JP2010018602A - プロピレングリコールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】グリセリンを原料とするプロピレングリコールの製造方法において、従来よりも効率的にプロピレングリコールを製造する方法を提供する。
【解決手段】反応器にグリセリンを含む反応液と水素とを供給する工程と、前記反応器中で、反応温度100〜300℃、反応圧力2.5〜10MPa(25〜100bar)の条件下に、グリセリンを水素化できる固体触媒とグリセリンとを接触させて反応物を得る反応工程と、を含むプロピレングリコールの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、グリセリンを原料とするプロピレングリコールの製造方法に関する。
近年、地球温暖化を抑制する対策の一つとして、植物および/または動物油脂を原料としたバイオディーゼルと呼ばれているディーゼルエンジン用燃料が開発されている。バイオディーゼルの製造過程ではグリセリンが原料油脂に対して約10%程度副生しており、該グリセリンの有効活用が精力的に研究されている。
一方、プロピレングリコールはグリセリンの1位の水酸基が水素に変換された化合物であるが、生物への毒性が低く、また無味無臭であることから、保湿剤、潤滑剤、乳化剤、不凍液、溶媒などとして、広く医薬品や化粧品、食料品などの分野で用いられている。一般にプロピレングリコールは化石原料と呼ばれている石油から誘導されるプロピレンを酸化してプロピレンオキシドとし、その後、それを水和することにより製造されている。
ここで、前記のグリセリンの有効活用について、各種触媒を使用してグリセリンをプロピレングリコールに変換することが知られている。例えば、コバルト、銅、マンガン、モリブデンからなる触媒を使用し、20重量%以下の水を含むグリセリンを触媒的水素化することによりプロピレングリコールを製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、200〜250℃の温度、200〜325bar(20〜32.5MPa)の圧力で反応を実施することが好ましいとされている。特に実施例に例示されている条件は200bar以上の高圧であり、装置運転の安全性等の面で不利である。
また、酸化銅および酸化亜鉛を含む触媒の存在下、グリセリンと水素を反応させて、プロピレングリコールおよびエチレングリコールに変換する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この方法での例示は、バッチ式反応器または固定床連続反応器を使用し、230〜270℃の高温、かつ実質的に15MPaを超える高圧条件で反応を行うものであり、さらに原料グリセリン水溶液の濃度が20〜60重量%と希薄であるため、反応装置への負荷が高く、また装置の大型化が必要と考えられ、経済的に不利である。
また、パラジウム、ニッケル、ロジウム、銅、亜鉛、クロムおよびそれらを混合したグループから選ばれる触媒の存在下、150〜250℃の温度、1〜25bar(0.1〜2.5MPa)の圧力、2〜96時間の反応時間、原料グリセリン水溶液の濃度が50重量%以上と比較的温和な条件で反応を行うことが例示されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、例示されている条件では反応時間を長くしても原料グリセリンの転化率が低く、従ってプロピレングリコールの収率も低く、効率性の点で不利となる。また、実施例で示されている反応プロセスはいわゆる反応蒸留式槽型反応プロセスであり、反応器内に経時的に蓄積する反応残渣・劣化した触媒等を断続的に抜き出す操作が必要となる等、長期的な連続運転に際しては不利である。
また、触媒の存在下、特定の反応温度、特定の反応圧力、特定の水素と原料との量比および特定の反応時間かつ気相で、固定床連続反応器を用い、グリセリンを水素化する方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。そしてその反応に用いられる触媒として、酸化銅および酸化亜鉛を含む混合物触媒や、酸化銅およびシリカを含む混合物触媒等が例示されている。この方法によれば、高収率でプロピレングリコールを得ることができるとされているが、グリセリンを反応器に導入する前に気化器で気化する必要があり、消費エネルギーが増大するため経済的に不利であり、効率的とは言い難かった。
さらに、反応せずに反応器から排出された原料グリセリンの回収再使用について示されている例が開示されている(例えば、特許文献5参照)が、その回収再使用の手段については具体的に示されておらず、グリセリンの回収再使用を経済的に有利に実現できる技術が求められている。
米国特許第5616817号明細書 米国特許第5214219号明細書 米国特許出願公開第2005/0244312号明細書 国際公開第2007/010299号パンフレット 国際公開第2008/012244号パンフレット
本発明は、グリセリンを原料とするプロピレングリコールの製造方法において、従来よりも経済的に有利に、かつ効率的にプロピレングリコールを製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の反応温度と反応圧力の条件下に、グリセリンを水素化できる固体触媒とグリセリンとを接触させることにより、プロピレングリコールの生産効率が向上し、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
反応器にグリセリンを含む反応液と水素とを供給する工程と、前記反応器中で、反応温度100〜300℃、反応圧力2.5〜10MPa(25〜100bar)の条件下に、グリセリンを水素化できる固体触媒とグリセリンとを接触させて反応物を得る反応工程と、を含むプロピレングリコールの製造方法である。
前記反応器は、固定床、流動床および移動床連続反応装置から選ばれる反応装置を備えることが望ましく、固定床連続反応装置を備えることがより望ましく、トリクルベッド式固定床連続反応装置を備えることが更に望ましい。
また、前記反応液の反応器中での平均移動線速が、2cm/分以上100cm/分以下であることが望ましい。
また前記反応物から蒸留によりグリセリンを回収する回収工程と、回収されたグリセリンを再使用する工程と、を更に含むことが望ましく、前記再使用されるグリセリンの純度が95重量%以上であることがより望ましい。
また、前記反応液中のグリセリン濃度が60重量%以上であることが望ましい。
また、前記反応液に含まれるグリセリンは、純度が95重量%以上であることが望ましい。
さらに前記固体触媒は、銅を含む触媒であることが望ましい。
本発明によれば、グリセリンを原料とするプロピレングリコールの製造方法において、従来よりも経済的に有利に、かつ効率的にプロピレングリコールを製造する方法を提供することができる。従って、本発明の製造方法には大きな工業的利用価値がある。
プロピレングリコールの製造工程のブロックフローの1例を示す図である。
本発明のプロピレングリコールの製造方法は、反応器にグリセリンを含む反応液と、水素とを供給する工程と、前記反応器中で、反応温度100〜300℃、反応圧力2.5〜10MPaの条件下に、グリセリンを水素化できる固体触媒の少なくとも1種と、グリセリンとを接触させて反応物を得る反応工程とを含むことを特徴とする。
特定の反応温度と特定の反応圧力の反応条件下で、固体触媒によるグリセリンの水素化反応を行うことで、従来よりも効率的にプロピレングリコールを製造することができる。
本発明において反応器中の反応温度は100〜300℃であるが、望ましくは100〜250℃であり、より望ましくは120〜220℃であり、更に望ましくは120〜200℃である。反応温度が高すぎると副生物の生成量が増大し、プロピレングリコールの選択率が低下する上に、固体触媒の活性低下が促進され触媒寿命が低下することがある。また低すぎると反応速度が低下し、プロピレングリコールの生産効率が低下するので望ましくない。
本発明において反応容器中の反応圧力は2.5〜10MPaであるが、3〜10MPaであることが望ましい。反応圧力が高すぎると設備の安全対策コストが過大となり、また低すぎるとプロピレングリコールの生産効率が低下するので望ましくない。
本発明における反応工程は、銅を含む固体触媒を用いて、反応温度100〜250℃、反応圧力3〜10MPaの反応条件であることが望ましく、銅を含む固体触媒を用いて、反応温度120〜220℃、反応圧力3〜10MPaの反応条件であることがより望ましい。
図1に本発明における製造工程のブロックフローの1例を示す。
本発明における反応器としては、バッチ式、連続式等いずれの形式の反応装置が備える反応器であっても特に制限なく使用することができる。本発明においては、反応効率の観点から、固定床連続反応装置、流動床連続反応装置および移動床連続反応装置等から選ばれる連続反応装置が備える反応器を使用することが望ましく、設備が簡単な固定床連続反応装置を使用することがより望ましく、トリクルベッド式固定床連続反応装置を使用することがさらに望ましい。
本発明において連続反応装置が備える反応器を使用する場合、連続反応装置が備える反応器には、あらかじめグリセリンを水素化できる固体触媒が充填されており、そこにグリセリンと水素とが連続的に供給される。本発明においては、エネルギー効率の観点から、グリセリンをあらかじめ気化器等で気化させることなく液体状の反応液として供給する。従って、固定床連続反応器内では気液固三相状態で反応が進行するため、連続反応装置として、特にトリクルベッド式固定床連続反応器を用いることが望ましい。
また、バッチ式の反応器を用いる場合は、反応器の中にグリセリンを水素化できる固体触媒と、グリセリンを含む反応液とを装入し、更に水素を供給する。
反応器には、本発明の効果を損なわない限り、反応条件調整等のために窒素等の不活性ガスを更に供給してもよい。また、グリセリンや水素には本発明の効果を損なわない程度に他の成分が含まれていてもよい。
例えばグリセリンには、原料に由来する化合物であって、触媒劣化等を引き起こす不純物(例えば、長鎖脂肪酸、金属塩、硫酸、チオール、チオエーテル等の含硫黄化合物、アミンなどの含窒素化合物等)が含まれる場合がある。このような不純物の除去には、例えば蒸留、吸着、イオン交換、晶析、抽出等の公知の分離方法を用いることができる。本発明においては各種分離方法のうち、精製効率、経済性の観点から、蒸留法を用いるのが望ましい。
本発明において、反応に用いるグリセリンの純度は通常90重量%以上、望ましくは95重量%以上、より望ましくは98重量%以上である。
反応器に供する原料グリセリンは、実質的に溶媒を含まないものを用いることができるのはもちろんであるが、水や有機溶媒で希釈されているものを用いてもよい。本発明においては、グリセリンの精製等の観点から、比較的高濃度、すなわち60重量%以上の溶液を用いることが望ましく、60〜95重量%の溶液を用いることがより望ましく、60〜95重量%の水溶液を用いることがより望ましく、75〜90重量%の水溶液を用いることがさらに望ましい。
また、グリセリンを希釈する有機溶媒としては、本発明における反応工程を阻害しない有機溶媒であれば特に制限はない。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類を挙げることができる。
反応器に供する水素は反応条件により任意に供給量を設定することができるが、通常グリセリンに対して1〜200モル当量、望ましくは1〜100モル当量、より望ましくは1〜20モル当量供給する。
本発明における反応工程の反応条件としては、プロピレングリコールの生成効率の観点から、反応温度が100〜300℃、反応圧力が2.5〜10MPaであって、水素の供給量がグリセリンに対して1〜200モル当量であることが望ましく、反応温度が100〜250℃、反応圧力が3〜10MPaであって、水素の供給量がグリセリンに対して1〜100モル当量であることがより望ましい。
本発明において、バッチ式反応における反応時間は特に制限されるものではないが、通常1〜20時間であり、望ましくは2〜16時間である。
また、連続式反応における固体触媒の単位重量あたりのグリセリンの供給速度(LHSV)は、0.05以上100hr−1以下であることが望ましく、0.1以上50hr−1以下であることがより望ましい。
反応時間が短すぎる場合、あるいはLHSVが大きすぎる場合にはグリセリンの反応率が低下し、反応物の分離回収工程に大きな負荷がかかる。また反応時間が長すぎる場合、あるいはLHSVが小さすぎる場合にはプロピレングリコールの生産効率が低下するので望ましくない。
さらに、連続式反応における反応器に供給する反応液の反応器中での平均移動線速は、特に制限されるものではない。例えば、同じLHSVにおいても反応器の形状により変化し得る。本発明においてはグリセリンの反応効率の観点から望ましくは2cm/分〜100cm/分であり、より望ましくは5cm/分〜100cm/分である。
本発明において連続反応装置を用いる場合、使用される反応器は、単一の反応器であっても、複数の反応器からなっていてもよい。特に複数の反応器からなる場合、直列に反応器を設置しても、並列に反応器を設置してもよい。直列に反応器を設置することにより、反応条件をより精密に制御可能である。また、並列に反応器を設置することにより、例えば、一方の反応器でグリセリンの接触水添反応を行い、他方の反応器で劣化した触媒の再生運転等を行い、これらの運転を切り替えながら行うことによりプロピレングリコールの生産量を一定に維持することが可能となる。
本発明に使用される固体触媒(以下、単に「触媒」ということがある)は、グリセリンを水素化できる固体触媒であれば特に制限はない。例えば、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、白金、イリジウム、ニッケル、銅、クロム、亜鉛、マンガン、鉄、ケイ素、アルミニウム、コバルト、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ジルコニウム、チタン、バナジウム、モリブデン、タングステンおよびこれらの酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる固体触媒を挙げることができる。
本発明におけるグリセリンを水素化できる固体触媒として、望ましくは銅を含む固体触媒である。銅を含む触媒として、具体的には以下の(I)〜(IV)の触媒を好適に挙げることができる。
(I)銅および酸化銅の少なくとも一方と、酸化亜鉛とを含む触媒。
(II)銅および酸化銅の少なくとも一方と、酸化亜鉛と、シリカとを含む触媒。
(III)銅および酸化銅の少なくとも一方と、酸化亜鉛と、周期表第2族〜第10族の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物とを含む触媒。
(IV)銅および酸化銅の少なくとも一方と、バリウム、クロム、マンガンおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物と、周期表第2族〜第14族の元素から選ばれる少なくとも1種の元素(ただし、銅、バリウム、クロム、マンガン、アルミニウム、および亜鉛を除く)の酸化物とを含む触媒。
中でも、グリセリン転化率の観点から、(I)銅および酸化銅の少なくとも一方と、酸化亜鉛とを含む触媒、または、(II)銅および酸化銅の少なくとも一方と、酸化亜鉛と、シリカとを含む触媒であることが好ましく、(II)銅および酸化銅の少なくとも一方と、酸化亜鉛と、シリカとを含む触媒であることがより好ましい。
(I)銅および酸化銅の少なくとも一方と、酸化亜鉛とを含む触媒
本発明に使用される銅および酸化銅の少なくとも一方と、酸化亜鉛とを含む触媒(以下「第1の固体触媒」ということがある)の好ましい態様のひとつの例は、銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛とからなる触媒である。
ここで「銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛とからなる触媒」とは、実質的に、銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛とからなるものを意味し、触媒の構成成分として意図的に酸化アルミニウム等の第3成分を含むことなく、後述する触媒の製造過程で混入する微量の不純物(通常1重量%以下)を含むことを許容し、銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛とが構成成分の触媒である。
前記銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛とからなる触媒としては、市販されているものを使用することができる。その例としては、F10G(日揮化学(株)製)などが挙げられる。
銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛とからなる触媒は、公知の方法(例えば、触媒講座5、触媒設計、第2章、39ページ、触媒学会編、講談社、1985年刊)で製造することもできる。すなわち触媒は、銅の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物および水酸化物等から選ばれる少なくとも1種と、亜鉛の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物および水酸化物等から選ばれる少なくとも1種とを原料として、共沈法、含浸法、混練法と呼ばれる公知の方法で製造することができる。
例えば、共沈法と呼ばれる方法では、銅の硝酸塩と亜鉛の硝酸塩とを含む水溶液を塩基の存在下で反応させ、銅と亜鉛を含む共沈物を製造した後、共沈物を乾燥、焼成することにより触媒を製造することができる。
また、使用する銅の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物および水酸化物等から選ばれる少なくとも1種と、亜鉛の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物および水酸化物等から選ばれる少なくとも1種との量比を変更することにより、銅と亜鉛の含有量を調節することができる。ここで、触媒において含有される銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛の重量比(銅および酸化銅の総重量:酸化亜鉛の重量)には特に制限はないが、通常6:1〜6:35の範囲にあり、望ましくは5:1〜5:15である。重量比が上記のような範囲にあると、高収率でグリセリンの水素化反応が進行する。
また銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛とからなる触媒は、取扱い性の改善、触媒の安定性改善、反応効率の改善などのために成形されることが望ましい。その方法としては、公知の成形方法(例えば、触媒講座5、触媒設計、第4章、116ページ、触媒学会編、講談社、1985年刊参照)を適宜用いることができる。本発明においては、圧縮、打錠、押出、造粒、噴霧、粉砕、および油中球状成形から選ばれる成形方法を用いることが望ましく、本発明における触媒が実質的に銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛からなることを考慮すると、成形のために第3成分の添加を必要としない圧縮、打錠、造粒、粉砕、および水中球状成形から選ばれる成形方法であることがより望ましく、圧縮、打錠、および粉砕から選ばれる成形方法であることが更に望ましい。
尚、触媒の粒子径、形状は反応器の形状等によって任意に選択しうる。
また本発明に使用される第1の固体触媒の別の好ましい態様のひとつの例は、銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛とを含む触媒(以下、「触媒A」ということがある)と、銅および酸化銅の少なくとも一方と周期律表第2族〜第14族元素の酸化物(望ましくは該元素が、マグネシウム、カルシウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、ケイ素、より望ましくはケイ素)とを含み、酸化亜鉛を含まない触媒(以下、「触媒B」ということがある)との混合触媒であって、触媒Aの含有率が70〜99重量%で、触媒Bの含有率が1〜30重量%である触媒である。ここで触媒Aの含有率と触媒Bの含有率の合計は100重量%である。
上記の触媒Aは市販されているものを使用することができる。その例としては、F10G(日揮化学(株)製)、シフトマックス210(ズードケミー触媒(株)製)等が挙げられる。
また、触媒Aは公知の方法で製造することもできる。すなわち触媒Aは、銅の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物および水酸化物等から選ばれる少なくとも1種と、亜鉛の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物および水酸化物等から選ばれる少なくとも1種とを原料として、共沈法、含浸法、混練法と呼ばれる公知の方法で製造することができる。例えば、共沈法と呼ばれる方法では、銅の硝酸塩と亜鉛の硝酸塩とを含む水溶液を塩基の存在下で反応させ、銅と亜鉛を含む共沈物を製造した後、共沈物を乾燥、焼成することにより触媒Aを製造することができる。
また、使用する銅の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物および水酸化物等から選ばれる少なくとも1種と、亜鉛の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物および水酸化物等から選ばれる少なくとも1種との量比を変更することにより、銅と亜鉛の含有量を調節することができる。ここで、触媒Aにおいて含有される銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛の重量比(銅および酸化銅の総重量:酸化亜鉛の重量)には特に制限はないが、通常6:1〜6:35の範囲にあり、望ましくは5:1〜5:15である。重量比が上記のような範囲にあると、高収率でグリセリンの水素化反応が進行する。
また、触媒A中に本反応を阻害しない程度に、銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛以外のその他の成分を含有させてもよい。その他の成分としては、ナトリウム、カリウム、セシウムなどのアルカリ金属類、マグネシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、ジルコニウム、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、クロム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金などの遷移金属、アルミニウム等の周期律表第13族元素、およびこれらの酸化物が挙げられる。これらのその他の成分を触媒Aに含有させることにより、触媒Aの効果の持続性向上や触媒Aの安定性向上が期待される。その他の成分の含有率は、10重量%以下であることが望ましく、7重量%以下であることがより望ましい。
前記触媒Bもまた、市販されているものを使用することができる。その例としては、E35S(日揮化学(株)製)、KC−1H(堺化学工業(株)製)、Cu−0860E(エヌ・イーケムキャット(株)製品)などが挙げられる。
また触媒Bは、公知の方法により製造することもできる。すなわち触媒Bは、銅の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物および水酸化物等から選ばれる少なくとも1種と、周期律表第2族〜第14族元素の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物および水酸化物等から選ばれる少なくとも1種とを原料として、共沈法、含浸法、混練法と呼ばれる公知の方法で製造することができる。特にシリカを含有させる場合には、シリカ、コロイダルシリカ、またはケイ酸ナトリウムが原料として通常使用される。
例えば、銅および酸化銅の少なくとも一方とシリカとを含む触媒を共沈法と呼ばれる方法で製造する場合には、銅の硝酸塩およびケイ酸ナトリウムを含む水溶液を塩基の存在下で反応させ、銅とシリカを含む共沈物を製造した後、共沈物を乾燥、焼成することにより触媒Bを製造することができる。また、含浸法と呼ばれる方法で製造する場合には、シリカに前記銅の塩等の水溶液を含浸させた後、乾燥、焼成を経て、触媒Bを製造することができる。
触媒Bにおいて銅および酸化銅の少なくとも一方の含有量に特に制限はないが、触媒Bの全重量に対して通常10〜90重量%、望ましくは20〜70重量%である。銅および酸化銅の少なくとも一方の含有量が上記の範囲内であると、より高収率でグリセリンの水素化反応が進行する。
また触媒Bは、本発明の効果を損なわない限り、銅および酸化銅の少なくとも一方と触媒B調製に使用した周期律表第2族〜第14族元素の酸化物以外のその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、ナトリウム、カリウム、セシウムなどのアルカリ金属類、マグネシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、ジルコニウム、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、クロム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金などの遷移金属、アルミニウム等の周期律表第13族元素、およびこれらの酸化物のうち、触媒Bの第2成分として用いた周期律表第2族〜第14族元素の酸化物とは異なる元素およびその酸化物が挙げられる。これらのその他の成分を触媒Bに含有させることにより、触媒Bの効果の持続性向上や触媒Bの安定性向上が期待される。その他の成分の含有率としては、銅および酸化銅の少なくとも一方と触媒B調製に使用した周期律表第2族〜第14族元素の酸化物の全重量に対して10重量%以下であることが望ましく、7重量%以下であることがより望ましい。
また、これらの触媒(触媒Aおよび触媒B)は取扱い性の改善、触媒の安定性改善、反応効率の改善などのために成形されることが望ましい。その方法は既に記載のとおり公知の成形方法を用いることができる。成形の際、適当なバインダーを用いることもできる。バインダーは固体を結合させ触媒の機械的強度を増強させる目的で用いられるものであり、本発明に係わる反応を阻害しないものであれば無機物、有機物のいずれでも使用できる。
バインダーの具体例としては、粘土、カオリン、タルク、ベントナイト、アルミナゾル、ジルコニアゾル、ケイ酸塩、炭化ケイ素、有機ポリマーなどが挙げられる。尚、触媒の粒子径、形状は反応器の形状等によって任意に選択しうる。
(II)銅および酸化銅の少なくとも一方と、酸化亜鉛と、シリカとを含む触媒。
本発明に使用される触媒は、銅および酸化銅の少なくとも一方と、酸化亜鉛と、シリカとを含む触媒(以下、「第2の固体触媒」ということがある)であることが好ましい。これにより、より効率的にグリセリンからプロピレングリコールを製造することができる。
前記第2の固体触媒の調製方法は特に限定されるものではないが、たとえば以下の方法が挙げられる。
(1)銅、および亜鉛の各種塩等、ならびにケイ素を含む化合物を原料として、共沈法、含浸法などにより調製する方法。
(2)銅および酸化銅の少なくとも一方、ならびに酸化亜鉛を含む触媒と、シリカとを混合する方法。
(3)銅および酸化銅の少なくとも一方、ならびに酸化亜鉛を含む触媒と、シリカを含む物質または触媒とを混合する方法。
(4)銅および酸化銅の少なくとも一方、ならびに酸化亜鉛を含む触媒、または、銅および酸化銅の少なくとも一方、酸化亜鉛およびシリカを含む触媒と、シリカを含む無機バインダーとを押出成型する方法。
第2の固体触媒は、たとえば上記の方法により調製することができる。そして本発明者らは、前記第2の固体触媒中の、銅および酸化銅の少なくとも一方、酸化亜鉛およびシリカの好ましい割合が、第2の固体触媒をどのような方法により調製したかにより異なることを見出した。以下、上記4つの方法により調製される触媒について説明する。
<(1)の方法で調製される触媒>
上記(1)の方法では、銅の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物および水酸化物等からなる群より選ばれる少なくとも1種と、亜鉛の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物および水酸化物等からなる群より選ばれる少なくとも1種と、さらにシリカ、コロイダルシリカ、またはケイ酸ナトリウム等からなる群より選ばれる少なくとも1種とを原料として、共沈法、含浸法などの公知の方法で触媒を製造する。
例えば、共沈法と呼ばれる方法では、銅の硝酸塩と亜鉛の硝酸塩とケイ酸ナトリウムとを含む水溶液を塩基の存在下で反応させ、銅、亜鉛およびケイ素を含む共沈物を製造した後、共沈物を乾燥、焼成することにより、本発明に使用される触媒を製造することができる。焼成条件は、通常、300〜600℃で1〜6時間である。
また、使用する銅の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物および水酸化物等からなる群より選ばれる少なくとも1種、亜鉛の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物および水酸化物等からなる群より選ばれる少なくとも1種、ならびに、シリカ、コロイダルシリカ、およびケイ酸ナトリウム等からなる群より選ばれる少なくとも1種の量比を変更することにより、(1)の方法で調製される触媒における銅および酸化銅の少なくとも一方、酸化亜鉛ならびにシリカの含有割合を調節することができる。
ここで、(1)の方法で調製される触媒100重量%中、前記シリカの含有量は、望ましくは0.1〜25重量%、より望ましくは0.1〜20重量%、特に望ましくは0.5〜15重量%である。シリカの含有量が上記の範囲にある触媒を用いることで、より高い収率でプロピレングリコールを製造することができる。
また、(1)の方法で調製される触媒に含まれる銅および酸化銅の少なくとも一方とシリカとの重量比(銅および酸化銅の総重量:シリカの重量)は、0.5:1〜700:1の範囲にあることが望ましく、1:1〜500:1の範囲にあることがより望ましく、1.5:1〜100:1の範囲にあることが更に望ましい。重量比が上記の範囲にある触媒を用いることで、より高い収率でプロピレングリコールを製造することができる。
また、(1)の方法で調製される触媒に含まれる銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛との重量比(銅および酸化銅の総重量:酸化亜鉛の重量)に特に制限はないが、通常6:1〜5:90の範囲にあり、5:1〜10:90の範囲にあることが望ましく、3:1〜6:35の範囲にあることがより望ましく、2:1〜6:35の範囲にあることが特に望ましい。重量比が上記の範囲にある触媒を使用すると、より高収率で触媒反応が進行する。
また、(1)の方法で調製される触媒中には、本反応(グリセリンを接触水素添加してプロピレングリコールを得る反応)を阻害しない程度に、銅および酸化銅の少なくとも一方、酸化亜鉛およびシリカ以外の第4の成分を含有させてもよい。
この成分としては、ナトリウム、カリウム、セシウムなどのアルカリ金属類、マグネシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、ジルコニウム、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、クロム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金などの遷移金属、アルミニウム等の周期律表第13族元素、およびこれらの酸化物などが挙げられる。
この第4の成分を触媒に含有させることにより、触媒の効果の持続性向上や触媒の安定性向上が期待される。
<(2)の方法で調製される触媒>
上記(2)の方法では、銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛とを含む触媒(以下、(2)の方法において「触媒1」ということがある)と、シリカとを混合することにより触媒を製造する。混合は、物理的な混合である。
(2)の方法で使用される触媒1としては、上記の公知の方法(共沈法、含浸法、混練法など)で製造された触媒や、市販されているもの(例えば、日揮化学(株)製F10Gやズードケミー触媒(株)製シフトマックス210等)を使用することができる。
また、シリカとしては、公知の方法、例えば水熱合成で製造されたシリカや市販のシリカ(例えば、富士シリシア(株)製キャリアクトQ6など)などを使用することができる。
(2)の方法で調製される触媒100重量%中、前記シリカの含有量は、望ましくは0.1〜4.5重量%、より望ましくは0.1〜4重量%であり、特に望ましくは0.2〜4重量%である。シリカの含有量が上記の範囲にある触媒を用いることで、より高い収率でプロピレングリコールを製造することができる。
なお、(2)の方法で調製される触媒を調製する際の、混合に供する触媒1の粉末とシリカ粉末との量比、および前記触媒1における銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛との量比を調整することにより、得られる触媒における銅および酸化銅の少なくとも一方、酸化亜鉛およびシリカの含有割合を調整することができる。
また、(2)の方法で調製される触媒に含まれる銅および酸化銅の少なくとも一方とシリカとの重量比(銅および酸化銅の総重量:シリカの重量)は、1.5:1〜700:1の範囲にあることが望ましく、2.5:1〜650:1の範囲にあることがより望ましく、5:1〜350:1の範囲にあることが特に望ましい。重量比が上記の範囲にある触媒を使用することで、より高い収率でプロピレングリコールを製造することができる。
また、(2)の方法で調製される触媒に含まれる銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛との重量比(銅および酸化銅の総重量:酸化亜鉛の重量)に特に制限はないが、通常6:1〜5:90の範囲にあり、5:1〜10:90の範囲にあることが望ましく、3:1〜6:35の範囲にあることがより望ましく、2:1〜6:35の範囲にあることが特に望ましい。重量比が上記の範囲にある触媒を使用すると、より高収率で触媒反応が進行する。
また、(2)の方法で調製される触媒中には、本反応を阻害しない程度に、銅および酸化銅の少なくとも一方、酸化亜鉛およびシリカ以外の第4の成分を含有させてもよい。
この成分としては、ナトリウム、カリウム、セシウムなどのアルカリ金属類、マグネシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、ジルコニウム、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、クロム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金などの遷移金属、アルミニウム等の周期律表第13族元素、およびこれらの酸化物などが挙げられる。
この第4成分を触媒に含有させることにより、触媒の効果の持続性向上や触媒の安定性向上が期待される。
この第4成分は、触媒1中および/またはシリカ中に適宜含有させることができる。すなわち、触媒1およびシリカの両方に含有させてもよいし、どちらか一方に含有させてもよい。
<(3)の方法で調製される触媒>
上記(3)の方法では、銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛とを含む触媒(以下、(3)の方法において「触媒2」ということがある)と、シリカを含む物質または触媒とを混合することにより触媒を製造する。混合は、物理的な混合である。
触媒2としては、上記(2)の方法で調製される触媒について説明した銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛とを含む触媒1と同様のものが挙げられる。
前記シリカを含む物質又は触媒としては、シリカ/アルミナ、シリカ/マグネシア等の公知の複合酸化物(尚、これら自体には触媒活性はない)等や、銅および酸化銅の少なくとも一方とシリカとを含む触媒が挙げられる。
前記銅および酸化銅の少なくとも一方とシリカとを含む触媒としては、たとえば上記の公知の方法(共沈法、含浸法、混練法など)で製造された銅および酸化銅の少なくとも一方とシリカとを含む触媒や、市販されているもの(例えば、日揮化学(株)製E35Sや堺化学工業(株)製KC−1H、エヌ・イー・ケムキャット(株)製Cu−0860E等)を挙げることができる。
(3)の方法で調製される触媒100重量%中、前記シリカの含有量は、望ましくは0.1〜10%、より望ましくは0.1〜9重量%であり、特に望ましいのは0.5〜6重量%である。シリカの含有量が上記の範囲にある触媒を用いることで、より高い収率でプロピレングリコールを製造することができる。
なお、(3)の方法で得られる触媒における銅および酸化銅の少なくとも一方、酸化亜鉛およびシリカの含有割合は、触媒を調製する際の以下のものの割合を調整することにより、調整することができる。
(i)混合に供する触媒2の粉末とシリカを含む物質又は触媒の粉末との量比。
(ii)触媒2における銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛との量比。
(iii)シリカを含む物質又は触媒に、銅および酸化銅の少なくとも一方または酸化亜鉛が含まれる場合には、シリカを含む物質又は触媒中のシリカと銅および酸化銅の少なくとも一方および/または酸化亜鉛との量比。
また、(3)の方法で調製される触媒に含まれる銅および酸化銅の少なくとも一方とシリカとの重量比(銅および酸化銅の総重量:シリカの重量)は、5:1〜700:1の範囲にあることが望ましく、5:1〜500:1の範囲にあることがより望ましく、8:1〜100:1の範囲にあることが特に望ましい。重量比が上記の範囲にある触媒を使用することで、より高い収率でプロピレングリコールを製造することができる。なお、ここで銅および酸化銅の少なくとも一方の重量は、シリカを含む物質または触媒に銅および酸化銅の少なくとも一方が含まれる場合には、触媒2中の銅および酸化銅の重量と、シリカを含む物質または触媒中の銅および酸化銅の重量との合計を指す。
また、(3)の方法で調製される触媒に含まれる銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛との重量比(銅および酸化銅の総重量:酸化亜鉛の重量)に特に制限はないが、通常6:1〜5:90の範囲にあり、5:1〜10:90の範囲にあることが望ましく、3:1〜6:35の範囲にあることがより望ましく、2:1〜6:35の範囲にあることが特に望ましい。重量比が上記の範囲にある触媒を使用すると、より高収率で触媒反応が進行する。なお、ここで銅および酸化銅の少なくとも一方の重量は、シリカを含む物質または触媒に銅および酸化銅の少なくとも一方が含まれる場合には、触媒2中の銅および酸化銅の重量と、シリカを含む物質または触媒中の銅および酸化銅の重量との合計を指す。また酸化亜鉛の重量は、シリカを含む物質又は触媒に酸化亜鉛が含まれる場合には、触媒2中の酸化亜鉛の重量と、シリカを含む物質又は触媒中の酸化亜鉛の重量との合計を指す。
また、(3)の方法で調製される触媒中には、本反応を阻害しない程度に、銅および酸化銅の少なくとも一方、酸化亜鉛およびシリカ以外の第4の成分を含有させてもよい。
この成分としては、ナトリウム、カリウム、セシウムなどのアルカリ金属類、マグネシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、ジルコニウム、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、クロム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金などの遷移金属、アルミニウム等の周期律表第13族元素、およびこれらの酸化物などが挙げられる。
この第4成分を触媒に含有させることにより、触媒の効果の持続性向上や触媒の安定性向上が期待される。この第4成分は、触媒2中および/またはシリカを含む物質又は触媒中に適宜含有させることができる。すなわち、触媒2およびシリカを含む物質又は触媒の両方に含有させてもよいし、どちらか一方に含有させてもよい。
<(4)の方法で調製される触媒>
上記(4)の方法では、銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛とを含む触媒(以下、(4)の方法において「触媒3」ということがある)、または、銅および酸化銅の少なくとも一方、酸化亜鉛ならびにシリカを含む触媒(以下、(4)の方法において「触媒4」ということがある)と、シリカを含む無機バインダーとを押出成型することにより触媒を製造する。
前記触媒3としては、上記(2)の方法で調製される触媒について説明した銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛とを含む触媒1と同様のものが挙げられる。
前記触媒4としては、たとえば上記(1)の方法で調製された触媒が挙げられる。
押出成型においては、前記触媒3または4と、シリカを含む無機バインダーと、成型助剤と水とを混練し、得られた混練物を押出し、乾燥、焼成する。
(シリカを含む無機バインダー)
前記シリカを含む無機バインダーとしては、シリカそのもの、ならびに、シリカと、アルミナ、アルミナ・シリカ、活性白土、ベントナイト、およびモンモリロナイト等のスメクタイト系膨潤性粘土を主成分として含む粘土鉱物などの無機バインダーとを組み合わせて用いるものなどが挙げられる。
無機バインダーとしてのシリカは、粉末状シリカやコロイダルシリカなどである。コロイダルシリカとはコロイド状のシリカ粒子が水に分散した状態の混合物であり、アルカリ型、アンモニウム型のコロイダルシリカが好ましく用いられる。商業的に入手できる製品例えば、シグマ社のヒュームドシリカ、日産化学社製のスノーテックシリーズ、Grace Davison社のLUDOXコロイダルシリカなどの製品群などを使用することもできる。
無機バインダーとしてのシリカの使用量は、押出成型された触媒中の全シリカの含有量が、好ましくは0.1重量%〜25重量%の範囲となる量とする。シリカの含有量が上記の範囲にある触媒を用いることで、より高い収率でプロピレングリコールを製造することができる。
シリカを含む無機バインダーとしてシリカを単独で用いて押出成型しても、十分な触媒の強度が得られるが、更に触媒の強度を補うために、他の無機バインダーを組み合わせて用いてもよい。シリカを含む無機バインダーの使用量は触媒3または4の重量に対して、通常3重量%〜40重量%、好ましくは3重量%〜35重量%、更に好ましくは3重量%〜30重量%である。
(成型助剤)
前記成型助剤には、増粘剤、分散剤、界面活性剤、解こう剤、保水剤、有機バインダーなどとよばれる物質が含まれる。これらの成型助剤は多くの場合、いくつかの性質を備えているが、便宜上上記のようにその一性能で呼ばれているのである。これらは単独で使うこともできるし、組合せて用いることもできる。成型助剤の役割は、触媒3または4とシリカを含む無機バインダーとを均一に分散させることや結合させることなどの他に、混合物を押出し可能な粘度に調整することなどである。
成型助剤としては、有機化合物、合成樹脂、ガム、天然高分子などが挙げられ、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、アルギン酸ポリプロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、キサンタンガムおよびこれらの共重合体や誘導体から選ばれる少なくとも一種類が好適に利用できる。尚、成型助剤は、押出工程後の焼成工程で燃焼、蒸発するので、最終的に第2の固体触媒中に残らない。
使用する成型助剤の全重量は、触媒3または4の重量に対して通常2重量%以上15重量%以下であり、好ましくは2重量%以上10重量%以下である。
(水)
押出成型においては、押出成型に用いる全成分(水を含む)に対して、水の重量割合が通常20〜60%、好ましくは25〜55%になるように調整する。前記下限値以上とすることで混練物の粘度の上昇を抑制し成型加工がより容易になる。また前記上限値以下とすることで得られる触媒の破砕強度が向上し、工業触媒としてより好適に用いることができる。
(有機高分子粒子)
押出成型において、上記のシリカを含む無機バインダー、水の他に成型時の操作を円滑に行うために、有機高分子粒子を加えてもよい。前記有機高分子粒子の例としては、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリスチレン系樹脂、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリロニトリル共重合体、ポリビニルトルエン、ポリエチレン、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、架橋アクリル樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリロニトリル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリロニトリル共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸グリシジル、架橋ポリメタクリル酸メチル、ポリアクロレイン、ポリグルタルアルデヒド、ポリアクリルアミド、架橋アルコール性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、メラミン−グアナミン樹脂およびポリアクリル酸n−ブチルなどを挙げることができる。
使用する有機高分子粒子の全重量は、触媒3または4の重量に対して通常15重量%以下であり、好ましくは、10重量%以下である。押出工程後の焼成工程で、これら有機高分子粒子は燃焼、蒸発されるので、最終的にこれらは触媒A中に残らない。
(押出成型)
押出成型において、第2の固体触媒は、好ましくは、触媒3または4の粉末100重量部、シリカを含む無機バインダー3重量部〜40重量部、成型助剤2重量部〜15重量部、水20重量部〜60重量部、さらに必要に応じて有機高分子粒子15重量部以下を混練して、得られた混練物を押出し、乾燥、焼成することにより製造される。
触媒3または4、シリカを含む無機バインダーの原料、成型助剤、水、必要に応じて、有機高分子粒子を混練して、押出しできる状態の混練物にする。混練工程は室温又は室温以上の温度で行われ、適切な粘土状の混練物が製造される。該混練体は押出し機を用いることにより成型される。
混練物を押出した後、乾燥を行う。乾燥条件は特に限定されないが、空気又は窒素の雰囲気又は流通下で、好ましくは25℃〜120℃で通常、1〜100時間行われる。
乾燥工程の次に、空気中または酸素含有ガス存在下もしくは流通下で400℃〜600℃の温度で成型体が通常、1〜6時間焼成される。焼成工程では成型体に急激な変化を与えないために、所定の温度に達するまでに最初は遅い速度で昇温する方法が取られる。
押出成型して得られる第2の固体触媒の粒子形状は、球状、破砕形、扁平形、楕円形等種々の形状にする事ができる。成型触媒の直径は、0.5〜3mmが好ましい。
(押出成型((4)の方法)により調製された第2の固体触媒)
(4)の方法で調製される触媒100重量%中、前記シリカの含有量は、望ましくは0.1〜25重量%、より望ましくは0.1〜20重量%であり、特に望ましくは0.4〜20重量%である。シリカの含有量が上記の範囲にある触媒を用いることで、より高い収率でプロピレングリコールを製造することができる。
なお、(4)の方法で得られる触媒における銅および酸化銅の少なくとも一方、酸化亜鉛およびシリカの含有割合は、触媒を調製する際に用いる、触媒3または触媒4における各成分の含有割合を調整し、さらに、前記触媒3または触媒4と押出成型するシリカを含む無機バインダー中のシリカの量を調整することにより、調整することができる。
(4)の方法で調製される触媒に含まれる銅および酸化銅の少なくとも一方とシリカとの重量比(銅および酸化銅の総重量:シリカの重量)は、1.2:1〜700:1の範囲にあることが望ましく、1.3:1〜300:1の範囲にあることがより望ましく、2:1〜250:1の範囲にあることが特に望ましい。重量比が上記の範囲にある触媒を使用することで、より高い収率でプロピレングリコールを製造することができる。
また、(4)の方法で調製される触媒に含まれる銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛との重量比(銅および酸化銅の総重量:酸化亜鉛の重量)に特に制限はないが、通常6:1〜5:90の範囲にあり、5:1〜10:90の範囲にあることが望ましく、4:1〜6:35の範囲にあることがより望ましい。重量比が上記の範囲にある触媒を使用すると、より高収率で触媒反応が進行する。
また、(4)の方法で調製される触媒中には本反応を阻害しない程度に、銅および酸化銅の少なくとも一方、酸化亜鉛およびシリカ以外の第4の成分を含有させてもよい。
この成分としては、ナトリウム、カリウム、セシウムなどのアルカリ金属類、マグネシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、ジルコニウム、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、クロム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金などの遷移金属、アルミニウム等の周期律表第13族元素、およびこれらの酸化物などが挙げられる。
この第4成分を触媒に含有させることにより、触媒の効果の持続性向上や触媒の安定性向上が期待される。
この第4成分は、触媒3もしくは触媒4中および/またはシリカ中に適宜含有させることができる。すなわち、触媒3もしくは触媒4およびシリカの両方に含有させてもよいし、どちらか一方に含有させてもよい。
以上説明したように、本発明で使用される第2の固体触媒における、銅および酸化銅の少なくとも一方、酸化亜鉛およびシリカの好ましい含有割合は、その触媒の製造方法により異なる。
(1)の方法で調製される触媒においては、触媒は共沈法などにより調製されるので、銅および酸化銅の少なくとも一方、酸化亜鉛およびシリカは、分子レベルで見た時に、お互いに近い距離に存在する。
(2)および(3)の方法では、ただ混合するだけなので、得られる触媒においては、(1)の方法で調製される触媒に比べて、銅および酸化銅の少なくとも一方、酸化亜鉛およびシリカのお互いの距離は長い。なお、銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛とは、お互いに近い距離に存在する。銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛とを含む触媒1もしくは2は、(2)の方法で調製される触媒のところで説明したように、公知の方法(共沈法、含浸法、混練法など)で製造された触媒や、市販されているものであるからである。市販されているものも、公知の方法で製造されている。また、(3)の方法においてシリカを含む物質または触媒が銅および酸化銅の少なくとも一方を含んでいる場合には、シリカと銅および酸化銅の少なくとも一方とは、お互いに近い距離に存在する。
そして(4)の方法で調製される触媒においては、ただ混合されるのではなく押出成型されるので、得られる触媒において、銅および酸化銅の少なくとも一方、酸化亜鉛およびシリカのお互いの距離は、(2)および(3)の方法で得られた触媒における3成分のお互いの距離よりも短く、(1)の方法で得られた触媒における3成分のお互いの距離よりも長い。
本発明はグリセリンを接触水素添加してプロピレングリコールを製造する方法であるが、この反応の触媒においては、銅が活性部位であり(反応させる際には、触媒中の酸化銅は還元により銅となる)、酸化亜鉛は銅との相互作用により、銅の活性を高めるものと考えられている。本発明者らはシリカも銅との相互作用により、銅の活性を高めるものと考えている。銅と、酸化亜鉛およびシリカとの相互作用には、お互いの距離が関係すると考えられるので、上記(1)〜(4)の方法で得られた触媒においては、銅および酸化銅の少なくとも一方、酸化亜鉛およびシリカのお互いの距離が異なるため、それぞれの触媒における各成分の好ましい割合も異なるのではないかと本発明者らは考えている。
なお、一般的な指針として、触媒の製造方法によらずにあてはまる、本発明に使用される第2の固体触媒における3成分の好ましい割合について以下に説明する。
本発明で使用される第2の固体触媒 100重量%中のシリカの含有量は、望ましくは0.1〜25重量%、より望ましくは0.2〜20重量%であり、特に望ましくは0.5〜20重量%である。シリカの含有量が上記の範囲にある触媒を用いれば、より高収率でプロピレングリコールを得ることができる。
本発明に使用される第2の固体触媒に含まれる銅および酸化銅の少なくとも一方とシリカとの重量比(銅および酸化銅の総重量:シリカの重量)は、0.5:1〜700:1の範囲にあることが望ましく、1.0:1〜500:1の範囲にあることがより望ましく、1.2:1〜350:1の範囲にあることがさらに望ましい。銅および酸化銅の少なくとも一方とシリカとの重量比が上記の範囲にある触媒を用いれば、より高収率でプロピレングリコールを得ることができる。
また、本発明で使用される第2の固体触媒に含まれる銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛との重量比(銅および酸化銅の総重量:酸化亜鉛の重量)に特に制限はないが、通常6:1〜5:90の範囲にあり、5:1〜10:90の範囲にあることが望ましく、4:1〜6:35の範囲にあることがより望ましい。
本発明において、(II)銅および酸化銅の少なくとも一方と、酸化亜鉛と、シリカとを含む触媒(第2の固体触媒)は、前記(1)の方法で調製される触媒であって、シリカの含有率が0.1〜25重量%であって、銅および酸化銅の総重量とシリカの重量との比が0.5:1〜700:1であって、銅および酸化銅の総重量と酸化亜鉛の重量との比が5:1〜10:90であることが好ましい。
また第2の固体触媒は、前記(1)の方法で調製される触媒であって、シリカの含有率が0.1〜20重量%であって、銅および酸化銅の総重量とシリカの重量との比が1:1〜500:1であって、銅および酸化銅の総重量と酸化亜鉛の重量との比が3:1〜6:35であることがより好ましい。
また第2の固体触媒は、前記(1)の方法で調製される触媒であって、シリカの含有率が0.5〜15重量%であって、銅および酸化銅の総重量とシリカの重量との比が1.5:1〜100:1であって、銅および酸化銅の総重量と酸化亜鉛の重量との比が2:1〜6:35であることがさらに好ましい。
また第2の固体触媒は、前記(1)の方法で調製される触媒であって、シリカの含有率が1〜15重量%であって、銅および酸化銅の総重量とシリカの重量との比が2:1〜50:1であって、銅および酸化銅の総重量と酸化亜鉛の重量との比が2:1〜1:5であることがより好ましい。
さらに第2の固体触媒は、前記(1)の方法で調製される触媒であって、シリカの含有率が5〜15重量%であって、銅および酸化銅の総重量とシリカの重量との比が3:1〜7:1であって、銅および酸化銅の総重量と酸化亜鉛の重量との比が2:1〜1:2であることがさらに好ましい。
(III)銅および酸化銅の少なくとも一方と、酸化亜鉛と、周期表第2族〜第10族の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物とを含む触媒。
本発明に使用される触媒は、銅および酸化銅の少なくとも一方と、酸化亜鉛と、周期表第2族〜第10族の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物とを含む触媒(以下、「第3の固定触媒」ということがある)であることが好ましい。
前記周期表第2族〜第10族の元素から選ばれる少なくとも1種の元素は、マグネシウム、カルシウム、バリウム、チタン、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルトおよびニッケルから選ばれることが好ましく、マグネシウム、マンガン、鉄、コバルトおよびニッケルから選ばれることがより好ましい。
本発明で使用される第3の固体触媒に含まれる銅および酸化銅の少なくとも一方(a)と酸化亜鉛(b)との重量比(銅および酸化銅の総重量:酸化亜鉛の重量)に特に制限はないが、6:1〜6:35の範囲にあることが望ましく、5:1〜5:15の範囲にあることがより望ましく、3:1〜3:7の範囲にあることがさらに望ましく、2:1〜2:4の範囲にあることが特に望ましい。重量比が上記の範囲にある触媒を使用すると、より高収率で触媒反応が進行する。
また、本発明で使用される触媒に含まれる銅および酸化銅の少なくとも一方(a)と周期表第2族〜第10族の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物(c)との重量比(銅および酸化銅の総重量:酸化物(c)の重量)に特に制限はないが、100:1〜1.5:1の範囲にあることが望ましく、100:1〜4:1の範囲にあることがより望ましい。重量比が上記の範囲にある触媒を使用すると、より高収率で触媒反応が進行する。
また、本発明で使用される触媒中に本反応を阻害しない程度に、銅および酸化銅の少な
くとも一方(a)、酸化亜鉛物(b)、ならびに、周期表第2族〜第14族の元素から選ばれる少なくとも1種の元素酸化物(c)以外の第4の成分を含有させてもよい。この成分としては、例えば、ナトリウム、カリウム、セシウムなどのアルカリ金属類およびこれらの酸化物等が挙げられる。この第4の成分を触媒に含有させることにより、触媒の効果の持続性向上や触媒の安定性向上が期待される。
本発明に使用される第3の固体触媒の製造方法には特に制限はない。例えば、銅の、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物及び水酸化物等から選ばれる少なくとも1種と、亜鉛の、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物及び水酸化物等から選ばれる少なくとも1種と、さらに周期律表第2族〜第10族の元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物及び水酸化物等から選ばれる少なくとも1種とを原料として、共沈法、含浸法、混練法などの公知の方法で製造することが可能である。
例えば、共沈法と呼ばれる方法では、銅の硝酸塩と、亜鉛の硝酸塩と、周期律表第2族の元素の硝酸塩とを含む水溶液を塩基の存在下で反応させ、銅と、亜鉛と、周期律表第2族の元素とを含む共沈物を製造した後、共沈物を乾燥、焼成することにより、本発明に使用される触媒を製造することができる。
また、使用する銅の、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物及び水酸化物等から選ばれる少なくとも1種、亜鉛の、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物及び水酸化物等から選ばれる少なくとも1種、および周期律表第2族〜第10族の元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物及び水酸化物等から選ばれる少なくとも1種の量比を変更することにより、本発明に使用される触媒における銅および酸化銅の少なくとも一方(a)、酸化亜鉛(b)および酸化物(c)の含有量を調節することができる。
また、公知の方法で調製した銅および酸化銅の少なくとも一方(a)と酸化亜鉛(b)とを含む触媒と、別途公知の方法で調製した周期律表第2族〜第10族の元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物(c)を含む物質または触媒とを混合することによっても、第3の固体触媒を製造することができる。
本発明で使用される銅および酸化銅の少なくとも一方(a)と酸化亜鉛(b)とを含む触媒としては、上記の公知の方法(共沈法、含浸法、混練法など)で製造された触媒や、市販されているもの(例えば、日揮化学(株)製F10G、ズードケミー触媒(株)製シフトマックス210等)を使用することができる。
また、酸化物(c)を含む物質または触媒としては、周期律表第2族〜第10族の元素の酸化物を単独で、または複数種の酸化物の混合物(例えば、ズードケミー触媒(株)製N−150、N850等)として使用することも、銅および酸化銅の少なくとも一方と周期律表第2族〜第10族の元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物(c)とを含む触媒、すなわち上記の公知の方法で製造された触媒(共沈法、含浸法、混練法など)や、市販されているもの(例えば、ズードケミー触媒(株)製N−140、N−840等)を使用することもできる。
(IV)銅および酸化銅の少なくとも一方と、バリウム、クロム、マンガンおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物と、周期表第2族〜第14族の元素から選ばれる少なくとも1種の元素(ただし、銅、バリウム、クロム、マンガン、アルミニウム、および亜鉛を除く)の酸化物とを含む触媒。
本発明に使用される触媒は、銅および酸化銅の少なくとも一方(a)と、バリウム、クロム、マンガンおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物(b)と、周期表第2族〜第14族の元素から選ばれる少なくとも1種の元素(ただし、銅、バリウム、クロム、マンガン、アルミニウム、および亜鉛を除く)の酸化物(c)とを含む触媒(以下、「第4の固定触媒」ということがある)であることが好ましい。
前記周期表第2族〜第14族の元素から選ばれる少なくとも1種の元素は、マグネシウム、カルシウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、タングステン、鉄、コバルト、ニッケル、およびケイ素から選ばれることが好ましく、ケイ素であることがより好ましい。
本発明で使用される触媒に含まれる銅および酸化銅の少なくとも一方(a)と、バリウム、クロム、マンガンおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物(b)との重量比(銅および酸化銅の総重量:酸化物(b)の重量)に特に制限はないが、6:1〜6:35の範囲にあることが望ましく、5:1〜5:15の範囲にあることがより望ましく、3:1〜3:7の範囲にあることがさらに望ましい。重量比が上記の範囲にある触媒を使用すると、より高収率で触媒反応が進行する。
また、本発明で使用される触媒に含まれる銅および酸化銅の少なくとも一方(a)と、周期表第2族〜第14族の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物(c)との重量比(銅および酸化銅の総重量:酸化物(c)の重量)に特に制限はないが、100:1〜1.5:1の範囲にあることが望ましく、100:1〜4:1の範囲にあることがより望ましい。重量比が上記の範囲にある触媒を使用すると、より高収率で触媒反応が進行する。
また、本発明で使用される触媒中に本反応を阻害しない程度に、銅および酸化銅の少な
くとも一方(a)、バリウム、クロム、マンガンおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物(b)、ならびに、周期表第2族〜第14族の元素から選ばれる少なくとも1種の元素酸化物(c)以外の第4の成分を含有させてもよい。この成分としては、例えば、ナトリウム、カリウム、セシウムなどのアルカリ金属類およびこれらの酸化物等が挙げられる。この第4の成分を触媒に含有させることにより、触媒の効果の持続性向上や触媒の安定性向上が期待される。
本発明に使用される第4の固体触媒の製造方法には特に制限はない。例えば、銅の、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物及び水酸化物等から選ばれる少なくとも1種と、バリウム、クロム、マンガンおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素の、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物及び水酸化物等から選ばれる少なくとも1種と、さらに周期律表第2族〜第14族の元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物及び水酸化物等から選ばれる少なくとも1種とを原料として、共沈法、含浸法、混練法などの公知の方法で製造することが可能である。
例えば、共沈法と呼ばれる方法では、銅の硝酸塩と、クロムの硝酸塩と、周期律表第2族の元素の硝酸塩とを含む水溶液を塩基の存在下で反応させ、銅と、亜鉛と、周期律表第2族の元素とを含む共沈物を製造した後、共沈物を乾燥、焼成することにより、本発明に使用される触媒を製造することができる。
また、使用する、銅の、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物及び水酸化物等から選ばれる少なくとも1種と、バリウム、クロム、マンガンおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素の、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物及び水酸化物等から選ばれる少なくとも1種と、周期律表第2族〜第14族の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物及び水酸化物等から選ばれる少なくとも1種との量比を変更することにより、本発明に使用される触媒における銅および酸化銅の少なくとも一方(a)、酸化物(b)および酸化物(c)の含有量を調節することができる。
また、公知の方法で調製した銅および酸化銅の少なくとも一方(a)と、バリウム、クロム、マンガンおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物(b)とを含む触媒と、別途公知の方法で調製した周期律表第2族〜第14族の元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素(ただし、銅および酸化物(b)に含まれる元素を除く)の酸化物(c)を含む物質または触媒とを混合することによっても、第3の固体触媒を製造することができる。
本発明で使用される銅および酸化銅の少なくとも一方(a)と、バリウム、クロム、マンガンおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物(b)とを含む触媒としては、上記の公知の方法(共沈法、含浸法、混練法など)で製造された触媒や、市販されているもの(例えば、日揮化学(株)製N202D、ズードケミー触媒(株)製G−99CKおよびN−140、エヌ・イー・ケムキャット(株)製Cu−1190P等)を使用することができる。
また、酸化物(c)を含む物質または触媒としては、周期律表第2族〜第14族の元素(ただし、銅および酸化物(b)に含まれる元素を除く)の酸化物を単独で、または複数種の酸化物の混合物(例えば、ズードケミー触媒(株)製Ni−5256等)として使用することも、銅および酸化銅の少なくとも一方と、周期律表第2族〜第14族の元素から選ばれる少なくとも1種の元素(ただし、銅および酸化物(b)に含まれる元素を除く)の酸化物(c)とを含む触媒、すなわち上記の公知の方法で製造された触媒(共沈法、含浸法、混練法など)や、市販されているもの(例えば、日揮化学(株)製E35S、堺化学(株)製KC−1H等)を使用することもできる。
本発明の製造方法は、前記固体触媒の存在下でグリセリンに対して接触水素添加をする反応工程を含む。本発明において触媒を反応器に装入する方法については、反応を阻害しない限り特に制限はない。複数種の触媒を使用する場合、例えば、触媒Aおよび触媒Bを用いる場合、触媒Aと触媒Bを混合して反応器に装入してもよく、また、触媒Aと触媒Bを交互に装入して触媒Aと触媒Bが層状になるようにしてもよい。
本発明においては、前記固体触媒を反応に用いるに際して、そのまま反応に用いてもよいし、反応に用いる前に予め水素ガスによる還元で活性化し、触媒中に含有される金属化合物を完全にまたは部分的に金属に還元してから用いてもよい。一般にこの還元は100〜400℃で触媒を水素ガスと接触させることにより行なわれる。
本発明における反応工程の反応条件としては、プロピレングリコールの生成効率の観点から、固体触媒が銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛とを含むものであって、反応温度が100〜300℃であって、反応圧力が2.5〜10MPaであって、水素の供給量がグリセリンに対して1〜200モル当量であることが望ましく、固体触媒が酸化銅と酸化亜鉛とを含み、酸化銅と酸化亜鉛の重量比が6:1〜6:35であって、反応温度が100〜250℃であって、反応圧力が3〜10MPaであって、水素の供給量がグリセリンに対して1〜100モル当量であることがより望ましい。
また本発明においては、反応温度100〜250℃、反応圧力3〜10MPa(30〜100bar)の条件下に、グリセリンを水素化できる固体触媒として、銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛とからなる固体触媒を用いることもまた望ましい。
さらに本発明においては、反応温度100〜250℃、反応圧力3〜10MPa(30〜100bar)の条件下に、グリセリンを水素化できる固体触媒として、銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛とを含む、含有率が70〜99重量%の第1の触媒と、銅および酸化銅の少なくとも一方と周期律表第2族〜第14族元素の酸化物とを含み酸化亜鉛を含まない、含有率が1〜30重量%の第2の触媒とからなる固体触媒を用いることもまた望ましく、前記第2の触媒に含まれる周期律表第2族〜第14族元素が、マグネシウム、カルシウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、ケイ素から選ばれることがより望ましい。
本発明のプロピレングリコールの製造方法は、上述のように気液固三相で反応させるため、グリセリンを気化せずとも、経済的に有利に、高い効率でグリセリンからプロピレングリコールを製造することができる。
前記反応工程の後、反応器から流出する反応物(流出物)には、主として生成物であるプロピレングリコール、未反応のグリセリン、未反応の水素、反応器に適宜供給した不活性ガス、グリセリンに適宜含まれていた水や有機溶媒、反応の副生物である低級アルコール、原料に含まれていた不純物等が含まれる。これらは反応器から流出した後に気液分離器に供給され気体成分と液体成分とに分離される。
気液分離器の形状等は特に制限されるものではなく、槽型、管型等適宜選択され使用される。
気液分離器の運転温度は、供給される反応流出物の組成により任意に選択できるが、未反応の水素とグリセリンをそれぞれ回収再使用することを考慮すると、通常20℃〜200℃であり、望ましくは20℃〜150℃である。
気液分離器の運転圧力は、供給される反応流出物の組成により任意に選択できるが、未反応の水素とグリセリンをそれぞれ回収再使用することを考慮すると、通常0.1MPa〜5MPaであり、望ましくは0.1MPa〜3MPaである。
気液分離器により分離された気体には、主として未反応の水素ガスおよび反応器に適宜供給した不活性ガスが含まれる。これらのガスは回収し再度反応器に供給することができる。これにより水素の損失を低減することができ、反応効率をより向上させることができる。
また、気液分離器により分離された液体には、主として生成物であるプロピレングリコール、未反応のグリセリン、グリセリンに適宜含まれていた水や有機溶媒、反応の副生物である低級アルコール、原料に含まれていた不純物等が含まれる。この液は未反応グリセリン回収器および生成物分離器に供給される。
上記気液分離器により分離された液体から、未反応グリセリン回収器および生成物分離器によって、未反応のグリセリンを回収する方法、および、生成物であるプロピレングリコールを高純度で分離する方法は、公知の技術を用いることができる。本発明においては各種分離方法のうち、精製効率、経済性の観点から、蒸留法を用いるのが望ましい。
例えば、未反応グリセリン回収器および生成物分離器として蒸留塔を使用する場合、その形状、理論段数等は供給される液体の組成により任意に選択される。蒸留塔は単一で用いても複数を連結して用いてもよい。
蒸留法により、気液分離器により分離された液体を、大別して、水や有機溶媒、不純物の低級アルコールなどの低沸点成分と、生成物であるプロピレングリコールを主とする成分と、グリセリンを主とする成分と、オリゴマー等のグリセリンより高沸点な残渣成分とに分離することができる。
生成物であるプロピレングリコールはもちろんであるが、グリセリンを回収して再使用することを考慮すると、望ましくはプロピレングリコールの純度およびグリセリンの純度がそれぞれ95重量%以上になるように運転条件は適宜設定される。通常、運転温度は100〜300℃、運転圧力は0.1MPa〜1MPaである。
本発明においては、例えば蒸留法により、分離されたグリセリンを回収し、再度反応器に供給することが望ましい。回収したグリセリンを反応器に供給する前に水や有機溶媒で希釈することもでき、水素や不活性ガスと混合することもできる。
また、分離された水や有機溶媒を再使用する工程を含むこともまた望ましい。さらに分離された水や有機溶媒を、本反応を阻害しない程度に不純物を常法により低減させる工程を含んでいてもよい。
以下実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。尚、グリセリンの転化率およびプロピレングリコールの収率はガスクロマトグラフィー(ガスクロマトグラフ装置:島津製作所社製GC−14A、カラム:アジレント社製HP−INNOWAX、検出器:FID)で算出した。また元素分析は波長分散型蛍光X線分析(装置:島津製作所製XRF−1700、X線管球:Rh、40kV、95mA、絞り:Φ3mm、測定雰囲気:真空、解析方法:Fundamental Parameter法)で行った。
[調製例1]
(実質的に銅および酸化銅の少なくとも一方と酸化亜鉛からなる触媒の調製)
硝酸第二銅三水和物9.11gおよび硝酸亜鉛六水和物10.98gを蒸留水75mlに溶解させた溶液を、炭酸ナトリウム8.30gを蒸留水75mlに溶解させた溶液に室温で攪拌しながら添加し、2時間反応させた。反応後の沈殿を生じている反応物を濾過し、蒸留水で洗浄した。濾過・洗浄後の固体を取り出し、乾燥、焼成することにより固体5.71gを得た。この固体の元素分析値はCu:41.8重量%、Zn:38.5重量%であり、調製に使用した不純物の合計は0.5重量%であり、実質的に酸化銅と酸化亜鉛が1:1の比率からなる触媒であった。
得られた触媒を、錠剤成形器を用いて0.5mmHg(66.7Pa)の減圧下に、5MPaの圧力で5分間圧縮した後、粉砕し、篩い分けにより0.25mm〜0.5mmの部分を集めたところ、その嵩密度は0.85g/cmであった。これを成形された触媒として反応に用いた。
[実施例1]
内径9mmの反応管を有するハステロイC276製固定床連続反応装置に調製例1で得られた成形された触媒5.0g(5.9ml)を充填し、触媒充填部を195℃に加熱した。この触媒充填部に80重量%グリセリン水溶液を3g/hr(LHSV=0.6hr−1)、および水素を50ml/min供給し(水素/グリセリン供給モル比=5.2/1)、反応を開始した。反応中、反応管内の圧力を3MPaに保った。5時間後、反応管から流出する液を1時間かけて捕集し、その捕集液(反応物)の分析を行ったところ、グリセリンの転化率は76.7%、プロピレングリコールの収率は71.3%であり、プロピレングリコールの選択率は93.0%であった。また、1時間あたり触媒充填部体積あたりのプロピレングリコール収量は0.36kg/L/hrであり、1時間あたり銅原子単位重量あたりのプロピレングリコール収量は1.02kg/g−Cu/hrであった。
[調製例2]
(触媒Aおよび触媒Bの混合触媒の調製)
触媒AとしてF10G(酸化銅:酸化亜鉛=1:1、日揮化学(株)製)、触媒BとしてE35S(酸化銅:シリカ=5:2、日揮化学(株)製)を用い、それぞれを、錠剤成形器を用いて0.5mmHg(66.7Pa)の減圧下に、5MPaの圧力で5分間圧縮した後粉砕し、篩い分けにより0.25mm〜0.5mmの部分を集めたところ、その嵩密度はそれぞれ0.85g/cm、0.84g/cmであった。これらを成形された触媒として反応に用いた。
[実施例2]
グリセリン24g、蒸留水6g、触媒A(F10G)1.20g、触媒B(E35S)0.240gを量り取り、電磁誘導回転撹拌装置の付いたSUS316製の100mlオートクレーブに装入した。オートクレーブ内部を窒素で置換した(10MPa×5回)後、水素で置換(10MPa×5回)を行い、最後に室温で内圧5MPaになるまで水素を充填し、オートクレーブを密閉した。オートクレーブ内部の触媒を含む反応液を撹拌速度450rpmで撹拌しながら、オートクレーブを200℃まで加熱して(このときの内圧は9.8MPaであった)接触水素添加反応を実施した。16時間後、加熱を停止し、自然放冷でオートクレーブを冷却し、オートクレーブ内の温度が30℃以下に下がってから内部を窒素置換して開封した。内容物をろ過して触媒を除去し、得られた反応物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、グリセリンの転化率は96.1%、プロピレングリコールの収率は93.1%であり、プロピレングリコールの選択率は97.0%であった。
[実施例3]
調製例1で得られた成形された触媒の代わりに、調製例2で得られた成形された触媒Aを5.0g(5.9ml)と、触媒Bを1.0g(1.2ml)とをあらかじめ混合したものを用いた以外は実施例1と同様にして反応を行った。捕集液の分析を行ったところ、グリセリンの転化率は86.5%、プロピレングリコールの収率は81.5%であり、プロピレングリコールの選択率は94.2%であった。また、プロピレングリコールの1時間あたり触媒充填部体積あたりのプロピレングリコール収量は0.47kg/L/hrであり、1時間あたりの銅原子単位重量あたりのプロピレングリコール収量は1.61kg/g−Cu/hrであった。
[実施例4]
調製例1で得られた成形された触媒の代わりに、調製例2で得られた成形された触媒Bの6.0g(7.2ml)を用いた以外は実施例1と同様にして反応を行った。捕集液の分析を行ったところ、グリセリンの転化率は33.6%、プロピレングリコールの収率は29.3%であり、プロピレングリコールの選択率は87.2%であった.また、プロピレングリコールの1時間あたり触媒重点部体積あたりのプロピレングリコール収量は0.12kg/L/hrであり、1時間あたりの銅原子単位重量あたりのプロピレングリコール収量は0.27kg/g−Cu/hrであった。
[実施例5]
触媒充填部に供給する80重量%グリセリン水溶液の供給量を、10g/hr(LHSV=2.0hr−1、水素/グリセリン供給モル比=1.5/1)に変更した以外は、実施例3と同様にして反応を行った。捕集液の分析を行ったところ、グリセリンの転化率は31.1%、プロピレングリコールの収率は29.6%であり、プロピレングリコールの選択率は95.2%であった.また、プロピレングリコールの1時間あたり触媒充填部体積あたりのプロピレングリコール収量は0.46kg/L/hrであり、1時間あたりの銅原子単位重量あたりのプロピレングリコール収量は1.58kg/g−Cu/hrであった。
[実施例6]
内径9mmの反応管を有するハステロイC276製固定床連続反応装置に気液分離器を取り付け、気液分離器の温度を50℃、圧力を0.15MPaの設定で運転し、気相部のガスを回収再使用するようにし、さらに反応器への水素供給量が50ml/minになるように追加水素量を調整したこと以外は実施例1と同様にして反応を行った。その結果、プロピレングリコールの収率は70.5%であった。
すなわち、回収水素を再使用することによるプロピレングリコールの収率の低下は認められなかった。
[実施例7]
実施例1で得られた捕集液を蒸留により分離し、未反応グリセリンを含む液体を得た。得られた液体の組成は、グリセリン95.5重量%、プロピレングリコール3.2重量%、エチレングリコール0.2重量%、他の不純物成分1.1重量%であった。
この液体をグリセリンの濃度が80重量%となるように水で希釈して、80重量%グリセリン水溶液を調製し、これを実施例1で使用したグリセリン水溶液の代わりに反応器に供給した以外は実施例1と同様にして反応を行った。その結果、プロピレングリコールの収率は、グリセリン水溶液に含まれているプロピレングリコールを含めて72.0%であった。
すなわち、回収グリセリンを再使用することによるプロピレングリコールの収率の低下は認められなかった。
[実施例8]
触媒充填部を225℃に加熱した以外は実施例3と同様にして反応を行った。捕集液の分析を行ったところ、グリセリンの転化率は89.5%、プロピレングリコールの収率は70.2%であり、プロピレングリコールの選択率は78.4%であった。
[比較例1]
反応中の圧力を1.5MPaに保ったこと以外は実施例1と同様にして反応を行った。補集液の分析を行ったところ、グリセリンの転化率は23.6%、プロピレングリコールの収率は17.2%であり、プロピレングリコールの選択率は72.9%であった。
[調製例3]
(酸化銅:酸化亜鉛:シリカ=50:40:10(重量基準)からなる触媒の調製)
硝酸第二銅三水和物38.0g、硝酸亜鉛六水和物36.6g、およびコロイダルシリカ(日産化学工業(株)製スノーテックスO、シリカ濃度20重量%分散液)12.5gを蒸留水500mlに溶解・分散させた分散液を、炭酸ナトリウム32.7gを蒸留水500mlに溶解させた溶液に室温で攪拌しながら添加し、2時間反応させた。反応後の沈殿を生じている反応物を濾過し、蒸留水で洗浄した。濾過・洗浄後の固体を取り出し、乾燥、焼成することにより固体19gを得た。この固体の元素分析値よりこの触媒は、酸化銅:酸化亜鉛:シリカ=50:40:10(重量基準)からなる触媒であった。
[実施例9]
実施例2において、触媒A 1.20gおよび触媒B 0.24gの代わりに調製例3で得られた触媒1.20gを用いた以外は実施例2と同様にして反応を実施した.反応物の分析を行ったところ、グリセリンの転化率は97.4%、プロピレングリコールの収率は93.2%であった。
[調製例4]
(酸化銅:酸化亜鉛:シリカ=45:45:10(重量基準)からなる触媒の調製)
硝酸第二銅三水和物9.11gおよび硝酸亜鉛六水和物10.98gを蒸留水75mlに溶解させた溶液を、炭酸ナトリウム8.30gを蒸留水75mlに溶解させた溶液に室温で攪拌しながら添加し、2時間反応させた。反応後の沈殿を生じている反応物を濾過し、蒸留水で洗浄した。濾過・洗浄後の固体を取り出し、乾燥、焼成することにより固体5.71gを得た。この固体の元素分析値はCu:41.8重量%、Zn:38.5重量%であり、調製に使用した不純物の合計は0.5重量%であり、実質的に酸化銅と酸化亜鉛が1:1の比率からなる触媒であった。
得られた触媒10gに、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、スノーテックスS、20重量%シリカ分散液)5.6g、キサンタンガム0.4gおよび蒸留水5.6gを加え、よく混合した。これを直径3mmのノズルを通して押し出し、乾燥、焼成した。得られた固体の元素分析値よりこの触媒は、酸化銅:酸化亜鉛:シリカ=45:45:10(重量基準)からなる触媒であった。
この触媒を粉砕し、篩い分けにより0.25mm〜0.5mmの部分を集めたところ、その嵩密度は0.85g/cmであった。これを成形された触媒として反応に用いた。
[実施例10]
実施例2において、触媒A 1.20gおよび触媒B 0.24gの代わりに調製例4で得られた触媒1.20gを用いた以外は実施例2と同様にして反応を実施した。反応物の分析を行ったところ、グリセリンの転化率は97.5%、プロピレングリコールの収率は94.6%であった。
[実施例11]
実施例1において、調製例1で得られた触媒の代わりに調製例4で得られた触媒を用い、80重量%グリセリン水溶液の供給量を5g/hr、水素の供給量を33ml/minとした以外は実施例1と同様に反応を実施した。その捕集液(反応物)の分析を行ったところ、グリセリンの転化率は98.3%、プロピレングリコールの収率は85.3%であり、プロピレングリコールの選択率は86.8%であった。
[調製例5]
(酸化銅:酸化亜鉛:シリカ=46:44:10(重量基準)からなる触媒の調製)
調製例3において、酸化銅:酸化亜鉛:シリカの比率が、50:48:2となるように、硝酸銅三水和物、硝酸亜鉛六水和物およびコロイダルシリカの使用量を変えた以外は調製例3と同様にして、酸化銅:酸化亜鉛:シリカ=50:48:2(重量基準)からなる触媒を調製した.
得られた触媒10gに、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、スノーテックスS、20重量%シリカ分散液)4.4g、キサンタンガム0.4gおよび蒸留水6.5gを加え、よく混合した。これを直径3mmのノズルを通して押し出し、乾燥、焼成した。得られた固体の元素分析値よりこの触媒は、酸化銅:酸化亜鉛:シリカ=46:44:10(重量基準)からなる触媒であった。
この触媒を粉砕し、篩い分けにより0.25mm〜0.5mmの部分を集めたところ、その嵩密度は0.85g/cmであった。これを成形された触媒として反応に用いた。
[実施例12〜20]
実施例1において、調製例1で得られた触媒の代わりに調製例5で得られた触媒を用い、80重量%グリセリン水溶液供給量、水素供給量、反応管内圧力、触媒充填部温度および反応液捕集時までの反応開始からの時間(反応時間)を表1のように変更した以外は実施例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
Figure 2010018602
以上から、本発明のプロピレングリコールの製造方法によれば、従来よりも比較的低温の条件で、効率的にグリセリンからプロピレングリコールが製造できたことがわかる。

Claims (10)

  1. 反応器に、グリセリンを含む反応液と水素とを供給する工程と、
    前記反応器中で、反応温度100〜300℃、反応圧力2.5〜10MPa(25〜100bar)の条件下に、グリセリンを水素化できる固体触媒とグリセリンとを接触させて反応物を得る反応工程と、
    を含むプロピレングリコールの製造方法。
  2. 前記反応器は、固定床、流動床および移動床連続反応装置から選ばれる反応装置が備える反応器である、請求項1に記載のプロピレングリコールの製造方法。
  3. 前記反応器は、固定床連続反応装置が備える反応器である、請求項1に記載のプロピレングリコールの製造方法。
  4. 前記反応器が、トリクルベッド式固定床連続反応装置が備える反応器である、請求項1に記載のプロピレングリコールの製造方法。
  5. 前記反応液の反応器中での平均移動線速が、2cm/分以上100cm/分以下である、請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載のプロピレングリコールの製造方法。
  6. 前記反応物から蒸留によりグリセリンを回収する回収工程と、
    回収されたグリセリンを再使用する工程と、
    を更に含む、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のプロピレングリコールの製造方法。
  7. 前記再使用されるグリセリンの純度が95重量%以上である、請求項6に記載のプロピレングリコールの製造方法。
  8. 前記反応液中のグリセリン濃度が60重量%以上である、請求項1〜請求項7のいずれかに記載のプロピレングリコールの製造方法。
  9. 前記グリセリンは、純度が95重量%以上である、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のプロピレングリコールの製造方法。
  10. 前記固体触媒は銅を含む、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のプロピレングリコールの製造方法。
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