JP2010031098A - バイオディーゼル燃料の製造方法 - Google Patents

バイオディーゼル燃料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】軽油に脂肪酸メチルエステルを混合することによりバイオディーゼル燃料を製造する際、不溶解物を析出させることなくバイオディーゼル燃料として確実に使用可能なバイオディーゼル燃料の製造方法を提供する。
【解決手段】油脂原料を低級アルコールでエステル交換反応させるエステル交換反応工程と、エステル交換反応工程で得られる脂肪酸アルキルエステルを精製する燃料精製工程と、燃料精製工程で精製された脂肪酸アルキルエステルを軽油と混合する混合工程とを有する、油脂原料からバイオディーゼル燃料を製造する方法において、
前記混合工程において、脂肪酸アルキルエステル中の不飽和脂肪酸を酸化させないように精製された脂肪酸アルキルエステルを所定温度に加熱して融解させつつ、加熱された脂肪酸アルキルエステルと軽油とを、混合中に混合液が目詰まり点より低い温度とならないように混合することにより、脂肪酸アルキルエステルを軽油により所定の重量割合まで希釈する、ことを特徴とする製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バイオディーゼル燃料の製造方法に関し、より詳細には、内燃エンジン等の燃料として利用する際、エンジンフィルター等に目詰まりを生じることなしに、確実に燃料として利用可能なバイオディーゼル燃料の製造方法に関する。
昨今、バイオ燃料、特にバイオディーゼル燃料が、以下の理由から注目を集め、その研究開発が行われている。
第1に、バイオディーゼル燃料は、一般的に、植物性油脂または動物性油脂をメタノールと反応させ、メチルエステル化させ、生成された脂肪酸メチルエステルを軽油と所定割合で混合することにより製造される(たとえば、 特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。そのため、硫黄分等を略含有しないため、黒煙などの有害排気ガスの排出量が少なく、環境負荷の少ない燃料である。
第2に、バイオディーゼル燃料は、植物由来であるため、いわゆる「京都議定書」に示された規格上、二酸化炭素の排出がセロカウントとされている。
このように、バイオディーゼル燃料は、環境負荷の少ない軽油代替燃料として注目されているが、欧米に比べ日本においては、その利用は、地方自治体等において限定的に使用されているに過ぎず、また、日本においては、脂肪酸メチルエステルを軽油と混合する重量割合が、規定され、現在最大5%とされている。
このように生成された脂肪酸メチルエステルは、飽和脂肪酸と、不飽和脂肪酸とから組成されるため、以下のような技術的問題を引き起こす。
すなわち、脂肪酸メチルエステルを軽油と所定割合で混合する場合、析出物(不溶解物)を生じ、バイオディーゼル燃料をたとえば内燃エンジンに供給する際、エンジンフィルターに目詰まりを引き起こし、燃料として使用できない状況を生じる。
より詳細には、たとえば、植物性油脂としてパーム油を使用する場合、パーム油を構成する脂肪酸は、ミリスチン酸(飽和脂肪酸、融点54℃)が、1.1%、パルミチン酸(飽和脂肪酸、融点63℃)が、44.4%、ステアリン酸(飽和脂肪酸、融点69℃)が、4.3%、オレイン酸(不飽和脂肪酸、融点13.4℃)が、39.9%、リノール酸(不飽和脂肪酸、融点5℃)が、9.4%となり、それぞれの脂肪酸から生成されるメチルエステルは、ミリスチン酸メチルエステル(融点19.5℃)、パルミチン酸メチルエステル(融点31.0℃)、ステアリン酸メチルエステル(融点37.8℃)、オレイン酸メチルエステル(融点10.5℃)、リノール酸メチルエステル(融点9.5℃)となる。
この場合、一般に、不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸に比べ、融点が低いため、不飽和脂肪酸の割合が高いほど、脂肪酸メチルエステルの融点が低くなり、たとえば、冬季にバイオディーゼル燃料を使用する場合でも、液体燃料のままで使用することが可能となる。
しかしながら、第1に、不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸に比べ、不飽和ゆえに酸化されやすい。そのため、脂肪酸メチルエステルを軽油と所定割合で混合するときに、脂肪酸メチルエステルの不飽和脂肪酸が空気に触れることにより容易に酸化され、酸化生成物であるハイドロパーオキサイドが不溶解物として、析出し、上述のようなエンジンフィルターの目詰まりを引き起こす。
第2に、脂肪酸メチルエステルを軽油と所定割合で混合する際、温度管理を怠ることにより、混合燃料の温度が目詰まり点以下となり、析出物を生じてしまう。より詳細には、脂肪酸メチルエステルにおいて、飽和脂肪酸であっても、脂肪酸メチルエステルの濃度が高い状態で目詰まり点以下とすると、融点の高い析出物を生成してしまうことがある。ここに、目詰まり点(cold filter plugging point)とは、寒冷地などにおいて、ディーゼル軽油が燃料系統の目詰まり現象を起こすことがあり、その評価法として、燃料油を冷却しながら一定減圧下でろ過を行い、析出ワックスによる目詰まりが発生する温度として定義される。
第1の問題点は、脂肪酸メチルエステルの温度が高いほど顕著となる一方、第2の問題点は、冬季のように、脂肪酸メチルエステルの温度が低いほど顕著となるため、両問題点を同時に解決することが可能な解決策が望まれる。
特開平7−197047号 特開平10−245586号 特開2002−167356号
以上の技術的課題に鑑み、本発明の目的は、軽油に脂肪酸メチルエステルを混合することによりバイオディーゼル燃料を製造する際、不溶解物を析出させることなくバイオディーゼル燃料として確実に使用可能なバイオディーゼル燃料の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るバイオディーゼル燃料の製造方法は、
油脂原料を低級アルコールでエステル交換反応させるエステル交換反応工程と、エステル交換反応工程で得られる脂肪酸アルキルエステルを精製する燃料精製工程と、燃料精製工程で精製された脂肪酸アルキルエステルを軽油と混合する混合工程とを有する、油脂原料からバイオディーゼル燃料を製造する方法において、
前記混合工程において、脂肪酸アルキルエステル中の不飽和脂肪酸を酸化させないように精製された脂肪酸アルキルエステルを所定温度に均一に加熱して融解させつつ、加熱された脂肪酸アルキルエステルと軽油とを、混合中に混合液が目詰まり点より低い温度とならないように混合することにより、脂肪酸アルキルエステルを軽油により所定の重量割合まで希釈する、ことを特徴とする。
また、所定温度に加熱融解された脂肪酸アルキルエステルを略雰囲気温度の軽油と混合する際、段階的に混合するのがよい。
さらに、脂肪酸アルキルエステルを所定温度に加熱する際、光および空気中の酸素に極力触れないように略密閉状態で融解するのがよい。
さらにまた、前記低級アルコールは、メチルアルコールでもよい。
さらに、前記油脂原料は、植物性油脂あるいは動物性油脂でよい。
さらにまた、前記油脂原料は、パーム油でよい。
加えて、前記油脂原料から予め固形物及び/または水分を比重分離によって除去する工程を含むのがよい。
また、エステル交換反応工程は、非酸化触媒を用いて行うのがよい。
加えて、前記非酸化触媒は、水酸化カリウムでもよい。
さらに、前記燃料精製工程において、精製された脂肪酸アルキルエステルを容器に充填し、容器内で固化状態で密閉保管し、前記混合工程の前に、容器を密閉した状態で、固化した脂肪酸アルキルエステルを容器の外部から加熱することにより、脂肪酸アルキルエステルを融解させる段階を有するのでもよい。
本発明に係るバイオディーゼル燃料を製造する方法によれば、脂肪酸アルキルエステル中の不飽和脂肪酸を酸化させないようにしつつ、脂肪酸アルキルエステル中の飽和脂肪酸については、脂肪酸アルキルエステルと軽油とを混合する際、目詰まり点以下とならないように温度管理しながら混合することにより、不溶解物を析出させることなくバイオディーゼル燃料として確実に使用可能なバイオディーゼル燃料の製造方法を提供することが可能である。
特に、冬季においては、燃料精製工程において精製される脂肪酸アルキルエステルは容器内で自然に固化するため、容器を密閉して保管することにより、脂肪酸アルキルエステルの酸化の促進を防止することが可能である一方、混合工程の前に、容器内の固化状態の脂肪酸アルキルエステルを容器の外から外部加熱することにより、脂肪酸アルキルエステルを融解することで、酸化の促進を抑制し、さらに混合工程において、低い雰囲気温度において、混合中に混合液が目詰まり点より低い温度とならないように混合することにより、不溶解物の析出を有効に防止することが可能となる。
本発明に係るバイオディーゼル燃料を製造する方法について、油脂原料としてパーム油、低アルコールとしてメチルアルコールを利用する場合を例として、図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るバイオディーゼル燃料を製造する方法の概略工程を示す図である。図2は、図1のエステル交換反応工程の詳細な工程を示す図である。図3は、脂肪酸アルキルエステルを軽油と混合する混合工程の詳細な工程を示す図である。図4は、図3の第2混合工程に使用される混合攪拌装置の概略構成を示す図である。
図1に示すように、本発明に係るバイオディーゼル燃料を製造する方法は、油脂原料を低級アルコールでエステル交換反応させるエステル交換反応工程と、エステル交換反応工程で得られる脂肪酸アルキルエステルを精製する燃料精製工程と、燃料精製工程で精製された脂肪酸アルキルエステルを軽油と混合する混合工程とから概略構成されている。
油脂原料は、たとえばフィルタにより油脂原料に含有する固形不純物が濾過されるようにした貯留タンクに貯留するようにしている。油脂原料としては、植物あるいは動物の油脂類、またそれらの廃食油等でよく、植物性油脂としては、パーム油、コーン油、大豆油、菜種油、ごま油、椰子油、向日葵油等、動物性油脂としては、牛油、豚油、魚油等がある。

エステル交換反応工程は、従来既知の方法でよく、図2に示すように、触媒溶液の調整工程、触媒を含有するアルコール溶液を油脂原料と混合するエステル反応混合工程、およびエステル反応混合工程で生成した反応混合液から過剰のアルコールを減圧留去する工程とから概略構成される。
エステル交換反応工程において、油脂原料は、所定の水分含有量(たとえば、0.05%以下)、所定の臭気物含有量(たとえば、0.01%以下)となるように、熱交換器、脱水器および脱臭塔(いずれも図示せず)を用いて、前もって加熱処理および減圧処理される。
触媒溶液の調整工程においては、たとえば溶解攪拌槽(図示せず)が用いられ、軽量されたアルコールが溶解攪拌槽内へ供給され、アルコールを攪拌しながら、触媒を所定の割合で溶解攪拌槽内に供給し、触媒がアルコールに溶解するようにバッチ調整している。
触媒溶液の調整工程において用いられる触媒は、アルカリ塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩の水酸化物等であるが、特に水酸化カリウムが好ましく、一方、アルコールとしては、メチルアルコール、プロピルアルコールその他の低級アルコールでよい。
エステル反応混合工程においては、たとえば反応混合タンク(図示せず)が用いられ、そこで触媒含有アルコール溶液が、上述のように前処理済みの油脂原料と連続的に混合されるようにしている。
減圧留去工程においては、エステル反応混合工程において生成された反応混合液から過剰のアルコールを減圧留去するようにしており、過剰のアルコールが減圧留去された反応混合液は、次工程の燃料精製工程において、たとえば吸着剤あるいはフィルター等を用いて処理され、バイオディーゼル燃料とされる。
燃料精製工程においては、たとえば遠心分離方式を用いて、アルキルエステルとグリセリンとを分離することにより、目的生成物であるアルキルエステルを得るようにしている。
以上のような、従来既知の工程により、所望のエステル転化率および酸価を達成することが可能である。
図3に示すように、脂肪酸アルキルエステルを軽油と混合する混合工程は、脂肪酸アルキルエステルの加熱融解工程と、融解した脂肪酸アルキルエステル溶解を少量の軽油と混合する第1混合工程と、第1混合工程において生成した混合液を大量の軽油と混合する第2混合工程とから概略構成される。
脂肪酸アルキルエステルの加熱融解工程において、エステル交換反応工程で生成した脂肪酸アルキルエステルは、スチールドラム缶内に所定量充てんされ、サーモスタット等により温度制御しながら、スチールドラムの外周部にバンドヒータを巻いて、それにより均一に加熱維持するようにしている。このように、スチールドラム缶内で固化状態の脂肪酸アルキルエステルは、スチールドラム缶を密閉状態で保管しておくことにより、缶内の脂肪酸アルキルエステルの酸化の促進を防止することが可能であるとともに、スチールドラムの外部から外部加熱することにより、脂肪酸アルキルエステルを融解するに際し、酸化の促進を抑制することが可能である。この場合、脂肪酸アルキルエステルの加熱温度は、軽油と混合する際、混合液が目詰まり点以下とならないようにする観点からは高温度が好ましいが、一方であまり温度を上げると不飽和脂肪酸が酸化して、析出物を生成するので、これらの両方を満足するように定めるのが好ましい。また、脂肪酸アルキルエステルを所定温度に加熱する際、光および空気中の酸素に極力触れないように略密閉状態で融解するのがよい。
第1混合工程において、脂肪酸アルキルエステルを重量割合で50%となるように、雰囲気温度に保管された軽油と混合している。
図4は、第2混合工程に用いられる混合攪拌装置を示す概略図である。混合攪拌装置10は、軽油が充てんされた大容量タンク12と、大容量タンク12の上部に設置された攪拌機14と、大容量タンク12の下部排出口16と、大容量タンク12の上部流入口18とを連絡する循環配管20と、循環配管20の途中で、下部排出口16近傍に設置されたストレーナ22と、ストレーナ22の下流側に設置されたポンプ24とから概略構成されている。
攪拌機は、大容量タンク12内で下部と中間部にそれぞれ、タンク12の上下中心軸線を中心に回転可能な攪拌羽根26を有し、攪拌羽根26が回転することにより、大容量タンク12内の溶液を均一に攪拌混合するようにしている。
このような構成により、第1混合工程において生成された50%混合液を大容量タンク12に充てんし、大容量タンク12内の軽油とさらに混合し、このような混合液をポンプ24により循環配管20を通じて、循環させつつ大容量タンク12内で混合攪拌するようにしている。
本発明者は、以上の構成を有する製造方法を用いて、脂肪酸アルキルエステルおよび軽油の温度が異なる以下の比較試験を行って、本発明に係るバイオディーゼル燃料の製造方法の効果を確認した。
主な試験条件は、以下である。
(1) 油脂:パーム油
(2) 低級アルコール:メチルアルコール
(3) 脂肪酸アルキルエステルの製造方法:アルカリ触媒法
(4) 脂肪酸アルキルエステルと軽油との最終混合割合:4.75%
主な試験方法は、以下である。
まず、アルカリ触媒法によりアルカリ触媒法とメチルアルコールとによりエステル交換反応工程を通じて製造した脂肪酸アルキルエステルと、大容量タンクに軽油(容量14000L)を準備しておく。なお、脂肪酸アルキルエステルは、密閉容器内で固化状態で保管され、それを混合工程直前に、外部加熱により融解させている。
第1混合工程として、空のドラム缶に、所定温度に加熱維持した脂肪酸アルキルエステルを100L、雰囲気温度の軽油を大容量タンクから100L充てんし、攪拌して、脂肪酸アルキルエステルの重量割合を50%とする。このような方法で混合したドラム缶を3本準備する。
次いで、第2混合工程として、第1混合工程で準備されたドラム缶内の50%混合液を第2混合装置の大容量タンクに充てんし、攪拌機により攪拌しつつ、ポンプにより循環配管を通じて混合液を循環させ、定常状態となるまで混合する。
次いで、ストレーナに析出物が析出するか否かを確認する。
(試験1)
脂肪酸アルキルエステルおよび軽油の温度はそれぞれ、50℃および8℃であり、ワックス成分として、析出物が一気に析出したことを確認した。
この点を熱容量の計算により確認すると、以下のようである。
第1混合工程で生成された混合液の温度は、以下の式より29℃と算出される。
100L×50℃+100L×8℃ =200L×29℃
次に、第2混合工程で生成された大容量タンク内の混合液の温度は、以下の式より算出される。
大容量タンク内に残っている軽油は、14,000L−300L=13,700Lである。
600L×29℃+13,700L×8℃=8.88℃×14,300L

以上より、大容量タンク内の混合液の温度は、脂肪酸アルキルエステルの目詰まり点10℃より低い8.88℃となり、ワックス成分として、析出物が一気に析出したことの裏付けを確認した。
(試験2)
脂肪酸アルキルエステルおよび軽油の温度はそれぞれ、54℃および9.5℃であり、析出物が析出しないことを確認した。
この点を熱容量の計算により確認すると、以下のようである。
第1混合工程で生成された混合液の温度は、以下の式より31.75℃と算出される。
100L×54℃+100L×9.5℃ =200L×31.75℃
次に、第2混合工程で生成された大容量タンク内の混合液の温度は、以下の式より算出される。
大容量タンク内に残っている軽油は、14,000L−300L=13,700Lである。
600L×31.75℃+13,700L×9.5℃=10.4℃×14,300L

以上より、大容量タンク内の混合液の温度は、脂肪酸アルキルエステルの目詰まり点10℃より高い10.4℃となり、析出物が析出しないことの裏付けを確認した。また、最終的に4.75%まで完全混合した後には、その温度がその目詰まり点より下がっても凝固点降下が起きており、析出物が析出しないことも確認した。
(試験3)
脂肪酸アルキルエステルおよび軽油の温度はそれぞれ、54℃および9.0℃であり、ワックス成分として、析出物が析出したことを確認したが、試験1に比べて、析出量は少なかったことを確認した。
この点を熱容量の計算により確認すると、以下のようである。
第1混合工程で生成された混合液の温度は、以下の式より31.5℃と算出される。
100L×54℃+100L×9.0℃ =200L×31.5℃
次に、第2混合工程で生成された大容量タンク内の混合液の温度は、以下の式より算出される。
大容量タンク内に残っている軽油は、14,000L−300L=13,700Lである。
600L×31.5℃+13,700L×9.0℃=9.94℃×14,300L

以上より、大容量タンク内の混合液の温度は、脂肪酸アルキルエステルの目詰まり点10℃より低い9.94℃となり、ワックス成分として、析出物が析出したことを確認したが、試験1に比べて、析出量は少なかったことの裏付けを確認した。
以上、本発明者は、上記比較試験を通じて、脂肪酸アルキルエステルが酸化しないように加熱しつつ、脂肪酸アルキルエステルを軽油と混合する際、高濃度の脂肪酸アルキルエステルを含む混合液を目詰まり点以下とならないようにすることが重要である点を確認した。
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば種々の修正あるいは変更が可能である。たとえば、本実施形態においては、油脂原料として、パーム油、低級アルコールとして、メチルアルコールの場合を説明したが、それに限定されることなく、油脂原料として、動物性油脂、あるいは廃棄油脂でもよい。また、脂肪酸アルキルエステルを軽油と混合する重量割合を5%(4.75%)として、二段階で混合する場合を説明したが、それに限定されることなく、製造するバイディーゼル燃料の量、軽油が保管された雰囲気温度等に応じて、適宜多段階で混合するのでもよい。また、本実施形態においては、製造した脂肪酸アルキルエステルをいったん容器内で固化し、密閉状態で保管し、混合工程直前に、外部加熱により融解させる場合を説明したが、これに限定されることなく、脂肪酸アルキルエステル中の不飽和脂肪酸を酸化させないようにする限り、脂肪酸アルキルエステルの燃料精製工程と、脂肪酸アルキルエステルの軽油との混合工程とをバッチ処理的に行う必要はなく、オンライン処理をすることも可能である。
本発明に係るバイオディーゼル燃料を製造する方法によれば、不溶解物を析出させることなくバイオディーゼル燃料として確実に使用可能なバイオディーゼル燃料の製造方法を提供することが可能であり、環境負荷の少ない軽油代替燃料として内燃エンジンに利用する際、エンジンフィルター等に目詰まりを引き起こすことなく、確実に燃料として使用することが可能である点で、産業上の利用可能性を有する。
本発明の実施形態に係るバイオディーゼル燃料を製造する方法の概略工程を示す図である。 図1のエステル交換反応工程の詳細な工程を示す図である。 脂肪酸アルキルエステルを軽油と混合する混合工程の詳細な工程を示す図である。 図3の第2混合工程に使用される混合攪拌装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
10 混合攪拌装置
12 大容量タンク
14 攪拌機
16 排出口
18 流入口
20 循環配管
22 ストレーナ
24 ポンプ
26 攪拌羽根

Claims (10)

  1. 油脂原料を低級アルコールでエステル交換反応させるエステル交換反応工程と、エステル交換反応工程で得られる脂肪酸アルキルエステルを精製する燃料精製工程と、燃料精製工程で精製された脂肪酸アルキルエステルを軽油と混合する混合工程とを有する、油脂原料からバイオディーゼル燃料を製造する方法において、
    前記混合工程において、脂肪酸アルキルエステル中の不飽和脂肪酸を酸化させないように精製された脂肪酸アルキルエステルを所定温度に均一に加熱して融解させつつ、加熱された脂肪酸アルキルエステルと軽油とを、混合中に混合液が目詰まり点より低い温度とならないように混合することにより、脂肪酸アルキルエステルを軽油により所定の重量割合まで希釈する、ことを特徴とする製造方法。
  2. 所定温度に加熱融解された脂肪酸アルキルエステルを略雰囲気温度の軽油と混合する際、段階的に混合する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 脂肪酸アルキルエステルを所定温度に加熱する際、光および空気中の酸素に極力触れないように略密閉状態で融解する、請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記低級アルコールは、メチルアルコールである、請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記油脂原料は、植物性油脂あるいは動物性油脂である、請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記油脂原料は、パーム油である請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記油脂原料から予め固形物及び/または水分を比重分離によって除去する工程を含む、請求項1に記載の製造方法。
  8. 前記エステル交換反応工程は、非酸化触媒を用いて行う、請求項1に記載の製造方法。
  9. 前記非酸化触媒は、水酸化カリウムである、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記燃料精製工程において、精製された脂肪酸アルキルエステルを容器に充填し、容器内で固化状態で密閉保管し、前記混合工程の前に、容器を密閉した状態で、固化した脂肪酸アルキルエステルを容器の外部から加熱することにより、脂肪酸アルキルエステルを融解させる段階を有する、請求項3に記載の製造方法。
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