JP5368611B1 - 導電性微粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮荷重を受けたときの電気抵抗を低く維持できるとともに、単粒子率を高めることができる導電性微粒子を提供する。
【解決手段】導電性微粒子は、基材微粒子の外周に導電層としてニッケル層が被覆形成されて構成されている。該ニッケル層は、内周側のリンが含まれるニッケル層と、外周側のリンが含まれないニッケル層とにより形成されている。このニッケル層の内周側には銅層が設けられることが好ましい。前記導電層中におけるリンの含有率は0.5〜10質量%であることが好ましい。前記リンが含まれないニッケル層は、還元剤としてヒドラジン又はヒドラジン化合物を用いたニッケルの無電解めっき法により形成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば電気絶縁性のバインダー樹脂に配合されて導電材料や異方性導電接続材料として用いられ、圧縮荷重を受けたときの導電性が良く、信頼性の高い電気接続ができる導電性微粒子に関する。
導電材料や異方性導電接続材料は、電気絶縁性のバインダー樹脂に導電性微粒子が配合されて形成され、導電材料はマイクロ素子実装用等に用いられ、異方性導電接続材料は異方性導電フィルム、異方性導電シート、異方性導電接着剤等として用いられる。そして、例えば異方性導電接続材料は、基板や電子部品に設けられている電極間を電気的に接続するために、電極間に挟み込んで使用される。
この種の導電性微球体が例えば特許文献1に開示されている。すなわち、導電性微球体は、樹脂微球体の表面にニッケルからなる導電薄膜層が形成されたものであり、その導電薄膜層にリンが1.5〜4質量%含まれている。この導電性微球体によれば、導電薄膜層が変質し難く、導電性を良好に維持することができる。
また、別の導電性微粒子が特許文献2に開示されている。この導電性微粒子は、基材微粒子の表面にニッケル層が形成されたものであり、そのニッケル層のニッケル含有率が96質量%以上に設定され、97質量%以上が好ましく、99質量%以上がより好ましいとされている。この導電性微粒子によれば、ニッケルの含有率が高いため信頼性の高い電気接続を行うことができる。
特許第2507381号公報 特開2010−103080号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている従来構成の導電性微球体では、樹脂微球体の外周に導電層を形成する導電薄膜層が1層で形成され、その導電薄膜層にリンが含まれている。導電薄膜層を形成する主成分としてのニッケルに比べてリンは導電性を妨げるように働くことから、導電性微球体の電気抵抗を十分に低下させることは困難であった。
一方、特許文献2に記載の導電性微粒子では、ニッケル層中のニッケルの含有率が高いことから、可撓性が不足する。すなわち、ニッケル層中におけるニッケル以外の成分としてリンの含有率が低い。このため、導電性微粒子が例えば圧縮荷重を受けたとき、ニッケル層に亀裂が生じることにより連続性が失われて電気抵抗が高くなるという欠点があった。加えて、基材微粒子表面にニッケル層を無電解めっき法によって形成する際に微粒子同士が付着して凝集しやすくなり、分散性が低下する傾向がある。つまり、得られる導電性微粒子の単粒子率が悪いという問題もあった。
そこで本発明の目的とするところは、圧縮荷重を受けたときの電気抵抗を低く維持できるとともに、単粒子率を高めることができる導電性微粒子を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の導電性微粒子は、基材微粒子の外周に導電層が被覆形成された導電性微粒子であって、前記導電層はニッケルを主成分とする複数のニッケル層で構成され、内周側の層はリンが含まれるニッケル層であり、外周側の層はリンが含まれないニッケル層であることを特徴とする。
請求項2に記載の導電性微粒子は、請求項1に係る発明において、前記リンが含まれるニッケル層とリンが含まれないニッケル層との膜厚の比率は、95:5〜5:95であることを特徴とする。
請求項3に記載の導電性微粒子は、請求項1又は請求項2に係る発明において、前記導電層中におけるリンの含有率は、0.5〜10質量%であることを特徴とする。
請求項4に記載の導電性微粒子は、請求項1から請求項3のいずれかに1項に係る発明において、前記リンが含まれないニッケル層は、還元剤としてヒドラジン又はヒドラジン化合物を用いたニッケルの無電解めっき法により形成されるものであることを特徴とする。
請求項5に記載の導電性微粒子は、請求項1から請求項4のいずれか1項に係る発明において、前記ニッケル層の内周側には銅層が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
本発明の導電性微粒子は、基材微粒子外周の導電層がニッケルを主成分とする複数のニッケル層で構成され、内周側の層はリンが含まれるニッケル層であり、外周側の層はリンが含まれないニッケル層である。内周側のニッケル層にはリンが含まれていることから、ニッケル層には可撓性が付与され、導電性微粒子が圧縮荷重を受けたときにもその圧縮荷重に追従できてニッケル層の剥離や損傷が抑えられ、導電性微粒子の電気抵抗を低く抑えることができる。
一方、外周側のニッケル層にはリンが含まれず、ニッケルの含有率が高いことから、導電性微粒子の電気抵抗を低く設定することができる。さらに、導電層をリンが含まれるニッケル層とリンが含まれないニッケル層とを積層して構成したことから、基材微粒子表面にニッケル層を例えば無電解めっきで形成する際に導電性微粒子同士の付着、凝集が抑えられ、導電性微粒子の分散性を高めることができる。
従って、本発明の導電性微粒子によれば、圧縮荷重を受けたときの電気抵抗を低く維持できるとともに、単粒子率を高めることができるという効果を奏する。
以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の導電性微粒子は、基材微粒子の外周に導電層が被覆形成されたものである。この導電層は、ニッケル(Ni)を主成分とする複数のニッケル層で構成され、内周側の層はリン(P)が含まれるニッケル層であり、外周側の層はリンが含まれないニッケル層である。以下に、導電性微粒子の各構成要素について順に説明する。
(基材微粒子)
基材微粒子は導電性微粒子の核となるもので、その材質は特に制限されないが、有機系重合体、有機無機混成材料、シリコーン微粒子又はシリカ微粒子が好ましい。基材微粒子を構成する重合体としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド等の線状重合体;ジビニルベンゼン、ヘキサトリエン、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジアリルカルビノール、アルキレンジアクリレート、オリゴ又はポリアルキレングリコールジアクリレート、アルキレントリアクリレート、アルキレンテトラアクリレート、アルキレントリメタクリレート、アルキレンテトラメタクリレート、アルキレンビスアクリルアミド、アルキレンビスメタクリルアミド、両末端アクリル変性ポリブタジエンオリゴマー等を単独又は他の重合性単量体と重合させて得られる網状重合体;フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体の単独又は他の重合性単量体と共重合させて得られる樹脂やそれら加水分解性シリル基を加水分解後架橋させた重合体微粒子、ジメチルポリシロキサン等のオルガノポリシロキサン樹脂、シリカ微粒子等が挙げられる。前記重合体を形成するための重合方法は特に制限されず、分散重合法、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、懸濁重合法、シード重合法、塊状重合法等が挙げられる。
基材微粒子の形状は制限されず、真球状、楕円体状、多面体状、針状、ファイバー状、ウイスカー状、柱状、筒状、不定形状であってよいが、真球状とすることが好ましい。基材微粒子の平均粒子径は、0.1〜100μmが好ましく、1〜30μmがさらに好ましい。この平均粒子径が0.1μm未満の場合には導電層を形成する際に凝集が生じやすくなり、100μmを超える場合には近年高精細化のためピッチ幅が細くなっている現状を考えると、横方向へのショートが懸念される。ここで、基材微粒子の平均粒子径は、基材微粒子が球状の場合には直径を表し、楕円体状等である場合には長径を表す。また、平均粒子径は、任意の基材微粒子300個を電子顕微鏡で観察、測定することにより得られる値である。
基材微粒子の粒子径分布の変動係数(CV値)は、15%以下であることが好ましく、10%以下であることが一層好ましい。CV値が15%を超えると、基材微粒子の粒子径が不揃いとなるため、その基材微粒子を用いて製造した導電性微粒子によって電気接続を図る際に、接続に関与しない導電性微粒子が発生し、導通不良現象が生じる場合がある。
上記CV値とは、下記の式(1)で表される値である。
CV値(%)=(σ/Dn)×100・・・・(1)
(式中、σは粒子径の標準偏差を表し、Dnは数平均粒子径を表す。また、標準偏差及び数平均粒子径は、任意の基材微粒子300個を電子顕微鏡で観察、測定することにより得られる値である。)
基材微粒子には、「相互侵入高分子網目構造を形成し得る化合物」を含浸させることができる。この化合物としては、基材微粒子内部において加熱により相互侵入高分子網目構造を形成することができるような化合物であれば、制限されない。この化合物として好適には、架橋反応し得る官能基を複数個有する化合物である。該化合物の複数の官能基により架橋反応が進行することによって、相互侵入高分子網目構造が形成される。このような官能基としては、エポキシ基、加水分解性シリル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、イミノ基等が挙げられる。これらの官能基は、1つの化合物に一種類又は二種類以上包含されている。
前記官能基を有する化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、3−グリシジドキシプロピルトリメトキシシラン、3,4−エポキシブチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
前記加水分解性シリル基を有する化合物としては、テトラエトキシシラン、2−トリメトキシシリルエチルトリメトキシシラン、6−トリメトキシシリルヘキサメチレントリメトキシシラン、p−ジメトキシシリルエチルベンゼン、テレフタル酸ジ−3−トリメトキシシリルプロピル、アジピン酸ジ−3−トリメトキシシリルプロピル、イソシアヌル酸トリ−3−メチルジメトキシシリルプロピル等が挙げられる。また、相互侵入高分子網目構造を形成する結合としては、エーテル結合、シロキサン結合、エーテル結合とシロキサン結合との組合せ等が挙げられる。
(ニッケル層)
基材微粒子の外周に形成されるニッケル層は、内周側にリンが含まれるニッケル層、外周側にリンが含まれないニッケル層が設けられる。リンが含まれるニッケル層は、リンが含まれていることにより、そのニッケル層に可撓性が付与され、圧縮荷重が作用したときにもニッケル層が撓み変形し、剥離や損傷が抑えられ、電気抵抗の上昇が抑制されるようになっている。一方、リンが含まれないニッケル層は、純度の高いニッケルにより形成され、電気抵抗を極力抑えるようになっている。
(リンが含まれるニッケル層)
リンが含まれるニッケル層の膜厚は、0.01〜0.20μmであることが好ましい。この膜厚が0.01μmより薄い場合には連続したリン含有ニッケル層が得られ難くなり、0.20μmより厚い場合にはリン含有ニッケル層を形成する際に凝集が発生しやすくなって好ましくない。
ニッケル層全体中におけるリン含有率は、0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることがさらに好ましい。リン含有率が0.5質量%を下回る場合、ニッケル層の可撓性が不足するため基材微粒子とニッケル層との密着性が低下し、高い圧縮荷重によりニッケル層の剥離が懸念される。その一方、リン含有率が10質量%を上回る場合、電気抵抗の低い導電性微粒子が得られ難くなる。
このリンが含まれるニッケル層には、導電性微粒子の電気抵抗をさらに低下させるために、ホウ素(B)を含まないようにすることが好ましい。
(リンが含まれないニッケル層)
リンが含まれないニッケル層は、リンが含まれていないことにより、リンが含まれている場合に比べて導電性微粒子の電気抵抗を低下させることができる。さらに、このリンが含まれないニッケル層にホウ素(B)が含まれていないことにより、導電性微粒子の電気抵抗を一層低下させることができる。
リンが含まれないニッケル層は、ヒドラジン又はヒドラジン化合物を還元剤とした無電解めっき法により形成されることが好ましい。リンが含まれないニッケル層は針状構造を有することが好ましい。針状構造を有するニッケル層はニッケル純度が非常に高く、炭素(C)や硫黄(S)等の不純物がほとんど含まれていない。さらに、針状構造は、高い圧縮荷重を受けてもめっき層が破砕し難く、接続信頼性が向上する。
リンが含まれないニッケル層の膜厚は、好ましくは0.01〜0.20μmである。この膜厚が0.01μmより薄い場合には、連続したニッケル層が得られ難く、導電性微粒子の電気抵抗が高くなる傾向を示す。一方、膜厚が0.20μmより厚い場合には、ニッケル層を無電解めっき法により形成する際に凝集が発生しやすくなって好ましくない。リンが含まれないニッケル層のニッケル純度は、99.0%を超えることが好ましく、99.7%を超えることが一層好ましい。
(リンが含まれるニッケル層とリンが含まれないニッケル層との膜厚の比率)
リンが含まれるニッケル層とリンが含まれないニッケル層との膜厚の比率は、95:5〜5:95であることが好ましく、75:25〜25:75であることがさらに好ましい。リンが含まれるニッケル層の膜厚比率が95%より高くなるときには、導電性微粒子の電気抵抗を低下させることが難くなって好ましくない。一方、リンが含まれるニッケル層の膜厚比率が5%より低くなるときには、無電解めっき法によるニッケル層形成時に凝集が発生しやすくなって好ましくない。
(ニッケル層の形成方法)
前記基材微粒子の表面にニッケル層を形成させる方法は特に制限されないが、例えば無電解ニッケルめっき法が好適に採用される。この無電解ニッケルめっき法とは、基材微粒子の表面に触媒付与を行い、ニッケル塩、還元剤、必要に応じて緩衝剤や錯化剤及び安定剤を含有するニッケルめっき液中で、触媒付与された上記基材微粒子の表面に無電解めっきを施すことによりニッケル層を形成させる方法である。上記基材微粒子の表面に付与させる触媒は、白金族の金属化合物を用いることが好ましい。具体的には塩化第一スズの塩酸溶液に基材微粒子を浸漬した後、さらに塩化パラジウムの塩酸溶液に浸漬加熱し、水洗する。このようにして得た粒子では、パラジウムが粒径50nm以下の微粒子として析出している。
また、塩化第一スズと塩化パラジウムとの混合溶液に基材微粒子を浸漬し、その後塩酸又は硫酸水溶液を用いてスズを溶出、除去してもよい。この場合も上記と同様、粒子表面にパラジウム微粒子が析出している。さらに、塩化パラジウムと、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピリジン等の水溶性単量体と、アスコルビン酸との混合水溶液にグラフト重合層を有する基材微粒子を浸漬してもよい。この場合も上記と同様、粒子表面にパラジウム微粒子が析出している。
次に、上記の方法により触媒が付与された基材微粒子を用いて、まず内周側のリンが含まれるニッケル層を還元めっきする(第1工程)。第1工程を行う方法としては、例えば次亜リン酸ナトリウムを還元剤として構成される無電解ニッケルめっき液を所定の方法に従って建浴、加温したところに、触媒付与された基材微粒子を浸漬し、Ni2++HPO +HO→Ni+HPO +2Hからなる還元反応でニッケル及びリンを含有する金属めっき被膜を析出させる方法等が挙げられる。
還元剤としては、次亜リン酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン、テトラヒドロホウ酸カリウム等が挙げられる。また、ニッケルめっき液には、浴のpHの変動を極力防止する目的で緩衝剤を用いることができる。緩衝剤としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アクリル酸、トリメチル酢酸、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、マレイン酸、イタコン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、クエン酸、ホウ酸、炭酸、亜硫酸等の弱酸とそのアルカリ金属塩との混合溶液が使用される。
また、浴中でのニッケルの沈殿生成を防止する目的で錯化剤を用いることができる。錯化剤としては、酢酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、チオグリコール酸、アンモニア、ヒドラジン、トリエタノールアミン、グリシン、アラニン、アスパラギン、イミノジ酢酸、グルタミン酸、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。また、浴中での金属微粉末の生成による触媒活性の低下を防止する目的で、硫黄化合物や鉛イオン等の安定剤を用いることができる。
次に、上記第1工程によりリンが含まれるニッケルめっき層が被覆された基材微粒子を用いて、外周側のリンが含まれないニッケル層を還元めっきする(第2工程)。還元めっきを行う方法としては、例えばヒドラジンを還元剤として構成される無電解ニッケルめっき液を所定の方法にしたがって建浴、加温したところに、リンが含まれるニッケルめっき層が被覆された基材微粒子を浸漬し、Ni2++N+2OH→Ni+N↑+H↑+2HOからなる還元反応で純度の高いニッケルめっき被膜を形成させる方法等が挙げられる。
また、第2工程で用いられる基材微粒子は、第1工程後純水で十分洗浄されていることが好ましい。これは、第1工程と第2工程を連続で行うと、第1工程に含まれるリン化合物が第2工程に混入する可能性が考えられるためである。また、ニッケルめっき液には、反応を安定に行う目的で緩衝剤、錯化剤、安定剤を用いることができるが、電気抵抗の面からニッケルめっき純度を低下させる緩衝剤やホルマリン、硫黄化合物等は含まないことが好ましい。
(銅層)
この銅層は前記ニッケル層の内周側に必要に応じて設けられる層であり、銅の優れた導電性により、導電性微粒子の電気抵抗を一層低下させることができる。該銅層の膜厚は、0.03〜0.20μmであることが好ましい。この膜厚が0.03μmより薄い場合、基材微粒子への銅の析出ムラが生じやすいため銅層が不連続となる傾向を示し、基材微粒子の導通率が著しく低下する。一方、膜厚が0.20μmより厚い場合、銅層を無電解めっき法により形成する際に凝集が発生しやすくなる。
この銅層の形成方法は特に制限されないが、例えば無電解銅めっき法等が好適に用いられる。その無電解銅めっき法は、基材微粒子の表面に触媒付与を行い、常法に従って銅還元めっきする方法である。触媒付与は、前記無電解ニッケルめっき法と同様の方法を用いることができる。銅還元めっきは、酸性めっき、アルカリ性めっきのいずれをも用いることができる。銅還元めっきは、例えば硫酸銅をホルムアルデヒドによって還元し、触媒が付与された基材微粒子の表面に銅を析出させることにより行われる。
なお、銅層表面にニッケルめっきを行う場合、必要に応じて触媒付与を行う。触媒付与は、先に述べた方法又は塩化パラジウムによる銅の置換反応によりパラジウムを銅層表面に析出させる方法が挙げられる。
次に、前記のように構成された導電性微粒子について作用を説明する。
さて、前記導電性微粒子は、基材微粒子外周に導電層としてニッケル層が形成され、そのニッケル層が内周側のリンが含まれるニッケル層と外周側のリンが含まれないニッケル層で構成されている。そして、この導電性微粒子を例えばバインダー樹脂に配合して異方性導電接続材料として使用したとき、その異方性導電接続材料が応力を受けると、異方性導電接続材料を構成する導電性微粒子に圧縮荷重が作用する場合がある。
このとき、外周側のニッケル層にはリンが含まれず、ニッケルの含有率が高いことから、電気抵抗を極力低くすることができる。一方、内周側のニッケル層にはリンが含まれていることから、ニッケル層は可撓性を示し、圧縮荷重に追従して変形し、ニッケル層の剥離や損傷が抑えられる。従って、導電性微粒子は外力により圧縮荷重を受けても、電気抵抗の上昇を抑制することができる。
加えて、前述のように導電層はリンが含まれるニッケル層とリンが含まれないニッケル層とが積層されて構成されている。リンはニッケルに比べて極性が高く、親水性を示す。このため、基材微粒子表面にニッケル層を無電解めっき法により形成する際に、微粒子表面にリンに基づく極性作用が発現され、良好な水分散性が得られ、凝集物が生成されることなく、単粒子性の高い導電性微粒子を得ることができる。
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
(1)本実施形態の導電性微粒子は、基材微粒子外周の導電層がニッケルを主成分とする複数のニッケル層で構成され、内周側の層はリンが含まれるニッケル層であり、外周側の層はリンが含まれないニッケル層である。内周側のニッケル層にはリンが含まれていることから、導電性微粒子が圧縮荷重を受けたときにもニッケル層の損傷が抑えられ、導電性微粒子の電気抵抗を低くすることができる。
一方、外周側のニッケル層にはリンが含まれず、ニッケルの含有率が高いことから、導電性微粒子の電気抵抗を低く設定することができる。その上、導電層はリンが含まれるニッケル層とリンが含まれないニッケル層とが積層されて構成されていることから、ニッケル層を無電解めっき法で形成する際に導電性微粒子の分散性を高め、凝集を抑制することができる。
従って、本実施形態の導電性微粒子によれば、圧縮荷重を受けたときの電気抵抗を低く維持することができて信頼性を向上させることができるとともに、単粒子率を高めることができるという効果を奏する。
(2)前記リンが含まれるニッケル層とリンが含まれないニッケル層との膜厚の比率は95:5〜5:95の範囲が好ましい。この場合には、導電性微粒子が圧縮荷重を受けたときの低い電気抵抗の維持と、単粒子率の向上を図ることができる。
(3)前記導電層中におけるリンの含有率は0.5〜10質量%であることが好ましい。この場合、導電性微粒子が圧縮荷重等を受けたとき、ニッケル層の剥離や損傷を有効に抑制することができるとともに、電気抵抗の上昇を抑制することができる。
(4)前記リンが含まれないニッケル層は、還元剤としてヒドラジン又はヒドラジン化合物を用いたニッケルの無電解めっき法により形成される。このため、ニッケルの純度が高く、リンが含まれないニッケル層を容易に形成することができる。
(5)前記ニッケル層の内周側には銅層を設けることができる。この場合には、銅のもつ導電性によって導電性微粒子の電気抵抗を一層低下させることができる。
(6)導電性微粒子は、導電層の表面に突起を有していても良い。導電性微粒子を接着性樹脂に配合して導電性接着剤として用いる場合、導電性微粒子と電極との間に接着性樹脂が入り込むと接続抵抗が低下してしまうが、導電層の表面に突起を有することにより、圧着の際に接着性樹脂を好適に排除できる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
〔実施例1〕
(母粒子の作製)
2Lセパラブルフラスコにポリビニルピロリドン3.5質量%メタノール溶液400g、スチレン42g、p−トリメトキシシリルスチレン63gを充填し、窒素気流下において緩やかに攪拌しつつ60℃に加温した。これにアゾビスイソブチロニトリル4gを加え、12時間反応させた。反応終了後室温に冷却した後、水酸化カリウムの5質量%水溶液200gを追加し、60℃で2時間攪拌して加水分解反応及び架橋反応を行った。得られた粒子を洗浄し、母粒子Aを得た。
この母粒子A20gに対して、相互侵入高分子網目形成化合物〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン〕10gを溶解させたトルエン溶液20gを加えた。次いで、200℃で16時間加熱した後、洗浄することにより、直径5μmの架橋重合体粒子Bを得た。
この架橋重合体粒子B2.1gの表面を改質するためカチオン系界面活性剤に浸漬処理した。それを濾別して水洗後、塩化パラジウム100mg/L、塩化スズ10g/L及び濃塩酸150mL/Lである水溶液に浸漬し、濾別し水洗後、25mg/L塩化パラジウム溶液及び、5質量%硫酸で処理して基材粒子表面にパラジウム触媒を担持させた。基材粒子を濾別して水洗後、純水400mlに分散し、硫酸ニッケル224g/Lの水溶液及び次亜リン酸ナトリウム226g/L、水酸化ナトリウム119g/Lの水溶液を夫々1.7ml/分の速度で11.0mlずつ同時に滴下し、反応が停止するまで(めっき液中のニッケルイオンが消費されるまで)70℃に保持しながら攪拌を継続させた。その後、濾過洗浄を行い、膜厚0.05μmのリン含有ニッケル層を被覆した導電性微粒子Cを得た。
この導電性微粒子Cの全量を純水400mlに分散し、酢酸ニッケル12.4g/L、ヒドラジン6.4/Lを夫々10ml/分の速度で221.5mlずつ同時に滴下し、反応が停止するまで72℃に保持しながら攪拌を継続させた。その後、濾過洗浄を行い、リンやホウ素を含まない膜厚0.05μmのニッケル層を被覆した導電性微粒子Dを得た。
〔比較例1〕
前記架橋重合体粒子B2.1gの表面を改質するため、カチオン系界面活性剤に浸漬処理した。それを濾別して水洗後、塩化パラジウム100mg/L、塩化スズ10g/L及び濃塩酸150mL/Lである水溶液に浸漬し、濾別して水洗後、25mg/L塩化パラジウム溶液及び5質量%硫酸で処理して基材粒子表面にパラジウム触媒を担持させた。基材粒子を濾別して水洗後、純水400mlに分散し、硫酸ニッケル224g/Lの水溶液及び次亜リン酸ナトリウム226g/L、水酸化ナトリウム119g/Lの水溶液を夫々1.7ml/分の速度で22.3mlずつ同時に滴下し、反応が停止するまで70℃に保持しながら攪拌を継続させた。その後、濾過洗浄を行い、膜厚0.1μmのリン含有ニッケル層を被覆した導電性微粒子Oを得た。
〔実施例2〕
実施例1と同様の方法で、めっき液の添加量を制御することにより、膜厚0.095μmのリン含有ニッケル層(めっき液を21.2mlずつ同時に滴下)、膜厚0.005μmのリンやホウ素を含まないニッケル層(めっき液を21.4mlずつ同時に滴下)を被覆した導電性微粒子Eを得た。
〔実施例3〕
実施例1と同様の方法で、めっき液の添加量を制御することにより、膜厚0.09μmのリン含有ニッケル層(めっき液を20.0mlずつ同時に滴下)、膜厚0.01μmのリンやホウ素を含まないニッケル層(めっき液を42.9mlずつ同時に滴下)を被覆した導電性微粒子Fを得た。
〔実施例4〕
実施例1と同様の方法で、めっき液の添加量を制御することにより、膜厚0.08μmのリン含有ニッケル層(めっき液を17.7mlずつ同時に滴下)、膜厚0.02μmのリンやホウ素を含まないニッケル層(めっき液を86.5mlずつ同時に滴下)を被覆した導電性微粒子Gを得た。
〔実施例5〕
実施例1と同様の方法で、めっき液の添加量を制御することにより、膜厚0.07μmのリン含有ニッケル層(めっき液を15.5mlずつ同時に滴下)、膜厚0.03μmのリンやホウ素を含まないニッケル層(めっき液を130.8mlずつ同時に滴下)を被覆した導電性微粒子Hを得た。
〔実施例6〕
実施例1と同様の方法で、めっき液の添加量を制御することにより、膜厚0.03μmのリン含有ニッケル層(めっき液を6.5mlずつ同時に滴下)、膜厚0.07μmのリンやホウ素を含まないニッケル層(めっき液を315.0mlずつ同時に滴下)を被覆した導電性微粒子Iを得た。
〔実施例7〕
実施例1と同様の方法で、めっき液の添加量を制御することにより、膜厚0.02μmのリン含有ニッケル層(めっき液を4.3mlずつ同時に滴下)、膜厚0.08μmのリンやホウ素を含まないニッケル層(めっき液を362.9mlずつ同時に滴下)を被覆した導電性微粒子Jを得た。
〔実施例8〕
実施例1と同様の方法で、めっき液の添加量を制御することにより、膜厚0.01μmのリン含有ニッケル層(めっき液を2.2mlずつ同時に滴下)、膜厚0.09μmのリンやホウ素を含まないニッケル層(めっき液を411.5mlずつ同時に滴下)を被覆した導電性微粒子Kを得た。
〔実施例9〕
実施例1と同様の方法で、めっき液の添加量を制御することにより、膜厚0.005μmのリン含有ニッケル層(めっき液を1.1mlずつ同時に滴下)、膜厚0.095μmのリンやホウ素を含まないニッケル層(めっき液を436.2mlずつ同時に滴下)を被覆した導電性微粒子Lを得た。
〔実施例10〕
実施例1と同様の方法で、基材微粒子表面にパラジウム触媒を担持させた後、基材微粒子を濾別して水洗後、純水400mlに分散し、硫酸ニッケル224g/Lの水溶液及び次亜リン酸ナトリウム226g/L、水酸化ナトリウム119g/Lの水溶液を夫々1.7ml/分の速度で2.2mlずつ同時に滴下し、反応が停止するまで88℃に保持しながら攪拌を継続させた。その後、濾過洗浄を行い、膜厚0.01μmのリン含有ニッケル層を被覆した導電性微粒子Mを得た。
この導電性微粒子Mの全量を純水400mlに分散し、酢酸ニッケル12.4g/L、ヒドラジン6.4/Lを夫々10ml/分の速度で411.5mlずつ同時に滴下し、反応が停止するまで72℃に保持しながら攪拌を継続させた。その後、濾過洗浄を行い、膜厚0.09μmのリンやホウ素を含まないニッケル層を被覆した導電性微粒子Nを得た。
〔比較例2〕
実施例1と同様の方法で基材微粒子表面にパラジウム触媒を担持させた後、基材微粒子を濾別して水洗後、純水400mlに分散し、酢酸ニッケル12.4g/L、ヒドラジン6.4g/Lを夫々10ml/分の速度で461.0mlずつ同時に滴下し、反応が停止するまで72℃に保持しながら攪拌を継続させた。その後、濾過洗浄を行い、膜厚0.1μmのリンやホウ素を含まないニッケル層を被覆した導電性微粒子Pを得た。
以上の実施例1〜10及び比較例1及び2で得られた導電性微粒子について、粒子導通性〔10%変形圧縮荷重時及び30%変形圧縮荷重時の電気抵抗値(Ω)〕及び単粒子率(%)を下記の測定方法で測定した。また、導電層の膜厚測定方法及びニッケル層中のリン、ホウ素含有率の測定方法を下記に示す。それらの結果を表1に示した。
(粒子導通性)
株式会社島津製作所製の抵抗測定キット付微小圧縮試験機MCT−W201を用い、先端50μmの金属製平型圧子にて0.29mN/secの負荷速度にて、元の粒子径から10%変形させた時及び30%変形させた時の電気抵抗値(Ω)を測定した(測定温度は20℃)。
(単粒子率)
得られた導電性微粒子各々を、ノニポール400(三洋化成工業株式会社製)を5質量%含んだメタノールに粒子濃度が0.1質量%になるように調整し、超音波分散した。次いで、スライドガラス上に分散液を垂らしカバーガラスを被せて、光学顕微鏡にて単粒子率(%)を測定した。
(導電層の膜厚測定方法)
得られた導電性微粒子の断面をミクロトームで切り出し、透過型電子顕微鏡で観察し、導電層の膜厚(μm)を測定した。
(ニッケル層中のリン、ホウ素含有率の測定方法)
得られた導電性微粒子の断面をミクロトームで切り出し、EDX(エネルギー分散型X線分析装置)により、ニッケル層中のリンとホウ素の含有率(質量%)を測定した。
表1に示したように、実施例1〜10では、10%又は30%変形圧縮荷重が作用したときの導電性微粒子の電気抵抗値が8.5Ω以下に抑えられるとともに、単粒子率を60%以上に維持できることが示された。
その一方、比較例1では、ニッケル層はリンが含まれるニッケル層のみで構成され、そのニッケル層中のリンにより、導電性微粒子の電気抵抗値が大きく上昇した。比較例2では、ニッケル層が純度の高いニッケルでのみで形成されているため、導電性微粒子の電気抵抗が低い反面、凝集性が強く、単粒子率が50%を下回るまで低下した。
〔実施例11〕
実施例1と同様の方法で基材微粒子表面にパラジウム触媒を担持させた後、基材微粒子を濾別して水洗後、水に加えてスラリーを作製し、ホルムアルデヒドを加えた、その後、スラリーを銅めっき液に投入して液を撹拌すると同時に、超音波振動を付与しながら20分間無電解銅めっきを行った。このとき、スラリー投入後のめっき液量が1.6Lになるように、スラリー及びめっき液の量を調整した。めっき液の組成は、スラリー投入後において、硫酸銅2.4g/L、ロシェル塩80g/L、水酸化ナトリウム50g/L、硫酸ニッケル0.1g/L、安定剤が若干量であり、pH12、温度25℃に調整した。めっきが施された基材微粒子を濾別及び水洗し、無電解銅めっきを終了した。このとき、銅層の膜厚は0.09μmであった。
次に、銅層が形成された粒子にパラジウム触媒を担持させた後、純水400mlに分散し、硫酸ニッケル224g/Lの水溶液及び次亜リン酸ナトリウム226g/L、水酸化ナトリウム119g/Lの水溶液を夫々1.7ml/分の速度で10.6mlずつ同時に滴下し、反応が停止するまで70℃に保持しながら攪拌を継続させた。その後、濾過洗浄を行い、膜厚0.05μmのリン含有ニッケル層が被覆された導電性微粒子Sを得た。
この導電性微粒子Sの全量を純水400mlに分散し、酢酸ニッケル12.4g/L、ヒドラジン6.4/Lを夫々1.7ml/分の速度で213.8mlずつ同時に滴下し、反応が停止するまで70℃に保持しながら攪拌を継続させた。その後、濾過、洗浄を行い、膜厚0.05μmのリンやホウ素を含まないニッケル層が被覆された導電性微粒子Tを得た。
〔実施例12〕
実施例11と同様の方法で、めっき液の添加量を制御することにより、膜厚0.07μmのリン含有ニッケル層(14.9mlずつ同時に滴下)、及び膜厚0.03μmのリンやホウ素を含まないニッケル層(126.3mlずつ同時に滴下)が被覆された導電性微粒子Uを得た。
〔実施例13〕
実施例11と同様の方法で、めっき液の添加量を制御することにより、リン含有ニッケル層0.03μm(6.3mlずつ同時に滴下)、膜厚0.07μmのリンやホウ素を含まないニッケル層(303.9mlずつ同時に滴下)が被覆された導電性微粒子Vを得た。
以上の実施例11〜13で得られた導電性微粒子について、粒子導通性〔10%変形圧縮荷重時及び30%変形圧縮荷重時の電気抵抗値(Ω)〕及び単粒子率(%)を前記の測定方法で測定し、それらの結果を表2に示した。
表2に示したように、実施例11〜13では、ニッケル層の内周に銅層を形成したことから、銅層のない実施例1、5及び6に比べて圧縮荷重を受けたときの電気抵抗値を一層低下させることができた。
なお、前記実施形態を、次のように変更して実施することも可能である。
・ 前記リンが含まれるニッケル層を、リンの含有量が異なる複数層で形成することも可能である。この場合、例えば外周側のニッケル層のリン含有率が内周側のニッケル層のリン含有率より少なくなるように複数層を形成する。
・ 前記銅層に代えて、銀層、コバルト層等を無電解めっき法により形成してもよい。
・ 前記ニッケル層の表面に、酸化チタン、酸化セリウム等の酸化物層の形成、クロム被膜の形成、有機物や樹脂による被覆、3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸、ベンゾトリアゾール等の防錆剤の塗布等を行うことにより、ニッケル層の酸化を抑制するように構成してもよい。

Claims (5)

  1. 基材微粒子の外周に導電層が被覆形成された導電性微粒子であって、
    前記導電層はニッケルを主成分とする複数のニッケル層で構成され、内周側の層はリンが含まれるニッケル層であり、外周側の層はリンが含まれないニッケル層であることを特徴とする導電性微粒子。
  2. 前記リンが含まれるニッケル層とリンが含まれないニッケル層との膜厚の比率は、95:5〜5:95であることを特徴とする請求項1に記載の導電性微粒子。
  3. 前記導電層中におけるリンの含有率は、0.5〜10質量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の導電性微粒子。
  4. 前記リンが含まれないニッケル層は、還元剤としてヒドラジン又はヒドラジン化合物を用いたニッケルの無電解めっき法により形成されるものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の導電性微粒子。
  5. 前記ニッケル層の内周側には銅層が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の導電性微粒子。
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