JP2010029773A - 塗布装置及び塗工用樹脂液の塗布方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗布時における膜厚を均一にすることができる樹脂液の塗布技術を提供する。
【解決手段】本発明の塗布装置1は、塗工用樹脂液が塗布されるシート基材2を支持して搬送する搬送ローラ3と、搬送ローラ3に近接配置される金属製のドクターナイフ4と、搬送ローラ4とドクターナイフ4の刃部4aとの隙間に塗工用樹脂液7を供給する樹脂液供給手段5と、ドクターナイフの刃部4aを加熱するヒータ8と、ドクターナイフ4の刃部4aの温度を検出する温度センサ10と、温度センサ10によって得られた結果に基づいてヒータ8の動作を制御する温度制御手段9とを有する。
【選択図】 図1
Description
本発明では、前記ドクターナイフが、当該ドクターナイフの刃部と一体的に形成された本体部を有し、当該本体部内に前記ヒータが設けられている場合にも効果がある。
本発明は、前記塗布装置を用いた塗工用樹脂液の塗布方法であって、前記搬送ローラと前記ドクターナイフの刃部との隙間に前記塗工用樹脂液を供給しつつ、前記ドクターナイフの刃部を加熱させながら前記搬送ローラを動作させ、当該塗工用樹脂液を前記ドクターナイフの刃部に接触させて前記シート基材を搬送する工程を有するものである。
本発明では、前記ドクターナイフの刃部を35℃以上50℃以下に加熱することもできる。
本発明では、前記塗工用樹脂液が、バインダー中に導電性粒子を含有している場合にも効果がある。
本発明では、前記塗工用樹脂液が、バインダーとしてエポキシ樹脂及びアクリル樹脂を含有する場合にも効果がある。
本発明は、前記塗布方法によって塗工膜が形成形成された異方導電性接着フィルムである。
本発明では、前記塗工膜の表面粗度が60μm以上130μm以下である場合にも効果がある。
特に本発明では、ドクターナイフの刃部に直接塗工用樹脂液が接触するため、塗工用樹脂液の温度を精度良く一定に保つことができ、これにより塗布膜の表面粗度を小さくすることができる。
なお、本発明は、例えば、シート基材上に接着剤層が形成された絶縁性接着剤フィルムや、この絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散された異方導電性接着フィルム等の粘着性フィルムに好適となるものである。
図1に示すように、本実施の形態の塗布装置1は、後述するシート基材2を支持して搬送する搬送ローラ3を有している。
このドクターナイフ4は、例えばステンレス等の金属を用いて一体成型によって形成されており、その刃部4aが、搬送ローラ3上のシート基材2に対して近接配置されている。
搬送ローラ3及びドクターナイフ4のシート搬送方向上流側には、樹脂液供給手段5が設けられている。
このような塗工用樹脂液7としては、例えば、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂を含有するバインダーを用いるものがあげられる。
このような構成を有する本実施の形態においては、例えば、まずヒータ8を動作させてドクターナイフ4の刃部4aを所定の温度まで加熱させておく。
具体的には、ドクターナイフ4の刃部4aの温度を35℃以上50℃以下、より好ましくは40℃以上50℃以下の範囲で一定に保つように制御することが好ましい。
例えば、上述の実施の形態においては、搬送ローラ3の上方にドクターナイフ4を配置するようにしたが、本発明はこれに限られず、搬送ローラ3とドクターナイフ4の上下関係を逆にすることも可能である。
バインダーとしてエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製 EP828)30重量部、アクリル樹脂(東亜合成社製 TO−1463)30重量部、エポキシ硬化剤(旭化成社製 HX3941HP)25重量部、導電性粒子(積水化学社製 AUL:平均粒径5μm)10重量部を、溶剤としてトルエンを用いてミキサーで溶解混合させ、ペースト状の塗工用樹脂液を調製した。
この塗工用樹脂液の粘度は、60Pa・sであった。
図1に示す塗布装置を用い、ドクターナイフの刃部の温度を30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃に保持した状態で、厚さ50μmのPETフィルム上に、上記塗工用樹脂液を塗布して異方導電性接着フィルムを形成した。
この場合、PETフィルム表面とドクターナイフの刃部との間の間隔は、30μmとなるように設定した。
各異方導電性接着フィルムの外観を、塗工膜上方の照明装置の映り込み状態を目視で観察することによって膜厚のむらを評価した。その結果を表1に示す。
距離測定機能を有する顕微鏡(キーエンス社 VHX−200)を用い、倍率300倍に設定し、例えば図4に示すように、各異方導電性接着フィルムの凸部頂部間の粗度ピッチを測定しこれを表面粗度とした。その結果を表1に示す。
なお、図4に示す粗度ピッチPと塗布厚さTとの間には、正の相関関係があることが広く知られている。
図1に示す塗布装置を用い、搬送ローラの温度を30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃に保持した状態で、PETフィルム上に、上記塗工用樹脂液を塗布して異方導電性接着フィルムを形成した。
各異方導電性接着フィルムの外観を、ドクターナイフ加熱の場合と同様の手法により観察して評価した。その結果を表2に示す。
ドクターナイフ加熱の場合と同様の手法により、各異方導電性接着フィルムの凸部間の粗度ピッチを測定しこれを表面粗度とした。その結果を表2に示す。
図1に示す塗布装置を用い、上記塗工用樹脂液の温度をヒータで30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃に直接加熱して供給し、PETフィルム上に異方導電性接着フィルムを形成した。
この場合、PETフィルム表面とドクターナイフの刃部との間の間隔は、ドクターナイフ加熱の場合と同様に設定した。
各異方導電性接着フィルムの外観を、ドクターナイフ加熱の場合と同様の手法により観察して評価した。その結果を表3に示す。
<ドクターナイフ加熱>
表1から明らかなように、ドクターナイフの刃部の温度を35〜50℃に設定した実施例1〜実施例4については、塗布外観が良好で塗布むらのない塗布を行うことができた。
これに対し、ドクターナイフの刃部の温度が低い(30℃)比較例1の場合は塗布外観に向上は見られなかった。
一方、表面粗度については、実施例1〜実施例4の場合は60〜130μmであり、比較例1〜3の場合に比べて50μm以上小さい結果が得られた。
表2から明らかなように、搬送ローラの温度を30〜60℃の間で変化させた場合であっても、塗布外観に向上は見られなかった。特に搬送ローラの温度を40℃以上にした比較例6については、膜厚に周期的なむら(横スジ)が発生した。
この原因は、搬送ローラの回転軸部分及び外周部分が熱によって膨張することにあると推測される。
表2から明らかなように、塗工用樹脂液の温度を30〜60℃の間で変化させた場合であっても、塗布外観に向上は見られなかった。
さらに、塗工用樹脂液の加熱部分に結露が発生して塗工用樹脂液に水分が混入する場合が生じ、実用上問題が生じた。
以上の結果より、本発明の効果を確認することができた。
2…シート基材
3…搬送ローラ
4…ドクターナイフ
4a…刃部
5…樹脂液供給手段
6…供給部
7…塗工用樹脂液
8…ヒータ
9…温度制御手段
10…温度センサ
Claims (8)
- 塗工用樹脂液が塗布されるシート基材を支持して搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラに近接配置される金属製のドクターナイフと、
前記搬送ローラと前記ドクターナイフの刃部との隙間に前記塗工用樹脂液を供給する樹脂液供給手段と、
前記ドクターナイフの刃部を加熱するヒータと、
前記ドクターナイフの刃部の温度を検出する温度センサと、
前記温度センサによって得られた結果に基づいて前記ヒータの動作を制御する温度制御手段とを有する塗布装置。 - 前記ドクターナイフは、当該ドクターナイフの刃部と一体的に形成された本体部を有し、当該本体部内に前記ヒータが設けられている請求項1記載の塗布装置。
- 請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の塗布装置を用いた塗工用樹脂液の塗布方法であって、
前記搬送ローラと前記ドクターナイフの刃部との隙間に前記塗工用樹脂液を供給しつつ、前記ドクターナイフの刃部を加熱させながら前記搬送ローラを動作させ、当該塗工用樹脂液を前記ドクターナイフの刃部に接触させて前記シート基材を搬送する工程を有する塗工用樹脂液の塗布方法。 - 前記ドクターナイフの刃部を35℃以上50℃以下に加熱する請求項3記載の塗工用樹脂液の塗布方法。
- 前記塗工用樹脂液が、バインダー中に導電性粒子を含有している請求項3又は4のいずれか1項記載の塗工用樹脂液の塗布方法。
- 前記塗工用樹脂液が、バインダーとしてエポキシ樹脂及びアクリル樹脂を含有する請求項5記載の塗工用樹脂液の塗布方法。
- 請求項5又は請求項6記載の方法によって塗工膜が形成された異方導電性接着フィルム。
- 表面粗度が60μm以上130μm以下である請求項7記載の異方導電性接着フィルム。
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