JP2010018889A - 処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】処理装置において、被処理体を収容する処理容器22と、処理容器内へ原料ガスを供給する原料ガス供給系50と、処理容器内へ反応性ガスを供給する反応性ガス供給系52と、真空ポンプ44、46を有する真空排気系36と、処理容器を迂回させるために原料ガス供給系と真空排気系とを連通す原料ガスバイパス系62と、処理容器を迂回させるために反応性ガス供給系と真空排気系とを連通する反応性ガスバイパス系66と、原料ガスバイパス系内に介設されて原料ガスの流出を防止する原料ガス流出防止開閉弁X1と、反応性ガスバイパス系内に介設されて反応性ガスの流出を防止する反応性ガス流出防止開閉弁Y1とを備え、真空排気系内に原料ガスと反応性ガスとが同時に流れ込まないようにする。
【選択図】図1
Description
例えば半導体ウエハに対して1枚毎に熱処理を施す枚葉式の処理装置を例にとれば、真空引き可能になされた処理容器内に、例えば抵抗加熱ヒータ等を内蔵した載置台を設置し、この上面に半導体ウエハを載置した状態で所定の処理ガスを流し、所定のプロセス条件下にてウエハに各種の熱処理を施すようになっている(例えば特許文献1)。
また電気的特性が良好な絶縁膜(誘電体膜)を形成する一例として、例えばZrCl4 やZrBr4 等のハロゲン金属化合物とオゾンやH2 O2 等とを用いてZrO2 等の高誘電体膜を堆積させている(特許文献2)。
このような状況下で、ウエハ上の堆積膜をより薄膜化しても膜厚の面内均一性及び堆積膜の電気的特性を更に高く維持する成膜方法として、例えば先の特許文献2に開示されているように、真空引き可能になされた処理容器内に、抵抗加熱ヒータ内蔵の基板保持台を設け、この処理容器内に種類の異なる複数の処理ガス、例えばZrCl4 ガスとオゾンとを互いに間欠的に交互に流しつつ上記基板保持台上に保持した半導体ウエハ表面に一分子層程度の厚さのZrO2 薄膜を繰り返し積層するようにした処理方法が知られている。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、真空ポンプを備えた真空排気系内に原料ガスと還元ガスや酸化ガス等の反応性ガスとが同時に流れ込まないようにし、もって真空ポンプ内で故障の原因となる不要な膜が生成されることを防止することができ、また複雑な装置を設けることなく排気効率を上げることが可能な処理装置及びその使用方法を提供することにある。
また本発明の他の目的は、排気ガス中から不純物ガスを除去するトラップ装置のメンテナンス頻度を抑制することが可能な処理装置を提供することにある。
この場合、例えば請求項2に規定するように、前記真空ポンプ内に前記原料ガスと前記反応性ガスとが同時に流れ込まないように前記原料ガス供給系と前記反応性ガス供給系と前記原料ガス流出防止開閉弁と前記反応性ガス流出防止開閉弁とを制御するガス供給制御部を有する。
また例えば請求項3に規定するように、前記ガス供給制御部は、前記処理容器内へ前記原料ガスと前記反応性ガスとを交互に間欠的に流すと共に、前記原料ガスと反応性ガスの内、互いに一方のガスを前記処理容器内へ流している時に、他方のガスの流量を安定化させるために該他方のガスのバイパス系に該バイパス系に介設した流出防止開閉弁を閉じた状態でガスを導入するように制御する。
また例えば請求項5に規定するように、前記ガス供給制御部は、前記処理容器内へ前記原料ガスの供給を停止した時には所定の時間だけ遅延した後に前記反応性ガス流出防止開閉弁を開状態に切り替えるように連動させ、前記処理容器内へ前記反応性ガスの供給を停止した時には所定の時間だけ遅延した後に前記原料ガス流出防止開閉弁を開状態に切り替えるように連動させる。
また例えば請求項7に規定するように、前記反応性ガスは、酸化ガスである。
また例えば請求項8に規定するように、前記原料ガスはWF6 ガスであり、前記還元ガスはシラン系ガスまたは水素ガスである。
また例えば請求項9に規定するように、前記真空排気系には排気ガス中の不純物ガスを除去する除害装置が設けられる。
この場合、例えば請求項12に規定するように、前記反応性ガスは、酸化ガスである。
この場合、例えば請求項13に規定するように、前記原料ガスはWF6 ガスであり、前記還元ガスはシラン系ガスまたは水素ガスである。
また例えば請求項16に規定するように、前記反応性ガスバイパス系の下流側は、前記トラップ装置よりも下流側において前記真空排気系に接続されている。 また例えば請求項17に規定するように、前記不要原料ガス排気系の下流側は、前記トラップ装置よりも下流側において前記真空排気系に接続されている。
また例えば請求項18に規定するように、前記不要原料ガス排気系の下流側は、原料ガス用除害装置を介して大気側へ開放されている。
また例えば請求項19に規定するように、前記原料ガスはTiCl4 ガスであり、前記反応性ガスはNH3 ガスである。
また上記理由により、従来の真空排気系で必要としたトラップ装置を不要にできる。更には除害装置において、各ガス種が時間をずらして別々に流れることにより、SiH4 等の不純物ガスの燃焼分解効率が上がり、より効率よく除害処理を行なうことができる。従って、スループットも向上できる。
請求項14乃至19に係る発明によれば、処理容器内に流れたガスを排気する真空排気系とは別個に、処理容器を迂回させて原料ガスを流すための不要原料ガス排気系を設けて、例えば流量安定化を目的として原料ガスを流すときにはこの不要原料ガス排気系を介して棄てるようにしたので、上記真空排気系に介設されているトラップ装置の負担が軽減されることになり、この結果、このトラップ装置のメンテナンス頻度を抑制することができる。
<第1の発明>
まず第1の発明について説明する。この第1の発明では原料ガスとしてWF6 ガスを用い、反応性ガスとして還元ガスであるSiH4 ガスを用いて両ガスを互いに供給時期をずらして間欠供給してタングステン膜(種付け膜)を形成する場合を例にとって説明する。
図1は本発明に係る処理装置の全体を示す概略構成図、図2は処理容器内に実際に流れ込む各ガスの供給状態を示すタイミングチャート、図3は各開閉弁の開閉動作と各部における各ガスの流れ状態を示す図である。
また上記反応性ガス供給系52は、上記シャワーヘッド部30に接続される反応性ガス供給管58を有しており、この反応性ガス供給管58には、その上流側より下流側に向けて、反応性ガス開閉弁58A、マスフローコントローラのような反応性ガス流量制御器58B及び開閉弁よりなる反応性ガス用第1切替弁Y3が順次介設されている。
そして、上記処理容器22を迂回させるために、上記原料ガス供給系50と上記真空排気系36とを連通して原料ガスバイパス系62が設けられており、ここに原料ガスを選択的に流すようになっている。具体的には、上記原料ガスバイパス系62は、上記原料ガス流量制御器56Bと原料ガス第1切替弁X3との間の原料ガス供給管56から分岐される原料ガスバイパス管64を有しており、この原料ガスバイパス管64の下流側は、上記遮断弁42と第1の真空ポンプ44との間の排気管38に接続して連通されている。そしてこの原料ガスバイパス管64の上流側には、開閉弁よりなる原料ガス第2切替弁X2が介設されている。
ここでは成膜方法の一例として図2に示すように膜の種付けを行うための初期タングステン膜を形成する初期タングステン膜形成工程を行い、その後、引き続いて主タングステン膜を形成する主タングステン膜形成工程を連続的に行う場合を例にとって説明する。この場合、プロセス圧力は例えば1000Pa程度、プロセス温度は例えば410℃程度であるが、これらの値は特に限定されない。
ここで、上記初期タングステン膜形成工程において、上記した各サイクルでWF6 ガス、SiH4 ガスを処理容器22内へ実際に流入させる前に、それぞれ数秒間、例えば3秒間程度、プリフローをその都度行ってWF6 ガスやSiH4 ガスの流量を安定化させている。このプリフロー時に流されるWF6 ガスやSiH4 ガスは、前述したように、処理容器22内に流されることなく、各バイパス管64、68を介して直接的に真空排気系36に棄てられる。この際、本発明においては、WF6 ガスとSiH4 ガスとが同時に真空排気系36内へは流れ込まないように各弁の開閉動作を制御することになる。
さてこのような状態で、WF6 ガスを処理容器22内へ流す場合には、原料ガス供給管56に介設される原料ガス第1切替弁X3は開状態とし、原料ガスバイパス管64に介設される原料ガス第2切替弁X2は閉状態とする。また逆に、WF6 ガスを処理容器22内へは流さないで原料ガスバイパス管64側へ流す、或いは導入する場合には、原料ガス第1切替弁X3は閉状態とし、原料ガス第2切替弁X2を開状態とする。
尚、各バッファタンク70、72に貯まったガスを真空排気系36側に流すタイミングは、同種のガスが処理容器22内へ供給される時に、それぞれのガス流出防止開閉弁X1、Y1を開状態とすればよい。
図中、”プリフロー”はプリフロー操作を行っている状態を示し、”フロー”は処理容器22内へガスを供給している状態を示している。ここでは各ガスのプリフローはそれぞれ3秒間行っており、その後、フローとして1.5秒間だけガスを処理容器22内へ流している。各開閉弁及び切替弁の開閉状態は”○”印が開状態を示し、”×”印が閉状態を示している。
そして、処理容器22、各バイパス管64、68、各真空ポンプ44、46に実際にガスが流れ込んでいるか否かを斜線の有無によって示しており、斜線の部分はガスの流れが存在することを表している。
これに対して、SiH4 ガスに関しては、弁Y3は閉状態を維持して処理容器22内へはガスを流さず、弁Y2を閉状態から開状態に切り替えると共に弁Y1を開状態から閉状態に切り替え、これによりSiH4 ガスが高真空になされている反応性ガスバイパス管68内及び反応性ガスバッファタンク72内に流れ込むことにより、プリフローが行われる。この時、上述のように弁Y1は閉状態なので、このSiH4 ガスが真空ポンプ44、46側に流れることはなく、従って、WF6 ガスが流れているこのポンプ44、46内及び真空排気系36内にてタングステン膜が付着することはない。
これに対して、SiH4 ガスに関しては、先のステップ3の状態をそのまま維持してプリフロー操作を継続する。すなわち、このステップ4は図2中のパージ工程80に対応する。
これに対して、SiH4 ガスに関しては、弁Y1及び弁Y3は閉状態から開状態へそれぞれ切り替え、弁Y2は開状態から閉状態へ切り替える。これにより、処理容器22内へSiH4 ガスを流してフローを行うと同時に、反応性ガスバイパス管68へのSiH4 ガスの供給を停止してプリフローを終了する。この時、弁Y1は開状態なので反応性ガスバイパス管68内や反応性ガスバッファタンク72内は真空引きされて高真空になされ、次のプリフロー操作に備える。そして、このステップ5の時に、処理容器22内では、先のステップ3の時にウエハWの表面に付着したWF6 ガスとここで供給されたSiH4 ガスとが反応して薄いタングステン膜が形成される。
これに対して、SiH4 ガスに関しては、弁Y1は開状態を、弁Y2は閉状態をそれぞれ維持し、弁Y3が開状態から閉状態へ切り替えられる。これにより、処理容器22内へのSiH4 ガスの供給は停止されると同時に、図示しないN2 ガス等を処理容器22内へ供給しつつ真空引きするなどして処理容器22内の残留ガスを排除する。この時、真空ポンプ44、46内には、処理容器22内の残留SiH4 ガスが流れ込んでいると共に、反応性ガスバイパス管68内や反応性ガスバッファタンク72内は真空引きされて更に高真空になされて次のプリフロー操作に備える。すなわち、このステップ6は図2中のパージ工程80に対応する。ここで上記ステップ3〜ステップ6が1サイクルを形成し、以後は、このサイクルが必要回数、例えば20〜30回程度繰り返し行われることになる。
図4は従来の処理装置の全体を示す概略構成図であり、図5は図4に示す処理装置における各開閉弁の開閉操作と各部における各ガスの流れ状態を示す図である。
図4に示すように、この従来の処理装置は、図1に示す本発明の処理装置から原料ガス流出防止開閉弁X1、原料ガスバッファタンク70、反応性ガス流出防止開閉弁Y1及び反応性ガスバッファタンク72を設けないで取り除いた点以外は、全て図1に示す処理装置の構成と同じであるので、図4では同一構成部分に同一符号を付してある。
ここで上記各バッファタンク70、72の設計の一例について説明する。ガス流量を制御するマスフローコントローラのような流量制御器56B、58Bは、この部分の流速が音速に達して音速ノズル状態を維持するには、上下流の圧力比が0.5以下となるように設定する必要がある。
Q=450×10−6×101325/60=0.76Pa・m3 /sec
従って、プリフローの期間で流れる量Pv[Pa・m3 ]は以下のようになる。
Pv=3×Q=2.28Pa・m3
従ってボイル・シャルルの法則によりバッファタンクの容量Vは次のようになる。
V=Pv/ΔP=2.28/35000=6.5×10−5m3 (以上)
同様に、反応性ガス流出防止開閉弁Y1を原料ガス第1切替弁X3と連動させ、例えば弁X3が開に切り替わった時に弁Y1を閉に切り替え、弁X3が開状態から閉状態に切り替わった時に、1.5秒の遅延(ディレイ)後に弁Y1を閉状態から開状態へ切り替わるようにする。
また更に、ここでは原料ガスとしてWF6 ガスを供給し、反応性ガスとして還元ガスとなるSiH4 ガスを供給したが、還元ガスとしてはSiH4 ガスに限定されず、H2 ガス、ジシラン、ジクロルシラン等を用いてもよい。また原料ガスとして他のガス種、例えばZrCl4 を用いて酸化により成膜を行う場合には、反応性ガスとして酸化ガス、例えばO3 を用いるようにしてもよい。
次に第2の発明について説明する。
この第2の発明の目的は、真空排気系に介設されているトラップ装置のメンテナンス頻度を抑制する点にある。尚、ここではTiCl4 ガスとNH3 ガスとを用いて熱CVDによりTiN膜を成膜する場合を例にとって説明する。図6は従来の処理装置の一例を示す概略構成図である。
この処理装置の処理容器22内の構造は、天井部にシャワーヘッド部30を有し、内部に抵抗加熱ヒータ26を内蔵する載置台24を有する点は図1中の構成と同じなので、ここでは図1中の構成部品と同じ符号を付してその説明を省略する。
またこのシャワーヘッド部30には、反応性ガスとして例えばNH3 ガスを供給する反応性ガス供給系98が接続されている。このNH3 ガスは大流量を使用する場合と小流量を使用する場合とがあり、それぞれの使用量の領域に対応させた2つの流量制御器100A、100Bが、上記反応性ガス供給系98の途中に並列に介設されると共に、各流量制御器100A、100Bの上流側には、それぞれ開閉弁102A、102Bが介設されており、これらの開閉弁102A、102Bを切り替えることにより、制御流量の領域を選択できるようになっている。例えば一方の流量制御器100Aは大流量域を制御対象とし、他方の流量制御器100Bは小流量域を制御対象としている。そしてこの反応性ガス供給系98の最下流であってシャワーヘッド部30の上流側には第1切替弁104Aが介設されている。
ここで反応性バイパス管112の下流側をトラップ装置106の下流側へ接続する理由は、NH3 ガスをここに流しても反応副生成物を作らないので、トラップ装置106に通すことなく棄てるのである。また上記トラップ装置106ではTiCl4 ガスや、この反応副生成物であるNH4 Cl、TiClx(チタン塩化物)、TiO2 (チタン酸化物)などが除去されることになる。
このため、トラップ装置106内の捕集物が短時間で大量になってしまうので、トラップ装置106のメンテナンス作業の頻度が高くなってしまい、その分、処理装置の稼働率の低下を引き起こしてしまう。また、反応副生成物が多量に流れるので配管内を閉塞する等の不都合もあった。
この図7に示す処理装置では、図6中の原料ガスバイパス管110に代えて、不要原料ガス排気系120を設けている。具体的には、この不要原料ガス排気系120は、図6に示す原料ガスパイバス管110と同様に、原料供給系90より分岐させたガス配管122を有している。そして、このガス配管122の途中には、その上流側より下流側に向けて図6中のトラップ装置106と同様な構成の原料用ガス用トラップ装置124、ドライポンプのような原料ガス用真空ポンプ126及び排気ガス中の不純物ガス(TiCl4 )を例えば燃焼して除去する原料ガス用除害装置128が順次介設させて設けられている。そして、上記原料ガス用トラップ装置124の直ぐ上流側及び直ぐ下流側にはこの原料ガス用トラップ装置124のメンテナンス時等に閉じる開閉弁130A、130Bがそれぞれ介設されている。
まずステップ1の”Preheat”で抵抗加熱ヒータ26をオンして載置台24及びこの上に載置したウエハWを加熱して所定の温度に維持する。この時間は例えば10sec程度である。この時、大流量用及び小流量用の両流量制御器100A、100Bを介してそれぞれ流量制御しつつNH3 ガスを処理容器22内に流している。尚、真空排気系36も駆動して真空引きしているのは勿論である。これ以降、小流量のNH3 ガスは、このガス流量を安定化させるために流量制御器100Bにより継続的に流されており、成膜に不要な時には処理容器22内に流れることなく反応性ガスバイパス管112を介して棄てられるのは前述した通りである。
次に、ステップ3の”Stable 1”で上記ステップ2の状態を0.1〜15secの範囲、例えば10sec継続し、ガス流量を安定化させる。ここでステップ2及び3でプリフローとして流れたTiCl4 ガスの総流量は16.7sccである。
次に、ステップ5の”Depo”では、NH3 ガスの第1及び第2切替弁104A、104Bを切り替えて今まで棄てていた小容量のNH3 ガスを処理容器22内へ流し、成膜処理を行う。このように処理容器22内へNH3 ガスを流すことにより、このNH3 ガスがウエハWの表面に吸着していたTiCl4 ガスと熱分解反応して熱CVDにより薄いTiN膜(チタン窒化膜)が形成されることになる。ここで吸着していたTiCl4 ガスはTiN膜形成時の核となるべきものであり、これによりインキュベーションタイムを短縮することができる。この時のプロセス時間は0.1〜15secの範囲、例えば10secである。このステップ4及び5で処理容器22内へ流れたTiCl4 ガスの総流量は16.7sccである。
次に、ステップ7の”Purge 2”では大流量のNH3 ガスも流し始めてこの流量を安定化させる。この時、処理容器22内は真空引きされて図示しない不活性ガス、例えばN2 ガスが流されて残留ガスが排気されている。このプロセス時間は0.1〜15secの範囲、例えば10secである。
次に、ステップ9の”Vacuum”で全ガスの供給を停止して、成膜処理を終了することになる。
以上のように、1サイクルでのTiCl4 ガスの総流量は、全体として41.7sccであり、その内、16.7sccが処理容器22を介してトラップ機構106へ流れ込み、他の25sccのTiCl4 ガスは原料ガス用トラップ装置124側へ流れ込むことになる。すなわち、TiCl4 ガスの全使用量の約40%(=16.7÷41.7)しかトラップ装置106内へは流れ込まないので、このトラップ装置106の寿命は2.5倍程長くなり、その分、このトラップ装置106のメンテナンス頻度を抑制することが可能となる。
また実施例では不要原料ガス排気系120に原料ガス用トラップ装置124を設けたが、これを設けないで、ガス配管122内に流れてきたTiCl4 ガスを原料ガス用除害装置128で除去するようにしてもよい。またこの原料ガス用トラップ装置124を、複数個、例えば2個並列させて設けて選択的に使用できるようにしてもよい。これによれば、原料ガス用トラップ装置のメンテナンス時に処理装置の稼働を停止する必要がないので、装置稼働率を向上させることができる。
また本実施例では、第1及び第2切替弁96A、96B及び104A、104Bはそれぞれ別体のものを用いたが、これに替えて、同様な機能を有する三方弁等を用いてもよい。また、ここでは1つの処理装置について説明したが、同様な構造の処理装置が複数存在する場合には、上記複数の処理装置の各ガス配管122を共通に接続し、1つの原料ガス用トラップ装置124、原料ガス用真空ポンプ126及び原料ガス用除害装置128を共用するようにしてもよい。
尚、本実施例では、被処理体として半導体ウエハを例にとって説明したが、これに限定されず、LCD基板、ガラス基板等にも適用できるのは勿論である。
22 処理容器
24 載置台
36 真空排気系
44,46 真空ポンプ
50 原料ガス供給系
52 反応性ガス供給系
56 原料ガス供給管
56A 原料ガス開閉弁
56B 原料ガス流量制御器
58 反応性ガス供給管
58A 反応性ガス開閉弁
58B 反応性ガス流量制御弁
62 原料ガスバイパス系
64 原料ガスバイパス管
66 反応性ガスバイパス系
68 反応性ガスバイパス管
70 原料ガスバッファタンク
72 反応性ガスバッファタンク
74 ガス供給制御部
90 原料ガス供給系
98 反応性ガス供給系
106 トラップ装置
112 反応性ガスバイパス系
120 不要原料ガス排気系
122 ガス配管
124 原料ガス用トラップ装置
126 原料ガス用真空ポンプ
128 原料ガス用除害装置
X1 原料ガス流出防止開閉弁
X2 原料ガス第2切替弁
X3 原料ガス第1切替弁
Y1 反応性ガス流出防止開閉弁
Y2 反応性ガス第2切替弁
Y3 反応性ガス第1切替弁
W 半導体ウエハ(被処理体)
Claims (19)
- 内部に処理すべき被処理体を収容することができる処理容器と、
前記処理容器内へ原料ガスを選択的に供給することができる原料ガス供給系と、
前記処理容器内へ反応性ガスを選択的に供給することができる反応性ガス供給系と、
前記処理容器内の雰囲気を真空排気するための真空ポンプを有する真空排気系と、
前記処理容器を迂回させるために前記原料ガス供給系と前記真空排気系とを連通して前記原料ガスを選択的に流すことができる原料ガスバイパス系と、
前記処理容器を迂回させるために前記反応性ガス供給系と前記真空排気系とを連通して前記反応性ガスを選択的に流すことができる反応性ガスバイパス系と、
前記原料ガスバイパス系内に介設されて前記原料ガスの流出を防止する原料ガス流出防止開閉弁と、
前記反応性ガスバイパス系内に介設されて前記反応性ガスの流出を防止する反応性ガス流出防止開閉弁と、
を備えたことを特徴とする処理装置。 - 前記真空ポンプ内に前記原料ガスと前記反応性ガスとが同時に流れ込まないように前記原料ガス供給系と前記反応性ガス供給系と前記原料ガス流出防止開閉弁と前記反応性ガス流出防止開閉弁とを制御するガス供給制御部を備えたことを特徴とする請求項1記載の処理装置。
- 前記ガス供給制御部は、前記処理容器内へ前記原料ガスと前記反応性ガスとを交互に間欠的に流すと共に、前記原料ガスと反応性ガスの内、互いに一方のガスを前記処理容器内へ流している時に、他方のガスの流量を安定化させるために該他方のガスのバイパス系に該バイパス系に介設した流出防止開閉弁を閉じた状態でガスを導入するように制御することを特徴とする請求項2記載の処理装置。
- 前記原料ガスバイパス系には所定の容量を有する原料ガスバッファタンクが設けられ、前記反応性ガスバイパス系には所定の容量を有する反応性ガスバッファタンクが設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の処理装置。
- 前記ガス供給制御部は、前記処理容器内へ前記原料ガスの供給を停止した時には所定の時間だけ遅延した後に前記反応性ガス流出防止開閉弁を開状態に切り替えるように連動させ、前記処理容器内へ前記反応性ガスの供給を停止した時には所定の時間だけ遅延した後に前記原料ガス流出防止開閉弁を開状態に切り替えるように連動させることを特徴とする請求項2乃至3のいずれかに記載の処理装置。
- 前記反応性ガスは、還元ガスであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の処理装置。
- 前記反応性ガスは、酸化ガスであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の処理装置。
- 前記原料ガスはWF6 ガスであり、前記還元ガスはシラン系ガスまたは水素ガスであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の処理装置。
- 前記真空排気系には排気ガス中の不純物ガスを除去する除害装置が設けられることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の処理装置。
- 被処理体を収容する処理容器内へ原料ガスと反応性ガスとを交互に間欠的に供給しつつ真空ポンプが介設された真空排気系により前記処理容器内を真空引きして、前記被処理体に対して所定の処理を行う処理装置の使用方法において、
前記原料ガスと反応性ガスの内、互いに一方のガスを前記処理容器内へ流す時には他方のガスの流量を安定化させるために前記処理容器を迂回して前記真空排気系に連通されるバイパス系へ流すと共に、前記真空ポンプに前記両ガスが同時に流れ込まないように前記バイパス系に介設した開閉弁を閉状態にするようにしたことを特徴とする処理装置の使用方法。 - 前記反応性ガスは、還元ガスであることを特徴とする請求項10記載の処理装置の使用方法。
- 前記反応性ガスは、酸化ガスであることを特徴とする請求項10記載の処理装置の使用方法。
- 前記原料ガスはWF6 ガスであり、前記還元ガスはシラン系ガスまたは水素ガスであることを特徴とする請求項10又は11記載の処理装置の使用方法。
- 内部に処理すべき被処理体を収容することができる処理容器と、
前記処理容器内へ原料ガスを選択的に供給することができる原料ガス供給系と、
前記処理容器内へ反応性ガスを選択的に供給することができる反応性ガス供給系と、
前記処理容器内の雰囲気を真空排気するための真空ポンプと排気ガス中の不純物ガスを除去するトラップ装置とが途中に介設された真空排気系と、
前記処理容器を迂回させるために前記反応性ガス供給系と前記真空排気系とを連通して前記反応性ガスを選択的に流すことができる反応性ガスバイパス系と、 前記処理容器を迂回させるために前記原料ガス供給系が分岐されると共に途中に原料ガス用真空ポンプが介設されて前記原料ガスを選択的に流すことができる不要原料ガス排気系と、
を備えたことを特徴とする処理装置。 - 前記不要原料ガス排気系には、不純物ガスを除去する原料ガス用トラップ装置が介設されることを特徴とする請求項14記載の処理装置。
- 前記反応性ガスバイパス系の下流側は、前記トラップ装置よりも下流側において前記真空排気系に接続されていることを特徴とする請求項14または15記載の処理装置。
- 前記不要原料ガス排気系の下流側は、前記トラップ装置よりも下流側において前記真空排気系に接続されていることを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載の処理装置。
- 前記不要原料ガス排気系の下流側は、原料ガス用除害装置を介して大気側へ開放されていることを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載の処理装置。
- 前記原料ガスはTiCl4 ガスであり、前記反応性ガスはNH3 ガスであることを特徴とする請求項14乃至18のいずれかに記載の処理装置。
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