側接続部より下流の下流側接続部において、再び前記主排気通路に合流するバイパス通路と、
    前記バイパス通路に配置され、排気ガス中の未浄化成分を低温時に吸着し高温時に脱離する機能を有した吸着材と、
    前記主排気通路における前記下流側接続部の下流側に設けられた触媒と、
    前記上流側接続部から前記吸着材へ流入する排気ガスの熱を受けて、前記吸着材に吸着していた未浄化成分を脱離させるパージ手段と、を備え、
    前記パージ手段は、
    前記内燃機関の機関情報に基づいて、排気ガスから投入される投入熱量を推定する投入熱量推定手段と、
    前記投入熱量に基づいて、前記吸着材へ流入する排気ガスの流量を制御する流量制御手段と、
    を含むことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記流量制御手段は、
    排気ガスの流入先を前記吸着材と前記触媒とに分配する分配手段と、
    前記吸着材に流入する排気ガスの投入熱量に基づいて、前記吸着材から脱離する未浄化成分の脱離量を推定する脱離量推定手段と、
    前記触媒に流入する排気ガスの投入熱量に基づいて、前記触媒における未浄化成分の浄化可能量を推定する浄化可能量推定手段と、を含み
    前記分配手段は、前記脱離量が前記浄化可能量以下となるように分配比を設定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記分配手段は、前記脱離量が前記浄化可能量と等しくなるように分配比を設定することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記流量制御手段は、
    前記吸着材から脱離する未浄化成分の脱離量の要求値(以下、要求脱離量)を設定する要求脱離量設定手段と、
    前記吸着材において、前記要求脱離量の脱離に要する熱量(以下、要求熱量)を推定する要求熱量推定手段と、を含み、
    前記吸着材へ流入する熱量が前記要求熱量となるように、前記吸着材へ流入する排気ガスの流量を制御することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記流量制御手段は、
    前記投入熱量に基づいて、前記吸着材から脱離する未浄化成分の脱離量を推定する脱離量推定手段と、
    前記脱離量に相当する量の未浄化成分を浄化可能な前記触媒の最小温度を推定する最小温度推定手段と、
    前記触媒の温度を取得する温度取得手段と、を含み、
    前記触媒の温度が前記最小温度よりも高い場合に、前記吸着材へ排気ガスを流入させることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。
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