JP2007294598A - フレキシブルプリント基板の被膜形成方法とその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板の面に被膜液を塗布し被膜形成するフレキシブルプリント基板の被膜形成の技術において、操作性、メンテナンス性を向上させたフレキシブルプリント基板の被膜形成方法とその装置の提供。
【解決手段】フレキシブルプリント基板7を一定の張力で巻き出しロール6から巻き出して送り出し、被膜の成分を含有した被膜液に浸漬し塗布し、乾燥させ、被膜を形成してフレキシブルプリント基板7を帯状にし巻き取りロール22で巻き取る。この被膜形成の課程でフレキシブルプリント基板7の両方の面だけでなく、一方の面(片面)のみに被膜を形成したり、また両側面の被膜液を除去するようにしている。さらに洗浄装置37を設け、浸漬ローラ31などのメンテナンスを容易にしている。
【選択図】 図5
【解決手段】フレキシブルプリント基板7を一定の張力で巻き出しロール6から巻き出して送り出し、被膜の成分を含有した被膜液に浸漬し塗布し、乾燥させ、被膜を形成してフレキシブルプリント基板7を帯状にし巻き取りロール22で巻き取る。この被膜形成の課程でフレキシブルプリント基板7の両方の面だけでなく、一方の面(片面)のみに被膜を形成したり、また両側面の被膜液を除去するようにしている。さらに洗浄装置37を設け、浸漬ローラ31などのメンテナンスを容易にしている。
【選択図】 図5
Description
本発明は、フレキシブルプリント基板の被膜形成方法とその装置に関する。更に詳しくは、長尺(帯状)のフレキシブルプリント基板に、被膜液を塗布し被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成方法とその装置において、操作性、メンテナンス性の向上を図ったフレキシブルプリント基板の被膜形成方法とその装置に関する。
プリント基板の製造工程には、その表面に電子回路用の配線を施すとき、感光レジスト液等の液体を塗布して薄膜を形成する工程がある。このプリント基板の製造は大量に製造する必要性から生産効率を向上させコストダウンを図ることが求められている。同時にIC等の電子部品の実装には高密度で高品質になることが求められている。
従来このフレキシブルプリント基板は、適宜の寸法に切断され短尺のシート基板に対し個々に各種の処理が施されていた。即ち、この基板は金属箔を貼った積層板として回路形成が行われるが、短尺、長尺如何にかかわらず処理がなされている。その形成方法は、例えば、基板にドライフィルム処理(DRP)を行い、その後露光、現像処理を行ない、基板にレジスト層を形成し(DIP)、エッチング処理をしてからレジストの除去処理を施し基板の回路を形成するものである。
近年に至って、長尺形式で長手方向に基板を搬送させ、連続的に回路基板の被膜を形成することも行なわれている。すなわち、レジスト膜の形成を連続、高速、かつ高品質で行えるフレキシブルプリント基板の被膜形成方法を、本出願人は提案している(例えば、特許文献1参照)。又、ディップ槽から出たウェブの片面側において、第1塗工液を掻取ローラで掻取りこの第1塗工液の上に所望の膜厚の第2塗工液を塗布する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。さらに、基板の縁部に塗布された被膜液を掻き取りローラで掻き取る技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2005−347298号公報
特開2002−18341号公報
実公平07−30131号公報
前述の特許文献1で、本出願人は被膜形成のための基本構成を提案している。しかしながら、まだ少し改良の余地があるものであった。例えば、従来のフレキシブルプリント基板の被膜形成装置では、フレキシブルプリント基板の両面に被膜形成を行うには好適であるが、片面(一方の面)のみに被膜形成を行うことが困難であるという問題点があった。また、同一の被膜形成装置でフレキシブルプリント基板の両面、片面に被膜形成ができる装置の開発が要望されていた。さらに、DIPローラ(浸漬ローラ)の洗浄を自動的に行えメンテナンスを容易にすること、連続した長尺のフレキシブルプリント基板だけでなく、シート状のフレキシブルプリント基板を接合して帯状にしたフレキシブルプリント基板の被膜形成などを行えるようすることなどの操作性、メンテナンス性において改良の要望があった。特許文献2、3は、このような問題点を解決したり、改良の要望に答えたりするものでなかった。
本発明はこれらの技術的背景のもとで従来の技術を改良発展させその課題を解決するものであり、次の目的を達成する。
本発明の目的は、フレキシブルプリント基板の両面または片面(一方の面)に被膜を形成できるようにして操作性を向上させたフレキシブルプリント基板の被膜形成方法とその装置の提供にある。
本発明の他の目的は、フレキシブルプリント基板に被膜を形成した後、浸漬ローラの自動洗浄を可能にしてメンテナンス性を向上させたフレキシブルプリント基板の被膜形成方法とその装置の提供にある。
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1のフレキシブルプリント基板の被膜形成方法は、
ロールに巻かれたフレキシブルプリント基板の面に被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成方法であって、前記ロールに巻かれた前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で送り出す送り出し工程と、送り出された前記フレキシブルプリント基板を、浸漬槽内に貯留された前記被膜の成分を含有した被膜液に浸漬させて、前記フレキシブルプリント基板の両方の前記面に前記被膜液を塗布する塗布工程と、前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板に熱風を吹きかけて前記被膜液を乾燥させて前記被膜を形成するための乾燥工程と、前記被膜が形成された前記フレキシブルプリント基板を一定の張力でロールに巻き取る巻き取り工程とを有し、前記塗布工程は、前記浸漬槽に対して昇降可能であるとともに前記フレキシブルプリント基板の一方の前記面に当接可能に設けられた掻き取りローラが、前記浸漬槽の被膜液面より上方に位置することにより、前記フレキシブルプリント基板の一方の前記面の被膜液を掻き取る掻き取り工程を含んだ工程であることを特徴とする。
本発明1のフレキシブルプリント基板の被膜形成方法は、
ロールに巻かれたフレキシブルプリント基板の面に被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成方法であって、前記ロールに巻かれた前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で送り出す送り出し工程と、送り出された前記フレキシブルプリント基板を、浸漬槽内に貯留された前記被膜の成分を含有した被膜液に浸漬させて、前記フレキシブルプリント基板の両方の前記面に前記被膜液を塗布する塗布工程と、前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板に熱風を吹きかけて前記被膜液を乾燥させて前記被膜を形成するための乾燥工程と、前記被膜が形成された前記フレキシブルプリント基板を一定の張力でロールに巻き取る巻き取り工程とを有し、前記塗布工程は、前記浸漬槽に対して昇降可能であるとともに前記フレキシブルプリント基板の一方の前記面に当接可能に設けられた掻き取りローラが、前記浸漬槽の被膜液面より上方に位置することにより、前記フレキシブルプリント基板の一方の前記面の被膜液を掻き取る掻き取り工程を含んだ工程であることを特徴とする。
本発明2のフレキシブルプリント基板の被膜形成方法は、
ロールに巻かれたフレキシブルプリント基板の面に被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成方法であって、
前記ロールに巻かれた前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で送り出す送り出し工程と、送り出された前記フレキシブルプリント基板を、浸漬槽内に貯留された前記被膜の成分を含有した被膜液に浸漬させて、前記フレキシブルプリント基板の両方の前記面に前記被膜液を塗布する塗布工程と、前記浸漬槽で前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板の前記面と直交する両側面に付着した前記被膜液を掻き落とし除去する側面被膜液除去工程と、前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板に熱風を吹きかけて前記被膜液を乾燥させて前記被膜を形成するための乾燥工程と、前記被膜が形成された前記フレキシブルプリント基板を一定の張力でロールに巻き取る巻き取り工程とからなる。
ロールに巻かれたフレキシブルプリント基板の面に被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成方法であって、
前記ロールに巻かれた前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で送り出す送り出し工程と、送り出された前記フレキシブルプリント基板を、浸漬槽内に貯留された前記被膜の成分を含有した被膜液に浸漬させて、前記フレキシブルプリント基板の両方の前記面に前記被膜液を塗布する塗布工程と、前記浸漬槽で前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板の前記面と直交する両側面に付着した前記被膜液を掻き落とし除去する側面被膜液除去工程と、前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板に熱風を吹きかけて前記被膜液を乾燥させて前記被膜を形成するための乾燥工程と、前記被膜が形成された前記フレキシブルプリント基板を一定の張力でロールに巻き取る巻き取り工程とからなる。
本発明3のフレキシブルプリント基板の被膜形成方法は、
ロールに巻かれたフレキシブルプリント基板の面に被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成方法であって、前記ロールに巻かれた前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で送り出す送り出し工程と、送り出された前記フレキシブルプリント基板を、浸漬槽内に貯留させた前記被膜の成分を含有した被膜液に浸漬されて前記フレキシブルプリント基板の両方の前記面に前記被膜液を塗布する塗布工程と、前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板に、熱風を吹きかけて前記被膜液を乾燥させて前記被膜を形成するための乾燥工程と、前記被膜が形成された前記フレキシブルプリント基板を一定の張力でロールに巻き取る巻き取り工程と、前記フレキシブルプリント基板に前記被膜を形成する作業を終了後、前記フレキシブルプリント基板に前記被膜液を塗布するとき、前記浸漬槽内で前記フレキシブルプリント基板を案内する浸漬ローラを前記浸漬槽の被膜液面より上方に移動させ、前記浸漬ローラの上方に設けられたノズルを介して前記浸漬ローラの洗浄を行う洗浄工程とからなる。
ロールに巻かれたフレキシブルプリント基板の面に被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成方法であって、前記ロールに巻かれた前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で送り出す送り出し工程と、送り出された前記フレキシブルプリント基板を、浸漬槽内に貯留させた前記被膜の成分を含有した被膜液に浸漬されて前記フレキシブルプリント基板の両方の前記面に前記被膜液を塗布する塗布工程と、前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板に、熱風を吹きかけて前記被膜液を乾燥させて前記被膜を形成するための乾燥工程と、前記被膜が形成された前記フレキシブルプリント基板を一定の張力でロールに巻き取る巻き取り工程と、前記フレキシブルプリント基板に前記被膜を形成する作業を終了後、前記フレキシブルプリント基板に前記被膜液を塗布するとき、前記浸漬槽内で前記フレキシブルプリント基板を案内する浸漬ローラを前記浸漬槽の被膜液面より上方に移動させ、前記浸漬ローラの上方に設けられたノズルを介して前記浸漬ローラの洗浄を行う洗浄工程とからなる。
本発明4のフレキシブルプリント基板の被膜形成方法は、本発明1から3において、
前記フレキシブルプリント基板は、連続した長尺のフレキシブルプリント基板または複数のシート状のフレキシブルプリント基板を接合材により帯状に接合されたフレキシブルプリント基板であることを特徴とする。
前記フレキシブルプリント基板は、連続した長尺のフレキシブルプリント基板または複数のシート状のフレキシブルプリント基板を接合材により帯状に接合されたフレキシブルプリント基板であることを特徴とする。
本発明5のフレキシブルプリント基板の被膜形成方法は、本発明1から3において、
前記フレキシブルプリント基板は、複数の穴があけられたフレキシブルプリント基板であり、前記浸漬槽に貯留された前記被膜液に前記フレキシブル基板が浸漬するとき、前記浸漬槽の被膜液面に対して所定の角度を有する方向から進入させ、前記穴内の空気を逃がすことが可能になるようにしたことを特徴とする。
前記フレキシブルプリント基板は、複数の穴があけられたフレキシブルプリント基板であり、前記浸漬槽に貯留された前記被膜液に前記フレキシブル基板が浸漬するとき、前記浸漬槽の被膜液面に対して所定の角度を有する方向から進入させ、前記穴内の空気を逃がすことが可能になるようにしたことを特徴とする。
本発明6のフレキシブルプリント基板の被膜形成装置は、
巻き出しロールに巻かれたフレキシブルプリント基板の面に被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成装置であって、前記巻き出しロールに巻かれた前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で送り出すための送り出し手段と、送り出された前記フレキシブルプリント基板を、浸漬槽内に貯留された前記被膜の成分を含有した被膜液に浸漬させて前記フレキシブルプリント基板の両方の前記面に前記被膜液を塗布する塗布手段と、この塗布手段の引き出し側近傍に、前記浸漬槽に対して昇降可能に設けられ、前記フレキシブルプリント基板の一方の前記面に当接して前記被膜液を掻き取る被膜掻き取り手段と、前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板に熱風を吹きかけて前記被膜液を乾燥させる乾燥手段と、前記乾燥により被膜が形成された前記フレキシブルプリント基板を、一定の張力で巻き取りロールに巻き取るための巻き取り手段とからなり、フレキシブルプリント基板の両方の前記面又は他方の前記面に被膜形成ができるようにしたことを特徴とする。
巻き出しロールに巻かれたフレキシブルプリント基板の面に被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成装置であって、前記巻き出しロールに巻かれた前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で送り出すための送り出し手段と、送り出された前記フレキシブルプリント基板を、浸漬槽内に貯留された前記被膜の成分を含有した被膜液に浸漬させて前記フレキシブルプリント基板の両方の前記面に前記被膜液を塗布する塗布手段と、この塗布手段の引き出し側近傍に、前記浸漬槽に対して昇降可能に設けられ、前記フレキシブルプリント基板の一方の前記面に当接して前記被膜液を掻き取る被膜掻き取り手段と、前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板に熱風を吹きかけて前記被膜液を乾燥させる乾燥手段と、前記乾燥により被膜が形成された前記フレキシブルプリント基板を、一定の張力で巻き取りロールに巻き取るための巻き取り手段とからなり、フレキシブルプリント基板の両方の前記面又は他方の前記面に被膜形成ができるようにしたことを特徴とする。
本発明7のフレキシブルプリント基板の被膜形成装置は、本発明6において、
前記被膜掻き取り手段は、前記浸漬槽の被膜液面より上方に位置したとき前記他方の前記面に被膜形成をし、前記被膜液中に位置したとき前記両方の前記面に被膜を形成するものであることを特徴とする。
前記被膜掻き取り手段は、前記浸漬槽の被膜液面より上方に位置したとき前記他方の前記面に被膜形成をし、前記被膜液中に位置したとき前記両方の前記面に被膜を形成するものであることを特徴とする。
本発明8のフレキシブルプリント基板の被膜形成装置は、
巻き出しロールに巻かれたフレキシブルプリント基板の面に被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成装置であって、
前記巻き出しロールに巻かれた前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で送り出すための送り出し手段と、送り出された前記フレキシブルプリント基板を、浸漬槽内に貯留された前記被膜の成分を含有した被膜液に浸漬させて前記フレキシブルプリント基板の両方の前記面に前記被膜液を塗布する塗布手段と、前記浸漬槽の前記フレキシブルプリント基板の引き出し側に設けられ、前記フレキシブルプリント基板の前記面と直交する両側面に付着した前記被膜液を掻き落とし除去する側面被膜液除去部材と、前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板に熱風を吹きかけて前記被膜液を乾燥させる乾燥手段と、前記乾燥により被膜が形成された前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で巻き取りロールに巻き取るための巻き取り手段とからなる。
巻き出しロールに巻かれたフレキシブルプリント基板の面に被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成装置であって、
前記巻き出しロールに巻かれた前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で送り出すための送り出し手段と、送り出された前記フレキシブルプリント基板を、浸漬槽内に貯留された前記被膜の成分を含有した被膜液に浸漬させて前記フレキシブルプリント基板の両方の前記面に前記被膜液を塗布する塗布手段と、前記浸漬槽の前記フレキシブルプリント基板の引き出し側に設けられ、前記フレキシブルプリント基板の前記面と直交する両側面に付着した前記被膜液を掻き落とし除去する側面被膜液除去部材と、前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板に熱風を吹きかけて前記被膜液を乾燥させる乾燥手段と、前記乾燥により被膜が形成された前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で巻き取りロールに巻き取るための巻き取り手段とからなる。
本発明9のフレキシブルプリント基板の被膜形成装置は、
巻き出しロールに巻かれたフレキシブルプリント基板の面に被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成装置であって、前記巻き出しロールに巻かれた前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で送り出すための送り出し手段と、送り出された前記フレキシブルプリント基板を、浸漬槽内に貯留された前記被膜の成分を含有した被膜液に浸漬させて前記フレキシブルプリント基板の両方の前記面に前記被膜液を塗布する塗布手段と、前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板に熱風を吹きかけて前記被膜液を乾燥させる乾燥手段と、前記乾燥により被膜が形成された前記フレキシブルプリント基板を、一定の張力で巻き取りロールに巻き取るための巻き取り手段と、前記フレキシブルプリント基板に前記被膜を形成する作業を終了後、前記フレキシブルプリント基板に前記被膜液を塗布するとき、前記浸漬槽内で前記フレキシブルプリント基板を案内する浸漬ローラを前記浸漬槽の被膜液面より上方に移動させ、前記浸漬ローラの上方に設けられたノズルを介して前記浸漬ローラの洗浄を行う洗浄手段とからなる。
巻き出しロールに巻かれたフレキシブルプリント基板の面に被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成装置であって、前記巻き出しロールに巻かれた前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で送り出すための送り出し手段と、送り出された前記フレキシブルプリント基板を、浸漬槽内に貯留された前記被膜の成分を含有した被膜液に浸漬させて前記フレキシブルプリント基板の両方の前記面に前記被膜液を塗布する塗布手段と、前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板に熱風を吹きかけて前記被膜液を乾燥させる乾燥手段と、前記乾燥により被膜が形成された前記フレキシブルプリント基板を、一定の張力で巻き取りロールに巻き取るための巻き取り手段と、前記フレキシブルプリント基板に前記被膜を形成する作業を終了後、前記フレキシブルプリント基板に前記被膜液を塗布するとき、前記浸漬槽内で前記フレキシブルプリント基板を案内する浸漬ローラを前記浸漬槽の被膜液面より上方に移動させ、前記浸漬ローラの上方に設けられたノズルを介して前記浸漬ローラの洗浄を行う洗浄手段とからなる。
本発明10のフレキシブルプリント基板の被膜形成装置は、本発明9において、
前記浸漬槽の開口部には、開閉動作可能な移動蓋が設けられ、前記洗浄時には、浸漬槽の開口部を閉状態とするとともに、洗浄後の廃液回収を前記移動蓋を介して行えるようにしたことを特徴とする。
前記浸漬槽の開口部には、開閉動作可能な移動蓋が設けられ、前記洗浄時には、浸漬槽の開口部を閉状態とするとともに、洗浄後の廃液回収を前記移動蓋を介して行えるようにしたことを特徴とする。
本発明11のフレキシブルプリント基板の被膜形成装置は、本発明6から10において、
前記フレキシブルプリント基板は、連続した長尺のフレキシブルプリント基板または複数のシート状のフレキシブルプリント基板を接合材により帯状に接合されたフレキシブルプリント基板であることを特徴とする。
前記フレキシブルプリント基板は、連続した長尺のフレキシブルプリント基板または複数のシート状のフレキシブルプリント基板を接合材により帯状に接合されたフレキシブルプリント基板であることを特徴とする。
本発明12のフレキシブルプリント基板の被膜形成装置は、本発明6から10において、
前記フレキシブルプリント基板は、複数の穴のあけられたフレキシブルプリント基板であり、前記浸漬槽に貯留された前記被膜液に前記フレキシブル基板が浸漬するとき、前記浸漬槽の被膜液面に対して所定の角度を有する方向から進入させ、前記穴内の空気を逃がすことが可能になるようにしたことを特徴とする。
前記フレキシブルプリント基板は、複数の穴のあけられたフレキシブルプリント基板であり、前記浸漬槽に貯留された前記被膜液に前記フレキシブル基板が浸漬するとき、前記浸漬槽の被膜液面に対して所定の角度を有する方向から進入させ、前記穴内の空気を逃がすことが可能になるようにしたことを特徴とする。
上述したように、本発明によれば、フレキシブルプリント基板に被膜を両方の面に形成するだけでなく、一方の面(片面)に形成できるようになり操作性が向上した。また、両方の面への被膜形成と、一方の面への被膜形成とは、被膜掻き取り手段を、前記浸漬槽の被膜液面より上方、または、前記被膜液中に位置させることで切り替えが可能であり操作が容易である。
さらに、塗布に際しては、フレキシブルプリント基板の揺れを防止し、シート状のフレキシブルプリント基板を接合したフレキシブルプリント基板にも被膜液を塗布できるようにした。
さらに、塗布に際しては、フレキシブルプリント基板の揺れを防止し、シート状のフレキシブルプリント基板を接合したフレキシブルプリント基板にも被膜液を塗布できるようにした。
また、側面被膜液除去部材を設けたことにより、フレキシブルプリント基板の側面に付着した被膜液を除去することができた。このことにより、後処理の露光工程などで、側面の被膜が削られて異物となり、後工程処理に支障が生じるおそれがなくなった。
さらに、被膜形成作業終了後においては、浸漬ローラとその周辺を自動的に洗浄できる洗浄装置を設けたことで、メンテナンス性が向上した。さらに、洗浄時には、浸漬槽を移動蓋で閉状態にすることで、洗浄後の廃液が浸漬槽に混入することがなく、廃液処理が容易である。
さらに、被膜形成作業終了後においては、浸漬ローラとその周辺を自動的に洗浄できる洗浄装置を設けたことで、メンテナンス性が向上した。さらに、洗浄時には、浸漬槽を移動蓋で閉状態にすることで、洗浄後の廃液が浸漬槽に混入することがなく、廃液処理が容易である。
本発明の実施の形態を図1から図9の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明を適用するフレキシブルプリント基板の被膜形成装置1を示す正面図である。本発明の理解を容易にするため、従来の構成を含め、フレキシブルプリント基板の被膜形成装置1に関する全体構成の概要について説明する。
機台2には、巻き出しユニット3が搭載されている。巻き出しユニット3は、巻き出しロール6に巻かれた帯状の長く薄いフィルム状のフレキシブルプリント基板7を、一定の張力及び速度で送るための機械ユニットである。
機台2には、巻き出しユニット3が搭載されている。巻き出しユニット3は、巻き出しロール6に巻かれた帯状の長く薄いフィルム状のフレキシブルプリント基板7を、一定の張力及び速度で送るための機械ユニットである。
巻き出しユニット3は、送りユニット4、及び張力調節ユニット5からなる。巻き出しユニット3は、フレキシブルプリント基板7が積層して巻かれた巻き出しロール6からフレキシブルプリント基板7を一定速度で巻き出して送り出すためのユニット化された機械である。本実施の形態で使用できるフレキシブルプリント基板7は、周知のエポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂製のように柔軟性のあるフィルム状の人工高分子材料であることが好ましい。送りユニット4からフレキシブルプリント基板7は補助ローラを介して張力調節ユニット5に送られる。
張力調節ユニット5は、巻き出しロール6から巻き出されたフレキシブルプリント基板7の張力を調節して一定にするためのユニットである。巻き出しユニット3の横には、次工程を担う塗布ユニット9が機台8上に配置され搭載されている。塗布ユニット9は、張力調節ユニット5から巻き出されたフレキシブルプリント基板7に被膜液であるレジスト液を浸漬して塗布するための機械ユニットである。塗布ユニット9は、浸漬ユニット10、及び予備乾燥ユニット11からなる。浸漬ユニット10は、張力調節ユニット5から送られてくるフレキシブルプリント基板7をレジスト液(被膜液)に連続的に浸漬して塗布するためのユニットである。
浸漬ユニット10でレジスト液が塗布されたフレキシブルプリント基板7は、予備乾燥ユニット11に送られる。予備乾燥ユニット11は、60〜90℃の熱風をフレキシブルプリント基板7の表面に塗布されたレジスト液に吹きかけて、乾燥させるためのユニットである。この予備乾燥ユニット11による乾燥は、次工程にフレキシブルプリント基板7を送るとき、この表面(フレキシブルプリント基板7の面)に塗布されたレジスト液が送りロールの摩擦力で剥離されない程度の予備的な乾燥であり、硬化のための本乾燥ではない。
予備乾燥されたフレキシブルプリント基板7は、機台12上の乾燥・冷却ユニット13に送られる。乾燥・冷却ユニット13は、予備乾燥されたフレキシブルプリント基板7に塗布されたレジスト液に熱風をかけて前記レジスト液を本乾燥するためのユニットである。乾燥・冷却ユニット13は、乾燥ユニット14、及び冷却ユニット15からなる。乾燥ユニット14は、予備乾燥されたフレキシブルプリント基板7に塗布され半硬化したレジスト液を、本実施の形態では60〜90℃の熱風を約8分間吹きかけて硬化させるユニットである。
冷却ユニット15は、フレキシブルプリント基板7に塗布・乾燥され硬化したレジスト膜を室温まで冷却するためのものである。この冷却は、後工程でフレキシブルプリント基板7を巻き取って巻き取りロール22に積層したとき、残存しているレジスト液の溶剤成分により、フレキシブルプリント基板7が互いに付着する現象を防ぐための工程である。レジスト膜が形成され冷却ユニット15から出たフレキシブルプリント基板7は、機台16上の巻き取りユニット17に送られる。
巻き取りユニット17は、フレキシブルプリント基板7を一定の張力で巻き取るための機械ユニットである。巻き取りユニット17は、張力調節ユニット18、及び回収ユニット19からなる。張力調節ユニット18は、冷却ユニット15から送り出されたフレキシブルプリント基板7の張力を調節して一定にするためのユニットである。回収ユニット19は、張力調節ユニット18から送られ、表面にレジスト膜が形成されたフレキシブルプリント基板7を巻き取りロール22に積層して巻き取るための機械ユニットである。
これらのユニットの横には、これらの各ユニットを制御するための制御装置が搭載された制御盤20が配置されている。制御盤20の背面側には、乾燥ヒーターボックスユニット21が配置されている。乾燥ヒーターボックスユニット21は、前述した予備乾燥ユニット11、及び乾燥ユニット14に乾燥のための熱風をパイプを介して送るためのユニットである。これらのユニット以外にも、浸漬ユニット10で使用するレジスト液の濃度を一定にするための濃度管理装置(図示せず)、レジスト液の温度を一定にするための冷却機(図示せず)等が配置されている。
以上、説明したように、本装置は、フレキシブルプリント基板7を送り出してから被膜液を塗布し、乾燥させ、巻き取って保持するまでの装置である。このフレキシブルプリント基板7に対しては、その後、メッキ工程、露光・現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の工程を経た後、長尺の帯状のフレキシブルプリント基板7は切断され、回路の形成された個々のシート状のフレキシブルプリント基板となる。以上のようにフレキシブルプリント基板の被膜形成装置の概要を説明したが、本発明は特に塗布ユニット9、浸漬ユニット10に関する。
図2は、塗布ユニット9、浸漬ユニット10に関する構成を部分的に示した構成図である。次に本発明の実施の形態を塗布ユニット9、浸漬ユニット10の基本構成を加味して詳細に説明する。他のユニットについては特許文献1に示されたユニットと同様であるので、詳細説明は省略する。塗布ユニット9は、フレキシブルプリント基板7にレジスト液を塗布するためのユニットである。図示はしていないが、この塗布ユニット9には、フレキシブルプリント基板7が通るためのスリットが設けられている。
このスリットには、フレキシブルプリント基板7の一方(例えば表側)、他方(例えば裏側)の面にその先端が接するように、除電ブラシが配置されている。この除電ブラシは、フレキシブルプリント基板7の一方、他方の面にその先端が接する線材の導電材からなるものである。除電ブラシは、フレキシブルプリント基板7の静電気を除去するものである。レジスト液に含まれる溶剤が静電気による火花で引火して燃焼して火災や爆発などを防止するためである。
このために、塗布ユニット9内の空気は十分な排気を伴なったものであることも重要である。この安全対策として溶剤濃度を監視するガス検知器を使用している。このために、ガス濃度が危険濃度レベルに達すると警報がでる。更に、静電気防止、及び腐食対策のためにレジスト液の配管系は、全てステンレス製の管、若しくはステンレス製のフレキシブルホースを使用している。
次に浸漬ユニット10関係について説明すると、この浸漬ユニット10にはアーム30が上下移動可能に設けられていて、このアーム30の先端には、レジスト液に浸漬されフレキシブルプリント基板7をガイドするDIPローラ(浸漬ローラ)31が回転自在に支持されている。又、フレキシブルプリント基板7は、巻き出しロール6から巻き出されてDIPローラ31に巻きかけられる前に、中間位置でフレキシブルプリント基板7を受け固定位置でガイドする補助ローラ31aを経由している。このアーム30はエアシリンダ30aの駆動で上下移動動作する。従って、DIPローラ31も上下移動する。DIPローラ31は下方向に移動したとき、箱状で上部に開口部を有するDIPタンク(浸漬槽)内32に装入されレジスト液に浸漬する。
フレキシブルプリント基板7に塗布を行うときには、このアーム30を下降させ図のA位置にDIPローラ31をレジスト液中に浸漬させた状態で、フレキシブルプリント基板7を巻きかけ、送り出すことにより、塗布を行う。このときの送り速度は、塗布された被膜液の膜厚が一定になるように、フレキシブルプリント基板7の構成に合わせ、一定の速度に設定されている。DIPタンク32内の下部には、複数の穴の設けられた噴出口のある噴出箱32aが設置されている。
この噴出口からポンプを介してレジスト液が噴出し、液面全体を持ち上げるようにして波立つことなくレジスト液をDIPタンク32内に拡散するようにしている。噴出口の直径の大きさは1〜5mm程度である。このレジスト液はポンプを介して加圧され常時DIPタンク内32をごみが除去された状態で拡散しながら循環している。DIPタンク32の上部には、スライド式で移動可能な移動蓋33が設けられている。
この移動蓋33はDIPタンク32上に固定されたレール上をベアリングの支持で移動自在になっている。移動蓋33の上面は箱形状に縁部が設けられている。この移動蓋33の開閉動作はセンサーにより確認していて、例えば、移動蓋33が閉まっているときに誤ってDIPローラ31が下降し移動蓋33と干渉しないように、インターロックを取っているとよい。
本実施の形態のフレキシブルプリント基板7は、図3、図4に示すようにシート状の基板7aを接合材7bで接合した長尺の帯状のフレキシブルプリント基板7である。このフレキシブルプリント基板7は、帯状でフィルム形状をなしているが、接合材7b部分が部分的に盛り上がった形状のものである。接合部分は段差の小さいのが望まれ、接合材7bは例えば100μm以下の薄いものとなっている。又、接合材7bの材質はシート基板7aの材質と同じもの、あるいは類似したものがよい。なお、フレキシブルプリント基板は、従来より使用されている連続した長尺のフレキシブルプリント基板であってもよい。
このフレキシブルプリント基板7は、図5、図6に示すように、アーム30に支持されたDIPローラ31に巻きかけられ、DIPタンク内32のレジスト液に浸漬されている。又、アーム30には、塗布されたフレキシブルプリント基板7の一方の面(片面)のレジスト液を掻き取るための掻き取りローラ(被膜掻き取り手段)34をDIPローラ31の上部に設けている。通常フレキシブルプリント基板7の塗布は両方の面(両面)に同時に施されるが、場合によっては一方の面の被膜が不要な場合がある。
この掻き取りローラ34は、これに対処し一方の面のレジスト液を掻き取るものである。一方の面の被膜が不要な場合は図5に示すように、掻き取りローラ34をレジスト液面32bから離間して上部に待機させ、フレキシブルプリント基板7の一方の面に接触させている。フレキシブルプリント基板7は、DIPタンク32内に浸漬されたDIPローラ31を介して塗布され、上方にもたらされ、レジスト液面32bから離れて送られ、上部に配置されている掻き取りローラ34に接触する。
掻き取りローラ34が図5のようにレジスト液面32bより離間した位置に配置された場合には、フレキシブルプリント基板7が掻き取りローラ34に接触することにより、両方の面に塗布されたレジスト液のうち、一方の面のレジスト液をこの掻き取りローラ34の接触でよって掻き取る。すなわち、他方の面のみにレジスト液が塗布されたことになる。掻き取られたレジスト液は落下しDIPタンク32内に回収される。両方の面に塗付されているときのレジスト液の厚さは例えば4〜20μmであるが、この掻き取りローラ34の接触を通して掻き取られた面(例えば、この形態の一方の面)のレジスト液の厚さは例えば1μm以下程度になっていて、ほぼレジスト液が掻き取られた状態となる。なお、この形態において、掻き取りローラで他方の面を掻き取り、一方の面にレジスト液を塗布する構成のものであってもよい。
フレキシブルプリント基板7の両方の面にレジスト液を塗布するときは、図6に示すように、掻き取りローラ34をDIPタンク32のレジスト液面32bより下げレジスト液中に浸漬させる。このときの掻き取りローラ34の上下移動の操作は、DIPタンク32の深さが深い場合には、アーム30の上下動作でDIPローラ31と一体的に行うことが可能である。DIPタンク32の深さが浅い場合には、アーム30に対して掻き取りローラ34を相対的に上下方向移動可能にしておいて、アーム30の上下動作とは独立して掻き取りローラ34のみを上下動作させるとよい。この上下動作は、手動、自動どちらでもよい。例えば、エアシリンダ等駆動体で上下方向に掻き取りローラ34を移動させてもよい。
又、取り付け位置を手動で変更できるようにしておいて、片方の面(他方の面)のみのレジスト液塗布か両方の面へのレジスト液塗布かの選択により、掻き取りローラ34の位置を、上下方向に移動動作させる簡易操作で行うようにしてもよい。さらに、両方の面への塗布の場合、掻き取りローラ34をレジスト液面32b近くの境界部分の液中に位置させると、フレキシブルプリント基板7の揺れを防止することになり、塗布ムラのない塗布を施すことができる。
塗布直後のフレキシブルプリント基板7は、潤った状態であり、安定して送り出しができない場合がある。この場合にDIPローラ31に続いて掻き取りローラ34に接触させ巻き掛けることは、フレキシブルプリント基板7を両方の面で案内しながら送り出すことになり、フレキシブルプリント基板7の送り出しを安定化させる。更に、フレキシブルプリント基板7が穴のあいているものであっても塗布は可能である。これは、穴の直径が0.3mm以下であれば、液だれのおそれがなく、穴の中の空気だまりのおそれもないので、塗布ムラを生じることなくスムースに塗布することができる。
この場合フレキシブルプリント基板7のレジスト液中へ進入させる角度は所定の角度に設定されている必要がある。即ち、水平位置(DIPタンクのレジスト液面32b)に対する掻き取りローラ34側の浸漬のための進入角度α(図6参照)は、90度以下であることが好ましい。このようにすることで、フレキシブルプリント基板7が液中に進入し浸漬されるとき、穴の中の空気を逃がすことができ、穴の中も塗布することができる。このため、フレキシブルプリント基板7を後工程であるエッチング液での侵蝕から防止することができる。
次に図7、図8に基づきフレキシブルプリント基板7の送り出し方向に沿う両方の側面のレジスト液の除去と揺れ防止について説明する。図8(a)は図7のX矢視平面図、図8(b)は、側面被膜液除去部材近傍の拡大図である。フレキシブルプリント基板7の両方の側面7c、7cにレジスト液があると、例えば、後処理の露光工程でこのフレキシブルプリント基板7を搬送するとき側面7c、7cの被膜が削られて異物となり、後処理工程に支障が生じるおそれがある。ここでいう側面とは、フレキシブルプリント基板の被膜を形成する面と直交する側方の面である。
そのため、フレキシブルプリント基板7の両方の側面7cに被膜を生じさせないようにしている。本実施の形態においては、DIPタンク32の上部位置に側面被膜液除去部材(以下、除去部材という)35を設け、レジスト液(被膜液)が塗布されて引き上げられるフレキシブルプリント基板7の両方の側面7c、7cから付着したレジスト液を掻き落とすようにした。この除去部材35は、フレキシブルプリント基板7の両方の側面7c、7cに対応して勝手違いに2つ設けられ、フレキシブルプリント基板7側に略V字形状の凹部35a、略V字形状の中間の掻き落とし部35b等を構成する板材である。
この除去部材35は送り出されて塗布されているフレキシブルプリント基板7に常に接触して両方の側面7c、7cのレジスト液を掻き落としている。掻き落とされたレジスト液は落下しDIPタンク32内に回収される。このようにすることで、両方の側面7cのレジスト液は除去される。従って、両方の側面7c、7cには被膜が形成されず、後工程においてもフレキシブルプリント基板7を支障なく搬送することができる。続いて、フレキシブルプリント基板7は塗布された直後に連続動作で乾燥工程に入る。
このとき熱風が吹き付けられるので、フレキシブルプリント基板7は風圧を受けて多少揺れる傾向がある。この位置に除去部材35を設けたことにより、乾燥時のフレキシブルプリント基板7の揺れを防止することができる。この揺れを防止したことにより、フレキシブルプリント基板7の塗布ムラを防止でき、両方の側面7cのレジスト液除去と相まって、結果的にフレキシブルプリント基板7の品質を向上させることになる。
除去部材は、フレキシブルプリント基板7の両方の側面7c、7cを部分的にローラ等で挟む構成の除去部材で掻き落とすものであってもよい。
次に特にメンテナンスに有効な処理について説明する。図9は、塗布、乾燥後に作業が終了して各部材を次の作業のため維持待機させるための構成を示している。送り出し工程にセンサー36が設置されている。巻き出しローラ6に巻かれていたフレキシブルプリント基板7の全部に被膜形成処理が行われ、作業が終了したことをセンサー36が検知する。例えば、センサー36がリーダーフィルムを検知する。検知した場合、所定の時間経過後、DIPローラ31がアーム30によりレジスト液面32bから離間してDIPタンク32上部に退避する。DIPローラ31が退避端に達した後、DIPタンク32側部に配置されていた移動蓋33が移動し、DIPタンク32を自動的に閉じる。
この移動動作はエアシリンダ33aによって行われる。一方、DIPローラ31の上方には洗浄装置(洗浄手段)37が設けられている。この洗浄装置37は、DIPローラ31とその周辺を洗浄するためのノズル38を有している。
アーム30又は機台8には、洗浄用の供給装置39が設けられていて、洗浄剤が洗浄タンク40に収納されている。この洗浄タンク40とノズル38間は、配管41により連通されていて、洗浄タンク40の洗浄剤は加圧されてこの配管41を介してノズル38に供給される。このノズル38から洗浄剤は噴出してDIPローラ31とその周辺の部材を自動洗浄する。
洗浄された後の廃液は、移動蓋33の上部に落下し回収される。移動蓋33の上面は箱形状になっていて廃液を受ける構成になっている。DIPタンク32内にこの廃液が混入することはない。この廃液は図示していないが、移動蓋33から配管を経由して回収容器に回収される。これら一連の動作を自動的に行うようにしているので、作業終了時に、作業者が洗浄を人為的に行うようなメンテナンスが不要となった。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されないことはいうまでもない。
1…フレキシブルプリント基板の被膜形成装置
7…フレキシブルプリント基板
9…塗布ユニット
10…浸漬ユニット
30…アーム
31…DIPローラ(浸漬ローラ)
32…DIPタンク(浸漬槽)
33…移動蓋
34…掻き取りローラ(被膜掻き取り手段)
35…側面被膜液除去部材
37…洗浄装置(洗浄手段)
7…フレキシブルプリント基板
9…塗布ユニット
10…浸漬ユニット
30…アーム
31…DIPローラ(浸漬ローラ)
32…DIPタンク(浸漬槽)
33…移動蓋
34…掻き取りローラ(被膜掻き取り手段)
35…側面被膜液除去部材
37…洗浄装置(洗浄手段)
Claims (12)
- ロールに巻かれたフレキシブルプリント基板の面に被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成方法であって、
前記ロールに巻かれた前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で送り出す送り出し工程と、
送り出された前記フレキシブルプリント基板を、浸漬槽内に貯留された前記被膜の成分を含有した被膜液に浸漬させて、前記フレキシブルプリント基板の両方の前記面に前記被膜液を塗布する塗布工程と、
前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板に熱風を吹きかけて前記被膜液を乾燥させ、前記被膜を形成するための乾燥工程と、
前記被膜が形成された前記フレキシブルプリント基板を一定の張力でロールに巻き取る巻き取り工程とを有し、
前記塗布工程は、前記浸漬槽に対して昇降可能であるとともに前記フレキシブルプリント基板の一方の前記面に当接可能に設けられた掻き取りローラが、前記浸漬槽の被膜液面より上方に位置することにより、前記フレキシブルプリント基板の一方の前記面の被膜液を掻き取る掻き取り工程を含んだ工程である
ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の被膜形成方法。 - ロールに巻かれたフレキシブルプリント基板の面に被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成方法であって、
前記ロールに巻かれた前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で送り出す送り出し工程と、
送り出された前記フレキシブルプリント基板を、浸漬槽内に貯留された前記被膜の成分を含有した被膜液に浸漬させて、前記フレキシブルプリント基板の両方の前記面に前記被膜液を塗布する塗布工程と、
前記浸漬槽で前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板の前記面と直交する両側面に付着した前記被膜液を掻き落とし除去する側面被膜液除去工程と、
前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板に熱風を吹きかけて前記被膜液を乾燥させて前記被膜を形成するための乾燥工程と、
前記被膜が形成された前記フレキシブルプリント基板を一定の張力でロールに巻き取る巻き取り工程と、
からなるフレキシブルプリント基板の被膜形成方法。 - ロールに巻かれたフレキシブルプリント基板の面に被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成方法であって、
前記ロールに巻かれた前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で送り出す送り出し工程と、
送り出された前記フレキシブルプリント基板を、浸漬槽内に貯留された前記被膜の成分を含有した被膜液に浸漬させて前記フレキシブルプリント基板の両方の前記面に前記被膜液を塗布する塗布工程と、
前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板に、熱風を吹きかけて前記被膜液を乾燥させて前記被膜を形成するための乾燥工程と、
前記被膜が形成された前記フレキシブルプリント基板を一定の張力でロールに巻き取る巻き取り工程と、
前記フレキシブルプリント基板に前記被膜を形成する作業を終了後、前記フレキシブルプリント基板に前記被膜液を塗布するとき、前記浸漬槽内で前記フレキシブルプリント基板を案内する浸漬ローラを前記浸漬槽の被膜液面より上方に移動させ、前記浸漬ローラの上方に設けられたノズルを介して前記浸漬ローラの洗浄を行う洗浄工程と
からなるフレキシブルプリント基板の被膜形成方法。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載されたフレキシブルプリント基板の被膜形成方法において、
前記フレキシブルプリント基板は、連続した長尺のフレキシブルプリント基板または複数のシート状のフレキシブルプリント基板を接合材により帯状に接合されたフレキシブルプリント基板である
ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の被膜形成方法。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載されたフレキシブルプリント基板の被膜形成方法において、
前記フレキシブルプリント基板は、複数の穴があけられたフレキシブルプリント基板であり、
前記浸漬槽に貯留された前記被膜液に前記フレキシブル基板が浸漬するとき、前記浸漬槽の被膜液面に対して所定の角度を有する方向から進入させ、前記穴内の空気を逃がすことが可能になるようにした
ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の被膜形成方法。 - 巻き出しロールに巻かれたフレキシブルプリント基板の面に被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成装置であって、
前記巻き出しロールに巻かれた前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で送り出すための送り出し手段と、
送り出された前記フレキシブルプリント基板を、浸漬槽内に貯留された前記被膜の成分を含有した被膜液に浸漬させて前記フレキシブルプリント基板の両方の前記面に前記被膜液を塗布する塗布手段と、
この塗布手段の引き出し側近傍に、前記浸漬槽に対して昇降可能に設けられ、前記フレキシブルプリント基板の一方の前記面に当接して前記被膜液を掻き取る被膜掻き取り手段と、
前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板に熱風を吹きかけて前記被膜液を乾燥させる乾燥手段と、
前記乾燥により被膜が形成された前記フレキシブルプリント基板を、一定の張力で巻き取りロールに巻き取るための巻き取り手段とからなり、
フレキシブルプリント基板の両方の前記面又は他方の前記面に被膜形成ができるようにした
ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の被膜形成装置。 - 請求項6に記載されたフレキシブルプリント基板の被膜形成装置において、
前記被膜掻き取り手段は、前記浸漬槽の被膜液面より上方に位置したとき前記他方の前記面に被膜形成をし、前記被膜液中に位置したとき前記両方の前記面に被膜を形成するものである
ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の被膜形成装置。 - 巻き出しロールに巻かれたフレキシブルプリント基板の面に被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成装置であって、
前記巻き出しロールに巻かれた前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で送り出すための送り出し手段と、
送り出された前記フレキシブルプリント基板を、浸漬槽内に貯留させた前記被膜の成分を含有した被膜液に浸漬させて前記フレキシブルプリント基板の両方の前記面に前記被膜液を塗布する塗布手段と、
前記浸漬槽の前記フレキシブルプリント基板の引き出し側に設けられ、前記フレキシブルプリント基板の前記面と直交する両側面に付着した前記被膜液を掻き落とし除去する側面被膜液除去部材と、
前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板に熱風を吹きかけて前記被膜液を乾燥させる乾燥手段と、
前記乾燥により被膜が形成された前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で巻き取りロールに巻き取るための巻き取り手段と
からなるフレキシブルプリント基板の被膜形成装置。 - 巻き出しロールに巻かれたフレキシブルプリント基板の面に被膜を形成するためのフレキシブルプリント基板の被膜形成装置であって、
前記巻き出しロールに巻かれた前記フレキシブルプリント基板を一定の張力で送り出すための送り出し手段と、
送り出された前記フレキシブルプリント基板を、浸漬槽内に貯留させた前記被膜の成分を含有した被膜液に浸漬させて前記フレキシブルプリント基板の両方の前記面に前記被膜液を塗布する塗布手段と、
前記被膜液が塗布された前記フレキシブルプリント基板に熱風を吹きかけて前記被膜液を乾燥させる乾燥手段と、
前記乾燥により被膜が形成された前記フレキシブルプリント基板を、一定の張力で巻き取りロールに巻き取るための巻き取り手段と、
前記フレキシブルプリント基板に前記被膜を形成する作業を終了後、前記フレキシブルプリント基板に前記被膜液を塗布するとき、前記浸漬槽内で前記フレキシブルプリント基板を案内する浸漬ローラを被膜液面より上方に移動させ、前記浸漬ローラの上方に設けられたノズルを介して少なくとも前記浸漬ローラの洗浄を行う洗浄手段と
からなるフレキシブルプリント基板の被膜形成装置。 - 請求項9に記載されたフレキシブルプリント基板の被膜形成装置において、
前記浸漬槽の開口部には、開閉動作可能な移動蓋が設けられ、前記洗浄時には、浸漬槽の開口部を閉状態とするとともに、洗浄後の廃液回収を前記移動蓋を介して行えるようにした
ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の被膜形成装置 - 請求項6から10のいずれか1項に記載されたフレキシブルプリント基板の被膜形成装置において、
前記フレキシブルプリント基板は、連続した長尺のフレキシブルプリント基板または複数のシート状のフレキシブルプリント基板を接合材により帯状に接合したフレキシブルプリント基板である
ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の被膜形成装置。 - 請求項6から10のいずれか1項に記載されたフレキシブルプリント基板の被膜形成装置において、
前記フレキシブルプリント基板は、複数の穴のあけられたフレキシブルプリント基板であり、
前記浸漬槽に貯留された前記被膜液に前記フレキシブル基板が浸漬するとき、前記浸漬槽の被膜液面に対して所定の角度を有する方向から進入させ、前記穴内の空気を逃がすことが可能になるようにした
ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の被膜形成装置。
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JP2006119445A JP2007294598A (ja) | 2006-04-24 | 2006-04-24 | フレキシブルプリント基板の被膜形成方法とその装置 |
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KR101402729B1 (ko) | 2013-06-25 | 2014-06-11 | 주식회사 에스아이이 | 인쇄회로기판용 기판부재의 에지부 코팅장치 |
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- 2006-04-24 JP JP2006119445A patent/JP2007294598A/ja active Pending
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