JP2010018564A - 抗癌剤治療中の皮膚用貼付材 - Google Patents

抗癌剤治療中の皮膚用貼付材 Download PDF

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Abstract

【課題】より簡便で、抗癌剤治療中に発生する皮膚障害の予防効果および治療効果の高い技術を提供すること。
【解決手段】支持体層と、該支持体層の片面に積層された粘着剤層と、を少なくとも備え、前記粘着剤層は、粘着性基剤と、油、多価アルコール、及び親水性高分子化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物と、を少なくとも含有してなる抗癌剤治療中の皮膚用貼付材を提供する。本発明に係る皮膚用貼付材を用いれば、抗癌剤治療中に発生する皮膚障害の予防及び治療を、より簡便により効果的に行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、抗癌剤治療中に皮膚に貼付するための貼付材に関する。より詳しくは、本発明は、抗癌剤治療中に発生する皮膚障害の予防、および治療するために用いる貼付材に関する。
近年、悪性新生物(以下「癌」と称する。)の罹患率が急激に増加し、死因別の死亡率に関しても、癌が急激に増加している。その一方で、癌治療の技術が進み、正しい治療を受ければ完治する可能性も十分であることから、癌罹患者の約6割以上の人が告知を受け、自らの病気を十分に理解した上で、癌治療に臨むことが多くなってきている。
また、癌治療の技術向上に伴い、入院して行うことが常識であった癌治療の多くが、現在では外来による癌治療へと移行され、癌治療中の患者のQOL(Quality of Life)を如何に向上させるかが、重要な課題となっている。
癌治療に用いられる抗癌剤の開発も進み、従来からの問題点であった抗癌剤による副作用が軽減された薬剤も数々登場しつつあるが、全身性の副作用のような生命に危険が及ぶ副作用は軽減されている場合であっても、例えば、皮膚障害のような局所的な副作用を発生するケースがまだまだ多いのが現状である。
皮膚障害のような局所的な副作用は、生命に危険が及ばない症状ではあるものの、前記のように、通常の日常生活を送りつつ癌治療を行う患者が増えたことを考えると、皮膚障害の予防および治療を円滑に進めることは、患者のQOLを向上させる上で非常に重要である。
抗癌剤治療中に発生する皮膚障害としては、脱毛、発疹、光線過敏症、手足症候群(Hand-foot syndrome)、静脈炎、紅斑、浮腫、水疱、びらん、色素沈着、掻痒感、爪甲異常、皮膚肥厚、放射線性皮膚炎などが挙げられる。そして、抗癌剤治療は通常、長期に及ぶことが多いことから、前記皮膚障害が発生すると、その掻痒感等から無意識に皮膚を引っ掻いてしまうことも多く、症状を悪化させたり、二次的な皮膚疾患を引き起こしたりすることもある。
これらの皮膚障害の発症機序は、まだまだ解明されていない点も多いが、概ね、以下のように考えられている。
(1)皮膚基底細胞の増殖能の阻害。
(2)血管からの抗癌剤の漏出による皮膚炎症、エクリン汗腺(手掌・足底に多く存在)からの抗癌剤分泌による汗腺障害。
(3)皮膚内のシグナル活性の乱れによる特定のケラチン遺伝子の突然変異。
(4)前記(1)〜(3)の発生による皮膚の保湿機能、バリア機能の低下。
ところで、抗癌剤治療中に発生する皮膚障害を予防又は治療する方法としては、例えば、細菌感染を防ぐために皮膚表面を清潔に保ち、ワセリン、尿素、又はその他の薬剤を配合した軟膏、クリーム、ローション等を皮膚に塗布する方法が推奨されている(例えば、特許文献1)。
また、例えば、特許文献2には、サイクリン依存性キナーゼII阻害剤として有用なチアゾール−インドール化合物を投与することで、化学療法および/または放射線療法を受けている患者において、これらの療法によって引き起こされる上皮細胞傷害性副作用(例えば、脱毛症、手足症候群、粘膜炎)を予防する/その重篤度を軽減するための技術が開示されている。
特許文献3には、バシディオマイセテス(Basidiomycetes)に属する菌を培養した培養液と菌糸体との混合物から抽出される成分を有効成分とする薬剤を用いて、抗癌剤による脱毛、皮膚障害等を初めとする副作用を軽減する技術が開示されている。
特表2007−508299号公報 特表2003−532620号公報 特開平11−158080号公報
前記のように、抗癌剤治療中に発生する皮膚障害を予防又は治療する技術が開発されつつあるが、軟膏、クリーム、ローション等を塗布する方法では、大量に塗布する必要があること、塗布した軟膏、クリーム、ローション等が皮膚から脱落する場合があること、べたつきなど使用感が悪いこと、効果が不十分であること、など様々な問題点を抱えている。
一方、副作用を軽減するための薬剤を用いる方法では、当該薬剤による新たな副作用が発生する場合があること、抗癌剤との相互作用の問題から併用できる抗癌剤が限定されること、などこちらもまた様々な問題点を抱えている。
そこで、本発明では、より簡便に、抗癌剤治療中に発生する皮膚障害の予防効果および治療効果の高い技術を提供することを主目的とする。
本願発明者は、前記課題を解決するために、抗癌剤治療中に発生する皮膚障害の予防および治療方法について鋭意研究した結果、抗癌剤治療中に発生する皮膚障害の発生機序に着目することで、皮膚障害の発生を阻止する新規技術を見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明では、まず、支持体層と、
該支持体層の片面に積層された粘着剤層と、を少なくとも備え、
前記粘着剤層は、
粘着性基剤と、
油、多価アルコール、及び親水性高分子化合物からなる群から選択する少なくとも1種の化合物と、
を少なくとも含有してなる抗癌剤治療中の皮膚用貼付材を提供する。
前記粘着剤層は、前記粘着性基材と、前記化合物の少なくとも1種を含有していれば本発明の目的を達成することができるが、前記化合物として、油と、親水性高分子化合物と、を少なくとも含有させることがより好ましい。
前記支持体層および前記粘着剤層の構成は、本発明の目的を達成する上では特に限定されないが、前記支持体層を合成樹脂フィルムと、該合成樹脂フィルムの片面に積層した編布と、から構成し、
前記粘着剤層を、合成樹脂フィルムにおける前記編布との積層面と反対の面に形成することがより好ましい。
本発明に係る皮膚用貼着材は、抗癌剤治療中に発生する皮膚障害の予防又は治療に好適に用いることができる。
抗癌剤治療中に発生する皮膚障害の中でも特に、手足症候群に好適に用いることができる。
本発明においては、抗癌剤治療中の患者に対し、特定の成分を含有した皮膚用貼付材を貼付するという全く新しい方法を用いることで、刺激や摩擦から脆弱な皮膚を保護し、かつ、抗癌剤治療中に発生する皮膚障害の発生機序に直接的又は間接的に作用することにより、抗癌剤治療中に発生する皮膚障害を、より簡便により効果的に予防および治療することが可能である。
以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
図1は、本発明に係る皮膚用貼付材1の断面模式図である。本発明に係る皮膚用貼付材1は、大別して、支持体層11と、粘着剤層12と、を少なくとも備える。また、必要に応じて粘着剤層12の支持体層11の側と反対側を被覆する保護層(図示せず)を備えることも可能である。
本発明に係る皮膚用貼付材1の形態は、支持体層11と、粘着剤層12と、を備えていれば特に限定されず、例えば、三角形、四角形、菱形等の多角形、円形、楕円形、又はこれらの形状を適宜組み合わせたシート状の形態、特定の方向に連続的に形成したテープ状、ロール状の形態等、自由な形態に形成することができる。また、貼付する部位に合わせて立体的に形成したり、切り込みやスリット等を設けるなど、自由に設計することができる。以下、各層の構成について、それぞれ詳細に説明する。
(1)支持体層11
本発明に係る皮膚用貼付材1には、後述する粘着剤層12を支持する目的等で、支持体層11を設ける。この支持体層11を形成する材料は、特に限定されず、従来、この分野で使用されているあらゆる材料を用いることができる。
支持体層11の形態は特に限定されず、あらゆる材料を用いて自由に設計することができる。例えば、合成樹脂フィルム、発泡シート、不織布、織布、編布、紙等の形態が挙げられる。本発明においては、これらの中でも特に、柔軟性、伸縮性、適度な皮膚の保湿性、汚染物質からのバリア性、汚れの拭き取りやすさ等の観点から合成樹脂フィルムが好ましい。特に、防水性を有する合成樹脂フィルムがより好ましい。
本発明に係る皮膚用貼付材1に、合成樹脂フィルムからなる支持体層11を採用する場合、その材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル系重合体、オレフィン系共重合体等の合成樹脂を挙げることができる。本発明においては、これらの中でも特に、ポリウレタン、ポリエステル及びポリアミドが好ましい。
本発明に係る皮膚用貼付材1の支持体層11は、単一の材料により単一の形態とすることもできるが、2種以上の材料を用いて、複合的な形態に形成することも可能である。また、同一又は異なる種類の形態の支持体層11をラミネートした積層構造の支持体層11とすることもできる。
例えば、図2に示すように、前記支持体層11を、合成樹脂フィルム111と、該合成樹脂フィルム111の片面に積層した編布112と、から構成することが可能である。この場合、後述する粘着剤層12を、合成樹脂フィルム111における前記編布112との積層面S1と反対の面S2に形成することが好ましい。支持体層11を合成樹脂フィルム111と編布112との積層構造にすることで、合成樹脂フィルム111表面の有効接触面積を編布112により減少させて、外表面S3が滑り性に優れた皮膚用貼付材1を構成することができる。これにより、皮膚に対する外部からの衝撃や貼付材と接触する物との摩擦を緩和し、長期の皮膚保護性を確保することが可能となる。また、長期間の抗癌剤治療で、掻痒感が発生して無意識に皮膚を引掻いてしまう場合にも、支持体層のこの積層構造により、刺激や摩擦から脆弱な皮膚を保護するので、皮膚疾患の症状悪化を防ぐことができる。
本発明に係る皮膚用貼付材1における支持体層11の厚さは、本発明の目的を損なわなければ特に限定されないが、粘着剤層12の支持及び貼付する際の操作性の観点から、5μm以上が好ましく、15μm以上が更に好ましい。また、皮膚に対する違和感がなく、皮膚の動きに順応させるためにも、支持体層11の厚さは、1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましい。
(2)粘着剤層12
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12は、粘着性基剤と、油、多価アルコール、及び親水性高分子化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物と、を少なくとも含有する。この粘着剤層12の厚さは、本発明の目的を達成する上では特に限定されないが、0.02mm以上4.0mm以下であることが好ましく、0.1mm以上2.5mm以下であることが更に好ましい。粘着剤層12の厚さをこの範囲内に設計することにより、本発明に係る皮膚用貼付材1を皮膚に貼付したときに適度な粘着力を示し、皮膚に対する優れた順応性をもたせ、外部からの刺激や摩擦を緩和することが可能となるからである。以下、それぞれの含有成分について詳細に説明する。
(2−1)粘着性基剤について
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12に含有させる粘着性基剤の材料は、本発明の目的を達成する上では特に限定されず、一般的な粘着性基剤を1種又は2種以上自由に選択することが可能である。一例としては、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤等の粘着剤や、ロジン及びロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油系樹脂等の粘着付与剤等を挙げることができる。これらの粘着性基剤は、それぞれ粘着組成物を合成する段階で適度の初期粘着力、粘着保持力等が得られるようにモノマーやその他の添加剤、重合度等を適宜選択して作ることができる。また必要に応じて合成された何種類かをブレンドすることも可能である。
本発明では、前記粘着剤の中でも、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤が好ましい。ゴム系粘着剤に用いる材料としては、特に限定されないが、熱可塑性エラストマー、液状又は半固体状のゴム系樹脂が好ましい。シリコーン系粘着剤に用いる材料としては、特に限定されず、付加反応型、縮合反応型、又は過酸化反応型等の公知のシリコーン樹脂を自由に採用することができるが、本発明においては、付加反応型シリコーン系樹脂が好ましい。以下、好ましい粘着剤の詳細を説明する。
(a)熱可塑性エラストマー
前記ゴム系粘着剤に用いる熱可塑性エラストマーの具体的な種類は、本発明の目的を達成する上では特に限定されず、公知の熱可塑性エラストマーを1種又は2種以上自由に選択することが可能である。一例としては、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ジエン系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。本発明ではこれらの中でも特に、スチレン系熱可塑性エラストマーが好適である。
スチレン系熱可塑性エラストマーの具体例も特に限定されないが、例えば、水添スチレン−ブタジエンゴム(HSBR)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン−エチレン/ブチレン−オレフィン結晶ブロック共重合体(SEBC)等を挙げることができる。本発明ではこれらの中でも特に、水添スチレン−ブタジエンゴム(HSBR)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)が好ましく、水添スチレン−ブタジエンゴム(HSBR)が特に好ましい。
ゴム系粘着剤に用いる熱可塑性エラストマーの粘着剤層12の全重量に対する配合量は、本発明の目的を損なわなければ自由に設定することができるが、本発明では、5〜40重量%であることが好ましく、5〜15重量%であることが更に好ましい。熱可塑性エラストマーの配合量を前記範囲内に設定することにより、粘着剤層12の凝集性及び形状保持性が向上し、粘着剤層12のフロー(崩壊)及び剥離時の糊残りを防止することができるからである。
(b)ゴム系樹脂
ゴム系粘着剤に用いる液状又は半固体状のゴム系樹脂の具体的な種類は、本発明の目的を達成する上では特に限定されず、公知のゴム系樹脂を1種又は2種以上自由に選択することが可能である。一例としては、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリブテン、スチレン−イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、スチレン−エチレン−プロピレンゴム、及びこれらの水添物等の誘導体を挙げることができる。本発明ではこれらの中でも特に、ポリイソブチレンが特に好適である。
ゴム系粘着剤に用いる液状又は半固体状のゴム系樹脂の粘着剤層12の全重量に対する配合量は、本発明の目的を損なわなければ自由に設定することができるが、本発明では、5〜45重量%であることが好ましく、10〜40重量%であることが更に好ましい。液状又は半固体状のゴム系樹脂の配合量を前記範囲内に設定することにより、粘着剤層12の粘着力や柔軟性が向上し、それにより、皮膚の引きつれや、粘着剤層12の硬さによる物理刺激等が緩和されるからである。以上説明した液状又は半固体状のゴム系樹脂は、本発明においては、前記熱可塑性エラストマーと併用して、粘着剤層12に含有させることが好ましい。
(c)シリコーン系樹脂
シリコーン系粘着剤に用いる付加反応型シリコーン系樹脂は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン(アルケニル基含有オルガノポリシロキサン)とヒドロシリル基(Si−H)を有するオルガノポリシロキサン(ハイドロジェンオルガノポリシロキサン)とを、塩化白金酸等の白金化合物触媒を用いて、付加反応(ヒドロシリル化反応)させたものである。本発明に使用する付加反応型シリコーン系樹脂としては、本発明の目的を達成する上では特に限定されないが、ビニル基置換ポリジメチルシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの付加反応物であることが好ましい。本発明に係る皮膚用貼付材1は、前記シリコーン系粘着剤を粘着性基剤として用いることにより、貼付中の皮膚への順応性を高め、皮膚から剥離する際の剥離刺激を低減できるので好適である。
以上説明した粘着性基剤の粘着剤層12の全重量に対する配合量は、本発明の目的を損なわなければ自由に設定することができるが、本発明では、10〜80重量%であることが好ましく、30〜60重量%であることが更に好ましい。
(2−2)特定の化合物について
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12には、前記粘着性基剤以外の物質として、油、多価アルコール、及び親水性高分子化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有させる。
抗癌剤治療中に発生する皮膚障害は、前述の通り、血管からの抗癌剤の漏出による皮膚炎症、エクリン汗腺(手掌・足底に多く存在)からの抗癌剤分泌による汗腺障害、皮膚の保湿機能の低下、バリア機能の低下等が発症原因と考えられる。本発明に係る皮膚用貼付材1は、漏出又は分泌された抗癌剤の皮膚への悪影響を緩和すべく、粘着剤層12に、油、多価アルコール、及び親水性高分子化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有させている。これらの化合物を所定量、所定種類で粘着剤相12に含有させることにより、抗癌剤を含む汗、皮脂等の皮膚への貯留を防止したり、抗癌剤を含む汗、皮脂等を速やかに吸収したりすることができるものと考えられる。そしてその結果、抗癌剤の皮膚への悪影響を緩和することができると考えられる。
また、これらの化合物の少なくとも1種を粘着剤層12に含有させることで、皮膚の保湿機能やバリア機能の向上を図ることができ、結果的に抗癌剤治療中に発生する皮膚障害を効果的に予防又は治療することができる。
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12には、前記粘着性基剤と、前記化合物の少なくとも1種が含有されていれば、本発明の目的を達成することができるが、前記化合物として、油、及び親水性高分子化合物を少なくとも含有させることが特に好ましい。以下、それぞれの化合物について詳細に説明する。
(a)油
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12に油を配合することにより、皮膚の保湿機能、バリア機能を補完、向上させることができる。また、粘着剤層12の柔軟性や使用感を向上し、皮膚刺激を軽減するとともに、皮膚への密着性を高め、抗癌剤を含有する汗、皮脂等の皮膚への貯留を防止することができる。更に、後述する多価アルコールや親水性高分子化合物との併用と相俟って、皮膚表面や皮膚表皮、あるいは皮脂や汗中に存在する抗癌剤の吸収作用を促進させることができるものと考えられる。この結果、血管からの抗癌剤の漏出による皮膚炎症やエクリン汗腺からの抗癌剤分泌による汗腺障害を緩和することができると考えられる。
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12に含有させ得る油としては、前記の本発明の目的を損なわない限り、鉱油、植物油、動物油及び合成油等の公知の油を、1種又は2種以上自由に選択して含有させることができる。
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12に含有させ得る鉱油の具体例も特に限定されないが、例えば、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ナフテン油等を挙げることができる。
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12に含有させ得る植物油の具体例も特に限定されないが、例えば、オリーブ油、オリーブスクワラン、マカデミアナッツ油、ホホバ油、ひまし油、やし油、パーム油、サフラワー油、ひまわり油、硬化やし油、硬化パーム油、アーモンド油、落花生油、綿実油、アボガド油、杏仁油、グレープシード油、ペパーミント油、ミント油、スペアミント油、ラベンダー油、ティーツリー油、ユーカリ油、ハッカ油、チョウジ油、ケイヒ油、ローズマリー油、オレンジ油、レモングラス油、レモン油、ユズ油、ライム油、グレープフルーツ油、ヒノキ油等を挙げることができる。
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12に含有させ得る動物油の具体例も特に限定されないが、例えば、ラノリン、タートル油、ミツロウ、スクワレン、プリスタン等を挙げることができる。
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12に含有させ得る合成油の具体例も特に限定されないが、例えば、グリセリントリ−2−エチルヘキサノエート等の脂肪酸トリグリセライド;ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、アミノシリコン等のシリコーンオイル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル等の脂肪酸エステル類;等を挙げることができる。
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12には、相溶性の観点から、前記粘着性基剤としてゴム系粘着剤を用いる場合には、油として流動パラフィンを用いることが特に好ましく、前記粘着性基剤としてシリコーン系粘着剤を用いる場合には、油としてシリコーンオイルを用いることが特に好ましい。
以上説明した油の粘着剤層の全重量に対する配合量は、本発明の目的を損なわない限り自由に設定することができるが、本発明においては、2〜50重量%であることが好ましく、3〜30重量%であることが更に好ましく、4〜10重量%であることが特に好ましい。
(b)多価アルコール
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12に多価アルコールを配合することにより、皮膚の保湿機能、バリア機能を補完、向上させることができる。また、粘着剤層12の柔軟性や使用感を向上し、皮膚刺激を軽減するとともに、皮膚への密着性を高め、抗癌剤を含有する汗、皮脂等の皮膚への貯留を防止することができる。更に、前記油や後述する親水性高分子化合物との併用と相俟って、皮膚表面や皮膚表皮、あるいは皮脂や汗中に存在する抗癌剤の吸収作用を促進させることができるものと考えられる。この結果、血管からの抗癌剤の漏出による皮膚炎症やエクリン汗腺からの抗癌剤分泌による汗腺障害を緩和することができると考えられる。
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12に含有させ得る多価アルコールとしては、前記の本発明の目的を損なわない限り、公知の多価アルコールを、1種又は2種以上自由に選択して含有させることができる。例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等を挙げることができる。なお、本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12に含有させ得る多価アルコールは、その重合体も包含するものとする。
以上説明した多価アルコールの粘着剤層の全重量に対する配合量は、本発明の目的を損なわない限り自由に設定することができるが、本発明においては、3〜60重量%であることが好ましく、10〜50重量%であることが更に好ましく、30〜45重量%であることが特に好ましい。
(c)親水性高分子化合物
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12に親水性高分子化合物を配合することにより、粘着剤層による汗等の吸収が良好となり、皮膚浸軟等による皮膚刺激を軽減し、皮膚の保湿機能、バリア機能を補完、向上させることができる。また、前記油や前記多価アルコールとの併用と相俟って、皮膚表面や皮膚表皮、あるいは皮脂や汗中に存在する抗癌剤の吸収作用を促進させることができるものと考えられる。この結果、血管からの抗癌剤の漏出による皮膚炎症やエクリン汗腺からの抗癌剤分泌による汗腺障害を緩和することができると考えられる。
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12に含有させ得る親水性高分子化合物としては、前記の本発明の目的を損なわない限り、天然、半合成又は合成の親水性高分子化合物等の公知の親水性高分子化合物を、1種又は2種以上自由に選択して含有させることができる。
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12に含有させ得る天然親水性高分子化合物の具体例も特に限定されないが、例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、デンプン(例えば、コメ、トウモロコシ、バレイショ及びコムギのデンプン)等の植物系高分子;キサンタンガム、デキストリン、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子;カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子等を挙げることができる。
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12に含有させ得る半合成親水性高分子化合物の具体例も特に限定されないが、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム等のセルロース系高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子等を挙げることができる。
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12に含有させ得る合成親水性高分子化合物の具体例も特に限定されないが、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子;ポリエチレンイミン等を挙げることができる。
これらの親水性高分子化合物の中でも特に、本発明においては、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム、ペクチン、カラヤガム及びゼラチンが好ましく、カルボキシメチルセルロース・ナトリウムが更に好ましい。
以上説明した親水性高分子化合物の粘着剤層の全重量に対する配合量は、本発明の目的を損なわない限り自由に設定することができるが、本発明においては、抗癌剤の吸収作用を促進させる観点から、1〜60重量%であることが好ましく、10〜60重量%であることが更に好ましく、15〜45重量%であることが特に好ましい。
(2−3)生理活性剤
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12には、皮膚の生理機能(皮膚バリア機能等)を保持又は向上させる目的で、局所的な効果を発揮する生理活性剤を添加することが好ましい。本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12に含有させ得る生理活性剤としては、前記の本発明の目的を損なわない限り、公知の生理活性剤を、1種又は2種以上自由に選択して含有させることができる。本発明では特に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルボニル基、スルホ基等の親水基を有し、親水性を発揮する生理活性剤が好ましい。
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12に含有させ得る親水性の生理活性剤の具体例も特に限定されないが、例えば、スフィンゴ脂質、尿素、グリコール酸、アミノ酸(アルギニン、システイン、グリシン、リシン、プロリン、セリン等)及びその誘導体、タンパク質加水分解物(コラーゲン、エラスチン、ケラチン等)、ムコ多糖(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン等)及びその誘導体、ビタミンB群(チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン、ビオチン、葉酸、シアノコバラミン等)、アスコルビン酸(ビタミンC及びその誘導体)、レチノイド(ビタミンA、レチナール、レチノイン酸等)、ビタミンD(D2、D3等)、ビタミンE及びその誘導体、カロチノイド(カロチン、リコピン、キサントフィル等)、酵素、補酵素、γ―オリザノール等を挙げることができる。本発明においては、これらの中でも特に、スフィンゴ脂質が好ましい。
スフィンゴ脂質としては、スフィンゴシンと脂肪酸とが結合したセラミド及びセラミドと糖とが結合したスフィンゴ糖脂質が好ましい。セラミドは、天然、合成いずれのものを使用してもよく、タイプ1〜7のセラミドを挙げることができるが、タイプ2、5、7のセラミドが特に好ましい。スフィンゴ糖脂質としては、セレブロシド、ガラクトシルセラミド、グルコシルセラミド等が好ましい。
以上説明した生理活性剤の粘着剤層の全重量に対する配合量は、本発明の目的を損なわない限り自由に設定することができるが、本発明においては、皮膚の生理機能(皮膚バリア機能等)を保持又は向上させる観点から、0.01〜5.0重量%であることが好ましく、0.1〜3重量%であることが更に好ましい。
(2−4)その他の配合物
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12には、前記成分の他に、薬剤、乳化剤、粉体、pH緩衝剤、防腐剤、着色剤等のその他の調整剤を、本発明の目的を損なわない程度において、適宜配合することができる。
一例を挙げると、薬剤としては、前記生理活性剤の他に、抗菌剤、消炎鎮痛剤、ステロイド剤、麻酔剤、抗真菌剤、気管支拡張剤、鎮咳剤、冠血管拡張剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗ヒスタミン剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、性ホルモン剤、抗うつ剤、脳循環改善剤、制吐剤、抗腫瘍剤など、あらゆる薬剤を配合することができる。これらの薬剤は、経皮吸収により全身又は局所においてその効果を発揮したり、あるいは貼付された部位において、局所的に効果を発揮する。
(2−5)粘着剤層の状態
本発明に係る皮膚用貼付材1の粘着剤層12における、各配合成分の混合状態は特に限定されないが、疎水性成分で形成された第1の連続相と、親水性成分で形成された第2の連続相と、がマトリックス状に混在するよう形成されていることが好ましい。
ここでいう「連続相」とは、疎水性成分又は親水性成分からなる相が他の相に完全に覆われて点状に存在する「分散相」あるいは「分散」とは異なる概念であり、疎水性成分又は親水性成分からなる相が他の相に完全に覆われることなく、少なくとも線状あるいは面状に連続的な広がりを呈する相をいう。特に、粘着剤層12は、疎水性成分で形成された第1の連続相と、親水性成分で形成された第2の連続相とが、それぞれ立体的な連続相として混在していることが好ましい。
また、「マトリックス状に混在する」とは、疎水性成分で形成された第1の相と親水性成分で形成された第2の相とが絡みあって存在する状態をいう。この「マトリックス状に混在する状態」は、例えば、以下i)、ii)のような方法で確認することができる。なお、親水性成分で形成された第2の連続相が、架橋等により構造強度を高めている場合は、下記ii)の方法を実施した後でも、親水性成分で形成された第2の連続相は残存する。
i)粘着剤層12(サンプルサイズ20mm×20mm)を、第1の相を形成する疎水性成分のみを溶解する溶媒(例えば、トルエン)のみに接触させた場合(例えば、37℃のトルエンに振とうさせながら72時間接触させた場合)に、疎水性成分で形成された第1の連続相のみが溶解又は崩壊し、親水性成分で形成された第2の連続相が残存することを確認する方法。なお、残存した親水性成分で形成された第2の連続相は、電子顕微鏡等によって、少なくとも線状あるいは面状に連続的な広がりを呈する親水性成分の連続相を観察することで、確認することができる。
ii)上記i)の方法により、疎水性成分で形成された第1の連続相のみを溶解又は崩壊させ、親水性成分で形成された第2の連続相のみを残存させた後に、その残存した粘着剤層(第2の連続相)を、第2の連続相を形成する親水性成分を溶解する溶媒(例えば、水)に接触させた場合(例えば、37℃の水に振とうさせながら72時間接触させた場合)に、親水性成分で形成された第2の連続相が溶解又は崩壊することを確認する方法。
このように、粘着剤層12が、疎水性成分で形成された第1の連続相と、親水性成分で形成された第2の連続相と、がマトリックス状に混在するよう形成されていることで、吸水速度、皮膚に対する密着性や柔軟性等を向上させることができ、皮膚刺激を軽減し、皮膚のバリア機能を補完、向上させることができる。また、皮膚表面や皮膚表皮、あるいは皮脂や汗中に存在する抗癌剤の吸収作用を促進させることができるものと考えられ、この結果、血管からの抗癌剤の漏出による皮膚炎症やエクリン汗腺からの抗癌剤分泌による汗腺障害を緩和することができるものと考えられる。
粘着剤層12における第1の連続相を形成する疎水性成分としては、上記の粘着性基剤、油として使用できる材料を、上述した重量%範囲で使用することが好ましい。第1の連続層としては、疎水性の熱可塑性エラストマー、液状又は半固体状のゴム系樹脂、油を用いて形成することが特に好ましい。
また、粘着剤層12における第2の連続相を形成する親水性成分としては、上記の多価アルコール、及び親水性高分子化合物として使用できる材料を、上述した重量%範囲で使用することが好ましい。第2の連続層としては、親水性高分子化合物を多価アルコールにより膨潤(ゲル化)させて形成することが好ましい。
なお、粘着剤層の状態としては、上記のような第1の連続相と、第2の連続相と、がマトリックス状に混在するような状態以外にも、疎水性成分で形成された連続相中に親水性成分を分散させた構造、親水性成分で形成された連続相中に疎水性成分を分散させた構造等を用いてもよい。
(3)保護層
本発明に係る皮膚用貼付材1には、前記支持体層11と前記粘着剤層12の他に、必須ではないが、粘着剤層を被覆する保護層を設けることができる。該保護層は、前記粘着剤層12を汚染等から保護し、皮膚用貼付材1の取り扱い性を簡便にするためである。
本発明に係る皮膚用貼付材1の保護層は、合成樹脂フィルムや紙等、従来、この分野で使用されているあらゆる材料を用いることができるが、本発明においては、特に、剥離性の観点から、シリコーン樹脂で処理された保護層を用いることが好ましい。
なお、この保護層を設けずに、例えば、図3に示すように、支持体層11の、接着剤層12が積層された面と逆の面(以下「背面S4」と称する。)を剥離可能な素材で形成又は表面処理した形態の皮膚用貼付材1を形成し(図3中(I)参照)、この皮膚用貼付材1を複数枚、積層させた状態にして、1枚ずつ剥がしながら使用することも可能である(図3中(II)参照)。また、皮膚用貼付材1を複数枚、積層させる方法の他に、図4に示すように、同様に形成した皮膚用貼付材1をロール状にすることも可能である。
以上説明した本発明に係る皮膚用貼付材1は、前記の構造を有していればその特性は特に限定されないが、3時間後の吸水率が60〜900%に設定することが好ましく、80〜750%に設定することが更に好ましい。吸水率を前記範囲内に設定することにより、貼付時の皮膚トラブルが減少し、長時間の貼付を可能となる。また、皮膚表面や皮膚表皮、或いは皮脂や汗等に含有される抗癌剤を、効率よく吸収することが可能となる。
本発明に係る皮膚用貼付材1は、公知のあらゆる製造方法を用いて製造することができる。一例としては、前記粘着剤を、支持体層11に塗工し、次いでこの粘着剤を硬化させて支持体層11上に粘着剤層12を形成する方法を採用できる。また、他の一例としては、前記粘着剤を保護層に塗工し、次いでこの粘着剤を硬化させて、これを支持体層11に転写することにより、支持体層11上に粘着剤層12を形成する方法も採用することができる。
前記粘着剤の支持体層11又は保護層への塗工方法は、特に限定されず、公知のあらゆる方法を自由に採用することができる。例えば、コンマダイレクト、ナイフコーター、グラビアダイレクト等の塗工方式を利用して、塗工パターンや厚さを目的に合わせて適宜、制御することができる。
本発明に係る皮膚用貼付材1の製造時においては、支持体層11と粘着剤層12との接着性を向上させるために、支持体層11に表面処理又はプライマー処理を施すことも自由である。支持体層11の表面処理としては、例えば、エンボス加工、サンドマット加工、コロナ放電処理、プラズマ処理、アルカリ処理等、公知のあらゆる処理方法を採用することができる。プライマー処理としては、例えば、シランカップリング剤等からなるプライマーを用いるなど、前記粘着剤に使用可能なプライマーであれば、公知のあらゆるプライマーを用いてプライマー処理を行うことが可能である。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
[実験1]
実験1では、本発明に係る皮膚用貼付材の特性について調べた。
まず、実施例における各特性の測定方法を説明する。
<吸水率>
各実施例に係る皮膚用貼付材から直径30mmの試験片を採取し、まず、この試験片の重量を測定した。次に、各試験片を生理食塩水(0.9%NaCl水溶液)に浸漬し、37℃恒温槽中に静置した。浸漬3時間後の重量を測定し、下記数式1により吸水率を求めた。
<皮膚貼付評価>
各実施例に係る皮膚用貼付材から幅25mm×長さ25mmの試験片を採取し、この試験片を被験者の手の甲に貼付した。
(1)貼付感
貼付してから24時間後までに被験者が感じる刺激及び違和感の程度について、下記表1に示す3段階の基準に従って評価した。
(2)貼付後の状況
貼付24時間経過後の、試験片の状況を観察して、試験片の変形や皺、剥がれや浮き、粘着剤層のフローの程度について、下記表2に示す3段階の基準に従って評価した。
次に、実施例1〜5に係る皮膚用貼付材を、以下の方法で作製した。
<実施例1>
まず、粘着性基剤として用いる熱可塑性エラストマーの一例として水添スチレン−ブタジエンゴム(JSR株式会社製)と、半固体状のゴム系樹脂の一例としてポリイソブチレン(新日本石油株式会社製、商品名「ハイモール6H」)と、油の一例として流動パラフィンとを、加圧ニーダーに仕込み、十分均一になるまで加圧混合した。
次に、親水性高分子化合物の一例としてカルボキシメチルセルロース・ナトリウム(日本製紙ケミカル株式会社製)、生理活性剤の一例としてタイプ2のセラミド、粘着性基剤として用いる粘着付与剤の一例として石油系樹脂である脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業株式会社製、商品名「アルコンP−100(登録商標)」)を加え、均等になるまで混合し、厚さ1.5mmに圧延し、粘着剤層を得た。
前記で得た粘着剤層を、合成樹脂フィルムと編布とを積層してなる支持体層のフィルム側に貼りあわせ、実施例1に係る皮膚用貼付材を得た。なお、合成樹脂フィルムには、ポリウレタンフィルムを使用し、編布にはポリアミドモノフィラメント繊維からなるスムース編を使用した。
<実施例2、3>
粘着剤層を構成する成分を変えるほかは、実施例1と同様にして各実施例に係る皮膚用貼付材を得た。各実施例の粘着剤層を構成する成分を表3に示す。
<実施例4、5>
粘着性基剤として用いる熱可塑性エラストマーの一例として水添スチレン−ブタジエンゴム(JSR株式会社製)と、半固体状のゴム系樹脂の一例としてポリイソブチレン(新日本石油株式会社製、商品名「ハイモール6H」)と、粘着付与剤の一例として石油系樹脂である脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業株式会社製、商品名「アルコンP−100(登録商標)」)と、油の一例として流動パラフィンとを、加圧ニーダーに仕込み、十分均一になるまで加圧混合した。
次に、親水性高分子化合物の一例としてカルボキシメチルセルロース・ナトリウム(日本製紙ケミカル株式会社製)とペクチン(ペクチンは実施例4のみ)、生理活性剤の一例としてタイプ2のセラミドを加え、均等になるまで混合した。その後、多価アルコールとしてグリセリンを加え、更に混合し、厚さ1.5mmに圧延し、粘着剤層を得た。
前記で得た粘着剤層を、合成樹脂フィルムと編布とを積層してなる支持体層のフィルム側に貼りあわせ、実施例4、5に係る皮膚用貼付材を得た。なお、合成樹脂フィルムには、ポリウレタンフィルムを使用し、編布にはポリアミドモノフィラメント繊維からなるスムース編を使用した。
なお、実施例1〜3による皮膚用貼付材の粘着剤層は、疎水性成分(HSBR、SIS、ポリイソブチレン、石油系樹脂、流動パラフィン)で形成された連続相中に親水性成分(カルボキシメチルセルロース・ナトリウム、ペクチン)を分散させた構造のものである。また、実施例4、5による皮膚用貼付材の粘着剤層は、疎水性成分(HSBR、ポリイソブチレン、石油系樹脂、流動パラフィン)で形成された第1の連続相と、親水性成分(カルボキシメチルセルロース・ナトリウム、ペクチン、グリセリン)で形成された第2の連続相と、がマトリックス状に混在するよう形成されているものである。
以上作製した実施例1〜5に係る貼付材について、各特性をそれぞれ評価した。結果を表3に合わせて示す。

なお、表3中「HSBR」は水添スチレン−ブタジエンゴムを、「SIS」はスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を、「CMC・Na」はカルボキシメチルセルロース・ナトリウムをそれぞれ示す。
表3に示す通り、実施例1〜5に係る皮膚用貼付材は、貼付時の刺激や違和感がほとんどなく、皮膚用貼付材の変形や皺、剥がれや浮き、粘着剤層のフロー等も見られないことが分かった。
[実験2]
実験2では、本発明に係る皮膚用貼付材を、抗癌剤治療中に発生する皮膚障害に対する予防又は治療効果について調べた。
前記実験1において作製した実施例1に係る皮膚用貼付材を、抗癌剤治療中に手足症候群を発生した患者に対し、その患部である足部に貼付して、貼付後数日間、その症状の変化を調べた。
貼付後から痛みの軽減がみられ、貼付終了時には、痛みがほぼ消失した。実験2の結果、本発明に係る皮膚用貼付材を、抗癌剤治療中に発生する皮膚障害に用いると、顕著な治療効果があることが分かった。
以上の結果から、本発明に係る皮膚用貼付材は、
(i)貼付時の刺激や違和感がほとんどなく、
(ii)貼付材の変形や皺、剥がれや浮き、粘着剤層のフローもなく、
(iii)外部からの刺激や摩擦を緩和する、
という特徴を有することから、長期の皮膚保護性を維持し、皮膚の保湿機能やバリア機能を補完、向上させることができ、その結果、抗癌剤治療中に発生する皮膚障害の予防及び治療に効果があることが分かった。
また、本発明に係る皮膚用貼付材は、
(iv)皮膚への密着性が高く、抗癌剤を含有する汗、皮脂等の皮膚への貯留を防止し、
(v)油、多価アルコール、及び親水性高分子化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、又はこれらの混合物の相互作用により、汗、皮脂中に存在する抗癌剤の吸収作用を促進させる、
という特徴を有すると考えられ、血管からの抗癌剤の漏出による皮膚炎症やエクリン汗腺からの抗癌剤分泌による汗腺障害を緩和できるものと考えられる。
本発明に係る皮膚用貼付材を抗癌剤治療中の患者の皮膚に貼付することで、刺激や摩擦から脆弱な皮膚を保護し、かつ、抗癌剤治療中に発生する皮膚障害の発生機序に直接的又は間接的に作用することにより、抗癌剤治療中に発生する皮膚障害を、より簡便により効果的に予防および治療することが可能である。
例えば、発疹、光線過敏症、手足症候群(Hand-foot syndrome)、静脈炎、紅斑、浮腫、水疱、びらん、色素沈着、掻痒感、爪甲異常、皮膚肥厚、放射線性皮膚炎などの予防および治療に非常に有用である。
また、抗癌剤治療は通常、長期に及ぶことが多いことから、前記皮膚障害が発生すると、その掻痒感等から無意識に皮膚を引っ掻いてしまうことも多く、症状を悪化させたり、二次的な皮膚疾患を引き起こしたりすることもあったが、本発明に係る皮膚用貼付材を用いることで、抗癌剤治療中に発生する皮膚障害の悪化や、該皮膚障害に伴なう二次的な皮膚疾患の予防および治療にも非常に有用である。
本発明に係る皮膚用貼付材の一実施形態を示す断面模式図である。 本発明に係る皮膚用貼付材の図1とは異なる一実施形態を示す断面模式図である。 本発明に係る皮膚用貼付材の図1及び図2とは異なる一実施形態を示す断面模式図である。 本発明に係る皮膚用貼付材の図1から図3とは異なる一実施形態を示す斜視模式図である。
符号の説明
1 皮膚用貼付材
11 支持体層
12 粘着剤層
111 合成樹脂フィルム
112 編布
S1、S2、S3、S4 面

Claims (5)

  1. 支持体層と、
    該支持体層の片面に積層された粘着剤層と、を少なくとも備え、
    前記粘着剤層は、
    粘着性基剤と、
    油、多価アルコール、及び親水性高分子化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物と、
    を少なくとも含有してなる抗癌剤治療中の皮膚用貼付材。
  2. 前記粘着剤層は、
    粘着性基剤と、
    油と、
    親水性高分子化合物と、を少なくとも含有してなる請求項1記載の皮膚用貼付材。
  3. 前記支持体層は、合成樹脂フィルムと、該合成樹脂フィルムの片面に積層された編布と、からなり、
    前記粘着剤層は、合成樹脂フィルムにおける前記編布との積層面と反対の面に形成された請求項1または2に記載の皮膚用貼付材。
  4. 抗癌剤治療中に発生する皮膚障害の予防又は治療に用いるための請求項1から3のいずれか一項に記載の皮膚用貼付材。
  5. 前記皮膚障害は、手足症候群である請求項4記載の皮膚用貼付材。
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