JP4761000B1 - 手足症候群の予防および/または治療剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】手足症候群の予防および/または治療剤の提供。
【解決手段】抗コリン活性を有する化合物を含有する手足症候群の予防および/または治療剤を提供する。
抗コリン活性を有する化合物を含有する手足症候群の予防および/または治療剤は、手足症候群の患者に対し、安全に投与することができ、かつ優れた予防および/または治療効果を示すことができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗コリン活性を有する化合物を含有する手足症候群の予防および/または治療剤に関する。
手足症候群は、抗癌剤治療の副作用として起こる皮膚疾患であり、抗癌剤の用量規制因子のひとつとなっている。手足症候群の好発部位は、四肢末端、特に手掌、足底、爪であり、これらの部位に紅斑や色素沈着が出現する。軽症(手足症候群判定基準グレード1)では日常生活に特に制限を受けることはないが、重症化すると、疼痛を伴って腫脹、発赤がみられるようになる(同判定基準グレード2)。また、特に手掌や足底では角化や落屑が著明となるとともに、知覚過敏を伴って皮膚亀裂を生じることがあり、このような状態では、痛みのために物がつかめなくなったり、歩行困難に陥ったりすることがある(同判定基準グレード3)。
手足症候群の発症メカニズムは現在のところ解明されていない。例えば、皮膚基底細胞の増殖能の阻害、血管からの抗癌剤漏出(特許文献1参照)、エクリン汗腺からの抗癌剤分泌(非特許文献1参照)などがその原因のひとつである可能性も示されてはいるが、抗癌剤とその発症との因果関係は全くもって不明のままである。
このように、手足症候群の発症メカニズムは不明であるため、その予防方法や治療方法についても確立されたものは無い。現状行われている手足症候群の治療は、経験的な処置を主体とした対症療法を頼りとするものであり、例えば、手足の安静、腫脹が強い場合は四肢の挙上や手足の冷却;保湿を目的とした尿素軟膏、へパリン類似物質製剤またはビタミン含有軟膏などの外用剤を用いた局所治療;抗炎症作用を有するステロイド外用剤を用いた局所治療;全身療法としてプレドニゾロンやデキサメタゾン、または塩酸ピリドキシン(ビタミンB6)の内服(非特許文献2参照);爪症状に対する洗浄、ガーゼ保護、テーピング、爪形成術、人工爪、クライオサージェリー等が行われている。
上記以外にも、例えば、リポソーマルドキソルビシンによって誘発された手足症候群の治療のための局所的DMSOの使用(特許文献1参照)、フルオロウラシルまたはその前駆体によって誘発された手足症候群の治療のためのジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ、チミジンホスホリラーゼおよび/またはウリジンホスホリラーゼ酵素阻害剤の使用(特許文献2参照)、および化学療法および/または放射線療法によって誘発された手足症候群を含む上皮細胞障害性副作用の予防および/またはその重篤度を軽減するためのサイクリン依存性キナーゼII阻害剤の使用(特許文献3参照)が提案されている。
しかしながら、これらの効果は満足できるものではない。
また、治療方法が無いゆえに、原因薬剤を休薬せざるを得ない場合もある。しかしながら、例えば、カペシタビンの国内第II相臨床試験における、休薬による手足症候群の回復までの期間は、例えば最高時の判定基準グレード3を示したような患者では平均して2、3ヶ月かかるといった報告(非特許文献3参照)もあり、休薬という手段を用いても、その回復には時間を要している。
従って、より効果の高く即効性に優れた薬剤が望まれている。
一方、手足症候群については、その発症と汗との関連性を示す報告がいくつか存在する。例えば、特許文献4には、粘着性基剤と、油、多価アルコール、および親水性高分子化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む抗癌剤治療中の皮膚用貼付材が開示されており、前記皮膚用貼付材が、抗癌剤を含有する汗や皮脂等の皮膚への貯蔵を防止し、また抗癌剤を含有する汗や皮脂等を吸収する作用を介して、手足症候群に有効性を示したことが記載されている。しかしながら、同文献は、特定の組成の皮膚用貼付材を用いて、汗や皮脂中に含まれる抗癌剤を除去することが手足症候群に有効であることに着目した文献である。さらに、同文献において、手足症候群の発症の原因となった抗癌剤は特定されていないし、汗や皮脂への抗癌剤の分泌経路として、血管とエクリン汗腺のいずれの経路が重要であるかの記載もない。
他方、非特許文献1には、抗癌剤であるドキソルビシンが投与され、手足症候群を発症した患者の汗中にその薬物が検出されたこと、並びにその患者が多汗症を併発していたことが記載されており、手足症候群と多汗症との関連性が示唆されている。しかしながら、同文献には汗中の薬物の存在が如何にして手足症候群の発症に繋がるかの検証は一切されていない。また、同文献は、手足症候群と汗とを関連付ける趣旨のものであるため、同文献では手足症候群の発症を抑えるのにイオントフォレシスや塩化アルミニウムといった制汗剤の使用が提唱されているものの、同文献が公表されて以降、5年の歳月を経ても、そのような制汗剤の使用により手足症候群の発症を抑えたという成功例の報告はない。
また、近年になって、汗中への薬物の分泌と手足症候群との因果関係を疑問視する知見も報告された(非特許文献4参照)。同文献には、抗癌剤であるソラフェニブの投与により手足症候群を発症した患者の汗の中からこの薬物が検出されず、ソラフェニブによって発症した手足症候群と汗中の同薬物の分泌は無関係であると記載されている。そして、同文献は、今後更なる手足症候群のメカニズムの解明が必要であると締め括られている。
上述のとおり、手足症候群の予防および/または治療方法の開発は、抗癌治療を継続するために必須で、欠くべからざるものであるにも関わらず、未だ有効な手段は得られていない。
米国特許第6060083号明細書 国際公開第2009/100367号パンフレット 国際公開第2000/052013号パンフレット 特開2010−18564号公報
アナルズ・オブ・オンコロジー(Annals of Oncology)16巻、1210〜1211頁(2005年) インベスチゲーショナル・ニュー・ドラッグス(Investigational New Drugs),8巻,57〜63頁(1990年) 手足症候群 Hand-foot Syndrome Atlas 田口哲也 監修 2007 中外製薬 ファーマコセラピー(Pharmacotherapy)30巻、52〜56頁(2010年)
手足症候群は、抗癌剤の投与によって起こる重大な副作用であり、その軽減および緩和には、抗癌剤の減量、休薬または投与中止がひとつの有効な手段であるが、これは、本来の目的である癌治療の効果を減弱させること、癌治療を休止/中止することを意味し、癌治療における副作用の対処として相応しいものとは言えない。手足症候群に対する処置として、これまで知られている薬剤の効果が満足できるものではなく、抗癌剤の減量、休薬または投与中止に頼らざるを得ない現状において、適切な癌治療を継続するためには、新たな手足症候群の有効な予防および/または治療法が必要である。
従って、本発明の課題は、手足症候群に対して、優れた予防および/または治療効果を有する安全な薬剤を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、驚くべきことに、抗コリン活性を有する化合物(抗コリン薬)が手足症候群に対して優れた予防および/または治療効果を有することを見出し、本発明を完成した。その効果は、当業者が到底予測し得ない驚くべきものである。具体的には本願明細書の実施例で示すとおり、抗癌剤治療により重篤な手足症候群を発症した患者に抗コリン薬を投与した場合において、その投与を開始してわずか数日から数週間でその症状の顕著な緩和が認められるという驚くべきものであった。
抗コリン薬は、副交感神経からの刺激を伝達するアセチルコリンの働きを抑制する効果のある薬の総称であり、主に胃酸の分泌抑制による胃炎や胃潰瘍の治療;気管支の収縮の抑制による気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫の治療;過活動膀胱による尿意切迫感、頻尿、切迫性失禁の治療などに利用されている。また、抗コリン薬には、制汗作用が知られている。汗は、交感神経から汗腺にアセチルコリンが放出されることで分泌されるため、抗コリン薬は発汗を抑えることができるとされている。一方で、日本皮膚科学会から出された原発性局所多汗症診療ガイドライン(日誌会誌、120(8)、1607−1625、2010)において、制汗剤としての抗コリン薬の推奨度は、十分な根拠がないとされるC1である。
冒頭でも述べたとおり、非特許文献1には手足症候群の発症を抑えるのにイオントフォレシスや塩化アルミニウムといった多汗症の治療に有効な制汗剤の使用が示唆されている。しかしながら、手足症候群という病態の深刻度(特に、手足症候群判定基準グレード3などの場合)を鑑みると、制汗剤の使用でそのような深刻な症状の緩和が図られるとは考えにくいとされていた。さらに、原発性局所多汗症診療ガイドラインによると、塩化アルミニウムには副作用に刺激性皮膚炎があるため、皮膚障害のある手足症候群の患者に用いると、さらに皮膚障害を悪化させてしまう恐れがある。また、イオントフォレシスは、効果を示すまでに時間を要するため、即効性は期待できない。したがって、非特許文献1には手足症候群の発症を抑えるのに制汗剤の使用が示唆されてはいたものの、その有効性が疑問視されていたため、実際には見向きもされず、冒頭で述べたとおり手足症候群の治療は対症療法に頼らざるを得ないのが現状である。
一方、非特許文献1には制汗剤として抗コリン薬の使用の示唆は一切なく、また多汗症治療における制汗剤としての効果は、イオントフォレシスや塩化アルミニウムほど確立されておらず、制汗作用効果において十分な根拠がないとされる抗コリン薬を積極的に使用しようとする根拠はない。
ましてや、抗コリン薬の使用により、重篤な手足症候群を発症した患者に対してでさえも、投与してわずか数日から数週間でその症状の顕著な緩和効果が得られることを当業者が予測し得るものではない。
抗癌剤治療の副作用である手足症候群の抗コリン薬の投与による治療は、抗癌剤の減量、休薬、または投与中止を要しないため、本来の目的である癌治療の効果を減弱させたり、癌治療を休止/中止することなく、癌治療における副作用を対処できる点で画期的である。
すなわち、本発明は、[1]抗コリン活性を有する化合物を含有する手足症候群の予防および/または治療剤;[2]抗コリン活性を有する化合物が、ムスカリン受容体アンタゴニストである[1]の予防および/または治療剤;[3]ムスカリン受容体アンタゴニストが、M3ムスカリン受容体アンタゴニストである[2]の予防および/または治療剤;[4]M3ムスカリン受容体アンタゴニストが、M3選択的ムスカリン受容体アンタゴニスト、M1およびM3選択的ムスカリン受容体アンタゴニストおよびサブタイプ非選択的ムスカリン受容体アンタゴニストからなる群から選択される化合物である[3]の予防および/または治療剤;[5]化合物が、イミダフェナシン、ソリフェナシン、トルテロジンおよびフェソテロジン、並びにそれらの薬学的に許容される塩、それらの溶媒和物およびそれらのプロドラッグからなる群から選択される化合物である[4]の予防および/または治療剤;[6]化合物が、イミダフェナシン、ソリフェナシンおよびトルテロジン、並びにそれらの薬学的に許容される塩、それらの溶媒和物およびそれらのプロドラッグからなる群から選択される化合物である[4]の予防および/または治療剤;[7]手足症候群が、抗癌剤投与に起因する手足症候群である[1]の予防および/または治療剤;[8]抗癌剤が、代謝拮抗剤または分子標的薬である[7]の予防および/または治療剤;[9]代謝拮抗剤がカペシタビンであり、分子標的薬がスニチニブリンゴ酸塩またはソラフェニブトシル酸塩である[8]の予防および/または治療剤; [10]予防が再発予防である[1]の予防および/または治療剤;[11]抗コリン活性を有する化合物の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、手足症候群の予防および/または治療方法;[12]抗コリン活性を有する化合物が、イミダフェナシン、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグである[1]の予防および/または治療剤;[13]抗コリン活性を有する化合物が、ソリフェナシン、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグである[1]の予防および/または治療剤;[14]抗コリン活性を有する化合物が、トルテロジンもしくはフェソテロジン、またはそれらの薬学的に許容される塩、それらの溶媒和物もしくはそれらのプロドラッグである[1]の予防および/または治療剤;[15]抗コリン活性を有する化合物が、トルテロジン、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグである[1]の予防および/または治療剤;[16]抗コリン活性を有する化合物が、イミダフェナシンである[1]の予防および/または治療剤;[17]抗コリン活性を有する化合物が、コハク酸ソリフェナシンである[1]の予防および/または治療剤;[18]抗コリン活性を有する化合物が、酒石酸トルテロジンまたはフェソテロジンフマル酸塩である[1]の予防および/または治療剤;[19]抗コリン活性を有する化合物が、酒石酸トルテロジンである[1]の予防および/または治療剤;[20]抗癌剤が、代謝拮抗剤である[7]の予防および/または治療剤;[21]抗癌剤が、分子標的薬である[7]の予防および/または治療剤;[22]代謝拮抗剤が、カペシタビンである[20]の予防および/または治療剤;[23]分子標的薬が、スニチニブリンゴ酸塩またはソラフェニブトシル酸塩である[21]の予防および/または治療剤;[24]保湿剤、抗生物質、ステロイド外用剤、ステロイド内服薬、非ステロイド性消炎鎮痛剤または塩酸ピリドキシンから選択される1以上を組み合わせて用いられる[1]の予防および/または治療剤;[25]イミダフェナシン、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグを含有する手足症候群の予防および/または治療剤;[26]ソリフェナシン、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグを含有する手足症候群の予防および/または治療剤;[27]トルテロジンもしくはフェソテロジン、またはそれらの薬学的に許容される塩、それらの溶媒和物もしくはそれらのプロドラッグを含有する手足症候群の予防および/または治療剤;[28]トルテロジン、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグを含有する手足症候群の予防および/または治療剤等に関する。
本発明によれば、手足症候群の予防および/または治療剤が提供される。これまで、手足症候群に対処するため、抗癌剤の減量、休薬または投与中止を余儀なくされていたが、本発明の剤を用いれば、適切な癌治療を継続することが可能となり、癌からの早期回復に繋がる。さらに、手足症候群の改善によって患者の生活の質(QOL)も向上する。
カペシタビン投与に起因する手足症候群に及ぼすイミダフェナシンの効果を示す。図中、Capはカペシタビン、LTZはレトロゾール、IMDはイミダフェナシン、HFSは手足症候群を示す。 スニチニブリンゴ酸塩投与に起因する手足症候群に及ぼすイミダフェナシンの効果を示す。図中、SUはスニチニブリンゴ酸塩、IMDはイミダフェナシン、U軟膏は尿素軟膏、H軟膏はヘパリン類似物質軟膏、C軟膏はクロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏、HFSは手足症候群を示す。 ソラフェニブトシル酸塩投与に起因する手足症候群に及ぼすイミダフェナシンの効果を示す。図中、SOはソラフェニブトシル酸塩、IMDはイミダフェナシン、G軟膏はゲンタマイシン硫酸塩軟膏、B軟膏はビタミンA油軟膏、Hクリームはヘパリン類似物質クリーム、HFSは手足症候群を示す。 ソラフェニブトシル酸塩投与に起因する手足症候群に及ぼすイミダフェナシンの効果を示す。図中、SOはソラフェニブトシル酸塩、IMDはイミダフェナシン、U軟膏は尿素軟膏、HFSは手足症候群を示す。 ソラフェニブトシル酸塩投与に起因する手足症候群に及ぼすコハク酸ソリフェナシンの効果を示す。図中、SOはソラフェニブトシル酸塩、SFSはコハク酸ソリフェナシン、UREAは尿素ローション、HFSは手足症候群を示す。 ソラフェニブトシル酸塩投与に起因する手足症候群に及ぼす酒石酸トルテロジンの効果を示す。図中、SOはソラフェニブトシル酸塩、TOLは酒石酸トルテロジン、PHは塩酸ピリドキシン、U軟膏は尿素軟膏、UREAは尿素ローション、VG軟膏はベタメタゾン吉草酸エステル・ゲンタマイシン硫酸塩軟膏、HFSは手足症候群を示す。
本発明において、抗コリン薬は、副交感神経遮断薬とも呼ばれ、アセチルコリン受容体拮抗薬として作用するものであれば、特に限定されない。抗コリン薬は、例えば、ムスカリン受容体において拮抗作用を示す化合物(ムスカリン受容体アンタゴニスト)であり、好ましくはM3ムスカリン受容体に拮抗作用を示す化合物(M3ムスカリン受容体アンタゴニスト)である。M3ムスカリン受容体アンタゴニストとしては、例えば、M3選択的ムスカリン受容体アンタゴニスト、M1およびM3選択的ムスカリン受容体アンタゴニスト、サブタイプ非選択的ムスカリン受容体アンタゴニスト等が挙げられる。
また、本発明において、抗コリン薬は、任意の2種以上の組み合わせでもよい。具体的には、例えば、M1選択的ムスカリン受容体アンタゴニストとM3選択的ムスカリン受容体アンタゴニストの組み合わせ等である。
M1選択的ムスカリン受容体アンタゴニストとしては、例えば、ピレンゼピン塩酸塩(CAS番号29868-97-1)等が挙げられる。
M3選択的ムスカリン受容体アンタゴニストとしては、例えば、ソリフェナシン(CAS番号242478-37-1)、コハク酸ソリフェナシン(CAS番号242478-38-2、ベシケア(登録商標))、臭化水素酸ダリフェナシン(CAS番号133099-07-7、エナブレックス(登録商標))、臭化オキシトロピウム(CAS番号30286-75-0)、臭化チオトロピウム(CAS番号136310-93-5)、臭化ダロトロピウム(CAS番号850607-58-8)、タラフェナシン(CAS番号385367-47-5)、臭化アクリジニウム(CAS番号320345-99-1)、臭化グリコピロニウム(CAS番号475468-09-8)等が挙げられる。
M1およびM3選択的ムスカリン受容体アンタゴニストとしては、例えば、イミダフェナシン(CAS番号170105-16-5、ステーブラ(登録商標)/ウリトス(登録商標))、レバトロペート臭化水素酸塩(CAS番号262586-79-8)等が挙げられる。
サブタイプ非選択的ムスカリン受容体アンタゴニストとしては、例えば、トルテロジン(CAS番号124937-51-5)、酒石酸トルテロジン(CAS番号124937-52-6、デトルシトール(登録商標))、フェソテロジン(CAS番号286930-02-7)、フェソテロジンフマル酸塩(CAS番号286930-03-8、トビアズ(登録商標))、プロピベリン(CAS番号60569-19-9)、プロピベリン塩酸塩(CAS番号54556-98-8、バップフォー(登録商標))、臭化シメトロピウム(CAS番号51598-60-8)、ヨウ化イソプロパミド(CAS番号71-81-8)、塩酸オルフェナドリン(CAS番号341-69-5)、オキシブチニン(CAS番号5633-20-5)、塩化トリジヘキセチル(CAS番号4310-35-4)、塩化トロスピウム(CAS番号10405-02-4)、アトロピン(CAS番号51-55-8)、ベラドンナ、A型ボツリヌス毒素、ブチルスコポラミン臭化物(CAS番号149-64-4)、臭化クリジニウム(CAS番号3485-62-9)、塩酸シクロペントラート(CAS番号5870-29-1)、臭化エメプロミウム(CAS番号3614-30-0)、フラボキサート塩酸塩(CAS番号3717-88-2)、グリコピロレート(CAS番号596-51-0)、トロピカミド(CAS番号1508-75-4)、ヒヨスチアミン(CAS番号101-31-5)、メタンテリン(CAS番号53-46-3)、臭化メトスコポラミン(CAS番号155-41-9)、塩酸オキシフェンサイクリミン(CAS番号125-52-0)、臭化プリフィニウム(CAS番号4630-95-9)、プロシクリジン、臭化プロパンテリン(CAS番号50-34-0)、塩酸トリヘキシフェニジル(CAS番号52-49-3)、イプラトロピウム臭化物水和物(CAS番号22254-24-6)、臭化水素酸ホマトロピン(CAS番号51-56-9)、臭化オチロニウム(CAS番号26095-59-0)、臭化チキジウム(CAS番号71731-58-3)、ブトロピウム臭化物(CAS番号29025-14-7)、チメピジウム臭化物(CAS番号35035-05-3)、N-メチルスコポラミンメチル硫酸塩(CAS番号18067-13-5)、チエモニウムヨウ化物(CAS番号144-12-7)、オキサピウムヨウ化物(CAS番号6577-41-9)、ピペリドレート塩酸塩(CAS番号129-77-1)等が挙げられる。また、本発明における抗コリン薬には、現在までに見出されているものだけでなく、今後見出されるものも含まれる。さらに、本発明における抗コリン薬には、その遊離型、それらの薬学的に許容される塩、それらの溶媒和物またはそれらのプロドラッグ等が含まれる。また、本発明における抗コリン薬においては、特に指示しない限り、異性体はこれをすべて包含する。例えば、不斉炭素の存在等による立体異性体(R、S体、α、β配置、エナンチオマー、ジアステレオマー)、これらの任意の割合の混合物およびラセミ混合物は、すべて本発明における抗コリン薬に含まれる。
本発明において、抗コリン薬として好ましくは、イミダフェナシン、ソリフェナシン、トルテロジンもしくはフェソテロジン、またはそれらの薬学的に許容される塩、それらの溶媒和物、もしくはそれらのプロドラッグである。特に好ましくは、イミダフェナシン、コハク酸ソリフェナシン、酒石酸トルテロジンまたはフェソテロジンフマル酸塩である。さらに好ましくは、イミダフェナシンである。
本発明の上述の「薬学的に許容される塩」は、毒性の無い、水溶性のものが好ましい。適当な塩としては、例えば、アルカリ金属(例えば、カリウム、ナトリウム、リチウム等)の塩、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩(例えば、テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等)、有機アミン(例えば、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩等が挙げられる。適当な酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩のような無機酸塩、または、ギ酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩のような有機酸塩が挙げられる。本発明の塩として、好ましくは、酸付加塩である。
本発明の上述の「溶媒和物」は、低毒性かつ水溶性であることが好ましい。適当な溶媒和物としては、例えば、水、アルコール系溶媒(例えば、エタノール等)等の溶媒和物が挙げられる。
抗コリン薬は、公知の方法で上記塩、または上記溶媒和物に変換することができる。
本発明の上述の「プロドラッグ」は、生体内において酵素や胃酸等による反応により、上述の抗コリン薬に変換される化合物をいう。プロドラッグは、水和物および非水和物のいずれであってもよい。また、プロドラッグは、廣川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻「分子設計」163〜198頁に記載されているような生理的条件で、抗コリン薬に変化するものであってもよい。さらに、抗コリン薬は、放射性同位元素(例えば、3H、14C、35S、125I等)等で標識されていてもよく、抗コリン薬に含まれる任意の原子はそれぞれ対応する安定同位元素(例えば、重水素(2H)、重炭素(13C)、重窒素(15N)、重酸素(17O、18O)等)等に置換されていてもよい。
イミダフェナシンは、4−(2−メチル−1H−イミダゾル−1−イル)−2,2−ジフェニルブタンアミドである。
イミダフェナシンは、公知の方法、例えば、特開平7―215943号公報に記載された方法により製造することができる。また、イミダフェナシンは、市販されているもの(ステーブラ(登録商標)/ウリトス(登録商標))を使用することもできる。
ソリフェナシンは、(3R)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル(1S)-1-フェニル-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシレートである。
ソリフェナシンは不斉炭素原子を有するため、これに基づく立体異性体が存在する。ソリフェナシンの立体異性体も、本発明の抗コリン薬として好ましい。
ソリフェナシン塩として好ましくは、コハク酸との酸付加塩であるコハク酸ソリフェナシンである。
ソリフェナシンは、公知の方法、例えば、国際公開第1996/20194号パンフレットに記載された方法により製造することができる。また、コハク酸ソリフェナシンは、市販されているもの(ベシケア(登録商標))を使用することもできる。
トルテロジンは、(+)−2−{(1R)−3−[ビス(1−メチルエチル)アミノ]−1−フェニルプロピル}−4−メチルフェノールである。
トルテロジンは不斉炭素原子を有するため、これに基づく立体異性体が存在する。トルテロジンの立体異性体も、本発明の抗コリン薬として好ましい。
トルテロジン塩として好ましくは、酒石酸との酸付加塩である酒石酸トルテロジンである。
トルテロジンは、公知の方法、例えば、国際公開第1998/29402号パンフレットに記載された方法により製造することができる。また、酒石酸トルテロジンは、市販されているもの(デトルシトール(登録商標))を使用することもできる。
フェソテロジンは、2−[(1R)−3−(ジプロパン−2−イルアミノ)−1−フェニルプロピル]−4−(ヒドロキシメチル)フェニル 2−メチルプロパノエートである。
フェソテロジンは、トルテロジンの主要な活性代謝産物である5−ヒドロキシメチル誘導体(CAS番号207679-81-0)のプロドラッグであり、内服後すぐに代謝され、5−ヒドロキシメチル誘導体になる(国際公開第1999/58478号パンフレット)。フェソテロジンとトルテロジンの共通の活性代謝物である5−ヒドロキシメチル誘導体は、トルテロジンと同等の抗コリン活性を有している(ファーマコロジー・アンド・トキシコロジー(Pharmacology and Toxicology)、81巻、169−172頁(1997年))。これらのことから、トルテロジンにおいて抗コリン活性に基づいて得られた薬理作用は、フェソテロジンにおいても発揮される。
フェソテロジンは不斉炭素原子を有するため、これに基づく立体異性体が存在する。フェソテロジンの立体異性体も、本発明の抗コリン薬として好ましい。
フェソテロジン塩として好ましくは、フマル酸との酸付加塩であるフェソテロジンフマル酸塩である。
フェソテロジンは、公知の方法、例えば、国際公開第1999/58478号パンフレットに記載された方法により製造することができる。また、フェソテロジンフマル酸塩は、市販されているもの(トビアズ(登録商標))を使用することもできる。
本発明は、抗コリン薬の有効量を、哺乳動物(例えば、ヒトや非ヒト動物(例えば、サル、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス等))、好ましくはヒト(患者)に投与して、手足症候群を予防および/または治療する方法(以下、本発明の方法と略記する場合がある。)、その方法に用いる抗コリン薬を含有する手足症候群の予防および/または治療剤(以下、本発明の剤と略記する場合がある。)、およびかかる予防および/または治療剤を製造するための抗コリン薬の使用等を開示するものである。
本発明において、予防および/または治療の対象となる手足症候群は、抗癌剤投与、鎌状赤血球症、またはその他の要因に起因するものである。好ましくは、抗癌剤投与に起因する手足症候群である。また、手足症候群は、手掌・足底発赤知覚不全症候群、肢端紅斑、化学療法薬誘導性肢端紅斑、手掌・足底紅斑、手足皮膚反応などとしても知られている。本発明において、手足症候群という用語は、これらすべての同意語を含む。
本発明において、抗癌剤とは、癌の化学療法で用いられる薬剤のうち、手足症候群を誘発するものを意味する。抗癌剤としては、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、微小管阻害剤、抗生物質抗癌剤、トポイソメラーゼ阻害剤、白金製剤、生物製剤、葉酸代謝拮抗剤、分子標的薬等が挙げられる。
アルキル化剤としては、例えば、シクロホスファミド(エンドキサン(登録商標))、イホスファミド(イホマイド(登録商標))、ニトロソウレア、ダカルバジン(ダカルバジン(登録商標))、テモゾロミド(テモダール(登録商標))、ニムスチン(ニドラン(登録商標))、ブスルファン(ブスルフェクス(登録商標))、メルファラン(アルケラン(登録商標))、プロカルバジン(塩酸プロカルバジン(登録商標))、ラニムスチン(サイメリン(登録商標))、チオテパ(テスパミン(登録商標))等が挙げられる。
代謝拮抗剤としては、例えば、フロクスウリジン(FUDR(登録商標))、エノシタビン(サンラビン(登録商標))、カルモフール(ミフロール(登録商標))、カペシタビン(ゼローダ(登録商標))、テガフール(フトラフール(登録商標))、テガフール・ウラシル(ユーエフティ(登録商標))、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(ティーエスワン(登録商標))、ゲムシタビン(ジェムザール(登録商標))、シタラビン(サイトサール−U(登録商標))、シタラビンオクホスファート(スタラシド(登録商標))、ネララビン(アラノンジー(登録商標))、フルオロウラシル(5−FU)、フルダラビン(フルダラ(登録商標))、ペメトレキセド(アリムタ(登録商標))、ペントスタチン(コホリン(登録商標))、メトトレキサート、クラドリビン(ロイスタチン(登録商標))、ドキシフルリジン(フルツロン(登録商標))、ヒドロキシカルバミド(ハイドレア(登録商標))、メルカプトプリン(ロイケリン(登録商標))等が挙げられる。
微小管阻害剤としては、例えば、ビノレルビン(ナベルビン(登録商標))、ビンブラスチン(エクザール(登録商標))、ビンクリスチン(オンコビン(登録商標))、ビンデシン(フィルデシン(登録商標))、ドセタキセル(タキソテール(登録商標))、パクリタキセル(タキソール(登録商標))等が挙げられる。
抗生物質抗癌剤としては、例えば、マイトマイシンC(マイトマイシン(登録商標))、ドキソルビシン(アドリアシン(登録商標))、エピルビシン(エピルビシン塩酸塩(登録商標))、ダウノルビシン(ダウノマイシン(登録商標))、ブレオマイシン(ブレオ(登録商標))、アクチノマイシンD(コスメゲン(登録商標))、アクラルビシン(アクラシノン(登録商標))、イダルビシン(イダマイシン(登録商標))、ピラルビシン(ピノルビン(登録商標))、ペプロマイシン(ペプレオ(登録商標))、ミトキサントロン(ノバントロン(登録商標))、アムルビシン(カルセド(登録商標))、ジノスタチンスチマラマー(スマンクス(登録商標))、リポソーマルドキソルビシン(ドキシル(登録商標))等が挙げられる。
トポイソメラーゼ阻害剤としては、例えば、イリノテカン(カンプト(登録商標))、ノギテカン(ハイカムチン(登録商標))、エトポシド(ベプシド(登録商標))、ソブゾキサン(ペラゾリン(登録商標))等が挙げられる。
白金製剤としては、例えば、シスプラチン(アイエーコール(登録商標))、ネダプラチン(アクプラ(登録商標))、オキサリプラチン(エルプラット(登録商標))、カルボプラチン(カルボプラチン(登録商標))等が挙げられる。
生物製剤としては、例えば、インターフェロンα、βおよびγ、インターロイキン、ウベニメクス(ベスタチン(登録商標))、乾燥BCG(イムノブラダー(登録商標))等が挙げられる。
葉酸代謝拮抗剤としては、ホリナート、レボホリナート等が挙げられる。
分子標的薬としては、例えば、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))、アレムツズマブ、トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))、セツキシマブ(アービタックス(登録商標))、パニツムマブ(ベクチビックス(登録商標))、イマチニブ(グリベック(登録商標))、ダサチニブ(スプリセル(登録商標))、ニロチニブ(タシグナ)、ゲフィチニブ(イレッサ(登録商標))、エルロチニブ(タルセバ(登録商標))、テムシロリムス(トリセル)、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、スニチニブリンゴ酸塩(スーテント(登録商標))、ソラフェニブトシル酸塩(ネクサバール(登録商標))、ボルテゾミブ(ベルケイド(登録商標))、ゲムツズマブ・オゾガマイシン(マイロターグ(登録商標))、イブリツモマブチウキセタン(ゼヴァリン(登録商標))、タミバロテン(アムノレイク(登録商標))、トレチノイン(ベサノイド(登録商標))、ラパチニブトシル酸塩水和物(タイケルブ)等が挙げられる。ここに特定する分子標的薬以外にも、ヒト上皮性増殖因子受容体2阻害剤、上皮性増殖因子受容体阻害剤、Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤、上皮性増殖因子チロシンキナーゼ阻害剤、mTOR阻害剤、血管内皮増殖因子受容体2阻害剤(α−VEGFR−2抗体)等の血管新生を標的にした阻害剤、MAPキナーゼ阻害剤などの各種キナーゼ阻害剤、サイトカインを標的とした阻害剤、プロテアソーム阻害剤および抗体−抗癌剤複合体等の分子標的薬なども含めることができる。これら阻害剤には抗体も含まれる。
また、本発明における抗癌剤には、現在までに見出されているものだけでなく、今後見出されるものも含まれる。
アルキル化剤として好ましくは、シクロホスファミド、メルファランである。
代謝拮抗剤として好ましくは、フロクスウリジン、カルモフール、カペシタビン、テガフール、テガフール・ウラシル、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム、シタラビン、フルオロウラシル、メトトレキサート、ドキシフルリジン、ヒドロキシカルバミドであり、特に好ましくは、カペシタビンである。
微小管阻害剤として好ましくは、ビンクリスチン、ドセタキセル、パクリタキセルである。
抗生物質抗癌剤として好ましくは、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、リポソーマルドキソルビシンである。
トポイソメラーゼ阻害剤として好ましくは、エトポシドである。
白金製剤として好ましくは、シスプラチン、オキサリプラチンである。
生物製剤として好ましくは、インターロイキン2である。
分子標的薬として好ましくは、トラスツズマブ、スニチニブリンゴ酸塩、ソラフェニブトシル酸塩またはラパチニブトシル酸塩水和物であり、特に好ましくは、スニチニブリンゴ酸塩またはソラフェニブトシル酸塩である。
本発明において、抗癌剤として好ましくは、代謝拮抗剤または分子標的薬である。
2種以上の抗癌剤を組み合わせた併用療法も手足症候群を誘発する。手足症候群を誘発する併用療法としては、例えば、上記の抗癌剤の中から選択される1種以上の抗癌剤を含む併用療法等が挙げられる。具体的には、カペシタビンとレトロゾール(フェマーラ(登録商標))、カペシタビンとラパチニブトシル酸塩水和物、カペシタビンとトラスツズマブ、カペシタビンとオキサリプラチン、カペシタビンとドセタキセル、カペシタビンとシクロホスファミドの組み合わせ等である。
抗コリン薬を手足症候群の予防および/または治療に用いる場合、その投与経路は、経口投与であっても、また非経口投与であってもよい。非経口投与は、例えば、静脈内投与のように全身投与であっても、また、例えば、経皮投与等のように局所投与であってもよい。好ましくは、経口投与である。
抗コリン薬を上記の投与方法で哺乳動物(例えば、ヒトや非ヒト動物等、好ましくはヒト(患者))へ投与する場合には、それぞれの投与形態に応じた医薬組成物が用いられる。
経口投与のために用いる医薬組成物としては、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤(ハードカプセル、ソフトカプセル)、散剤、顆粒剤等の内服用固形剤や、例えば、水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等の内服用液剤が挙げられる。また、錠剤には、舌下錠、口腔内貼付錠、口腔内速崩壊錠、口腔内崩壊錠等が含まれる。
内服用固形剤は、抗コリン薬をそのまま、または賦形剤(例えば、ラクトース、ラクトース水和物、マンニトール、D−ソルビトール、グルコース、結晶セルロース、微結晶セルロース、部分アルファー化デンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デンプン、大豆レシチン、キシリトール等)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分けん化物、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール(マクロゴール)、大豆レシチン等)、崩壊剤(例えば、繊維素グリコール酸カルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、メチルセルロース、クロスポビドン等)、界面活性剤(例えば、オレイン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、硬化油、グリセリルベヘネート等)、安定剤(例えば、キシリトール等)、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸、大豆レシチン等)等とともに混合し、常法に従って製剤化することができる。また、必要によりコーティング剤(例えば、白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタアクリル酸コポリマー、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、カルナウバロウ、ラウリル硫酸ナトリウム、青色2号、インジゴカルミンおよびそのアルミニウムレーキ等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。カプセル剤とする場合には、例えば、ゼラチンやコラーゲン等の蛋白質、例えば、デンプン、アミロース、ポリガラクツロン酸、寒天、カラギナン、アラビアガム、ジェランガム、キサンタンガム、ペクチン、アルギン酸等の多糖類、例えば、ポリ乳酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリグルタミン酸等の生分解性プラスチック、例えば、中鎖脂肪酸のトリグリセリドやジグリセリド等の硬化油脂を主成分とするカプセル皮膜に充填すればよい。
内服用液剤は、抗コリン薬を一般的に用いられる希釈剤(例えば、精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、懸濁または乳化して製剤化することができる。この液剤にはさらに、例えば、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を添加することもできる。
動脈内投与、静脈内投与または局所注射のために用いる医薬組成物は、溶液、懸濁液、乳濁液、および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤のいずれであってもよい。これらの医薬組成物は、抗コリン薬を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて製造される。溶剤として、例えば、注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等、およびそれらの組み合わせ等が用いられる。さらにこの医薬組成物は、安定化剤、緩衝剤、pH調節剤、溶解剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、界面活性剤、抗酸化剤、消泡剤、等張化剤、無痛化剤、保存剤等の、例えば、薬事日報社2000年刊「医薬品添加物事典」(日本医薬品添加剤協会編集)等に記載されているような添加剤を含んでいてもよい。また、点滴投与のために輸液製剤とする場合はこれらの添加剤に加え、電解質類(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム等)、糖類(例えば、グルコース、果糖、ソルビトール、マンニトール、デキストラン等)、蛋白アミノ酸類(例えば、グリシン、アスパラギン酸、リジン等)、ビタミン類(例えば、ビタミンB1、ビタミンC等)等の一般的に輸液に用いられる成分も用いることができる。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって調製される。また無菌の固形剤、例えば、凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水、または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
局所注射のための医薬組成物は、マイクロスフェア注射剤であってもよい。マイクロスフェアの製造方法、使用方法等に関しては、必要に応じて、小石眞純監修「マイクロ/ナノ系カプセル・微粒子の開発と応用」(株)シーエムシー出版(2003年)を参照すればよい。また、一般的な生理活性物質の徐放化に関しては、必要に応じて、宮尾興平著「ドラッグ・デリバリー・システムの実際」医薬ジャーナル社(1986年)を参照すればよい。マイクロスフェア注射剤とした前記の医薬組成物は、筋肉内や、好ましくは皮下に注射して、局所で抗コリン薬を持続放出することが可能となる。かかるマイクロスフェア注射剤は、所望によって、静脈内または動脈内に投与することもできる。
経皮投与に用いられる医薬組成物としては、例えば、液体スプレー剤、ローション剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、ゾル剤、エアロゾル、パップ剤、プラスター剤、テープ剤等が挙げられる。これらの組成物には、抗コリン薬と、一般的に外用剤に用いられる油性基剤[例えば、植物油(例えば、綿実油、胡麻油、オリーブ油等)、ロウ類(例えば、カルナバワックス、ミツロウ等)、高級炭化水素類(例えば、白色ワセリン、流動パラフィン、プラスチベース等)、脂肪酸(例えば、ステアリン酸、パルミチン酸等)、およびそのエステル、高級アルコール類(例えば、セタノール等)、シリコン類(例えば、シリコンフルイド、シリコンゴム等)等]、水溶性基剤[例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、セルロース誘導体等の溶液、または高分子ハイドロゲル、ポリエチレングリコール(局方マクロゴール)、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エタノール、グリセリン等]、テープ剤に用いられる粘着剤[例えば、合成ゴム系粘着剤(例えば、メタアクリル酸エステル共重合体、天然ゴム系粘着剤、合成イソプレン等)、シリコンポリマー系粘着剤等]、フィルム基剤[例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、PET、アルミラミネート等]、ゲル基剤[例えば、乾燥寒天、ゼラチン、水酸化アルミニウム、ケイ酸等]、または油性基剤と水溶性基剤に界面活性剤[例えば、陰イオン界面活性剤(例えば、脂肪酸、サポニン、脂肪酸サルコシド、アルコール硫酸エステル、アルコールリン酸エステル等)、陽イオン界面活性剤(例えば、4級アンモニウム塩、複素環アミン等)、両性界面活性剤(例えば、アルキルベタイン、リゾレシチン等)、非イオン界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等)等]等を加えた乳剤性基剤等が用いられる。また、必要に応じて、通常使用される添加剤、例えば、界面活性剤[例えば、陰イオン界面活性剤(例えば、脂肪酸、サポニン、脂肪酸サルコシド、アルコール硫酸エステル、アルコールリン酸エステル等)、陽イオン界面活性剤(例えば、4級アンモニウム塩、複素環アミン等)、両性界面活性剤(例えば、アルキルベタイン、リゾレシチン等)、非イオン界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等)等]、増粘剤[例えば、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース等)、ポリカルボン酸(例えば、ポリアクリル酸、メトキシメチレン無水マレイン酸共重合体等)、非イオン水溶性高分子(例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等)等]、安定化剤[例えば、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム等)、キレート剤(例えば、EDTA等)等]、pH調整剤[例えば、リン酸塩緩衝剤、水酸化ナトリウム等]、保存剤[例えば、パラベン類、アルキル4級アンモニウム塩(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等)等]、吸収促進補助剤[例えば、脂肪酸およびそのエステル類(例えば、オレイン酸、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル等)、リン脂質類(例えば、ホスファチジルコリン等)、テルペン類(例えば、リモネン等)、アザシクロアルカン類(例えば、Azone(商標名、ネルソンリサーチ社)等)等]等を添加することもできる。抗コリン薬を含有するこれらの経皮投与用製剤は、前記の各種基剤、粘着剤またはその他必要に応じて添加される添加物を用いて常法により製造することができる。
液体スプレー剤、ローション剤、ゾル剤またはエアロゾルは、抗コリン薬を、水、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エタノール、グリセリン等の溶媒中に、溶解または分散させることによって製造することができる。また、所望によって前記の添加剤を加えることもできる。
軟膏剤またはクリーム剤は、抗コリン薬を、前記水溶性基剤、前記油性基剤および/または水、植物油等の当該技術分野で通常用いられる溶剤と混合し、必要に応じて界面活性剤を加え、乳化処理を施すことによって製造することができる。また、所望によって前記の添加剤を加えることもできる。
パップ剤、プラスター剤またはテープ剤は、抗コリン薬および前記粘着剤を含有する溶液(必要であれば前記添加剤を含有していてもよい)を前記フィルム基剤上に塗布し、必要に応じて架橋処理や乾燥操作を施すことによって製造することができる。
ゲル剤は、抗コリン薬および前記ゲル基剤を含有する溶液(必要であれば前記添加剤を含有していてもよい)を型に流し込み、必要に応じて架橋処理や乾燥操作を施すことによって製造することができる。
抗コリン薬の投与量は、生体で抗コリン薬が、顕著な毒性を示すことなく、手足症候群に対して有効性を示す用量であれば、如何なる用量であっても構わないが、通常、約0.01mg乃至約200mgの範囲で用いられる。尚、前記のように投与方法を変えることで、望ましい効果を得るために必要な投与量も変化するので、抗コリン薬を投与する際には、その投与方法に応じて適した投与量を選択すればよい。
例えば、イミダフェナシンを経口投与する場合、その一回あたりの投与量として好ましくは、約0.025mg乃至約0.8mgであり、より好ましくは約0.05mg乃至約0.4mgであり、さらに好ましくは約0.1mg乃至約0.2mgであり、特に好ましくは約0.1mgである。
例えば、コハク酸ソリフェナシンを経口投与する場合、その一回あたりの投与量として好ましくは、約1mg乃至約50mgであり、より好ましくは約2.5mg乃至約20mgであり、さらに好ましくは約5mg乃至約10mgであり、特に好ましくは約5mgである。
例えば、酒石酸トルテロジンを経口投与する場合、その一回あたりの投与量として好ましくは、約0.5mg乃至約20mgであり、より好ましくは約1mg乃至約8mgであり、さらに好ましくは約2mg乃至約4mgであり、特に好ましくは約4mgである。
例えば、フェソテロジンフマル酸塩を経口投与する場合、その一回あたりの投与量として好ましくは、約1mg乃至約40mgであり、より好ましく約2mg乃至約16mgであり、さらに好ましくは約4mg乃至約8mgであり、特に好ましくは約4mgまたは約8mgである。
抗コリン薬を、手足症候群に対する予防および/または治療剤として使用する場合、その投薬期間は、有効性を示す期間であれば、どのような期間でもよい。また所望によって適当な休薬期間をおいて、間歇的に投薬しても構わない。
本発明の剤における具体的な投薬期間として、例えば、1日乃至5年間、1日乃至1年間、1日乃至6ヶ月間、1日乃至2ヶ月間等が挙げられる。
これらの投薬期間中における1日あたりの投薬回数としては、経口的な投与、静脈内投与、および経皮投与の投与形態では、例えば、1回乃至10回が挙げられる。1日あたりの投薬回数として好ましくは、経口的な投与の投与形態では、1回乃至3回であり、より好ましくは1回乃至2回であり、さらに好ましくは1回または2回である。
本発明において、本発明の剤を、手足症候群を発症または再発する前から予防目的で投与しても、手足症候群を発症した後に治療目的で投与しても良い。
本発明において、本発明の剤は、例えば、手足症候群を誘発する抗癌剤の投薬開始と同時、抗癌剤の投薬を開始する前または抗癌剤の投薬を開始した後のいずれに投与を開始しても良い。例えば、化学療法において抗癌剤等と本発明の剤とを併用することも可能であり、この場合、抗癌剤等の投与量は、癌化学療法に通常使用される治療に有効な量とすればよい。
本発明において、抗コリン薬が手足症候群に及ぼす予防および/または治療効果は、例えば、以下の表1、表2または表3に示す手足症候群の判定基準を用いて評価することができる。表1は、ブルム(Blum)らによって提唱された手足症候群の判定基準であり、ジャーナル・クリニカル・オンコロジー(J.Clin.Oncol.),17巻,485〜493頁(1999年)に記載されている。グレード0については特に言及されていないが、症状がない場合はグレード0と理解される。表2は、共通毒性基準第2版(National Cancer Institute-Common Toxicity Criteria Version2.0(NCI-CTC v2.0))、表3は有害事象共通用語規定題3版(National Cancer Institute-Common Terminology Criteria for Adverse Events Version 3.0(NCI-CTCAE v3.0))によるものである。表3でもグレード0については特に言及されていないが、症状がない場合はグレード0と理解される。
Figure 0004761000
該当する症状のグレードが両基準(臨床領域、機能領域)で一致しない場合は、より適切と判断できるグレードを採択する。
Figure 0004761000
Figure 0004761000
表1、2、および3の判断基準のいずれにおいても、手足症候群のグレードが2以上になると、抗癌剤の減量、休薬または投与中止が必要となる場合がある。そのため、手足症候群をグレード1以下で抑えることが、適切な癌治療を継続するために必要である。また、患者の生活の質(QOL)を維持または向上させるためにも、手足症候群をグレード1以下に抑えることが重要である。
本発明において、治療とは、手足症候群の症状を和らげることを意味する。具体的には、例えば、患者の自覚症状を改善することや、抗コリン薬を投与する前の段階からグレードを1つ以上下げることであり、好ましくは、グレードを1以下にすることである。
本発明において、予防とは、手足症候群の発症を防ぐこと、または発症しても軽度の症状、例えばグレード1に留めることを意味する。また、予防には、再発の手足症候群に対する発症予防(再発予防)も含まれる。
本発明において、抗コリン薬は、単剤で使用してもよいし、手足症候群の治療に用いられる他の薬剤、手足症候群のその他の対処法、および/または癌治療で用いられる抗癌剤以外の薬剤と組み合わせて使用してもよい。
抗コリン薬を他の薬剤と組み合わせて使用する場合は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤として投与する形態をとってもよい。別々の製剤としての投与には、同時投与および時間差による投与が含まれる。
手足症候群の治療に用いられる他の薬剤として、例えば、保湿剤、抗生物質、ステロイド外用剤、ステロイド内服薬、非ステロイド性消炎鎮痛剤、塩酸ピリドキシン(ピドキサール(登録商標)、ビタミンB6)等が挙げられる。
本発明において、保湿剤としては、例えば、尿素含有製剤(例えば、尿素(ウレパール(登録商標)、ケラチナミン(登録商標)、パスタロン(登録商標)等)、ヘパリン類似物質含有製剤(例えば、ヘパリン類似物質(ヒルドイド(登録商標)、ヒルドイドソフト(登録商標)等)、ビタミン含有軟膏(例えば、ビタミンA油(ザーネ(登録商標))、ビタミンEを含有するトコフェロール ビタミンA油(ユベラ(登録商標))等)、グアイアズレン含有軟膏(例えば、アズレンスルホン酸ナトリウム水和物(アズレン)等)、白色ワセリン等が挙げられる。
本発明において、抗生物質としては、例えば、ゲンタマイシン硫酸塩(ゲンタシン(登録商標))、硫酸フラジオマイシン、フシジン酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明において、ステロイド外用剤とは、例えば、クロベタゾールプロピオン酸エステル(デルモベート(登録商標))、ジフロラゾン酢酸エステル(ジフラール(登録商標)、モメタゾンフランカルボン酸エステル(フルメタ(登録商標))、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン(アンテベート(登録商標))、フルオシノニド(トプシム(登録商標))、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル(リンデロンDP(登録商標))、ジフルプレドナート(マイザー(登録商標))、アムシノニド(ビスダーム(登録商標))、吉草酸ジフルコルトロン(テクスメテン(登録商標))、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン(パンデル(登録商標))、デプロドンプロピオン酸エステル(エクラー(登録商標))、プロピオン酸デキサメタゾン(メサデルム(登録商標))、デキサメタゾン吉草酸エステル(ボアラ(登録商標))、ハルシノニド(アドコルチン(登録商標))、ベタメタゾン吉草酸エステル(ベトネベート(登録商標))、ベタメタゾン吉草酸エステル・ゲンタマイシン硫酸塩(リンデロンVG(登録商標))、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(プロパデルム(登録商標))、フルオシノロンアセトニド(フルコート(登録商標))等が挙げられる。
本発明において、ステロイド内服薬としては、例えば、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン等が挙げられる。
本発明において、非ステロイド性消炎鎮痛剤としては、例えば、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム、アセトアミノフェン、ジクロフェナクナトリウム、セレコキシブ等が挙げられる。
本発明において、手足症候群のその他の対処法としては、例えば、手や足を冷たい水に浸す、過度の温度、圧力、摩擦を避ける、やわらかいパッドなどを患部に当てる方法、また、爪症状に対する洗浄、ガーゼ保護、テーピング、爪形成術、人工爪、クライオサージェリー等が挙げられる。
癌治療で用いられる抗癌剤以外の薬剤としては、例えば、癌の痛みの治療に使用される薬剤および抗癌剤による副作用を軽減させる薬剤等が挙げられる。
癌の痛みの治療に使用される薬剤としては、例えば、非ステロイド性消炎鎮痛剤、モルヒネ、フェンタニル、オキシコドン、リン酸コデイン等が挙げられる。
抗癌剤の副作用を軽減させる薬剤としては、例えば、制吐剤、食欲促進剤、貧血の治療に有用な薬剤、好中球減少症の治療に有用な薬剤、癌化学療法に起因する末梢神経障害に有用な薬剤等が挙げられる。
制吐剤としては、例えば、ニューロキニン1受容体拮抗薬(例えば、アプレピタント、フォサプレピタント・ジメグルミン等)、5HT3受容体拮抗薬(例えば、グラニセトロン塩酸塩、塩酸オンダンセトロン、アザセトロン塩酸塩、パロノセトロン塩酸塩等)、抗ドーパミン作動性薬(例えば、メトクロプラミド等)、ステロイド薬(例えば、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン等)、ベンゾジアゼピン系薬剤等が挙げられる。
食欲促進剤としては、例えば、塩酸リモナーデ、グレリン様作用薬(アナモレリン塩酸塩等)等が挙げられる。
貧血の治療に有用な薬剤としては、例えば、エリスロポエチン製剤(エポエチンアルファ等)等が挙げられる。
好中球減少症の治療に有用な薬剤としては、例えば、ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)等が挙げられる。
癌化学療法に起因する末梢神経障害に有用な薬剤としては、例えば、PGE1製剤(リマプロスト・アルファデックス等)等が挙げられる。
抗コリン薬と組み合わせて使用する前記の薬剤は例示であって、これらに限定されるものではない。これらの薬剤の投与方法は、特に限定されず、経口投与であっても非経口投与であってもよい。また、これらの薬剤は、任意の2種以上を組み合わせて投与してもよい。これらの薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく、今後見出されるものも含まれる。
[毒性]
抗コリン薬の毒性は、十分に低いものであり、医薬品として使用するために十分安全である。
以下、実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、症例1〜4では、イミダフェナシンとして、ステーブラ(登録商標)錠またはウリトス(登録商標)錠を使用した。症例5では、コハク酸ソリフェナシンとして、ベシケア(登録商標)錠を使用した。症例6では、酒石酸トルテロジンとして、デトルシトール(登録商標)カプセルを使用した。
実施例1:カペシタビン投与に起因する手足症候群に対するイミダフェナシンの効果
<症例1>
カペシタビンの投薬(B法:2400mg/日、2週間連日経口投与し、その後1週間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。)とレトロゾール2.5mg/日の投薬の併用療法において、手足症候群を発症した再発乳癌患者(女性)に対するイミダフェナシンの効果を検討した。
手足症候群の程度は、上記表1に示した判定基準にて評価し、評価結果を図1に示した。
手足症候群がグレード3となったカペシタビン3コース目終了後から、患者に、イミダフェナシン0.1mgを1日2回経口投与した。
その結果、イミダフェナシンは、投与開始から14日間という短期間で、手足症候群の症状をグレード1にまで改善した。また、その後も次コース開始に伴う手足症候群の悪化を認めることなくグレード1を維持したため、癌化学療法を変更(抗癌剤の減量、スケジュール以外の休薬または投与中止)せずに、癌治療を継続させることができた。
これらのことから、イミダフェナシンは、カペシタビン、またはカペシタビンとレトロゾールの併用療法に起因する手足症候群に対して、治療効果および予防効果を有することが明らかとなった。
実施例2:スニチニブリンゴ酸塩投与に起因する手足症候群に対するイミダフェナシンの効果
<症例2>
スニチニブリンゴ酸塩の投薬(スニチニブとして50mg/日、4週間連日経口投与し、その後2週間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。)において、手足症候群を発症した腎臓癌患者(男性)に対するイミダフェナシンの効果を検討した。
手足症候群の程度は、上記表1に示した判定基準にて評価し、評価結果を図2に示した。
手足症候群がグレード3となった2コース目の投薬終了後から、患者に、イミダフェナシン0.1mgを1日2回経口投与した。
その結果、イミダフェナシンは、投与開始から4日間という短期間で、手足症候群の症状をグレード1にまで改善した。その後、皮膚科受診に伴い、保湿剤である尿素軟膏、ヘパリン類似物質軟膏、および抗炎症作用を有するステロイド外用剤であるクロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏が処方されたため、イミダフェナシンとの併用を開始したところ、併用8日後には、手足症候群の完治を認めた。さらに、これらの治療を継続した結果、2コース目では4週間のスニチブリンゴ酸塩の投薬によってグレード3に悪化した手足症候群が、3コース目ではグレード1に留まった。
これらのことから、イミダフェナシンは、スニチニブリンゴ酸塩に起因する手足症候群に対して、治療効果および予防効果を有することが明らかとなった。
実施例3:ソラフェニブトシル酸塩投与に起因する手足症候群に対するイミダフェナシンの効果
<症例3>
ソラフェニブトシル酸塩(ソラフェニブとして800mg/日)の投薬において、手足症候群を発症した腎臓癌患者(男性)に対するイミダフェナシンの効果を検討した。
手足症候群の程度は、上記表1に示した判定基準にて評価し、評価結果を図3に示した。
ソラフェニブトシル酸塩の投薬開始直後から、患者には、グレード3の手足症候群が発現したため、抗生物質であるゲンタマイシン硫酸塩軟膏、続いて、保湿剤であるビタミンA油軟膏が処方された。しかしながら、ビタミンA油軟膏を追加して35日が経過しても、手足症候群の症状は不変であった。
そのため、この時点から、ゲンタマイシン硫酸塩軟膏およびビタミンA油軟膏に加えて、患者に、イミダフェナシン0.1mgの1日2回経口投与を開始した。
その結果、イミダフェナシン投与開始35日後(次の通院時)には、手足症候群の症状はグレード1にまで改善を認めた。ゲンタマイシン硫酸塩軟膏およびビタミンA油軟膏では、改善効果が得られなかったソラフェニブトシル酸塩に起因する手足症候群に対し、イミダフェナシンの追加処方は改善効果を示したことから、本効果が、イミダフェナシンによるものであることは明らかである。さらに、手足症候群の症状改善に伴い、ゲンタマイシン硫酸塩軟膏およびビタミンA油軟膏から、保湿剤であるヘパリン類似物質クリームに併用薬を切り替え、イミダフェナシンの経口投与を継続した。その結果、22日後には、手足症候群の完治を認めた。また、完治後もイミダフェナシンと保湿剤の薬剤投与を継続することで、手足症候群の再発を防ぐことができた。
これらのことから、イミダフェナシンは、ソラフェニブトシル酸塩に起因する手足症候群に対して、治療効果および予防効果を有することが明らかとなった。
<症例4>
ソラフェニブトシル酸塩の投薬において、手足症候群を発症した腎臓癌患者(女性)に対するイミダフェナシンの効果を検討した。
手足症候群の程度は、上記表1に示した判定基準にて評価し、評価結果を図4に示した。
患者に、ソラフェニブトシル酸塩(ソラフェニブとして800mg/日)の投薬を開始したところ、投薬開始21日後にグレード2の手足症候群が発現したため、休薬を行った。休薬開始から28日目に、手足症候群がグレード1に回復したため、ソラフェニブトシル酸塩の用量を段階的に増量する方法(ソラフェニブとして200mg/日からスタート)で治療を再開した。その後、再び手足症候群が発現し、ソラフェニブとして800mg/日の用量では、手足症候群はグレード3にまで悪化した。そのため、保湿剤である尿素軟膏の処方を行い、続いてソラフェニブトシル酸塩の減量(ソラフェニブとして400mg/日)を行ったが、減量後50日目においても、症状の改善は見られなかった。
この時点から、尿素軟膏に加えて、患者に、イミダフェナシン0.1mgの1日2回経口投与を開始した。
その結果、イミダフェナシン投与により、手足症候群は段階的に改善され、投与開始42日後には、手足症候群はグレード1にまで改善した。尿素軟膏およびソラフェニブトシル酸塩の減量では、改善効果が得られなかったソラフェニブトシル酸塩に起因する手足症候群に対し、イミダフェナシンの追加処方は改善効果を示したことから、本効果が、イミダフェナシンによるものであることは明らかである。また、その後も手足症候群の症状は、グレード1で維持されていた。
これらのことから、イミダフェナシンは、ソラフェニブトシル酸塩に起因する手足症候群に対して、治療効果および予防効果を有することが明らかとなった。
また、症例1〜4の結果を鑑みると、イミダフェナシンは手足症候群の発症原因となる投与薬剤の種類やその投薬レジメンに関係なく、有効であることがわかる。
実施例4:ソラフェニブトシル酸塩投与に起因する手足症候群に対するコハク酸ソリフェナシンの効果
<症例5>
ソラフェニブトシル酸塩(ソラフェニブとして800mg/日)の投薬において、手足症候群を発症した腎臓癌患者(男性)に対するコハク酸ソリフェナシンの効果を検討した。
手足症候群の程度は、上記表1に示した判定基準にて評価し、評価結果を図5に示した。
ソラフェニブトシル酸塩(ソラフェニブとして800mg/日)の投与により、患者に痛みを伴うグレード2の手足症候群の症状が現れた。この時点から、コハク酸ソリフェナシン5mgの1日1回経口投与を開始したところ、コハク酸ソリフェナシン投与開始28日後(次の通院時)には、手足症候群の完治を認めた。また、完治後もコハク酸ソリフェナシンの薬剤投与を継続することで、手足症候群の再発を防ぐことができた。
これらのことから、コハク酸ソリフェナシンは、ソラフェニブトシル酸塩に起因する手足症候群に対して、治療効果および予防効果を有することが明らかとなった。
実施例5:ソラフェニブトシル酸塩投与に起因する手足症候群に対する酒石酸トルテロジンの効果
<症例6>
ソラフェニブトシル酸塩の投薬において、手足症候群を発症した腎臓癌患者(男性)に対する酒石酸トルテロジンの効果を検討した。
手足症候群の程度は、上記表1に示した判定基準にて評価し、評価結果を図6に示した。
ソラフェニブトシル酸塩(ソラフェニブとして800mg/日)の投与により、患者にグレード2の手足症候群が現れたため、尿素ローションの処方を行ったが症状の改善は見られず、その後、手足症候群はグレード3にまで悪化した。そのため、ソラフェニブトシル酸塩の減量(ソラフェニブとして400mg/日)を行い、塩酸ピリドキシンおよびベタメタゾン吉草酸エステル・ゲンタマイシン硫酸塩軟膏を処方したところ、ソラフェニブトシル酸塩の減量開始105日後に、ようやくグレード1にまで回復した(ベタメタゾン吉草酸エステル・ゲンタマイシン硫酸塩軟膏は、手足症候群がグレード2に改善した時点から投与を中止した)。手足症候群がグレード1に回復したため、ソラフェニブトシル酸塩を増量(ソラフェニブとして800mg/日)したところ、手足症候群は、再びグレード3にまで悪化したため、塩酸ピリドキシンに加えて尿素軟膏の処方を行ったが、手足症候群の改善は認められなかった。
この時点から、塩酸ピリドキシンおよび尿素軟膏に加えて、酒石酸トルテロジン4mgの1日1回経口投与を開始した。
その結果、酒石酸トルテロジンは、投与開始から11日間という短期間で、手足症候群の症状をグレード1にまで改善した。塩酸ピリドキシンおよび尿素の処方では、改善効果が得られなかったソラフェニブトシル酸塩(ソラフェニブとして800mg/日)に起因する手足症候群に対し、酒石酸トルテロジンの追加処方が短期間で顕著な改善効果を示したことから、本効果が、酒石酸トルテロジンによるものであることは明らかである。さらに、これらの治療を継続した結果、ソラフェニブトシル酸塩をソラフェニブとして800mg/日の用量で投与を継続しても、手足症候群が再び悪化することなく、グレード1を維持したため、癌化学療法を変更(抗癌剤の減量、スケジュール以外の休薬または投与中止)せずに、癌治療を継続させることができた。
これらのことから、酒石酸トルテロジンは、ソラフェニブトシル酸塩に起因する手足症候群に対して、治療効果および予防効果を有することが明らかとなった。
上記症例が実証しているとおり、手足症候群はその原因となる抗癌剤などの投与を休薬などしたり、保湿剤などによる処方を施したりしても治癒しにくい難治な病態であるにもかかわらず、驚くべきことに、本発明による抗コリン薬の投与により、その原因となる薬剤を減量、休薬、投与中止などせずとも、完治あるいはそれにほぼ近い状態にまで改善することが可能である。上記症例で使用したイミダフェナシン、ソリフェナシン及びトルテロジンはその拮抗作用に準じてそれぞれM1及びM3選択的ムスカリン受容体アンタゴニスト、M3選択的ムスカリン受容体アンタゴニスト及びサブタイプ非選択的ムスカリン受容体アンタゴニストのカテゴリーに分類されるものであり、抗コリン活性を有する点では共通するものの、必ずしも同一の拮抗作用を示すものではない。さらに、イミダフェナシンはイミダゾール環を基本骨格とし、ソリフェナシンはキヌクリジン環を基本骨格とし、またトルテロジンはフェノール誘導体であり、いずれも構造的に共通な特徴を有さず、共通するのは抗コリン活性を有する点のみである。にもかかわらず、これら3例の薬剤は全て手足症候群に対し有効であることが示されていることから、その構造や拮抗作用に関係なく、抗コリン活性を有するものであればあらゆるものがこれらと同様に手足症候群の予防・治療に有効であることが明らかである。抗コリン薬の効き目には個人差がある場合があるが、抗コリン薬がその種類を問わず手足症候群の予防・治療に有効であることは、患者ごとに最も効果の高い抗コリン薬を選択できること、すなわち薬剤の選択肢の幅を広めることも意味し、極めて有利である。
本発明で開示する抗コリン活性を有する化合物を含有する手足症候群の予防および/または治療剤は、手足症候群の患者に対し、安全に投与することができ、かつ優れた予防および/または治療効果を示すことから、医薬として実に有用である。これまで、手足症候群に対処するため、抗癌剤の減量や中断または投与中止を余儀なくされていたが、本発明の剤を用いれば、適切な癌治療を継続することが可能となり、さらに、手足症候群が改善されることにより、患者の生活の質(QOL)も向上する。

Claims (6)

  1. ソリフェナシン、トルテロジンおよびフェソテロジン、並びにそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を含有する、抗癌剤投与に起因する手足症候群の予防および/または治療剤。
  2. 化合物が、コハク酸ソリフェナシン、酒石酸トルテロジンおよびフェソテロジンフマル酸塩からなる群から選択される化合物である請求項記載の予防および/または治療剤。
  3. 化合物が、ソリフェナシンおよびトルテロジン、並びにそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物である請求項1記載の予防および/または治療剤。
  4. 抗癌剤が、代謝拮抗剤または分子標的薬である請求項記載の予防および/または治療剤。
  5. 代謝拮抗剤がカペシタビンであり、分子標的薬がスニチニブリンゴ酸塩またはソラフェニブトシル酸塩である請求項記載の予防および/または治療剤。
  6. 予防が再発予防である請求項1記載の予防および/または治療剤。
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