JP2010029029A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転角推定演算の開始後速やかに妥当な推定回転角を得ることができ、これによって、モータを適切に制御することができるモータ制御装置を提供する。
【解決手段】回転角推定部25は、誘起電圧を外乱として検出する外乱オブザーバからなる誘起電圧オブザーバを有する。誘起電圧オブザーバは、内部変数を更新しながら、推定誘起電圧を演算する。この推定誘起電圧に基づいて、モータ1の回転角が推定される。誘起電圧推定部26は、モータ方程式に従って誘起電圧を推定する。初期値決定部27は、その推定された誘起電圧に基づいて、前記内部変数の初期値を決定する。回転角推定部25の誘起電圧オブザーバは、その初期値を用いて誘起電圧推定演算を行う。回転角推定部25が求めた推定回転角を制御回転角θ^として用いて、モータ1が制御される。
【選択図】図1

Description

この発明は、ブラシレスモータを駆動するためのモータ制御装置に関する。ブラシレスモータは、たとえば、電動パワーステアリング装置における操舵補助力の発生源として利用される。
ブラシレスモータを駆動制御するためのモータ制御装置は、一般に、ロータの回転角を検出するための回転角センサの出力に応じてモータ電流の供給を制御するように構成されている。しかし、回転角センサの耐環境性が問題となるうえ、高価な回転角センサおよびこれに関連する配線がコストの削減を阻害し、かつ、小型化を阻害している。そこで、回転角センサを用いることなくブラシレスモータを駆動するセンサレス駆動方式が提案されている。センサレス駆動方式は、ロータの回転に伴う誘起電圧を推定することによって、磁極の位相(ロータの電気角)を推定する方式である。
誘起電圧の推定は、モータ電流およびモータ電圧ならびに逆モータモデル基づいて、モータの誘起電圧を外乱として推定する外乱オブザーバからなる誘起電圧オブザーバによって行われる。この誘起電圧オブザーバによって求められる推定誘起電圧を用いることにより、ロータの回転角が求まる(非特許文献1)。
市川真士他、「拡張誘起電圧モデルに基づく突極型永久磁石同期モータのセンサレス制御」、電気学会論文誌 D,122巻12号、平成14年
誘起電圧オブザーバは、通常、過去のモータ電流やモータ電圧の情報を含む内部変数を有している。誘起電圧オブザーバは、誘起電圧を推定するとともに内部変数を更新していくように構成されている。したがって、誘起電圧推定演算を所定の演算周期で繰り返すことによって、内部変数は、その初期値からモータの現状に応じた値へと収束していく。それに応じて推定誘起電圧も妥当な値へと収束していき、その結果、推定回転角も妥当な値へと収束していく。
内部変数の初期値は、一定値(たとえば零)とされるのが通常であり、そのため、回転角推定演算を開始してから推定回転角が正しい値に収束するまでに時間がかかる。この期間には、推定回転角が必ずしも正しい値とはならないから、モータの制御が適切に成されないおそれがある。したがって、たとえば、電動パワーステアリング装置においては、制御開始直後の期間における操舵感が悪くなるおそれがある。
そこで、この発明の目的は、回転角推定演算の開始後速やかに妥当な推定回転角を得ることができ、これによって、モータを適切に制御することができるモータ制御装置を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、ロータ(50)と、このロータに対向するステータ(55)とを備えたモータを制御するためのモータ制御装置(10)であって、前記ロータの回転角を推定するための回転角推定手段(25)と、前記モータの誘起電圧を推定する誘起電圧推定手段(26,26A)と、この誘起電圧推定手段によって推定される推定誘起電圧に基づいて、前記回転角推定手段における推定演算のための初期値を決定する初期値決定手段(27)と、前記回転角推定手段が前記初期値に基づいて推定した推定回転角に基づいて前記モータを制御する制御手段(15〜21)とを含む、モータ制御装置である。なお、括弧内の英数字は後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、モータの誘起電圧が推定され、これに基づいて回転角推定手段における推定演算のための初期値が決定される。こうして決定された初期値を用いて、回転角推定手段による推定演算が行われ、推定回転角が求められる。初期値が任意に設定された値ではなく、推定誘起電圧を反映した値であるため、推定回転角は速やかに妥当な値に収束する。これにより、回転角の推定演算を開始すると、短時間でモータを適切に制御できる状態となる。
請求項2記載の発明は、前記誘起電圧推定手段(26)が、モータ電圧およびモータ電流を用いてモータ方程式から誘起電圧を推定するものである、請求項1記載のモータ制御装置である。
この構成によれば、モータ電圧およびモータ電流を用いてモータ方程式から誘起電圧が推定される。これにより、モータの現状に対応した推定誘起電圧が得られるから、回転角推定演算のための初期値を適切に定めることができ、それに応じて推定回転角が妥当な値に収束するまでの時間を短縮できる。
前記制御手段は、モータ電圧指令値を生成する電圧指令値生成手段(19A,19B)を含むものであってもよい。この場合に、前記モータ制御装置は、モータ電圧指令値に応じてモータを駆動する駆動手段(13)と、モータ電流を検出する電流検出手段(11)とをさらに含むものであってもよい。この場合、前記誘起電圧推定手段は、モータ電圧指令値とモータ電流とを用いて誘起電圧を推定するものであってもよい。また、モータに印加されている電圧を検出するモータ電圧検出手段を設け、このモータ電圧検出手段によって検出される印加電圧と前記モータ電流とを用いて誘起電圧推定手段による誘起電圧の推定を行うこととしてもよい。
請求項3記載の発明は、前記モータによって駆動される駆動対象(3)の変位量を検出する変位量検出手段(9)の出力に基づいて前記モータの回転角速度を演算する回転角速度演算手段(42)をさらに含み、前記誘起電圧推定手段(26A)が、前記回転角速度演算手段によって演算される回転角速度から誘起電圧を推定するものである、請求項1記載のモータ制御装置である。
この構成によれば、モータによって駆動される駆動対象の変位量から、モータの回転角速度が演算され、この演算された回転角速度に基づいて誘起電圧が推定される。これにより、モータの現状に対応した誘起電圧を推定できるので、初期値を適切に設定することができ、推定回転角が妥当な値に収束するまでの時間を短縮できる。
前記駆動対象は、たとえば減速機構(6)を介して、前記モータによって駆動されるものであってもよい。
前記駆動対象は、車両の舵取り機構(3)であってもよい。この場合、舵取り機構に結合されたステアリングシャフト(4)またはステアリングホイール(2)の回転角を検出する舵角センサ(9)を前記変位量検出手段として用いてもよい。
請求項4記載の発明は、前記モータによって駆動される駆動対象の変位速度を検出する変位速度検出手段(9,42,35)と、この変位速度検出手段によって検出された変位速度に基づいて前記回転角推定手段によって求められた推定回転角を補正する補正手段(44)とをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータ制御装置である。
駆動対象の変位速度は、モータの回転角速度に対応しているので、当該変位速度を用いることによって、モータの回転角速度に応じて推定回転角を補正することができる。駆動対象の変位速度は、回転角推定手段による推定演算に依存しないから、推定開始直後から妥当な補正処理を行うことができる。
たとえば、回転角推定手段は、モータ電圧信号およびモータ電流信号に対して信号処理を行う信号処理部(31)を含み、この信号処理部によって処理されたモータ電圧信号およびモータ電流信号を用いて回転角の推定を行うものであってもよい。この場合、信号処理後のモータ電圧信号およびモータ電流信号には、モータの回転角速度に応じた位相遅れが生じる場合があるので、このような位相遅れを前記補正手段によって補正するようにすればよい。これにより、より精度の高い推定回転角を得ることができ、モータの制御をより適切に行うことができる。
請求項5記載の発明は、前記モータに流れる電流を検出するモータ電流検出手段(11)と、前記モータによって駆動される駆動対象の変位速度を検出する変位速度検出手段(9,42,35)と、この変位速度検出手段によって検出される変位速度が所定値以下(具体的には零付近)で、かつ、前記モータ電流検出手段によって検出されるモータ電流が所定値以下(具体的には零付近)のときに、モータ電流およびモータ電圧に基づいて前記モータの抵抗値を推定するモータ抵抗推定手段(43)とを含み、前記回転角推定手段は、前記モータ抵抗推定手段によって推定されたモータ抵抗を用いて推定回転角を求めるものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ制御装置である。
モータの回転が停止していて、モータ電流が零付近のとき、モータへの印加電圧はモータ抵抗による電圧降下に等しくなる。そこで、この発明では、モータによる駆動対象の変位速度からモータの回転がほぼ停止しているかどうかを判断し、モータ電流を検出して所定値以下かどうかを判断している。そして、これらの条件が満たされると、モータ電圧(モータ電圧指令値または検出された印加電圧)およびモータ電流に基づいて、モータ抵抗が推定される。この推定されたモータ抵抗が回転角推定手段における推定演算に適用される。これにより、モータ温度の変化によるモータ抵抗の変動や、個々のモータにおけるモータ抵抗のばらつきの影響を補償して、正確な推定回転角を求めることができる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態に係るモータ制御装置を適用した電動パワーステアリング装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。この電動パワーステアリング装置は、車両の操向のための操作部材としてのステアリングホイール2に加えられる操作トルクを検出するトルクセンサ7と、車両の速度を検出する車速センサ8と、車両の舵取り機構3に操舵補助力を与えるモータ1と、このモータ1を駆動制御するモータ制御装置10とを備えている。トルクセンサ7は、たとえば、ステアリングホイール2と舵取り機構3とを結合するステアリングシャフト4の途中部に介装されたトーションバー5のねじれ方向およびねじれ量を検出することによって操作トルクを検出するものである。モータ1が発生するトルクは、モータ1の回転を所定の減速比で減速する減速機構6を介して舵取り機構3に伝達されるようになっている。
モータ制御装置10は、トルクセンサ7が検出する操作トルクおよび車速センサ8が検出する車速に応じてモータ1を駆動することによって、操舵状況に応じた適切な操舵補助を実現する。モータ1は、たとえば、三相ブラシレスモータであり、図2(a)に図解的に示すように、界磁としてのロータ50と、U相、V相およびW相のステータ巻線51,52,53を含むステータ55とを備えている。モータ1は、ロータの外部にステータを配置したインナーロータ型のものであってもよいし、筒状のロータの内部にステータを配置したアウターロータ型のものであってもよい。
モータ制御装置10は、電流検出部11、マイクロコンピュータ12、および駆動回路13を有する。このモータ制御装置10に、前述のトルクセンサ7および車速センサ8が接続されている。
電流検出部11はモータ1のステータ巻線51,52,53を流れる電流を検出する。より具体的には、電流検出部11は、3相(U相、V相およびW相)のステータ巻線51,52,53における相電流をそれぞれ検出する電流検出器を有する。
マイクロコンピュータ12は、CPUおよびメモリ(ROMおよびRAMなど)を備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。この複数の機能処理部には、基本目標電流値演算部15と、dq軸目標電流値演算部16と、PI(比例積分)制御部19Aと、電圧指令値生成部19Bと、γδ/αβ座標変換部20Aと、αβ/UVW座標変換部20Bと、PWM制御部21と、UVW/αβ座標変換部17Aと、αβ/γδ座標変換部17Bと、偏差演算部18と、回転角推定部25と、誘起電圧推定部26と、初期値決定部27とを備えている。
基本目標電流値演算部15は、トルクセンサ7により検出される操作トルクと、車速センサ8により検出される車速とに基づいて、モータ1の基本目標電流値I*を演算する。基本目標電流値I*は、たとえば、操作トルクの大きさが大きいほど大きく、車速が小さい程大きくなるように定められる。
dq軸目標電流値演算部16は、基本目標電流値I*に基づいて、モータ1のロータ磁極方向に沿うd軸電流成分の目標値(d軸目標電流値Id *)と、d軸に直交するq軸電流成分の目標値(q軸目標電流値Iq *)とを生成する。以下、これらをまとめていうときには、「目標電流値Idq」という。
モータ1のU相、V相およびW相に与えるべき電流(正弦波電流)の振幅を表す基本目標電流値I*を用いると、d軸目標電流値Id *およびq軸目標電流値Iq *は、次式(1)(2)のように表される。
Figure 2010029029
したがって、dq軸目標電流値演算部16は、d軸目標電流値Id *=0を生成する一方で、トルクセンサ7によって検出される操作トルクに応じたq軸目標電流値Iq *を生成する。
電流検出部11は、モータ1のU相電流Iu、V相電流IvおよびW相電流Iwを検出する(以下、これらをまとめていうときには「三相検出電流Iuvw」という)。その検出値は、UVW/αβ座標変換部17Aに与えられる。
UVW/αβ座標変換部17Aは、三相検出電流Iuvwを、二相固定座標系(α−β)上での電流IαおよびIβ(以下、これらをまとめていうときには「二相検出電流Iαβ」という。)に座標変換する。二相固定座標系(α−β)とは、ロータ50の回転中心を原点として、ロータ50の回転平面内にα軸およびこれに直交するβ軸を定めた固定座標系である(図2参照)。座標変換された二相検出電流Iαβは、αβ/γδ座標変換部17Bに与えられる。
αβ/γδ座標変換部17Bは、二相検出電流Iαβを、制御上のロータ回転角θ^(以下、「制御回転角θ^」という。)に従う二相回転座標系(γ−δ)上での電流IγおよびIδ(以下、これらをまとめていうときには「二相検出電流Iγδ」という。)に座標変換する。二相回転座標系(γ−δ)は、制御回転角θ^にロータ50がある場合に、ロータ磁極方向に沿うγ軸と、このγ軸に直交するδ軸とによって規定される回転座標系である。制御回転角θ^に誤差がなく、ロータ回転角と一致しているとき、二相回転座標系(d−q)と二相回転座標系(γ−δ)とは一致する。制御回転角θ^は、この実施形態では、回転角推定部25によって推定されたロータ回転角(推定回転角)である。
二相検出電流Iγδは、偏差演算部18に与えられるようになっている。この偏差演算部18は、d軸目標電流値Id *に対するγ軸電流Iγの偏差、およびq軸目標電流値Iq *に対するδ軸電流Iδの偏差を演算する。これらの偏差がPI制御部19Aに与えられてそれぞれPI演算処理を受ける。そして、これらの演算結果に応じて、電圧指令値生成部19Bによって、γ軸電圧指令値Vγ *およびδ軸電圧指令値Vδ *(以下、これらをまとめていうときには「二相電圧指令値Vγδ」という。)が生成されて、γδ/αβ座標変換部20Aに与えられる。
γδ/αβ座標変換部20Aは、γ軸電圧指令値Vγ *およびδ軸電圧指令値Vδ *を、二相固定座標系(α−β)の電圧指令値であるα軸電圧指令値Vα *およびβ軸電圧指令値Vβ *(以下、これらをまとめていうときには「二相電圧指令値Vαβ」という。)に座標変換する。この二相電圧指令値Vαβは、αβ/UVW座標変換部20Bに与えられる。
αβ/UVW座標変換部20Bは、α軸電圧指令値Vα *およびβ軸電圧指令値Vβ *を三相固定座標系の電圧指令値、すなわち、U相、V相およびW相の電圧指令値Vu *,Vv *,Vw *(以下、これらをまとめていうときには「三相電圧指令値Vuvw」という。)に変換する。
PWM制御部21は、三相の電圧指令値Vu *,Vv *,Vw *に応じて制御されたデューティ比の駆動信号を生成して駆動回路13に与える。これにより、モータ1の各相には、該当する相の電圧指令値Vu *,Vv *,Vw *に応じたデューティ比で電圧が印加されることになる。
このような構成によって、舵取り機構3にステアリングシャフト4を介して結合されたステアリングホイール2に操作トルクが加えられると、これがトルクセンサ7によって検出される。そして、その検出された操作トルクおよび車速に応じた目標電流値Idqがdq軸目標電流値演算部16によって生成される。この目標電流値Idqと二相検出電流Iγδとの偏差が偏差演算部18によって求められ、この偏差をゼロに導くようにPI制御部19AによるPI演算が行われる。この演算結果に対応した二相電圧指令値Vγδが電圧指令値生成部19Bによって生成され、これが、座標変換部20A,20Bを経て三相電圧指令値Vuvwに変換される。そして、PWM制御部21の働きによって、その三相電圧指令値Vuvwに応じたデューティ比で駆動回路13が動作することによって、モータ1が駆動され、目標電流値Idqに対応したアシストトルクが舵取り機構3に与えられることになる。こうして、操作トルクおよび車速に応じて操舵補助を行うことができる。電流検出部11によって検出される三相検出電流Iuvwは、座標変換部17A,17Bを経て、目標電流値Idqに対応するように二相回転座標系(γ−δ)で表された二相検出電流Iγδに変換された後に、偏差演算部18に与えられる。
回転座標系と固定座標系との間での座標変換のためには、ロータ50の回転角(位相角、すなわち電気角)が必要である。この回転角を表す制御回転角θ^が、回転角推定部25での推定演算によって推定されるようになっている。この制御回転角θ^が、αβ/γδ座標変換部17Bおよびγδ/αβ座標変換部20Aに与えられるようになっている。
回転角推定部25は、モータ電流(UVW/αβ座標変換部17Aで変換された二相検出電流Iαβ)と、γδ/αβ座標変換部20Aから与えられる二相電圧指令値Vαβとに基づいて、推定回転角を演算し、制御回転角θ^として出力する。
誘起電圧推定部26は、UVW/αβ座標変換部17Aで変換された二相検出電流Iαβと、γδ/αβ座標変換部20Aから与えられる二相電圧指令値Vαβとを用いて、モータ方程式に従って、モータ1のα軸推定誘起電圧EE αおよびβ軸推定誘起電圧EE β(以下まとめていうときには「推定誘起電圧EE αβ」という。)求める。
αβ座標系でのモータ方程式(回路方程式)は、次式(3)(4)のとおりである。
α=(R+pL)Iα+Eα …(3)
β=(R+pL)Iβ+Eβ …(4)
ただし、Vαはα軸電圧、Vβはβ軸電圧、Iαはα軸電流、Iβはβ軸電流、Eαはα軸誘起電圧、Eβはβ軸誘起電圧、Rは電機子巻線抵抗(モータ抵抗)、Lはモータインダクタンス、pは微分演算子である。
前記式(3)(4)から、推定誘起電圧EE αβは、α軸電圧指令値Vα *、β軸電圧指令値Vβ *、α軸電流Iαおよびβ軸電流Iβを用いて、次式(5)(6)により求まることが分かる。この演算が誘起電圧推定部26によって行われるようになっている。
E α=Vα *−(R+pL)Iα …(5)
E β=Vβ *−(R+pL)Iβ …(6)
なお、誘起電圧推定部26による推定演算の際、基本目標電流値演算部15が演算する基本目標電流値I*またはdq軸目標電流値演算部16が演算する目標電流値Idqを一定値に制御してもよい。このとき、前記式(5)(6)における微分項がいずれも零となるので、推定誘起電圧EE αβの演算が簡単になる。また、基本目標電流値演算部15が演算する基本目標電流値I*またはdq軸目標電流値演算部16が演算する目標電流値Idqをいずれも零として、αβ座標系における電流Iαβを零に制御してもよい。このとき、前記式(5)(6)における第二項がいずれも零となるので、二相電圧指令値Vαβを推定誘起電圧EE αβと見なすことができ、演算が一層簡単になる。
初期値決定部27は、回転角推定部25における推定演算のための初期値を決定するものである。初期値決定部27は、誘起電圧推定部26によって求められた推定誘起電圧EE αβと、二相検出電流Iαβとに基づいて、前記初期値を決定する。この決定された初期値を用いて、回転角推定部25において、回転角推定演算が行われる。
図3は、回転角推定部25の構成例を示すブロック図である。回転角推定部25は、信号処理部31と、誘起電圧を外乱として検出する外乱オブザーバからなる誘起電圧オブザーバ30と、推定された誘起電圧をロータ回転角に変換する変換手段としてのロータ角推定部29とを備えている。
信号処理部31は、γδ/αβ座標変換部20Aからの二相電圧指令値VαβおよびUVW/αβ座標変換部17Aからの二相検出電流Iαβに対して信号処理(フィルタリング)を行い、この信号処理後の二相電圧指令値Vαβおよび二相検出電流Iαβを誘起電圧オブザーバ30に供給する。より具体的には、信号処理部31は、二相電圧指令値Vαβの高周波成分を除去する低域通過フィルタで構成された電圧フィルタ32と、二相検出電流Iαβの高周波成分を除去する電流フィルタ33とを有している。電圧フィルタ32によってフィルタリングされた二相電圧指令値Vαβと、電流フィルタ33によってフィルタリングされた二相検出電流Iαβとが、誘起電圧オブザーバ30に与えられるようになっている。
誘起電圧オブザーバ30は、信号処理部31からの二相電圧指令値Vαβおよび二相検出電流Iαβに基づいて、モータ1の誘起電圧を推定し、α軸誘起電圧推定値E^αおよびβ軸誘起電圧推定値E^β(以下、まとめて「推定誘起電圧E^αβ」という。)を生成する。ロータ角推定部29は、この推定誘起電圧E^αβに基づいて、ロータ回転角を推定し、推定回転角θEを生成する。
図4は、誘起電圧オブザーバ30の構成例を説明するためのブロック図である。誘起電圧オブザーバ30としては、たとえば、非特許文献1に開示されている構成を用いることができ、より具体的には、図4に示すような構成となる。
この誘起電圧オブザーバ30は、次式(7)(8)で表される。
ξαβ(n+1)=(TSGA12+I)ξαβ(n)
+TSGB1αβ(n)+TSG(A11I−GA12)Iαβ(n) …(7)
E^αβ=ξαβ(n)−GIαβ(n) …(8)
11=(−R/L)I
12(−1/L)I
1=(1/L)I
ただし、TSは推定演算の周期であり、Gはオブザーバゲインであり、Iは単位行列(2行2列)を表す。また、ξαβは内部状態を表す変数(内部変数)であり、α軸に対応したα軸変数ξαとβ軸に対応したβ軸変数ξβとからなる。nは演算周期の番号(すなわちサンプリングタイミングの時刻)を表しており、演算周期(時刻)nは演算周期(時刻)n+1の直前の演算周期である。したがって、たとえば、ξαβ(n)は時刻nにおける内部変数を表している。
初期値決定部27(図1参照)は、内部変数ξαβの初期値を決定するものであり、この初期値に基づいて誘起電圧オブザーバ30による誘起電圧推定演算が行われることになる。より具体的には、前記式(8)から、内部変数ξαβ(n)の初期値ξαβ(0)は、誘起電圧推定部26によって求められる推定誘起電圧EE αβと二相検出電流Iαβとを用いて、次式(9)(10)で与えられることが分かる。この演算が、初期値決定部27によって行われる。推定誘起電圧EE αβを用いるときに二相検出電流Iαβを零に制御しておけば、式(9)(10)の第二項が零となるので、推定誘起電圧EE αβをそのまま初期値ξαβ(0)として用いることができる。
ξα(0)=EE α+GIα(0) …(9)
ξβ(0)=EE β+GIβ(0) …(10)
この初期値ξαβ(0)は、モータ方程式を用いて演算した推定誘起電圧EE αβに基づいて求めたものであるので、任意に定めた初期値とは異なり、ロータ50の回転角に対応した適切な値となっている。そのため、この初期値ξαβ(0)を用いることによって、誘起電圧オブザーバ30が求める推定誘起電圧E^αβは、速やかに妥当な値へと収束する。
一方、モータの誘起電圧Eαβは、次式(11)で表すことができる。ただし、KEは誘起電圧定数、θはロータ回転角、ωはロータ回転角速度である。
Figure 2010029029
したがって、推定誘起電圧E^αβが求まれば、次式(12)に従って、推定回転角θEが求まる。この演算が、ロータ角推定部29によって行われるようになっている。
Figure 2010029029
内部変数ξαβ(n)の初期値ξαβ(0)が適切に設定され、誘起電圧オブザーバ30によって推定される推定誘起電圧E^αβが速やかに収束するので、推定回転角θEは、ロータ回転角に対応した妥当な値へと速やかに収束することになる。したがって、この推定回転角θEが制御回転角θ^として用いられることによって、αβ/γδ座標変換部17Bおよびγδ/αβ座標変換部20Aにおける座標変換が、回転角推定部25における推定演算の開始後、短時間で適切に行われる状態となる。その結果、モータ1の制御が適切に行われるので、ステアリングホイール2を介して運転者が受ける操舵違和感を抑制でき、操舵感を向上することができる。
図5は、マイクロコンピュータ12が所定の制御周期(たとえば200μsec)毎に繰り返し実行する処理を説明するためのフローチャートである。マイクロコンピュータ12は、トルクセンサ7、車速センサ8、および電流検出部11の各出力信号を取り込む(ステップS1)。基本目標電流値演算部15は、トルクセンサ7が検出した操作トルクおよび車速センサ8が検出した車速に基づいて、基本目標電流値I*を演算する(ステップS2)。
次に、回転角推定部25における推定演算を開始して1回目の制御周期かどうか、すなわち、最初の推定演算かどうかが判断される(ステップS3)。最初の推定演算のときには(ステップS3:YES)、内部変数ξαβ(n)の初期値ξαβ(0)を定めるための演算が実行される。すなわち、誘起電圧推定部26が、二相指示電圧Vαβおよび二相検出電流Iαβに基づいて推定誘起電圧EE αβを求める(ステップS4)。この推定誘起電圧EE αβを用いて、初期値決定部27が内部変数ξαβ(n)の初期値ξαβ(0)を求める(ステップS5)。この初期値ξαβ(0)を用いて、誘起電圧オブザーバ30によって、推定誘起電圧E^αβが求められる(ステップS6)。ただし、最初の推定演算のときには、EE αβ=E^αβとなるので、ステップS6の処理を省いてもよい。
こうして推定誘起電圧E^αβが求まると、これを用いてロータ角推定部29によって、推定回転角θEが求められる(ステップS7)。この推定回転角θEを前記制御回転角θ^として用いて、モータ1が駆動される(ステップS8)。
一方、2回目以降の回転角推定演算のときには(ステップS3:NO)、前制御周期の内部変数ξαβ(n-1)を用いて、誘起電圧オブザーバ30によって、今制御周期の内部変数ξαβ(n)が求められる(ステップS9)。さらに、この内部変数ξαβ(n)を用いて、誘起電圧オブザーバ30によって推定誘起電圧E^αβが求められる(ステップS6)。そして、これを用いてロータ角推定部29によって推定回転角θEが求められ(ステップS7)、これを制御回転角θ^として用いてモータ1の駆動が行われる(ステップS8)。
このように、この実施形態によれば、推定回転角θEを求めるための推定演算が開始されると、モータ方程式を用いて推定誘起電圧EE αβが求められ、これに基づいて誘起電圧オブザーバ30の内部変数の初期値ξαβ(0)が演算される。したがって、この初期値ξαβ(0)は、モータ1の状態を反映しているので、誘起電圧オブザーバ30によって求められる推定誘起電圧E^αβは、速やかに妥当な値へと収束し、それに応じて推定回転角θEも速やかに適正な値へと収束する。これにより、推定回転角θEを制御回転角θ^として用いるセンサレス制御を速やかに立ち上げることができ、精度の高い制御回転角θ^を用いてモータ1を適切に制御することができる。したがって、モータ1を効率良く駆動することができるので、充分なトルクを発生させることができ、操舵感を向上することができる。
図6は、この発明の第2の実施形態に係るモータ制御装置が適用された電動パワーステアリング装置の構成を説明するためのブロック図である。この図6において、前述の図1に示された各部に対応する部分には図1と同符号を付して示す。
この実施形態では、ステアリングホイール2の回転角である操舵角を検出する舵角センサ9が備えられている。ステアリングホイール2は減速機構6を介してモータ1によって駆動される駆動対象としての舵取り機構3とともに変位するものである。したがって、舵角センサ9によって検出される操舵角はステアリングホイール2の変位量に相当し、これは、舵取り機構3に備えられた作動部材(たとえばラック軸)の変位量に相当する。
マイクロコンピュータ12は、機能処理部として、図1に示された構成に加えて、回転角算出部41と、回転角速度演算部42と、抵抗値更新部43と、補正部44とを備えている。
回転角算出部41は、舵角センサ9が検出する操舵角とロータ50の回転角との関係を記憶していて、その関係に従ってロータ50の回転角を算出する。たとえば、減速機構6の減速比(たとえば10)と、ロータ50の極対数(ロータ50が有する磁極対(N極とS極との対)の個数)とを用いて、次式(13)に従い、ロータ50の回転角θS(以下「検出回転角θS」という。)が演算される。このような演算を行う代わりに、式(13)の演算結果を予め記憶したマップを用いて検出回転角θSを求めてもよい。
θS=操舵角×減速比×極対数 …(13)
この検出回転角θSが回転角速度演算部42および誘起電圧推定部26Aに与えられるようになっている。この検出回転角θSは、モータ1の制御に用いるには精度が足りないが、回転角推定部25における内部変数ξαβの妥当な初期値を決定するには充分な精度を有している。
回転角速度演算部42は、検出回転角θSを時間微分することによって(より具体的には制御周期間の差分を制御周期で除算することによって)、ロータ50の回転角速度ωS(以下「検出回転角速度ωS」という。)を求める。この検出回転角速度ωSは、誘起電圧推定部26Aに与えられる。
誘起電圧推定部26Aは、回転角算出部41から与えられる検出回転角θSと、回転角速度演算部42から与えられる検出回転角速度ωSとに基づいて、モータ1の誘起電圧EE αβを推定する。具体的には、前記式(11)においてロータ回転角θに検出回転角θSを代入し、回転角速度ωに検出回転角速度ωSを代入することによって、α軸推定誘起電圧EE αおよびβ軸推定誘起電圧EE βが求められる。
こうして求められた推定誘起電圧EE αβと二相検出電流Iαβとを用いて、初期値決定部27において、内部変数ξαβの初期値ξαβ(0)が決定される。この初期値の決定は、前述の第1の実施形態の場合と同様である。
抵抗値更新部43は、回転角推定部25の誘起電圧オブザーバ30において用いられるモータ抵抗Rの値を更新する。モータ抵抗Rは、モータ温度に依存し、かつ、個々のモータごとにばらついている。このようなモータ抵抗Rの温度変化や、モータごとのばらつきを吸収するために、抵抗値更新部43は、モータ抵抗Rを適値に更新する。
前記のモータ方程式(3)(4)から、二相検出電流Iαβ(モータ電流)が定常状態のときには、微分項が零になる。また、前記式(11)から、回転角速度ωが零のとき、すなわち、ロータ50が回転していない(モータ回転停止状態)と見なせるときには、誘起電圧Eαβが零となる。すなわち、モータ方程式(3)(4)における誘起電圧Eαβの項が零になる。このとき、モータ1に印加されている電圧Vαβは、モータ抵抗Rによる電圧降下(R・Iαβ)に等しい。すなわち、次式(14)(15)が成立する。
α=R・Iα …(14)
β=R・Iβ …(15)
そこで、抵抗値更新部43は、回転角速度演算部42によって求められる検出回転角速度ωSの絶対値|ωS|が所定値以下(たとえば、5rpm以下。すなわち零付近の値)であり、かつ、二相検出電流Iαβの変化が所定値以下(たとえば、制御周期間の変化の絶対値が0.1A以下。すなわち零付近の値)であるという条件(抵抗値更新条件)が満たされるかどうかを常時監視している。そして、当該抵抗値更新条件が満たされたときに、抵抗値更新部43は、次式(16)(17)のいずれか一方または両方(たとえば両式から得られるRの値の平均値をとる。)により、モータ抵抗Rを求め、誘起電圧オブザーバ30におけるパラメータとしてのモータ抵抗Rを更新する。
R=Vα */Iα …(16)
R=Vβ */Iβ …(17)
なお、検出回転角速度の絶対値|ωS|が零付近の値かどうかを判断する代わりに、舵角センサ9の出力を時間微分して舵角速度を求める舵角速度演算部35を設け、この舵角速度演算部35で算出される舵角速度の絶対値が所定値以下(すなわち零付近)の値かどうかを判断するようにしてもよい。
補正部44は、回転角速度演算部42によって求められる検出回転角速度ωSに応じて、推定回転角θEを補正する。前述のとおり、回転角推定部25は、二相電圧指令値Vαβをフィルタリングする電圧フィルタ32と、二相検出電流Iαβをフィルタリングする電流フィルタ33とを有する信号処理部31を備えている。そのため、これらのフィルタ32,33のフィルタ特性に応じた位相遅れが生じる。そして、この位相遅れは、モータ電流およびモータ電圧の周波数に依存する。モータ電流およびモータ電圧の周波数は、モータの回転角速度に依存する。そこで、補正部44は、検出回転角速度の絶対値|ωS|に応じて推定回転角θEを補正する。これにより、電圧フィルタ32および電流フィルタ33での位相遅れに起因する回転角推定誤差を補正することができ、より精度の高い回転角推定が可能になる。この補正後の推定回転角θEが制御回転角θ^として用いられるようになっている。
図7は、補正部44による補正の一例を説明するための図である。補正部44は、回転角速度演算部42によって求められる検出回転角速度の大きさ|ωS|に応じて、曲線71で示される特性曲線に従い、0°〜90°の範囲で補正値θCを生成し、この補正値θCで推定回転角θEを補正する。より具体的には、検出回転角速度ωSの符号が正のときは推定回転角θEに補正値θCが加算され、検出回転角速度ωSの符号が負のときには推定回転角θEから補正値θCが減算される。
補正値θCの下限値は0°であり、その上限値はたとえば90°である。検出回転角速度ωSが所定の第1閾値TH1未満では、補正値θCは下限値0°とされる。また、検出回転角速度ωSが所定の第2閾値TH2(>TH1)を超えるときには、補正値θCは上限値90°とされる。そして、第1および第2閾値TH1,TH2の間の検出回転角速度ωSに対しては、検出回転角速度の大きさ|ωS|が大きいほど大きくなるように補正値θCが定められる。図7の例では、第1閾値TH1以上第2閾値TH2以下の範囲では、検出回転角速度ωSに対してほぼリニアに変化するように補正値θCが定められるようになっている。
回転角推定部25によって求められる推定回転角θEを時間微分して推定回転角速度を求め、この推定回転角速度を検出回転角速度ωSに代えて用いるようにしてもよい。すなわち、補正値θCを推定回転角速度の大きさに応じて定めることとしてもよい。ただし、この場合には、推定回転角θEが妥当な値に収束するまでの期間には、補正値θCも正しい値にならないので、検出回転角速度ωSを用いる方がよい。
また、検出回転角速度ωSを用いる代わりに、舵角センサ9の出力を時間微分して舵角速度を求める舵角速度演算部35を設け、この舵角速度演算部35で算出される舵角速度の絶対値に応じて補正値θCを求める構成とすることもできる。また、舵角速度からモータ1の回転角速度(=舵角速度×減速比)を求め、この回転角速度の大きさに応じて補正値θCを定めるようにしてもよい。さらにまた、トーションバー5のねじれを考慮に入れて、次式(18)に従って、より精度の高いモータ回転角速度を求め、これに基づいて補正値θCを定めてもよい。これにより、さらに適正な補正値θCを求めることができる。操作トルク変化量ΔTとしては、トルクセンサ7の出力信号の時間微分値(より具体的には制御周期間の差分)を用いればよい。
モータ回転角速度={舵角速度−(ΔT/k)}×減速比 …(18)
ただし、ΔTは操作トルク変化量、kはトーションバーのばね定数である。
図8は、マイクロコンピュータ12が所定の制御周期(たとえば200μsec)毎に繰り返し実行する処理を説明するためのフローチャートである。この図8において、前述の図5と同様の処理が行われる各ステップには、図5と同一符号を付して示す。
マイクロコンピュータ12は、トルクセンサ7、車速センサ8、舵角センサ9および電流検出部11の各出力信号を取り込む(ステップS11)。基本目標電流値演算部15は、トルクセンサ7が検出した操作トルクおよび車速センサ8が検出した車速に基づいて、基本目標電流値I*を演算する(ステップS2)。
次に、回転角推定部25における推定演算を開始して1回目の制御周期かどうか、すなわち、最初の推定演算かどうかが判断される(ステップS3)。最初の推定演算のときには(ステップS3:YES)、内部変数ξαβ(n)の初期値ξαβ(0)を定めるための演算が実行される。すなわち、舵角センサ9の出力信号から回転角算出部41で検出回転角θSが求められ、さらに、回転角速度演算部42で検出回転角速度ωSが求められて、これら基づき、誘起電圧推定部26が推定誘起電圧EE αβを求める(ステップS12)。この推定誘起電圧EE αβを用いて、初期値決定部27が内部変数ξαβ(n)の初期値ξαβ(0)を求める(ステップS5)。この初期値ξαβ(0)を用いて、誘起電圧オブザーバ30によって、推定誘起電圧E^αβが求められる(ステップS6)。ただし、最初の推定演算のときには、EE αβ=E^αβとなるので、ステップS6の処理を省いてもよい。
こうして推定誘起電圧E^αβが求まると、これを用いて回転角推定部25によって、推定回転角θEが求められる(ステップS7)。この推定回転角θEに対して補正部44による補正が行われる(ステップS13)。この補正後の推定回転角θEを前記制御回転角θ^として用いて、モータ1が駆動される(ステップS8)。
一方、2回目以降の回転角推定演算のときには(ステップS3:NO)、前制御周期の内部変数ξαβ(n-1)を用いて、誘起電圧オブザーバ30によって、今制御周期の内部変数ξαβ(n)が求められる(ステップS9)。さらに、この内部変数ξαβ(n)を用いて、誘起電圧オブザーバ30によって推定誘起電圧E^αβが求められる(ステップS6)。そして、これを用いて回転角推定部25によって推定回転角θEが求められ(ステップS7)、さらに補正部44によって推定回転角θEに補正が加えられる。この補正後の推定回転角θEを制御回転角θ^として用いてモータ1の駆動が行われる(ステップS8)。
図8では、図示を省略したが、抵抗値更新部43は、検出回転角速度ωSおよび二相検出電流Iαβを常時監視していて、前述の抵抗値更新条件が満たされると、誘起電圧オブザーバ30のモータ抵抗Rの値を更新する。
このように、この実施形態によれば、推定回転角θEを求めるための推定演算が開始されると、舵角センサ9の出力信号を用いて推定誘起電圧EE αβが求められ、これに基づいて誘起電圧オブザーバ30の内部変数の初期値ξαβ(0)が演算される。したがって、この初期値ξαβ(0)は、モータ1の状態を反映しているので、誘起電圧オブザーバ30によって求められる推定誘起電圧E^αβは、速やかに妥当な値へと収束し、それに応じて推定回転角θEも速やかに適正な値へと収束する。これにより、推定回転角θEを制御回転角θ^として用いるセンサレス制御を速やかに立ち上げることができ、精度の高い制御回転角θ^を用いてモータ1を適切に制御することができる。したがって、モータ1を効率良く駆動することができるので、充分なトルクを発生させることができ、操舵感を向上することができる。
また、舵角センサ9の出力信号に基づいて推定回転角θEに対する補正を行うようにしているので、推定回転角θEの精度が低いときでも、この推定回転角θEに対する補正は正確に行うことができる。
さらに、誘起電圧オブザーバ30のパラメータであるモータ抵抗Rが随時更新される構成であるため、モータ温度の上昇によるモータ抵抗の変動や、個々のモータにおけるモータ抵抗のばらつきの影響を補償して、正確な推定回転角θEを求めることができる。
以上、この発明の2つの実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することができる。たとえば、前述の第2の実施形態で説明したモータ回転角速度(検出回転角速度もしくは推定回転角速度)または舵角速度に応じた推定回転角θEの補正に関する特徴は、第1の実施形態と組み合わせることができる。同様に、モータ回転角速度およびモータ電流が所定の抵抗値更新条件を満たしたときに誘起電圧オブザーバ30のモータ抵抗Rの値を更新する処理は、第1の実施形態にも適用できる。
また、前述の実施形態では、回転角センサを備えずに、専ら推定回転角θEを用いてモータ1の制御(センサレス制御)を行う構成について説明したが、レゾルバ等の回転角センサを備え、この回転角センサの故障時にセンサレス制御に切り換える構成としてもよい。この場合にも、誘起電圧オブザーバ30の内部変数ξαβの初期値が適切に設定される結果、推定回転角θEを速やかに妥当な値へと収束させることができる。
また、回転角推定部25における推定精度は、モータ1の誘起電圧Eαβの大きさが小さいときには悪くなる。そこで、誘起電圧Eαβの大きさが所定の誘起電圧閾値未満(推定演算中断条件)のときには、回転角推定部25による推定演算を中断するようにしてもよい。より具体的には、α軸誘起電圧Eαおよびβ軸誘起電圧Eβの絶対値がともに前記誘起電圧閾値に達していないことを推定演算中断条件としてもよい。また、この推定演算中断条件が一定時間以上継続したときに、回転角推定部25における推定演算を中断するようにしてもよい。誘起電圧波形の振幅が小さな状態であることを確実に判定できるようにするためには、前記一定時間は、誘起電圧閾値に対応するモータ回転角速度における電気角の1周期分に相当する時間とすることが好ましい。また、前記誘起電圧閾値は、回転角の推定が可能となる下限の回転角速度における誘起電圧の最大値(正弦波状に変化する誘起電圧波形の極大点に対応する値)以上とすることが好ましい。
判断対象となる誘起電圧Eαβとしては、誘起電圧推定部26,26Aによって求められる推定誘起電圧EE αβを用いてもよいし、誘起電圧オブザーバ30によって求められる推定誘起電圧E^αβを用いてもよい。
また、誘起電圧Eαβは、モータ1の回転角速度に依存するので、誘起電圧Eαβに代わる指標として、モータ1の回転角速度を用い、この回転角速度が所定の回転角速度閾値未満(推定演算中断条件)のときに、回転角推定部25による推定演算を中断することとしてもよい。判断対象となる回転角速度としては、回転角速度演算部42によって求められる検出回転角速度ωSを用いてもよいし、回転角推定部25が求める推定回転角θEを時間微分して得られる推定回転角速度を用いることとしてもよい。
推定回転角θEの演算を中断しているときは、αβ軸の指示電流を零とする零アンペア制御を行うようにしてもよい。
推定回転角θEの演算を中断しているときに、前記推定演算中断条件が満たされなくなったときには、回転角推定部25による推定演算を再開すればよい。この再開に当たって、初期値決定部27によって内部変数ξαβの初期値を決定することにより、推定回転角θEを速やかに妥当な値へと収束させることができる。
また、前述の第2の実施形態では、舵角センサ9の出力信号を用いているが、たとえば、舵取り機構3の作動部材の変位を検出する変位センサを設け、この変位センサの出力から、モータの回転角および回転角速度を演算する構成とすることもできる。舵取り機構3の作動部材としては、舵取り車輪に転舵力を付与するラック軸を例示できる。
また、前述の実施形態では、電動パワーステアリング装置の駆動源としてのモータ1を制御するために本発明が適用された場合について説明したが、この発明は、電動パワーステアリング装置以外の用途のモータ制御にも適用することができる。その場合、モータによる駆動対象の変位を検出する変位センサの出力を前述の舵角センサ9の出力と同様に処理することによって、前述の第2の実施形態に従う処理が可能となる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
この発明の第1の実施形態に係るモータ制御装置を適用した電動パワーステアリング装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。 モータの構成および座標系を説明するための図である。 回転角推定部の構成例を示すブロック図である。 誘起電圧オブザーバの構成例を説明するためのブロック図である。 図1の構成においてマイクロコンピュータが所定の制御周期毎に繰り返し実行する処理を説明するためのフローチャートである。 この発明の第2の実施形態に係るモータ制御装置が適用された電動パワーステアリング装置の構成を説明するためのブロック図である。 回転角速度に応じた推定回転角の補正を説明するための図である。 図6の構成においてマイクロコンピュータが所定の制御周期毎に繰り返し実行する処理を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
2…ステアリングホイール、4…ステアリングシャフト、9…舵角センサ、10…モータ制御装置、11…電流検出部、12…マイクロコンピュータ、31…信号処理部、50…ロータ、51〜53…ステータ巻線、55…ステータ

Claims (5)

  1. ロータと、このロータに対向するステータとを備えたモータを制御するためのモータ制御装置であって、
    前記ロータの回転角を推定するための回転角推定手段と、
    前記モータの誘起電圧を推定する誘起電圧推定手段と、
    この誘起電圧推定手段によって推定される推定誘起電圧に基づいて、前記回転角推定手段における推定演算のための初期値を決定する初期値決定手段と、
    前記回転角推定手段が前記初期値に基づいて推定した推定回転角に基づいて前記モータを制御する制御手段とを含む、モータ制御装置。
  2. 前記誘起電圧推定手段が、モータ電圧およびモータ電流を用いてモータ方程式から誘起電圧を推定するものである、請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 前記モータによって駆動される駆動対象の変位量を検出する変位量検出手段の出力に基づいて前記モータの回転角速度を演算する回転角速度演算手段をさらに含み、
    前記誘起電圧推定手段が、前記回転角速度演算手段によって演算される回転角速度から誘起電圧を推定するものである、請求項1記載のモータ制御装置。
  4. 前記モータによって駆動される駆動対象の変位速度を検出する変位速度検出手段と、
    この変位速度検出手段によって検出された変位速度に基づいて前記回転角推定手段によって求められた推定回転角を補正する補正手段とをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  5. 前記モータに流れる電流を検出するモータ電流検出手段と、
    前記モータによって駆動される駆動対象の変位速度を検出する変位速度検出手段と、
    この変位速度検出手段によって検出される変位速度が所定値以下で、かつ、前記モータ電流検出手段によって検出されるモータ電流が所定値以下のときに、モータ電流およびモータ電圧に基づいて前記モータの抵抗値を推定するモータ抵抗推定手段とを含み、
    前記回転角推定手段は、前記モータ抵抗推定手段によって推定されたモータ抵抗を用いて推定回転角を求めるものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
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