JP2010020883A - 光情報記録再生方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホログラムメモリと同等以上の特性を持ち、かつ小型で大容量な光メモリを実現することができる新しい光情報記録再生方法及び装置を提供する。
【解決手段】任意の偏光基底において位相差を有する2つの直交する偏光成分をもつ偏光状態の記録光55を生成する記録光生成装置51と、任意の偏光基底において1つの偏光成分のみをもつ偏光状態の再生光65を生成する再生光生成装置61と、記録光55が有する光情報を記録するとともに、再生光65によって記録された光情報を再生する記録媒体71と、記録媒体71に照射された後の情報光72を抽出して光情報として検出する光情報検出装置(偏光計81)とを有する光情報記録再生装置、及びこうした装置を用いた光情報記録再生方法により上記課題を解決する。
【選択図】図5

Description

本発明は、光情報記録再生方法及び装置に関し、更に詳しくは、ホログラムメモリと同等以上の特性を持ち、かつ小型で大容量な光メモリを実現することができる光情報記録再生方法及び装置に関する。
従来の光メモリとして、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Video Disc又はDigital Versatile Disc)、HD−DVD(High-Definition Digital Versatile Disc)、BD(Blue-ray Disc)が知られている。これらの光メモリに対する光情報の記録と再生には同じ方式が用いられているが、情報の高密度化や大容量化に対する要求に対しては、主に使用するレーザーの短波長化や記録媒体上に集光するレンズの開口数を大きくすること等によって対応してきた。しかしながら、レンズの開口数をBDに使用されている開口数よりも大きくすることは難しく、また、レーザーの波長をさらに短くすると空気による吸収が無視できなくなり、レーザー光の利用効率が低下する。また、周辺の光学素子も特殊なものが必要となって現実的ではないという問題がある。よって、BD以上の高密度、大容量の光メモリを実現するためには、新しい光情報記録・再生技術が必要になる。
BD以上の大容量の光メモリとして、ホログラムメモリが期待されている。ホログラムメモリは、レーザー光を2つに分離し、分離した一方のレーザー光に記録する情報(記録情報という。)を与えた後に2つのレーザー光を記録媒体上で重ね合わせる「ホログラフィック記録(ホログラフィを利用して記録媒体に情報を記録する記録手段のこと)」を利用した光メモリである。具体的には、ホログラフィック記録は記録光であるレーザー光を空間的に2つに分離し、一方のレーザー光に情報を与えて信号波とし、もう一方のレーザー光を参照波とし、両者を記録媒体中で干渉させることで記録媒体に情報を記録する技術である。
このホログラフィック記録は、近年テラバイト級の大容量光記録技術としても期待されている。通常の写真技術では光の強度(明るさ)のみしか記録できないが、ホログラフィック記録では光の位相も記録できるという特徴がある。そのため、ホログラフィック記録によって情報記録されたホログラムメモリは、強度情報と位相情報を保持することができるという利点がある。また、このホログラムメモリは、CD、DVD、BDなどの従来の光メモリとは異なり、記録媒体の表面だけでなく記録媒体の体積を有効利用して情報を保持するため、大容量の情報を記録することができるという利点がある。なお、ホログラフィック記録では光の強度(振幅)と位相を記録することができるが、記録した情報を取り扱いやすくするため、通常、強度と位相のどちらかしか情報として用いられていない。
特開2002−83431号公報 WO2004/102542
しかしながら、ホログラフィック記録では、上記のように2つのレーザー光を分離する必要があるため、振動が加わるとその振動によって記録精度が低下するという欠点がある。こうした欠点に対し、上記特許文献1,2に記載のように、信号光と参照光の領域を空間的に分離し、同軸上にすることで、その欠点を解決した方式も存在する。しかし、そうした方式は空間的に領域を分離することになるため、情報を記録するのに使える領域が制限されるという難点がある。特に2次元的に記録を行うホログラフィック記録では、前記の領域制限によって記録光の面積が小さくなると、同時に記録できる情報量が減ることを意味し、それに応じて記録時の情報転送レートが遅くなるという問題が生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ホログラムメモリと同等以上の特性を持ち、かつ小型で大容量な光メモリを実現することができる新しい光情報記録再生方法及び装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の光情報記録再生方法は、任意の偏光基底において位相差を有する2つの直交する偏光成分をもつ偏光状態の記録光を、記録媒体に照射して該記録媒体に光情報を記録する光情報記録手段と、任意の偏光基底において1つの偏光成分のみをもつ偏光状態の再生光を前記光情報が記録された記録媒体に照射し、照射された後に該記録媒体から発生したもう1つの偏光成分と前記1つの偏光成分とからなる光情報を再生する光情報再生手段と、を有することを特徴とする。
この発明は、任意の偏光基底において位相差を有する2つの直交する偏光成分(信号光成分と参照光成分の2つの偏光成分。)をもつ偏光状態の記録光と、任意の偏光基底において1つの偏光成分(前記記録光の参照光成分に対応する偏光成分。)のみをもつ偏光状態の再生光とを用いた新たな光情報記録再生方法である。すなわち、この発明によれば、記録媒体に対し、任意の偏光基底において位相差を有する2つの直交する偏光成分をもつ偏光状態の記録光を照射して光情報を記録し、その後その記録媒体に対し、任意の偏光基底において前記記録光の参照光成分に対応する1つの偏光成分のみをもつ偏光状態の再生光を照射し、信号光成分を発生させて光情報を再生するように構成したので、偏光解析手法によって記録媒体に記録された光位相情報を再生することができる。しかも、偏光変調は同軸で行うことができ、ホログラフィのような二光束に分割する必要もないので、光学系を単純にすることができるとともに、振動に対する悪影響を従来の光メモリ程度に減少させることができる。さらに、この発明の光情報記録手段によれば、2つの偏光成分である信号光成分と参照光成分の偏光状態が直交しているため、それらが重なっていても信号光成分だけを変調することができ、その結果、ホログラフィック記録のように記録領域を分離する必要がなく、大容量を一度に記録することができる。
本発明の光情報記録再生方法において、前記偏光基底が、記録媒体上においては記録時と再生時で同一であるように構成する。
本発明の光情報記録再生方法において、前記偏光基底が、記録媒体以外の場所においては記録時と再生時で異なるようにしても良い。
本発明の光情報記録再生方法において、記録時と再生時における偏光基底が、水平偏光と垂直偏光の組み合わせ、所定の偏光方位角(水平偏光と垂直偏光を除く)を有した直交する2つの直線偏光の組み合わせ、右回り円偏光と左回り円偏光の組み合わせ、所定の偏光方位角を有した直交する2つの楕円偏光の組み合わせ、のいずれかであるように構成する。
これらの発明によれば、偏光基底として、直線偏光の組み合わせ、円偏光の組み合わせ及び楕円偏光の組み合わせのいずれかとすることができ、記録装置及び再生装置の特性に合わせて偏光基底を変換することができる。
本発明の光情報記録再生方法において、前記記録媒体が、前記2つの偏光成分からなる偏光状態に応答して光誘起複屈折を示す光応答性分子を含むように構成する。具体的には、記録媒体における偏光基底が右回り円偏光と左回り円偏光の場合は、前記記録媒体が、プッシュ−プル型のアゾベンゼンを含むことが好ましい。
前記の場合において、前記光応答性分子の光誘起複屈折性は、該光応答性分子が所定の偏光状態をもつ光を吸収することにより該偏光状態の光を吸収しない方向に分子配向し、該分子配向に依存した方位に主軸を持つ複屈折が生じる性質であるように構成する。
本発明の光情報記録再生方法において、前記2つの偏光成分が有する位相差が−π〜πの範囲内であるように構成する。
本発明の光情報記録再生方法において、前記2つの偏光成分の偏光変調を空間光変調器によって生じさせるように構成する。
本発明の光情報記録再生方法において、前記記録媒体に複数回の記録光を照射して三次元的な複屈折パターンを形成し、該記録媒体に複数回の再生光を照射して三次元的な複屈折パターンに含まれる情報の再生を行うように構成する。この場合において、前記三次元的複屈折パターンに含まれる情報を、投影切断面定理を用いた三次元構造の再構成により抽出することができる。
上記課題を解決するための本発明の光情報記録再生装置は、任意の偏光基底において位相差を有する2つの直交する偏光成分をもつ偏光状態の記録光を生成する記録光生成装置と、任意の偏光基底において1つの偏光成分のみをもつ偏光状態の再生光を生成する再生光生成装置と、前記記録光が有する光情報を記録するとともに、前記再生光によって記録された光情報を再生する記録媒体と、前記記録媒体に前記再生光が照射された後に発生した情報光を抽出して光情報として検出する光情報検出装置と、を有することを特徴とする。
本発明の光情報記録再生装置において、前記記録光生成装置が、記録光用レーザーと、該記録光用レーザーからのレーザー光を、任意の偏光基底において2つの直交する偏光成分をもつ偏光状態で生成する偏光生成装置と、該偏光生成装置で生成された偏光状態の2つの直交する偏光成分に任意の位相差を与える可変位相差付与装置と、該可変位相差付与装置で変調された偏光状態の偏光基底を前記記録媒体の特性に合わせて変換する偏光基底変換装置とを有するように構成する。
本発明の光情報記録再生装置において、前記再生光生成装置が、再生光用レーザーと、該記再生用レーザーからのレーザー光を、任意の偏光基底において1つの偏光成分のみをもつ偏光状態で生成する偏光生成装置とを有するように構成する。
本発明の光情報記録再生装置において、前記記録媒体が、前記2つの偏光成分からなる偏光状態に応答して光誘起複屈折を示す光応答性分子を含む材料であるように構成する。
本発明の光情報記録再生装置において、前記光情報検出装置が、前記記録媒体に照射された後の再生光に含まれる位相情報を偏光干渉によって強度情報として検出する装置であるように構成する。
本発明の光情報記録再生装置において、前記光情報検出装置が、前記記録媒体に照射された後の情報光に含まれる信号光成分と参照光成分から、位相シフト法と偏光干渉によって得られた複数の強度情報から位相情報を抽出する装置であるように構成する。
本発明の光情報記録再生装置において、前記光情報検出装置が、前記記録媒体に照射された後の情報光に含まれる信号光成分と参照光成分から、位相シフト法と偏光干渉によって得られた複数の強度情報から位相情報を抽出する装置であって、且つ、当該光情報検出装置が、前記記録媒体に照射された後の情報光の偏光基底を変換する偏光基底変換装置、該偏光基底変換装置を通過した後の情報光の2つの偏光成分間に所定のシフト量を与える可変位相子、該可変位相子を通過した情報光に含まれる2つの偏光成分の複素振幅を所定の比で重ね合わせる偏光干渉装置、及び、該偏光干渉装置を通過した情報光の強度を検出する検出器を有するように構成する。
本発明の光情報記録再生装置において、前記光情報検出装置が、前記記録媒体に照射された後の情報光に含まれる信号光成分と参照光成分から、位相シフト法と偏光干渉によって得られた複数の強度情報から位相情報を抽出する装置であって、且つ、前記記録媒体は複数回の記録光の照射により三次元的な複屈折パターンが形成されたものであり、該記録媒体に複数回の再生光を照射して三次元的な複屈折パターンに含まれる情報の再生を行う機構を有するように構成する。
前記の場合において、前記三次元的複屈折パターンに含まれる情報を、投影切断面定理を用いた三次元構造の再構成により抽出するように構成する。
本発明の光情報記録再生方法及び装置によれば、偏光解析手法によって記録媒体に記録された光位相情報を再生することができ、しかも、偏光変調は同軸で行うことができ、ホログラフィのような二光束に分割する必要もないので、光学系を単純にすることができるとともに、振動に対する悪影響を従来の光メモリ程度に抑えることができる。さらに、2つの偏光成分である信号光成分と参照光成分の偏光状態が直交しているため、それらが重なっていても信号光成分だけを変調することができ、その結果、ホログラフィック記録のように記録領域を分離する必要がなく、大容量を一度に記録することができる。
また、本発明の光情報記録再生方法及び装置によれば、2つの偏光成分がホログラフィにおける信号光成分(信号波)と参照光成分(参照波)の役割をしているので、情報を偏光変調として与えることができ、その結果、ホログラフィック記録のように記録光を信号光と参照光とに分離しなくても、単一の光波でホログラフィック記録と同等以上の記録特性を実現できる。
また、上記のように、振動に強く、小型な装置を構成することが可能なため、小型で大容量な新しい光メモリとして有望である。また、ホログラフィは光計測技術としても利用されているが、信号光と参照光を分離しない本発明の光情報記録再生方法及び装置は、振動による影響を受けないため、高精度な光計測技術に応用できる。
こうした本発明の光情報記録再生方法及び装置によれば、光メモリとして、また、データのバックアップ用途、持ち運び用データ記録用途、光情報処理デバイス用途として好ましく用いることができる。
偏光状態を表す模式図である。 本発明の光情報記録再生方法を構成する光情報記録方法を実施する装置の一例を示す模式的な構成図である。 本発明の光情報記録再生方法を構成する光情報再生方法を実施する装置の一例を示す模式的な構成図である。 本発明の光情報記録再生方法を構成する光情報再生方法において、得られた位相情報の抽出方法を実施する装置の一例を示す模式的な構成図である。 本発明の光情報記録再生装置の一例を示す概略図である。 実験に用いた光学系の模式図である。 光情報記録再生装置の一例を示す模式的な構成図である。 リターダグラフィの一例を示す模式図である。 リターダグラムを再生する一例を示す模式図である。 共役波再生特性を利用した記録再生装置の一例を示す模式的な構成図である。 記録媒体から見て光源側に光情報検出装置がある反射型の記録再生装置の具体例である。 体積記録を説明するための模式図である。 体積記録を説明するための他の模式図である。
次に、本発明に好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、その技術的特徴を有する範囲を包含し、以下に示す図面等に限定されない。
[光情報記録再生方法及び装置]
本発明の光情報記録再生方法は、任意の偏光基底において位相差を有する2つの直交する偏光成分をもつ偏光状態の記録光を、記録媒体に照射して該記録媒体に光情報を記録する光情報記録手段と、任意の偏光基底において1つの偏光成分のみをもつ偏光状態の再生光を前記光情報が記録された記録媒体に照射し、照射された後に該記録媒体から発生したもう1つの偏光成分と前記1つの偏光成分とからなる光情報を再生する光情報再生手段と、を有することに特徴がある。
また、本発明の光情報記録再生装置は、任意の偏光基底において位相差を有する2つの直交する偏光成分をもつ偏光状態の記録光を生成する記録光生成装置と、任意の偏光基底において1つの偏光成分のみをもつ偏光状態の再生光を生成する再生光生成装置と、前記記録光が有する光情報を記録するとともに、前記再生光によって記録された光情報を再生する記録媒体と、前記記録媒体に前記再生光が照射された後に発生した情報光を抽出して光情報として検出する光情報検出装置と、を有することに特徴がある。
このように、本発明の光情報記録再生方法及び装置は、2つの直交する偏光状態の位相差を位相情報とし、任意の偏光基底において位相差を有する2つの直交する偏光成分(信号光成分と参照光成分の2つの成分。)をもつ偏光状態の記録光と、任意の偏光基底において1つの偏光成分(前記記録光の参照光成分に対応する偏光成分。)のみをもつ偏光状態の再生光とを用いた新たな光情報記録再生方法と装置である。
最初に、本発明の光情報記録再生方法及び装置(以下、特に断らない限り、「光情報記録再生方法」と総称する。)の原理について詳しく説明する。
本発明で提案する光情報記録再生方法は、以下に説明する原理に基づいて発明されたものであるが、個々に、光情報記録方法と、光情報再生方法と、その両方を含む本発明に係る光情報記録再生方法とにカテゴリーを分類することも可能である。本発明の光情報記録再生方法は、記録光と再生光として、任意の偏光基底において位相差を有する2つの直交する偏光成分のうち、位相の基準となる偏光成分を参照光成分とし、それに対する相対位相をもつ偏光成分を信号光成分として相対位相情報を扱うことに特徴がある。
図1は、偏光状態を表す模式図である。光は電磁波の一種で電場と磁場の振動による波動であるが、ある特定の振動状態をもつ光を「偏光」と言う。偏光は、通常、電場の振動方向を基準とし、例えば電場があるベクトルに沿って振動している偏光状態を「直線偏光」といい、また、電場の振動方向が固定されずに時間変化とともに円軌道を描く偏光状態を「円偏光」という。図1(A)はy軸上を振動する垂直偏光であり、図1(B)はx軸上を振動する水平偏光である。図1(C)に示すように、xy軸間で所定の偏光方位角αで振動する場合も直線偏光である。一般的な偏光状態は、図1(D)に示すような楕円軌道を描く「楕円偏光」であり、直線偏光と円偏光はその特別な状態と言うことができる。なお、図1(D)は、偏光方位角が45°の場合の楕円偏光である。なお、図1(C)中のαは、記録媒体上での直線偏光の方位角を表している。
図1(E)は、ある偏光状態を、2つの直交する偏光状態の重ね合わせで表現したものである。直交する2つの偏光状態とは、偏光を複素数で現されるベクトルで表現したときに、その内積が0になる2つの偏光状態の組み合わせである。この例では、偏光状態は2つの直交する偏光成分の強度比と位相差で表現され、具体的には、直交する垂直偏光成分P1と水平偏光成分P2とが所定の強度比と位相差(偏光位相差Sという。)をもった態様である。言い換えると、垂直偏光成分P1は垂直方向(y軸上)に電場が振動する垂直偏光であり、水平偏光成分P2は水平方向(x軸上)に電場が振動する水平偏光であり、図1(E)に示すように両者は位相差Sを有した態様で直交する。一方、円偏光は、直交する直線偏光の和で表現でき、それらの振幅比が同じで位相差が90度となる場合の偏光状態である。また、円偏光の回転方向は、その位相差の符号による。逆に、右回りに回転する右円偏光と左回りに回転する左円偏光との和で直線偏光を表現することもできる。また、直交する2つの偏光状態として、楕円偏光も表現できる。このときの楕円軌道の形は無限にあるので、2つの偏光状態の選び方を任意に選択することにより表現できる。なお、図1(D)の偏光方位角が45°の楕円偏光は、水平偏光と垂直偏光の成分比が1で、位相差が0°又は90°以外の重ね合わせで表現できる。
本発明は、任意の偏光基底において位相差を有する2つの直交する偏光成分(信号光成分と参照光成分の2つの偏光成分。)をもつ偏光状態の光を記録光として用い、また、任意の偏光基底において1つの偏光成分(前記記録光の参照光成分に対応する偏光成分。)のみをもつ偏光状態の光を再生光として用いるが、記録光の2つの偏光成分である信号光成分と参照光成分の位相差(偏光位相差)を位相情報として記録媒体に記録する光情報記録方法と、記録媒体に参照光成分のみをもつ再生光を照射し、透過した参照光成分と発生した信号光成分からなる偏光状態を偏光解析し、記録媒体に記録された位相情報を抽出して再生する光情報再生方法とを有している。
偏光基底の選び方は、記録媒体上では記録時と再生時で同一である必要があるが、それ以外の場所(部分)における偏光基底は、同じであってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。偏光基底を記録媒体上以外で変えられることは、構成する装置要素毎に好む偏光基底があり、それに適応させることができるという利点がある。その偏光基底の種類としては、直線偏光の組み合わせ、円偏光の組み合わせ及び楕円偏光の組み合わせのいずれかを挙げることができ、詳しくは、水平偏光と垂直偏光の組み合わせ、所定の偏光方位角(水平偏光と垂直偏光を除く。)を有した直交する2つの直線偏光の組み合わせ、右回り円偏光と左回り円偏光の組み合わせ、所定の偏光方位角を有した直交する2つの楕円偏光の組み合わせのいずれかを挙げることができる。
(光情報記録方法)
図2は、本発明の光情報記録再生方法を構成する光情報記録方法を実施する装置の一例を示す模式的な構成図である。本発明の光情報記録方法(特に断らない限り、光情報記録装置を包含する。)は、図2(A)に示すように、記録光用レーザー1と、その記録光用レーザー1から発したレーザー光1’を、任意の偏光基底(この一例では、水平偏光と垂直偏光)において2つの直交する偏光成分をもつ偏光状態で生成し、その水平偏光成分と垂直偏光成分の間に記録情報となる位相差を与える偏光変調装置2と、その偏光変調装置2で偏光された変調光2’に含まれる水平偏光成分と垂直偏光成分をそれぞれ右回り円偏光成分と左回り円偏光成分の偏光基底に変換する1/4波長板3と、その1/4波長板3で変換された偏光基底が右回り円偏光成分と左回り円偏光成分の組み合わせであり、その2つの直交する偏光成分間の位相差に記録位相情報が含まれる偏光状態の記録光3’を記録する記録媒体4と、を備える装置によって実施する。なお、ここでの偏光変調装置2は、偏光生成装置と可変位相差付与装置とを含む装置である。
図2(A)に示す光学系においては、水平偏光成分を信号光成分と定義し、垂直偏光成分を参照光成分と定義し、その参照光成分に対する信号光成分の相対位相を位相情報と定義する。以下、これらの構成について順に説明する。なお、図2(B)の座標軸は、図2(A)に示す光学系の座標軸を表したものであり、左から右に向かう座標はz軸で表される。図2(C)は、偏光変調装置2で、水平偏光と垂直偏光からなる偏光基底において生成された2つの直交する偏光成分をもつ偏光状態に位相情報が付与された変調光2’の偏光状態の例であり、図2(D)は、1/4波長板3で、水平偏光と垂直偏光からなる偏光基底を右回り円偏光と左回り円偏光からなる偏光基底に変換することによって生成した記録光3’の偏光状態の例である。
記録光用レーザー1としては、記録媒体4を構成する材料が反応する波長の光を発するレーザー、例えば半導体レーザー等が用いられる。例えば、後述のようなアゾベンゼンを含む記録媒体4を用いる場合には、そのアゾベンゼンが反応する波長範囲内の波長400nm〜550nmの半導体レーザー又は固体レーザー等を好ましく用いることができ、具体的には、400nm〜410nmのレーザーダイオード等を用いることができる。なお、その波長範囲であれば、やや大型化するが、488nm、514nm等のアルゴンレーザーを用いてもよい。
また、アゾベンゼン以外の反応材料を含む記録媒体としては、光架橋性高分子液晶材料を挙げることができる。この光架橋性高分子液晶材料は、反応後に分子配向が定着するという特徴があるので、一度だけ書き込み可能な記録媒体として好ましく用いることができる。
偏光変調装置2は、記録光用レーザー1から発したレーザー光1’を所定の偏光状態に変調して変調光2’にするものであり、例えば図2(C)に示すように、2つの偏光成分(水平偏光成分と垂直偏光成分)の成分比を1:1とし、2つの偏光成分に位相差を与えると、その位相差に依存して方位角45°又は−45°の楕円偏光に変調された変調光2’となる。なお、2つの直線偏光成分の位相差によっては、方位角45°又は−45°の直線偏光、あるいは左回り円偏光や右回り円偏光からなる変調光2’にもなる。このときの変調光2’の位相差を位相情報とする。変調光2’の位相情報は、位相変調器によって一様に与えてもよいし、位相空間光変調器によって二次元的にページデータとして与えてもよい。
この偏光変調装置2は、液晶可変位相子、磁気光学素子、1/2波長板、1/4波長板等で構成することができるが、必ずしもこの構成に限定されない。液晶可変位相子は、2つの直交する直線偏光成分間に位相情報を与えることができ、また、磁気光学素子は、左右の円偏光の間に位相差を与えることができる。なお、偏光状態を一様に変調する場合は、従来の光ディスクのように、一点毎に記録する。その際、記録媒体4上で記録光の光路が、記録媒体上の一部の空間で重なってもよい。
1/4波長板(速軸45°)3では、図2(D)に示すように、偏光変調装置2で変調された変調光2’を右回り円偏光と左回り円偏光の重ね合わせ状態の記録光3’に変換する。上記した強度比が1:1の右回り円偏光と左回り円偏光の重ね合わせは、その位相差に応じた方位をもつ直線偏光(例えば図2(D)では方位角αの直線偏光)の記録光3’となる。このとき、直線偏光からなる記録光3’の方位角αは変調光2’の位相情報に依存し、その位相情報に対応した方位をもつ直線偏光又はその分布からなる記録光3’が記録媒体4に記録される。記録媒体4を構成する例えばアゾベンゼンは、後述のように、この偏光方位に応じた方向に光配向するので、記録光3’が照射したことによって生じた光配向によって、情報が保持される。
位相情報と方位角との関係については、数式を用いて以下に説明する。下記式1には、方位角45°の楕円偏光(偏光変調装置2で変調された変調光2’)のジョーンズベクトルを示す。下記式1中、Φは位相情報を表し、Φ0は構成する装置の特性によって、与えられる位相の定数値を表す。
Figure 2010020883
この式1に、速軸45°の1/4波長板のジョーンズ行列を作用させると、その1/4波長板を通過した記録光3’は、下記式2に示すような、方位角αの直線偏光のジョーンズベクトルに変換される。なお、R(θ)は座標系回転子(回転角θ)であり、下記式3で表される。
Figure 2010020883
Figure 2010020883
方位角αと位相情報Φの関係は下記式4のような線形関係になる。
Figure 2010020883
偏光に応答する記録媒体4には、記録光3’の偏光方位に応じた主軸をもつ複屈折が誘起されるので、そのジョーンズ行列Mは下記式5のようになる。下記式5中、Δφは誘起された複屈折による位相遅延量(光量に依存する物性値)であり、R(α)は方位角αにおける座標系回転子である。
Figure 2010020883
上記式5のように、記録光3’の位相情報Φは回転子R(α)にのみ含まれており、その位相情報Φは複屈折Mの主軸として記録媒体4に記録される。また、記録媒体4中に誘起された複屈折による位相遅延量Δφは、照射した記録光3’の光量に依存する記録媒体4の物性値であり、目的の位相情報は含まれていない。
(光情報再生方法)
次に、光情報の再生方法について説明する。図3は、本発明の光情報記録再生方法を構成する光情報再生方法を実施する装置の一例を示す模式的な構成図である。本発明の光情報再生方法(特に断らない限り、光情報再生装置も包含する。)は、図3(A)に示すように、再生光用レーザー11と、その再生光用レーザー11から発したレーザー光11’を、任意の偏光基底(この一例では、水平偏光と垂直偏光)において1つの偏光成分のみをもつ偏光状態(垂直偏光)に変調する偏光変調装置12と、その偏光変調装置12で偏光された変調光12’(垂直偏光)を左回り円偏光に変換する1/4波長板13と、その偏光変調装置12と1/4波長板13で生成された前記記録光の参照光成分と同じ偏光状態である左回り円偏光の再生光13’を照射する記録媒体14とを備える装置によって実施する。なお、この光学系においても、初期に与える偏光基底と情報を抽出する際の偏光基底とは、上記光情報記録方法の場合と同様、水平偏光成分を信号光成分と定義し、垂直偏光成分を参照光成分と定義し、その参照光成分に対する信号光成分の相対位相を位相情報と定義する。以下、これらの構成について順に説明する。
なお、図3(B)は、偏光変調装置12で偏光された変調光12’の偏光状態(垂直偏光)の例であり、図3(C)は、1/4波長板13で水平偏光・垂直偏光の組み合わせから、右回り円偏光・左回り円偏光の組み合わせに基底変換された再生光13’の偏光状態(左回り円偏光)の例である。また、図3(D)は、再生光13’が記録媒体14に照射した後における情報光14’の偏光状態(成分比の異なる右回り円偏光と左回り円偏光からなる楕円偏光)の例であり、図3(E)は、1/4波長板15で位相差が与えられた偏光状態(成分比の異なる水平偏光と垂直偏光からなる楕円偏光)の例である。
この光情報再生方法において、再生時には、点記録又は二次元的に面記録した情報を、同様に点再生又は二次元的な面再生してもよいし、点記録した情報を二次元的に面再生したり、又は二次元的に面記録した情報を点再生したりしてもよい。そうした点記録や面記録は、一様な可変位相子を用いて一点に光情報を与えるか、又は位相型の空間的光変調器を用いて二次元的に光情報を与えるという具体的手段で実現でき、また、点再生や面再生は、光情報検出装置に含まれる光検出器として、ピンホールとフォトダイオードを用いて一点のみの光強度を検出するか、CCDやCMOSイメージセンサ等の撮像素子を用いて二次元的に光強度を検出するという具体的手段で実現できる。
なお、従来のホログラムメモリでは、面(二次元)記録と面(二次元)再生が原則であり、同時に記録できる情報量が多いことを特徴としているが、現状ではホログラムメモリにおいて、二次元情報を与える装置(空間光変調器)や擦像素子は、記録容量に見合った十分な動作速度のものが存在していないのが実情である。例えば、記録密度がBDの10倍で記録できるホログラムメモリであっても、10倍の速度で記録できず、再生もできないし、また、装置が高額でコスト面でも問題がある。これに対し、本発明の光情報記録再生方法では、面記録だけでなく点記録で大容量記録が可能であり、さらには、点で記録したのに面再生できたり、面で記録したのに点再生できたりするという特徴がある。この特徴により、将来の周辺機器の向上に合わせて柔軟に対応し、点記録、面記録、点再生、面再生を選択できるという利点がある。
再生光用レーザー11としては、記録媒体14に感度がない(すなわち反応しない)波長の光か、光配向が起こらない程度に強度を小さくした記録時と同じ波長のレーザーのいずれかが用いられる。例えば後述のようなアゾベンゼンを含む記録媒体を用いる場合には、そのアゾベンゼンが反応しない波長範囲内の、632.8nmのHe−Neレーザー、波長600nm以上の赤色のレーザーダイオード等を好ましく用いることができる。記録時に光配向が定着されるような材料(例えば、光架橋性高分子液晶材料等)を用いる場合には、記録時と同じ波長のレーザーを用いてもよく、その場合は強度の制限はなくなる。なお、記録時と同一の波長のレーザー光を用いる場合は、より装置の小型化が可能となる。
偏光変調装置12は、再生光用レーザー11から発したレーザー光11’を、任意の偏光基底において1つの偏光成分のみをもつ偏光状態に変調して変調光12’にするものである。例えば図3(B)に示すように、偏光変調装置12によって、レーザー光11’は図2で説明した記録光3’の2つの直線偏光成分のうち、情報を与えなかった方の直線偏光(例えば図2においては垂直偏光成分である参照光成分。以下同じ。)と同じ偏光状態の変調光12’に変調される。こうして変調された直線偏光からなる変調光12’を、記録時と同様に速軸が45°の1/4波長板14を通過させる。こうすることによって、直線偏光からなる変調光12’は、図3(C)に示すように円偏光(左回り円偏光)に変換され、その後、円偏光からなる再生光13’は記録媒体14に照射される。
円偏光からなる再生光13’は記録媒体14に照射して情報光14’となるが、その情報光14’の偏光状態は、記録時における記録媒体14中の感光材料(後述の例ではアゾベンゼン)の光配向によって生じた複屈折によって、図3(D)に示すように、円偏光(左回り円偏光)から楕円偏光に変化する。この楕円偏光を図3(D)に示すように右回り円偏光14aと左回り円偏光14bの重ね合わせと考えると、右回り円偏光成分の追加的な発生とみなすことができ、記録媒体14に照射した再生光13’の左回り円偏光成分と、発生した右回り円偏光成分からなる情報光14’が、記録した位相情報を持っていることになる。
具体的には、この例の光学系において、0°の位相情報(円偏光偏光基底)を記録した場合、記録媒体に誘起される複屈折の速軸が0°となり、仮にそのときの複屈折による位相遅延量Δφが90°であるなら、その記録媒体を通過する左回り円偏光の再生光は、−45°直線偏光に変換される。−45°直線偏光を右回り円偏光と左回り円偏光で表現すると、その位相差は90°となる。また、45°の位相情報(円偏光偏光基底)を記録した場合、記録媒体通過後の右回り円偏光成分と左回り円偏光成分の位相差は135°となる。再生光が記録媒体通過後の右回り円偏光成分と左回り円偏光成分の位相差は、記録位相情報に90°足しただけのものとなり、記録位相情報は正確に再生できる。位相遅延量Δφが90°以外の場合は、再生光が記録媒体を透過した後、二つの円偏光成分の成分比が1にならず、楕円偏光になるが、その位相差については上記の規則を満たす。
その情報光14’が図3(A)に示すような速軸が−45°の1/4波長板15を透過すれば、図3(D)に示すような右回り円偏光14aと左回り円偏光14bの重ね合わせが、偏光基底変換され、図3(E)に示すような水平偏光15aと垂直偏光15bの重ね合わせに戻る。その結果、再生直線偏光に対して直交する直線偏光成分が、位相情報を持っていることになる。
具体的には、図3(C)に示すように、左回り円偏光に変調された再生光13’が、複屈折が誘起された記録媒体14を透過すると、偏光状態が変化し、楕円偏光に変調された情報光14’になる。この楕円偏光状態は、図3(D)に示すように、振幅の異なる左右円偏光14a,14bの和で表現することができるので、図3(C)の左回り円偏光から図3(D)の楕円偏光への変化は、右回り円偏光14aの追加的な発生と見なすことができる。このとき、速軸が−45°の1/4波長板15によって、左回り円偏光成分14bを元の垂直偏光成分15bに戻すと、右回り円偏光成分14aは、水平偏光成分15aとなる。この水平偏光成分15aが、記録した情報を含む再生信号である。最終的に信号光成分と参照光成分が直線偏光からなる偏光基底であったほうが情報抽出しやすいが、2つの直交する直線偏光に変換しなくても、偏光解析によって位相情報は再生されるため、円偏光基底のままでもよい。
こうした再生方法を数式を用いて説明する。下記式6はレーザー光11’を偏光変調装置12で変調した後に得られた垂直偏光(偏光変調装置12で変調された変調光12’)のジョーンズベクトルである。
Figure 2010020883
この垂直偏光からなる変調光12’を速軸が45°の1/4波長板13に透過させると、その1/4波長板を通過した再生光13’は、下記式7に示すような左回り円偏光のジョーンズベクトルとなる。
Figure 2010020883
これに、再生光13’を記録媒体に照射して、上記式5で得られた記録媒体のジョーンズ行列を作用させると、下記式8に示すようになり、さらに記録媒体を経た情報光14’を速軸が−45°の1/4波長板15に作用させると、最終的に下記式9に示すようなジョーンズベクトルに変換される。
Figure 2010020883
Figure 2010020883
このとき、式8の回転子Rで表現される楕円偏光の方位角が位相情報を含み、式9に変換することによって、水平偏光成分のみに位相情報を集中させることができる。式9中の垂直偏光成分の位相には、情報が含まれておらず、それに対する水平偏光成分(exp(i(Φ+Φ0)))をみると、確かに再生信号になっているのがわかる。一方、式9中、係数部(sin(Δφ/2)exp(-i(Δφ/2)))は、複屈折値に依存する係数であり、位相情報をもたない部分である(以後、Aで表す)。
(再生信号の抽出方法)
次に、こうして得られた再生信号の抽出方法について説明する。図4は、本発明の光情報記録再生方法を構成する光情報再生方法において、得られた位相情報の抽出方法を実施する装置の一例を示す模式的な構成図である。
再生光13’が記録媒体14を透過し、さらに透過後の情報光14’が1/4波長板15を透過した後の再生信号15’(情報光ともいう。以下同じ。)は、下記式10及び図4(B)に示すような、水平偏光成分15aからなる信号光成分Jsigと、垂直偏光成分15bからなる参照光成分Jrefとで構成される2つの偏光状態になっている。そうした再生信号15’が、位相子16と偏光子17とを透過すると、垂直偏光成分15bは偏光子17でカットして得ることができるが、位相情報は直接観測することはできない。そのため、本発明では、垂直偏光成分15bを参照信号とし、位相シフト法で位相情報を抽出した。なお、偏光子17を偏光ビームスプリッタとしてもよい。
Figure 2010020883
位相シフト法は、参照波に数通りの位相シフトを与えて信号波と干渉させ、得られた数通りの強度分布を用いて信号波のみの複素振幅情報を得る方法である。本発明においては、図4に示すように、参照波となる垂直偏光成分15bが位相子16を透過することによって位相シフトを与えるが、このままでは信号光成分Jsigと参照光成分Jrefは干渉しないので、偏光子17を用いて干渉させて得られた強度を検出する。偏光子17は、角度を調節することによって信号光成分と参照光成分のどちらかだけを取り出すこともできるが、位相シフト法では、信号光成分と参照光成分の複素振幅を干渉させる必要があるため、両成分を任意の比で取り出し干渉させるように角度を設定する。
ここで、信号光成分Jsigと参照光成分Jrefから、方位角varthetaの直線偏光成分17a,17bを取り出すと、この両者が重なり合い、下記式11に示すジョーンズベクトルの偏光が得られる。実際に検出器18で観察されるのは下記式12で示される絶対値の二乗に比例した値になる。
Figure 2010020883
Figure 2010020883
ここで、位相シフト量として、0,π/2,π,3π/2の4通りを与えると、下記式13に示す4通りの強度が得られる。
Figure 2010020883
式13より、式中の左側の囲み部分(Aで表してある。)と右側の囲み部分(Bで表してある。)はそれぞれの位相シフト量における強度式で共通成分となっており、下記式14を用いて相殺できる。よって、下記式15から位相情報を抽出することができる。偏光子17の角度は、信号光成分Jsigあるいは水平偏光15aに平行でなければ理論的には自由に設定することができるが、光検出器18が取得した光強度信号をデジタル化する際に、明暗の階調数が限られているため、明暗のコントラストを大きくすることが望ましい。明暗のコントラストは、信号光成分Jsigと参照光成分Jrefの成分比が1になる角度が最適となる。
Figure 2010020883
Figure 2010020883
以上のように、本発明は、式15に示したように、位相情報以外を相殺することができること、また、信号光成分と参照光成分に共通の雑音を相殺し、光路も共通化できることから、振動にも強いという特徴がある。こうした特徴により、ホログラフィック記録の弱点を克服することができる。また、迷光も両者に共通であるので相殺することができる。さらに、再生光強度や再生効率による信号値の変動がないので、-π〜πのすべての範囲で任意の位相値を情報として使うことができ、また情報の多値化が容易となる。よって、本発明の光情報記録再生方法によれば、一度に記録できる情報量を大きくすることができる。
本発明において、情報再生(情報抽出ともいう。)については、上記以外の種々の方法を採用できる。例えば、記録時に可変位相付与装置で水平偏光と垂直偏光の偏光基底を用い、その位相差を用いて記録したものであっても、再生時には45°直線偏光と−45°直線偏光の偏光基底を用いて位相情報を再生することができる。このように、2つの偏光状態の組み合わせを、記録時と再生時で変えても構わない。
本発明において、偏光基底は任意に定義でき、例えば位相情報を付与する際に、左右円偏光(右回り円偏光、左回り円偏光)に直接位相差を与える方法を採用しても良いし、水平偏光・垂直偏光に位相差を与えた後にそれらを左右円偏光に変換する手法であっても良いし、それ以外の方法であっても良い。なお、左右円偏光の位相差は、直線偏光の方位に対応する。
なお、直線偏光成分はホログラムにおける再生光波に対応するが、再生光波の位相情報をデジタル信号として検出するためには、上記した特許文献1のように、再生光波を記録媒体に照射しない再生用参照光と干渉させ、強度として光検出器、あるいは撮像素子で検出する必要がある。これに対し、本発明の光情報記録再生方法によれば、再生光13’を照射することによって記録媒体14からの透過した情報光14’自身が参照偏光成分を持っているため、の偏光子17で情報光14’に含まれる信号光成分と参照光成分を干渉させることによって得られた強度をそのまま検出すれば、明暗として位相情報を得ることができる。このとき、得られた明暗と位相情報とは線形関係にはない。さらに、使用できる位相情報は−π/2〜π/2に限定される。
また、信号偏光成分と参照偏光成分との成分比が既知であるか又は1になるように偏光子を調整しないと正確な位相情報は求められないが、記録媒体14からの参照偏光成分に0、π/2、π、3π/2の位相シフトを与え、偏光子17を用いて信号偏光成分と参照偏光成分に共通する偏光として両者を重ね合わせた場合、それによって得られた4通りの強度情報から正確な位相情報を抽出することもできる。なお、原理的には、4通りの強度情報のうち3通りの情報があれば位相情報を抽出できる。さらに、強度が一定であると仮定し、前処理をすると2通りの強度情報で位相情報を抽出できる。この方法によって、−π〜πの位相情報を2段階、あるいは3段階以上に分割してデジタル化した信号光を記録再生することができる。上記のように、位相シフト法を用いない場合、使用できる位相情報は−π/2〜π/2に限定され、雑音の影響も受けやすくなるが、その影響の大きさは多値数が多いほど大きくなる。位相情報が2値の場合は、位相シフト法を用いずに、強度の明暗のみで2値を識別することが容易となる。
また、ある複屈折構造をもつ物体からの光は、その複屈折構造情報に応じた偏光成分間の位相分布をもつことから、物体の複屈折情報の記録再生も可能である。物体の複屈折情報をもつ記録媒体に、同じ複屈折情報をもつ光を照射すると、逆に参照偏光成分が再生され、その強度は入射する複屈折情報が異なると弱くなる。こうしたことから、記録媒体は、物体の複屈折構造の検査用のデータベースとしても働くので、本発明の光情報記録再生方法によれば、物体形状検査装置としても利用可能である。
複屈折性物体がもつ直交する偏光成分間に位相差を与える性質を「リターダンス」という。上述した本発明に係る光情報記録方式は、複屈折性物体がもつ空間的なリターダンスのパターンを記録する技術と言うことができ、「リターダグラフィ(Retardagraphy)」と呼ぶ。また、リターダンスパターンが記録された記録媒体を「リターダグラム」という。
なお、再生光波は、光学系の表面粗さによる波面ひずみの影響を受けるが、あらかじめその影響を測定し、再生光波から除去することも可能である。
さらに、本発明では、情報は記録媒体中の分子配向として保持する方法を含むものであり、その分子配向を変化させれば繰り返し書き換えが可能であるという特徴も有する。
また、信号光成分と参照光成分は常に重ねて扱うことができるため、装置の小型化も可能である。
(記録媒体)
記録情報として、楕円偏光、直線偏光、円偏光等を任意に選択することができるので、一例として位相情報に対応した偏光方位をもつ直線偏光を記録する記録媒体としては、それらの偏光に対して反応する材料、例えば、直線偏光の方位に対応して光誘起複屈折性を示す光応答性分子を含む材料が用いられる。なお、光応答性分子の光誘起複屈折性とは、その光応答性分子が所定の偏光状態の光を吸収することによりその偏光状態の光を吸収しない方向に分子配向し、その分子配向に依存した方位に主軸を持つ複屈折が生じる性質である。
具体的には、直線偏光の照射によって、その偏光方位に対応する主軸をもつ複屈折が誘起される材料が好ましく用いられる。本発明では、記録媒体が任意に定義された偏光基底で表現される偏光状態に対して反応し、その反応状態が固定化されることが光情報を記録再生する上で必要となるが、本発明の光情報記録再生方法によれば、偏光基底の2つの成分比が1である記録光の偏光状態に反応した記録材料に対し、再生光は一方の成分(参照光成分)しか持たない。記録光に対応した主軸をもつ複屈折が誘起された記録媒体に、記録光とは異なる偏光状態をもつ再生光を照射するので、再生光は偏光変化を受ける。その偏光変化が照射前の再生光には存在しなかった、もう1つの成分(信号光成分)の発生を意味し、その信号光成分の振幅と位相はそれぞれ、記録媒体に誘起された複屈折の大きさと主軸方位に依存する。その信号光成分の複素振幅と参照光成分の複素振幅をある成分比で干渉させることによって、記録した位相情報を抽出することができる。
位相情報に対応した直線偏光を記録する記録媒体としては、プッシュ−プル型のアゾベンゼンを含む材料を好ましく挙げることができる。アゾベンゼンは、直線偏光を吸収すると偏光方位に垂直に分子再配向し、その方位に主軸をもつ複屈折が生じる。言い換えれば、記録光の偏光方位に対して垂直な方向に光配向する特性を有している。このときの直線偏光は右回り円偏光と左周り円偏光の重ね合わせで表現することができ、その直線偏光の偏光方位は2つの円偏光の位相差に対応するので、その位相差を調整すれば、任意の位相差を複屈折の主軸方位として記録することができる。
後述の実施例では、PCDY50と呼ばれているアゾベンゼンコポリマー(シアノアゾベンゼンとビスアゾベンゼンを側鎖に持つメタクリレート系ポリマー(分子量:1万程度)のものが好ましく用いられる。こうしたアゾベンゼンコポリマーは、アモルファス又はアキラル(等方性)からなる相であり、その配向が極めて安定であるので、記録媒体として好ましく用いることができる。このアゾベンゼンコポリマーは、スピンコート等の塗布手段によって例えばガラス基板上に成膜できる。後述の実施例では、700nm〜900nm程度で成膜している。なお、アゾベンゼンコポリマーの側鎖の1つであるシアノアゾベンゼンは高い光応答性を示し、光誘起によって再配向するトリガー(「光誘起再配向トリガー」ともいう。)として作用する。一方、もう1つの側鎖であるビスアゾベンゼンは高い分子複屈折性を示し、左側の側鎖であるシアノアゾベンゼンと平行に配列する。
一方、記録媒体への記録情報が、例えば直交円偏光を重ね合わせた楕円偏光で表現されている場合、そうした楕円偏光を直接記録できる記録媒体であってもよい。こうした記録媒体は、水平偏光と垂直偏光を左右円偏光に変換しなくてもよく、直接記録できるという利点がある。このときの水平偏光と垂直偏光の位相差は楕円偏光の楕円率に対応することになる。こうした記録媒体を用いれば、記憶情報として、直交する惰円偏光の位相差を用いることも可能となる。
なお、直交円偏光の位相差は記録情報の位相差に対応しているので、その情報光の偏光状態を市販の偏光計測装置で用いられる公知の方法で偏光解析を行うことによって記録された光位相差情報を再生することができる。
アゾベンゼンを含む材料以外の材料であっても前記同様の機能を有する材料であれば好ましく用いることができる。そうした記録媒体としては、偏光方位に光架橋をする材料等を挙げることができる。具体的には、光架橋材として4-4-methoxycinnamoyloxy biphenylを側鎖にもつ光架橋性高分子液晶材料等を挙げることができる。また、光架橋性材料以外には、二色性をもつ色素を有するフォトポリマーを挙げることができる。こうした記録媒体は、ホログラフィに用いられていた従来の感光材料(偏光には応答せずに強度のみに応答する材料)とは異なっている。また、キラリティをもつ特殊なアゾベンゼン系材料の場合、直線偏光だけでなく、左右の円偏光を識別するため、任意の位相差をもつ2つの直線偏光からなる楕円偏光を直接記録できる可能性がある。
ここで、アゾベンゼン系材料のような光学異方性材料を用いた場合の記録原理について詳しく説明する。
ある偏光状態の記録光を記録媒体に照射すると、記録媒体にはそれに対応する光学異方性が誘起される。この光学異方性とは、例えば2つの直交する偏光状態に対する屈折率が異なる(複屈折)というような性質である。しかし、この異方性がもつ2つの主軸と、記録光の2つの偏光基底ベクトルは異なる。例えば、記録光の偏光基底を左右円偏光とし、それらの成分比が1で、位相差0だとすると、水平偏光になる。すると、アゾベンゼン系では、0°と90°に主軸をもつ複屈折が誘起される。0°直線偏光(水平変更)と90°直線偏光(垂直偏光)の組み合わせは、記録光の偏光基底とは異なる。この場合、再生光は偏光していれば、どのような偏光状態でもかまわないが、記録媒体上で記録光の参照光成分のみからなる偏光状態、すなわち左右の円偏光のどちらかにする必要がある。例えば、参照光成分を左回り円偏光とし、その左回り円偏光の再生光を記録媒体に照射すると、記録媒体を透過した光は、記録媒体の複屈折によって水平垂直偏光成分で位相差を受けるので、もはや左回り円偏光ではなく、楕円偏光になる。これは、円偏光基底の見方で考えると、右回り円偏光成分が発生しているとみなすことができる。もし、発生した右回り円偏光成分と透過した左回り円偏光成分の比が1になれば、特別に直線偏光となるが、現実的には楕円偏光になる。こうして、記録媒体を透過した再生光は、信号光成分の参照光成分の重ね合わせとみなせ、これを解析することで、情報を抽出できる。ここでは再生光の偏光状態が1つの成分からなると表現しているが、それは偏光基底の定義によるもので、円偏光基底で定義すると、左回り円偏光成分しかないので1つの成分となる。もちろん左回り円偏光は、他の二つの偏光成分で表現することができる。しかし、そのようにして数式展開を進めていくと、偏光状態に含まれる情報が見えづらくなり、ある平面内のベクトルがどんな二つの直交ベクトルの和でも表現できるのと同じで、そこに含まれる情報をいかに抽出するかが本発明の鍵であり、したがって、このことが、アゾベンゼンの光誘起複屈折特性自体は数十年前から知られているにも関わらず本発明に至らなかった原因と考えられる。
(光情報記録再生装置)
次に、本発明の光情報記録再生装置について詳しく説明する。図5は、本発明の光情報記録再生装置の一例を示す概略図である。本発明の光情報記録再生装置50は、上記した本発明の光情報記録再生方法を実施するための装置例であって、図5に示すように、任意の偏光基底において位相差を有する2つの直交する偏光成分をもつ偏光状態の記録光55を生成する記録光生成装置51と、任意の偏光基底において1つの偏光成分のみをもつ偏光状態の再生光65を生成する再生光生成装置61と、記録光55が有する光情報を記録するとともに、再生光65によって、記録された光情報を再生する記録媒体71と、記録媒体71に照射された後の情報光72を抽出して光情報として検出する光情報検出装置(図5中では、偏光計81として表している。)とを有する。
記録光生成装置51は、任意の偏光基底において位相差を有する2つの直交する偏光成分をもつ偏光状態の記録光55を生成する装置である。この記録光生成装置51については、図5に示すように、記録光用レーザー52と、記録光用レーザー52からのレーザー光53から、任意の偏光基底において位相差を有する2つの直交する偏光成分をもつ偏光状態の記録光55を生成する偏光生成装置54と、偏光生成装置54で生成された2つの直交する偏光成分に位相差(位相情報)を与える可変位相差付与装置(図5では、偏光変調装置54内に含まれる。)と、記録材料特性に合わせて偏光基底を変換する偏光基底変換装置(図5では、偏光変調装置54内に含まれる。)と、を有するように構成することができる。
記録光用レーザー52としては、比較的小型であり、記録媒体71が感度をもつ波長範囲(アゾベンゼン系材料の場合、波長400nm〜550nm)の半導体レーザー(レーザーダイオード)、Nd:YAGレーザー等の固体レーザーを用いる。具体的には、BDで使用されているレーザーダイオード(波長400nm〜410nm)が挙げられる。
偏光生成装置54及び偏光基底変換装置(図5では、偏光生成装置54内に含まれる。)としては、偏光子、1/4波長板、1/2波長板、補償板等を用いる。
可変位相差付与装置(図5では、偏光生成装置54内に含まれる。)としては、従来公知の可変位相子やリターダンスパターンが可変の位相型の空間光変調器を用いることができる。可変位相子は一様に位相を変調する装置であるが、空間光変調器は、格子状に配列された複数の画素を有し、各画素毎に出射光の位相を変調することができるように構成されている。具体的には液晶素子又は磁気光学素子を用いることができる。棒状の分子構造をもつ液晶分子が一定方向に配向すると、その分子配向に平行な軸と垂直な軸を主軸とした複屈折が生じる。その複屈折により、二つの直交する直線偏光に位相差を与える。また、その分子配向の配向度は電気的に変調することができるため、可変位相子となる。空間光変調器の場合は、画素毎に印加電圧を変えることで、二次元的な位相分布を与える。磁気光学素子は、磁気光学効果により、偏光方位を回転させる性質を持つ。偏光方位の回転は、偏光状態を円偏光基底で考えたとき、2つの直交する円偏光成分の位相差の変化と言い換えることができる。また、位相差(回転角)は磁場の強さを変えることで変調することができる。磁気光学効果による空間位相変調器はまだ十分な特性が得られていないが、将来的に利用できる可能性がある。液晶素子を用いる場合、直線偏光基底に対する可変位相子になり、磁気光学素子を用いる場合、円偏光基底に対応する可変位相子となる。
再生光生成装置61は、任意の偏光基底において1つの偏光成分のみをもつ偏光状態の再生光65を生成する装置である。この再生光生成装置61については、図5に示すように、再生光用レーザー62と、記再生用レーザー62からのレーザー光63を任意の偏光基底をもち、そのうちの1つの成分のみをもつ偏光状態を生成する偏光基底生成装置64と、偏光基底生成装置64で生成された偏光基底を変換する偏光基底変換装置(図5では、偏光基底生成装置64内に含まれる。)とを有するように構成することができる。
再生光用レーザー62としては、一度だけ書き換えが可能な種類の記録媒体を用いる場合、又は書き換え可能な種類の記録媒体を用い、記録媒体に変化を与えない程度に十分に強度を抑える場合には、記録時と同様に、記録媒体が感度をもつ波長範囲のレーザーダイオード、Nd:YAGレーザー等の固体レーザーを用いる。書き換え可能な種類の記録媒体を用いる場合、その記録媒体に影響を与えない波長(アゾベンゼン系材料の場合は600nm以上)のレーザーダイオードを用いてもよい。
記録媒体71は、記録光55が有する光情報を記録するとともに、再生光65によって記録された光情報を再生するための媒体である。この記録媒体71は、任意の偏光基底で表現された偏光状態に対して光誘起複屈折特性を示す光応答性分子を含む材料である。具体的には、既述のように、プッシュ−プル型のアゾベンゼンを含む材料等であることが好ましい。なお、光応答性分子の光誘起複屈折状態は、その光応答性分子が所定の偏光状態の光を吸収することによりその偏光状態の光を吸収しない方向に分子配向し、その分子配向した方位に主軸を持つ複屈折が生じる状態である。本発明では、こうした記録媒体71を用いるので、記録時においては任意の偏光基底で表せる偏光を照射して記録媒体に光誘起複屈折を生じさせ、一方、再生時においては任意の偏光基底で表現され、1つの成分からなる偏光を照射して記録媒体の複屈折特性によって変化を受けた偏光状態から情報を抽出することができる。
光情報検出装置(偏光計81のこと。以下同じ。)は、記録媒体71に再生光65が照射された後に発生した情報光72を抽出して光情報として検出する装置である。この偏光計81は、記録媒体71に照射された後の情報光72から、位相シフト法、又は偏光解析によって位相情報を抽出する装置である。記録と同時に記録光と異なる波長で再生を行い、記録しながら再生の確認をする場合は、カラーフィルター83を介し、記録光を遮断する。
カラーフィルター83は、再生光を含む波長範囲の光のみ透過し、記録光を吸収するものが用いられる。
偏光計81は、位相シフト法によって位相情報を抽出する場合、位相をシフトさせる可変位相子と偏光干渉を行う偏光子又は偏光ビームスプリッタ、偏光干渉によって得られる光強度を検出する光検出器から構成される装置を用い、偏光解析で位相情報を抽出する場合、偏光解析のためのストークスパラメータを測定するストークス偏光計を用いる。
より詳しい偏光計81としては、図4に例示したように(以下、図4の符号で表す。)、記録媒体14に照射された後の情報光14’を円偏光基底から直線偏光基底に偏光基底変換する1/4波長板15、その1/4波長板15を通過した後の情報光15’に含まれる二つの直交する偏光成分の間に所定のシフト量を与える可変位相子16、その可変位相子16を通過した情報光16’に所定の方位角を与える偏光子17、及び、その偏光子17を通過した情報光17’の強度を検出する検出器18を有するように構成する。
可変位相子16としては、直線偏光基底の場合は、液晶分子の配向度を電気変調する可変位相子を用いることができ、円偏光基底の場合は、円偏光基底の場合は、磁気光学効果を用いて、2つの直交する円偏光成分の間に位相差を与える磁気光学素子が用いられる。
検出器18としては、格子状に配列された多数の画素を有し、各画素毎に受光した光の強度を検出できる素子であり、具体的には、CCD型固体撮像素子やMOS型固体撮像素子を用いることができる。また、検出器18として、MOS型固体撮像素子と信号処理回路とが1チップ上に集積されたスマート光センサを用いてもよい。なお、各画素に情報光を収束させるために、検出器18の各画素の受光面に対向する位置に配置された複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイ(図示せず)を設けてもよい。
こうした本発明の光情報記録再生装置は、公知のBDやHD−DVD等の光メモリの場合と同様に、光ヘッド(図示しない)に収容されて用いられる。光ヘッドは、各要素を搭載したヘッド本体を有し、そのヘッド本体内のベース部には、支持台を介して記録光用レーザーと再生光用レーザー(記録光と再生光の波長が異なる場合)が固定されている。さらに、空間光変調器、検出器、ミラー、誘電体ミラー、1/4波長板等、上記した本発明の光情報記録再生装置を構成する各部材が固定されている。
本発明においては、公知の光メモリと同様、光ヘッドの構成部材として、記録光及び再生光を記録媒体上に集光させるレンズを用いるが、結像レンズ系を構成して記録媒体上に縮小パターンを生成してもよい。
図7は、光情報記録再生装置の一例を示す模式的な構成図である。図7に示す記録再生装置は、記録媒体4を光源29側に配置された偏光生成装置27と光情報検出装置28との間に挟み込んだ省スペース型の記録再生装置である。偏光生成装置27は複屈折性をもつ空間光変調器から構成され、記録光の生成と再生光の生成を行うことができる。記録再生装置は、マイクロレンズアレイ30,30を、偏光生成装置27と記録媒体4との間及び光情報検出装置28と記録媒体4との間に配置する。このマイクロレンズアレイ30,30は、光源29を偏光生成装置27で変調した変調光27’を記録媒体4に集光できる位置に設けられる。情報は各集光点付近に記録され、記録媒体4を図中の矢印方向に移動すれば、記録媒体中の記録されてない領域に別の情報を記録することも可能となり、密に記録再生することができる。また、既述したような面記録点再生、点記録面再生も可能となる。なお、図7においては、集光点は紙面に一列に配置されているが、紙面に垂直な方向にも集光点が配列していてもよいし、単一集光点であってもよい。
以上説明したように、本発明の光情報記録再生方法及び装置によれば、記録媒体に対し、任意の偏光基底において位相差を有する2つの直交する偏光成分をもつ偏光状態の記録光を照射して光情報を記録し、その後その記録媒体に対し、任意の偏光基底において1つの偏光成分のみをもつ偏光状態の再生光を照射して光情報を再生するように構成したので、偏光解析手法によって記録媒体に記録された光位相情報を再生することができる。しかも、偏光変調は同軸で行うことができ、ホログラフィのような二光束に分割する必要もないので、光学系を単純にすることができるとともに、振動に対する悪影響が生じることもない。さらに、この発明の光情報記録方法によれば、2つの偏光成分である信号光成分と参照光成分の偏光状態が直交しているため、それらが重なっていても信号光成分だけを変調することができ、その結果、ホログラフィック記録のように記録領域を分離する必要がなく、大容量を一度に記録することができる。
(実施例)
次に、本発明の光情報記録再生方法を用いた実験例について示す。図6は、実験に用いた光学系の模式図である。図6中、LDはレーザーダイオード、HWPは1/2波長板、QWPは1/4波長板、SCFはカラーフィルターを表している。記録光用レーザー光として、波長407nmのレーザーダイオードLDを用い、記録媒体として、優れた偏光応答性を有するアゾベンゼンコポリマーの薄膜を用いた。記録光パワーは、この薄膜の直前で8mWで、記録時間を10秒とした。再生光用レーザー光としては、非破壊再生のために、このアゾベンゼン薄膜に吸収されない波長632.8nmのHe−Neレーザーを用いた。位相情報は、位相変調型の空間光変調器によって二次元位相パターンとして与えた。
アゾベンゼン薄膜に与えた記録位相パターンの再生は、CCDカメラによって、位相シフト法で得られる4枚の強度分布を撮影して行った。得られた再生位相パターンの結果より、記録した位相パターンが再生されていることが確認され、二次元位相情報の記録と再生を行うことができた。
(リターダグラフィ)
次に、リターダグラフィについて説明する。図8は、リターダグラフィの一例を示す模式図である。図8に示すように、記録光用レーザー1からのレーザー光1’を偏光変調装置2で変調した直線偏光2’を物体(以下、「リターダンス物体20」という。)に照射すると、左右円偏光(例えば右回り円偏光(RCP)と左回り円偏光(LCP))からなる二つの成分(RCP,LCP)間に位相差が生じる。リターダグラフィは、この位相差が生じた記録光20’を偏光応答性の記録媒体21に記録する技術である。
リターダンス物体20は、照射された直線偏光2’を、十分な位相差をもたせた左右円偏光(RCP,LCP)にリターダンスをもつ物体であればよいが、通常、二つの直交する直線偏光2’に対してリターダンスをもつ物体が用いられる。そうしたリターダンス物体20としては、平行配列の液晶空間光変調器が用いられる。左右円偏光(RCP,LCP)にリターダンスをもつ物体としては、将来的に現在研究開発中の磁気空間光変調器が期待できる。具体的には、液晶空間光変調器としては、浜松ホトニクス社のLCOS(Liquid Crystal on Silicon)型空間光変調器X10468に含まれる液晶素子を例示できる。
(共役波の再生)
図9は、リターダグラム(リターダンスパターンが記録された記録媒体)22を再生する一例を示す模式図である。記録媒体を再生する際は、通常、上記の図9(A)(図3も同様)に示したように、位相差の基準となるほうの偏光状態の光(参照光成分)を記録媒体に照射する。例えば、左回り円偏光(LCP)に対する右回り円偏光(RCP)の位相差を記録した場合には、左回り円偏光(LCP)で再生する。しかし、本発明者は、参照光成分(左回り円偏光)とは逆の右回り円偏光を照射する実験を行ったところ、ホログラフィ(ホログラムメモリの記録技術)の特徴の一つである共役像の再生を確認した。
上記式7の直交する右回り円偏光(RCP)は、下記式16のジョーンズベクトルで表され、上記式5のジョーンズ行列を作用させると、下記式17のジョーンズベクトルが得られる。
Figure 2010020883
Figure 2010020883
さらに、光情報検出装置24(図5の偏光計81と同じもの)に含まれる1/4波長板によって水平直線偏光の組み合わせに変換すると、下記式18が得られる。
Figure 2010020883
上記式10の信号成分(水平偏光成分)は、リターダンス物体のあった位置から来た光のリターダグラム上での波面を表しているので、図9(A)において、リターダグラム22から来る光は、記録したリターダンス物体があった位置25から来ているように見える。式18の信号成分(垂直偏光成分)は、式10の信号成分と位相共役の関係にあるため、式18の信号成分の波面は式10の信号成分の波面が時間をさかのぼるように伝搬する。よって、図9(B)に示すように、リターダグラム22を中心として、リターダンス物体が存在した位置25と対称な位置26に実像を結ぶ。
具体的には、図9(A)に示す光学系で再生を行うと、リターダグラムから来る光は、記録したリターダンス物体があった位置25から来ているように見えるため、その位置25に二つのレンズ23,23でピントを合わせて光情報検出装置24で像を取得している。一方、共役波の場合は、図9(B)に示すように、記録したリターダンスパターンは別の位置26に像を結ぶので、図9(A)と同じ光学系を用いるとピンボケすることになる。本発明者は、共役波が像を結ぶ位置26にピントを合わせるように二つのレンズ23、23からなる結像光学系を調整して、記録したリターダンスパターンと同様のパターンを再生することができることを見出した。
図10は、上記共役波再生特性を利用した記録再生装置の一例を示す模式的な構成図である。偏光生成装置27は複屈折性をもつ空間光変調器から構成される。偏光生成装置27と光信号検出装置28とを、記録媒体22を中心とした対称位置に配置すると、共役波33は光信号検出装置28に結像する。したがって、こうした構成にすることにより、レンズが必要なくなり、光学系を大幅に小さくすることができる。このとき、記録密度を上げるためには、光の波長程度の画素サイズをもつ偏光生成装置27と光信号検出装置28を適用することが好ましい。
図11は、記録媒体から見て光源側に光情報検出装置がある反射型の記録再生装置の具体例である。図11中、HWPは1/2波長板、QWPは1/4波長板、SFは空間フィルター、PBSは偏光ビームスプリッタ、VFRは可変ファラデー回転子、VRは可変リターダー、LC−SLMは平行配列型液晶空間変調器を表している。この記録再生装置34は、共役波の再生特性の具体的な適用例である。この反射型の記録再生装置34では、記録媒体22の後ろ側にミラーを配置する。ここで、情報源の平行配列液晶空間光変調器(LC−SLM)とミラーとイメージセンサとが結像関係にあるように構成されている。
図11において、先ず、記録再生レーザーから発したレーザーの偏光状態を二つの波長板(1/2波長板と1/4波長板)で水平偏光にする。次に、レンズと空間フィルターでビームを広げた後、水平偏光を透過し且つ垂直偏光を反射する偏光ビームスプリッタに通す。
ここで、記録の場合は、可変ファラデー回転子と可変位相子はスイッチオフ(偏光変調しない状態)にする。水平偏光は、1/2波長板で45度直線偏光に変換され、水平偏光と垂直偏光に位相差を与える平行配列液晶空間光変調器(LC−SLM)で情報を与える。その情報は、1/4波長板で情報に対応した方位をもつ直線偏光パターンに変換される。そのパターンを縮小して記録媒体に記録する。
一方、再生の場合は、可変ファラデー回転子と1/2波長板の両方を使って、垂直偏光にする。可変位相子は、位相シフト法のため、水平偏光と垂直偏光の間に位相差を与えるが、垂直偏光成分のみの光には何も影響を与えない。平行配列液晶空間光変調器(LC−SLM)は位相差を与えない状態にしておき、1/4波長板で左回り偏光にする。そして、記録媒体22を透過した後、記録情報に対応した偏光方位をもつ楕円偏光になる。ミラーで反射した後には再び記録媒体22を通るが、このとき左回り円偏光成分は、右回り円偏光成分に変わる。また、裏面から来た光に対して、記録媒体中の位相情報の符号も反転する。位相情報の符号が反転した記録媒体に対して、左回り円偏光を照射すると、その共役波(左回り円偏光)はもとの位相情報をもつ。表面から再生した再生信号(右回り円偏光)は、ミラーによって左回り円偏光になる。そのため、表面から再生した信号と裏面から再生した信号は重なり、一つの信号光成分(左回り円偏光)となる。なお、ミラーは記録媒体22の裏面に接続していても構わない。左回り円偏光の信号光成分と右回り円偏光の参照光成分を1/4波長板に通すと、それぞれ垂直偏光成分、水平偏光成分に変換される。この垂直偏光成分と水平偏光成分に対して可変位相子で位相シフト法を適用し、さらに、1/2波長板と可変ファラデー回転子によって、垂直偏光成分(信号光成分)と水平偏光成分(参照光成分)を別の直交する直線偏光成分のペア(例えば45度/−45度直線偏光のペア)に変換し、さらに、それぞれの垂直偏光成分を偏光ビームスプリッタで反射し、最後にイメージセンサに導く。こうして情報の再生を行うことができる。
(体積記録)
次に、体積記録について説明する。波長に比べて十分に大きな厚みをもった記録媒体を用いると、記録媒体中に三次元的に複屈折パターンを生成させることができる。三次元的な複屈折パターンは、既述した図7のように複数の集光スポットで生成させてもよいし、記録光を多重に照射することによって生成させてもよい。図12及び図13は、体積記録を説明するための模式図である。図中の符号36は体積記録媒体35の媒体面である。本発明に係る方式で三次元記録を行うと、記録媒体35への大容量記録(ホログラフィックメモリと同程度)が可能となる。説明を簡単にするため、一例として、位相差が0とπだけの2値記録の場合で説明する。
信号光成分を右回り円偏光、参照光成分を左回り円偏光とすると、左右円偏光の位相差が0の場合は水平偏光になり、πの場合は垂直偏光になる。図12に示すように、水平偏光と垂直偏光からなるパターンを、任意の厚みをもつ記録媒体に同方向から記録すると、偏光方位に対応した主軸をもつ複屈折が誘起される。具体的には、アゾベンゼン膜の場合は、記録した偏光方位と平行な方位をもつ偏光に対しては、屈折率が低い主軸を持つ。逆に記録した偏光方位と垂直な方位をもつ偏光に対しては、屈折率が高い主軸となる。このように、主軸は二つあり、以後、屈折率が低いほうを「主軸」として説明する。なお、実際には光は直線的に伝搬しないが、簡単のために直線で表現することにする
図13は、2つの情報光パターンを別の角度から記録した例である。なお、図13では同一のパターンで示しているが、当然異なるパターンであってもよい。また、実際の構成では、入射角度を変えるよりも、記録媒体を回転する方が単純であり好ましい。ここで、水平偏光が、複屈折主軸0度の位置を通るとより複屈折値(二つの主軸に対する屈折率差)が増大し、複屈折主軸90度の位置を通ると相殺して複屈折値が減少する。また、垂直偏光が、複屈折主軸90度の位置を通ると複屈折値が増大し、複屈折主軸0度の位置を通ると相殺する。図13において、垂直偏光同士が重なった部分や水平偏光同士が重なった部分、すなわち同種の偏光が重なった部分(図13中の重複部分で表す。)ほど、複屈折値が高いことを意味している。
図13に示すように、多重に記録された部分は、複屈折の三次元的なパターンとなる。再生の場合、左回り円偏光を記録時と同様に入射角度を変えて複数回行い、投影切断面定理を利用した三次元構造の再構成により三次元複屈折パターン及び記録情報を抽出することができる。「投影切断面定理」とは、三次元構造体をある角度から正射投影し、その二次元フーリエスペクトルがその構造体の三次元フーリエ空間において原点を通る切断面に一致するというものである。角度を変えた複数回の投影によって三次元フーリエ空間を切断面で埋めることができ、三次元逆フーリエ変換によって三次元構造体を再構成することが可能である。光の回折効果を考慮すると、切断面は曲面となるが、曲面を用いても三次元フーリエ空間を埋めることができる。なお、多重方式は異なるものであるが、ホログラ厶メモリでは多重記録によって同等の大容量性を実現しているが、ここで説明した三次元記録は、記録再生装置の簡便性の点で、ホログラムメモリと同等以上と言うことができる。
このように、本発明の光情報記録再生方法においては、記録媒体に複数回の記録光を照射して三次元的な複屈折パターンを形成し、その記録媒体に複数回の再生光を照射して三次元的な複屈折パターンに含まれる情報の再生を行うことが可能となる。そして、この場合においては、上記のように、その三次元的複屈折パターンに含まれる情報を、投影切断面定理を用いた三次元構造の再構成により抽出することができるので、より好ましい。
また、本発明の光情報記録再生装置においては、装置を構成する光情報検出装置が、記録媒体に照射された後の情報光に含まれる信号光成分と参照光成分から、位相シフト法と偏光干渉によって得られた複数の強度情報から位相情報を抽出する装置である場合において、その記録媒体を複数回の記録光の照射により三次元的な複屈折パターンが形成されたものとしたとき、その記録媒体に複数回の再生光を照射して三次元的な複屈折パターンに含まれる情報の再生を行うことができる。この場合も、上記方法の場合と同様、三次元的複屈折パターンに含まれる情報を、投影切断面定理を用いた三次元構造の再構成により抽出することができる。
1 記録光用レーザー
1’ レーザー光
2 偏光変調装置
2’ 変調光
3 1/4波長板
3’ 記録光
4 記録媒体
11 再生光用レーザー
11’ レーザー光
12 偏光変調装置
12’ 変調光
13 1/4波長板
13’ 再生光
14 記録媒体
14’ 情報光
14a 右回り円偏光成分
14b 左回り円偏光成分
15 1/4波長板
15’ 再生信号(情報光)
15a 水平偏光成分
15b 垂直偏光成分
16 可変位相子
16’ 情報光
17 偏光子
17’ 情報光
17a,17b 直線偏光成分
18 検出器
20 リターダンス物体
21 偏光応答性記録媒体
22 リターダグラム(記録媒体)
23 レンズ
24 光情報検出装置(イメージングポラリメーター)
25 記録したリターダンス物体があった位置
26 記録物体の実像位置
27 偏光生成装置
27’ 変調光
28 光信号検出装置
29 情報源
30 マイクロレンズアレイ
33 情報源
34 反射型記録再生装置
35 体積記録媒体
36 体積記録媒体の記録面
51 記録光生成装置
52 記録光用レーザー
53 レーザー光
54 偏光変調装置
55 変調された記録光
56 誘電体ミラー
57 レンズ
61 再生光生成装置
62 再生光用レーザー
63 レーザー光
64 偏光変調装置
65 再生光
66 ミラー
71 記録媒体
72 情報光
81 偏光計(光情報検出装置)
83 カラーフィルター
P1 垂直偏光成分
P2 水平偏光成分
S 偏光位相差
LD レーザーダイオード
HWP 1/2波長板
QWP 1/4波長板
SCF カラーフィルター
SF 空間フィルター
PBS 偏光ビームスプリッタ
VFR 可変ファラデー回転子
VR 可変リターダー
LC−SLM 平行配列型液晶空間変調器

Claims (19)

  1. 任意の偏光基底において位相差を有する2つの直交する偏光成分をもつ偏光状態の記録光を、記録媒体に照射して該記録媒体に光情報を記録する光情報記録手段と、
    任意の偏光基底において1つの偏光成分のみをもつ偏光状態の再生光を前記光情報が記録された記録媒体に照射し、照射された後に該記録媒体から発生したもう1つの偏光成分と前記1つの偏光成分とからなる光情報を再生する光情報再生手段と、を有することを特徴とする光情報記録再生方法。
  2. 前記偏光基底が、記録媒体上においては記録時と再生時で同じである、請求項1に記載の光情報記録再生方法。
  3. 前記偏光基底が、記録媒体以外の場所においては記録時と再生時で異なる、請求項1又は2に記載の光情報記録再生方法。
  4. 記録時と再生時における偏光基底が、水平偏光と垂直偏光の組み合わせ、所定の偏光方位角(水平偏光と垂直偏光を除く。)を有した直交する2つの直線偏光の組み合わせ、右回り円偏光と左回り円偏光の組み合わせ、所定の偏光方位角を有した直交する2つの楕円偏光の組み合わせのいずれかである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光情報記録再生方法。
  5. 前記記録媒体が、前記2つの偏光成分からなる偏光状態に応答して光誘起複屈折を示す光応答性分子を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光情報記録再生方法。
  6. 前記光応答性分子の光誘起複屈折性は、該光応答性分子が所定の偏光状態の光を吸収することにより該偏光状態の光を吸収しない方向に分子配向し、該分子配向に依存した方位に主軸を持つ複屈折が生じる性質である、請求項5に記載の光情報記録再生方法。
  7. 前記2つの偏光成分が有する位相差が−π〜πの範囲内である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光情報記録再生方法。
  8. 前記2つの偏光成分の偏光変調を空間光変調器によって生じさせる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光情報記録再生方法。
  9. 前記記録媒体に複数回の記録光を照射して三次元的な複屈折パターンを形成し、該記録媒体に複数回の再生光を照射して三次元的な複屈折パターンに含まれる情報の再生を行う、請求項1に記載の光情報記録再生方法。
  10. 前記三次元的複屈折パターンに含まれる情報を、投影切断面定理を用いた三次元構造の再構成により抽出する、請求項9に記載の光情報記録再生方法。
  11. 任意の偏光基底において位相差を有する2つの直交する偏光成分をもつ偏光状態の記録光を生成する記録光生成装置と、
    任意の偏光基底において1つの偏光成分のみをもつ偏光状態の再生光を生成する再生光生成装置と、
    前記記録光が有する光情報を記録するとともに、前記再生光によって記録された光情報を再生する記録媒体と、
    前記記録媒体に前記再生光が照射された後に発生した情報光を抽出して光情報として検出する光情報検出装置と、を有することを特徴とする光情報記録再生装置。
  12. 前記記録光生成装置が、記録光用レーザーと、該記録光用レーザーからのレーザー光を、任意の偏光基底において2つの直交する偏光成分をもつ偏光状態で生成する偏光生成装置と、該偏光生成装置で生成された偏光状態の2つの直交する偏光成分に任意の位相差を与える可変位相差付与装置と、該可変位相差付与装置で変調された偏光状態の偏光基底を前記記録媒体の特性に合わせて変換する偏光基底変換装置とを有する、請求項11に記載の光情報記録再生装置。
  13. 前記再生光生成装置が、再生光用レーザーと、該記再生用レーザーからのレーザー光を、任意の偏光基底において1つの偏光成分のみをもつ偏光状態で生成する偏光生成装置とを有する、請求項11又は12に記載の光情報記録再生装置。
  14. 前記記録媒体が、前記2つの偏光成分からなる偏光状態に応答して光誘起複屈折を示す光応答性分子を含む材料である、請求項11〜13のいずれか1項に記載の光情報記録再生装置。
  15. 前記光情報検出装置が、前記記録媒体に照射された後の再生光に含まれる位相情報を偏光干渉によって強度情報として検出する装置である、請求項11〜14のいずれか1項に記載の光情報記録再生装置。
  16. 前記光情報検出装置が、前記記録媒体に照射された後の情報光に含まれる信号光成分と参照光成分から、位相シフト法と偏光干渉によって得られた複数の強度情報から位相情報を抽出する装置である、請求項11〜14のいずれか1項に記載の光情報記録再生装置。
  17. 前記光情報検出装置が、前記記録媒体に照射された後の情報光に含まれる信号光成分と参照光成分から、位相シフト法と偏光干渉によって得られた複数の強度情報から位相情報を抽出する装置であって、
    当該光情報検出装置が、前記記録媒体に照射された後の情報光の偏光基底を変換する偏光基底変換装置、該偏光基底変換装置を通過した後の情報光の2つの偏光成分間に所定のシフト量を与える可変位相子、該可変位相子を通過した情報光に含まれる2つの偏光成分の複素振幅を所定の比で重ね合わせる偏光干渉装置、及び、該偏光干渉装置を通過した情報光の強度を検出する検出器を有する、請求項11に記載の光情報記録再生装置。
  18. 前記光情報検出装置が、前記記録媒体に照射された後の情報光に含まれる信号光成分と参照光成分から、位相シフト法と偏光干渉によって得られた複数の強度情報から位相情報を抽出する装置であって、
    前記記録媒体は複数回の記録光の照射により三次元的な複屈折パターンが形成されたものであり、該記録媒体に複数回の再生光を照射して三次元的な複屈折パターンに含まれる情報の再生を行う、請求項11に記載の光情報記録再生装置。
  19. 前記三次元的複屈折パターンに含まれる情報を、投影切断面定理を用いた三次元構造の再構成により抽出する、請求項18に記載の光情報記録再生装置。
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