JP2007119153A - 用紙位置検出装置およびプリンタ - Google Patents

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【課題】用紙の位置を従来以上に正確に検出すること。
【解決手段】用紙位置検出装置は、用紙Pを搬送する搬送ローラ16,19と、その用紙Pを検出する用紙センサ51と、PID制御手段112とを有する。そして、PID制御手段112は、用紙センサ51により用紙Pが検出される期間の直前の搬送ローラ16,14の加速期間あるいは減速期間においては、搬送ローラ16,14の回転速度をPID制御により加速あるいは減速制御し、且つ、用紙センサ51により用紙Pが検出される期間においては、搬送ローラ16,14をPID制御により定速制御する。
【選択図】図4

Description

本発明は、用紙位置検出装置およびプリンタに関する。
特許文献1は、プリンタを開示する。特許文献1のプリンタは、ホッパーや分離パッドと給紙ローラとで用紙トレイ上の用紙を挟み、給紙ローラの回転でその挟み込んだ用紙を用紙トレイから搬送する。また、給紙ローラが搬送する用紙を搬送ローラ対で挟み込み、搬送ローラ対により印字ヘッドへ供給する。
特開2001−247225号公報(図10、発明の詳細な説明など)
特許文献1にあるようなプリンタでは、印字ヘッドに対向する印刷領域へ給紙される用紙の位置を正確に制御することが求められる。特許文献1にあるようなプリンタやその他の従来のプリンタであっても、一般的な実用レベルにおいては十分なものとなるように作り込まれているが、たとえば給紙速度を高速化する場合などにあっては、用紙の位置がずれてしまう可能性がある。
本発明は、用紙の位置を従来以上に正確に検出することができる用紙位置検出装置およびプリンタを得ることを目的とする。
本発明に係る用紙位置検出装置は、用紙を搬送する搬送ローラと、搬送ローラにより搬送される搬送経路上の用紙を検出する用紙センサと、用紙センサにより用紙が検出される期間の直前の搬送ローラの加速期間あるいは減速期間においては、搬送ローラの回転速度をPID制御により加速あるいは減速制御し、且つ、用紙センサにより用紙が検出される期間においては、搬送ローラをPID制御により定速制御するPID制御手段と、を有するものである。
この構成を採用すれば、用紙センサは、PID制御により一定の速度で搬送される用紙を検出する。しかも、その直前の加速期間あるいは減速期間の速度は、PID制御により制御される。したがって、直前の加速期間あるいは減速期間の速度がオープンループ制御などにより制御される場合のように、検出する期間において過大なオーバシュートなどによる大きな速度変動が生じてしまうことがない。用紙センサは、検出する期間の前半期間においても一定の速度で安定して搬送される用紙を検出することができる。その結果、用紙センサは、搬送ローラにより安定した速度で搬送されている用紙の位置を正確に検出することができる。
本発明に係る他の用紙位置検出装置は、給紙トレイ上の用紙の搬送を開始する搬送ローラと、給紙時に弾性力により搬送ローラに接し、給紙トレイ上の用紙を搬送ローラとの間に挟むニップ部材と、搬送ローラにより搬送される搬送経路上の用紙を検出する用紙センサと、ニップ部材が搬送ローラに接した以降に、搬送ローラの回転速度をPID制御により加速制御し、且つ、用紙センサにより用紙が検出される前に、搬送ローラをPID制御により定速制御するPID制御手段と、を有するものである。
この構成を採用すれば、弾性力によりニップ部材が搬送ローラに接するときの音を抑制しつつ、その当接後に搬送ローラの回転速度を加速して、高速に用紙を給紙することができる。しかも、その加速期間およびその後の定速期間は、PID制御により制御される。したがって、直前の加速期間あるいは減速期間の速度がオープンループ制御などにより制御される場合のように、検出する期間において過大なオーバシュートなどによる大きな速度変動が生じてしまうことがない。用紙センサは、検出する期間の前半期間においても一定の速度で安定して搬送される用紙を検出することができる。その結果、用紙センサは、搬送ローラにより安定した速度で搬送されている用紙の位置を正確に検出することができる。
本発明に係る用紙位置検出装置は、上述した発明の各構成に加えて、搬送ローラをPID制御により定速制御する直前の搬送ローラの加速期間あるいは減速期間において、PID制御手段に対して段階的に加速あるいは減速する目標速度を供給する給紙制御実行手段を有するものである。
この構成を採用すれば、PID制御手段は、直前の搬送ローラの加減速期間において、段階的に加減速される目標速度に追従するように、搬送ローラの回転速度を段階的に加速あるいは減速する。したがって、仮にたとえば加速期間あるいは減速期間の当初においてその期間の最終的な目標速度がいきなり供給された場合のように、PID制御手段は、搬送ローラの回転速度を大きく変化させようとする制御をしなくなる。したがって、用紙センサは、用紙を検出する期間の当初においても、搬送ローラにより安定した速度で搬送されている用紙の位置を正確に検出することができる。しかも、搬送ローラの回転速度が安定した速度でゆっくりと変化するので、搬送ローラと用紙との間ですべりが発生してしまうことを抑制することができる。
本発明に係る用紙位置検出装置は、上述した発明の各構成に加えて、給紙制御実行手段が、段階的に加速あるいは減速するためにPID制御手段へ供給する最後の目標速度として、搬送ローラをPID制御により定速制御するときの定速に等しい目標速度を供給するものである。
この構成を採用すれば、直前の搬送ローラの加速期間あるいは減速期間から、用紙センサにより用紙が検出される期間に切り替わるときには、搬送ローラの速度は、所定の定速に安定し始めている。したがって、用紙センサは、用紙を検出する期間の当初においても、搬送ローラにより安定した速度で搬送されている用紙の位置を正確に検出することができる。
本発明に係る用紙位置検出装置は、上述した発明の各構成に加えて、用紙センサが、用紙の搬送経路上を搬送される用紙により回転されるリトラクトレバーと、発光素子および受光素子によりリトラクトレバーの回転位置を光学的に検出する光学部材とを有し、PID制御手段が、用紙の先端がリトラクトレバーに当接する前に、搬送ローラの加速期間あるいは減速期間から、定速制御期間へ切り替わるものである。
この構成を採用すれば、用紙は、リトラクトレバーを回転するときには、一定の速度で安定して搬送されている。リトラクトレバーの回転は、安定する。したがって、用紙センサは、リトラクトレバーの安定した回転に基づいて、用紙の位置を正確に検出する。しかも、発光素子および受光素子により搬送経路上を搬送される用紙を直接検出しないので、たとえば用紙の色や透明度などにかかわらず、用紙の位置を正確に検出することができる。
本発明に係る用紙位置検出装置は、上述した発明の各構成に加えて、リトラクトレバーとは用紙の搬送経路の反対側に配設され、リトラクトレバーとの間で用紙の先端を挟み込む用紙ガイドを有するものである。
この構成を採用すれば、用紙の先端は、リトラクトレバーと用紙ガイドとの間にはさみこまれた後、リトラクトレバーを回転させる。用紙の先端位置は、リトラクトレバーと用紙ガイドとの間にはさみこまれた時点でそれまでの搬送状態にかかわらず、搬送中において一定の位置に位置決めされる。したがって、用紙センサは、リトラクトレバーの安定した回転に基づいて、搬送中において一定の位置に位置決めされた用紙の位置を正確に検出する。
本発明に係るプリンタは、PID制御手段が、用紙センサの用紙検出に基づいて搬送ローラを停止する所定の減速制御を実行する上述した発明の各構成の用紙位置検出装置と、用紙位置検出装置の制御により給紙された用紙に対して印刷を実行する印刷制御実行手段と、を有するものである。
この構成を採用すれば、搬送中の用紙の位置は正確に検出され、用紙は、その検出に基づいて所定の位置に精度良く搬送される。印刷制御実行手段は、その所定の位置に精度良く搬送された用紙に対して、画像を印刷することができる。その結果、たとえば1つの画像を複数の用紙に印刷した場合おける各用紙での画像の位置や切れを、複数の用紙の間で揃えることができる。また、用紙外へのインクの吐出などを効果的に抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る用紙位置検出装置およびプリンタを、図面に基づいて説明する。プリンタは、インクジェット方式のプリンタを例として説明する。用紙位置検出装置は、プリンタの一部として説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るプリンタ1の主な機構構成を示す構成図である。このプリンタ1は、外部I/F(インタフェース)41(図2参照)が印刷データを受信すると、その印刷データにしたがって紙送り制御および記録ヘッド34からのインク吐出制御を実行し、紙送り制御で搬送した普通紙などのメディアに、印刷データに基づくイメージを印刷するものである。
このような印刷をするために、プリンタ1は、給紙トレイ10に載置される用紙Pを排紙トレイ11まで搬送するメディア搬送機構と、メディアの搬送経路上に設定される印刷位置においてインクを吐出するインク吐出機構と、を有する。以下、給紙トレイ10から排紙トレイ11までの用紙Pの搬送経路を用紙搬送経路とよび、給紙トレイ10側を用紙搬送方向上流側と呼び、排紙トレイ11側を用紙搬送方向下流側と呼ぶ。
給紙トレイ10から排紙トレイ11まで用紙Pを搬送するメディア搬送機構は、主に、搬送ローラの一種および給紙ローラとしてのLD(ロード)ローラ14、用紙ガイド15、搬送ローラの一種としてのPF(ペーパーフィード)ローラ16、プラテン17、排紙ローラ18などを有する。LDローラ14は、給紙トレイ10とともに自動給紙ユニット(ASF)6として一体にユニット化されている。
LDローラ14は、図1に示すように、円板の一側部が切り欠かれた略板かまぼこ形状の断面を有する。LDローラ14は、給紙トレイ10の上方において、図1の紙面に略垂直な方向に延在する回転軸19とともに回転可能に配設される。給紙トレイ10は、LDローラ14側の端部がその他端より下方となる姿勢にて配設される。図1では、紙面の右側が、プリンタ1の下側になる。また、給紙トレイ10の下端部には、LDローラ14と接離可能なホッパー12と、分離部材13とが配設される。ホッパー12と、分離部材13とは、それぞれニップ部材の一種である。
LDローラ14とともに回転する回転軸19には、さらに、ギャップ用カム20が配設される。ギャップ用カム20は、LDローラ14の外周より一回り大きい大径部と、LDローラ14の外周より一回り小さい小径部と、を有する。ギャップ用カム20の大径部は、たとえばLDローラ14の切欠部に対応して設けられる。残りの部分は、小径部となる。
ホッパー12および分離部材13の裏側(下側)には、ホッパーバネ21と補助バネ22とが圧縮して配設される。圧縮されているホッパーバネ21および補助バネ22は、ホッパー12および分離部材13を押し上げる。これにより、分離部材13は、図1に示すように、ギャップ用カム20の大径部に当接する。このとき、分離部材13とLDローラ14とは、離間する。また、ギャップ用カム20の小径部が分離部材13に対向する状態では、分離部材13は、LDローラ14に当接する。分離部材13とLDローラ14との間に用紙Pが存在するときには、その用紙Pは、分離部材13とLDローラ14との間に挟まれる。
メディア搬送機構の用紙ガイド15、PFローラ16、プラテン17、排紙ローラ18は、自動給紙ユニット6と排紙トレイ11との間に、一列に配設される。
用紙ガイド15は、その上面が略平らな板形状の部材である。
PFローラ16は、略円柱形状のローラである。PFローラ16の上側には、略円柱形状を有する従動ローラ23が配設される。PFローラ16および従動ローラ23は、図1の紙面に略垂直な方向を回転軸として、回転可能に配設される。
プラテン17は、その上面に複数のガイドリブ17aを有する。プラテン17は、ガイドリブ17aの延在方向が用紙搬送方向に沿う向きで配設される。また、プラテン17は、用紙Pと異なる色、たとえば黒色などの樹脂材料により形成する。なお、プラテン17には、スポンジなどのインク受容部材を配設するようにしてもよい。インク受容部材は、ガイドリブ17aより低い位置に配設される。
排紙ローラ18は、略円柱形状のローラである。排紙ローラ18の上側には、略円柱形状を有する従動ローラ24が配設される。排紙ローラ18および従動ローラ24は、図1の紙面に略垂直な方向を回転軸として、回転可能に配設される。
以上の構成を有するメディア搬送機構の上側には、インク吐出機構が配設される。インク吐出機構は、主に、キャリッジ軸31、キャリッジ32、インクタンク33、記録ヘッド34などを有する。
キャリッジ軸31は、円柱形状の軸部材である。キャリッジ軸31は、PFローラ16の上方において、図1の紙面に略垂直な方向に伸材する向きで配設される。
キャリッジ32は、キャリッジ軸31により保持され、プラテン17の上方に位置する。キャリッジ32は、キャリッジ軸31の軸方向に沿って移動可能である。
インクタンク33は、液体インクを収容する容器であり、キャリッジ32の上部に形成されるタンク収容孔32aに着脱可能に配設される。プリンタ1では、一般的に4〜8色のインクを使用する。1つのインクタンク33は、1色分のインクを収容するものであっても、複数色のインクを収容するものであってもよい。
記録ヘッド34は、複数のインク吐出ノズル35を有する。各インク吐出ノズル35の内側には、図示外のピエゾ素子が配設される。ピエゾ素子は、所定の電圧パルスが印加されると、変形する。ピエゾ素子の変形により、インク吐出ノズル35内に充填されるインクは、インク吐出ノズル35から吐出される。
記録ヘッド34は、キャリッジ32の下面に、プラテン17と対向して配設される。記録ヘッド34の、複数のインク吐出ノズル35は、プラテン17へインクを吐出する向きに配設される。この記録ヘッド34とプラテン17との間の領域が、用紙Pにインクを付着する印刷領域となる。
図2は、図1のプリンタ機構を制御する制御系の主なハードウェア構成を示す図である。図3は、図1のプリンタ1に実現される制御系の全体的なブロック図である。図4は、給紙トレイ10上の用紙Pを記録ヘッド34に対向する印刷領域へ給紙する給紙制御時にプリンタ1に実現される制御系の詳細なブロック図である。
図2に示すように、プリンタ1の制御系は、ホストコンピュータ2が接続される外部I/F41と、電源ボタン42とを有する。
外部I/F41は、たとえばUSB(Universal Serial Bus)ケーブル、プリンタケーブル、SCSI(Small Computer System Interface)ケーブルなどが接続可能な図示外のコネクタを有する。外部I/F41は、このコネクタを介して、ホストコンピュータ2から印刷データを受信する。なお、外部I/F41は、ブルートゥース、無線LAN(Local Area Network)などにより、ホストコンピュータ2との間で無線通信により接続されるものであってもよい。
電源ボタン42は、たとえば2つの端子を、ボタンの操作に応じて接離するプッシュボタンである。
外部I/F41および電源ボタン42は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途集積回路)43に接続される。ASIC43は、図示外のCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、RAM(Random Access Memory)、プログラマブルROM(Read Only Memory)、タイマなどを有するものであり、プログラマブルROMに記憶されたプログラムに基づいて所定の動作するコンピュータである。
また、ASIC43は、図示外のI/O(Input/Output:入出力)ポート、ADC(Analog to Digital Converter)、DAC(Digital to Analog Converter)などを有する。I/Oポートは、デジタル信号の入出力に使用される。ADCは、入力信号の波形を所定の周期でサンプリングする。DACは、所定のサンプリング周期で、設定された値に応じたレベルに変化する信号を出力する。
ASIC43のI/Oポートには、プリンタ1の状態を検出するための、用紙センサとしてのPF(ペーパーフィード)センサ51、PW(ペーパーワイド)センサ52、リニアエンコーダ53、ロータリエンコーダ54が接続される。なお、I/Oポートには、この他にもたとえば、記録ヘッド34と用紙Pとのギャップを検出するためのPG(ペーパーギャップ)センサ、CDR(CD Recordable)トレイセンサ、CDRガイドセンサなどが接続されてもよい。
PFセンサ51は、図1に示すように、光学部材としての透過式光学センサ51aと、用紙Pの有無に応じて揺動するリトラクトレバー51bと、を有する。PFセンサ51は、用紙ガイド15上を通過する用紙Pの先端や後端などの紙端検出に用いられる。
リトラクトレバー51bは、不透明な材料を、細長い棒形状に形成した部材である。リトラクトレバー51bは、用紙ガイド15の上方において、用紙搬送方向に沿って自転可能に配設される。そして、リトラクトレバー51bの下端は、通常は、図1に示すように用紙ガイド15の上面に当接する。
透過式光学センサ51aは、図示外の発光素子と受光素子とが対向して配置されるものである。PFセンサ51の透過式光学センサ51aは、図1に示すように、下端が用紙ガイド15に当接した状態のリトラクトレバー51bが発光素子と受光素子との間に入り込む位置に配設される。この状態では、発光素子の光は、リトラクトレバー51bにより遮蔽され、受光素子に入射しない。リトラクトレバー51bの下端が押し上げられると、リトラクトレバー51bの上端部は、発光素子と受光素子との間から抜け出る。この状態では、発光素子の光は、受光素子に入射する。受光素子は、受光光量に応じてデジタル的に変化する受光信号を、ASIC43のI/Oポートへ出力する。
PWセンサ52は、発光素子と、受光素子と、コネクタと、これらを樹脂によりモールドするセンサ本体とを有する。PWセンサ52の発光素子と、受光素子とは、センサ本体の1つの面に並べて配設される。PWセンサ52は、反射式光学センサである。
PWセンサ52は、図1に示すように、キャリッジ32の下面に配設される。PWセンサ52は、発光素子および受光素子がプラテン17と対向する姿勢で配設される。発光素子の光は、プラテン17あるいは用紙Pにより反射される。受光素子は、このプラテン17あるいは用紙Pにより反射された光を受光する。受光素子は、受光光量に応じて変化する受光信号を、ASIC43のI/Oポートへ出力する。PWセンサ52は、印刷領域に給紙された用紙Pの4辺の縁の検出などに用いられる。
リニアエンコーダ53は、細長い反射プレート53aと、発光素子と受光素子とが並べて配設される反射式光学センサ53bと、を有し、キャリッジ32の位置を検出する。
細長い反射プレート53aは、たとえば白パターンと黒パターンとがその長尺方向にそって繰り返し印刷された反射プレート53aである。反射プレート53aは、図1に示すように、その長尺方向がキャリッジ軸31に沿った方向となる姿勢で、キャリッジ32の自動給紙ユニット6側に配設される。
リニアエンコーダ53の反射式光学センサ53bは、図1に示すように、キャリッジ32の、自動給紙ユニット6側の面に配設される。発光素子は、反射プレート53aへ光を照射する。受光素子は、反射プレート53aにより反射された光を受光する。受光素子が受光光量は、反射プレート53aの白パターンにより反射された場合と、黒パターンで反射された場合とで異なる。受光素子は、受光光量に応じてデジタル的に変化する受光信号を、ASIC43のI/Oポートへ出力する。
ロータリエンコーダ54は、円板54aと、発光素子と受光素子とが対向して配設される透過式光学センサ54bと、を有する。
円板54aは、図1に示すように、その外周に沿って、複数のスリット54cが形成される。円板54aは、PFローラ16と一体化される。これにより、円板54aは、PFローラ16とともに回転する。
ロータリエンコーダ54の透過式光学センサ54bは、図1に示すように、発光素子と受光素子との間に円板54aの外周部を挟むように配設される。発光素子と受光素子との間に、スリット54cが位置するとき、発光素子の光は、受光素子により受光される。発光素子と受光素子との間に、円板54aそのものが位置するとき、発光素子の光は遮断される。受光素子は、受光光量に応じてデジタル的に変化する受光信号を、ASIC43のI/Oポートへ出力する。
この他にも、ASIC43のI/Oポートには、記録ヘッド制御回路61を介して、記録ヘッド34の複数のインク吐出ノズル35内に配設される複数のピエゾ素子が接続される。記録ヘッド制御回路61は、ASIC43からの制御信号に基づいて、複数のピエゾ素子に電圧を印加する。
ASIC43のI/OポートあるいはDACには、CR(キャリッジ)モータドライバ62と、PFモータドライバ64とが接続される。
CRモータドライバ62は、ASIC43からの制御信号に基づいてCRモータ63を回転駆動する。CRモータ63は、たとえばDCモータである。DCモータの回転速度は、たとえばそれに流れる電流の大きさが制御されることで加減速する。CRモータ63は、キャリッジ32が固定される図示外の回転ベルトを回転駆動する。
PFモータドライバ64は、ASIC43からの制御信号に基づいて回転駆動する。PFモータ65は、たとえばDCモータであり、たとえばそれに流れる電流の大きさが制御されることで加減速する。PFモータ65の回転駆動力は、LDローラ14、PFローラ16および排紙ローラ18に伝達される。なお、CRモータ63やPFモータ65は、ステッピングモータなどのパルスモータであってもよい。
このPFモータ65の回転駆動力をLDローラ14、PFローラ16および排紙ローラ18に伝達する駆動伝達機構は、たとえば、回転するLDローラ14の周速度、PFローラ16の周速度、および排紙ローラ18の周速度が略均一となるように駆動力を伝達する。
また、駆動伝達機構は、LDローラ14については、LDローラ14を1回転毎に回転を休止するように駆動力を伝達する。なお、駆動伝達機構は、たとえばLDローラ14へ駆動を伝達するギアの回転をロックする図示外のロックレバーをキャリッジ32により操作することで、LDローラ14の1回転動作を開始させるようにすればよい。
この他にも、ASIC43には、システムバス71が接続される。システムバス71には、ASIC43とは別体のCPU72、ROM73、RAM74、タイマ75などが接続される。なお、これらCPU72、ROM73、RAM74、タイマ75は、それぞれが別々のチップとして形成されていても、1チップ化されていてもよい。
タイマ75は、時間を計測する。タイマ75は、経過時間、時刻などの設定が可能であり、その設定時間になると、CPU72にタイマ割込みを発生する。
ROM73は、ファームプログラム81や、各種の制御用データを記憶する。制御用データには、たとえば給紙シーケンステーブル82、キャリッジ速度テーブル83などがある。
給紙シーケンステーブル82は、図4に示すように、第一加速期間、第一定速期間、第一減速期間、第二定速期間、第二加速期間、第三定速期間および第二減速期間の期間毎に、目標速度と、制御方式と、期間終了パルス数とのデータを有する。
第一加速期間、第一定速期間および第三定速期間の目標速度は、たとえば10ips(inch per second)の固定値である。第二定速期間の目標速度は、それよりも低速のたとえば6ipsである。第一減速期間、第二加速期間および第二減速期間は、複数の目標速度を有する。第一減速期間の複数の目標速度は、たとえば10ipsから6ipsまで1ipsずつ段階的に減るものである。第二加速期間の複数の目標速度は、たとえば6ipsから10ipsまで1ipsずつ段階的に増加するものである。第二減速期間の複数の目標速度は、たとえば10ipsから0ips(つまり停止)まで1ipsずつ段階的に減るものである。なお、10ipsは、この実施の形態のプリンタ1でのPFローラ16の最大速度である。
第一加速期間の制御方式は、たとえばオープンループ制御である。その他の残りの第一定速期間から第二減速期間までの制御方式は、たとえばPID(Proportinal(比例)−Integral(積分)−Differential(微分))制御である。給紙シーケンステーブル82には、実際には、制御方式のデータとして、制御方式毎に異なる値が記憶される。
第一加速期間から第二加速期間までの期間終了パルス数および第二減速期間の期間終了パルス数は、この実施の形態ではそれぞれ「500」である。第三定速期間の期間終了パルス数は、「2000」である。各期間内の累積パルス数がこの数になると、その期間の制御が終了する。なお、これらのパルス数は、プリンタ1の仕様に合わせて適宜変更される。
キャリッジ速度テーブル83は、キャリッジ32の1走査に使用するテーブルである。キャリッジ速度テーブル83には、CRモータ63の所定の目標速度曲線が、給紙シーケンステーブル82の複数の目標速度のように、離散的な複数のデータとして記憶される。
なお、ROM73に記憶されるファームプログラム81や制御用データは、プリンタ1の出荷前にROM73に記憶されていても、プリンタ1の出荷後にROM73に記憶されていてもよい。プリンタ1の出荷後にROM73に記憶されるファームプログラム81や制御用データは、たとえばCD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体から読み込んだものや、電気通信回線などの伝送媒体を介してダウンロードされたものであればよい。また、ROM73に記憶されるファームプログラム81や制御用データは、その一部のみがプリンタ1の出荷後に更新記憶されたものであってもよい。
CPU72は、ROM73に記憶されるファームプログラム81をRAM74に読み込んで実行する。これにより、プリンタ1には、図3に示すように、停止判断部91、次制御判断部92、給紙制御実行手段としての給紙制御実行部93、印刷制御実行手段としてのインク吐出制御実行部94、紙送り制御実行部95、エラー制御実行部96などが実現される。
停止判断部91は、プリンタ1が停止状態であるか否かを判断する。具体的にはたとえば、停止判断部91は、ロータリエンコーダ54の受光素子がASIC43へ出力する受光信号と、リニアエンコーダ53の受光素子がASIC43へ出力する受光信号とに基づいて、それらが所定の時間(たとえば数マイクロ秒〜数百ミリ秒)変化しないとき、プリンタ1が停止状態であると判断する。
給紙制御実行部93は、給紙トレイ10に載置される用紙Pを印刷領域へ搬送する制御を実行する。給紙制御実行部93は、具体的にはたとえば、給紙シーケンステーブル82を使用して、ASIC43内に実現されるDCユニット101に対して目標速度などを供給する。これにより、給紙トレイ10上の用紙Pは、印刷領域へ給紙される。
図3に示すように、DCユニット101は、たとえばDAC、I/Oポートなどを有し、記録ヘッド制御回路61、CRモータドライバ62およびPFモータドライバ64へ出力する各種の制御信号を生成するものである。DCユニット101は、予め定められた所定の短い周期(たとえば数マイクロ秒)毎に、CRモータドライバ62やPFモータドライバ64へ出力する制御信号を更新する。
特に、給紙トレイ10上の用紙Pを印刷領域へ搬送する給紙制御では、DCユニット101には、図4に示すように、加速制御部111と、PID制御手段としてのPID制御部112と、速度演算部113と、セレクタ114と、が実現される。
加速制御部111は、給紙制御実行部93から目標速度が与えられた場合、その目標速度と対応付けて予め定められた制御指令値を生成する。なお、加速制御部111は、目標速度が変化した場合、制御指令値をたとえば所定の制御幅毎に段階的に増減し、その段階的な増減の最終的な制御指令値として、目標速度と対応付けて予め定められた制御指令値を生成するようにしてもよい。
速度演算部113は、ロータリエンコーダ54から出力される受光信号の変化をパルスとして計測し、その時々のPFローラ16の周面の瞬時線速度を演算する。なお、速度演算部113は、ロータリエンコーダ54やPFローラ16の回転角速度などを演算してもよい。
PID制御部112は、減算部121と、比例制御成分演算部122と、積分制御成分演算部123と、微分制御成分演算部124と、加算部125と、を有し、制御指令値を生成する。
PID制御部112の減算部121には、給紙制御実行部93がDCユニット101へ供給する目標速度と、速度演算部113が演算した瞬時線速度とが供給される。減算部121は、目標速度から瞬時線速度を減算する。これにより、目標速度を基準とした瞬時線速度の差分速度が演算される。
比例制御成分演算部122には、差分速度が供給される。比例制御成分演算部122は、差分速度に基づいて比例制御成分を演算する。比例制御成分演算部122は、たとえば差分速度に1より小さい定数を乗算し、比例制御成分を演算すればよい。
積分制御成分演算部123には、差分速度が供給される。積分制御成分演算部123は、差分速度に基づいて積分制御成分を演算する。積分制御成分演算部123は、たとえば最新の差分速度と1つ前の差分速度とを加算したものに、1より小さい定数を乗算し、積分制御成分を演算すればよい。
微分制御成分演算部124には、差分速度が供給される。微分制御成分演算部124は、差分速度に基づいて微分制御成分を演算する。微分制御成分演算部124は、たとえば最新の差分速度から1つ前の差分速度を減算したものに、1より小さい定数を乗算し、微分制御成分を演算すればよい。
加算部125には、比例制御成分と、積分制御成分と、微分制御成分とが供給される。加算部125は、比例制御成分と、積分制御成分と、微分制御成分とを加算する。この加算部125の演算結果が、PID制御部112の制御指令値となる。
セレクタ114には、PID制御部112の制御指令値と、加速制御部111の制御指令値とが供給される。セレクタ114は、これら2つの制御指令値の中の一方を選択し、PFモータドライバ64へ出力する。PFモータドライバ64は、DCユニット101の制御の下、PFモータ65の駆動を制御する。
インク吐出制御実行部94は、印刷領域に供給された用紙Pに対するインク吐出制御を実行する。インク吐出制御実行部94は、具体的にはたとえば、キャリッジ速度テーブル83を使用して、DCユニット101およびCRモータドライバ62を介して、CRモータ63を駆動制御する。インク吐出制御実行部94は、また、DCユニット101を介して記録ヘッド制御回路61から、キャリッジ32の1走査分のインク吐出制御信号を出力させる。
紙送り制御実行部95は、印刷領域に給紙されている用紙Pの搬送制御を実行する。紙送り制御実行部95は、具体的にはたとえば、DCユニット101およびPFモータドライバ64を介してPFモータ65の駆動を制御し、印刷領域に給紙されている用紙Pを、所定幅で搬送する。なお、この所定幅は、たとえば記録ヘッド34に形成される複数のインク吐出ノズル35の、用紙搬送方向の配列幅とすればよい。
エラー制御実行部96は、プリンタ1の異常状態を解消するための制御を実行する。たとえば紙送りが正常になされていない場合、エラー制御実行部96は、用紙搬送経路上の用紙Pをすべて排出するように、PFモータ65を所定の時間以上連続的に駆動制御する。
次制御判断部92は、これら給紙制御実行部93、インク吐出制御実行部94、紙送り制御実行部95、エラー制御実行部96などに対して、実行を指示する。次制御判断部92は、実行を指示した処理が完了すると、次に実行する処理を判断し、その判断した処理を実行する制御実行部に対して実行を指示する。なお、次制御判断部92は、基本的に、1回に、1つの制御実行部に対して実行を指示する。次制御判断部92は、複数の制御実行部に対して同時に実行を指示しない。
次に、以上の構成を有する実施の形態に係るプリンタ1の動作を説明する。
プリンタ1の電源ボタン42が操作されると、ASIC43は、その電源投入操作を検出し、プリンタ1を起動する。これにより、図3に示すように、プリンタ1には、DCユニット101、停止判断部91、次制御判断部92、給紙制御実行部93、インク吐出制御実行部94、紙送り制御実行部95、エラー制御実行部96などが実現される。
外部I/F41が、それに接続されるホストコンピュータ2から印刷データを受信すると、プリンタ1の次制御判断部92は、その印刷データに基づく印刷を開始する。
なお、ホストコンピュータ2は、たとえば、所定の用紙Pに所定の画像を印刷するイメージを生成し、その印刷イメージをインク色毎のイメージへ変換し、各インク色のイメージをハーフトーン処理し、複数色のハーフトーンイメージをラスタライズ処理する。ホストコンピュータ2は、このラスタライズ処理後のデータを、印刷データとしてプリンタ1へ送信すればよい。
この他にもたとえば、ホストコンピュータ2は、印刷する画像のデータと用紙Pやレイアウトなどの印刷条件とを、プリンタ1へ送信するようにしてもよい。この場合、プリンタ1では、ASIC43が、受信した画像データおよび印刷条件から、ラスタライズ処理後の印刷データを生成するようにすればよい。
次制御判断部92は、印刷を開始すると、まず、プリンタ1が印刷可能な状態であるか否かを判断する。具体的にはたとえば、次制御判断部92は、ASIC43から、PFセンサ51、PWセンサ52、リニアエンコーダ53、ロータリエンコーダ54などの検出信号に基づく検出情報を取得し、これらの検出情報が正常であるか否かを判断する。
プリンタ1が印刷可能な状態であると判断すると、次制御判断部92は、給紙制御実行部93へ実行を指示する。給紙制御実行部93は、給紙トレイ10上の用紙Pを印刷領域まで搬送する給紙制御を開始する。
図5は、給紙トレイ10上の用紙Pを印刷領域まで搬送する給紙制御におけるPFモータ65の速度変化を示す模式図である。
給紙制御実行部93は、給紙制御の実行が指示されると、まず、給紙シーケンステーブル82をROM73から読み込む。なお、この給紙制御の開始時には、図1に示すように、ギャップ用カム20の大径部が分離部材13のニップ部13cに当接し、LDローラ14は、ニップ部13cと離間しているものとする。また、LDローラ14およびPFローラ16は、停止している。
そして、給紙制御実行部93は、給紙シーケンステーブル82の最初に定義される第一加速期間のデータに基づく制御を開始する。給紙制御実行部93は、DCユニット101へ第一加速期間の目標速度(ここでは10ips)を供給し、オープンループ制御を指定する。
図4に示すように、給紙制御時には、DCユニット101には、PID制御部112と、加速制御部111と、セレクタ114とが実現される。第一加速期間の目標速度は、PID制御部112および加速制御部111に供給される。
PID制御部112の減算部121は、第一加速期間の目標速度から瞬時線速度を減算する。給紙制御を開始するときには、PFモータ65は停止しており、ロータリエンコーダ54からもパルスは出力されない。瞬時線速度は、0ipsである。したがって、減算部121は、差分速度として10ipsを演算する。
減算部121により差分速度が演算されると、比例制御成分演算部122と、積分制御成分演算部123と、微分制御成分演算部124とは、差分速度を用いてそれぞれの演算を実行する。これにより、比例制御成分と、積分制御成分と、微分制御成分とが演算される。加算部125は、これら3つの成分を加算し、PID制御部112の制御指令値を演算する。
また、加速制御部111は、第一加速期間の目標速度が供給されると、その目標速度と対応付けて予め定められた制御指令値を生成する。
PID制御部112の制御指令値と、加速制御部111の制御指令値とは、セレクタ114に供給される。セレクタ114は、給紙制御実行部93のオープンループ制御指定に基づいて、加速制御部111の制御指令値を選択し、選択した制御指令値に対応する制御信号をPFモータドライバ64へ出力する。PFモータドライバ64は、制御信号に応じた速度でPFモータ65を回転させる制御を始め、PFモータ65は、回転を始める。PFモータ65の回転速度は、PFローラ16の周面の瞬時線速度が略10ipsとなる速度まで、一気に加速する。
なお、PFモータ65が回転を始めると、PFモータ16、LDローラ14、排紙ローラ18、ロータリエンコーダ54の円板54a、ギャップ用カム20などか回転を始める。ロータリエンコーダ54は、円板54aの外周部に形成されるスリット54cに基づいて、パルスの出力を開始する。
給紙制御実行部93は、DCユニット101に、第一加速期間のデータに基づく制御を指示した後、ロータリエンコーダ54の出力パルス数をカウントする。そして、ロータリエンコーダ54の出力パルス数の合計が第一加速期間で指定される期間終了パルス数(ここでは500)になると、給紙制御実行部93は、次に、第一定速期間のデータに基づく制御を開始する。給紙制御実行部93は、DCユニット101へ第一定速期間の目標速度(ここでは第一加速期間の目標速度とおなじ10ips)を供給し、PID制御を指定する。
DCユニット101のPID制御部112および加速制御部111は、目標速度に基づいてそれぞれの制御指令値を演算する。セレクタ114は、給紙制御実行部93によるPID制御の指定にしたがって、PID制御部112の制御指令値を選択する。セレクタ114は、選択した制御指令値に対応する制御信号をPFモータドライバ64へ出力する。
この第一定速期間では、その直前の第一加速期間の制御によりPFローラ16の瞬時線速度は、略10ipsになっている。PID制御部112の減算部121は、小さい差分速度を演算する。したがって、この第一定速期間において比例制御成分演算部122、積分制御成分演算部123および微分制御成分演算部124が演算するそれぞれの制御成分の値は、大きく変化しない。それらを加算して得られるPID制御部112の制御指令値も大きく変化することはない。その結果、PFローラ16の回転速度の変動幅(オーバシュートなど)は小さく、且つ、PFローラ16の回転速度は目標速度である10ipsに収束する。この変動幅は、オープンループ制御によりPFモータ65の回転速度を維持する場合に比べて格段に小さくなる。
また、PFモータ65の回転速度は、その直前の第一加速期間においてオープンループ制御により短時間で加速制御がなされている。その結果、図5の点線に示すように第一定速期間の前半期間においては多少の変動が残ったり、制御偏差が残ったりしてしまう可能性があるが、第一定速期間の後半においては、目標速度は、確実に安定する。
第一定速期間の制御を開始した後、給紙制御実行部93は、ロータリエンコーダ54の出力パルス数をカウントし、その期間の合計パルス数が第一定速期間で指定される期間終了パルス数(ここでは500)になると、次に、第一減速期間のデータに基づく制御を開始する。第一減速期間において、給紙制御実行部93は、まず、第一減速期間の最初の目標速度(ここでは第一定速期間とおなじ10ips)をDCユニット101へ供給し、PID制御を指定する。DCユニット101のセレクタ114は、給紙制御実行部93のPID制御指定にしたがって、PID制御部112の制御指令値を選択し、選択した制御指令値に対応する制御信号をPFモータドライバ64へ出力する。
また、第一減速期間の最初の目標速度を指定してから所定の時間が経過すると、給紙制御実行部93は、PID制御を指定したまま、DCユニット101へ供給する目標速度を、第一減速期間の二番目の目標速度(ここでは9ips)へ変更する。DCユニット101のPID制御部112は、低下した目標速度を用いて新たな制御指令値を演算し、セレクタ114は、そのPID制御部112の制御指令値に対応する制御信号をPFモータドライバ64へ出力する。PFモータ16の回転速度は、PFローラ16の瞬時線速度が9ipsに下がるように減速する。なお、給紙制御実行部93による目標速度の更新周期は、所定のパルス数を基準としてもよい。
給紙制御実行部93は、第一減速期間の制御を開始してから、所定の時間が経過する度に、DCユニット101に指定する目標速度を、第一減速期間にて順番に格納されている目標速度に次々と切り替る。給紙制御実行部93は、第一減速期間に格納されている最後の目標速度(ここでは6ips)を指定したら、それ以降は、その最後の目標速度を継続して指定する。
このような給紙制御実行部93による目標速度の段階的な減速変更制御の下で、PID制御部112は、瞬時線速度がその時々の目標速度に追従するようにPID制御する。したがって、仮にたとえば第一減速期間の当初からいきなり最後の目標速度が指定された場合に比べてゆっくりとして且つ安定した速度変化で、PFモータ65の回転速度は、最後の目標速度まで減速する。
第一減速期間の制御を開始した後、ロータリエンコーダ54の出力パルス数の合計が第一減速期間で指定される期間終了パルス数(ここでは500)になると、給紙制御実行部93は、次に、第二定速期間のデータに基づく制御を開始する。第二定速期間において、給紙制御実行部93は、第二定速期間の目標速度(ここでは第一減速期間の最後の目標速度とおなじ6ips)をDCユニット101へ供給し、PID制御を指定する。DCユニット101のセレクタ114は、給紙制御実行部93のPID制御指定にしたがって、PID制御部112の制御指令値を選択し、選択した制御指令値に対応する制御信号をPFモータドライバ64へ出力する。PFローラ16の回転速度は、目標速度である6ipsに安定して制御される。
この第二定速期間では、PFモータ65により回転駆動されているギャップ用カム20は、その小径部がニップ部13cに対向するようになる。ホッパー12および分離部材13は、ギャップ用カム20の大径部から外れ、LDローラ14に当接する。また、LDローラ14と分離部材13との間には、用紙Pの先端が挟まれる。
なお、この第二定速期間でのギャップ用カム20の回転速度は、その最大速度(ここでは10ips)より抑えた速度になっている。したがって、ホッパー12および分離部材13は、ギャップ用カム20の大径部から比較的ゆっくりと外れ、ゆっくりとLDローラ14に当接するので、その当接音は、大きくない。よって、当接音がプリンタ1のユーザに対して不快感を与えてしまうことはない。
第二定速期間の制御を開始した後、ロータリエンコーダ54の出力パルス数の合計が、第二定速期間で指定される期間終了パルス数(ここでは500)になると、給紙制御実行部93は、次に、第二加速期間のデータに基づく制御を開始する。第二加速期間において、給紙制御実行部93は、まず、第二定速期間の最初の目標速度(ここでは第二定速期間の目標速度とおなじ6ips)をDCユニット101へ供給し、PID制御を指定する。
給紙制御実行部93は、その後、第一減速期間の場合と同様に、所定の時間が経過する度に、DCユニット101に指定する目標速度を、第二加速期間にて順番に格納されている目標速度に次々に切り替る。給紙制御実行部93は、第二加速期間に格納されている最後の目標速度(ここでは10ips)を指定したら、それ以降は、その最後の目標速度を継続して指定する。
このような給紙制御実行部93による目標速度の段階的な加速制御の下で、PID制御部112は、瞬時線速度がその時々の目標速度に追従するようにPID制御する。したがって、仮にたとえば第二加速期間の当初からいきなり最後の目標速度が指定された場合に比べてゆっくりとした安定した速度変化で、PFモータ65の回転速度は、最後の目標速度まで加速する。
これにより、仮にたとえばPFモータ65の回転速度をオープンループで制御した場合のように、最後の目標速度に到達した後に、多少の変動が残ったり、制御偏差が残ったりしてしまうことはない。第二加速期間の終了時には、瞬時線速度は、第二加速期間の最後の目標速度に安定している。
また、PFモータ65の回転速度が安定した速度でゆっくりと変化するので、PFローラ16やLDローラ14と用紙Pとの間に急激な速度変化によるすべりが発生しなくなり、ロータリエンコーダ54の検出パルスに基づいて判断する用紙Pの移動距離と、実際に搬送される用紙Pの移動距離とが略一致する。
第二加速期間の制御を開始した後、ロータリエンコーダ54の出力パルス数の合計が、第二加速期間で指定される期間終了パルス数(ここでは500)になると、給紙制御実行部93は、次に、第三定速期間のデータに基づく制御を開始する。第三定速期間において、給紙制御実行部93は、まず、第三定速期間の目標速度(ここでは第二加速期間の最後の目標速度とおなじ10ips)をDCユニット101へ供給し、PID制御を指定する。
第三定速期間の制御を開始した後、給紙制御実行部93は、ロータリエンコーダ54の出力パルス数を監視するとともに、PFセンサ51の検出信号を監視する。LDローラ14により搬送される用紙Pは、その先端がリトラクトレバー51bに当接する。LDローラ14がさらに回転すると、用紙Pの先端は、リトラクトレバー51bと用紙ガイド15に挟みこまれる。その後、用紙Pの先端は、リトラクトレバー51bを押し上げる。リトラクトレバー51bが押し上げられることで、PFセンサ51が出力する検出信号は、受光素子が受光していないときのレベルから受光しているときのレベルへ変化する。
このようにロータリエンコーダ54の出力パルス数の合計が第三定速期間の期間終了パルス数(ここでは2000)になる前に、PFセンサ51の検出信号が「用紙無し」から「用紙有り」へ変化すると、給紙制御実行部93は、その変化時点でのロータリエンコーダ54の出力パルス数に所定の一定パルス数を加算し、加算結果の累積パルス数を、第二減速期間の開始タイミングのパルス数として設定する。
第二減速期間の開始タイミングを設定した後、給紙制御実行部93は、それ以前と同様にロータリエンコーダ54の出力パルス数を継続して監視する。そして、ロータリエンコーダ54の出力パルス数の合計が設定した開始タイミングの累積パルス数になると、給紙制御実行部93は、第二減速期間のデータに基づく制御を開始する。第二減速期間において、給紙制御実行部93は、まず、第二減速期間の最初の目標速度(ここでは第三定速期間の最後の目標速度とおなじ10ips)をDCユニット101へ供給し、PID制御を指定する。
その後、給紙制御実行部93は、第一減速期間や第二加速期間の場合と同様に、所定の時間が経過する度に、DCユニット101に指定する目標速度を、第二減速期間にて順番に格納されている目標速度に次々に切り替る。給紙制御実行部93は、第二減速期間に格納されている最後の目標速度(ここでは0ips)を指定したら、それ以降は、その最後の目標速度を継続して指定する。
このような給紙制御実行部93による目標速度の段階的な減速変更制御の下で、PID制御部112は、瞬時線速度がその時々の目標速度に追従するようにPID制御する。したがって、PFモータ65の回転速度は、仮にたとえば第二減速期間の当初からいきなり最後の目標速度が指定された場合に比べてゆっくりとした安定した速度変化で最後の目標速度まで減速し、停止する。
これにより、PFモータ65の回転速度が安定した速度でゆっくりと変化するので、PFローラ16と用紙Pとの間に急激な速度変化によるすべりが発生しなくなる。ロータリエンコーダ54の検出パルスに基づいて判断される、PFセンサ51の用紙P検出後の用紙の移動距離と、PFローラ16により実際に搬送される用紙Pの移動距離とは略一致する。給紙トレイ10上の用紙Pは、印刷領域の所定の給紙位置に正確に給紙される。
給紙制御実行部93が以上の給紙シーケンステーブル82のすべての期間のデータに基づく制御を完了すると、給紙制御は完了する。PFローラ16の回転は停止する。ロータリエンコーダ54は、パルスを出力しなくなる。停止判断部91は、ロータリエンコーダ54の検出信号が所定の時間変化しないことを確認し、プリンタ1が停止状態にあると判断する。
給紙制御部による給紙制御が完了し、停止判断部91により停止状態にあると判断されると、次制御判断部92は、プリンタ1が印刷可能な状態であるか否かを判断し、その判断に応じて次に実行させる制御実行部を決定する。
たとえば給紙制御を終えたにもかかわらずPFセンサ51が用紙Pなしの状態であるときのように、プリンタ1に異常があると判断すると、次制御判断部92は、エラー制御実行部96に実行を指示する。エラー制御実行部96は、たとえば、PFモータ65を所定時間連続的に駆動し、用紙搬送経路上の用紙Pを排紙トレイ11へ排出する。
プリンタ1が印刷可能な状態であると判断すると、次制御判断部92は、印刷領域に給紙された用紙Pにインクを吐出するために、インク吐出制御実行部94に実行を指示する。
インク吐出制御実行部94は、ROM73からキャリッジ速度テーブル83を読込み、そのキャリッジ速度テーブル83による速度制御を開始する。インク吐出制御実行部94は、リニアエンコーダ53が反射プレート53aのパターンに基づいて出力するパルスから、キャリッジ32の移動速度を把握し、そのキャリッジ32の移動速度がキャリッジ速度テーブル83で指定されているその時々の速度となるように制御する。DCユニット101の制御の下、CRモータドライバ62により制御され、キャリッジ速度テーブル83で指定される速度曲線でキャリッジ32を駆動する。
また、インク吐出制御実行部94は、キャリッジ速度テーブル83に基づいて定速制御をしている期間に、記録ヘッド制御回路61から記録ヘッド34へ所定の電圧を出力させる。インク吐出制御実行部94は、印刷データにより印刷される画像にしたがった電圧を、記録ヘッド制御回路61に出力させる。記録ヘッド34の複数のインク吐出ノズル35は、印加される電圧にしたがってインクを吐出する。吐出したインクは、対向する用紙Pの先端に付着する。
インク吐出制御実行部94による以上のインク吐出制御が完了し、停止判断部91により停止状態にあると判断されると、次制御判断部92は、通常は次に、紙送り制御実行部95に実行を指示する。紙送り制御実行部95は、印刷領域に給紙されている用紙Pを、所定量だけ送る制御を実行する。これにより、印刷領域に給紙されている用紙Pは、所定の1回の搬送量だけ搬送される。
紙送り制御実行部95による1走査幅分の用紙P送り制御が完了し、停止判断部91により停止状態にあると判断されると、次制御判断部92は、通常は次に、インク吐出制御実行部94に実行を指示する。インク吐出制御実行部94は、2走査目のインク吐出制御を実行する。
次制御判断部92は、インク吐出制御実行部94による1走査分のインク吐出制御が完了する度に、紙送り制御実行部95に1走査幅分の用紙送り制御の実行を指示し、且つ、紙送り制御実行部95による1走査幅分の用紙送り制御が完了する度に、インク吐出制御実行部94による1走査分のインク吐出制御の実行を指示する。これにより、印刷領域に給紙された用紙Pには、1走査毎にインクが付着し、印刷データに基づく画像や文字が印刷される。
また、次制御判断部92は、未処理の印刷データがなくなったり、1ページ分の印刷が完了したりすると、図示外の排紙制御実行部に実行を指示する。排紙制御実行部は、DCユニット101およびPFモータドライバ64を介してPFモータ65を所定時間回転させる。印刷領域に給紙されている用紙Pは、排紙ローラ18により排紙トレイ11へ排出される。
また、次制御判断部92は、外部I/F41が、2枚以上の用紙Pに連続して印刷する印刷データを受信した場合には、最後のページ以外の各ページの印刷が完了したときには、給紙制御実行部93に実行を指示する。給紙制御実行部93は、給紙シーケンステーブル82にしたがってPFモータ65を回転駆動する。これにより、印刷領域に給紙されていた用紙Pは、排紙ローラ18により排紙トレイ11に排出され、且つ、次の用紙Pが給紙トレイ10から印刷領域へ給紙される。
以上のように、この実施の形態では、給紙トレイ10から印刷領域へ搬送される用紙Pの位置を、PFセンサ51により検出する。しかも、PFセンサ51が検出をする第三定速期間およびその直前の第二加速期間では、PID制御により用紙を搬送するPFローラ16およびLDローラ14の回転が制御される。したがって、仮にたとえば第二加速期間が第一加速期間と同様にオープンループ制御により制御された場合のように、第三定速期間において過大なオーバシュートなどによる大きな速度変動が生じてしまうことがない。PFセンサ51は、第三定速期間の前半期間においても一定の速度で安定して搬送される用紙Pを検出することができる。その結果、PFセンサ51は、PFローラ16およびLDローラ14により安定した速度で搬送されている用紙Pの位置を正確に検出することができる。
また、この実施の形態では、LDローラ14がホッパー12およびニップ部材13に当接するときは給紙速度を下げ、その当接後に最大速度まで加速している。したがって、ホッパー12およびニップ部材13がLDローラ14に当接するときに発生する音を抑制しつつ、LDローラ14およびPFローラ16を高速に回転して、高速に用紙Pを給紙することができる。しかも、PFセンサ51は、その最大速度で搬送される用紙Pの位置を上述したように正確に検出することができる。
また、この実施の形態では、給紙制御実行部93は、第二加速期間において、第三定速期間の所定の定速まで加速してから、第三定速期間の制御に切り替えている。したがって、第二加速期間から第三定速期間へ切り替るときには、LDローラ14およびPFローラ16の速度は、所定の定速に安定している。したがって、PFセンサ51は、第三定速期間の当初においても、LDローラ14およびPFローラ16により安定した速度で搬送されている用紙Pの位置を正確に検出することができる。
また、この実施の形態では、給紙制御実行部93は、第二加速期間において、PID制御部112に対して段階的に加速する目標速度を供給している。PID制御部112は、第二加速期間において段階的に加速される目標速度に追従するようにLDローラ14およびPFローラ16の回転速度を段階的に加速する。したがって、仮にたとえば第二加速期間の当初においてその期間の最終的な目標速度(ここでは10ips)がいきなり供給された場合は、LDローラ14およびPFローラ16の回転速度を大きく変化させようとする制御を行うが、この実施の形態ではそのような制御を行わない。したがって、PFセンサ51は、第三定速期間の当初においても、LDローラ14およびPFローラ16により安定した速度で搬送されている用紙Pの位置を正確に検出することができる。しかも、LDローラ14およびPFローラ16の回転速度が安定した速度でゆっくりと変化するので、LDローラ14およびPFローラ16と用紙Pとの間ですべりが発生してしまう現象を抑制することができる。
また、この実施の形態では、PFセンサ51のリトラクトレバー51bに用紙Pの先端が当接する前に、給紙制御実行部93は、第二加速期間から第三定速期間への制御に切り替えている。したがって、用紙Pは、リトラクトレバー51bの先端に当接するときには、一定の速度で安定して搬送されている。よって、リトラクトレバー51bの回転は、安定する。したがって、PFセンサ51は、リトラクトレバー51bの安定した回転に基づいて、用紙Pの位置を正確に検出する。しかも、発光素子および受光素子により搬送経路上を搬送される用紙Pを検出しないので、たとえば用紙の色や透明度などにかかわらず、用紙Pの位置を正確に検出することができる。
また、この実施の形態では、リトラクトレバー51bは通常は、用紙ガイド15に当接している。搬送される用紙Pの先端は、リトラクトレバー51bと用紙ガイド15との間にはさみこまれた後、リトラクトレバー51bを回転させる。用紙Pの先端位置は、リトラクトレバー51bと用紙ガイド15との間にはさみこまれた時点でそれまでの搬送状態にかかわらず、搬送中において一定の位置に位置決めされる。したがって、PFセンサ51は、リトラクトレバー51bの安定した回転に基づいて、搬送中において一定の位置に位置決めされた用紙Pの位置を正確に検出する。
そして、印刷制御実行部93は、このような用紙Pの位置を正確に検出した上で、その検出タイミングを基準として所定のPID制御による減速制御を実行し、用紙Pを印刷領域へ給紙する。インク吐出制御実行部94は、この印刷領域へ精度良く給紙された用紙Pに対してインクを吐出し、画像や文字を印刷する。その結果、たとえば1つの画像を複数の用紙Pに印刷した場合おける各用紙Pでの画像の位置や状態を、複数の用紙Pの間で揃えることができる。また、用紙P外へのインクの吐出などを効果的に抑制することができる。
また、この実施の形態では、LDローラ14およびPFローラ16による給紙制御は、給紙シーケンステーブル82により管理され、第一減速期間以降の加減速される速度は段階的に制御される。したがって、第三定速期間までの用紙Pの搬送距離は比較的安定し、第二加速期間完了後にPFセンサ51が用紙Pを検出するように、紙送りの安定化が図れる。正常に用紙Pが搬送されているときには、再加速完了前にPFセンサ51が用紙Pを検出してしまうことはない。
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
たとえば上記実施の形態では、第一加速期間が、オープンループ制御であり、第一定速期間から第二減速期間まではPID制御である。この他にもたとえば、第一加速期間もPID制御としてもよい。また、プリンタ1の仕様に合わせて、第一加速期間から第二定速度期間までの一部または全部をオープンループ制御にしたりしてもよい。
上記実施の形態では、DCユニット101は、オープンループ制御を実行する加速制御部111と、PID制御部1112とを有する。この他にもたとえば、DCユニット101は、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅制御)制御部を有するものであってもよい。
上記実施の形態では、PID制御部112による第二減速期間の実行タイミングは、PFセンサ51による用紙Pの検出に基づいて設定されている。この他にもたとえば、PID制御部112による第二減速期間の実行タイミングは、PWセンサ52による用紙Pの検出に基づいて設定されてもよい。
上記実施の形態では、次制御判断部92は、停止判断部51の検出に基づくプリンタ1の停止判断後に、次の制御実行部へ実行を指示している。この他にもたとえば、次制御判断部92は、設計などにより同期が確保されている場合などにおいては、前の制御実行部の実行が完了したら直ちに、あるいは、前の制御実行部の実行が完了する前に、次の制御実行部へ実行を指示するようにしてもよい。
上記実施の形態では、LDローラ14には、分離部材13が接離する。この他にもたとえば、リタードローラなどがLDローラ14と接離するようにしてもよい。
上記実施の形態では、インク吐出制御実行部94が、印刷領域の用紙Pへの印刷を実行している。この他にもたとえば、トナー粒子を印刷領域の用紙Pへ付着させる印刷制御実行部により、用紙Pへの印刷を実行するようにしてもよい。
上記実施の形態において、給紙装置は、インクジェット方式のプリンタ1において、給紙トレイ10から所定の目標位置(たとえば印刷領域)へ用紙Pを搬送している。この他にもたとえば、給紙装置は、たとえばレーザ方式のプリンタ、写真印刷機、印刷装置などにおいて、給紙トレイ10の用紙Pを所定の目標位置へ搬送するものであってもよい。
上記実施の形態では、LDローラ14は、PFモータ65で駆動されることで、PFローラ16などと同期するようになっているが、LDローラ14専用のモータをPFモータ65とは別に設けるようにしてもよい。その際は、上述した各速度制御の中の当初の給紙制御は、主にLDローラ14の専用モータに対して行われ、印刷時の紙送り制御はPFモータ65に対して行われることとなる。
また、2つの高速且つ定速期間は、各実施の形態では、同一速度とされているが、最初の高速且つ定速期間を、2つ目の高速且つ定速期間より速い速度としたり、また、その逆に遅い速度としたりしてもよい。さらに、2つの高速且つ定速期間の間の低速での低速期間を定速とせずに、徐々に遅くなりその後徐々に速くなる半円状の速度曲線となるようにしたりして、2つの高速且つ定速期間の間に定速期間を持たないものとしてもよい。
本発明は、たとえばホストコンピュータからの印刷データを印刷するインクジェット方式のプリンタなどに利用することができる。
本発明の実施の形態に係るプリンタの主な機構構成を示す構成図である。 図1のプリンタの制御系の主なハードウェア構成を示す図である。 図1のプリンタに実現される制御系の全体的なブロック図である。 図1のプリンタの給紙制御時の制御系の詳細なブロック図である。 図1のプリンタの給紙制御におけるPFモータの速度変化を示す図である。
符号の説明
1 プリンタ、10 給紙トレイ、12 ホッパー(ニップ部材の一種)、13 ニップ部材(ニップ部材の一種)、14 LDローラ(搬送ローラの一種、給紙ローラ)、15 用紙ガイド、16 PFローラ(搬送ローラの一種)、51 PFセンサ(用紙センサ)、51a 透過式光学センサ(光学部材)、51b リトラクトレバー、93 給紙制御実行部(給紙制御実行手段)、94 インク吐出制御部(印刷制御実行手段)、112 PID制御部(PID制御手段)、P 用紙

Claims (7)

  1. 用紙を搬送する搬送ローラと、
    上記搬送ローラにより搬送される搬送経路上の用紙を検出する用紙センサと、
    上記用紙センサにより用紙が検出される期間の直前の上記搬送ローラの加速期間あるいは減速期間においては、上記搬送ローラの回転速度をPID制御により加速あるいは減速制御し、且つ、上記用紙センサにより用紙が検出される期間においては、上記搬送ローラをPID制御により定速制御するPID制御手段と、
    を有することを特徴とする用紙位置検出装置。
  2. 給紙トレイ上の用紙の搬送を開始する搬送ローラと、
    給紙時に弾性力により上記搬送ローラに接し、上記給紙トレイ上の用紙を上記搬送ローラとの間に挟むニップ部材と、
    上記搬送ローラにより搬送される搬送経路上の用紙を検出する用紙センサと、
    上記ニップ部材が上記搬送ローラに接した以降に、上記搬送ローラの回転速度をPID制御により加速制御し、且つ、上記用紙センサにより用紙が検出される前に、上記搬送ローラをPID制御により定速制御するPID制御手段と、
    を有することを特徴とする用紙位置検出装置。
  3. 前記搬送ローラをPID制御により定速制御する直前の前記搬送ローラの加速期間あるいは減速期間において、前記PID制御手段に対して段階的に加速あるいは減速する目標速度を供給する給紙制御実行手段を有することを特徴とする請求項1または2記載の用紙位置検出装置。
  4. 前記給紙制御実行手段は、段階的に加速あるいは減速するために前記PID制御手段へ供給する最後の目標速度として、前記搬送ローラをPID制御により定速制御するときの定速に等しい目標速度を供給することを特徴とする請求項3記載の用紙位置検出装置。
  5. 前記用紙センサは、用紙の搬送経路上を搬送される用紙により回転されるリトラクトレバーと、発光素子および受光素子により上記リトラクトレバーの回転位置を光学的に検出する光学部材とを有し、
    前記PID制御手段は、前記用紙の先端が上記リトラクトレバーに当接する前に、前記搬送ローラの加速期間あるいは減速期間から、定速制御期間へ切り替わること、
    を有することを特徴とする請求項1から4の中のいずれか1項記載の用紙位置検出装置。
  6. 前記リトラクトレバーとは用紙の搬送経路の反対側に配設され、上記リトラクトレバーとの間で用紙の先端を挟み込む用紙ガイドを有することを特徴とする請求項5記載の用紙位置検出装置。
  7. 前記PID制御手段が、前記用紙センサの用紙検出に基づいて前記搬送ローラを停止する所定の減速制御を実行する請求項1から6の中のいずれか1項記載の用紙位置検出装置と、
    上記用紙位置検出装置の制御により給紙された用紙に対して印刷を実行する印刷制御実行手段と、
    を有することを特徴とするプリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012522708A (ja) * 2009-04-06 2012-09-27 カーン・グローバル・エルエルシー 別個のペーパーあるいはフィルム状物体用の集積装置および関連する方法
JP2013256338A (ja) * 2012-06-11 2013-12-26 Duplo Corp 重送検知装置およびそれを具備する紙折り機

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