JP2010027609A - 導電性粒子、導電性材料および異方性導電膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】マイグレーションを防止でき、導通性を高く維持でき、粒子の凝集に起因する短絡も防止できるような導電性粒子を提供することである。
【解決手段】導電性粒子は、樹脂粒子、および樹脂粒子を被覆する金属被覆層を備えている。金属被覆層が、無電界メッキされた内側銅メッキ層および置換メッキされた外側錫メッキ層を備えている。銅メッキ層の膜厚が0.040μm以上、0.120μm以下であり、錫メッキ層の膜厚が0.030μm以上、0.110μm以下であり、金属被覆層全体の膜厚が0.070μm以上、0.150μm以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、導電性粒子、導電性材料および異方性導電膜に関するものである。
狭ピッチの接続端子を接続する手法として、特許文献1記載のような異方性導電接着フィルムが広く用いられている。導電性粒子としては均一な樹脂微粒子にNi/Au メッキを施した粒子が用いられている。
特許文献2には、樹脂粒子にCu/Au メッキを被覆した導電性粒子が開示されている。特許文献3には非金属コア粒子にCu/Sn/SnAg合金メッキを施した導電性粒子が開示されている。
特許文献4には、融点900 ℃以上の内側金属層と350 ℃以下の外側金属層を被覆した導電性粒子が開示されている。内側金属層としてニッケル、外側金属層として錫が挙げられている。実施例はNi層の膜厚は0.05 μmであり、Sn層の膜厚は0.01 μmである。
特許文献5には、内側金属層として銅メッキ、外側金属層は錫−銅合金メッキを施した導電性粒子が記載されている。
また、株式会社ミレニアムゲートテクノロジー社のホームページ(非特許文献1)には、粒径20μmの粒子上に銅メッキと錫メッキとを施した導電性粒子が開示されている。
Figure 2010027609
http://www.mg-tec.com/pro1.html
特開平09-115335 特開2003-157717 特開2005-5630 特開平05-36306 特開2001-220691
特許文献2に開示される銅メッキを施した粒子は、導通性には優れるが、酸化性、マイグレーションの生じやすさから金メッキ被覆が必要であり、コストの観点から金メッキを行わない導電性粒子が求められていた
銅メッキを施した導電性粒子としては、特許文献3にも開示されている。しかし、銅のメッキ膜厚は3μm以上であり、さらにその外層に厚いハンダ層を被覆することから、端子間隔が50μm以下の狭ピッチ接続には適用することが出来なかった
特許文献4の実施例は、マイグレーションを生じにくいニッケルメッキ層の外層に錫メッキを行った実施例があるのみで、抵抗値が高く、接続部材としては適していなかった。また、マイグレーションの生じやすい銅メッキについては特に記載されておらず、マイグレーションを防ぐことは容易ではなかった。
特許文献5も、粒径10μm以下の樹脂粒子へのメッキに対しては特に記載されていない。外層が銅−錫メッキであり、銅を含むことから、マイグレーションを防ぐことができない。
非特許文献1では、錫メッキ/銅メッキを粒子表面にMGT粉体メッキで施す画像が掲載されている。しかし、その他のメッキは開示がなく、錫メッキ、銅メッキはいずれも極薄層であり、所望の導通性を得ることは難しい。
本発明の課題は、マイグレーションを防止でき、導通性を高く維持でき、粒子の凝集に起因する短絡も防止できるような導電性粒子を提供することである。
本発明は、樹脂粒子、および樹脂粒子を被覆する金属被覆層を備えている導電性粒子であって、
前記金属被覆層が、無電界メッキされた内側銅メッキ層および置換メッキされた外側錫メッキ層を備えており、銅メッキ層の膜厚が0.040μm以上、0.120μm以下であり、錫メッキ層の膜厚が0.030μm以上、0.110μm以下であり、金属被覆層全体の膜厚が0.070μm以上、0.150μm以下であることを特徴とする。
本発明では、樹脂粒子上に第一層として無電解メッキで銅メッキ被膜を設け、その外側に第二層として置換メッキにより錫メッキを行うとともに、銅メッキ層の膜厚を0.040μm以上、0.120μm以下とし、錫メッキ層の膜厚を0.030μm以上、0.110μm以下とし、金属被覆層全体の膜厚を0.070μm以上、0.150μm以下とする。これによって、マイグレーションを防止でき、導通性を高く維持でき、粒子の凝集に起因する短絡も防止できるような導電性粒子を提供することに成功した。
錫メッキ層の膜厚が0.030μm未満の場合には、マイグレーションが発生し、導通率も低下しやすくなる。また、銅メッキ層の膜厚が0.040μm未満の場合には、導通性が悪くなる。
また、銅メッキ層および錫メッキ層を含む総メッキ膜厚が0.150μmを超える場合には、複数の粒子が合一した状態でメッキされるため、解砕を行っても、凝集が残り、狭ピッチの接続に用いた場合、隣接する端子間で短絡が生じることが判明した。従って、錫メッキ層、銅メッキ層を含む総メッキ膜厚を0.150μm以下にすることで、凝集の無い導電性粒子の製造が可能となった。
また、本発明は、前記導電性粒子、およびこの導電性粒子を結着する結着剤を備えていることを特徴とする、導電性材料に係るものである。また、本発明は、この導電性材料からなることを特徴とする、異方性導電膜に係るものである。
櫛型基板を模式的に示す平面図である。 接続抵抗評価に用いる試験片を示す。
前記銅メッキ層の膜厚は、導通性および耐マイグレーション性の観点からは、0.050μm以上が更に好ましく、また0.070μm以下が更に好ましい。前記錫メッキ層の膜厚は、導通性および耐マイグレーション性の観点からは、0.070μm以下であることが更に好ましい。
好ましくは、導電性粒子が、粒子密度2vol%の割合で接着樹脂「ストラクトボンドXN−5A」(三井化学株式会社製:商標名)に混ぜ合せ、Line/Space=30/30μmおよび重なり幅5mmの櫛型電極を形成したFPC(太洋工業株式会社製)にて熱圧着した試験片を温度85°C、相対湿度85%および印加電圧30Vの条件で500時間恒温恒湿促進試験を行った後に10Ω以上の抵抗値を維持する。
なお、錫メッキ層上に更に金メッキ等の貴金属層を設けることもできる。しかし、耐マイグレーション性の観点からは、最外層は銅を含まないメッキ層が好ましく、銅を含まない錫メッキ層が特に好ましい。好ましくは金属被覆層が前記銅メッキ層と錫メッキ層との二層からなる。
(樹脂粒子)
樹脂粒子の材質は、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド等の線状重合体;ジビニルベンゼン、ヘキサトリエン、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジアリルカルビノール、アルキレンジアクリレート、オリゴ又はポリアルキレングリコールジアクリレート、オリゴ又はポリアルキレングリコールジメタクリレート、アルキレントリアクリレート、アルキレンテトラアクリレート、アルキレントリメタクリレート、アルキレンテトラメタクリレート、アルキレンビスアクリルアミド、アルキレンビスメタクリルアミド、両末端アクリル変性ポリブタジエンオリゴマー等を単独又は他の重合性モノマーと重合させて得られる網状重合体;フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体の単独又は他の重合性モノマーと共重合させて得られる樹脂等が挙げられる。
樹脂の重合法は限定されず、懸濁重合法、シード重合法、分散重合法、乳化重合法であってよい。
樹脂粒子の形状は限定されず、真球形状、回転楕円体、多面体、針状、ファイバー状、ウイスカー、柱状、筒状、不定形であってよいが、真球状とすることが好ましい。
好適な実施形態においては、樹脂粒子の平均粒子径が0.1〜10μmであり,これによって特に狭ピッチの接続端子の接続に好ましく使用することが出来る。この観点からは、樹脂粒子径が、1〜8μmであることが更に好ましい。樹脂粒子の平均粒子径は、樹脂粒子が球状の場合は直径であり、回転楕円体状である場合は長径である。また、前記平均粒子径は、任意の樹脂粒子300個を電子顕微鏡で観察・測定することにより得られる値である。
樹脂粒子の粒子径分布の変動係数(CV値)は、15%以下であることが好ましく、10%以下であることが一層好ましい。CV値が15%を超えると、樹脂粒子の粒子径が不揃いとなるため、この樹脂粒子を用いて製造した導電性粒子によって電気接続を図る際に、接続に関与しない導電性粒子が発生し、導通不良現象が生じる場合がある。
上記CV値とは、下記の式(1);
CV値(%)=(σ/Dn)×100・・・・(1)
(式中、σは、粒子径の標準偏差を表し、Dnは、数平均粒子径を表す)で表される値である。上記標準偏差及び上記数平均粒子径は、任意の樹脂粒子300個を電子顕微鏡で観察・測定することにより得られる値である。
樹脂粒子には、「相互侵入高分子網目構造を形成し得る化合物」を含浸させることが可能である。これは、粒子内部において加熱によって相互侵入高分子網目構造を生成することができるような化合物であれば、限定されない。好適な実施形態においては、本化合物は、相互に架橋反応し得る官能基を複数有する。このように、本化合物が複数の官能基を有し、各官能基において架橋反応が進行することによって、相互侵入高分子網目構造が生成する。このような官能基としては、以下を例示できる。これらの官能基は、1つの化合物に一種類または二種類以上包含されている。
エポキシ基、加水分解性シリル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、イミノ基
エポキシ基を有する前記化合物としては、以下を例示できる。
エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、3−グリシジドキシプロピルトリメトキシシラン、3,4−エポキシブチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル) エチルトリメトキシシラン
加水分解性シリル基を有する化合物としては、以下を例示できる。
テトラエトキシシラン、2−トリメトキシシリルエチルトリメトキシシラン、6−トリメトキシシリルヘキサメチレントリメトキシシラン、p−ジメトキシシリルエチルベンゼン、テレフタル酸ジ−3−トリメトキシシリルプロピル、アジピン酸ジ−3−トリメトキシシリルプロピル、イソシアヌル酸トリ−3−メチルジメトキシシリルプロピル
また、相互侵入高分子網目構造を形成する結合としては、エーテル結合、シロキサン結合、エーテル結合とシロキサン結合との組み合わせを例示できる。
(金属被覆層)
無電解銅メッキは、触媒付与工程と銅還元メッキ工程とからなる。
置換錫メッキは、置換メッキ工程からなる。
上記触媒付与工程においては、樹脂粒子の表面に、メッキの核となる触媒を析出又は吸着させるが、この際、白金族の金属化合物を用いることが好ましい。具体的には塩化第一錫の塩酸溶液に樹脂粒子を浸漬した後、更に、塩化パラジウムの塩酸溶液に浸漬加熱し、水洗する。このようにして得た粒子では、パラジウムが粒径50nm以下の微粒子として析出している。
また、塩化錫と塩化パラジウムとの混合溶液に樹脂粒子を浸漬し、その後、塩酸又は硫酸水溶液を用いて錫を溶出、除去してもよい。この場合も上記と同様、粒子表面にパラジウム微粒子が析出している。
更に、塩化パラジウムと、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピリジン等の水溶性モノマーと、アスコルビン酸との混合水溶液にグラフト重合層を有する樹脂粒子を浸漬してもよい。この場合も上記と同様、粒子表面にパラジウム微粒子が析出している。
次に、上記の方法により触媒の付与された基材微粒子を用いて、還元メッキを行う。還元メッキを行う方法としては、公知の方法(「最新無電解メッキ技術」発行;総合技術センター、1986年、43頁等)を用いることができ、酸性メッキ、アルカリ性メッキのいずれをも用いることができる。
銅還元メッキは、例えば、硫酸銅をホルムアルデヒドによって還元し、触媒を付与された基材微粒子の表面に析出させる。
錫置換メッキは、例えば以下のように行う。
銅が被覆された基材微粒子を分散した水溶液に、塩化錫を含む水溶液を滴下することにより、銅が溶出し、錫が微粒子上に析出する。
各メッキ層の膜厚は以下のようにして決定する。すなわち、メッキされた微粒子を硝酸、硫酸等の酸性溶液によりメッキ層を溶解し、ICP発光分析により各金属の含有率を求める。得られた錫および銅の含有率から下記式によって錫および銅のメッキ膜厚を算出した。
錫メッキ被膜の膜厚(μm)=
(ρ×WSn×D)/[6×ρSn×(100−WSn−WCu)]
銅メッキ被膜の膜厚(μm)=
(ρ×WCu×D)/[6×ρCu×(100−WSn−WCu)]
[ρ:基材粒子の比重
ρSn:錫メッキ被膜の比重
ρCu:銅メッキ被膜の比重
Sn:導電性微粒子に占める錫含有率(重量%)
Cu:導電性微粒子に占める銅含有率(重量%)
D:樹脂芯材の平均粒子径
本発明による導電性粒子は、優れた導通性と耐マイグレーション性とを有していることから、樹脂などの結着材に混入することにより、優れた導電性を有する導電性材料が得られる。このような導電性材料は、フィルム状の帯電防止膜や、電子回路において電気的接合を行う部分に使用可能な異方性導電膜として好適に利用できる。
こうした導電性材料を構成する結着材(接着剤)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、スチレン・アクリロニトリル樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂を例示できる。
以下のようにして実施例、比較例の導電性粒子を製造した。
(実施例1)
スチレン及びp−トリメトキシシリルスチレンを分散重合させた後、アルカリによる加水分解を行い、直径2.8 μm のシロキサン架橋重合体粒子を得た。この粒子2.0gを基材粒子として、まず基材表面を改質するためカチオン系界面活性剤にて処理した。
基材粒子を濾別して水洗した後、塩化パラジウム100mg/L、塩化スズ10g/L及び濃塩酸150mL/Lである水溶液に浸漬し、濾別し、水洗した後、25mg/L
塩化パラジウム溶液及び5%硫酸で処理して樹脂粒子表面にパラジウム触媒を担持させた。樹脂粒子を濾別して水洗した後、水に加えてスラリーを作製し、ホルムアルデヒドを加えた、その後スラリーを銅メッキ液に投入して液を撹拌すると同時に、超音波振動を付与しながら20分間無電解銅メッキを行った。このとき、スラリー投入後のメッキ液量が1.6 Lになるように、スラリー及びメッキ液の量を調整した。メッキ液の組成は、スラリー投入後において、硫酸銅2.4g/L、ロシェル塩80g/L、水酸化ナトリウム50g/L、硫酸ニッケル0.1g/L、安定剤 若干、であり、pH12、温度25℃に調整した。メッキされた基材粒子を濾別及び水洗し、無電解銅メッキを終了した。
次に、得られた銅メッキ皮膜の形成された粒子を有機酸水溶液500m Lに分散し、10分間攪拌した後、塩化錫30g/L、チオ尿素170 g/Lを含む錫メッキ液100mLを滴下し、撹拌すると同時に超音波振動を付与しながら30分間メッキを行い、銅メッキ膜厚0.060 μm、錫メッキ膜厚0.040 μmの金属被覆粒子を得た。
得られた金属被覆粒子1gをエタノール100mlに分散し、直径1mmのジルコニアビーズ40gを入れた300mlのビーカー内で金属製の攪拌羽根で30分間400rpmで攪拌し、解砕を行った。ろ別した後、500mlのトールビーカーに移し変えエタノールを加え、分散した後、放置し上澄みを除き、ろか乾燥を行い、金属破片を取り除いた導電性粒子を得た。
(実施例2〜13)
実施例1と同様にして各導電性粒子を作製した。ただし、銅メッキ層の膜厚、錫メッキ層の膜厚は、表1に示すように変化させた。
(比較例1〜11)
実施例1と同様にして各導電性粒子を作製した。ただし、銅メッキ層の膜厚、錫メッキ層の膜厚は、表2に示すように変化させた。
各導電性粒子について、以下のようにして特性を測定した。
(マイグレーション評価)
銅パターン配線にNi/Auメッキを施したL/S=30/30(間隙数10)のFPC 基板を用いた。図1は、この櫛型基板を模式的に示す平面図である。各導電性粒子の粒子密度を2vol%となるように接着樹脂(三井化学製XN−5A )に混ぜ合せて混合ペーストを作製した。このペーストをFPC 基板に塗布し、5kg/cm、予備加熱80℃、45分、本加熱150 ℃、45分にて無アルカリガラス板に対して熱圧着を行い、試験片を得た。
この試験片に30V のバイアスを印加しながら、85℃、相対湿度85%環境で500時間放置した。放置後の電極間の絶縁抵抗を測定し、また、デンドライトの発生の有無を観察することでマイグレーションの評価を行った。
(粒子導通性評価)
島津製作所製 抵抗測定キット付 微小圧縮試験機MCT-W201を用い、先端50μmの金属製平型圧子にて0.29mN/secの負荷速度にて、元の粒径から10%変形させた時の抵抗値の測定し、100個の導電性粒子を測定したときの20Ω以下の粒子の割合を評価した(測定温度 20℃)。
Figure 2010027609
Figure 2010027609
マイグレーション評価の結果、実施例の導電性粒子は絶縁状態(10−9Ω以上)を維持し、デンドライトの発生も見られなかった。しかし、比較例では、絶縁状態の低下が見られ、デンドライトの発生も見られた。また、メッキ膜厚0.150 μmより厚いメッキ粒子は、凝集の存在により、初期から端子間での短絡が見られた。
マイグレーション評価において、錫の膜厚が0.030 μm以下の比較例1,2,6,7,8および金属被膜の薄い比較例3においては電極間にデンドライトの発生が認められ、電流がリークしていた。
粒子導通性評価の結果、実施例の導電性粒子は、50%以上の確率で20Ω以下であり、従来のNi/Au メッキを施した導電性粒子と同等であった。
金属膜厚が厚い比較例9,10,11では、端子間に凝集状の導電性粒子が見られた。微小圧縮試験機による導通性評価では、銅の膜厚が0.035μm 以下の比較例3,4,5および比較例1,2,6の導通率が劣っていた。
(接続抵抗評価)
図2は、接続抵抗評価用の試験片を示す。線幅1mmの銅パターン配線3にNi/Auメッキした基板1を2枚交差させた。この交差部に導電性粒子と接着樹脂の混合ペースト2を塗布し、加熱圧着後、抵抗を測定し、評価した。この結果を表4に示す。
Figure 2010027609
この結果からわかるように、実施例1,2,3,4,9の導電性粒子によって、特に低い接続抵抗を得ることが出来た。
1 基板 2 導電性粒子と接着樹脂との混合ペースト 3 銅パターン

Claims (6)

  1. 樹脂粒子、および樹脂粒子を被覆する金属被覆層を備えている導電性粒子であって、
    前記金属被覆層が、無電界メッキされた内側銅メッキ層および置換メッキされた外側錫メッキ層を備えており、前記銅メッキ層の膜厚が0.040μm以上、0.120μm以下であり、前記錫メッキ層の膜厚が0.030μm以上、0.110μm以下であり、前記金属被覆層全体の膜厚が0.070μm以上、0.150μm以下であることを特徴とする、導電性粒子。
  2. 前記樹脂粒子の平均粒子径が0.1μm以上、10μm以下であることを特徴とする、請求項1記載の導電性粒子。
  3. 前記銅メッキ層の膜厚が0.050μm以上、0.070μm以下であり、前記錫メッキ層の膜厚が0.070μm以下であることを特徴とする、請求項1または2記載の導電性粒子。
  4. 粒子密度2vol%の割合で接着樹脂に混ぜ合せ、Line/Space=30/30μmおよび重なり幅5mmの櫛型電極を形成したFPCにて熱圧着した試験片を温度85°C、相対湿度85%および印加電圧30Vの条件で500時間恒温恒湿促進試験を行った後に10Ω以上の抵抗値を維持することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の導電性粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の導電性粒子、およびこの導電性粒子を結着する結着剤を備えていることを特徴とする、導電性材料。
  6. 請求項5記載の導電性材料からなることを特徴とする、異方性導電膜。
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