JPWO2005013369A1 - 固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法及びこれを用いたカメラ - Google Patents
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Abstract
半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、前記受光手段に入射すべき波長の光のみを通過させる濾光手段と、入射光を遮断する遮光手段であって、前記複数の受光手段のそれぞれに対向する位置に開口を有する遮光手段とを備える固体撮像装置において、前記濾光手段は前記複数の受光手段と前記遮光手段との間に配設する。これによって、斜め光に起因する混色を防止する。
Description
本発明は、固体撮像装置,固体撮像装置の製造方法及びこれを用いたカメラに関し、特にカラー固体撮像装置の性能向上と小型化に関する。
固体撮像装置はR(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応する受光素子が例えばベイヤ配列されてなる撮像装置である。図1は、従来技術に係る固体撮像装置の構成を模式的に示す断面図である。図1に示されるように、固体撮像装置1はN型半導体層101、P型半導体層102、受光素子103R、103G、103B、絶縁層104、遮光膜105、カラーフィルタ106R、106G、106B及び集光レンズ107を備えている。
P型半導体層102はN型半導体層101上に形成されている。また、受光素子103R等はP型半導体層102に埋め込まれており、絶縁層104に接している。なお、受光素子103R等は互いにP型半導体層102の一部を分離領域として分離されている。遮光膜105は絶縁層104内に埋め込まれており、前記分離領域上に配設されている。
カラーフィルタ106R等は微粒子顔料タイプのカラーフィルタであって、膜厚は1.5〜2.0μm程度である。カラーフィルタ106R等に含まれている顔料粒子の直径は約0.1μm程度である。
カラーフィルタ106Rは絶縁層104上に受光素子103Rに対向するように配設されている。カラーフィルタ106G、106Bも同様にそれぞれ受光素子103G、103Bに対向するように絶縁層104上に配設されている。集光レンズ107等はカラーフィルタ106R等の上に配設されている。
さて、集光レンズ107を通過した光はカラーフィルタ106Gによって緑色光のみが濾波され受光素子103G上に集光される。この場合において、遮光膜105は、カラーフィルタ106Gを通過した緑色光が受光素子103R等に入射しないように遮光する。受光素子103R等は入射光の輝度を光電変換により電荷に変えて蓄える。
このような固体撮像装置は、例えば、
特開平5−6986号公報
や、
「固体撮像素子の基礎」日本理工出版会、安藤・菰淵著、映像情報メディア学会編、1999年12月発行、p.183−188。
に掲載されている。
P型半導体層102はN型半導体層101上に形成されている。また、受光素子103R等はP型半導体層102に埋め込まれており、絶縁層104に接している。なお、受光素子103R等は互いにP型半導体層102の一部を分離領域として分離されている。遮光膜105は絶縁層104内に埋め込まれており、前記分離領域上に配設されている。
カラーフィルタ106R等は微粒子顔料タイプのカラーフィルタであって、膜厚は1.5〜2.0μm程度である。カラーフィルタ106R等に含まれている顔料粒子の直径は約0.1μm程度である。
カラーフィルタ106Rは絶縁層104上に受光素子103Rに対向するように配設されている。カラーフィルタ106G、106Bも同様にそれぞれ受光素子103G、103Bに対向するように絶縁層104上に配設されている。集光レンズ107等はカラーフィルタ106R等の上に配設されている。
さて、集光レンズ107を通過した光はカラーフィルタ106Gによって緑色光のみが濾波され受光素子103G上に集光される。この場合において、遮光膜105は、カラーフィルタ106Gを通過した緑色光が受光素子103R等に入射しないように遮光する。受光素子103R等は入射光の輝度を光電変換により電荷に変えて蓄える。
このような固体撮像装置は、例えば、
特開平5−6986号公報
や、
「固体撮像素子の基礎」日本理工出版会、安藤・菰淵著、映像情報メディア学会編、1999年12月発行、p.183−188。
に掲載されている。
しかしながら、固体撮像装置にはさまざまな方向から光が入射するため、斜めに入射した光(以下、「斜め光」という。)が本来受光されるべき受光素子とは異なる受光素子に受光され、色分離機能や解像度、波長感度が低下し、雑音が増加するおそれがある。
また、固体撮像装置の解像度を高めるためには各画素を小型化しなければならないが、前記顔料粒子の微細化には限界があり、感度低下や色むらの発生が避けられない。
かかる課題を解決するために、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、前記受光手段に入射すべき波長の光のみを通過させる濾光手段と、入射光を遮断する遮光手段であって、前記複数の受光手段のそれぞれに対向する位置に開口を有する遮光手段とを備える固体撮像装置であって、前記濾光手段は前記複数の受光手段と前記遮光手段との間に配設されていることを特徴とする。このようにすれば、濾光手段に斜め光が入射しないように遮光することができるので混色を低減することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記複数の受光手段のそれぞれに入射光を集光する集光手段が前記遮光手段の開口内に配設されていることを特徴とする。このようにすれば、集光手段にて斜め光を適切な受光手段へと導くので、混色を低減することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記濾光手段は無機材料から成ることを特徴とする。このようにすれば、濾光手段をも一連の半導体プロセスで製造することができるので、固体撮像装置の歩留まりを向上させ、かつ、製造コストを低減することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記濾光手段は多層膜構造を有することを特徴とする。このようにすれば、濾光手段の厚みを削減することができるので、固体撮像装置そのものの小型化に寄与することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記濾光手段はフォトニック結晶から成ることを特徴とする。また、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、前記受光手段に入射すべき波長の光のみを通過させる濾光手段とを備える固体撮像装置であって、前記濾光手段はフォトニック結晶から成ることを特徴とする。このようにすれば、濾光手段にて斜め光を適切な受光手段に導くことができるので、混色を防止することができる。
また、本発明に係るカメラは、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、前記受光手段に入射すべき波長の光のみを通過させる濾光手段と、入射光を遮断する遮光手段であって、前記複数の受光手段のそれぞれに対向する位置に開口を有する遮光手段とを備え、前記濾光手段は前記複数の受光手段と前記遮光手段との間に配設されている固体撮像装置を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るカメラは、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、前記受光手段に入射すべき波長の光のみを通過させる濾光手段とを備え、前記濾光手段はフォトニック結晶から成る固体撮像装置を備えることを特徴とする。このようにすれば、混色を防いで高画質の撮像が可能なカメラを提供することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置であって、前記濾光手段は2つのλ/4多層膜と前記λ/4多層膜に挟まれた絶縁体であって、λ/4以外の光学膜厚を有する絶縁体層を備える誘電体多層膜からなることを特徴とする。
このように、誘電体多層膜をもって濾光手段層とすれば、濾光手段の薄膜化が可能となり、斜めの入射光が隣接する画素に到達することを抑制するので、色分離機能が向上する。なお、本明細書においてλ/4多層膜とは光学膜厚が略λ/4である複数の層から成る膜をいう。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記誘電体多層膜が、λ/4以外の光学膜厚を有する絶縁体層と、光学膜厚がλ/4で、かつ、前記絶縁体層の材料の屈折率とは異なる屈折率を有する材料からなる2つの第1の誘電体層と、光学膜厚がλ/4で、かつ、前記絶縁体層の材料の屈折率と等しい屈折率を有する材料からなる2つの第2の誘電体層とを備え、前記絶縁体層はその2つの主面にて前記第1の誘電体層に接しており、前記第1の誘電体層の前記絶縁体層に接していない主面は前記第2の誘電体層に接していることを特徴とする。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記絶縁体層の光学膜厚は前記波長λの光が前記濾光手段を透過するように設定されていることを特徴とする。
このようにすれば、入射光の波長程度(〜500nm)の層構成で色分離化できるので、濾光手段を薄膜化でき、斜め光による色分離機能の低下が極めて抑制される。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記絶縁体層はその主面に略垂直な貫通孔又は溝であって、前記第1の誘電体層の材料と同じ材料を埋め込まれた貫通孔又は溝を有し、平面視したときの前記貫通孔又は溝部分の面積と前記貫通孔又は溝でない部分の面積との比に応じた波長の光を透過させることを特徴とする。
この構成では、絶縁体層の屈折率分布をその主面に沿って変化させることによって、入射光の感じる実効的な屈折率を変化させ、波長選択性を実現する。従って、入射光波長程度(〜500nm)の層構成で色分離化できるので、濾光手段を薄膜化でき、斜め光による色分離機能の低下が極めて抑制される。さらに、膜厚方向に厚みを変化させる必要がないので、作成工程の簡略化して、安定した色分離特性を実現できる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段を備え、前記絶縁体層は個々の受光手段に対応する部分毎に、前記絶縁体層の辺縁がテーパー状となっていることを特徴とする。
このようにすれば、濾光手段に入射光を集光させることができるので、さらに混色を防止することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段を備え、1つの受光手段への入射光が通過すべき前記絶縁体層の領域は、相異なる膜厚を有する複数の部分を有することを特徴とする。
このように同一画素内に2以上の相異なる膜厚を形成することによって、当該受光手段へ入射する光の帯域幅を広げることができるので、色毎の波長感度を向上させることができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記誘電体多層膜が反射する光を吸収する吸収体が、前記誘電体多層膜の当該光が反射される側に配設されていることを特徴とする。更に、前記吸収体は、顔料タイプまたは染料タイプのカラーフィルタであることを特徴とする。このようにすれば、前記誘電体多層膜にて反射される光に起因するノイズの発生を抑制できる。
また、本発明に係るカメラは、誘電体多層膜からなり、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備える固体撮像装置であって、前記濾光手段は2つのλ/4多層膜と前記λ/4多層膜に挟まれた絶縁体であって、λ/4以外の光学膜厚を有する絶縁体層を備える誘電体多層膜からなる固体撮像装置を備えることを特徴とする。このようにすれば、混色が抑制された良好な特性を有するカメラを提供できる。
また、本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置の製造方法であって、各層の光学膜厚が略λ/4である第1の誘電体多層膜を半導体基板上に形成する第1の形成工程と、前記第1の誘電体多層膜上に第1の絶縁体層を形成する第2の形成工程と、前記第1の絶縁体層を第1の領域を残して除去する第1の除去工程と、前記第1の誘電体多層膜及び前記第1の絶縁体層上に第2の絶縁体層を形成する第3の形成工程と、前記第2の絶縁体層であって、前記第1の誘電体多層膜上に形成された部分のうちの第2の領域を除去する第2の除去工程と、前記第2の絶縁体層及び前記第1の誘電体多層膜上に、各層の光学膜厚が略λ/4である第2の誘電体多層膜を形成する第4の形成工程とによって前記濾光手段を形成することを特徴とする。
誘電体多層膜フィルタを用いた固体撮像装置において、理想的な波長分離を実現するためにはnmオーダーでの膜厚制御が必要不可欠である。そこで、条件を最適化した本構成の成膜プロセスを用いることで、ウエハ面内での膜厚分布の均一性を±2%以内に制御することが可能である。
また、本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置の製造方法であって、各層の光学膜厚が略λ/4である第1の誘電体多層膜を半導体基板上に形成する第1の形成工程と、リフトオフ法を用いて、前記第1の誘電体多層膜上の第1の領域に第1の絶縁体層を形成する第2の形成工程と、リフトオフ法を用いて、前記第1の誘電体多層膜上の前記第1の絶縁体層が形成されていない部分のうちの第2の領域に第2の絶縁体層を形成する第3の形成工程と、前記第1の絶縁体層、前記第2の絶縁体層及び前記第1の誘電体多層膜上に、各層の光学膜厚が略λ/4である第2の誘電体多層膜を形成する第4の形成工程とよって前記濾光手段を形成することを特徴とする。
フィルタ層における絶縁体膜の形成方法として、リフトオフ法を用いることによっても、同様に膜厚の制御性向上、面内ばらつき低減が可能となる。
また、本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置の製造方法であって、各層の光学膜厚が略λ/4である第1の誘電体多層膜を半導体基板上に形成する第1の形成工程と、前記第1の誘電体多層膜上に第1の絶縁体層を形成する第2の形成工程と、前記第1の絶縁体層を第1の領域を残して除去する第1の除去工程と、リフトオフ法を用いて、前記第1の絶縁体層上の第2の領域と前記第1の誘電体多層膜上の前記第1の絶縁体層が形成されていない領域に第2の絶縁体層を形成する第3の形成工程と、前記第1の絶縁体層及び前記第2の絶縁体層上に、各層の光学膜厚が略λ/4である第2の誘電体多層膜を形成する第4の形成工程とによって前記濾光手段を形成することを特徴とする。
絶縁体膜の形成プロセスにおいて3種類の膜厚を作製する際に、3種類の膜厚を設けるためには、3回の成膜が必要であるが、本発明では、エッチングおよびリフトオフ法を組み合わせることで、2回の成膜プロセスで、3種類の膜厚を設けることができる。従って、フィルタ形成プロセスが簡略化されるので、工期を短縮し、製造コストを削減できる。
また、本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置の製造方法であって、各層の光学膜厚が略λ/4である第1の誘電体多層膜を半導体基板上に形成する第1の形成工程と、前記第1の誘電体多層膜上に第1の絶縁体層を形成する第2の形成工程と、前記第1の絶縁体層を第1の領域を残して除去する第1の除去工程と、前記第1の誘電体多層膜及び前記第1の絶縁体層上に、前記第1の絶縁体層の材料と異なる材料で第2の絶縁体層を形成する第3の形成工程と、前記第1の絶縁体層上の第2の領域上に形成された第2の絶縁体層を残して第2の絶縁体層を除去する第2の除去工程と、前記第1の絶縁体層、前記第2の絶縁体層及び前記第1の誘電体多層膜上に、各層の光学膜厚が略λ/4である第2の誘電体多層膜を形成する第4の形成工程とによって前記濾光手段を形成することを特徴とする。
絶縁体膜の形成プロセスにおいて3種類の膜厚を作製する際に、3種類の膜厚を設けるためには、3回の成膜が必要であるが、本発明では、それぞれ異なる材料の絶縁体膜を用いて選択エッチングを行うことで、2回の成膜プロセスで、3種類の膜厚を設けることができる。よって、フィルタ形成プロセスが簡略化できるので、工期を短縮し、製造コストを削減できる。
また、本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と波長λの入射光を透過させる濾光手段とを備え、当該濾光手段は各層の光学膜厚が略λ/4である2つの誘電体多層膜にて絶縁体層を挟んでなる固体撮像装置の製造方法であって、個々の受光手段に対向する絶縁体層の中央部分にレジストを形成する形成工程と、エッチングによって、前記絶縁体層の前記レジストに覆われた部分の辺縁をテーパー状とする整形工程とを含むことを特徴とする。
また、前記形成工程は、前記レジストの辺縁がテーパー状となるように前記レジストを形成することを特徴とする。更に、前記形成工程は、露光量を変化させることによって前記レジストの辺縁をテーパー状とすることを特徴とする。
また、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、対応する受光手段に応じて異なる波長の入射光を透過させる濾光手段とを備え、前記絶縁体層は、対向する受光手段が受光すべき光の波長に応じて、その絶縁体層の有無、その絶縁体層の膜厚及び材料の何れか、又はその組み合わせが異なることを特徴とする。このようにすれば、対応する受光手段上に絶縁体層の有無又は膜厚や材料の相異なる絶縁体層が設けられた誘電体多層膜によって色分離化を可能とすることができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、対応する受光手段に応じて異なる波長の入射光を透過させる濾光手段とを備え、前記2つのλ/4多層膜は前記絶縁体層を中心として対称な層構造を有することを特徴とする。
また、本発明に係る固体撮像装置は、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置であって、前記濾光手段は相異なる屈折率を有する2種類の誘電体層を積層した誘電体多層膜からなり、当該誘電体多層膜のうち、前記受光手段からもっとも遠い誘電体層は低い屈折率を有する方の誘電体層であることを特徴とする。このようにすれば、濾光手段に入射する光が反射されるのを防いで、高画質の撮像を実現することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置であって、誘電体多層膜のいずれか一方の主面、または当該誘電体多層膜を構成する何れか二組の誘電体層の間に保護層が配設されていることを特徴とする。また、前記保護層は、窒化シリコンからなることを特徴とする。このようにすれば、固体撮像装置の信頼性や耐湿性を向上させることができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、入射光を集光する集光手段と、対応する受光手段に応じて相異なる波長λの入射光を透過させる濾光手段とを備え、前記濾光手段の前記受光手段とは反対側の主面が平坦になっていることを特徴とする。このようにすれば、何れの集光手段と対応する受光手段との組についても集光手段と受光手段との距離を同じくすることができるので、受光手段に入射すべき光の波長に関わらず、焦点距離の同じ集光手段を使用することができる。従って、固体撮像装置の部品の種類を低減して、その製造を容易にし、かつ、製造コストを削減することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、波長λの入射光を透過させる濾光手段とを備えた固体撮像装置であって、前記濾光手段は相異なる屈折率を有する2種類の誘電体層を積層した誘電体多層膜からなり、当該誘電体多層膜のうち、高い屈折率を有する誘電体層のうち最も受光手段に近い誘電体層から受光手段までの距離が、1nm以上でλ以下の範囲内にあることを特徴とする。このような構成によれば、カラーフィルタと受光素子とが隣接しているので、更に確実に斜め光による混色を防止することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備え、単位画素が二次元上に複数配列されてなる固体撮像装置であって、各前記単位画素は、入射光の強度を検出する受光手段と、赤色光、緑色光又は青色光の何れかを透過させる誘電体多層膜からなる濾光手段とを備え、前記単位画素は、前記濾光手段が透過させる光色に応じてベイヤ配列され、4つの単位画素からなる正方領域には何れも、青色光を透過させる濾光手段を備えた単位画素が2つ含まれることを特徴とする。誘電体多層膜における青色光の透過特性は他色の光の透過特性と比較して半値幅が狭い。これに対して、上記配列を採れば、青色光を検出する帯域幅を拡大して、固体撮像装置の感度を改善することができる。
上述のように、本発明の固体撮像装置は、波長選択層の上に遮光膜を形成しているので、斜め度合いが小さな斜め光による隣の画素への侵入が抑制される。
また、前記半導体基板において遮光膜の開口部の上にマイクロレンズを形成しているので。隣の画素へ侵入しやすい斜め度合いの大きな斜め光が削減され、また画素への集光率を高められる。
また、前記波長選択層がカラーフィルタから成るので、遮光膜を通過した光は所望のカラーフィルタのみを通過して受光素子に入射するようになるため混色を防止することができる。
また、前記波長選択層が無機材料で構成するので、半導体製造工程の途中の工程で形成することができ、したがって製造を容易にすることができる。
また、前記波長選択層が多層膜から成るので、波長を選択する層を薄膜化することができ、遮光膜と受光素子の距離を近くすることができるため、混色を防ぐと同時に集光率を向上することができる。
また、前記波長選択層がフォトニック結晶から構成する、あるいは半導体基板内に2次元状に配列した複数の受光素子と、該受光素子に入射する光の波長を選択する波長選択層と、を有する固体撮像装置であって、該波長選択層がフォトニック結晶から成ることを特徴とするので、斜め光が入射した場合にでも、入射光の内で所定の波長領域の光がフォトニック結晶に沿って垂直に受光素子に導かれるため、隣接の画素のカラーフィルタに入射することがなく、混色を大幅に防止することができる。
また、上記に記載の固体撮像装置を備えたカメラ、としてもよい。この特徴を備えたカメラを使って混色の極めて少ない、高画質の撮像が得られる。
本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、光電変換手段上に形成する入射光を波長分離化する誘電体多層膜の製造工程において、色分離機能を実現するために行う、部分的な絶縁体層の膜厚を変化させる手法において、一度形成した膜をドライエッチングやウェットエッチングによって変化させるのではなく、膜を形成させることによって結果的に膜厚変化を生じさせる成膜プロセスで行うことにより、膜厚の制御性向上、面内ばらつきの低減が実現可能となる。
本発明に係る固体撮像装置は、光電変換手段上に入射光を波長分離する誘電体多層膜を設け、その多層膜層のうち、一部の誘電体層の膜厚のみを変化させることで色分離化を可能とすることができる。入射光の波長程度(〜500nm)の層構成で色分離化が実現可能となるので、薄膜化が可能となり、斜め光による色分離機能の低下が極めて抑制できる。
また、固体撮像装置の解像度を高めるためには各画素を小型化しなければならないが、前記顔料粒子の微細化には限界があり、感度低下や色むらの発生が避けられない。
かかる課題を解決するために、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、前記受光手段に入射すべき波長の光のみを通過させる濾光手段と、入射光を遮断する遮光手段であって、前記複数の受光手段のそれぞれに対向する位置に開口を有する遮光手段とを備える固体撮像装置であって、前記濾光手段は前記複数の受光手段と前記遮光手段との間に配設されていることを特徴とする。このようにすれば、濾光手段に斜め光が入射しないように遮光することができるので混色を低減することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記複数の受光手段のそれぞれに入射光を集光する集光手段が前記遮光手段の開口内に配設されていることを特徴とする。このようにすれば、集光手段にて斜め光を適切な受光手段へと導くので、混色を低減することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記濾光手段は無機材料から成ることを特徴とする。このようにすれば、濾光手段をも一連の半導体プロセスで製造することができるので、固体撮像装置の歩留まりを向上させ、かつ、製造コストを低減することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記濾光手段は多層膜構造を有することを特徴とする。このようにすれば、濾光手段の厚みを削減することができるので、固体撮像装置そのものの小型化に寄与することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記濾光手段はフォトニック結晶から成ることを特徴とする。また、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、前記受光手段に入射すべき波長の光のみを通過させる濾光手段とを備える固体撮像装置であって、前記濾光手段はフォトニック結晶から成ることを特徴とする。このようにすれば、濾光手段にて斜め光を適切な受光手段に導くことができるので、混色を防止することができる。
また、本発明に係るカメラは、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、前記受光手段に入射すべき波長の光のみを通過させる濾光手段と、入射光を遮断する遮光手段であって、前記複数の受光手段のそれぞれに対向する位置に開口を有する遮光手段とを備え、前記濾光手段は前記複数の受光手段と前記遮光手段との間に配設されている固体撮像装置を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るカメラは、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、前記受光手段に入射すべき波長の光のみを通過させる濾光手段とを備え、前記濾光手段はフォトニック結晶から成る固体撮像装置を備えることを特徴とする。このようにすれば、混色を防いで高画質の撮像が可能なカメラを提供することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置であって、前記濾光手段は2つのλ/4多層膜と前記λ/4多層膜に挟まれた絶縁体であって、λ/4以外の光学膜厚を有する絶縁体層を備える誘電体多層膜からなることを特徴とする。
このように、誘電体多層膜をもって濾光手段層とすれば、濾光手段の薄膜化が可能となり、斜めの入射光が隣接する画素に到達することを抑制するので、色分離機能が向上する。なお、本明細書においてλ/4多層膜とは光学膜厚が略λ/4である複数の層から成る膜をいう。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記誘電体多層膜が、λ/4以外の光学膜厚を有する絶縁体層と、光学膜厚がλ/4で、かつ、前記絶縁体層の材料の屈折率とは異なる屈折率を有する材料からなる2つの第1の誘電体層と、光学膜厚がλ/4で、かつ、前記絶縁体層の材料の屈折率と等しい屈折率を有する材料からなる2つの第2の誘電体層とを備え、前記絶縁体層はその2つの主面にて前記第1の誘電体層に接しており、前記第1の誘電体層の前記絶縁体層に接していない主面は前記第2の誘電体層に接していることを特徴とする。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記絶縁体層の光学膜厚は前記波長λの光が前記濾光手段を透過するように設定されていることを特徴とする。
このようにすれば、入射光の波長程度(〜500nm)の層構成で色分離化できるので、濾光手段を薄膜化でき、斜め光による色分離機能の低下が極めて抑制される。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記絶縁体層はその主面に略垂直な貫通孔又は溝であって、前記第1の誘電体層の材料と同じ材料を埋め込まれた貫通孔又は溝を有し、平面視したときの前記貫通孔又は溝部分の面積と前記貫通孔又は溝でない部分の面積との比に応じた波長の光を透過させることを特徴とする。
この構成では、絶縁体層の屈折率分布をその主面に沿って変化させることによって、入射光の感じる実効的な屈折率を変化させ、波長選択性を実現する。従って、入射光波長程度(〜500nm)の層構成で色分離化できるので、濾光手段を薄膜化でき、斜め光による色分離機能の低下が極めて抑制される。さらに、膜厚方向に厚みを変化させる必要がないので、作成工程の簡略化して、安定した色分離特性を実現できる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段を備え、前記絶縁体層は個々の受光手段に対応する部分毎に、前記絶縁体層の辺縁がテーパー状となっていることを特徴とする。
このようにすれば、濾光手段に入射光を集光させることができるので、さらに混色を防止することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段を備え、1つの受光手段への入射光が通過すべき前記絶縁体層の領域は、相異なる膜厚を有する複数の部分を有することを特徴とする。
このように同一画素内に2以上の相異なる膜厚を形成することによって、当該受光手段へ入射する光の帯域幅を広げることができるので、色毎の波長感度を向上させることができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記誘電体多層膜が反射する光を吸収する吸収体が、前記誘電体多層膜の当該光が反射される側に配設されていることを特徴とする。更に、前記吸収体は、顔料タイプまたは染料タイプのカラーフィルタであることを特徴とする。このようにすれば、前記誘電体多層膜にて反射される光に起因するノイズの発生を抑制できる。
また、本発明に係るカメラは、誘電体多層膜からなり、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備える固体撮像装置であって、前記濾光手段は2つのλ/4多層膜と前記λ/4多層膜に挟まれた絶縁体であって、λ/4以外の光学膜厚を有する絶縁体層を備える誘電体多層膜からなる固体撮像装置を備えることを特徴とする。このようにすれば、混色が抑制された良好な特性を有するカメラを提供できる。
また、本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置の製造方法であって、各層の光学膜厚が略λ/4である第1の誘電体多層膜を半導体基板上に形成する第1の形成工程と、前記第1の誘電体多層膜上に第1の絶縁体層を形成する第2の形成工程と、前記第1の絶縁体層を第1の領域を残して除去する第1の除去工程と、前記第1の誘電体多層膜及び前記第1の絶縁体層上に第2の絶縁体層を形成する第3の形成工程と、前記第2の絶縁体層であって、前記第1の誘電体多層膜上に形成された部分のうちの第2の領域を除去する第2の除去工程と、前記第2の絶縁体層及び前記第1の誘電体多層膜上に、各層の光学膜厚が略λ/4である第2の誘電体多層膜を形成する第4の形成工程とによって前記濾光手段を形成することを特徴とする。
誘電体多層膜フィルタを用いた固体撮像装置において、理想的な波長分離を実現するためにはnmオーダーでの膜厚制御が必要不可欠である。そこで、条件を最適化した本構成の成膜プロセスを用いることで、ウエハ面内での膜厚分布の均一性を±2%以内に制御することが可能である。
また、本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置の製造方法であって、各層の光学膜厚が略λ/4である第1の誘電体多層膜を半導体基板上に形成する第1の形成工程と、リフトオフ法を用いて、前記第1の誘電体多層膜上の第1の領域に第1の絶縁体層を形成する第2の形成工程と、リフトオフ法を用いて、前記第1の誘電体多層膜上の前記第1の絶縁体層が形成されていない部分のうちの第2の領域に第2の絶縁体層を形成する第3の形成工程と、前記第1の絶縁体層、前記第2の絶縁体層及び前記第1の誘電体多層膜上に、各層の光学膜厚が略λ/4である第2の誘電体多層膜を形成する第4の形成工程とよって前記濾光手段を形成することを特徴とする。
フィルタ層における絶縁体膜の形成方法として、リフトオフ法を用いることによっても、同様に膜厚の制御性向上、面内ばらつき低減が可能となる。
また、本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置の製造方法であって、各層の光学膜厚が略λ/4である第1の誘電体多層膜を半導体基板上に形成する第1の形成工程と、前記第1の誘電体多層膜上に第1の絶縁体層を形成する第2の形成工程と、前記第1の絶縁体層を第1の領域を残して除去する第1の除去工程と、リフトオフ法を用いて、前記第1の絶縁体層上の第2の領域と前記第1の誘電体多層膜上の前記第1の絶縁体層が形成されていない領域に第2の絶縁体層を形成する第3の形成工程と、前記第1の絶縁体層及び前記第2の絶縁体層上に、各層の光学膜厚が略λ/4である第2の誘電体多層膜を形成する第4の形成工程とによって前記濾光手段を形成することを特徴とする。
絶縁体膜の形成プロセスにおいて3種類の膜厚を作製する際に、3種類の膜厚を設けるためには、3回の成膜が必要であるが、本発明では、エッチングおよびリフトオフ法を組み合わせることで、2回の成膜プロセスで、3種類の膜厚を設けることができる。従って、フィルタ形成プロセスが簡略化されるので、工期を短縮し、製造コストを削減できる。
また、本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置の製造方法であって、各層の光学膜厚が略λ/4である第1の誘電体多層膜を半導体基板上に形成する第1の形成工程と、前記第1の誘電体多層膜上に第1の絶縁体層を形成する第2の形成工程と、前記第1の絶縁体層を第1の領域を残して除去する第1の除去工程と、前記第1の誘電体多層膜及び前記第1の絶縁体層上に、前記第1の絶縁体層の材料と異なる材料で第2の絶縁体層を形成する第3の形成工程と、前記第1の絶縁体層上の第2の領域上に形成された第2の絶縁体層を残して第2の絶縁体層を除去する第2の除去工程と、前記第1の絶縁体層、前記第2の絶縁体層及び前記第1の誘電体多層膜上に、各層の光学膜厚が略λ/4である第2の誘電体多層膜を形成する第4の形成工程とによって前記濾光手段を形成することを特徴とする。
絶縁体膜の形成プロセスにおいて3種類の膜厚を作製する際に、3種類の膜厚を設けるためには、3回の成膜が必要であるが、本発明では、それぞれ異なる材料の絶縁体膜を用いて選択エッチングを行うことで、2回の成膜プロセスで、3種類の膜厚を設けることができる。よって、フィルタ形成プロセスが簡略化できるので、工期を短縮し、製造コストを削減できる。
また、本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と波長λの入射光を透過させる濾光手段とを備え、当該濾光手段は各層の光学膜厚が略λ/4である2つの誘電体多層膜にて絶縁体層を挟んでなる固体撮像装置の製造方法であって、個々の受光手段に対向する絶縁体層の中央部分にレジストを形成する形成工程と、エッチングによって、前記絶縁体層の前記レジストに覆われた部分の辺縁をテーパー状とする整形工程とを含むことを特徴とする。
また、前記形成工程は、前記レジストの辺縁がテーパー状となるように前記レジストを形成することを特徴とする。更に、前記形成工程は、露光量を変化させることによって前記レジストの辺縁をテーパー状とすることを特徴とする。
また、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、対応する受光手段に応じて異なる波長の入射光を透過させる濾光手段とを備え、前記絶縁体層は、対向する受光手段が受光すべき光の波長に応じて、その絶縁体層の有無、その絶縁体層の膜厚及び材料の何れか、又はその組み合わせが異なることを特徴とする。このようにすれば、対応する受光手段上に絶縁体層の有無又は膜厚や材料の相異なる絶縁体層が設けられた誘電体多層膜によって色分離化を可能とすることができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、対応する受光手段に応じて異なる波長の入射光を透過させる濾光手段とを備え、前記2つのλ/4多層膜は前記絶縁体層を中心として対称な層構造を有することを特徴とする。
また、本発明に係る固体撮像装置は、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置であって、前記濾光手段は相異なる屈折率を有する2種類の誘電体層を積層した誘電体多層膜からなり、当該誘電体多層膜のうち、前記受光手段からもっとも遠い誘電体層は低い屈折率を有する方の誘電体層であることを特徴とする。このようにすれば、濾光手段に入射する光が反射されるのを防いで、高画質の撮像を実現することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置であって、誘電体多層膜のいずれか一方の主面、または当該誘電体多層膜を構成する何れか二組の誘電体層の間に保護層が配設されていることを特徴とする。また、前記保護層は、窒化シリコンからなることを特徴とする。このようにすれば、固体撮像装置の信頼性や耐湿性を向上させることができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、入射光を集光する集光手段と、対応する受光手段に応じて相異なる波長λの入射光を透過させる濾光手段とを備え、前記濾光手段の前記受光手段とは反対側の主面が平坦になっていることを特徴とする。このようにすれば、何れの集光手段と対応する受光手段との組についても集光手段と受光手段との距離を同じくすることができるので、受光手段に入射すべき光の波長に関わらず、焦点距離の同じ集光手段を使用することができる。従って、固体撮像装置の部品の種類を低減して、その製造を容易にし、かつ、製造コストを削減することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、波長λの入射光を透過させる濾光手段とを備えた固体撮像装置であって、前記濾光手段は相異なる屈折率を有する2種類の誘電体層を積層した誘電体多層膜からなり、当該誘電体多層膜のうち、高い屈折率を有する誘電体層のうち最も受光手段に近い誘電体層から受光手段までの距離が、1nm以上でλ以下の範囲内にあることを特徴とする。このような構成によれば、カラーフィルタと受光素子とが隣接しているので、更に確実に斜め光による混色を防止することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備え、単位画素が二次元上に複数配列されてなる固体撮像装置であって、各前記単位画素は、入射光の強度を検出する受光手段と、赤色光、緑色光又は青色光の何れかを透過させる誘電体多層膜からなる濾光手段とを備え、前記単位画素は、前記濾光手段が透過させる光色に応じてベイヤ配列され、4つの単位画素からなる正方領域には何れも、青色光を透過させる濾光手段を備えた単位画素が2つ含まれることを特徴とする。誘電体多層膜における青色光の透過特性は他色の光の透過特性と比較して半値幅が狭い。これに対して、上記配列を採れば、青色光を検出する帯域幅を拡大して、固体撮像装置の感度を改善することができる。
上述のように、本発明の固体撮像装置は、波長選択層の上に遮光膜を形成しているので、斜め度合いが小さな斜め光による隣の画素への侵入が抑制される。
また、前記半導体基板において遮光膜の開口部の上にマイクロレンズを形成しているので。隣の画素へ侵入しやすい斜め度合いの大きな斜め光が削減され、また画素への集光率を高められる。
また、前記波長選択層がカラーフィルタから成るので、遮光膜を通過した光は所望のカラーフィルタのみを通過して受光素子に入射するようになるため混色を防止することができる。
また、前記波長選択層が無機材料で構成するので、半導体製造工程の途中の工程で形成することができ、したがって製造を容易にすることができる。
また、前記波長選択層が多層膜から成るので、波長を選択する層を薄膜化することができ、遮光膜と受光素子の距離を近くすることができるため、混色を防ぐと同時に集光率を向上することができる。
また、前記波長選択層がフォトニック結晶から構成する、あるいは半導体基板内に2次元状に配列した複数の受光素子と、該受光素子に入射する光の波長を選択する波長選択層と、を有する固体撮像装置であって、該波長選択層がフォトニック結晶から成ることを特徴とするので、斜め光が入射した場合にでも、入射光の内で所定の波長領域の光がフォトニック結晶に沿って垂直に受光素子に導かれるため、隣接の画素のカラーフィルタに入射することがなく、混色を大幅に防止することができる。
また、上記に記載の固体撮像装置を備えたカメラ、としてもよい。この特徴を備えたカメラを使って混色の極めて少ない、高画質の撮像が得られる。
本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、光電変換手段上に形成する入射光を波長分離化する誘電体多層膜の製造工程において、色分離機能を実現するために行う、部分的な絶縁体層の膜厚を変化させる手法において、一度形成した膜をドライエッチングやウェットエッチングによって変化させるのではなく、膜を形成させることによって結果的に膜厚変化を生じさせる成膜プロセスで行うことにより、膜厚の制御性向上、面内ばらつきの低減が実現可能となる。
本発明に係る固体撮像装置は、光電変換手段上に入射光を波長分離する誘電体多層膜を設け、その多層膜層のうち、一部の誘電体層の膜厚のみを変化させることで色分離化を可能とすることができる。入射光の波長程度(〜500nm)の層構成で色分離化が実現可能となるので、薄膜化が可能となり、斜め光による色分離機能の低下が極めて抑制できる。
図1は、従来技術に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す平面図である。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。
図5は、本発明の第5の実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。
図6は、本発明の第5の実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図7は、本発明の第6の実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図8は、本発明の第7の実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図9は、本発明の第8の実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図10は、本発明の第5の実施の形態に係るカラーフィルタの透過特性を示すグラフである。
図11は、本発明の第5の実施の形態に係るカラーフィルタのスペーサ層の光学膜厚が設計値からずれた場合の透過特性を示すグラフである。
図12は、本発明の第9の実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図13は、本発明の第9の実施の形態に係るカラーフィルタの分光特性を示すグラフである。
図14は、スペーサ層の有無に応じて異なる誘電体多層膜の透過特性を示すグラフである。
図15は、本発明の第10の実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図16は、本発明の第11の実施の形態に係るカラーフィルタの第1の製造方法を示す断面図である。
図17は、本発明の第11の実施の形態に係るカラーフィルタの第2の製造方法を示す断面図である。
図18は、本発明の第12の実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図19は、本発明の第13の実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図20は、本発明の第14の実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図21は、本発明の変形例(1)に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図22は、本発明の変形例(1)に係るカラーフィルタの透過特性を示すグラフである。
図23は、本発明の変形例(2)に係るカラーフィルタの構成を示す断面図である。
図24は、本発明の変形例(2)に係るカラーフィルタの透過特性を示すグラフである。
図25は、本発明の変形例(3)に係るカラーフィルタの構成を示す断面図である。
図26は、本発明の変形例(3)に係るカラーフィルタの透過特性を示すグラフである。
図27は、本発明の変形例(4)に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。
図28は、本発明の変形例(4)に係るカラーフィルタの透過特性を示すグラフである。
図29は、本発明の変形例(5)に係るカラーフィルタの透過特性を示すグラフである。
図30は、本発明の変形例(6)に係るカラーフィルタの配列を示すグラフである。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す平面図である。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。
図5は、本発明の第5の実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。
図6は、本発明の第5の実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図7は、本発明の第6の実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図8は、本発明の第7の実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図9は、本発明の第8の実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図10は、本発明の第5の実施の形態に係るカラーフィルタの透過特性を示すグラフである。
図11は、本発明の第5の実施の形態に係るカラーフィルタのスペーサ層の光学膜厚が設計値からずれた場合の透過特性を示すグラフである。
図12は、本発明の第9の実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図13は、本発明の第9の実施の形態に係るカラーフィルタの分光特性を示すグラフである。
図14は、スペーサ層の有無に応じて異なる誘電体多層膜の透過特性を示すグラフである。
図15は、本発明の第10の実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図16は、本発明の第11の実施の形態に係るカラーフィルタの第1の製造方法を示す断面図である。
図17は、本発明の第11の実施の形態に係るカラーフィルタの第2の製造方法を示す断面図である。
図18は、本発明の第12の実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図19は、本発明の第13の実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図20は、本発明の第14の実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図21は、本発明の変形例(1)に係るカラーフィルタの製造方法を示す断面図である。
図22は、本発明の変形例(1)に係るカラーフィルタの透過特性を示すグラフである。
図23は、本発明の変形例(2)に係るカラーフィルタの構成を示す断面図である。
図24は、本発明の変形例(2)に係るカラーフィルタの透過特性を示すグラフである。
図25は、本発明の変形例(3)に係るカラーフィルタの構成を示す断面図である。
図26は、本発明の変形例(3)に係るカラーフィルタの透過特性を示すグラフである。
図27は、本発明の変形例(4)に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。
図28は、本発明の変形例(4)に係るカラーフィルタの透過特性を示すグラフである。
図29は、本発明の変形例(5)に係るカラーフィルタの透過特性を示すグラフである。
図30は、本発明の変形例(6)に係るカラーフィルタの配列を示すグラフである。
本発明に係る固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法及びカメラの実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[1] 第1の実施の形態
図2は、本実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す平面図である。図2に示されるように、本実施の形態に係る固体撮像装置2は受光手段となる単位画素(網掛け部分)が2次元状に配列されており、各行が垂直シフトレジスタにより選択され、その行信号が水平シフトレジスタにより選択されて画素毎のカラー信号が出力アンプ(図示省略)から出力される。駆動回路は垂直シフトレジスタ、水平シフトレジスタ、出力アンプを動作させる。
図3は、本実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す断面図であって、3つの隣り合う画素の断面が示されている。図3に示されるように、固体撮像装置2はN型半導体基板201、P型半導体層202、受光素子203R〜203B、絶縁層204、206、カラーフィルタ205R〜205B、遮光膜207、マイクロレンズ208を備えている。
N型半導体層201上にP型半導体層202が形成されている。受光素子203R等はP型半導体層202にN型不純物がイオン注入されてなるフォトダイオード(光電変換素子)であって、光透過性の絶縁層204に接している。受光素子203R等はP型半導体層202の一部を素子分離領域として分離されている。絶縁層204上にはカラーフィルタ205R〜205Bが形成されている。
カラーフィルタ205R〜205BはそれぞれR、G、Bの各原色光のみを透過させるフィルタであって、無機材料からなる微粒子顔料タイプのカラーフィルタである。カラーフィルタはベイヤ配列又は補色配列に従って配列される。
カラーフィルタ205R〜205B上には光透過性の絶縁層206が形成され、絶縁層206上にはマイクロレンズ208が配設されている。マイクロレンズ208は受光素子ごとにひとつずつ配設されており、マイクロレンズどうしは遮光膜207で区画されている。遮光膜207に入射した光は反射される。一方、マイクロレンズ208に入射した光は受光素子203R等、対応する受光素子上に集光される。
このようにすれば、従来技術と較べて、カラーフィルタと受光素子との距離を小さくすることができるので、受光素子に斜め光が入射し難くすることができる。例えば、受光素子203R等の幅が3μmならば、従来と比較して混色を約80%削減することができる。また、固体撮像装置2は半導体プロセスのみによって製造することができるので、容易かつ低コストで製造することができる。
[2] 第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は前記第1の実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、カラーフィルタがフォトニック結晶からなっている点において相違する。
フォトニック結晶は、例えば半導体と空気との組み合わせといった、誘電率又は屈折率の異なる物質の組が光の波長の長さ毎に交互に配列されてなる微細構造物である。フォトニック結晶は特定波長の光のみを透過させるフィルタ機能を有すると共に、入射した光の方向を特定の方向に導く性質を備えている。下記の文献には特定のバンド幅の波長の光を通さない、いわゆるフォトニックバンドギャップを有するフォトニック結晶が紹介されている。
野田進、森本茂雄、「面内ヘテロ・フォトニック結晶による光ナノデバイスの実現」科学技術振興事業団報第323号。
このようにカラーフィルタとしてフォトニック結晶を用いれば、各原色光を選択的に透過させるのに加えて、入射した光が受光素子へ向かうように、光の進行方向を整えることができるので、更に混色を防止することができる。
[3] 第3の実施の形態
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は前記第2の実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、遮光膜の形成位置において相違している。
図4は、本実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。図4に示されるように、固体撮像装置3はN型半導体基板301、P型半導体層302、受光素子303R〜303B、絶縁層304、307、遮光膜305、カラーフィルタ306R〜306B、マイクロレンズ308を備えている。
固体撮像装置3はN型半導体層301からP型半導体層302、受光素子303R等、光透過性の絶縁層304、遮光膜305、カラーフィルタ306R等、絶縁層307及びマイクロレンズ308の順に積層されている。カラーフィルタ306R等は上記第3の実施の形態に係るカラーフィルタと同様にフォトニック結晶からなっている。
このように、カラーフィルタ306R等の受光素子側に遮光膜を配設すれば、カラーフィルタ306R等によって進行方向を変えられた光が本来入射すべき受光素子以外の受光素子に入射するのを防止することができる。例えば、カラーフィルタ306Gの辺縁に入射した斜め光であって、遮光膜305がなければ受光素子303Bに入射したかもしれない斜め光があるような場合には、かかる斜め光による混色を本実施の形態によって防止することができる。
[4] 第4の実施の形態
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は上記第2の実施の形態に係る固体撮像装置と同様にカラーフィルタの構成に特徴を有している。
本実施の形態に係るカラーフィルタは酸化シリコン層(SiO2)等の低屈折率を有する材料と窒化シリコン層(Si3N4)等の高屈折率を有する材料とが交互に積層された誘電体多層膜となっている。言うまでもなく、固体撮像装置の積層方向と誘電体多層膜の積層方向とは一致する。また、誘電体多層膜を構成する各層は一層を除いて何れも略同一の光学膜厚を有する。光学膜厚とはその層の材料の屈折率nにその層の膜厚dを乗じた値ndをいう。
このようにすれば、カラーフィルタの厚みを低減することができるので、受光素子と遮光膜との距離を小さくすることができる。したがって、本実施の形態によれば斜め光による混色の防止を更に確かなものとすることができる。
また、マイクロレンズの集光率を向上させるためには集光角度を大きくする必要があるが、このような場合でも混色を防止することができるので、同時に固体撮像装置の感度を高めることができる。
[5] 第5の実施の形態
次に、本発明に係る固体撮像装置の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は上記第4の実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、誘電体多層膜の構成において相違している。
図5は、本実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。図5に示されるように、固体撮像装置4はN型半導体基板401、P型半導体層402、受光素子403R〜403B、絶縁層404、遮光膜405、カラーフィルタ406及びマイクロレンズ407を備えている。
固体撮像措置4はN型半導体層401上に順にP型半導体層402、受光素子403R等、光透過性の絶縁層404、遮光膜405、カラーフィルタ406及びマイクロレンズ407が積層されて成っている。
本実施の形態に係るカラーフィルタ406の特徴は二酸化チタン層(TiO2)406a、406c、406e、406gと二酸化シリコン層(SiO2)406b、406d、406fとが交互に積層された誘電体多層膜となっている点である。
図6は、カラーフィルタ406の製造工程を示す図である。尚、カラーフィルタ406の製造工程に関与しない遮光膜405や受光素子403R等は図示を省略されている。先ず、図6(a)に示されるように、絶縁層404上に二酸化チタン層406a、二酸化シリコン層406b、二酸化チタン層406c、二酸化シリコン層406dを順次形成する。これらの層は高周波(RF)スパッタ装置を用いて形成される。
本実施の形態においては、カラーフィルタ406はλ/4多層膜構造を備えており、設定中心波長λは530nmである。二酸化チタン層406a、406c、二酸化シリコン層406bの光学膜厚はλ/4=132.5nmである。また、二酸化シリコン層406dの光学膜厚は150nmである。
次に、図6(b)に示されるように、二酸化シリコン層406d上の青色領域にレジスト50を形成する。すなわち、二酸化シリコン層406d上にレジストを塗布し、熱処理(プリベーク)し、ステッパ等の露光装置を用いて露光し、有機溶剤等でレジスト現像した後、再び熱処理(ポストベーク)することによってレジスト50が形成される。レジスト50の厚みは1μmである。なお、青色領域とは受光素子403Bにて青色光を検出するためのカラーフィルタが形成されるべき領域である。
次に、二酸化シリコン層406dのレジスト50に覆われていない部分をエッチングプロセスによって除去する。すなわち、CF系のガスを用いてドライエッチングを行う。エッチング条件はエッチングガスCF4、ガス流量40sccm、RFパワー200W、真空度0.050Torrである。
尚、二酸化シリコンと二酸化チタンとのフッ化水素酸に対する選択比が大きいので、フッ化水素酸等を用いたウェットエッチングプロセスを用いても良い。この場合には、フッ化水素酸とフッ化アンモニウム溶液とを1対4の割合で混合したフッ化水素酸に5秒間浸してエッチングすれば、図6(b)の状態に加工される。
次に、図6(c)に示されるように、有機溶剤等を用いてレジスト50を除去したのち、高周波スパッタ装置を用いて二酸化シリコン層を形成する。新たに形成する二酸化シリコン層の光学膜厚は45nmである。従って、青色領域における二酸化シリコン層406dの厚みは195nmとなり、青色領域以外では45nmとなる。
次に、図6(d)に示されるように、二酸化シリコン層406dの青色及び赤色領域上にレジスト51を形成し、エッチングプロセスを用いて二酸化シリコン層406dの他の部分を除去する。その後、レジスト51を除去する。ここで、赤色領域とは受光素子403Rにて赤色光を検出するためのカラーフィルタが形成されるべき領域である。
次に、図6(e)に示されるように、高周波スパッタ装置を用いて、青色、赤色、緑色の全領域上に二酸化チタン層406e、二酸化シリコン層406f及び二酸化チタン層406gを順次形成する。二酸化チタン層406e、406g及び二酸化シリコン層406fの光学膜厚はλ/4である。
このようにすれば、本実施の形態に係るカラーフィルタ406を製造することができる。また、上記の製造方法によれば、層毎の膜厚のばらつきを±2%以内に収めることができるので、カラーフィルタ406による色分離の精度を向上させることができる。
[6] 第6の実施の形態
次に、本発明に係る固体撮像装置の第6の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は前記第5の実施の形態に係る固体撮像装置と同様の構成を備える一方、カラーフィルタの製造方法において相違している。以下、カラーフィルタの製造方法に着目して本実施の形態を説明する。
図7は、本実施の形態に係るカラーフィルタの製造工程を示す図である。図7でも図6と同様に遮光膜等の画示が省略されている。
先ず、図7(a)に示されるように、絶縁層604上に二酸化チタン層606a、二酸化シリコン層606b、二酸化チタン層606cを順次形成しλ/4多層膜構造とする。更に、上記第5の実施の形態と同様にして、二酸化チタン層606cの赤色及び緑色領域上に2.5μm厚のレジスト60を形成する。
次に、図7(b)に示されるように、高周波スパッタ装置を用いて青色、赤色、緑色の全ての領域上に二酸化シリコン層606dを形成する。二酸化シリコン層606dの光学膜厚は195nmである。
次に、図7(c)に示されるように、有機溶剤等でレジスト60を除去する。これによってレジスト60上に形成された二酸化シリコン層、即ち赤色及び緑色領域上に形成された部分が除去され(リフトオフ法)、青色領域上の二酸化シリコン層606dが残される。
次に、図7(d)に示されるように、青色及び緑色領域にレジスト61が形成される。
次に、図7(e)に示されるように、青色、赤色及び緑色の全ての領域上に二酸化シリコン層が形成される。新たに形成される二酸化シリコン層の光学膜厚は45nmである。
次に、図7(f)に示されるように、レジスト61を除去することによってレジスト61上の二酸化シリコン層、即ち青色及び緑色領域上に形成された部分が除去され、赤色領域上の二酸化シリコン層が残される。
最後に、図7(g)に示されるように、全ての領域上に二酸化チタン層606e、二酸化シリコン層606f、二酸化チタン層606gが順次形成される。
以上述べたように、本実施の形態に係る製造方法を用いても、上記第5の実施の形態に係る固体撮像装置を製造することができる。また、上記第5の実施の形態にて説明した製造方法と同様に、層毎の膜厚のばらつきを±2%以内に抑えて、精度良く固体撮像装置を製造することができる。
[7] 第7の実施の形態
次に、本発明の第7の実施の形態に係る固体撮像装置について説明する。上記第6の実施の形態と同様に本実施の形態もカラーフィルタの製造方法を特徴としており、製造される固体撮像装置は上記第5の実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様である。一方、本実施の形態に係る固体撮像装置は上記第5の実施の形態に係る固体撮像装置と赤色領域と青色領域との間で異なった光学膜厚を有する二酸化シリコン層が緑色領域にまで光学膜厚を変えながら延長されている点で相違している。
図8は、本実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す図である。先ず、図8(a)に示されるように、絶縁層704上に二酸化チタン層706a、二酸化シリコン層706b、二酸化チタン層706c、二酸化シリコン層706dを順次形成する。二酸化チタン層706a、706c、二酸化シリコン層706bの光学膜厚はλ/4、二酸化シリコン層706dの光学膜厚は195nmである。
次に、図8(b)に示されるように、二酸化チタン層706dの緑色及び青色領域上にレジスト70を形成し、エッチングプロセスを用いて二酸化シリコン層706dの赤色領域部分を除去する。この場合において、CF系のガスを用いてドライエッチングを行うとしても良いし、フッ化水素酸を用いてウェットエッチングを行うとしても良い。
次に、図8(c)に示されるように、有機溶剤等を用いてレジスト70を除去し、二酸化チタン層706dの青色領域上にレジスト71を形成する。
次に、図8(d)に示されるように、高周波スパッタ装置を用いて全ての領域上に光学膜厚55nmの二酸化チタン層を形成する。
次に、図8(e)に示されるように、有機溶剤等でレジスト71を除去すると、レジスト71上の二酸化チタン層も除去される(リフトオフ法)。これによって、二酸化チタン層706dの緑色領域の光学膜厚が250nm、青色領域の光学膜厚が195nm、赤色領域の光学膜厚が55nmとなる。
次に、二酸化チタン層706d上に、二酸化シリコン層706e、二酸化チタン層706f及び二酸化シリコン層706gが順次形成されて、本実施の形態に係るカラーフィルタが完成する。
本実施の形態に係るカラーフィルタのように、二酸化チタン層706dの厚みが3種類に変化する場合は、3種類を個別に形成するのが一般的である。これに対して、本実施の形態に係る製造方法では、エッチング法とリフトオフ法とを用いて、2回の成膜で3種類の光学膜厚(195nm、55nm、250nm)のに酸化チタン層を形成できるので、工期(TAT:turnaround time)を短縮できると共に、製造コストを低減することができる。
[8] 第8の実施の形態
次に、本発明の第8の実施の形態に係る固体撮像装置について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は前記第5の実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、カラーフィルタの構成において相違している。
すなわち、前記第5の実施の形態に係る固体撮像装置のカラーフィルタは二酸化シリコン層と二酸化チタン層とを交互に積層した構成となっているのに対して、本実施の形態に係る固体撮像装置のカラーフィルタは透過させる光の波長に応じて酸化マグネシウム層が加わえられている。以下、カラーフィルタの製造方法に着目して本実施の形態を説明する。
図9は本実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す図である。先ず、図9(a)に示されるように、絶縁層804上に二酸化チタン層806a、二酸化シリコン層806b、二酸化チタン層806c、二酸化シリコン層806dを順次形成する。二酸化チタン層806a、806c、二酸化シリコン層806bの光学膜厚はλ/4、二酸化シリコン層806dの光学膜厚は195nmである。
次に、図9(b)に示されるように、二酸化シリコン層806d上にレジスト80を形成し、レジスト80の赤色領域を除去する。そして、エッチングプロセスを用いて二酸化シリコン層806dの赤色領域を除去する。
次に、図9(c)に示されるように、高周波スパッタ装置を用いて全ての領域に光学膜厚55nmの酸化マグネシウム(MgO)層81を形成する。
次に、図9(d)に示されるように、緑色及び赤色領域にレジスト82を形成し、酸化マグネシウム層81の青色領域部分を除去する。酸化マグネシウム層も、二酸化シリコン層706dと同様に、CF系のガスを用いたドライエッチングや、フッ化水素酸を用いてウェットエッチングによって除去することができる。
その後、図9(e)に示されるようにレジスト82を除去し、図9(f)に示されるように、二酸化チタン層806e、二酸化シリコン層806f、二酸化チタン層806gを順次形成する。
このようにすれば、二酸化シリコン層806dと酸化マグネシウム層81とを合わせた光学膜厚が緑色領域で250nm、青色領域で195nm、赤色領域で55nmとなり、必要なフィルタ特性を実現することができる。
以上述べたように、本実施の形態においてはエッチングレートに選択比のある2種類の材料(二酸化シリコンと酸化マグネシウム)を用いて、選択的にエッチングを行うことによって、二酸化シリコン層806dと酸化マグネシウム層81とを1回ずつ形成するだけで3種類の光学膜厚を有する絶縁層を形成することができる。従って、固体撮像装置の工期を短縮できると共に製造コストを低減することができる。
[9] 性能評価
次に、上記第5の実施の形態に係るカラーフィルタの透過特性に関する評価結果を示す。なお、上記第6の実施の形態に係るカラーフィルタも同一の透過特性を示す。図10は、上記第5の実施の形態に係るカラーフィルタの透過特性を示すグラフである。図10に示されるように、カラーフィルタ406によれば入射光を精度良くRGBの各色に分離することができる。なお、評価結果は省くが第7及び第8の実施の形態に係るカラーフィルタによっても入射光を精度良くRGBの各色に分離することができる。
図11は、第5の実施の形態に係るカラーフィルタ406の二酸化シリコン層406d(以下、λ/4多層膜に挟まれた光学膜厚がλ/4出ない層を「スペーサ層」という。)の光学膜厚が設計値からずれた場合の透過特性を示すグラフであって、特に当該設計値からのずれが0nm及び±3nmの場合が示されている。
図11に示されるように、スペーサ層の光学膜厚が3nm変化すると透過光のピーク波長が10nm程度変化する。即ち、スペーサ層の光学膜厚が3nmずれただけでも、RGBの色分離の精度低下が甚だしく実用に耐えない。このため、スペーサ層の形成に際しては光学膜厚を高精度に制御しなければならない。
これに対して、本発明に係る製造方法によれば、スペーサ層を精度よく形成することができるので、スペーサ層の光学膜厚のばらつきに起因する波長選択特性の低下を抑えて、固体撮像装置の小型化に伴う感度低下や色むらを防止することができる。
また、従来は、受光素子等とカラーフィルタを別個に製造した後、これらを組み合わせて固体撮像装置としているが、本発明ではこれらを一連の半導体プロセスで製造するので、歩留まりを向上させると共に製造コストを低減することができる。
なお、スペーサ層の光学膜厚が適正であれば、カラーフィルタを構成する層数は7以上であっても7以下であっても良い。また、スペーサ層を挟んで一方の側に形成される膜数と他方の側に形成される膜数とは、一致していても一致していなくても良い。
また、カラーフィルタ406を構成する各層の材料が上記二酸化チタン、二酸化シリコン、酸化マグネシウムに限定されないのは言うまでもなく、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、一窒化珪素(SiN)、窒化珪素(Si3N4)、酸化アルミニウム(Al2O3)、弗化マグネシウム(MgF2)、酸化ハフニウム(HfO3)を用いても良い。
[10] 第9の実施の形態
次に、本発明の第9の実施の形態に係る固体撮像装置について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は前記第7の実施の形態に係る固体撮像装置と同様の構成を備える一方、カラーフィルタの製造方法に特徴を有している。
図12は本実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す図である。図12(a)に示されるように、絶縁層904上に二酸化チタン層906a、二酸化シリコン層906b、二酸化チタン層906c、二酸化シリコン層906d及び二酸化チタン層906eが高周波スパッタ装置を用いて順次積層される。二酸化チタン層906a、906c、二酸化シリコン層906b、906dはλ/4多層膜構造をなす。二酸化チタン層906eはスペーサ層である。
次に、図12(b)に示されるように、スペーサ層906e上にレジストパターン90を形成し、スペーサ層906eの赤色領域をエッチングする。
次に、図12(c)に示されるように、レジストパターン90を除去した後、レジストパターン91を形成し、スペーサ層906eの緑色領域をエッチングする。
次に、図12(d)に示されるように、スペーサ層906e上に二酸化シリコン層906f、二酸化チタン層906g、二酸化シリコン層906h及び二酸化チタン層906iを形成して、カラーフィルタが完成する。カラーフィルタの膜厚は青色領域で622nm、赤色領域で562nm、緑色領域で542nmである。
(1) 分光特性
次に、本実施の形態に係るカラーフィルタの分光特性について説明する。図13は本実施の形態に係るカラーフィルタの分光特性を示すグラフである。なお、当該分光特性は特性マトリックス法を用いて求めたものである。また、分光特性を求めるに当たって、二酸化チタン(高屈折率材料)の屈折率を2.5、二酸化シリコン(低屈折率材料)の屈折率を1.45とし、スペーサ層の光学膜厚と物理膜厚とのそれぞれを青色領域では200nmと80nm、赤色領域では50nmと20nm、緑色領域では0nmと0nmとした。緑色領域においてスペーサ層の物理膜厚が0nmであるとは、緑色領域には光学膜厚λ/2の二酸化シリコン層906d、906fがスペーサ層となっていると言い換えても良い。
図13に示されるように、スペーサ層の膜厚を調整することによってスペーサ層を透過する光の波長を変化させることができる。
なお、上記二酸化チタンに代えて窒化シリコンや五酸化タンタル、二酸化ジルコニウム等を高屈折率材料に用いても良い。また、二酸化シリコン以外の材料を低屈折率材料に用いても良い。
(2) 透過特性
次に、誘電体多層膜の透過特性について説明する。図14は、スペーサ層の有無に応じて異なる誘電体多層膜の透過特性を示すグラフである。なお、図14に示される透過特性はフレネル計数を用いたマトリックス法を用いて求めたものであり、ペア数を10、設定波長を550nmとし、垂直入射光のみを求めた。各グラフの縦軸は透過率を表わし、横軸は誘電体多層膜に入射する光の波長を表わす。
窒化シリコンと二酸化シリコンからなる誘電体多層膜全体がλ/4多層膜となっている場合には、図14(a)に示されるように、前記設定波長を中心とする波長帯の光を反射する。なお、多層膜を構成する材料の屈折率差が大きいほど反射帯域幅が大きくなる。
一方、光学膜厚がλ/4とは異なるスペーサ層の上下にλ/4多層膜がスペーサ層について対称となるように誘電体多層膜を形成した場合には、図14(b)に示すように、λ/4多層膜の反射帯域のうち設定波長付近の光のみを透過させるカラーフィルタを得ることができる。なお、スペーサ層の膜厚を変化させれば透過ピーク波長を変化させることができる。
本実施の形態においてはかかる特性に着目して、誘電体多層膜をカラーフィルタに用いるので、カラーフィルタの厚みを入射光の波長程度(500nm程度)とすることができる。従って、固体撮像装置を小型化することができると共に、斜め光による混色を効果的に防止することができる。
また、本実施の形態によれば、受光素子等と共に一連の半導体プロセスでカラーフィルタを形成することができるので、固体撮像装置の品質を安定させることができると共にその製造コストを低減することができる。
[11] 第10の実施の形態
次に、本発明の第10の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置も上記実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、カラーフィルタを構成するスペーサ層の構造において相違している。すなわち、上記実施の形態においては専らスペーサ層の膜厚を変化させることによってカラーフィルタを透過する光の波長を決定したが、本実施の形態においてはスペーサ層の膜厚を変化させることなくスペーサ層を2種類の材料を用いて構成することによって透過波長を決定する。すなわち、本実施の形態においては、屈折率の異なる2つの材料を基板の主面に沿って交互に配置することによって透過波長が調整される。
図15は本実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す図である。先ず、図15(a)に示されるように、絶縁層1004上に二酸化チタン層1006a、二酸化シリコン層1006b、二酸化チタン層1006c、二酸化シリコン層1006d及び二酸化チタン層1006eを形成する。当該二酸化チタン層1006eがスペーサ層である。
次に、図15(b)に示されるように、二酸化チタン層1006e上にレジストパターン1000を形成する。
次に、レジストパターン1000を用いて二酸化チタン層1006eをエッチングする。これによって、二酸化チタン層1006eの赤色領域に二酸化チタン層1006eの主面に沿って並行する複数の貫通孔又は溝が刻まれる。当該赤色領域におけるエッチング領域(溝部)と非エッチング領域とを平面視した際の面積比は4:1となっている。従って、二酸化チタン層1006eの赤色領域における屈折率は次式で与えられる。
((二酸化シリコンの屈折率)×4/5)+((二酸化チタンの屈折率)×1/5)
また、二酸化チタン層1006eの緑色領域はエッチングによって完全に除去される。
次に、二酸化チタン層1006e上及び二酸化チタン層が除去されて露出した二酸化シリコン層1006d上に二酸化シリコン層1006f、二酸化チタン層1006g、二酸化シリコン層1006h及び二酸化チタン層1006iが順次形成されてカラーフィルタが完成する。
かかる構成によれば、固体撮像装置を製造するために必要な工数を削減することができるので、工期を短縮することができ、製造コストを低減することができる。
[12] 第11の実施の形態
次に、本発明の第11の実施の形態に係る固体撮像装置について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は上記実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、カラーフィルタに入射した光を受光素子に集光する点において相違している。
図16は本実施の形態に係るカラーフィルタの製造工程を示す図である。先ず、図16(a)に示されるように、絶縁層1104上に二酸化チタン層1106a、二酸化シリコン層1106b、二酸化チタン層1106c、二酸化シリコン層1106d及び二酸化チタン層1106eを形成する。二酸化チタン層1106eはスペーサ層である。
次に、図16(b)に示すように、二酸化チタン層1106e上にレジストパターン1100を形成した後、二酸化チタン層1106eの赤色領域をエッチングする。
次に、図16(c)に示すように、二酸化チタン層1106e上にレジストパターン1101を形成した後、二酸化チタン層1106eの緑色領域をエッチングする。
次に、図16(d)に示されるように、二酸化チタン層1106eの青色、赤色、緑色の各領域の中央部分にレジストパターン1102を形成する。
次に、図16(e)に示されるようにフォトリソ工程及びドライエッチング工程を用いて二酸化チタン層1106eの各色領域の周辺部をテーパー状にする。
最後に、レジストパターン1102を除去した後、二酸化シリコン層1106f、二酸化チタン層1106g、二酸化シリコン層1106h及び二酸化チタン層1106iを形成して固体撮像装置が完成する。なお、上述のように二酸化チタン層1106eの周辺部がテーパー状となっているため、二酸化シリコン層1106f、二酸化チタン層1106g、二酸化シリコン層1106h及び二酸化チタン層1106iの周辺部もテーパー状となる。
このように周辺部をテーパー状とすれば、各色領域の周辺部に入射した光が各々の中央部に集光される。従って、斜め光に起因する混色をより確実に防止することができる。また、入射光を集光するマイクロレンズの機能を一部補うことができるので、その分マイクロレンズの厚みを薄くして固体撮像装置の小型化を図ることができる。
なお、次のような製造方法を用いても各色領域の周辺部をテーパー状にして同様の効果を得ることができる。図17は各色領域の周辺部をテーパー状とするカラーフィルタの製造方法を示す図である。図17(a)から(c)までは図16(a)から(c)までと同様である。その後、図17(d)に示されるように、各色領域の周辺部をテーパー状としたレジストパターン1203を形成する。図17(e)、(f)は図16(e)、(f)と同様である。このような製造方法によっても上記と同様のカラーフィルタを得ることができる。
また、言うまでもなく、本実施の形態に係る製造方法によれば上記実施の形態に係る製造方法と同様に固体撮像装置を小型化することができると共に、その歩留まりを向上させ、製造コストを削減することができる。
[13] 第12の実施の形態
次に、本発明の第12の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は上記実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、カラーフィルタを構成するスペーサ層の形状において相違している。すなわち、上記実施の形態においては透過させる色毎に同一の膜厚のスペーサ層を用いるとしたが、本実施の形態においてはひとつの色領域中でスペーサ層の膜厚を変化させることを特徴としており、これによって透過させる光の帯域幅を拡大させることができる。
図18は本実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す図である。本実施の形態においては、図18(b)に示されるように、レジストパターン1301を形成して二酸化チタン層1306eの青色領域の一部をエッチングする工程を追加することによって二酸化チタン層1306eの青色領域における膜厚を2段階に変化させている。このようにすれば、カラーフィルタを透過させる青色光の帯域幅を拡大して透過特性の向上を図ることができる。
なお、スペーサ層の膜厚の変化が2段階に限定されず、また、青色領域に限定されないのは言うまでもなく、3以上の多段階でスペーサ層の膜厚を変化させるとしても良いし、赤色領域や緑色領域で膜厚を変化させるとしても良い。
また、高屈折材料として窒化シリコン、五酸化タンタルや二酸化ジルコニウム等を用いても良く、低屈折材料として二酸化シリコン以外の材料を用いても良い。
本実施の形態によっても、カラーフィルタの厚みを入射光の波長程度に抑えて斜め光による混色を防止することができると共に固体撮像装置を小型化することができる。また、固体撮像装置の歩留まりを向上させ製造コストを低減することができる。
[14] 第13の実施の形態
次に、本発明の第13の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は上記実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、スペーサ層の膜厚が連続的に変化する点において相違する。
図19は本実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す図である。先ず、図19(a)に示されるように、絶縁層1404上に二酸化チタン層1406a、二酸化シリコン層1406b、二酸化チタン層1406c、二酸化シリコン層1406d及び二酸化チタン層1406eを順次形成する。
次に、図19(b)に示されるように、フォトリソ工程を用いて青色領域から赤色領域を経て緑色領域へと至るテーパー上のレジストパターン1401を形成する。この場合において、フォトリソ工程用のフォトマスクには、露光時の光の透過特性を徐々に変化させるために、マスク上に形成するクロム(Cr)膜の透過率をテーパー形状に合わせて連続的に変化させている。
次に、図19(c)に示されるようにドライエッチングによって二酸化チタン層1406eがレジストパターン1401に応じたテーパーを有する形状とされる。
最後に、図19(d)に示されるように、二酸化チタン層1406e上に二酸化シリコン層1406f、二酸化チタン層1406g、二酸化シリコン層1406h及び二酸化チタン層1406iを順次形成して、カラーフィルタが完成する。
これにより、さらに透過帯域特性を向上させることができる。
[15] 第14の実施の形態
次に、本発明の第14の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は上記実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、カラーフィルタからの反射光を吸収する吸収体を備える点で相違している。
図20は本実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す図である。図20(a)から(c)までは上記実施の形態と同様である。
図20(d)に示されるように、本実施の形態に係るカラーフィルタは二酸化チタン層1506i上に光色毎の吸収体1507b、1507r及び1507gを備えている。吸収体としては、例えば、顔料タイプ若しくは染料タイプのカラーフィルタを用いると良い。
上述のように誘電体多層膜からなるカラーフィルタは透過させたい波長以外の光はすべて反射する。この反射光が、例えば、固体撮像装置の表面で多重反射するなどして、他の受光素子に誤入射するおそれがある。このような問題に対して、本実施の形態のようにカラーフィルタ上に吸収体を設ければ、かかる反射光によるノイズの発生を抑えることができる。
[16] 変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 上実施の形態においては、専らカラーフィルタの最上層の材料として高屈折率材料(二酸化チタン)を用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、カラーフィルタの最上層の材料として低屈折率材料を用いても良い。
図21は、最上層の材料として低屈折率材料を用いたカラーフィルタの製造方法を示す図である。先ず、図21(a)に示されるように、絶縁層1604上に二酸化チタン層1606a、二酸化シリコン層1606b、二酸化チタン層1606c及び二酸化シリコン層1606dを形成する。
次に、図21(b)、(c)に示されるように、エッチング工程を用いてスペーサ層である二酸化シリコン層1606dの膜厚を調整する。最後に、図21(d)に示されるように、二酸化シリコン層1606d上並びに二酸化チタン層1606cの緑色領域上に二酸化チタン層1606e、二酸化シリコン層1606f、二酸化チタン層1606g及び二酸化シリコン層1606hを形成する。
図22は、本変形例に係るカラーフィルタの透過特性を示すグラフである。図22と図10とを比較すれば、青色光と赤色光との透過率の最大値がほぼ100%となっており、緑色光についても透過率の最大値が100%近くにまで改善されていることが分かる。
このようにすれば、高屈折率材料を用いる場合と比較してカラーフィルタの最上層に入射する光が反射されにくいので、更に効率よく撮像することができる。また、スペーサ層が低屈折率材料からなっている方が高屈折率材料からなる場合よりも分光感度が良いことが分かる。
(2) 上記実施の形態においては特に言及しなかったが、カラーフィルタの絶縁層側やマイクロレンズ側、或いはカラーフィルタを構成する誘電体層の間に保護層を形成するとしても良い。かかる位置に保護層(例えば、窒化シリコン層)を形成すれば、固体撮像装置の信頼性や耐湿性を向上させることができる。図23は本変形例に係るカラーフィルタを示す断面図である。図23に示されるように、絶縁層1704上に保護層1705、カラーフィルタ1706が順次形成されている。ここで、保護層1705は窒化シリコン層である。
図24は本変形例に係るカラーフィルタの透過特性を示すグラフである。図24に示されるように、保護層1705を追加しても透過特性は特に劣化しないことが分かる。
このように保護層を追加すれば固体撮像装置の信頼性や耐湿性を向上させることができる。
(3) 上記実施の形態においては専らカラーフィルタのマイクロレンズ側がスペーサ層の形状に合わせた形状となっている場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしても良い。
図25は本変形例に係るカラーフィルタの形状を示す図である。図25に示されるように、本変形例に係るカラーフィルタ1806は絶縁層1804上に二酸化チタン層と二酸化シリコン層とを交互に積層した構造となっている。カラーフィルタのマイクロレンズ側にはカラーフィルタの凹凸に合わせて厚みを変化させた二酸化シリコン層1806gが形成されており、当該二酸化シリコン層1806gのマイクロレンズ側は平坦になっている。
図26はカラーフィルタ1806の透過特性を示すグラフである。図26に示されるように、カラーフィルタ1806は二酸化シリコン層1806gの形状に関わらず優れた透過特性を有することが分かる。
このようにすれば、カラーフィルタ上にマイクロレンズを容易に配設することができるので、固体撮像装置の歩留まりを向上させ、また、製造コストを低減することができる。また、色毎に焦点距離の異なるマイクロレンズを用いなくても良い。
(4) 上記実施の形態においては専ら絶縁層上にカラーフィルタを形成する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしても良い。
すなわち、受光素子に接するようにしてカラーフィルタを形成するとしても良い。図27は本変形例に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。
図27に示されるように、本変形例に係る固体撮像装置はN半導体基板1901、P型半導体層1902、受光素子1903、カラーフィルタ1906、絶縁層1904、遮光膜1905及びマイクロレンズ1907を備えている。図28は、カラーフィルタ1906の透過特性を示すグラフである。図28に示されるように、本変形例に係る構成によってもカラーフィルタ1906の透過特性は特に劣化しないことが分かる。
このような構成によれば、カラーフィルタと受光素子とが隣接しているので、更に確実に斜め光による混色を防止することができる。
なお、半導体表面からカラーフィルタの高屈折率層までの距離は1nm以上で、かつ、カラーフィルタが透過させる光の一波長以下であれば良い。半導体表面からカラーフィルタの高屈折率層までの間にはカラーフィルタの低屈折率層が介在するとしても良いし、バッファ層が介在するとしても良い。例えば、カラーフィルタの高屈折率層を二酸化チタン層とし低屈折率層を二酸化シリコン層とすれば、二酸化チタン層から受光素子(半導体表面)までの距離が上記の範囲にあれば良い。言い換えると、受光素子に接する二酸化シリコン層の光学膜厚が上記の範囲にあれば良い。
(5) 上記実施の形態において説明したように、二酸化チタン層と二酸化シリコン層を交互に積層してなるカラーフィルタでは二酸化チタン層と二酸化シリコン層との何れをスペーサ層としてもカラーフィルタを得ることができる。
しかしながら、透過率の観点からすれば、二酸化シリコン層をスペーサ層とするのが望ましい。図29は二酸化チタン層をスペーサ層とした場合の透過特性を表わすグラフである。図29に示されるように、二酸化チタン層をスペーサ層とした場合には青色、緑色、赤色の何れも最大透過率が90%に満たない。
これに対して二酸化シリコン層をスペーサ層とした場合には、例えば前記図10に示されるように何れの光色についても95%以上となっている。従って、二酸化シリコン層と二酸化チタン層とを交互に積層してなるカラーフィルタでは二酸化シリコン層をスペーサ層とするのが望ましい。
なお、スペーサ層の光学膜厚は透過させるべき光の波長以下で、かつ、1nm以上であると好適である。この範囲であればシリコン基板との反射率が低減されるとともに、シリコン基板と二酸化チタン層とのバッファ層としての効果もある。
(6) 上記実施の形態においては、カラーフィルタはベイヤ配列されるとのみ述べたが、具体的には次のように配列するのが望ましい。
図30は本変形例に係るカラーフィルタの配列であってベイヤ配列の最小単位(4画素)を示す図である。この最小単位に従って各画素が繰り返し配列される。図30に示されるように、ベイヤ配列の最小単位となる4画素のうち2画素を青色光を検出する画素とし、残る2画素を赤色光と緑色光とを検出する画素とする。
カラーフィルタの透過特性上、青色光は半値幅が赤色光や緑色光と比較して小さいので、上記配列を採ることにより青色光を検出する帯域幅を拡大して、固体撮像装置の感度を改善することができる。
(7) 上記第10の実施の形態においては、二酸化チタン層の赤色領域に溝を設け、この溝を二酸化シリコンで埋める場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしても良い。例えば、溝に代えて二酸化チタン層に穴を空け、この穴を二酸化シリコンで埋めるとしても良い。この場合も、当該領域の屈折率は上記第10の実施の形態にて示した式で与えられる。また、溝を同心円状に設けるとしても良い。
[1] 第1の実施の形態
図2は、本実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す平面図である。図2に示されるように、本実施の形態に係る固体撮像装置2は受光手段となる単位画素(網掛け部分)が2次元状に配列されており、各行が垂直シフトレジスタにより選択され、その行信号が水平シフトレジスタにより選択されて画素毎のカラー信号が出力アンプ(図示省略)から出力される。駆動回路は垂直シフトレジスタ、水平シフトレジスタ、出力アンプを動作させる。
図3は、本実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す断面図であって、3つの隣り合う画素の断面が示されている。図3に示されるように、固体撮像装置2はN型半導体基板201、P型半導体層202、受光素子203R〜203B、絶縁層204、206、カラーフィルタ205R〜205B、遮光膜207、マイクロレンズ208を備えている。
N型半導体層201上にP型半導体層202が形成されている。受光素子203R等はP型半導体層202にN型不純物がイオン注入されてなるフォトダイオード(光電変換素子)であって、光透過性の絶縁層204に接している。受光素子203R等はP型半導体層202の一部を素子分離領域として分離されている。絶縁層204上にはカラーフィルタ205R〜205Bが形成されている。
カラーフィルタ205R〜205BはそれぞれR、G、Bの各原色光のみを透過させるフィルタであって、無機材料からなる微粒子顔料タイプのカラーフィルタである。カラーフィルタはベイヤ配列又は補色配列に従って配列される。
カラーフィルタ205R〜205B上には光透過性の絶縁層206が形成され、絶縁層206上にはマイクロレンズ208が配設されている。マイクロレンズ208は受光素子ごとにひとつずつ配設されており、マイクロレンズどうしは遮光膜207で区画されている。遮光膜207に入射した光は反射される。一方、マイクロレンズ208に入射した光は受光素子203R等、対応する受光素子上に集光される。
このようにすれば、従来技術と較べて、カラーフィルタと受光素子との距離を小さくすることができるので、受光素子に斜め光が入射し難くすることができる。例えば、受光素子203R等の幅が3μmならば、従来と比較して混色を約80%削減することができる。また、固体撮像装置2は半導体プロセスのみによって製造することができるので、容易かつ低コストで製造することができる。
[2] 第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は前記第1の実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、カラーフィルタがフォトニック結晶からなっている点において相違する。
フォトニック結晶は、例えば半導体と空気との組み合わせといった、誘電率又は屈折率の異なる物質の組が光の波長の長さ毎に交互に配列されてなる微細構造物である。フォトニック結晶は特定波長の光のみを透過させるフィルタ機能を有すると共に、入射した光の方向を特定の方向に導く性質を備えている。下記の文献には特定のバンド幅の波長の光を通さない、いわゆるフォトニックバンドギャップを有するフォトニック結晶が紹介されている。
野田進、森本茂雄、「面内ヘテロ・フォトニック結晶による光ナノデバイスの実現」科学技術振興事業団報第323号。
このようにカラーフィルタとしてフォトニック結晶を用いれば、各原色光を選択的に透過させるのに加えて、入射した光が受光素子へ向かうように、光の進行方向を整えることができるので、更に混色を防止することができる。
[3] 第3の実施の形態
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は前記第2の実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、遮光膜の形成位置において相違している。
図4は、本実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。図4に示されるように、固体撮像装置3はN型半導体基板301、P型半導体層302、受光素子303R〜303B、絶縁層304、307、遮光膜305、カラーフィルタ306R〜306B、マイクロレンズ308を備えている。
固体撮像装置3はN型半導体層301からP型半導体層302、受光素子303R等、光透過性の絶縁層304、遮光膜305、カラーフィルタ306R等、絶縁層307及びマイクロレンズ308の順に積層されている。カラーフィルタ306R等は上記第3の実施の形態に係るカラーフィルタと同様にフォトニック結晶からなっている。
このように、カラーフィルタ306R等の受光素子側に遮光膜を配設すれば、カラーフィルタ306R等によって進行方向を変えられた光が本来入射すべき受光素子以外の受光素子に入射するのを防止することができる。例えば、カラーフィルタ306Gの辺縁に入射した斜め光であって、遮光膜305がなければ受光素子303Bに入射したかもしれない斜め光があるような場合には、かかる斜め光による混色を本実施の形態によって防止することができる。
[4] 第4の実施の形態
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は上記第2の実施の形態に係る固体撮像装置と同様にカラーフィルタの構成に特徴を有している。
本実施の形態に係るカラーフィルタは酸化シリコン層(SiO2)等の低屈折率を有する材料と窒化シリコン層(Si3N4)等の高屈折率を有する材料とが交互に積層された誘電体多層膜となっている。言うまでもなく、固体撮像装置の積層方向と誘電体多層膜の積層方向とは一致する。また、誘電体多層膜を構成する各層は一層を除いて何れも略同一の光学膜厚を有する。光学膜厚とはその層の材料の屈折率nにその層の膜厚dを乗じた値ndをいう。
このようにすれば、カラーフィルタの厚みを低減することができるので、受光素子と遮光膜との距離を小さくすることができる。したがって、本実施の形態によれば斜め光による混色の防止を更に確かなものとすることができる。
また、マイクロレンズの集光率を向上させるためには集光角度を大きくする必要があるが、このような場合でも混色を防止することができるので、同時に固体撮像装置の感度を高めることができる。
[5] 第5の実施の形態
次に、本発明に係る固体撮像装置の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は上記第4の実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、誘電体多層膜の構成において相違している。
図5は、本実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。図5に示されるように、固体撮像装置4はN型半導体基板401、P型半導体層402、受光素子403R〜403B、絶縁層404、遮光膜405、カラーフィルタ406及びマイクロレンズ407を備えている。
固体撮像措置4はN型半導体層401上に順にP型半導体層402、受光素子403R等、光透過性の絶縁層404、遮光膜405、カラーフィルタ406及びマイクロレンズ407が積層されて成っている。
本実施の形態に係るカラーフィルタ406の特徴は二酸化チタン層(TiO2)406a、406c、406e、406gと二酸化シリコン層(SiO2)406b、406d、406fとが交互に積層された誘電体多層膜となっている点である。
図6は、カラーフィルタ406の製造工程を示す図である。尚、カラーフィルタ406の製造工程に関与しない遮光膜405や受光素子403R等は図示を省略されている。先ず、図6(a)に示されるように、絶縁層404上に二酸化チタン層406a、二酸化シリコン層406b、二酸化チタン層406c、二酸化シリコン層406dを順次形成する。これらの層は高周波(RF)スパッタ装置を用いて形成される。
本実施の形態においては、カラーフィルタ406はλ/4多層膜構造を備えており、設定中心波長λは530nmである。二酸化チタン層406a、406c、二酸化シリコン層406bの光学膜厚はλ/4=132.5nmである。また、二酸化シリコン層406dの光学膜厚は150nmである。
次に、図6(b)に示されるように、二酸化シリコン層406d上の青色領域にレジスト50を形成する。すなわち、二酸化シリコン層406d上にレジストを塗布し、熱処理(プリベーク)し、ステッパ等の露光装置を用いて露光し、有機溶剤等でレジスト現像した後、再び熱処理(ポストベーク)することによってレジスト50が形成される。レジスト50の厚みは1μmである。なお、青色領域とは受光素子403Bにて青色光を検出するためのカラーフィルタが形成されるべき領域である。
次に、二酸化シリコン層406dのレジスト50に覆われていない部分をエッチングプロセスによって除去する。すなわち、CF系のガスを用いてドライエッチングを行う。エッチング条件はエッチングガスCF4、ガス流量40sccm、RFパワー200W、真空度0.050Torrである。
尚、二酸化シリコンと二酸化チタンとのフッ化水素酸に対する選択比が大きいので、フッ化水素酸等を用いたウェットエッチングプロセスを用いても良い。この場合には、フッ化水素酸とフッ化アンモニウム溶液とを1対4の割合で混合したフッ化水素酸に5秒間浸してエッチングすれば、図6(b)の状態に加工される。
次に、図6(c)に示されるように、有機溶剤等を用いてレジスト50を除去したのち、高周波スパッタ装置を用いて二酸化シリコン層を形成する。新たに形成する二酸化シリコン層の光学膜厚は45nmである。従って、青色領域における二酸化シリコン層406dの厚みは195nmとなり、青色領域以外では45nmとなる。
次に、図6(d)に示されるように、二酸化シリコン層406dの青色及び赤色領域上にレジスト51を形成し、エッチングプロセスを用いて二酸化シリコン層406dの他の部分を除去する。その後、レジスト51を除去する。ここで、赤色領域とは受光素子403Rにて赤色光を検出するためのカラーフィルタが形成されるべき領域である。
次に、図6(e)に示されるように、高周波スパッタ装置を用いて、青色、赤色、緑色の全領域上に二酸化チタン層406e、二酸化シリコン層406f及び二酸化チタン層406gを順次形成する。二酸化チタン層406e、406g及び二酸化シリコン層406fの光学膜厚はλ/4である。
このようにすれば、本実施の形態に係るカラーフィルタ406を製造することができる。また、上記の製造方法によれば、層毎の膜厚のばらつきを±2%以内に収めることができるので、カラーフィルタ406による色分離の精度を向上させることができる。
[6] 第6の実施の形態
次に、本発明に係る固体撮像装置の第6の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は前記第5の実施の形態に係る固体撮像装置と同様の構成を備える一方、カラーフィルタの製造方法において相違している。以下、カラーフィルタの製造方法に着目して本実施の形態を説明する。
図7は、本実施の形態に係るカラーフィルタの製造工程を示す図である。図7でも図6と同様に遮光膜等の画示が省略されている。
先ず、図7(a)に示されるように、絶縁層604上に二酸化チタン層606a、二酸化シリコン層606b、二酸化チタン層606cを順次形成しλ/4多層膜構造とする。更に、上記第5の実施の形態と同様にして、二酸化チタン層606cの赤色及び緑色領域上に2.5μm厚のレジスト60を形成する。
次に、図7(b)に示されるように、高周波スパッタ装置を用いて青色、赤色、緑色の全ての領域上に二酸化シリコン層606dを形成する。二酸化シリコン層606dの光学膜厚は195nmである。
次に、図7(c)に示されるように、有機溶剤等でレジスト60を除去する。これによってレジスト60上に形成された二酸化シリコン層、即ち赤色及び緑色領域上に形成された部分が除去され(リフトオフ法)、青色領域上の二酸化シリコン層606dが残される。
次に、図7(d)に示されるように、青色及び緑色領域にレジスト61が形成される。
次に、図7(e)に示されるように、青色、赤色及び緑色の全ての領域上に二酸化シリコン層が形成される。新たに形成される二酸化シリコン層の光学膜厚は45nmである。
次に、図7(f)に示されるように、レジスト61を除去することによってレジスト61上の二酸化シリコン層、即ち青色及び緑色領域上に形成された部分が除去され、赤色領域上の二酸化シリコン層が残される。
最後に、図7(g)に示されるように、全ての領域上に二酸化チタン層606e、二酸化シリコン層606f、二酸化チタン層606gが順次形成される。
以上述べたように、本実施の形態に係る製造方法を用いても、上記第5の実施の形態に係る固体撮像装置を製造することができる。また、上記第5の実施の形態にて説明した製造方法と同様に、層毎の膜厚のばらつきを±2%以内に抑えて、精度良く固体撮像装置を製造することができる。
[7] 第7の実施の形態
次に、本発明の第7の実施の形態に係る固体撮像装置について説明する。上記第6の実施の形態と同様に本実施の形態もカラーフィルタの製造方法を特徴としており、製造される固体撮像装置は上記第5の実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様である。一方、本実施の形態に係る固体撮像装置は上記第5の実施の形態に係る固体撮像装置と赤色領域と青色領域との間で異なった光学膜厚を有する二酸化シリコン層が緑色領域にまで光学膜厚を変えながら延長されている点で相違している。
図8は、本実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す図である。先ず、図8(a)に示されるように、絶縁層704上に二酸化チタン層706a、二酸化シリコン層706b、二酸化チタン層706c、二酸化シリコン層706dを順次形成する。二酸化チタン層706a、706c、二酸化シリコン層706bの光学膜厚はλ/4、二酸化シリコン層706dの光学膜厚は195nmである。
次に、図8(b)に示されるように、二酸化チタン層706dの緑色及び青色領域上にレジスト70を形成し、エッチングプロセスを用いて二酸化シリコン層706dの赤色領域部分を除去する。この場合において、CF系のガスを用いてドライエッチングを行うとしても良いし、フッ化水素酸を用いてウェットエッチングを行うとしても良い。
次に、図8(c)に示されるように、有機溶剤等を用いてレジスト70を除去し、二酸化チタン層706dの青色領域上にレジスト71を形成する。
次に、図8(d)に示されるように、高周波スパッタ装置を用いて全ての領域上に光学膜厚55nmの二酸化チタン層を形成する。
次に、図8(e)に示されるように、有機溶剤等でレジスト71を除去すると、レジスト71上の二酸化チタン層も除去される(リフトオフ法)。これによって、二酸化チタン層706dの緑色領域の光学膜厚が250nm、青色領域の光学膜厚が195nm、赤色領域の光学膜厚が55nmとなる。
次に、二酸化チタン層706d上に、二酸化シリコン層706e、二酸化チタン層706f及び二酸化シリコン層706gが順次形成されて、本実施の形態に係るカラーフィルタが完成する。
本実施の形態に係るカラーフィルタのように、二酸化チタン層706dの厚みが3種類に変化する場合は、3種類を個別に形成するのが一般的である。これに対して、本実施の形態に係る製造方法では、エッチング法とリフトオフ法とを用いて、2回の成膜で3種類の光学膜厚(195nm、55nm、250nm)のに酸化チタン層を形成できるので、工期(TAT:turnaround time)を短縮できると共に、製造コストを低減することができる。
[8] 第8の実施の形態
次に、本発明の第8の実施の形態に係る固体撮像装置について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は前記第5の実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、カラーフィルタの構成において相違している。
すなわち、前記第5の実施の形態に係る固体撮像装置のカラーフィルタは二酸化シリコン層と二酸化チタン層とを交互に積層した構成となっているのに対して、本実施の形態に係る固体撮像装置のカラーフィルタは透過させる光の波長に応じて酸化マグネシウム層が加わえられている。以下、カラーフィルタの製造方法に着目して本実施の形態を説明する。
図9は本実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す図である。先ず、図9(a)に示されるように、絶縁層804上に二酸化チタン層806a、二酸化シリコン層806b、二酸化チタン層806c、二酸化シリコン層806dを順次形成する。二酸化チタン層806a、806c、二酸化シリコン層806bの光学膜厚はλ/4、二酸化シリコン層806dの光学膜厚は195nmである。
次に、図9(b)に示されるように、二酸化シリコン層806d上にレジスト80を形成し、レジスト80の赤色領域を除去する。そして、エッチングプロセスを用いて二酸化シリコン層806dの赤色領域を除去する。
次に、図9(c)に示されるように、高周波スパッタ装置を用いて全ての領域に光学膜厚55nmの酸化マグネシウム(MgO)層81を形成する。
次に、図9(d)に示されるように、緑色及び赤色領域にレジスト82を形成し、酸化マグネシウム層81の青色領域部分を除去する。酸化マグネシウム層も、二酸化シリコン層706dと同様に、CF系のガスを用いたドライエッチングや、フッ化水素酸を用いてウェットエッチングによって除去することができる。
その後、図9(e)に示されるようにレジスト82を除去し、図9(f)に示されるように、二酸化チタン層806e、二酸化シリコン層806f、二酸化チタン層806gを順次形成する。
このようにすれば、二酸化シリコン層806dと酸化マグネシウム層81とを合わせた光学膜厚が緑色領域で250nm、青色領域で195nm、赤色領域で55nmとなり、必要なフィルタ特性を実現することができる。
以上述べたように、本実施の形態においてはエッチングレートに選択比のある2種類の材料(二酸化シリコンと酸化マグネシウム)を用いて、選択的にエッチングを行うことによって、二酸化シリコン層806dと酸化マグネシウム層81とを1回ずつ形成するだけで3種類の光学膜厚を有する絶縁層を形成することができる。従って、固体撮像装置の工期を短縮できると共に製造コストを低減することができる。
[9] 性能評価
次に、上記第5の実施の形態に係るカラーフィルタの透過特性に関する評価結果を示す。なお、上記第6の実施の形態に係るカラーフィルタも同一の透過特性を示す。図10は、上記第5の実施の形態に係るカラーフィルタの透過特性を示すグラフである。図10に示されるように、カラーフィルタ406によれば入射光を精度良くRGBの各色に分離することができる。なお、評価結果は省くが第7及び第8の実施の形態に係るカラーフィルタによっても入射光を精度良くRGBの各色に分離することができる。
図11は、第5の実施の形態に係るカラーフィルタ406の二酸化シリコン層406d(以下、λ/4多層膜に挟まれた光学膜厚がλ/4出ない層を「スペーサ層」という。)の光学膜厚が設計値からずれた場合の透過特性を示すグラフであって、特に当該設計値からのずれが0nm及び±3nmの場合が示されている。
図11に示されるように、スペーサ層の光学膜厚が3nm変化すると透過光のピーク波長が10nm程度変化する。即ち、スペーサ層の光学膜厚が3nmずれただけでも、RGBの色分離の精度低下が甚だしく実用に耐えない。このため、スペーサ層の形成に際しては光学膜厚を高精度に制御しなければならない。
これに対して、本発明に係る製造方法によれば、スペーサ層を精度よく形成することができるので、スペーサ層の光学膜厚のばらつきに起因する波長選択特性の低下を抑えて、固体撮像装置の小型化に伴う感度低下や色むらを防止することができる。
また、従来は、受光素子等とカラーフィルタを別個に製造した後、これらを組み合わせて固体撮像装置としているが、本発明ではこれらを一連の半導体プロセスで製造するので、歩留まりを向上させると共に製造コストを低減することができる。
なお、スペーサ層の光学膜厚が適正であれば、カラーフィルタを構成する層数は7以上であっても7以下であっても良い。また、スペーサ層を挟んで一方の側に形成される膜数と他方の側に形成される膜数とは、一致していても一致していなくても良い。
また、カラーフィルタ406を構成する各層の材料が上記二酸化チタン、二酸化シリコン、酸化マグネシウムに限定されないのは言うまでもなく、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、一窒化珪素(SiN)、窒化珪素(Si3N4)、酸化アルミニウム(Al2O3)、弗化マグネシウム(MgF2)、酸化ハフニウム(HfO3)を用いても良い。
[10] 第9の実施の形態
次に、本発明の第9の実施の形態に係る固体撮像装置について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は前記第7の実施の形態に係る固体撮像装置と同様の構成を備える一方、カラーフィルタの製造方法に特徴を有している。
図12は本実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す図である。図12(a)に示されるように、絶縁層904上に二酸化チタン層906a、二酸化シリコン層906b、二酸化チタン層906c、二酸化シリコン層906d及び二酸化チタン層906eが高周波スパッタ装置を用いて順次積層される。二酸化チタン層906a、906c、二酸化シリコン層906b、906dはλ/4多層膜構造をなす。二酸化チタン層906eはスペーサ層である。
次に、図12(b)に示されるように、スペーサ層906e上にレジストパターン90を形成し、スペーサ層906eの赤色領域をエッチングする。
次に、図12(c)に示されるように、レジストパターン90を除去した後、レジストパターン91を形成し、スペーサ層906eの緑色領域をエッチングする。
次に、図12(d)に示されるように、スペーサ層906e上に二酸化シリコン層906f、二酸化チタン層906g、二酸化シリコン層906h及び二酸化チタン層906iを形成して、カラーフィルタが完成する。カラーフィルタの膜厚は青色領域で622nm、赤色領域で562nm、緑色領域で542nmである。
(1) 分光特性
次に、本実施の形態に係るカラーフィルタの分光特性について説明する。図13は本実施の形態に係るカラーフィルタの分光特性を示すグラフである。なお、当該分光特性は特性マトリックス法を用いて求めたものである。また、分光特性を求めるに当たって、二酸化チタン(高屈折率材料)の屈折率を2.5、二酸化シリコン(低屈折率材料)の屈折率を1.45とし、スペーサ層の光学膜厚と物理膜厚とのそれぞれを青色領域では200nmと80nm、赤色領域では50nmと20nm、緑色領域では0nmと0nmとした。緑色領域においてスペーサ層の物理膜厚が0nmであるとは、緑色領域には光学膜厚λ/2の二酸化シリコン層906d、906fがスペーサ層となっていると言い換えても良い。
図13に示されるように、スペーサ層の膜厚を調整することによってスペーサ層を透過する光の波長を変化させることができる。
なお、上記二酸化チタンに代えて窒化シリコンや五酸化タンタル、二酸化ジルコニウム等を高屈折率材料に用いても良い。また、二酸化シリコン以外の材料を低屈折率材料に用いても良い。
(2) 透過特性
次に、誘電体多層膜の透過特性について説明する。図14は、スペーサ層の有無に応じて異なる誘電体多層膜の透過特性を示すグラフである。なお、図14に示される透過特性はフレネル計数を用いたマトリックス法を用いて求めたものであり、ペア数を10、設定波長を550nmとし、垂直入射光のみを求めた。各グラフの縦軸は透過率を表わし、横軸は誘電体多層膜に入射する光の波長を表わす。
窒化シリコンと二酸化シリコンからなる誘電体多層膜全体がλ/4多層膜となっている場合には、図14(a)に示されるように、前記設定波長を中心とする波長帯の光を反射する。なお、多層膜を構成する材料の屈折率差が大きいほど反射帯域幅が大きくなる。
一方、光学膜厚がλ/4とは異なるスペーサ層の上下にλ/4多層膜がスペーサ層について対称となるように誘電体多層膜を形成した場合には、図14(b)に示すように、λ/4多層膜の反射帯域のうち設定波長付近の光のみを透過させるカラーフィルタを得ることができる。なお、スペーサ層の膜厚を変化させれば透過ピーク波長を変化させることができる。
本実施の形態においてはかかる特性に着目して、誘電体多層膜をカラーフィルタに用いるので、カラーフィルタの厚みを入射光の波長程度(500nm程度)とすることができる。従って、固体撮像装置を小型化することができると共に、斜め光による混色を効果的に防止することができる。
また、本実施の形態によれば、受光素子等と共に一連の半導体プロセスでカラーフィルタを形成することができるので、固体撮像装置の品質を安定させることができると共にその製造コストを低減することができる。
[11] 第10の実施の形態
次に、本発明の第10の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置も上記実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、カラーフィルタを構成するスペーサ層の構造において相違している。すなわち、上記実施の形態においては専らスペーサ層の膜厚を変化させることによってカラーフィルタを透過する光の波長を決定したが、本実施の形態においてはスペーサ層の膜厚を変化させることなくスペーサ層を2種類の材料を用いて構成することによって透過波長を決定する。すなわち、本実施の形態においては、屈折率の異なる2つの材料を基板の主面に沿って交互に配置することによって透過波長が調整される。
図15は本実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す図である。先ず、図15(a)に示されるように、絶縁層1004上に二酸化チタン層1006a、二酸化シリコン層1006b、二酸化チタン層1006c、二酸化シリコン層1006d及び二酸化チタン層1006eを形成する。当該二酸化チタン層1006eがスペーサ層である。
次に、図15(b)に示されるように、二酸化チタン層1006e上にレジストパターン1000を形成する。
次に、レジストパターン1000を用いて二酸化チタン層1006eをエッチングする。これによって、二酸化チタン層1006eの赤色領域に二酸化チタン層1006eの主面に沿って並行する複数の貫通孔又は溝が刻まれる。当該赤色領域におけるエッチング領域(溝部)と非エッチング領域とを平面視した際の面積比は4:1となっている。従って、二酸化チタン層1006eの赤色領域における屈折率は次式で与えられる。
((二酸化シリコンの屈折率)×4/5)+((二酸化チタンの屈折率)×1/5)
また、二酸化チタン層1006eの緑色領域はエッチングによって完全に除去される。
次に、二酸化チタン層1006e上及び二酸化チタン層が除去されて露出した二酸化シリコン層1006d上に二酸化シリコン層1006f、二酸化チタン層1006g、二酸化シリコン層1006h及び二酸化チタン層1006iが順次形成されてカラーフィルタが完成する。
かかる構成によれば、固体撮像装置を製造するために必要な工数を削減することができるので、工期を短縮することができ、製造コストを低減することができる。
[12] 第11の実施の形態
次に、本発明の第11の実施の形態に係る固体撮像装置について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は上記実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、カラーフィルタに入射した光を受光素子に集光する点において相違している。
図16は本実施の形態に係るカラーフィルタの製造工程を示す図である。先ず、図16(a)に示されるように、絶縁層1104上に二酸化チタン層1106a、二酸化シリコン層1106b、二酸化チタン層1106c、二酸化シリコン層1106d及び二酸化チタン層1106eを形成する。二酸化チタン層1106eはスペーサ層である。
次に、図16(b)に示すように、二酸化チタン層1106e上にレジストパターン1100を形成した後、二酸化チタン層1106eの赤色領域をエッチングする。
次に、図16(c)に示すように、二酸化チタン層1106e上にレジストパターン1101を形成した後、二酸化チタン層1106eの緑色領域をエッチングする。
次に、図16(d)に示されるように、二酸化チタン層1106eの青色、赤色、緑色の各領域の中央部分にレジストパターン1102を形成する。
次に、図16(e)に示されるようにフォトリソ工程及びドライエッチング工程を用いて二酸化チタン層1106eの各色領域の周辺部をテーパー状にする。
最後に、レジストパターン1102を除去した後、二酸化シリコン層1106f、二酸化チタン層1106g、二酸化シリコン層1106h及び二酸化チタン層1106iを形成して固体撮像装置が完成する。なお、上述のように二酸化チタン層1106eの周辺部がテーパー状となっているため、二酸化シリコン層1106f、二酸化チタン層1106g、二酸化シリコン層1106h及び二酸化チタン層1106iの周辺部もテーパー状となる。
このように周辺部をテーパー状とすれば、各色領域の周辺部に入射した光が各々の中央部に集光される。従って、斜め光に起因する混色をより確実に防止することができる。また、入射光を集光するマイクロレンズの機能を一部補うことができるので、その分マイクロレンズの厚みを薄くして固体撮像装置の小型化を図ることができる。
なお、次のような製造方法を用いても各色領域の周辺部をテーパー状にして同様の効果を得ることができる。図17は各色領域の周辺部をテーパー状とするカラーフィルタの製造方法を示す図である。図17(a)から(c)までは図16(a)から(c)までと同様である。その後、図17(d)に示されるように、各色領域の周辺部をテーパー状としたレジストパターン1203を形成する。図17(e)、(f)は図16(e)、(f)と同様である。このような製造方法によっても上記と同様のカラーフィルタを得ることができる。
また、言うまでもなく、本実施の形態に係る製造方法によれば上記実施の形態に係る製造方法と同様に固体撮像装置を小型化することができると共に、その歩留まりを向上させ、製造コストを削減することができる。
[13] 第12の実施の形態
次に、本発明の第12の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は上記実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、カラーフィルタを構成するスペーサ層の形状において相違している。すなわち、上記実施の形態においては透過させる色毎に同一の膜厚のスペーサ層を用いるとしたが、本実施の形態においてはひとつの色領域中でスペーサ層の膜厚を変化させることを特徴としており、これによって透過させる光の帯域幅を拡大させることができる。
図18は本実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す図である。本実施の形態においては、図18(b)に示されるように、レジストパターン1301を形成して二酸化チタン層1306eの青色領域の一部をエッチングする工程を追加することによって二酸化チタン層1306eの青色領域における膜厚を2段階に変化させている。このようにすれば、カラーフィルタを透過させる青色光の帯域幅を拡大して透過特性の向上を図ることができる。
なお、スペーサ層の膜厚の変化が2段階に限定されず、また、青色領域に限定されないのは言うまでもなく、3以上の多段階でスペーサ層の膜厚を変化させるとしても良いし、赤色領域や緑色領域で膜厚を変化させるとしても良い。
また、高屈折材料として窒化シリコン、五酸化タンタルや二酸化ジルコニウム等を用いても良く、低屈折材料として二酸化シリコン以外の材料を用いても良い。
本実施の形態によっても、カラーフィルタの厚みを入射光の波長程度に抑えて斜め光による混色を防止することができると共に固体撮像装置を小型化することができる。また、固体撮像装置の歩留まりを向上させ製造コストを低減することができる。
[14] 第13の実施の形態
次に、本発明の第13の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は上記実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、スペーサ層の膜厚が連続的に変化する点において相違する。
図19は本実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す図である。先ず、図19(a)に示されるように、絶縁層1404上に二酸化チタン層1406a、二酸化シリコン層1406b、二酸化チタン層1406c、二酸化シリコン層1406d及び二酸化チタン層1406eを順次形成する。
次に、図19(b)に示されるように、フォトリソ工程を用いて青色領域から赤色領域を経て緑色領域へと至るテーパー上のレジストパターン1401を形成する。この場合において、フォトリソ工程用のフォトマスクには、露光時の光の透過特性を徐々に変化させるために、マスク上に形成するクロム(Cr)膜の透過率をテーパー形状に合わせて連続的に変化させている。
次に、図19(c)に示されるようにドライエッチングによって二酸化チタン層1406eがレジストパターン1401に応じたテーパーを有する形状とされる。
最後に、図19(d)に示されるように、二酸化チタン層1406e上に二酸化シリコン層1406f、二酸化チタン層1406g、二酸化シリコン層1406h及び二酸化チタン層1406iを順次形成して、カラーフィルタが完成する。
これにより、さらに透過帯域特性を向上させることができる。
[15] 第14の実施の形態
次に、本発明の第14の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は上記実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、カラーフィルタからの反射光を吸収する吸収体を備える点で相違している。
図20は本実施の形態に係るカラーフィルタの製造方法を示す図である。図20(a)から(c)までは上記実施の形態と同様である。
図20(d)に示されるように、本実施の形態に係るカラーフィルタは二酸化チタン層1506i上に光色毎の吸収体1507b、1507r及び1507gを備えている。吸収体としては、例えば、顔料タイプ若しくは染料タイプのカラーフィルタを用いると良い。
上述のように誘電体多層膜からなるカラーフィルタは透過させたい波長以外の光はすべて反射する。この反射光が、例えば、固体撮像装置の表面で多重反射するなどして、他の受光素子に誤入射するおそれがある。このような問題に対して、本実施の形態のようにカラーフィルタ上に吸収体を設ければ、かかる反射光によるノイズの発生を抑えることができる。
[16] 変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 上実施の形態においては、専らカラーフィルタの最上層の材料として高屈折率材料(二酸化チタン)を用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、カラーフィルタの最上層の材料として低屈折率材料を用いても良い。
図21は、最上層の材料として低屈折率材料を用いたカラーフィルタの製造方法を示す図である。先ず、図21(a)に示されるように、絶縁層1604上に二酸化チタン層1606a、二酸化シリコン層1606b、二酸化チタン層1606c及び二酸化シリコン層1606dを形成する。
次に、図21(b)、(c)に示されるように、エッチング工程を用いてスペーサ層である二酸化シリコン層1606dの膜厚を調整する。最後に、図21(d)に示されるように、二酸化シリコン層1606d上並びに二酸化チタン層1606cの緑色領域上に二酸化チタン層1606e、二酸化シリコン層1606f、二酸化チタン層1606g及び二酸化シリコン層1606hを形成する。
図22は、本変形例に係るカラーフィルタの透過特性を示すグラフである。図22と図10とを比較すれば、青色光と赤色光との透過率の最大値がほぼ100%となっており、緑色光についても透過率の最大値が100%近くにまで改善されていることが分かる。
このようにすれば、高屈折率材料を用いる場合と比較してカラーフィルタの最上層に入射する光が反射されにくいので、更に効率よく撮像することができる。また、スペーサ層が低屈折率材料からなっている方が高屈折率材料からなる場合よりも分光感度が良いことが分かる。
(2) 上記実施の形態においては特に言及しなかったが、カラーフィルタの絶縁層側やマイクロレンズ側、或いはカラーフィルタを構成する誘電体層の間に保護層を形成するとしても良い。かかる位置に保護層(例えば、窒化シリコン層)を形成すれば、固体撮像装置の信頼性や耐湿性を向上させることができる。図23は本変形例に係るカラーフィルタを示す断面図である。図23に示されるように、絶縁層1704上に保護層1705、カラーフィルタ1706が順次形成されている。ここで、保護層1705は窒化シリコン層である。
図24は本変形例に係るカラーフィルタの透過特性を示すグラフである。図24に示されるように、保護層1705を追加しても透過特性は特に劣化しないことが分かる。
このように保護層を追加すれば固体撮像装置の信頼性や耐湿性を向上させることができる。
(3) 上記実施の形態においては専らカラーフィルタのマイクロレンズ側がスペーサ層の形状に合わせた形状となっている場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしても良い。
図25は本変形例に係るカラーフィルタの形状を示す図である。図25に示されるように、本変形例に係るカラーフィルタ1806は絶縁層1804上に二酸化チタン層と二酸化シリコン層とを交互に積層した構造となっている。カラーフィルタのマイクロレンズ側にはカラーフィルタの凹凸に合わせて厚みを変化させた二酸化シリコン層1806gが形成されており、当該二酸化シリコン層1806gのマイクロレンズ側は平坦になっている。
図26はカラーフィルタ1806の透過特性を示すグラフである。図26に示されるように、カラーフィルタ1806は二酸化シリコン層1806gの形状に関わらず優れた透過特性を有することが分かる。
このようにすれば、カラーフィルタ上にマイクロレンズを容易に配設することができるので、固体撮像装置の歩留まりを向上させ、また、製造コストを低減することができる。また、色毎に焦点距離の異なるマイクロレンズを用いなくても良い。
(4) 上記実施の形態においては専ら絶縁層上にカラーフィルタを形成する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしても良い。
すなわち、受光素子に接するようにしてカラーフィルタを形成するとしても良い。図27は本変形例に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。
図27に示されるように、本変形例に係る固体撮像装置はN半導体基板1901、P型半導体層1902、受光素子1903、カラーフィルタ1906、絶縁層1904、遮光膜1905及びマイクロレンズ1907を備えている。図28は、カラーフィルタ1906の透過特性を示すグラフである。図28に示されるように、本変形例に係る構成によってもカラーフィルタ1906の透過特性は特に劣化しないことが分かる。
このような構成によれば、カラーフィルタと受光素子とが隣接しているので、更に確実に斜め光による混色を防止することができる。
なお、半導体表面からカラーフィルタの高屈折率層までの距離は1nm以上で、かつ、カラーフィルタが透過させる光の一波長以下であれば良い。半導体表面からカラーフィルタの高屈折率層までの間にはカラーフィルタの低屈折率層が介在するとしても良いし、バッファ層が介在するとしても良い。例えば、カラーフィルタの高屈折率層を二酸化チタン層とし低屈折率層を二酸化シリコン層とすれば、二酸化チタン層から受光素子(半導体表面)までの距離が上記の範囲にあれば良い。言い換えると、受光素子に接する二酸化シリコン層の光学膜厚が上記の範囲にあれば良い。
(5) 上記実施の形態において説明したように、二酸化チタン層と二酸化シリコン層を交互に積層してなるカラーフィルタでは二酸化チタン層と二酸化シリコン層との何れをスペーサ層としてもカラーフィルタを得ることができる。
しかしながら、透過率の観点からすれば、二酸化シリコン層をスペーサ層とするのが望ましい。図29は二酸化チタン層をスペーサ層とした場合の透過特性を表わすグラフである。図29に示されるように、二酸化チタン層をスペーサ層とした場合には青色、緑色、赤色の何れも最大透過率が90%に満たない。
これに対して二酸化シリコン層をスペーサ層とした場合には、例えば前記図10に示されるように何れの光色についても95%以上となっている。従って、二酸化シリコン層と二酸化チタン層とを交互に積層してなるカラーフィルタでは二酸化シリコン層をスペーサ層とするのが望ましい。
なお、スペーサ層の光学膜厚は透過させるべき光の波長以下で、かつ、1nm以上であると好適である。この範囲であればシリコン基板との反射率が低減されるとともに、シリコン基板と二酸化チタン層とのバッファ層としての効果もある。
(6) 上記実施の形態においては、カラーフィルタはベイヤ配列されるとのみ述べたが、具体的には次のように配列するのが望ましい。
図30は本変形例に係るカラーフィルタの配列であってベイヤ配列の最小単位(4画素)を示す図である。この最小単位に従って各画素が繰り返し配列される。図30に示されるように、ベイヤ配列の最小単位となる4画素のうち2画素を青色光を検出する画素とし、残る2画素を赤色光と緑色光とを検出する画素とする。
カラーフィルタの透過特性上、青色光は半値幅が赤色光や緑色光と比較して小さいので、上記配列を採ることにより青色光を検出する帯域幅を拡大して、固体撮像装置の感度を改善することができる。
(7) 上記第10の実施の形態においては、二酸化チタン層の赤色領域に溝を設け、この溝を二酸化シリコンで埋める場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしても良い。例えば、溝に代えて二酸化チタン層に穴を空け、この穴を二酸化シリコンで埋めるとしても良い。この場合も、当該領域の屈折率は上記第10の実施の形態にて示した式で与えられる。また、溝を同心円状に設けるとしても良い。
本発明に係る固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法及びこれを用いたカメラはカラー固体撮像装置を小型化し、その性能を向上させる技術として有用である。
本発明は、固体撮像装置,固体撮像装置の製造方法及びこれを用いたカメラに関し、特にカラー固体撮像装置の性能向上と小型化に関する。
固体撮像装置はR(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応する受光素子が例えばベイヤ配列されてなる撮像装置である。図1は、従来技術に係る固体撮像装置の構成を模式的に示す断面図である。図1に示されるように、固体撮像装置1はN型半導体層101、P型半導体層102、受光素子103R、103G、103B、絶縁層104、遮光膜105、カラーフィルタ106R、106G、106B及び集光レンズ107を備えている。
P型半導体層102はN型半導体層101上に形成されている。また、受光素子103R等はP型半導体層102に埋め込まれており、絶縁層104に接している。なお、受光素子103R等は互いにP型半導体層102の一部を分離領域として分離されている。遮光膜105は絶縁層104内に埋め込まれており、前記分離領域上に配設されている。
カラーフィルタ106R等は微粒子顔料タイプのカラーフィルタであって、膜厚は1.5〜2.0μm程度である。カラーフィルタ106R等に含まれている顔料粒子の直径は約0.1μm程度である。
カラーフィルタ106R等は微粒子顔料タイプのカラーフィルタであって、膜厚は1.5〜2.0μm程度である。カラーフィルタ106R等に含まれている顔料粒子の直径は約0.1μm程度である。
カラーフィルタ106Rは絶縁層104上に受光素子103Rに対向するように配設されている。カラーフィルタ106G、106Bも同様にそれぞれ受光素子103G、103Bに対向するように絶縁層104上に配設されている。集光レンズ107等はカラーフィルタ106R等の上に配設されている。
さて、集光レンズ107を通過した光はカラーフィルタ106Gによって緑色光のみが濾波され受光素子103G上に集光される。この場合において、遮光膜105は、カラーフィルタ106Gを通過した緑色光が受光素子103R等に入射しないように遮光する。受光素子103R等は入射光の輝度を光電変換により電荷に変えて蓄える。
特開平5−6986号公報
「固体撮像素子の基礎」日本理工出版会 、安藤・菰淵著、映像情報メディア学会編、1999年12月発行、p.183-188。
さて、集光レンズ107を通過した光はカラーフィルタ106Gによって緑色光のみが濾波され受光素子103G上に集光される。この場合において、遮光膜105は、カラーフィルタ106Gを通過した緑色光が受光素子103R等に入射しないように遮光する。受光素子103R等は入射光の輝度を光電変換により電荷に変えて蓄える。
しかしながら、固体撮像装置にはさまざまな方向から光が入射するため、斜めに入射した光(以下、「斜め光」という。)が本来受光されるべき受光素子とは異なる受光素子に受光され、色分離機能や解像度、波長感度が低下し、雑音が増加するおそれがある。
また、固体撮像装置の解像度を高めるためには各画素を小型化しなければならないが、前記顔料粒子の微細化には限界があり、感度低下や色むらの発生が避けられない。
また、固体撮像装置の解像度を高めるためには各画素を小型化しなければならないが、前記顔料粒子の微細化には限界があり、感度低下や色むらの発生が避けられない。
かかる課題を解決するために、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、前記受光手段に入射すべき波長の光のみを通過させる濾光手段と、入射光を遮断する遮光手段であって、前記複数の受光手段のそれぞれに対向する位置に開口を有する遮光手段とを備える固体撮像装置であって、前記濾光手段は前記複数の受光手段と前記遮光手段との間に配設されていることを特徴とする。
このようにすれば、濾光手段に斜め光が入射しないように遮光することができるので混色を低減することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記複数の受光手段のそれぞれに入射光を集光する集光手段が前記遮光手段の開口内に配設されていることを特徴とする。このようにすれば、集光手段にて斜め光を適切な受光手段へと導くので、混色を低減することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記複数の受光手段のそれぞれに入射光を集光する集光手段が前記遮光手段の開口内に配設されていることを特徴とする。このようにすれば、集光手段にて斜め光を適切な受光手段へと導くので、混色を低減することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記濾光手段は無機材料から成ることを特徴とする。このようにすれば、濾光手段をも一連の半導体プロセスで製造することができるので、固体撮像装置の歩留まりを向上させ、かつ、製造コストを低減することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記濾光手段は多層膜構造を有することを特徴とする。このようにすれば、濾光手段の厚みを削減することができるので、固体撮像装置そのものの小型化に寄与することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記濾光手段は多層膜構造を有することを特徴とする。このようにすれば、濾光手段の厚みを削減することができるので、固体撮像装置そのものの小型化に寄与することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、前記濾光手段はフォトニック結晶から成ることを特徴とする。また、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、前記受光手段に入射すべき波長の光のみを通過させる濾光手段とを備える固体撮像装置であって、前記濾光手段はフォトニック結晶から成ることを特徴とする。このようにすれば、濾光手段にて斜め光を適切な受光手段に導くことができるので、混色を防止することができる。
また、本発明に係るカメラは、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、前記受光手段に入射すべき波長の光のみを通過させる濾光手段と、入射光を遮断する遮光手段であって、前記複数の受光手段のそれぞれに対向する位置に開口を有する遮光手段とを備え、前記濾光手段は前記複数の受光手段と前記遮光手段との間に配設されている固体撮像装置を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るカメラは、半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、前記受光手段に入射すべき波長の光のみを通過させる濾光手段とを備え、前記濾光手段はフォトニック結晶から成る固体撮像装置を備えることを特徴とする。このようにすれば、混色を防いで高画質の撮像が可能なカメラを提供することができる。
本発明に係る固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法及びカメラの実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[1] 第1の実施の形態
図2は、本実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す平面図である。図2に示されるように、本実施の形態に係る固体撮像装置2は受光手段となる単位画素(網掛け部分)が2次元状に配列されており、各行が垂直シフトレジスタにより選択され、その行信号が水平シフトレジスタにより選択されて画素毎のカラー信号が出力アンプ(図示省略)から出力される。駆動回路は垂直シフトレジスタ、水平シフトレジスタ、出力アンプを動作させる。
[1] 第1の実施の形態
図2は、本実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す平面図である。図2に示されるように、本実施の形態に係る固体撮像装置2は受光手段となる単位画素(網掛け部分)が2次元状に配列されており、各行が垂直シフトレジスタにより選択され、その行信号が水平シフトレジスタにより選択されて画素毎のカラー信号が出力アンプ(図示省略)から出力される。駆動回路は垂直シフトレジスタ、水平シフトレジスタ、出力アンプを動作させる。
図3は、本実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す断面図であって、3つの隣り合う画素の断面が示されている。図3に示されるように、固体撮像装置2はN型半導体基板201、P型半導体層202、受光素子203R〜203B、絶縁層204、206、カラーフィルタ205R〜205B、遮光膜207、マイクロレンズ208を備えている。
N型半導体層201上にP型半導体層202が形成されている。受光素子203R等はP型半導体層202にN型不純物がイオン注入されてなるフォトダイオード(光電変換素子)であって、光透過性の絶縁層204に接している。受光素子203R等はP型半導体層202の一部を素子分離領域として分離されている。絶縁層204上にはカラーフィルタ205R〜205Bが形成されている。
N型半導体層201上にP型半導体層202が形成されている。受光素子203R等はP型半導体層202にN型不純物がイオン注入されてなるフォトダイオード(光電変換素子)であって、光透過性の絶縁層204に接している。受光素子203R等はP型半導体層202の一部を素子分離領域として分離されている。絶縁層204上にはカラーフィルタ205R〜205Bが形成されている。
カラーフィルタ205R〜205BはそれぞれR、G、Bの各原色光のみを透過させるフィルタであって、無機材料からなる微粒子顔料タイプのカラーフィルタである。カラーフィルタはベイヤ配列又は補色配列に従って配列される。
カラーフィルタ205R〜205B上には光透過性の絶縁層206が形成され、絶縁層206上にはマイクロレンズ208が配設されている。マイクロレンズ208は受光素子ごとにひとつずつ配設されており、マイクロレンズどうしは遮光膜207で区画されている。遮光膜207に入射した光は反射される。一方、マイクロレンズ208に入射した光は受光素子203R等、対応する受光素子上に集光される。
カラーフィルタ205R〜205B上には光透過性の絶縁層206が形成され、絶縁層206上にはマイクロレンズ208が配設されている。マイクロレンズ208は受光素子ごとにひとつずつ配設されており、マイクロレンズどうしは遮光膜207で区画されている。遮光膜207に入射した光は反射される。一方、マイクロレンズ208に入射した光は受光素子203R等、対応する受光素子上に集光される。
このようにすれば、従来技術と較べて、カラーフィルタと受光素子との距離を小さくすることができるので、受光素子に斜め光が入射し難くすることができる。例えば、受光素子203R等の幅が3μmならば、従来と比較して混色を約80%削減することができる。また、固体撮像装置2は半導体プロセスのみによって製造することができるので、容易かつ低コストで製造することができる。
[2] 第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は前記第1の実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、カラーフィルタがフォトニック結晶からなっている点において相違する。
フォトニック結晶は、例えば半導体と空気との組み合わせといった、誘電率又は屈折率の異なる物質の組が光の波長の長さ毎に交互に配列されてなる微細構造物である。フォトニック結晶は特定波長の光のみを透過させるフィルタ機能を有すると共に、入射した光の方向を特定の方向に導く性質を備えている。下記の文献には特定のバンド幅の波長の光を通さない、いわゆるフォトニックバンドギャップを有するフォトニック結晶が紹介されている。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は前記第1の実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、カラーフィルタがフォトニック結晶からなっている点において相違する。
フォトニック結晶は、例えば半導体と空気との組み合わせといった、誘電率又は屈折率の異なる物質の組が光の波長の長さ毎に交互に配列されてなる微細構造物である。フォトニック結晶は特定波長の光のみを透過させるフィルタ機能を有すると共に、入射した光の方向を特定の方向に導く性質を備えている。下記の文献には特定のバンド幅の波長の光を通さない、いわゆるフォトニックバンドギャップを有するフォトニック結晶が紹介されている。
野田進、森本茂雄、「面内ヘテロ・フォトニック結晶による光ナノデバイスの実現」科学技術振興事業団報第323号。
このようにカラーフィルタとしてフォトニック結晶を用いれば、各原色光を選択的に透過させるのに加えて、入射した光が受光素子へ向かうように、光の進行方向を整えることができるので、更に混色を防止することができる。
このようにカラーフィルタとしてフォトニック結晶を用いれば、各原色光を選択的に透過させるのに加えて、入射した光が受光素子へ向かうように、光の進行方向を整えることができるので、更に混色を防止することができる。
[3] 第3の実施の形態
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は前記第2の実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、遮光膜の形成位置において相違している。
図4は、本実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。図4に示されるように、固体撮像装置3はN型半導体基板301、P型半導体層302、受光素子303R〜303B、絶縁層304、307、遮光膜305、カラーフィルタ306R〜306B、マイクロレンズ308を備えている。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は前記第2の実施の形態に係る固体撮像装置と概ね同様の構成を備える一方、遮光膜の形成位置において相違している。
図4は、本実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。図4に示されるように、固体撮像装置3はN型半導体基板301、P型半導体層302、受光素子303R〜303B、絶縁層304、307、遮光膜305、カラーフィルタ306R〜306B、マイクロレンズ308を備えている。
固体撮像装置3はN型半導体層301からP型半導体層302、受光素子303R等、光透過性の絶縁層304、遮光膜305、カラーフィルタ306R等、絶縁層307及びマイクロレンズ308の順に積層されている。カラーフィルタ306R等は上記第3の実施の形態に係るカラーフィルタと同様にフォトニック結晶からなっている。
このように、カラーフィルタ306R等の受光素子側に遮光膜を配設すれば、カラーフィルタ306R等によって進行方向を変えられた光が本来入射すべき受光素子以外の受光素子に入射するのを防止することができる。例えば、カラーフィルタ306Gの辺縁に入射した斜め光であって、遮光膜305がなければ受光素子303Bに入射したかもしれない斜め光があるような場合には、かかる斜め光による混色を本実施の形態によって防止することができる。
このように、カラーフィルタ306R等の受光素子側に遮光膜を配設すれば、カラーフィルタ306R等によって進行方向を変えられた光が本来入射すべき受光素子以外の受光素子に入射するのを防止することができる。例えば、カラーフィルタ306Gの辺縁に入射した斜め光であって、遮光膜305がなければ受光素子303Bに入射したかもしれない斜め光があるような場合には、かかる斜め光による混色を本実施の形態によって防止することができる。
[4] 第4の実施の形態
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は上記第2の実施の形態に係る固体撮像装置と同様にカラーフィルタの構成に特徴を有している。
本実施の形態に係るカラーフィルタは酸化シリコン層(SiO2)等の低屈折率を有する材料と窒化シリコン層(Si3N4)等の高屈折率を有する材料とが交互に積層された誘電体多層膜となっている。言うまでもなく、固体撮像装置の積層方向と誘電体多層膜の積層方向とは一致する。また、誘電体多層膜を構成する各層は一層を除いて何れも略同一の光学膜厚を有する。光学膜厚とはその層の材料の屈折率nにその層の膜厚dを乗じた値ndをいう。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体撮像装置は上記第2の実施の形態に係る固体撮像装置と同様にカラーフィルタの構成に特徴を有している。
本実施の形態に係るカラーフィルタは酸化シリコン層(SiO2)等の低屈折率を有する材料と窒化シリコン層(Si3N4)等の高屈折率を有する材料とが交互に積層された誘電体多層膜となっている。言うまでもなく、固体撮像装置の積層方向と誘電体多層膜の積層方向とは一致する。また、誘電体多層膜を構成する各層は一層を除いて何れも略同一の光学膜厚を有する。光学膜厚とはその層の材料の屈折率nにその層の膜厚dを乗じた値ndをいう。
このようにすれば、カラーフィルタの厚みを低減することができるので、受光素子と遮光膜との距離を小さくすることができる。したがって、本実施の形態によれば斜め光による混色の防止を更に確かなものとすることができる。
また、マイクロレンズの集光率を向上させるためには集光角度を大きくする必要があるが、このような場合でも混色を防止することができるので、同時に固体撮像装置の感度を高めることができる。
また、マイクロレンズの集光率を向上させるためには集光角度を大きくする必要があるが、このような場合でも混色を防止することができるので、同時に固体撮像装置の感度を高めることができる。
本発明に係る固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法及びこれを用いたカメラはカラー固体撮像装置を小型化し、その性能を向上させる技術として有用である。
Claims (32)
- 半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、
前記受光手段に入射すべき波長の光のみを通過させる濾光手段と、
入射光を遮断する遮光手段であって、前記複数の受光手段のそれぞれに対向する位置に開口を有する遮光手段とを備える固体撮像装置であって、
前記濾光手段は前記複数の受光手段と前記遮光手段との間に配設されている
ことを特徴とする固体撮像装置。 - 前記複数の受光手段のそれぞれに入射光を集光する集光手段が前記遮光手段の開口内に配設されている
ことを特徴とする第1の請求の範囲に記載の固体撮像装置。 - 前記濾光手段は無機材料から成る
ことを特徴とする第2の請求の範囲に記載の固体撮像装置。 - 前記濾光手段は多層膜構造を有する
ことを特徴とする第2の請求の範囲に記載の固体撮像装置。 - 前記濾光手段はフォトニック結晶から成る
ことを特徴とする第2の請求の範囲に記載の固体撮像装置。 - 半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、
前記受光手段に入射すべき波長の光のみを通過させる濾光手段とを備える固体撮像装置であって、
前記濾光手段はフォトニック結晶から成る
ことを特徴とする固体撮像装置。 - 半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、
前記受光手段に入射すべき波長の光のみを通過させる濾光手段と、
入射光を遮断する遮光手段であって、前記複数の受光手段のそれぞれに対向する位置に開口を有する遮光手段とを備え、
前記濾光手段は前記複数の受光手段と前記遮光手段との間に配設されている固体撮像装置
を備えることを特徴とするカメラ。 - 半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、
前記受光手段に入射すべき波長の光のみを通過させる濾光手段とを備え、
前記濾光手段はフォトニック結晶から成る固体撮像装置
を備えることを特徴とするカメラ。 - 波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置であって、
前記濾光手段は2つのλ/4多層膜と前記λ/4多層膜に挟まれた絶縁体であって、λ/4以外の光学膜厚を有する絶縁体層を備える誘電体多層膜からなる
ことを特徴とする固体撮像装置。 - 前記誘電体多層膜は、
λ/4以外の光学膜厚を有する前記絶縁体層と、
光学膜厚がλ/4で、かつ、前記絶縁体層の材料の屈折率とは異なる屈折率を有する材料からなる2つの第1の誘電体層と、
光学膜厚がλ/4で、かつ、前記絶縁体層の材料の屈折率と等しい屈折率を有する材料からなる2つの第2の誘電体層とを備え、
前記絶縁体層はその2つの主面にて前記第1の誘電体層に接しており、前記第1の誘電体層の前記絶縁体層に接していない主面は前記第2の誘電体層に接している
ことを特徴とする第9の請求の範囲に記載の固体撮像装置。 - 前記絶縁体層の光学膜厚は前記波長λの光が前記濾光手段を透過するように設定されている
ことを特徴とする第9又は第10の請求の範囲に記載の固体撮像装置。 - 前記絶縁体層はその主面に略垂直な貫通孔又は溝であって、前記第1の誘電体層の材料と同じ材料を埋め込まれた貫通孔又は溝を有し、
平面視したときの前記貫通孔又は溝部分の面積と前記貫通孔又は溝でない部分の面積との比に応じた波長の光を透過させる
ことを特徴とする第9の請求の範囲に記載の固体撮像装置。 - 半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段を備え、
前記絶縁体層は個々の受光手段に対応する部分毎に、前記絶縁体層の辺縁がテーパー状となっている
ことを特徴とする第9の請求の範囲に記載の固体撮像装置。 - 半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段を備え、
1つの受光手段への入射光が通過すべき前記絶縁体層の領域は、相異なる膜厚を有する複数の部分を有する
ことを特徴とする第9の請求の範囲に記載の固体撮像装置。 - 前記誘電体多層膜が反射する光を吸収する吸収体が、前記誘電体多層膜の当該光が反射される側に配設されている
ことを特徴とする第9の請求の範囲に記載の固体撮像装置。 - 前記吸収体は、顔料タイプまたは染料タイプのカラーフィルタである
ことを特徴とする第15の請求の範囲に記載の固体撮像装置。 - 誘電体多層膜からなり、波長λの入射光を透過させる濾光手段を備える第9の請求の範囲に記載の固体撮像装置
を備えることを特徴とするカメラ。 - 波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置の製造方法であって、
各層の光学膜厚が略λ/4である第1の誘電体多層膜を半導体基板上に形成する第1の形成工程と、
前記第1の誘電体多層膜上に第1の絶縁体層を形成する第2の形成工程と、
前記第1の絶縁体層を第1の領域を残して除去する第1の除去工程と、
前記第1の誘電体多層膜及び前記第1の絶縁体層上に第2の絶縁体層を形成する第3の形成工程と、
前記第2の絶縁体層であって、前記第1の誘電体多層膜上に形成された部分のうちの第2の領域を除去する第2の除去工程と、
前記第2の絶縁体層及び前記第1の誘電体多層膜上に、各層の光学膜厚が略λ/4である第2の誘電体多層膜を形成する第4の形成工程とによって前記濾光手段を形成する
ことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。 - 波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置の製造方法であって、
各層の光学膜厚が略λ/4である第1の誘電体多層膜を半導体基板上に形成する第1の形成工程と、
リフトオフ法を用いて、前記第1の誘電体多層膜上の第1の領域に第1の絶縁体層を形成する第2の形成工程と、
リフトオフ法を用いて、前記第1の誘電体多層膜上の前記第1の絶縁体層が形成されていない部分のうちの第2の領域に第2の絶縁体層を形成する第3の形成工程と、
前記第1の絶縁体層、前記第2の絶縁体層及び前記第1の誘電体多層膜上に、各層の光学膜厚が略λ/4である第2の誘電体多層膜を形成する第4の形成工程とよって前記濾光手段を形成する
ことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。 - 波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置の製造方法であって、
各層の光学膜厚が略λ/4である第1の誘電体多層膜を半導体基板上に形成する第1の形成工程と、
前記第1の誘電体多層膜上に第1の絶縁体層を形成する第2の形成工程と、
前記第1の絶縁体層を第1の領域を残して除去する第1の除去工程と、
リフトオフ法を用いて、前記第1の絶縁体層上の第2の領域と前記第1の誘電体多層膜上の前記第1の絶縁体層が形成されていない領域に第2の絶縁体層を形成する第3の形成工程と、
前記第1の絶縁体層及び前記第2の絶縁体層上に、各層の光学膜厚が略λ/4である第2の誘電体多層膜を形成する第4の形成工程とによって前記濾光手段を形成する
ことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。 - 波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置の製造方法であって、
各層の光学膜厚が略λ/4である第1の誘電体多層膜を半導体基板上に形成する第1の形成工程と、
前記第1の誘電体多層膜上に第1の絶縁体層を形成する第2の形成工程と、
前記第1の絶縁体層を第1の領域を残して除去する第1の除去工程と、
前記第1の誘電体多層膜及び前記第1の絶縁体層上に、前記第1の絶縁体層の材料と異なる材料で第2の絶縁体層を形成する第3の形成工程と、
前記第1の絶縁体層上の第2の領域上に形成された第2の絶縁体層を残して第2の絶縁体層を除去する第2の除去工程と、
前記第1の絶縁体層、前記第2の絶縁体層及び前記第1の誘電体多層膜上に、各層の光学膜厚が略λ/4である第2の誘電体多層膜を形成する第4の形成工程とによって前記濾光手段を形成する
ことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。 - 半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と波長λの入射光を透過させる濾光手段とを備え、当該濾光手段は各層の光学膜厚が略λ/4である2つの誘電体多層膜にて絶縁体層を挟んでなる固体撮像装置の製造方法であって、
個々の受光手段に対向する絶縁体層の中央部分にレジストを形成する形成工程と、
エッチングによって、前記絶縁体層の前記レジストに覆われた部分の辺縁をテーパー状とする整形工程と
を含むことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。 - 前記形成工程は、前記レジストの辺縁がテーパー状となるように前記レジストを形成する
ことを特徴とする第22の請求の範囲に記載の固体撮像装置の製造方法。 - 前記形成工程は、露光量を変化させることによって前記レジストの辺縁をテーパー状とする
ことを特徴とする第23の請求の範囲に記載の固体撮像装置の製造方法。 - 半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、
対応する受光手段に応じて異なる波長の入射光を透過させる濾光手段とを備え、
前記絶縁体層は、対向する受光手段が受光すべき光の波長に応じて、その絶縁体層の有無、その絶縁体層の膜厚及び材料の何れか、又はその組み合わせが異なる
ことを特徴とする第9の請求の範囲に記載の固体撮像装置。 - 半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、
対応する受光手段に応じて異なる波長の入射光を透過させる濾光手段とを備え、
前記2つのλ/4多層膜は前記絶縁体層を中心として対称な層構造を有する
ことを特徴とする第9の請求の範囲に記載の固体撮像装置。 - 波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置であって、
前記濾光手段は相異なる屈折率を有する2種類の誘電体層を積層した誘電体多層膜からなり、
当該誘電体多層膜のうち、前記受光手段からもっとも遠い誘電体層は低い屈折率を有する方の誘電体層である
ことを特徴とする固体撮像装置。 - 波長λの入射光を透過させる濾光手段を備えた固体撮像装置であって、
誘電体多層膜のいずれか一方の主面、または当該誘電体多層膜を構成する何れか一組の誘電体層の間に保護層が配設されている
ことを特徴とする固体撮像装置。 - 前記保護層は、窒化シリコンからなる
ことを特徴とする第28の請求の範囲に記載の固体撮像装置。 - 半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、
入射光を集光する集光手段と、
対応する受光手段に応じて相異なる波長λの入射光を透過させる濾光手段とを備え、
前記濾光手段の前記受光手段とは反対側の主面が平坦になっている
ことを特徴とする第9の請求の範囲に記載の固体撮像装置。 - 半導体基板内に2次元状に配列された複数の受光手段と、
波長λの入射光を透過させる濾光手段とを備えた固体撮像装置であって、
前記濾光手段は相異なる屈折率を有する2種類の誘電体層を積層した誘電体多層膜からなり、
当該誘電体多層膜のうち、高い屈折率を有する誘電体層のうち最も受光手段に近い誘電体層から受光手段までの距離が、1nm以上でλ以下の範囲内にある
ことを特徴とする固体撮像装置。 - 波長λの入射光を透過させる濾光手段を備え、
単位画素が二次元上に複数配列されてなる固体撮像装置であって、
各前記単位画素は、
入射光の強度を検出する受光手段と、
赤色光、緑色光又は青色光の何れかを透過させる誘電体多層膜からなる濾光手段とを備え、
前記単位画素は、前記濾光手段が透過させる光色に応じてベイヤ配列され、
4つの単位画素からなる正方領域には何れも、青色光を透過させる濾光手段を備えた単位画素が2つ含まれる
ことを特徴とする固体撮像装置。
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