JP2017533227A - 低活動膀胱症候群を治療するための方法 - Google Patents

低活動膀胱症候群を治療するための方法 Download PDF

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Abstract

有効量の、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物を被検体に投与するステップを含む、被検体における低活動膀胱を治療するための新規な方法を含む非限定的な実施形態を開示する。一部の実施形態では、M1選択性ムスカリンアゴニストはセビメリンである。一態様では、UABを治療するための方法を提供する。方法は、有効量の、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物を必要とする被検体に有効量の、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物を投与するステップを含む。ムスカリン受容体は、尿路上皮細胞などのある特定の細胞の膜中でGタンパク質−受容体複合体を形成するアセチルコリン受容体である。ムスカリン受容体の5つのサブタイプ、M1〜M5が存在し、種々の薬物が、個々の受容体の1つまたは複数に対して選択的であることは公知である。

Description

本PCT出願は、2014年11月3日に提出した米国仮出願第62/074,187号の利益を主張する。上記出願の全体内容は、本明細書にその全体が参照により援用される。
一部の実施形態は、一般に、膀胱機能を改善することに関する。より具体的には、一部の実施形態は、低活動膀胱障害または症候群を有する被検体における膀胱排出(bladder emptying)を改善することに関する。
低活動膀胱障害または症候群(UAB)は、膀胱機能の悪化に関与し、それは、不完全な膀胱排出などの不快な症状を含む。UABの他の一般的な症状には、排尿頻度の増大、切迫感、排尿躊躇、弱い尿ストリーム、尿流の低下、尿ストリーム分裂、間欠的な尿ストリーム、排尿の開始および/または停止の困難さ、失禁、夜間頻尿、排尿への負担、排尿後の尿滴下、排尿後の不完全な膀胱排出の感覚、膀胱痛、尿道痛ならびに再発性泌尿器系感染症が含まれる。UABの原因は様々な可能性があり、それらには、例えば、弱い膀胱排尿筋、膀胱の神経を刺激する感覚および/または運動神経への損傷、中枢神経障害ならびに膀胱出口閉塞症が含まれる。
UABの治療のためには、膀胱排尿筋の収縮性を増進させる、または尿道括約筋の弛緩によって尿道抵抗を減少させる薬物が使用される。例えば、ベタネコールなどのコリン作動性薬剤、およびジスチグミンなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、膀胱排尿筋の収縮性を増進させるための薬物として使用される。しかし、ベタネコールはまた、蓄尿期間での膀胱排尿筋の収縮の一因にもなり、これは、膀胱の蓄尿機能への損傷を引き起こし、同時に、流涙、発汗、胃腸障害および腹痛などの副作用を有する。したがって、これは、妊婦、ならびに消化性潰瘍、器質性腸管閉塞(organic intestinal tract obstruction)、ぜんそくおよび甲状腺機能亢進症に苦しむ患者には禁忌となる。
アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、例えばジスチグミンおよびネオスチグミンもまた使用されている。アセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、排尿において骨盤神経末端から放出されたアセチルコリンの活性を増進させて排尿での膀胱排尿筋の収縮を増進させるので、尿排出の生理学的機序を考慮した場合、それらは、優れた薬物であると考えられる。しかし、ジスチグミンは、尿道抵抗を増大させようとするその強力なニコチン様の活性に起因して、膀胱排尿筋を収縮させ、尿道括約筋の収縮を引き起こすので、排泄効率は良好でなく、臨床応用の関連での効果は不十分である。さらに、高圧での排泄のリスクもまた確認されている。
尿道括約筋を弛緩させ、尿道抵抗を減少させるための薬物、α1受容体アンタゴニスト、例えばタムスロシン、プラゾシン、アルフゾシン、ナフトピジルおよびウラピジルも使用されている。これらのアンタゴニストは、残尿感覚および夜間頻尿などの自覚症状の改善に効果があると報告されている。しかし、副作用として、起立性低血圧等を含む抗高血圧降下があるので、その投与には注意を要するべきである。さらに、UABに対して満足のいく効果を実証する報告はなされていない。
UABの長期的な効果は、他の状態をもたらす可能性もある。例えば、膀胱中に残された尿が、著しい痛みを伴う恐れのある尿路感染症をもたらす可能性があり、それらが慢性的になると、腎臓損傷に至る恐れがある。沈渣もまた膀胱中に蓄積して、膀胱結石および血尿を形成する可能性もある。重症例では、膀胱中に残された尿は、尿管に至る逆流を引き起こすレベルまで増大する可能性があり、腎臓損傷を引き起こし得る。
現在、UABの長期治療に効果的であることが証明されている薬物療法または治療法はなく、公知の治癒法も存在しない。その結果として、UABに苦しむ患者は、通常、間欠的な自己カテーテル挿入、導入カテーテル、吸収性の下着の着用、および/または恥骨上カテーテル(suprapubic catheter)もしくは人工膀胱による尿路変更(urinary diversion)などのよりリスクの高い外科的処置で間に合わせている。
したがって、例えば、適切な薬物療法の使用などのより侵襲性の低い治療方法を使用して、これらの膀胱の問題を減少させることが有利である。これらのおよび他の必要性は、本発明の方法によって満たされる。
一態様では、低活動膀胱症候群の治療を必要とする被検体における低活動膀胱症候群を治療するための方法を提供する。方法は、有効量の、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物を被検体に投与するステップを含む。
別の態様では、排尿後の被検体における残尿量を減少させるための方法を提供する。方法は、有効量の、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物を被検体に投与するステップを含む。
さらに別の態様では、被検体における膀胱排出を増大させるための方法を提供する。方法は、有効量の、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物を被検体に投与するステップを含む。
さらなる態様では、被検体における尿流速度を増大させるための方法を提供する。方法は、有効量の、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物を被検体に投与するステップを含む。
追加的な態様を、以下の説明において一部を示し、一部はその説明から明らかであり、あるいは、以下で説明する態様の実践によってそれを理解することができる。以下で説明する利点は、添付の特許請求の範囲で特に指摘されている要素および組合せによって、実現され達成されよう。上記の一般的説明と以下の詳細な説明はどちらも例示的かつ説明的なものにすぎず、制限的なものではないことを理解されたい。
以下の説明において、実施形態の十分な理解が提供されるように、多くの具体的な詳細を示す。実施形態は、具体的な詳細の1つもしくは複数を用いないで、または他の方法、成分、材料等を用いて実践することができる。他の例では、周知の構造、材料または操作は、実施形態の態様を曖昧にするのを避けるために、示されていないか、または詳細に説明されていない。
本明細書を通して、「一実施形態」、「実施形態(embodiment)」または「実施形態(embodiments)」への言及は、実施形態の関連で説明される特定の特性、構造または特徴が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通しての種々の場所における「一実施形態では」または「実施形態では」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態に言及しているわけではない。さらに、特定の特性、構造または特徴を、1つまたは複数の実施形態における適切な任意の仕方で合わせることができる。
別段の指定のない限り、あらゆる種類の範囲が開示または特許請求されている場合、そこに包含されるあらゆる下位範囲を含むそうした範囲が合理的に包含し得るそれぞれの可能な数を個別的に開示または特許請求することが意図される。さらに、出願者らがそうした範囲が合理的に包含し得るそれぞれの可能な数を個別的に反映しようとするある値の範囲が開示または特許請求されている場合、出願者らは、ある範囲の開示が、そこに包含されるあらゆる下位範囲および下位範囲の組合せを開示していることを反映し、かつそれと互換性があることも意図している。したがって、何らかの理由で、出願者らが、開示の最大限度より少なく特許請求すること、例えば、出願時に出願者らが認識していない参考文献を考慮に入れることを選択する場合、出願者らは、任意の下位範囲または群の中の下位範囲の組合せを含む任意の個々の数または範囲を提供または排除する権利を保持する。
本開示の要約は、連邦規則集第37巻第1.72条の要件を満たす目的、および連邦規則集第37巻第1.72条(b)に記述されている目的「一般に、合衆国特許商標庁及び公衆が一読することによって、技術開示の本質及び要旨を、迅速に決定することが出来るようにすること」のために提供される。したがって、本開示の要約は、特許請求の範囲を解釈するため、または本明細書で開示される主題の範囲を限定するために使用しようとするものではない。さらに、本明細書で用いられる任意の表題もまた、特許請求の範囲を解釈するため、または本明細書で開示される主題の範囲を限定するために使用しようとするものではない。
I.定義
本発明は、UABに関連する症状を改善することができる。「改善」、「改善する」または「改善された」という用語は、UABの1つまたは複数の症状からの改善または寛解を含む。UABに関連する症状からの改善は、膀胱排出の増大、排尿後の残存膀胱容量の減少、尿流速度の増大、排尿切迫感の低下、膀胱痛の減少、尿道痛(uretheral pain)の低下、尿失禁の減少などによって現れる。改善は、これらの症状の寛解を含むだけでなく、症状の緩和、症状の悪化の寛解、症状発現の防止、生活の質(QOL)の改善などを含むこともできる。
本明細書で使用されるような「活性成分」という用語は、医薬組成物に製剤化した場合、低活動膀胱症候群を治療するのに効果的である化合物を意味する。
本明細書で使用されるような、被検体へ「投与する」、「投与された」または「投与すること」という用語は、医薬組成物を、送達のための適切な任意の経路によって、被検体へ投薬する、送達するまたは適用することを含む。
本明細書で使用されるような「共投与」、「組み合わせて投与された」という用語およびそれらの文法的同義語は、薬剤および/またはそれらの代謝産物の両方が被検体中に同時に存在するように、2つまたはそれ超の薬剤を被検体に投与することを包含する。共投与は、別個の組成物での同時的な投与、別個の組成物での異なる時間における投与、またはその中に両方の薬剤が存在する組成物での投与を含む。
本明細書で使用されるような「アゴニスト」という用語は、標的タンパク質の活性または発現のいずれかを増大させることによって、標的タンパク質の生物学的機能を開始および/または増進させる(すなわち、「アゴナイズする」)能力を有する化合物を指す。したがって、「アゴニスト」という用語は、標的ポリペプチドの生物学的役割の文脈で定義される。本明細書で好ましいアゴニストは、標的と特異的に相互作用する(例えば、それと結合する)が、標的ポリペプチドが、そのメンバーであるシグナル伝達経路の他のメンバーとの相互作用によって標的ポリペプチドの生物学的活性を開始または増進させる化合物もまた、この定義内に明確に含まれる。
本明細書で使用されるような「膀胱」という用語は、「膀胱(urinary bladder)」と同義語である。
本明細書で使用されるような「化合物(compounds)」または「化合物(the compound)」という用語は、M1選択性ムスカリン受容体アゴニスト(例えば、セビメリン)を意味する。
本明細書で使用されるような「排尿筋活動性低下」という用語は、長期にわたる膀胱排出をもたらす、低い強度および/もしくは持続期間の収縮、ならびに/または正常な期間内での完全な膀胱排出の達成の不成功を意味する。
本明細書で使用されるような「尿排出」という用語は、「排泄」および「排尿」という用語と同義語である。
ムスカリン受容体M1〜M5の中で、「M1選択性ムスカリン受容体アゴニスト」および「M1選択性ムスカリンアゴニスト」という用語は、少なくともM1ムスカリン受容体を選択的にアゴナイズする化合物または医薬組成物を指すために本明細書で使用される。M1選択性ムスカリンアゴニストは、必ずしも、M1ムスカリン受容体とだけ相互作用するのではなく、正または負のフィードバックループによるものを含む、直接的または間接的のいずれかで、他のムスカリン受容体(すなわち、M2〜M5)をアゴナイズする、または選択的にアゴナイズすることもできる。M1選択性ムスカリンアゴニストまたはM1アロステリック調節因子は、膀胱を刺激する神経上でのM1フィードバックループを増大させ、それによって、膀胱収縮の持続期間を延長、増大および/もしくは維持し、かつ/または膀胱排出を改善することができる。
「薬学的に許容される塩」という用語は、当技術分野で周知の様々な有機および無機対イオンから誘導される塩を指し、これには、ほんの一例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどが含まれ;分子が塩基性官能性を含有する場合、有機または無機酸の塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などが含まれる。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸で形成させることができる。塩を誘導することができる無機酸には、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが含まれる。塩を誘導することができる有機酸には、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などが含まれる。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機および有機塩基で形成させることができる。塩を誘導することができる無機塩基には、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどが含まれる。塩を誘導することができる有機塩基には、例えば第一級、第二級および第三級アミン、天然由来の置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などが含まれ、具体的には、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンおよびエタノールアミンなどが含まれる。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩から選択される。
「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される賦形剤」には、すべての溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤ならびに吸収遅延剤などが含まれる。薬学的に活性な物質のためのそうした媒体および薬剤の使用は当技術分野で周知である。任意の従来の媒体または薬剤が活性成分と適合しない場合を除いて、医薬組成物でのその使用を企図する。補助的な活性成分もまた組成物中に混ぜ込むこともできる。
本明細書で使用されるような「医薬組成物」という用語は、化合物の希釈剤、滑沢剤、増量剤、崩壊剤(desentegrant)または担体などの他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物は被検体への化合物の投与を容易にする。医薬組成物は、化合物を例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などの無機または有機酸と反応させることによって得ることもできる。
「プロドラッグ」は、生理学的条件下で、または加溶媒分解によって、本明細書で説明する生物学的に活性な化合物へ変換され得る化合物を指すことを意味する。したがって、「プロドラッグ」という用語は、薬学的に許容される生物学的に活性な化合物の前駆体を指す。プロドラッグは、被検体に投与されたときは不活性であり得るが、例えば加水分解によってin vivoで活性化合物に変換される。プロドラッグ化合物はしばしば、哺乳動物生命体における溶解性、組織適合性または遅延放出の利点を提供する(例えば、Bundgard, H.、Design of Prodrugs(1985年)、7〜9、21〜24頁(Elsevier、Amsterdam)を参照されたい)。プロドラッグの考察は、Higuchi, T.ら、「Pro-drugs as Novel Delivery Systems」、A.C.S. Symposium Series、14巻およびBioreversible Carriers in Drug Design、Edward B. Roche編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987年に提供されている。その両方は全部参照により本明細書に援用される。「プロドラッグ」という用語はまた、そうしたプロドラッグを哺乳動物被検体に投与した場合、活性化合物をin vivoで放出する任意の共有結合的に結合した担体を含むことも意味する。本明細書で説明するような活性化合物のプロドラッグは、改変が、慣行的な操作またはin vivoでのいずれかで、切断されて親活性化合物となるような方法で、活性化合物中に存在する官能基を改変することによって調製することができる。プロドラッグには、活性化合物のプロドラッグが哺乳動物被検体に投与されたとき、ヒドロキシ、アミノまたはメルカプト基が切断されてそれぞれ遊離ヒドロキシ、遊離アミノまたは遊離メルカプト基を形成する任意の基と結合している化合物が含まれる。プロドラッグの例には、これらに限定されないが、活性化合物中の、アルコールの酢酸塩、ギ酸塩および安息香酸塩誘導体、またはアミン官能基のアセトアミド、ホルムアミドおよびベンズアミド誘導体などが含まれる。
本明細書で使用されるような、「治療する」、「治療された」、「治療すること」または「治療」という用語は、治療されている症候群、状態、障害もしくは疾患に関連するまたはそれによって引き起こされる少なくとも1つの症状の減少または緩和を含む。ある特定の実施形態では、治療は、障害の誘発を防止し、次いで、それが、治療されている障害に関連するまたはそれによって引き起こされる少なくとも1つの症状を減少または緩和することを含む。例えば、治療は、障害の1つもしくはいくつかの症状の減少、または障害の完全な根絶であってよい。予防的利益のために、組成物を、特定の疾患の発症のリスクがある患者、またはこの疾患の診断がなされていなくても、疾患の生理学的症状の1つまたは複数を訴えている患者に投与することができる。
「被検体」は、哺乳動物などの動物、例えばヒトを指す。本明細書で説明される方法は、ヒトへの適用と獣医学的適用との両方において有用であり得る。一部の実施形態では、被検体は哺乳動物であり、一部の実施形態では、被検体はヒトである。
本明細書で使用されるような「持続放出」という用語は、医薬組成物の活性成分が例えば錠剤から放出され、その結果、錠剤が活性成分を被検体に長時間放出することができる様式を指す。ある特定の実施形態では、持続放出成分は、化合物または医薬組成物の被検体中への放出を遅延させる適切な任意の疎水性材料である。ある特定の実施形態では、疎水性材料には、これらに限定されないが、脂肪アルコール、モノステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリルなどの1つまたは複数が含まれる。一部の実施形態では、持続放出製剤は、経口で崩壊する錠剤またはカプセル剤である。一部の実施形態では、持続放出成分は、化合物または医薬組成物を被検体に送達するように構成されており、約1時間〜約24時間、約1時間〜約18時間、約1時間〜約12時間または約1時間〜約6時間の期間にわたって、定常状態濃度の化合物または医薬組成物を被検体に提供する。
本明細書で使用されるような「迅速放出」という用語は、例えば錠剤からの短期間での医薬組成物の活性成分の放出を指す。ある特定の実施形態では、迅速放出成分は、ポリマー材料を含むことができる。特定の実施形態では、迅速放出成分は、フィルムコーティングを含むポリマー材料である。いくつかの実施形態では、フィルムコーティングのポリマー材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、メタクリル酸コポリマーなどの1つまたは複数を含むことができる。さらに他の実施形態では、医薬組成物は、当業者に公知であるような、適切な任意の迅速放出用の経口で崩壊する錠剤またはカプセル製剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、迅速放出成分は、化合物または医薬組成物を被検体に送達し、約1分間〜約100分間、約5分間〜約60分間、約10分間〜約30分間または約20分間の時間範囲で、化合物または医薬組成物の最大濃度Cmaxを被検体に提供する。
「有効量」という用語は、これらに限定されないが、障害、症状または症候群;ここでは、低活動膀胱症候群の治療を含む、意図する適用を遂行するのに十分な、本明細書で説明される化合物または医薬組成物の量を指す。有効量は、意図する適用、または治療されている被検体および状態、例えば、被検体の体重および年齢、障害または症状の重症度、当業者が容易に決定できる投与の様式などによって変化し得る。用語はまた、標的細胞、例えば尿路上皮細胞中で特定の応答を誘発する用量にも適用される。具体的な用量は、選択される特定の化合物、従うべき投与レジメン、他の化合物と組み合わせて投与されるかどうか、投与のタイミング、それが投与される組織、およびそれが運ばれる物理的送達系に応じて変化する。
本明細書で使用されるような「低活動膀胱症候群」という用語は、低活動膀胱、緩慢な膀胱、シャイ膀胱、尿貯留、膀胱のまひ、無緊張性膀胱、不完全な膀胱排出、排尿筋無反射症、排尿筋活動低下、および膀胱を空にする能力が慢性的に欠如しており面倒を伴うことと同義語である。低活動膀胱は、神経性障害、脳疾患、外科的傷害、薬物療法、加齢の結果、感染症、心理的状態または身体的欠陥を含む1つまたは複数の原因と関連がある可能性がある。
神経性の低活動膀胱の原因疾患の例には:末梢神経障害、例えば糖尿病、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、ギラン−バレー症候群、および帯状疱疹誘発性末梢神経炎;脊髄疾患、例えば核上性脊髄損傷、脊髄腫瘍、頸部脊椎症、脊髄の血管疾患、二分脊椎症、脊髄髄膜瘤および繋留脊髄症候群;ならびに脳疾患、例えば認知症、脳血管疾患、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)、シャイ−ドレーガー症候群、脳腫瘍、多発性硬化症、脳外傷および脳炎等が含まれる。一部の場合、低活動膀胱は、骨盤内臓器の外科手術(子宮がんまたは直腸がん)後の排泄機能を制御する骨盤神経、下腹神経または陰部神経の外科的傷害によって引き起こされる。
薬物誘発性の低活動膀胱の例には、抗コリン薬、すなわちアセチルコリンおよび他の因子の放出を阻害する薬物によって発症する低活動膀胱が含まれる。
さらに、高齢者は一般に、弱くなった膀胱活動によって引き起こされる排尿障害を示し、結果として、加齢に伴う低活動膀胱は、高齢化社会における重要な問題となってきている。低活動膀胱を引き起こす因子の他の例には、身体的欠陥、例えば前立腺肥大症、膀胱頸部拘縮または子宮脱によって引き起こされる下部尿路閉塞症;感染症、例えば膀胱炎および尿道炎;ならびに心理的状態、例えばストレスが含まれる。
本明細書で使用されるような、「尿貯留」および「不完全な膀胱排出」という用語は、排泄で膀胱を空にする能力がないことを意味し、これは、排尿後の膀胱中の残尿量が生じる。一部の実施形態では、M1選択性ムスカリンアゴニストは、排尿後の膀胱中の残尿量を減少させるように作用することができる。一部の実施形態では、M1選択性ムスカリンアゴニストは、膀胱排出を増大させることができる。膀胱排出の増大は、排尿後の膀胱中の残尿量の量を減少させる。
本明細書で使用されるような「尿流速度の増大」という用語は、所与の期間中に排泄された尿量の増大を意味する。増大は、M1選択性ムスカリンアゴニストを投与されていないまたはそれで治療されていない被検体との比較した場合の増大である。
本明細書で使用されるような「排尿頻度の低下」という用語は、排泄する必要のある被検体についての排尿または排尿の試みの間の時間量の増大を意味する。増大は、M1選択性ムスカリンアゴニストを投与されていないまたはそれで治療されていない被検体との比較した場合の増大である。
本明細書で使用されるような「排尿切迫感の低下」という用語は、M1選択性ムスカリンアゴニストを投与されていないまたはそれで治療されていない被検体によって認知された切迫感と比較して、排泄する切迫感の量の低下を認知する被検体を指す。
本明細書で使用されるような「膀胱痛の減少」という用語は、M1選択性ムスカリンアゴニストを投与されていないまたはそれで治療されていない排尿の間、その前またはその後の被検体によって認知された膀胱痛と比較して、排尿の間、その前またはその後の膀胱痛の量の低下を認知する被検体を指す。
本明細書で使用されるような「尿道痛の減少」という用語は、M1選択性ムスカリンアゴニストを投与されていないまたはそれで治療されていない排尿の間、その前またはその後の被検体によって認知された尿道痛と比較して、排尿の間、その前またはその後の尿道痛の量の低下を認知する被検体を指す。
本明細書で使用されるような「尿失禁の減少」という用語は、M1選択性ムスカリンアゴニストを投与されていないまたはそれで治療されていない被検体による尿漏出量と比較して、排泄間に被検体が許す尿漏出量の減少を意味する。
本開示を通して、特定の化合物が名前、例えばセビメリンで挙げられている場合、本開示の範囲は、名前付きの化合物の薬学的に許容される塩、エステル、アミドまたはプロドラッグを包含することが理解される。さらに、名前付きの化合物がキラル中心を含む場合、本開示の範囲はまた、2つのエナンチオマーのラセミ混合物を含む組成物、ならびに、他のエナンチオマーを実質的に含まないで各エナンチオマーを個別的に含む組成物も含む。
II.治療方法
一態様では、UABを治療するための方法を提供する。方法は、有効量の、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物を必要とする被検体に有効量の、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物を投与するステップを含む。ムスカリン受容体は、尿路上皮細胞などのある特定の細胞の膜中でGタンパク質−受容体複合体を形成するアセチルコリン受容体である。ムスカリン受容体の5つのサブタイプ、M1〜M5が存在し、種々の薬物が、個々の受容体の1つまたは複数に対して選択的であることは公知である。
本発明で使用するためのM1選択性ムスカリンアゴニストには、これらに限定されないが、アルバメリン、セビメリン、タルサクリジン、キサノメリン、4−[[[(3−クロロフェニル)アミノ]カルボニル]オキシ]−N,N,N−トリメチル−2−ブチン−1−アミニウムクロリド(McN−A343)、1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン,3−(6−クロロピラジニル)マレエート(L−689,660)、5−プロパルギルオキシカルボニル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン(CDD−0097)、4−n−ブチル−1−[4−(2−メチルフェニル)−4−オキソ−1−ブチル]−ピペリジン(AC−42)ならびに薬学的に許容されるその塩およびエステルが含まれる。一部の実施形態では、アロステリック調節因子は、受容体部位の感受性を増大させることができる。一部の実施形態では、適切なアロステリック調節因子(アゴニストであってもよい)には、これらに限定されないが、ベンジルキノロンカルボン酸、VU−0090157およびVU−0029767が含まれる。本明細書で使用されるように、M1選択性ムスカリンアゴニストの定義は、ベタネコールを排除する。一部の実施形態では、M1選択性ムスカリンアゴニストは、セビメリンまたはセビメリン塩酸塩である。
一部の実施形態では、低活動膀胱症候群は、神経性障害、脳疾患、外科的傷害、薬物療法、加齢の結果、感染症、心理的状態または身体的欠陥の1つまたは複数と関連している。さらに他の実施形態では、低活動膀胱は、これらの状態のいずれとも関連していない。
一部の実施形態では、低活動膀胱症候群の治療を必要とする被検体における低活動膀胱症候群を治療するための方法は、有効量の、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物を被検体に投与するステップを含み、その有効量は、膀胱排出を増大させる、排尿後の膀胱中の残尿量を減少させる、尿流速度を増大させる、排尿頻度を低下させる、排尿切迫感を低下させる、膀胱痛を減少させる、尿道痛を減少させる、尿失禁を減少させる、またはそれらの組合せに十分な量である。一部の実施形態では、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物の有効量は、膀胱排出または尿流速度の1つまたは複数を増大させるのに十分な量である。一部の実施形態では、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物の有効量は、排尿後の膀胱中の残尿量、排尿頻度、排尿切迫感、膀胱痛、尿道痛または尿失禁の1つまたは複数を減少させるのに十分な量である。
一部の実施形態では、本発明の方法にしたがって投与される医薬組成物の有効量は、膀胱排出を増大させるのに十分な量であってよい。特定の実施形態では、有効量は、膀胱排出を、約25vol%〜約300vol%、約25vol%〜約200vol%、約25vol%〜約100vol%または約50vol%〜約75vol%増大させるのに十分な量であってよい。膀胱排出の増大は、有効量の医薬組成物を投与されていない場合の同じ被検体の膀胱から排出された尿量と比較した、被検体の膀胱から排出された尿量として定量化することができる。
一部の実施形態では、有効量は、被検体による排尿または尿排出の試みの後の、被検体の膀胱中の残尿量を減少させるのに十分な、本発明の方法にしたがって投与される医薬組成物の量である。特定の実施形態では、排尿を試みた後に被検体の膀胱中に残る残尿量は、約10vol%〜約100vol%、約10vol%〜約90vol%、約20vol%〜約80vol%、約30vol%〜約70vol%、約40vol%〜約60vol%または約50vol%減少する。残尿量の減少は、有効量の医薬組成物を投与されていない場合の排尿または尿排出の試みの後に同じ被検体の膀胱中に残る残尿量と比較した、排尿または尿排出の試み後に被検体の膀胱中に残る尿量として定量化することができる。例えば、本明細書の以下の表II〜IVを参照されたい。
一部の実施形態では、有効量は、排尿の間の被検体の膀胱からの尿流速度を増大させるのに十分な、本発明の方法にしたがって投与される医薬組成物の量である。特定の実施形態では、有効量は、尿流速度を、約100%〜約300%、約100%〜約200%、約100%〜約150%、約150%〜約250%、約150%〜約300%、約200%〜約300%または約250%〜約300%増大させるのに十分な量であってよい。尿流速度の増大は、有効量の医薬組成物を投与されていない場合の同じ被検体の膀胱から排出された尿の速度と比較した、被検体の膀胱から排出された尿の速度(mL/秒で)として定量化することができる。例えば、本明細書の以下の表II〜IVを参照されたい。
一部の実施形態では、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物は、投薬レジメンにしたがって投与される。一部の実施形態では、投薬レジメンは、約60mg〜約90mgの医薬組成物を1日当たり3または4回で与えるものである。一部の実施形態では、医薬組成物は必要に応じて投与される。
一部の実施形態では、本発明にしたがって投与される医薬組成物は、迅速放出成分または持続放出成分をさらに含む。一部の実施形態では、医薬組成物は迅速放出成分を含み、M1選択性ムスカリンアゴニストの最大濃度を被検体中に約5分間〜約100分間で送達する。
別の態様では、排尿後での被検体における残尿量を減少させるための方法を提供する。方法は、有効量の、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物を被検体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、M1選択性ムスカリンアゴニストはセビメリンを含む。別の態様では、残尿量は、約10vol%〜約100vol%減少する。
別の態様では、被検体における膀胱排出を増大させるための方法を提供する。方法は、有効量の、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物を被検体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、M1選択性ムスカリンアゴニストはセビメリンである。他の実施形態では、膀胱排出は、約25vol%〜約300vol%増大する。
さらに別の態様では、被検体における尿流速度を増大させるための方法を提供する。方法は、有効量の、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物を被検体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、M1選択性ムスカリンアゴニストはセビメリンである。他の実施形態では、尿流速度は、約100%〜約300%増大する。
本明細書で説明される医薬組成物の投与の適切な経路には、例えば、経口、経皮、直腸、経粘膜または腸内の投与;筋肉内、皮下、静脈内、髄内注射ならびに吸入、髄腔内、直接脳室内、腹腔内、鼻腔内または眼内注射を含む非経口送達が含まれる。あるいは、例えば、しばしば、持続、延長または遅延放出製剤で、腎臓または鼠径部中に直接医薬組成物を注射することによって、全身的ではなく局所的な様式で、医薬組成物を投与することができる。さらに、経皮アプローチで医薬組成物を投与することができる。一部の実施形態では、投与するステップは、経口、経皮、直腸または静脈内である。
一部の実施形態では、本発明は、本発明の化合物および注射に適した医薬賦形剤を含有する注射のための医薬組成物を提供する。組成物中の薬剤の成分および量は、本明細書で説明される通りである。
本発明の組成物を注射による投与のために混ぜ込むことができる形態には、ゴマ油、コーン油、綿実油もしくはピーナッツ油を用いた、水性もしくは油性懸濁剤または乳剤ならびにエリキシル剤、マンニトール、デキストロースまたは滅菌水溶液および同様の医薬ビヒクルが含まれる。
食塩水中の水溶液もまた注射のために慣用的に使用される。エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど(および適切なそれらの混合物)、シクロデキストリン誘導体および植物油もまた用いることができる。適切な流動性は、例えば、分散液の場合、所要粒径の維持のためのレシチンなどのコーティングの使用によって、および界面活性剤の使用によって維持することができる。種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによって、微生物の作用を防止することができる。
滅菌した注入可能な液剤は、本発明の化合物を必要量で、必要に応じて、上に挙げたような種々の他の成分と一緒に適切な溶媒に混ぜ込み、次いで濾過滅菌することによって調製される。一般に、分散剤は、種々の滅菌活性成分を、基本的な分散媒および上に挙げたものからの所要の他の成分を含有する滅菌ビヒクル中に混ぜ込むことによって調製される。滅菌した注入可能な液剤の調製のための滅菌散剤の場合、ある特定の望ましい調製方法は、その前のその濾過滅菌溶液から活性成分加えて任意の追加的な所望成分の粉末をもたらす真空乾燥および凍結乾燥技法である。
吸入または吹送用の組成物には、薬学的に許容される水性もしくは有機性の溶媒またはそれらの混合物中の液剤および懸濁剤、ならびに散剤が含まれる。液体または固体組成物は、上記したような適切な薬学的に許容される賦形剤を含有することができる。組成物は、局所または全身効果のために、経口または経鼻呼吸経路によって投与することが好ましい。好ましくは薬学的に許容される溶媒中の組成物は、不活性ガスの使用によって噴霧することができる。噴霧された液剤は、噴霧用デバイスから直接吸入することができるか、あるいは噴霧用デバイスをフェイスマスクテントまたは間欠的な陽圧人工呼吸器に取り付けることができる。溶液、懸濁液または粉末組成物は、製剤を適切な様式で送達するデバイスから、好ましくは経口または経鼻で投与することができる。
医薬組成物はまた、本明細書で説明する組成物、および舌下、頬側、直腸、骨内、眼球内、鼻腔内、硬膜外または髄腔内投与に適した1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤から調製することもできる。そうした医薬組成物のための調製物は当技術分野で周知である。例えば、Anderson, Philip O.;Knoben, James E.;Troutman, William G編、Handbook of Clinical Drug Data、第10版、McGraw-Hill、2002年;PrattおよびTaylor編、Principles of Drug Action、第3版、Churchill Livingston、N.Y.、1990年;Katzung編、Basic and Clinical Pharmacology、第9版、McGraw Hill、20037ybg;GoodmanおよびGilman編、The Pharmacological Basis of Therapeutics、第10版、McGraw Hill、2001年;Remingtons Pharmaceutical Sciences、第20版、Lippincott Williams & Wilkins.、2000年;Martindale、The Extra Pharmacopoeia、第32版、(The Pharmaceutical Press、London、1999年)を参照されたい。これらはすべて、それらの全体が参照により本明細書に援用される。
一部の実施形態では、医薬組成物は経口で被検体に投与される。経口投与の例には、これらに限定されないが、丸剤、錠剤、カプレット剤、カプセル剤などを飲み込むことが含まれる。経口投与のために、M1選択性ムスカリンアゴニストを、活性化合物を当技術分野で周知の薬学的に許容される担体と合わせることによって容易に製剤化することができる。そうした担体は、化合物が、被検体による経口摂取のための錠剤、丸剤、カプセル剤、液体剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などとして製剤化できるようにする。経口使用のための医薬組成物は、1つまたは複数の固体賦形剤を化合物と混合し、必要に応じて、得られた混合物を粉砕し、望むなら、錠剤を得るために適切な助剤を添加した後、顆粒の混合物を加工することによって得ることができる。適切な賦形剤は、特に、フィラー、例えばラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールを含む糖;例えばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、イモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース調製物である。架橋ポリビニルピロリドン、寒天もしくはアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムなどのそれらの塩などの崩壊剤を添加することができる。
一部の実施形態では、医薬組成物は、経口消費に適した液体医薬組成物であってよい。経口投与に適した医薬組成物は、カプセル剤、カシェ剤もしくは錠剤などの別々の剤形として、または、水性もしくは非水性液体、水中油型エマルションもしくは油中水型液体エマルション中の粉末もしくは顆粒、溶液もしくは懸濁液としてそれぞれ所定量の活性成分を含有する液体剤もしくはエアゾール噴霧剤として提示することができる。そうした剤形は、薬剤学の方法のいずれかで調製することができるが、すべての方法は、活性成分を、1つまたは複数の必要成分を構成する担体と一緒にするステップを含む。一般に、組成物は、活性成分を液体担体と均一にかつ密に混合するかまたは固体担体を微粉化するか、あるいはその両方を行い、次いで、必要なら、生成物を所望の提示形態に形作ることによって調製される。例えば、錠剤は、必要に応じて、1つまたは複数の副成分と一緒に、圧縮または成形によって調製することができる。圧縮錠剤は、適切な機械中で、必要に応じて、これらに限定されないが、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤および/または表面活性剤または分散剤などの賦形剤と混合された、粉末または顆粒などの自由流動形態の活性成分を圧縮することによって調製することができる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を、適切な機械中で成形することによって作製することができる。
水が一部の化合物の分解を促進する恐れがあるので、本発明は、活性成分を含む、無水の医薬組成物および剤形をさらに包含する。例えば、有効期間または製剤の経時的な安定性などの特徴を決定するために、長期貯蔵をシミュレーションする手段として、医薬技術分野では水を加える(例えば、5%)ことができる。無水の医薬組成物および剤形は、無水かまたは低水分含有の成分および低水分または低湿度条件を使用して調製することができる。製造、包装および/または貯蔵の間で水分および/または湿度との実質的な接触が予想される場合、ラクトースを含有する医薬組成物および剤形を無水で作製することができる。無水の医薬組成物は、無水の特性が維持されるように、調製し貯蔵することができる。したがって、無水組成物を水への曝露を防止することが公知の材料を使用して包装することができ、その結果それらは適切な処方キット(formulary kit)に含められ得る。適切な包装の例には、これらに限定されないが、密閉ホイル、密閉プラスチックなど、単位用量容器、ブリスターパックおよびストリップパックが含まれる。
活性成分は、従来の医薬配合技法によって、密な混和物中で医薬担体と合わせることができる。担体は、投与のために望ましい調製物の形態に応じて、多種多様な形態をとることができる。経口剤形のための組成物の調製において、経口液体調製物(懸濁剤、液剤およびエリキシル剤など)もしくはエアゾールの場合、例えば水、グリコール、油、アルコール、香味剤、防腐剤、着色剤などの通常の医薬媒体のいずれかを担体として用いることができる;または、経口固体調製物の場合、一部の実施形態ではラクトースの使用を採用することなく、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤および崩壊剤などの担体を使用することができる。例えば、適切な担体は、固体経口調製物とともに、粉末、カプセル剤および錠剤を含む。望むなら、錠剤は、標準的な水性または非水性技法によってコーティングすることができる。
医薬組成物および剤形での使用に適した結合剤には、これらに限定されないが、トウモロコシデンプン、イモデンプンまたは他のデンプン、ゼラチン、アカシアなどの天然および合成ゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末トラガカント、グアーガム、セルロースおよびその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロースおよびそれらの混合物が含まれる。
本明細書で開示される医薬組成物および剤形で使用するのに適したフィラーの例には、これらに限定されないが、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプンおよびそれらの混合物が含まれる。
水性環境に曝露された場合に崩壊する錠剤を提供するために、崩壊剤を組成物中で使用することができる。崩壊剤が多すぎると、瓶の中で崩壊する恐れのある錠剤が作製される可能性がある。少なすぎると、崩壊が起こるのには不十分であり得、したがって、剤形からの活性成分(複数可)の放出の速度および程度を変える可能性がある。したがって、活性成分(複数可)の放出を有害に変えるほど少なすぎも多すぎもしない十分な量の崩壊剤を使用して、本明細書で開示される化合物の剤形を形成させることができる。使用される崩壊剤の量は、製剤の種類および投与方式に基づいて変えることができ、これは、当業者が容易に認識できるものである。約0.5〜約15重量パーセントの崩壊剤または約1〜約5重量パーセントの崩壊剤を、医薬組成物において使用することができる。医薬組成物および剤形を形成させるために使用できる崩壊剤には、これらに限定されないが、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、イモもしくはタピオカデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ゴムまたはそれらの混合物が含まれる。
医薬組成物および剤形を形成させるために使用できる滑沢剤には、これらに限定されないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素加植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油ルおよびダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天またはそれらの混合物が含まれる。さらなる滑沢剤には、例えば、サイロイドシリカゲル、合成シリカの凝固性エアロゾルまたはそれらの混合物が含まれる。滑沢剤を、必要に応じて、医薬組成物の約1重量パーセント未満の量で添加することができる。
経口投与のために、水性の懸濁剤および/またはエリキシル剤が望ましい場合、その中の基本的な活性成分を、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよびそれらの種々の組合せのような希釈剤と一緒に、種々の甘味剤または香味剤、着色物質または染料、ならびに、望むなら、乳化剤および/または懸濁化剤と合わせることができる。
錠剤はコーティングされ得ないか、胃腸管中での崩壊および吸収を遅延させ、それによってより長期間にわたる持続的な作用を提供するために公知の技法でコーティングされ得る。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を用いることができる。経口使用のための製剤はまた、活性成分が不活性固体賦形剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合されている硬ゼラチンカプセル剤として、または、活性成分が水もしくは油媒体、例えばピーナッツ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセル剤として提示することもできる。
医薬組成物および剤形を形成させるために使用できる界面活性剤には、これらに限定されないが、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤およびそれらの混合物が含まれる。すなわち、親水性界面活性剤の混合物を用いることができ、親油性界面活性剤の混合物を用いることができ、あるいは少なくとも1つの親水性界面活性剤と少なくとも1つの親油性界面活性剤の混合物を用いることができる。
親水性界面活性剤はイオン性であっても非イオン性であってもよい。適切なイオン性界面活性剤には、これらに限定されないが、アルキルアンモニウム塩;フシジン酸塩;アミノ酸、オリゴペプチドおよびポリペプチドの脂肪酸誘導体;アミノ酸、オリゴペプチドおよびポリペプチドのグリセリド誘導体;レシチンおよび水素化レシチン;リゾレシチンおよび水素化リゾレシチン;リン脂質およびその誘導体;リゾリン脂質およびその誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキルサルフェートの塩;脂肪酸塩;ナトリウムドクセート(sodium docusate);アシルラクチレート(acylactylate);モノおよびジグリセリドのモノおよびジアセチル化酒石酸エステル;コハク酸化モノおよびジグリセリド;モノおよびジグリセリドのクエン酸エステル;ならびにそれらの混合物が含まれる。
上記の群の中で、イオン性界面活性剤には、例として:レシチン、リゾレシチン、リン脂質、リゾリン脂質およびそれらの誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキルサルフェートの塩;脂肪酸塩;ナトリウムドクセート;アシルラクチレート;モノおよびジグリセリドのモノおよびジアセチル化酒石酸エステル;コハク酸化モノおよびジグリセリド;モノおよびジグリセリドのクエン酸エステル;ならびにそれらの混合物が含まれる。
イオン性界面活性剤は、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG−ホスファチジルエタノールアミン、PVP−ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸の乳酸エステル、ステアロイル−2−ラクチレート、ステアロイルラクチレート、コハク酸化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コリルサルコシン、カプロエート、カプリレート、カプレート、ラウレート、ミリステート、パルミテート、オレエート、リシノレエート、リノレエート、リノレネート、ステアレート、ラウリルサルフェート、テラセシルサルフェート、ドクセート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチンならびにそれらの塩および混合物のイオン化された形態であってよい。
親水性非イオン性界面活性剤は、これらに限定されないが、アルキルグルコシド;アルキルマルトシド;アルキルチオグルコシド;ラウリルマクロゴールグリセリド;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、例えばポリエチレングリコールアルキルエーテル;ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、例えばポリエチレングリコールアルキルフェノール;ポリオキシアルキレンアルキルフェノール脂肪酸エステル、例えばポリエチレングリコール脂肪酸モノエステルおよびポリエチレングリコール脂肪酸ジエステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリグリセロール脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、例えばポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル;ポリオールと、グリセリド、植物油、水素化植物油、脂肪酸およびステロールからなる群の少なくとも1つのメンバーとの親水性エステル交換生成物;ポリオキシエチレンステロール、その誘導体および類似体;ポリオキシエチル化ビタミンおよびその誘導体;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;ならびにそれらの混合物;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルならびにポリオールとトリグリセリド、植物油および水素化植物油からなる群の少なくとも1つのメンバーとの親水性エステル交換生成物を含むことができる。ポリオールは、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトールまたはサッカリドであってよい。
他の親水性非イオン性界面活性剤には、これらに限定されないが、ラウリン酸PEG−10、ラウリン酸PEG−12、ラウリン酸PEG−20、ラウリン酸PEG−32、ジラウリン酸PEG−32、オレイン酸PEG−12、オレイン酸PEG−15、オレイン酸PEG−20、ジオレイン酸PEG−20、オレイン酸PEG−32、オレイン酸PEG−200、オレイン酸PEG−400、ステアリン酸PEG−15、ジステアリン酸PEG−32、ステアリン酸PEG−40、ステアリン酸PEG−100、ジラウリン酸PEG−20、トリオレイン酸PEG−25グリセリル、ジオレイン酸PEG−32、ラウリン酸PEG−20グリセリル、ラウリン酸PEG−30グリセリル、ステアリン酸PEG−20グリセリル、オレイン酸PEG−20グリセリル、オレイン酸PEG−30グリセリル、ラウリン酸PEG−30グリセリル、ラウリン酸PEG−40グリセリル、PEG−40パーム核油、PEG−50水素化ヒマシ油、PEG−40ヒマシ油、PEG−35ヒマシ油、PEG−60ヒマシ油、PEG−40水素化ヒマシ油、PEG−60水素化ヒマシ油、PEG−60コーン油、カプリン酸/カプリル酸PEG−6グリセリド、カプリン酸/カプリル酸PEG−8グリセリド、ラウリン酸ポリグリセリル−10、PEG−30コレステロール、PEG−25フィトステロール、PEG−30ダイズステロール、トリオレイン酸PEG−20、オレイン酸PEG−40ソルビタン、ラウリン酸PEG−80ソルビタン、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE−9ラウリルエーテル、POE−23ラウリルエーテル、POE−10オレイルエーテル、POE−20オレイルエーテル、POE−20ステアリルエーテル、トコフェリルPEG−100スクシネート、PEG−24コレステロール、オレイン酸ポリグリセリル−10、Tween40、Tween60、モノステアリン酸スクロース、モノラウリン酸スクロース、スクロースモノパルミテート、PEG10−100ノニルフェノールシリーズ、PEG15−100オクチルフェノールシリーズおよびポロクサマーが含まれる。
適切な親油性界面活性剤には、ほんの一例として:脂肪酸アルコール;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステル;プロピレングリコール脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル;ステロールおよびステロール誘導体;ポリオキシエチル化ステロールおよびステロール誘導体;ポリエチレングリコールアルキルエーテル;糖エステル;糖エーテル;モノおよびジグリセリドの乳酸誘導体;ポリオールと、グリセリド、植物油、水素化植物油、脂肪酸およびステロールからなる群の少なくとも1つのメンバーとの疎水性エステル交換生成物;油溶性ビタミン/ビタミン誘導体;ならびにそれらの混合物が含まれる。この群の中で、好ましい親油性界面活性剤には、グリセロール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびそれらの混合物が含まれるか、または、それらは、ポリオールと、植物油、水素化植物油およびトリグリセリドからなる群の少なくとも1つのメンバーとの疎水性エステル交換生成物である。
一実施形態では、組成物は、本発明の化合物の良好な可溶化および/または溶解を確実にし、本発明の化合物の沈殿を最小限にするために、可溶化剤を含むことができる。これは、非経口使用のための組成物、例えば注射のための組成物には特に重要であり得る。可溶化剤をまた、親水性薬物および/または他の成分、例えば界面活性剤の溶解性を増大させる、あるいはその組成物を安定なまたは均一な溶液または分散液として維持するために添加することもできる。
適切な可溶化剤の例には、これらに限定されないが、以下の:アルコールおよびポリオール、例えばエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールおよびその異性体、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスクトール(transcutol)、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび他のセルロース誘導体、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体;約200〜約6000の平均分子量を有するポリエチレングリコールのエーテル、例えばテトラヒドロフルフリルアルコールPEGエーテル(グリコフロール)またはメトキシPEG;アミドおよび他の窒素含有化合物、例えば2−ピロリドン、2−ピペリドン、エプシロン−カプロラクタム、N−アルキルピロリドン、N−ヒドロキシアルキルピロリドン、N−アルキルピペリドン、N−アルキルカプロラクタム、ジメチルアセトアミドおよびポリビニルピロリドン;エステル、例えばプロピオン酸エチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、酪酸エチル、トリアセチン、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、エプシロン−カプロラクトンおよびその異性体、デルタ−バレロラクトンおよびその異性体、ベータ−ブチロラクトンおよびその異性体;ならびに当技術分野で公知の他の可溶化剤、例えばジメチルアセトアミド、ジメチルイソソルビド、N−メチルピロリドン、モノオクタノイン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルおよび水が含まれる。
可溶化剤の混合物をまた使用することもできる。例には、これらに限定されないが、トリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、ポリエチレングリコール200−100、グリコフロール、トランスクトール、プロピレングリコールおよびジメチルイソソルビドが含まれる。特に好ましい可溶化剤には、ソルビトール、グリセロール、トリアセチン、エチルアルコール、PEG−400、グリコフロールおよびプロピレングリコールが含まれる。
含め得る可溶化剤の量は、特に限定されない。所与の可溶化剤の量は、生体許容量(bioacceptable amount)に限定することができ、これは、当業者によって容易に決定され得る。一部の状況では、例えば、薬物の濃度を最大化するために、生体許容量を大幅に超過した量の可溶化剤を含むことが有利であり得る。ここで、過剰の可溶化剤は、蒸留または蒸発などの従来の技法を使用して、患者に組成物を提供する前に除去される。したがって、存在する場合、可溶化剤は、薬物と他の賦形剤を合わせた重量に基づき、10%、25%、50%、100%または最大で約200重量%の重量比であってよい。望むなら、非常に少量、例えば5%、2%、1%、さらにはそれ未満の可溶化剤もまた使用することもできる。典型的に、可溶化剤は、約1%〜約100%、より典型的には約5%〜約25重量%の量で存在してよい。
さらに、加工を容易にし、安定性を増大させるため、または他の理由で、酸または塩基を組成物中に混ぜ込むことができる。薬学的に許容される塩基の例には、アミノ酸、アミノ酸エステル、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ハイドロタルサイト(synthetic hydrocalcite)、水酸化アルミニウムマグネシウム、ジイソプロピルエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)などが含まれる。薬学的に許容される酸、例えば酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸(hydroquinosulfonic acid)、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、シュウ酸、パラ−ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸などの塩である塩基もまた適切である。多塩基酸の塩、例えばリン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムおよびリン酸二水素ナトリウムもまた使用することができる。塩基が塩である場合、カチオンは、任意の好都合な薬学的に許容されるカチオン、例えばアンモニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属などであってよい。例には、これらに限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウムおよびアンモニウムが含まれ得る。
適切な酸は、薬学的に許容される有機酸または無機酸である。適切な無機酸の例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸などが含まれる。適切な有機酸の例には、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラ−ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸などが含まれる。
本発明の組成物は、局所または局部投与に適した固体、半固体または液体形態の調製物、例えばゲル剤、水溶性ゼリー剤、クリーム剤、ローション剤、懸濁剤、フォーム剤、散剤、スラリー剤、軟膏剤、液剤、油剤、ペースト剤、坐剤、噴霧剤、乳剤、生理食塩水、ジメチルスルホキシド(DMSO)ベースの液剤に製剤化することができる。一般に、より高い密度を有する担体は、活性成分への長期の曝露を有する領域を提供することができる。対照的に、溶液製剤は、選択された領域への活性成分のより即時的な曝露を提供し得る。
医薬組成物は、皮膚の角質層透過障壁を横切る活性成分の浸透の増進またはその送達の支援を可能にする化合物である、適切な固体もしくはゲル相の担体または賦形剤を含むこともできる。多くの、局部用製剤の技術者に公知のこれらの浸透促進分子が存在する。そうした担体および賦形剤の例には、これらに限定されないが、湿潤剤(例えば尿素)、グリコール(例えば、プロピレングリコール)、アルコール(例えば、エタノール)、脂肪酸(例えばオレイン酸)、界面活性剤(例えば、ミリスチン酸イソプロピルおよびラウリル硫酸ナトリウム)、ピロリドン、モノラウリン酸グリセロール、スルホキシド、テルペン(例えば、メントール)、アミン、アミド、アルカン、アルカノール、水、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖類、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチンおよびポリエチレングリコールなどのポリマーが含まれる。
一部の実施形態では、本発明は、本発明の化合物および経皮送達に適した医薬賦形剤を含有する経皮送達のための医薬組成物を提供する。本発明の方法で使用するための例示的な製剤は、経皮送達デバイス(「パッチ」)を用いる。そうした経皮パッチは、別の薬剤を含むかまたは含まないで、制御された量での本発明の化合物の連続的または非連続的な注入を提供するために使用され得る。
一部の実施形態では、化合物を単一用量で投与する。単一用量の化合物をまた、急性状態の治療のために使用することもできる。別の実施形態では、医薬組成物を、投薬レジメンにしたがうか、または複数用量で被検体に投与する。投薬は、1日当たりおよそ1回、2回、3回、4回、5回、6回または6回超であってよい。投薬は、およそ月に1回、2週間に1回、週に1回または1日おきに1回であってよい。別の実施形態では、2つのM1選択性ムスカリンアゴニストを共投与する。別の実施形態では、1つまたは複数のM1選択性ムスカリンアゴニストの投与を、約7日未満の間続行する。さらに別の実施形態では、投与を、約6、10、14、28日間、2カ月間、6カ月間または1年間超続行する。一部の場合、必要な限り、連続投薬は遂行され維持される。
一部の実施形態では、投薬レジメンは、約30mg、約60mgまたは約90mgの医薬組成物を1日当たり1、2、3、4または5回与えるものである。他の実施形態では、投与レジメンは、約30mg〜約90mg、約30mg〜約60mgまたは約60mg〜約90mgの医薬組成物を1日当たり1〜4、1〜3、1〜2、2〜4、2〜3または3〜4回与えるものである。
有効量の医薬組成物を、直腸、頬側、鼻腔内および経皮経路、動脈内注射、静脈内、腹腔内、非経口、筋肉内、皮下、経口、局部により、または吸入剤として含む類似した有用性を有する薬剤の受け入れられる投与方式のいずれかにより、単一用量または複数用量のいずれかで投与することができる。
他の実施形態では、医薬組成物を、被検体に、例えば就寝時刻の前、またはトイレから長い時間離れることが予想される前に、排尿を誘発させるために、必要に応じて投与する。
医薬組成物の投与は、必要な限り続行され得る。一部の実施形態では、医薬組成物は、1、2、3、4、5、6、7、14または28日超の間投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、28、14、7、6、5、4、3、2または1日未満の間投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、例えば、低活動膀胱症候群に関連する慢性効果の治療のため、継続して慢性的に投与される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、迅速放出成分をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、迅速放出成分は、約1分間〜約100分間、約5分間〜約100分間、約5分間〜約60分間、約10分間〜約60分間、約10分間〜約30分間、約10分間〜約20分間、約20分間〜約30分間または約20分間の時間範囲で、最大濃度Cmaxを被検体に送達する。一部の実施形態では、迅速放出成分を含む医薬組成物はセビメリンである。
他の実施形態では、医薬組成物は、持続放出成分をさらに含む。一部の実施形態では、持続放出成分は、約1時間〜約24時間、約1時間〜約18時間、約1時間〜約12時間または約1時間〜約6時間の期間にわたって、被検体に定常状態濃度の医薬組成物を送達するように構成される。一部の実施形態では、持続放出成分を含む医薬組成物はセビメリンである。
種々の実施形態では、医薬組成物は、被検体の膀胱中の1つまたは複数の尿路上皮細胞M1ムスカリン受容体と全身的に相互作用する。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、被検体の膀胱中の1つまたは複数の尿路上皮細胞M1ムスカリン受容体と局所的に相互作用する。さらに他の実施形態では、医薬組成物は、被検体の1つまたは複数の尿路上皮細胞M1ムスカリン受容体と局所的と全身的の両方で相互作用することができる。さらに他の実施形態では、医薬組成物は、膀胱または膀胱機能における、またはそれに関連する感覚および/または運動神経細胞と相互作用することができる。
特定の実施形態では、M1選択性ムスカリンアゴニストは、セビメリンまたはセビメリンの薬学的に許容される塩もしくはエステルである。本明細書で使用されるように、セビメリンは、(2R,5R)−2−メチルスピロ[1,3−オキサチオラン−5,3’−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン]および/または(5R)−2−メチルスピロ[1,3−オキサチオラン−5,3’−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン]を含む。一部の実施形態では、M1選択性ムスカリンアゴニストはセビメリン塩酸塩である。
他の実施形態では、M1選択性ムスカリンアゴニストは、一般式(I):
Figure 2017533227
(式中、RおよびRは、同じであっても異なっていてもよく、独立に、水素原子、アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、モノアリール−もしくはジアリール置換メチロール基またはアリール置換アルキル基を表す)で表されるセビメリンまたはセビメリンの誘導体、またはその酸塩もしくはエステルであってよい。さらに他の実施形態では、M1選択性ムスカリンアゴニストは、セビメリンのプロドラッグ製剤であってよい。あるいは、一部の実施形態では、セビメリンおよび/またはセビメリンの誘導体は、それら自体、膀胱へ局所的に送達されるM1選択性ムスカリンアゴニストのためのプロドラッグであってよい。
別の態様では、UABを治療するための別の方法を提供する。方法は、セビメリン(またはセビメリンの薬学的に許容される塩もしくはエステル)を含む医薬組成物を被検体に有効量で投与するステップを含む。本発明で使用するのに適した医薬組成物は、活性成分を意図した目的を達成するのに有効な量で含有する組成物を含む。より具体的には、有効量は、本明細書で説明するようなUABの1つまたは複数の症状を防止、緩和または改善するのに有効なセビメリンの量を意味することができる。
一部の実施形態では、セビメリンの有効量は、膀胱排出を増大させるのに十分な量であってよい。一部の実施形態では、有効量は、被検体による排尿または尿排出の試み後の被検体中の残尿量を大幅に減少させるのに十分なセビメリンの量である。一部の実施形態では、セビメリンの有効量は、排尿の間の被検体の膀胱からの尿流の速度を増大させるのに十分な量であってよい。
別の実施形態では、セビメリンを、被検体に、投薬レジメンにしたがって投与する。一部の実施形態では、投薬レジメンは、約30mg、約60mgまたは約90mgのセビメリンを1日当たり1、2、3、4または5回与えるものである。一部の実施形態では、投薬レジメンは、約30mg〜約90mg、約60mg〜約90mgまたは約30mg〜約60mgを1日当たり1〜2、1〜3、1〜4、2〜3、2〜4または3〜4回与えるものである。他の実施形態では、セビメリンを、被検体に、例えば就寝時刻の前に排尿を誘発させるために、必要に応じて投与する。
さらに別の態様では、尿排出を誘発させる方法を提供する。方法は、M1選択性ムスカリンアゴニストを有効量で被検体に投与するステップを含む。ある特定の実施形態では、M1選択性ムスカリンアゴニストは、被検体中の1つまたは複数の尿路上皮細胞M1受容体と相互作用する。一部の実施形態では、M1選択性ムスカリンアゴニストは、セビメリン、またはセビメリンの薬学的に許容される塩もしくはエステルであってよい。
III.実施例
それぞれUAB症候群の1つまたは複数の医学的状態および症状に苦しむ6名の異なる患者を試験した。セビメリンでの治療の前後に患者から得られたUAB症状関連データを、患者の一部から得て、これを以下の表I〜IVに示す。
Figure 2017533227
Figure 2017533227
Figure 2017533227
Figure 2017533227
表Iは、セビメリンで治療を受けた各患者の身体状態を例示している。患者は、それぞれ、UAB症候群を引き起こしたと考えられる、またはUAB症候群の症状をもたらした可能性がある1つまたは複数の医学的状態を有していた。患者は、56才〜85才の範囲であった。
表IIは、セビメリン治療を受ける前の患者についてのベースライン測定値を示す。定量的測定値を、最大尿流速度Qmax(mL/秒で表す)および膀胱PVR中の残尿量(mLで表す)を決定するために行った。定性的測定値を、患者が認知したUAB症状に基づいて得た。より低いUABスコアは、UAB症状の改善を示す。
表IIIは、セビメリンでの1週間の治療後、患者番号4および6から得られたデータを示す。セビメリンを各患者に、30mg用量で1日当たり3回投与した。患者4は、UAB症状における定量的または定性的改善を全く示さなかった。しかし、患者6は、1週間の治療後に、定量的改善を示した。具体的には、患者6の膀胱中の残尿量は、120mLのベースライン量から、28mLの治療された量に減少した。
セビメリンの投与に際してUAB症状の定性的改善を評価するために、患者を、5つの質問からなるUAB症状質問表を使用して調査した。次いでUABスコアを、患者の応答から集計した。
Figure 2017533227
表IVは、セビメリンでの2週間の治療後、患者番号4および6から得られたデータを示す。セビメリンを各患者に、60mg用量で1日当たり3回投与した。患者4は、UAB症候群関連の症状の定量的改善と定性的改善との両方を示した。例えば、患者4は、3mL/秒のベースライン最大尿流速度を有していたが、これは、セビメリン治療後に9.5mL/秒に改善された。患者4は、200mLのベースライン残尿量を有していたが、これは、セビメリン治療後に92mLの残尿量に減少した。さらに、患者4は、UAB症状における定性的改善を有しており、これは、セビメリンでの治療後の生活の質の改善を示唆している。
同様に、患者6は、セビメリンでの治療後、UAB症候群関連の症状の定量的改善と定性的改善との両方を示した。患者6は、3mL/秒のベースライン最大尿流速度を有していたが、これは、セビメリンでの治療後に9.9mL/秒に改善された。患者6は、120mLのベースライン残尿量を有していたが、これは、セビメリン治療後に69mLの残尿量に改善された。さらに、患者6はまた、UAB症状における定性的改善も示した。
予備試験から得られたこの初期データは、セビメリンは、UAB症候群に関連する症状の治療において効果的であり、UAB症候群に関連した症状に苦しむ患者についての生活の質の改善を伴っていることを示した。
上記の代替的な実施形態を参照して、一部の実施形態を特に示し、説明してきたが、当業者は、以下の特許請求の範囲によって定義される通りの本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、本明細書で説明された実施形態に対する種々の代替形態を、本発明の実践において用いることができることを理解すべきである。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法およびシステムならびにそれらの均等物がそれによって包含されることを意図するものである。一部の実施形態のこの説明は、本明細書で説明される要素のすべての新規なおよび自明でない組合せを含むと理解すべきであり、特許請求の範囲を、本出願または後願において、これらの要素の任意の新規なおよび自明でない組合せに提起することができる。上記実施形態は例示的なものであり、どの単一の特性または要素も、本出願または後願において特許請求され得るすべての可能性のある組合せに必須のものではない。特許請求の範囲が「1つ(a)」もしくは「第1(a first)」の要素またはその均等物を挙げている場合、そうした特許請求の範囲は、2つまたはそれ超のそうした要素を必要とすることも排除することもなく、1つまたは複数のそうした要素の組み込みを含むものと理解すべきである。

Claims (21)

  1. 低活動膀胱症候群の治療を必要とする被検体における低活動膀胱症候群を治療するための方法であって、有効量の、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物を前記被検体に投与するステップを含む、方法。
  2. 前記低活動膀胱が、
    神経性障害;
    脳疾患;
    外科的傷害;
    薬物療法;
    加齢の結果;
    感染症;
    心理的状態;または
    身体的欠陥
    の1つまたは複数に関連する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記有効量が、膀胱排出を増大させる、排出後の膀胱中の残尿量を減少させる、尿流速度を増大させる、排尿頻度を低下させる、排尿切迫感を低下させる、膀胱痛を減少させる、尿道痛を減少させる、尿失禁を減少させる、またはそれらの組合せに十分な量である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記M1選択性ムスカリンアゴニストが、アルバメリン、セビメリン、タルサクリジン、キサノメリン、McN−A343、L−689,660、CDD−0097、AC−42およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記M1選択性ムスカリンアゴニストがセビメリンを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記投与するステップが、約60mg〜約90mgの医薬組成物を1日当たり3または4回で与える投薬レジメンによるものである、請求項3に記載の方法。
  7. 前記有効量が、排尿後の前記膀胱中の前記残尿量を減少させるのに十分な量であり、前記残尿量が約10vol%〜約100vol%減少する、請求項3に記載の方法。
  8. 前記有効量が、膀胱排出を増大させるのに十分な量であり、前記膀胱排出が約25vol%〜約300vol%増大する、請求項3に記載の方法。
  9. 前記有効量が、尿流速度を増大させるのに十分な量であり、前記尿流速度が約100%〜約300%増大する、請求項3に記載の方法。
  10. 前記医薬組成物が、迅速放出成分または持続放出成分をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記医薬組成物が迅速放出成分を含み、前記迅速放出成分が最大濃度Cmaxを約5分間〜約100分間で前記被検体に送達する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記医薬組成物が、必要に応じて投与される、請求項1に記載の方法。
  13. 排尿後の被検体の残尿量を減少させるための方法であって、有効量の、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物を前記被検体に投与するステップを含む、方法。
  14. 前記M1選択性ムスカリンアゴニストがセビメリンを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記残尿量が約10vol%〜約100vol%減少する、請求項13に記載の方法。
  16. 被検体における膀胱排出を増大させるための方法であって、有効量の、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物を前記被検体に投与するステップを含む、方法。
  17. 前記M1選択性ムスカリンアゴニストがセビメリンを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記膀胱排出が約25vol%〜約300vol%増大する、請求項16に記載の方法。
  19. 被検体における尿流速度を増大させるための方法であって、有効量の、M1選択性ムスカリンアゴニストを含む医薬組成物を前記被検体に投与するステップを含む、方法。
  20. 前記M1選択性ムスカリンアゴニストがセビメリンを含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記尿流速度が約100%〜約300%増大する、請求項19に記載の方法。
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