JP2016188604A - 排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルタ再生処理が実行されてもNOx浄化率の低下を補償できるようにした排気浄化装置を提供する。【解決手段】制御装置60は、燃料添加弁34から燃料を噴射してDPF32の再生処理を実行すると、DOC30とDPF32とのそれぞれに吸着された硫黄の量(硫黄被毒量)の推定値を減少補正する。また、制御装置60は、フィルタ再生処理によってDOC30とDPF32とのそれぞれから脱離した硫黄がSCR36に再吸着される量を算出し、SCR36の硫黄被毒量を更新する。そして、制御装置60は、SCR36の更新されたい硫黄被毒量に基づき、還元剤添加弁38から噴射する尿素量を設定する。【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型触媒と、前記選択還元型触媒の上流に設けられて還元剤を排気に添加する還元剤添加弁と、前記選択還元型触媒の上流に設けられ前記排気中の微粒子成分を補集するフィルタと、を備える排気浄化装置に関する。
たとえば特許文献1には、内燃機関の排気通路に選択還元型触媒を備える排気浄化装置が記載されている。ここで、選択還元型触媒は、NOxを尿素水(還元剤)が熱分解されたアンモニアと反応させる触媒である。そして、この装置は、選択還元型触媒の入側の排気温度が所定温度以上となっている運転時間を積算し、選択還元型触媒の劣化度合いを推定し、推定した劣化度合いに応じて選択還元型触媒への尿素水の添加量を設定する。
ところで、内燃機関において燃焼に供される燃料に硫黄(酸化硫黄等)が含まれる場合、選択還元型触媒に硫黄が付着し、選択還元型触媒におけるNOx浄化率が低下するおそれがある。ここで、NOx浄化率が低下する場合、尿素水の添加量を増加させることによって、NOx浄化率の低下を補償することが考えられる。これは、たとえば燃料噴射の履歴に応じて選択還元型触媒への硫黄の付着量を把握し、これに応じて尿素水の添加量を増加させることで実現可能である。
一方、選択還元型触媒の上流に、微粒子成分を補集するフィルタであるDPFを備えたものにあっては、DPFにも硫黄が付着する。そして、DPFの再生処理(フィルタの再生処理)がなされると、DPFに付着した硫黄の一部が脱離するものの、それらの一部は、下流に配置された選択還元型触媒に再吸着される。そして、フィルタの再生処理によって選択還元型触媒に付着した硫黄によって、NOx浄化率が低下するおそれがある。
このため、たとえ燃料噴射の履歴に応じて尿素水の添加量を増量させたとしても、DPFから脱離した硫黄が選択還元型触媒に再吸着されることに起因した選択還元型触媒のNOx浄化率の低下を補償できないおそれがある。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルタ再生処理が実行されてもNOx浄化率の低下を補償できるようにした排気浄化装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
排気浄化装置は、内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型触媒と、前記選択還元型触媒の上流に設けられて還元剤を排気に添加する還元剤添加弁と、前記選択還元型触媒の上流に設けられ前記排気中の微粒子成分を補集するフィルタと、を備える排気浄化装置において、前記フィルタの再生処理の実行時に当該フィルタからの硫黄の脱離量を算出する脱離量算出処理部と、前記算出された脱離量に基づき、前記選択還元型触媒に吸着される硫黄の吸着量を算出する吸着硫黄量算出処理部と、前記排気に添加する還元剤の基本量を算出する基本量算出処理部と、前記吸着硫黄量算出処理部によって算出された吸着量に基づき、前記基本量を補正する補正処理部と、前記補正処理部によって補正された基本量に基づき前記還元剤添加弁を操作する添加処理部と、を備えることを特徴とする。
排気浄化装置は、内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型触媒と、前記選択還元型触媒の上流に設けられて還元剤を排気に添加する還元剤添加弁と、前記選択還元型触媒の上流に設けられ前記排気中の微粒子成分を補集するフィルタと、を備える排気浄化装置において、前記フィルタの再生処理の実行時に当該フィルタからの硫黄の脱離量を算出する脱離量算出処理部と、前記算出された脱離量に基づき、前記選択還元型触媒に吸着される硫黄の吸着量を算出する吸着硫黄量算出処理部と、前記排気に添加する還元剤の基本量を算出する基本量算出処理部と、前記吸着硫黄量算出処理部によって算出された吸着量に基づき、前記基本量を補正する補正処理部と、前記補正処理部によって補正された基本量に基づき前記還元剤添加弁を操作する添加処理部と、を備えることを特徴とする。
上記フィルタの再生処理が実行されると、フィルタに吸着した硫黄の一部が脱離する。そして、脱離した硫黄の一部は、フィルタの下流に配置されている選択還元型触媒に吸着される。ここで、選択還元型触媒に吸着される硫黄の吸着量は、選択還元型触媒に流入する硫黄量に依存する。
そこで上記構成では、まず、脱離量算出処理部によって、フィルタからの硫黄の脱離量を算出する。そして、吸着硫黄量算出処理部では、算出された脱離量に応じて選択還元型触媒に吸着される硫黄量を算出する。そして、補正処理部では、吸着硫黄量算出処理部によって算出された硫黄量に基づき、還元剤の基本量を補正する。このため、フィルタの再生処理に起因して選択還元型触媒に付着した硫黄による選択還元型触媒のNOx浄化率の低下を、補正された基本量の還元剤を添加することで補償することができる。したがって、フィルタ再生処理が実行されてもNOx浄化率の低下を補償できる。
なお、上記「硫黄」とは、硫黄単体を必ずしも意味せず、成分に硫黄原子を含むものを包含する。
以下、排気浄化装置にかかる一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示す内燃機関10は、軽油を燃料とする圧縮着火式の内燃機関(ディーゼル機関)である。内燃機関10には複数の気筒#1〜#4が設けられている。そして、各気筒#1〜#4の燃焼室には、吸気通路12から空気が吸入される。また、各気筒#1〜#4の燃焼室には、燃料噴射弁13a〜13dによって燃料が噴射される。そして、空気と燃料との混合気が燃焼に供されると、燃焼に供された混合気は、排気として、排気通路20に排出される。
図1に示す内燃機関10は、軽油を燃料とする圧縮着火式の内燃機関(ディーゼル機関)である。内燃機関10には複数の気筒#1〜#4が設けられている。そして、各気筒#1〜#4の燃焼室には、吸気通路12から空気が吸入される。また、各気筒#1〜#4の燃焼室には、燃料噴射弁13a〜13dによって燃料が噴射される。そして、空気と燃料との混合気が燃焼に供されると、燃焼に供された混合気は、排気として、排気通路20に排出される。
吸気通路12および排気通路20の途中には、排気圧を利用して気筒に導入される吸入空気を過給するターボチャージャ22が設けられている。また、吸気通路12と排気通路20とは、環流通路24によって接続されており、環流通路24には、その流路断面積を調整する環流バルブ26が設けられている。排気通路20の途中にあって、ターボチャージャ22の下流には、排気を浄化するDOC30およびDPF32が配設されている。
DOC30には、排気中のHCを酸化処理する触媒が担持されている。また、DPF32は、排気中のPM(微粒子成分)を捕集する部材であって、多孔質のセラミックで構成されている。DPF32には、PMの酸化を促進させるための触媒が担持されており、排気中のPMは、DPF32の多孔質の壁を通過する際に捕集される。
また、排気通路20のうちDOC30の上流には、DOC30やDPF32に燃料を供給するための燃料添加弁34が設けられている。
DPF32に捕集されたPMの量が所定値を超えると、DPF32の再生処理(フィルタ再生処理)が開始されて燃料添加弁34からは排気通路20内に向けて燃料が噴射される。燃料添加弁34から噴射された燃料は、DOC30に達すると燃焼し、これにより排気温度の上昇が図られる。そして、DOC30にて昇温された排気がDPF32に流入することにより、DPF32は昇温され、これによりDPF32に堆積したPMが酸化処理されてDPF32の再生が図られる。
DPF32に捕集されたPMの量が所定値を超えると、DPF32の再生処理(フィルタ再生処理)が開始されて燃料添加弁34からは排気通路20内に向けて燃料が噴射される。燃料添加弁34から噴射された燃料は、DOC30に達すると燃焼し、これにより排気温度の上昇が図られる。そして、DOC30にて昇温された排気がDPF32に流入することにより、DPF32は昇温され、これによりDPF32に堆積したPMが酸化処理されてDPF32の再生が図られる。
さらに、排気通路20の途中にあって、DPF32の下流には、排気中のアンモニアを浄化する選択還元型触媒(SCR36)が配設されている。排気通路20には、SCR36に還元剤である尿素水を供給する還元剤添加弁38が設けられている。還元剤添加弁38から噴射された尿素水は、排気の熱によって加水分解されてアンモニアとなる。そしてこのアンモニアがSCR36に供給される。なお、SCR36は、フィルタ再生処理中であっても、DOC30やDPF32ほどには温度が上昇しない位置に配置されている。
さらに、排気通路20の途中にあって、SCR36の下流には、排気中のアンモニアを浄化するアンモニア酸化触媒39が配設されている。
内燃機関10には、機関運転状態を検出するための各種センサが取り付けられている。例えば、エアフローメータ50は吸気通路12内の吸入空気量GAを検出する。また、ターボチャージャ22とDOC30との間の排気通路20には、第1排気温センサ52が設けられている。DPF32とSCR36との間の排気通路20にあって、還元剤添加弁38の上流には、第2排気温センサ54が設けられている。第2排気温センサ54は、SCR36に流入する前の排気温度である排気温を検出する。
内燃機関10には、機関運転状態を検出するための各種センサが取り付けられている。例えば、エアフローメータ50は吸気通路12内の吸入空気量GAを検出する。また、ターボチャージャ22とDOC30との間の排気通路20には、第1排気温センサ52が設けられている。DPF32とSCR36との間の排気通路20にあって、還元剤添加弁38の上流には、第2排気温センサ54が設けられている。第2排気温センサ54は、SCR36に流入する前の排気温度である排気温を検出する。
制御装置60は、内燃機関10を制御対象とし、内燃機関10の各種制御量を制御する。特に制御装置60は、排気通路20から外部に排出される排気の特性を制御するために還元剤添加弁38を操作する。以下、これについて詳述する。
図2に、還元剤添加弁38の操作による尿素添加制御の処理手順を示す。この処理は、制御装置60によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理において、制御装置60は、まず、燃料噴射弁13a〜13dによる燃料噴射量と、回転速度NEとに基づき、単位時間当たりの燃料消費量GFを算出する(S1)。続いて制御装置60は、燃料噴射弁13a〜13dにより噴射される燃料中の硫黄濃度と上記燃料消費量GFとに基づき、DOC30等への硫黄の流入量Smassを算出する(S2)。ここで、「硫黄」とは、硫黄単体であることを意味せず、酸化硫黄等であることもあるが、流入量Smassは、硫黄化合物のうちの硫黄単体での質量流量とする。また、燃料中の硫黄濃度は、予め定められた固定値とする。これは、たとえば本実施形態にかかる排気浄化装置を出荷する地域(国)毎に、専用の固定値を設定するなどして実現可能である。
この一連の処理において、制御装置60は、まず、燃料噴射弁13a〜13dによる燃料噴射量と、回転速度NEとに基づき、単位時間当たりの燃料消費量GFを算出する(S1)。続いて制御装置60は、燃料噴射弁13a〜13dにより噴射される燃料中の硫黄濃度と上記燃料消費量GFとに基づき、DOC30等への硫黄の流入量Smassを算出する(S2)。ここで、「硫黄」とは、硫黄単体であることを意味せず、酸化硫黄等であることもあるが、流入量Smassは、硫黄化合物のうちの硫黄単体での質量流量とする。また、燃料中の硫黄濃度は、予め定められた固定値とする。これは、たとえば本実施形態にかかる排気浄化装置を出荷する地域(国)毎に、専用の固定値を設定するなどして実現可能である。
次に、制御装置60は、流入量Smassに、DOC30への硫黄の吸着率DOC_S_ab_ratioを乗算してDOC30への硫黄の吸着量DOC_S_abを算出する(S3)。ここで、吸着率DOC_S_ab_ratioは、DOC30を通過する排気流量と、DOC30の温度とに応じて算出される。これは、DOC30を通過する排気流量およびDOC30の温度と、吸着率DOC_S_ab_ratioとの関係を定めた2次元マップを予め制御装置60に記憶しておくことで実現することができる。ここで、排気流量は、エアフローメータ50によって検出される吸気流量に基づき算出すればよい。また、DOC30の温度は、第1排気温センサ52によって検出される排気温や、DOC30の熱容量に基づき推定すればよい。この際、燃料添加弁34から排気に燃料が添加されているときには、DOC30における燃料の燃焼によるDOC30の温度上昇を加味することが望ましい。
続いて制御装置60は、現時点における流入量Smassから吸着量DOC_S_abを減算することで、流入量Smassを更新する(S4)。こうして更新された流入量Smassは、排気通路20のうちDOC30よりも下流に流入する硫黄の量となる。
次に、制御装置60は、更新された流入量Smassに、DPF32への硫黄の吸着率DPF_S_ab_ratioを乗算することで、DPF32への硫黄の吸着量DPF_S_abを算出する(S5)。ここで、吸着率DPF_S_ab_ratioは、DPF32を通過する排気流量と、DPF32の温度とに応じて算出される。これは、DPF32を通過する排気流量およびDPF32の温度と、吸着率DPF_S_ab_ratioとの関係を定めた2次元マップを予め制御装置60に記憶しておくことで実現することができる。ここで、DPF32の温度は、第1排気温センサ52によって検出される排気温や、DPF32の熱容量に基づき推定すればよい。この際、燃料添加弁34から排気に燃料が添加されているときには、DOC30やDPF32における燃料の燃焼によるDPF32の温度上昇を加味することが望ましい。
続いて制御装置60は、現時点における流入量Smassから吸着量DPF_S_abを減算することで、流入量Smassを更新する(S6)。こうして更新された流入量Smassは、排気通路20のうちDPF32よりも下流に流入する硫黄の量となる。
次に、制御装置60は、更新された流入量Smassに、SCR36への硫黄の吸着率SCR_S_ab_ratioを乗算することで、SCR36への硫黄の吸着量SCR_S_abを算出する(S7)。ここで、吸着率SCR_S_ab_ratioは、SCR36を通過する排気流量と、SCR36の温度とに応じて算出される。これは、SCR36を通過する排気流量およびSCR36の温度と、吸着率SCR_S_ab_ratioとの関係を定めた2次元マップを予め制御装置60に記憶しておくことで実現することができる。ここで、SCR36の温度は、第2排気温センサ54によって検出される排気温や、SCR36の熱容量に基づき推定すればよい。
次に、制御装置60は、フィルタ再生処理中であるか否かを判断する(S8)。この処理は、DOC30およびDPF32が高温となることで、DOC30やDPF32に吸着された硫黄の一部が脱離する状況にあるか否かを判断するためのものである。そして、制御装置60は、フィルタ再生処理中であると判断する場合(S8:YES)、DOC30からの硫黄の脱離量DOC_S_dsopを算出する(S9)。これは、DOC30の温度と脱離量DOC_S_dsopとの関係を定めた1次元マップを制御装置60に予め記憶しておくことで実現することができる。なお、脱離量DOC_S_dsopは、脱離する硫黄が単体であるか化合物であるかによらず、硫黄単体での質量とする。そして、制御装置60は、DOC30の硫黄の吸着量DOC_S_abから脱離量DOC_S_dsopを減算して、吸着量DOC_S_abを更新する(S10)。
次に、制御装置60は、DPF32からの硫黄の脱離量DPF_S_dsopを算出する(S11)。これは、DPF32の温度と脱離量DPF_S_dsopとの関係を定めた1次元マップを制御装置60に予め記憶しておくことで実現することができる。なお、脱離量DPF_S_dsopは、脱離する硫黄が単体であるか化合物であるかによらず、硫黄単体での質量とする。そして、制御装置60は、DPF32の硫黄の吸着量DPF_S_abから脱離量DPF_S_dsopを減算して、吸着量DPF_S_abを更新する(S12)。
次に、制御装置60は、DOC30およびDPF32のそれぞれからの硫黄の脱離量の合算値Smass_dospを算出する(S13)。そして、制御装置60は、合算値Smass_dospと、SCR36への硫黄の吸着率SCR_S_ab_ratioとに基づき、SCR36への上記脱離した硫黄の吸着量SCR_S_ab_dsopを算出する(S14)。そして、制御装置60は、ステップS7において算出した吸着量SCR_S_abに、ステップS14において算出した吸着量SCR_S_ab_dsopを加算することによって、吸着量SCR_S_abを更新する(S15)。
制御装置60は、ステップS15の処理が完了する場合や、ステップS8において否定判断する場合には、尿素添加補正量の算出処理を実行する(S16〜S19)。すなわち、制御装置60は、まず、吸着量DOC_S_abと、SCR36の温度(床温)とに基づき、DOC30の硫黄被毒に起因した尿素添加補正量DOC_ureaを算出する(S16)。これは、DOC30が硫黄被毒すると、SCR36に流入する排気中のNOxに占めるNO2の割合が低下することに鑑みた処理である。すなわち、SCR36によるNOxの浄化性能は、排気中のNOxに占めるNO2の割合が低下することで低下する。このため、吸着量DOC_S_abが多いほど尿素添加補正量DOC_ureaを増量することによって、排気中のNOxに占めるNO2の割合の低下に起因したSCR36によるNOxの浄化性能の低下を補償する。また、制御装置60は、SCR36の温度が第1温度および第1温度より高い第2温度の間にあるときよりも、間にないときの方が、尿素添加補正量DOC_ureaを増量する。ここで、第1温度および第2温度の間の領域は、SCR36によるNOxの浄化性能が高い領域である。
同様、制御装置60は、吸着量DPF_S_abと、SCR36の温度(床温)とに基づき、DPF32の硫黄被毒に起因した尿素添加補正量DPF_ureaを算出する(S17)。
また、制御装置60は、吸着量SCR_S_abと、SCR36の温度(床温)とに基づき、SCR36の硫黄被毒に起因した尿素添加補正量SCR_ureaを算出する(S18)。ここで、制御装置60は、吸着量SCR_S_abが多いほど、尿素添加補正量SCR_ureaを増量する。これは、SCR36の硫黄被毒量が多いほど、尿素添加量を所与とした場合のNOxの浄化性能が低下することに鑑みたものである。また、制御装置60は、SCR36の温度が上記第1温度および上記第2温度の間にあるときよりも、間にないときの方が、尿素添加補正量SCR_ureaを増量する。
そして、制御装置60は、尿素添加補正量DOC_urea、尿素添加補正量DPF_urea、および尿素添加補正量SCR_ureaを加算することによって、硫黄被毒によるNOx浄化性能の低下を補償するための尿素添加補正量S_ureaを算出する(S19)。次に、制御装置60は、尿素添加指令値egureafに、尿素添加補正量S_ureaを加算することによって、尿素添加指令値egureafを補正する(S20)。ここで、補正前の尿素添加指令値egureafは、都度の排気中のNOxの量に応じて設定されるものである。ここで、制御装置60は、NOxの量を、エアフローメータ50による検出値に応じて把握される排気量に、排気中のNOx濃度を乗算することで算出する。また、制御装置60は、NOx濃度を、吸入酸素濃度、燃料噴射弁13a〜13dによる燃料の噴射時期、燃料の噴射圧、および過給圧等に基づき推定する。ここで、制御装置60は、吸入酸素濃度を、EGR量に応じて推定する。
そして、制御装置60は、補正された尿素添加指令値egureafに応じて燃料添加弁34を操作して、排気中に尿素を添加し(S21)、この一連の処理を一旦終了する。
ここで、本実施形態の作用を説明する。
ここで、本実施形態の作用を説明する。
制御装置60は、フィルタ再生処理を実行すると、DOC30およびDPF32から脱離してSCR36に再吸着された硫黄の吸着量を算出する(S14)。そして、再吸着される硫黄の吸着量を含めたSCR36の硫黄の吸着量に基づき、尿素添加補正量SCR_ureaを算出し(S18)、これに基づき、尿素添加処理を実行する。
図3に、本実施形態との比較例を示す。詳しくは、図3(a)は、DOC30およびDPF32の硫黄被毒量の推移を示し、図3(b)は、SCR36の硫黄被毒量の推移を示し、図3(c)は、尿素添加量の推移を示し、図3(d)は、SCR36によるNOx浄化率の推移を示す。ここでNOx浄化率とは、尿素添加量に対するSCR36で浄化されるNOx量の割合とする。図3(e)は、SCR36へのアンモニアの吸着量の推移を示す。なお、図3における実線は、実際の値であり、一点鎖線は、制御主体が認識する値である。
図3において、ケース1は、フィルタ再生処理によるDOC30やDPF32からの硫黄の脱離量を考慮しない制御をした場合を示す。この場合、時刻t1においてフィルタ再生処理が実行されることによってDOC30やDPF32の硫黄被毒量が減少したことは制御主体に認識されない。また、DOC30やDPF32から脱離した硫黄がSCR36に吸着されることによってSCR36の硫黄被毒量が増加することも認識されない。このため、フィルタ再生処理が実行された後も、NOx浄化率は漸減すると認識され、尿素添加量が漸増される。
しかし、時刻t1にフィルタ再生処理が実行されると、実際のDOC30やDPF32の硫黄被毒量が減少し、SCR36の硫黄被毒量が増加する。そして、SCR36に硫黄が吸着されることによるSCR36のNOx浄化率の低下よりも、DOC30およびDPF32の硫黄被毒量が低下することによるSCR36のNOx浄化率の向上の方が大きい。このため、実際のSCR36のNOx浄化率は、フィルタ再生処理が実行されることによって上昇する。このため、尿素添加量が過大となり、SCR36のアンモニア吸着量が増加する。
また、図3において、ケース2は、フィルタ再生処理によるDOC30やDPF32からの硫黄の脱離量を考慮しつつも、脱離した硫黄がSCR36に再吸着されることについては考慮しない制御をした場合を示す。この場合、時刻t1においてフィルタ再生処理が実行されることによってDOC30やDPF32から脱離した硫黄がSCR36に吸着されることによってSCR36の硫黄被毒量が増加することは、制御主体によって認識されない。このため、制御主体は、フィルタ再生処理によるNOx浄化率を実際よりも高いとして、尿素添加量を過度に減少させてしまう。このため、SCR36のアンモニア吸着量が漸減する。
以上説明した本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)制御装置60により再吸着される硫黄の吸着量を含めたSCR36の硫黄の吸着量に基づき、尿素添加補正量SCR_ureaを算出し(S18)、これに基づき、尿素添加処理を実行したため、フィルタ再生処理が実行されてもNOx浄化率の低下を補償できる。
(1)制御装置60により再吸着される硫黄の吸着量を含めたSCR36の硫黄の吸着量に基づき、尿素添加補正量SCR_ureaを算出し(S18)、これに基づき、尿素添加処理を実行したため、フィルタ再生処理が実行されてもNOx浄化率の低下を補償できる。
(2)フィルタ再生処理によるDOC30やDPF32の硫黄被毒量の変化に応じて、尿素添加補正量SCR_ureaを算出したため、尿素添加量を適切な値とすることができる。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態にかかる事項の少なくとも1つを、以下のように変更して実施してもよい。なお、「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項と、実施形態との対応は次のようになっている。すなわち、脱離量算出処理部は、ステップS11に対応し、吸着硫黄量算出処理部は、ステップS14に対応し、還元剤の基本量は、ステップS20において補正される前の尿素添加指令値egureafに対応し、補正処理部は、ステップS20に対応し、添加処理部は、ステップS21に対応する。
なお、上記実施形態にかかる事項の少なくとも1つを、以下のように変更して実施してもよい。なお、「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項と、実施形態との対応は次のようになっている。すなわち、脱離量算出処理部は、ステップS11に対応し、吸着硫黄量算出処理部は、ステップS14に対応し、還元剤の基本量は、ステップS20において補正される前の尿素添加指令値egureafに対応し、補正処理部は、ステップS20に対応し、添加処理部は、ステップS21に対応する。
・燃料中の硫黄濃度の情報の取得手法としては、硫黄濃度の情報を制御装置60に記憶しておくものに限らず、たとえば、燃料タンクに硫黄濃度を検出するセンサを備えるものであってもよい。
・排気中の硫黄の量を算出する手法としては、図2のステップS1,S2の処理によるものに限らない。たとえば、排気通路20にSOxの濃度を検出するセンサを備え、同センサの検出値に基づき、硫黄の質量流量を算出してもよい。
・DPF32に、PMの酸化を促進させるための触媒が担持されていることは必須ではない。この場合、PMの酸化を促進させるための触媒が担持されていない場合、尿素添加補正量DPF_ureaの算出処理を削除し、尿素添加補正量S_ureaに、尿素添加補正量DPF_ureaを含めないでよい。ちなみに、DPF32に、PMの酸化を促進させるための触媒(酸化触媒)が担持されていない場合であっても、DPF32が硫黄を付着するものである場合には、フィルタ再生処理によって、DPF32で脱離した硫黄の再吸着が生じうる。
・DPF32とSCR36との間の排気通路20に、NOxセンサを設けてもよい。この場合、尿素添加指令値egureafの算出に、NOx濃度の推定値を用いる代わりにセンサの検出値を用いることができる。
10…内燃機関、12…吸気通路、13a〜13d…燃料噴射弁、20…排気通路、22…ターボチャージャ、24…環流通路、26…環流バルブ、30…DOC、32…DPF、34…燃料添加弁、36…SCR、38…還元剤添加弁、39…アンモニア酸化触媒、50…エアフローメータ、52…第1排気温センサ、54…第2排気温センサ、60…制御装置。
Claims (1)
- 内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型触媒と、
前記選択還元型触媒の上流に設けられて還元剤を排気に添加する還元剤添加弁と、
前記選択還元型触媒の上流に設けられ前記排気中の微粒子成分を補集するフィルタと、を備える排気浄化装置において、
前記フィルタの再生処理の実行時に当該フィルタからの硫黄の脱離量を算出する脱離量算出処理部と、
前記算出された脱離量に基づき、前記選択還元型触媒に吸着される硫黄の吸着量を算出する吸着硫黄量算出処理部と、
前記排気に添加する還元剤の基本量を算出する基本量算出処理部と、
前記吸着硫黄量算出処理部によって算出された吸着量に基づき、前記基本量を補正する補正処理部と、
前記補正処理部によって補正された基本量に基づき前記還元剤添加弁を操作する添加処理部と、を備えることを特徴とする排気浄化装置。
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