JP2009049263A - ノイズ抑制フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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浩隆 鶴谷
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Abstract

【課題】ノイズ抑制効果が高く、薄く、軽量かつ可撓性に優れたノイズ抑制フィルムおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】充填剤として導電性充填剤と絶縁皮膜粒子充填剤とを体積比(導電性充填剤/絶縁皮膜粒子充填剤)5/95〜95/5の範囲で配合し、充填剤と樹脂とを、体積比(充填剤/樹脂)5/95〜50/50の範囲で配合して得られるノイズ抑制樹脂複合材料を、厚さ900μm以下の易接着処理を施した基材フィルムに、厚さ100μm以下で塗布し、さらにノイズ抑制樹脂複合材料層の上に接着樹脂層を設けることによって得られるノイズ抑制フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、ノイズ抑制効果が高く、薄く、軽量かつ可撓性に優れたノイズ抑制フィルムおよびその製造方法に関する。
通信機器や各種電子機器から意図せずに電磁波が外部に放射、伝送されたり、外部及び内部干渉による機器自身の誤動作などを起こしたりする、EMI やイミュニティに関する問題は、最近の最新技術、デジタル技術の進化に伴い、ますます高周波帯域へ移行している。
これまでフェライトや軟磁性合金の粉末を高充填した樹脂複合材料が用いられてきたが(例えば、特許文献1参照)、使用電波が300MHz以上のUHF領域に高周波化するにつれ、透磁率が低下し、吸収特性を発現するのに必要な厚みが増加してしまうという問題が生じている。また比重10程度の非常に重い軟磁性合金の粉末を高充填することになるため、樹脂複合材料の比重3以上と大きくなり、特に携帯通信機器の軽量化に適さないという課題もある。また、ノイズ抑制効果の厚み依存性が強く、特に樹脂複合材料の厚みが300μm以下になるとノイズ抑制効果が低下するという問題が発生する。
また、導電性充填剤や誘電体充填剤を加えた樹脂シートの表面に磁性金属を蒸着した複合体としてのノイズ抑制シートも提案されているが(例えば、特許文献2参照)、この場合ノイズ抑制体の形状がシート状に制約されるばかりではなく、製造工程が煩雑化する上構造が複雑になりノイズ抑制効果が不安定になってしまう。このため、商業的に製造されず、実際には先に述べたフェライトや軟磁性合金の粉末を高充填する方法が用いられているのが現状である。
また、ノイズ抑制効果を高めるため導電性充填剤を高濃度で充填すると、表面低効率が減少し、電子機器内部に使用する際に導通の危険性が高い。(例えば、特許文献3,4参照)また、導電性充填剤を高濃度で充填すると、絶縁性確保のため両面を絶縁性フィルムで積層するなど、工程が煩雑化し、形状が限定される。(例えば、特許文献5参照)
特開2005−281783号公報 特開2005−251918号公報 特開平11−8489号公報 特開2007−96269号公報 特開2007−53269号公報
本発明は上記課題を解決し、ノイズ抑制効果が高く、薄く、軽量かつ可撓性に優れたノイズ抑制フィルムおよびその製造方法を提供するものである。本発明によれば、携帯通信機器内スペースを有効に使用でき、軽量化、薄型化が可能となる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、導電性充填剤および絶縁皮膜粒子充填剤と樹脂からなるノイズ抑制樹脂複合材料を用いることで、従来の磁性体を利用したノイズ抑制材料よりも高いノイズ抑制効果が発現することを見出し、軽量かつ可撓性に優れたノイズ抑制フィルムを発明した。すなわち本発明はつぎの通りである。
1. 充填剤として導電性充填剤と絶縁皮膜粒子充填剤とを体積比(導電性充填剤/絶縁皮膜粒子充填剤)5/95〜95/5の範囲で配合し、充填剤と樹脂とを、体積比(充填剤/樹脂)5/95〜50/50の範囲で配合して得られるノイズ抑制樹脂複合材料を、厚さ900μm以下の易接着処理を施した基材フィルムに、厚さ100μm以下で塗布し、さらにノイズ抑制樹脂複合材料層の上に接着樹脂層を設けることによって得られるノイズ抑制フィルム。
2. 前記絶縁皮膜粒子充填剤が、導電性粒子を絶縁体で被覆した絶縁皮膜粒子であって、該導電性粒子が、粒子直径1nm以上500nm以下の球状、断面直径1nm以上500nm以下の繊維状、または厚さ1nm以上500nm以下の板状の炭素材料からなり、該絶縁体が絶縁性金属酸化物又はその水和物からなり、該絶縁体の厚さが、0.3nm以上で、かつ該導電性粒子が球状の場合にはその粒子直径以下、繊維状の場合にはその断面直径以下、板状の場合にはその厚さ以下である第1項記載のノイズ抑制フィルム。
3. 前記絶縁皮膜粒子充填剤が、導電性粒子を絶縁体で被覆した絶縁皮膜粒子であって、該導電性粒子が、粒子直径1nm以上500nm以下の球状、断面直径1nm以上500nm以下の繊維状、または厚さ1nm以上500nm以下の板状の炭素材料からなり、該絶縁体が熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂からなり、該絶縁体の厚さが、0.3nm以上で、かつ該導電性粒子が球状の場合にはその粒子直径以下、繊維状の場合にはその断面直径以下、板状の場合にはその厚さ以下である第1項記載のノイズ抑制フィルム。
4. MIT型耐折試験において、荷重500gf、折り曲げ角度135°、曲率半径0.38mmの条件下、1万回の繰り返し試験後に重量減少がなく、塗布膜のはがれが生じない第1項記載のノイズ抑制フィルム。
5. 前記ノイズ抑制樹脂複合材料の塗布層が、鉛筆引っかき硬度がH以下である第1項記載のノイズ抑制フィルム。
6. 前記ノイズ抑制樹脂複合材料の塗布層が、クロスカット法試験ではがれを生じる部分が15%を上回ることがない第1項記載のノイズ抑制フィルム。
7. 前記ノイズ抑制樹脂複合材料の比重が3未満である第1項記載のノイズ抑制フィルム。
8. 充填剤として導電性充填剤と絶縁皮膜粒子充填剤とを体積比(導電性充填剤/絶縁皮膜粒子充填剤)5/95〜95/5の範囲で配合し、充填剤と樹脂とを、体積比(充填剤/樹脂)5/95〜50/50の範囲で配合して得られるノイズ抑制樹脂複合材料を、厚さ900μm以下の易接着処理を施した基材フィルムに、厚さ100μm以下で塗布し、さらにノイズ抑制樹脂複合材料層の上に接着樹脂層を設けるノイズ抑制フィルムの製造方法。
9. 前記絶縁皮膜粒子充填剤が、導電性粒子を絶縁体で被覆した絶縁皮膜粒子であって、該導電性粒子が、粒子直径1nm以上500nm以下の球状、断面直径1nm以上500nm以下の繊維状、または厚さ1nm以上500nm以下の板状の炭素材料からなり、該絶縁体が絶縁性金属酸化物又はその水和物からなり、該絶縁体の厚さが、0.3nm以上で、かつ該導電性粒子が球状の場合にはその粒子直径以下、繊維状の場合にはその断面直径以下、板状の場合にはその厚さ以下である第8項記載のノイズ抑制フィルムの製造方法。
10. 前記絶縁皮膜粒子充填剤が、導電性粒子を絶縁体で被覆した絶縁皮膜粒子であって、該導電性粒子が、粒子直径1nm以上500nm以下の球状、断面直径1nm以上500nm以下の繊維状、または厚さ1nm以上500nm以下の板状の炭素材料からなり、該絶縁体が熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂からなり、該絶縁体の厚さが、0.3nm以上で、かつ該導電性粒子が球状の場合にはその粒子直径以下、繊維状の場合にはその断面直径以下、板状の場合にはその厚さ以下である第8項記載のノイズ抑制フィルムの製造方法。
本発明によれば、導電性充填剤と絶縁皮膜粒子充填剤と樹脂とを、体積比(充填剤/樹脂)5/95〜50/50の範囲で配合して得られるノイズ抑制樹脂複合材料を厚さ900μm以下の基材フィルムに、厚さ100μm以下で塗布することにより、軽量、薄型で可撓性に富み、高いノイズ抑制効果を発現することができる。さらに、ノイズ抑制樹脂複合材料層の上に接着樹脂層を塗布することにより、絶縁性を確保し、電子機器内に貼付可能な、ノイズ抑制フィルムが得られる。
本発明において導電性充填剤と絶縁皮膜粒子充填剤との体積比(導電性充填剤/絶縁皮膜粒子充填剤)は5/95〜95/5の範囲である。好ましくは10/90〜90/10の範囲、より好ましくは15/85〜85/15の範囲である。導電性充填剤が95より多いと電気絶縁性が保てない。導電性充填剤が5より少ないとノイズ抑制効果が充分発現されない。
本発明において導電性充填剤と絶縁皮膜粒子充填剤の合計と樹脂との体積比((誘導電性充填剤+絶縁皮膜粒子充填剤)/樹脂)としては、5/95〜50/50である。この範囲より樹脂分が多いと、充分なノイズ抑制効果が得られない。一方、これより少ないと、樹脂組成物本来の加工性などが損なわれてしまう。
本発明において用いる樹脂としては、ニトロセルロース塗料、アルキド樹脂 、アミノアルキド樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ゴム系塗料、シリコーン樹脂、ふっ素樹脂等が挙げられる。好ましくはウレタン樹脂やシリコーン樹脂、塩化ゴム系塗料などを使用することにより可撓性を付与することができる。
本発明において用いる基材フィルムには、例えば、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリイミド、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどのプラスチック製フィルムまたはシートが用いられる。当該基材フィルムは塗料としての上記樹脂との接着性を高めるため易接着処理が施されたフィルムまたはシートが用いられる。本発明における易接着処理とは、樹脂と化学的に接着性を高める処理剤コートやコロナ処理、フィルム表面に凹凸を設け物理的に接着性を高めるサンドマット加工を施すことを指す。
上記基材フィルムの厚さは5μm以上900μm以下であることが必要である。基材フィルムの厚さが900μmを超えると凹凸のある部分への添付が困難となり、密着しないため十分なノイズ抑制効果が得られない場合がある。基材フィルムの厚さが5μmより薄くなると塗布しにくくなり取り扱い性、作業性が悪くなる。基材フィルムの厚さは好ましくは5μm以上100μm以下、より好ましくは5μm以上50μm以下である。
塗布膜の形成に関しては、公知の方法を用いることができ、例えばグラビアコーター、リバースロールコーター、ドクターナイフコーター、スプレーコーター、ダイコーター等の方法が挙げられる。
上記塗布膜の厚さは1μm以上100μm以下であることが必要である。塗布膜の厚さが100μmを超えるとフィルムを曲げた場合に基材フィルムに追随できず塗布膜に割れが生じる場合がある。塗布膜の厚さが1μmより薄くなると塗布面が不均一になりノイズ抑制効果が低くなる場合がある。塗布膜の厚さは好ましくは1μm以上50μm以下、より好ましくは1μm以上20μm以下である。
接着樹脂層の形成には、アクリル樹脂系接着剤、α−オレフィン系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エチレン-酢酸ビニル樹脂接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、塩化ビニル樹脂溶剤系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、シリコーン系接着剤等が用いられる。
接着樹脂層はノイズ抑制樹脂複合材料層の上に塗布されることが必要である。導電率の高いノイズ抑制樹脂複合材料を、基材フィルムと接着樹脂層ではさむことにより、電子機器と接する部分の導電を抑えることができる。
本発明のノイズ抑制フィルムには、接着樹脂層の上に剥離フィルムを積層してもよい(図2参照)。剥離フィルムを積層することにより、ノイズ抑制フィルムの断裁加工や打ち抜き加工が容易になり作業性が増す。剥離フィルムにはシリコーン樹脂等の剥離性付与剤をコーティングしたポリエチレンテレフタレートや剥離紙が使用される。
本発明で用いる導電性充填剤とは樹脂に添加した場合には導電性を付与する効果を有する充填剤である。このような充填剤として、金属、導電性金属酸化物、炭素材料のいずれかからなる粉末が挙げられる。金属粉末としては銅、アルミニウムなどの磁性を示さない金属および鉄などの磁性を示す金属のいずれも本発明に利用できる。
導電性金属酸化物としては、いわゆるATOすなわちアンチモン(Sb)をドープした二酸化錫(SnO)、いわゆるITOすなわち錫(Sn)をドープした三酸化二インジュウム(In)、アルミニウム(Al)をドープした酸化亜鉛(ZnO)が挙げられる。
導電性充填剤の中でも、特に望ましいのは炭素材料からなる導電性粉末すなわち導電性炭素材料微粉末である。具体的には天然黒鉛、人造黒鉛、ファーネスカーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどの導電性炭素材料が用いられる。炭素材料が比重2.2と小さく、他の導電性物質にはない特長を有し、ノイズ抑制用樹脂複合材料の軽量化という効果もある。
本発明において用いる絶縁皮膜粒子充填剤は導電性粒子に絶縁皮膜を設けてなるものである。導電性粒子は、単独で樹脂材料に添加した場合、樹脂複合材料の体積抵抗を低下させる、すなわち、導電性を付与する効果を有するものである。本発明においてはこのような導電性粒子を構成する材質としては、天然黒鉛、人造黒鉛、ファーネスカーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどの導電性炭素材料が用いられる。これらの炭素材料は、本発明において絶縁皮膜粒子充填剤の芯として使用される他、ノイズ抑制樹脂複合材料に用いられる導電性充填剤としても使用される。
炭素材料からなる上記導電性粒子は、必要に応じて、つぎに述べる絶縁性金属酸化物またはその水和物、熱可塑性または熱硬化性樹脂の皮膜を施すために、予め表面に酸化処理を施しておくことが望ましい。酸化処理としては、酸素含有雰囲気下での酸化処理、硝酸、過マンガン酸カリウム、過酸化水素などの水溶液による酸化処理、三塩化ルテニウムと次亜塩素酸ナトリウムからなる酸化触媒等を用いた酸化処理が挙げられる。
本発明で用いる導電性粒子としては、粒子直径が1nm以上500nm以下、好ましくは5nm以上300nm以下、より好ましくは10nm以上100nm以下の球状の炭素材料が挙げられる。このような球状の炭素材料、例えば、カーボンブラックは、炭化水素原料を気相で熱分解することによって得られる。また、黒鉛化カーボンブラックは、He、CO、またはこれら混合ガスの雰囲気系により内圧2〜19Torrに保持された減圧容器内において、炭素材料をアーク放電によって気化させ、気化した炭素蒸気を冷却凝固することによって得られる。具体的には、東海カーボン(株)製のシーストSやトーカブラック#7100F、導電性カーボンブラック#5500、#4500、#4400、#4300や黒鉛化カーボンブラック#3855、#3845、#3800、あるいは、三菱化学(株)製の#3050B、#3030B、#3230B、#3350B、MA7、MA8、MA11、あるいは、ライオン(株)製のケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックEC600JDなどが例示できる。なお、ここで球状とは必ずしも厳密な球状である必要はなく、等方的な形状であればよい。例えば角が発生した多面体状であってもよい。
また、本発明で用いる導電性粒子としては、断面直径が1nm以上500nm以下、好ましくは5nm以上300nm以下、より好ましくは10nm以上200nm以下の繊維状の炭素材料が挙げられる。その長さは断面直径の3倍以上300倍以下であることが好ましい。このような繊維状の炭素材料、例えばカーボンナノファイバーや、カーボンナノチューブは触媒となるコバルトや鉄の有機金属化合物と炭化水素原料を気相で混合し、加熱することによって得られる。また、カーボンナノファイバーはフェノール系樹脂を溶融紡糸し、非活性雰囲気下で加熱することによって得られるものもある。具体的には、昭和電工(株)製のVGCFおよびVGNFや、(株)GSIクレオス製のカルベール、群栄化学工業(株)製のカーボンナノファイバーなどが例示できる。なお、ここで繊維状とは一方向に伸びた形状を意味し、例えば角材状、丸棒状や長球状であってもよい。
さらに、本発明で用いる導電性粒子としては、厚さが1nm以上500nm以下、好ましくは5nm以上300nm以下、より好ましくは10nm以上200nm以下の板状の炭素材料が挙げられる。その長さおよび幅は、厚さの3倍以上300倍以下であることが好ましい。このような板状の炭素材料は、例えば天然黒鉛や人造黒鉛を精製・粉砕・分級することによって得られる。例えば、(株)エスイーシー製のSNEシリーズ、SNOシリーズ等や日本黒鉛製、鱗状黒鉛粉末、薄片化黒鉛粉末等が挙げられる。また、これらをさらに粉砕し、精密分級してもよい。なお、ここで板状とは、一方向が縮んだ形状を意味し、例えば扁平球状や鱗片状であってもよい。
つぎに、本発明に用いる絶縁皮膜は、樹脂複合材料の全体的な絶縁性の確保を目的の一つとしている。絶縁皮膜の厚さは、被覆する導電性粒子が球状の場合にはその粒子直径以下、繊維状の場合にはその断面直径以下、板状の場合にはその厚さ以下である。更に好ましくは、絶縁皮膜の厚さは0.3nm以上で、かつ被覆する導電性粒子の粒子直径、断面直径、または厚さとの比率が、0.01以上0.9以下である。最も好ましくは、絶縁皮膜の厚さは0.3nm以上で、かつ被覆する導電性粒子の粒子直径、断面直径、または厚さとの比率が、0.01以上0.5以下である。上記範囲よりも薄いと絶縁効果が低減し、導通を防げない場合がある。
本発明における絶縁皮膜の材質は、絶縁性金属酸化物またはその水和物である。例としては二酸化シリコン、三酸化二アルミニウム、二酸化ジルコニウムなどの絶縁性酸化物が挙げられる。またはこれらの水和物として、四水酸化シリコン、三水酸化アルミニウム、四水酸化ジルコニウムが挙げられる。水和物の場合、その一部が脱水縮合した構造のものも含まれる。望ましくは比誘電率20以上の五酸化二タンタル等の絶縁性金属酸化物、アナタース型、およびブルカイト型の二酸化チタン、チタン酸ジルコニウムが挙げられる。また、これらの固溶体も用いることができる。
これらのうち、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、五酸化二タンタル、二酸化ジルコニウムと二酸化シリコンとの固溶体、二酸化シリコン、三酸化二アルミニウム、又はこれらの水和物が好ましい。
さらに望ましくは比誘電率100以上の金属酸化物が挙げられる。この例としては、ルチル型の二酸化チタン(TiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)、チタン酸ジルコン酸バリウム(BaTi0.5Zr0.5)、チタン酸ジルコン酸鉛(PbTi0.5Zr0.5)などの組成式MTi1−xZr(Mは2価の金属元素、xは0以上1未満)で表される絶縁性金属酸化物、またはこれらの水和物、さらにはこれらのうち少なくとも一種類を組成に含む絶縁性固溶体が挙げられる。
絶縁皮膜の形成は、公知の方法を利用することができる。例えば導電性粒子が分散した水溶液中で金属塩とアルカリを反応させ、導電性超微粉末を核として金属水酸化物を析出させ、濾別・乾燥することにより脱水縮合させ、導電性超微粉末表面に絶縁性金属酸化物が付着した状態を形成できる。この場合、予め金属塩水溶液に導電性粒子を分散させてアルカリを滴下しても、導電性超微粒子の水分散液に金属塩水溶液とアルカリ水溶液を同時もしくは逐次滴下してもよい。またはアルコールなどの有機溶媒に導電性粒子を分散し、金属アルコキシドを添加してゾルゲル反応により導電性粒子を核とした金属水酸化物の析出、さらに有機溶媒中で脱水縮合反応により導電性超微粉末表面に絶縁性金属酸化物が付着した状態を形成できる。この中でも望ましいのは、ゾルゲル反応による絶縁皮膜形成である。金属塩とアルカリの反応を用いた場合、副生成物である塩の除去に大量の水が必要となるばかりでなく、塩による凝析がおこり、絶縁皮膜粒子が固まってしまうため好ましくない。
さらに、本発明における絶縁皮膜の材質は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂である。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂などの汎用プラスチック、ポリアセタール、ポリイミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレートなどのエンジニアリング・プラスチック、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどのスーパー・エンジニアリング・プラスチックが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、アミノ樹脂(ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂)、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂(アリル樹脂)、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂(ポリウレタン)、ケイ素樹脂(シリコーン)などが挙げられる。
絶縁皮膜の形成は、公知の方法を利用することができる。例えば導電性粒子が分散し、熱可塑性樹脂が溶解した混合溶液を、貧溶媒に滴下することにより、導電性粒子を核として樹脂を析出させ、濾別・乾燥することにより、導電性粒子表面に熱可塑性樹脂が付着した状態を形成できる。又は導電性粒子と熱硬化性樹脂モノマーの混合物を熱硬化後に粉砕することにより、導電性粒子表面に熱硬化性樹脂が付着した状態を形成できる。また、導電性超微粉末と熱硬化性樹脂モノマーを溶媒に分散させ、加熱した不活性気体中に噴霧することによっても導電性粒子末表面に熱硬化性樹脂が付着した状態を形成できる。
本発明において得られるノイズ抑制フィルムの絶縁性は、電気抵抗率測定装置(例えばADVANTEST TR42 絶縁抵抗測定装置)を用い表面抵抗率が測定される。好ましくは表面抵抗率10Ω/□以上、より好ましくは1010Ω/□以上である。
本発明において得られるノイズ抑制フィルムの可撓性は、MIT型耐折試験機(例えば東洋精機 MIT TYPE FOLDING ENDURANCE TESTER)で評価される。装置にはツカミが備えてあり、その運動は折り曲げない位置の左右へ135°の角度に折り曲げるようになっており、折り曲げ面は、0.38mmの曲率半径である。幅15mmの短冊状の試験片に500gfの荷重をかけ、左右に各々135°の繰り返し折曲げを与え、一定回数の折り曲げ試験の後に、試験片の重量減がないことを確認し、塗布膜のはがれが生じないと判断し、可撓性を評価した。好ましくは1万回以上であり、より好ましくは3万回以上である。
本発明においてノイズ抑制樹脂複合材料塗布層の硬度は、JISK5600−5−4の引っかき硬度(鉛筆法)に従って評価される。鉛筆引っかき硬度がHより硬いと、フィルムを撓ませた場合に塗膜層が追随できず、ひび割れ、塗膜のはがれが生じる。したがって、鉛筆引っかき硬度がH以下、より好ましくはF、さらに好ましくはBである。
本発明においてノイズ抑制樹脂複合材料層の付着性は、JISK5600−5−6(クロスカット法)に従って評価される。この評価試験において、はがれを生じる部分が15%を超えるとフィルムのスリット加工や打ち抜き加工、ハンドリング中にはがれが生じる危険がある。好ましくは5%を超えるが15%を上回ることがなく、さらに好ましくは5%を上回ることはないことが必要である。
本発明のノイズ抑制フィルムは、比重が3未満であることが必要である。これより比重が大きいと携帯電話やデジタルカメラなど携帯する電子機器に使用した場合重くなり、不適である。好ましくは2未満であり、さらに好ましくは1.5未満である。
本発明のノイズ抑制フィルムは、ノイズ抑制以外の目的で必要に応じて、第3の充填剤をさらに添加して用いることができる。第3の充填剤としては、弾性率改善のためのガラス繊維、成形収縮率を低下させるための炭酸カルシウム、表面平滑性や耐摩耗性の改善に用いられるタルク、寸法安定性を改善するために用いられるマイカが挙げられる。また、難燃性を付与する充填剤、すなわち難燃剤としてハロゲン系またはリン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが挙げられる。また、ノイズ抑制特性の調整に従来技術で用いられているフェライト粉末や鉄を主成分とした磁性金属体粉末や難燃剤としての効果も有する導電性粉末である膨張黒鉛粉末などを充填剤として、さらに添加することができる。
本発明のノイズ抑制フィルムは、携帯電話やスマートフォン、デジタルテレビ送受信機などの通信機器やデジタルカメラやPDAなどの、各種電子機器から意図せずに電磁波が外部に放射、伝送されたり、外部及び内部干渉による機器自身の誤動作などを起こしたりする、EMI やイミュニティに関する問題の解決に有用である。
例えば、通信機器や各種電子機器電子機器の筐体内部の部品、データ信号を処理するLSIや液晶ディスプレイなどの表示機器と表示信号の処理回路を接続するフレキブルプリント基板ケーブルなどに、貼り付けることで、不要電磁波を抑制することができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、ノイズ抑制効果については、IEC規格(No.:IEC62333−1,IEC62333−2)に従い、図1に示したマイクロストリップラインに、ノイズ抑制フィルムを載せて、ネットワークアナライザ(アジレントテクノロジー社製8722ES)ノイズ抑制効果を測定した。
ノイズ抑制フィルムによるノイズ発生源の動作に与える影響は、反射係数S11(dB)または、電力反射率に換算した、10(S11/10−2)(%)で表わされる。
またノイズ抑制効果NSEは反射係数S11と透過係数S21から、以下の式で表わされる。
Figure 2009049263
また、比重の測定については、樹脂複合材料を30mmφ、厚さ3mmのディスクに成形し、この重量を測定し、さらに水をはったメスシリンダーに入れ体積を測定することにより求めた。
実施例1
イソプロパノール50L中にカーボンブラック(球状体粒子直径50〜100nm平均粒径40nm:東海カーボン(株)製 トーカブラック#7100F)2kgとテトラプロピルオキシチタネート2kg(三菱ガス化学(株)製TPT)を添加し、室温にて1時間攪拌混合した。この分散溶液に蒸留水0.5kgを30分間かけて滴下し、さらに2時間撹拌した。さらにフェニルトリメトキシランを0.3kg添加して、2時間攪拌し、TiOで絶縁化されたカーボンブラック粒子分散イソプロパノール液を得た。さらに、導電性充填剤と絶縁皮膜粒子充填剤との体積比(導電性充填剤/絶縁皮膜粒子充填剤)が5/95となるようにカーボンブラック(トーカブラック#7100F)を添加した。
上記粒子分散液とシリコーンワニス(信越化学工(株)製 KR−5206)を、充填剤/シリコーンが体積比40/60で、塗料全体の重量に対する固形分が40wt%となるように混合し、ノイズ抑制樹脂複合材料の塗料を得た。
厚さ50μmの易接着処理PETフィルム(東洋紡(株)製 4100A)に、ブレード式連続塗布装置を用い厚さ約20μmのノイズ抑制樹脂複合材料塗布層を設けた。さらに、粘着剤を塗布した剥離フィルムをラミネートすることにより、電子機器内に貼付可能であり、可撓性があり打ち抜き加工の際の粒子落ちがなく絶縁性に優れたノイズ抑制フィルムが得られた。
このフィルムをIEC規格(No.:IEC62333−1、IEC62333−2)に従い、図1に示したマイクロストリップラインに乗せて、ノイズ抑制効果を測定した。1GHzにおいて、ノイズ抑制効果は50%、S11より求めた反射率の極大値は2%であった。また、フィルムの表面抵抗率は1010Ω/□以上であった。
MIT型耐折試験(曲げ角度135°・荷重500gf)において、3万回後にも試料フィルムの重量減少はなく、はがれは生じなかった。
塗布層の鉛筆引っかき試験の結果はHBであった。クロスカット法の結果は100/100であり、塗布層の密着性は十分なものであった。また、フィルムの比重は1.2であった。
実施例2
実施例1において、充填剤/シリコーンが体積比30/70とした以外同様の方法でノイズ抑制フィルムを作製した。1GHzにおいて、ノイズ抑制効果は36%であった。S11より求めた反射率の極大値は1.5%であった。また、フィルムの表面抵抗率は1010Ω/□以上であった。
MIT型耐折試験(曲げ角度135°・荷重500gf)において、3万回後にも試料フィルムの重量減少はなく、はがれは生じなかった。
塗布層の鉛筆引っかき試験の結果はHBであった。クロスカット法の結果は100/100であり、塗布層の密着性は十分なものであった。また、フィルムの比重は1.1であった。
実施例3
実施例1において、充填剤/シリコーンが体積比50/50とした以外同様の方法でノイズ抑制フィルムを作製した。1GHzにおいてノイズ抑制効果は60%であった。S11より求めた反射率の極大値は3.5%であった。また、フィルムの表面抵抗率は1010Ω/□以上であった。
MIT型耐折試験(曲げ角度135°・荷重500gf)において、3万回後にも試料フィルムの重量減少はなく、はがれは生じなかった。
ノイズ抑制樹脂複合材料の塗布層の鉛筆引っかき試験の結果はHBであった。クロスカット法の結果は100/100であり、塗布層の密着性は十分なものであった。また、フィルムの比重は1.3であった。
実施例4
実施例1において、導電性充填剤としてトーカブラック#7100Fを使用し、導電性充填剤/絶縁皮膜粒子充填剤の体積比20/80とした以外同様の方法でノイズ抑制フィルムを作製した。1GHzにおいて、ノイズ抑制効果は355%であった。S11より求めた反射率の極大値は2.4%であった。また、フィルムの表面抵抗率は1010Ω/□以上であった。
MIT型耐折試験(曲げ角度135°・荷重500gf)において、3万回後にも試料フィルムの重量減少はなく、はがれは生じなかった。
ノイズ抑制樹脂複合材料の塗布層の鉛筆引っかき試験の結果はHBであった。クロスカット法の結果は100/100であり、塗布層の密着性は十分なものであった。また、フィルムの比重は1.1であった。
実施例5
カーボンブラック(粒子直径30〜50nm、平均直径40nmの球状)1kgをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)10L中に投入、攪拌混合し分散液とした。さらにポリアミドイミド(PAI)1kgを溶解させカーボンブラック/PAI=50/50wt%を含む混合液とした。得られた混合液を、攪拌したメタノール20L中に滴下した。次に、固体を吸引ろ過により分離した。メタノールでDMAcを充分洗浄したケーキを乾燥することにより、PAIで被覆されたカーボンブラック粒子を得た。
カーボンブラック(トーカブラック#7100F)と上記絶縁皮膜粒子との体積比(導電性充填剤/絶縁皮膜粒子充填剤)が5/95となるように混合した。シリコーンワニス(信越化学工(株)製 KR−5206)を充填剤/シリコーンが40/60wt%で、塗料全体の重量に対する固形分が40wt%となるように混合し、ノイズ抑制樹脂複合材料の塗料を得た。
実施例1と同様にフィルムを作製し評価した結果、1GHzにおいて、ノイズ抑制効果は48%、S11より求めた反射率の極大値は2%であった。また、フィルムの表面抵抗率は1010Ω/□以上であった。
MIT型耐折試験(曲げ角度135°・荷重500gf)において、3万回後にも試料フィルムの重量減少はなく、はがれは生じなかった。
ノイズ抑制樹脂複合材料の塗布層の鉛筆引っかき試験の結果はHBであった。クロスカット法の結果は100/100であり、塗布層の密着性は十分なものであった。また、フィルムの比重は1.1であった。
比較例1
水アトマイズ法により作製した平均粒径45μmの鉄アルミニウム珪素(10wt%Si−5.5wt% Al−残部Fe及び不可避不純物)合金粉末を用意し、この粉末をn−ヘキサンと共にサンドグラインドミルに投入して12時間摩砕した後、酸化処理を施し、Arガス雰囲気下にて850℃ で3時間焼鈍処理し、扁平状粉末を得た。この扁平粉末と塩化ポリエチレンを体積比50/50で、トルエンに分散および溶解し、ペーストを調製した。
このペーストを用いて、ドクターブレード法により製膜し、熱処理を施した後に85℃ にて24時間キュアリングし、100μm厚のシートを作製した。
このシートのノイズ抑制効果は17%であった。S11より求めた反射率の極大値は6%であった。また比重は3.5であった。
比較例2
実施例1において絶縁皮膜粒子を使用せずにカーボンブラック(東海カーボン(株)製トーカブラック#7100F)のみを用いた以外同様の方法でノイズ抑制フィルムを作製した。
ノイズ抑制効果は55%、S11より求めた反射率の極大値は20%であった。また、フィルムの表面抵抗率は10Ω/□以下であった。
比較例3
実施例1において導電性充填剤を使用せずに絶縁被膜粒子充填剤のみを用いた以外同様の方法でノイズ抑制フィルムを作製した。
ノイズ抑制効果は25%、S11より求めた反射率の極大値は1%であった。また、フィルムの表面抵抗率は1010Ω/□以上であった。
比較例3
実施例1において充填剤/シリコーンの体積比70/30とした以外同様の方法でノイズ抑制フィルムを作製した。
塗膜表面に粒子が浮き出て、均一なノイズ抑制樹脂複合材料層が形成できなかった。
比較例4
実施例1において、シリコーン樹脂をエポキシ樹脂に変更し、充填剤/エポキシ樹脂の体積比が70/30とした以外同様の方法でノイズ抑制フィルムを作製した。1GHzにおいて、ノイズ抑制効果46%であり、S11より求めた反射率の極大値は1.8%とノイズ抑制効果は確認されたが、ノイズ抑制樹脂複合材料の塗布層は鉛筆ひっかき硬度2Hであり、MIT型耐折試験(曲げ角度135°・荷重500gf)において、500回後に塗布面のはがれ、重量減少を確認した。
比較例5
実施例1において、シリコーン樹脂をアクリル樹脂に変更し、充填剤/アクリル樹脂の体積比が70/30とした以外同様の方法でノイズ抑制フィルムを作製した。1GHzにおいて、ノイズ抑制効果48%であり、S11より求めた反射率の極大値は1.9%とノイズ抑制効果は確認されたが、MIT型耐折試験(曲げ角度135°・荷重500gf)において、500回後に塗布面のはがれ、重量減少を確認した。また、ノイズ抑制樹脂複合材料の塗布層はクロスカット法試験ではがれを生じる部分が38%であった。
ノイズ抑制効果の測定に用いた装置の概略図 剥離フィルムを積層したノイズ抑制フィルムの断面図
符号の説明
1 マイクロストリップラインの信号ライン
2 マイクロストリップラインのポリテトラフルオロエチレン製絶縁層
3 マクロストリップラインのグランド面
4 50Ωの同軸ケーブル
5 ネットワークアナライザ
6 基材フィルム
7 ノイズ抑制樹脂複合材料層
8 接着樹脂層
9 剥離フィルム

Claims (10)

  1. 充填剤として導電性充填剤と絶縁皮膜粒子充填剤とを体積比(導電性充填剤/絶縁皮膜粒子充填剤)5/95〜95/5の範囲で配合し、充填剤と樹脂とを、体積比(充填剤/樹脂)5/95〜50/50の範囲で配合して得られるノイズ抑制樹脂複合材料を、厚さ900μm以下の易接着処理を施した基材フィルムに、厚さ100μm以下で塗布し、さらにノイズ抑制樹脂複合材料層の上に接着樹脂層を設けることによって得られるノイズ抑制フィルム。
  2. 前記絶縁皮膜粒子充填剤が、導電性粒子を絶縁体で被覆した絶縁皮膜粒子であって、該導電性粒子が、粒子直径1nm以上500nm以下の球状、断面直径1nm以上500nm以下の繊維状、または厚さ1nm以上500nm以下の板状の炭素材料からなり、該絶縁体が絶縁性金属酸化物又はその水和物からなり、該絶縁体の厚さが、0.3nm以上で、かつ該導電性粒子が球状の場合にはその粒子直径以下、繊維状の場合にはその断面直径以下、板状の場合にはその厚さ以下である請求項1記載のノイズ抑制フィルム。
  3. 前記絶縁皮膜粒子充填剤が、導電性粒子を絶縁体で被覆した絶縁皮膜粒子であって、該導電性粒子が、粒子直径1nm以上500nm以下の球状、断面直径1nm以上500nm以下の繊維状、または厚さ1nm以上500nm以下の板状の炭素材料からなり、該絶縁体が熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂からなり、該絶縁体の厚さが、0.3nm以上で、かつ該導電性粒子が球状の場合にはその粒子直径以下、繊維状の場合にはその断面直径以下、板状の場合にはその厚さ以下である請求項1記載のノイズ抑制フィルム。
  4. MIT型耐折試験において荷重500gf、折り曲げ角度135°、曲率半径0.38mmの条件下、1万回の繰り返し試験後に重量減少がなく、塗布膜のはがれが生じない請求項1記載のノイズ抑制フィルム。
  5. 前記ノイズ抑制樹脂複合材料の塗布層が、鉛筆引っかき硬度がH以下である請求項1記載のノイズ抑制フィルム。
  6. 前記ノイズ抑制樹脂複合材料の塗布層が、クロスカット法試験ではがれを生じる部分が15%を上回ることがない請求項1記載のノイズ抑制フィルム。
  7. 前記ノイズ抑制樹脂複合材料の比重が3未満である請求項1記載のノイズ抑制フィルム。
  8. 充填剤として導電性充填剤と絶縁皮膜粒子充填剤とを体積比(導電性充填剤/絶縁皮膜粒子充填剤)5/95〜95/5の範囲で配合し、充填剤と樹脂とを、体積比(充填剤/樹脂)5/95〜50/50の範囲で配合して得られるノイズ抑制樹脂複合材料を、厚さ900μm以下の易接着処理を施した基材フィルムに、厚さ100μm以下で塗布し、さらにノイズ抑制樹脂複合材料層の上に接着樹脂層を設けるノイズ抑制フィルムの製造方法。
  9. 前記絶縁皮膜粒子充填剤が、導電性粒子を絶縁体で被覆した絶縁皮膜粒子であって、該導電性粒子が、粒子直径1nm以上500nm以下の球状、断面直径1nm以上500nm以下の繊維状、または厚さ1nm以上500nm以下の板状の炭素材料からなり、該絶縁体が絶縁性金属酸化物又はその水和物からなり、該絶縁体の厚さが、0.3nm以上で、かつ該導電性粒子が球状の場合にはその粒子直径以下、繊維状の場合にはその断面直径以下、板状の場合にはその厚さ以下である請求項8記載のノイズ抑制フィルムの製造方法。
  10. 前記絶縁皮膜粒子充填剤が、導電性粒子を絶縁体で被覆した絶縁皮膜粒子であって、該導電性粒子が、粒子直径1nm以上500nm以下の球状、断面直径1nm以上500nm以下の繊維状、または厚さ1nm以上500nm以下の板状の炭素材料からなり、該絶縁体が熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂からなり、該絶縁体の厚さが、0.3nm以上で、かつ該導電性粒子が球状の場合にはその粒子直径以下、繊維状の場合にはその断面直径以下、板状の場合にはその厚さ以下である請求項8記載のノイズ抑制フィルムの製造方法。
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JP2013211296A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Toshiba Corp 電波吸収体

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