JP2010029014A - モータ制御装置、モータ制御方法および印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】予定された生涯印刷枚数分の印刷を行う前に動作不能になることがあった。
【解決手段】異なる被駆動体を駆動させる複数のモータにそれぞれ供給される電流値を取得する電流値取得部と、上記複数のモータの運転期間の少なくとも一部を重ならせた状態で当該複数のモータを運転させた場合に当該複数のモータに同時期に供給される電流値の和を、上記電流値取得部によって取得された電流値に基づいて算出し、当該算出した和が所定のしきい値を超えるか否か判定する判定部と、上記判定部によって上記和が上記しきい値を超えると判定された場合に、上記複数のモータの運転期間の重なりを維持した上で上記和が上記しきい値以下となるように各モータの運転状態を変更する運転制御部とを備える構成とした。
【選択図】図9
【解決手段】異なる被駆動体を駆動させる複数のモータにそれぞれ供給される電流値を取得する電流値取得部と、上記複数のモータの運転期間の少なくとも一部を重ならせた状態で当該複数のモータを運転させた場合に当該複数のモータに同時期に供給される電流値の和を、上記電流値取得部によって取得された電流値に基づいて算出し、当該算出した和が所定のしきい値を超えるか否か判定する判定部と、上記判定部によって上記和が上記しきい値を超えると判定された場合に、上記複数のモータの運転期間の重なりを維持した上で上記和が上記しきい値以下となるように各モータの運転状態を変更する運転制御部とを備える構成とした。
【選択図】図9
Description
本発明は、モータ制御装置、モータ制御方法および印刷装置に関する。
印刷装置は複数のモータを備え、各モータは印刷を実現するために印刷装置内における各被駆動体を駆動させる。この種の印刷装置として、給紙トレイに載置されている印刷用紙を搬送するLD(ロード)ローラ、LDローラよりも用紙の搬送方向において下流側に配置されたPF(ペーパフィード)ローラや排紙ローラ、プラテンの上方において上記用紙の搬送方向に対して垂直な方向に移動するキャリッジ、LDローラを駆動するためのASF(オートシードフィーダ)モータ、PFローラや排紙ローラを駆動するためのPFモータ、キャリッジを駆動するためのCR(キャリッジ)モータ等を備えたインクジェットプリンタが知られている(特許文献1参照。)。
特開2008‐56418号公報
今日、印刷装置のユーザには、より多くの枚数の印刷が可能な製品、つまり製品寿命内に印刷可能な枚数(生涯印刷枚数と呼ぶ。)がより多い製品が求められている。
しかし、印刷装置においては、印刷枚数が多くなるほどに様々な不具合が生じ得る。例えば、多くの印刷を繰り返すことで、用紙から生じる紙粉等のダストやインクの汚れ等が上記各ローラの軸周りやキャリッジのガイド部材や駆動機構などに付着し、このような付着により、各ローラを回転させるために必要な負荷やキャリッジを移動させるために必要な負荷が上昇する。ローラやキャリッジの回転、移動に際しての負荷上昇は、ローラやキャリッジを駆動させる各モータへの電流供給量を上昇させる結果となる。そして、このような負荷上昇は、ついには印刷装置が備える電源装置が供給可能な電流量を超える電流量を各モータが必要とする事態を生じさせ、その結果、印刷装置が予定していた生涯印刷枚数に到達する前に、印刷装置が動作不能となってしまうこともあり得た。
しかし、印刷装置においては、印刷枚数が多くなるほどに様々な不具合が生じ得る。例えば、多くの印刷を繰り返すことで、用紙から生じる紙粉等のダストやインクの汚れ等が上記各ローラの軸周りやキャリッジのガイド部材や駆動機構などに付着し、このような付着により、各ローラを回転させるために必要な負荷やキャリッジを移動させるために必要な負荷が上昇する。ローラやキャリッジの回転、移動に際しての負荷上昇は、ローラやキャリッジを駆動させる各モータへの電流供給量を上昇させる結果となる。そして、このような負荷上昇は、ついには印刷装置が備える電源装置が供給可能な電流量を超える電流量を各モータが必要とする事態を生じさせ、その結果、印刷装置が予定していた生涯印刷枚数に到達する前に、印刷装置が動作不能となってしまうこともあり得た。
また印刷装置においては、上記ASFモータやPFモータを同時期に駆動させて複数のローラを回転させることで、短時間で多くの用紙の搬送を行い、印刷の高速化を図っている。しかしながら、このような複数のモータの同時駆動は、印刷装置内で同時期に必要とされる電流量の増加を招来させるものであり、特に、上述したような印刷枚数が生涯印刷枚数に到達する前の印刷装置の動作不能の原因となり得る。なお、上記電源装置の電源容量を増加させることで上記のような動作不能に陥ることを解消することは可能であるが、電源容量の大きな電源装置を印刷装置に搭載することは印刷装置のコストアップや巨大化につながり、適切でない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、製品のコストアップや巨大化を生じさせることなくより多くの枚数の印刷を可能にし、また生涯印刷枚数分の印刷を可能にするモータ制御装置、モータ制御方法および印刷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のモータ制御装置は、異なる被駆動体を駆動させる複数のモータにそれぞれ供給される電流値を取得する電流値取得部と、上記複数のモータの運転期間の少なくとも一部を重ならせた状態で当該複数のモータを運転させた場合に当該複数のモータに同時期に供給される電流値の和を、上記電流値取得部によって取得された電流値に基づいて算出し、当該算出した和が所定のしきい値を超えるか否か判定する判定部と、上記判定部によって上記和が上記しきい値を超えると判定された場合に、上記複数のモータの運転期間の重なりを維持した上で上記和が上記しきい値以下となるように各モータの運転状態を変更する運転制御部とを備える。本発明によれば、複数のモータに同時期に供給される電流値の和が所定のしきい値を超える場合には、複数のモータの運転期間の重なりを維持した上で上記和が上記しきい値以下となるように各モータの運転状態が変更される。ここで言う各モータの運転状態とは、モータ毎の回転速度や回転速度の変化度合い等を意味する。この結果、複数のモータを同時期に運転させることによって生じうる電力不足を回避し、複数のモータを備える装置の動作が停止してしまうことを防止できる。
上記運転制御部は、上記判定部によって上記和が上記しきい値を超えると判定された場合に、上記複数のモータのうち少なくとも一つのモータについての定速運転期間における回転速度を低下させることにより上記和を上記しきい値以下にするとしてもよい。また、上記運転制御部は、上記判定部によって上記和が上記しきい値を超えると判定された場合に、上記複数のモータのうち少なくとも一つのモータについての加速運転期間における加速度合いを低下させることにより上記和を上記しきい値以下にするとしてもよい。このような構成によれば、各モータを運転するために必要となる電流量が全体として低下し、複数のモータを同時期に運転させることによって生じうる電力不足を適切に回避することができる。
上記複数のモータには、モータの回転速度と所定の目標速度との偏差に応じて生成される比例要素と積分要素と微分要素とに基づく電流値が供給され、上記電流取得部は、上記比例要素と積分要素と微分要素との少なくとも一つの要素に対応する電流値を取得するとしてもよい。当該構成によれば、各モータの運転をそれぞれフィードバック制御する構成の下で、容易に各モータに供給される電流値を取得することができる。
印刷装置において印刷用紙を所定の搬送経路に略沿って搬送するための第一搬送ローラ(被駆動体の一種)を駆動させる第一モータと、当該第一搬送ローラよりも上記搬送経路の下流側において印刷用紙を搬送するための第二搬送ローラ(被駆動体の一種)を駆動させる第二モータとを、上記複数のモータに含むとしてもよい。当該構成によれば、印刷装置において第一モータと第二モータとが同時に運転されることにより生じ得る電力不足を回避し、印刷装置が動作不能となることを防止する。特に当該構成は、印刷を数多く繰り返して各ローラの動作時の負荷が製品購入時等と比べて上昇している印刷装置において、上記生涯印刷枚数を達成するために非常に有効である。
上記印刷装置において上記第一モータおよび第二モータを互いの運転期間の少なくとも一部が重なるように運転させる同時期運転モードが設定されているか否かを、当該印刷装置で印刷が実行されていない所定のタイミングで判断するモード判断部と、当該モード判断部によって同時期運転モードが設定されていると判断された場合に、上記第一モータおよび第二モータにそれぞれ運転を実行させる試験運転指示部とを備え、上記電流値取得部は、上記試験運転指示部によって運転が実行された上記第一モータおよび第二モータへそれぞれ供給される電流値を取得するとしてもよい。
上記構成によれば、上記所定のタイミング、例えば印刷装置の電源投入後のタイミングで、同時期運転モードが設定されているか否かが判断され、同時期運転モードが設定されておりさらに上記和が上記しきい値を超える場合には、運転制御部が上記複数のモータの運転期間の重なりを維持した上で上記和が上記しきい値以下となるように各モータの運転状態を変更する。つまり、ユーザを煩わせることなく自動的に各モータの運転状態の変更が行なわれ、また、印刷処理中に複数のモータの同時運転に起因する電力不足や装置の動作停止が発生することを防止できる。
なお上記しきい値の一例として、上記判定部は、印刷装置が搭載する電源装置の電源容量に応じた電流規格値を採用するとしてもよい。
なお上記しきい値の一例として、上記判定部は、印刷装置が搭載する電源装置の電源容量に応じた電流規格値を採用するとしてもよい。
本発明の技術的思想は、上述したモータ制御装置の発明以外にも、上述したモータ制御装置が備える各部が行なう各処理工程を備えたモータ制御方法の発明や、上述したモータ制御装置が備える各部に対応した各機能をコンピュータに実行させるモータ制御プログラムの発明としても捉えることができる。また、モータ制御装置、モータ制御方法およびモータ制御プログラムは、複数の被駆動体と各被駆動体を駆動される複数のモータを備えた各種装置において実現することができ、特に、画像出力装置としてのプリンタ(印刷装置)等の具体的製品によって実現することができる。
以下の順序に従って、本発明の実施形態を説明する。
1.プリンタの概略説明
2.第一の実施例
3.第二の実施例
4.変形例
1.プリンタの概略説明
2.第一の実施例
3.第二の実施例
4.変形例
1.プリンタの概略説明
図1は、本実施形態にかかるプリンタ1の機構構造の要部および制御系の一部を概略的に示している。プリンタ1は本発明のモータ制御装置および印刷装置の一例に該当する。 プリンタ1は、印刷媒体としての印刷用紙Pを搬送するための機構として、LDローラ11、LD従動ローラ12、PFローラ13、PF従動ローラ14、排紙ローラ15、排紙従動ローラ16などを有する。LDローラ11は第一搬送ローラの一例に該当し、PFローラ13や排紙ローラ15は第二搬送ローラの一例に該当する。LDローラ11は、ASFモータ22の駆動によって回転する。LD従動ローラ12は、LDローラ11の回転に従って回転可能であり、またASFサブモータ28の駆動により、LDローラ11と接離する向きに移動可能である。
図1は、本実施形態にかかるプリンタ1の機構構造の要部および制御系の一部を概略的に示している。プリンタ1は本発明のモータ制御装置および印刷装置の一例に該当する。 プリンタ1は、印刷媒体としての印刷用紙Pを搬送するための機構として、LDローラ11、LD従動ローラ12、PFローラ13、PF従動ローラ14、排紙ローラ15、排紙従動ローラ16などを有する。LDローラ11は第一搬送ローラの一例に該当し、PFローラ13や排紙ローラ15は第二搬送ローラの一例に該当する。LDローラ11は、ASFモータ22の駆動によって回転する。LD従動ローラ12は、LDローラ11の回転に従って回転可能であり、またASFサブモータ28の駆動により、LDローラ11と接離する向きに移動可能である。
プリンタ1は、図示しない給紙トレイを有する。給紙トレイには印刷用紙Pが載置される。ASFサブモータ28の駆動により、LD従動ローラ12がLDローラ11に対して圧接している場合、給紙トレイ上の印刷用紙PがLDローラ11とLD従動ローラ12とによって挟まれ、給紙トレイ上の最上段の印刷用紙Pが、LDローラ11の回転に従って所定の搬送経路に略沿って搬送される。給紙トレイは、印刷用紙をプリンタ1の背面側(リア側)から給紙するものであっても、プリンタの前面側(フロント側)から給紙するものであってもよい。
LDローラ11およびLD従動ローラ12よりも搬送経路の下流側であってプラテン17よりも上流側には、PFローラ13およびPF従動ローラ14が配設されている。PFローラ13は、PFモータ25の駆動によって回転する。PF従動ローラ14は、PFローラ13に対して圧接状態にあるとともに、PFローラ13の回転に従って回転可能である。LDローラ11によって搬送された印刷用紙Pの先端がPFローラ13およびPF従動ローラ14の間に挟まれた後は、その印刷用紙PはPFローラ13の回転によっても搬送される。プリンタ1においては、一枚の印刷用紙PがLDローラ11およびLD従動ローラ12によって挟持されかつPFローラ13およびPF従動ローラ14によっても挟持されている場合には、当該一枚の印刷用紙PをLDローラ11およびPFローラ13の同期した回転によって搬送することも可能であるし、PFローラ13の回転だけで搬送することも可能である。
プラテン17を間に挟んでPFローラ13およびPF従動ローラ14よりも搬送経路の下流側には、排紙ローラ15および排紙従動ローラ16が配設されている。排紙ローラ15は、PFモータ25の駆動によって回転する。排紙従動ローラ16は、排紙ローラ15に対して圧接状態にあるとともに、排紙ローラ15の回転に従って回転可能である。プリンタ1の前面側には図示しない排紙トレイが配設されており、印刷が施された印刷用紙Pは、排紙ローラ15の回転によって排紙トレイへ搬送される。
プリンタ1は、キャリッジ18などの、印刷媒体Pに対してインクを吐出して印字するための印字機構を有する。この意味でプリンタ1はインクジェットプリンタである。キャリッジ18は、プラテン17の上方において、図1の紙面に垂直な方向、つまり上記搬送経路に対して垂直な方向(主走査方向)へ移動可能に配設される。キャリッジ18の内部には、不図示のインクカートリッジなどが配設される。キャリッジ18は、CRモータ30の駆動により、主走査方向へ移動する。キャリッジ18の下面には、プラテン17と対向させて記録ヘッド19が配設される。記録ヘッド19は、複数のインク吐出ノズル20を有する。複数のインク吐出ノズル20には、インクカートリッジからインクが供給される。複数のインク吐出ノズル20は、たとえば印刷媒体Pの搬送方向に沿って配列して形成される。各インク吐出ノズル20内には、不図示のピエゾ素子が配設される。ピエゾ素子は、印加される電圧に応じて変形する。ピエゾ素子が変形すると、その変形量に応じた量のインクがインク吐出ノズル20から吐出される。
キャリッジ18を主走査方向へ移動させている間に、複数のピエゾ素子に対して印刷データに応じた波形の電圧を印加することで、印刷媒体Pの、プラテン17と記録ヘッド19との間にある部位には、印刷データに応じてインク吐出ノズル20から吐出されたインクを付着させることができる。このキャリッジ18の移動を伴う印字処理と、印刷媒体Pを所定量ずつ搬送する紙送り処理とを交互に繰り返し実行することで、プリンタ1は、印刷媒体Pに、印刷データに基づく画像を印刷することができる。
図1に示すように、LDローラ11にはASFモータ22が接続し、PFローラ13および排紙ローラ15にはPFモータ25が接続し、LD従動ローラ12にはASFサブモータ28が接続し、キャリッジ18にはCRモータ30が接続している。ASFモータ22は第一モータの一例に該当し、PFモータ25は第二モータの一例に該当する。ASFモータ22には、ASFモータ22を駆動するためのドライバ23が接続し、PFモータ25には、PFモータ25を駆動するためのドライバ26が接続し、ASFサブモータ28には、ASFサブモータ28を駆動するためのドライバ29が接続し、CRモータ30には、CRモータ30を駆動するためのドライバ31が接続している。ASFモータ22、PFモータ25、ASFサブモータ28、CRモータ30には、DC(直流)モータ、ステッピングモータなどのパルスモータなどを採用できる。さらにプリンタ1は、ASFロータリエンコーダ24、PFロータリエンコーダ27、マイクロコンピュータ32などを有する。
ASFロータリエンコーダ24は、ASFモータ22の回転子とともに回転するASFスケール板と、ASFスケール板の外周に沿って形成される複数のスリットを検出するASFフォトインタラプタとを有する。ASFモータ22の回転子の回転量は、LDローラ11の回転量と一定の関係にある。ASFスケール板の回転量は、LDローラ11の回転量に対応付け可能である。ASFフォトインタラプタは、ASFモータ22およびLDローラ11とともにASFスケール板が回転すると、スリットの検出に応じて変化するパルス信号を生成する。パルス信号の周期は、ASFスケール板の回転速度に応じて変化する。たとえばASFスケール板の回転速度が上がると、パルス信号の周期は短くなる。
PFロータリエンコーダ27は、PFローラ13とともに回転するPFスケール板と、PFスケール板の外周に沿って形成される複数のスリットを検出するPFフォトインタラプタとを有する。PFフォトインタラプタは、PFローラ13とともにPFスケール板が回転すると、スリットの検出に応じて変化するパルス信号を生成する。パルス信号の周期は、PFスケール板の回転速度に応じて変化する。たとえばPFスケール板の回転速度が上がると、パルス信号の周期は短くなる。またキャリッジ18にもエンコーダ21が配設されている。エンコーダ21はリニア式エンコーダであり、キャリッジ18の移動速度に応じた周期となったパルス信号を出力する。
マイクロコンピュータ32は、メモリ33、CPU34などを有する。CPU34がメモリ33に記録された所定のプログラムを実行することで、マイクロコンピュータ32には、ASF駆動制御部35、PF駆動制御部36、モータ運転制御部37、CR駆動制御部38などが実現される。モータ運転制御部37は、電流値取得部37aと、判定部37bと、設定変更部37cと、モード判断部37dと、試験運転指示部37e等を含む。このような構成において、ASF駆動制御部35は、ASFモータ22を駆動するためのドライバ23に対して制御信号を送信し、PF駆動制御部36は、PFモータ25を駆動するためのドライバ26に対して制御信号を送信し、CR駆動制御部38は、CRモータ30を駆動するためのドライバ31に対して制御信号を送信する。また、ASFロータリエンコーダ24から出力されるパルス信号はASF駆動制御部35に入力し、PFロータリエンコーダ27から出力されるパルス信号はPF駆動制御部37に入力し、エンコーダ21から出力されるパルス信号はCR駆動制御部38に入力する。
マイクロコンピュータ32に対しては操作受付部38が接続されている。操作受付部38は、プリンタ1に備えられた不図示の入力部(ボタンやタッチパネル)を介してプリンタ1外部から入力される各種指示を、マイクロコンピュータ32に伝える。なお、ASFサブモータ28を駆動するためのドライバ29もマイクロコンピュータ32から出力される制御信号に基づいて駆動する。むろん図1は、プリンタ1の一部を図示したものであり、図1に示した構成以外にもプリンタ1は、上記印刷データの生成や印刷データの外部装置からの入力や印刷データに基づく各ピエゾ素子の駆動等といったプリンタ1に必要な各処理を実現するための各構成を備える。
図2は、PF駆動制御部36の構成をブロック図により示している。PF駆動制御部36は、位置演算部36aと、減算部36bと、目標速度演算部36cと、速度演算部36dと、減算部36eと、比例要素算出部36fと、積分要素算出部36gと、微分要素算出部36hと、加算部36iと、D/Aコンバータ36jと、タイマ36kと、加速制御部36mとを備える。位置演算部36aはエンコーダ(PFロータリエンコーダ27)が出力するパルス信号に基づいてPFモータ25の回転位置(基準となるある回転位置からの回転量)を求める。回転位置は、例えば、パルス信号の立ち上がりエッジおよび立ち下りエッジの数を計数することにより算出できる。減算部36bは、CPU34から送られてくる目標回転位置と、位置演算部36aによって求められたPFモータ25の実際の回転位置との位置偏差を演算する。
目標速度演算部36cは、減算部36bの出力である位置偏差に基づいてPFモータ25の目標回転速度を演算する。この演算は位置偏差にゲインKpを乗算することにより行われる。このゲインKpは位置偏差に応じて決定される。なお、このゲインKpの値は図示しないテーブルに格納していても良い。速度演算部36dはPFロータリエンコーダ27が出力するパルス信号に基づいてPFモータ25の回転速度を演算する。減算部36eは、目標回転速度と、速度演算部36dによって演算されたPFモータ25の実際の回転速度との速度偏差を演算する。
比例要素算出部36fは上記速度偏差に定数Gpを乗算し、乗算結果(比例要素)を出力する。積分要素算出部36gは上記速度偏差に定数Giを乗じたものを積算し、積算結果(積分要素)を出力する。微分要素算出部36hは現在の速度偏差と、1つ前の速度偏差との差に定数Gdを乗算し、乗算結果(微分要素)を出力する。比例要素算出部36f、積分要素算出部36g、および微分要素算出部36hによる演算は、例えば、PFロータリエンコーダ27が出力するパルス信号の1周期毎に同期して行う。比例要素算出部36f、積分要素算出部36g、および微分要素算出部36hの出力は加算部36iにおいて加算される。そしてこの加算結果、すなわちPFモータ25の駆動電流がD/Aコンバータ36jに送られてアナログ電流に変換される。このアナログ電流(制御信号)に基づいてドライバ26によってPFモータ25が運転され、PFローラ13等が回転する。
また、タイマ36kおよび加速制御部36mはPFモータ25の加速制御に用いられ、比例要素算出部36f、積分要素算出部36g、および微分要素算出部36hの出力結果を使用するPID制御はPFモータ25の定速(ただし厳密な意味での定速ではない。以下、定速と言った場合には同様。)制御および減速制御に用いられる。タイマ36kはCPU34から送られてくるクロック信号に基づいて所定時間毎にタイマ割込み信号を発生する。加速制御部36mは上記タイマ割込信号を受ける度毎に、CPU34から送られる付加電流値(例えば20mA)をそれまで積算した電流値に積算し、最新の積算結果すなわち加速時におけるPFモータ25の目標電流値をD/Aコンバータ36jに送出する。PID制御の場合と同様に上記目標電流値はD/Aコンバータ36jによってアナログ電流に変換され、このアナログ電流に基づいてドライバ26によってPFモータ25が運転される。
図3(a),(b)を参照してPF駆動制御部36の動作の一例を説明する。図3(a)は、PFモータ25に供給される電流値の変化の様子を例示し、図3(b)は、供給される電流値に応じて変化するPFモータ25の回転速度の様子を例示している。
PFモータ25が停止しているときにCPU34からPF駆動制御部36にPFモータ25を起動させる起動指令信号が送られると、加速制御部36mから起動初期電流値IOがD/Aコンバータ36jに送られる。起動初期電流値IOは起動指令信号とともにCPU34から加速制御部36mに送られてくる。そしてこの起動初期電流値IOはD/Aコンバータ36jによってアナログ電流に変換されてドライバ26に送られ、ドライバ26によってPFモータ25が起動開始する。
PFモータ25が停止しているときにCPU34からPF駆動制御部36にPFモータ25を起動させる起動指令信号が送られると、加速制御部36mから起動初期電流値IOがD/Aコンバータ36jに送られる。起動初期電流値IOは起動指令信号とともにCPU34から加速制御部36mに送られてくる。そしてこの起動初期電流値IOはD/Aコンバータ36jによってアナログ電流に変換されてドライバ26に送られ、ドライバ26によってPFモータ25が起動開始する。
起動指令信号を受信した後、所定の時間毎にタイマ36kがタイマ割込信号を発生させる。加速制御部36mはタイマ割込信号を受信する度毎に、起動初期電流値IOに付加電流値を積算し、積算した電流値をD/Aコンバータ36jに送る。するとこの積算した電流値はD/Aコンバータ36jによってアナログ電流に変換されてドライバ26に送られる。そしてPFモータ25に供給される電流の値が上記積算した電流値となるように、ドライバ26によってPFモータ25が駆動されPFモータ25の回転速度は上昇する。このためPFモータ25に供給される電流値は図3(a)に示すように階段状になる。なお、このときPID制御系も動作しているが、D/Aコンバータ36jは加速制御部36mからの出力を選択して取込む。
加速制御部36mの電流値の積算処理は、積算した電流値が一定の電流値ISとなるまで行われる。時刻t1において積算した電流値が所定値ISとなると、加速制御部36mは積算処理を停止し、D/Aコンバータ36jに一定の電流値ISを供給する。これによりPFモータ25に供給される電流の値が電流値ISとなるようにドライバ26によって駆動される。そして、PFモータ25の速度がオーバーシュートするのを防止するために、PFモータ25が所定の速度V1になると(時刻t2)、PFモータ25に供給される電流を減小させるように加速制御部36mが制御する。このときPFモータ25の速度は更に上昇するが、PFモータ25の速度が所定の速度Vcに達すると(時刻t3)、D/Aコンバータ36jが、PID制御系の出力すなわち加算部36iの出力を選択し、加速制御からPID制御へと切替える。
すなわち、目標回転位置と、PFロータリエンコーダ27の出力から得られる実際の回転位置との位置偏差に基づいて目標回転速度が演算され、この目標回転速度と、PFロータリエンコーダ27の出力から得られる実際の回転速度との速度偏差に基づいて、比例要素算出部36f、積分要素算出部36g、および微分要素算出部36hが動作し、各々比例、積分、および微分演算が行われ、これらの演算結果の和に基づいてPFモータ25の制御が行われる。これによりPFモータ25の回転速度は所望の速度Ve(時刻t4)となるように制御される。PFモータ25の回転位置が目標回転位置に近づくと(時刻t5)、位置偏差が小さくなって目標回転速度も小さくなる。このため、速度偏差すなわち減算部36eの出力が負となり、PFモータ25は減速し、時刻t6に停止する。
図2,3では、PF駆動制御部36について説明を行なったが、ASF駆動制御部35やCR駆動制御部38もPF駆動制御部36と同等の構成を備える。そのため、ASF駆動制御部35、ドライバ23、ASFモータ22、ASFロータリエンコーダ24からなる組み合わせおよび、CR駆動制御部38、ドライバ31、CRモータ30、エンコーダ21からなる組み合わせのそれぞれにおいても、基本的には図2,3に例示したような加速制御とPID制御とによるモータの運転が実行される。なお上記加速制御およびPID制御は、メモリ33などに予め保存されている速度制御データ33c(図1参照。)に従って実行される。速度制御データ33cは、例えば、制御対象のモータ(PFモータ25など)の加速、定速、減速からなる1サイクルの運転パターンを特定の運転パターンに略合致させるために種々のパラメータ等を規定した情報であり、例えば、上記付加電流値や起動初期電流値IOの大きさ、加速制御部36mに電流値の積算処理を実行させる時期的間隔、上記電流値IS、速度V1,Vc,Veなどを規定している。つまりマイクロコンピュータ32では、制御対象の各モータそれぞれに対応する所定の速度制御データ33cに従って、各モータのサイクル単位の運転を制御している。
2.第一の実施例
図4は、当該第一の実施例において主にモータ運転制御部37が実行する処理をフローチャートにより示している。当該処理は、例えば、プリンタ1の電源が投入された時や、インクカートリッジが交換された時や、所定のクリーニング処理が実行された時など、基本的にプリンタ1で印刷が実行されていない所定のタイミングで行なわれる。
ステップS(以下、ステップの表記を省略する。)100では、モータ運転制御部37は上記所定のタイミングであるか否かを判断する。ここでは一例として、モータ運転制御部37は、プリンタ1の電源がOFFからONに切替えられたか否かを判断するものとし、ONに切替えられたと判断した場合にS110に進む。
図4は、当該第一の実施例において主にモータ運転制御部37が実行する処理をフローチャートにより示している。当該処理は、例えば、プリンタ1の電源が投入された時や、インクカートリッジが交換された時や、所定のクリーニング処理が実行された時など、基本的にプリンタ1で印刷が実行されていない所定のタイミングで行なわれる。
ステップS(以下、ステップの表記を省略する。)100では、モータ運転制御部37は上記所定のタイミングであるか否かを判断する。ここでは一例として、モータ運転制御部37は、プリンタ1の電源がOFFからONに切替えられたか否かを判断するものとし、ONに切替えられたと判断した場合にS110に進む。
S110では、モード判断部37dが、現在のプリンタ1の印刷モードの設定が「同時期運転モード」であるか否か判断する。「同時期運転モード」とは、印刷用紙Pの搬送のためにASFモータ22とPFモータ25とを同時期に運転させて印刷を行なうモードを意味する。当該「同時期運転モード」の下で印刷を行なえば、より短時間で複数枚の用紙に対して印刷を完了させることができる。本実施形態において複数のモータを同時期に運転させると言った場合には、各モータの運転時期を完全に一致させる場合と、各モータの運転時期の少なくとも一部を重ならせる場合との両方を含むものとする。印刷モードの設定状況は、例えば、メモリ33の所定の記憶領域に保存されている印刷モード設定データ33b(図1参照。)を読み出すことにより判断可能である。つまり、モード判断部37dは、上記所定の記憶領域にその時点で保存されている印刷モード設定データ33bの内容が「同時期運転モード」を示している場合、S110において“Yes”と判断し、S120に進む。
一方、印刷モードの設定が「同時期運転モード」では無い場合、例えば、印刷モード設定データ33bが後述する「非同時期運転モード」を示している場合には、モード判断部37dは、S110において“No”と判断し、当該フローチャートを終了する。なお、プリンタ1の製品出荷時においては、基本的に「同時期運転モード」が設定されているものとする。
S120では、試験運転指示部37eが、「同時期運転モード」下において同時期運転の対象となる各モータ(ASFモータ22とPFモータ25)に対応する駆動制御部(ASF駆動制御部35とPF駆動制御部36)それぞれに起動指令信号を送信することにより、同時期運転の対象となる各モータに運転を実行させる。すなわち、所定の速度制御データ33cに基づく加速制御とPID制御とによる運転を、ASFモータ22とPFモータ25のそれぞれに実行させる。
さらにS120では、電流値取得部37aが、試験運転指示部37eの指示に基づいて運転中であるASFモータ22、PFモータ25それぞれに供給される電流値を取得する。例えば、PF駆動制御部36は、D/Aコンバータ36jがその時選択している電流値を、モータ運転制御部37の電流値取得部37aにも出力する構成とする。その結果、電流値取得部37aは、図3(a)に例示されたような運転中のPFモータ25に対して供給される電流値の波形を監視することができる。同様に、ASF駆動制御部35もD/Aコンバータ(PF駆動制御部36のD/Aコンバータ36jに相当する構成)がその時選択している電流値を電流値取得部37aにも出力する構成とする。その結果、電流値取得部37aは、運転中のASFモータ22に対して供給される電流値も監視することができる。
なおS120においては、ASFモータ22、PFモータ25それぞれに供給される電流値を取得できればよい。そのため、必ずしもASFモータ22とPFモータ25とを「同時期運転モード」に従って同時期に運転させる必要は無い。試験運転指示部37eは、ASF駆動制御部35に起動指令信号を出してASFモータ22を運転させた後に、PF駆動制御部36に起動指令信号を出してPFモータ25を運転させるとしてもよい(逆でもよい)。
S130では、判定部37bが、「同時期運転モード」下において同時期運転の対象となる複数のモータ(ASFモータ22とPFモータ25)を同時期に運転させた場合に当該複数のモータに同時期に供給される電流値の和を、電流値取得部37aによって取得された電流値に基づいて算出する。例えば判定部37bは、ASF駆動制御部35、PF駆動制御部36それぞれから電流値取得部37aが取得した電流値の2つの波形を、「同時期運転モード」下においてASFモータ22とPFモータ25とをそれぞれ駆動させるタイミングに従って重ね合わせる。そして、当該2つの波形が重なっている範囲の中で、それぞれの波形が示す電流値の合計が最大となる時点(ASFモータ22とPFモータ25とに供給される電流値の合計が最大となる瞬間)に対応する電流値の合計を上記和とする。
あるいは他の手法として、判定部37bは、ASFモータ22のPID制御による定速運転期間(図3(a)の例においては、時刻t4から時刻t5に含まれる全部あるいは一部の期間)における積分要素(積分要素算出部36gからの出力結果)の平均値を求め、同様に、ASFモータ22のPID制御による定速運転期間における積分要素の平均値を求める。そして、このように求めた2つの平均値の合計を上記和としてもよい。ただし、このように積分要素の平均値を求める場合には、電流値取得部37aは、ASF駆動制御部35とPF駆動制御部36のそれぞれから、積分要素算出部が出力する積分要素を随時入力する構成を採る。
あるいは他の手法として、判定部37bは、ASF駆動制御部35から電流値取得部37aが取得する上記波形における電流値の平均値を求め、同様に、PF駆動制御部36から電流値取得部37aが取得する上記波形における電流値の平均値を求め、このようにして求めた2つの平均値の合計を上記和としてもよい。
あるいは他の手法として、判定部37bは、ASF駆動制御部35から電流値取得部37aが取得する上記波形における電流値の平均値を求め、同様に、PF駆動制御部36から電流値取得部37aが取得する上記波形における電流値の平均値を求め、このようにして求めた2つの平均値の合計を上記和としてもよい。
S140では、判定部37bは上述した何れかの手法によって算出した電流値の和と所定のしきい値33aとを比較し、電流値の和がしきい値33aを超えるか否かを判定する。判定部37bは、電流値の和がしきい値33aを超えると判定した場合(Yes)にはS150に進み、一方、電流値の和がしきい値33aを超えないと判定した場合(No)にはS150をスキップして当該フローチャートを終了する。S140において用いるしきい値33aは、プリンタ1が搭載する不図示の電源装置が供給可能な電流量の上限を考慮してメモリ33等に予め設定されている数値であり、基本的には、プリンタ1が備える各モータに同時に供給される電流値の合計が当該しきい値33a以下であればプリンタ1が正常に動作して印刷処理を実行可能であることを意味する値である。
本実施形態では、一例として、上記電源装置の電源容量に応じた電流の規格値(上限値)をしきい値33aとし、メモリ33に予め保存している。かかる構成とすれば、例えば、「同時期運転モード」下においてASFモータ22とPFモータ25とに供給される電流値の合計が最大となる瞬間におけるASFモータ22とPFモータ25とに供給される電流値の合計が、上記規格値を超えるか否かを判定することができる。なお、上述したように判定部37bが複数の手法によって電流値の和を算出可能である場合には、電流値の和の算出手法の種類別にS140で使用するしきい値33aをメモリ33に用意しておき、判定部37bは、S130で採用した算出手法に応じてメモリ33から対応するしきい値33aを読み出して用いるとしてもよい。あるいは、ユーザが任意のしきい値33aをプリンタ1に対して設定することも可能である。つまりマイクロコンピュータ32は、操作受付部38を介してユーザから受け付けたしきい値の設定をメモリ33に保存してもよい。
上記S140において“Yes”の判定がなされた場合、S150では、設定変更部37cが、プリンタ1の印刷モードの設定を「同時期運転モード」から「非同時期運転モード」に切替える。この場合、例えば設定変更部37cは、メモリ33に保存されている印刷モード設定データ33bを、「非同時期運転モード」を示す内容に更新する。この結果、プリンタ1において「同時期運転モード」が解除される。「非同時期運転モード」とは、ASFモータ22およびPFモータ25の運転時期が重なる期間の長さを、少なくとも「同時期運転モード」下でASFモータ22およびPFモータ25の運転時期が重なる期間よりも減らしつつASFモータ22とPFモータ25とを運転させて印刷を行なうモードを意味する。プリンタ1に「非同時期運転モード」が設定された後、マイクロコンピュータ32においては、モータ運転制御部37が当該「非同期運転モード」の下でASF駆動制御部35、CR駆動制御部38、PF駆動制御部36等へそれぞれ指示を出すことにより印刷用紙Pの搬送およびキャリッジ18の移動を実現させ、また印刷データに基づく上記ピエゾ素子の駆動制御を行なうことにより、ユーザが所望する画像の印刷が行なわれる。
図5は、マイクロコンピュータ32が「同時期運転モード」においてASFモータ22、PFモータ25およびCRモータ30へ供給する電流値の変化の様子を例示している。 図6は、マイクロコンピュータ32が「非同時期運転モード」においてASFモータ22、PFモータ25およびCRモータ30へ供給する電流値の変化の様子を例示している。図5,6では、ASFモータ22へ供給される電流値を鎖線で示し、PFモータ25へ供給される電流値を一点鎖線で示し、CRモータ30へ供給される電流値を二点鎖線で示している。また図5,6では、ASFモータ22、PFモータ25、CRモータ30のうち2つ以上のモータに対して電流値が供給されている時期については、各モータへ供給される電流値の和(合計)を実線で示している。
図5に示すように「同時期運転モード」においては、ASFモータ22の運転時期とPFモータ25の運転時期とが略一致している。「同時期運転モード」では、ASFモータ22およびPFモータ25は、ほぼ同じタイミングでASF駆動制御部35、PF駆動制御部36それぞれによって駆動用の電流供給がされて加速を開始し、それぞれが所定の回転速度まで到達し、その後減速し、ASF駆動制御部35、PF駆動制御部36から供給される電流値はほぼ同じタイミングで0になる。一方、CRモータ30については、ASF駆動制御部35、PF駆動制御部36によるASFモータ22、PFモータ25への電流供給が終了してからあるいは終了する間際からCR駆動制御部38によって加速が開始され、その結果、CRモータ30は加速、定速、減速のサイクルを実行する。そして、ASFモータ22およびPFモータ25への電流供給が再び開始される時刻とほぼ時を合わせて、CRモータ30へ供給される電流値がほぼ0となる。
つまり「同時期運転モード」では、ASFモータ22およびPFモータ25の同期した運転による各ローラの回転で印刷用紙Pが所定量搬送される時期と、CPモータ30の運転によってキャリッジ18が移動する時期とが交互に発生する。なお、複数枚の印刷用紙Pに連続して印刷が行なわれる場合「同時期運転モード」においては、搬送中のある印刷用紙Pの終端がLDローラ11およびLD従動ローラ12による挟持から解放された後は、当該解放された印刷用紙PがPFモータ25の運転によって搬送されるとともに、当該解放された印刷用紙Pの搬送と同期して、次の新たな印刷用紙PがLDローラ11の回転によって搬送される。そのため「同時期運転モード」においては、ASFモータ22およびPFモータ25の運転時期が重なる期間に上記電流値の和(実線)が最大になると言える。
なお、図5には上記規格値のレベルを例示している。図5に示したように、仮に上記電流値の和(実線)が上記規格値を超えてしまうと、上記電源装置の電源供給能力ではプリンタ1が動作停止等に陥り、印刷処理が不可能となってしまう。特に、プリンタ1における印刷枚数の総数が増えるほど、上述したように各ローラ等を回転させる際の負荷が上昇するため、プリンタ1の寿命後期においては上記電流値の和(実線)がより高い値を示すようになり、動作停止等の危険性も増す。そこで上述したように、S140において、判定部37bが上記比較を行なうことにより、図5に示したような上記電流値の和(実線)が上記規格値を超える状態にある(S140においてYes)か否(S140においてNo)かを判定しているのである。
上記S140で“Yes”の判定がなされると、上述したように「同時期運転モード」から「非同時期運転モード」に切替えられる。「非同時期運転モード」では、基本的に、図6に示すようにASFモータ22の運転の後にPFモータ25の運転が行なわれる。具体的には「非同時期運転モード」では、ASFモータ22に対しASF駆動制御部35によって駆動用の電流供給がされてASFモータ22が加速を開始し、所定の回転速度まで到達し、その後減速する。そして、ASFモータ22に供給される電流値が0になるかあるいは0になる間際から、PFモータ25に対しPF駆動制御部36によって電流供給がされてPFモータ25が加速を開始し、所定の回転速度まで到達し、その後減速する。そして、PFモータ25に供給される電流値が0になるかあるいは0になる間際から、CRモータ30に対しCR駆動制御部38によって電流が供給され、CRモータ30は加速、定速、減速のサイクルを実行する。そして、ASFモータ22への電流供給が再び開始される時刻とほぼ時を合わせて、CRモータ30へ供給される電流値がほぼ0となる。
つまり「非同時期運転モード」では、ASFモータ22の運転によるLDローラ11の回転で印刷用紙Pが所定量搬送される時期と、PFモータ25の運転によるPFローラ13等の回転で印刷用紙Pが所定量搬送される時期と、CPモータ30の運転によってキャリッジ18が移動する時期とが順番に発生する。そのため、1枚の印刷用紙Pの搬送開始から印刷完了して排紙されるまでに要する時間は「同時期運転モード」と比較すると長くなるものの、ASFモータ22の運転時期とPFモータ25の運転時期とが明確にずれているが故に、各モータに供給される電流値の和が上記規格値を超えるような瞬間が生じなくなる。
このように本実施例によれば、プリンタ1が「同時期運転モード」に設定されている場合、当該「同時期運転モード」下において同時期運転の対象となる複数のモータを同時期に運転させた場合に当該複数のモータに同時期に供給される電流値の和を算出し、当該算出した電流値の和と所定のしきい値33aとを比較し、電流値の和がしきい値33aを超える場合には、「同時期運転モード」の設定を解除して「非同時期運転モード」を設定するとした。そして「非同時期運転モード」では、「同時期運転モード」下で同時期運転の対象となっていた複数のモータの運転時期の重なりを減らして、各モータを運転させるとした。その結果、プリンタ1による印刷処理の過程で、当該プリンタ1が備える電源装置が供給可能な電流値の上限を超えるような電流値が必要となる時がなくなり、製品設計上予定されている生涯印刷枚数を印刷し終えるまで、プリンタ1は安定した動作を保つことができる。また、本実施例の構成を用いれば、プリンタ1の製品寿命の後期において各モータを運転するための電流量が上昇することを見込んでプリンタ1の製品寿命前半においては不必要なほど電源容量が大きい電源装置をプリンタ1に搭載しておく必要がないため、プリンタ1のコストアップや巨大化を避けることができる。
3.第二の実施例
図7は、第二の実施例において主にモータ運転制御部37が実行する処理をフローチャートにより示している。図7に示すS100〜S140は、第一の実施例にかかる図4のS100〜S140と同じ内容であるため説明を省略する。図7のS140において“Yes”の判定がなされた場合、S250では、設定変更部37cは、「同時期運転モード」下において同時期運転の対象となる複数のモータ(ASFモータ22とPFモータ25)を同時期に運転させた場合に当該複数のモータに同時期に供給される電流値の和が上記しきい値33a以下となるように、当該複数のモータにそれぞれ適用される速度制御データ33cを変更する。なお第二の実施例では、「同時期運転モード」の設定は維持する。上述したように、各モータの運転パターンは速度制御データ33cに従って制御されるため、速度制御データ33cを変更することにより、各モータの運転パターンを変えることができる。
図7は、第二の実施例において主にモータ運転制御部37が実行する処理をフローチャートにより示している。図7に示すS100〜S140は、第一の実施例にかかる図4のS100〜S140と同じ内容であるため説明を省略する。図7のS140において“Yes”の判定がなされた場合、S250では、設定変更部37cは、「同時期運転モード」下において同時期運転の対象となる複数のモータ(ASFモータ22とPFモータ25)を同時期に運転させた場合に当該複数のモータに同時期に供給される電流値の和が上記しきい値33a以下となるように、当該複数のモータにそれぞれ適用される速度制御データ33cを変更する。なお第二の実施例では、「同時期運転モード」の設定は維持する。上述したように、各モータの運転パターンは速度制御データ33cに従って制御されるため、速度制御データ33cを変更することにより、各モータの運転パターンを変えることができる。
S250では、設定変更部37cは、例えば、ASFモータ22とPFモータ25のうち少なくとも一つのモータについての定速運転期間における回転速度が低下しその結果上記電流値の和がしきい値33a以下となるように、ASFモータ22とPFモータ25のうち少なくとも一つのモータについての速度制御データ33cを変更する。設定変更部37cは、例えば、PFモータ25に対応してメモリ33に設定されている速度制御データ33cに記述されている各種パラメータのうち上記速度Veをより低い値に書き換えたりすることで、PFモータ25の定速運転期間(図3(a)の例では、時刻t4から時刻t5に含まれる期間)における回転速度をそれまでの設定よりも低下させる。あるいは、プリンタ1は、定速運転期間における回転速度が異なる各運転パターンに対応した複数の速度制御データ33cをメモリ33に予め保存しておくとしてもよい。そしてS250では、設定変更部37cが、ASFモータ22とPFモータ25それぞれ(あるいはどちらか一方)の運転に適用する速度制御データ33cを上記複数の速度制御データ33cの中から選択するとしてもよい。むろんこの場合、設定変更部37cは、それまでメモリ33に設定されていた速度制御データ33cよりも、定速運転期間における回転速度が遅い運転パターンに対応した速度制御データ33cを選択し設定する。
なお第二の実施例では、速度制御データ33cを変更したことによって実際に上記電流値の和がしきい値33a以下となるか否かを確認するために、S250の後にS120に戻るとしてもよい。つまり、当該第二の実施例では、モータ運転制御部37は図7の替わりに、図8に示すフローチャートを実行するとしてもよい。図8においては、S250で変更された後の速度制御データ33cに基づいてASFモータ22、PFモータ25を運転させてS120〜S140の処理を行い、S140において“No”の判断がなされた場合にフローチャートを終了する。
図9は、マイクロコンピュータ32が「同時期運転モード」においてASFモータ22、PFモータ25およびCRモータ30へ供給する電流値の変化の様子であって、図7または図8のフローチャートに従って速度制御データ33cの変更がなされた後(ASFモータ22の定速運転期間における回転速度およびPFモータ25の定速運転期間における回転速度が低下するようにそれぞれのモータに適用する速度制御データ33cを変更した後)の電流値の変化の様子を例示している。上記第一の実施例で図5と図6とを比較して説明を行ったように、当該第二の実施例では、図5と図9とを比較して説明を行う。図9でも、図5と同様に、ASFモータ22へ供給される電流値を鎖線で示し、PFモータ25へ供給される電流値を一点鎖線で示し、CRモータ30へ供給される電流値を二点鎖線で示し、さらにASFモータ22、PFモータ25、CRモータ30のうち2つ以上のモータに対して電流値が供給されている時期については各モータへ供給される電流値の和(合計)を実線で示している。
図9も図5と同様に「同時期運転モード」であるため、ASFモータ22の運転時期とPFモータ25の運転時期とが略一致している。また、CRモータ30の加速は、ASFモータ22、PFモータ25への電流供給が終了してからあるいは終了する間際から開始され、ASFモータ22およびPFモータ25への電流供給が再び開始される時刻とほぼ時を合わせてCRモータ30に供給される電流値がほぼ0となる。しかしながら図9に示した「同時期運転モード」は、ASFモータ22の定速運転期間における回転速度およびPFモータ25の定速運転期間における回転速度がそれぞれ低下するように速度制御データ33cの変更がなされた後のプリンタ1の動作を示しているため、ASFモータ22、PFモータ25へそれぞれ供給される電流値のピークも図5と比較すると低く、その結果、電流値の和(実線)のピークも、図5に示した電流値の和(実線)のピークより低く上記規格値を下回っている。
つまり図9にかかる「同時期運転モード」では、ASFモータ22、PFモータ25の回転速度が図5にかかる「同時期運転モード」より遅いため、1枚の印刷用紙Pの搬送開始から印刷完了が完了して排紙されるまでに要する時間は図5にかかる「同時期運転モード」と比較すると長くなるものの、ASFモータ22、PFモータ25それぞれに供給される電流値が図5にかかる「同時期運転モード」よりも低いため、各モータに供給される電流値の和が上記規格値を超えるような瞬間が生じなくなる。
このように第二の実施例によれば、プリンタ1が「同時期運転モード」に設定されている場合、当該「同時期運転モード」下において同時期運転の対象となる複数のモータを同時期に運転させた場合に当該複数のモータに同時期に供給される電流値の和を算出し、当該算出した電流値の和と所定のしきい値33aとを比較し、電流値の和がしきい値33aを超える場合には、「同時期運転モード」の設定を維持しつつ、当該複数のモータを同時期に運転させた場合に当該複数のモータに同時期に供給される電流値の和がしきい値33a以下となるように当該複数のモータにそれぞれ適用される速度制御データ33cを変更するとした。その結果、プリンタ1による印刷処理の過程で、当該プリンタ1が備える電源装置が供給可能な電流値の上限を超えるような電流値が必要となる時がなくなり、製品設計上予定されている生涯印刷枚数を印刷し終えるまで、プリンタ1は安定した動作を保つことができる。また、第二の実施例の構成によれば、プリンタ1の製品寿命の後期において各モータを運転するための電流量が上昇することを見込んでプリンタ1の製品寿命前半においては不必要なほど電源容量が大きい電源装置をプリンタ1に搭載しておく必要がないため、プリンタ1のコストアップや巨大化を避けることができる。
なお設定変更部37cは、上記S250において速度制御データ33cを変更する場合、モータの定速運転期間における速度を低下させるように速度制御データ33cを変更することに加え或いは替えて、種々の態様で速度制御データ33cを変更させることができる。例えば、設定変更部37cは上記S250において、ASFモータ22とPFモータ25のうち少なくとも一つのモータについての加速運転期間における加速度合いを低下させその結果上記電流値の和がしきい値33a以下となるように、ASFモータ22とPFモータ25のうち少なくとも一つのモータについての速度制御データ33cを変更するとしてもよい。この場合、設定変更部37cは、例えば、PFモータ25に対応してメモリ33に設定されている速度制御データ33cに記述されている各種パラメータのうち上記付加電流値や上記電流値ISをより低い値に書き換える。
上記付加電流値や電流値ISをより低い値に変更すれば、モータの速度が定速状態となるまでの加速運転期間における加速の度合いが緩やかになる。加速、定速、減速からなるモータの1サイクルの運転を実現する場合、通常、加速時に最も多くの電流値を必要とし、その加速の度合いが急であるほど瞬間的に多くの電流値を必要とする。そこで、上記のようにモータの加速度合いを低下させる(より時間をかけてモータを定速状態まで加速させる)ことにより、各モータが運転に必要とする電流値の最大値を低下させ、その結果、「同時期運転モード」下において複数のモータを同時期に運転させた場合であっても、上記電流値の和がしきい値33a以下となるようにすることができる。
4.変形例
なお上記第一の実施例および第二の実施例では、「同時期運転モード」下で運転期間を重ならせて運転を行うモータの組み合わせとして、主に、ASFモータ22とPFモータ25との組み合わせを例に説明を行ったが、本発明の思想は運転期間が重なり合う複数のモータの運転を制御する場面においてあらゆるモータの組み合わせに関し適用可能である。例えば、CRモータ30の運転期間の少なくとも一部が、ASFモータ22およびまたはPFモータ25の運転期間と重なる場合には、CRモータ30とASFモータ22およびまたはPFモータ25にそれぞれ同時期に供給される電流値の和を算出し、算出した電流値の和と所定のしきい値とを比較するとしてもよい。図5,9を見て分かるように、「同時期運転モード」では、ASFモータ22およびPFモータ25が同時に運転される期間において、CRモータ30に対しても若干の電流が供給されている。
なお上記第一の実施例および第二の実施例では、「同時期運転モード」下で運転期間を重ならせて運転を行うモータの組み合わせとして、主に、ASFモータ22とPFモータ25との組み合わせを例に説明を行ったが、本発明の思想は運転期間が重なり合う複数のモータの運転を制御する場面においてあらゆるモータの組み合わせに関し適用可能である。例えば、CRモータ30の運転期間の少なくとも一部が、ASFモータ22およびまたはPFモータ25の運転期間と重なる場合には、CRモータ30とASFモータ22およびまたはPFモータ25にそれぞれ同時期に供給される電流値の和を算出し、算出した電流値の和と所定のしきい値とを比較するとしてもよい。図5,9を見て分かるように、「同時期運転モード」では、ASFモータ22およびPFモータ25が同時に運転される期間において、CRモータ30に対しても若干の電流が供給されている。
従って第一の実施例および第二の実施例では、S120において、試験運転指示部37eは、ASFモータ22、PFモータ25およびCRモータ30にそれぞれ対応する駆動制御部(ASF駆動制御部35、PF駆動制御部36およびCR駆動制御部38)に起動指令信号を送信してASFモータ22、PFモータ25およびCRモータ30に運転を実行させ、電流値取得部37aは、ASFモータ22、PFモータ25およびCRモータ30それぞれに供給される電流値を取得するとしてもよい。そしてS130では、判定部37bは、ASFモータ22、PFモータ25およびCRモータ30を同時期に運転させた場合にこれら複数のモータに同時期に供給される電流値の和を算出し(例えば、ASF駆動制御部35、PF駆動制御部36、CR駆動制御部38それぞれから電流値取得部37aが取得した電流値の3つの波形を、「同時期運転モード」下においてASFモータ22とPFモータ25とCRモータ30とをそれぞれ駆動させるタイミングに従って重ね合わせ、ASFモータ22とPFモータ25とCRモータ30とに供給される電流値の合計が最大となる瞬間に対応する電流値の合計を上記和とする。)、S140では、当該算出した電流値の和と所定のしきい値33aとを比較してもよい。
さらに、プリンタ1における電源不足をより回避するため、上記S140で“Yes”と判断された場合には、「同時期運転モード」を「非同時運転モード」に切り替えるとともに、各モータに関する速度制御データ33cを変更するとしてもよい。このような構成とすれば、「同時期運転モード」下において同時期に運転がなされていた各モータの運転時期の重なりが減るとともに、各モータの回転速度や加速度合いが低減するため、プリンタ1の動作中に電源不足に陥ることをより確実に防止することができる。
1…プリンタ、11…ASFローラ、13…PFローラ、18…キャリッジ、19…記録ヘッド、22…ASFモータ、25…PFモータ、28…ASFサブモータ、30…CRモータ、32…マイクロコンピュータ、33…メモリ、33a…しきい値、33b…印刷モード設定データ、33c…速度制御データ、34…CPU、35…ASF駆動制御部、36…PF駆動制御部、37…モータ運転制御部、37a…電流値取得部、37b…判定部、37c…設定変更部、37d…モード判断部、37e…試験運転指示部、38…CR駆動制御部
Claims (9)
- 異なる被駆動体を駆動させる複数のモータにそれぞれ供給される電流値を取得する電流値取得部と、
上記複数のモータの運転期間の少なくとも一部を重ならせた状態で当該複数のモータを運転させた場合に当該複数のモータに同時期に供給される電流値の和を、上記電流値取得部によって取得された電流値に基づいて算出し、当該算出した和が所定のしきい値を超えるか否か判定する判定部と、
上記判定部によって上記和が上記しきい値を超えると判定された場合に、上記複数のモータの運転期間の重なりを維持した上で上記和が上記しきい値以下となるように各モータの運転状態を変更する運転制御部とを備えることを特徴とするモータ制御装置。 - 上記運転制御部は、上記判定部によって上記和が上記しきい値を超えると判定された場合に、上記複数のモータのうち少なくとも一つのモータについての定速運転期間における回転速度を低下させることにより上記和を上記しきい値以下にすることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
- 上記運転制御部は、上記判定部によって上記和が上記しきい値を超えると判定された場合に、上記複数のモータのうち少なくとも一つのモータについての加速運転期間における加速度合いを低下させることにより上記和を上記しきい値以下にすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置。
- 上記複数のモータには、モータの回転速度と所定の目標速度との偏差に応じて生成される比例要素と積分要素と微分要素とに基づく電流値が供給され、上記電流取得部は、上記比例要素と積分要素と微分要素との少なくとも一つの要素に対応する電流値を取得することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のモータ制御装置。
- 印刷装置において印刷用紙を所定の搬送経路に略沿って搬送するための第一搬送ローラを駆動させる第一モータと、当該第一搬送ローラよりも上記搬送経路の下流側において印刷用紙を搬送するための第二搬送ローラを駆動させる第二モータとを、上記複数のモータに含むことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のモータ制御装置。
- 上記印刷装置において上記第一モータおよび第二モータを互いの運転期間の少なくとも一部が重なるように運転させる同時期運転モードが設定されているか否かを、当該印刷装置で印刷が実行されていない所定のタイミングで判断するモード判断部と、当該モード判断部によって同時期運転モードが設定されていると判断された場合に、上記第一モータおよび第二モータにそれぞれ運転を実行させる試験運転指示部とを備え、上記電流値取得部は、上記試験運転指示部によって運転が実行された上記第一モータおよび第二モータへそれぞれ供給される電流値を取得することを特徴とする請求項5に記載のモータ制御装置。
- 上記判定部は、上記印刷装置が搭載する電源装置の電源容量に応じた電流規格値を上記しきい値とすることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のモータ制御装置。
- 異なる被駆動体を駆動させる複数のモータにそれぞれ供給される電流値を取得する電流値取得工程と、
上記複数のモータの運転期間の少なくとも一部を重ならせた状態で当該複数のモータを運転させた場合に当該複数のモータに同時期に供給される電流値の和を、上記電流値取得工程によって取得された電流値に基づいて算出し、当該算出した和が所定のしきい値を超えるか否か判定する判定工程と、
上記判定工程によって上記和が上記しきい値を超えると判定された場合に、上記複数のモータの運転期間の重なりを維持した上で上記和が上記しきい値以下となるように各モータの運転状態を変更する運転制御工程とを備えることを特徴とするモータ制御方法。 - 異なる被駆動体を駆動させる複数のモータを備える印刷装置であって、
上記複数のモータにそれぞれ供給される電流値を取得する電流値取得部と、
上記複数のモータの運転期間の少なくとも一部を重ならせた状態で当該複数のモータを運転させた場合に当該複数のモータに同時期に供給される電流値の和を、上記電流値取得部によって取得された電流値に基づいて算出し、当該算出した和が所定のしきい値を超えるか否か判定する判定部と、
上記判定部によって上記和が上記しきい値を超えると判定された場合に、上記複数のモータの運転期間の重なりを維持した上で上記和が上記しきい値以下となるように各モータの運転状態を変更する運転制御部とを備えることを特徴とする印刷装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2008189661A JP2010029014A (ja) | 2008-07-23 | 2008-07-23 | モータ制御装置、モータ制御方法および印刷装置 |
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Cited By (1)
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JP2021187072A (ja) * | 2020-06-01 | 2021-12-13 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置 |
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2008
- 2008-07-23 JP JP2008189661A patent/JP2010029014A/ja active Pending
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