JP2010020986A - 電極板、電池、車両、電池搭載機器及び電極板の製造方法 - Google Patents

電極板、電池、車両、電池搭載機器及び電極板の製造方法 Download PDF

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茂隆 永松
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Abstract

【課題】 全体として湾曲変形の発生を抑制した電極板、この電極板を用いてなる電池、この電池を搭載した車両及び電池搭載機器を提供する。このような電極板の製造方法を提供する。
【解決手段】 電極板31は、第1長辺32A及び第2長辺32Bを有し、長手方向DAに延びる金属箔32と、金属箔の両面上に積層され、幅方向DBに見て第1長辺から離間する一方、第2長辺まで配置される活物質層33Tと、を備え、金属箔は、露出部32S及び被積層部32Tを有し、被積層部は、露出部に沿う第1被積層部32T1と、幅方向に見て、第2長辺から第1被積層部にまで位置する第2被積層部32T2と、を含み、第2被積層部は、露出部と等しいかこれより薄く、かつ、第1被積層部よりも厚くされてなる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、電極板、これを用いてなる電池、車両、電池搭載機器及び電極板の製造方法に関する。
近年、ハイブリッド自動車、電気自動車などの車両やノート型パソコン、ビデオカムコーダなどのポータブル電子機器の駆動用電源に、リチウムイオン二次電池が利用されている。
このリチウムイオン二次電池に用いられる電極板としては、例えば、捲回型発電要素に用いる、金属箔の一方の長辺に沿って帯状の露出部を形成しつつ、残部に活物質層を積層したものが挙げられる。このような電極板には、活物質層の密度を上げるため、電極板を金属箔の厚さ方向に圧縮しておくものが多い。しかるに、その圧縮力の影響で、金属箔のうち活物質層が積層された被積層部も圧縮され、厚みが薄くなると共に、この部分の面方向の表面積が広がるように変形する。一方、露出部は、圧縮力を受けないため、表面積も変わらないので、電極板全体として、露出部が内側となる扇状に湾曲変形が生じやすい。
そこで、例えば、特許文献1では、金属箔の主面に塗工した活物質層を厚さ方向に圧縮する際、金属箔のうち、圧縮によって薄くなった活物質層が積層した被積層部の厚みと等しくなるように、活物質層を圧縮する治具とは別の矯正治具を用いて露出部を加圧し、その露出部の厚みを矯正する手法が挙げられている。
特開2003−100286号公報
しかしながら、特許文献1の手法では、例えば、被積層部の実際の厚みに応じて、矯正治具を逐一調節し難い。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、全体として湾曲変形の発生を抑制した電極板、この電極板を用いてなる電池、この電池を搭載した車両及び電池搭載機器を提供することを目的とする。また、このような電極板の製造方法を提供することを目的とする。
そして、その解決手段は、第1長辺及びこれと平行な第2長辺を有し、長手方向に延びる帯状の金属箔と、上記金属箔の少なくとも一方面上に積層され、電極活物質を含む活物質層であって、上記金属箔の幅方向に見て上記第1長辺から離間する一方、上記第2長辺まで配置され、上記金属箔の上記第2長辺に沿って上記長手方向に延びる活物質層と、を備え、上記活物質層は、上記金属箔の厚さ方向に圧縮されてなり、上記金属箔は、上記第1長辺に沿って露出する帯状の露出部、及び、上記活物質層が積層された被積層部、を有する電極板であって、上記被積層部は、上記露出部に沿って上記長手方向に延びる帯状の第1被積層部と、上記幅方向に見て、上記第2長辺から上記第1被積層部にまで位置し、上記第2長辺に沿って上記長手方向に延びる帯状の第2被積層部と、を含み、上記第2被積層部は、上記露出部と等しいかこれより薄く、かつ、上記第1被積層部よりも厚くされてなる電極板である。
本発明の電極板において金属箔は、第2長辺に沿って、第1被積層部よりも厚みの大きい第2被積層部を備えている。このため、この第2被積層部がなく、被積層部全体が同じ厚み(第1被積層部の厚み)にされた電極板に比して、第1長辺を内側、第2長辺を外側とする扇状の湾曲変形が生じるのを抑制することができる。
なお、金属箔としては、電極活物質層、電池に用いる電解質体、電解液、相手方となる電極等を考慮して適宜選択できるが、体積固有抵抗の小さいものが好ましい。具体的には、銅やアルミニウムが挙げられる。
さらに、上述の電極板であって、前記第2被積層部の厚みを、前記第1露出部の厚みと等しくしてなる電極板とすると良い。
本発明の電極板では、電極箔のうち、第2被積層部の厚みを第1露出部の厚みと等しくしてなるため、より湾曲変形の発生を抑制した電極板とすることができる。
さらに、他の解決手段は、上述のいずれかの電極板を用いた捲回型発電要素を備える電池である。
本発明の電池は、上述の電極板を用いた捲回型発電要素を備える。このように、湾曲を抑制した電極板を用いるので、電極板を容易に、かつ、シワなどの発生を抑制して、自身の一部と他部とがずれなく重なるように捲回した捲回型発電要素を備える電池とすることができる。また、これにより、例えば、セパレータを介して、異極の電極板同士を重ねて捲回するにあたり、電極板の湾曲変形を抑えることで、異極の電極板同士のずれをも抑制して捲回することができるので、それら異極の電極板の活物質層同士を、より広い面積で対向させた状態で捲回することができる。従って、より多くのイオンの授受を行うことができ、エネルギー密度を向上させた電池とすることができる。
さらに、他の解決手段は、上述の電池を搭載した車両である。
本発明の車両は上述の電池を搭載してなる。このように、自身の一部と他部とがずれなく重なるように捲回した捲回型発電要素を備えて、エネルギー密度の向上した電池を用いることで、より走行特性の良好な車両とすることができる。
なお、車両としては、その動力源の全部あるいは一部に電池による電気エネルギを使用している車両であれば良く、例えば、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、プラグイン電気自動車、ハイブリッド鉄道車両、フォークリフト、電気車いす、電動アシスト自転車、電動スクータが挙げられる。
さらに、他の解決手段は、前述の電池を搭載した電池搭載機器である。
本発明の電池搭載機器は前述の電池を搭載してなる。このように、自身の一部と他部とがずれなく重なるように捲回した捲回型発電要素を備えて、エネルギー密度の向上した電池を用いることで、より動力特性の良好な電池搭載機器とすることができる。
なお、電池搭載機器としては、電池を搭載しこれをエネルギー源の少なくとも1つとして利用する機器であれば良く、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、電池駆動の電動工具、無停電電源装置など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器が挙げられる。
さらに、他の解決手段は、第1長辺及びこれと平行な第2長辺を有し、長手方向に延びる帯状の金属箔と、上記金属箔の少なくとも一方面上に積層され、電極活物質を含む活物質層であって、上記金属箔の幅方向に見て上記第1長辺から離間する一方、上記第2長辺まで配置され、上記金属箔の上記第2長辺に沿って上記長手方向に延びる活物質層と、を備え、上記活物質層は、上記金属箔の厚さ方向に圧縮されてなり、上記金属箔は、上記第1長辺に沿って露出する帯状の露出部、及び、上記活物質層が積層された被積層部、を有し、上記被積層部は、上記露出部に沿って上記長手方向に延びる帯状の第1被積層部と、上記幅方向に見て、上記第2長辺から上記第1被積層部にまで位置し、上記第2長辺に沿って上記長手方向に延びる帯状の第2被積層部と、を含み、上記第2被積層部は、上記露出部と等しいかこれより薄く、かつ、上記第1被積層部よりも厚くされてなる電極板の製造方法であって、均一な厚さの未圧縮金属箔の上記被積層部となる部位に、活物質ペーストを塗布して未圧縮活物質層を形成する塗布工程であって、上記第1被積層部となる部位に比して、上記第2被積層部となる部位に薄く上記活物質ペーストを塗布する塗布工程と、上記未圧縮活物質層のうち、少なくとも上記第1被積層部となる部位に形成された上記未圧縮活物質層を、上記厚さ方向に圧縮して、上記活物質層及び上記金属箔を形成する圧縮工程と、を備える電極板の製造方法である。
本発明の電極板の製造方法では、上述の塗布工程と圧縮工程とを備えるので、第2長辺に沿って、第1被積層部よりも金属箔の厚みの厚い第2被積層部を備えており、電極板全体に、第1長辺を内側、第2長辺を外側とする扇状の湾曲変形が生じるのを抑制した電極板を製造することができる。
さらに、上述の電極板の製造方法であって、前記未圧縮金属箔は、前記金属箔となる部位を複数含んでなり、前記塗布工程及び圧縮工程により、複数の前記電極板が連結した連結電極板を形成した後に、切断により個々の上記電極板を切り離す切断工程を備える電極板の製造方法とすると良い。
本発明の電極板の製造方法では、形成した連結電極板を個々の電極板に切り離す切断工程を備えるので、1つの未圧縮金属箔を用いて、複数の電極板を同時に製造することができる。
さらに、上述の電極板の製造方法であって、前記連結電極板は、隣り合う前記電極板の前記第2被積層部同士が互いに接する配置に形成してなる電極板の製造方法とすると良い。
本発明の電極板の製造方法では、連結電極板は、隣り合う電極板の第2被積層部同士が互いに接する配置に形成してなるので、例えば、第2被積層部2つ分の活物質ペーストを1条にして同時に塗布することができる。また、例えば、隣り合う電極板では、互いの露出部となる部位が、第2被積層部を中心として対称に配置される。このため、切断前の連結電極板について湾曲変形の発生を抑制できるので、切断までの取り扱いが容易となる。
(実施形態1)
次に、本発明の実施形態1について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態1にかかる電池1について説明する。図1に電池1を部分的に透視した斜視図を、図2に電池1の部分破断断面図を示す。
本実施形態1にかかる電池1は、矩形箱形の電池ケース10の内部に、いずれも帯状の正電極板31及び負電極板41を用いて捲回した捲回型の発電要素20を備えるリチウムイオン二次電池である(図1,2参照)。
この電池1の電池ケース10は、共にアルミニウム製の電池ケース本体11及び封口蓋12を有する。このうち電池ケース本体11は有底矩形箱形であり、内側全面に樹脂からなる絶縁フィルム(図示しない)を貼付している。
また、封口蓋12は矩形板状であり、電池ケース本体11の開口11Aを閉塞して、この電池ケース本体11に溶接されている。この封口蓋12には、発電要素20と接続している正極集電部材71及び負極集電部材72のうち、それぞれ先端に位置する正極端子部71A及び負極端子部72Aが貫通して、図1中、上方に向く上面12aから突出している。これら正極端子部71A及び負極端子部72Aと封口蓋12との間には、それぞれ樹脂製の絶縁部材75が介在して、互いを絶縁している。さらに、この封口蓋12には矩形板状の安全弁77も封着されている。
また、図示しない電解液は、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを、体積比でEC:EMC=3:7に調整した混合有機溶媒に、溶質としてLiPF6を添加し、リチウムイオンを1mol/lの濃度とした有機電解液である。
また、電池1の発電要素20は、いずれも帯状の正電極板31及び負電極板41が、ポリエチレンからなる帯状のセパレータ21を介して扁平形状に捲回されてなる。なお、図2に示すように、発電要素20の正電極板31が、クランク状に屈曲した板状の正極集電部材71と、負電極板41が、クランク状に屈曲した板状の負極集電部材72と、それぞれ接合している。
このうち、長手方向DAに延びる帯状の正電極板31は、アルミニウムからなり、その長手方向DAに沿って延びる第1長辺32A及びこれに平行な第2長辺32Bを有するアルミニウム集電箔(以下、アルミ箔とも言う)32と、このアルミ箔32の両面に積層され、LiNiO2からなる正極活物質33xを含む正極活物質層33Tとを備える(図3参照)。
このうち正極活物質層33Tは、アルミ箔32の幅方向DBに見て、第1長辺32Aから離間する一方、第2長辺32Bまで配置され、アルミ箔32の第2長辺32Bに沿って長手方向DAに延びている。この正極活物質層33Tは、LiNiO2からなる正極活物質33x、アセチレンブラック(AB、図示しない)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、図示しない)及びカルボキシルメチルセルロース(CMC、図示しない)を含む。なお、正極活物質層33T内における、これらの質量比は、正極活物質33x:AB:PTFE:CMC=87:10:1:2である。
また、この正極活物質層33Tは、アルミ箔32の厚さ方向DL(図3中、上下方向)に圧縮して形成されたものである。このため、圧縮されなかった正極活物質層を用いた場合に比して、正極活物質層33Tの密度を高くでき、電池1におけるエネルギー密度を向上させることができる。
また、アルミ箔32は、第1長辺32Aに沿って露出する帯状のアルミ露出部32Sと、上述の正極活物質層33Tが積層されてなるアルミ被積層部32Tとを有する(図3,4参照)。このうち、アルミ被積層部32Tは、アルミ露出部32Sに沿って長手方向DAに延びる帯状の第1アルミ被積層部32T1と、幅方向DBに見て、第2長辺32Bから第1アルミ被積層部32T1にまで位置し、第2長辺32Bに沿って長手方向DAに延びる帯状の第2アルミ被積層部32T2とを含む(図4参照)。つまり、アルミ箔32では、いずれも長手方向DAに延びる帯状のアルミ露出部32S、第1アルミ被積層部32T1、及び、第2アルミ被積層部32T2が第1長辺32Aから第2長辺32Bに向かって、幅方向DBにこの順に隣り合って並んでいる。
なお、正極活物質層33Tでは、第1正極活物質層33T1の密度(第1密度)が、第2正極活物質層33T2の密度(第2密度)よりも高くされている。
一方、第2アルミ被積層部32T2は、その厚さ方向DLの厚さTp2が、アルミ露出部32Sの厚さTpSと等しいかこれより薄いが、第1アルミ被積層部32T1の厚さTp1よりも厚くされてなる(TpS≧Tp2>Tp1;図4参照)。
このように、本実施形態1の電池1の正電極板31では、第1アルミ被積層部32T1に比べ、相対的に厚い第2アルミ被積層部32T2を有している。このため、圧縮変形により第2長辺32Bの長さが長くされるのが抑制され、また、第1アルミ被積層部32T1より厚みの厚い第2アルミ被積層部32T2が変形を抑制する。このため、この第2アルミ被積層部32T2がない場合、即ち、アルミ被積層部全体が第1アルミ被積層部32T1の厚さTp1と同じ厚さにされた正電極板(TpS>Tp2=Tp1)に比して、正電極板31全体に、第1長辺32Aを内側、第2長辺32Bを外側とする扇状の湾曲変形が生じるのを抑制することができている。
次いで負電極板41について説明する。この負電極板41は、正電極板31と同様、長手方向DAに延びる帯状であり、銅からなり、その長手方向DAに沿って延びる第1長辺42A及び第2長辺42Bを有する銅集電箔(以下、銅箔とも言う)42と、この銅箔42の両面に積層され、グラファイトからなる負極活物質43xを含む負極活物質層43Tとを備える(図3参照)。
このうち負極活物質層43Tは、銅箔42の幅方向DBに見て、第1長辺42Aから離間する一方、第2長辺42Bまで配置され、銅箔42の第2長辺42Bに沿って長手方向DAに延びている。この負極活物質層43Tは、グラファイトからなる負極活物質43x、及び、結着剤のポリテトラフルオロエチレン(PTFE、図示しない)を含む。
また、この負極活物質層43Tは、正極活物質層33Tと同様、銅箔42の厚さ方向DLに圧縮して形成されたものである。このため、圧縮されなかった負極活物質層を用いた場合に比して、負極活物質層43Tの密度を高くでき、電池1におけるエネルギー密度を向上させることができる。
また、銅箔42は、第1長辺42Aに沿って露出する帯状の銅露出部42Sと、上述の負極活物質層43Tが積層されてなる銅被積層部42Tとを有する(図3,4参照)。このうち、銅被積層部42Tは、銅露出部42Sに沿って長手方向DAに延びる帯状の第1銅被積層部42T1と、幅方向DBに見て、第2長辺42Bから第1銅被積層部42T1にまで位置し、第2長辺42Bに沿って長手方向DAに延びる帯状の第2銅被積層部42T2とを含む(図4参照)。つまり、銅箔42では、いずれも長手方向DAに延びる帯状の銅露出部42S、第1銅被積層部42T1、及び、第2銅被積層部42T2が第1長辺42Aから第2長辺42Bに向かって、幅方向DBにこの順に隣り合って並んでいる。
なお、負極活物質層43Tでは、第1負極活物質層43T1の密度(第1密度)が、第2負極活物質層43T2の密度(第2密度)よりも高くされている。
一方、第2銅被積層部42T2は、その厚さ方向DLの厚さTn2が、銅露出部42Sの厚さTnSと等しいかこれより薄いが、第1銅被積層部42T1の厚さTn1よりも厚くされてなる(TnS≧Tn2>Tn1;図4参照)。
このように、本実施形態1の電池1の負電極板41では、第2銅被積層部42T2を有している。このため、圧縮変形により第2長辺42Bの長さが長くされるのが抑制され、また、第1銅被積層部32T4より厚みの厚い第2銅被積層部42T2が変形を抑制する。このため、この第2銅被積層部42T2がない場合、即ち、銅被積層部全体が第1銅被積層部42T1の厚さTn1と同じ厚さにされた負電極板(TnS>Tn2=Tn1)に比して、負電極板41全体に、第1長辺42Aを内側、第2長辺42Bを外側とする扇状の湾曲変形が生じるのを抑制することができている。
本実施形態1の電池1は、上述の正電極板31及び負電極板41を用いた捲回型発電要素20を備える。このように、湾曲を抑制した正電極板31及び負電極板41を用いているので、正電極板31及び負電極板41を容易に、かつ、シワなどの発生を抑制して、自身の一部と他部とがずれなく重なるように捲回した捲回型発電要素20を備える電池1とすることができる。また、これにより、例えば、セパレータ21を介して、正電極板31と負電極板41とを重ねて捲回するにあたり、これらの湾曲変形を抑えて正電極板31と負電極板41とのずれをも抑制して捲回することができるので、正電極板31及び負電極板41の活物質層同士(正極活物質層33T及び負極活物質層43T)を、より広い面積で対向させた状態で捲回することができる。従って、より多くのイオンの授受を行うことができ、エネルギー密度を向上させた電池1とすることができる。
次に、本実施形態1にかかる電池1の製造方法について、図面を参照しつつ説明する。
図5に、この電池1における正電極板31の製造方法のうち、塗布工程を担う塗工装置100の概略図を示す。
この塗工装置100は、巻出し部101、第1ダイ110A、第2ダイ110B、第1乾燥炉120A、第2乾燥炉120B、巻取り部102、及び、複数の補助ローラ140を備えている。なお、この製造方法により、前述の正電極板31が同時に2つ作製される。
この塗工装置100のうち、複数の補助ローラ140は、帯状の未圧縮アルミ箔Mを、その長手方向DAに移動させる。また、第1ダイ110Aは、正極活物質ペースト33Pを内部に保持するペースト保持部111と、この正極活物質ペースト33Pを、厚み方向DTに均一な厚さの未圧縮アルミ箔Mの表面に連続的に吐出可能な吐出口112Aとを有する(図6参照)。
このうち吐出口112Aは、スリット状で、長手方向DAに移動する未圧縮アルミ箔Mのうち、前述のアルミ被積層部32Tとなる部位である未圧縮アルミ被積層部MT上に、帯状に正極活物質ペースト33Pを吐出するよう、未圧縮アルミ箔Mの幅方向DBに平行に1つ開口している。なお、吐出口112Aは、後述する未圧縮アルミ箔Mの形態に即して、幅方向DBの寸法を、未圧縮アルミ被積層部MTの2倍の大きさにしてある。
なお、ペースト保持部111内の正極活物質ペースト33Pは、LiNiO2からなる正極活物質33xのほか、アセチレンブラック(AB、図示しない)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、図示しない)およびカルボキシルメチルセルロース(CMC、図示しない)をイオン交換水(図示しない)に分散させて混練してなる流動体である。また、この正極活物質ペースト33Pに含まれる、正極活物質33x、AB、PTFEおよびCMCの重量比は、前述の通り、正極活物質33x:AB:PTFE:CMC=87:10:1:2である。
また、第2ダイ110Bは、第1ダイ110Aと同様のペースト保持部111と、このペースト保持部111内の正極活物質ペースト33Pと同様の正極活物質ペースト33Qを、第1ダイ110Aで塗布された未圧縮アルミ箔M上の未圧縮正極活物質層33PS(後述)に向かって連続的に吐出可能な吐出口112Bとを有する(図7(a)参照)。
このうち吐出口112Bは、スリット状で、長手方向DAに移動する未圧縮アルミ箔Mのうち、前述の第1アルミ被積層部32T1となる部位である未圧縮第1アルミ被積層部MT1上に、帯状に正極活物質ペースト33Qを吐出するよう、未圧縮アルミ箔Mの幅方向DBに並ぶように2つ開口している。
また、第1乾燥炉120A,第2乾燥炉120Bでは、未圧縮アルミ箔Mに塗布された正極活物質ペースト33P,33Qに向けて、熱風を送る(図5参照)。これにより、未圧縮アルミ箔Mに塗布された正極活物質ペースト33P,33Qは、炉内を移動中に徐々に乾燥が進み、通過後には、自身の水分が全て蒸発して硬化する。
この塗工装置100では、まず、巻出し部101に捲回した帯状の未圧縮アルミ箔Mを長手方向DAに移動させる(図5参照)。なお、未圧縮アルミ箔Mは、幅方向DBに、前述の正電極板31のアルミ箔32の2倍の幅寸法を有する。具体的には、2条の正電極板31のアルミ箔32となる第1未圧縮アルミ箔M1,M1同士が、幅方向DBに連結した形態である。
次いで、第1ダイ110Aを用いて、この未圧縮アルミ箔Mの未圧縮アルミ被積層部MT上に正極活物質ペースト33Pを塗布する(図5,6参照)。このとき、この第1ダイ110Aは、図6に示すように、隣り合う第1未圧縮アルミ箔M1及び第2未圧縮アルミ箔M2の未圧縮アルミ被積層部MT,MTに向けて、1つの吐出口112Aから正極活物質ペースト33Pを吐出する。
正極活物質ペースト33Pの塗布後、図5に示すように、未圧縮アルミ箔Mを長手方向DAに移動させて、第1乾燥炉120Aに投入する。これにより、塗布した正極活物質ペースト33Pが乾燥・硬化して、圧縮されていない未圧縮正極活物質層33PSになる。
その後、第2ダイ110Bを用いて、未圧縮正極活物質層33PSのうち、未圧縮アルミ箔Mの未圧縮第1アルミ被積層部MT1上の部位に正極活物質ペースト33Qをさらに塗布し、第2乾燥炉120Bに投入し、これを乾燥・硬化させる(図5,7(a)参照)。
かくして、第2乾燥炉120Bで乾燥させた後には、未圧縮アルミ箔Mの一方の表面に、乾燥・硬化した未圧縮正極活物質層33PQSが形成された片面形成体L1ができあがる(図7(b)参照)。この片面形成体L1は、巻取り部102に一旦巻き取られる(図5参照)。
次に、この塗工装置100を再度用いて、巻き取った片面形成体L1を巻出し部101に装着し、長手方向DAに移動させて、上述と同様にして、未圧縮アルミ箔Mのうち、未圧縮正極活物質層33PQSを配置していない側についても正極活物質ペースト33P,33Qを塗布し、乾燥させる。かくして、未圧縮アルミ箔Mの両方の表面に、未圧縮正極活物質層33PQSを積層配置してなる未圧縮積層体L2を作製する。この未圧縮積層体L2をなす未圧縮アルミ箔Mは、図8に示すように、アルミ露出部32Sと、厚さ方向DL両側に未圧縮正極活物質層33PQSをそれぞれ有する未圧縮第1アルミ被積層部MT1、及び、未圧縮第2アルミ被積層部MT2とに分けられる。なお、未圧縮第1アルミ被積層部MT1の両面に形成された未圧縮正極活物質層33PQSの厚さに比して、未圧縮第2アルミ被積層部MT2の両面に形成された未圧縮正極活物質層33PQSの厚さは、正極活物質ペースト33Qを塗布してなかった分、薄くされている。
次いで、図9に、この電池1における正電極板31の製造方法のうち、プレス・切断装置200を用いた圧縮工程について説明する。
プレス・切断装置200は、巻出し部201、2つのプレスローラ210,210、巻取り部202、切断刃230及び複数の補助ローラ220を備えている。このうち、2つのプレスローラ210,210は、これらの間(ローラ面の間)を所定の距離に離してある。このため、未圧縮積層体L2をプレスローラ210,210の間に通過させると、これを厚み方向DAに圧縮し、所定の厚さにすることができる。
そこで、巻出し部201から前述の未圧縮積層体L2を繰り出して、これを2つのプレスローラ210,210の間に通して厚さ方向DLに圧縮する。すると、未圧縮積層体L2のうち、未圧縮第1アルミ被積層部MT1上の未圧縮正極活物質層33PQSの厚さの方が、未圧縮第2アルミ被積層部MT2上のそれよりも厚いので、第1アルミ被積層部MT1は、第2アルミ被積層部MT2よりも、押圧力を受けて、厚さ方向DLに薄くされる。このため、できあがった連結正電極板GMは、図10に示すように、第2アルミ被積層部32T2の厚さTp2が、この圧縮により、第1アルミ被積層部32T1の厚さTp1よりも厚くされる。なお、第2アルミ被積層部32T2の厚さTp2は、アルミ露出部32Sの厚さTpSと等しいかこれより薄くされている(TpS≧Tp2>Tp1)。また、第1正極活物質層33T1の密度(第1密度)が、第2正極活物質層33T2の密度(第2密度)よりも高くされる。
この連結正電極板GMは、前述したように2つの正電極板31が連結してなる形態を有している。具体的には、図10に示す、この連結正電極板GMの断面(図9中、F−F部)から判るように、幅方向DB中央に位置する切断予定線CLを挟んで、2つの正電極板31,31が連結している。さらに具体的には、2つの正電極板31,31の各第2アルミ被積層部32T2,32T2同士が互いに接するように連結しており、この切断予定線CLで切断すれば、その各切断面に各正電極板31,31の第2長辺32B,32Bが形成される。
また、連結正電極板GMは、隣り合う正電極板31,31の第2アルミ被積層部32T2,32T2同士が互いに接する配置に形成されているので、第2アルミ被積層部2つ分の正極活物質ペースト33Pを1条にして同時に塗布することができた。また、例えば、隣り合う正電極板31,31では、互いのアルミ露出部32S,32Sが、第2アルミ被積層部32T2(或いは、図10の切断予定線CL)を中心として対称に配置される。このため、切断前の連結正電極板GMの段階では、全体が湾曲変形するのを抑制できるので、切断までの取り扱いが容易である。
次に、上述の連結正電極板GMを、長手方向DAに移動させながら、切断刃230を用いて切断する切断工程について説明する(図9参照)。このとき、切断刃230は、連結正電極板GMにおいて、幅方向DB中央に位置する切断予定線CL(図10参照)を切断する。かくして2条の正電極板31,31ができあがる。なお、切断後は、図9に示すように、2つの巻取り部202で、正電極板31をそれぞれ巻き取る。
本実施形態1にかかる正電極板31の製造方法では、前述の塗布工程と圧縮工程を備えるので、第2長辺32Bに沿って、第1アルミ被積層部32T1よりもアルミ箔32の厚さの厚い(Tp2>Tp1)第2アルミ被積層部32T2が形成されるので、正電極板31全体に湾曲変形が生じるのを抑制した正電極板31を製造することができる。
また、本実施形態1にかかる正電極板31の製造方法では、形成した連結正電極板GMを個々の正電極板31に切り離す切断工程を備えるので、1つの未圧縮アルミ箔Mを用いて、複数(本実施形態1では2条)の正電極板31,31を同時に製造することができる。
次いで、電池1における負電極板41の製造方法について説明する。但し、上述の正電極板31の製造方法と同様に、塗工装置100及びプレス・切断装置200を用いるので、異なる点についてのみ詳述し、同様の点については説明を省略する。
まず、図5に、正電極板31と同様、塗布工程を担う塗工装置100の概略図を示す。
この塗布装置100の第1ダイ110Aは、負極活物質ペースト43Pを内部に保持するペースト保持部111と、この負極活物質ペースト43Pを、厚み方向DTに均一な厚さの未圧縮銅箔Nの表面に連続的に吐出可能な吐出口112Aとを有する(図6参照)。
なお、ペースト保持部111内の負極活物質ペースト43Pは、グラファイトからなる負極活物質43x、及び、結着剤のポリテトラフルオロエチレン(PTFE、図示しない)をイオン交換水(図示しない)に分散させて混練してなる流動体である。
また、第2ダイ110Bは、第1ダイ110Aと同様のペースト保持部111と、このペースト保持部111内の負極活物質ペースト43Pと同様の負極活物質ペースト43Qを、第1ダイ110Aで塗布された未圧縮銅箔N上の未圧縮負極活物質層43PS(後述)に向かって連続的に吐出可能な吐出口112Bとを有する(図7(a)参照)。
この塗工装置100では、まず、巻出し部101に捲回した帯状の未圧縮銅箔Nを長手方向DAに移動させる(図5参照)。なお、未圧縮銅箔Nは、幅方向DBに、前述の負電極板41の銅箔42の2倍の幅寸法を有する。具体的には、2条の負電極板41の銅箔42となる第1未圧縮銅箔N1,N1同士が、幅方向DBに連結した形態である。
次いで、第1ダイ110Aを用いて、この未圧縮銅箔Nの未圧縮銅被積層部NT上に負極活物質ペースト43Pを塗布する(図5,6参照)。このとき、この第1ダイ110Aは、図6に示すように、隣り合う第1未圧縮銅箔N1及び第2未圧縮銅箔N2の未圧縮銅被積層部NT,NTに向けて、1つの吐出口112Aから負極活物質ペースト43Pを吐出する。
負極活物質ペースト43Pの塗布後、図5に示すように、未圧縮銅箔Nを長手方向DAに移動させて、第1乾燥炉120Aに投入する。これにより、塗布した負極活物質ペースト43Pが乾燥・硬化して、圧縮されていない未圧縮負極活物質層43PSになる。
その後、第2ダイ110Bを用いて、未圧縮負極活物質層43PSのうち、未圧縮銅箔Nの未圧縮第1銅被積層部NT1上の部位に負極活物質ペースト43Qをさらに塗布し、第2乾燥炉120Bに投入し、これを乾燥・硬化させる(図5,7(a)参照)。
かくして、第2乾燥炉120Bで乾燥させた後には、未圧縮銅箔Nの一方の表面に、乾燥・硬化した未圧縮負極活物質層43PQSが形成された片面形成体L3ができあがる(図7(b)参照)。この片面形成体L3は、巻取り部102に一旦巻き取られる(図5参照)。
正電極板31と同様にして、再度塗工装置100を用いて、未圧縮銅箔Nの両方の表面に、未圧縮負極活物質層43PQSを積層配置してなる未圧縮積層体L4を作製する。この未圧縮積層体L4をなす未圧縮銅箔Nは、図8に示すように、銅露出部42Sと、厚さ方向DL両側に未圧縮負極活物質層43PQSをそれぞれ有する未圧縮第1銅被積層部NT1、及び、未圧縮第2銅被積層部NT2とに分けられる。なお、未圧縮第1銅被積層部NT1の両面に形成された未圧縮負極活物質層43PQSの厚さに比して、未圧縮第2銅被積層部NT2の両面に形成された未圧縮負極活物質層43PQSの厚さは、負極活物質ペースト43Qを塗布してなかった分、薄くされている。
次いで、図9に、この電池1における負電極板41の製造方法のうち、プレス・切断装置200を用いた圧縮工程について説明する。
巻出し部201から前述の未圧縮積層体L4を繰り出して、これを2つのプレスローラ210,210の間に通して厚さ方向DLに圧縮する。すると、未圧縮積層体L4のうち、未圧縮第1銅被積層部NT1上の未圧縮負極活物質層43PQSの厚さの方が、未圧縮第2銅被積層部NT2上のそれよりも厚いので、第1銅被積層部NT1は、第2銅被積層部NT2よりも、押圧力を受けて、厚さ方向DLに薄くされる。このため、できあがった連結負電極板GNは、図10に示すように、第2銅被積層部42T2の厚さTn2が、この圧縮により、第1銅被積層部42T1の厚さTn1よりも厚くされる。なお、第2銅被積層部42T2の厚さTn2は、銅露出部42Sの厚さTnSと等しいかこれより薄くされている(TnS≧Tn2>Tn1)。また、第1負極活物質層43T1の密度(第1密度)が、第2負極活物質層43T2の密度(第2密度)よりも高くされる。
この連結負電極板GNは、前述したように2つの負電極板41が連結してなる形態を有している。具体的には、図10に示す、この連結負電極板GNの断面(図9中、F−F部)から判るように、幅方向DB中央に位置する切断予定線CLを挟んで、2つの負電極板41,41が連結している。さらに具体的には、2つの負電極板41,41の各第2銅被積層部42T2,42T2同士が互いに接するように連結しており、この切断予定線CLで切断すれば、その各切断面に各負電極板41,41の第2長辺42B,42Bが形成される。
また、連結負電極板GNは、隣り合う負電極板41,41の第2銅被積層部42T2,42T2同士が互いに接する配置に形成されているので、第2銅被積層部2つ分の負極活物質ペースト43Pを1条にして同時に塗布することができた。また、例えば、隣り合う負電極板41,41では、互いの銅露出部42S,42Sが、第2銅被積層部42T2(或いは、図10の切断予定線CL)を中心として対称に配置される。このため、切断前の連結負電極板GNの段階では、全体が湾曲変形するのを抑制できるので、切断までの取り扱いが容易である。
次に、上述の連結負電極板GNを、長手方向DAに移動させながら、切断刃230を用いて切断する切断工程について説明する(図9参照)。このとき、切断刃230は、連結負電極板GNにおいて、幅方向DB中央に位置する切断予定線CL(図10参照)を切断する。かくして2条の負電極板41,41ができあがる。なお、切断後は、図9に示すように、2つの巻取り部202で、負電極板41をそれぞれ巻き取る。
本実施形態1にかかる負電極板41の製造方法では、前述の塗布工程と圧縮工程を備えるので、第2長辺42Bに沿って、第1銅被積層部42T1よりも銅箔42の厚さの厚い(Tn2>Tn1)第2銅被積層部42T2が形成されるので、負電極板41全体に湾曲変形が生じるのを抑制した負電極板41を製造することができる。
また、本実施形態1にかかる負電極板41の製造方法では、形成した連結負電極板GNを個々の負電極板41に切り離す切断工程を備えるので、1つの未圧縮銅箔Nを用いて、複数(本実施形態1では2条)の負電極板41,41を同時に製造することができる。
上述の切断工程の後は、上述の正電極板31及び負電極板41を用いて、これらの間にセパレータ21を介して捲回して捲回型の発電要素20を作成する。さらに、この発電要素20に正極集電部材71および負極集電部材72を溶接し、電池ケース本体11に挿入し、電解液を注入後、封口蓋12で電池ケース本体11を溶接で封口する。かくして、電池1を製造する(図1,2参照)。
本実施形態1の電池1は、湾曲を抑制した正電極板31及び負電極板41を用いるので、正電極板31及び負電極板41を容易に、かつ、シワなどの発生を抑制して、自身の一部と他部とがずれなく重なるように捲回した捲回型発電要素20を備える電池1を製造できる。
(実施形態2)
本実施形態2にかかる車両500は、前述した電池1を複数搭載したものである。具体的には、図11に示すように、車両500は、エンジン540、フロントモータ520およびリアモータ530を併用して駆動するハイブリッド自動車である。この車両500は、車体590、エンジン540、これに取り付けられたフロントモータ520、リアモータ530、ケーブル550、インバータ560、及び、複数の電池1を自身の内部に有する組電池510を有している。
本実施形態2に係る車両500は電池1を搭載してなる。このように、前述の正電極板31及び負電極板41をずれなく重なるように捲回した捲回型発電要素20を備えて、エネルギー密度の向上した電池1を用いることで、より走行特性の良好な車両500とすることができる。
(実施形態3)
また、本実施形態3のハンマードリル600は、前述した電池1を含むバッテリパック610を搭載したものであり、図12に示すように、バッテリパック610、本体620を有する電池搭載機器である。なお、バッテリパック610はハンマードリル600の本体620のうち底部621に可能に収容されている。
本実施形態3に係るハンマードリル600は電池1を搭載してなる。このように、前述の正電極板31及び負電極板41をずれなく重なるように捲回した捲回型発電要素20を備えて、エネルギー密度の向上した電池1を用いることで、より動力特性の良好なハンマードリル600とすることができる。
以上において、本発明を実施形態1、2及び3に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態1では、捲回型の発電要素20を備えるリチウムイオン二次電池としたが、捲回型発電要素を有する電池であれば良く、例えば、捲回型発電要素を備えるニッケル水素二次電池等の二次電池のほか、捲回型発電要素を備える一次電池に適用しても良い。
また、実施形態1では、電池の電池ケースを矩形形状の収容容器としたが、内部に捲回型の発電要素を収容する形状、例えば、円筒形状でも良い。また、正電極板31及び負電極板41のいずれにおいて本発明を適用したが、少なくともいずれかの電極板で良い。
さらに、正極活物質23xにLiNiO2からなるとしたが、例えば、LiNiO2以外の、LiCoO2、LiMn24、LiMnO2、LiCo0.5Ni0.52、LiNi0.7Co0.2Mn0.12などのリチウム含有遷移金属酸化物としても良い。
また、実施形態1では、塗布工程で、第1ダイで活物質ペーストを塗布後、第1乾燥炉に投入し、その後、第2ダイで再度活物質ペーストを塗布しているが、第1ダイで活物質ペーストを塗布後、第1乾燥炉に投入せずに、自然乾燥、或いは、半乾燥の状態で、第2ダイで活物質ペーストを更に塗布しても良い。さらに、1つの未圧縮金属箔を用いて、2条の電極板を同時に製造したが、1つの未圧縮金属箔を用いて、3条以上の複数の電極板を同時に製造しても良い。
実施形態1にかかる電池の部分透過斜視図である。 実施形態1にかかる電池の部分破断断面図である。 実施形態1の電極板の斜視図である。 実施形態1の電極板の拡大側面図(図3中、D方向から見た側面)である。 実施形態1の電極板の塗布工程の説明図である。 実施形態1の電極板の塗布工程の説明図である。 実施形態1の電極板の塗布工程の説明図である。 実施形態1の電極板の塗布工程の説明図である。 実施形態1の電極板の圧縮工程及び切断工程の説明図である。 実施形態1の電極板の圧縮工程及び切断工程の説明図である。 実施形態2にかかる車両の説明図である。 実施形態3にかかるハンマードリルの説明図である。
符号の説明
1 電池
20 発電要素(捲回型発電要素)
31 正電極板(電極板)
32 アルミ箔(金属箔)
32A (アルミ箔の)第1長辺
32B (アルミ箔の)第2長辺
32S アルミ露出部(露出部)
32T アルミ被積層部(被積層部)
32T1 第1アルミ被積層部(被積層部,第1被積層部)
32T2 第2アルミ被積層部(被積層部,第2被積層部)
33T 正極活物質層(活物質層)
33T1 第1正極活物質層(活物質層)
33T2 第2正極活物質層(活物質層)
33P,33Q 正極活物質ペースト(活物質ペースト)
33PS,33PQS 未圧縮正極活物質層(未圧縮活物質層)
33x 正極活物質(電極活物質)
41 負電極板(電極板)
42 銅箔(金属箔)
42A (銅箔の)第1長辺
42B (銅箔の)第2長辺
42S 銅露出部(露出部)
42T 銅被積層部(被積層部)
42T1 第1銅被積層部(被積層部,第1被積層部)
42T2 第2銅被積層部(被積層部,第2被積層部)
43T 負極活物質層(活物質層)
43T1 第1負極活物質層(活物質層)
43T2 第2負極活物質層(活物質層)
43P,43Q 負極活物質ペースト(活物質ペースト)
43PS,43PQS 未圧縮負極活物質層(未圧縮活物質層)
43x 負極活物質(電極活物質)
500 車両
600 ハンマードリル(電池搭載機器)
610 バッテリパック(電池)
DA 長手方向
DB 幅方向
DL 厚さ方向
GM 連結正電極板(連結電極板)
GN 連結負電極板(連結電極板)
M 未圧縮アルミ箔(未圧縮金属箔)
M1 第1未圧縮アルミ箔(金属箔となる部位)
MT 未圧縮アルミ被積層部(被積層部となる部位)
MT1 未圧縮第1アルミ被積層部(第1被積層部となる部位)
MT2 未圧縮第2アルミ被積層部(第2被積層部となる部位)
N 未圧縮銅箔(未圧縮金属箔)
N1 第1未圧縮銅箔(金属箔となる部位)
NT 未圧縮銅被積層部(被積層部となる部位)
NT1 未圧縮第1銅被積層部(第1被積層部となる部位)
NT2 未圧縮第2銅被積層部(第2被積層部となる部位)

Claims (8)

  1. 第1長辺及びこれと平行な第2長辺を有し、長手方向に延びる帯状の金属箔と、
    上記金属箔の少なくとも一方面上に積層され、電極活物質を含む活物質層であって、
    上記金属箔の幅方向に見て上記第1長辺から離間する一方、上記第2長辺まで配置され、上記金属箔の上記第2長辺に沿って上記長手方向に延びる活物質層と、を備え、
    上記活物質層は、上記金属箔の厚さ方向に圧縮されてなり、
    上記金属箔は、
    上記第1長辺に沿って露出する帯状の露出部、及び、
    上記活物質層が積層された被積層部、を有する
    電極板であって、
    上記被積層部は、
    上記露出部に沿って上記長手方向に延びる帯状の第1被積層部と、
    上記幅方向に見て、上記第2長辺から上記第1被積層部にまで位置し、上記第2長辺に沿って上記長手方向に延びる帯状の第2被積層部と、を含み、
    上記第2被積層部は、
    上記露出部と等しいかこれより薄く、かつ、上記第1被積層部よりも厚くされてなる
    電極板。
  2. 請求項1に記載の電極板であって、
    前記第2被積層部の厚みを、前記第1露出部の厚みと等しくしてなる
    電極板。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電極板を用いた捲回型発電要素を備える電池。
  4. 請求項3に記載の電池を搭載した車両。
  5. 請求項3に記載の電池を搭載した電池搭載機器。
  6. 第1長辺及びこれと平行な第2長辺を有し、長手方向に延びる帯状の金属箔と、
    上記金属箔の少なくとも一方面上に積層され、電極活物質を含む活物質層であって、
    上記金属箔の幅方向に見て上記第1長辺から離間する一方、上記第2長辺まで配置され、上記金属箔の上記第2長辺に沿って上記長手方向に延びる活物質層と、を備え、
    上記活物質層は、上記金属箔の厚さ方向に圧縮されてなり、
    上記金属箔は、
    上記第1長辺に沿って露出する帯状の露出部、及び、
    上記活物質層が積層された被積層部、を有し、
    上記被積層部は、
    上記露出部に沿って上記長手方向に延びる帯状の第1被積層部と、
    上記幅方向に見て、上記第2長辺から上記第1被積層部にまで位置し、上記第2長辺に沿って上記長手方向に延びる帯状の第2被積層部と、を含み、
    上記第2被積層部は、
    上記露出部と等しいかこれより薄く、かつ、上記第1被積層部よりも厚くされてなる
    電極板の製造方法であって、
    均一な厚さの未圧縮金属箔の上記被積層部となる部位に、活物質ペーストを塗布して未圧縮活物質層を形成する塗布工程であって、
    上記第1被積層部となる部位に比して、上記第2被積層部となる部位に薄く上記活物質ペーストを塗布する
    塗布工程と、
    上記未圧縮活物質層のうち、少なくとも上記第1被積層部となる部位に形成された上記未圧縮活物質層を、上記厚さ方向に圧縮して、上記活物質層及び上記金属箔を形成する圧縮工程と、を備える
    電極板の製造方法。
  7. 請求項6に記載の電極板の製造方法であって、
    前記未圧縮金属箔は、前記金属箔となる部位を複数含んでなり、
    前記塗布工程及び圧縮工程により、複数の前記電極板が連結した連結電極板を形成した後に、切断により個々の上記電極板を切り離す切断工程を備える
    電極板の製造方法。
  8. 請求項7に記載の電極板の製造方法であって、
    前記連結電極板は、
    隣り合う前記電極板の前記第2被積層部同士が互いに接する配置に形成してなる
    電極板の製造方法。
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