JP2010024942A - パワーソースシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水素分離機能を有する燃料改質装置21と、パワーソース22と、燃料改質装置又はパワーソースに供給又は排出される流体の流通経路a1,b1などを備えたパワーソースシステム20であって、燃料改質装置21で生成された水素を、流通経路a1を流通する流体の流体エネルギーを駆動流として利用して、燃料改質装置21から分離させ、水素リッチな改質ガスとしてパワーソース22に供給する改質ガス供給手段(エジェクタ10)を備えている。
【選択図】図2
Description
燃料電池を車体に搭載する場合は、燃料電池システム全体の体積(容積)は、可能な限り小さくすることが好ましい。そのため、燃料源として水素ガスよりもエネルギー密度の高い液体燃料を用いることが望ましい。
燃料電池の燃料源として液体燃料を用いる場合は、この液体燃料を改質し、得られた改質ガスから水素のみを選択的に透過させることのできる機能を有する燃料改質装置が必要となる。
装置を小型化するために、シフト反応部、CO除去部などを必要としない、水素を分離する膜を利用した燃料改質装置も用いられている。
このガソリンエンジンは、水蒸気発生手段で発生させた水蒸気をスイープガスとして利用し、水素が分離抽出される前の改質燃料が存在する1次空間と、分離膜で分離抽出された水素が存在する2次空間との間に圧力差を発生させて、水素生成量を増大させている。
上記特許文献1に記載されているように、水蒸気発生手段として、例えばボイラーを利用した場合には、起動性や過度応答性が低い可能性もある。
また、本発明によれば、パワーソースシステムの稼動中に常に存在する流体の流体エネルギーを利用するため、システム中にスイープガスを発生させるための手段を設ける必要がなく、システムを小型化及び簡素化することができる。
本発明のパワーソースシステムは、以下に説明する実施形態に限られるものではない。
図1は、本発明のパワーソースシステムの実施形態の第1の例を示す概念図である。
図1に示すように、本例のパワーソースシステム1は、燃料改質装置2と、パワーソース3とを備え、燃料改質装置2又はパワーソース3に供給又は排出される流体の流通経路4,5を備えている。パワーソースシステム1は、加熱により燃料の改質を行う機能を有する改質器6を備えている。
燃料改質装置2は、改質ガスから水素を生成する改質層2aと、生成された水素を選択的に透過させる水素分離体2bと、透過された水素を一時的に蓄える水素透過層2cとを備えている。
本明細書においてパワーソースとは、システム内を流通する流体燃料の供給により駆動源となる内燃機関や燃料電池、又は、熱源となる燃焼式ヒータなどを意味する。
以下に示す実施形態では、主に内燃機関(エンジン)をパワーソースに用いた例について説明しているが、パワーソースは、内燃機関(エンジン)に限らず、燃料電池であっても、燃焼式ヒータであってもよい。
改質ガス供給手段7として、エジェクタを用いた場合は、例えばパワーソース3から排出された流体を駆動流とし、この流体がエジェクタのノズルから減圧膨張される際に、水素透過層2cに一時的に蓄えられている水素が、被駆動流(吸引流)としてエジェクタ内に吸い込まれ、水素透過層2cから分離される。エジェクタに吸い込まれた水素は、エジェクタ内で駆動流として利用された流体と混合され、水素リッチな改質ガスとして水素利用装置8に供給される。
燃料改質装置2の改質層2a又は改質器6は、燃料から水素を得る反応を行う部分である。なお、改質層2aに改質器6の機能を持たせる場合は、触媒を担持させた改質層2aに熱を供給するための加熱層が必要となる。
具体的には、白金、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属や、銅、コバルト、鉄などの遷移金属を、アルミナ、セリア、シリカ、チタニアなどの無機多孔体に担持したものを用いることができる。
このような触媒としては、例えばペレット状の触媒を、改質層2a又は改質器6に充填したものであってもよく、触媒成分となる粉末を含むスラリーを改質器6に備えられたフィンなどに塗布してもよい。
また、触媒は、1種に限らず、2種以上を利用してもよい。改質する燃料や利用する水素生成反応の違いにより、例えば、改質層2a又は改質器6の流入口側には、水蒸気改質反応の活性の高い触媒を用い、流出口側には、シフト反応の活性の高い触媒を用いてもよい。
水素透過膜は、その膜厚が薄いほど透過させる水素の量を増大させることができ、装置を小型化することができ、高価なPdなどの貴金属の使用量も低減するため、水素透過膜を薄膜化することが種々検討されている。
多孔体プレートとしては、セラミック製又は金属製のものを用いることができる。金属製の多孔体プレートを用いる場合は、この金属製多孔体プレートと水素透過膜が合金化してしまう場合がある。そのため、多孔体プレートに、水素透過膜との合金化を阻止する保護層を設けた多孔体プレートを用いることが好ましい。具体的には、保護層としてアルミナやジルコニアなどを表面(水素透過膜と接触する表面)に設けた金属製多孔体プレートが用いられる。
燃料改質装置2において、改質層2aと水素透過層2cとの分圧差が大きい程、即ち、改質層2aの分圧よりも水素透過層2cの分圧が小さい程、水蒸気改質反応の平衡反応が水素を生成する側にシフトされ、水素の生成効率が向上される。そのため、水素透過層2cに一時的に蓄えられた水素は、水素透過層2cから出来るだけ素早く分離されることが望ましい。
本例のパワーソースシステム1は、改質ガス供給手段7によって、水素透過層2cに一時的に蓄えられた水素を水素透過層2cから引き抜き(分離抽出)、水素の生成反応を促進させる。
図2(A)に示すパワーソースシステム20は、燃料改質装置21と、パワーソースとして内燃機関(エンジン)22と、燃料改質装置21に燃料を供給する燃料タンク23と、蒸発器24を備えている。
また、パワーソースシステム20は、燃料改質装置21の改質層21bから排出された改質ガスを流通させる改質ガス流通経路a1、燃料改質装置21の水素透過層21dから排出された水素を流通させる水素流通経路b1、及び、後述するその他の流体の流通経路c1〜f1を備えている。
改質層21bには、実施形態の第1例の改質層に用いた触媒と同様の触媒を用いることができる。
また、加熱層21a及び改質層21bには、ガスの流れの偏りを減らし、熱の伝わりを浴するために、フィン等を設けてもよい。
燃料経路c1から供給された燃料は、改質層21bで改質される。そして、この改質ガス中から水素分離体21cによって水素が選択的に透過され、透過された水素が水素透過層21dに一時的に蓄えられる。
図2(B)に示すように、エジェクタ10のノズル11は、改質ガス流通経路a1と連通され、エジェクタ10の流入ポート12は水素流通経路b1と連通されている。
エジェクタ10は、燃料改質装置21の改質層21bから排出された改質ガス(流体)を駆動流として利用している。
エジェクタ10に吸い込まれた水素は、エジェクタ10のディフューザー13内で、CO、メタンなどを含む改質ガスと混合されて、水素リッチな改質ガスとして、改質ガス流通経路d1から直噴弁26を通じて、水素利用装置であるエンジン22に供給される。
本例のパワーソースシステム20は、システムの稼動中に常に存在する流体(例えば改質ガス)の流体エネルギーを利用しているため、スイープガスの発生手段を別途設ける必要がなく、パワーソースシステムを小型化及び簡素化することができる。
また、本例のパワーソースシステム20は、排ガス流通経路e1から分岐された排ガスバイパス経路f0とf1を備えている。この排ガスバイパス経路f1を通じて、排ガスの一部を、EGR(Exhaust Gas Recirculation)として加熱層21aに供給し、加熱層21aの熱源として利用している。
図3に示すパワーソースシステム30は、改質ガス供給手段として、エンジン22に燃料を噴射する燃料噴射弁31を用いている。図3において、図2に示すパワーソースシステムと同様の部材には、同一の符号を付し、説明を省略する。
本例のパワーソースシステム30は、燃料タンク23からエンジン22に燃料を供給する燃料供給経路c3と、改質層21bから排出された改質ガスを蒸発器24に供給する改質ガス流通経路a2と、水素透過層21dから排出された水素を流通させる水素流通経路をb2を備えている。
図3(B)に示すように、燃料供給手段及び改質ガス供給手段である燃料噴射弁31は、燃料タンク23から燃料供給経路c3を通じて供給された燃料を駆動流として利用している。
改質ガス供給手段としても利用する燃料噴射弁は、パワーソース(エンジン)の筒内に燃料を直接噴射する直噴弁であってもよい。
本例のパワーソースシステム30は、水素流通経路b2に熱交換器33を設けている。この熱交換器33により、水素が冷却されて、密度が高められて燃料噴射弁31からエンジン22に供給される。
なお、図示を省略したが、水素流通経路b2には、燃料噴射弁31への水素の供給を停止又は開始させるバルブを設けてもよい。
改質層21bから排出されるCO、CO2、メタンなどを含む改質ガスは、その改質ガスの組成によって、エンジン22から排出された排ガスと混合し、排ガスの浄化に利用してもよい。
エンジン22から排出される排ガスの排ガス流通経路e1には、例えば三元触媒などの触媒32を設け、排ガス中に含まれるNOx,CO,メタンなどを無害なガスに浄化する。
図4に示すパワーソースシステム40は、改質ガス供給手段として、加熱層21aから排出される加熱ガスを駆動流として利用し、水素透過層21dから排出される水素を被駆動流(吸引流)とするエジェクタ41を用いている。図4において、図2又は図3に示すパワーソースシステムと同様の部材には、同一の符号を付し、説明を省略する。
本例のパワーソースシステム40は、改質層21bから排出された改質ガスを燃料噴射弁31からエンジン22に供給する改質ガス流通経路a3と、加熱層21aから排出された加熱ガスをエジェクタ41に供給する加熱ガス流通経路g1を備えている。
本例のパワーソースシステム40は、加熱ガス流通経路g1と水素流通経路b3に、それぞれ熱交換器44,45を設けている。この熱交換器44,45によって、流体(加熱ガス又は水素)が冷却されて密度の高い状態でエジェクタ41に供給される。
エジェクタ41に吸い込まれた水素は、エジェクタ41のディフューザー内で混合され、水素リッチな改質ガスとして、エジェクタ41から改質ガス供給経路d2に供給される。
改質ガスを流通させる改質ガス流通経路a3は、改質層21bで加圧された改質ガスの圧力を調整するための調圧弁42と、改質ガスを冷却して密度を高めるための熱交換器43を設けている。
燃料は、主に燃料供給経路c3から直噴弁26を通じて、エンジン22に供給される。エンジン22が希薄燃焼で運転される場合は、エンジン22から排出される排ガス中に、多量の酸素が残存している。この排ガスの一部を、排ガス流通経路e1から分岐している排ガスパイパス経路f2を通じて、燃料改質装置21の加熱層21aに供給し、酸素供給源として利用する。
なお、排ガスバイパス経路f2には、排ガスバイパス経路f2を開閉するバルブ46を設けている。本例のパワーソースシステム40は、このバルブ46によって、加熱層21aから排出された加熱ガスをエジェクタ41の駆動流として利用する場合と、排ガスバイパス経路f2から排ガスを排ガス流通経路e1に供給する場合の流通経路の選択を可能としている。
図5は、例えば水とエタノールなどの混合燃料を用いる場合のパワーソースシステム50を示している。本例のパワーソースシステム50は、水タンク52を備え、燃料タンク23と水タンク52は、それぞれのタンクに貯留された流体(燃料、水)の供給量を調整するためポンプ23a,52aが備えている。また、本例のパワーソースシステム50は、図2〜4において図示を省略したコントロールユニット58を備えている。図5において、図2〜4に示すパワーソースシステムと同様の部材には、同一の符号を付し、説明を省略する。
エタノールなどの燃料は、燃料タンク23から燃料供給経路c1を流通して、蒸発器24で加圧された後、流量調整弁53によって燃料の一部が、燃料供給経路c1から分岐された燃料バイパス経路c4を通じて、改質層21bに供給される。また、加圧された燃料の一部は、流量調整弁53によって、燃料供給経路c1から分岐された燃料バイパス経路c5を通じて、熱源として燃焼器54に供給される。燃焼器54で発生した熱は、燃料改質装置21の加熱層21aを加熱する熱源として利用される。
水は、水タンク52から水(水蒸気)供給経路h1を流通して、蒸発器24で加圧された後、改質層21bに供給される。
改質層21bに供給された燃料及び水蒸気は、改質層21bで改質される。そして、この改質ガス中から水素分離体21cによって水素が選択的に透過され、透過された水素が水素透過層21dに一時的に蓄えられる。
エジェクタ51のノズルは、エンジン22から排出された排ガス流通経路e1から一部の排ガスを流出させる排ガス流通経路e2と連通され、エジェクタ51の吸入ポートは、水素透過層21dから排出された水素を流通させる水素流通経路b4と連通されている。
改質ガス流通経路a4には、熱交換器57を設けている。この熱交換器57によって、改質ガスの密度を高めて貯留タンク56に貯留してもよい。また、図5においては、図示を省略したが、改質ガス流通経路には、改質ガスの圧力を調整する調圧弁を設けてもよい(図6の調圧弁65を参照)。
例えばコントロールユニット58により直噴弁26の開度を制御し、貯留タンク56に貯留された高温高圧の改質ガスをエンジン22に供給することが可能である。また、燃料の供給量が多く高圧負荷の運転状態において、粒子状物質の発生が予想される場合には、コントロールユニット58により燃料噴射弁31のスロットル開度を制御し、水素リッチな改質ガスを多量にエンジン供給することが可能である。
図6は、過給機62を備えたパワーソースシステム60の例を示している。なお、図6において、図2〜5に示すパワーソースシステムと同様の部材には、同一の符号を付し、説明を省略する。
過給機62が設けられたパワーソースシステム60は、排ガスによって過給機62が駆動され、吸気管63内を流通する排ガスが加圧されるため、過給機62に供給される前の吸気管63を流通する圧力の高い排ガスの流体エネルギーを有効利用することが望ましい。
エジェクタ61のノズルは、吸気管63から一部の排ガスを流出させる排ガス流通経路e3と連通され、エジェクタ61の吸入ポートは、水素透過層21dから排出された水素を流通させる水素流通経路b5と連通されている。
また、本例のパワーソースシステムは、システムの稼動中に常に存在する流体(例えば改質ガス)の流体エネルギーを利用しているため、小型化及び簡素化が可能であり、車載用のパワーソースシステムとして好適に用いることができる。
2 燃料改質装置
2a 改質層
2b 水素分離体
2c 水素透過層
3 パワーソース
4,5 流通経路
6 改質器
7 改質ガス供給手段
8 水素利用装置
10,41,51,61 エジェクタ
11 ノズル
12 吸入ポート
13 ディフューザー
21 燃料改質装置
21a 加熱層
21b 改質層
21c 水素分離体
21d 水素透過層
22 内燃機関(エンジン)
23 燃料タンク
24 蒸発器
25 加熱用燃料供給弁
26 直噴弁
31 燃料噴射弁
31a 燃料噴射ノズル
31b 吸引ポート
32 触媒
33,43,44,45,55,57 熱交換器
42 調圧弁
52 水タンク
53 流量調整弁
54 燃焼器
56 貯留タンク
56a 圧力調整弁
58 コントロールユニット
62 過給機
63 吸気管
64 吸気フィルタ
65 調圧弁
a1〜a4 改質ガス流通経路
b1〜b5 水素流通経路
c1〜c3 燃料供給経路
c4,c5 燃料バイパス経路
d1〜d3 改質ガス流通経路
e1〜e3 排ガス流通経路
f0〜f2 排ガスバイパス経路
g1 加熱ガス流通経路
h1 水(水蒸気)供給経路
Claims (6)
- 水素分離機能を有する燃料改質装置と、パワーソースと、上記燃料改質装置又はパワーソースに供給又は排出される流体の流通経路を備えたパワーソースシステムであって、
上記燃料改質装置で生成された水素を、上記流体の流体エネルギーを利用して上記燃料改質装置から分離させて、水素リッチな改質ガスとして上記パワーソースに供給する改質ガス供給手段を備えたことを特徴とするパワーソースシステム。 - 上記改質ガス供給手段が、上記燃料改質装置から排出された流体を駆動流とし、上記燃料改質装置で生成された水素を被駆動流とするエジェクタであることを特徴とする請求項1に記載のパワーソースシステム。
- 上記改質ガス供給手段が、上記パワーソースに燃料として供給される流体を駆動流とし、上記燃料改質装置で生成された水素を被駆動流とする燃料噴射弁であることを特徴とする請求項1に記載のパワーソースシステム。
- 上記改質ガス供給手段が、上記パワーソースから排出された流体を駆動流とし、上記燃料改質装置で生成された水素を被駆動流とするエジェクタであることを特徴とする請求項1に記載のパワーソースシステム
- 上記改質ガス供給手段から供給される水素リッチな改質ガスを、上記燃料改質装置から排出された流体と共にパワーソースに供給する燃料噴射弁を備えたことを特徴とする請求項4に記載のパワーソースシステム。
- 過給機を備え、上記改質ガス供給手段が、上記パワーソースから排出され、且つ上記過給機に供給される前の流体を駆動流とし、上記燃料改質装置で生成された水素を被駆動流とするエジェクタであることを特徴とする請求項1に記載のパワーソースシステム。
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2008
- 2008-07-18 JP JP2008186993A patent/JP5136958B2/ja active Active
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