JP2010023533A - 車両用暖房装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】気流の不快感がなく急速加熱性に優れて、冷輻射を感じたり、頭部〜肩口が寒いといった不快感のない車両用暖房装置がなかった。
【解決手段】サンバイザー1のフロントウインド4に対向する面側に面状発熱体とを備え、サンバイザー1を退避位置近傍に位置させることで着座者を加熱暖房可能にしたことにより、着座者の前頭部や、首後部または後頭部が暖房開始直後から温められ、暖房感を感じやすい部位なので暖房の即効性を得ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】サンバイザー1のフロントウインド4に対向する面側に面状発熱体とを備え、サンバイザー1を退避位置近傍に位置させることで着座者を加熱暖房可能にしたことにより、着座者の前頭部や、首後部または後頭部が暖房開始直後から温められ、暖房感を感じやすい部位なので暖房の即効性を得ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用の座席暖房装置に関する。
従来、自動車等の車室内暖房は、エンジン廃熱を利用した温風暖房が主流である。
図10は現在車両などの車室内暖房に最も多く使用されている方式で、温まったエンジン冷却水熱を利用した温水による温風暖房方式(エンジン冷却水や温風ファンの系統図は図示せず)を説明するための、乗用車の車両側面を切り欠いた車室の斜視図である。
同図において、エンジン冷却水を熱源として暖められた空気は、ダッシュボードの両側と、中央および下面にそれぞれ設けられた吹出し口a、b、c、およびdから、吹出し位置および方向を選択調整されて吹出し、車内を暖房する。この温風暖房方式は、熱量の点で特に優れ、暖房負荷に見合う熱量を発生するものである。
しかしながら、上記の暖房方式を快適性の観点から見ると、空気温度に主眼を置いているため、不快な冷輻射を感じたり、気流による不快感を伴うという課題があった。また、エンジンの廃熱を利用するため、エンジンが温まらない限り熱量が発生せず、急速加熱性に乏しく、最も寒さを感じる運転開始直後に満足感が得られないという課題があった。
そこで、車室内の内装部材の表面に沿って面状の電気ヒータを配置し、この電気ヒータの表面上に、熱放射率の高い材料により構成される熱放射部材を設けて、前記電気ヒータの発熱により熱放射部材を加熱し、熱放射部材の表面から赤外線を放射するようにした車両用輻射暖房装置があった(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−212556号公報
一般に、輻射パネルによって車室内を暖房しても、車室内気の暖房分布には差が生じてしまう事は避けがたい。
その為、着座する乗員の窓側の頭部〜首、肩口周辺に掛けては、車室外の冷気によって冷やされた窓が、窓近傍に着座する乗員の頭部〜首周辺の車室内気を冷やしてしまう為、この周辺(すなわち窓の内側)の車室内気の温度低下は、上述した輻射パネルでの暖房では防止し難いのが現状である。
そして特許文献1に記載の車両用輻射暖房装置においては、赤外線を放射する内装部材は、車室内前部に位置する車両計器盤の下方部、車室内の左右ドア側面下方部、車室内センターコンソールの左右側面部、前席シート部材の背面部の少なくとも1つの部材であるので、暖房時に熱放射部材の表面から放射される赤外線が乗員の足元〜体幹部にしか照射されないため、頭部から首周辺、肩口が寒いといった課題があった。
また、フロントウインドなどの窓ガラスは外気により冷却されているので車室内の湿分が窓面で結露して冬季は曇りやすくなるが、この曇りを防止するために、従来の温風暖房方式では窓面を加熱する温風も急速加熱性に乏しいという課題があった。
本発明は、上記課題を解決するもので、暖房の即効性を向上でき、かつ車両への搭載が
容易な車両用暖房装置を提供することを目的とする。
容易な車両用暖房装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の車両用暖房装置は、サンバイザーの少なくともフロントウインドに対向する面側に設けられた面状発熱体とを備え、前記サンバイザーは、フロントウインド直上で天井に略重なり合う退避位置と、フロントウインドの上部を覆う光遮蔽位置との間で揺動変位可能でかつその揺動範囲内の任意位置に位置させることができ、前記面状発熱体は、前記サンバイザーを退避位置近傍に位置させることで着座者を加熱暖房可能にしたものである。
これによって、面状発熱体からの輻射熱により、着座者の前頭部や、首後部または後頭部が暖房開始直後から温められ、暖房感を感じやすい部位なので暖房の即効性を得ることができる。
本発明の車両用暖房装置は、着座者の頭上近傍に退避させたサンバイザーに設けている面状発熱体が、着座者の前頭部や首後部または後頭部を暖房運転開始直後から加熱暖房可能としたもので、暖房の即効性を向上でき、乗員の実態に応じた多様な暖房形態が実現できる。
第1の発明は、面状部材で構成された自動車のフロントウインドのサンバイザーと、前記サンバイザーの少なくとも前記フロントウインドに対向する面側に設けられた面状発熱体とを備え、前記サンバイザーは、フロントウインド直上で天井に略重なり合う退避位置と、フロントウインドの上部を覆う光遮蔽位置との間で揺動変位可能で、かつその揺動範囲内の任意位置に位置させることができ、前記面状発熱体は、前記サンバイザーを退避位置近傍に位置させることで着座者を加熱暖房可能にしたことにより、面状発熱体からの輻射熱により、着座者の前頭部や、首後部または後頭部が暖房開始直後から温められ、暖房感を感じやすい部位なので暖房の即効性を得ることができる。さらに、光遮蔽位置近傍に位置しているときに通電することでフロントウインドを輻射加熱できるので、冬季において結露によるフロントウインドの曇りが生じることを防止したり、曇りを除去することも可能となる。
第2の発明は、特に第1の発明のサンバイザーを、フロントウインドの上部を覆う光遮蔽位置と、サイドウインドの上部を覆う光遮蔽位置との間で揺動変位可能で、かつその揺動範囲内の任意位置に位置させることのできるものとしたことにより、サンバイザーをサイドウインドの上部を覆う光遮蔽位置近傍に位置させてヒータに通電開始することで、サイドウインドからの冷輻射を受けて特に冷えやすい耳や、顔面側方も暖房開始直後から温められ、暖房の即効性を向上できる。
第3の発明は、特に第1の発明のサンバイザーを、左右に分割合体自在に構成し、分割された一方はサイドウインドの光遮蔽位置に揺動変位可能なようにサイドウインド近傍の第一軸で軸支され、他方は受熱者を挟んで対向する位置に揺動変位可能なように第二軸で軸支されるようにしたことにより、冷輻射などで冷えやすい耳や顔面側方、首から肩にかけての部位にも、受熱者の左右両側方の略対面する位置に面状発熱体を備えているので、暖房開始直後から温められ、暖房の即効性を向上できる。
第4の発明は、特に第1〜第3のいずれか1つの発明において、着座部または背もたれ部の少なくとも一方に座席面状発熱体を設けた車両用の座席を備え、サンバイザーに設けた面状発熱体および前記座席面状発熱体の両者をそれぞれ通電と非通電に選択的に制御可
能にしたことにより、サンバイザーの面状発熱体と座席面状発熱体とを、それぞれ独立して通電と非通電に制御できるので、暖房運転開始時に暖房の即効性を得るため通電していた顔部近傍にあるサンバイザーの面状発熱体を、暖房運転安定時にはのぼせやほてり、眠気の防止のために非通電にすることができる。また、例えばサンバイザーの面状発熱体に初期の短時間だけ大電流を通電し少し遅れて座席面状発熱体に通電を始めることで暖房運転開始時に即座に暖房感を得るような、ピーク電流を抑えたきめ細かな通電制御を行うことが可能となる。このように、電流使用条件や乗員の使用実態に応じて通電と非通電を面上発熱体ごとに選択制御できるので、多様な暖房形態を実現でき、快適性や省電力性が向上する。
能にしたことにより、サンバイザーの面状発熱体と座席面状発熱体とを、それぞれ独立して通電と非通電に制御できるので、暖房運転開始時に暖房の即効性を得るため通電していた顔部近傍にあるサンバイザーの面状発熱体を、暖房運転安定時にはのぼせやほてり、眠気の防止のために非通電にすることができる。また、例えばサンバイザーの面状発熱体に初期の短時間だけ大電流を通電し少し遅れて座席面状発熱体に通電を始めることで暖房運転開始時に即座に暖房感を得るような、ピーク電流を抑えたきめ細かな通電制御を行うことが可能となる。このように、電流使用条件や乗員の使用実態に応じて通電と非通電を面上発熱体ごとに選択制御できるので、多様な暖房形態を実現でき、快適性や省電力性が向上する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態を図1から図4を参照して説明する。
本発明の第1の実施の形態を図1から図4を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態におけるサンバイザーが退避位置にある場合の車両用暖房装置の外観図であり、図2は本発明の同実施の形態におけるサンバイザーがフロントウインドの光遮蔽位置にある場合の車両用暖房装置の外観図、図3は本発明の同実施の形態におけるサンバイザーがサイドウインドの光遮蔽位置にある場合の車両用暖房装置の外観図である。
図1および図2において、サンバイザー1は横長の面状部材2と支持棒3で構成され、自動車のフロントウインド4の直上の天井5に支持棒3が取り付けられている。この支持棒3は垂直部6と水平部7とを有していて、天井5のサイドウインド8近傍の軸支部9に垂直部6が取り付けられることで、垂直軸回りに垂直部6が回転可能なためサンバイザー1が揺動できるようになっている。
また、水平部7に面状部材2が水平軸回りに上下揺動可能に取り付けられている。そのため、水平部7をフロントウインド4の上部に位置させた状態で、面状部材2を水平軸回りに上方に揺動させておくと、図1に示すような面状部材2が天井に重なり合う退避位置に位置する。これに対し、面状部材2を水平軸回り下方に揺動させておくと、図2に示すような面状部材2がフロントウインド4の上部を覆う光遮蔽位置に位置する。面状部材2は、退避位置と光遮蔽位置との間の揺動範囲内の任意の位置に位置させることができる。
また、支持棒3は垂直軸回りの任意の位置に位置させておくことができ、図2の位置から垂直部6を垂直軸回りに回転させると、図3に示すような面状部材2がサイドウインド8の上部を覆う光遮蔽位置に位置させることができる。
図中、サンバイザー1には面状発熱体11が配設されている。図4はサンバイザー1の断面図である。図1〜4に示すように、サンバイザー1を構成する面状部材2に対して、面状発熱体11は表皮12の内側のフロントウインド4側に配設されている。面状発熱体11は不織布に極細のヒータ線を蛇行させてシート状に成型したものである。ヒータ線近傍にはサーミスタが配設されている。また、図示しないが、前記サーミスタ出力が予め設定された設定温度になるよう前記ヒータ線の通電を制御する制御手段を備えている。
上記構成により、面状発熱体11のヒータ線に通電すると前記制御手段により、前記サーミスタ出力が予め設定された設定温度になるよう前記ヒータ線の通電が制御される。すると、ヒータ線の発熱により面状発熱体11から輻射熱が発生するので、図1のサンバイザー1が退避位置にある場合は、着座中の運転者の前頭部や、首後部または後頭部が輻射
加熱により温まる。このとき、ヒータ配設部分の熱容量は小さく設定できるので温度の立ち上がり速度が早く、急速加熱性に優れるので、暖房開始直後から着座者を温めることができ、暖房の即効性を得ることができる。また、前頭部や、首、後頭部は露出されている場合が多く、車両の窓や冷え切った車室内内装からの冷輻射を感じやすいので、これを防止し温めることで暖房運転開始直後の暖房感が得られやすくなる。
加熱により温まる。このとき、ヒータ配設部分の熱容量は小さく設定できるので温度の立ち上がり速度が早く、急速加熱性に優れるので、暖房開始直後から着座者を温めることができ、暖房の即効性を得ることができる。また、前頭部や、首、後頭部は露出されている場合が多く、車両の窓や冷え切った車室内内装からの冷輻射を感じやすいので、これを防止し温めることで暖房運転開始直後の暖房感が得られやすくなる。
一方、車室内温度の上昇後などには、冬季においてフロントウインド4内外の温度差が拡大して、結露によるフロントウインド4の曇りが生じ易くなるが、サンバイザー1を図2に示す光遮蔽位置近傍に位置させて面状発熱体11に通電することで、フロントウインド4を輻射加熱してガラスの温度を上昇させることができる。
このように、サンバイザー1内に設けた急速加熱性に優れた面状発熱体11からの輻射熱により、着座者の前頭部や、首後部または後頭部が暖房開始直後から温められ、暖房感を感じやすい部位なので暖房の即効性を得ることができる。また、サンバイザー1が、光遮蔽位置近傍に位置しているときに通電することでフロントウインド4を輻射加熱できるので、冬季において結露によるフロントウインド4の曇りが生じることを防止したり、曇りを除去することも可能となる。
さらに、サンバイザー1をサイドウインド8の上部を覆う光遮蔽位置近傍に位置させて面状発熱体11に通電開始することで、サイドウインドからの冷輻射を受けて特に冷えやすい耳や顔面側方も、暖房開始直後から温められ、暖房の即効性を向上できる。
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態を図5および図6を参照して説明する。なお、以下の説明では、上述した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態を図5および図6を参照して説明する。なお、以下の説明では、上述した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5は本発明の第2の実施の形態におけるサンバイザーが退避位置にある場合の車両用暖房装置の外観図であり、図6は本発明の同実施の形態におけるサンバイザーがサイドウインドの光遮蔽位置にある場合の車両用暖房装置の外観図である。
本実施の形態が第1の実施の形態と相違する点は、図5および図6に示すように、サンバイザー21が左右に分割合体自在となるよう、左面状部材22Lと右面状部材22R、左支持棒23Lと右支持棒23Rとで構成されている点にある。そして右支持棒23Rは、垂直部6と水平部7とを有していて、天井5のサイドウインド8近傍の軸支部9に垂直部6が取り付けられることで、垂直軸回りに垂直部6が回転可能なため、右面状部材22Rがサイドウインド8と略平行になるまで揺動できるようになっている。
一方、左支持棒23Lは、左垂直部26と左水平部27とを有していて、天井5の左右中央近傍の左軸支部29に左垂直部26が取り付けられることで、垂直軸回りに左垂直部26が回転可能なため、左面状部材22Lが運転席と助手席とを仕切るような位置まで揺動できるようになっている。
そして、左支持棒23Lと右支持棒23Rは垂直軸回りの任意の位置に位置させておくことができ、サンバイザー21がフロントウインドの光遮蔽位置(図示せず)から、垂直部6と左垂直部26をそれぞれ垂直軸回りに回転させると、サンバイザー21が左右に分割して左面状部材22Lと右面状部材22Rが図6に示すような状態になるよう、位置させることができる。
上記構成により、面状発熱体11のヒータ線に通電すると、予め設定された設定温度になるよう前記ヒータ線の通電が制御される。すると、ヒータ線の発熱により面状発熱体1
1から輻射熱が発生するので、図6に示すような運転者の両側方にサンバイザー21が位置する場合は、着座中の運転者の耳や顔面側方、首から肩にかけての部位が輻射加熱により温まる。このとき、ヒータ配設部分の熱容量は小さく設定できるので温度の立ち上がり速度が早く、急速加熱性に優れる。
1から輻射熱が発生するので、図6に示すような運転者の両側方にサンバイザー21が位置する場合は、着座中の運転者の耳や顔面側方、首から肩にかけての部位が輻射加熱により温まる。このとき、ヒータ配設部分の熱容量は小さく設定できるので温度の立ち上がり速度が早く、急速加熱性に優れる。
このように、冷輻射などで冷えやすい耳や顔面側方、首から肩にかけての部位にも、受熱者の左右両側方の略対面する位置に面状発熱体を備えているので、暖房開始直後から温められ、暖房の即効性を向上できる。また、従来より、腰、肩、首等の身体の部分の凝りまたは痛みを治療するために温熱治療法が用いられている。温熱治療では、例えば赤外線ランプを用いて患部に赤外線を照射することによりその部分を温めるが、面状発熱体による暖房効果で首から肩にかけての凝りが発生しやすい部位の血行が良くなり、凝りまたは痛みが緩和される効果も期待できる。
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態を図7から図9を参照して説明する。なお、以下の説明では、上述した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本発明の第3の実施の形態を図7から図9を参照して説明する。なお、以下の説明では、上述した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図7は本発明の第3の実施の形態におけるサンバイザーがフロントウインドの光遮蔽位置にある場合の車両用暖房装置の外観図であり、図8は本発明の同実施の形態における車両用暖房装置の前方からの車両斜視図、図9(a)は本発明の同実施の形態における車両用暖房装置の座席部の外観図、図9(b)は標準的な成人男性が着座した場合の外観図である。
図中、シート31は着座部32、背もたれ部33で構成され、車両の床面に固定されている。背もたれ部33は着座部32に対してその傾斜角度が任意に調整可能なようにして連結されており、着座部32と背もたれ部33はそれぞれ内部にクッション材34が配され、その表面は皮製、あるいは布製の表皮35に覆われている。背もたれ部33にはヒータ線36を蛇行配設して構成された背部発熱体37が、背もたれ部33の表皮35とクッション材34との間に配設され、着座部32には着座部発熱体38が同様に配設されている。
そして、この背部発熱体37は背もたれ部33の下部から上部まで上下方向に4つに分割された分割発熱体37a、37b、37c、37dからなっていて、この4つの分割発熱体37a〜37dおよび着座部発熱体38と面状発熱体11は、それぞれ独立して通電と非通電に選択して制御できるように電源(図示せず)に接続されている。そして背もたれ部33は、標準的な成人男性が座った場合に頭頂部と同じか頭頂部を超えるだけの高さを有しており、最上部の分割発熱体37aは着座者の首と後頭部に対面する高さ部分に設けられている。
上記構成により、標準的な成人男性がシート31に座り、最上部の分割発熱体37aに通電すると、クッション材34は断熱材の役割を果たすので分割発熱体37aの配設部分の熱容量は小さくなる結果、温度の上昇速度が早く、暖房開始直後から輻射熱により着座者の首後部または後頭部を加熱暖房することができる。
一方、標準的な成人男性よりも身長の低い、女性や子供がシート31に座った場合は、最上部の分割発熱体37aには通電せず、首と後頭部に対面する高さ部分に設けられた分割発熱体37bや37cに通電する。すると、身長の低い着座者の首後部または後頭部を加熱暖房することが可能となる。
また、乗車直後の暖房開始時に例えばサンバイザー1の面状発熱体11に初期の短時間
だけ大きめの電流を通電し、少し遅れて座席面状発熱体である背部発熱体37と着座部発熱体38に通電を始めるとともに面状発熱体11への電流を抑制することで、暖房開始直後から輻射熱により着座者の首後部または後頭部を加熱暖房することができ、暖房感を感じやすい部位なので暖房の即効性を得ることができる。
だけ大きめの電流を通電し、少し遅れて座席面状発熱体である背部発熱体37と着座部発熱体38に通電を始めるとともに面状発熱体11への電流を抑制することで、暖房開始直後から輻射熱により着座者の首後部または後頭部を加熱暖房することができ、暖房感を感じやすい部位なので暖房の即効性を得ることができる。
このように、サンバイザーの面状発熱体と座席面状発熱体とを、それぞれ独立して通電と非通電に制御できるので、暖房運転開始時に暖房の即効性を得るため通電していた頭部や顔部近傍にあるサンバイザーの面状発熱体を、暖房運転安定時にはのぼせやほてり、眠気の防止のために非通電にすることができる。また、例えばサンバイザーの面状発熱体に初期の短時間だけ大電流を通電し少し遅れて座席面状発熱体に通電を始めることで暖房運転開始時に即座に暖房感を得るような、ピーク電流を抑えたきめ細かな通電制御を行うことが可能となる。このように、電流使用条件や乗員の使用実態に応じて通電と非通電を面上発熱体ごとに選択制御できるので、多様な暖房形態を実現でき、快適性や省電力性が向上する。
また、背中部から後頭部まで複数に分割された分割発熱体37a〜37dを、それぞれ独立して通電と非通電に制御できるので、身長の低い着座者が自分の頭部より高い位置の発熱体を非通電にして無駄な通電を省くことができる。
なお、暖房運転開始から車室内温度または人体の温度が上昇した暖房運転安定時に、輻射による暖房や座席面状発熱体による暖房が不快になってきた場合は、それぞれへの通電電圧を下げて暖房能力を下げる制御を行ったり、制御装置(図示せず)にタイマー機能を設けて、所定時間(例えば20秒ON、40秒OFF)で通電と非通電を繰り返すように制御するなどして、不快感を防止するようにしても良い。
なお、上記第1〜第3の実施の形態では、暖房について述べたが、本実施の形態を夏場の車室内冷房時の冷え性対策として使用してもよい。
以上のように、本発明にかかる車両用暖房装置は、自動車の室内のみならず、航空機等の輸送機の座席での多様な暖房に展開が可能である。
1 サンバイザー
2 面状部材
4 フロントウインド
5 天井
6 垂直部(第一軸)
8 サイドウインド
11 面状発熱体
21 サンバイザー
22L 左面状部材
22R 右面状部材
26 左垂直部(第二軸)
31 シート(座席)
32 着座部
33 背もたれ部
37 背部発熱体(座席面状発熱体)
38 着座部発熱体(座席面状発熱体)
2 面状部材
4 フロントウインド
5 天井
6 垂直部(第一軸)
8 サイドウインド
11 面状発熱体
21 サンバイザー
22L 左面状部材
22R 右面状部材
26 左垂直部(第二軸)
31 シート(座席)
32 着座部
33 背もたれ部
37 背部発熱体(座席面状発熱体)
38 着座部発熱体(座席面状発熱体)
Claims (4)
- 面状部材で構成された自動車のフロントウインドのサンバイザーと、前記サンバイザーの少なくとも前記フロントウインドに対向する面側に設けられた面状発熱体とを備え、
前記サンバイザーは、フロントウインド直上で天井に略重なり合う退避位置と、フロントウインドの上部を覆う光遮蔽位置との間で揺動変位可能で、かつその揺動範囲内の任意位置に位置させることができ、
前記面状発熱体は、前記サンバイザーを退避位置近傍に位置させることで着座者を加熱暖房可能な車両用暖房装置。 - サンバイザーは、フロントウインドの上部を覆う光遮蔽位置と、サイドウインドの上部を覆う光遮蔽位置との間で揺動変位可能で、かつその揺動範囲内の任意位置に位置させることのできる請求項1記載の車両用暖房装置。
- サンバイザーは左右に分割合体自在に構成され、分割された一方はサイドウインドの光遮蔽位置に揺動変位可能なようにサイドウインド近傍の第一軸で軸支され、他方は受熱者を挟んで対向する位置に揺動変位可能なように第二軸で軸支された請求項1記載の車両用暖房装置。
- 着座部または背もたれ部の少なくとも一方に座席面状発熱体を設けた車両用の座席を備え、サンバイザーに設けた面状発熱体および前記座席面状発熱体の両者をそれぞれ通電と非通電に選択的に制御可能にした請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用暖房装置。
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