JP2003136856A - オフセット印刷用ブランケットの製造方法 - Google Patents

オフセット印刷用ブランケットの製造方法

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JP2003136856A JP2001341142A JP2001341142A JP2003136856A JP 2003136856 A JP2003136856 A JP 2003136856A JP 2001341142 A JP2001341142 A JP 2001341142A JP 2001341142 A JP2001341142 A JP 2001341142A JP 2003136856 A JP2003136856 A JP 2003136856A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面平滑性および厚み均一性の向上したシリコ
ーンゴムを有する表面印刷層よりなる、微細印刷に適し
たオフセット印刷用ブランケットの製造方法を提供す
る。 【解決手段】基材上にシリコーンゴムを有する表面印刷
層を形成してなる印刷用ブランケットを製造するに際し
て、液状のシリコーンゴムを基材上に塗布し、該塗布面
を水平に保持してセルフレベリングさせた後、硬化させ
て表面印刷を形成させることよりなるオフセット印刷用
ブランケットの製造方法。上記シリコーンゴムはその粘
度が600Pa・s以下であり、水平度0.02mm/
m2以下で水平に保持してセルフレベリングすることが
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷用
ブランケットの製造方法に関し、さらに詳しくは表面印
刷層がシリコーンゴムで形成されており、高度の精密印
刷が可能なオフセット印刷用ブランケットの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷は種々の分野において利
用されているが、とりわけ近年はエレクトロニクス分野
においてシリコーンブランケットを用いたオフセット印
刷により微細なパターンを高精度に転写再現することに
より電気配線パターン、蛍光体パターン、プラズマディ
スプレイ、液晶表示装置用カラーフィルター等の製造に
利用することが多くなっている。オフセット印刷の精度
は、ブランケットの表面状態(表面粗さ)によって印刷
性能が左右されるため、表面仕上げに相当な高精度が要
求され、かつブランケット厚みも均一であることを要す
る。そこで、これまでに印刷精度の高いブランケットを
得るためにいくつかの提案がなされている。
【0003】特許第258963号の特許公報には、精
密印刷用ブランケット成形金型が開示されており、この
金型は、一対の金型よりなり、そのうち何れか一方の金
型の内面に、ブランケットのインク担持面成形用の平坦
面を有する硝子板、セラミック板または薄肉金属板から
なる板部材が、着脱自在に取り付けられたことを特徴と
している。この金型を使用すれば、表面粗さ精度がよい
ブランケットが得られるが、ブランケットの厚み精度の
方も高くするためには金型として相当大きなものが必要
となり、金型をハンドリングするための周辺装置も含め
ると製造設備が極めて大きくなる。また、ブランケット
の面積が1m2を超えるようなサイズになると、厚み精
度は0.04mm以内が限界であり、近年の40〜50
インチといった大型化プラズマディスプレイを精度よく
製造するためのブランケットを得る目的に対応しきれな
い面がある。さらに、ブランケットの厚みが変わり、サ
イズが大きくなるとそのたびに新たな金型が必要であ
る。
【0004】特開平8−112981号公報には、ブラ
ンケット基材上の表面ゴム層の表面を鏡面にする方法と
して、金型内にブランケット基材とともに基材面側が表
面粗さ1μm以下でかつ表面ゴム層に対して離型可能な
PETフィルムを配置して、表面ゴム層の材料を注入
し、成型するオフセット印刷用ブランケットの製造方法
が開示されている。この方法は、金型内面、ガラス、フ
ィルムの表面に汚れ、傷などが入らぬように細心の注意
をもって維持するする必要があり、作業効率の面で問題
がある。また、金型内部でシリコーンゴムが硬化する際
にゴムが収縮することや、硬化時に発生するエァーの逃
げ場がなく、ガラス板やPETフィルムとシリコーンゴ
ムの界面にエァーのかたまりができることによって、硬
化後のシリコーンゴム表面に凹みが発生する恐れがあ
る。一般に、金型を使って連続生産する場合、硬化終了
まで金型を開けることができないことから、複数の金型
が必要であり、脱型後、次の注型を行うために金型内部
を掃除する手間が必要である。また、硬化を早めるため
に加熱すると、先に凹みが発生する程度も大きくなる。
【0005】一方、支持体層とこの支持体層上に積層さ
れた表面印刷層とからなるオフセット印刷用ブランケッ
トにおいて、表面印刷層の表面に液状シリコーンゴムを
スプレーやグラビアコーター、アプリケータを用いてコ
ーティングし、硬化させてシリコーンゴム層を形成する
方法が知られている(特開平5−92678号公報)。
このブランケットは、通常のゴム層のものに比べて、微
細パターンの印刷に効果を発揮する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これまでに、微細パタ
ーンを精密印刷するために、前述したようなオフセット
印刷用ブランケットあるいはその製造用金型が知られて
いるものの、さらに精度が向上したブランケットを、工
業生産に適した製造方法の開発が望まれている。なかで
も、前記の特開平5−92678号公報に開示された印
刷用ブランケットは、それまでの表面印刷層の表面にさ
らにシリコーンゴム層を設けたことにより微細パターン
の印刷に寄与できるものであるが、それでも硬化後の厚
みバラツキや表面粗さを改善する余地が多く残されてお
り、とりわけ近年の40インチを超えるプラズマディス
プレイに使用される大型ブランケットの作製においてこ
の要望が高い。
【0007】そこで、本発明の目的は、表面平滑性およ
び厚み均一性の向上したシリコーンゴム層を有する表面
印刷層からなり、精密印刷に適したオフセット印刷用ブ
ランケットの製造方法、ならびにその製造方法で得られ
るオフセット印刷用ブランケットを提供しようとするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題に鑑みて、本
発明者らは種々検討を重ねたところ、液状シリコーンゴ
ムをスプレー、グラビアコーター、アプリケータを用い
て単にコーティングしただけでは、均一な厚みを得るこ
とに限界があり、それを硬化しても厚みのバラツキや表
面粗さにやはり限界があるとの知見を得た。その主な原
因は、コーティング後の基材位置が水平でなく、未硬化
の液状シリコーンゴムがわずかであっても流動し、その
流動した状態で、次の硬化工程に移行すること、あるい
は液状シリコーンゴムの粘度等の物性が適切でないこと
なども判明した。本発明はこれらの知見に基づきさらに
検討を行って完成したものである。
【0009】すなわち、本発明は、 1)基材上にシリコーンゴムを有する表面印刷層を形成
してなる印刷用ブランケットを製造するに際して、液状
のシリコーンゴムを基材上に塗布し、該塗布層を水平に
保持してセルフレベリングさせた後、硬化させて表面印
刷層を形成させることを特徴とするオフセット印刷用ブ
ランケットの製造方法、 2)前記液状シリコーンゴムの粘度が600Pa・s以
下である上記1)項記載のオフセット印刷用ブランケッ
トの製造方法、 3)前記シリコーンゴムのポットライフ(可使時間)が
25℃において10分〜12時間である上記1)または
2)項記載のオフセット印刷用ブランケットの製造方
法、 4)前記液状シリコーンゴムの塗布厚みが0.1〜4m
mである上記1)〜3)項のいずれかに記載のオフセッ
ト印刷用ブランケットの製造方法、 5)前記の基材上に塗布された液状シリコーンゴムを、
水平度0.02mm/m2以内で保持し、セルフレベリ
ングさせる上記1)〜4)項のいずれかに記載のオフセ
ット印刷用ブランケットの製造方法、および 6)請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法で製造さ
れ、厚みのバラツキが0.02mm以下であり、かつ、
表面粗さ(Rz)が0.3μm以下であることを特徴と
するオフセット印刷用ブランケット、である。
【0010】本発明の製造方法は、上記1)項に記載す
るように、液状のシリコーンゴムを基材上に塗布し、該
塗布層面を水平に保持してセルフレベリングさせた後、
硬化させていることから、表面平滑性および厚み均一性
が極めて向上した表面印刷層を有するオフセット印刷用
ブランケットを得るものである。セルフレベリングと
は、「静置して放置することにより自ら平らになる」こ
とをいう。従来の精密印刷用ブランケットの製造におい
て、液状シリコーンゴムを塗布後、セルフレベリングを
行ったのち硬化させるという技術的概念は知られていな
い。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法の一例を図1
(概念図)に示す。基材1の表面に、液状シリコーンゴ
ム2をコーター(ここではロールコーター3,3´を示
す)により塗布して塗布層4を形成させ、その積層体を
水平台5に静置して塗布層4をセルフレベリングさせて
均一な厚みにし、次いで硬化させて表面印刷層を形成す
る。以下において、この製造方法を、順を追って説明す
る。 [基材]本発明における基材とは、その表面に表面印刷
層を形成するためのフィルム状、シート状、板状あるい
は積層状のブランケット基材のことであり、従来公知の
ものを使用することができる。その例としては、合成樹
脂フィルム(例; PET、PVC、PE、PP、アク
リル、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリテトラフル
オロエチレン製など)、金属板(例; 鉄、ステンレ
ス、アルミニウム、銅、ニッケル製など)、ゴムシート
(例; NBR、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、アク
リルゴム、ウレタンゴムなどの耐油性エラストマー)、
基布(例;綿、ポリエステル、レーヨン、ケブラー、ガ
ラス繊維、およびこれらの任意の混紡など)または紙
類、およびこれら部材を適宜に組み合わせて得られる積
層体などが挙げられる。
【0012】本基材は、その表面に微小なざらつきが多
少あってもよいが、水平台に置いたときに反りやうねり
が生ずるものは避ける。表面の微小なざらつきは、シリ
コーンゴムのセルフレベリングによって均一化される
が、反りやうねりがあると図2に示すように厚みムラの
原因になるためである。通常、反りやうねりは、0.0
4mm以内に抑えておくことが好ましい。本基材の具体
的な構成や厚みは、その材質、表面印刷層の厚みやブラ
ンケットの総厚み、適用する印刷機のタイプなどを考慮
して適宜、決定すればよい。 [シリコーンゴム]液状シリコーンゴムは、1液型と、
主剤と硬化剤よりなる2液型に分かれ、さら2液型には
付加型と縮合型に分かれる。本発明では原則的にいずれ
でも使用できるが、貯蔵安定性の面から2液型がより好
ましい。ただ、基材の表面材質がゴム、軟質塩化ビニ
ル、ウレタンの場合は、付加型シリコーンゴムを用いる
と硬化阻害を起こすことがありこの組合せは避ける方が
よい。
【0013】本発明における液状シリコーンゴムは、実
用的な時間内にセルフレベリングが完了する程度に流動
性を有することが好ましく、とりわけ硬化前の25℃に
おける粘度が600Pa・s以下であることが好まし
い。この粘度を超えると、セルフレベリングを行い難く
なり、硬化がレベリング前に終了し、厚み精度が低下す
る。その一方、粘度の下限は、通常、10Pa・s程度
であり、これを下回ると液状シリコーンが周囲へ流れて
広がるため、厚みが不均一になり好ましくないことが多
い。また、液状シリコーンゴムが硬化に要する時間は特
に限定されるものではないが、ポットライフ(可使時
間)が長い方がセルフレベリングを着実に行うことがで
き、またエァーの発生を少なくできるなど有利である
が、あまりに長いことは作業効率上不利になる。一般的
に、ポットライフは25℃において10分〜12時間で
あることが好ましい。本発明に使用される2硬化型シリ
コーンゴムの具体例としては、例えば主剤が信越化学工
業(株)製の「KE1603A」であり硬化剤が同社製
の「KE1603B」であるシリコーンゴム、あるいは
主剤が信越化学工業(株)製の「KE2000−60
A」であり硬化剤が同社製の「KE2000−60B」
であるシリコーンゴムなどが挙げられる。 [塗布およびセルフレベリング工程]次に、液状シリコ
ーンゴムを基材の表面に塗布するには、ドクターブレー
ド、ロールコーター、コンマコーター、グラビアコータ
ーなどコーターを用いて常法どおり実施すればよい。塗
布層の厚みは0.1〜4mmの範囲であることが好まし
い。この厚みが0.1mmに達しないときは、塗布時に
エァーを噛んだ場合、後のセルフレベリングにおいてそ
のエァーが抜けないうちに硬化が終了し、硬化後もエァ
ーが残ることになる。また、厚みが4mmを超えるとセ
ルフレベリング時に液状シリコーンゴムが周囲へ流れて
広がるために、厚みが周囲と内側で差が大きくなりすぎ
て不均一になりやすい。
【0014】シリコーンゴムを塗布した基材は、水平に
保持することによりシリコーンゴム層をセルフレベリン
グさせ、均一な厚みにする。このセルフレベリングは、
塗布した基材を水平台に静置することにより行われる
が、その面の水平度は面積1m 2あたり0.02mm以
内であることが好ましい。この水平度に達しない状態で
は、シリコーンゴム硬化後の厚み精度が所期目的ほど向
上しなくなる。次に、水平台上に、シリコーンゴムを塗
布した基材を静置する場合、基材を水平台に密着させて
おくことが精度向上につながるが、実用的な密着手段と
して例えば次の方法が挙げられる。
【0015】・基材に発生する静電気を利用し、水平台
に密着させる方法。 この方法は、金属水平台との摩擦により帯電しやすい基
材、例えばポリエステル等のフィルムを用いるとき好ま
しく適用できる。具体的には、塗布後のフィルム基材を
金属水平台上で滑らせることで静電気を発生させ、密着
させることができる。 ・基材を長さ方向に引っ張り、水平台に密着させる方法
(図3) 塗布層4を形成した基材1の両側をチャッキングして引
っ張る装置を用いて水平台5に密着させる方法である。 ・水平台と基材間をエァー吸引することにより密着させ
る方法(図4、5、6) 水平台5の内部に空洞部Aとこれから上面に貫通した通
路(吸引穴)6をいくつか設け、A部の空気を吸引する
ことにより減圧し、塗布層4を形成した基材1を密着さ
せる。吸引穴6は、通常、0.5〜3mmの径の穴を水
平台面に多数加工しておくことにより均一な密着がなさ
れる(図5参照)。さらに、吸引穴の間がつながるよう
に、水平台5の表面に縦横に刻んだ小さな溝7、7´
を、例えば深さ0.2〜1mm、幅0.2〜1mm、溝
ピッチ1〜100mmの形状で加工しておくことにより
(図6参照)、より一層均一に密着させることができ
る。 ・水平台と基材間を加圧により密着させる方法(図7) 塗布層4を形成した基材1を水平台5に静置した後、蓋
Cで囲い込み、空気を注入して塗布された未硬化の液状
シリコーンゴムも含めて加圧することにより、基材と水
平台に溜まったエァーが排出され、基材1を水平台5に
密着させることができる。この場合、蓋と基材の接点に
はシール材、パッキン材などにより、注入した空気が漏
れないようにシールSを設けることが好ましい。
【0016】一方、塗布およびセルフレベリングさせる
別法として、図8に示すように、水平台5上に固定した
基材1面にコーター3をスライドさせながら液状シリコ
ーンゴムを塗布して塗布層4を形成させ、同じ水平台面
でセルフレベリングさせる方法を採用してもよい。この
方法とは逆に、図9に示すように、水平台5上にコータ
ー3を設置(固定)した状態で基材1の方をスライドさ
せて塗布を行って塗布層4を形成させ、セルフレベリン
グさせてもよい。これらの図8および図9に示す方法に
よると、液状シリコーンゴムがバンクから絞り込まれる
ようにしてコーターと基材の間隙を通過することから、
そのときの圧力で基材が水平台の表面に強く押しつけら
れようにして均一な密着がなされる。 [硬化工程]上述のようにして水平台上でセルフレベリ
ングさせたシリコーンゴムはついで硬化させるが、その
硬化は用いるシリコーンゴムの硬化機作を考慮して実施
すればよい。例えば、室温硬化型シリコーンゴムの場
合、セルフレベリング後そのまま水平台に約8〜24時
間静置を続けることにより硬化が完了する。このとき硬
化を早めるために、水平台上に設けたヒーター付ファン
から温風を吹き付けることが有利である。
【0017】一方、加熱硬化型シリコーンゴムの場合、
図10に示すように、ヒーター、温風吹き付け装置ある
いは温水循環装置などによって水平台5自体を加温し、
水平台に密着した基材1を介して熱伝導することで、塗
布したシリコーンゴム層4を下層から硬化させる方法を
採用し得る。この方法によると、エァーも抜け易く、表
面のセルフレベリングも充分に行われ、硬化速度も速め
られるという有利性がある。また、水平台上である程度
硬化させ、セルフレベリングも終了していれば、半硬化
の状態で、オーブンなどの加熱容器に移し、高温で硬化
を行えば短時間に完了させることもできる。また、前記
のヒーター付ファンから温風を吹き付ける方法を併用し
てもよい。
【0018】[印刷用ブランケット]上述の方法によ
り、高精度の精密印刷が可能なオフセット印刷用ブラン
ケットが製造される。なかでも、シリコーンゴムを含む
表面印刷層の厚みのバラツキが0.02mm以下であ
り、かつ、表面粗さ(Rz)が0.3μm以下にすれ
ば、精密印刷に一層適したオフセット印刷用ブランケッ
トに仕上げることができる。
【0019】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて本発明
をさらに具体的に説明する。 比較例1 特許第2589635号公報に記載された成形金型を用
いて、液状シリコーンゴムを基材に積層し、印刷用ブラ
ンケットを作製した。このときの具体的な作製条件を次
に示す。
【0020】液状シリコーンゴム:主剤として信越化学
工業(株)製の「KE1603A」と、硬化剤として信
越化学工業(株)製の「KE1603B」とを重量比
1:1で混合したものを使用した。この混合後のシリコ
ーンゴムは、粘度が65Pa・sであり、ポットライフ
が25℃で60分間であり、硬化時間は25℃で24時
間である。 基材:PETフィルム(厚み0.35mm) 成形:上記の公知金型を用いて、25℃で24時間放置
し硬化させた。 ブランケットサイズ:幅1000mm×長さ1000m
m×厚み1.2mm(基材を含む) 実施例1 基材であるPETフィルム(厚み0.35mm)上に、
比較例1で用いたと同じ液状シリコーンゴムをロールコ
ーターにより厚み1.45mmとなるように塗布し、水
平台(幅1200mm×長さ1200mm、面内水平度
0.02mm/m2)に静電気によって密着させ、25
℃で24時間静置することによりセルフレベリングと硬
化とを行い、印刷用ブランケット[幅1000mm×長
さ1000mm×厚み1.2mm(基材を含む)]を作
製した。
【0021】比較例2 実施例1において、面内水平度0.03mm/m2の水
平台を用いたこと以外は同様の条件により印刷用ブラン
ケットを作製した。 実施例2 実施例1において、面内水平度0.01mm/m2の水
平台を用いたこと以外は同様の条件により印刷用ブラン
ケットを作製した。
【0022】実施例3 実施例1において、液状シリコーンゴムの塗布厚みを
4.0mm(基材厚みを含まず)にしたこと以外は同様
の条件により印刷用ブランケットを作製した。 比較例3 実施例1において、液状シリコーンゴムの塗布厚みを
5.0mm(基材厚みを含まず)にしたこと以外は同様
の条件により印刷用ブランケットを作製した。
【0023】実施例4 実施例1において、液状シリコーンゴムの塗布厚みを
0.1mm(基材厚みを含まず)にしたこと以外は同様
の条件により印刷用ブランケットを作製した。 実施例5 実施例1において、液状シリコーンゴムとして下記のも
のを用いた以外は同様の条件により印刷用ブランケット
を作製した。
【0024】液状シリコーンゴム;主剤として信越化学
工業(株)製の「KE2000−60A」と、硬化剤と
して信越化学工業(株)製の「KE2000−60B」
とを重量比1:1で混合したものを使用した。この混合
後のシリコーンゴムは、粘度が600Pa・sであり、
ポットライフが25℃で60分間であり、硬化時間は2
5℃で24時間である。 比較例4 実施例1において、液状シリコーンゴムとして下記のも
のを用いた以外は同様の条件により印刷用ブランケット
を作製した。
【0025】液状シリコーンゴム;主剤として信越化学
工業(株)製の「KE1950−70A」と、硬化剤と
して信越化学工業(株)製の「KE1950−70B」
とを重量比1:1で混合したものを使用した。この混合
後のシリコーンゴムは、粘度が750Pa・sであり、
ポットライフが25℃で60分間であり、硬化時間は2
5℃で24時間である。 実施例6 実施例1において、基材としてステンレス板(厚み0.
1mm)を用い、液状シリコーンゴムの塗布厚みを1.
65mmとしたこと以外は同様の条件により印刷用ブラ
ンケットを作製した。
【0026】実施例7 実施例1において、基材として綿布(厚み0.35m
m)を用いたこと以外は同様の条件により印刷用ブラン
ケットを作製した。 実施例8 実施例1において、基材を長さ方向に引っ張り、水平台
に密着させたこと以外は同様の条件により印刷用ブラン
ケットを作製した。ここで、引っ張り装置は、直径20
0mm×長さ1000mmの金属ロールがモーターで駆
動できるものを2個用意し、これらを水平台の両側に設
置したものを用いた。基材の両端は、それぞれのロール
に止めて、ロールで巻き込んで水平台表面に基材を貼る
ようにして固定した(図3)。
【0027】実施例9 実施例1において、水平台として図4および図5に示す
ように、内部Aから吸引可能な装置を用い、吸引により
減圧して基材を台上に密着させたこと以外は同様の条件
により印刷用ブランケットを作製した。 実施例10 実施例1において、水平台の上にヒーターおよびファン
を取り付け、40℃の温風をシリコーンゴムの塗布面に
直接吹き付けて硬化させたこと以外は同様の条件により
印刷用ブランケットを作製した。このとき、6時間で硬
化が終了した。
【0028】実施例11 実施例1において、水平台の下にヒーターおよびファン
を取り付け、40℃の温風を水平台の下に吹き付けて加
熱し、塗布したシリコーンゴムを下から加熱硬化させた
こと以外は同様の条件により印刷用ブランケットを作製
した。このとき、8時間で硬化が終了した。 実施例12 実施例1において、水平台として図7に示す加圧装置を
用い、1.5kg/cm2に加圧して密着させたこと以
外は同様の条件により印刷用ブランケットを作製した。
【0029】実施例13 実施例1において、図9に示すように、水平台上にコー
ターを設置(固定)し、基材を片側から巻き取りなが
ら、液状シリコーンゴムを塗布したこと以外は同様の条
件により印刷用ブランケットを作製した。 [品質評価試験]上記の比較例および実施例で得た印刷
用ブランケットについて、厚みバラツキ、表面粗さ(R
z)、凹みの発生数およびエァーの発生枚数を、次の測
定法と品質基準で評価した。 ・厚みバラツキは0.02mm以下であれば良とする。 ・表面粗さ(JIS B 0601,Rz)は0.6μm
以下であれば良とする。 ・凹みの発生枚数は、20枚のブランケットを作製し、
そのなかで表面に凹みが発生した枚数を数えた。凹み発
生枚数が2枚までを限度とする。 ・エァー発生枚数は、20枚のブランケットを作製し、
そのなかでエァーが発生した枚数を数えた。エァー発生
枚数が2枚までを限度とする。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明の製造方法によると、液状のシリ
コーンゴムを基材上に塗布し、該塗布層面を水平に保持
してセルフレベリングさせた後、硬化させていることか
ら、表面平滑性および厚み均一性が極めて向上した表面
印刷層を有するオフセット印刷用ブランケットが得られ
る。かくして得られたオフセット印刷用ブランケット
は、従来のものより高精度の印刷が可能であり、このた
めにエレクトロニクス分野における電気配線パターン、
蛍光体パターン、プラズマディスプレイ、液晶表示装置
用カラーフィルターなどの微細な印刷に好適である。と
りわけ、近年の40〜50インチといった大型化プラズ
マディスプレイにおける印刷にも精度よく対応すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷用ブランケットの製造方法につい
てその一例を示す概念図である。
【図2】本発明に用いる基材についてその反りやうねり
の許容範囲を示す。
【図3】塗布層を有する基材を水平台に密着させる方法
の一例を示す。
【図4】塗布層を有する基材を水平台に密着させる方法
の一例を示す。
【図5】図4における水平台の上面図を示す。
【図6】図4における水平台において、吸引穴間に溝を
設けた例を示す。
【図7】塗布した基材を水平台に密着させる方法の一例
(加圧法)を示す。
【図8】水平台上で塗布する例を示す。
【図9】水平台上で塗布する別例を示す。
【図10】塗布・セルフレベリングしたシリコーンゴム
を加熱硬化させる方法の一例を示す。
【符号の説明】
1 基材 2 液状シリコーンゴム 3 コーター 4 シリコーンゴム塗布層 5 水平台
フロントページの続き (72)発明者 西林 純 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 2H114 CA04 CA10 DA62 EA04 EA08 FA01 FA06 GA01 GA12 GA34

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上にシリコーンゴムを有する表面印刷
    層を形成してなる印刷用ブランケットを製造するに際し
    て、液状のシリコーンゴムを基材上に塗布し、当該塗布
    層を水平に保持してセルフレベリングさせた後、硬化さ
    せて表面印刷層を形成させることを特徴とするオフセッ
    ト印刷用ブランケットの製造方法。
  2. 【請求項2】前記液状シリコーンゴムの粘度が600P
    a・s以下である請求項1記載のオフセット印刷用ブラ
    ンケットの製造方法。
  3. 【請求項3】前記シリコーンゴムのポットライフが25
    ℃において10分〜12時間である請求項1または2記
    載のオフセット印刷用ブランケットの製造方法。
  4. 【請求項4】前記液状シリコーンゴムの塗布厚みが0.
    1〜4mmである請求項1〜3のいずれかに記載のオフ
    セット印刷用ブランケットの製造方法。
  5. 【請求項5】前記の基材上に塗布された液状シリコーン
    ゴムを、水平度0.02mm/m2以内で保持し、セル
    フレベリングさせる請求項1〜4のいずれかに記載のオ
    フセット印刷用ブランケットの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法
    で製造され、厚みのバラツキが0.02mm以下であ
    り、かつ、表面粗さ(Rz)が0.3μm以下であるこ
    とを特徴とするオフセット印刷用ブランケット。
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