JP2010027875A - 固体撮像素子 - Google Patents

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圭介 田中
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隆善 山田
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Abstract

【課題】微細画素で、かつ、色再現性が高いカラーフィルタを備えた固体撮像素子を提供する。
【解決手段】電気配線3と、濾光素子と、濾光素子の下にあり濾光素子で分光された入射光を受光する受光部6と、受光部6で光電変換された電気信号を演算する信号処理回路70とを備えた固体撮像素子100であって、濾光素子は、入射光の赤色領域から赤外領域までの第1の光を透過させる第1の濾光素子111と、入射光の緑色領域から長波長の赤外領域までの黄色領域の第2の光を透過させる第2の濾光素子112と、入射光の可視全領域と赤外領域までの第3の光を透過させる第3の濾光素子113とを含み、濾光素子のそれぞれには少なくとも一つの種類の金属を含む粒子が分散されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタルカメラ等に使用される固体撮像素子に関し、特に高画素数や小チップ面積を実現するために不可欠な微細な画素を有する固体撮像素子に関する。
デジタルカメラやカメラ付携帯電話の普及に伴い、固体撮像素子の市場は著しく拡大してきた。そして、近年はデジタルスチルカメラの薄型化に対する要望が強くなっている。これは言い換えれば、カメラ部分に用いるレンズが短焦点になるということであり、固体撮像素子に入射する光は広角(固体撮像素子の入射面の垂直軸から測定して大きな角度)になることを意味する。また、広角から望遠まで、さまざまなレンズを交換して使用する1眼レフのデジタルカメラが普及してきている。
CCDやMOSイメージセンサなどの固体撮像素子では、複数の受光部分を有する半導体集積回路を2次元に配列して、被写体からの光信号を電気信号に変換している。固体撮像素子の感度は、入射光量に対する受光素子の出力電流の大きさによって定義されていることから、入射した光を確実に受光素子に導入することが感度向上のため重要な要素となっている。
図20は、従来の一般的な画素の基本構造の一例を示す図である。図20に示すように、マイクロレンズ57に垂直に入射した光53(破線で示した光)は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれかのカラーフィルタ2によって色分離された後、受光部6において電気信号への変換がなされる。比較的高い集光効率が得られることから、マイクロレンズ57は、ほとんど全ての固体撮像素子において使用されている。
しかしながら、マイクロレンズでは、集光効率が信号光の入射角度に依存して低下する。つまり、レンズに垂直に入射してくる光53については高効率に集光することができるが、斜め入射の光56に対しては集光効率が減少する。これは、斜め入射の光が、画素中の電気配線3に遮光されてしまい、受光部6まで到達できないためである。
固体撮像装置は常に画質の向上が求められているため、高画素化することが常に求められている。しかし、固体撮像装置の実装上の制約からチップの大きさが制約されているため、一般に高画素化に対応するために、画素サイズの微細化にて対応しているが、画素サイズの微細化に伴い感度が低下してしまう。それと合わせて、高画素化に対応するため周辺回路の回路規模が大きくなるため電気配線3の数も増えてそのため受光部6からマイクロレンズ57までの距離が長くなる。すなわち、高画素化により、受光部6からマイクロレンズ57までの距離と受光部6の大きさの比であるアスペクト比がおおきくなり、斜入射光を効率的に受光部6に導入することが出来なくなる。
また、固体撮像素子は、複数の画素の2次元配列で構成されているため、広がり角を持つ入射光の場合、中央の画素と周辺の画素とでは入射角が異なる。その結果、周辺の画素の集光効率が中央の画素より低下するという問題が起こる。
このような入射角度の増加に伴う、固体撮像素子の感度減少を防ぐためには、入射角度に対応したマイクロレンズの設計が必要となる。しかしながら、現在の固体撮像素子の画素サイズが2.2μmと非常に微細な構造であるにもかかわらず、今後、将来的には、高画素化のためにより微小なセルサイズが必要とされている。このため、マイクロレンズの加工はサブミクロンオーダーとなり、形成プロセスは複雑になる。
よって、少しでも減衰を少なく入射光を受光部6に導く必要がある。そこで、入射光の減衰を抑制して受光部6に導く技術として、従来、様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1〜5、非特許文献1参照)。
特許文献1では、白色透明フィルタと黄色フィルタと赤色フィルタと灰色フィルタとを備えた固体撮像素子が提案されている。特許文献1では、白色透明フィルタを透過した光(W)と黄色フィルタを透過した光(Y)の差分から青色領域の光を演算し、黄色フィルタを透過した光と赤色フィルタを透過した光の差分から緑色領域の光を演算し、それと赤色フィルタを透過した赤色領域の光とを、白色フィルタを透過した光の輝度と灰色フィルタを透過した光の輝度の任意の閾値からのずれを輝度補正している。
また、特許文献2では、赤色フィルタと緑色フィルタと青色フィルタと黄色フィルタとを備えた固体撮像素子が提案されている。
また、特許文献3では、ハイパスタイプのシアン、マジェンタ、黄色の補色系フィルタに赤外フィルタを追加し、各色の信号から赤色信号、緑色信号、青色信号、赤外信号を演算する固体撮像素子が提案されている。
また、特許文献4では、ポリシリコンやアモルファスシリコンやシリコンからなるフィルタ膜厚を変えたハイパスタイプの赤色フィルタと緑色フィルタと青色フィルタを備えた固体撮像素子が提案されている。
また、特許文献5や非特許文献1では、樹脂中に金属ナノ粒子を用いたカラーフィルタが提案されている。
特開2007−281785号公報 特開2002−271804号公報 特開2002−142228号公報 特開2005−175430号公報 特開2004−151313号公報 伊藤征司郎監修、「機能性顔料とナノテクノロジー」、(株)シーエムシー出版、2006年10月
しかしながら、上記従来の技術には様々な課題が残されている。
つまり、上記特許文献1の技術では、4画素のうち灰色フィルタを持つ1画素分は輝度補正にのみ要するだけで感度向上に寄与していない。さらに人間の視覚感度と固体撮像素子のシリコン感度とを合わせるために別に赤外線カットフィルタを用意する必要があり、可視光域においても赤外カットフィルタによる減衰をまねいてしまう。また、例示している黄色顔料を用いたハイパスタイプの黄色フィルタでは、バンドカット帯域が長波によっているため演算した青色領域の光は緑色を帯びてしまい、色再現性が損なわれてしまう。しかし、材料構造でバンドカット帯域が決定されるのでバンドカット帯域を短波側にシフトさせるのは難しい。
また、上記特許文献2の技術では、従来の赤色フィルタと緑色フィルタと青色フィルタと黄色フィルタの透過率が70%から80%と低く、かつ、各色で異なるため色バランスを厳密に再現することが出来ない。また、ハイパスタイプの透過特性を持つフィルタではなくバンドパスタイプのフィルタなので、各色のピーク間の波長域では例え白色光が入ったとしてもフィルタでの吸収ロスが発生してしまい、さらに演算の際にロスが発生してしまう。また、従来の顔料を用いたカラーフィルタでは、透過させたくない色領域での透過(色浮き)を除くことが出来ないので、色再現性を悪化させる要因となっている。
また、上記特許文献3の技術では、白色信号と黄色信号と赤色信号からの演算については記述が無く、かつ、具体的な実現手段について記述が無い。
また、上記特許文献4の技術では、ポリシリコンやアモルファスシリコンやシリコンでは特に低波長側の吸収が大きく、かつ、バンドカット帯域が急峻でないため、ロスが大きい。
また、上記特許文献5や非特許文献1の技術では、赤外線(透過)フィルタや固体撮像素子上への搭載方法など任意の分光特性を実現するための具体的な方法が開示されていない。
ところで、固体撮像装置は常に画質の向上が求められているため、画素サイズを微細化することにより高画素化し、かつ、色の再現性を高めてゆかねばならない。このような要請に対して上記従来技術に係る固体撮像装置は、カラー画像を得るためにはカラーフィルタを具備しないわけにはいかないので、カラーフィルタによる減衰や各色の透過率の違いによる色再現性の低下を複雑な演算で補おうとしている。
また、監視カメラ用や車載カメラ用など昼間時だけでなく、夜間時でも感度ロスや切り替えロスなく使用できることが求められている。
このように、従来の技術には様々な課題が残され、微細画素化と色の再現性とを両立させることができないという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みて為されたものであって、微細画素で、かつ、色再現性が高いカラーフィルタを備えた固体撮像装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の固体撮像素子は、電気配線とフィルタとフィルタの下にありフィルタで分光された入射光を受光する受光素子と受光素子の信号処理回路を有する固体撮像素子であって、フィルタは、入射光を赤色領域から赤外領域までの長波長までの第1の光(R)を透過させる第1の種類の赤色フィルタからなり、入射光を緑色領域から赤外領域までの長波長の黄色領域の第2の光(Y)を透過させる第2の種類の黄色フィルタと、入射光を可視全領域と赤外領域までの第3の光(W)を透過させる第3の種類の白色フィルタを備え、フィルタには少なくとも一つの種類の金属を含む粒子が分散されている。また、第1の光(R)と第2の光(Y)を信号処理回路により緑色領域の光を演算する手段と、第2の光(Y)と第3の光(W)を信号処理回路により青色領域の光を演算する手段を備え、第3の光(W)の輝度を演算した緑色領域の光と演算した青色領域の光と赤色領域の光の合成画素の輝度とすることを特徴とする。このようにすることで、第1の光(R)と第2の光(Y)と第3の光(W)のいずれも赤外領域までの入射光を含むので複雑な演算をする必要が無く、信号をロスさせること無く第1の光(R)と第2の光(Y)と第3の光(W)の差分を取るなど簡便な演算で赤色領域の光と緑色領域の光と青色領域の光を色分離することが出来、また良好な色再現性も得ることが出来る。さらに、第3の光(W)の輝度情報を用いることで、演算による輝度情報の劣化を無くし、高色SNの画像を得ることが出来る。
また、入射光を赤外領域から長波長の第4の光(IR)を透過させる第4の種類のフィルタを備えていることを特徴とする。また、第1の光と第4の光を信号処理回路により赤色領域の光を演算する手段を備えていることを特徴とする。このようにすることで、人間の色覚とシリコン感度を一致させるために従来において別に設置していた可動式の赤外線フィルタが不要になり、フィルタ切り替え時の不感時間やフォーカス等の再設定による稼動不能な時間をなくすことが出来る。さらに、全画素とも赤外線を透過するので赤外領域でのシリコン感度の低下を補うことが出来、昼間時だけで無く、夜間時でも赤外線撮像をすることが出来る。
また、フィルタは屈折率1.4以上の該固体撮像素子が受光する可視光から赤外光を50%以上透過する媒質であって、かつ、媒質中に粒径5nm〜50nmの粒子を含むことを特徴とする。このようにすることにより、小粒径の金属を含む粒子の表面プラズモンと可視光とのカップリングによるプラズモン吸収と、金属や金属酸化物の電子遷移吸収による優れた分光特性が実現できる。
また、第1の種類のフィルタは被分散粒子として少なくとも金、銅、クロムまたは鉄クロム酸化物を含む第1の種類と、第2の種類のフィルタは被分散粒子として少なくとも銀、クロム酸鉛、クロム酸ストロンチウム、クロム酸バリウム、チタンアンチモンクロム酸化物またはチタンニッケルバリウム酸化物を含む第2の種類からなることを特徴とする。また、第4の種類のフィルタは被分散粒子として少なくとも酸化マンガンまたは酸化クロムをコア部とし、少なくとも酸化鉛または酸化シリコンをシェル部を含む第4の種類からなることを特徴とする。このようにすることにより、金属を含む粒子は媒質中に凝集なく均質に分散され、画素間の色ばらつきのない良好な色再現性を実現することが可能となる。また、第1の種類の分散粒子を用いると主に赤色領域を、第2の種類の分散粒子を用いると主に黄色領域を、第4の種類の分散粒子を用いると主に赤外領域の透過フィルタを実現できる。また、第1、2、4の種類の分散粒子の混合し、かつ、その割合を選択することにより任意領域の分光特性を実現できる。
また、フィルタは、入射光の波長と同程度かそれよりも短い線幅で分割された同心構造の光透過膜で生じる実効屈折率分布を備えたことを特徴とする。このようにフィルタとレンズを一体化することにより、微細画素においても、受光素子からレンズまでの距離を短くすることができ、斜め入射光での集光効率の増加や、解像度および感度の向上をはかり、高画素で、かつ、色の再現性が高い固体撮像素子が実現できる。集光と分光を同一素子で行うことによりレンズを透過させたい領域以外の入射光はレンズ材料で吸収するため、選択透過光以外の領域の光がレンズ材料の屈折率が空気より大きいことによるレンズ表面での反射を減らし、色再現性の悪化を防ぐことができる。
また、フィルタは、受光素子上に、少なくとも電気配線レベル以下まで伸張した領域に形成された光導波領域からなることを特徴とする。このようにすることにより、良好な色分離特性を導波路領域自体が発現することで、従来技術で必要であった導波路領域とは独立したカラーフィルタ層を除去することに成功し、カラーフィルタ層の厚み分だけ集光効率が低下するという従来技術の課題を解決することができる。
また、分光素子は、受光素子および電気配線から絶縁されていることを特徴とする。このようにすることにより、受光素子あるいは電気配線が意図しない導通から防ぐことができる。
本発明によれば、各フィルタを透過した第1の光(R)と第2の光(Y)と第3の光(W)のいずれも赤外領域までの入射光を含むので、複雑な演算をする必要が無く、かつ、信号をロスさせることなく、赤色領域の光と緑色領域の光と青色領域の光を色分離することが出来、また、良好な色再現性を得ることが出来る。
また、本発明によれば、カラーフィルタを別に形成するのではなく、レンズとフィルタを同一素子で形成することで固体撮像素子の低背化し、高集光効率を有する微細画素で、かつ、色の再現性が高いカラーフィルタを備えた微細な画素を有する固体撮像装置が実現できる。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を用いて具体的に説明する。なお、本発明について、以下の実施の形態および添付の図面を用いて説明を行うが、これは例示を目的としており、本発明はこれらに限定されることを意図しない。
(実施の形態1)
まず、本発明の第1の実施の形態(実施の形態1)に係る固体撮像素子について説明する。
図1は、本実施の形態に係る固体撮像素子100の基本構造を示す図である。図1に示されるように、固体撮像素子(画素100a〜dの集まり)100は、各画素100a〜dのサイズが例えば2.25μm角であり、屈折率分布型レンズ1、色分離61、反射防止膜60、電気配線3、層間絶縁膜5、受光素子(Siフォトダイオード)6、Si基板7を備える(なお、図1に示すように、電気配線3からSi基板7までを「半導体集積回路8」ともいう。)。屈折率分布型レンズ1は、濾光素子としても機能する赤色透過領域111、黄色透過領域112、白色透過領域113、赤外透過領域114で構成される。
屈折率分布型レンズ1には、分散粒子として、例えば、赤色透過領域111には粒径分布5nm〜50nm(メジアン値:15nm)の金が、黄色透過領域112には粒径分布5nm〜50nm(メジアン値:20nm)の銀が、赤外透過領域114には粒径分布5nm〜70nm(メジアン値:30nm)のコア部に酸化マンガンがシェル部に酸化鉛シリコンを持つ粒子が酸化シリコン中に分散されている。白色透過領域113は、例えば、酸化シリコンのみで構成されている。
屈折率分布型レンズ1は、電気配線3から、層間絶縁膜5と窒化シリコン膜を窒酸化シリコン膜の上下に積層した反射防止膜60とで、電気絶縁されている。
色分離61は、分散粒子として、例えば、粒径分布5nm〜50nm(メジアン値:25nm)の酸化銅が酸化シリコン中に分散された材料で構成されている。
図2に、上記図1における屈折率分布型レンズ1の上面図を示す。この屈折率分布型レンズ1の同心円構造は、上記図1のように、膜厚が0.4μmと0.8μmの2段同心円構造である。なお、本文中では、上段/下段の同心円構造を、上段/下段光透過膜と定義している。図2において、上段と下段とが重なった膜厚が1.2μmの部分10は「ハッチング」で示し、下段だけから構成される膜厚0.8μmの部分11は「ドットパターン」で示している。なお、膜厚が0μmの部分12は「パターンなし:白」で示している。また、本実施の形態に係る屈折率分布型レンズ1は、酸化シリコンを同心円形状に掘り込んだ構造であり、周りの媒質は空気(n=1)である。
ここで、屈折率分布型レンズ1を形成する領域は、各画素の開口に合わせて四角形状としている。一般に、入射窓の領域が円形の場合、レンズとレンズの間に隙間ができるため、漏れ光が発生し、集光ロスが増大する原因となる。しかしながら、入射窓の領域を四角形状とすると、画素の全領域で入射光を集光することができるので、漏れ光は無くなり、集光ロスを低減させることが可能となる。
図3は、本実施の形態に係る屈折率分布型レンズ1のより詳細な断面図の一例である。一般的な屈折率分布型レンズでは、その屈折率は光学中心で最も高くなる。図3に示すように、本実施の形態の場合においても、光学中心14の付近では酸化シリコンが密に集まり、外側のゾーン領域になるに従って疎へと変わっていく。このとき、各ゾーン領域の幅(以下「線幅」という。)13が入射光の波長と同程度かそれよりも小さければ、光が感じる有効屈折率は、そのゾーン領域内の高屈折率材料(例えば、酸化シリコン)と低屈折率材料(例えば、空気)の体積比によって決まる。つまり、ゾーン領域内の高屈折率材料を増やせば有効屈折率は高くなり、ゾーン領域内の高屈折率材料を減らせば、有効屈折率は低くなる。
図4(a)〜(f)は、2段同心円構造の各ゾーン領域における高屈折率材料と低屈折率材料の体積比の基本パターン(基本構造)を示す図である。図4(a)が最も密な構造、つまり有効屈折率が最も高くなる構造であり、(b)から(f)になるに従って、有効屈折率は低くなる。このとき、光入射側の上段膜厚15と基板側の下段膜厚16は、上述したように、例えば、それぞれ0.4μm、0.8μmであり、膜厚比(上段/下段)は0.5である。ここで、上記体積比を変化させることにより、有効屈折率を制御することができる。例えば、体積比を高くすれば、基本構造の変化((a)→(f))による、高屈折率材料の体積減少が大きいため、有効屈折率が高い領域における屈折率の減少が大きくなる。一方、体積比を低くすれば、高屈折率材料の体積減少が小さいため、有効屈折率が低い領域における屈折率の減少が大きくなる。
本実施の形態では、分りやすく説明するために、図4(a)〜(f)のような基本構造を例としたが、その他の基本構造を用いても勿論よい。例えば、図4(c)と図4(b)とを組み合わせた凸形状の基本構造を用いたり、図4(b)と図4(d)を組み合わせた凹形状の基本構造を用いることもできる。このとき、入射光の半波長程度の領域で、これらを基本構造とすれば、同様の集光特性を得ることができる。
この屈折率分布型レンズ1は、それぞれ赤色透過領域111、黄色透過領域112、白色透過領域113ごとに異なる粒子が分散されているため屈折率分布型レンズ1を形成する材料の屈折率がそれぞれ異なる。そのため、屈折率分布型レンズ1の焦点位置を受光部6に合せるためには、特許文献6で開示しているように、屈折率の大きいものでは酸化シリコンが疎になるように、屈折率が小さいものでは酸化シリコンが密になるように形成しなければならない。
特開2006−351972号公報
また、この屈折率分布型レンズ1は、入射光の波長と同程度かそれよりも短い線幅で構成されるため、粒径がミクロン程度ある従来の顔料材料では線幅よりも大きいため形成することができない。
なお、屈折率分布型レンズ1は、層間絶縁膜5により受光部6および電気配線3から電気絶縁されている。
本実施の形態による固体撮像素子100のフィルタ透過特性として、図5に、赤色透過領域111の画素の感度特性141、黄色透過領域112の画素の感度特性142、白色透過領域113の画素の感度特性143、赤外透過領域114の画素の感度特性144を示す。本図から分かるように、本実施の形態の構造によれば、長波側を透過するハイパスフィルタが実現でき、そのバンドカット特性は急峻である。また、いずれのフィルタも透過領域では透過率が赤外域までおおむね90%以上で、かつ、波長に対しておおむねフラットな特性であり、かつ、カット帯域では透過率がおおむね10%以下と、カラーフィルタの吸収ロスが小さい。
本実施の形態による信号処理回路70の模式構成図を図6に示す。赤色透過領域111、黄色透過領域112、白色透過領域113、赤外透過領域114を透過した入射光はそれぞれ固体撮像素子100の受光部6で光電変換され、出力信号はA/D変換回路71を経て赤色用、黄色用、白色用、赤外用のメモリ72a〜72dにそれぞれ格納される。図5に示すようなカラーフィルタの透過特性を持つので、差分回路73bにおいて黄色信号と赤色信号の差分から緑色信号を、差分回路73aにおいて白色信号と黄色信号の差分から青色信号を、差分回路73cにおいて赤色信号と赤外信号の差分から人間の色覚に合わせた赤色信号を、複雑な演算をする必要が無く簡便な演算で色分離することが出来、また色再現性も良く得ることが出来る。演算した赤色信号と緑色信号と青色信号の合成信号は、白色信号の輝度情報を用いる(つまり、白色信号を輝度信号として出力する)ことで、演算による輝度情報の劣化を無くし高色SNの画像を得ることが出来る。
以上の信号処理により、従来は別に設置していた可動式の赤外線フィルタが不要になり、フィルタ切り替え時の不感時間やフォーカス等の再設定による稼動不能な時間をなくすことが出来る。さらに、全画素とも赤外線を透過するので赤外領域でのシリコン感度の低下を補うことが出来、昼間時だけで無く夜間時でも赤外線撮像をすることが出来る。
本実施の形態による演算したフィルタ透過特性として、図7に、赤色領域の光の透過特性151、緑光領域の色の透過特性152、青色領域の光の透過特性153、赤外領域の光の透過特性154を示す。本図から分かるように、この実施の形態で、透過率はおおむね90%と高く、青色領域の光も緑色領域の光とのクロスポイントも十分低波長側なので青色信号に緑色の混色も無く、赤色領域、緑色領域、青色領域で優れた分光特性を示している。
次に本実施の形態による固体撮像素子100の感度特性として、図8に、赤色透過領域111の画素の感度特性161、黄色透過領域112の画素の感度特性162、白色透過領域113の画素の感度特性163、赤外透過領域114の画素の感度特性164を示す。本図から分かるように、カラーフィルタの透過率が高いので、各色とも大きな感度特性を持っている。
次に本実施の形態による演算した感度特性として、図9に、赤色領域の光の感度特性171、緑光領域の色の感度特性172、青色領域の光の感度特性173、赤外領域の光の感度特性174を示す。本図から分かるように、各色ともピーク位置ではシリコン感度と同等の感度を有し、かつ、良好な色分離特性を示している。
本実施の形態により、高画素で、かつ、色の再現性が高いカラーフィルタを備えた固体撮像装置が実現できる。
(実施の形態1の製造法)
次に、本発明の実施の形態1に係る固体撮像素子100の製造方法について説明する。
まず、通常の半導体プロセスを用いて、Si基板上に受光素子、および配線、遮光層、信号伝送部、反射防止膜からなる半導体集積回路24を形成する。1画素のサイズは、例えば、2.25μm角であり、受光部は1.5μm角である。
次に、半導体集積回路24上に色分離61、赤色透過膜131、黄色透過膜132、白色透過膜133、赤外透過膜134を形成する。図10(a)〜(g)にその製作工程を示す。
まず、半導体集積回路24上にSOG(Spin on Glass)溶液中に分散させた酸化銅粒子溶液をスピンオン法で塗布し、400℃で焼成し、光吸収材料120を形成する。光吸収材料120の上にレジスト22を塗布する。その後、光露光25によって、レジスト22をパターニングする(以上、図10(a))。
現像した後、ドライエッチ法とウェットエッチ法で、色分離61を形成し、レジストを除去する(図10(b))。
続いて、SOG溶液中に分散させた金粒子溶液をスピンオン法で塗布し、250℃で仮焼成し、赤色透過(吸収)材料121を形成し、レジストを塗布した後、再び光露光によってレジストをパターニングする(図10(c))。
ドライエッチ法やウェットエッチ法で、赤色透過膜131を形成し、レジストを除去し、400℃で焼成する。続いて、SOG溶液中に分散させた銀粒子溶液をスピンオン法で塗布し、250℃で仮焼成し、黄色透過(吸収)材料122を形成し、レジストを塗布した後、再び光露光によってレジストをパターニングする(図10(d))。
ドライエッチ法とウェットエッチ法で、黄色透過膜132を形成する。ここで、400℃焼成をしている赤色透過膜131は、250℃焼成のみで十分結晶化していない黄色透過(吸収)材料122と比べドライエッチレートとウェットエッチレートが低いので、赤色透過膜131はほとんどエッチングされない。その後、レジストを除去し、400℃で焼成する。続いて、SOG溶液をスピンオン法で塗布し、250℃で仮焼成し、白色透過(吸収)材料123を形成し、レジストを塗布した後、再び光露光によってレジストをパターニングする(図10(e))。ここで、400℃焼成をしている赤色透過膜131、黄色透過膜132は、250℃焼成のみで十分結晶化していない白色透過(吸収)材料123と比べドライエッチレートとウェットエッチレートが低いので、赤色透過膜131、黄色透過膜132はほとんどエッチングされない。
その後、レジストを除去し、400℃で焼成する。続いて、SOG溶液中に分散させたコア部に酸化マンガンがシェル部に酸化鉛シリコンを持つ粒子の溶液をスピンオン法で塗布し、250℃で仮焼成し、白色透過(吸収)材料123を形成し、レジストを塗布した後、再び光露光によってレジストをパターニングする(図10(f))。ここで、400℃焼成をしている赤色透過膜131、黄色透過膜132、白色透過膜133は、250℃焼成のみで十分結晶化していない赤外透過(吸収)材料124と比べドライエッチレートとウェットエッチレートが低いので、赤色透過膜131、黄色透過膜132、白色透過膜133はほとんどエッチングされない。
その後、レジストを除去し、400℃で焼成する(図10(g))。
図11(a)〜(g)は、任意の光透過膜135上の屈折率分布型レンズ1の作製工程を示す図である。本図では簡便のため、1種類の光透過膜のみ図示しているが、赤色透過膜131、黄色透過膜132、白色透過膜133において同時に形成している。屈折率分布型レンズ1は、2段同心円構造とし、その形成は2回のフォトリソグラフィとエッチングによって行った。
具体的には、まず、光透過膜135の上にレジスト22を塗布する。その後、光露光25によって、レジスト22をパターニングする(以上、図11(a))。酸化シリコン膜とレジストの厚みは、例えば、それぞれ、1.2μmと0.5μmである。
現像した後、ドライエッチ法とウェットエッチ法によるエッチングを行い(図11(b))、画素表面に微細構造を形成する(図11(c))。レジストを除去した後、バークを埋め込み、平坦化する(図11(d))。レジストを塗布した後、再び光露光25によってパターニングを行う(図11(e))。ドライエッチ法とウェットエッチ法によるエッチングの後(図11(f))、レジストとバークを取り除くことによって本発明のレンズが形成される。(図11(g))。
なお、本実施の形態では、2段同心円構造のレンズ形成を試みたが、図11(a)〜(g)に示した、フォトリソグラフィとエッチングを組み合わせた工程を用いることにより、さらなる段数(即ち、3段以上)のレンズを構成することが可能である。段数が多ければ多いほど、屈折率分布の諧調数が増加することから、集光効率は向上する。
また、屈折率分布型レンズ1をナノインプリント法を用いて形成しても良い。
また、赤色透過領域111に分散する粒子として金を例示したが、少なくとも、銅、クロムまたは鉄クロム酸化物を含む材料でもよく、黄色透過領域112に分散する粒子として銀を例示したが、少なくとも、クロム酸鉛、クロム酸ストロンチウム、クロム酸バリウム、チタンアンチモンクロム酸化物またはチタンニッケルバリウム酸化物を含む材料でもよく、赤外透過領域114に分散する粒子としてコア部に酸化マンガンがシェル部に酸化鉛シリコンを持つ粒子を例示したが、酸化クロムをコア部に持つ材料でも良い。
また、実施の形態1では4種類の光透過領域をもつ固体撮像素子100を例示したが、金、銅、クロム、鉄クロム酸化物、銀、クロム酸鉛、クロム酸ストロンチウム、クロム酸バリウム、チタンアンチモンクロム酸化物、チタンニッケルバリウム酸化物、コア部に酸化マンガンがシェル部に酸化鉛シリコン、コア部に酸化クロムがシェル部に酸化鉛シリコンからなる粒子を混合した、その他の種類の光透過領域を形成しても良い。
また、屈折率分布型レンズ1を構成する材料の一つとして酸化シリコンを例示したが、高屈折率材料である窒化シリコン、酸化チタンまたは酸化タンタルでも良い。
また、色分離61を構成する材料として酸化シリコン中に酸化銅粒子を分散させた材料を例示したが、酸化シリコンの代わりに窒化シリコン、酸化チタンまたは酸化タンタルを使用し、酸化銅の代わりに、酸化スズまたは酸化コバルトの粒子を分散したものでも良い。
以上のように、本実施の形態によれば、各フィルタを透過した第1の光(R)と第2の光(Y)と第3の光(W)のいずれも赤外領域までの入射光を含むので、複雑な演算をする必要が無く、かつ、信号をロスさせることなく、赤色領域の光と緑色領域の光と青色領域の光を色分離することが出来、また、良好な色再現性を得ることが出来る。
また、レンズとカラーフィルタを同一素子で形成することで固体撮像素子の低背化し、高集光効率を有する微細画素で、かつ、色の再現性が高いカラーフィルタを備えた微細な画素を有する固体撮像装置が実現できる。
(実施の形態2)
次に、本発明の第2の実施の形態(実施の形態2)に係る固体撮像装置について図12を参照しながら説明する。
図12は、本実施の形態に係る固体撮像素子101の赤色、黄色、白色、赤外の4画素部の断面を模式的に示したものである。図12において、Si基板7表面の各画素部に受光部6とその出力信号読出し回路303が形成され、酸化シリコンを主成分とする層間絶縁膜5を介して該読出し回路303を駆動するための配線3が形成されている。各画素のサイズは例えば1.5μm角である。各フォトダイオード上の層間絶縁膜5内には赤色波長領域より長波長の光を透過し、他の波長領域の光を吸収する光導波路201、黄色波長領域光より長波長の光を透過し、他の波長領域の光を吸収する光導波路202、白色波長領域光を透過し、可視光から赤外領域まで透過する光導波路203、赤外波長領域光を透過し、他の波長領域の光を吸収する光導波路204が形成されている。各光導波路201〜204は、本発明の濾光素子の一例である。各光導波路上には100%光を透過する絶縁膜である平坦化層205が形成され、さらにその表面にマイクロレンズ57を有する構成とした。ここでフォトダイオード(受光部6)表面からマイクロレンズ57下面までの距離は例えば2.75μmであり、このようなセルのアスペクトでは本実施の形態2のような導波路を用いない通常の光学系では、回折限界から各画素への入射光を高効率で集光できない。ここで、各光導波路201、202、203、204は5nm〜100nm(メジアン値:75nm)の酸化チタン粒子が分散された酸化シリコンガラスからなり、その周囲を構成する酸化シリコンの屈折率(1.45)よりも高い屈折率(1.65)を有し、バンドギャップが広い絶縁体であるため、各受光波長域の光は90%以上透過する。従って、入射光を効率よく導波路内に閉じ込めフォトダイオード(受光部6)まで確実に導波させることが可能である。
さらに、赤色波長を透過する光導波路201には分散粒子として、例えば、粒径分布5nm〜50nm(メジアン値:15nm)の金粒子が、黄色波長を透過する光導波路202には粒径分布5nm〜50nm(メジアン値:20nm)の銀が、赤外波長を透過する光導波路204には粒径分布5nm〜70nm(メジアン値:30nm)のコア部に酸化マンガンがシェル部に酸化鉛シリコンを持つ粒子が分散されている。
ここで、各導波路201、202、203、204は金属粒子を含むため若干の導電性(10kΩ〜1MΩ)を示す。従って、配線3とは層間絶縁膜5を介して絶縁されていることが好ましい。また、フォトダイオード(受光部6)とも絶縁されていることがより好ましい。本実施の形態では層間絶縁膜5を介する構成とした。
また、実施の形態1と同様に信号処理回路70も備える。
(実施の形態2の製造法)
次に、図13(a)〜(c)、図14(a)〜(c)、図15(a)〜(c)、図16(a)〜(c)、図17(a)〜(c)、図18(a)〜(b)を参照しながら、本実施の形態に関わる固体撮像素子101の製造工程について説明する。図13(a)に示すようにSi基板7表面にフォトダイオード領域(受光部6)を各画素に形成する。次に図13(b)に示すようにフォトダイオードからの読出し回路303を形成し、図13(c)に示すように配線3を酸化シリコンよりなる層間絶縁膜5中に形成する。
次に、図14(a)に示すように赤色画素のフォトダイオード上の赤色透過導波路形成領域に開口701をドライエッチングにより形成する。次にホスト樹脂媒質と金粒子が分散された溶媒をスピンコート法によって塗布した後、400℃で焼結する(図14(b))。開口701のアスペクト比が高いので、本工程を二回繰り返し、開口701を焼結体702で完全に充填した後、表面研磨によって表面層を除去し、図14(c)のように赤色透過光導波路201が完成する。
同様にして、図15(a)に示すように緑色画素のフォトダイオード上の黄色透過導波路形成領域に開口801をドライエッチングにより形成する。次にホスト樹脂媒質と粒径分布5nm〜50nm(メジアン値:20nm)の銀が分散された溶媒をスピンコート法によって塗布した後、400℃で焼結する(図15(b))。開口801のアスペクト比が高いので、本工程を二回繰り返し、開口801を焼結体802で完全に充填した後、表面研磨によって表面層を除去し、図15(c)のように黄色透過光導波路202が完成する。
同様にして、図16(a)に示すように白色画素のフォトダイオード上の白色透過導波路形成領域に開口901をドライエッチングにより形成する。次にホスト樹脂媒質が分散された溶媒をスピンコート法によって塗布した後、400℃で焼結する(図16(b))。開口901のアスペクト比が高いので、本工程を二回繰り返し、開口901を焼結体902で完全に充填した後、表面研磨によって表面層を除去し、図16(c)のように白色透過光導波路203が完成する。
同様にして、図17(a)に示すように白色画素のフォトダイオード上の赤外透過導波路形成領域に開口1001をドライエッチングにより形成する。次にホスト樹脂媒質と粒径分布5nm〜70nm(メジアン値:30nm)のコア部に酸化マンガンがシェル部に酸化鉛シリコンを持つ粒子が分散された溶媒をスピンコート法によって塗布した後、400℃で焼結する(図17(b))。開口1001のアスペクト比が高いので、本工程を二回繰り返し、開口1001を焼結体1002で完全に充填した後、表面研磨によって表面層を除去し、図17(c)のように赤外透過光導波路204が完成する。
次に、図18(a)に示すように最表面に層間絶縁膜51を形成し、表面を平坦化した後、図18(b)に示すように最表面にマイクロレンズ57を形成する。
なお、実施の形態2では4種類の光透過領域をもつ固体撮像素子101を例示したが、金、銅、クロム、鉄クロム酸化物、銀、クロム酸鉛、クロム酸ストロンチウム、クロム酸バリウム、チタンアンチモンクロム酸化物、チタンニッケルバリウム酸化物、コア部に酸化マンガンがシェル部に酸化鉛シリコン、コア部に酸化クロムがシェル部に酸化鉛シリコンからなる粒子を混合した、その他の種類の光透過領域を形成しても良い。
以上のように、本実施の形態によれば、各フィルタを透過した第1の光(R)と第2の光(Y)と第3の光(W)のいずれも赤外領域までの入射光を含むので、複雑な演算をする必要が無く、かつ、信号をロスさせることなく、赤色領域の光と緑色領域の光と青色領域の光を色分離することが出来、また、良好な色再現性を得ることが出来る。
(実施の形態3)
次に、本発明の第3の実施の形態(実施の形態3)に係る固体撮像素子102について説明する。
図19は、本実施の形態に係る固体撮像素子102の基本構造を示す図である。図19に示されるように、固体撮像素子102(画素102a〜dの集まり)は、各画素100a〜dのサイズが例えば2.25μm角であり、マイクロレンズ57、層間絶縁膜51、反射防止膜62、反射防止膜60、電気配線3、層間絶縁膜5、受光部6、Si基板7を備える。カラーフィルタ2は、色分離61、赤色透過領域111、黄色透過領域112、白色透過領域113、赤外透過領域114で構成される。各赤色透過領域111〜114は、本発明の濾光素子の一例である。
カラーフィルタ2は分散粒子として、赤色透過領域111には粒径分布5nm〜50nm(メジアン値:15nm)の金が、黄色透過領域112には粒径分布5nm〜50nm(メジアン値:20nm)の銀が、赤外透過領域114には粒径分布5nm〜70nm(メジアン値:30nm)のコア部に酸化マンガンがシェル部に酸化鉛シリコンを持つ粒子が酸化シリコン中に分散されている。白色透過領域113は酸化シリコンのみで構成されている。
カラーフィルタ2は、電気配線3から層間絶縁膜5と窒化シリコン膜を窒酸化シリコン膜の上下に積層した反射防止膜60で、電気絶縁されている。
色分離61は分散粒子として、例えば、粒径分布5nm〜50nm(メジアン値:25nm)の酸化銅が酸化シリコン中に分散された材料で構成されている。
本実施の形態により、高画素で、かつ、色の再現性が高いカラーフィルタを備えた固体撮像装置が実現できる。
(実施の形態3の製造方法)
次に、本発明の実施の形態3に係る固体撮像素子102の製造方法について説明する。
赤色透過膜131、黄色透過膜132、白色透過膜133、赤外透過膜134の形成までは、実施の形態1に例示した製造方法と同様に行う。
赤色透過膜131、黄色透過膜132、白色透過膜133形成後、最表面に反射防止膜62と層間絶縁膜51を形成し、表面を平坦化した後、最表面にマイクロレンズ57を形成する。
なお、実施の形態3では4種類のカラーフィルタをもつ固体撮像素子102を例示したが、金、銅、クロム、鉄クロム酸化物、銀、クロム酸鉛、クロム酸ストロンチウム、クロム酸バリウム、チタンアンチモンクロム酸化物、チタンニッケルバリウム酸化物、コア部に酸化マンガンがシェル部に酸化鉛シリコン、コア部に酸化クロムがシェル部に酸化鉛シリコンからなる粒子を混合した、その他の種類の光透過領域を形成しても良い。
マイクロレンズ57を構成する材料として少なくとも酸化シリコン、窒化シリコン、酸化チタンまたは酸化タンタルを含む材料である。
色分離61を構成する材料としては、媒質として少なくとも酸化シリコン、窒化シリコン、酸化チタンまたは酸化タンタルを含む材料であり、分散する粒子として少なくとも酸化銅、炭素、酸化スズまたは酸化コバルトの粒子を含むものである。
なお、凸レンズ形状の形成にナノインプリント法を用いて形成しても良い。
以上のように、本実施の形態によれば、各フィルタを透過した第1の光(R)と第2の光(Y)と第3の光(W)のいずれも赤外領域までの入射光を含むので、複雑な演算をする必要が無く、かつ、信号をロスさせることなく、赤色領域の光と緑色領域の光と青色領域の光を色分離することが出来、また、良好な色再現性を得ることが出来る。
以上、本発明について、実施の形態1〜3を用いて説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で、これらの実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる別の形態や、各実施の形態における構成要素を任意に組み合わせて実現される別の形態も本発明に含まれる。
本発明の固体撮像素子は、微細画素化と色の再現性とを両立させることができる固体撮像素子として、例えば、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話の固体撮像素子として、産業上有用である。
本発明の第1の実施の形態における固体撮像素子の断面構造を示す図 本発明の第1の実施の形態における屈折率分布型レンズの上面構造を示す図 本発明の第1の実施の形態における屈折率分布型レンズの断面構造を示す図 本発明の第1の実施の形態における屈折率分布型レンズ(等ピッチ)を構成する基本構造を示す図 本発明の第1の実施の形態におけるカラーフィルタの透過特性のグラフ 本発明の第1の実施の形態における信号処理回路の模式構成図 本発明の第1の実施の形態におけるR、G、B、IRに演算された透過特性のグラフ 本発明の第1の実施の形態におけるカラーフィルタの感度特性のグラフ 本発明の第1の実施の形態におけるR、G、B、IRに演算された感度特性のグラフ 本発明の第1の実施の形態における光透過膜の作製工程を示す図 本発明の第1の実施の形態における集光素子の作製工程を示す図 本発明の第2の実施の形態における固体撮像素子の断面構造を示す図 本発明の第2の実施の形態における作製工程を示す図 本発明の第2の実施の形態における作製工程を示す図 本発明の第2の実施の形態における作製工程(続き)を示す図 本発明の第2の実施の形態における作製工程(続き)を示す図 本発明の第2の実施の形態における作製工程(続き)を示す図 本発明の第2の実施の形態における作製工程(続き)を示す図 本発明の第3の実施の形態における固体撮像素子の断面構造を示す図 従来に係る固体撮像素子の基本構造を示す図
符号の説明
1 屈折率分布型レンズ(同心円構造)
2 カラーフィルタ
3 電気配線 兼 遮光膜
4 電気信号伝送部
5 層間絶縁膜
6 受光素子(Siフォトダイオード)
7 Si基板
8 半導体集積回路
9 入射光
10 酸化シリコン層(膜厚1.2μm;n=1.45)
11 酸化シリコン層(膜厚0.8μm)
12 酸化シリコン層(膜厚0μm=空気(n=1.0)
13 等ピッチ(0.2μm)
14 光学中心
15 総膜厚(1.2μm)
16 上段膜厚(0.4μm)
22 レジスト
23 酸化シリコン
24 半導体集積回路
25 光リソグラフィ
26 エッチング
27 バーク
41 酸化シリコン(埋め込み材料)
42 酸化シリコン埋め込み
51 層間絶縁膜
53 入射光
54 光学レンズ
56 斜め入射光
57 マイクロレンズ
60 反射防止膜
61 色分離
62 反射防止膜
70 信号処理回路
71 A/D変換回路
72a〜d メモリ
73a〜c 差分回路
100、101、102 固体撮像素子
100a〜d、102a〜d 画素
111 赤色透過領域
112 黄色透過領域
113 白色透過領域
114 赤外透過領域
120 光吸収材料
121 赤色透過材料
122 黄色透過材料
123 白色透過材料
124 赤外透過材料
131 赤色透過膜
132 黄色透過膜
133 白色透過膜
134 赤外透過膜
135 任意の光透過膜
141 赤色透過領域の画素の透過特性
142 黄色透過領域の画素の透過特性
143 白色透過領域の画素の透過特性
144 赤外透過領域の画素の透過特性
151 赤色透過領域の画素の透過特性
152 緑色透過領域の画素の透過特性
153 青色透過領域の画素の透過特性
154 赤外透過領域の画素の透過特性
161 赤色透過領域の画素の感度特性
162 黄色透過領域の画素の感度特性
163 白色透過領域の画素の感度特性
164 赤外透過領域の画素の感度特性
171 赤色透過領域の画素の感度特性
172 緑色透過領域の画素の感度特性
173 青色透過領域の画素の感度特性
174 赤外透過領域の画素の感度特性
201 赤色透過光導波路
202 黄色透過光導波路
203 白色透過光導波路
204 赤外透過光導波路
303 読出し回路
701、801、901、1001 開口
702 赤色透過光導波路用媒質
802 黄色透過光導波路用媒質
902 白色透過光導波路用媒質
1002 赤外透過光導波路用媒質

Claims (11)

  1. 電気配線と、濾光素子と、前記濾光素子の下にあり前記濾光素子で分光された入射光を受光する受光素子と、前記受光素子で光電変換された電気信号を演算する信号処理回路とを備えた固体撮像素子であって、
    前記濾光素子は、前記入射光の赤色領域から赤外領域までの第1の光を透過させる第1の濾光素子と、前記入射光の緑色領域から長波長の赤外領域までの黄色領域の第2の光を透過させる第2の濾光素子と、前記入射光の可視全領域と赤外領域までの第3の光を透過させる第3の濾光素子とを含み、
    前記第1〜第3の濾光素子のそれぞれには少なくとも一つの種類の金属を含む粒子が分散されている
    ことを特徴とする固体撮像素子。
  2. 前記濾光素子は、前記入射光の赤外領域から長波長の第4の光を透過させる第4の濾光素子をさらに含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
  3. 前記濾光素子は、可視光から赤外光を50%以上透過する、屈折率1.4以上の媒質であり、かつ、前記媒質中に粒径5nm〜50nmの前記粒子を含む
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固体撮像素子。
  4. 前記第1の濾光素子は、被分散粒子として少なくとも金、銅、クロムまたは鉄クロム酸化物を含み、
    前記第2の濾光素子は、被分散粒子として少なくとも銀、クロム酸鉛、クロム酸ストロンチウム、クロム酸バリウム、チタンアンチモンクロム酸化物またはチタンニッケルバリウム酸化物を含む
    ことを特徴とする請求項3に記載の固体撮像素子。
  5. 前記第4の濾光素子は、被分散粒子として少なくとも酸化マンガンまたは酸化クロムをコア部として含み、少なくとも酸化鉛または酸化シリコンをシェル部として含む
    ことを特徴とする請求項3に記載の固体撮像素子。
  6. 前記濾光素子は、入射光の波長と同程度かそれよりも短い線幅で分割された同心構造の光透過膜で生じる実効屈折率分布を備えた
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固体撮像素子。
  7. 前記濾光素子は、前記受光素子の上方に、少なくとも電気配線レベル以下まで伸張した領域に形成された光導波領域からなる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固体撮像素子。
  8. 前記濾光素子は、前記受光素子および前記電気配線から電気的に絶縁されている
    ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の固体撮像素子。
  9. 前記信号処理回路は、前記第1の光の電気信号と前記第2の光の電気信号により緑色領域の光の電気信号を演算する手段と、前記第2の光の電気信号と前記第3の光の電気信号により青色領域の光の電気信号を演算する手段とを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
  10. 前記信号処理回路は、前記第3の光の輝度信号を、前記緑色領域の光に応じた電気信号と前記青色領域の光に応じた電気信号と前記赤色領域の光に応じた電気信号の合成信号として出力する
    ことを特徴とする請求項9に記載の固体撮像素子。
  11. 前記信号処理回路は、前記第1の光の電気信号と前記第4の光の電気信号により赤色領域の光の電気信号を演算する手段をさらに含む
    ことを特徴とする請求項9に記載の固体撮像素子。
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