JP2010021841A - 樹脂複合材料を用いた地上波デジタルテレビ放送用アンテナ - Google Patents

樹脂複合材料を用いた地上波デジタルテレビ放送用アンテナ Download PDF

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Abstract

【課題】携帯電話などの情報端末の内蔵に適した、小型の地上波デジタルテレビ放送受信機用アンテナ、および地上波デジタルテレビ放送用のアンテナを内蔵した情報端末を提供する。
【解決手段】(1)及び(2)を含む比誘電率5以上の樹脂複合材料を用いた地上波デジタルテレビ放送用アンテナ。
(1)樹脂、
(2)粒子直径1nm以上500nm以下の球状、断面直径1nm以上500nm以下の繊維状、又は厚さ1nm以上500nm以下の板状の炭素材料からなる導電性超微粉末の表面に、絶縁性金属酸化物又はその水和物からなる皮膜が施されていて、その皮膜の厚さが0.3nm以上で、且つ導電性超微粉末が球状の場合にはその粒子直径以下、繊維状の場合にはその断面直径以下、板状の場合にはその厚さ以下であることを特徴とする絶縁化超微粉末。
【選択図】なし

Description

本発明は、UHF帯を用いて放送される地上波デジタルテレビ放送用アンテナに関する。
従来の地上波アナログテレビ放送から、地上波デジタルテレビ放送への完全移行が2011年に予定されている。従来のアナログ放送に比べ、良好な受信状態を維持しやすいため、携帯電話などといった携帯情報端末に地上波デジタル放送受信機が内蔵されることが多くなった。
地上波デジタルテレビ放送はUHF帯でも低い周波数帯に属する470〜770MHzを用いるものである。この周波数帯は、第3世代携帯電話の通信周波数の2GHzにくらべ、4分の1程度である。つまりこれは波長に直すと、地上波デジタルテレビ放送は、第3世代携帯電話の通信にくらべ、4倍程度の波長の長い電波を使っているため、アンテナとしては4倍程度の長さを要とすることを意味する。
このため、地上波デジタルテレビ放送受信機を内蔵した携帯電話などの携帯情報端末は、地上波デジタルテレビ放送の受信用に外部に10〜20cm長程度の伸縮式ロッドアンテナを設けているのが多い。このようなロッドアンテナは不要な突起物とみなされるばかりではなく、簡単に折れやすいという問題点もあった。
したがって、地上波デジタルテレビ放送受信用アンテナを携帯電話などの携帯情報端末に内蔵することが、必然的な要求として発生してくる。内蔵型地上波デジタルテレビ放送受信用アンテナとしては特許文献1、2が提案されている。これらの提案は、古くから知られている誘電体や磁性体の有する波長短縮効果を基礎的な背景としているが、小型を実現する材料としては、UHF帯には適さない磁性体であるフェライトがあげられているのみで、UHF帯に適した誘電体には何ら具体的な記述がない。
特開2004−328129号公報 特開2006−135899号公報
本発明は、携帯電話などの情報端末の内蔵に適した、小型の地上波デジタルテレビ放送受信機用アンテナ、および地上波デジタルテレビ放送用のアンテナを内蔵した情報端末を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、絶縁化超微粉末と樹脂からなる樹脂複合材料を用いることで、上記課題を解決できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、下記(1)及び(2)を含む比誘電率5以上の樹脂複合材料を用いた地上波デジタルテレビ放送用アンテナに関するものである。
(1)樹脂、
(2)粒子直径1nm以上500nm以下の球状、断面直径1nm以上500nm以下の繊維状、又は厚さ1nm以上500nm以下の板状の炭素材料からなる導電性超微粉末の表面に、絶縁性金属酸化物又はその水和物からなる皮膜が施されていて、その皮膜の厚さが0.3nm以上で、且つ導電性超微粉末が球状の場合にはその粒子直径以下、繊維状の場合にはその断面直径以下、板状の場合にはその厚さ以下であることを特徴とする絶縁化超微粉末。
本発明による絶縁化超微粉末と樹脂を含む樹脂複合材料を用いたアンテナは、小型・軽量であり携帯情報端末の内蔵にも好適である。
本発明の樹脂成分は、PVC樹脂、フェノキシ樹脂、フッ化炭素系樹脂、PPS樹脂、PPE樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の熱可塑性樹脂、あるいはこれらの混合系樹脂を挙げることができる。ここで、吸水率が低く、いわゆる無機フィラーの充填にも適したPPS樹脂が好適に用いられる。
また、絶縁化超微粉末と配合する際の樹脂成分は、重合体の形態としてのみならず重合性化合物の形態として、すなわち、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂のモノマーやオリゴマーなどの重合性化合物として配合しておいて、後で重合させてもよい。好ましくは、配線基板などの電子部品に多く用いられているエポキシ樹脂を含む樹脂組成物である。
本発明の導電性超微粉末は、単独で樹脂材料に添加した場合、樹脂複合材料の体積抵抗を低下させる、すなわち、導電性を付与する効果を有するものである。このような導電性超微粉末を構成する材質としては、天然黒鉛、人造黒鉛、ファーネスカーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどの導電性炭素材料が用いられる。導電性炭素材料に対し、代表的な導電体である金属は、一部の貴金属を除いて、超微粉末は酸化され易く、導電性が低下しやすいのみでなく、粉塵爆発の可能性もある。また、金属原子が超微粉末から絶縁体媒質中に拡散し、複合材料の絶縁性を低下させる。導電性炭素材料はこうした問題がなく、さらに、炭素材料が比重2.2と小さいといった、他の導電性物質や従来の高誘電率フィラーにはない特長を有し、高誘電率複合材料の軽量化、ひいては地上波デジタルテレビ放送受信用アンテナの軽量化という効果もある。
本発明の導電性超微粉末としては、粒子直径が1nm以上500nm以下、好ましくは5nm以上300nm以下、より好ましくは10nm以上100nm以下の球状の炭素材料が挙げられる。このような球状の炭素材料、例えば、カーボンブラックは、炭化水素原料を気相で熱分解することによって得られる。また、黒鉛化カーボンブラックは、He、CO、またはこれら混合ガスの雰囲気系により内圧2〜19Torrに保持された減圧容器内において、炭素材料をアーク放電によって気化させ、気化した炭素蒸気を冷却凝固することによって得られる。
具体的には、東海カーボン(株)製のシーストSや導電性カーボンブラック#5500、#4500、#4400、#4300や黒鉛化カーボンブラック#3855、#3845、#3800、あるいは、三菱化学(株)製の#3050B、#3030B、#3230B、#3350B、MA7、MA8、MA11、あるいは、ライオン(株)製のケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックEC600JDなどが例示できる。なお、ここで球状とは必ずしも厳密な球状である必要はなく、等方的な形状であればよい。例えば角が発生した多面体状であってもよい。
また、本発明で用いる導電性超微粉末としては、断面直径が1nm以上500nm以下、好ましくは5nm以上300nm以下、より好ましくは10nm以上200nm以下の繊維状の炭素材料が挙げられる。その長さは断面直径の3倍以上300倍以下であることが好ましい。このような繊維状の炭素材料、例えばカーボンナノファイバーや、カーボンナノチューブは触媒となるコバルトや鉄の有機金属化合物と炭化水素原料を気相で混合し、加熱することによって得られる。また、カーボンナノファイバーはフェノール系樹脂を溶融紡糸し、非活性雰囲気下で加熱することによって得られるものもある。具体的には、昭和電工(株)製のVGCFおよびVGNFや、(株)GSIクレオス製のカルベール、群栄化学工業(株)製のカーボンナノファイバーなどが例示できる。なお、ここで繊維状とは一方向に伸びた形状を意味し、例えば角材状、丸棒状や長球状であってもよい。
さらに、本発明で用いる導電性超微粉末としては、厚さが1nm以上500nm以下、好ましくは5nm以上300nm以下、より好ましくは10nm以上200nm以下の板状の炭素材料が挙げられる。その長さおよび幅は、厚さの3倍以上300倍以下であることが好ましい。このような板状の炭素材料は、例えば天然黒鉛や人造黒鉛を精製・粉砕・分級することによって得られる。例えば、(株)エスイーシー製のSNEシリーズ、SNOシリーズ等や日本黒鉛製、鱗状黒鉛粉末、薄片化黒鉛粉末等が挙げられる。また、これらをさらに粉砕し、精密分級してもよい。なお、ここで板状とは、一方向が縮んだ形状を意味し、例えば扁平球状や鱗片状であってもよい。
粒子直径、断面直径または厚さが上記範囲より小さいと量子サイズ効果により導電性が低下する。また、製造が難しく工業的に用いることができないばかりでなく、凝集などにより取り扱いも難しい。一方、粒子直径、断面直径または厚さが上記範囲より大きいと、連続層の形成が50vol%以下、すなわち樹脂特性を悪化させない添加率の範囲では連続層が形成されなくなってしまう。また、導電性超微粉末の形状が繊維状もしくは板状の場合、アスペクト比は3〜300が好ましい。本発明で用いる導電性超微粉末は、この中でも繊維状の方が球状や板状よりも好ましい。これは繊維状のほうが、比誘電率が20以上である樹脂複合材料として連続層を形成するために必要な添加量が例えば30vol%以下と少なくてすむためである。
炭素材料からなる導電性超微粉末には必要に応じて、つぎに述べる絶縁性金属酸化物の皮膜を施すために、予め表面に酸化処理を施しておくことが好ましい。酸化処理としては、酸素含有雰囲気下での酸化処理、硝酸、過マンガン酸カリウム、過酸化水素などの水溶液による酸化処理、三塩化ルテニウムと次亜塩素酸ナトリウムからなる酸化触媒等を用いた酸化処理が挙げられる。
本発明の絶縁皮膜は、樹脂複合材料の全体的な絶縁性の確保を目的の一つとしている。また、導電性超微粉末の表面上に被覆することで、絶縁化超微粉末自体の誘電率は、絶縁皮膜構成材質の誘電率を倍加したものになる。このため、絶縁皮膜の厚さは、被覆する導電性超微粉末が球状の場合にはその粒子直径以下、繊維状の場合にはその断面直径以下、板状の場合にはその厚さ以下である。更に好ましくは、絶縁皮膜の厚さは0.3nm以上で、かつ被覆する導電性超微粉末の粒子直径、断面直径、または厚さとの比率が、0.01以上0.9以下である。最も好ましくは、絶縁皮膜の厚さは0.3nm以上で、かつ被覆する導電性超微粉末の粒子直径、断面直径、または厚さとの比率が、0.01以上0.5以下である。上記範囲よりも薄いと絶縁効果が低減し、導通を防げず誘電体として機能しない場合がある。一方、これより厚い場合には、芯である導電性超微粉末の誘電率倍加効果が低減し、樹脂複合材料の比誘電率が低下する場合がある。
絶縁皮膜の材質は、絶縁性金属酸化物またはその水和物である。例としては二酸化シリコン、三酸化二アルミニウム、二酸化ジルコニウムなどの絶縁性酸化物が挙げられる。またはこれらの水和物として、四水酸化シリコン、三水酸化アルミニウム、四水酸化ジルコニウムが挙げられる。水和物の場合、その一部が脱水縮合した構造のものも含まれる。好ましくは比誘電率20以上の五酸化二タンタル等の絶縁性金属酸化物、アナタース型、およびブルカイト型の二酸化チタン、チタン酸ジルコニウムが挙げられる。また、これらの固溶体も用いることができる。これらのうち、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、五酸化二タンタル、二酸化ジルコニウムと二酸化シリコンとの固溶体、二酸化シリコン、三酸化二アルミニウム、またはこれらの水和物が好ましい。
さらに好ましくは比誘電率100以上の金属酸化物が挙げられる。この例としては、ルチル型の二酸化チタン(TiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)、チタン酸ジルコン酸バリウム(BaTi0.5Zr0.5)、チタン酸ジルコン酸鉛(PbTi0.5Zr0.5)などの組成式MTi1−xZr(Mは2価の金属元素、xは0以上1未満)で表される絶縁性金属酸化物、またはこれらの水和物、さらにはこれらのうち少なくとも一種類を組成に含む絶縁性固溶体が挙げられる。これらの誘電率が大きい材料を用いると、厚く絶縁被膜しても複合材料の誘電率が低下しないため好ましい。
また、絶縁皮膜の材質としては、分子分極が5cm以上の絶縁性金属酸化物またはその水和物が好ましい。常誘電体の多くの金属酸化物の分子分極は、つぎのClausius−Mossottiの式にあるとおり金属酸化物の誘電率、比重、式量から計算される。
Figure 2010021841
(但し、α:分子分極、ε:比誘電率、M:式量、ρ:比重)
なお、本発明では、式量は1金属原子あたりに換算したものを意味する。例えば、三酸化二アルミニウムの場合、AlO1.5として、五酸化二タンタルの場合にはTaO2.5として計算した式量から分子分極を計算する。二酸化シリコンや二酸化チタンなどでは、通常の式量となる。
特に分子分極が大きい材質を用いた場合、同じ皮膜の厚さにおいて、樹脂複合材料における誘電率が大きくなる。例としては分子分極が9cm以上の二酸化シリコン、三酸化二アルミニウムなどの絶縁性金属酸化物が挙げられる。その水和物として四水酸化シリコン、三水酸化アルミニウムが挙げられる。水和物の場合、その一部が脱水縮合した構造のものも含まれる。好ましくは分子分極15cm以上のいわゆるジルコンすなわち二酸化ジルコニウムと二酸化シリコンとの固溶体、またはその水和物として四水酸化ジルコニウムと四水酸化シリコンとの固溶体が挙げられる。水和物の場合、その一部が脱水縮合した構造のものも含まれる。さらに好ましくは分子分極が17cm以上の二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、五酸化二タンタルまたはその水和物として四水酸化チタン、四水酸化ジルコニウム、五水酸化タンタルが挙げられる。水和物の場合、その一部が脱水縮合した構造のものも含まれる。
本発明では、絶縁化超微粉末に表面処理を施し疎水化することが好ましい。表面処理には有機ケイ素化合物を用いることができる。例示として、アルコキシシラン、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物、ポリシロキサン、変性ポリシロキサン、末端変性ポリシロキサンおよびフルオロアルキルシランからなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物が挙げられる。このなかでも、アルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサンが好ましい。
アルコキシシランとしては、具体的には、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β( アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
導電性超微粉末上に生成した絶縁性金属酸化物または金属水酸化物皮膜粒子への付着強度を考慮すると、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン、または前記アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物がより好ましい。
また、ポリシロキサンとしては、メチルハイドロジェンシロキサン単位を有するポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサンおよび末端がカルボン酸で変性された末端カルボン酸変性ポリシロキサンを挙げることができる。
フルオロアルキルシランとしては、具体的には、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルロデシルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランまたはヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、表面処理にはカップリング剤を用いることができる。例示として、シラン系、チタネート系、アルミネート系およびジルコネート系カップリング剤からなる群より選ばれる1種または2種以上のカップリング剤が挙げられる。
上記カップリング剤のうち、シラン系カップリング剤については、先に挙げた有機ケイ素化合物の一部、すなわちアルコキシシランが含まれるが、アルコキシシラン以外のシラン系カップリング剤としては、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシシラン、ジフェニルジクロロシラン、イソブチルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−アミノプロピルトリクロロシラン、γ−グリシドキシプロピルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリクロロシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリクロロシラン、N−β( アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル) チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフェイト)チタネート、テトラ(2−2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロボキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
ジルコネート系カップリング剤としては、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート等が挙げられる。
表面処理剤の使用量は、脱水の程度により異なるが、絶縁化超微粉末100重量部に対して0.01〜 30重量部が好ましい。この範囲内であれば、0.絶縁化超微粉末を十分に樹脂中に分散させることができ、また、絶縁化超微粉末と樹脂との密着性も確保できる。より好ましくは0.1〜 25重量部 、特に好ましくは1〜15重量部である。
本発明の絶縁化超微粉末は、樹脂に50vol%以下、好ましくは、5〜50vol%の量を配合することにより比誘電率が5以上である高誘電率樹脂複合材料が得られる。即ち、樹脂との配合比が、体積比(樹脂/超微粉末)で95/5〜50/50の範囲である。比誘電率5以上の樹脂複合材料を実現するには、従来の高誘電率フィラーを使用した場合は該フィラーを50vol%程度以上配合する必要があるが、本発明では絶縁化超微粉末を50vol%以下配合すればよい。本発明の樹脂複合材料は、樹脂材料本来の特長である成型加工性や軽量性が損なわれることなく、高い誘電率および波長短縮効果を発現する。つまり、アンテナを小型化し、射出成形などにより複雑な形状に加工することが可能である。
本発明で用いる比誘電率5以上の樹脂複合材料は、絶縁化超微粉末の原料に炭素材料を用いるので、その比重を2以下に軽量化できる。比重が2以上のものを用いた場合、アンテナさらにはそれを内蔵する携帯端末の重量増加が顕著になるので好ましくない。
本発明の樹脂複合材料を用いた地上波デジタルテレビ放送用アンテナは、任意の地上波デジタルテレビ放送用受信機に接続して用いることができる。本発明でいう地上波デジタルテレビ放送受信機とは、専用受信機はもちろんのこと、受信機能を内蔵した情報端末を含む。
本発明の地上波デジタルテレビ放送用アンテナを用いる地上波デジタルテレビ放送受信機を内蔵した情報端末としては、カーナビゲーションシステム、パーソナルコンピュータなどがあげられる。
また、本発明の地上波デジタルテレビ放送用アンテナを用いる地上波デジタルテレビ放送受信機を内蔵した携帯型情報端末としては、携帯型のコンピュータでもある携帯電話、携帯型DVD再生機、電子辞書などがあげられる。
本発明のアンテナは、地上波デジタルテレビ受信機に内蔵して用いることも、小型の外部アンテナとして用いることも可能である。
本発明のアンテナは、画像表示機能を有さない受信モジュールに接続もしくは内蔵して用いることも可能である。この受信モジュールは、たとえばUSB接続により、動画再生機能を有するパーソナルコンピュータに接続し受信内容をパーソナルコンピュータのディスプレイ画面に表示させる機能を有するものが例としてあげられる。
つぎに、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、比誘電率の測定については、樹脂複合材料を30mmφ、厚さ3mmのディスクに成形し、インピーダンスアナライザー(アジレント社製、4294A)を用いて室温で1MHzにて測定した。また、比重の測定については、該ディスクの重量を測定し、さらに水をはったメスシリンダーに入れ体積を測定することにより求めた。
参考例1
全長180mmのロッドアンテナを有する市販の地上波テレビワンセグメント放送受信機からアンテナを取り外し、全長180mm、0.45mmφの銅製ワイヤを取り付けた。地上波テレビ表示画像に変化はなかった。
参考例2
参考例1の銅製ワイヤを切断し、全長を100mmのアンテナとした。この結果、アンテナが短くなったことに伴い、表示画像の乱れが生じた。
実施例1
イソプロパノール40L中にカーボンブラック(球状体粒子直径50〜100nm、平均粒径70nm)2kgとテトラプロピルオキシチタネート2.1kg(三菱ガス化学(株)製TPT)を添加し、室温にて1時間攪拌混合した。この分散溶液に蒸留水2kgを2時間かけて滴下し、さらに2時間撹拌した。17kPaの真空度で含水イソプロパノールを蒸留しつつ、新たに40Lのイソプロパノールを滴下し溶媒を補充した。さらにフェニルトリメトキシランを0.31kg添加して、100℃にて4時間加熱し疎水化した後、ろ過し12時間自然乾燥し、100℃で真空乾燥した。この結果、2.8kgの表面処理を施した絶縁化超微粉末を得た。
得られた絶縁化超微粉末1.5kgとポリフェニレンスルフィド3.5kgを、二軸押出機にて300℃で溶融混練しペレット化した樹脂複合材料5kgを得た。これは絶縁化超微粉末と樹脂であるポリフェニレンスルフィドを20vol%添加したことになる。この樹脂複合材料のペレットを熱プレスした後、比誘電率を測定したところ50.3であった。また、樹脂複合材料の比重は1.4であった。なお、二酸化チタンのアナターゼ型結晶の場合、比誘電率31、比重4.1であるため、分子分極は19cmである。ルチル型結晶やブルッカイト型結晶も分子分極は18〜19cmである。
このペレットを図1に示した形状に射出成型し、中心空孔部に参考例2の銅製ワイヤ長を50mmに切断したものを挿入し、アンテナとして地上波テレビワンセグメント放送受信機に接続した。参考例2で発生した受信画像の停止や乱れは発生せず参考例1と同様に正常に受信画像が表示された。
実施例2
イソプロパノール30L中に気相成長法によって得られたカーボンナノファイバー(断面直径150nm、長さ5〜6μmの繊維状)300gとテトラプロピルオキシチタネート640gを添加し、室温にて1時間で攪拌混合した。この分散溶液に蒸留水660gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間攪拌を継続した後、実施例1と同様に含水プロパノールを蒸留しつつ、イソプロパノール30Lを補充した。さらにフェニルトリメトキシラン460g加えて加熱を継続し絶縁化超微粉末の表面を疎水化した。この後、ろ過し、12時間自然乾燥した後、100℃にて真空乾燥した。
得られた絶縁化超微粉末480gとポリフェニレンスルフィド1.9kgとを単軸押出機を用いて300℃にて溶融混練した。これは絶縁化超微粉末(フィラー)を10vol%添加したことになる。得られた樹脂複合材料を用いて実施例1と同様に比誘電率を測定したところ10.2であった。樹脂複合材料の比重は1.4であった。
銅製ワイヤの長さを100mmとした以外は実施例1と同様に地上波テレビワンセグメント放送受信機に接続した。参考例2で発生した受信画像の停止や乱れは発生せず参考例1と同様に正常に受信画像が表示された。
実施例3
イソプロパノール80mL中に、金属ストロンチウムを0.5gとテトラプロピルオキシチタネート1.6gを加え、1時間沸点還流し、無色透明ゾル液を得た。ここに、天然黒鉛(厚さ100〜200nm、平均厚さ150nm、1〜3μm角、平均2μm角の板状)を10g加え、14時間室温で撹拌した。これに、蒸留水2.5gとイソプロパノール20gの混合液を30分掛けて滴下し、さらに2時間撹拌した。この後、17kPaの真空度で含水イソプロパノールを蒸留しつつ、イソプロパノール80mLを滴下補充した。さらにフェニルトリメトキシランを0.62g添加して、100℃にて4時間加熱し疎水化した後、吸引濾過した。12時間自然乾燥した後、100℃にて真空乾燥した。なお、得られた絶縁化超微粉末の表面を走査型電子顕微鏡で確認したところ、20〜70nm厚、平均50nm厚のチタン酸ストロンチウム水和物の皮膜が形成されていた。
得られた疎水化した絶縁化超微粉末3.5gとビスフェノールA型エポシキモノマー6.5g、イミダゾール系硬化触媒0.13g、および溶媒としてメチルエチルケトン10gをホモジナイザーで1分間粉砕混合した。これは絶縁化超微粉末(フィラー)を20vol%添加したことになる。得られた溶液をテフロンシャーレに入れ12時間自然乾燥したペーストを120℃で3時間加熱し硬化物の板を得た。比誘電率は33.8、比重は1.4であった。
銅製ワイヤの長さを80mmとした以外は実施例1と同様に地上波テレビワンセグメント放送受信機に接続した。参考例2で発生した受信画像の停止や乱れは発生せず参考例1と同様に正常に受信画像が表示された。
実施例1〜3に用いた高誘電率樹脂複合材料の成形体の外観図
符号の説明
1 高誘電率樹脂複合材料
2 0.45mmφのワイヤを通すための穴

Claims (19)

  1. (1)及び(2)を含む比誘電率5以上の樹脂複合材料を用いた地上波デジタルテレビ放送用アンテナ。
    (1)樹脂、
    (2)粒子直径1nm以上500nm以下の球状、断面直径1nm以上500nm以下の繊維状、又は厚さ1nm以上500nm以下の板状の炭素材料からなる導電性超微粉末の表面に、絶縁性金属酸化物又はその水和物からなる皮膜が施されていて、その皮膜の厚さが0.3nm以上で、且つ導電性超微粉末が球状の場合にはその粒子直径以下、繊維状の場合にはその断面直径以下、板状の場合にはその厚さ以下であることを特徴とする絶縁化超微粉末。
  2. 前記(2)の絶縁化超微粉末に表面処理を施し疎水化した請求項1記載の地上波デジタルテレビ放送用アンテナ。
  3. 前記表面処理が、アルコキシシラン、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物、ポリシロキサン、変性ポリシロキサン、末端変性ポリシロキサンおよびフルオロアルキルシランからなる群より選ばれる1種以上の有機ケイ素化合物を用いて施された請求項2記載の地上波デジタルテレビ放送用アンテナ。
  4. 前記表面処理が、シラン系、チタネート系、アルミネート系およびジルコネート系カップリング剤からなる群より選ばれる1種以上のカップリング剤を用いて施された請求項2記載の地上波デジタルテレビ放送用アンテナ。
  5. 前記絶縁性金属酸化物が、分子分極が5cm以上である請求項1、2記載の地上波デジタルテレビ放送用アンテナ。
  6. 前記絶縁性金属酸化物が、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、五酸化二タンタル、二酸化シリコン、三酸化二アルミニウムまたはこれらの固溶体である請求項1、2記載の地上波デジタルテレビ放送用アンテナ。
  7. 前記絶縁性金属酸化物が、組成式MTi1−xZr(Mは2価の金属元素、xは0以上1未満)で表される絶縁性複合金属酸化物である請求項1、2記載の地上波デジタルテレビ放送用アンテナ。
  8. 前記絶縁性金属酸化物が、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸バリウムおよびチタン酸ジルコン酸鉛からなる群より選ばれる一種以上を組成に含む絶縁性固溶体である請求項1、2記載の地上波デジタルテレビ放送用アンテナ。
  9. 前記炭素材料が、カーボンナノファイバー、天然黒鉛、ファーネスカーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、カーボンナノチューブまたは人造黒鉛である請求項1、2記載の地上波デジタルテレビ放送用アンテナ。
  10. 前記(1)の樹脂と前記(2)の絶縁化超微粉末との配合比が、体積比(樹脂/超微粉末)で95/5〜50/50の範囲である請求項1〜9記載の地上波デジタルテレビ放送用アンテナ。
  11. 前記樹脂複合材料の比重が2.0未満である請求項1〜10記載の地上波デジタルテレビ放送用アンテナ
  12. 請求項1〜11記載の地上波デジタルテレビ放送用アンテナを用いた受信機。
  13. 請求項12記載の受信機を内蔵した携帯型情報端末。
  14. 請求項12記載の受信機を内蔵した携帯電話。
  15. 請求項12記載の受信機を内蔵したパーソナルコンピュータ。
  16. 請求項12記載の受信機を内蔵したDVD再生機。
  17. 請求項12記載の受信機を内蔵したカーナビゲーションシステム。
  18. 請求項12記載の受信機を内蔵した電子辞書。
  19. 請求項1〜11記載の地上波デジタルテレビ放送用アンテナを用いた受信モジュール。
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