JP2021187072A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】負荷装置への電力供給を停止することなく、負荷装置への電力供給を効率良く行うことが可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】本発明の画像形成装置は、直流電圧を出力する電源部と、電源部から出力された直流電圧で駆動される1以上の負荷装置と、1以上の負荷装置の駆動形態を監視するとともに、1以上の負荷装置の駆動形態を制御可能な負荷制御部と、を備え、電源部は、直流電圧を発生させる直流電圧発生部と、直流電圧発生部から1以上の負荷装置に供給される電流の値を検出する供給電流検出部と、供給電流検出部で検出された電流の値を所定期間に亘って積分した値を生成する積分値生成部とを有し、負荷制御部は、積分値生成部で生成された値に基づいて、電源部から1以上の負荷装置への電流の供給が停止しないように、1以上の負荷装置の駆動形態を制御可能である。【選択図】 図5
Description
本発明は、画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置等の各種装置内の例えばファン、ローラ等の駆動モーターなどの負荷装置に対して電力供給を行う低電圧の電源装置には、過電流保護(OCP:Over Current Protection)機能が設けられている。そして、電源装置から負荷装置に供給された電流を時間軸上で積分した値(以下では、「供給電流積分値」と称する)が所定の上限値を超え、その状態が所定時間以上続くと、OCP機能が作動し、電力出力が停止される(以下、「ラッチ停止」と称する)。
また、従来、電源装置の保護回路(OCP機能)において、過電流動作時に任意の時間に過電流出力を遮断する(ラッチ停止する)技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお、この特許文献1に記載の保護回路では、電源装置の出力の過電流に応じて第1の制御信号を発生する制御信号発生回路と、第1の制御信号のレベルを検出し、検出した信号が所定レベル以上になると第2の制御信号を出力する信号検出回路と、信号検出回路から出力された第2の制御信号で駆動され、動作中に第1の制御信号が転送され、第1の制御信号が所定の時定数で充電され、所定の時間で基準電圧に達するタイマー回路(積分回路等で構成される)と、第1の制御信号がタイマー回路で充電されて基準電圧以上になったときに、電源装置の出力に流れる過電流を防止するための第3の制御信号を発生するラッチ動作部とが設けられている。
上述のように、従来、電源装置では、OCP機能が作動するタイミングは、供給電流積分値に基づいて決められる。そして、この供給電流積分値を算出(出力)する積分回路(例えば、特許文献1に記載の技術ではタイマー回路)では、所定の定数(時定数)でコンデンサの充電時間及び放電時間が決められており、積分回路内での電流の充放電の状況に応じて、電力出力の停止条件(OCP機能の作動条件)が変化する。また、例えばファン、ローラ等の駆動モーターなどの負荷装置は、互いに連携なく個別で駆動制御され、負荷装置の起動時や駆動中の供給電流の組み合わせも複雑になる。それゆえ、保護回路において、OCP機能が頻発しないようにするため、OCP機能の作動条件に十分なマージンが設けられる。しかしながら、このような方法では、電源装置の負荷率(供給電力の所定の上限値(最大値)に対する供給中の供給電力の割合)が低下し、電力供給形態が非効率的な形態となる。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、負荷装置への電力供給を停止することなく、負荷装置への電力供給を効率良く行うことが可能な画像形成装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、直流電圧を出力する電源部と、電源部から出力された直流電圧で駆動される1以上の負荷装置と、1以上の負荷装置の駆動形態を監視するとともに、1以上の負荷装置の駆動形態を制御可能な負荷制御部と、を備える。電源部は、直流電圧を発生させる直流電圧発生部と、直流電圧発生部から1以上の負荷装置に供給される電流の値を検出する供給電流検出部と、供給電流検出部で検出された電流の値を所定期間に亘って積分した値を生成する積分値生成部とを有する。そして、負荷制御部は、積分値生成部で生成された値に基づいて、電源部から1以上の負荷装置への電流の供給が停止しないように、1以上の負荷装置の駆動形態を制御可能である。
上記構成の本発明によれば、負荷装置への電力供給を停止することなく、負荷装置への電力供給を効率良く行うことが可能な画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成及び画像形成装置における負荷制御(負荷装置群への電力供給形態の制御)について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。
[OCP機能で発生し得る問題]
まず、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成及び画像形成装置における1以上の負荷装置からなる負荷装置群(後述の各種モーター)への電力供給形態の制御を説明する前に、本発明で解消する、OCP機能を有する電源装置で発生し得る課題について、図面を参照しながら具体的に説明する。一般に、OCP機能を有する電源装置では上述した負荷率の低下の問題だけでなく、以下に説明するような問題が発生し得る。
まず、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成及び画像形成装置における1以上の負荷装置からなる負荷装置群(後述の各種モーター)への電力供給形態の制御を説明する前に、本発明で解消する、OCP機能を有する電源装置で発生し得る課題について、図面を参照しながら具体的に説明する。一般に、OCP機能を有する電源装置では上述した負荷率の低下の問題だけでなく、以下に説明するような問題が発生し得る。
図1は、OCP機能を有する電源部の構成を示すブロック図である。なお、電源部40は、例えば、単出力ユニットのAC(Alternating Current)/DC(Direct Current)電源、単出力ユニットのDC/DC電源等で構成される。
電源部40は、図1に示すように、出力電圧発生部41(直流電圧発生部の一例)と、電流電圧変換部42と、電流検知部43(供給電流検出部の一例)と、積分算出部44(積分値生成部の一例)と、出力停止部45とを備える。なお、この例では、出力停止部45がOCP機能として作用する。
出力電圧発生部41は、負荷装置に供給する直流電圧を生成する。なお、電源部40がAC/DC電源である場合には、出力電圧発生部41は、AC/DCコンバーターで構成され、電源部40がDC/DC電源である場合には、出力電圧発生部41は、DC/DCコンバーターで構成される。そして、図1に示す例では、出力電圧発生部41の出力端子は、電流電圧変換部42を介して電源部40の電圧出力端子46に接続される。
電流電圧変換部42は、出力電圧発生部41から電圧出力端子46を介して負荷装置群に出力される電流を電圧に変換する。電流電圧変換部42で変換された電圧は、電流検知部43に出力される。
電流検知部43は、出力電圧発生部41で変換された電圧値に基づいて、電流電圧変換部42に入力される電流(負荷装置群への供給電流)の値を検知し、該検知した供給電流値を積分算出部44に出力する。
積分算出部44は、積分回路で構成され、電流検知部43から入力された供給電流値に基づいて、所定時間における供給電流値の積分値(供給電流積分値)を算出し、該算出した供給電流積分値を出力停止部45に出力する。
出力停止部45は、OCP機能を作動可能な所定の有効期間において、積分算出部44から入力された供給電流積分値が所定の上限値を超え、その状態が所定時間以上続くことを検知すれば、出力電圧発生部41に対して電力出力を停止する旨の指示信号(出力停止指示信号)を出力する。そして、出力電圧発生部41に出力停止部45から出力停止指示信号が入力された場合、出力電圧発生部41は電力出力を停止する(OCP機能が作動する)。
図2は、OCP機能で発生し得る問題を説明するための図である。図2中の信号波形aは、電流検知部43で検知された供給電流の値の時間変化特性である。図2中の信号波形bは、積分算出部44で算出された供給電流積分値の時間変化特性である。また、図2中の信号波形cは、OCP機能(出力停止部45)が作動可能であるか否かを示す信号の時間変化特性であり、当該信号がON状態である期間(時刻t1〜t5の期間)が、OCP機能(出力停止部45)が作動可能となる期間(所定の有効期間)である。なお、信号波形cがOFF状態となる期間では、OCP機能(出力停止部45)は作動しない。
図2に示す例では、信号波形bに示すように、時刻t1〜t5の期間(OCP機能が作動可能となる所定の有効期間)内の時刻t2から時刻t3までの期間、供給電流積分値が上昇し(積分回路が充電状態であり)、その後、供給電流積分値が下降し(積分回路が放電状態であり)、時刻t4で、供給電流積分値が時刻t2での値と同じとなる例を示す。なお、図2に示す例では、OCP機能は作動していない例を示す。
図2に示す供給電流積分値の時間変化特性(信号波形b)において、時刻t2(時刻t4)での供給電流積分値が、OCP機能の作動条件の一つである供給電流積分値の上限値であるとすると、時刻t2〜t3の期間のように、供給電流積分値が上昇し続け、その状態の継続時間がOCP機能のもう一つの作動条件である所定時間以上となった場合には、OCP機能が作動し、電力供給が停止する。一方、時刻t3〜t4の期間のように、供給電流積分値が下降し続ける状況では、供給電流積分値がその上限値を超えていても、いずれ、供給電流積分値がその上限値未満となるのは明らかであるので、その状態の時間が所定時間以上となっても、電力供給を停止する必要はない。
しかしながら、従来のOCP機能の作動条件の設定において、供給電流積分値がその上限値を超える所定時間を、例えば、時刻t2〜t3より長く且つ時刻t2〜t4より短い期間に設定すると、電力供給を停止する必要がないタイミング(時刻t3〜t4の間のタイミング)でOCP機能が作動し、電力供給が停止する。一方、供給電流積分値がその上限値を超える所定時間を、例えば、時刻t2〜t3より短い期間に設定すると、OCP機能が頻発して作動する可能性もある。すなわち、供給電流積分値の時間軸上での変化状況を考慮せずに、OCP機能の作動条件を設定した場合には、OCP機能を作動させる必要がないタイミングでOCP機能が作動したり、供給電流(電源装置の出力電力)が少し変動しただけでOCP機能が作動したりする。この場合、負荷装置群を効率よく駆動制御することができなくなる可能性がある。なお、従来の電源装置では、電源部からの出力電流値(供給電流値)の検出は行われているが、出力電流値の変化傾向を考慮してOCP機能の作動の有無を判定するように手法は提案されていない。
<一実施形態>
そこで、以下に説明する本発明の一実施形態に係る画像形成装置では、上述した各種問題を解消するため、供給電流積分値の変化状況に基づいて、1以上の負荷装置からなる負荷装置群の駆動形態(負荷装置群への電力供給形態)を適宜制御可能な負荷制御部を設ける。
そこで、以下に説明する本発明の一実施形態に係る画像形成装置では、上述した各種問題を解消するため、供給電流積分値の変化状況に基づいて、1以上の負荷装置からなる負荷装置群の駆動形態(負荷装置群への電力供給形態)を適宜制御可能な負荷制御部を設ける。
[画像形成装置]
図3は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。なお、図3には、画像形成装置の基本構成部のみを示すが、本発明の画像形成装置の構成は図3に示す例に限定されない。
図3は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。なお、図3には、画像形成装置の基本構成部のみを示すが、本発明の画像形成装置の構成は図3に示す例に限定されない。
画像形成装置1は、電子写真方式によって用紙に画像を形成する画像形成装置の一例である。画像形成装置1は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー画像を重ね合わせるタンデム形式によって、用紙上にカラー画像を形成する。
画像形成装置1は、画像入力部11と、操作表示部13と、プリンター部10とを備える。
画像入力部11は、自動原稿給送装置(ADF:Auto Document Feeder)12を有する。画像入力部11は、自動原稿給送装置12が給送した原稿の画像を光学的に読み取り、読み取った画像をA/D(Analog to Digital)変換して画像データを生成する。なお、画像入力部11は、プラテンガラス上で原稿から画像を読み込むこともできる。
操作表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイなどの表示デバイス等からなる表示部、及び、タッチセンサー等からなる操作部で構成される。表示部及び操作部は、例えばタッチパネルとして一体に形成される。操作表示部13は、操作部に入力されたオペレーターからの操作内容を表す操作信号を生成し、該操作信号を後述の制御部30(後述の図4参照)に供給する。また、操作表示部13は、後術の制御部30から供給される表示信号に基づいて、表示部に、オペレーターによる操作内容や設定情報等を表示する。なお、操作部をマウスやタブレットなどで構成し、表示部とは別体で構成することも可能である。
プリンター部10は、給紙部14、搬送路15、読取部16、反転部18、排紙トレイ19、画像形成部20、転写部26及び定着部27を有する。
給紙部14は、画像形成部20で画像形成が行われる用紙を収容する容器(給紙トレイ)である。給紙部14には、それぞれ、紙種や坪量等が異なる用紙が収容される。なお、本実施形態では、画像が形成される媒体として、印刷用紙(紙)を用いる例を説明するが、本発明はこれに限定されず、例えば、セル、フィルム、布帛等を用いることができる。
搬送路15は、給紙部14から給紙された用紙を排紙トレイ19まで搬送する。本実施形態では、搬送路15に沿って用紙搬送方向の上流側から、画像形成部20、転写部26、定着部27及び読取部16が、この順で配置される。
搬送路15は、下流側で分岐し、一方の分岐路では、搬送路15が伸長して排紙トレイ19に接続される。他方の分岐路では、分岐した搬送路15の一端に、反転部18内に設けられた搬送路15の上流側に合流する反転搬送路17が接続される。反転部18では、経路の切り替えによって用紙が反転され、反転した用紙は、反転搬送路17を介して搬送路15の上流側に戻される。また、反転部18で反転した用紙が、搬送路15の下流側に戻された後、排紙トレイ19に搬送されることもある。
画像形成部20は、用紙に画像を形成する機能を有する。画像形成部20は、Y,M,C及びKの4色のトナー画像をそれぞれ形成するための、4つの画像形成ユニット21Y,21M,21C及び21Kを有し、用紙に画像を形成する。
画像形成ユニット21Y,21M,21C,21Kは、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム22Y,22M,22C,22Kを有する。また、画像形成ユニット21Y,21M,21C,21Kは、それぞれ、現像部23Y,23M,23C,23Kを有する。また、画像形成ユニット21Y,21M,21C,21Kのそれぞれは、帯電部、露光部(いずれも不図示)を有する。
現像部23Y,23M,23C,23Kは、それぞれ、感光体ドラム22Y,22M,22C,22Kの各表面(外周部)に、画像に応じた光を照射することにより、各感光ドラムの周上に静電潜像を形成させる。そして、現像部23Y,23M,23C,23Kは、それぞれ、該静電潜像にトナーを付着させることにより、感光体ドラム22Y,22M,22C,22K上にトナー画像を形成する。
転写部26は、搬送路15の用紙搬送方向において、画像形成部20の下流側に配置される。転写部26は、中間転写ベルト24及び2次転写部25を有する。中間転写ベルト24は、感光体ドラム22Y,22M,22C,22Kに形成された画像が1次転写されるベルトである。2次転写部25は、中間転写ベルト24上に1次転写された各色のトナー画像を、搬送路15による搬送された用紙に2次転写するローラである。
定着部27は、搬送路15の用紙搬送方向において、2次転写部25の下流側に配置され、画像形成部20から供給されるカラーのトナー画像が形成された用紙に対して、定着処理を施す。定着部27によって定着処理が施された用紙は、排紙トレイ19又は反転部18(反転搬送路17)に排紙される。
読取部16は、搬送路15の用紙搬送方向において、定着部27の下流側に配置される。読取部16は、イメージセンサー等からなる画像読取装置の一例であり、用紙に形成された画像を読取って、読取画像を出力する。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置1の内部構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、図4に示すように、図3で説明した各種構成部だけでなく、制御部30と、記憶部34と、通信インタフェース(I/F)35と、電源部40と、負荷制御部50と、バス29とを備える。バス29は、各構成部間を電気的に接続して、各構成部間における信号の入出力が行われる信号経路である。
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33を有する。制御部30は、例えば、マイクロプロセッサ等で構成され、画像形成装置1の全体制御を行う。
CPU31は、画像形成装置1内の各部の動作を制御する。例えば、CPU31は、操作表示部13を介して行われるユーザーの印刷指示に基づいた画像形成部20の画像形成処理の制御や、給紙部14による用紙の供給処理の制御や、画像データのオブジェクト化処理の制御等を行う。また、CPU31は、操作表示部13から、ユーザーによるジョブの設定、後処理装置(不図示)を用いた後処理機能の登録等を受け取る。
ROM32は、例えば不揮発性メモリ等の記憶媒体で構成され、CPU31が実行及び参照するプログラムやデータ等を記憶する。
RAM33は、例えば揮発性メモリ等の記憶媒体で構成され、CPU31が行う各処理に必要な情報(データ)を一時的に記憶する。
記憶部34は、CPU31によって実行されるプログラムを格納したコンピューター読取可能な非一過性の記録媒体で構成され、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置で構成される。記憶部34は、CPU31が各部を制御するためのプログラム、OS(Operating System)、コントローラー等のプログラム、データを記憶する。なお、記憶部34に記憶されるプログラム、データの一部は、ROM32に記憶されてもよい。また、CPU31によって実行されるプログラムを格納したコンピューター読取可能な非一過性の記録媒体は、HDDに限定されず、例えば、SSD(Solid State Drive)、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM等の記録媒体であってもよい。
通信I/F35は、NIC(Network Interface Card)やモデム等で構成され、後処理装置(不図示)及びPC(Personal Computer)端末(不図示)との接続を確立し、各種データの送受信を実行する。
電源部40は、画像形成装置1内の1以上の負荷装置(例えば、2次転写部25のローラや搬送ローラ(不図示)等を駆動するステッピングモーター、送風部(不図示)のファンを駆動するファンモーター等)に電力を供給する。なお、電源部40の内部構成については、後で図面を参照しながら説明する。
負荷制御部50は、現在の負荷率に基づいて、OCP機能が作動し得る状態(例えば、負荷率が100%を超えた状態(過電流状態))が発生しないように1以上の負荷装置の動作状況(負荷装置群への電力供給形態:以下では、「負荷状況」と称する)を制御する。なお、本実施形態では、負荷制御部50は、後述するように電源部40で駆動される各負荷装置に電気的に接続され(後述の図5参照)、各負荷装置の動作を制御可能であるとともに、各負荷装置の動作状況を監視可能な構成を有する。
本実施形態では、現在の負荷率は、積分算出部44の出力情報(供給電流積分値(供給電流の変化状況))から算出される。具体的には、積分算出部44から出力される供給電流積分値の上限値に対する現在の供給電流積分値の割合が負荷率として算出される。また、本実施形態において、負荷制御部50で監視(取得)する負荷状況の情報は、駆動中の負荷装置の種別毎の個数である(後述の図6及び図7参照)。すなわち、本実施形態では、負荷制御部50において、電源部40で駆動される負荷装置群全体の動作状況を負荷率で監視し、各負荷装置の動作状況を負荷状況の情報で監視する。なお、これらの各情報は本実施形態の例に限定されず、負荷制御部50において、負荷装置群全体の動作状況を把握可能な情報であれば、負荷率以外の情報を用いることができ、各負荷装置の動作状況を把握可能な情報であれば、負荷状況以外の情報を用いることができる。
負荷制御部50による負荷状況の制御では、OCP機能が作動し得る状態が発生した場合、例えば、駆動中の負荷装置の駆動パラメータ(例えば、ファンモーターの風量、ステッピングモーターの駆動電流等)を変化させたり(後述の図6参照)、駆動される負荷装置の種別毎の個数を変化させるような制御が行われる。
また、本実施形態では、負荷制御部50による負荷状況の制御において、次の処理動作が行われると、OCP機能が作動し得る状態が発生する場合には、次動作以降の動作の内容を変更する場合もある(後述の図7参照)。なお、次動作以降の動作の内容を変更する手法としては、例えば、次の予定動作とその次の予定動作との順番を入れ替える手法を採用してもよいし、次の予定動作を行う前に、負荷率が一旦下がるように負荷状況(負荷装置群への電力供給形態)を変化させる別の処理動作を行い、その後、次の予定動作を実行するような手法を採用してもよい。
[負荷制御部による負荷状況の制御手法]
図5は、本実施形態に係る画像形成装置1内の負荷制御に係る構成部のブロック図である。図5には、電源部40の内部構成、電源部40及び負荷制御部50の間の接続関係、並びに、負荷制御部50及び各種負荷装置の間の接続関係を示す。
図5は、本実施形態に係る画像形成装置1内の負荷制御に係る構成部のブロック図である。図5には、電源部40の内部構成、電源部40及び負荷制御部50の間の接続関係、並びに、負荷制御部50及び各種負荷装置の間の接続関係を示す。
なお、本実施形態では、図5に示すように、電源部40の構成は、図1で説明したOCP機能を有する電源部40の構成と同様の構成とする。それゆえ、電源部40の各構成部に対して図1と同じ符号を付して示し、それらの説明は省略する。また、本実施形態では、説明の便宜上、電源部40からの電力供給対象となる負荷装置が、画像形成装置1内に設けられた複数のブラシレスモーター61、複数のステッピングモーター62及び複数のファンモーター63である例を説明する。また、図5では、説明の便宜上、ブラシレスモーター61、ステッピングモーター62及びファンモーター63をそれぞれ1個ずつ図示する。
負荷制御部50の入力端子47は、図5に示すように、積分算出部44の出力端子に接続され、負荷制御部50の出力端子は、電源部40により駆動される複数のブラシレスモーター61、複数のステッピングモーター62及び複数のファンモーター63のそれぞれに接続される。
負荷制御部50は、積分算出部44から入力された供給電流積分値に基づいて、複数のブラシレスモーター61、複数のステッピングモーター62及び複数のファンモーター63を含む負荷装置群に対する電力供給形態、すなわち、負荷状況(各負荷装置の動作状況)を変更する必要があるか否かを判定する。
この判定処理では、負荷制御部50は、例えば、供給電流積分値を用いて算出した現在の負荷率が100%を超えているか否かや、次の処理動作を実行した際に負荷率が100%を超えるか否か、等の判定を行う。なお、例えば、現在の負荷率が100%を超えている場合や、次の処理動作を実行した際に負荷率が100%を超える場合には、負荷制御部50は、負荷状況を変更する必要があると判定する。
そして、負荷制御部50が供給電流積分値(負荷率)に基づいて負荷状況を変更する必要があると判定した場合には、変更後の負荷状況(電力供給形態)において駆動変更対象となる各負荷装置に対して制御信号(駆動指示信号)を出力する。なお、この際、例えば、駆動中の負荷装置の駆動パラメータ(例えばファンモーターの風量、ステッピングモーターの駆動電流等)を変更して負荷状況を変更する場合には、この制御信号(駆動指示信号)に変更後の駆動パラメータに関する情報等が含まれる。また、この際、例えば、駆動される負荷装置の種別毎の個数を変更して負荷状況を変更する場合には、新たに駆動開始又は駆動停止する負荷装置に対して制御信号(駆動指示信号)が出力され、その信号には、駆動開始又は駆動停止に関する情報が含まれる。これにより、駆動変更対象の負荷装置を、制御信号(駆動指示信号)に含まれる情報に対応する形態で、駆動制御することができる。また、この際、例えば、次動作以降の動作の内容を変更して負荷状況を変更する場合には、この制御信号(駆動指示信号)には、変更後の次動作で新たに駆動開始又は駆動停止する負荷装置に関する情報等が含まれる。以下、負荷制御部50による負荷状況(負荷装置群への電力供給形態)の具体的な制御例を説明する。
(1)制御例1
図6は、本実施形態に係る負荷制御部50による負荷状況の制御例1を説明するための図である。なお、図6(A)〜図6(D)は、制御例1における負荷装置群の駆動制御の流れを示し、各図中の表では、「負荷状況」の欄に、駆動中の負荷装置の種別毎の個数を示し、「負荷率」の欄には、負荷率の値を%表示する。
図6は、本実施形態に係る負荷制御部50による負荷状況の制御例1を説明するための図である。なお、図6(A)〜図6(D)は、制御例1における負荷装置群の駆動制御の流れを示し、各図中の表では、「負荷状況」の欄に、駆動中の負荷装置の種別毎の個数を示し、「負荷率」の欄には、負荷率の値を%表示する。
制御例1では、まず、現在の負荷状況として、10個のブラシレスモーター61、5個のステッピングモーター62及び10個のファンモーター63が駆動中であり、負荷率が90%である状態(図6(A)の状態)を考える。次いで、次の処理動作により、図6(B)に示すように、2個のファンモーターを新たに駆動する(ブラシレスモーター61及びステッピングモーター62の動作状況は変化無し)と、負荷率が105%となった場合を考える。
従来のOCP機能を有する電源部(図1に示す負荷制御部50が設けられていない電源部40)において、図6(B)に示す負荷率が100%を超えた状態(過電流状態)が所定時間以上続けば、OCP機能が作動し、電源部40からの電力出力(負荷装置群への供給電流)が停止する。
しかしながら、本実施形態では、図6(B)の状態において、まず、負荷制御部50は、負荷率の情報に基づいて、OCP機能を作動させないようにするために負荷状況(負荷装置群に対する電力供給形態)を変更する必要があるか否かを判定する。そして、この例では、図6(B)の状態において負荷率が100%を超えているので、負荷制御部50は、負荷状況を変更する必要があると判定する。
次いで、負荷制御部50は、負荷状況を変更する必要があると判定された場合の第1の制御として、図6(C)に示すように、負荷率を90%に低下させてOCP機能を作動させないようにするため、12個のファンモーター63に制御信号を出力し、その風量(駆動電流)を100%から80%に低下させる。その結果、負荷状況(12個のファンモーター63の風量)が変更され、負荷率が100%以下(90%)となる。
また、図6(B)の状態において、負荷制御部50は、負荷状況を変更する必要があると判定された場合の第2の制御として、図6(D)に示すように、負荷率を95%に低下させてOCP機能を作動させないようにするため、5個のステッピングモーター62に制御信号を出力して、その駆動電流を正常動作に支障をきたさない程度の値に低減させる。その結果、負荷状況(5個のステッピングモーター62の駆動電流)が変更され、負荷率が100%以下(95%)となる。
なお、図6に示す負荷制御部50による負荷状況の制御例1では、電源部40の負荷率が100%を超えた際に負荷制御部50により負荷状況の制御を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、過電流状態を確実に発生させないようにするため、電源部40の負荷率が100%以下の所定値(例えば、95%等)を超えた際に、負荷制御部50により負荷状況の制御を行うようにしてもよい。
上述のように、制御例1では、電源部40の負荷率が100%を超えた(過電流が発生した)場合、負荷制御部50は、制御対象となる負荷装置の駆動パラメータ(風量、駆動電流等)を変更することにより負荷率を100%以下に抑える。それゆえ、この制御例1では、電源部40からの電力出力を停止させることなく(OCP機能を作動させることなく)、高負荷率で負荷装置群を駆動させることができる。
(2)制御例2
図7は、本実施形態に係る負荷制御部50による負荷状況の制御例2を説明するための図である。なお、図7(A)〜図7(D)は、制御例2における負荷装置群の駆動制御の流れを示し、各図中の表では、「負荷状況」の欄に、駆動中の負荷装置の種別毎の個数を示し、「負荷率」の欄には、負荷率の値を%表示する。
図7は、本実施形態に係る負荷制御部50による負荷状況の制御例2を説明するための図である。なお、図7(A)〜図7(D)は、制御例2における負荷装置群の駆動制御の流れを示し、各図中の表では、「負荷状況」の欄に、駆動中の負荷装置の種別毎の個数を示し、「負荷率」の欄には、負荷率の値を%表示する。
制御例2では、まず、現在の負荷状況として、10個のブラシレスモーター61、5個のステッピングモーター62及び10個のファンモーター63が駆動中であり、負荷率が90%である状態(図7(A)の状態)を考える。そして、この例では、図7(A)の状態において、次の動作として例えばトナー補給動作が予定されており、このトナー補給動作が行われると、負荷率が100%を超えてしまう場合(負荷率が105%となる場合:図7(B)の状態)を考える。なお、ここでは、トナー補給動作が行われる場合には、ブラシレスモーター61及びステッピングモーター62がそれぞれ1個ずつ新たに駆動され(ファンモーター63の動作状況は変化無し)、負荷率が15%増大するものとする。
図7(A)の状態において、トナー補給動作が行われると、図7(B)に示すように、ブラシレスモーター61及びステッピングモーター62がそれぞれ1個ずつ新たに駆動され、負荷率が105%となる。それゆえ、従来のOCP機能を有する電源部(図1参照)において、図7(B)の状態が所定時間以上続けば、OCP機能が作動し、電源部40からの電力出力(負荷装置群への供給電流)が停止する。
しかしながら、本実施形態では、図7(A)の状態において、まず、負荷制御部50は、現在の負荷率の情報、及び、次の予定動作(トナー補給動作)に関する情報に基づいて、トナー補給動作を行うと、負荷率が100%を超えるか否かを判定(予測)する。そして、この例では、負荷制御部50は、トナー補給動作を行うと負荷率が100%を超えると判定(予測)し、OCP機能を作動させないようにするために負荷状況を変更する必要があると判定する。
次いで、負荷制御部50は、OCP機能を作動させないようにするため、次の動作としてトナー補給動作を行わず(図7(B)の状態を発生させず)に、トナー補給動作を一旦スタックする(一旦保留する)処理動作が行われるように負荷状況を制御する。なお、ここでは、トナー補給動作を一旦スタックする処理動作が行われる場合には、駆動中の2個のブラシレスモーター61が停止され(ステッピングモーター62及びファンモーター63の動作状況は変化無し)、負荷率が10%低下するものとする。それゆえ、トナー補給動作を一旦スタックする処理動作が行われると、図7(C)に示すように、駆動中の10個のブラシレスモーター61のうちの2個が停止され、負荷率が90%(図7(A)の状態)から80%に低下する。
すなわち、この例では、図7(A)の状態においてトナー補給動作が行われると負荷率が100%を超えてしまうので、トナー補給動作以外の処理を行って、負荷率を一旦低下させる制御を行う。なお、ここでは、負荷率を低下させる動作の例として、トナー補給動作を一旦スタックする処理動作を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。負荷率を所望の負荷率まで低下させられる動作で、且つ、トナー補給動作の前に実行しても画像形成装置1の動作に支障をきたさない動作であれば、任意の動作を適用することができる。
次いで、負荷制御部50は、スタックされていたトナー補給動作が行われるように負荷状況を制御する。これにより、図7(C)の状態(電力供給形態)において、ブラシレスモーター61及びステッピングモーター62がそれぞれ1個ずつ新たに駆動され、負荷率が15%増えるが、負荷率は100%以下(95%)となる(図7(D)の状態)。
上述のように、制御例2では、次の予定動作が実行された際に負荷率が100%を超える(過電流が発生する)と予測された場合、負荷制御部50は、次の動作の内容(順序等)を変更して負荷状況を制御することにより、電源部40からの電力出力を停止させることなく(OCP機能を作動させることなく)、高負荷率で負荷装置群を駆動させることができる。
[効果]
上述のように、本実施形態の画像形成装置1では、電源部40内の積分算出部44で算出された供給電流積分値(負荷率)に基づいて、負荷制御部50による負荷装置群の駆動制御(負荷状況の制御)が行われ、これにより、OCP機能を作動させることなく、高負荷率で負荷装置群を駆動させることができる。すなわち、本実施形態の画像形成装置1では、負荷装置への電力供給を停止することなく、負荷装置への電力供給を効率良く行うことが可能になる。
上述のように、本実施形態の画像形成装置1では、電源部40内の積分算出部44で算出された供給電流積分値(負荷率)に基づいて、負荷制御部50による負荷装置群の駆動制御(負荷状況の制御)が行われ、これにより、OCP機能を作動させることなく、高負荷率で負荷装置群を駆動させることができる。すなわち、本実施形態の画像形成装置1では、負荷装置への電力供給を停止することなく、負荷装置への電力供給を効率良く行うことが可能になる。
<各種変形例>
以上では、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の構成及び画像形成装置1における負荷装置群の駆動制御(負荷状況の制御)について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、その他種々の変形例の態様を取ることができる。
以上では、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の構成及び画像形成装置1における負荷装置群の駆動制御(負荷状況の制御)について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、その他種々の変形例の態様を取ることができる。
[変形例1]
上記実施形態では、複数のブラシレスモーター61、複数のステッピングモーター62及び複数のファンモーター63を含む負荷装置群に対して一つの電源部40を設ける例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、複数のブラシレスモーター61、複数のステッピングモーター62及び複数のファンモーター63を含む負荷装置群に対して複数の電源部を設け、電源部の種別毎に駆動される負荷装置を分けてもよい。
上記実施形態では、複数のブラシレスモーター61、複数のステッピングモーター62及び複数のファンモーター63を含む負荷装置群に対して一つの電源部40を設ける例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、複数のブラシレスモーター61、複数のステッピングモーター62及び複数のファンモーター63を含む負荷装置群に対して複数の電源部を設け、電源部の種別毎に駆動される負荷装置を分けてもよい。
ここでは、一例として、複数のブラシレスモーター61、複数のステッピングモーター62及び複数のファンモーター63を含む負荷装置群に対して二つの電源部401,402が設けられた画像形成装置及びその負荷装置群の駆動制御例を説明する。なお、この例の画像形成装置の構成は、電源部を2つ設けたこと、及び、電源部401で駆動されるブラシレスモーター、ステッピングモーター及びファンモーターと、電源部402で駆動されるブラシレスモーター、ステッピングモーター及びファンモーターとが互いに異なること以外の構成は、上記実施形態の画像形成装置1の構成と同様とする。
また、この例では、電源部401及び電源部402はともに、電源部40と同様の構成を有し、電源部401及び電源部402に対して共通の負荷制御部50が設けられる。それゆえ、負荷制御部50は、電源部401で駆動される負荷装置群の動作状況(負荷状況)、及び、電源部402で駆動される負荷装置群の動作状況(負荷状況)を監視するとともに、電源部401内の積分算出部で算出された供給電流積分値、及び、電源部402内の積分算出部で算出された供給電流積分値を取得し、各電源部の負荷率を算出して監視する。
また、この例では、複数のファンモーター(送風部)のうち、一部のファンモーター(送風部)は、略隣接して配置されている例を説明する。図8は、二つの電源部401,402と、各電源部で駆動させるファンモーター(送風部)との対応を示す図である。この例では、4つのファンモーター(送風部)631,632,633,634が略隣接して配置され、電源部401で駆動される2つのファンモーター(送風部)631,633と電源部402で駆動される2つのファンモーター(送風部)632,634とが交互に配置される。
上述した構成のこの例の画像形成装置においても、上記実施形態と同様にして、負荷制御部50による各負荷装置群の駆動制御(各負荷状況の制御)を実行することができる。ただし、この例では、次の予定動作により、一方の電源部の負荷率が100%を超えることが予測される場合、次の動作実行時には、一方の電源部で駆動する負荷装置群の電力供給形態(負荷状況)を変えずに、他方の電源部で駆動する負荷装置群の電力供給形態(負荷状況)を変化させて、一方の電源部で駆動する負荷装置群の電力供給形態を変えた場合と同様の機能(効果)を実現する。その一例を、図9を参照して説明する。なお、他方の電源部で駆動する負荷装置群の負荷状況を変化させても、一方の電源部で駆動する負荷装置群の負荷状況を変えた場合と同様の機能(効果)を実現することができない場合には、図7で説明した制御例2で説明した制御(次動作の内容を変更する)と同様の手法により、一方の電源部で駆動する負荷装置群の負荷状況を制御する。
図9は、変形例1での負荷制御部50による負荷状況の制御例を説明するための図である。なお、図9(A)〜図9(C)は、電源部401で駆動される負荷装置群(ブラシレスモーター、ステッピングモーター及びファンモーター)の駆動制御の流れを示し、図9(D)及び9(E)は、電源部402で駆動される負荷装置群(ブラシレスモーター、ステッピングモーター及びファンモーター)の駆動制御の流れを示す。また、各図中の表では、「負荷状況」の欄に、駆動中の負荷装置の種別毎の個数を示し、「負荷率」の欄には、負荷率の値を%表示する。
この例の負荷状況の制御例では、まず、現在の負荷状況として、電源部401により、10個のブラシレスモーター、5個のステッピングモーター及び10個のファンモーターが駆動中であり、負荷率が90%である状態(図9(A)の状態)を考える。また、電源部401で駆動される負荷装置群の負荷状況が図9(A)の状態であるときに、電源部402により、8個のブラシレスモーター、5個のステッピングモーター及び8個のファンモーターが駆動中であり、負荷率が65%である状態(図9(D)の状態)を考える。
そして、この例では、電源部401で駆動される負荷装置群の負荷状況が図9(A)の状態である場合において、次の予定動作により、図8中のファンモーター631を新たに駆動すると(ブラシレスモーター及びステッピングモーターの動作状況は変化無し)、負荷率が15%増え、負荷率が100%を超えてしまう場合(負荷率が105%となる場合:図9(B)の状態)を考える。なお、次の予定動作を実行すると負荷率が100%を超えてしまうか否かの判定(予測)処理は、図9(A)の状態において、負荷制御部50により行われる。
従来のOCP機能を有する電源(図1参照)において、図9(B)の状態が所定時間以上続けば、OCP機能が作動し、電源部401からの電力出力(負荷装置群への供給電流)が停止する。それゆえ、この例では、負荷制御部50は、次の動作実行時には、電源部401で駆動される負荷装置群の電力供給形態(負荷状況)を変更せずに維持する(図9(C)の状態)。
その代わりに、この例では、図9(A)の状態と同時刻(図9(D)の状態)において、負荷率(65%)に余裕のある電源部402で駆動される負荷装置群に対して、負荷制御部50は、次の動作実行時に、図9(B)の状態と同様の効果を得るため、図8中のファンモーター631の隣に位置するファンモーター632を新たに駆動する(ブラシレスモーター及びステッピングモーターの動作状況は変化無し)。この場合、ファンモーター632の駆動による冷却箇所は、ファンモーター631の駆動による冷却箇所とほぼ同じであるので、次の動作実行時に、ファンモーター632を駆動することにより、ファンモーター631の駆動により得られる効果と同様の効果が得られる。また、この場合、図9(E)に示すように、次の動作実行時には、電源部402で駆動される負荷装置群の電力供給形態(負荷状況)において、ファンモーターの駆動個数が1個増え(9個になる)、負荷率が15%増えるが、負荷率は100%以下(80%)となる。
上述のように、この例の負荷状況の制御例では、次の予定動作の実行時に、複数の電源部のうち、所定の電源部で駆動する負荷装置群の電力供給形態(負荷状況)を変更した場合に、負荷率が100%を超える(過電流が発生する)と予測されたときには、負荷制御部50は、所定の電源部で駆動する負荷装置群の電力供給形態を変えずに、負荷率に余裕のある(負荷状況を変更しても負荷率が100%を超えない)その他の電源部で駆動する負荷装置群の電力供給形態を変化させる。すなわち、次の動作実行時に所定の電源部の負荷率が100%を超えると予測された場合には、次の動作に必要となる電力の供給を、負荷率に余裕のあるその他の電源部に配分する処理を行う。
上述のように、この例では、負荷制御部50は、複数の電源部を連携させて、各電源部の負荷率が100%を超えないように負荷状況を制御するので、電源部が複数設けられていても、OCP機能を作動させることなく(負荷装置への電力供給を停止することなく)、負荷装置への電力供給を効率良く行うことが可能になる。
なお、この例では、2つの電源部を設ける例を説明したが、本発明はこれに限定されず、3つ以上の電源部を設けてもよい。また、この場合、次の動作実行時に、3つ以上の電源部のうちの所定の電源部の負荷率が100%を超えると予測されたときには、次の動作に必要となる電力の供給を、負荷率に余裕のある2以上のその他の電源部に配分して行ってもよい。
また、この例では、複数の電源部の全てを連携させて負荷率が100%を超えないように負荷状況を制御する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、複数の電源部のうちの一部の電源部間で連携させてもよい。
また、この例の負荷制御部50による負荷状況の制御例では、複数の電源部に対して共通の負荷制御部を設ける例を説明したが、本発明はこれに限定されず、電源部毎に負荷制御部を設けてもよい。この場合、図8及び図9に示す例では、電源部401で駆動される負荷装置群の電力供給形態(負荷状況)及び電源部401の負荷率と、電源部402で駆動される負荷装置群の電力供給形態(負荷状況)及び電源部402の負荷率とが、別個の負荷制御部で監視される。また、この例では、複数の電源部の全てに対して、負荷制御部を設ける例を説明したが、本発明はこれに限定されず、複数の電源部の一部に対して、負荷制御部を設けてもよい。
また、この例では、次の動作実行時に、電源部401により新たにファンモーター631を駆動する代わりに、電源部402により新たにファンモーター632を駆動する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、次の動作実行時に、新たに駆動するファンモーター631の電源部を電源部401から電源部402に切り換えるような構成にしてもよい。なお、この場合には、電源部の切換機構が新たに設けられ、負荷制御部50により切換機構の切換動作が制御される。
[変形例2]
上述のように、上記実施形態及び変形例1では、負荷制御部50は、電源部内の積分算出部で算出された供給電流積分値を用いて電源部の負荷率を算出し、負荷装置群の動作状況を監視する。それゆえ、負荷制御部50は、上述した負荷装置群に対する駆動制御だけでなく、負荷状況(負荷装置群への電力供給形態)の変更時における供給電流積分値(負荷率)の増減に基づいて、負荷装置の劣化状況を分析し、負荷装置の故障を事前に予測するようにしてもよい。
上述のように、上記実施形態及び変形例1では、負荷制御部50は、電源部内の積分算出部で算出された供給電流積分値を用いて電源部の負荷率を算出し、負荷装置群の動作状況を監視する。それゆえ、負荷制御部50は、上述した負荷装置群に対する駆動制御だけでなく、負荷状況(負荷装置群への電力供給形態)の変更時における供給電流積分値(負荷率)の増減に基づいて、負荷装置の劣化状況を分析し、負荷装置の故障を事前に予測するようにしてもよい。
具体的には、負荷制御部50は、負荷状況の変更時における供給電流積分値(供給電流)の増減が正常時の範囲内であるか否かを判定することにより、当該変更時に新たに駆動開始された負荷装置又は停止した負荷装置の劣化状況を把握することができる。そして、負荷状況の変更時における供給電流積分値(供給電流)の増大又は減少が正常時の範囲内でない場合には、負荷制御部50は、当該変更時に新たに駆動開始された負荷装置又は停止した負荷装置が劣化しており、故障する可能性があると判定する。なお、負荷装置が劣化していると判定された場合には、例えば、当該負荷装置の劣化の進行を抑制するために、その後、当該負荷装置への供給電流を抑制する(低下させる)ように制御してもよいし、負荷装置の劣化情報を制御部30に通知し、操作表示部13で当該劣化情報を報知する構成にしてもよい。
[その他の各種変形例]
上記実施形態及び上記各種変形例では、電源部が出力停止部(OCP機能)を備える構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、出力停止部を設けずに、負荷制御部50が、積分算出部から入力された供給電流積分値が所定の上限値を超え、その状態が所定時間以上続いたことを検知した場合に、電源部に対して電力出力を停止する旨の指示信号(出力停止指示信号)を出力するようにしてもよい。すなわち、負荷制御部50がOCP機能も兼ね備える構成にしてもよい。
上記実施形態及び上記各種変形例では、電源部が出力停止部(OCP機能)を備える構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、出力停止部を設けずに、負荷制御部50が、積分算出部から入力された供給電流積分値が所定の上限値を超え、その状態が所定時間以上続いたことを検知した場合に、電源部に対して電力出力を停止する旨の指示信号(出力停止指示信号)を出力するようにしてもよい。すなわち、負荷制御部50がOCP機能も兼ね備える構成にしてもよい。
上記実施形態及び上記各種変形例では、画像形成装置がOCP機能を備えるような構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。上述のように、上記実施形態及び上記各種変形例では、負荷制御部50は、OCP機能を起動させないように負荷制御を行うのでOCP機能を設けない構成にしてもよい。
上記実施形態及び上記各種変形例では、負荷制御部50が制御部30の外部に設けられている構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態で説明した負荷制御部50を画像形成装置1の全体制御を行う制御部30の中に含まれるような構成にしてもよい。
上記実施形態及び上記各種変形例では、電源部が単出力ユニットの電源である例を説明したが、本発明はこれに限定されない。電源部は、例えば、マルチ出力ユニットのAC/DC電源又はDC/DC電源であってもよい。
1…画像形成装置、10…プリンター部、11…画像入力部、13…操作表示部、14…給紙部、15…搬送路、16…読取部、18…反転部、19…排紙トレイ、20…画像形成部、26…転写部、27…定着部、29…バス、30…制御部、34…記憶部、40,401,402…電源部、41…出力電圧発生部、42…電流電圧変換部、43…電流検知部、44…積分算出部、45…出力停止部、50…負荷制御部、61…ブラシレスモーター、62…ステッピングモーター、63,631,632,633,634…ファンモーター
Claims (7)
- 直流電圧を出力する電源部と、
前記電源部から出力された直流電圧で駆動される1以上の負荷装置と、
前記1以上の負荷装置の駆動形態を監視するとともに、前記1以上の負荷装置の駆動形態を制御可能な負荷制御部と、を備え、
前記電源部は、前記直流電圧を発生させる直流電圧発生部と、前記直流電圧発生部から前記1以上の負荷装置に供給される電流の値を検出する供給電流検出部と、前記供給電流検出部で検出された電流の値を所定期間に亘って積分した値を生成する積分値生成部とを有し、
前記負荷制御部は、前記積分値生成部で生成された値に基づいて、前記電源部から前記1以上の負荷装置への電流の供給が停止しないように、前記1以上の負荷装置の駆動形態を制御可能である
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記負荷制御部は、前記積分値生成部で生成された値に基づいて、前記電源部から前記1以上の負荷装置への電流の供給が停止しないように、駆動中の所定の前記負荷装置に供給される電流を制御可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記負荷制御部は、前記積分値生成部で生成された値に基づいて、前記電源部から前記1以上の負荷装置への電流の供給が停止しないように、次動作の内容を変更可能である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記電源部を複数備え、
複数の前記電源部のうち、次動作の実行時に前記積分値生成部で生成された値がその上限値を超え得る所定の電源部がある場合には、前記負荷制御部は、各電源部から対応する1以上の負荷装置への電流の供給が停止しないように、前記所定の電源部以外の電源部で駆動される1以上の負荷装置の駆動形態を変更して、前記次動作を実行可能である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 前記負荷制御部は、前記1以上の負荷装置の駆動形態の変更及び当該変更の際に前記積分値生成部で生成された値に基づいて、当該変更の対象となる負荷装置の劣化状況を判断し、当該負荷装置に対して劣化していると判断された場合には、当該負荷装置への供給電流を減少させる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 前記積分値生成部で生成された値が所定の上限値を超えた状態が発生し、その状態が所定時間以上続いた場合、前記負荷制御部は、前記電源部から前記1以上の負荷装置への電流の供給を停止する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 前記電源部は、前記積分値生成部で生成された値が所定の上限値を超えた状態が発生し、その状態が所定時間以上続いた場合に、前記電源部から前記1以上の負荷装置への電流の供給を停止する出力停止部をさらに有する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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2020
- 2020-06-01 JP JP2020095302A patent/JP2021187072A/ja active Pending
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