JP5252779B2 - 印刷用ブランケットの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷用ブランケットの製造方法に関する。
近年、オフセット印刷は、様々な分野において利用されている。例えば、エレクトロニクス分野において、オフセット印刷は、プラズマディスプレイパネル(PDP)の電極パターンや蛍光体パターンの形成、液晶ディスプレイ用カラーフィルタのカラーパターンの形成などに用いられている。また、オフセット印刷では、印刷用ブランケット(転写体)としてシリコーンゴム製のブランケット用いることにより、数十μmオーダーの微細パターンを極めて高い精度で転写できることが知られている。
オフセット印刷に用いられる印刷用ブランケットは、一般に、樹脂、金属などの基材の表面に、インキの受理面をなすゴム層が設けられており、インキの転写精度を高めるために、上記ゴム層の表面には、高度な平滑性が要求されている。また、近年、PDPディスプレイなどの大型化や多面取りによる低コスト化に対応させるべく、大判サイズの印刷用ブランケットの需要が増加している。
このような印刷用ブランケットのゴム層の形成方法としては、従来、注型法やコーティング法などが知られている。
しかし、例えば、注型法による場合には、ゴム層が大判化することで、金型の歪みの影響が顕著に現れ、ゴム層の厚み精度が低くなるという不具合がある。また、注型用の金型のキャビティの間隔は、液状ゴムの粘度が高いほど、一定の寸法以下に設定できず、それゆえ、大判かつ薄肉のゴム層の形成が困難になるという不具合がある。
また、コーティング法による場合は、例えば、平坦な基材の表面に液状ゴムやゴム糊を供給し、ドクターブレードやローラでゴム糊の厚みを規制しつつ、展延する方法が知られているが、この場合、ゴム層のサイズが大きくなるにつれて、製造設備間の位置精度を維持することが困難になり易い。しかも、製造装置の設置スペースが顕著に増大することに伴う不具合みある。
一方、特許文献1には、表面に基材を固定した円筒体を回転させながら、上記基材の表面に流動状のポリマーを供給し、塗工具により上記ポリマーからなる層の厚みを調整した後、引き続き円筒体を回転させて、上記ポリマーからなる層を硬化させることを特徴とする、印刷用ブランケットの製造方法が記載されている。
特開2002−293056号公報
しかし、特許文献1に記載の印刷用ブランケットの製造方法は、例えば、ゴム層の形成材料の粘度が小さく、流動性に優れている場合(例えば、10〜10000mPa・s(同文献の段落[0016]参照。))において、ゴム層の表面平滑性や厚み精度の向上を図ることができるものの、ゴム層の形成材料の粘度が大きく、流動性が乏しい場合には、ゴム層の表面平滑度や厚み精度が十分に改善されないという不具合がある。
そこで、本発明の目的は、比較的粘度が大きい液状ゴムを用いる場合であってもゴム層の表面の平滑性や厚み精度を向上させることのできる、印刷用ブランケットの製造方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の印刷用ブランケットの製造方法は、回転軸で回転自在に支持され、表面に印刷用ブランケットの基材を固定するための円筒体と、前記円筒体の表面に固定された基材に対して液状ゴムを供給するための液状ゴム供給手段と、を備えるコーティング装置を用い、前記円筒体の表面に印刷用ブランケットの基材を固定後、前記円筒体を、前記回転軸を中心に一方方向に、前記円筒体の前記表面での周速度で0.5〜20mm/sの回転速さで回転させながら、前記液状ゴム供給手段から前記基材の表面へ粘度が15〜500Pa・sの液状ゴムを供給し、次いで、前記基材の前記表面に前記液状ゴムからなる層が形成された後、前記円筒体が1回転する前に前記液状ゴムの供給を停止し、引き続き前記円筒体を前記一方方向に回転させながら、前記液状ゴムを硬化させることを特徴とする。
この製造方法によれば、基材の表面に供給された液状ゴムは、上記基材が円筒体とともに回転されながら硬化することから、上記液状ゴムからなる層の自発的な展延、平滑化(以下、「セルフレベリング」という。)を、効率よく達成することができる。しかも、円筒体が1回転する前に、液状ゴムの供給が停止されることから、基材表面に供給された液状ゴムが硬化する前に、重ねて液状ゴムが供給されることがなく、ゴム層内への気泡の混入や、気泡の混入に伴うゴム層の表面欠陥(例えば、凹凸、スジなど。)の発生を抑制できる。
また、上記の製造方法によれば、円筒体に固定された基材に対して液状ゴムを供給するという簡易な工程でゴム層を形成することができ、しかも、大判サイズの印刷用ブランケットを製造する場合であっても、上記円筒体上にてゴム層が形成されることから、製造装置の大型化を抑制できる。
本発明の印刷用ブランケットの製造方法において、上記コーティング装置は、上記基材の表面に供給された液状ゴムを展延し、上記液状ゴムの厚みを規制するための層厚規制手段を備え、上記層厚規制手段は、上記基材表面への液状ゴムの供給時に、上記液状ゴム供給手段よりも上記円筒体の回転方向下流側で、上記基材の表面から上記液状ゴムの厚みの規制値に合わせた距離を隔てた層厚規制位置に配置され、かつ、上記基材表面への液状ゴムの供給停止時に、上記基材の表面に対し、上記層厚規制位置よりも離れて待機するための待機位置に配置されることが好ましい。
この場合、基材の表面に供給され、層厚規制手段によってその厚みが規制された液状ゴムは、その後、層厚規制手段と接触することなく、上記円筒体とともに回転されながら、液状ゴムからなる層のセルフレベリングのみによって平滑化される。それゆえ、液状ゴムからなる層の平滑化の精度を向上させることができる。
本発明の印刷用ブランケットの製造方法において、上記液状ゴムは、液状シリコーンゴムであることが好ましい。
液状シリコーンゴムを硬化させて得られるシリコーンゴム層は、インキの離型性に優れており、微細なパターンを高い精度で印刷する用途に好適である。この液状シリコーンゴムは、未硬化の状態で層厚規制手段と繰り返し接触させた場合に、硬化後のゴム層の厚みや平滑性にばらつきを生じ易いという不具合があるものの、本発明の製造方法によれば、かかる不具合の発生を抑制できる。
本発明の印刷用ブランケットの製造方法において、上記液状ゴムの粘度は、15〜500Pa・sであ、また、上記基材表面への液状ゴムの供給時における上記円筒体の回転速さは、上記円筒体表面での周速度で、0.5〜20mm/sである。
液状ゴムの粘度や、円筒体の回転速さが、上記範囲内であるときは、本発明の製造方法により、ゴム層表面の平滑性や厚み精度を向上させる効果が顕著に現れる。
本発明の印刷用ブランケットの製造方法によれば、ゴム層表面の平滑性や厚み精度に優れた印刷用ブランケットを製造することができ、しかも、製造方法が簡易であり、製造装置の大型化を抑制することもできる。
本発明の印刷用ブランケットの製造方法は、特に、粘度が比較的大きい液状ゴムを用いて表面ゴム層を形成する用途に好適であり、また、大判の印刷用ブランケットを形成する場合にも好適である。
図1、図2(a)および図2(b)は、本発明に係る印刷用ブランケットの製造方法の一実施形態の概略説明図であって、図1は、コーティング装置の正面図を示し、図2(a)は、液状ゴムの供給時におけるコーティング装置の右側断面図を示し、図2(b)は、液状ゴムの硬化処理時におけるコーティング装置の右側断面図を示す。また、図3は、図1に示すコーティング装置の部分拡大図である。
図1に示すコーティング装置10は、円筒体11と、液状ゴム供給手段12と、コーティングローラ(層厚規制手段)13とを備えている。また、印刷用ブランケットの製造時において、円筒体11の表面には、印刷用ブランケットの基材14が固定される。
円筒体11は、回転軸15で回転自在に支持されており、その回転は、図示しない回転制御手段により制御される。
円筒体11の材質は、特に限定されず、金属製であってもよく、プラスチック製であってもよいが、精度や強度の観点より、金属製であることが好ましい。円筒体11の表面には、印刷用ブランケットの基材14を着脱自在に固定できるように、基材14の端部を差し込むための溝が形成されていてもよい。また、円筒体11の表面で基材14に張力がかかるように、基材14の端部を円筒体11の内部に巻き込むための巻取り手段を有していてもよい。この場合、円筒体11と基材14との密着性を高めることができ、基材14の表面に形成される液状ゴムからなる層17の平滑性や厚みの精度をより一層向上させることができる。
円筒体11の直径や、軸15方向の長さは、特に限定されず、作製する印刷用ブランケットの大きさになどに対応して、適宜設定できる。
液状ゴム供給手段12としては、特に限定されないが、例えば、スリットダイコータ、ディスペンサなどが用いられる。
層厚規制手段としては、特に限定されないが、例えば、図2(a)などに示すコーティングローラ13や、ドクターナイフ、ドクターバーなどのドクターブレードなどが挙げられる。
層厚規制手段の材質は、特に限定されず、金属であってもよく、プラスチックであってもよく、また、ゴムなどの弾性部材であってもよいが、精度や剛性の観点より、金属製であることが好ましい。
基材14としては、印刷用ブランケットの基材として用いられている種々の材料が挙げられ、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのプラスチック、例えば、アルミニウム、SUS、ニッケルなどの金属が挙げられる。なかでも好ましくは、PETが挙げられる。
また、印刷用ブランケットが、基材14と、液状ゴム16から形成されるゴム層17との間に、他の層(例えば、圧縮性層など。)を有しているときには、円筒体11の表面に固定される基材14に、あらかじめ上記他の層を形成しておいてもよい。
基材14は、円筒体11表面との間にゴミや空気が入らないように、基材14と円筒体11とを密着させて装着することが好ましい。また、このような装着を実現するためにも、円筒体11表面への取り付け時には、基材14に対し、円筒体11の円周方向に張力がかかるように設定することが好ましい。
液状ゴム16としては、例えば、液状シリコーンゴム、液状フロロシリコーンゴム、液状フッ素ゴムなどが挙げられる。なかでも好ましくは、液状シリコーンゴムが挙げられる。
液状シリコーンゴムは、特に限定されないが、ゴム層の厚み精度の観点より、硬化時にガスなどを生成しない付加型シリコーンゴムであることが好ましく、また、硬化処理の簡素化の観点より、硬化に際して加熱や、紫外線、電子線などの照射といった処理を要しない、室温硬化型シリコーンゴムであることが好ましい。なお、シリコーンゴムが加熱硬化型である場合には、塗工後の液状ゴムからなる層17に対して、ヒーターなどを用いて均一に加熱する必要がある。
液状シリコーンゴムは、さらに、無溶剤型であることが好ましいが、微量の揮発成分を含有するものであってもよい。例えば、液状シリコーンゴムの粘度や物性を調整するための種々の配合物、具体的には、シリコーンオイル、硬化剤、硬化速度調整剤、充填剤などを含有するものであってもよい。
充填剤としては、例えば、シリカ、クレー、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
液状ゴム16の粘度は、特に限定されないが、室温(約23℃)において、好ましくは、15〜500Pa・sであり、より好ましくは、20〜400Pa・sであり、さらに好ましくは、30〜300Pa・sである。
液状ゴム16の粘度が上記範囲を下回ると、円筒体11の回転に伴って、液状ゴムからなる層17が、鉛直下方向に垂れ下がるおそれがあり、逆に、液状ゴム16の粘土が上記範囲を上回ると、ゴム層17について、十分なレベリングの効果が得られなくなるおそれがある。
円筒体11の回転速さは、基材14表面への液状ゴム16の供給時と、基材14表面への液状ゴム16の供給後、液状ゴムからなる層17の硬化時とにおいて、同じ速さであってもよく、異なる速さであってもよい。
基材14表面への液状ゴム16の供給時における円筒体11の回転速さは、基材14の表面に供給された液状ゴムからなる層17のセルフレベリングを実現できる範囲で、かつ、円筒体11の回転の程度により、基材14から液状ゴム16が垂れ落ちや、液状ゴムからなる層17の厚みの偏り(例えば、鉛直方向下側のみが厚くなるような偏り)が生じることを防止できる範囲で、適宜設定される。
それゆえ、基材14表面への液状ゴム16の供給時における円筒体11の回転速さは、液状ゴム16の種類、粘度などに応じて適宜設定され、特に限定されないが、一般に、液状ゴムの粘度が15〜500Pa・sであるとき(液状ゴムとして、比較的高粘度であるとき)は、円筒体11表面での周速度で、好ましくは、0.5〜20mm/sであり、より好ましくは、1〜20mm/sであり、さらに好ましくは、1〜10mm/sである。
液状ゴムの粘度が上記範囲を満たす場合であって、基材14表面への液状ゴム16の供給時における円筒体11の回転速さが、上記範囲で設定されているときは、平滑性や厚み精度が高く、表面欠陥の少ないゴム層を形成することができる。
また、上記回転速さが遅いほど、液状ゴム16中に混入された気泡が、基材14とコーティングローラ(層厚規制手段)13との間隙を液状ゴム16が通過する時に除去され易くなる。しかしながら、上記回転速さが上記範囲を下回ると、液状ゴムからなる層17の厚みに偏り(例えば、鉛直方向下側のみが厚くなるような偏り)が生じ易くなるおそれがある。一方、上記回転速さが上記範囲を上回ると、液状ゴムからなる層17の厚みが規制されにくくなるおそれがある。
液状ゴムからなる層17の硬化時における円筒体11の回転速さは、基材14の表面に供給された液状ゴムからなる層17のセルフレベリングを実現できる範囲で、かつ、円筒体11の回転の程度により、基材14から液状ゴム16が垂れ落ちや、液状ゴムからなる層17の厚みの偏り(例えば、鉛直方向下側のみが厚くなるような偏り)が生じることを防止できる範囲で、適宜設定される。
それゆえ、液状ゴムからなる層17の硬化時における円筒体11の回転速さは、液状ゴム16の種類、粘度などに応じて適宜設定され、特に限定されないが、一般に、液状ゴムの粘度が15〜500Pa・sであるときは、円筒体11表面での周速度で、好ましくは、0.5〜20mm/sであり、より好ましくは、1〜20mm/sであり、さらに好ましくは、1〜10mm/sである。
なお、液状ゴムからなる層17の硬化時における円筒体11の回転速さは、基材14表面への液状ゴム16の供給時における円筒体11の回転速さに対して変動させてもよいが、円筒体11の回転速さが速すぎるときは、液状ゴムからなる層17のレベリング性が低下して、印刷用ブランケットの表面の平滑性が損なわれるおそれがある。一方、円筒体11の回転速さが遅すぎるときは、液状ゴムからなる層17の厚みに偏り(例えば、鉛直方向下側のみが厚くなるような偏り)が生じ易くなるおそれがある。
液状ゴムからなる層17の硬化時には、液状ゴムからなる層17を加熱してもよい。この場合、硬化時間を短縮することができる。一方、加熱が過剰になると、基材14のひずみや円筒体11の寸法変化を招くおそれがある。また、加熱が均一にされない場合は、液状ゴムからなる層の物性にばらつきを生じさせるおそれがある。
本発明の印刷用ブランケットの製造方法においては、円筒体11が1回転するまでの間に、液状ゴムからなる層17が形成される。これにより、基材14表面に供給された液状ゴム16が硬化する前に、重ねて液状ゴム16が供給されることを防止でき、ゴム層内への気泡の混入や、ゴム層の表面欠陥の発生を抑制できる。
また、本発明の印刷用ブランケットの製造方法において、液状ゴムからなる層17の厚みを大きくするには、液状ゴムからなる層17が硬化された後に、再度、同様にして、液状ゴムを供給し、展延すればよい。
本発明の印刷用ブランケットの製造方法において、基材14の表面に形成される液状ゴムからなる層17の厚みは、特に限定されないが、液状ゴム供給手段12から基材14表面への液状ゴム16の供給処理1回について、0.05〜2mmとなるように、供給される液状ゴム16の量を適宜調整することが好ましい。
上記液状ゴム16の供給処理1回について形成される、液状ゴムからなる層17の厚みが、上記範囲を下回ると、上記液状ゴム16の供給処理1回において、液状ゴム供給手段12から基材14表面へ供給される液状ゴム16の量が少なくなって、セルフレベリングの効果が得られにくくなるおそれがある。逆に、上記液状ゴム16の供給処理1回について形成される、液状ゴムからなる層17の厚みが、上記範囲を上回ると、上記液状ゴム16の供給処理1回において、液状ゴム供給手段12から基材14表面へ供給される液状ゴム16の量が多くなって、液状ゴム16が基材14から垂れ落ちるなどして、液状ゴムからなる層17の平滑性が損なわれるおそれがある。
液状ゴムからなる層17の厚みが2mmを超える印刷用ブランケットを作成する場合には、液状ゴムの供給処理を複数回繰り返せばよい。その際、上述したように、上記液状ゴム16の供給処理を1回行うごとに、液状ゴム16を硬化させる必要がある。
上記液状ゴム16の供給処理時において、層厚規制手段13の表面と、円筒体11の表面との間の距離20は、基材14の厚み21と、硬化後の液状ゴムからなる層17の厚みとの和よりも若干大きく設定される(図3参照)。図3に示すように、層厚規制手段13表面と円筒体11表面との間の距離20は、基材14の厚み21と、未硬化状態の液状ゴムからなる層17の厚み22との和であるが、液状ゴムからなる層17の厚みは、層厚規制手段(コーター)を通過する際の液状ゴムの粘性特性により減少する。この減少の程度は、液状ゴムの種類、液状ゴムからなる層17の硬化時における円筒体11の回転速さ、層厚規制手段の形状などに合わせて、適宜設定される。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、液状ゴムには、液状の付加型シリコーンゴム(品名「KE1606」、粘度50Pa・s、信越化学工業(株)製)100重量部と、硬化剤(品名「Cat−RG」)10重量部とを配合し、撹拌・脱泡したものを使用した。
実施例1
図1、図2(a)および図2(b)に示すコーティング装置を用いて、基材14と液状ゴム(液状シリコーンゴム)からなる層17とを備えるシリコーンブランケット(印刷用ブランケット)を製造した。
すなわち、まず、直径400mmの金属製円筒体11の表面に、厚さ0.30mmのPETフィルム製基材14を装着した。PETフィルム製基材14の装着は、例えば、PETフィルム製基材の端縁に、ブランケットの固定治具を取り付けて、これを円筒体11の表面に固定し、さらに、ブランケットにテンションをかけつつ、円筒体11の表面に沿わせるとともに、他方の端縁に取り付けられた固定治具を、円筒体11の表面に固定することにより行った。
次いで、コーティングローラ(層厚規制手段)13を層厚規制位置に配置し、円筒体11を回転させながら、液状ゴム供給手段12から基材14上へ液状ゴム16を供給し、セルフレベリングにより液状ゴムからなる層17を平滑化させた。なお、コーティングローラ13は、直径100mmの金属製ドラムであった。また、液状ゴム16供給時の温度は室温であった。
液状ゴム16は、円筒体11の軸15方向の幅が800mm、円筒体11の周方向の長さが1000mm、厚み(円筒体11の直径方向の長さ)が0.60mmとなるように供給した。また、液状ゴム16供給時の円筒体11の回転速さは、円筒体11表面での周速度が、5mm/秒となるように調整した。なお、円筒体11表面の周方向の長さは、約1256mmであり、液状ゴム16の上記周方向の長さが1000mmであることから、液状ゴム16供給時の円筒体11の回転量は、1回転以内に収まっていた。
次に、液状ゴム16の供給停止後、室温で、かつ、円筒体11の周速度を同じままで、円筒体11を10時間連続して回転させた。こうして液状ゴムからなる層17を硬化させた後、基材14および液状ゴムからなる層17との積層体を円筒体11から取り外して、シリコーンブランケットを得た。
実施例2
液状ゴム16供給時および液状ゴムからなる層17の硬化時における円筒体11の周速度を、5mm/sに代えて、10mm/sとしたこと以外は、実施例1と同様にして、シリコーンブランケットを得た。
参考例1
実施例1と同様にして、円筒体11の表面に基材14を装着し、円筒体11を回転させながら(周速度5mm/s)、液状ゴム供給手段12から基材14上へと液状ゴムからなる層17を供給した。こうして、基材14上に、幅(円筒体の軸15方向の長さ)800mm、長さ(円筒体11の周方向の1000mm、厚み(円筒体11の直径方向の長さ)が0.60mmの、液状ゴムからなる層17を形成した。
次いで、上記基材14を円筒体11から取り外して、1000mm四方の定盤上に載置した。さらに、室温で10時間静置させ、液状ゴムからなる層17を硬化させることにより、シリコーンブランケットを得た。
比較例1
実施例1と同様にして、円筒体11の表面に基材14を装着し、円筒体11を回転させながら(周速度5mm/s)、液状ゴム供給手段12から基材14上へと液状ゴムからなる層17を供給した。こうして、基材14上に、幅(円筒体の軸15方向の長さ)800mm、長さ(円筒体11の周方向の1000mm、厚み(円筒体11の直径方向の長さ)が0.30mmの、液状ゴムからなる層17を形成した。
引き続いて、液状ゴムからなる層17が硬化する前に、円筒体11を回転させながら(周速度5mm/s)、液状ゴム供給手段12から基材14上へと液状ゴムからなる層17を供給した。こうして、液状ゴムからなる層17上に、幅(円筒体の軸15方向の長さ)800mm、長さ(円筒体11の周方向の1000mm、厚み(円筒体11の直径方向の長さ)が0.30mmの、液状ゴムからなる層を重ねて形成した。
次に、基材14および液状ゴムからなる層(2層)17との積層体を円筒体11から取り外し、静置させ、液状ゴムからなる層を硬化させることにより、シリコーンブランケットを得た。
物性評価
1)厚みのバラツキ
実施例1、実施例2、比較例1および参考例1のシリコーンブランケットについて、液状ゴムからなる層の厚みを、面内10cm間隔で測定した。
上記測定の結果より算出された、平均厚みと、レンジ(最大厚みと最小厚みとの差)とを、表1に示す。なお、レンジが小さいほど、層厚みのバラツキが少ないことを示す。
2)表面状態
実施例1、実施例2、比較例1および参考例1のシリコーンブランケットについて、液状ゴムからなる層の表面状態を目視で観察し、下記の2段階で評価した。
○ 表面が平滑で、凹凸やスジなどは観察されなかった。
× 凹凸やスジが顕著に観察されたため、実用に適さなかった。
Figure 0005252779
表1に示すように、実施例1および2のシリコーンブランケットは、液状ゴムからなる層の平滑さ、厚みの精度の点において、参考例1のシリコーンブランケットと同等レベルであった。そこで、実施例1および2と、参考例1とにおいて、シリコーンブランケットの製造設備を比較したところ、参考例1では、液状ゴムからなる層を硬化させるための定盤に巨大なスペースを要したのに対し、実施例1および2では、そのようなスペースが不要である点、有利であった。
また、液状ゴムからなる層を、未硬化状態で重ね合わせて形成した比較例1のシリコーンブランケットでは、実施例1および2のシリコーンブランケットに比べて、液状ゴムからなる層のばらつきが顕著に現れた。
本発明は、以上の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。
図1は、本発明に係る印刷用ブランケットの製造方法の一実施形態の概略説明図であって、コーティング装置の正面図を示す。 図2は、本発明に係る印刷用ブランケットの製造方法の一実施形態の概略説明図であって、(a)は、液状ゴムの供給時におけるコーティング装置の右側断面図を示し、(b)は、液状ゴムの硬化処理時におけるコーティング装置の右側断面図を示す。 図3は、図1の部分拡大図である。
符号の説明
10 コーティング装置, 11 円筒体, 12 液状ゴム供給手段, 13 コーティングローラ(層厚規制手段), 14 基材, 15 回転軸, 16 液状ゴム

Claims (3)

  1. 回転軸で回転自在に支持され、表面に印刷用ブランケットの基材を固定するための円筒体と、前記円筒体の表面に固定された基材に対して液状ゴムを供給するための液状ゴム供給手段と、を備えるコーティング装置を用い、
    前記円筒体の表面に印刷用ブランケットの基材を固定後、前記円筒体を、前記回転軸を中心に一方方向に、前記円筒体の前記表面での周速度で0.5〜20mm/sの回転速さで回転させながら、前記液状ゴム供給手段から前記基材の表面へ粘度が15〜500Pa・sの液状ゴムを供給し、次いで、前記基材の前記表面に前記液状ゴムからなる層が形成された後、前記円筒体が1回転する前に前記液状ゴムの供給を停止し、引き続き前記円筒体を前記一方方向に回転させながら、前記液状ゴムを硬化させることを特徴とする、印刷用ブランケットの製造方法。
  2. 前記コーティング装置が、前記基材の表面に供給された液状ゴムを展延し、前記液状ゴムの厚みを規制するための層厚規制手段を備え、
    前記層厚規制手段は、前記基材表面への液状ゴムの供給時に、前記液状ゴム供給手段よりも前記円筒体の回転方向下流側で、前記基材の表面から前記液状ゴムの厚みの規制値に合わせた距離を隔てた層厚規制位置に配置され、かつ、前記基材表面への液状ゴムの供給停止時に、前記基材の表面に対し、前記層厚規制位置よりも離れて待機するための待機位置に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の印刷用ブランケットの製造方法。
  3. 前記液状ゴムが、液状シリコーンゴムであることを特徴とする、請求項1または2に記載の印刷用ブランケットの製造方法。
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