JP2006326390A - リバースロールコータによる塗工液の塗工方法 - Google Patents

リバースロールコータによる塗工液の塗工方法 Download PDF

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宏和 大西
Hideji Kitabayashi
秀治 北林
Masabumi Kondo
正文 近藤
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Abstract

【課題】
幅方向および長手方向に均一な品質の樹脂フィルムを製造することができる塗工液の塗工方法を提供する。
【解決手段】
メタリングロールとコーティングロールの間に塗工液溜を形成するリバースロールコータによる塗工液の塗工方法おいて、前記塗工液溜内にメタリングロールおよびコーティングロールにより形成される塗工液流れに追加した流れを強制的に起こして、前記コーティングロールの回転方向に対して幅方向に一定の塗工液流れを形成することを特徴とする塗工液の塗工方法であり、塗工液溜内に設置した回転体により、強制的な流れをおこすことができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、リバースロールコータによる塗工液の塗工方法に関し、特に、繊維強化複合材料用のプリプレグの製造に用いられる樹脂フィルムの製造に好適な塗工液の塗工方法に関するものである。
繊維強化複合材料の製造に用いられる中間材料であるプリプレグは、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させることによって製造される。このマトリクス樹脂の含浸方法の一つとして、溶融または軟化したマトリクス樹脂を離型性シート上に所定量塗工して樹脂フィルムを形成し、該樹脂フィルムをシート状の強化繊維に貼り合わせた後、加熱または加圧することにより強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させるホットメルト法がよく用いられる。
前記の樹脂フィルムの製造装置として、図1に示すようなリバースロールコータが知られている。図1は、従来のリバースロールコータの一例を示す概略側面図である。図1において、リバースロールコータは、対向配置されたメタリングロール1、コーティングロール6およびバックロール8から基本的に構成されている。溶融または軟化された塗工液3は、メタリングロール1とコーティングロール6間に掻き取りブレード2、4および図示省略の側板を設置して形成された塗工液溜5に供給され、メタリングロール1とコーティングロール6間の間隙で計量後、コーティングロール6で移送され、バックロール8から供給されてくる離型性シート7上に転写され、樹脂フィルム9となる。
しかしながら、上記のような従来のコーティング装置では、次のような問題がある。すなわち、溶融または軟化された樹脂塗工液3は供給される過程で冷却されて塗工液溜5に供給されるため、塗工液溜5内の塗工液3に温度ムラが生じ、それが離型性シート7上におけるコーティングムラの要因となる。また、このようなリバースロール方式のコーティング装置では、メタリングロール1とコーティングロール6が、図1の矢印のように相互に逆方向に回転するので、両ロールの回転に伴って塗工液溜5内の塗工液3は、両ロールの回転に随伴して回転流動するが、回転中心部分の塗工液3はその流動状態に比して滞留し易い。この結果、メタリングロール1とコーティングロール6の表層部分の塗工液3のみが加熱され、熱履歴の異なる塗工液3の共存状態が発生する。ホットメルトに使用される熱硬化性樹脂は、熱的に経時変化を起こし易いため、このような熱履歴差の大きい塗工液3を塗工した場合、均一厚みでの塗工が困難となったり、その硬化物において物性に悪影響を及ぼし、製品としての品質低下を招く恐れがある。これらの問題は、特に塗工液の粘度の高い場合に顕著になる。
このような塗工液溜内での温度および流動ムラを解決するための提案がある。図2は、従来のやじり状攪拌羽根を設置した他のリバースロールコータの一例を示す概略側面図(2A)と、塗工液溜を示す概略平面図(2B)である。図2に示すような、ロール両側に設けられた側板12で囲われた塗工液溜内にメタリングロール1およびコーティングロール6と平行方向に図2の(2B)の矢印のように往復運動可能な非回転のやじり状撹拌羽根10のやじり状先端を臨ませて、塗工液溜を撹拌できるような塗工装置が提案されている(特許文献1参照)。このやじり状撹拌羽根10による往復撹拌では、塗工液溜内の塗工液の幅方向温度斑を抑制できるが、撹拌の具合に時間差があるため、剪断速度により粘度が変わるような非ニュートン性の塗工液では、幅方向での塗工液の粘度の違いが出てしまい、膜圧不均一や塗工面のざらつきが発生するという問題があった。
また、図3は、従来の仕切翼を設置した他のリバースロールコータの一例を示す概略側面図(3A)と塗工液溜を示す概略平面図(3B)である。図3に示すような、ロール両側に設けられた側板12で囲われた塗工液溜内にコーティングロールの幅方向に複数個の仕切翼11を設置し、仕切翼11の先端部の各位置を変えることで塗工液3のメタリングロール1側随伴流とコーティングロール6側随伴流との割合を調節できる塗工装置が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、コーティングロール6側の随伴流を増やした場合、メタリングロール1側での樹脂滞留時間が増加するため熱履歴が異なり、また、仕切翼先端部の設置位置および振れにより厚みムラが発生するという問題があった。
特公平5−73473号公報 特開平6−198236号公報
本発明の目的は、上記従来のリバースロールコータの問題点に鑑みてなされたもので、幅方向および長手方向に均一な品質の樹脂フィルムを製造することができる塗工液の塗工方法を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するために、次の構成を有するものである。
1.メタリングロールとコーティングロールの間に塗工液溜を形成するリバースロールコータによる塗工液の塗工方法において、前記塗工液溜内にメタリングロールおよびコーティングロールにより形成される塗工液流れに追加した流れを強制的に起こして、前記コーティングロールの回転方向に対して幅方向に一定の塗工液流れを形成することを特徴とするリバースロールコータによる塗工液の塗工方法。
2.前記の塗工液流れに追加した流れを、前記の塗工液溜内に前記のコーティングロールと平行に設置された回転体によって形成することを特徴とする上記1に記載の塗工液の塗工方法。
3.前記の塗工液溜内に設置された回転体の回転方向を、前記コーティングロールと逆方向とすることを特徴とする上記2に記載の塗工液の塗工方法。
4.前記の塗工液溜内に設置された回転体の回転速度を、前記のコーティングロールの回転速度±10%以内とすることを特徴とする上記2または3に記載の塗工液の塗工方法。
5.前記の塗工液溜内に設置された回転体の表面温度を、前記のメタリングロールおよび前記のコーティングロールのそれぞれの表面温度±5℃以内とすることを特徴とする上記2〜4のいずれかに記載の塗工液の塗工方法。
6.前記の塗工液溜内に設置された回転体が、前記のコーティングロールと平行方向で、かつコーティングロールの回転方向に対して幅方向に均一な突起形状またはブレード形状を有することを特徴とする上記2〜5のいずれかに記載の塗工液の塗工方法。
7.前記の塗工液溜の幅方向に均一に前記の塗工液を供給する手段を有することを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の塗工液の塗工方法。
8.前記の塗工液溜上部に、前記の塗工液を塗工液溜の幅方向に均一に撹拌する手段を有することを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載の塗工液の塗工方法。
9.前記の塗工液が熱硬化性樹脂液であることを特徴とする上記1〜8のいずれかに記載の塗工液の塗工方法。
10.前記の塗工液の粘度が10〜500Pa・sであることを特徴とする上記1〜9のいずれかに記載の塗工液の塗工方法。
11.前記の9または10に記載のリバースロールコータによる塗工液の塗工方法を使用して熱硬化性樹脂を離型性シートに塗工することを特徴とする樹脂フィルムの製造方法。
12.前記の11に記載の樹脂フィルムの製造方法によって作製された樹脂フィルムを強化繊維に貼り合わせ、強化繊維に樹脂を含浸させることを特徴とするプリプレグの製造方法。
13.前記の12に記載のプリプレグの製造方法で得られたプリプレグを硬化させることを特徴とする繊維強化複合材料の製造方法。
本発明の塗工液の塗工方法によれば、塗工液溜内において、メタリングロールおよびコーティングロールにより形成される塗工液流れに追加した流れを強制的に起こして、メタリングロールおよびコーティングロールに対して均一な塗工液流れを形成することにより、樹脂フィルムの幅方向および長手方向に対する塗工膜厚みおよび塗工膜品質の均一性を向上させることができる。
本発明のリバースロールコータによる塗工液の塗工方法の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図4は、本発明におけるリバースロールコータの一例を示す概略側面図(4A)と塗工液溜を示す概略平面図(4B)である。
図4において、リバースロールコータは、メタリングロール1およびコーティングロール6と各ロールの掻き取りブレード2、4およびロール両側に設けられた側板12と、回転体である回転ロール13から構成されている。本発明の塗工液の塗工方法において、コーティングロールの回転方向に対して幅方向に一定の塗工液流れを形成する手段として、上記の回転ロール13のような回転体が好ましく用いられる。回転ロール13は、塗工液溜内の塗工液3中にあってコーティングロール3の掻き取りブレード4近くに、メタリングロール1およびコーティングロール6に対して平行に設置されている。
本発明において、コーティングロールの回転方向に対して幅方向に一定の塗工液流れを形成するとは、コーティングロール6の各位置で回転方向に対して好ましくは実質的に均一で定常的な流れが生じている状態を意味している。具体的には、ロールは自重および塗工液圧で撓むため、メタリングロールとコーティングロールとの間のクリアランスは幅方向で異なり、また、塗工液溜内で温度バラツキが有る場合には粘度差による流動斑が発生し、両ロールの各位置での単位面積当たりの流量が異なる。そこで本発明では、両ロールのこのクリアランスに、塗工液の本来流れに追加した流れを強制的に起こして、塗工液の本来流れが助長された一定の実質的に均一で定常的な塗工液流れを形成し、両ロールのこのクリアランスに送り込むことで均一な塗工を行うことができる。
回転ロール13の回転方向は、コーティングロール6と逆方向に回転させることが好ましい。それは、回転ロール13をコーティングロール6と同方向に回転させた場合、メタリングロール1およびコーティングロール6間の塗工液3の流れにおいて、回転ロール13による周期的目付変動が顕著になるからである。
また、その回転ロール13の回転速度は、コーティングロール6の回転速度の±10%であることが好ましい。回転ロール13の回転速度が、コーティングロール6の回転速度の+10%を超える場合、回転ロール13に追随する随伴流が増加し、コーティングロール6への随伴流が減少し、回転ロール13による目付変動が顕著に現れるため、塗工液の目付バラツキが増加する。また、回転ロール13の回転速度がコーティングロール6の回転速度の10%未満の場合、回転ロール13による効果が小さくなる。
また、回転ロール13の表面温度は、任意に調整可能である。回転ロール13は、例えば、外部の熱媒加熱装置で加熱した熱媒をロール内部のジャケットに通す内部ジャケット構造、または、ロール内部に組み込まれた誘導コイルに電圧を印加することによりロール自身を発熱させる構造の誘導発熱ロールなどであることが好ましい。
回転ロール13の表面温度がコーティングロール6およびメタリングロール1の表面温度と大きく異なる場合、樹脂フィルムの熱履歴差の発生および粘度差の増加により品質および目付バラツキが増加する。そのためため、回転ロール13の表面温度は、メタリングロール1およびコーティングロール6の表面温度±5℃以内であることが好ましい。
回転ロール13の形状としては、塗工液溜内でコーティングロール6の回転方向に対して均一な流れを形成できることが好ましく、コーティングロール6の幅方向に均一な突起形状もしくはブレード形状を有することが好ましい。具体的に、回転ロール13は、コーティングロールと平行方向で、かつコーティングロールの回転方向に対して均一な幅の突起形状またはブレード形状を有するもので、図5に示すような平羽根付回転ロール14または湾曲羽根付回転ロール15などが好ましい。
塗工液溜への塗工液の供給方法については、塗工液が塗工液溜の幅方向に均一に供給されることが好ましく、塗工液を塗工液溜内に供給するための塗工液供給管を塗工液溜の幅方向に3本以上有するか、または、塗工液溜の上部で塗工液を幅方向に撹拌する手段を有することが好ましい。
本発明においては、塗工液として、繊維強化複合材料のプリプレグ用樹脂液を用いることができる。繊維強化複合材料のプリプレグ用樹脂としては、成形後の機械的物性、強化繊維との接着性、および成形時作業時の取り扱い性に優れているエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が好ましい。エポキシ樹脂の種類としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールB型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂およびノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。また、塗工液の調整には、通常のニーダや二軸ミキサーなどによる混練等の手段を用いることができる。
本発明では、塗工液粘度が10〜500Pa・sであることが好ましい。塗工液粘度が10Pa・sより小さい場合、コーティング時の気泡の巻き込みによる目付バラツキの増加や、成型時のタックや樹脂フローが増加し、取り扱い性が低下することがある。また、塗工液粘度が500Pa・sを超えた場合、コーティング時の液圧が高くなるため、メタリングロールおよびコーティングロールの撓み量が増加し、幅方向での目付バラツキが増加し、また、タックが無くなり、堅くなるため、取り扱い性が悪くなりがちである。塗工液粘度は、より好ましくは 300〜500Pa・sである。また、樹脂粘度の測定は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
本発明の塗工液の塗工方法を使用し、熱硬化性樹脂液を離型性シートに塗工することによって、繊維強化複合材料を製造するために好適な樹脂フィルムを製造することができる。
上記のようにして得られた樹脂フィルムをシート状の強化繊維に貼り合わせ、強化繊維に樹脂を含浸させプリプレグを製造することができ、そのプリプレグを硬化させて繊維強化複合材料を製造することができる。
以下、本発明の望ましい実施例を、図面を参照して説明する。図6は、本発明の一実施例で使用したリバースロールコータの全体を説明するための概略側面図である。図6において、巻出機16にセットされた離型性シートロール17から離型性シート7単体が巻き出され、バックロール8を経てコーティング装置に供給される。メタリングロール1上でコーティングロール6を介して定量ずつ連続供給される塗工液3が、供給された離型性シート7の一面上にコーティングされ、樹脂フィルム9として巻取機22に巻き取られる。
樹脂ブロック21は、ニーダを用いて樹脂原料を混練し、硬化反応防止のため、−20℃の環境下で24時間冷凍保管し、調製した。樹脂ブロック21は、加熱ロール20で溶融され、該溶融樹脂の塗工液3は、掻き取りブレード19と流下板18を通じて、コーティングロール6とメタリングロール1および側板(図示省略)との間に形成される塗工液溜5に供給される。
本実施例で用いた加熱ロール20には誘導発熱ロールを使用し、流下板18および側板、メタリングロール1、コーティングロール6およびバックロール8には、同一温度の温水を通液し、同時加熱可能とした。
本発明における特性の測定方法を下記する。
(樹脂粘度測定方法)
ニーダでの樹脂混練後、サンプリングを行い、Pheometric Scientific社製平行板型回転粘度計(ARES)にて下記条件で樹脂粘度を測定し、コーティング時の樹脂温度から樹脂粘度を求めた。
平行円板半径 :20mm
平行円板間距離:1.0mm
測定周波数 :0.5Hz
昇温速度 :1.5℃/分
測定温度範囲 :25〜100℃
(樹脂フィルムの幅方向の樹脂目付)
樹脂フィルムを幅方向に左右均等になるようにサンプリングし、その樹脂目付を重量法で測定する。カットサンプルの大きさは10cm×10cmとし、両端を除き、n=9で測定した。
(樹脂フィルムの長手方向の樹脂目付)
樹脂フィルムの幅方向の中央部を10cmおきに10cm×10cmの大きさに長さ4.1mにわたってサンプリングし、重量法で測定した。(n=21)
(樹脂目付バラツキ)
樹脂フィルムの幅方向と長手方向について測定した樹脂目付から、変動率(CV値)を算出し、幅方向と長手方向の目付バラツキ(%)とした。
(実施例1)
ニーダにて下記原料を混練し、樹脂ブロックを調製した。
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン : 35.0部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂 : 15.0部
ビスフェノールF型エポキシ樹脂 : 50.0部
ポリエーテルスルフォン : 9.0部
4.4‘−ジアミノジフェニルスルホン : 41.1部
図7は、本発明の実施例で使用したリバースロールコータを示す概略側面図(7A)と塗工液溜を示す概略平面図(7B)であり、図8は、本発明の実施例で使用した流下板の概略側面図である。
図7に示すように、塗工液溜内に6枚平羽根付回転ロール14および塗工液面上部にやじり状撹拌羽根(やじり状の幅方向攪拌機)10を設置し、6枚平羽根付回転ロール14の回転方向をコーティングロール6と逆方向とし、回転速度をコーティングロール6と同速度とした。これにより、塗工液流れに追加した流れを強制的に起こした。図8に示すように、流下板18内に仕切板23を設置し、幅方向に均一に塗工液溜内に溶融樹脂の塗工液を供給し、加熱ロール20を100℃の温度とし、流下板18および側板12、メタリングロール1、コーティングロール6、バックロール8、および6枚平羽根付回転ロール14の温度を80℃とし、メタリングロール速度を8m/minとし、コーティングロール6とバックロール8の速度を10m/minに設定し、塗工目付30g/mで、1080mm幅の離型紙(離型性シート7)に1000mm幅でコーティングを実施し、樹脂フィルムを得た。離型紙には、グラシン紙の両面にクレーおよびシリコーン樹脂を塗布した、厚み110μmの両面離型紙を使用した。コーティング時の樹脂粘度は4Pa・sであり、ここで得られた樹脂フィルムの目付バラツキは少なく、フィルム表面品位(目視)は良好であった。結果を表1に示す。
(実施例2)
ニーダにて下記原料を混練し、樹脂ブロックを調製した。
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン : 35.0部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂 : 15.0部
ビスフェノールF型エポキシ樹脂 : 50.0部
ポリエーテルスルフォン : 7.5部
4.4‘−ジアミノジフェニルスルホン : 41.1部
エポキシ変性ナイロン樹脂 : 77.0部
調製した樹脂ブロックを実施例1と同条件にて、離型紙にコーティングした。コーティング時の樹脂粘度は380Pa・sあった。得られた樹脂フィルムの目付バラツキは少なく、フィルム表面品位(目視)は良好であった。
(実施例3)
実施例2と同一組成の樹脂ブロックを使用し、6枚平羽根付回転ロール14の回転方向をコーティングロールと同方向とし、6枚平羽根付回転ロール14への温水通液を止めた状態でコーティングを実施した。実施例2と対比すると、この実施例3は目付が安定するまで時間を要し、長手および幅方向ともに目付バラツキが増加したが、得られた樹脂フィルムは問題無いフィルム表面品位(目視)のものであった。
(実施例4)
実施例2と同一組成の樹脂ブロックを使用し、6枚平羽根付回転ロール14の速度を15m/minとし、他条件を実施例2と同一とし、コーティングを実施した。実施例2と対比すると、この実施例4は長手および幅方向ともに目付バラツキが増加したが、得られた樹脂フィルムは問題無いフィルム表面品位のものであった。
(実施例5)
幅方向のやじり状攪拌機を取り外したこと以外は、実施例2と同一の条件にて実施例2と同一組成の樹脂ブロックをコーティングした。実施例2と対比すると、この実施例5は長手および幅方向ともに目付バラツキが増加したが、得られた樹脂フィルムは問題無いフィルム表面品位(目視)のものであった。
(比較例1)
実施例2と同一組成の樹脂ブロックを使用し、図9で示す流下板18内を用いて、加熱ロール20を100℃の温度とし、流下板18および側板、メタリングロール、コーティングロール、およびバックロールの温度を80℃とし、メタリングロール速度を8m/min、コーティングロールおよびバックロール速度を10m/minに設定し、6枚平羽根付回転ロール(回転体)を用いることなく、塗工目付30g/mで実施例2と同じ離型紙に1000mm幅でコーティングを実施した。時間の経過とともに目付バラツキは増加し、樹脂フィルム表面に筋状の模様が観察され、部分的に樹脂未塗工部分が発生した。
(比較例2)
実施例2と同一組成の樹脂ブロックを使用し、塗工液溜内にやじり状攪拌機を設置し、比較例1と同条件でコーティングを実施した。得られた樹脂フィルムは目付バラツキ大きく、また樹脂フィルム表面にまだら模様が観察された。
Figure 2006326390
本発明の塗工液の塗工方法は、塗工液溜内においてメタリングロールおよびコーティングロールに対して均一な流れを形成することにより、樹脂フィルムの幅方向および長手方向に対する塗工膜厚みおよび塗工膜品質の均一性を向上させることができる。
図1は、従来のリバースロールコータの一例を示す概略側面図である。 図2は、従来のやじり状攪拌羽根を設置した他のリバースロールコータの一例を示す概略側面図(2A)と、塗工液溜を示す概略平面図(2B)である。 図3は、従来の仕切翼を設置した他のリバースロールコータの一例を示す概略側面図(3A)と塗工液溜を示す概略平面図(3B)である。 図4は、本発明におけるリバースロールコータの一例を示す概略側面図(4A)と塗工液溜を示す概略平面図(4B)である。 図5は、本発明における回転体の形状を例示説明するための概略側面図である。 図6は、本発明の実施例で使用したリバースロールコータの全体を説明するための概略側面図である。 図7は、本発明の実施例で使用したリバースロールコータを示す概略側面図(7A)と塗工液溜を示す概略平面図(7B)である。 図8は、本発明の実施例で使用した流下板の概略側面図である。 図9は、比較例で使用した流下板の概略側面図である。
符号の説明
1:メタリングロール
2:掻き取りブレード
3:塗工液
4:掻き取りブレード
5:塗工液溜
6:コーティングロール
7:離型性シート
8:バックロール
9:樹脂フィルム
10:やじり状撹拌羽根
11:仕切翼
12:側板
13:回転ロール
14:平羽根付回転ロール
15:湾曲羽根付回転ロール
16:巻出機
17:離型性シートロール
18:流下板
19:掻き取りブレード
20:加熱ロール
21:樹脂ブロック
22:巻取機
23:仕切板

Claims (13)

  1. メタリングロールとコーティングロールの間に塗工液溜を形成するリバースロールコータによる塗工液の塗工方法において、前記塗工液溜内にメタリングロールおよびコーティングロールにより形成される塗工液流れに追加した流れを強制的に起こして、前記コーティングロールの回転方向に対して幅方向に一定の塗工液流れを形成することを特徴とするリバースロールコータによる塗工液の塗工方法。
  2. 塗工液流れに追加した流れを、塗工液溜内にコーティングロールと平行に設置された回転体によって形成することを特徴とする請求項1記載のリバースロールコータによる塗工液の塗工方法。
  3. 塗工液溜内に設置された回転体の回転方向を、コーティングロールの回転と逆方向とすることを特徴とする請求項2記載のリバースロールコータによる塗工液の塗工方法。
  4. 塗工液溜内に設置された回転体の回転速度を、コーティングロールの回転速度の±10%以内とすることを特徴とする請求項2または3記載のリバースロールコータによる塗工液の塗工方法。
  5. 塗工液溜内に設置された回転体の表面温度を、メタリングロールおよびコーティングロールのそれぞれの表面温度±5℃以内とすることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のリバースロールコータによる塗工液の塗工方法。
  6. 塗工液溜内に設置された回転体が、コーティングロールと平行方向で、かつコーティングロールの回転方向に対して幅方向に均一な突起形状またはブレード形状を有することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のリバースロールコータによる塗工液の塗工方法。
  7. 塗工液溜の幅方向に均一に塗工液を供給する手段を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のリバースロールコータによる塗工液の塗工方法。
  8. 塗工液溜上部に塗工液を塗工液溜の幅方向に均一に撹拌する手段を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のリバースロールコータによる塗工液の塗工方法。
  9. 塗工液が熱硬化性樹脂液であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のリバースロールコータによる塗工液の塗工方法。
  10. 塗工液の粘度が10〜500Pa・sであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のリバースロールコータによる塗工液の塗工方法。
  11. 請求項9または10記載のリバースロールコータによる塗工液の塗工方法を使用して熱硬化性樹脂を離型性シートに塗工することを特徴とする樹脂フィルムの製造方法。
  12. 請求項11に記載の樹脂フィルムの製造方法によって作製された樹脂フィルムを強化繊維に貼り合わせ、強化繊維に樹脂を含浸させることを特徴とするプリプレグの製造方法。
  13. 請求項12に記載のプリプレグの製造方法で得られたプリプレグを硬化させることを特徴とする繊維強化複合材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009165999A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Yokohama Rubber Co Ltd:The 高粘度熱硬化性樹脂フィルムの成形方法
JP2016160367A (ja) * 2015-03-03 2016-09-05 東レ株式会社 樹脂フィルムおよびその製造方法

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JP2009165999A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Yokohama Rubber Co Ltd:The 高粘度熱硬化性樹脂フィルムの成形方法
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