JP2007099459A - 給紙装置およびプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ホッパー、分離パッドなどのニップ部材による大きな音の発生を抑制しつつ給紙速度を高速化し、しかも、用紙の給紙位置を安定させること。
【解決手段】 給紙制御実行手段93は、第一給紙ローラ14を加速した後減速してその減速した期間においてニップ部材12,13を第一給紙ローラ14に当接させ、その当接後に再び第一給紙ローラ14を加速する。用紙検出手段51は、その再加速後に用紙Pを検出する。そして、給紙制御実行手段93は、用紙検出手段51が用紙Pを検出してから所定の制御距離にて駆動制御を終了する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、給紙装置およびプリンタに関する。
特許文献1は、給紙装置を有するプリンタを開示する。特許文献1記載のプリンタでは、ホッパーや分離パッドと給紙ローラとで用紙トレイ上の用紙を挟み、給紙ローラの回転でその挟み込んだ用紙を用紙トレイから搬送する。また、給紙ローラと印字ヘッドとの間に設けられた搬送ローラ対で挟み込んで、用紙トレイから搬送される用紙を、印字ヘッドへ供給する。
特開2001−247225号公報(図10、発明の詳細な説明など)
特許文献1記載の給紙装置では、給紙ローラおよび搬送ローラ対の回転速度を上げることで、給紙時間を短縮することが可能である。しかしながら、給紙ローラおよび搬送ローラ対の回転速度を上げた場合、以下のような問題がある。
排紙トレイ上の用紙を給紙ローラとの間で挟み込むために、ホッパーや分離パッドは給紙ローラと接離する。一般的に、ホッパーや分離パッドは、ポッパーの裏側に圧縮して配設されるホッパーバネにより常時押し上げられる力が作用している。そして、たとえば給紙ローラと分離パッドとの間からアイドルローラが離脱したり、給紙ローラと一体的に回転するギャップ用カムがホッパーや分離パッドから離れたりすることで、ホッパーおよび分離パッドは上昇し、給紙ローラに当接する。
ホッパーおよび分離パッドが上昇して給紙ローラに当接すると、音が発生する。給紙ローラおよび搬送ローラ対の回転速度を上げた場合、ホッパーおよび分離パッドは勢い良く上昇し、大きな音が発生する。この結果、プリンタの使用者に、大きな音による不快感を与えてしまうことになる。
なお、このような大きな音の発生を抑制するために、ホッパーや分離パッドが給紙トレイに当接するときに給紙ローラなどの回転速度を一時的に減速することも考えられるが、このように加減速を繰り返した場合、たとえテーブル化された所定の速度曲線にしたがって速度を管理したとしても、給紙制御終了時の用紙の給紙位置は、ばらついて、安定しなくなってしまう。
本発明は、ホッパー、分離パッドなどのニップ部材による大きな音の発生を抑制しつつ給紙速度を高速化でき、しかも、用紙の給紙位置が安定する給紙装置およびプリンタを得ることを目的とする。
本発明に係る給紙装置は、給紙トレイから用紙を搬送する第一給紙ローラと、給紙の際に第一給紙ローラに当接し、第一給紙ローラとの間で給紙トレイの用紙を挟むニップ部材と、第一給紙ローラを加速した後減速してその減速した期間においてニップ部材を第一給紙ローラに当接させ、その当接後に再び第一給紙ローラを加速する給紙制御実行手段と、給紙トレイから搬送される用紙の搬送方向下流側に配設され、第一給紙ローラの再加速後に用紙を検出する用紙検出手段と、を有する。そして、給紙制御実行手段は、用紙検出手段が用紙を検出してから所定の制御距離にて駆動制御を終了する。
この構成を採用すれば、ニップ部材が第一給紙ローラに当接するときには、第一給紙ローラが減速しているので、音は大きくならない。しかも、その当接する期間以外の期間は、その減速期間での速度より早い速度で制御しているので、給紙速度が高速化される。
また、用紙検出手段は、第一給紙ローラの再加速後に用紙を検出し、給紙制御実行手段は、その用紙検出手段の用紙検出を基準として所定の制御距離にて第一給紙ローラの駆動制御を終了する。したがって、給紙完了時の用紙の位置は、用紙検出手段の用紙検出位置を基準として、目標とする給紙位置に安定する。
本発明に係る給紙装置は、上述した発明の構成に加えて、第一給紙ローラにより給紙トレイから搬送された用紙を所定の給紙位置へ搬送する第二給紙ローラを設け、第一給紙ローラおよび第二給紙ローラの速度を段階的に停止まで減速するデータを有する給紙減速テーブルを記憶する記憶手段を有する。そして、給紙制御実行手段は、用紙検出手段が用紙を検出してから所定の距離の後に、給紙減速テーブルによる減速制御を開始して駆動制御を終了する。
この構成を採用すれば、用紙検出手段が用紙を検出してから駆動制御が終了するまでの減速期間の速度は、給紙減速テーブルにより管理され、段階的に減速制御される。したがって、給紙完了時の用紙の位置は、安定する。
本発明に係る給紙装置は、上述した発明の各構成に加えて、第一給紙ローラを最初に加速してから、ニップ部材が第一給紙ローラに当接した後に再び加速し終えるまでの期間において速度を段階的に変化させる速度曲線のデータを有する給紙テーブルを記憶する記憶手段を有する。そして、給紙制御実行手段は、給紙テーブルによる速度制御を実行する。
この構成を採用すれば、第一給紙ローラの再加速前の駆動制御は、給紙テーブルにより管理され、速度は段階的に制御される。したがって、再加速完了までの用紙の搬送距離は安定し、この再加速完了後に用紙検出手段が用紙を検出するように、検出の安定化が図れる。また、正常に用紙を搬送しているときには、再加速完了前に用紙検出手段が用紙を検出することが無いように制御することができる。
本発明に係る給紙装置は、上述した発明の各構成に加えて、第一給紙ローラを最初に加速する区間、その加速した速度に維持する区間、減速する区間、その減速した速度に維持する区間、再加速する区間、および再加速した速度に維持する区間の、それぞれの区間の目標速度を有する給紙シーケンステーブルを記憶する記憶手段を有する。そして、給紙制御実行手段は、給紙シーケンステーブルによる速度制御を実行する。
この構成を採用すれば、第一給紙ローラの再加速までの駆動制御は、給紙シーケンステーブルにより区間毎に管理される。したがって、少なくとも再加速完了までの用紙の搬送位置は安定し、この再加速完了後に用紙検出手段が用紙を検出するように、検出の安定化が図れる。また、正常に用紙を搬送しているときには、再加速完了前に用紙検出手段が用紙を検出することが無いように制御することができる。
本発明に係る給紙装置は、上述した発明の各構成に加えて、給紙シーケンステーブルが、最初に加速する区間から再加速する区間までの間に用紙検出手段が用紙を検出した場合に、区間毎の目標速度と切り換えて制御に使用される異常シーケンスのデータを有し、その最初に加速する区間から再加速する区間までの間に用紙検出手段が用紙を検出した場合には、給紙制御実行手段は異常シーケンスを実行する。
この構成を採用すれば、用紙検出手段が用紙を異常なタイミングで検出したときには、給紙制御実行手段は、給紙制御期間中に即座に異常シーケンスを実行することができる。
本発明に係るプリンタは、上述した発明に係る各構成の給紙装置と、給紙装置により給紙された用紙に対して、給紙装置が給紙の目標とする所定の給紙位置において印刷を実行する印刷制御実行手段と、を有するものである。
この構成を採用すれば、給紙装置のニップ部材が第一給紙ローラに当接するときの音を抑制しながら、用紙を高速に給紙し、印刷することができる。また、給紙装置により搬送される用紙の給紙位置は、印刷制御実行手段が印刷を実行する給紙位置に安定し、印刷制御実行手段は、正確な位置に安定して搬送される用紙に対して印刷をすることができる。
本発明に係るプリンタは、上述した発明の構成に加えて、紙送りの停止を検出に基づき判断する停止判断手段と、停止判断手段が停止していると判断した場合に、給紙制御実行手段および印刷制御実行手段を含む複数の制御実行部の中から次に実行させる1つの制御実行部を選択し、この選択した制御実行部に対して実行を指示する次制御判断手段と、を有するものである。
この構成を採用すれば、第一給紙ローラなどが停止していることを検出に基づいて確認しながら、1つ1つの制御を順番に実行することができる。したがって、第一給紙ローラなどが停止し切っていない状態において次の制御を開始してしまうことはなく、期待通りの高品質の印刷を実行することができる。
しかも、給紙制御実行手段は、次制御判断手段からの1回の実行指示に基づいて、給紙トレイの用紙を給紙位置まで搬送する。したがって、たとえば給紙制御実行手段が仮に、最初の加速区間と、減速した速度の区間と、再加速した区間とを、次制御判断手段からの別々の実行指示に基づいて別々に実行する場合に比べて、それらの間の停止期間において停止判断手段が検出に基づく停止判断をすることなく、格段に高速に、一連の給紙制御を完了し、印刷制御実行手段が印刷を実行する給紙位置に用紙を搬送することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る給紙装置およびプリンタを、図面に基づいて説明する。プリンタは、インクジェット方式のプリンタを例として説明する。給紙装置は、プリンタの一部として説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態に係るプリンタ1の主な機構構成を示す構成図である。このプリンタ1は、外部I/F(インタフェース)41(図2参照)が印刷データを受信すると、その印刷データにしたがって紙送り制御および記録ヘッド34からのインク吐出制御を実行し、紙送り制御で搬送した普通紙などのメディアに、印刷データに基づくイメージを印刷するものである。
このような印刷をするために、プリンタ1は、給紙トレイ10に載置される用紙Pを排紙トレイ11まで搬送するメディア搬送機構と、メディアの搬送経路上に設定される印刷位置においてインクを吐出するインク吐出機構と、を有する。以下、給紙トレイ10から排紙トレイ11までの用紙Pの搬送経路を用紙搬送経路とよび、給紙トレイ10側を用紙搬送方向上流側と呼び、排紙トレイ11側を用紙搬送方向下流側と呼ぶ。
給紙トレイ10から排紙トレイ11まで用紙Pを搬送するメディア搬送機構は、主に、ニップ部材の一種としてのホッパー12、ニップ部材の一種としての分離部材13、第一給紙ローラとしてのLD(ロード)ローラ14、用紙ガイド15、PF(ペーパーフィード)ローラ16、プラテン17、排紙ローラ18などを有する。ホッパー12、分離部材13およびLDローラ14は、給紙トレイ10とともに自動給紙ユニット(ASF)6として一体にユニット化されている。
給紙トレイ10は、用紙Pを載置するための略平らな面を有する。給紙トレイ10は、図1に示すように、LDローラ14側の端部がその他端より下方となる姿勢にて、プリンタ1に固定される。図1では、紙面の右側が、プリンタ1の下側になる。
ホッパー12は、略平板形状を有する。ホッパー12は、給紙トレイ10の下端部に配設される。ホッパー12は、その上端部を中心として、図1の紙面に略垂直な方向を回転軸として、下端が回転可能に配設される。
分離部材13は、アーム部13aと、載置部13bと、ニップ部13cと、を有する。アーム部13aの一端は、ホッパー12の裏側に配設される。アーム部13aの他端は、給紙トレイ10より突出する。アーム部13aの他端の上面には、載置部13bが形成される。載置部13bは、ホッパー12の下端縁と接離する。載置部13bの先端は、ホッパー12と接している状態で、ホッパー12および給紙トレイ10による用紙載置面より上側へ突出する。載置部13bの先端には、斜め下方へ突出するようにニップ部13cがLDローラ14に対向して形成される。このようなアーム部13a、載置部13bおよびニップ部13cの構成により、分離部材13は、その断面が図1に示すように略階段形状となる。なお、アーム部13aには、図示外のリタードローラなどを配設するようにしてもよい。
LDローラ14は、分離部材13のニップ部13cの上方に配設される。LDローラ14は、図1の紙面に略垂直な方向に延在する回転軸19とともに回転可能に配設される。LDローラ14は、図1に示すように、円板の一側部が切り欠かれた略板かまぼこ形状の断面を有する。
LDローラ14とともに回転する回転軸19には、さらに、ギャップ用カム20が配設される。ギャップ用カム20は、LDローラ14の外周より一回り大きい大径部と、LDローラ14の外周より一回り小さい小径部と、を有する。ギャップ用カム20の大径部は、たとえばLDローラ14の切欠部に対応して設けられる。残りの部分は、小径部となる。
ホッパー12の裏側(下側)には、ホッパーバネ21が圧縮して配設される。ニップ部13cの裏側(下側)には、補助バネ22が圧縮して配設される。圧縮されているホッパーバネ21および補助バネ22は、ホッパー12および分離部材13を押し上げる。これにより、ニップ部13cは、図1に示すように、ギャップ用カム20の大径部に当接する。このとき、ニップ部13cとLDローラ14とは、離間する。また、ギャップ用カム20の小径部がニップ部13cに対向する状態では、ニップ部材13のニップ部13cは、LDローラ14に当接する。ニップ部13cとLDローラ14との間に用紙Pが存在するときには、その用紙Pは、ニップ部13cとLDローラ14との間に挟まれる。
メディア搬送機構の用紙ガイド15、PFローラ16、プラテン17、排紙ローラ18は、自動給紙ユニット6と排紙トレイ11との間に、一列に配設される。
用紙ガイド15は、その上面が略平らな板形状の部材である。
PFローラ16は、略円柱形状のローラである。PFローラ16の上側には、略円柱形状を有する従動ローラ23が配設される。PFローラ16および従動ローラ23は、図1の紙面に略垂直な方向を回転軸として、回転可能に配設される。
プラテン17は、その上面に複数のガイドリブ17aを有する。プラテン17は、ガイドリブ17aの延在方向が用紙搬送方向に沿う向きで配設される。また、プラテン17は、用紙Pと異なる色、たとえば黒色などの樹脂材料により形成する。なお、プラテン17には、スポンジなどのインク受容部材を配設するようにしてもよい。インク受容部材は、ガイドリブ17aより低背に配設する。
排紙ローラ18は、略円柱形状のローラである。排紙ローラ18の上側には、略円柱形状を有する従動ローラ24が配設される。排紙ローラ18および従動ローラ24は、図1の紙面に略垂直な方向を回転軸として、回転可能に配設される。
以上の構成を有するメディア搬送機構の上側には、インク吐出機構が配設される。インク吐出機構は、主に、キャリッジ軸31、キャリッジ32、インクタンク33、記録ヘッド34などを有する。
キャリッジ軸31は、円柱形状の軸部材である。キャリッジ軸31は、PFローラ16の上方において、図1の紙面に略垂直な方向に伸材する向きで配設される。
キャリッジ32は、キャリッジ軸31により保持され、プラテン17の上方に位置する。キャリッジ32は、キャリッジ軸31の軸方向に沿って移動可能である。
インクタンク33は、液体インクを収容する容器であり、キャリッジ32の上部に形成されるタンク収容孔32aに着脱可能に配設される。プリンタ1では、一般的に4〜8色のインクを使用する。1つのインクタンク33は、1色分のインクを収容するものであっても、複数色のインクを収容するものであってもよい。
記録ヘッド34は、複数のインク吐出ノズル35を有する。各インク吐出ノズル35の内側には、図示外のピエゾ素子が配設される。ピエゾ素子は、所定の電圧パルスが印加されると、変形する。ピエゾ素子の変形により、インク吐出ノズル35内に充填されるインクは、インク吐出ノズル35から吐出される。
記録ヘッド34は、キャリッジ32の下面に、プラテン17と対向して配設される。記録ヘッド34の、複数のインク吐出ノズル35は、プラテン17へインクを吐出する向きに配設される。この記録ヘッド34とプラテン17との間の領域が、用紙Pにインクを付着する印刷領域となる。
図2は、図1のプリンタ機構を制御する制御系の主なハードウェア構成を示す図である。図3は、図1のプリンタ1に実現される制御構成を示すブロック図である。プリンタ1の制御系は、ホストコンピュータ2が接続される外部I/F41と、電源ボタン42とを有する。
外部I/F41は、たとえばUSB(Universal Serial Bus)ケーブル、プリンタケーブル、SCSI(Small Computer System Interface)ケーブルなどが接続可能な図示外のコネクタを有する。外部I/F41は、このコネクタを介して、ホストコンピュータ2から印刷データを受信する。なお、外部I/F41は、ブルートゥース、無線LAN(Local Area Network)などにより、ホストコンピュータ2との間で無線通信により接続されるものであってもよい。
電源ボタン42は、たとえば2つの端子を、ボタンの操作に応じて接離するプッシュボタンである。
外部I/F41および電源ボタン42は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途集積回路)43に接続される。ASIC43は、図示外のCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、RAM(Random Access Memory)、プログラマブルROM(Read Only Memory)、タイマなどを有するものであり、プログラマブルROMに記憶されたプログラムに基づいて所定の動作するコンピュータである。
また、ASIC43は、図示外のI/O(Input/Output:入出力)ポート、ADC(Analog to Digital Converter)、DAC(Digital to Analog Converter)などを有する。
I/Oポートは、デジタル信号の入出力に使用される。ADCは、入力信号の波形を所定の周期でサンプリングする。DACは、所定のサンプリング周期で、設定された値に応じたレベルに変化する信号を出力する。
ASIC43のI/Oポートには、プリンタ1の状態を検出するための、用紙検出手段としてのPF(ペーパーフィード)センサ51、PW(ペーパーワイド)センサ52、リニアエンコーダ53、ロータリエンコーダ54が接続される。なお、I/Oポートには、この他にもたとえば、記録ヘッド34と用紙Pとのギャップを検出するためのPG(ペーパーギャップ)センサ、CDR(CD Recordable)トレイセンサ、CDRガイドセンサなどが接続されてもよい。
PFセンサ51は、図1に示すように、透過式光学センサ51aと、用紙Pの有無によって揺動するリトラクトレバー51bと、を有する。PFセンサ51は、用紙ガイド15上を通過する用紙Pの先端や後端などの紙端検出に用いられる。
リトラクトレバー51bは、不透明な材料を、細長い棒形状に形成した部材である。リトラクトレバー51bは、用紙ガイド15の上方において、用紙搬送方向に沿って自転可能に配設される。そして、リトラクトレバー51bの下端は、通常は、図1に示すように用紙ガイド15の上面に当接する。
透過式光学センサ51aは、図示外の発光素子と受光素子とが対向して配置されるものである。PFセンサ51の透過式光学センサ51aは、図1に示すように、下端が用紙ガイド15に当接した状態のリトラクトレバー51bが発光素子と受光素子との間に入り込む位置に配設される。この状態では、発光素子の光は、リトラクトレバー51bにより遮蔽され、受光素子に入射しない。リトラクトレバー51bの下端が押し上げられると、リトラクトレバー51bの上端部は、発光素子と受光素子との間から抜け出る。この状態では、発光素子の光は、受光素子に入射する。受光素子は、受光光量に応じてデジタル的に変化する受光信号を、ASIC43のI/Oポートへ出力する。
PWセンサ52は、発光素子と、受光素子と、コネクタと、これらを樹脂によりモールドするセンサ本体とを有する。PWセンサ52の発光素子と、受光素子とは、センサ本体の1つの面に並べて配設される。PWセンサ52は、反射式光学センサである。
PWセンサ52は、図1に示すように、キャリッジ32の下面に配設される。PWセンサ52は、発光素子および受光素子がプラテン17と対向する姿勢で配設される。発光素子の光は、プラテン17あるいは用紙Pにより反射される。受光素子は、このプラテン17あるいは用紙Pにより反射された光を受光する。受光素子は、受光光量に応じて変化する受光信号を、ASIC43のI/Oポートへ出力する。
PWセンサ52は、印刷領域に給紙された用紙Pの左右(用紙搬送方向と垂直な方向の両端)検出などに用いられる。なお、PWセンサ52は、印刷領域に給紙された用紙Pの先端や後端の検出をすることもできる。
なお、PWセンサ52は、図1に示すように、キャリッジ32の下面において、PFローラ16寄りの端部に配設される。また、PWセンサ52の発光素子と受光素子とは、キャリッジ32の移動方向に沿って並ぶように配列される。これにより、PWセンサ52をキャリッジ32に配設しながら、発光素子と受光素子とにより検出する位置と記録ヘッド34との間隔(図1の「A」)を確保することができる。
リニアエンコーダ53は、細長い反射プレート53aと、発光素子と受光素子とが並べて配設される反射式光学センサ53bと、を有するものであり、キャリッジ32の主走査方向の位置を検出する。
細長い反射プレート53aは、たとえば白パターンと黒パターンとがその長尺方向にそって繰り返し印刷された反射プレート53aである。反射プレート53aは、図1に示すように、その長尺方向がキャリッジ軸31に沿った方向となる姿勢で、キャリッジ32の自動給紙ユニット6側に配設される。
リニアエンコーダ53の反射式光学センサ53bは、図1に示すように、キャリッジ32の、自動給紙ユニット6側の面に配設される。発光素子は、反射プレート53aへ光を照射する。受光素子は、反射プレート53aにより反射された光を受光する。受光素子が受光光量は、反射プレート53aの白パターンにより反射された場合と、黒パターンで反射された場合とで異なる。受光素子は、受光光量に応じてデジタル的に変化する受光信号を、ASIC43のI/Oポートへ出力する。
ロータリエンコーダ54は、円板54aと、発光素子と受光素子とが対向して配設される透過式光学センサ54bと、を有する。
円板54aは、図1に示すように、その外周に沿って、複数のスリット54cが形成される。円板54aは、PFローラ16と一体化される。これにより、円板54aは、PFローラ16とともに回転する。
ロータリエンコーダ54の透過式光学センサ54bは、図1に示すように、発光素子と受光素子との間に円板54aの外周部を挟むように配設される。発光素子と受光素子との間に、スリット54cが位置するとき、発光素子の光は、受光素子により受光される。発光素子と受光素子との間に、円板54aそのものが位置するとき、発光素子の光は遮断される。受光素子は、受光光量に応じてデジタル的に変化する受光信号を、ASIC43のI/Oポートへ出力する。
この他にも、ASIC43のI/Oポートには、記録ヘッド制御回路61を介して、記録ヘッド34の複数のインク吐出ノズル35内に配設される複数のピエゾ素子が接続される。記録ヘッド制御回路61は、ASIC43からの制御信号に基づいて、複数のピエゾ素子に電圧を印加する。
ASIC43のI/OポートあるいはDACには、CR(キャリッジ)モータドライバ62を介してCRモータ63が接続される。ASIC43のI/OポートあるいはDACには、PFモータドライバ64を介してPFモータ65が接続される。
CRモータドライバ62は、ASIC43からの制御信号に基づいてCRモータ63を回転駆動する。CRモータ63は、たとえばDCモータである。DCモータの回転速度は、たとえばそれに流れる電流の大きさが制御されることで加減速する。CRモータ63は、キャリッジ32が固定される図示外の回転ベルトを回転駆動する。
PFモータドライバ64は、ASIC43からの制御信号に基づいて回転駆動する。PFモータ65は、たとえばDCモータであり、たとえばそれに流れる電流の大きさが制御されることで加減速する。PFモータ65の回転駆動力は、LDローラ14、PFローラ16および排紙ローラ18に伝達される。なお、CRモータ63やPFモータドライバ64は、ステッピングモータなどのパルスモータであってもよい。
このPFモータ65の回転駆動力をLDローラ14、PFローラ16および排紙ローラ18に伝達する駆動伝達機構は、たとえば、回転するLDローラ14の周速度、PFローラ16の周速度、および排紙ローラ18の周速度が略均一となるように駆動力を伝達する。
また、駆動伝達機構は、LDローラ14については、LDローラ14を1回転毎に回転を休止するように駆動力を伝達する。なお、駆動伝達機構は、たとえばLDローラ14へ駆動を伝達するギアの回転をロックする図示外のロックレバーをキャリッジ32により操作することで、LDローラ14の1回転動作を開始させるようにすればよい。
この他にも、ASIC43には、システムバス71が接続される。システムバス71には、ASIC43とは別体のCPU72、記憶手段としてのROM73、RAM74、タイマ75などが接続される。なお、これらCPU72、ROM73、RAM74、タイマ75は、それぞれが別々のチップとして形成されていても、1チップ化されていてもよい。
タイマ75は、時間を計測する。タイマ75は、経過時間、時刻などの設定が可能であり、その設定時間になると、CPU72にタイマ割込みを発生する。
ROM73は、ファームプログラム81や、各種の制御用データを記憶する。制御用データには、たとえば給紙テーブル82、給紙減速テーブル83、キャリッジ速度テーブル84などがある。
給紙テーブル82および給紙減速テーブル83は、給紙トレイ10に載置される用紙Pを印刷領域まで搬送する用紙Pの搬送制御に使用するテーブルである。これらのテーブルには、PFモータ65の所定の目標速度曲線が、離散的な複数のデータとして記憶される。
キャリッジ速度テーブル84は、キャリッジ32の1走査に使用するテーブルである。キャリッジ速度テーブル84には、CRモータ63の所定の目標速度曲線が、離散的な複数のデータとして記憶される。
なお、ROM73に記憶されるファームプログラム81や制御用データは、プリンタ1の出荷前にROM73に記憶されていても、プリンタ1の出荷後にROM73に記憶されていてもよい。プリンタ1の出荷後にROM73に記憶されるファームプログラム81や制御用データは、たとえばCD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体から読み込んだものや、電気通信回線などの伝送媒体を介してダウンロードされたものであればよい。また、ROM73に記憶されるファームプログラム81や制御用データは、その一部のみがプリンタ1の出荷後に更新記憶されたものであってもよい。
CPU72は、ROM73に記憶されるファームプログラム81をRAM74に読み込んで実行する。これにより、プリンタ1には、図3に示すように、停止判断手段としての停止判断部91、次制御判断手段としての次制御判断部92、給紙制御実行手段としての給紙制御実行部93、印刷制御実行手段としてのインク吐出制御実行部94、紙送り制御実行部95、エラー制御実行部96などが実現される。
停止判断部91は、プリンタ1が停止状態であるか否かを判断する。具体的にはたとえば、停止判断部91は、ロータリエンコーダ54の受光素子がASIC43へ出力する受光信号と、リニアエンコーダ53の受光素子がASIC43へ出力する受光信号とに基づいて、それらが所定の時間(たとえば数マイクロ秒〜数百ミリ秒)変化しないとき、プリンタ1が停止状態であると判断する。
給紙制御実行部93は、給紙トレイ10に載置される用紙Pを印刷領域へ搬送する制御を実行する。給紙制御実行部93は、具体的にはたとえば、給紙テーブル82および給紙減速テーブル83を使用して、ASIC43内に実現されるDCユニット101およびPFモータドライバ64を介して、PFモータ65を駆動制御する。
なお、DCユニット101は、たとえばDAC、I/Oポートなどを有し、記録ヘッド制御回路61、CRモータドライバ62およびPFモータドライバ64へ出力する各種の信号を生成するものである。DCユニット101は、予め定められた所定の短い周期(たとえば数十マイクロ秒)毎に、CRモータドライバ62やPFモータドライバ64へ出力する信号を更新する。
インク吐出制御実行部94は、印刷領域に供給された用紙Pに対するインク吐出制御を実行する。インク吐出制御実行部94は、具体的にはたとえば、キャリッジ速度テーブル84を使用して、DCユニット101およびCRモータドライバ62を介して、CRモータ63を駆動制御する。インク吐出制御実行部94は、また、DCユニット101を介して記録ヘッド制御回路61から、キャリッジ32の1走査分のインク吐出制御信号を出力させる。
紙送り制御実行部95は、印刷領域に給紙されている用紙Pの搬送制御を実行する。紙送り制御実行部95は、具体的にはたとえば、DCユニット101およびPFモータドライバ64を介して、印刷領域に給紙されている用紙Pを、たとえば記録ヘッド34に形成される複数のインク吐出ノズル35の、用紙搬送方向の配列幅に対応する分だけ搬送するように、PFモータ65を駆動制御する。
エラー制御実行部96は、プリンタ1の異常状態を解消するための制御を実行する。たとえば紙送りが正常になされていない場合、エラー制御実行部96は、用紙搬送経路上の用紙Pをすべて排出するように、PFモータ65を所定の時間以上連続的に駆動制御する。
次制御判断部92は、これら給紙制御実行部93、インク吐出制御実行部94、紙送り制御実行部95、エラー制御実行部96などに対して、実行を指示する。次制御判断部92は、実行を指示した処理が完了すると、次に実行する処理を判断し、その判断した処理を実行する制御実行部に対して実行を指示する。なお、次制御判断部92は、基本的に、1回に、1つの制御実行部に対して実行を指示する。次制御判断部92は、複数の制御実行部に対して同時に実行を指示しない。
次に、以上の構成を有する実施の形態1に係るプリンタ1の動作を説明する。
図4は、実施の形態1に係るプリンタ1の給紙から印刷までの制御を示すタイミングチャートである。
プリンタ1の電源ボタン42が操作されると、ASIC43は、その電源投入操作を検出し、プリンタ1を起動する。これにより、図3に示すように、プリンタ1には、DCユニット101、停止判断部91、次制御判断部92、給紙制御実行部93、インク吐出制御実行部94、紙送り制御実行部95、エラー制御実行部96などが実現される。
外部I/F41が、それに接続されるホストコンピュータ2から印刷データを受信すると、プリンタ1の次制御判断部92は、その印刷データに基づく印刷を開始する。
なお、ホストコンピュータ2は、たとえば、所定の用紙Pに所定の画像を印刷するイメージを生成し、その印刷イメージをインク色毎のイメージへ変換し、各インク色のイメージをハーフトーン処理し、複数色のハーフトーンイメージをラスタライズ処理する。ホストコンピュータ2は、このラスタライズ処理後のデータを、印刷データとしてプリンタ1へ送信すればよい。
この他にもたとえば、ホストコンピュータ2は、印刷する画像のデータと用紙Pやレイアウトなどの印刷条件とを、プリンタ1へ送信するようにしてもよい。この場合、プリンタ1では、ASIC43が、受信した画像データおよび印刷条件から、ラスタライズ処理後の印刷データを生成するようにすればよい。
次制御判断部92は、印刷を開始すると、まず、プリンタ1が印刷可能な状態であるか否かを判断する。具体的にはたとえば、次制御判断部92は、ASIC43から、PFセンサ51、PWセンサ52、リニアエンコーダ53、ロータリエンコーダ54などの検出信号に基づく検出情報を取得し、これらの検出情報が正常であるか否かを判断する。
プリンタ1が印刷可能な状態であると判断すると、次制御判断部92は、給紙制御実行部93へ実行を指示する。給紙制御実行部93は、給紙トレイ10上の用紙Pを印刷領域まで搬送する給紙制御を開始する。
給紙制御において、給紙制御実行部93は、まず、PFモータ65をそれの最大制御速度まで加速する加速制御(期間M1)を実行する。給紙制御実行部93は、具体的には、DCユニット101にそのPFモータ65の最大制御速度に対応する信号を出力させる。PFモータ65は、PFモータドライバ64の制御により、回転を開始する。PFモータ65の回転駆動力は、駆動伝達機構を介して、LDローラ14、PFローラ16および排紙ローラ18に伝達される。LDローラ14、PFローラ16および排紙ローラ18は、PFモータ65の回転にしたがって回転を開始する。
また、PFモータ65の回転速度は、加速する。LDローラ14、PFローラ16および排紙ローラ18も、そのPFモータ65の回転にしたがって加速し、所定の時間の後には、それぞれの最大の制御速度で回転するようになる。
加速制御を開始した後、給紙制御実行部93は、ロータリエンコーダ54の検出信号を監視する。ロータリエンコーダ54の円板54aは、PFローラ16とともに回転する。そのため、ロータリエンコーダ54の受光素子は、円板54aの外周部に形成されたスリットに応じてパルス的に変化する検出信号を出力する。このパルスの数は、PFローラ16、LDローラ14および排紙ローラ18の回転量と対応付けることができる。また、単位時間当たりのパルス数は、PFローラ16、LDローラ14および排紙ローラ18の回転速度に対応付けることができる。
給紙制御実行部93は、このパルス数の合計が所定の回転量に相当する数になると、定速制御(期間M2)を開始する。なお、この加速制御から定速制御に切り換える合計パルス数は、LDローラ14、PFローラ16および排紙ローラ18が最大の速度で回転し始めると予想されるまでの合計パルス数またはそのパルス数以上のパルス数に設定するとよい。
この最初の定速制御では、給紙制御実行部93は、ロータリエンコーダ54が出力するパルスから、PFローラ16、LDローラ14および排紙ローラ18の回転速度を把握する。給紙制御実行部93は、検出回転速度が最大制御速度に維持されるように、PFモータ65の速度を制御する。PFローラ16、LDローラ14および排紙ローラ18は、略最大制御速度で回転し続ける。
最初の定速制御を開始してから、ロータリエンコーダ54の出力パルス数の合計が所定の回転量に相当するパルス数になると、給紙制御実行部93は、ROM73から給紙テーブル82を読込み、その給紙テーブル82による速度制御(期間M3)を開始する。給紙テーブル82には、PFモータ65の所定の目標速度曲線が、離散的な複数のデータとして記憶される。給紙制御実行部93は、給紙テーブル82の離散的な複数のデータの先頭のデータから順番に使用し、給紙テーブル82による速度制御を実行する。
給紙テーブル82による速度制御(期間M3)において、給紙制御実行部93は、まず、給紙テーブル82の先頭部分のデータにしたがって、図4に示すように、ロータリエンコーダ54の検出回転速度が、最大制御速度より低い所定の中間制御速度へ段階的に変化させる減速制御を実行する。PFモータ65の回転速度は、この制御にしたがって段階的に変化し、ロータリエンコーダ54の検出回転速度も、その速度変化に追従して減速する。
所定の中間制御速度まで段階的に減速する制御を実行した後、給紙制御実行部93は、給紙テーブル82の中間部分のデータにしたがって、ロータリエンコーダ54の検出回転速度を、中間制御速度に維持する定速制御を実行する。
所定の中間制御速度に維持する定速制御を実行した後、給紙制御実行部93は、給紙テーブル82の末尾部分のデータにしたがって、ロータリエンコーダ54の検出回転速度を、中間制御速度から最大制御速度まで段階的に変化させる加速制御を実行する。PFモータ65の回転速度は、この制御にしたがって段階的に変化し、ロータリエンコーダ54の検出回転速度も、その速度変化に追従して加速する。
以上のように、給紙制御実行部93は、給紙テーブル82のすべてのデータに基づいて、最大制御速度から中間制御速度への段階的な減速制御と、中間制御速度での定速制御と、最大制御速度への段階的な加速制御とを順番に実行する。
この給紙テーブル82に基づく制御を終えると、給紙制御実行部93は、最大制御速度に維持する二回目の定速制御(期間M4)を開始する。給紙制御実行部93は、ロータリエンコーダ54の検出回転速度が最大制御速度に維持されるように、PFモータ65の回転速度を調整する。なお、この定速制御を給紙テーブル82に基づく制御の一部としてもよい。
最大制御速度に維持する二回目の定速制御を開始した後、給紙制御実行部93は、PFセンサ51の検出信号を監視する。そして、PFセンサ51の検出信号が「受光なし」から「受光あり」のレベルへ変化したら、その変化時点のロータリエンコーダ54の累積パルス数に所定の一定パルス数を加算し、加算結果の累積パルス数となるタイミングを、給紙減速テーブル83による減速制御(期間M5)の開始タイミングとして決定する。
開始タイミングを決定した後、給紙制御実行部93は、ROM73から給紙減速テーブル83を読み込む。ロータリエンコーダ54の累積パルス数が、計算した累積パルス数になると、給紙制御実行部93は、給紙減速テーブル83による速度制御を開始する。給紙減速テーブル83には、PFモータ65の最大目標速度から停止までの所定の目標速度曲線が、離散的な複数のデータとして記憶される。
給紙制御実行部93は、給紙減速テーブル83の離散的な複数のデータの先頭から順番に使用し、ロータリエンコーダ54の検出回転速度がそのデータの速度に追従するように、給紙減速テーブル83による減速制御を実行する。PFモータ65の回転速度は、この制御にしたがって段階的に変化し、ロータリエンコーダ54の検出回転速度も、その速度変化に追従して段階的に減速し、最終的には速度「0」になる。
図5は、以上の給紙制御におけるLDローラ14およびPFローラ16の回転状態と、用紙Pの給紙状態とを示す模式図である。
図5(A)は、給紙制御実行部93が最初の加速制御を開始する直前の状態を示す。このとき、ギャップ用カム20の大径部が分離部材13のニップ部13cに当接し、LDローラ14は、ニップ部13cと離間している。また、LDローラ14およびPFローラ16は、停止している。
図5(B)は、給紙制御実行部93が、最初の加速制御および最大制御速度での定速制御をし終えたときの状態を示す。このとき、ギャップ用カム20の大径部は、その回転方向後端部分において分離部材13のニップ部13cに当接する。LDローラ14は、ニップ部13cと離間したままである。また、LDローラ14およびPFローラ16は、給紙方向へ回転している。
図5(C)は、給紙制御実行部93が、給紙テーブル82の中間部分のデータにしたがってPFモータ65の回転速度を中間制御速度に維持しているときの状態を示す。この中間制御速度に維持している最中に、分離部材13のニップ部13cには、ギャップ用カム20の小径部が対向するようになる。そのため、ニップ部13cは、ホッパーバネ21および補助バネ22により押し上げられ、LDローラ14に当接する。また、LDローラ14の回転に巻き込まれるようにして、給紙トレイ10上の用紙Pが、LDローラ14とニップ部13cとの間に挟み込まれる。
図5(D)は、LDローラ14の回転にしたがって搬送される用紙Pの先端が、リトラクトレバー51bを押し上げるときの状態を示す。リトラクトレバー51bが押し上げられることで、PFセンサ51が出力する検出信号は、受光素子が受光していないときのレベルから受光しているときのレベルへ変化する。
図5(E)は、LDローラ14の回転にしたがって搬送される用紙Pの先端が、PFローラ16およびその従動ローラ23との間にニップされ始めるときの状態を示す。
図5(F)は、LDローラ14が1回転し終えたときの状態を示す。LDローラ14は、1回転すると、所定の初期位置にて停止する。このとき、ギャップ用カム20の大径部は、分離部材13のニップ部13cに当接する。LDローラ14は、ニップ部13cと離間する。また、PFローラ16と従動ローラ23とによりニップされた用紙Pは、PFローラ16の回転にしたがって搬送される。その後、その用紙Pは、印刷領域へ搬送される。
給紙制御実行部93による以上の一連の給紙制御が完了すると、PFローラ16の回転は停止する。ロータリエンコーダ54は、パルスを出力しなくなる。停止判断部91は、ロータリエンコーダ54の検出信号が所定の時間変化しないことを確認し、プリンタ1が停止状態にあると判断する。
給紙制御部による給紙制御が完了し、停止判断部91により停止状態にあると判断されると、次制御判断部92は、プリンタ1が印刷可能な状態であるか否かを判断し、その判断に応じて次に実行させる制御実行部を決定する。
たとえば給紙制御を終えたにもかかわらずPFセンサ51が用紙Pなしの状態であるときのように、プリンタ1に異常があると判断すると、次制御判断部92は、エラー制御実行部96に実行を指示する。エラー制御実行部96は、たとえば、PFモータ65を所定時間連続的に駆動し、用紙搬送経路上の用紙Pを排紙トレイ11へ排出する。
プリンタ1が印刷可能な状態であると判断すると、次制御判断部92は、印刷領域に給紙された用紙Pにインクを吐出するために、インク吐出制御実行部94にインク吐出制御の実行を指示する。
インク吐出制御実行部94は、まず、ROM73からキャリッジ速度テーブル84を読込み、そのキャリッジ速度テーブル84による速度制御を開始する。キャリッジ速度テーブル84には、所定の速度まで段階的に加速してから一定期間その速度で定速制御し、その後段階的に減速して停止する目標速度曲線が、離散的な複数のデータとして記憶される。インク吐出制御実行部94は、キャリッジ速度テーブル84の離散的な複数のデータの先頭から順番に使用し、キャリッジ速度テーブル84によるキャリッジ32の速度制御(期間N1)を実行する。
具体的には、インク吐出制御実行部94は、リニアエンコーダ53が反射プレート53aのパターンに基づいて出力するパルスから、キャリッジ32の移動速度を把握する。インク吐出制御実行部94は、この検出移動速度が、キャリッジ速度テーブル84のデータに基づいて周期的に更新される目標制御速度に追従するように、DCユニット101にそのときどきのデータに対応する制御信号を出力させる。CRモータ63は、CRモータドライバ62の制御にしたがった速度で回転する。CRモータ63の回転駆動力により、キャリッジ32は、キャリッジ速度テーブル84の速度曲線にしたがった速度で、図1の紙面に垂直な方向に移動する。
また、インク吐出制御実行部94は、キャリッジ速度テーブル84に基づいて定速制御をしている期間に、記録ヘッド制御回路61から記録ヘッド34へ所定の電圧を出力させる。インク吐出制御実行部94は、印刷データにより印刷される画像にしたがった電圧を、記録ヘッド制御回路61に出力させる。記録ヘッド34の複数のインク吐出ノズル35は、印加される電圧にしたがってインクを吐出する。吐出したインクは、対向する用紙Pの先端に付着する。
インク吐出制御実行部94による以上のインク吐出制御が完了すると、停止判断部91は、プリンタ1が停止状態にあるか否かを判断する。停止判断部91は、リニアエンコーダ53からの検出信号が所定の時間変化しないことを確認すると、プリンタ1が停止状態にあると判断する。
インク吐出制御実行部94による1走査分のインク吐出制御が完了し、停止判断部91により停止状態にあると判断されると、次制御判断部92は、プリンタ1が印刷可能な状態であるか否かを判断し、その判断に応じて次に実行させる制御実行部を決定する。プリンタ1が印刷可能な状態であると判断すると、次制御判断部92は、紙送り制御実行部95に実行を指示する。
紙送り制御実行部95は、印刷領域に給紙されている用紙Pを、たとえば印刷領域の用紙搬送方向の幅に対応する距離だけ搬送する制御を実行する。
具体的には、紙送り制御実行部95は、ロータリエンコーダ54の検出パルスに基づいて判断される速度が、所定の低い制御速度となるように、PFモータ65の回転速度を加速する(期間M11)。その後、紙送り制御実行部95は、ロータリエンコーダ54の検出速度が低い制御速度に維持されるように、PFモータ65の回転速度を定速制御する(期間M12)。
また、定速制御中、紙送り制御実行部95は、ロータリエンコーダ54の検出パルス数の合計を監視する。そして、たとえば印刷領域の用紙搬送方向の幅に相当する合計パルス数よりも所定数少ないパルス数になったら、紙送り制御実行部95は、ロータリエンコーダ54の検出速度が、たとえば印刷領域の用紙搬送方向の幅に相当するパルス数において「0」となるように、PFモータ65の回転速度を低下し、停止させる(期間M13)。
これにより、印刷領域に給紙されている用紙Pは、たとえば記録ヘッド34に形成される複数のインク吐出ノズル35の、用紙搬送方向の配列幅に対応する分で搬送される。
紙送り制御実行部95による1回分の用紙P送り制御が完了し、停止判断部91により停止状態にあると判断されると、次制御判断部92は、プリンタ1が印刷可能な状態であるか否かを判断し、その判断に応じて次に実行させる制御実行部を決定する。プリンタ1が印刷可能な状態であると判断すると、次制御判断部92は、インク吐出制御実行部94に実行を指示する。インク吐出制御実行部94は、2走査目のインク吐出制御を実行する。
以降、次制御判断部92は、インク吐出制御実行部94による1走査分のインク吐出制御が完了する度に、紙送り制御実行部95に1回分の用紙送り制御の実行を指示し、且つ、紙送り制御実行部95による1回分の用紙送り制御が完了する度に、インク吐出制御実行部94による1走査分のインク吐出制御の実行を指示する。これにより、印刷領域に給紙された用紙Pには、たとえば1走査幅毎にインクが付着し、印刷データに基づく画像が印刷される。
また、次制御判断部92は、未処理の印刷データがなくなったり、1ページ分の印刷が完了したりすると、図示外の排紙制御実行部に実行を指示する。排紙制御実行部は、DCユニット101およびPFモータドライバ64を介してPFモータ65を所定時間回転させ、印刷領域に給紙されている用紙Pを排紙ローラ18により排紙トレイ11に排出させる。
また、次制御判断部92は、外部I/F41が、2枚以上の用紙Pに連続して印刷する印刷データを受信した場合には、最後のページ以外の各ページの印刷が完了したときには、給紙制御実行部93に実行を指示する。給紙制御実行部93は、図4に示す速度曲線でPFモータ65を回転駆動する。これにより、印刷領域に給紙されていた用紙Pは、排紙ローラ18により排紙トレイ11に排出され、且つ、次の用紙Pが給紙トレイ10から印刷領域へ給紙される。
以上のように、この実施の形態1では、給紙トレイ10の用紙Pを印刷領域まで搬送する際、給紙制御実行部93は、図4に示すような2つの山の間に鞍部(図4では期間M3に相当)が存在するような速度曲線でLDローラ14の回転を制御する。そして、給紙制御実行部93がその鞍部のタイミングにおいて中間制御速度に減速しているときに、ギャップ用カム20が分離部材13のニップ部13cから離間し、ニップ部13cは、LDローラ14に当接する。そのため、分離部材13のニップ部13cがLDローラ14に当接することにより発せられるホッパーバネ12の開放動作音は、たとえば最大制御速度において、ニップ部13cをLDローラ14に当接させる場合に比べて小さくなる。プリンタ1の使用者に、大きな音による不快感を与えてしまうことがなくなる。
また、給紙制御実行部93は、図4に示すような2つの山の間に鞍部が存在するような速度曲線でLDローラ14およびPFローラ16の回転駆動を制御する。そのため、ニップ部13cをLDローラ14に当接させる期間以外、すなわち期間M2,M4を含む期間でのLDローラ14およびPFローラ16の回転速度は、中間制御速度より早い速度で制御される。
また、この実施の形態1において給紙制御実行部93が仮に、たとえばPFモータ65の回転速度を最大制御速度まで加速してから停止する制御と、中間制御速度まで加速してから停止する制御と、最大制御速度まで加速してから停止する制御とを個別に実行する場合、各停止制御の後には、停止判断部91により検出に基づいて停止を確認する必要がある。そして、給紙制御実行部93は、それぞれの停止確認後の次制御判断部92の指示に基づいて、搬送制御をしなければならない。しかし、この実施の形態1では、次制御判断部92の実行指示は最初の指示のみとなる。
したがって、この実施の形態1によるプリンタ1では、分離部材13のニップ部13cがLDローラ14に当接するときに発生する音を不快感を与えないレベルに押さえつつ、給紙制御を短縮することができる。給紙制御が短縮されることで、1枚の用紙Pに印刷する時間も短縮され、その結果、単位時間当たりに印刷可能な枚数を増やすことができる。
さらに、この実施の形態1では、給紙制御実行部93は、給紙テーブル82と給紙減速テーブル83との2つのテーブルを使用して、図4に示すような2つの山の間に鞍部が存在するような速度曲線でのLDローラ14の回転を制御している。給紙制御実行部93は、給紙テーブル82による速度制御が完了してから、給紙減速テーブル83による減速制御を開始するまでの定速制御期間において、PFセンサ51により用紙Pの実際の先端位置を確認している。さらに、給紙制御実行部93は、この確認した実際の用紙先端位置を基準として、所定の制御距離(回転量)で給紙の目標位置に停止するように、給紙減速テーブル83による減速制御の開始タイミングを微調整している。また、給紙制御実行部93は、開始タイミングになったら、給紙減速テーブル83に追従するようにPFモータ65の駆動を管理し、段階的に減速するように制御する。
したがって、給紙制御完了時における用紙Pの先端位置は、このような微調整をしない場合に比べて、一定の位置に安定する。給紙制御完了時における用紙Pの先端位置は、PFセンサ51の用紙検出位置を基準として、目標とする給紙位置に安定する。給紙制御完了時における用紙Pの先端位置の頭だし位置精度は、向上する。インク吐出制御実行部94は、正確な位置に安定して搬送される用紙Pに対して印刷をすることができ、期待通りの高品質の印刷を実行することができる。
また、この実施の形態1では、LDローラ14およびPFローラ16の再加速前の駆動制御は、給紙テーブル82により管理され、速度は段階的に制御される。したがって、再加速完了までの用紙Pの搬送距離は安定し、この再加速完了後にPFセンサ51が用紙Pを検出するように、検出の安定化が図れる。また、正常に用紙Pを搬送しているときには、再加速完了前にPFセンサ51が用紙Pを検出してしまうことが無いように制御することができる。
なお、これら給紙テーブル82および給紙減速テーブル83の2つのテーブルを使用することで、これらのテーブルで網羅するすべての期間をテーブル化した場合に比べて、テーブル化するデータ量を削減する効果も得られる。給紙テーブル82と給紙減速テーブル83とは、個別に簡単に修正することが可能である。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係るプリンタ1に実現される制御構成を示すブロック図である。なお、この実施の形態2に係るプリンタ1は、実施の形態1に係るプリンタ1とはCPU72の機能と、ROM73内に記憶されるテーブルが異なるのみで、他の構成は同一となっている。このため、以下では、この相違点を中心に説明する。
実施の形態2のプリンタ1のROM73は、は、実施の形態1の給紙テーブル82および給紙減速テーブル83に替えて、給紙シーケンステーブル112を記憶する。また、CPU72がROM73からファームプログラム81を読み込んで実行することで、プリンタ1には、停止判断部91、次制御判断部92、インク吐出制御実行部94、紙送り制御実行部95、エラー制御実行部96などとともに、給紙制御実行手段としての給紙制御実行部111が実現される。
図7は、図6中の給紙シーケンステーブル112のデータ構造の説明図である。この給紙シーケンステーブル112は、正常シーケンスのデータと、第一異常シーケンスのデータと、第二異常シーケンスのデータとの3つのシーケンスを有する。給紙シーケンステーブル112は、正常時のシーケンスデータと、異常時のシーケンスデータとが1つにテーブル化されたデータ構造体である。
正常シーケンスは、第一加速期間、第一定速期間、第一減速期間、第二定速期間、第二加速期間および第三定速期間の各期間について、目標速度と期間終了パルス数(その期間内の合計パルス数)のデータを有する。第一加速期間では、定速1まで加速制御し、第一定速期間では、定速1に維持する制御をし、第一減速期間では、定速1からそれより遅い定速2まで減速制御し、第二定速期間では、定速2に維持する制御をし、第二加速期間では、定速2からそれよりも早い定速3まで加速制御し、第三定速期間では、定速3に維持する制御をする。実施の形態1での給紙制御と同等の制御とする場合、定速1および定速3を最大制御速度とし、定速2を中間制御速度とすればよい。
また、正常シーケンスは、第三定速期間の後の第二減速期間のデータとして、給紙減速テーブル83と同様な減速テーブルを有する。減速テーブルは、速度を「0」まで段階的に低下させる複数のデータで構成される。第二減速期間は、第三低速期間におけるPFセンサ51による紙先端検出タイミングを基準として、その検出タイミング後、その検出タイミング後、所定のパルス数の後に開始される。
第一異常シーケンスは、第一定速期間において、PFセンサ51により紙先端検出がされたときに、正常シーケンスから切り換えて実行されるシーケンスである。第一異常シーケンスは、第一定速期間、第一減速期間、第二定速期間、第二加速期間、第三定速期間および第二減速期間の各期間について、目標速度と期間終了パルス数のデータを有する。
第二異常シーケンスは、第二定速期間において、PFセンサ51により紙先端検出がされたときに、正常シーケンスから切り換えて実行されるシーケンスである。第二異常シーケンスは、第二定速期間、第二加速期間、第三定速期間および第二減速期間の各期間について、目標速度と期間終了パルス数のデータを有する。
なお、このように期間毎のデータを、目標速度と期間終了パルス数のデータで構成することで、少ないデータ量で給紙制御の開始から終了までの制御を管理することができる。給紙シーケンステーブル112は、簡単に且つ部分的に修正することが可能である。
給紙制御実行部111は、給紙シーケンステーブル112から読み込んだデータを用いて、給紙トレイ10に載置される用紙Pを印刷領域へ搬送する制御を実行する。
上述した以外のプリンタ1の構成は、実施の形態1と同様であり、同一の名称および符号を付して説明を省略する。
次に、実施の形態2に係るプリンタ1の動作を説明する。
プリンタ1の電源ボタン42が操作された後、外部I/F41が、それに接続されるホストコンピュータ2から印刷データを受信すると、プリンタ1の次制御判断部92は、その印刷データに基づく印刷を開始する。次制御判断部92は、プリンタ1が印刷可能な状態であると判断すると、給紙制御実行部111へ実行を指示する。
給紙制御実行部111は、ROM73の給紙シーケンステーブル112から、正常シーケンスのデータを読み込み、その給紙シーケンステーブル112による速度制御を開始する。
図8は、図6中の給紙制御実行部111による給紙制御を示すタイミングチャートである。
給紙制御実行部111は、まず、正常シーケンスの第一加速期間のデータを読み込む。給紙制御実行部111は、ロータリエンコーダ54の検出回転速度が、定速1となるように、PFモータ65の回転速度を制御する。その後、ロータリエンコーダ54の検出パルス数の合計が、第一加速期間で指定される期間終了パルス数(図7では500)になったら、給紙制御実行部111は、正常シーケンスの第一定速期間のデータを読み込む。
給紙制御実行部111は、ロータリエンコーダ54の検出回転速度が、第一定速期間のデータで指定される定速1に維持されるように、PFモータ65の回転速度を制御する。その後、ロータリエンコーダ54の第一定速期間での検出パルス数の合計が、第一定速期間で指定される期間終了パルス数(図7では500)になったら、給紙制御実行部111は、正常シーケンスの第一定速期間のデータを読み込む。なお、図8では、定速1と定速3の速度が同一とされている。
給紙制御実行部111は、このように第一加速期間、第一定速期間、第一減速期間、第二定速期間、第二加速期間および第三定速期間のそれぞれの期間について、読み込んだ速度となるように制御する。これにより、図8に示すように、ロータリエンコーダ54の検出回転速度は、定速1まで加速して所定期間維持された後定速2まで減速し、さらに定速2に維持された後定速3まで加速することになる。
そして、この第三定速期間では、給紙制御実行部111は、PFセンサ51による用紙先端検出を監視する。給紙制御実行部111は、PFセンサ51の用紙先端検出時のロータリエンコーダ54の総パルス数に所定のパルス数を加算し、その加算したパルス数となるタイミングを、減速テーブルによる減速制御の開始タイミングとして設定する。
その後、ロータリエンコーダ54の合計パルス数が設定したパルス数になると、給紙制御実行部111は、給紙シーケンステーブル112の第二減速期間のデータ、すなわち減速テーブルを読込み、この減速テーブルに基づく制御を開始する。これにより、PFモータ65の回転速度およびロータリエンコーダ54の検出回転速度は、定速3から段階的に低下し、最終的には「0」となる。
以上の制御により、第三定速期間において、PFセンサ51が用紙Pの先端を正しく検出することにより、給紙制御実行部111は、正常シーケンスによる制御を継続する。その結果、分離部材13のニップ部13cがLDローラ14に当接することにより発せられるホッパーバネ21の開放動作音が不快感を与えることなく、給紙トレイ10上の用紙Pを高速に印刷領域へ搬送することができる。しかも、給紙制御完了時における用紙Pの先端位置は、一定の位置に安定する。
なお、正常に給紙をした後の動作は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
ところで、給紙制御実行部111は、第一定速期間および第二定速度期間においても、PFセンサ51による用紙先端検出を監視する。第一定速期間または第二定速度期間において、PFセンサ51が用紙Pの先端を検出するとき、その用紙Pは適切に搬送されていない。正常シーケンスに基づく給紙制御完了時に、用紙Pの先端は、印刷領域(目標位置)に適切に位置することができない。
そして、たとえば第一定速期間において、PFセンサ51が用紙Pの先端を検出すると、給紙制御実行部111は、ROM73から第一異常シーケンスを読込み、第一定速期間以降の期間の制御を、第一異常シーケンスによる制御に切り換える。給紙制御実行部111は、第一異常シーケンスに基づく制御を実行する。
この他にもたとえば、第二定速期間において、PFセンサ51が用紙Pの先端を検出すると、給紙制御実行部111は、ROM73から第二異常シーケンスを読込み、第二定速期間以降の期間の制御を、第二異常シーケンスによる制御に切り換える。給紙制御実行部111は、第二異常シーケンスに基づく制御を実行する。
以上のように、実施の形態2では、給紙トレイ10の用紙Pを印刷領域まで搬送する給紙制御の各制御シーケンスを複数の区間に区切り、且つ、複数の制御シーケンスを対応付けて1つの給紙シーケンステーブル112にテーブル化している。また、給紙制御実行部111は、この給紙シーケンステーブル112の正常シーケンスを実行する。
したがって、少なくともLDローラ14およびPFローラ16の再加速までの駆動制御は、給紙シーケンステーブル112の正常シーケンスにより区間毎に管理される。少なくとも再加速完了までの用紙Pの搬送位置は安定し、この再加速完了後にPFセンサ51が用紙Pを検出するように、検出の安定化が図れる。また、正常に用紙Pを搬送しているときには、再加速完了前にPFセンサ51が用紙Pを検出することが無いように制御することができる。
また、この実施の形態2では、正常シーケンスによる給紙制御中に給紙異常が生じると、制御シーケンスを切り換えて、異常シーケンスを実行する。給紙制御実行部111は、正常シーケンスにしたがって給紙制御を実行している最中に、異常シーケンスに切り換えて異常時の制御を実行することができる。
その結果、プリンタ1は、給紙制御実行部111による給紙制御中に異常が発生した場合に、その給紙制御が完了した後の次制御判断部92の判断を待つことなく即座に、異常時の処理を実行することができる。
また、この実施の形態2では、たとえば正常シーケンスで終了したときのすべての期間の合計のパルス数と、第一異常シーケンスで終了したときのすべての期間の合計のパルス数とは、異なっている。このように制御シーケンス毎に、区間毎の期間終了パルス数を設定することで、給紙制御が完了した時点での用紙の目標位置を、制御シーケンス毎に異なる位置に設定することができる。
なお、この実施の形態2では、給紙トレイ10上の用紙Pを印刷領域に給紙する給紙制御実行部111が、ROM73に記憶される給紙シーケンステーブル112に基づいて制御を実行する場合を例として説明したが、インク吐出制御実行部94、紙送り制御実行部95なども、正常シーケンスおよび異常シーケンスが定義されたシーケンステーブルに基づいて制御を実行するようにしてもよい。これにより、インク吐出制御時や紙送り制御時に、それぞれの制御完了後の次制御判断部92の判断を待つことなく即座に、異常時の処理を実行することが可能となる。
以上の各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
たとえば上記各実施の形態では、次制御判断部92は、停止判断部91の検出に基づくプリンタ1の停止判断後に、次の制御実行部へ実行を指示している。この他にもたとえば、次制御判断部92は、設計などにより同期が確保されている場合などにおいては、前の制御実行部の実行が完了したら直ちに、あるいは、前の制御実行部の実行が完了する前に、次の制御実行部へ実行を指示するようにしてもよい。
上記各実施の形態では、LDローラ14には、分離部材13が接離する。この他にもたとえば、リタードローラなどがLDローラ14と接離するようにしてもよい。
上記各実施の形態では、インク吐出制御実行部94が、印刷領域の用紙Pへの印刷を実行している。この他にもたとえば、トナー粒子を印刷領域の用紙Pへ付着する印刷制御実行部により、用紙Pへの印刷を実行するようにしてもよい。
上記実施の形態1の給紙テーブル82は、図4の最初の減速制御の開始から二回目の加速制御の完了までの速度曲線のデータを有する。この他にもたとえば、給紙テーブル82は、図4の最初の加速制御の開始から、二回目の加速制御の完了までの間の任意の区間の速度曲線のデータを有するものであってもよい。給紙テーブル82は、さらに、第二回目の定速制御までのデータを有するものとしてもよい。
上記実施の形態2の給紙シーケンステーブル112は、図7に示すように各区間のデータとして、基本的に目標速度と期間終了パルス数(区間移動距離)とのデータを有する。この他にもたとえば、給紙シーケンステーブル112の各区間のデータとして、それぞれの区間の速度曲線をデータ化したものを有するものであってもよい。
上記各実施の形態において、給紙装置は、インクジェット方式のプリンタ1において、給紙トレイ10から所定の目標位置(たとえば印刷領域)へ用紙Pを搬送している。この他にもたとえば、給紙装置は、たとえばレーザ方式のプリンタ、写真印刷機、印刷装置などにおいて、給紙トレイ10の用紙Pを所定の目標位置へ搬送するものであってもよい。
上記各実施の形態では、LDローラ14は、PFモータ65で駆動されることで、PFローラ16などと同期するようになっているが、LDローラ14専用のモータをPFモータ65とは別に設けるようにしてもよい。その際は、上述した各速度制御の中の当初の給紙制御は、主にLDローラ14の専用モータに対して行われ、印刷時の紙送り制御はPFモータ65に対して行われることとなる。
また、2つの高速且つ定速期間は、各実施の形態では、同一速度とされているが、最初の高速且つ定速期間を、2つ目の高速且つ定速期間より速い速度としたり、また、その逆に遅い速度としたりしてもよい。さらに、2つの高速且つ定速期間の間の低速での低速期間を定速とせずに、徐々に遅くなりその後徐々に速くなる半円状の速度曲線となるようにしたりして、2つの高速且つ定速期間の間に定速期間を持たないものとしてもよい。
本発明は、たとえばホストコンピュータからの印刷データを印刷するインクジェット方式のプリンタなどに利用することができる。
本発明の実施の形態に係るプリンタの主な機構を示す構成図である。 図1のプリンタ機構を制御する制御系のハードウェア構成を示す図である。 図1のプリンタに実現される制御構成を示すブロック図である。 給紙から印刷までの制御を示すタイミングチャートである。 給紙制御時のLDローラ、PFローラおよび用紙の状態を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係るプリンタの制御構成のブロック図である。 図6中の給紙シーケンステーブルのデータ構造の説明図である。 図6中の給紙制御実行部による給紙制御を示すタイミングチャートである。
符号の説明
10 給紙トレイ、12 ホッパー(ニップ部材の一種)、13 分離部材(ニップ部材の一種)、14 LDローラ(第一給紙ローラ)、51 PFセンサ(用紙検出手段)、73 ROM(記憶手段)、82 給紙テーブル、83 給紙減速テーブル、91 停止判断部(停止判断手段)、92 次制御判断部(次制御判断手段)、93,111 給紙制御実行部(給紙制御実行手段)、94 インク吐出制御実行部(印刷制御実行手段)、112 給紙シーケンステーブル、P 用紙。

Claims (7)

  1. 給紙トレイから用紙を搬送する第一給紙ローラと、
    給紙の際に上記第一給紙ローラに当接し、上記第一給紙ローラとの間で上記給紙トレイの用紙を挟むニップ部材と、
    上記第一給紙ローラを加速した後減速してその減速した期間において上記ニップ部材を上記第一給紙ローラに当接させ、その当接後に再び上記第一給紙ローラを加速する給紙制御実行手段と、
    上記給紙トレイから搬送される用紙の搬送方向下流側に配設され、上記第一給紙ローラの再加速後に上記用紙を検出する用紙検出手段と、を有し、
    上記給紙制御実行手段は、上記用紙検出手段が上記用紙を検出してから所定の制御距離にて駆動制御を終了することを特徴とする給紙装置。
  2. 前記第一給紙ローラにより給紙トレイから搬送された用紙を所定の給紙位置へ搬送する第二給紙ローラを設け、
    前記第一給紙ローラおよび上記第二給紙ローラの速度を段階的に停止まで減速するデータを有する給紙減速テーブルを記憶する記憶手段を有し、
    前記給紙制御実行手段は、前記用紙検出手段が前記用紙を検出してから所定の距離の後に、上記給紙減速テーブルによる減速制御を開始して駆動制御を終了することを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
  3. 前記第一給紙ローラを最初に加速してから、前記ニップ部材が前記第一給紙ローラに当接した後に再び加速し終えるまでの期間において速度を段階的に変化させる速度曲線のデータを有する給紙テーブルを記憶する記憶手段を有し、
    前記給紙制御実行手段は、上記給紙テーブルによる速度制御を実行することを特徴とする請求項1または2記載の給紙装置。
  4. 前記第一給紙ローラを最初に加速する区間、その加速した速度に維持する区間、減速する区間、その減速した速度に維持する区間、再加速する区間、および再加速した速度に維持する区間の、それぞれの区間の目標速度を有する給紙シーケンステーブルを記憶する記憶手段を有し、
    前記給紙制御実行手段は、上記給紙シーケンステーブルによる速度制御を実行することを特徴とする請求項1または2記載の給紙装置。
  5. 前記給紙シーケンステーブルは、前記最初に加速する区間から前記再加速する区間までの間に前記用紙検出手段が用紙を検出した場合に、前記区間毎の目標速度と切り換えて制御に使用される異常シーケンスのデータを有し、
    前記給紙制御実行手段は、その最初に加速する区間から前記再加速する区間までの間に前記用紙検出手段が用紙を検出した場合には、上記異常シーケンスを実行することを特徴とする請求項4記載の給紙装置。
  6. 請求項1から5の中のいずれか1項記載の給紙装置と、
    前記給紙装置により給紙された用紙に対して、上記給紙装置が給紙の目標とする所定の給紙位置において印刷を実行する印刷制御実行手段と、
    を有することを特徴とするプリンタ。
  7. 紙送りの停止を検出に基づき判断する停止判断手段と、
    上記停止判断手段が停止していると判断した場合に、前記給紙制御実行手段および前記印刷制御実行手段を含む複数の制御実行部の中から次に実行させる1つの制御実行部を選択し、この選択した制御実行部に対して実行を指示する次制御判断手段と、
    を有することを特徴とする請求項6記載のプリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009045913A (ja) * 2007-08-23 2009-03-05 Seiko Epson Corp プリンタおよび用紙搬送方法
JP2016169057A (ja) * 2015-03-11 2016-09-23 キヤノン株式会社 画像形成装置

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