JP2010023114A - T形鋼 - Google Patents

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Abstract

【課題】船体構造用のTロンジ材に適用した場合に、Tロンジ材どうしの溶接接合の施工性に優れたT形鋼を提供する。
【解決手段】ウェブ高さが150mm以上の溶接部を有しないT形鋼であって、ウェブとフランジとの結合部に形成されるフィレット部の形鋼幅方向での断面形状がウェブとフランジに接する円弧状であり、且つその円弧の半径が2〜10mmである。フィレット部の形状と大きさを最適化することにより、Tロンジ材として端部どうしを溶接接合する場合の作業能率を大幅に向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、造船、橋梁、建築等の分野で用いられるT形鋼であって、特に船体構造用材料として好適であり、なかでもTロンジ材として最適なT形鋼に関するものである。
船体構造の補強用形鋼として、古くは球平形鋼が用いられていたが、船体の大型化により断面性能の向上と使用鋼材の重量低減とを目的として、図9に示す断面形状を有する不等辺不等厚山形鋼が用いられることが多くなってきた。しかし、不等辺不等厚山形鋼は、左右非対称の断面形状であるため、船体を補強する場合に断面性能に方向性を有し、船体外部からの水圧などの力を受けると断面内でねじり力が発生する。そのため、構造上要求される性能から、非対称であるがために発生する上記ねじり力に耐え得る断面性能の形鋼を使用しなければならず、より断面積の大きい寸法のものを使用することにより、船体重量が増加するというデメリットをもたらす場合がある。
さらに、近年新造される原油タンカーでは、改正された海洋汚染防止条約により、(a)船底と船側の構造を二重にして座礁や衝突等により船体が破れても原油が流出し難いように構成する二重船殻(ダブルハル)構造、(b)原油タンクを上下の二層に分けて船側だけを二重構造にするとともに、上下のタンクを分ける中間デッキを喫水線より下に配置することにより、下側のタンクの原油の圧力が常に周囲の水圧よりも低く保たれるようにし、座礁等により船底に穴が開いても下側のタンクの原油が浸入する海水の圧力で上に押し上げられてタンク内に閉じ込められるようにしたミッドデッキ構造、のいずれかを採用することが義務づけられている。特に二重船殻内は、積荷がない時に海水を注入して船舶の安定航行を可能とするバラストウォータータンクとして使用される。このため、船底や船壁に配置されるロンジ材は、海水に直接的に浸漬されるので、十分な耐食性を備えるようにするための防錆塗装が施され、この塗膜の密着性を確保することが要求される。
近年では、図10に示すようなT形の断面形状で、ウェブを中心として線対称な横断面形状を有するTロンジ材が船体補強用部材として用いられるようになってきた。このTロンジ材としては、厚板を切断し、溶接組立したものが広く使用されており、このようなTロンジ材(以下、「溶接Tロンジ材」という場合がある)はウェブとフランジの接合部に溶接部を有する。この溶接部上に塗装を行った場合、溶接ビードが凹凸を有する形状であるため、塗膜厚みが不均一となり、溶接ままの表面凹凸部分やエッジ部分が選択的に腐食される原因となり、船体構造部材の腐食劣化という重大な問題が発生する。このような不健全な塗膜の形成を防ぐため、溶接Tロンジ材については、溶接ビード部表面が滑らかになるようにグラインダー等を用いた補修が行われ、その後に塗装が行われる。このような塗装前の溶接ビード部の補修は、形鋼の長手方向の全長にわたって補修が必要な部位を検査した上で、人手をかけてグラインダー等で手入れをするため、補修に時間がかかるとともに、人件費の増加によるコスト上昇を招いていた。
一方、このような溶接Tロンジ材に対して、熱間圧延で得られる形鋼をTロンジ材に利用することが行われており、このTロンジ材の場合は、溶接Tロンジ材のような溶接組立がないため、上述したような溶接部の塗装による問題は生じない。
特許文献1には、熱間圧延でH形鋼に成形した後に、ウェブ部を半裁(2分割)して製造されるT形鋼(以下、「カットT形鋼」という場合がある)をTロンジ材として使用することが示されている。
また、特許文献2,3には、熱間圧延して得られたT形鋼(以下、「圧延T形鋼」という場合がある)そのものをTロンジ材として使用することが示されている。
特開2002−301501号公報 特開平11−342401号公報 特開2007−331027号公報
しかし、上述した従来技術のカットT形鋼や圧延T形鋼によるTロンジ材には、以下のような問題があることが判明した。
Tロンジ材は、船体の長手方向に沿った長尺部材として使用されることが多く、その場合、長さ10〜20m程度のTロンジ材(T形鋼)を長手方向で複数本溶接接合し、長尺の船体構造材(補強材)としている。このようなTロンジ材どうしの溶接接合部は、船体構造材という性質上、すべてに適正な強度を有することが求められる。しかしながら、本発明者らによる検討の結果、従来技術のカットT形鋼や圧延T形鋼を使用した場合、Tロンジ材どうしの溶接接合部に亀裂が発生・進展し、接合部の強度低下を招くという問題が発生する可能性があり、これを防ぐために溶接施工の作業能率が大幅に低下することが判明した。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、造船、橋梁、建築等の分野で構造材等に適用できるT形鋼であって、特に船体構造用のTロンジ材に適用した場合に、Tロンジ材どうしの溶接接合の施工性に優れたT形鋼を提供することにある。
本発明者らは、従来技術のカットT形鋼や圧延T形鋼をTロンジ材に適用した場合に、Tロンジ材どうしの溶接接合において生じる問題とその対策について検討を行い、以下のような知見を得た。
Tロンジ材の端部どうしを溶接接合する場合、突き合わせ部を開先加工した上で溶接が行われるが、フランジとウェブの溶接線が交差することによる材質劣化および溶接欠陥発生を避ける目的で、フランジと接するウェブの一部を扇形状に切り抜くスカラップ加工が施される。図11にTロンジ材(T形鋼)の接合部の開先加工例を示す。同図において(イ)はTロンジ材の端部の側面図、(ロ)はTロンジ材の端部の正面図であり、破線で囲んだ部分がスカラップ加工部である。ここで、カットT形鋼や圧延T形鋼では、ウェブとフランジの結合部に断面円弧状のフィレット部(図11においてfiで示す円弧部)を有しており、上記スカラップ加工では、フランジ内面が平坦になるようにフィレット部を除去する必要がある。このフィレット部を除去した加工面の仕上げが不十分で凹凸がある粗い加工面となった場合に、上述したような問題、すなわち応力集中やひずみ集中などにより溶接接合部に亀裂が発生・進展し、接合部の強度が低下する問題を生じる可能性がある。
Tロンジ材に使用される従来のカットT形鋼や圧延T形鋼は、以下に述べるような理由から、断面円弧状で且つその円弧の半径(一般にフィレットRと称される)が比較的大きいフィレット部を有している。
まず、カットT形鋼については、熱間圧延で得られたH形鋼(圧延H形鋼)のウェブ部を半裁(2分割)して製造されるため、圧延H形鋼相当のフィレット部を有している。圧延H形鋼のフィレット部のフィレットRの寸法は日本工業規格(JIS)に規格化されており、H形鋼のサイズが大きくなるほどフィレットRも大きくなる。一般に船体構造用のTロンジ材は、ウェブ高さが150mm以上であって且つウェブ高さがフランジ幅の2倍以上の寸法であることが多い。日本工業規格(JIS)ではウェブ高さ300mmの圧延H形鋼のフィレットRは13mmであるので、圧延H形鋼から得られるウェブ高さ150mm以上のTロンジ材用のカットT形鋼は、フィレットRが13mm以上である。
一方、圧延T形鋼のフィレットRの寸法については、圧延H形鋼のような規格化されたものはないが、従来の圧延T形鋼の製造方法では、圧延H形鋼と同様に相当程度大きいものとならざるを得ない。例えば、特許文献3の圧延T形鋼を製造する方法では、粗ユニバーサル圧延機と仕上ユニバーサル圧延機を使用して、T形鋼の熱間圧延が行われる。この熱間圧延では、T形鋼のフィレット部となるべき部分は、粗ユニバーサル圧延機の水平ロールのロールコーナー部(フランジ側ロールコーナー部)で圧延され、さらに仕上ユニバーサル圧延機の水平ロールのロールコーナー部(フランジ側ロールコーナー部)で成形されて断面円弧状に作り込まれる。これら粗ユニバーサル圧延機および仕上ユニバーサル圧延機の水平ロールコーナーR(半径)はほぼ同じ大きさとすることが多いが、そのロールコーナーRは、以下のような理由からあまり小さくすることができない。
(a)ロールコーナーRを小さくすると、ロールコーナー部とフランジ内面との接触条件が厳しくなり、両者の間に焼き付きが発生する。このためフランジ内面に焼き付き疵が発生し、適正な品質の製品形鋼が製造できなくなる。
(b)ロールコーナー部でのロール摩耗が大きくなり、圧延を続けるにしたがってロールコーナーRが大きくなる上に、円弧形状が崩れて滑らかな単一半径の円弧が成形できなくなる。そのため、ロール交換を頻繁に行う必要が生じ、生産性が低下するとともに、製造コストが増加し、製品を低コストに大量生産することが困難となる。
(c)ロールコーナーRを小さくするほどロールコーナー部の温度が上昇しやすくなるため、熱によるロールの材質劣化や損傷が発生する。ロールコーナー部に亀裂や欠け落ちなどが発生した場合には、ロールの交換を余儀なくされ、生産性が低下する。
以上のような問題は、圧延回数が多く且つ圧下率が高い粗ユニバーサル圧延機において特に顕著である。このため水平ロールのロールコーナーRは、上記(a)〜(c)の問題を生じさせないような十分に大きい寸法に構成され、その結果、製造される圧延T形鋼のフィレットRの寸法も相当する大きさになる。
また、特許文献2の圧延T形鋼を製造する方法では、上下ロールを備えた孔型圧延機を使用して、T形鋼の熱間圧延が行われる。この熱間圧延では、T形鋼のフィレット部となるべき部分は、孔型を構成する上下ロールの特定部位で圧延されるが、この特定のロール部位の円弧半径を小さくすると、フランジ内面が垂直に近い角度となる上ロールにおいて、そのロール部位の円弧先端とフランジ内面に焼き付きが生じ、このためフランジ内面に焼き付き疵が発生し、適正な品質の製品形鋼が製造できない。このためフィレット部を圧延すべきロール部位の円弧半径は、上記の問題を生じさせないような十分に大きい寸法に構成され、その結果、製造される圧延T形鋼のフィレットRの寸法も相当する大きさになる。なお、特許文献2の形鋼はT形断面ではあるが、フランジの厚みが先端ほど薄いテーパが付与された断面形状であり、特許文献2に記載の形鋼の製造方法では、フランジ厚が全幅で均一なT形鋼を製造することはできない。
上述したスカラップ加工では、フィレットR(図11においてフィレットRをr1で示す)が大きいほどフィレット部の体積と幅が大きくなり、スカラップ加工で除去すべき体積と平坦に仕上げるべき部分の幅が増大することになるが、従来のカットT形鋼や圧延T形鋼のような大きなフィレットRを有するものでは、スカラップ加工の仕上げ面積が大きいため仕上げ精度が十分でない部分が生じやすく、これが上述したような溶接作業能率の低下という問題を生じさせる原因となることが判った。具体的には、スカラップ加工でのウェブおよびフィレット部の除去を例えばガス切断で行った場合、一般にガス切断面の仕上げは手作業によるグラインダー仕上げで行うことから、仕上げ面積が大きいほど仕上げ精度にバラツキも出易く、ガスノッチを十分に除去するための作業時間が長くかかり、溶接作業の能率が大きく低下する。また、研削機械による加工の場合は、仕上げ加工の面積が大きいために研削チップの損耗が多くなり、交換頻度が増すことで加工能率が低下する。しかし、仮に仕上げ精度が不十分な部分があると、溶接接合後に応力集中や歪み集中により亀裂が発生・進展して溶接接合部の強度低下を招いてしまうため、溶接作業の能率が悪化しても加工面を高精度に仕上げなければならない。
以上のような知見に基づき、Tロンジ材として使用されるT形鋼のフィレット部の最適な形状・大きさについて検討した結果、断面円弧状のフィレット部のフィレットRを10mm以下、好ましくは8mm以下とすることにより、スカラップ加工の仕上げ不良による溶接接合部の強度低下を招くことなく、スカラップ加工の作業能率が大幅に向上するという結論を得た。さらに、Tロンジ材は船殻に沿うように曲げ加工を施すことも必要となるが、フィレットRが小さいとフィレット部の断面が小さくなることで曲げ加工性が向上し、このためTロンジ材を曲げ加工する際の作業効率も高められることが判った。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]ウェブ高さが150mm以上の溶接部を有しないT形鋼であって、ウェブとフランジとの結合部に形成されるフィレット部の形鋼幅方向での断面形状がウェブとフランジに接する円弧状であり、且つその円弧の半径r1が2〜10mmであることを特徴とするT形鋼。
[2]上記[1]のT形鋼において、ウェブ高さがフランジ幅の2倍以上であることを特徴とするT形鋼。
[3]上記[1]または[2]のT形鋼において、熱間圧延によりT形鋼に加工されたことを特徴とするT形鋼。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかのT形鋼において、ウェブ両面側のフィレット部の円弧の半径r1が、それぞれ形鋼全長にわたって一定であることを特徴とするT形鋼。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかのT形鋼において、フランジ先端のコーナー部の形鋼幅方向での断面形状が円弧状であり、且つその円弧の半径が2mm以上であることを特徴とするT形鋼。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかのT形鋼において、船体構造用T形鋼であることを特徴とするT形鋼。
本発明のT形鋼は、ウェブとフランジとの結合部に形成されるフィレット部の形状と大きさを最適化し、従来のT形鋼に較べてフィレットRを小さくすることにより、Tロンジ材として端部どうしを溶接接合する場合に行われるスカラップ加工の仕上げ不良による溶接接合部の強度低下を招くことなく、スカラップ加工の作業能率が大幅に向上するとともに、Tロンジ材を船殻に沿うように曲げ加工する際の曲げ加工性も向上するという効果がある。このため船体構造用T形鋼として、とりわけTロンジ材として特に好適である。
本発明のT形鋼の断面形状の一例を示す説明図 表2に示す本発明のT形鋼の板付断面係数と製品単重との関係を、従来の不等辺不等厚山形鋼と比較して示すグラフ 本発明のT形鋼を製造するための圧延設備の一例を示す説明図 図3の圧延設備における第1の粗ユニバーサル圧延機のロール構成を模式的に示す正面図 図3の圧延設備におけるエッジャ圧延機のロール構成を模式的に示す正面図 図3の圧延設備における第2の粗ユニバーサル圧延機のロール構成を模式的に示す正面図 図3の圧延設備における仕上ユニバーサル圧延機のロール構成を模式的に示す正面図 図4に示す粗ユニバーサル圧延機の水平ロールコーナー部近傍に潤滑油供給装置Xを設置した状態を示すもので、(イ)は正面図、(ロ)は水平ロールの側面図 不等辺不等厚山形鋼の断面形状の一例を示す説明図 T形鋼の断面形状の一例を示す説明図 Tロンジ材の端部どうしを溶接接合する際の開先加工の一例を示すもので、(イ)はTロンジ材端部の側面図、(ロ)はTロンジ材端部の正面図
図1は、本発明のT形鋼の幅方向断面形状の一例を示すものであり、fがフランジ、wがウェブ、fiがウェブwとフランジfとの結合部、すなわちウェブwとフランジfとで構成されるコーナー部に形成されるフィレット部である。また、寸法として示すAがウェブ高さ、Bがフランジ幅、t1がウェブ厚、t2がフランジ厚である。さらに、r1がフィレット部fiの円弧半径(形鋼幅方向断面の円弧半径)、r2がフランジ先端内面側のコーナー部の円弧半径(形鋼幅方向断面の円弧半径)、r3がフランジ先端外面側のコーナー部の円弧半径(形鋼幅方向断面の円弧半径)である。
本発明のT形鋼は、ウェブ高さAが150mm以上の溶接部を有しないT形鋼であって、フィレット部fiの形鋼幅方向での断面形状がウェブwとフランジfに接する円弧状であり、且つその円弧半径r1(以下、「フィレットR」という場合がある)を2〜10mmとする。溶接部を有しないということは、厚板を溶接組み立てして得られる、いわゆる溶接T形鋼ではないが、熱間圧延で得られたH形鋼のウェブを半裁(2分割)して得られる、いわゆるカットT形鋼であってもよい。但し、生産性やウェブを半裁する工程を追加することによるコストの増加という観点からは、熱間圧延によりT形鋼に加工されて得られる、いわゆる圧延T形鋼であることが好ましい。また、溶接施工性の観点から、フランジ厚がフィレット部やフランジ先端付近を除く全幅で均一なT形鋼であることが好ましい。
本発明の効果はフィレットRの規定により得られるので、T形鋼のウェブ高さAとフランジ幅Bは任意であるが、船体構造用部材としての用途の場合には、ウェブ高さAがフランジ幅Bの2倍以上であることが好ましい。ウェブ高さAとフランジ幅Bの組合せは、例えば、250mm×100mm、300mm×100mm、300mm×125mm、350mm×125mm、400mm×125mm、500mm×150mm、600mm×150mmなど、任意の組合せで選択できる。ウェブ厚t1とフランジ厚t2の組合せも任意であり、例えば、カットT形鋼の板厚(規格化されているH形鋼のウェブ厚とフランジ厚)に準じて選択することができるが、船体構造用部材としての用途の場合には、フランジ厚t2はウェブ厚t1よりも大きいことが好ましい。
本発明のT形鋼では、フィレット部fiのフィレットR(円弧半径r1)は、ウェブ高さAやフランジ幅Bにかかわらず2〜10mm、好ましくは2〜8mmとする。
さきに述べたように、Tロンジ材の端部どうしを溶接接合する場合、突き合わせ部を開先加工した上で溶接が行われるが、フランジとウェブの溶接線が交差することによる材質劣化および溶接欠陥発生を避ける目的で、フランジと接するウェブおよびフィレット部の一部を扇形状に切り抜くスカラップ加工が施される(図11参照)。フィレットRが10mmを超えると、フィレット部の体積と幅が大きくなるため、このスカラップ加工において、溶接接合部の強度低下を招くような仕上げ不良を生じさせないようにするために、仕上げ工程を含めたスカラップ加工の作業効率が低下してしまい、また、Tロンジ材を船殻に沿うように曲げ加工する際の曲げ加工性も低下する。
表1に、フィレットRが13mm〜2mmのT形鋼のフィレット部断面積とフィレット幅を示す。ここで、フィレット部断面積は、図1における片側のフィレット部fi(ウェブ部とフランジ部を除いたもの)の断面積を指し、フィレットRがゼロでウェブとフランジが直角に形成されている場合、フィレット部断面積はゼロとする。また、フィレット幅は、図1において片側のフィレット部fiの始まりから、ウェブを挟んで反対側のフィレット部fiの終わりまでの長さを指す。
表1によれば、フィレットRが13mmの場合(従来のカットT形鋼の最小のフィレットR)に比べ、フィレットRを10mmまで小さくすると、フィレット部断面積は41%減少し、フィレット幅は17%減少することが判る。スカラップ加工において除去すべきフィレット部の断面積と幅がこの程度小さくなると、仕上げ工程を含めたスカラップ加工における作業の効率化に大きな効果がある。また、フィレットRを8mmまで小さくすると、フィレットRが13mmの場合に比べ、フィレット部断面積は62%、フィレット幅は28%減少し、さらにフィレットRを5mmまで小さくすると、同じくフィレット部断面積は85%、フィレット幅は44%減少し、より一層大きな効果が得られる。
Figure 2010023114
一方、本発明のT形鋼は、後述するように従来技術とは異なる手法を取り入れた製造方法で製造されることにより、フィレットRを10mm以下とすることが可能となるが、そのような製造方法によっても、フィレットRを2mm未満とすることは困難である。
通常、本発明のT形鋼を熱間圧延で製造するには、粗および仕上ユニバーサル圧延機を使用し、これらユニバーサル圧延機による圧延の際に、フィレット部は水平ロールのロールコーナー部で圧延、成形される。したがって、このロールコーナー部のロールコーナーRを小さくすれば、フィレットRを小さくできることになるが、さきに特許文献3に関して述べたように、単純にロールコーナーRを小さくしただけでは、(a)ロールコーナー部とフランジ内面との接触条件が厳しくなり、両者の間に焼き付きが発生することにより、フランジ内面に焼き付き疵が発生し、適正な品質の製品形鋼が製造できない、(b)ロールコーナー部でのロール摩耗が大きくなり、圧延を続けるにしたがってロールコーナーRが大きくなる上に、円弧形状が崩れて滑らかな単一半径の円弧が成形できなくなる、などの問題を生じるので、従来技術ではロールコーナーRを小さくできず、結果として、フィレットRも本発明のような小さい寸法にすることができなかった。
これに対して本発明者らは、粗および仕上ユニバーサル圧延機の圧延時に特定のロール部位に圧延潤滑油を噴射することなど(この製造方法については後に詳述する)により、水平ロールのロールコーナーRを小さくすることでフィレットRの寸法を十分に小さくしても、上記問題を生じることなく圧延できることを見出した。しかしながら、このような製造方法を採用したとしても、水平ロールのロールコーナーRが2mm未満では、フランジ内面の焼き付き疵の発生を防止することができず、またロールの摩耗や損傷が大きく、実質的に熱間圧延でT形鋼を量産することができなくなる。このため本発明の船体構造用T形鋼では、フィレットRの下限は2mmとする。
以上の理由から、本発明のT形鋼は、フィレットRの大きさを2〜10mmとする。
本発明のT形鋼は、図1における左右のフィレット部fi(ウェブ両面側のフィレット部)のフィレットRが、それぞれ形鋼全長にわたって一定であることが好ましい。熱間圧延により本発明のT形鋼を製造すると、左右のフィレット部fiはユニバーサル圧延機の水平ロールのロールコーナー部で圧延、成形されるため、全長にわたって同じ半径のフィレット部fiを得ることができる。すなわち、溶接T形鋼のような接合部が長手方向に不均一な形状でない、均一なフィレット部fiが得られ、部材の品質管理が容易になるという利点がある。ここで、フィレットRの変動が±20%以下であれば、形鋼全長にわたって一定と見做すことができる。
また、本発明のT形鋼は、塗装の健全性を確保するために、フランジ先端のコーナー部(フランジ先端内面側のコーナー部とフランジ先端外面側のコーナー部の計4箇所のコーナー部)の形鋼幅方向での断面形状が円弧状であり、且つその円弧半径r2,r3が2mm以上であることが好ましい。
次に、本発明のT形鋼(圧延T形鋼)を得るのに好適な製造方法について説明する。
この製造方法では、粗ユニバーサル圧延機および仕上ユニバーサル圧延機などを用いて、熱間圧延によりT形鋼を製造する。具体的には、例えば、粗造形圧延機などで得られたT形鋼片を、第1の粗ユニバーサル圧延機、エッジャ圧延機、第2の粗ユニバーサル圧延機、仕上ユニバーサル圧延機で順次圧延することにより、T形鋼を製造する。このような粗ユニバーサル圧延機および仕上ユニバーサル圧延機を用いた製造方法では、ユニバーサル圧延機の水平ロールのロールコーナー部でフィレット部fiが圧延、成形される。
そこで、粗および仕上ユニバーサル圧延機の水平ロールのロールコーナーR(半径)を、製造しようとする本発明のT形鋼のフィレットR(2〜10mm)を成形できる寸法とした上で、粗および仕上ユニバーサル圧延機での圧延中に水平ロールのロールコーナー部に、潤滑油供給装置から圧延潤滑油(熱間圧延用潤滑油)を噴射し、水平ロールコーナー部を潤滑する。このときフランジ内面にも圧延潤滑油を噴射すれば、焼き付き防止効果がさらに向上し、ロールコーナー部とフランジ内面の焼き付きをより一層効果的に防止することができる。
また、ロールコーナー部の温度がロールコーナーRを小さくするほど上昇しやすくなり、ロールの損傷が発生しやすくなる問題への対策として、少なくとも粗ユニバーサル圧延機の圧延出側に水平ロールコーナー部専用の冷却水噴射ノズルを配置し、この冷却水噴射ノズルから水平ロールコーナー部に冷却水を噴射してロールコーナー部の冷却を強化することにより、過度のロールの温度上昇を防止し、ロールの損傷を防止することができる。
以上のような製造方法により、フィレットRが小さい本発明のT形鋼を製造することができる。なお、本発明のT形鋼の製造方法は、上述した製造方法に限定されないことは言うまでもない。
以上述べたように本発明のT形鋼は、船体構造用として、なかでもTロンジ材として最適なものであるが、橋梁、建築等の分野において構造材等として使用することもできる。
本発明のT形鋼(船体構造用T形鋼)の断面寸法の一例を表2、表3に示す。基準となる外形寸法は、ウェブ高さAは300mm、フランジ幅Bは125mmである。また、ウェブ厚t1は9〜12mm、フランジ厚t2は16〜25mmである。
表2に示されるのは、ウェブ高さAからフランジ厚t2を差し引いた長さ(ウェブ先端からフランジ内面までの長さ)と、フランジ幅Bからウェブ厚t1を差し引いた長さが一定である内法一定の製品であり、ウェブ厚t1とフランジ厚t2の変化に伴ってウェブ高さAとフランジ幅Bに数ミリの違いがある。このような内法一定の製品シリーズは、後述する図6に示す第2の粗ユニバーサル圧延機4において、ウェブ先端側の竪ロール42bと水平ロール41a,41bとの間隔を一定にして圧延することにより製造することができる。また、表3に示されるのは、ウェブ高さAとフランジ幅Bが一定である外法一定の製品であり、ウェブ厚t1とフランジ厚t2が変化してもウェブ高さAとフランジ幅Bは一定である。このような外法一定の製品シリーズは、後述する図6に示す第2の粗ユニバーサル圧延機4において、ウェブ先端側の竪ロール42bと水平ロール41a,41bとの間隔を被圧延材のウェブ高さが一定となるように調整して圧延することにより製造することができる。
なお、表2、表3において、各部のR寸法は、フィレット部の円弧半径r1(フィレットR)が8mm、フランジ先端内面側のコーナー部の円弧半径r2が5mm、フランジ先端外面側のコーナー部の円弧半径r3が3mmである。
表2に示す本発明のT形鋼の断面特性を、従来の不等辺不等厚山形鋼(NAB)と比較して図2に示す。船体構造では、形鋼は主に厚板を補強するために使用され、船体設計に当たっては、形鋼と同じ応力が働く厚板部分についても、形鋼の一部として考えられる。したがって、形鋼の断面性能を考える上では、ある幅の板を接合した断面係数が重要となるため、ここでは610mm幅×15mm厚の板付き断面係数を指標として用いた。なお、板付き断面係数とは、T形鋼のフランジ外面に所定面積の板を接合した場合の断面において、図心軸に関する断面二次モーメントを算出し、その値を当該図心軸から断面の最も遠い点までの距離で割った値である。
図2に示すように、ウェブ高さAが300mm、フランジ幅Bが125mmのT形鋼の板付き断面係数は、不等辺不等厚山形鋼の300mm×90mm、350mm×100mm、400mm×100mmに近い性能が得られ、T形鋼300mm×125mmの1シリーズで、不等辺不等厚山形鋼の300mm×90mm、350mm×100mm、400mm×100mmの3シリーズをカバーできることが判る。
Figure 2010023114
Figure 2010023114
本発明のT形鋼(圧延T形鋼)の熱間圧延による製造例を以下に示す。なお、設備構成、圧延機の構造、ロール形状、各寸法などは一例であり、これらに限定されるものではない。
図3に示す圧延設備を用いて、厚さ250mm、幅310mmの長方形断面を有するブルームから、ウェブ高さ300mm、フランジ幅100mm、ウェブ厚9mm、フランジ厚16mmを目標寸法とするT形鋼を圧延した。このT形鋼では、フィレット部の円弧半径r1(フィレットR)を8mmとした。
図3において、1は粗造形圧延機、2は第1の粗ユニバーサル圧延機、3はエッジャ圧延機、4は第2の粗ユニバーサル圧延機、5は仕上ユニバーサル圧延機である。
粗造形圧延機1は、通常、孔型を有するロールが装備された二重式圧延機である。
図4は、第1の粗ユニバーサル圧延機2のロール構成を模式的に示したものであり、この粗ユニバーサル圧延機2は、対向する1対の水平ロール21a,21bと、対向する1対の堅ロール22a,22bを備え、水平ロール21a,21bの圧下面の幅W1を、ウェブwの内法寸法L(フランジ内面からウェブ先端部までの距離)より大きくしてある。水平ロール21a,21bの側面には傾斜角が付けられている。
図5は、エッジャ圧延機3のロール構成を模式的に示したものであり、このエッジャ圧延機3は、対向する1対の水平ロール31a,31bを備え、各水平ロール31a,31bは、大径ロール部33と小径ロール部32をそれぞれ有している。
図6は、第2の粗ユニバーサル圧延機4のロール構成を模式的に示したものであり、この第2の粗ユニバーサル圧延機4は、対向する1対の水平ロール41a,41bと、対向する1対の堅ロール42a,42bを備え、水平ロール41a,41bのロール面の幅W2を、ウェブwの内法寸法L(フランジ内面からウェブ先端部までの距離)以下(好ましくは未満)としてある。水平ロール41a,41bのフランジfに接する側面には傾斜角が付けられている。
図7は、仕上ユニバーサル圧延機5のロール構成を模式的に示したものであり、この仕上ユニバーサル圧延機5は、対向する1対の水平ロール51a,51bと、対向する1対の堅ロール52a,52bを備えている。水平ロール51a,51bの側面は垂直面となっている。
加熱炉(図示せず)から搬出された素材鋼片(図示せず)を、まず、粗造形圧延機1によって断面略T形状のT形鋼片に圧延した。このT形鋼片は、ウェブ厚40mm、フランジ厚75mm、ウェブ高さ375mm、フランジ幅130mmであった。
次いで、このT形鋼片を、第1の粗ユニバーサル圧延機2、エッジャ圧延機3、第2の粗ユニバーサル圧延機4が近接して配置された圧延設備列で5パスの往復圧延を行い、T形鋼片のウェブとフランジを圧下した(中間圧延工程)。
この中間圧延工程では、まず、第1の粗ユニバーサル圧延機2において、図4に示すように水平ロール21a,21bによりウェブwの全長をその板厚方向で圧下し、堅ロール22aと、水平ロール21a,21bの側面でフランジfをその板厚方向で圧下した。次いで、エッジャ圧延機3において、図5に示すように水平ロール31a,31bの大径ロール部33間にウェブwを誘導し、小径ロール部32によりフランジfの端面をフランジ幅方向で圧下した。次いで、第2の粗ユニバーサル圧延機4において、図6に示すように水平ロール41a,41bによりウェブwの大部分をその板厚方向で圧下するとともに、堅ロール42aと、水平ロール41a,41bの側面でフランジfをその板厚方向で圧下し、さらに、堅ロール42bでウェブwの先端部をウェブ高さ方向で圧下し、ウェブ高さの調整を行った。
このように中間圧延工程で得られたT形鋼を、仕上ユニバーサル圧延機5で製品寸法に仕上圧延した。この仕上ユニバーサル圧延機5では、図7に示すように水平ロール51a,51bによりウェブwの全長をその板厚方向で軽圧下し、堅ロール52aと、水平ロール51a,51bの側面でフランジfの傾斜を垂直に整形した。
以上のような一連の圧延工程で使用した粗ユニバーサル圧延機2,4および仕上ユニバーサル圧延機5において、水平ロールコーナー部のロールコーナーR(半径)は、2台の粗ユニバーサル圧延機2,4については9mm、仕上ユニバーサル圧延機5については8mmとした。そして、水平ロールコーナー部の近傍に図8に示すような潤滑油供給装置Xを設置し、この潤滑油供給装置Xから水平ロールコーナー部に圧延潤滑油(熱間圧延用潤滑油)を供給した。図8は、第1の粗ユニバーサル圧延機2に潤滑油供給装置Xを設置した状態を示しており、(イ)は正面図、(ロ)は水平ロールの側面図である。2台の粗ユニバーサル圧延機2,4では往復圧延を行うため、圧延機の前面(上流側)と後面(下流側)にそれぞれ潤滑油供給装置Xを設置し、圧延入側になる方の潤滑油供給装置Xから圧延潤滑油を噴射し、水平ロールコーナー部に圧延潤滑油を付着させた状態で圧延を行った。また、仕上ユニバーサル圧延機5では、1パスのみの圧延が行われるため、潤滑油供給装置Xは圧延機の前面(上流側)のみに設置し、粗ユニバーサル圧延機と同様に圧延入側で圧延潤滑油を噴射しつつ圧延した。このように圧延潤滑油を供給しながら圧延した結果、ロールとフランジ内面の焼き付きが発生せず、フランジ内面に焼き付き疵のない、良好な表面を有する製品が圧延できた。また、1000ton以上の製品を圧延した後にも、顕著なロールコーナー部の摩耗はなく、ほぼ同じフィレットRの製品が最後まで圧延できた。
一方、圧延潤滑油を供給しないで圧延したところ、フランジ内面に焼き付き疵が発生し、十分な品質の製品が製造できなかった。
次に、図3に示す圧延設備を用いて、上述した製造例と同じ寸法のT形鋼であって、フィレット部の円弧半径r1(フィレットR)が5mmの製品を製造した。
水平ロールコーナー部のロールコーナーR(半径)は、2台の粗ユニバーサル圧延機で6mm、仕上ユニバーサル圧延機で5mmとした。上述した製造例と同様に、各ユニバーサル圧延機2,4,5の水平ロールコーナー部に潤滑油供給装置Xから圧延潤滑油を噴射しつつ圧延を行ったところ、水平ロールとフランジ内面の焼き付きは防止できたものの、150ton程度の製品を圧延した後に2台の粗ユニバーサル圧延機2,4の水平ロールコーナー部に割れが発生したため、圧延を中断した。ロールコーナー部の過度な温度上昇が原因と考えられたため、対策として粗ユニバーサル圧延機2,4の潤滑油供給装置Xに隣接した位置に冷却水を噴射する冷却水噴射ノズルを設け、この冷却水噴射ノズルから圧延出側の水平ロールコーナー部に冷却水を噴射することで、被圧延材と接触した直後の水平ロールコーナー部を水冷した。すなわち、水平ロールコーナー部に対して圧延入側では圧延潤滑油を、圧延出側では冷却水をそれぞれ噴射して圧延を行った。その結果、フィレット部の円弧半径r1が5mmの製品を約1000ton圧延しても水平ロールコーナー部に割れが発生していないことが確認できた。
f フランジ
w ウェブ
fi フィレット部
1 粗造形圧延機
2 第1の粗ユニバーサル圧延機
3 エッジャ圧延機
4 第2の粗ユニバーサル圧延機
5 仕上ユニバーサル圧延機
21a,21b 水平ロール
22a,22b 堅ロール
31a,31b 水平ロール
32 小径ロール部
33 大径ロール部
41a,41b 水平ロール
42a,42b 堅ロール
51a,51b 水平ロール
52a,52b 堅ロール
X 潤滑油供給装置

Claims (6)

  1. ウェブ高さが150mm以上の溶接部を有しないT形鋼であって、ウェブとフランジとの結合部に形成されるフィレット部の形鋼幅方向での断面形状がウェブとフランジに接する円弧状であり、且つその円弧の半径r1が2〜10mmであることを特徴とするT形鋼。
  2. ウェブ高さがフランジ幅の2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載のT形鋼。
  3. 熱間圧延によりT形鋼に加工されたことを特徴とする請求項1または2に記載のT形鋼。
  4. ウェブ両面側のフィレット部の円弧の半径r1が、それぞれ形鋼全長にわたって一定であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のT形鋼。
  5. フランジ先端のコーナー部の形鋼幅方向での断面形状が円弧状であり、且つその円弧の半径が2mm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のT形鋼。
  6. 船体構造用T形鋼であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のT形鋼。
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