JP4403836B2 - ロール塗装方法および塗装装置 - Google Patents

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本発明は、塗装鋼板の製造などに使用されている2ロールまたは3ロール式のロール塗装方法およびロール塗装装置 (ロールコータ) に関し、特にローピングの発生と顔料筋を効果的に防止できるロール塗装方法および装置に関する。
典型的な2ロール式のロール塗装では、図2に示すように、塗料パン1内の塗料2と接触するピックアップロール3により塗料を持ち上げ、ピックアップロール3とアプリケータロール4との間の適度に調整された間隙により塗料膜2Aの厚みを調整する。膜厚を調整された塗料膜は、アプリケータロール4に転写され、さらにアプリケータロール4と接触するようにバックアップロール5にて搬送されている帯状被塗基材(例、鋼板)6に塗料膜が転写されて、基材 (以下、単に板ともいう) の塗装が行われる。
図示のロール塗装装置は、被塗物である板の通板方向(即ち、バックアップロール5の回転方向)に対して、塗料を供給するアプリケータロール4の回転方向が逆向きであるため、リバース方式と呼ばれる。これに対して、ピックアップロール3とアプリケータロール4を図2に示す方向とは逆回転させて、アプリケータロール4とバックアップロール5が同方向に回転するようにした、ナチュラル方式と呼ばれる塗装方法もある。リバース方式の方が、均一な塗布量を安定して得られ易く、厚膜塗装が可能であって、塗装仕上げもより良好であることから、塗装鋼板の製造ではリバース方式が主流となっている。
塗布量をより均一にするため、図3に示すように、ピックアップロール3に付着した塗料膜がアプリケータロール4に転写される前に、ミータリングロールと呼ばれる別のロール11にこの塗料膜を接触させて塗布量を制御する、3ロール式のロール塗装装置もある。当然ながら、2ロール式より機構が複雑になる。3ロール式にもリバース方式とナチュラル方式がある。
リバース方式を採用しても、アプリケータロールとピックアップロールとが離れる位置の圧力が急激に減少することで、アプリケータロールに転写された塗料膜表面に長手方向のリブ状筋目を生じ、これがそのまま板に転写されて、ローピングと呼ばれる塗装欠陥が発生する。このローピングは、2ロールのみならず、3ロールでのリバース方式のロール塗装でも発生する (例、下記特許文献2、3を参照) 。
このローピングの発生を防止する技術として、図4に示すように、アプリケータロール4の上に、治具10により支持された厚いガラス板9 (PTFE板等の弾性変形が小さい他の厚板でもよい) を配置し、このガラス板9の先端をアプリケータロール4の塗料膜に接触させることによりローピングを消失させる塗装方法が公知である(下記の非特許文献1を参照)。
しかし、このガラス板を利用する方法では、被塗物の板幅が大きくなると、アプリケータロールの軸方向の間隙調整が困難となり、塗料膜の膜厚が軸方向で不均一になる。また、アプリケータロールに偏心があると、長手方向にも膜厚の変化が発生する。さらに、アプリケータロールに接触するガラス板のエッジ部分の周方向の位置調整が困難であり、このエッジがガラス板の固定治具とは反対側に法線上を超えるとローピングが発生し、逆に固定治具側にずれるとアプリケータロールを疵つけ易くなる。従って、この方法は実用化が困難であり、特に塗装鋼板のような板幅の大きいロール塗装には向いていない。
その他のローピング防止技術として、特許文献1には、2ロールリバース方式のロール塗装において、ピックアップロールを塗料パンに接触させずに、ノズルからピックアップロールに塗料を供給する方法が提案されている。また、特許文献2には、3ロールリバース方式のロール塗装において、ピックアップロールと接触する前のアプリケータロールに塗料を供給することが提案されている。具体的には、アプリケータロールの下側にノズルを設け、そのノズルからアプリケータロールに塗料を吹付ける。アプリケータロールには、ピックアップロールからも塗料が供給される。
しかし、特許文献1、2に記載の方法では、塗料をノズルから吹付けるため、必然的に塗料ミストの飛散を伴い、塗料ミストの飛散がないというロール塗装の長所が失われる。そのため、ノズルの新設だけでなく、排気設備や塗料ミストの捕集設備など、大幅な塗装設備の改修が必要となる。特に、特許文献1に記載の方法は、ノズルから供給する塗料が多すぎると塗料が飛散して設備を汚染するが、それを防止するために塗料を少なくしすぎると塗装欠陥を生ずるので、塗料の供給量の制御が難しい。特許文献2に記載の方法では、塗料パンをアプリケータロールの下側にも達するように大きくする必要があるので、残塗料が多くなり、小ロット時の塗料原単位が低下し、製造コストが上昇する。また、塗料パンが大きくなるため、溶剤蒸発量が増大し、製造コストが上昇すると共に、気化した溶剤を処理するための設備を設置する必要が生ずる。
別の方法として、アプリケータロール上または板上の塗料膜に電磁力を付与したり、ピックアップロールまたはアプリケータロールをローピングピッチに適合した波長で加振することによりローピングを解消することも提案されている(特許文献3、4を参照) 。しかし、いずれの方法も、装置が複雑になって実施にコストがかかる上、電磁力や加振の条件を厳密に制御する必要があり、ロール偏心などで塗装条件に変動が見られると、効果が失われたり、かえってローピングが悪化する可能性もあり、効果の確実性も低い。
特開平7−323255号公報 特開平11−262710号公報 特開平9−299843号公報 特開平10−146562号公報 塗装工学, 1986, 21(8), p. 367
上述したように、2ロールおよび3ロールのいずれの方式でも、アプリケータロールとピックアップロールとが離れる位置の圧力の急激な減少に起因するローピングの防止に関して、低コストで容易に実施でき、効果が確実なロール塗装方法は未だになかった。本発明は、そのようなロール塗装方法および装置を提供することを課題とする。
本発明によれば、前述した非特許文献1に記載の従来技術で用いる厚いガラス板またはPTFE板といった剛体に代えて、可撓性で弾性変形の大きい樹脂フィルムを、アプリケータロール上の塗料膜との接触材料として使用することにより、上記課題が解決される。ガラス板等の剛体の板をロール表面の塗料膜と接触させる場合には、接触は両者の接点だけに限られ、接触長さを自由に延長することはできない。これに対し、本発明では、可撓性の樹脂フィルムを接触させるため、ロール上の塗料膜と接触した樹脂フィルムは、ロール形状に沿って撓むため、樹脂フィルムの長さを調節するだけでロール上の塗料膜との接触長さを調整できる。そして、この接触長さがある値以上になると、ローピングの発生が防止されることが判明した。
1側面において、本発明は、アプリケータロール上の塗料膜を帯状被塗基材に転写するロール塗装方法において、このアプリケータロール上の塗料膜を、帯状被塗基材への転写前に、周方向に少なくとも10 mm の長さにわたって可撓性の樹脂フィルムと接触させ、樹脂フィルムはアプリケータロールの円筒外形に沿うように弾性変形しつつ塗料膜に接触することを特徴とする、ロール塗装方法である。
別の側面からは、本発明は、アプリケータロール上の塗料膜を帯状被塗基材に転写するように構成されたロール塗装装置において、アプリケータロールの周囲に、アプリケータロールと周方向に少なくとも10 mm の長さにわたって接触するように配置された可撓性の樹脂フィルムを備え、樹脂フィルムはアプリケータロールの円筒外形に沿うように弾性変形しつつ塗料膜に接触することを特徴とする、ロール塗装装置 (ロールコータ) である。
本発明は、ロール塗装は2ロールまたは3ロールのリバース方式のロール塗装に有効であり、また樹脂フィルムの厚みは、20μm 以上、400 μm 以下とすることが有効である。好ましい樹脂フィルムはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンまたはポリプロピレンのフィルムである。樹脂フィルムは1枚でよいが、2枚以上の樹脂フィルムアプリケータロールの周方向の異なる位置で接触させてもよく、その場合は少なくとも1枚の樹脂フィルムとの周方向の接触長さが10 mm 以上であればよい。
本発明のロール塗装方法および装置は、既存の2ロール式または3ロール式のロール塗装装置において、アプリケータロールの上部に樹脂フィルムを支持する治具を取り付けるだけで、低コストで容易に実施することができるにもかかわらず、実施例に示すように、従来より問題となっていたローピングの発生を防止することができる。しかも、単に樹脂フィルムを接触させるだけであるので、アプリケータロールの偏心といった塗装条件の変動があっても、効果が確実に発揮される。
ローピングを抑制する技術として、ピックアップロールにミータリングロールを接触させる3ロール式のロール塗装があるが、ロール本数が増加することにより装置が複雑になる上、より厳密な調整が必要となり、塗装操作が煩雑となる。また、ローピングを実用上見えなくすることができた場合にも、顔料の塊 (凝集物) がミータリングロールとピックアップロールとの接触部の出側メニスカス部に捕集される結果、顔料の塊による筋引き (顔料筋) が発生することがある。それに対し、本発明のロール塗装方法および装置は、低コストで容易にローピングの発生を防止でき、3ロールとした場合にも顔料筋の発生が防止される。
本発明のロール塗装方法および装置は、アプリケータロール上の塗料膜を帯状の被塗基材と接触させて転写する任意のリバースロール塗装に適用することができる。ロール塗装は2ロール式と3ロール式のいずれでもよいが、好ましくは装置と操作がより簡単な2ロール式である。
塗布される帯状基材は、代表的には鋼板 (鋼帯) であるが、他の金属板や、木材、プラスチックといった他の材質のものであってもよい。基材は、片面塗装の場合には通常はバックアップロールにより搬送されるが、基材の両側に同じ塗装設備を対称的に配置して両面塗装を行う場合には、基材は一対のアプリケータロールの間で搬送され、バックアップロールは使用されない。
以下には、鋼板の片面を2ロールリバース方式でロール塗装する形態について、本発明を説明する。
図1に、本発明に係る2ロールリバース方式のロール塗装装置を示す。このロール塗装装置は、本発明の特徴である樹脂フィルム7を設置した点を除いて、図2に示した基本的な2ロール塗装装置と同じである。即ち、このロール塗装装置は、ピックアップロール3とアプリケータロール4とを備える。塗料パン1内の塗料2は、ピックアップロール3により持ち上げられ、アプリケータロール4との間隙により膜厚が調整された塗料膜2Aがアプリケータロールに転写された後、バックアップロール5により搬送されている鋼板6に転写されることにより、鋼板6に連続的に塗装が行われる。
樹脂フィルム7は、一端が治具8に固定され、他端は自由端となっている。樹脂フィルム7は、その自由端がアプリケータロール4に接触できる長さとする。樹脂フィルム7は、図示のように、アプリケータロール4の回転方向に対して、治具8で固定されている端部が後方側、自由端が前方側に位置する向きに配置する。
可撓性の樹脂フィルム7の自由端付近は、重力および塗料膜2Aとフィルム7との粘着力による回転方向への引っ張り力により弾性変形して、アプリケータロール4の円筒外形に沿うことができるため、樹脂フィルム7がアプリケータロール4またはこのロール4上のの塗料膜2Aと接触する時間は、樹脂フィルム7の長さにより調整することができる。本発明では、後述するように、この接触をロール周方向の接触長さが10 mm 以上となるようにすることで、ローピングの発生を防止することができる。
アプリケータロール4の回転につれて、塗料膜2Aと接触している樹脂フィルム7の自由端には、ロール回転方向前方へのせん断応力が加わる。樹脂フィルムの固定治具8は、このせん断応力に抗して樹脂フィルム7を保持することができればよく、その固定手段は特に問わない。接着等の化学的な固定と、クランプ等を利用した機械的な固定のいずれでもよい。樹脂フィルムを簡単に交換できる固定方式を採用することが好ましい。
樹脂フィルム7とアプリケータロール4上の塗料膜2Aとのロール周方向の接触長さは10 mm 以上とする。この接触長さが10 mm より小さいと、樹脂フィルムとの接触によるローピング発生の防止効果が不十分となり、塗装鋼板にローピングが残る。また、樹脂フィルムをアプリケータロールの形態に安定して沿わせることも困難となる。この接触長さの上限は、好ましくは300 mmとする。接触長さが300mm より長いと、ロール上の塗料膜とのせん断力が大きくなり、安定して樹脂フィルムを固定するための固定治具8が大きくなる。また、樹脂フィルム7が破れることがあり、しわもよりやすくなる。樹脂フィルムとアプリケータロール4上の塗料膜との接触長さは、より好ましくは30 mm 以上、200 mm以下であり、さらに好ましくは40 mm 以上、150 mm以下である。
樹脂フィルムは弾性が大きい。そのため、設置のずれやアプリケータロールの偏心があっても、樹脂フィルムの弾性がずれ吸収することができ、安定して確実にローピング発生を防止できる。即ち、樹脂フィルムの接触という単純な手法であるため、かえって、ローピング解消という効果が安定的に得られる。また、ガラス板のような剛体ではないため、アプリケータロールを傷つけることもない。
樹脂フィルムは、一般的な塗料希釈用シンナーで溶解、膨潤しないものを使用する。また、弾性の大きなフィルムが好ましい。安価な汎用樹脂の中では、例えば、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが適する。塩化ビニル樹脂は膨潤するので不適である。
樹脂フィルムの厚みは、その自由端が、しわを発生せずにアプリケータロールの外形に沿うことができるように選択する。一般に、そのための樹脂フィルムの厚みは、20μm 以上、400 μm 以下である。樹脂フィルムの好ましい厚みは、30μm 以上、200 μm 以下である。樹脂フィルムの厚みが20μm より薄いと、樹脂フィルム固定軸とアプリケータロールの軸が平行でない、あるいはアプリケータロールの軸方向の直径の不均一により、左右の張力が不均一になるといった事態が起きた場合に、しわが発生して、塗料膜の厚さが不均一になる。樹脂フィルムの厚みが400 μm より大きいと、樹脂フィルムの弾性力が小さくなりすぎ、アプリケータロール上の塗料膜との粘着力と樹脂フィルムの弾性力との差により、フィルムがロール形状に沿わず、ローピングが発生する。また、塗料をかき取る結果、コイルの長手方向に不均一な膜厚になることがある。
ローピング発生の防止には樹脂フィルムを1枚だけ使用すればよいが、樹脂フィルムとアプリケータロールとの間に気泡が巻き込まれた場合、アプリケータロールの周方向の異なる位置に2枚以上の樹脂フィルムを配置して塗料膜と接触させることにより、1枚目のフィルムの出側で破泡するため、2枚目以降のフィルムには気泡が巻き込まれにくくなり、破泡で生ずる気泡欠陥を回避しやすい。この場合、少なくとも1枚の樹脂フィルムのアプリケータロール上の塗料膜との接触長さは10 mm 以上であればよく、他の樹脂フィルムの接触長さは、より短くてもよい。しかし、より好ましくは、全ての樹脂フィルムの接触長さが10 mm 以上となるようにする。破泡を目的とする場合でも、樹脂フィルムの枚数は通常は2枚で十分である。
樹脂フィルムには、液状の塗料膜が接触するため、塗料を付着しにくくなる表面処理を施してもよい。樹脂フィルムが汚れると、塗装に転写されることがあるため、樹脂フィルムは定期的に新品と交換することが好ましい。
本発明のロール塗装方法および装置は、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、フッ素系等の塗装鋼板の製造に使用される各種の塗料を用いたロール塗装に適用することができる。特に、ローピングの目立ちやすいパール系やメタリック系塗料の塗装に好適である。
関西ペイント株式会社製のポリエステル系塗料DZ579 (色:シルバーメタリック)に、塗料用シンナーを加えて、フォードカップ4型粘度計で80秒の粘度になるように希釈して、ロール塗装試験に用いる塗料を調製した。
塗装装置として、アプリケータロール径300 mm、ピックアップロール径300 mmの2ロール式ロールコータを用い、リバース方式で鋼板のロール塗装試験を実施した。
塗装条件のうち、ロール回転比(ピックアップロール/アプリケータロール)=0.39/1.10と通板速度=60m/分は同一とした。アプリケータロールとピックアップロールのロールギャップは−0.4 mmまたは−0.8 mmに位置調整した。
樹脂フィルムとしては、厚みが12μm 、38μm もしくは125 μm 東レ株式会社製ポリエステルフィルム (登録商標ルミラー) 、または厚みが500 μm のポリエステルフィルムを使用した。これらのポリエステル樹脂フィルムの材質はいずれもポリエチレンテレフタレート(PET)であった。
アプリケータロールと同じ幅に切断した樹脂フィルムの一端を2枚の金属板により挟み込み、ロール架台に固定した。樹脂フィルムの長さは、アプリケータロールとの接触長さが5mm、10 mm 、40 mm 、90 mm 、150 mm、または250 mmとなるように変更した。樹脂フィルムの枚数は、0枚、1枚または2枚とした。2枚の場合、本例では、便宜上、2枚の樹脂フィルムの接触長さは同じとし、アプリケータロール上の周方向の異なる位置で接触するように配置した。この場合の接触位置は約20 mm 離れていた。
以上の条件が、実験室規模で2mの鋼板をロール塗装して得られた塗装鋼板と、製造ラインにて 500mの鋼板をロール塗装して得られた塗装鋼板の表面状態を目視観察して、ローピングと顔料筋の有無を判定し、次のように評価した結果を表1に示す。
○: 表面状態に全く問題なし
- :問題とならないわずかな表面疵が見られる
×: 問題となる表面疵が発生
Figure 0004403836
表1に示すように、樹脂フィルムを使用しない従来技術の場合、ローピング発生が見られたが、本発明に従って、接触長さが10 mm 以上となるように樹脂フィルムをアプリケータロール上の塗料膜と接触させることにより、ローピング発生を防止することができ、美麗な塗装表面を持つ塗装鋼板を製造することができた。しかし、樹脂フィルムの接触長さが5mmでは、ローピングが発生した。樹脂フィルムを2枚接触させた場合には、空気同伴が解消されたため、破泡による気泡欠陥も解消された。なお、樹脂フィルムの接触長さが250 mmの場合に見られたびびりとは、通常の2ロール塗装の場合には塗装表面外観に影響を及ぼさないレベルの微小振動であっても、本発明ではフィルムがアプリケータロール上の搬送中に塗料と接触するため、顔料の配向が変化し(部分的に整列または乱れる)、表面上に現れる模様を意味する(特にメタリック塗装で顕著)が、メタリック塗装以外の場合には実用上ほとんど問題にならない。
本発明に係るロール塗装装置の2ロール・リバース方式における1態様を模式的に示す説明図である。 従来の2ロール・リバース方式のロール塗装装置を模式的に示す説明図である。 従来の3ロール・リバース方式のロール塗装装置を模式的に示す説明図である。 ローピング解消のためにガラス板を配置した公知の2ロール・リバース方式のロール塗装装置を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1:塗料パン、2:塗料、2A:塗料膜、3:ピックアップロール、4:アプリケータロール、5:バックアップロール、6:鋼板(帯状被塗基材)、7:樹脂フィルム、8:フィルム固定治具、9:ガラス板、10:ガラス板固定治具

Claims (6)

  1. アプリケータロール上の塗料膜を帯状被塗基材に転写するリバース方式のロール塗装方法において、このアプリケータロール上の塗料膜を、帯状被塗基材への転写前に、周方向に少なくとも10 mm の長さにわたって、厚み20μm以上、400 μm以下の可撓性の樹脂フィルムと接触させ、前記樹脂フィルムはアプリケータロールの円筒外形に沿うように弾性変形しつつ塗料膜に接触することを特徴とする、ロール塗装方法。
  2. 樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンまたはポリプロピレンのフィルムである、請求項1に記載のロール塗装方法。
  3. 前記塗料膜を、アプリケータロールの周方向の異なる位置で、2枚以上の前記樹脂フィルムと接触させ、その少なくとも1枚の樹脂フィルムとの周方向の接触長さが10 mm 以上である、請求項1または2に記載のロール塗装方法。
  4. アプリケータロール上の塗料膜を帯状被塗基材に転写するように構成されたリバース方式のロール塗装装置において、アプリケータロールの周囲に、アプリケータロールと周方向に少なくとも10 mm の長さにわたって接触するように、厚み20μm以上、400 μm以下の樹脂フィルムが配置され、前記樹脂フィルムはアプリケータロールの円筒外形に沿うように弾性変形しつつ塗料膜に接触することを特徴とする、ロール塗装装置。
  5. 樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンまたはポリプロピレンのフィルムである、請求項4に記載のロール塗装装置。
  6. 2枚以上の前記樹脂フィルムがアプリケータロールとその周方向の異なる位置で接触するように配置されていて、その少なくとも1枚の樹脂フィルムの塗料膜との周方向の接触長さが10 mm 以上である、請求項4または5に記載のロール塗装装置。
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