JP2010017023A - 停電検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の停電検出装置は、単相交流電源間に設けられた交流電圧を測定する交流電圧測定部と、単相交流電源間に設けられ、交流電圧に対応する交流電流を測定し、測定電圧として出力する交流電流測定部と、測定電圧を予め設定した増幅率により増幅する増幅部と、交流電圧を二乗し、二乗交流電圧として出力する第1の乗算部と、測定電圧の増幅結果を二乗し、二乗測定電圧として出力する第2の乗算部と、二乗交流電圧と二乗測定電圧とを加算する加算部と、予め設定され基準電圧と、加算部の加算結果とを比較する比較部とを有し、比較部が、基準電圧に対して加算結果が低い場合、停電を示す通知信号を出力する。
【選択図】図1
Description
すなわち、常時においては商用の交流電源から交流電力を負荷に供給するとともに、この交流電力を直流電力に変換して蓄電池を充電し、停電時においてはこの蓄電池の直流電力を交流電力に変換して負荷に供給する。
そのため、停電検出装置により、商用の交流電源の停電を瞬時に検出し、商用の交流電源から蓄電池へと電力の供給元を変更する必要がある。また、この停電検出装置には、各種の停電検出の方法が用いられている。
また、交流電圧を入力して位相をシフトさせ、第1の信号と第2の信号とを生じさせ、第1の信号及び第2の信号の電圧をそれぞれ2乗して加算し、この加算結果と予め設定した基準電圧とを比較し、加算結果が基準電圧に対して低い場合に停電として検出する方法を用いた停電検出装置もある(例えば、特許文献3参照)。
また、特許文献3の停電検出方法にあっては、理論上において高速に停電検出を行うことが可能であるが、交流電圧に重畳されるノイズの影響にて、停電でなくとも加算結果が基準電圧より低くなり、誤動作してしまうという欠点を有している。
ここで、fは前記交流電圧の周波数であり、cは前記コンデンサの容量値を示す。
以下、本発明の第1の実施形態による停電検出装置を図面を参照して説明する。図1は同実施形態による停電検出装置の構成例を示すブロック図である。
図1において、本発明の停電検出装置は、コンデンサC、抵抗R、電圧測定部1、電流測定部2、増幅部3、乗算部4、乗算部5、加算部6及び比較器7を有している。
コンデンサC及び抵抗Rは、商用の交流電源の両端に直列に接続され、交流電圧の交流波形に対して位相が90°ずれた交流電流の交流波形を測定するための測定手段を形成している。交流電流の交流波形は、実質的に、電圧測定部1の出力する交流電圧の交流波形に対し、位相が90°ずれた交流電圧の交流波形に変換して用いられる。
ここで、交流電圧の交流波形は、図2(a)に示すように、以下の(1)式にて表され、
Vr=Vsin(ωt) …(1)
であるため、測定される交流電圧値VrはVsin(ωt)である。ここで、Vは交流電圧のピーク値であり、ωは各周波数である。
Ic=c・(dVr/dt)=V・c・ω・cos(ωt) …(2)
で示される。ここで、cはコンデンサCの容量値である。
また、抵抗Rの抵抗値rがコンデンサCの交流インピーダンス1/(2π・f・c)より十分小さい値であれば、測定電圧値Vcは、
Vc=r・Ic=r・V・c・ω・cos(ωt) …(3)
で表すことができる。ここで、rは、コンデンサCと直列に接続された抵抗Rの抵抗値である。
k=1/(ω・r・c)=1/(2π・f・r・c)
である。ここで、ω=2π・fとし、fは交流電圧の周波数である。
また、増幅率kとして、交流電圧Vrの実効値を測定電圧Vcの実効値により除算した除算結果の数値を用いても良い。増幅部3は、例えば、この交流電圧Vrの実効値が内部に設定(この設定は外部からの設定処理により任意に変更可能)されており、サンプリング周期毎に測定電圧Vcの実効値に応じて増幅率kの計算を行う。
この増幅により、交流電圧Vrに対して、図2(b)に示すように、測定電圧Vcの交流波形のピーク値を同様、すなわち測定電圧Vcのピーク値と交流電圧Vrのピーク値とを一致させる。増幅後の測定電圧Vcは、下記の(4)式で示される。
Vc=Vcos(ωt) …(4)
V2sin2(ωt)を出力する。
乗算部5は、サンプリング周期毎に入力される増幅後の測定電圧Vcを二乗し、
V2cos2(ωt)を算出する。
S=V2sin2(ωt)+V2cos2(ωt)
=V2(sin2(ωt)+cos2(ωt))
=V2 …(5)
の一定値(交流電圧のピーク電圧の二乗、すなわち交流電圧のピーク電圧に対応する数値)を出力する。
また、本実施形態によれば、交流電圧の交流波形において、ノイズが重畳しても、例えば交流電圧の波形がノイズにより低下しても、電流値が逆に増加するため、加算結果としてはV2の一定値を保持することができ、従来例にように、ノイズによる誤動作を起こすことはない。
以下、本発明の第2の実施形態による停電検出装置を図面を参照して説明する。図3は同実施形態による停電検出装置の構成例を示すブロック図である。図3においては、無停電電源装置に用いられた場合の構成例として、本実施形態による停電検出装置を記載している。第1の実施形態も同様に、図3に示すように無停電電源装置における停電検出装置として用いることができる。
簡単に上記無停電電源装置の動作を以下に説明する。商用の交流電源Bが停電状態でない場合、交流電源Bからスイッチ30を介して交流電圧が交流負荷20に対して供給されているとともに、上記交流電圧がDC/ACコンバータ11へ供給されている。ここで、停電検出装置が停電を検出した場合、図示しない無停電電源装置の制御部がスイッチ30をオン状態からオフ状態とし、停電状態でない場合、スイッチ30をオン状態とする。
コンデンサCは、商用の交流電源の両端に直列に接続され、交流電圧の電流波形に対して位相が90°ずれた交流電流の交流波形を測定するための測定手段を形成している。
第1の実施形態と同様な構成については、同一の符号を付して説明を省略する。第1の実施形態と異なる点は、第1の実施形態における抵抗Rにより交流電流を測定するのではなく、交流電流センサ8により、コンデンサCに流れる電流を測定している点である。以下、第1の実施形態と異なる点のみを説明する。
電流測定部2は、サンプリング周期毎に、コンデンサCに流れる電流を測定して出力する。
そして、増幅部3は、電流測定部2から入力される測定電流Icを第1の実施形態と同様に、増幅率kで増幅して出力する。
ここで、増幅率kは、
k=1/(ω・c)=1/(2π・f・c)
であり、ここでcはコンデンサCの容量値である。
また、増幅率kとして、交流電圧Vrの実効値を、測定電圧Icの実効値により除算した除算結果の数値を用いても良い。
以降の本実施形態による停電検出装置の処理は、第1の実施形態と同様である。
また、上述した第1及び第2の実施形態においては、停電検出装置のみを説明したが、比較器7とは異なる他の比較器を設け、この他の比較器に与える基準電圧として、負荷に供給する電圧の正常値の上限値を設定することにより、商用の交流電圧の電圧値が異常に上昇した場合、この異常な高電圧の検出も同様に行うことができる。
2…電流測定部
3…増幅部
4,5…乗算部
6…加算部
7…比較器
8…交流電流センサ
C…コンデンサ
R…抵抗
11…DC/ACコンバータ
12…バッテリ
20…交流負荷
30…スイッチ
Claims (7)
- 単相交流電源間に設けられた交流電圧を測定する交流電圧測定部と、
前記単相交流電源間に設けられ、前記交流電圧に対応する交流電流を測定し、測定電圧として出力する交流電流測定部と、
前記測定電圧を予め設定した増幅率により増幅する増幅部と、
前記交流電圧を二乗し、二乗交流電圧として出力する第1の乗算部と、
前記測定電圧の増幅結果を二乗し、二乗測定電圧として出力する第2の乗算部と、
前記二乗交流電圧と前記二乗測定電圧とを加算する加算部と、
予め設定された基準電圧と、前記加算部の加算結果とを比較する比較部と
を有し、
前記比較部が、前記基準電圧に対して前記加算結果が低い場合、停電を示す通知信号を出力することを特徴とする停電検出装置。 - 前記交流電流測定部が、コンデンサと抵抗とが電源間に直列に接続された検出部を有し、
前記コンデンサに流れる前記交流電流を前記抵抗により、前記測定電圧に変換することを特徴とする請求項1に記載の停電検出装置。 - 前記交流電流測定部が、
電源間に設けられたコンデンサと、
該コンデンサに流れる交流電流を測定する交流電流センサと
を有し、
前記交流電流センサの出力する電圧を前記測定電圧として出力することを特徴とする請求項1に記載の停電検出装置。 - 前記増幅率が
1/(2π・f・r・c)であることを特徴とする請求項2に記載の停電検出装置。
ここで、fは前記交流電圧の周波数であり、rは前記抵抗の抵抗値であり、cは前記コンデンサの容量値を示す。 - 前記増幅率が
1/(2π・f・c)であることを特徴とする請求項3に記載の停電検出装置。
ここで、fは前記交流電圧の周波数であり、cは前記コンデンサの容量値を示す。 - 前記コンデンサが、当該停電検出装置と並列に設けられるインバータに対する出力フィルタを兼用することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の停電検出装置。
- 前記増幅率が、
前記交流電圧の実効値を前記測定電圧の実効値により除算した除算結果の数値であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の停電検出装置。
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