JP2010023837A - 車両用表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メータパネル内においてメータ画像等とナビ画像を混在させて表示させる場合、ナビゲーション画像を注視可能な状態を作り出せる車両用表示装置を提供する。
【解決手段】 メータパネルにナビゲーション画像やメータ画像を表示していない状態で、ユーザからの所定操作を受け付けたと判断した場合、又は車両が第1の所定状態になったことを検知したと判断した場合には、ナビゲーション画像を表示させ、その後、所定時間が経過したら、メータ画像を前記ナビゲーション画像と共に表示させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、運転者の近傍に配置され、メータやナビゲーションに関する視覚情報を表示する車両用表示装置に関する。
一般的に、ナビゲーション装置によって出力される視覚情報(例えば、地図情報や、経路情報や、施設情報等)は、車両のセンターコンソール部に配置された表示装置(例えば、液晶ディスプレイ等)に表示されて運手者に伝達されるようになっている。しかし、そのようなセンターコンソール部に配置された表示装置では運転者の視線移動が多く、表示装置に表示された情報を運転者が見落とす場合があった。
そのため、メータパネル内にナビゲーション画像を表示する技術が考えられている(特許文献1,2,3参照)。
例えば特許文献1に開示された技術では、機械式メータではなく、メータパネル内に全面的に表示装置を設け、その表示装置に指針駆動タイプのメータ画像(アナログ式メータ画像)を表示している。そして、そのメータ画像と共にナビゲーション画像を表示し、両方の画像を大きな視線移動なく視認できるようにしている。
また、特許文献2に開示された技術では、メータパネル内に設けられた表示装置に、デジタル式メータ画像とナビゲーション画像を共に表示させている。この場合も、メータ画像と共にナビゲーション画像の両方の画像を大きな視線移動なく視認できる。
また、特許文献3に開示された技術では、機械式メータの間に液晶表示装置を設け、その液晶表示装置にナビゲーション画像を表示している。この場合も、同じメータパネル内においてメータ表示とナビゲーション画像の両方を大きな視線移動なく視認できる。
特開特開2004−157434号公報 特開平11−51686号公報 特開2004−251722号公報
上述した従来技術においては、メータパネル内に表示されるナビゲーション画像の表示タイミングを、メータ画像やメータ表示(以下、メータ画像等と称す。)との関係で考慮する点は何ら開示も示唆もされていない。
ナビゲーション画像としては、例えば地図表示画面や経路案内画面の画像が考えられる。そして、ユーザが経路案内のために目的地設定をしたり、その目的地までの経路が画面表示された状態で設定完了をユーザが指示するような場合や、詳細地図を見るような場合には、ナビゲーション画像を注視することとなる。
しかしながら、メータ画像等とナビゲーション画像とを同時に表示してしまうと、ナビゲーション画像を注視する度合いが低減してしまう。メータ画像については、同じ表示装置内にナビゲーション画像と共に表示されるため、ナビゲーション画像を注視する度合いが低減してしまう。一方、機械式メータであっても、昼間・夜間を問わずに指針部分や文字盤部分の照明光源を点灯させる場合には、やはりそのようなメータ表示とナビゲーション画像と共に表示された場合、ナビゲーション画像を注視する度合いが低減してしまう。
本発明は、そのような課題に鑑み、メータパネル内においてメータ画像等とナビゲーション画像を混在させて表示させる場合、ナビゲーション画像を注視可能な状態を作り出すことのできる車両用表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば、以下のような車両用表示装置(1:なお、この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための最良の形態」欄において説明した構成要素を括弧内に示すが、この記載によって特許請求の範囲を限定することを意味するものではない。)を考えることができる。
すなわち、メータパネル内に設けられた表示手段(30)と、その表示手段(30)にナビゲーション画像やメータ画像(31a〜31d)を表示させる表示制御手段(10)とを備えている。表示手段(30)は、前記ナビゲーション画像を表示するための領域であるナビ表示領域(32)と、メータ画像を表示するための領域であるメータ表示領域(31)を有している。そして表示制御手段(10)は、表示手段(30)にナビゲーション画像やメータ画像を表示していない状態で、ユーザからの操作指令を受け付ける指令受付手段(3,5)を介して第1の所定操作を受け付けたと判断した場合または車両の所定の状態を検知する状態検知手段によって車両が第1の所定状態になったことを検知したと判断した場合には、ナビゲーション画像を表示させ、その後、指令受付手段(3,5)を介して第2の所定操作を受け付けたと判断した場合または車両の所定の状態を検知する状態検知手段によって車両が第2の所定状態になったことを検知したと判断した場合には、メータ画像をナビゲーション画像と共に表示させる。
「指令受付手段」は、例えばイグニッション(IGN)スイッチ(5)やアクセサリ(ACC)スイッチ(3)が考えられる。具体的には、キーシリンダに差し込んだイグニッションキーをユーザ(例えば運転者)が回転操作する場合、最初にACCスイッチ(3)がオンし、さらに回転操作するとIGNスイッチ(5)がオンする。したがって、その場合には、第1の所定操作としては「ACCスイッチ(3)をオンさせる操作」、第2の所定操作としては「IGNスイッチ(5)をオンさせる操作」がそれぞれ該当する。
このようにすれば、運転者はまずACCスイッチ(3)がオンしてナビゲーション画像を表示させ、経路案内のために目的地設定をするための操作をしたり、詳細地図を表示させて見ることができる。このような動作においてはナビゲーション画像をより注視することが好ましいが、この時点でメータ画像が表示されていないので、ナビゲーション画像を注視できる点で効果的である。そして、運転者がさらにイグニッションキーを回転操作するとIGNスイッチ(5)がオンする。
したがって、運転者は、ナビゲーション画像を注視したい場合には、ACCスイッチ(3)がオンした状態を継続させればよく、ナビゲーション画像の注視の必要がなくなり、メータ画像も表示させたくなれば、その時点で初めてIGNスイッチ(5)をオンさせる操作をすればよいのである。
また、「状態検知手段」は、例えば運転者が運転席に着座したことを検知するセンサなどが挙げられる。例えば運転者が運転席に着座するとビゲーション画像を表示させ、経路案内のために目的地設定をするための操作をしたり、詳細地図を表示させて見ることができる。そして、イグニッションキーを回転操作するとIGNスイッチ(5)がオンし、メータ画像も表示させることができる。
なお、「指令受付手段」の例として、ACCスイッチ(3)とIGNスイッチ(5)とを挙げ、「状態検知手段」は、例えば運転者が運転席に着座したことを検知するセンサなどを挙げたが、これらは、車両への通常の乗車動作において例えば「ACCスイッチのオン→IGNスイッチのオン」あるいは「着座センサにて着座検知→IGNスイッチのオン」などというように時間的な先後関係にある2つのスイッチやセンサ−スイッチ、あるいは2つのセンサの一例である。そのため、車両への通常の乗車動作において時間的な先後関係にある2つのスイッチやセンサとスイッチ、あるいは2つのセンサであれば、他にも適用可能である。
また、ナビゲーション画像の表示内容に影響を与えるユーザからの操作指令を受け付けるナビ指令受付手段(11)を備えている場合、表示制御手段(10)は、ナビ指令受付手段(11)がユーザから特定の指令を受け付けた場合に第2の所定操作を受け付けたと判断してもよい。
例えばナビゲーション画像が目的地設定をするため画面画像である場合、目的地設定のために運転者が各種操作をするのが普通である。したがって、ナビ指令受付手段(11)を介して例えば目的地を入力し、その目的地までの経路が画面表示された状態で経路設定が完了したことを示す指令を受け付けた場合には、ナビゲーション画像を注視する必要性が相対的に低くなったと考えられるので、第2の所定操作を受け付けたと判断しメータ画像を表示させるのである。また、経路設定に限らず、例えば詳細地図を表示させる操作をした場合に、ナビ指令受付手段(11)を介して詳細地図から通常地図に戻る操作指令を受け付けた場合には、ナビゲーション画像を注視する必要性が相対的に低くなったと考えられる。したがって、その時点で第2の所定操作を受け付けたと判断しメータ画像を表示させるのである。
この車両用表示装置の場合には、ナビゲーション画像が表示されている状態で第2の所定操作を受け付けたと判断した場合に、メータ画像をナビゲーション画像と共に表示させていた。この手法は、ナビゲーション画像のみを表示させる状態と、メータ画像及びナビゲーション画像を共に表示させる状態を、それぞれに対応する操作をトリガとして実現していた。したがって、よりユーザの意図が反映させ易いというメリットはある。
また、経路設定する際には、上述のように経路設定が完了したことを示す指令を受け付けることとなるが、例えば地図をスクロールして運転者が自分で目的地周辺の地理を確認するだけで、経路設定は行わない場合もある。そのような場合には、いつまで経っても経路設定が完了したことを示す指令はなされない。このような状況に対応するならば、以下のようにすればよい。つまり、表示制御手段は、ナビ指令受付手段がユーザからの指令を所定時間を受け付けない状態が継続した場合に第2の所定状態になったと判断し、メータ画像を表示させるのである。
ところで、上記車両用表示装置の場合にはメータ画像及びナビゲーション画像を共に表示させる状態にするには、第1の所定操作の後に必ず第2の所定操作が必要となる。したがって、そのような操作の手間を少しでも省くのであれば、請求項1に示すような工夫をしてもよい。
すなわち、請求項1に係る車両用表示装置は、上記の車両用表示装置と同様の表示手段(30)を備えているが、表示手段(30)にナビゲーション画像やメータ画像を表示させる表示制御手段(10)が、下記のような表示制御を行う。つまり、表示手段(30)にナビゲーション画像やメータ画像を表示していない状態で、ユーザからの操作指令を受け付ける指令受付手段(3,5)を介して所定操作を受け付けたと判断した場合または車両の所定の状態を検知する状態検知手段によって車両が第1の所定状態になったことを検知したと判断した場合には、ナビゲーション画像を表示させ、その後、所定時間が経過したら、メータ画像をナビゲーション画像と共に表示させるのである。
この「所定時間」とは、例えばユーザが地図の詳細を確認するために適切な時間であり、例えば30秒といった時間を設定することが考えられる。また、この場合の指令受付手段(3,5)は、例えばIGNスイッチ(5)やACCスイッチ(3)が考えられ、「ACCスイッチ(3)をオンさせる操作」か「IGNスイッチ(5)をオンさせる操作」の何れか一方を「所定の操作」として考えることができる。
このようにすれば、運転者がACCスイッチ(3)かIGNスイッチ(5)をオンさせればナビゲーション画像が表示され、その後、例えば30秒後に自動的にメータ画像がナビゲーション画像と共に表示されることとなり、操作の手間が減る。
ところで、メータ画像は表示させずにナビゲーション画像を表示させる場合には、次のような工夫をしてもよい。表示手段(30)は、ナビゲーション画像を表示するための領域であるナビ表示領域(32)と、メータ画像を表示するための領域であるメータ表示領域(31)を有しているのであるが、メータ画像は表示させずにナビゲーション画像を表示させる場合と、メータ画像及びナビゲーション画像と共に表示させる場合とで、ナビゲーション画像の表示領域を同じにしておく必要もない。
そこで、以下のようにしてもよい。つまり、車両用表示装置の表示制御手段(10)は、メータ画像は表示せずにナビゲーション画像のみを表示させる場合には、ナビ表示領域(32)を拡大した状態でナビゲーション画像を表示させ、メータ画像をナビゲーション画像と共に表示させる場合には、拡大していたナビ表示領域(32)を元に戻した状態でナビゲーション画像を表示させるのである。
このようにすれば、ユーザがより注視したいナビゲーション画像を拡大した表示領域において表示させることができる。このようにナビ表示領域を拡大した状態でナビゲーション画像を表示させる場合としては、例えば、上述した目的地の設定のための画面または詳細地図画面の画像を表示させる場合が挙げられる。もちろん、それ以外の画像であってもよい。
ところで、本発明の車両用表示装置においては、ナビゲーション画像をメータ画像よりも優先して表示するようにしているが、各種警告灯画像など、車両各部への電源供給開始時において車両運転者が確認すべき車両状態画像に関しては、ナビゲーション画像と共に表示させることも考えられる。つまり、運転者に対してなるべく早期に車両状態を知らせておくという点で意味がある。その場合には、以下のような構成するとよい。つまり、表示手段が、車両状態画像を表示するための車両状態表示領域を有しており、表示制御手段は、ナビゲーション画像を表示させると共に、車両状態画像も表示させるのである。
ところで、上記の車両用表示装置(1)は、メータに関しても画像表示するいわゆるデジタルメータタイプを前提としたものであった。しかし、機械式メータタイプを前提とした場合には、例えば、以下のような車両用表示装置を考えることができる。
例えば、メータパネル内に設けられた機械式メータの照明光源(136,137)と、メータパネル内に設けられた表示手段(132)と、前記照明光源の点灯制御と前記表示手段にナビゲーション画像を表示させる表示制御を実行する制御手段(110)とを備えている。そして制御手段(110)は、表示手段(132)にナビゲーション画像を表示しておらず且つ機械式メータ用の照明光源(136,137)を点灯させていない状態で、ユーザからの操作指令を受け付ける指令受付手段(3,5)を介して第1の所定操作を受け付けたと判断した場合または車両の所定の状態を検知する状態検知手段によって車両が第1の所定状態になったことを検知したと判断した場合には、ナビゲーション画像を表示させ、その後、指令受付手段(3,5)を介して第2の所定操作を受け付けたと判断した場合または車両の所定の状態を検知する状態検知手段によって車両が第2の所定状態になったことを検知したと判断した場合には、機械式メータ用の照明光源(136,137)を点灯させる。
「指令受付手段」や「状態検知手段」については、上記の説明と同じであり、例えばIGNスイッチ(5)やACCスイッチ、あるいは着座センサなどが考えられる。そのため、例えば運転者はACCスイッチ(3)がオンしてナビゲーション画像を表示させ、経路案内のために目的地設定をするための操作をしたり経路設定の完了指令操作をしたり、詳細地図を表示させて見ることができる。このような動作においてはナビゲーション画像をより注視することが好ましいが、この時点でメータ画像が表示されていないので、ナビゲーション画像を注視できる点で効果的である。そして、運転者がさらにイグニッションキーを回転操作してIGNスイッチ(5)をオンさせた時点で初めて機械式メータ用の照明光源(136,137)が点灯する。
したがって、運転者は、ナビゲーション画像を注視したい場合には、ACCスイッチ(3)がオンした状態を継続させればよく、ナビゲーション画像の注視の必要がなくなり、機械式メータ用の照明光源(136,137)を点灯させてもよい状態になれば、その時点で初めてIGNスイッチ(5)をオンさせる操作をすればよいのである。
また、ナビゲーション画像の表示内容に影響を与えるユーザからの操作指令を受け付けるナビ指令受付手段(161)を備えている場合、制御手段(110)は、ナビ指令受付手段(161)がユーザから特定の指令を受け付けた場合に第2の所定操作を受け付けたと判断してもよい。
また、表示制御手段は、前記ナビ指令受付手段がユーザからの指令を所定時間を受け付けない状態が継続した場合に前記第2の所定状態になったと判断して、機械式メータ用の照明光源を点灯させるようにしてもよい。
上述した機械式メータタイプを前提とした車両用表示装置(101)においてナビゲーション画像を表示させると共に機械式メータ用の照明光源(136,137)を点灯させるには、第1の所定操作の後に必ず第2の所定操作が必要となる。したがって、そのような操作の手間を少しでも省くのであれば、以下のような工夫をしてもよい。
照明光源(136,137)の点灯制御と表示手段(132)にナビゲーション画像を表示させる表示制御を実行する制御手段(110)が、下記のような制御を行う。つまり、表示手段(132)にナビゲーション画像を表示しておらず且つ機械式メータ用の照明光源(136,137)を点灯させていない状態で、ユーザからの操作指令を受け付ける指令受付手段(3,5)を介して第1の所定操作を受け付けたと判断した場合または車両の所定の状態を検知する状態検知手段によって車両が第1の所定状態になったことを検知したと判断した場合には、ナビゲーション画像を表示させ、その後、所定時間が経過したら、機械式メータ用の照明光源(136,137)を点灯させるのである。
この「所定時間」については、前述したように、例えばユーザが地図の詳細を確認するために適切な時間であり、例えば30秒といった時間を設定することが考えられる。
また、メータパネル内に設けられた警告灯の照明光源を備え、制御手段が、ナビゲーション画像を表示させると共に、警告灯照明光源を点灯させるようにしてもよい。
ところで、これまで説明した車両用表示装置は、単独で用いても良いし、車両に別途搭載されたナビゲーション装置と共に用いても良い。ただし、ナビゲーション装置(50)と共に用いるのであれば、ナビゲーション装置(50)との間で同期を取ることが考えられる。つまり、ナビゲーション装置(50)との間でデータ通信が可能に構成(図1においては通信部20を介してデータ通信を行う。)されており、請求項1〜7の場合には表示制御手段(10)が、請求項8〜12の場合は制御手段(110)が、ナビゲーション装置(50)から表示すべきナビゲーション画像を入手して表示させると共に、ナビゲーション装置(50)との間で表示内容に関して同期を取って表示させるのである。
ナビゲーション装置との間で表示内容に関して同期を取って表示させる場合には、例えばナビゲーション装置から送信された同期信号を車両用表示装置が受信し、その同期信号に基づいて表示を同期させるように制御してもよいし、車両用表示装置からナビゲーション装置へ同期信号を送信するようにし、表示を同期させるようにしてもよい。
第1実施形態の車両用表示装置1及びそれに接続されたナビゲーション装置50の概略構成を示すブロック図である。 第1実施形態の車両用表示装置1の正面図である。 第1実施形態の車両用表示装置1の作動を説明するためのタイムチャートである。 第1実施形態の車両用表示装置1における別態様の作動を説明するためのタイムチャートである。 第1実施形態の車両用表示装置1における別態様の作動を説明するためのタイムチャートである。 第1実施形態の車両用表示装置1における別態様の作動を説明するためのタイムチャートである。 第2実施形態の車両用表示装置1の概略構成を示すブロック図である。 第2実施形態の車両用表示装置101の正面図である。 第2実施形態の車両用表示装置101の作動を説明するためのタイムチャートである。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[第1実施形態]
[構成の説明]
図1は、第1実施形態の車両用表示装置1及びそれに接続されたナビゲーション装置50の概略構成を示すブロック図、図2は車両用表示装置1の正面図である。車両用表示装置1及びナビゲーション装置50は、それぞれ以下に説明する部品から構成され、車両に搭載されて用いられるものである。まず車両用表示装置1について説明する。
<車両用表示装置1の構成>
車両用表示装置1は、メータ制御部10と、操作スイッチ群11と、車内LAN通信部15と、通信部20と、TFT光源25と、TFT表示器30とを備える。
車内LAN通信部15は、図示しない車内LANに接続された種々のECU(例えば、エンジンECU、AT−ECU等)や各種警告センサ(ブレーキ警告灯、油圧警告灯、排気温警告灯、バッテリ警告灯、ABS警告灯、エンジン警告灯、ドア警告灯等)との通信を担う部位である。
通信部20は、ナビゲーション装置50と接続され(具体的には、ナビゲーション装置50の通信部70と接続され)、ナビゲーション装置50との通信を担う。主にTFT表示器30に表示されるナビゲーション画像の画像データを受信する。
TFT光源25は、TFT表示器30のための光源である。
TFT表示器30は、図示しないメータパネル内に設けられており、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等から構成されている。そして、このTFT表示器30はカラー画像表示機能を有しており、その表示領域は、図2(b)に示すように、メータ表示領域31とナビ表示領域32と車両状態表示領域33に分けることができる。
メータ表示領域31は、車内LAN通信部15を介して図示しない各種ECUから取得した車速情報、エンジン回転数、燃料残量及びエンジン冷却水温等をアナログメータ風に画像として表示するための表示領域である。本実施形態においては、図2(b)に示すように、運転者から見て左側に速度メータ画像31aと燃料残量メータ画像31cが表示され、運転者から見て右側にタコメータ画像31bとエンジン冷却水温メータ画像31dが表示される。
ナビ表示領域32は、通信部20を介してナビゲーション装置50から取得したナビゲーション画像(例えば、現在位置付近の地図や、現在位置を示すアイコンや、経路案内のための案内図等の画像)を表示するための表示領域である。なお、詳しくは後述するが、所定の状態においては、図2(a)に示すようにナビ表示領域32が拡大してナビゲーション画像を表示することができるようになっている。
車両状態表示領域33は、車内LAN通信部15を介して図示しない各種警告センサから取得した警告センサ状態、つまり警告の必要があるか否かを示す情報を取得し、警告の必要がある場合には、該当する警告センサに対応する警告灯画像として表示するための表示領域である。この警告灯画像は、例えばブレーキ警告灯、油圧警告灯、排気温警告灯、バッテリ警告灯、ABS警告灯、エンジン警告灯、ドア警告灯などの警告灯を模式図によって示す画像である。この画像自体は公知の内容なので詳しい説明は省略する。
操作スイッチ群11は、TFT表示器30の表示面と一体に構成されたタッチパネル及びTFT表示器30の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等から構成され、運転者からの様々な指令を入力する。なお、タッチパネルとTFT表示器30とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式・電磁誘導方式・静電容量方式・あるいはこれらを組み合わせた方式等、各種の方式があるが、その何れを用いてもよい。
メータ制御部10は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、車内LAN通信部15を介して各種ECU等から受信したデータに基づいて、車速、エンジン回転数、燃料残量及びエンジン冷却水温等をアナログ表示によってTFT表示器30のメータ表示領域31に表示させる処理や、ナビゲーション装置50から送られてきた画像データに基づいてTFT表示器30のナビ表示領域32に地図画像を表示させたり、車内LAN通信部15を介して各種警告センサから取得した警告センサ状態に基づいて、警告の必要がある警告内容を示す警告灯画像をTFT表示器30の車両状態表示領域33に表示させる処理等を実行する。
また、このメータ制御部10には、アクセサリ(ACC)スイッチ3及びイグニッション(IGN)スイッチ5も接続されている。そして、本実施形態においては、運転者によってイグニッションキーが操作されてACCスイッチ3がオン(ON)状態になると、車両用表示装置1に電源供給がなされ、車両用表示装置1の各部が作動可能となる。なお、イグニッションキーを回転操作することでIGNスイッチ5をオンさせる構成ではなく、いわゆるスマートキーを所持したユーザがノブを回転操作したりボタンを押下することでスイッチをオンさせる構成を採用しても、もちろんよい。
<ナビゲーション装置50の構成>
ナビゲーション装置50、ナビ制御部60と、利用者からの各種指示を入力するための操作スイッチ群61と、TFT光源62と、TFT表示器63と、車両の現在位置を検出する位置検出器64と、地図データや音声データ等が記録された地図記憶媒体からデータを入力する地図データ入力器65と、車両用表示装置1との通信機能を担う通信部70とを備える。
操作スイッチ群61は、TFT表示器63の表示面と一体に構成されたタッチパネル及びTFT表示器63の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等から構成され、運転者からの様々な指令を入力する。
TFT光源62は、TFT表示器63のための光源である。
TFT表示器63は、図示しないセンターコンソール部に設けられており、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等から構成されている。そして、このTFT表示器63はカラー画像表示機能を有しており、その表示画面には、位置検出器64にて検出した車両の現在地と地図データ入力器65より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク、目的地までの案内経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。また、施設のガイド等も表示できる。
位置検出器64は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を図示しないGPSアンテナを介して受信してその受信信号を出力するGPS受信機と、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサとを備えている。そして、これら各センサ等からの出力信号に基づいてナビ制御部60が、車両の位置・方位・速度等を算出する。
通信部70は、車両用表示装置1と接続され(具体的には車両用表示装置1の通信部20と接続され)、車両用表示装置1との通信を担う。主に車両用表示装置1に表示させる画像の画像データを送信する。
地図データ入力器65は、図示しない地図データ記憶媒体(例えばハードディスクやDVD−ROM等)に記憶された各種データを入力するための装置である。地図データ記憶媒体には、地図データ(ノードデータ、リンクデータ、コストデータ、背景データ、道路データ、名称データ、マークデータ、交差点データ、施設のデータ等)、案内用の音声データ、音声認識データ等が記憶されている。なお、地図データ記憶媒体からこれらのデータを入力する代わりに、通信ネットワークを介してこれらのデータを入力するようになっていてもよい。
ナビ制御部60は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、位置検出器64からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器65を介して読み込んだ現在位置付近の地図等をTFT表示器63に表示させる処理や、地図データ入力器65に格納された地図データと、操作スイッチ群61の操作に従って設定された目的地とに基づいて現在位置から目的地までの最適な経路を算出する経路算出処理や、その算出した経路をTFT表示器63に表示させることにより経路を案内する経路案内処理等を実行する。
また、このナビ制御部60には、アクセサリ(ACC)スイッチ3も接続されており、運転者によってイグニッションキーが操作されてACCスイッチ3がオン(ON)状態になると、ナビゲーション装置50に電源供給がなされ、ナビゲーション装置50の各部が作動可能となる。
[作動及び効果説明]
次に、車両用表示装置1の作動について図3のタイムチャートを用いて説明する。なお、ナビゲーション装置50の作動に関しても、この車両用表示装置1との関係で必要な部分のみ説明する。
運転者によってイグニッションキーが操作されてアクセサリ給電(ACC)の状態になると(図3(a)参照)、車両用表示装置1及びナビゲーション装置50の各部が作動可能となる。すると、車両用表示装置1のメータ制御部10は、TFT光源25をONすると共に(図3(c)参照)、TFT表示器30へのナビゲーション画像の表示処理を開始する(図3(d)参照)。一方、ナビゲーション装置50のナビ制御部60は、TFT光源62をONすると共に、TFT表示器63へのナビゲーション画像の表示処理を開始する(図3(h)参照)。
ナビゲーション画像の表示処理を開始した車両用表示装置1のメータ制御部10は、図2(a)に示すように、TFT表示器30におけるナビ表示領域32を図2(b)に示す状態に比べて拡大する。図2(b)に示す状態では、TFT表示器30にメータ表示領域31、ナビ表示領域32及び車両状態表示領域33をそれぞれ確保しなければならない。つまり、メータ表示領域31へは速度メータ画像31a、タコメータ画像31b、燃料残量メータ画像31c、エンジン冷却水温メータ画像31dを表示し、車両状態表示領域33へは警告灯画像を表示するため、ナビ表示領域32は相対的に小さくなる。それに比べて図2(a)に示す状態では、ナビゲーション画像以外は表示しないため、ナビ表示領域32を極力拡大した上で、ナビゲーション画像を表示するのである。つまり、図2(b)に示す状態ではメータ表示領域31及び車両状態表示領域33として確保している場所についても、図2(a)に示す状態ではナビ表示領域32として使用するのである。
そして、運転者によってイグニッションキーがさらに操作されてイグニッション給電(IGN)の状態になると(図3(b)参照)、メータ制御部10は、TFT表示器30の表示領域を、図2(a)に示すようにナビ表示領域32を拡大していた状態から、図2(b)に示すように、メータ表示領域31、ナビ表示領域32及び車両状態表示領域33をそれぞれ確保した「通常表示」状態に変更する。そして、メータ表示領域31へのメータ画像(速度メータ画像31a、タコメータ画像31b、燃料残量メータ画像31c、エンジン冷却水温メータ画像31d)の表示、及び車両状態表示領域33への警告灯画像の表示(図3(f)参照)を開始する。
このうち、メータ表示領域31へのメータ画像(速度メータ画像31a、タコメータ画像31b、燃料残量メータ画像31c、エンジン冷却水温メータ画像31d)の表示に際しては、指針部分の表示を文字盤部分の表示よりも早くしている。つまり、イグニッション給電(IGN)の状態になると(図3(b)参照)、メータ表示領域31へメータ画像(速度メータ画像31a、タコメータ画像31b、燃料残量メータ画像31c、エンジン冷却水温メータ画像31d)における指針部分のみの画像を表示する(図3(e)参照)。その指針部分の画像表示後、所定時間(例えば0.2秒)が経過したら、図3(g)に示すように、文字盤部分の画像を表示する。
このように、キーシリンダに差し込んだイグニッションキーを運転者が回転操作してACCスイッチ3がオンの状態にすれば、車両用表示装置1のTFT表示器30において、図2(b)に示す状態に比べて拡大した状態のナビ表示領域32にナビゲーション画像を表示させることができる。したがって、このような表示領域が拡大された状態のナビゲーション画像を表示させ、経路案内のために目的地設定をするための操作をしたり、詳細地図を表示させて見ることができる。なお、目的設定のための操作や地図の拡大・縮小等の操作は操作スイッチ群11を介して運転者が行える。このような動作においてはナビゲーション画像をより注視することが好ましいが、この時点でメータ画像が表示されていないので、ナビゲーション画像を注視でき効果的である。
そして、例えば目的地設定が完了したりしてナビゲーション画像の注視の必要がなくなり、メータ画像も表示させたくなれば、運転者がさらにイグニッションキーを回転操作してIGNスイッチ5をオンさせればよい。逆に言えば、運転者は、ナビゲーション画像を注視したい場合にはACCスイッチ3がオンした状態を継続させればよく、ナビゲーション画像を図2(a)に示すような拡大表示させ続けたければ、IGNスイッチ5をオンさせる操作をしなければよいのである。
また、メータ画像31a〜31dの表示に関しては、演出面でも工夫されている。つまり、指針部分の画像表示後、所定時間(例えば0.2秒)が経過して文字盤部分の画像を表示させている。このようにすることで、メータ部分の画像に関しては、文字盤が表示されていない状態で指針が表示され、その後、文字盤が表示されるため、より演出効果も高まり、メータ画像31a〜31dに対する運転者の関心を高める点で有効である。
なお、警告灯画像は、初期状態のチェックのため一度全て表示させ、その後、実際に警告の必要がない場合には表示しないようにする。例えばIGNスイッチ5がオン状態のままであれば、例えば3秒といった所定時間経過後に自動的に表示しないようにする。また、エンジンが始動された場合には自動的に表示しないようにする。このような警告灯画像の表示後の対処については公知の手法を用いればよく、本願発明の主眼ではないので詳しい説明は省略する。
[別態様]
(1)上記説明では、ナビゲーション画像を拡大表示させるトリガとしてACCスイッチ3のオン、ナビゲーション画像を通常表示に戻しメータ画像及び警告灯画像と共に表示させるトリガとしてIGNスイッチ5のオンを例示した。これらは、車両への通常の乗車動作において「ACCスイッチ3のオン→IGNスイッチ5のオン」というように時間的な先後関係にある2つのスイッチの一例である。そのため、車両への通常の乗車動作において時間的な先後関係にある2つのスイッチであれば、他にも適用可能である。
例えば、運転席のドアが開かれたことを検出するスイッチ(ドアスイッチ)、キーシリンダへイグニッションキーが差し込まれたことを検出するスイッチ(キー差込スイッチ)、ACCスイッチ、IGNスイッチは、それらがオンされる順番を考えると、車両への通常の乗車動作における時間的な先後関係は、ドアスイッチ→キー差込スイッチ→ACCスイッチ→IGNスイッチとなる。したがって、ドアスイッチ、キー差込スイッチ、ACCスイッチの何れかをオンさせる操作を「第1の所定操作」として、ナビゲーション画像を拡大表示し、キー差込スイッチ、ACCスイッチ、IGNスイッチの何れかをオンさせる操作であって且つ第1の所定操作よりも時間的に後に発生する操作を「第2の所定操作」として、ナビゲーション画像を通常表示に戻しメータ画像及び警告灯画像と共に表示させてもよい。もちろん、これ以外のスイッチに対する操作を第1あるいは第2の所定操作として採用することも考えられる。
また、このようなスイッチではなく、車両の所定の状態を検知する状態検知手段によって「第1の所定状態」になったことを検知した場合をトリガとしてもよい。この状態検知手段としては、例えば運転者が運転席に着座したことを検知するセンサなどが挙げられる。例えば運転者が運転席に着座したことを検知する着座センサによって運転者が着座したことを「第1の所定状態」として検知した場合に、ナビゲーション画像を拡大表示させ、その後、IGNスイッチ5がオンすると、ナビゲーション画像を通常表示に戻しメータ画像及び警告灯画像と共に表示させるような表示制御を行ってもよい。
それ以外にも、ドアロックがされたことを検知した場合、シートベルトが着用されたことを検知した場合、ドアが閉まったことを検知した場合(これは例えばキーが挿されていない状態でドアが開けられ後、閉まったことを検出した場合)、なども「第1の所定状態」として考えることができる。
また、「第2の所定状態」としては、例えばパーキングブレーキが解除された場合、アクセルペダルが踏まれた場合、シフトレバーの操作があった場合、車速センサからの信号に基づき、車速が0より大きくなったことを検知した場合、などが考えられる。これらは、車両がまもなく発進する状態、または発進した状態を示している。
(2)上記説明では、ナビゲーション画像を拡大表示させるトリガとしてACCスイッチ3のオン、ナビゲーション画像を通常表示に戻しメータ画像及び警告灯画像と共に表示させるトリガとしてIGNスイッチ5のオンを例示したが、後者の「ナビゲーション画像を通常表示に戻しメータ画像及び警告灯画像と共に表示させるトリガ」としては、下記のような操作を採用してもよい。つまり、操作スイッチ群11を介して特定の指令が入力された場合に、ナビゲーション画像を通常表示に戻しメータ画像及び警告灯画像と共に表示させるのである。その場合の車両用表示装置1の作動について図4のタイムチャートを用いて説明する。
上述したように、拡大表示されるナビゲーション画像が経路設定画面の画像である場合には、例えば運転者が目的地を設定すると、その目的地までの経路がナビ表示領域32に表示された状態で設定完了か否かを運転者に問いかける。具体的には、画面上に「完了」スイッチ画像を表示し、「この案内経路でよければ完了スイッチを押して下さい」といったガイダンス表示をする。ここで、運転者が「完了」スイッチ画像部分を押下すると、操作スイッチ群11のうち、タッチTFT表示器30の表示面と一体に構成されたタッチパネルにてその押下操作を感知して経路設定完了スイッチがオンとなる(図4(b)参照)。もちろん、タッチパネルではなく、TFT表示器30の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチの一つを経路設定完了スイッチとして採用しても良い。なお、この図4(b)の経路設定完了スイッチがオンの部分以外、つまり、図4(a),(c)〜(h)は図3(a),(c)〜(h)と同じなので、説明は省略する。
このように、経路設定が完了したことを示す指令を受け付けた場合には、ナビゲーション画像を注視する必要性が相対的に低くなったと考えられるので、図2(a)に示すような拡大表示をさせる必要が低くなったため、図2(b)に示すようにメータ画像や警告灯画像を表示させるのである。
なお、図4の例では経路設定の場合を例にとったが、それに限らない。例えば詳細地図を表示させる操作をした場合に、操作スイッチ群11を介して詳細地図から通常地図に戻る操作指令を受け付けると、ナビゲーション画像を注視する必要性が相対的に低くなったと考えられる。したがって、その「通常地図に戻る操作指令」を受け付けた時点で、図2(a)に示すような拡大表示を止め、図2(b)に示すようにメータ画像や警告灯画像を表示させることも考えられる。
(3)図4を参照して説明したように経路設定が完了したことを示す指令を受け付けたり、上記別態様(2)にて説明したように詳細地図から通常地図に戻る操作指令を受け付けるような場合には、その特定の操作がなされたことをトリガにしてメータ画像や警告灯画像を表示させればよい。しかし、例えば地図をスクロールして運転者が自分で目的地周辺の地理を確認するだけで、経路設定は行わないような場合もある。そのような場合には、いつまで経っても経路設定が完了したことを示す指令はなされない。したがって、ユーザからの指令を所定時間を受け付けない状態が継続した場合に「第2の所定状態」になったと判断し、メータ画像や警告灯画像を表示させるようにしてもよい。その場合の車両用表示装置1の作動を図5のタイムチャートに示した。図5(b)に示すように、スクロール操作がなされ、その操作が終了した後、何ら操作がなされずに所定時間が経過した場合(タイムアウト)、拡大表示していたナビゲーション画像を通常表示に戻し、メータ画像や警告灯画像を表示させるのである。
(4)上記説明では、ACCスイッチ3がオンするとナビゲーション画像を拡大表示させ、IGNスイッチ5がオンするとナビゲーション画像を通常表示に戻しメータ画像及び警告灯画像と共に表示させる例を挙げた。この手法は、ナビゲーション画像のみを拡大表示させる状態と、ナビゲーション画像を通常表示に戻しメータ画像及び警告灯画像と共に表示させる状態を、それぞれに対応する運転者の操作をトリガとして実現していた。したがって、より運転者の意図が反映させ易いというメリットはある。
ただし、メータ画像及びナビゲーション画像を共に表示させる状態にするには、ACCスイッチ3をオンさせる操作の後に必ずIGNスイッチ5をオンさせる操作が必要となる。したがって、そのような操作の手間を少しでも省くのであれば、下記に示すような工夫をしてもよい。
つまり、ACCスイッチ3がオンするとナビゲーション画像を拡大表示させ、その後、所定時間が経過したら、ナビゲーション画像を通常表示に戻しメータ画像及び警告灯画像と共に表示させるのである。この「所定時間」とは、例えばユーザが地図の詳細を確認するために適切な時間であり、例えば30秒といった時間を設定することが考えられる。
なお、ナビゲーション画像を拡大表示させるためのトリガとしては、「ACCスイッチ3のオン」に代えて「IGNスイッチ5のオン」としてもよい。
このようにすれば、運転者がACCスイッチ3かIGNスイッチ5をオンさせればナビゲーション画像が表示され、その後、例えば30秒後に自動的にメータ画像及び警告灯画像がナビゲーション画像と共に表示されることとなり、操作の手間が減る。
ただし、この場合には例えば30秒という所定時間経過後、自動的にナビゲーション画像が拡大表示から通常表示に変わる。したがって、経路設定のように操作する人によって所要時間の差があるケースでは、やはり「ACCスイッチ3がオンするとナビゲーション画像を拡大表示させ、IGNスイッチ5がオンするとナビゲーション画像を通常表示に戻しメータ画像及び警告灯画像と共に表示させる」手法の方が好ましい。
(5)上記実施形態では、図3を参照して説明したように、ナビゲーション画像をメータ画像及び各種警告灯画像よりも優先して表示するようにしているが、図6に示すように、この各種警告灯画像をナビゲーション画像と共に表示させてもよい。運転者に対してなるべく早期に車両状態を知らせておくという点で意味があるからである。その場合には、図2(b)に示す車両状態表示領域33を、図2(a)に示す拡大したナビゲーション画像と合成して表示させればよい。この車両状態表示領域33は、相対的に小さな表示領域で済むので、ナビゲーション画像の視認性を大きく損なうことはない。
(6)ナビゲーション装置50に関しては、例えば音声案内機能を追加するのであればスピーカ(音声出力部)を設けたり、運転者からの指示を音声にて入力する機能を追加するのであればマイクロフォン(音声入力部)を設けたりすればよい。また操作スイッチ群61に加え、運転者がリモコン操作にて指示入力可能な機能を追加するのであれば、運転者が操作するリモコンからの信号を受信するリモコンセンサを設ければよい。これらは何れも公知技術であるので、詳細な説明は省略する。
[第2実施形態]
[構成の説明]
図7は、第2実施形態の車両用表示装置101の概略構成を示すブロック図、図8は車両用表示装置101の正面図である。上述した第1実施形態の車両用表示装置1は、メータに関しても画像表示するいわゆるデジタルメータタイプを前提としたものであった。それに対して本第2実施形態の車両用表示装置101は、機械式メータタイプを前提としたものである。
車両用表示装置101は、メータ制御部110と、車内LAN通信部115と、速度メータ131aと、タコメータ131bと、燃料メータ131cと、水温メータ131dと、指針照明光源136と、文字盤照明光源137と、警告灯133(図7参照)と、警告灯照明光源135,と、TFT光源125と、TFT表示器132と、操作スイッチ群161と、車両の現在位置を検出する位置検出器164と、地図データや音声データ等が記録された地図記憶媒体からデータを入力する地図データ入力器165とを備える。
車内LAN通信部115は、図示しない車内LANに接続された種々のECU(例えば、エンジンECU、AT−ECU等)や各種警告センサ(ブレーキ警告灯、油圧警告灯、排気温警告灯、バッテリ警告灯、ABS警告灯、エンジン警告灯、ドア警告灯等)との通信を担う部位である。
速度メータ131aは、車両の速度を表示するためのメータであり、制御部110からの信号に基づいて作動するよう構成されている。制御部110は、車内LAN通信部115を介して図示しない速度センサから車両の速度情報を取得し、その速度情報に対応した信号を速度メータ131aへ出力する。
タコメータ131bは、エンジンの回転数を表示するためのメータであり、制御部110からの信号に基づいて作動するよう構成されている。制御部110は、車内LAN通信部115を介して図示しないエンジンECUからエンジンの回転数情報を取得し、その回転数情報に対応した信号をタコメータ131bへ出力する。
燃料メータ131cは、燃料残量の多少を表示するためのメータであり、制御部110からの信号に基づいて作動するよう構成されている。制御部110は、車内LAN通信部115を介して燃料タンクに設けられた燃料残量を検出するセンサ(図示せず)から燃料残量情報を取得し、その燃料残量情報に対応した信号を燃料メータ131cへ出力する。
水温メータ131dは、エンジン冷却水の温度の高低を表示するためのメータであり、制御部110からの信号に基づいて作動するよう構成されている。制御部110は、車内LAN通信部115を介してエンジン冷却水の水温を検出するセンサ(図示せず)から水温情報を取得し、その水温情報に対応した信号を水温メータ131dへ出力する。
指針照明光源136は、各メータ131a,131b,131c,131dの指針毎に設けられており、指針を照明するための光源である。光源としては、例えばLEDなど各種発光体を用いることができる。
文字盤照明光源137も、指針照明光源136と同様、各メータ131a,131b,131c,131dの文字盤毎に設けられており、文字盤を照明するための光源である。
警告灯133は、例えばブレーキ警告灯、油圧警告灯、排気温警告灯、バッテリ警告灯、ABS警告灯、エンジン警告灯、ドア警告灯等であり、それぞれの警告内容を模式的にあるいは文字によって示すためのランプが設けられている。このランプ自体は公知の内容なので詳しい説明は省略する。
警告灯照明光源135,は、上述の警告灯(警告ランプ)毎に設けられており、警告灯を照明するための光源である。
TFT光源125は、TFT表示器132のための光源である。
TFT表示器132は、メータパネル内において速度メータ131aとタコメータ131bとの間に設けられており、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等から構成されている。そして、このTFT表示器30はカラー画像表示機能を有しており、ナビゲーション画像(例えば、現在位置付近の地図や、現在位置を示すアイコンや、経路案内のための案内図等の画像)を表示する。
操作スイッチ群161は、TFT表示器132の表示面と一体に構成されたタッチパネル等から構成され、運転者からの様々な指令を入力する。なお、タッチパネルとTFT表示器132とは積層一体化されている。
位置検出器164は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を図示しないGPSアンテナを介して受信してその受信信号を出力するGPS受信機と、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサとを備えている。そして、これら各センサ等からの出力信号に基づいて制御部110が、車両の位置・方位・速度等を算出する。
地図データ入力器165は、図示しない地図データ記憶媒体(例えばハードディスクやDVD−ROM等)に記憶された各種データを入力するための装置である。地図データ記憶媒体には、地図データ(ノードデータ、リンクデータ、コストデータ、背景データ、道路データ、名称データ、マークデータ、交差点データ、施設のデータ等)、案内用の音声データ、音声認識データ等が記憶されている。なお、地図データ記憶媒体からこれらのデータを入力する代わりに、通信ネットワークを介してこれらのデータを入力するようになっていてもよい。
メータ制御部10は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、メータ関連の制御としては、車内LAN通信部115を介して各種ECU等から受信したデータに基づいて、速度メータ131a、タコメータ131b、燃料メータ131c及び水温メータ131dの指針を駆動したり、指針照明光源136、文字盤照明光源137及び警告灯照明光源135,の点灯・消灯を制御する。一方、ナビゲーション関連の制御としては、位置検出器164からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器165を介して読み込んだ現在位置付近の地図等をTFT表示器132に表示させる処理や、地図データ入力器165に格納された地図データと、操作スイッチ群161の操作に従って設定された目的地とに基づいて現在位置から目的地までの最適な経路を算出する経路算出処理や、その算出した経路をTFT表示器132に表示させることにより経路を案内する経路案内処理等を実行する。
また、この制御部110には、ACCスイッチ3及びIGNスイッチ5も接続されており、運転者によってイグニッションキーが操作されてACCスイッチ3がオン(ON)状態になると、車両用表示装置101に電源供給がなされ、車両用表示装置1の各部が作動可能となる。
[作動及び効果説明]
次に、車両用表示装置101の作動について図9のタイムチャートを用いて説明する。
運転者によってイグニッションキーが操作されてアクセサリ給電(ACC)の状態になると(図9(a)参照)、車両用表示装置101の各部が作動可能となる。すると、制御部110は、TFT光源125をONすると共に(図9(c)参照)、TFT表示器132へのナビゲーション画像の表示処理を開始する(図9(d)参照)。
そして、運転者によってイグニッションキーがさらに操作されてイグニッション給電(IGN)の状態になると(図9(b)参照)、制御部110は、指針照明光源136及び警告灯照明光源135をONする(図9(e),(f)参照)。指針照明光源136をONさせてから所定時間(例えば0.2秒)が経過したら、文字盤照明光源137をONさせる(図9(g)参照)。つまり、速度メータ131a、タコメータ131b、燃料メータ131c及び水温メータ131dに関しては、まず指針のみが点灯し、その後所定時間(例えば0.2秒)が経過したら文字盤が点灯する。
このように、キーシリンダに差し込んだイグニッションキーを運転者が回転操作してACCスイッチ3がオンの状態にすれば、車両用表示装置101のTFT表示器132にナビゲーション画像を表示させることができる。したがって、TFT表示器132にナビゲーション画像を表示させ、経路案内のために目的地設定をするための操作をしたり、詳細地図を表示させて見ることができる。なお、目的設定のための操作や地図の拡大・縮小等の操作は操作スイッチ群11を介して運転者が行える。このような動作においてはナビゲーション画像をより注視することが好ましいが、この時点で速度メータ131a、タコメータ131b、燃料メータ131c、水温メータ131d及び警告灯に対する照明光源135,136,137が点灯されていないので、ナビゲーション画像を注視でき効果的である。
そして、例えば目的地設定が完了したりしてナビゲーション画像の注視の必要がなくなり、メータ表示等も見たくなれば、運転者がさらにイグニッションキーを回転操作してIGNスイッチ5をオンさせればよい。逆に言えば、運転者は、速度メータ131a、タコメータ131b、燃料メータ131c、水温メータ131d及び警告灯に対する照明光源135,136,137が点灯させずにナビゲーション画像を注視したい場合には、IGNスイッチ5をオンさせる操作をしなければよいのである。
また、メータ131a〜131dについては、指針照明光源136の点灯後、所定時間(例えば0.2秒)が経過してから文字盤照明光源137を点灯させている。このようにすることで、メータ131a〜131dに関しては、文字盤が点灯されていない状態で指針が点灯され、その後、文字盤が点灯されるため、より演出効果も高まり、メータ131a〜131dに対する運転者の関心を高める点で有効である。
なお、警告灯133は、初期状態のチェックのため一度全て点灯させ、その後、実際に警告の必要がない場合には消灯する。例えばIGNスイッチ5がオン状態のままであれば、例えば3秒といった所定時間経過後に自動的に消灯する。また、エンジンが始動された場合には消灯する。このような警告灯133のIGNスイッチ5をオンした後の対処については公知の手法を用いればよく、本願発明の主眼ではないので詳しい説明は省略する。
[別態様]
(1)本第2実施形態においては、第1実施形態のようにナビゲーション装置50と接続されてはいないが、第1実施形態と同様にナビゲーション装置50と接続してもよい。逆に、第1実施形態の車両用表示装置1も、ナビゲーション装置50と接続せずに単独で実現することも可能である。
(2)ナビゲーション画像を拡大表示させるトリガとしてACCスイッチ3のオン、速度メータ131a、タコメータ131b、燃料メータ131c、水温メータ131d及び警告灯に対する照明光源135,136,137を点灯させるトリガとしてIGNスイッチ5のオンを例示した。しかし、上述した第1実施形態の別態様でも説明した通り、他にもドアスイッチやキー差込スイッチなどを採用してもよい。
さらに、後者の「速度メータ131a、タコメータ131b、燃料メータ131c、水温メータ131d及び警告灯に対する照明光源135,136,137を点灯させるトリガ」としては、やはり上述した第1実施形態の別態様でも説明した場合と同様に、操作スイッチ群161を介して特定の指令(例えば経路設定が完了したことを示す指令)が入力された場合を採用しても良い。
(3)その他、第1実施形態の別態様として図5,6を参照して説明した内容は、この第2実施形態における別態様としても同様に適用でき、同様の効果を奏する。
1…車両用表示装置、3…ACCスイッチ、5…IGNスイッチ、
10…メータ制御部、11…操作スイッチ群、15…車内LAN通信部、
20…通信部、25…TFT光源、30…TFT表示器、31…メータ表示領域、
31a…速度メータ画像、31b…タコメータ画像、31c…燃料残量メータ画像、
31d…エンジン冷却水温メータ画像、32…ナビ表示領域、
33…車両状態表示領域、50…ナビゲーション装置、60…ナビ制御部、
61…操作スイッチ群、62…TFT光源、63…TFT表示器、
64…位置検出器64…地図データ入力器、70…通信部、
101…車両用表示装置、110…制御部、115…車内LAN通信部、
125…TFT光源、131a…速度メータ、131b…タコメータ、
131c…燃料メータ、131d…水温メータ、132…TFT表示器、
133…警告灯、135,…警告灯照明光源、136…指針照明光源、
137…文字盤照明光源、161…操作スイッチ群、164…位置検出器、
165…地図データ入力器。

Claims (1)

  1. メータパネル内に設けられた表示手段と、
    その表示手段にナビゲーション画像やメータ画像を表示させる表示制御手段とを備え、
    前記表示手段は、前記ナビゲーション画像を表示するための領域であるナビ表示領域と、メータ画像を表示するための領域であるメータ表示領域を有しており、
    前記表示制御手段は、前記表示手段にナビゲーション画像やメータ画像を表示していない状態で、ユーザからの操作指令を受け付ける指令受付手段を介して所定操作を受け付けたと判断した場合または車両の所定の状態を検知する状態検知手段によって車両が第1の所定状態になったことを検知したと判断した場合には、前記ナビゲーション画像を表示させ、その後、所定時間が経過したら、前記メータ画像を前記ナビゲーション画像と共に表示させること
    を特徴とする車両用表示装置。
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