JP2010027538A - ナトリウム二次電池 - Google Patents

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重人 岡田
Satoshi Hara
聡 原
Manabu Nishijima
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Junichi Yamaki
準一 山木
Takayuki Doi
貴之 土井
Satoshi Kuze
智 久世
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Abstract

【課題】サイクル性に優れ、しかも大電流密度での放電特性にも優れたナトリウム二次電池を提供する。
【解決手段】第1電極、第2電極および非水電解液を備え、第1電極がナトリウムイオンをドープかつ脱ドープすることのできる以下の式(I)で表される遷移金属カルコゲン化合物を単体としてもしくは主成分として含んでなり、かつ非水電解液が鎖状炭酸エステルを含んでなることを特徴とするナトリウム二次電池。
MZ2 (I)
(ここで、MはIUPAC周期表の第4族元素および第5族元素からなる群より選ばれる1種以上の遷移金属元素を表し、ZはS、SeおよびTeからなる群より選ばれる1種以上のカルコゲン元素を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、ナトリウム二次電池に関する。
ナトリウム二次電池は、正極、負極および非水電解液を有する二次電池である。二次電池としては、リチウム二次電池が代表的であり、携帯電話やノートパソコンなどの小型電源として既に実用化され、さらに、電気自動車、ハイブリッド自動車等の自動車用電源や分散型電力貯蔵用電源等の大型電源として使用可能であることから、その需要は増大しつつある。しかしながら、リチウム二次電池において、それを構成する材料の製造には、リチウム等の稀少金属元素を含有する原料を多く使用し、大型電源の需要の増大に対応するための前記原料の供給が懸念されている。
これに対し、上記の供給懸念を解決することのできる二次電池として、ナトリウム二次電池の検討がなされている。ナトリウム二次電池において、その材料には資源量が豊富でしかも安価な原料を用いることができ、これを実用化することにより、大型電源を大量に供給可能になるものと期待されている。
そして、従来の二次電池を構成する材料としては、特許文献1に、正極材料としてTiS2が、負極材料としてナトリウム金属が、非水電解液における溶媒としてプロピレンカーボネートが、それぞれ記載されている。
特表2000−511342号公報
しかしながら、上記材料を組み合わせて得られるナトリウム二次電池は、二次電池のサイクル性の観点で十分とはいえない。本発明の目的は、サイクル性に優れ、しかも大電流密度での放電特性にも優れたナトリウム二次電池を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ね、本発明に至った。すなわち、本発明は、下記の発明を提供する。
<1>第1電極、第2電極および非水電解液を備え、第1電極がナトリウムイオンをドープかつ脱ドープすることのできる以下の式(I)で表される遷移金属カルコゲン化合物を単体としてもしくは主成分として含んでなり、かつ非水電解液が鎖状炭酸エステルを含んでなることを特徴とするナトリウム二次電池。
MZ2 (I)
(ここで、MはIUPAC周期表の第4族元素および第5族元素からなる群より選ばれる1種以上の遷移金属元素を表し、ZはS、SeおよびTeからなる群より選ばれる1種以上のカルコゲン元素を表す。)
<2>カルコゲン元素ZがSである前記<1>記載のナトリウム二次電池。
<3>遷移金属元素MがTiである前記<1>または<2>記載のナトリウム二次電池。
<4>鎖状炭酸エステルがジメチルカーボネートである前記<1>〜<3>のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
<5>非水電解液が環状炭酸エステルをさらに含む前記<1>〜<4>のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
<6>環状炭酸エステルがエチレンカーボネートである前記<5>記載のナトリウム二次電池。
<7>第2電極が、ナトリウム金属またはナトリウム合金である前記<1>〜<6>のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
本発明によれば、リチウムの使用量を減少させることができ、しかも、充放電を繰り返した際の放電容量維持率が大きく、サイクル性に優れ、しかも大電流密度での放電特性にも優れたナトリウム二次電池を提供することができ、本発明は工業的に極めて有用である。
<本発明のナトリウム二次電池>
本発明のナトリウム二次電池は、第1電極、第2電極および非水電解液を備え、第1電極がナトリウムイオンをドープかつ脱ドープすることのできる以下の式(I)で表される遷移金属カルコゲン化合物を単体としてもしくは主成分として含んでなり、かつ非水電解液が鎖状炭酸エステルを含んでなることを特徴とする。
MZ2 (I)
(ここで、MはIUPAC周期表の第4族元素および第5族元素からなる群より選ばれる1種以上の遷移金属元素を表し、ZはS、SeおよびTeからなる群より選ばれる1種以上のカルコゲン元素を表す。)
<第1電極>
本発明において、第1電極は、ナトリウムイオンをドープかつ脱ドープすることができ、かつ上記式(I)で表される。本発明のナトリウム二次電池において、通常、第1電極は、正極として作用する。式(I)において、M:Zのモル比は1:2である。式(I)におけるMは、具体的には、Ti、Zr、Hf、V、NbおよびTaからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、ナトリウム二次電池の容量をより高め、初回の不可逆容量をより減少させ、電池のエネルギー密度をより高める観点で、Mは少なくともTiを含むことが好ましく、より好ましいMはTiである。また、式(I)におけるZは、ナトリウム二次電池の容量をより高める観点で、少なくともSを含むことが好ましく、より好ましいZはSである。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、式(I)におけるMの一部を、M以外の金属元素で置換してもよい。
<第1電極におけるMZ2の製造方法>
本発明において、MZ2を製造する方法としては、加熱により本発明におけるMZ2となり得る前駆体を加熱することによって製造する方法を挙げることができる。例えば、M含有原料とZ含有原料とを所定の組成となるように秤量し混合して得られる混合物を前駆体として用いて、これを加熱することによって製造する。具体的には、好ましい組成の一つであるTiS2で表される遷移金属カルコゲン化合物は、金属Ti粉末および硫黄粉末の各原料を、Ti:Sのモル比が1:2となるように秤量し、それらを混合し、得られた混合物を加熱することによって製造する。
上述において、M含有原料としては、Mの金属や、Mの酸化物、ならびに高温で分解および/または酸化したときに酸化物になり得る化合物、例えば水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、シュウ酸塩等を用いることができる。Z含有原料としては、Zを含有するカルコゲン単体、もしくはカルコゲン化合物を用いることができる。また、Mの硫酸塩、セレン酸塩、テルル酸塩を前駆体として用いることもできる。また、M含有原料およびZ含有原料の混合には、ボールミル、V型混合機、攪拌機等、工業的に通常用いられている装置を用いればよく、乾式混合、湿式混合のいずれによってもよい。
上記の前駆体を加熱する条件としては、用いるMの種類、Zの種類にもよるが、200℃〜1500℃の温度範囲、0.5時間〜100時間を挙げることができる。また、前駆体について、加熱の前に、加熱の温度より低い温度で予備加熱してもよい。また、予備加熱後に粉砕を行ってもよい。
加熱の際の雰囲気としては、例えば、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気を用いればよい。また、ZがSである場合には、加熱雰囲気として、硫化水素、二硫化炭素を用いる場合もあり、この場合には、前駆体におけるZ含有原料を必要としないこともある。仮焼を行う雰囲気は、不活性ガス雰囲気、酸化性雰囲気または還元性雰囲気のいずれでもよい。また仮焼後に粉砕することもできる。
また、M含有原料として、Mのフッ化物、塩化物等を用いて、生成するMZ2の結晶性を高めることおよび/または平均粒径を大きくすることができる。また、この目的に関して、前駆体に、適量のフラックスを添加してもよい。フラックスとしては、例えば前記のフッ化物、塩化物のほか、NH4Cl、NH4Iなどを挙げることもできる。
また、加熱により得られるMZ2や、上記の前駆体、M含有原料、Z含有原料について、随意にボールミルやジェットミル等を用いた粉砕、洗浄、分級等を行って、粒度を調節することが好ましいことがある。また、さらに加熱を2回以上行ってもよい。また、MZ2の粒子表面をSi、Al、Ti、Y等を含有する無機物質で被覆する等の表面処理をしてもよい。
<第1電極の製造方法>
本発明における第1電極は、上記のようにして得られるMZ2、導電材およびバインダーを含む電極合剤を、集電体に担持させて製造することができる。
導電材としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラックなどの炭素材料などが挙げられる。バインダーとしては、熱可塑性樹脂を挙げることができ、具体的には、ポリフッ化ビニリデン(以下では「PVDF」としても言及する)、ポリテトラフルオロエチレン、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロビニルエーテル系共重合体などのフッ素樹脂;ならびにポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂等が挙げることができる。集電体としては、Al、Ni、ステンレスなどを用いることができる。
集電体に電極合剤を担持させる方法としては、加圧成型する方法、または有機溶媒などを用いてペースト化し、集電体上に塗工し、乾燥後プレスするなどして固着する方法が挙げられる。ペースト化する場合、MZ2、導電材、バインダー、有機溶媒からなるスラリーを作製する。有機溶媒としては、N,N−ジメチルアミノプロピリアミン、ジエチルトリアミン等のアミン系;エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のエーテル系;メチルエチルケトン等のケトン系;酢酸メチル等のエステル系;ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。電極合剤を集電体へ塗工する方法としては、例えばスリットダイ塗工法、スクリーン塗工法、カーテン塗工法、ナイフ塗工法、グラビア塗工法、静電スプレー法等が挙げられる。
<非水電解液>
本発明において、非水電解液は、鎖状炭酸エステルを含む。通常、鎖状炭酸エステルは、非水電解液における溶媒として用いられる。非水電解液は、鎖状炭酸エステルを含む溶媒に、電解質を溶解させて用いる。本発明のナトリウム二次電池においては、第1電極のMZ2へのナトリウムイオンのドープ・脱ドープの際に、鎖状炭酸エステルがナトリウムイオンの移動を促進する作用があると考えられる。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、イソプロピルメチルカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタン挙げることができ、これらを2種以上混合して用いてもよい。ナトリウム二次電池のレート特性、すなわち大電流密度で放電した際の容量を高める観点で、鎖状炭酸エステルは、少なくともジメチルカーボネートを含むことが好ましく、より好ましい鎖状炭酸エステルは、ジメチルカーボネートである。
本発明において、非水電解液は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状炭酸エステル;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル;アセトニトリル、ブチロニトリルなどのニトリル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド;3−メチル−2−オキサゾリドンなどのカーバメート;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトンなどの含硫黄化合物をさらに含んでいてもよい。また、これらの化合物にフッ素置換基を導入したものを用いることもできる。
本発明のナトリウム二次電池の容量をより高める観点で、非水電解液は、鎖状炭酸エステルと環状炭酸エステルとを含むことが好ましく、これらを、非水電解液における溶媒として用いることができる。環状炭酸エステルは、電解質をより多く溶解することができるが、MZ2へのナトリウムイオンのドープ・脱ドープを妨害する作用があると考えられ、非水電解液における溶媒として、環状炭酸エステルを単独で用いることは好ましくない。電解質をより多く溶解させる目的で、好ましい環状炭酸エステルは、エチレンカーボネートである。
非水電解液において、電解質としては、NaClO4、NaPF6、NaAsF6、NaSbF6、NaBF4、NaCF3SO3、NaN(SO2CF32、低級脂肪族カルボン酸ナトリウム塩、NaAlCl4などが挙げられ、これらの2種以上の混合物を使用してもよい。これらの中でもフッ素を含むNaPF6、NaAsF6、NaSbF6、NaBF4、NaCF3SO3およびNaN(SO2CF32からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むものを用いることが好ましい。
<第2電極>
本発明においては、第2電極も、ナトリウムイオンをドープかつ脱ドープすることができる。第2電極としては、ナトリウムを含有する活物質を含む電極合剤を集電体に担持したもの、ナトリウム金属またはナトリウム合金などを挙げることができる。ナトリウム合金におけるナトリウム以外の金属元素としては、例えば、Pb、Sn、Geなどを挙げることができる。第2電極としては、ナトリウム金属またはナトリウム合金が好ましく用いられ、この場合、第2電極は、ナトリウム二次電池における負極として作用する。
<第2電極の製造方法>
第2電極は、上記の電極合剤を、集電体に担持させて製造することができる。集電体としては、Cu、Ni、ステンレスなどを挙げることができる。集電体に電極合剤を担持させる方法は、第1電極の場合と同様であり、加圧成型する方法、溶媒などを用いてペースト化して集電体上に塗工し、乾燥後にプレスするなどして固着する方法等が挙げられる。また、ナトリウム金属またはナトリウム合金のシートをそのまま第2電極として用いることもできるし、該シートを集電体に積層して用いてもよい。
<セパレータ>
通常、本発明のナトリウム二次電池は、セパレータを更に有する。セパレータとしては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、含窒素芳香族重合体などの材質からなる多孔質フィルム、不織布、織布などの形態を有する材料を用いることができる。セパレータの厚みは、電池の体積エネルギー密度が上がり、内部抵抗が小さくなるという点で、機械的強度が保たれる限り薄いほど好ましい。セパレータの厚みは一般に、5〜200μm程度が好ましく、より好ましくは5〜40μm程度である。
<ナトリウム二次電池の製造方法>
本発明において、ナトリウム二次電池がセパレータを有する場合には、例えば、上述の第1電極、セパレータおよび第2電極をこの順に積層および巻回することによって電極群を得、この電極群を電池缶内に収納し、非水電解液を電極群に含浸させることによって、製造することができる。
電極群の形状としては例えば、この電極群を巻回の軸と垂直方向に切断したときの断面が、円、楕円、長方形、角がとれたような長方形等となるような形状を挙げることができる。また、電池の形状としては、例えば、ペーパー型、コイン型、円筒型、角型などの形状を挙げることができる。
上述のようにして、得られるナトリウム二次電池は、従来に比し、充放電を繰り返した際の放電容量維持率が大きく、サイクル性に優れ、ナトリウムデンドライトの生成も抑制することができ、二次電池としての安定性に優れる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものでもない。
製造例1
遷移金属カルコゲン化合物としてのTiS2(Alfa Aesar社製)、導電材としてのアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製)、およびバインダーとしてのPTFE(ダイキン社製、PolyTetraFluoroehtylene)を、遷移金属カルコゲン化合物:導電材:バインダー=70:25:5(重量比)の組成となるようにそれぞれ秤量した。その後、まず遷移金属カルコゲン化合物と導電材をメノウ乳鉢で十分に混合し、この混合物にバインダーを加えて引き続き均一になるように混合して薄く延ばし、シート化した。得られたシートをコルクボーラーで直径1.0cmに打ち抜いた後、集電体であるステンレスメッシュにハンドプレスにて十分に圧着し、さらに乾燥機に入れ、十分に乾燥することによって第1電極(正極)を得た。
比較例1
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、製造例1により得られた第1電極(正極)を、ステンレスメッシュの面を下に向けて置き、そして非水電解液としての1MのNaClO4/プロピレンカーボネート(PC:富山薬品工業製)、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜(セルガード株式会社製、セルガード3501(商品名))、および第2電極(負極)としての金属ナトリウム(アルドリッチ社製)を組み合わせて、ナトリウム二次電池R1を作製した。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
ナトリウム二次電池R1を用いて、以下の条件で定電流充放電試験を実施した。
充放電条件:
まず、レストポテンシャルから1.3Vまで0.2mAcm-2でCC(コンスタントカレント:定電流)放電を行った。次に、充電は、該放電速度と同じ速度で、CC充電を行い、電圧2.5Vでカットオフした。
この1サイクル目の放電容量を100とした(以下、ナトリウム二次電池の試験電池における放電容量は、このナトリウム二次電池R1の1サイクル目の放電容量を100とした相対放電容量として示した。)。結果を表1に示した。
次サイクル以降の放電および充電も、上記充放電速度と同じ0.2mAcm-2で行い、1サイクル目と同様に、放電電圧1.3V、充電電圧2.5Vでカットオフした。10サイクル目の相対放電容量は44であり、1サイクル目に対する10サイクル目の放電容量維持率は44%となった。結果を表1に示した。
比較例2
比較例1と同様にして、ナトリウム二次電池R2を作製した。これを用いて、以下の条件で定電流放電試験を実施した。
放電条件:
放電を、レストポテンシャルから1.3Vまで5.0mAcm-2でCC(コンスタントカレント:定電流)放電を行った。
このときの相対放電容量は32であり、放電速度0.2mAcm-2の場合(比較例1の場合)に対する5.0mAcm-2の場合の放電容量維持率は32%となった。結果を表2に示した。
実施例1
非水電解液の溶媒として、PCのかわりに、ジメチルカーボネート(DMC)とエチレンカーボネート(EC)とが1:1の体積比で混合された混合溶媒(EC+DMC:富山薬品工業製)を用いた以外は、比較例1と同様にして、ナトリウム二次電池E1を作製した。
ナトリウム二次電池E1を用いて、比較例1と同様の条件で定電流充放電試験を実施したところ、1サイクル目の相対放電容量は107であった。
次サイクル以降の放電および充電も、比較例1と同様の条件で行ったところ、10サイクル目の相対放電容量は93であり、1サイクル目に対する10サイクル目の放電容量維持率は87%となった。結果を表1に示した。
実施例2
実施例1と同様にして、ナトリウム二次電池E2を作製した。これを用いて、比較例2と同様の条件で定電流放電試験を実施したところ、相対放電容量は74であり、放電速度0.2mAcm-2の場合(実施例1の場合)に対する5.0mAcm-2の場合の放電容量維持率は70%となった。結果を表2に示した。
Figure 2010027538
Figure 2010027538
上記の実施例、比較例から、本発明のナトリウム二次電池が、放電容量維持率が大きく、サイクル性に優れ、しかも大電流密度での放電特性にも優れるナトリウム二次電池であることを確認することができる。

Claims (7)

  1. 第1電極、第2電極および非水電解液を備え、第1電極がナトリウムイオンをドープかつ脱ドープすることのできる以下の式(I)で表される遷移金属カルコゲン化合物を単体としてもしくは主成分として含んでなり、かつ非水電解液が鎖状炭酸エステルを含んでなることを特徴とするナトリウム二次電池。
    MZ2 (I)
    (ここで、MはIUPAC周期表の第4族元素および第5族元素からなる群より選ばれる1種以上の遷移金属元素を表し、ZはS、SeおよびTeからなる群より選ばれる1種以上のカルコゲン元素を表す。)
  2. カルコゲン元素ZがSである請求項1記載のナトリウム二次電池。
  3. 遷移金属元素MがTiである請求項1または2記載のナトリウム二次電池。
  4. 鎖状炭酸エステルがジメチルカーボネートである請求項1〜3のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
  5. 非水電解液が環状炭酸エステルをさらに含む請求項1〜4のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
  6. 環状炭酸エステルがエチレンカーボネートである請求項5記載のナトリウム二次電池。
  7. 第2電極が、ナトリウム金属またはナトリウム合金である請求項1〜6のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
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