JP2010016095A - 半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に電極を外部に接続することが可能な半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】この半導体レーザ装置100は、表面上に絶縁性を有するアンドープGaAs層52(52aおよび52b)が形成されたn型GaAs基板51上に形成され、n型AlGaAsクラッド層11、活性層12およびp型AlGaAsクラッド層13の順に有する赤外半導体レーザ素子10と、n型AlGaInPクラッド層21、活性層22およびp型AlGaInPクラッド層23の順に有する赤色半導体レーザ素子20と、n型GaAs基板51の表面上に融着層60を介して接合されるとともに、n型GaAs基板51と電気的に接続され、n型GaAs基板51の側から、p型AlGaNクラッド層43、活性層42およびn型AlGaNクラッド層41の順に有する青紫色半導体レーザ素子40とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザ装置およびその製造方法に関し、特に、複数の半導体レーザ素子を集積化して形成される半導体レーザ装置およびその製造方法に関する。
従来、CD(コンパクトディスク)/CD−R(コンパクトディスク−レコーダブル)ドライブには、光源として波長が約780nmの赤外光を出射する半導体レーザ素子(赤外半導体レーザ素子)が用いられてきた。また、DVD(デジタル多用途ディスク)ドライブには、光源として波長が約650nmの赤色光を出射する半導体レーザ素子(赤色半導体レーザ素子)が用いられてきた。
一方、近年では、波長が約405nmの青紫色光を用いて記録および再生が可能なDVDの開発が進められている。このようなDVDの記録および再生のために、波長405nmの青紫色光を出射する半導体レーザ素子(青紫色半導体レーザ素子)を用いた次世代DVDドライブも同時に開発が進められている。このDVDドライブにおいては、従来のCD/CD−RおよびDVDに対する互換性が必要とされる。
この場合、DVDドライブに赤外光、赤色光および青紫色光をそれぞれ出射する複数の光ディスク用ピックアップ装置をそれぞれ設ける方法や、1つの光ディスク用ピックアップ装置内に赤外半導体レーザ素子、赤色半導体レーザ素子および青紫色半導体レーザ素子を個別に設ける方法などにより、従来のCD、DVD、および、記録および再生が可能なDVDに対する互換性が実現される。しかしながら、これらの方法では部品点数の増加を招くため、光ディスク用ピックアップ装置の小型化、構造の簡素化および低価格化が困難となる不都合があった。
このような部品点数の増加を抑制するために、従来では、赤外半導体レーザ素子(波長約780nm)と赤色半導体レーザ素子(波長約650nm)とが、共にGaAs基板上に形成されることにより1チップに集積化された半導体レーザ素子として実用化されている。また、1チップに集積化することにより、各色の半導体レーザの発光点位置が精度よく形成される。
これに対し、青紫色半導体レーザ素子はGaAs基板上に形成されないため、青紫色半導体レーザ素子を赤外半導体レーザ素子および赤色半導体レーザ素子とともに1チップに集積化するのは非常に困難であった。また、各色の半導体レーザ素子が出射するレーザ光に対するロスや収差を低減するために、それぞれの発光点位置を極力近接させることが要求されていた。
そこで、従来では、異なる基板上に個々の半導体レーザ素子を形成した後に、各々の半導体レーザ素子の発光層(半導体素子層)側が対向するように基板同志を貼り合わせた構造を有する集積型の半導体レーザ装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、窒化物系半導体レーザ素子からなる第1発光素子と、AlGaInP系半導体レーザ素子とGaAs系半導体レーザ素子とがn型GaAs基板上に形成されて1チップ化された第2発光素子とが、各々の発光層(p側半導体層側)が対向するように貼り合わされた状態で1つの支持基体上に配置された集積型の半導体レーザ装置が開示されている。この特許文献1に記載の半導体レーザ装置では、支持基体上に窒化物系半導体レーザ素子からなる第1発光素子を配置するとともに、第1発光素子の上方を完全に覆うように2つのAlGaInP系半導体レーザ素子およびGaAs系半導体レーザ素子からなる第2発光素子が配置されている。また、第1発光素子および第2発光素子は、対向するp側半導体層側が電気的に絶縁された状態で導電性接着層により貼り合わされている。したがって、窒化物系半導体レーザ素子からなる第1発光素子のp側電極は、この導電性接着層および支持基体上に別途設けられた柱状ポスト(導電部材)に接続されて第2発光素子が第1発光素子を覆う領域の外部まで引き出されるように構成されている。一方、第2発光素子のp側半導体層は、第1発光素子の配置に影響されずに支持基体上の電極層と接続されている。
特開2007−48810号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された集積型の半導体レーザ装置では、構造上、第2発光素子が、第2発光素子と電気的に絶縁された第1発光素子を上方から完全に覆うため、第1発光素子に対して、第1発光素子のp側電極から導電性接着層および柱状ポストを経由させることにより第2発光素子が第1発光素子を覆わない位置まで第1発光素子を迂回して引き出すような電流供給路を設ける必要がある。このため、第1発光素子の電極(p側電極)を外部に対して接続しにくいという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、集積化された半導体レーザ素子において、容易に電極を外部に接続することが可能な半導体レーザ装置およびその製造方法を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による半導体レーザ装置は、導電性半導体の表面上に形成され、絶縁性を有する層、第1導電型の第1半導体層、第1活性層および第2導電型の第2半導体層の順に有する第1半導体レーザ素子と、導電性半導体の表面上に融着層を介して接合されるとともに、導電性半導体と電気的に接続され、導電性半導体の側から、第1導電型または第2導電型の一方の導電型の第3半導体層、第2活性層および第1導電型または第2導電型の他方の導電型の第4半導体層の順に有する第2半導体レーザ素子とを備える。
この発明の第1の局面による半導体レーザ装置では、上記のように、導電性半導体の表面上に絶縁性を有する層を介して形成された第1半導体レーザ素子と、導電性半導体の表面上に融着層を介して導電性半導体と電気的に接続された第2半導体レーザ素子とを備えることによって、導電性半導体は、絶縁性を有する層により第1半導体レーザ素子とは電気的に絶縁されているので、この導電性半導体を、第1半導体レーザ素子への電流供給路と絶縁された第2半導体レーザ素子への電流供給用の導電部材として利用することができる。これにより、第2半導体レーザ素子の電極を容易に外部に接続することができる。
上記第1の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、絶縁性を有する層は、高抵抗半導体層からなる。このように構成すれば、製造プロセス上、導電性半導体上に、高抵抗半導体層および第1半導体層を結晶成長により連続的に形成することができるので、容易に導電性半導体と第1半導体層との絶縁を図ることができる。
上記第1の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、第3半導体層は、第2半導体層と同じ導電型である。このように構成すれば、絶縁性を有する層を介して、第2半導体層と異なる導電型である第1半導体層と第3半導体層とを配置することができる。
上記第1の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、第1導電型は、n型である。このように構成すれば、基板(導電性半導体)に近い側から順にn型半導体層、活性層およびp型半導体層を積層して第1半導体レーザ素子を形成することができる。したがって、第1半導体レーザ素子の主要部を、従来の半導体レーザ素子の製造プロセスにより容易に形成することができるので、第1半導体レーザ素子の量産性および特性を向上させることができる。
この発明の第2の局面による半導体レーザ装置の製造方法は、導電性半導体の表面上に、絶縁性を有する層、第1導電型の第1半導体層、第1活性層および第2導電型の第2半導体層の順に積層することにより、第1半導体レーザ素子を形成する工程と、成長用基板の表面上に、第1導電型または第2導電型の一方の導電型の第4半導体層、第2活性層、および、第1導電型または第2導電型の他方の導電型の第3半導体層の順に積層することにより、第2半導体レーザ素子を形成する工程と、導電性半導体の表面上の第1半導体レーザ素子が形成されていない領域に、融着層を介して第3半導体層を接合することにより、第3半導体層と導電性半導体とが電気的に接続された状態で第1半導体レーザ素子と第2半導体レーザ素子とを貼り合わせる工程とを備える。
この発明の第2の局面による半導体レーザ装置の製造方法では、上記のような製造工程を備えることによって、導電性半導体は、絶縁性を有する層により第1半導体レーザ素子とは電気的に絶縁されているので、この導電性半導体を、第1半導体レーザ素子への電流供給路と絶縁された第2半導体レーザ素子への電流供給用の導電部材として利用することができる。これにより、第2半導体レーザ素子の電極を容易に外部に接続することが可能な集積型半導体レーザ装置を形成することができる。
上記第2の局面による半導体レーザ装置の製造方法において、好ましくは、導電性半導体の表面上の第1半導体レーザ素子が形成されていない領域に、底部が導電性半導体まで達する凹部を形成する工程をさらに備え、貼り合わせる工程は、底部に融着層を介して第3半導体層を接合することにより、第1半導体レーザ素子と第2半導体レーザ素子とを貼り合わせる工程を含む。このように構成すれば、第2半導体レーザ素子と導電性半導体とを、凹部の底部を介して容易に電気的に接続させることができる。また、第2半導体レーザ素子を凹部に嵌まり込むように配置して導電性半導体と接合することができるので、第1半導体レーザ素子の発光領域と第2半導体レーザ素子の発光領域とを所望の位置関係に配置することができる。
上記第2の局面による半導体レーザ装置の製造方法において、好ましくは、第1半導体レーザ素子と第2半導体レーザ素子とを貼り合わせる工程の後に、成長用基板を除去する工程をさらに備える。このように構成すれば、除去後の成長用基板に表面処理などを行うことによって、この成長用基板を、第2半導体レーザ素子を形成する際の成長用基板として再度利用することができる。
なお、上記半導体レーザ装置の構成において、以下のように構成してもよい。
上記構成において、好ましくは、導電性半導体は、導電性半導体の表面上の第1半導体レーザ素子が形成されていない領域に凹部を有するとともに凹部の底部には導電性半導体が露出し、第2半導体レーザ素子は、凹部の底部に接合されている。このように構成すれば、第2半導体レーザ素子と導電性半導体とを、凹部の底部を介して容易に電気的に接続させることができる。また、第2半導体レーザ素子を凹部に嵌まり込むように配置して導電性半導体と接合することができるので、第1半導体レーザ素子の発光領域と第2半導体レーザ素子の発光領域とを所望の位置関係に配置することができる。
また、上記第2半導体レーザ素子が凹部の底部に接合される構成において、好ましくは、第1活性層と第2活性層とは、略同一の面内に所定の距離を隔てて配置されている。このように構成すれば、各半導体レーザ素子の発光領域を、略同一の平面に沿って配置することができるので、各半導体レーザ素子の出射光を略同一直線状に並べた状態で出射させることができる。これにより、この半導体レーザ装置を光ディスク用ピックアップ装置に適用した場合、個々の半導体レーザ素子の出射光を、光ディスクやDVDなどの記録面に対して、略同一の角度(垂直方向)により入射させることができるので、各記録媒体における半導体レーザ素子の光スポット品質がばらつくのを抑制することができる。
また、上記構成において、好ましくは、導電性半導体の表面上の絶縁性を有する層が形成された領域に導電性半導体と電気的に導通する接続領域をさらに備え、第2半導体レーザ素子は、接続領域上に接合されている。このように構成すれば、導電性半導体の表面上の第1半導体レーザ素子が形成されていない領域に凹部を設けることなく、容易に第2半導体レーザ素子と導電性半導体とを電気的に接続することができる。
また、上記構成において、好ましくは、第1活性層は、砒素およびリンの少なくともいずれかを含む化合物半導体により形成され、第2活性層は、窒化物系化合物半導体により形成されている。このように構成すれば、第1半導体レーザ素子を、赤外光のレーザ光または赤色光のレーザ光を出射する半導体レーザ素子として形成することができるとともに、第2半導体レーザ素子を、第1半導体レーザ素子とは波長の異なるレーザ光を出射する青紫色半導体レーザ素子として形成することができる。
また、上記構成において、好ましくは、第1半導体レーザ素子および第2半導体レーザ素子を搭載するための放熱基台をさらに備え、第1半導体レーザ素子および第2半導体レーザ素子は、それぞれ、第2半導体層および第4半導体層が放熱基台に対して固定されている。このように構成すれば、レーザ作動時に、レーザ光の発振に伴う半導体レーザ素子の発熱を、導電性半導体よりも放熱性能が良好な放熱基台を介して、効率よく放熱させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。図2は、図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による3波長半導体レーザ素子部50を備えた半導体レーザ装置100の構造について説明する。
本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置100では、図1に示すように、3波長半導体レーザ素子部50が、AuSn半田などの金属層からなる導電性接着層1および2を介してAlNからなる基台(サブマウント)70上の電極層71〜73(詳細は後述する)に固定されている。また、3波長半導体レーザ素子部50は、約780nmの発振波長を有する赤外半導体レーザ素子10と、約650nmの発振波長を有する赤色半導体レーザ素子20とがn型GaAs基板51上に形成されたモノリシック2波長半導体レーザ素子30に、約405nmの発振波長を有する青紫色半導体レーザ素子40が融着層60を介して接合された構造を有する。なお、赤外半導体レーザ素子10および赤色半導体レーザ素子20は、それぞれ、本発明の「第1半導体レーザ素子」の一例であり、青紫色半導体レーザ素子40は、本発明の「第2半導体レーザ素子」の一例である。また、n型GaAs基板51は、本発明の「導電性半導体」の一例であり、基台70は、本発明の「放熱基台」の一例である。
また、図1に示すように、赤外半導体レーザ素子10は、n型GaAs基板51の下面上に、高抵抗半導体層であるアンドープGaAs層52aと、n型AlGaAsクラッド層11がこの順に形成されている。ここで、第1実施形態では、アンドープGaAs層52aは、約1×1015cm−3のキャリア濃度を有するとともに、約1×10Ωcmの電気抵抗率を有している。このアンドープGaAs層52aは、n型GaAs基板51とn型AlGaAsクラッド層11とを電気的に絶縁するため設けられている。なお、アンドープGaAs層52aは、約3×1016cm−3以下のキャリア濃度を有するとともに、約3×10Ωcm以上の電気抵抗率を有するのが好ましい。なお、アンドープGaAs層52aは、本発明の「絶縁性を有する層」の一例である。
また、Asを含む化合物半導体であるn型AlGaAsクラッド層11の下面上の所定の領域に、Al組成の低いAlGaAsからなる量子井戸層とAl組成の高いAlGaAsからなる障壁層とが交互に積層されたMQW構造を有する活性層12およびp型AlGaAsクラッド層13が形成されている。これにより、第1実施形態では、赤外半導体レーザ素子10は、アンドープGaAs層52aによってn型GaAs基板51とは電気的に絶縁されている。なお、n型AlGaAsクラッド層11、活性層12およびp型AlGaAsクラッド層13は、それぞれ、本発明の「第1導電型の第1半導体層」、「第1活性層」および「第2導電型の第2半導体層」の一例である。
なお、n型AlGaAsクラッド層11と活性層12との間に、光ガイド層(図示せず)やキャリアブロック層(図示せず)などの他の半導体層を、本発明の第1半導体層として含んでいてもよい。また、n型AlGaAsクラッド層11の活性層12と反対側に、コンタクト層(図示せず)などの他の半導体層を、本発明の第1半導体層として含んでいてもよい。また、活性層12とp型AlGaAsクラッド層13との間に、光ガイド層(図示せず)やキャリアブロック層(図示せず)などの他の半導体層を、本発明の第2半導体層として含んでいてもよい。また、p型AlGaAsクラッド層13の活性層12と反対側に、コンタクト層(図示せず)などの他の半導体層を、本発明の第2半導体層として含んでいてもよい。また、活性層12は、単層または単一量子井戸(SQW)構造などにより構成されてもよい。
また、図1に示すように、p型AlGaAsクラッド層13には、図面に対して垂直な方向であるA方向(図2参照)に延びる約3μmの幅を有するリッジ部13aが形成されることによって導波路構造が形成されている。また、図1に示すように、p型AlGaAsクラッド層13のリッジ部13a以外の下面上およびp型AlGaAsクラッド層13から活性層12およびn型AlGaAsクラッド層11の一方側面上を覆うように、SiOからなる絶縁膜14が形成されている。また、p型AlGaAsクラッド層13のリッジ部13aおよび絶縁膜14の下面上には、約10nmの厚みを有するCr層と約2.2μmの厚みを有するAu層とが積層されたp側電極15が形成されている。なお、リッジ部13aとp側電極15との間には、p型AlGaAsクラッド層13よりも好ましくはバンドギャップが小さいコンタクト層(図示せず)などが形成されていてもよい。
また、図1に示すように、n型AlGaAsクラッド層11の下面上の活性層12が形成されていない領域に、n型AlGaAsクラッド層11側からAuGe層、Ni層およびAu層の順に積層されたn側電極16が形成されている。これにより、赤外半導体レーザ素子10は、p側電極15の下面と基台70上に形成された電極層71の上面とが、導電性接着層1を介して接合されるともに、n側電極16の下面と基台70上に形成された電極層73の上面とが、導電性接着層2を介して接合されている。
また、図1に示すように、赤色半導体レーザ素子20は、n型GaAs基板51の下面上に、高抵抗半導体層であるアンドープGaAs層52bと、n型AlGaInPクラッド層21とがこの順に形成されている。このアンドープGaAs層52bは、アンドープGaAs層52aと同じキャリア濃度(約3×1016cm−3以下)と電気抵抗率(約3×10Ωcm以上)とを有する。また、アンドープGaAs層52bは、n型GaAs基板51とn型AlGaInPクラッド層21とを電気的に絶縁するため設けられている。なお、アンドープGaAs層52bは、本発明の「絶縁性を有する層」の一例である。
また、P(リン)を含む化合物半導体であるn型AlGaInPクラッド層21の下面上の所定の領域に、GaInPからなる量子井戸層とAlGaInPからなる障壁層とが交互に積層されたMQW構造を有する活性層22およびp型AlGaInPクラッド層23が形成されている。これにより、第1実施形態では、赤色半導体レーザ素子20は、アンドープGaAs層52bによってn型GaAs基板51とは電気的に絶縁されている。なお、n型AlGaInPクラッド層21、活性層22およびp型AlGaInPクラッド層23は、それぞれ、本発明の「第1導電型の第1半導体層」、「第1活性層」および「第2導電型の第2半導体層」の一例である。
なお、n型AlGaInPクラッド層21と活性層22との間に、光ガイド層(図示せず)やキャリアブロック層(図示せず)などの他の半導体層を、本発明の第1半導体層として含んでいてもよい。また、n型AlGaInPクラッド層21の活性層22と反対側に、コンタクト層(図示せず)などの他の半導体層を、本発明の第1半導体層として含んでいてもよい。また、活性層22とp型AlGaInPクラッド層23との間に、光ガイド層(図示せず)やキャリアブロック層(図示せず)などの他の半導体層を、本発明の第2半導体層として含んでいてもよい。また、p型AlGaInPクラッド層23の活性層22と反対側に、コンタクト層(図示せず)などの他の半導体層を、本発明の第2半導体層として含んでいてもよい。また、活性層22は、単層またはSQW構造などにより構成されてもよい。
また、図1に示すように、p型AlGaInPクラッド層23には、図面に対して垂直な方向であるA方向(図2参照)に延びる約2μmの幅を有するリッジ部23aが形成されることによって導波路構造が構成されている。また、図1に示すように、p型AlGaInPクラッド層23のリッジ部23a以外の下面上およびp型AlGaInPクラッド層23から活性層22およびn型AlGaInPクラッド層21の一方側面上を覆うように、SiOからなる絶縁膜24が形成されている。また、p型AlGaInPクラッド層23のリッジ部23aおよび絶縁膜24の下面上には、約10nmの厚みを有するCr層と約2.2μmの厚みを有するAu層とが積層されたp側電極25が形成されている。なお、リッジ部23aとp側電極25との間には、p型AlGaInPクラッド層23よりも好ましくはバンドギャップが小さいコンタクト層(図示せず)などが形成されていてもよい。
また、図1に示すように、n型AlGaInPクラッド層21の下面上の活性層22が形成されていない領域に、n型AlGaInPクラッド層21側からAuGe層、Ni層およびAu層の順に積層されたn側電極26が形成されている。これにより、赤色半導体レーザ素子20は、p側電極25の下面と基台70上に形成された電極層72の上面とが、導電性接着層1を介して接合されるともに、n側電極26の下面と基台70上に形成された電極層73の上面とが、導電性接着層2を介して接合されている。
また、図1に示すように、n型GaAs基板51の上面の略全面には、n型GaAs基板51側からAuGe層、Ni層およびAu層の順に積層されたp側電極53が形成されている。
また、図1に示すように、3波長半導体レーザ素子部50を構成する青紫色半導体レーザ素子40は、窒化物系化合物半導体であるn型AlGaNクラッド層41、In組成の高いInGaNからなる量子井戸層とIn組成の低いInGaNからなる障壁層とが交互に積層されたMQW構造を有する活性層42、および、p型AlGaNクラッド層43により形成されている。なお、n型AlGaNクラッド層41、活性層42およびp型AlGaNクラッド層43は、それぞれ、本発明の「第4半導体層」、「第2活性層」および「第3半導体層」の一例である。
なお、n型AlGaNクラッド層41と活性層42との間に、光ガイド層(図示せず)やキャリアブロック層(図示せず)などの他の半導体層を、本発明の第4半導体層として含んでいてもよい。また、n型AlGaNクラッド層41の活性層42と反対側に、コンタクト層(図示せず)などの他の半導体層を、本発明の第4半導体層として含んでいてもよい。また、活性層42とp型AlGaNクラッド層43との間に、光ガイド層(図示せず)やキャリアブロック層(図示せず)などの他の半導体層を、本発明の第3半導体層として含んでいてもよい。また、p型AlGaNクラッド層43の活性層42と反対側に、コンタクト層(図示せず)などの他の半導体層を、本発明の第3半導体層として含んでいてもよい。また、活性層42は、単層またはSQW構造などにより構成されてもよい。
また、図1に示すように、p型AlGaNクラッド層43には、図面に対して垂直な方向であるA方向(図2参照)に延びる約1.5μmの幅を有するリッジ部43aが形成されることによって導波路構造が形成されている。また、図1に示すように、p型AlGaNクラッド層43のリッジ部43a以外の表面には、SiOからなる絶縁膜44が形成されている。また、p型AlGaNクラッド層43のリッジ部43aおよび絶縁膜44の上面上には、約10nmの厚みを有するAl層、約20nmの厚みを有するPd層および約1000nmの厚みを有するAu層の順に積層されたp側電極45が形成されている。また、リッジ部43aとp側電極45との間には、p型AlGaNクラッド層43よりも好ましくはバンドギャップが小さいコンタクト層(図示せず)などが形成されていてもよい。また、図1に示すように、n型AlGaNクラッド層41の下面上には、n型AlGaNクラッド層41側からPt層、Pd層およびAu層の順に積層されたn側電極46が形成されている。また、n型AlGaNクラッド層41とn側電極46との間には、n型AlGaNクラッド層41よりも好ましくはバンドギャップが小さいコンタクト層(図示せず)などが形成されていてもよい。また、図1に示すように、n側電極46の下面と、基台70上に形成された電極層73の上面とが、導電性接着層1を介して接合されている。
ここで、第1実施形態では、図1に示すように、赤外半導体レーザ素子10と赤色半導体レーザ素子20とに挟まれた領域のn型GaAs基板51には、赤外半導体レーザ素子10および赤色半導体レーザ素子20が形成されている領域のn型GaAs基板51の表面(下面)よりもn型GaAs基板51側に窪む凹部51aが形成されている。また、凹部51aの底部51bには、電極層54が形成されている。したがって、青紫色半導体レーザ素子40は、p型AlGaNクラッド層43が、p側電極45および融着層60を介して凹部51aの底部51bと電気的に接続された状態でn型GaAs基板51に接合されている。すなわち、第1実施形態では、青紫色半導体レーザ素子40のp側半導体層(p型AlGaNクラッド層43)が、赤外半導体レーザ素子10と赤色半導体レーザ素子20との間のn型GaAs基板51の表面に電気的に接続されている。
また、図1に示すように、モノリシック2波長半導体レーザ素子30のうち、凹部51aが形成されない側(素子部のB方向の両側端)には、凹部51aと略同一の深さを有する段差部51cが形成されている。この段差部51cは、後述する製造プロセスにおいて、段差部51c(分離溝51d)に沿ってウェハ状態の3波長半導体レーザ素子部50を素子分割(チップ化)するために設けられている。
また、第1実施形態では、図1に示すように、赤外半導体レーザ素子10の発光領域(活性層12近傍の領域)および赤色半導体レーザ素子20の発光領域(活性層22近傍の領域)と、青紫色半導体レーザ素子40の発光領域(活性層42近傍の領域)とは、略同一面(各半導体層の厚み方向(図1のC方向)であって、n型GaAs基板51の上面からの距離Hが略等しい位置)上に、B方向に所定の距離を隔てて配置されるように構成されている。
また、基台70の上面上には、図2に示すように、上述の電極層71、電極層72および電極層73がそれぞれ形成されている。ここで、電極層71、電極層72および電極層73は、それぞれ電気的に分離されている。電極層71は、赤外半導体レーザ素子10のp側電極15の位置に対応する領域に形成されている。電極層72は、赤色半導体レーザ素子20のp側電極25の位置に対応する領域に形成されている。電極層73は、図1および図2に示すように、赤外半導体レーザ素子10のn側電極16の位置と、赤色半導体レーザ素子20のn側電極26の位置と、青紫色半導体レーザ素子40のn側電極46の位置とに対応する領域を電気的に接続する形状(略E字形状)に形成されている。しがたって、第1実施形態では、半導体レーザ装置100は、各半導体レーザ素子がカソードコモン(n側共通電極)接続となるように構成されている。
また、図1に示すように、基台70の下面上の略全面には、約100nmの厚みを有するTi層と、約200nmの厚みを有するPt層と、約300nmの厚みを有するAu層とからなる下地金属層74が形成されている。この下地金属層74は、AuSn半田などの金属層からなる導電性接着層3を基台70に接着するために設けられている。また、基台70は、導電性接着層3を介して、図示しない銅や鉄などからなる金属製のステムに固定される。
また、図2に示すように、電極層71、72および73は、平面的に見て、それぞれ、赤外半導体レーザ素子10、赤色半導体レーザ素子20および青紫色半導体レーザ素子40の平面形状よりも光反射面10b、20bおよび40b側に突出した領域(半導体レーザ素子が電極層上面に接合されていない領域)を有している。これにより、図2に示すように、赤外半導体レーザ素子10に対応する電極層71の上面の所定領域には、Auワイヤ91がワイヤボンディングされるとともに、赤色半導体レーザ素子20に対応する電極層72の上面の所定領域には、Auワイヤ92がワイヤボンディングされている。また、図2に示すように、各半導体レーザ素子のn側電極16、26および46同志を接続する電極層73の上面の所定領域には、Auワイヤ93がワイヤボンディングされている。また、図1および図2に示すように、n型GaAs基板51(図1参照)上に設けられたp側電極53(図1参照)の上面の所定領域には、Auワイヤ94がワイヤボンディングされている。また、半導体レーザ装置100のAuワイヤ91、92および94は、それぞれ、ステム(図示せず)のリード端子(正極端子:図示せず)に接続されるとともに、Auワイヤ93は、ステム(図示せず)のリード端子(負極端子:図示せず)に接続されるために設けられている。これにより、半導体レーザ装置100は、各半導体レーザ素子に対して正極側のリード端子から個別に電流を供給することが可能に構成されている。
また、3波長半導体レーザ素子部50を構成する赤外半導体レーザ素子10、赤色半導体レーザ素子20および青紫色半導体レーザ素子40には、図2に示すように、共振器の延びる方向(A方向)の両端部に、光出射面10a、20aおよび40aと、光反射面10b、20bおよび40bとが、それぞれ形成されている。なお、第1実施形態では、光出射面10a、20aおよび40a、および光反射面10b、20bおよび40bは、それぞれの共振器面から出射されるレーザ光強度の大小関係により区別される。すなわち、相対的にレーザ光の出射強度の大きい共振器面が光出射面10a、20aおよび40aであり、相対的にレーザ光の出射強度の小さい共振器面が光反射面10b、20bおよび40bである。また、各半導体レーザ素子の光出射面10a(20aおよび40a)、および、光反射面10b(20bおよび40b)には、製造プロセスにおける端面コート処理により、AlN膜やAl膜などからなる誘電体多層膜(図示せず)が、それぞれ形成されている。
図3〜図12は、図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。次に、図1〜図12を参照して、第1実施形態による半導体レーザ装置100の製造プロセスについて説明する。
第1実施形態による半導体レーザ装置100の製造プロセスでは、まず、図3に示すように、n型GaAs基板51の上面上に、アンドープGaAs層52を所定の厚みに形成する。その後、図4に示すように、アンドープGaAs層52上に、赤外半導体レーザ素子10を構成する半導体層と、赤色半導体レーザ素子20を構成する半導体層とをB方向に所定の間隔を隔ててそれぞれ形成する。そして、図4に示すように、エッチング技術を用いて、p型AlGaAsクラッド層13およびp型AlGaInPクラッド層23からn型GaAs基板51に向かって所定の領域を除去することにより、凹部51aおよび分離溝51dをそれぞれ形成する。この際、凹部51aおよび分離溝51dは、底部がn型GaAs基板51まで達するように形成される。これにより、B方向に一様に形成されたアンドープGaAs層52(図3参照)が、アンドープGaAs層52aおよび52bの部分を有するように形成される。なお、アンドープGaAs層52は、本発明の「絶縁性を有する層」の一例である。
その後、さらにエッチングを行うことにより、図4に示すように、p型AlGaAsクラッド層13およびp型AlGaInPクラッド層23に、凸形状を有するリッジ部13aおよび23aをそれぞれ形成する。また、図4に示すように、エッチングにより、各半導体層に底部がn型AlGaAsクラッド層11(n型AlGaInPクラッド層21)の部分まで達する段差部51eを形成する。
次に、図5に示すように、リッジ部13a上を除くp型AlGaAsクラッド層13およびp型AlGaAsクラッド層13から活性層12およびn型AlGaAsクラッド層11の一方側面上を覆うようにSiOからなる絶縁膜14を形成する。同様に、リッジ部23a上を除くp型AlGaInPクラッド層23およびp型AlGaInPクラッド層23から活性層22およびn型AlGaInPクラッド層21の一方側面上を覆うように段差部51e(図4参照)の形状に沿ってSiOからなる絶縁膜24を形成する。
そして、リッジ部13a(23a)および絶縁膜14(24)の上面上に、最表面がAu膜からなるp側電極15および25を、真空蒸着法によりそれぞれ形成する。また、図5に示すように、段差部51e(図4参照)上に、n側電極16および26を真空蒸着法により形成する。
その後、図5に示すように、n型GaAs基板51の凹部51aの底部51bに、電極層54を真空蒸着法により形成するとともに、電極層54上に融着層60を形成する。このようにして、ウェハ状態のモノリシック2波長半導体レーザ素子30が形成される。
また、図6に示すように、n型GaN基板80の上面上に、InGaN剥離層81、n型AlGaNクラッド層41、活性層42、および、p型AlGaNクラッド層43を順次積層することにより、青紫色半導体レーザ素子40を形成する。そして、エッチング技術を用いて、p型AlGaNクラッド層43の上面上にリッジ部43aを形成した後に、リッジ部43a上を除くp型AlGaNクラッド層43の上面上にSiOからなる絶縁膜44を形成する。その後、リッジ部43aおよび絶縁膜44の上面上に、最表面がAu膜からなるp側電極45を真空蒸着法により形成する。なお、n型GaN基板80は、本発明の「成長用基板」の一例である。
その後、図7に示すように、エッチング技術を用いて、p型AlGaNクラッド層43からn型GaN基板80に向かって所定の領域を除去することにより、段差部80aを形成する。この際、段差部80aは、底部がn型GaN基板80まで達するように形成する。このようにして、ウェハ状態の青紫色半導体レーザ素子40が形成される。
その後、図8に示すように、モノリシック2波長半導体レーザ素子30の凹部51aに設けられた電極層54と、n型GaN基板80上に形成された青紫色半導体レーザ素子40のp側電極45とを対向させながら、融着層60により、温度約295℃、荷重約100Nの条件下で互いに貼り合わせる。この際、モノリシック2波長半導体レーザ素子30の活性層12および22と青紫色半導体レーザ素子40の活性層42とがB方向に沿って略直線状に並ぶように貼り合わせる。
次に、図9に示すように、Nd:YAGレーザ光の第2高調波(波長:約532nm)を、約500mJ/cm〜約1000mJ/cmのエネルギ密度に調整した状態で、n型GaN基板80の裏面(図9ではn型GaN基板80の上面)からn型GaN基板80に向けて照射する。そして、レーザ光の照射により、内部に積層されたInGaN剥離層81(破線で示す)の結晶結合が全面的にまたは局所的に破壊される。これにより、n型GaN基板80は、InGaN剥離層81の破壊領域に沿って、青紫色半導体レーザ素子40から容易に剥離(分離)される。なお、剥離後のn型GaN基板80は、表面研磨により段差部80a(図7参照)およびInGaN剥離層81が形成されていた面の凹凸形状を平坦化することによって、再度、青紫色半導体レーザ素子40を形成する際の成長用基板として使用される。なお、n型GaN基板80の剥離によって、モノリシック2波長半導体レーザ素子30の表面(上面)と青紫色半導体レーザ素子40の表面(上面)とが略同一平面状に揃えられた3波長半導体レーザ素子部50が形成される。
その後、図10に示すように、青紫色半導体レーザ素子40の上面に露出されたn型AlGaNクラッド層41の上面上に、n側電極46を真空蒸着法により形成する。また、エッチングなどによりn型GaAs基板51を所定の厚みまで薄くした後に、n型GaAs基板51の下面上(略全面)に、p側電極53を真空蒸着法により形成する。このようにして、ウェハ状態の3波長半導体レーザ素子部50が形成される。
なお、第1実施形態では、上述の製造プロセスにより3波長半導体レーザ素子部50を形成することによって、青紫色半導体レーザ素子40のp型AlGaNクラッド層43が、凹部51aを介してn型GaAs基板51と同一の極性(p型)を有しながら導通されるので、内部構造が簡素化された3波長半導体レーザ素子部50が形成される。また、赤外半導体レーザ素子10および赤色半導体レーザ素子20は、高抵抗半導体層のアンドープGaAs層52aおよび52bを介してn型GaAs基板51上に形成されているので、赤外半導体レーザ素子10および赤色半導体レーザ素子20は、n型GaAs基板51から電気的に絶縁されている。したがって、青紫色半導体レーザ素子40のp型AlGaNクラッド層43と、赤外半導体レーザ素子10のn型AlGaAsクラッド層11および赤色半導体レーザ素子20のn型AlGaInPクラッド層21とが電気的な短絡を起こすことなくn型GaAs基板51上に形成される。
その後、図11に示すように、ウェハ状態の3波長半導体レーザ素子部50に、レーザスクライブにより共振器の延びる方向(A方向)と垂直な方向(B方向)に、共振器長のピッチでケガキ線800(2点鎖線)を形成するとともに、ケガキ線800に沿って劈開を行う。これにより、3波長半導体レーザ素子部50は、ウェハ状態からバー状態(図11参照)に分離される。これにより、図2に示すように、共振器の延びる方向(A方向)の両端部に、光出射面10a、20aおよび40aと、光反射面10b、20bおよび40bとがそれぞれ形成される。
その後、3波長半導体レーザ素子部50の共振器面(赤外半導体レーザ素子10の光出射面10aおよび光反射面10b(図2参照)、赤色半導体レーザ素子20の光出射面20aおよび光反射面20b(図2参照)、および、青紫色半導体レーザ素子40の光出射面40aおよび光反射面40b(図2参照))に対して、それぞれ、図示しない誘電体多層膜(酸化膜など)を形成することにより、端面コート処理が行われる。さらに、図12に示すように、バー状態の3波長半導体レーザ素子部50の分離溝51d(図11参照)に沿って、共振器の延びる方向(図11のA方向)に上記と同様の方法を用いて素子分割を行う。これにより、チップ化された個々の3波長半導体レーザ素子部50が形成される。
また、図2に示すように、基台70の上面上に、平面形状が所定の形状を有するように、電極層71、72および73をそれぞれ形成する。また、電極層71、72および73の上面の所定の領域に、導電性接着層1および2をそれぞれ形成する。その後、図1に示すように、チップ化された3波長半導体レーザ素子部50を基台70に対して接合する。この際、窒素雰囲気中において、電極層71、72および73が形成された基台70の上面上に、3波長半導体レーザ素子部50のp側電極15および25とn側電極46とが、電極層71、72および73とそれぞれ対向するように配置する。これにより、3波長半導体レーザ素子部50のn側電極16および26が、C方向(図1参照)に対向する部分の電極層73の上方に配置される。
そして、セラミック製のコレット(図示せず)を用いて、3波長半導体レーザ素子部50を導電性接着層1および2を介して基台70に対して押圧することにより、導電性接着層1および2が溶融する。その後、導電性接着層1および2の固化とともに、3波長半導体レーザ素子部50が基台70に固定される。この際、3波長半導体レーザ素子部50の表面(図1では下面)が凹凸形状を有していないので、3波長半導体レーザ素子部50は、容易に基台70に接合される。このようにして、第1実施形態による3波長半導体レーザ素子部50を備えた半導体レーザ装置100(図1参照)が形成される。
第1実施形態では、上記のように、青紫色半導体レーザ素子40のp型AlGaNクラッド層43を、融着層60を介してn型GaAs基板51の表面上に接合することにより、p型AlGaNクラッド層43をn型GaAs基板51と電気的に接続するように構成することによって、n型GaAs基板51は、アンドープGaAs層52aおよび52bにより赤外半導体レーザ素子10および赤色半導体レーザ素子20とは電気的に絶縁されているので、このn型GaAs基板51を、赤外半導体レーザ素子10および赤色半導体レーザ素子20への電流供給路と絶縁された青紫色半導体レーザ素子40への電流供給用の導電部材として利用することができる。これにより、青紫色半導体レーザ素子40のp側電極45を容易に外部に接続することができる。
また、第1実施形態では、赤外半導体レーザ素子10のn側電極16と、赤色半導体レーザ素子20のn側電極26と、青紫色半導体レーザ素子40のn側電極46とが同一の電極層73により接続されることによって、特に、多波長半導体レーザ素子を光ディスク用ピックアップ装置に適用する場合、一般的に、各半導体レーザ素子をカソードコモン(n側共通電極)として使用することが望まれるため、第1実施形態における半導体レーザ装置100を、光ディスク用ピックアップ装置に容易に組み込むことができる。
また、第1実施形態では、絶縁性を有する層を、高抵抗半導体層であるアンドープGaAs層52(52aおよび52b)からなるように構成することによって、製造プロセス上、n型GaAs基板51上に、アンドープGaAs層52およびn型AlGaAsクラッド層11(n型AlGaInPクラッド層21)を結晶成長により連続的に形成することができるので、容易に絶縁性を有する層(アンドープGaAs層52)とn型AlGaAsクラッド層11(n型AlGaInPクラッド層21)との絶縁を図ることができる。
また、第1実施形態では、モノリシック2波長半導体レーザ素子30の赤外半導体レーザ素子10および赤色半導体レーザ素子20が形成されていないn型GaAs基板51の部分に凹部51aが形成されているとともに凹部51aの底部51bにはn型GaAs基板51が露出し、青紫色半導体レーザ素子40のp型AlGaNクラッド層43が、融着層60を介して凹部51aの底部51bに接合されている。このように構成することによって、青紫色半導体レーザ素子40とn型GaAs基板51とを容易に電気的に接続させることができる。また、青紫色半導体レーザ素子40を、凹部51aの形状に嵌まり込むように配置してn型GaAs基板51と接合することができるので、モノリシック2波長半導体レーザ素子30の発光領域(赤外半導体レーザ素子10および赤色半導体レーザ素子20の発光領域)と青紫色半導体レーザ素子40の発光領域とを所望の位置関係に配置することができる。
また、第1実施形態では、赤外半導体レーザ素子10の活性層12、赤色半導体レーザ素子20の活性層22および青紫色半導体レーザ素子40の活性層42を、略同一の面内(各半導体層の厚み方向(図1のC方向)であって、n型GaAs基板51の上面からの距離Hが略等しい位置)にB方向に所定の距離を隔てて配置することによって、各半導体レーザ素子(10、20および40)の発光領域を、略同一の平面に沿って配置することができるので、各半導体レーザ素子(10、20および40)の出射光を略同一直線状に並べた状態で出射させることができる。これにより、この半導体レーザ装置100を光ディスク用ピックアップ装置に適用した場合、個々の半導体レーザ素子の出射光を、光ディスクやDVDなどの記録面に対して、略同一の角度(垂直方向)により入射させることができるので、各記録媒体における半導体レーザ素子の光スポット品質がばらつくのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、赤外半導体レーザ素子10の活性層12を、Asを含む化合物半導体により形成し、かつ、赤色半導体レーザ素子20の活性層22を、Pを含む化合物半導体により形成するとともに、青紫色半導体レーザ素子40の活性層42を、窒化物系化合物半導体により形成することによって、3波長半導体レーザ素子部50を、赤外光のレーザ光および赤色光のレーザ光を出射するモノリシック2波長半導体レーザ素子30と、モノリシック2波長半導体レーザ素子30とは波長の異なるレーザ光を出射する青紫色半導体レーザ素子40とから構成することができる。
また、第1実施形態では、3波長半導体レーザ素子部50を構成するモノリシック2波長半導体レーザ素子30および青紫色半導体レーザ素子40を搭載するための基台70を備えるとともに、モノリシック2波長半導体レーザ素子30(赤外半導体レーザ素子10および赤色半導体レーザ素子20)および青紫色半導体レーザ素子40を、それぞれ、p型AlGaAsクラッド層13、p型AlGaInPクラッド層23およびn型AlGaNクラッド層41を介して基台70に固定されるように構成することによって、レーザ作動時に、レーザ光の発振に伴う3波長半導体レーザ素子部50の発熱を、n型GaAs基板51よりも放熱性能が良好な基台70を介して、効率よく放熱させることができる。
また、第1実施形態では、青紫色半導体レーザ素子40のp型AlGaNクラッド層43と、赤外半導体レーザ素子10のp型AlGaAsクラッド層13(赤色半導体レーザ素子20のp型AlGaInPクラッド層23)とが同じ導電型(p型)であるように構成することによって、アンドープGaAs層52を介して、p型と反対の導電型であるn型AlGaAsクラッド層11またはn型AlGaInPクラッド層21とp型AlGaNクラッド層43とを配置することができる。
また、第1実施形態では、第1導電型にn型を適用することによって、基板(n型GaAs基板51)に近い側から順にn型半導体層、活性層およびp型半導体層を積層して赤外半導体レーザ素子10および赤色半導体レーザ素子20をそれぞれ形成することができる。したがって、モノリシック2波長半導体レーザ素子30の主要部を、従来の半導体レーザ素子の製造プロセスにより容易に形成することができるので、モノリシック2波長半導体レーザ素子30の量産性および特性を向上させることができる。
また、第1実施形態では、第1導電型にn型を適用することによって、基板(n型GaN基板80)に近い側から順にn型半導体層(本発明における第3半導体層)、活性層およびp型半導体層(本発明における第4半導体層)を積層して青紫色半導体レーザ素子40を形成するという従来の製造プロセスの後に、p型半導体層側を基板(n型GaAs基板51)に接合することができるので、3波長半導体レーザ素子部50を容易に形成することができる。これにより、半導体レーザ装置100の量産性および特性を向上させることができる。
また、第1実施形態では、青紫色半導体レーザ素子40のp型AlGaNクラッド層43は、n型GaAs基板51にAuSn半田からなる融着層60を介して接合されることにより、n型GaAs基板51と電気的に接続されるように構成することによって、青紫色半導体レーザ素子40のp型AlGaNクラッド層43がn型GaAs基板51に接合される際に、融着層60の厚みを調整することにより、青紫色半導体レーザ素子40の活性層42を、赤外半導体レーザ素子10および赤色半導体レーザ素子20の活性層12および22と、容易に、同一平面内に配置することができる。
また、第1実施形態では、青紫色半導体レーザ素子40に、p側電極45およびn側電極46を形成することによって、青紫色半導体レーザ素子40をモノリシック2波長半導体レーザ素子30に貼り合わせる際に、p側電極45と融着層60との接合性を向上させることができる。さらに、3波長半導体レーザ素子部50を基台70に接合する際も、n側電極46と導電性接着層1との接合性を向上させることができる。
(第1実施形態の変形例)
図13は、本発明の第1実施形態の変形例による半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。図1および図13を参照して、この第1実施形態の変形例による半導体レーザ装置150では、上記第1実施形態と異なり、基台70上の負極側に対応する電極層が、半導体レーザ素子毎に電気的に独立した状態で複数配置されている場合について説明する。
ここで、第1実施形態の変形例による半導体レーザ装置150では、図13に示すように、基台70上の赤外半導体レーザ素子10のn側電極16(図1参照)に対応する領域に電極層73aが形成されるとともに、基台70上の赤色半導体レーザ素子20のn側電極26(図1参照)に対応する領域に電極層73bがそれぞれ形成されている。また、電極層73aおよび73bとは別に、基台70上の青紫色半導体レーザ素子40のn側電極46(図1参照)に対応する領域に電極層73cが形成されている。したがって、赤外半導体レーザ素子10には、電極層71(p側)および電極層73a(n側)が対応するとともに、赤色半導体レーザ素子20には、電極層72(p側)および電極層73b(n側)が対応している。また、青紫色半導体レーザ素子40には、電極層54(p側:図1参照)および電極層73c(n側)が対応している。これにより、3波長半導体レーザ素子部50を構成する各半導体レーザ素子(10、20および40)は、各々が電気的に独立した状態で基台70上に接合されている。
なお、第1実施形態の変形例による半導体レーザ装置150のその他の構造および製造プロセスは、上記第1実施形態と同様である。
第1実施形態の変形例では、上記のように、3波長半導体レーザ素子部50を構成する各半導体レーザ素子(10、20および40)のn側電極およびp側電極が、半導体レーザ素子毎に電気的に独立した状態で電極層71、72、73a、73b、73cおよび電極層54(図1参照)とそれぞれ接続されるように構成することによって、個々の半導体レーザ素子が電気的に独立した状態でレーザ動作を行うことができる。なお、第1実施形態の変形例のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態)
図14は、本発明の第2実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した断面図である。図15〜図17は、図14に示した第2実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。図14〜図17を参照して、第2実施形態では上記第1実施形態の製造プロセスと異なり、ウェハ状態に形成された青紫色半導体レーザ素子240を共振器の延びる方向に沿って短冊状に分割した後に、短冊状の個々の青紫色半導体レーザ素子240をモノリシック2波長半導体レーザ素子30に接合する場合について説明する。なお、青紫色半導体レーザ素子240は、本発明の「第2半導体レーザ素子」の一例である。
本発明の第2実施形態による半導体レーザ装置200では、図14に示すように、モノリシック2波長半導体レーザ素子30に青紫色半導体レーザ素子240が接合されて形成された3波長半導体レーザ素子部250が、ジャンクションダウン方式により基台270に固定されている。
ここで、第2実施形態では、青紫色半導体レーザ素子240のp型AlGaNクラッド層43上のp側電極45が、融着層60を介してモノリシック2波長半導体レーザ素子30の凹部51aの底部51bに接合されている。また、青紫色半導体レーザ素子240のn型GaN基板80上(下面)のn側電極46が、導電性接着層1を介して、基台270に予め形成されている凹部270aの底部270bに接合されている。また、この底部270bには、電極層73が形成されている。なお、第2実施形態による半導体レーザ装置200のその他の構造は、上記第1実施形態と同様である。
次に、図5、図14〜図17を参照して、第2実施形態による半導体レーザ装置200の製造プロセスについて説明する。
まず、上記第1実施形態と同様の製造プロセスを用いて、ウェハ状態のモノリシック2波長半導体レーザ素子30(図5参照)を形成する。
次に、図15に示すように、n型GaN基板80の上面上に、n型AlGaNクラッド層41、活性層42およびp型AlGaNクラッド層43を順次積層する。そして、エッチングにより、p型AlGaNクラッド層43の上面上にリッジ部43aを形成した後に、リッジ部43a上を除くp型AlGaNクラッド層43の上面上に絶縁膜44を形成する。その後、リッジ部43aおよび絶縁膜44の上面上にp側電極45を形成する。また、n型GaN基板80の下面上にn側電極46を形成する。
ここで、第2実施形態の製造プロセスでは、図15に示すように、リッジ部43aの延びる方向(紙面に垂直な方向)に沿って素子分割を行う。なお、図15では、破線で示した位置において素子分割を行う。これにより、図16に示すように、共振器方向(紙面に垂直な方向)に短冊状に形成された青紫色半導体レーザ素子240が複数形成される。
その後、図17に示すように、モノリシック2波長半導体レーザ素子30の凹部51aに設けられた電極層54と、短冊状の青紫色半導体レーザ素子240のp側電極45とを対向させながら、融着層60を介して貼り合わせる。これにより、ウェハ状態の3波長半導体レーザ素子部250が形成される。
その後、素子分割によりチップ化を行い、図17に示した3波長半導体レーザ素子部250が複数形成される。
また、基台270(図14参照)の所定の領域にエッチングなどにより底部270bを有する凹部270a予め形成しておく。この状態で、3波長半導体レーザ素子部250を基台270に接合する。この際、基台270の凹部270aの部分に青紫色半導体レーザ素子240が対応するように接合する。
なお、第2実施形態のその他の製造プロセスは、上記第1実施形態と同様である。このようにして、第2実施形態による3波長半導体レーザ素子部250を備えた半導体レーザ装置200(図14参照)が形成される。
第2実施形態の製造プロセスでは、上記のように、予め共振器の延びる方向に沿って素子分割されて短冊状に形成された複数の青紫色半導体レーザ素子240をモノリシック2波長半導体レーザ素子30に接合する工程を備えることによって、1枚のn型GaN基板80上に複数形成される青紫色半導体レーザ素子240の取れ数を増加させることができるので、半導体レーザ素子形成時の歩留まりを向上させることができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図18は、本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した断面図である。まず、図2および図18を参照して、この第3実施形態による半導体レーザ装置300では、上記第1実施形態と異なり、赤外半導体レーザ素子10と赤色半導体レーザ素子20とに挟まれた領域の半導体層の表面上に、上記第2実施形態と同様の青紫色半導体レーザ素子240が融着層60を介して貼り合わされた3波長半導体レーザ素子部350が、導電性接着層1および2を介して基台275に固定される場合について説明する。なお、基台275は、本発明の「放熱基台」の一例である。
ここで、第3実施形態では、図18に示すように、赤外半導体レーザ素子10と赤色半導体レーザ素子20とに挟まれた領域の内部(穴部351bの内側面)に、半導体層の表面(電極層353)からアンドープGaAs層52cを貫通してn型GaAs基板351の内部まで達する導通部352が設けられている。これにより、青紫色半導体レーザ素子240は、融着層60、電極層353および導通部352を介して、n型GaAs基板351と電気的に接続されるように構成されている。なお、n型GaAs基板351は、本発明の「導電性半導体」の一例であり、導通部352は、本発明の「接続領域」の一例である。また、アンドープGaAs層52cは、本発明の「絶縁性を有する層」の一例である。
また、第3実施形態では、図18に示すように、青紫色半導体レーザ素子240が接合される基台275の表面に凹部275aが形成されている。また、凹部275aの底部275bには、電極層73が形成されている。この電極層73は、平面的に見て、図2に示すように、赤外半導体レーザ素子10のn側電極16(図18参照)と、赤色半導体レーザ素子20のn側電極26(図18参照)と、青紫色半導体レーザ素子240のn側電極46(図18参照)とを電気的に接続する形状(略E字形状)に形成されている。また、図18に示すように、3波長半導体レーザ素子部350のうちの凸形状を有する青紫色半導体レーザ素子240の部分が、基台275の凹部275aに入り込んだ状態で、導電性接着層1および2を介して基台275に接合されるように構成されている。
なお、第3実施形態による半導体レーザ装置300のその他の構造は、上記第1実施形態と同様である。
図19〜図22は、図18に示した第3実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。次に、図3および図18〜図22を参照して、第3実施形態による半導体レーザ装置300の製造プロセスについて説明する。
まず、図19に示すように、上記第1実施形態の製造プロセスと同様の製造プロセスにより、n型GaAs基板351の上面上に、赤外半導体レーザ素子10と赤色半導体レーザ素子20とが形成される。
ここで、第3実施形態では、図19に示すように、エッチングにより、赤外半導体レーザ素子10と赤色半導体レーザ素子20とに挟まれた領域に、一対の絶縁溝部351aと、分離溝351dとを形成する。この一対の絶縁溝部351aおよび分離溝351dは、それぞれ、溝の深さがn型GaAs基板351まで達するように形成される。これにより、B方向に一様に形成されたアンドープGaAs層52(図3参照)が、アンドープGaAs層52a、52bおよび52cとを有するように形成される。
また、第3実施形態では、図20に示すように、エッチングにより、アンドープGaAs層52c上の半導体層の上面からn型GaAs基板351に向かって穴部351bを形成する。この穴部351bは、穴の深さがアンドープGaAs層52cを貫通してn型GaAs基板351まで達するように形成される。その後、穴部351bの内側面を覆うように導通部352を真空蒸着法により形成する。
そして、図21に示すように、n型GaAs基板351の導通部352上に、電極層353を真空蒸着法により形成するとともに、電極層353上に融着層60を形成する。これにより、n型GaAs基板351は、導通部352および電極層353を介して融着層60と電気的に接続されることが可能となる。このようにして、モノリシック2波長半導体レーザ素子330が形成される。なお、モノリシック2波長半導体レーザ素子330は、本発明の「第1半導体レーザ素子」の一例である。
その後、図22に示すように、上記第2実施形態と同様の製造プロセスにより形成された短冊状の青紫色半導体レーザ素子240を、モノリシック2波長半導体レーザ素子330の電極層353と対向させながら、融着層60を介して貼り合わせる。これにより、ウェハ状態の3波長半導体レーザ素子部350が形成される。
第3実施形態では、上記のような製造プロセスにより3波長半導体レーザ素子部350を形成することによって、青紫色半導体レーザ素子240のp型AlGaNクラッド層43が、モノリシック2波長半導体レーザ素子330の赤外半導体レーザ素子10および赤色半導体レーザ素子20によって挟まれた領域(半導体層)に形成されたn型GaAs基板351と電気的に導通する導通部352を介して、n型GaAs基板351と同一の極性(n型)を有しながら導通されるので、内部構造が簡素化された3波長半導体レーザ素子部350を形成することができる。
また、基台275(図18参照)の所定の領域にエッチングなどにより底部275bを有する凹部275a予め形成しておく。この状態で、3波長半導体レーザ素子部350を基台275に接合する。この際、基台275の凹部275aの部分に青紫色半導体レーザ素子240が対応するように接合する。
なお、第3実施形態のその他の製造プロセスは、上記第2実施形態と同様である。このようにして、第3実施形態による3波長半導体レーザ素子部350を備えた半導体レーザ装置300(図18参照)が形成される。
第3実施形態では、上記のように、モノリシック2波長半導体レーザ素子330を構成する赤外半導体レーザ素子10および赤色半導体レーザ素子20によって挟まれた領域(半導体層)の表面に、アンドープGaAs層52cおよび上部の半導体層に覆われたn型GaAs基板351と電気的に導通する導通部352および電極層353を設けるとともに、青紫色半導体レーザ素子240のp型AlGaNクラッド層43を、融着層60を介して電極層353に接合するように構成することによって、赤外半導体レーザ素子10および赤色半導体レーザ素子20によって挟まれた領域(半導体層)にn型GaAs基板351まで達する凹部などを設けることなく、容易に、赤外半導体レーザ素子10および赤色半導体レーザ素子20と青紫色半導体レーザ素子240とを、カソードコモンで接続することができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
図23は、本発明の第4実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。図24は、図23に示した第4実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。まず、図23および図24を参照して、この第4実施形態による半導体レーザ装置400では、上記第1実施形態と異なり、モノリシック2波長半導体レーザ素子430を構成する赤外半導体レーザ素子410および赤色半導体レーザ素子420のn側電極の位置が、青紫色半導体レーザ素子40の近傍に隣接して形成される場合について説明する。なお、赤外半導体レーザ素子410および赤色半導体レーザ素子420は、それぞれ、本発明の「第1半導体レーザ素子」の一例である。
この第4実施形態による半導体レーザ装置400では、図23に示すように、3波長半導体レーザ素子部450が、導電性接着層1および2を介して基台70に固定されている。また、3波長半導体レーザ素子部450は、モノリシック2波長半導体レーザ素子430に、青紫色半導体レーザ素子40が融着層60を介して接合された構造を有する。また、モノリシック2波長半導体レーザ素子430は、n型GaAs基板51上(下面)に、凹部51aを隔てて赤外半導体レーザ素子410および赤色半導体レーザ素子420が形成されている。
ここで、第4実施形態では、図23に示すように、赤外半導体レーザ素子410の青紫色半導体レーザ素子40とB方向に対向する部分のn型AlGaAsクラッド層11上に、n側電極16が形成されている。また、赤色半導体レーザ素子420の青紫色半導体レーザ素子40とB方向に対向する部分のn型AlGaInPクラッド層21上に、n側電極26が形成されている。また、基台70の、青紫色半導体レーザ素子40、赤外半導体レーザ素子410のn側電極16および赤色半導体レーザ素子420のn側電極26が接合される領域に対応する領域上に、電極層471が形成されている。これにより、3波長半導体レーザ素子部450は、青紫色半導体レーザ素子40のn側電極46、赤外半導体レーザ素子410のn側電極16および赤色半導体レーザ素子420のn側電極26が、導電性接着層1および2を介して、1つの電極層471に接合されている。しがたって、第4実施形態では、半導体レーザ装置400は、各半導体レーザ素子がカソードコモン(n側共通電極)接続となるように構成されている。
また、図24に示すように、基台70の、赤外半導体レーザ素子410のp側電極15および赤色半導体レーザ素子420のp側電極25が接合される領域に対応する領域上に、電極層472および473がそれぞれ形成されている。また、図24に示すように、赤外半導体レーザ素子410に対応する電極層472の上面の所定領域には、Auワイヤ491がワイヤボンディングされるとともに、赤色半導体レーザ素子420に対応する電極層473の上面の所定領域には、Auワイヤ492がワイヤボンディングされている。また、各半導体レーザ素子のn側電極同志を接続するように設けられた電極層471の上面の所定領域には、Auワイヤ493がワイヤボンディングされている。ここで、電極層472および473は、基台70の両側に形成され、電極層471は、電極層472および473に挟まれるように形成されている。また、図23および図24に示すように、n型GaAs基板51(図23参照)上に設けられたp側電極53(図23参照)の上面の所定領域には、Auワイヤ494がワイヤボンディングされている。また、Auワイヤ491、492および494は、それぞれ、ステム(図示せず)のリード端子(正極端子:図示せず)に接続されるとともに、Auワイヤ493は、ステム(図示せず)のリード端子(負極端子:図示せず)に接続されるために設けられている。これにより、半導体レーザ装置400は、上記第1実施形態と同様に、各半導体レーザ素子に対して正極側のリード端子から個別に電流を供給することが可能に構成されている。
図25は、図23に示した第4実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。次に、図23〜図25を参照して、第4実施形態による半導体レーザ装置400の製造プロセスについて説明する。
まず、上記第1実施形態と同様の製造プロセスを用いて、ウェハ状態のモノリシック2波長半導体レーザ素子430(図25参照)を形成する。
ここで、第4実施形態の製造プロセスでは、図25に示すように、赤外半導体レーザ素子410のn側電極16および赤色半導体レーザ素子420のn側電極26を、凹部51aを挟んでB方向に対向するようにそれぞれ形成する。
また、図25に示すように、n型GaAs基板51の凹部51aの底部51bに、電極層54を真空蒸着法により形成するとともに、電極層54上に融着層60を形成する。このようにして、ウェハ状態のモノリシック2波長半導体レーザ素子430が形成される。その後、上記第1実施形態と同様の製造プロセスにより、モノリシック2波長半導体レーザ素子430に青紫色半導体レーザ素子40を貼り合わせてチップ化を行うことにより3波長半導体レーザ素子部450(図23参照)が形成される。
また、図24に示すように、基台70の上面上に、平面形状が所定の形状を有するように、電極層471、472および473をそれぞれ形成する。また、各電極層の上面の所定の領域に、導電性接着層1および2をそれぞれ形成する。その後、図23に示すように、チップ化された3波長半導体レーザ素子部50を基台70に対して接合する。この際、基台70の上面上に、3波長半導体レーザ素子部450のp側電極15および25とn側電極46とが、電極層472、473および471とそれぞれ対向するように配置する。また、3波長半導体レーザ素子部450のn側電極16および26が、青紫色半導体レーザ素子40の下部からB方向に延びる電極層471の端部近傍の上方に配置される。したがって、3波長半導体レーザ素子部450は、n側電極16、26および46が、導電性接着層1および2を介して1つの電極層471に接合される。
なお、第4実施形態のその他の製造プロセスは、上記第1実施形態と同様である。このようにして、第4実施形態による3波長半導体レーザ素子部450を備えた半導体レーザ装置400(図23参照)が形成される。
第4実施形態では、上記のように、3波長半導体レーザ素子部450を構成する各半導体レーザ素子(赤外半導体レーザ素子410、赤色半導体レーザ素子420および青紫色半導体レーザ素子40)のn側電極を、共に基台70上の電極層471に接続するように構成することによって、簡素な構造により容易にカソードコモン接続の半導体レーザ装置400を形成することができる。特に、多波長半導体レーザ素子を光ディスク用ピックアップ装置に適用する場合、一般的に、各半導体レーザ素子をカソードコモンとして使用することが望まれるため、第4実施形態における半導体レーザ装置400を、光ディスク用ピックアップ装置に容易に組み込むことができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第5実施形態)
図26は、本発明の第5実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した断面図である。図26を参照して、第5実施形態では上記第2実施形態と異なり、青色半導体レーザ素子510および緑色半導体レーザ素子520を形成したモノリシック2波長半導体レーザ素子530に、赤色半導体レーザ素子540を貼り合わせてRGB3波長半導体レーザ素子部550を形成する場合について説明する。なお、青色半導体レーザ素子510および緑色半導体レーザ素子520は、それぞれ、本発明の「第1半導体レーザ素子」の一例であり、赤色半導体レーザ素子540は、本発明の「第2半導体レーザ素子」の一例である。
この第5実施形態による半導体レーザ装置500では、図26に示すように、青色半導体レーザ素子510および緑色半導体レーザ素子520からなるモノリシック2波長半導体レーザ素子530に、赤色半導体レーザ素子540が接合されて形成されたRGB3波長半導体レーザ素子部550が、ジャンクションダウン方式により基台270に固定されている。また、モノリシック2波長半導体レーザ素子530は、n型GaN基板551上(下面)に、凹部551aを隔てて青色半導体レーザ素子510および緑色半導体レーザ素子520が形成されている。なお、n型GaN基板551は、本発明の「導電性半導体」の一例である。
ここで、第5実施形態では、赤色半導体レーザ素子540のp型AlGaInPクラッド層543上のp側電極45が、融着層60を介してモノリシック2波長半導体レーザ素子530の凹部551aの底部551bに接合されている。また、赤色半導体レーザ素子540のn型GaAs基板580上(下面)のn側電極46が、導電性接着層1を介して、基台270に予め形成されている凹部270aの底部270bに接合されている。また、この底部270bには、電極層73が形成されている。なお、n型GaAs基板580は、本発明の「成長用基板」の一例である。
また、図26に示すように、青色半導体レーザ素子510は、n型GaN基板551の下面上に、高抵抗半導体層であるZnドープGaN層552aと、n型AlGaNクラッド層511と、AlGaNからなる量子井戸層および障壁層が交互に積層されたMQW構造を有する活性層512と、p型AlGaNクラッド層513とが形成されている。なお、ZnドープGaN層552aは、本発明の「絶縁性を有する層」の一例である。これにより、青色半導体レーザ素子510は、ZnドープGaN層552aによってn型GaN基板551とは電気的に絶縁されている。なお、n型AlGaNクラッド層511、活性層512およびp型AlGaNクラッド層513は、それぞれ、本発明の「第1導電型の第1半導体層」、「第1活性層」および「第2導電型の第2半導体層」の一例である。
また、図26に示すように、緑色半導体レーザ素子520は、n型GaN基板551の下面上に、高抵抗半導体層であるZnドープGaN層552bと、n型AlGaNクラッド層521と、AlGaNからなる量子井戸層および障壁層が交互に積層されたMQW構造を有する活性層522と、p型AlGaNクラッド層523とが形成されている。なお、ZnドープGaN層552bは、本発明の「絶縁性を有する層」の一例である。これにより、緑色半導体レーザ素子520は、ZnドープGaN層552bによってn型GaN基板551とは電気的に絶縁されている。なお、n型AlGaNクラッド層521、活性層522およびp型AlGaNクラッド層523は、それぞれ、本発明の「第1導電型の第1半導体層」、「第1活性層」および「第2導電型の第2半導体層」の一例である。
また、RGB3波長半導体レーザ素子部550を構成する赤色半導体レーザ素子540は、n型GaAs基板580の上面上に、n型AlGaInPクラッド層541と、GaInPからなる量子井戸層および障壁層が交互に積層されたMQW構造を有する活性層542と、p型AlGaInPクラッド層543とが形成されている。なお、n型AlGaInPクラッド層541、活性層542およびp型AlGaInPクラッド層543は、それぞれ、本発明の「第4半導体層」、「第2活性層」および「第3半導体層」の一例である。
なお、第5実施形態による半導体レーザ装置500のその他の構造および製造プロセスは、上記第2実施形態と同様である。
第5実施形態では、上記のように、赤色半導体レーザ素子540のp型AlGaInPクラッド層543を、融着層60を介してn型GaN基板551の表面上に接合することにより、p型AlGaInPクラッド層543をn型GaN基板551と電気的に接続するように構成することによって、n型GaN基板551は、ZnドープGaN層552aおよび552bにより青色半導体レーザ素子510および緑色半導体レーザ素子520とは電気的に絶縁されているので、このn型GaN基板551を、青色半導体レーザ素子510および緑色半導体レーザ素子520への電流供給路と絶縁された赤色半導体レーザ素子540への電流供給用の導電部材として利用することができる。これにより、赤色半導体レーザ素子540のp側電極45を容易に外部に接続することができる。また、n型GaN基板551が赤色半導体レーザ素子540のp側電極45と導通される一方、基台270上に設けられた1つの電極層73に3つの半導体レーザ素子(510、520および540)のn側電極(16、26および46)を一体的に接続することができるので、各半導体レーザ素子のカソードコモン接続を実現することができる。なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
(第5実施形態の変形例)
図27は、本発明の第5実施形態の変形例による半導体レーザ装置の構造を示した断面図である。図27を参照して、第5実施形態の変形例では上記第5実施形態と異なり、下面にSiドープn型GaN層601が形成されたn型GaN基板551を使用してRGB3波長半導体レーザ素子部650を形成する場合について説明する。なお、Siドープn型GaN層601は、本発明の「導電性半導体」の一例である。
ここで、第5実施形態の変形例では、半導体レーザ装置600は、Siドープn型GaN層601の下面上に、ZnドープGaN層552aおよび552bを介して青色半導体レーザ素子510および緑色半導体レーザ素子520が形成されたモノリシック2波長半導体レーザ素子630を備えている。また、赤色半導体レーザ素子540のp側電極45が、融着層60を介してSiドープn型GaN層601の凹部601aの底部601bに接合されている。また、赤色半導体レーザ素子540のn型GaAs基板580上(下面)のn側電極46が、導電性接着層1を介して、基台270に接合されている。なお、第5実施形態の変形例による半導体レーザ装置600のその他の構造は上記第5実施形態と同様である。
図28は、図27に示した第5実施形態の変形例による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。次に、図15〜図17、図27および図28を参照して、第5実施形態の変形例による半導体レーザ装置600の製造プロセスについて説明する。
まず、図28に示すように、n型GaN基板551の上面上に、Siドープn型GaN層601を所定の厚みに形成するとともに、Siドープn型GaN層601上にZnドープGaN層552を形成する。なお、ZnドープGaN層552は、本発明の「絶縁性を有する層」の一例である。その後、ZnドープGaN層552上に、青色半導体レーザ素子510および緑色半導体レーザ素子520を構成する半導体層をB方向に所定の間隔を隔てて形成する。そして、エッチング技術を用いて、Siドープn型GaN層601に凹部601aおよび分離溝601dをそれぞれ形成する。これにより、ZnドープGaN層552aおよび552bの部分が形成されるとともに、青色半導体レーザ素子510および緑色半導体レーザ素子520が所定の間隔を隔てて配置されたウェハ状態のモノリシック2波長半導体レーザ素子630が形成される。
次に、図15〜図17に示した上記第2実施形態と同様の製造プロセスにより、短冊状の赤色半導体レーザ素子540(図27参照)を形成するとともに、モノリシック2波長半導体レーザ素子630(図27参照)の凹部601aの底部601bに設けられた電極層54と、短冊状の赤色半導体レーザ素子540のp側電極45とを対向させながら、融着層60を介して貼り合わせる。その後、素子分割によりチップ化を行い、図27に示したRGB3波長半導体レーザ素子部650が形成される。この際、分離溝601d(図28参照)が分割されて段差部601c(図27参照)が形成される。
なお、第5実施形態の変形例による半導体レーザ装置600のその他の製造プロセスは、上記第5実施形態と同様である。また、第5実施形態の変形例の効果は、上記第5実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第4実施形態では、絶縁性を有する層を、高抵抗半導体層であるアンドープGaAs層52からなるように構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、n型GaAs基板51上にSiOなどからなる絶縁膜を形成することにより基板(導電性半導体)と基板上に形成される半導体レーザ素子とを電気的に絶縁するように構成してもよい。
また、上記第5実施形態では、絶縁性を有する層を、高抵抗半導体層であるZnドープGaN層552aおよび552bからなるように構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、n型GaN基板551上にSiOなどからなる絶縁膜を形成することにより基板(導電性半導体)と基板上に形成される半導体レーザ素子とを電気的に絶縁するように構成してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、絶縁性を有する層にアンドープGaAs層52を用いた例について示したが、本発明はこれに限らず、Crおよび酸素がドープされた半絶縁性GaAs層などを用いてもよい。この場合、半絶縁性GaAs層は、約1×10Ωcm以上の電気抵抗率を有するように構成するのが好ましい。
また、上記第1〜第5実施形態では、多波長半導体レーザ素子部が接合される基台を、AlNからなる基板により構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、基台を、SiC、Si、ダイヤモンドおよび立方晶窒化ホウ素(CBN)などの熱伝導率の良好な絶縁体からなる基板により構成してもよい。
また、上記第1〜第5実施形態では、多波長レーザ素子部(p−n接合部)が基台(サブマウント)に対して下向きに接合されるジャンクションダウン方式により半導体レーザ装置を構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、多波長レーザ素子部が基台に対して上向きに接合されるジャンクションアップ方式により半導体レーザ装置を構成してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、2つの半導体レーザ素子からなるモノリシック2波長半導体レーザ素子に対して、1つの青紫色半導体レーザ素子を貼り合わせることにより3波長半導体レーザ素子部を形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、同一の成長用基板上に2つ以外の複数の半導体レーザ素子からなる多波長レーザ素子部(第1半導体レーザ素子)を形成するとともに、互いに異なる波長のレーザ光を出射する2つ以上の半導体レーザ素子(第2半導体レーザ素子)を貼り合わせることによって、多波長レーザ素子部を形成するようにしてもよい。
また、上記第1〜第5実施形態では、2つの半導体レーザ素子からなるモノリシック2波長半導体レーザ素子に対して、1つの半導体レーザ素子を貼り合わせることにより3波長半導体レーザ素子部を形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、1つの半導体レーザ素子(第1半導体レーザ素子)に対して、互いに異なる波長のレーザ光を出射する2つ以上の半導体レーザ素子(第2半導体レーザ素子)を貼り合わせることによって、多波長レーザ素子部を形成するようにしてもよい。たとえば、n型GaAs基板上にGaAs層などの絶縁層を介して形成された赤色半導体レーザ素子に、それぞれ個別に形成された青色半導体レーザ素子および緑色半導体レーザ素子を順次貼り合わせることによりRGB多波長半導体レーザ素子部を形成することも可能である。この場合も、上記実施形態と同様に、n型GaAs基板が青色半導体レーザ素子および緑色半導体レーザ素子のp側電極と導通される一方、基台上に設けられた1つの電極層に3つの半導体レーザ素子のn側電極を一体的に接続することができるので、各半導体レーザ素子のカソードコモン接続を実現することができる。
また、上記第1〜第4実施形態では、青紫色半導体レーザ素子を、AlGaNやInGaNなどの窒化物系半導体層により形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、青紫色半導体レーザ素子を、AlN、InN、BN、TlNおよびこれらの混晶からなるウルツ鉱構造の窒化物系半導体層により形成してもよい。
また、上記第1〜第5実施形態では、多波長半導体レーザ素子部を構成する各半導体レーザ素子の共振器面(光出射面および光反射面)に形成した誘電体多層膜を、Al元素を含むAlN膜やAl膜などを適用した例について示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、SiO、ZrO、Ta、Nb、La、SiN、MgF、GaNおよびBNや、これらの組成比の異なる材料であるTiやNbなどからなる単層または多層膜を適用してもよい。
また、上記第1〜第5実施形態では、平坦な基板上に下部クラッド層、活性層および上部クラッド層などを順次形成し、その上の電流路を電流ブロック層(絶縁膜)により狭く制限する利得導波型のオキサイドストライプ構造を有する窒化物系半導体レーザ素子を用いて多波長半導体レーザ素子部を形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、リッジ部をSiOまたはAlGaNなどからなる電流ブロック層で埋め込んだ屈折率分布導波型のリッジ導波構造を有する窒化物系半導体レーザ素子を用いて多波長半導体レーザ素子部を形成してもよい。
また、上記第3実施形態では、モノリシック2波長半導体レーザ素子330の半導体層が形成された表面からアンドープGaAs層52cを貫通してn型GaAs基板351まで達する穴部351bを設けるとともに、穴部351bの内側面に導通部352を真空蒸着法により形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、穴部351bの内部に導電性材料を充填して導通部構造を形成するようにしてもよい。
また、上記第5実施形態の変形例では、Siドープn型GaN層601とは反対側のn型GaN基板551の上面上にp側電極53を形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、製造プロセスにおいて、n型GaN基板551をSiドープn型GaN層601から除去するとともに、除去後のSiドープn型GaN層601の上面上にp側電極を形成してもよい。この変形例のように構成しても、Siドープn型GaN層601は、ZnドープGaN層552aおよび552bにより青色半導体レーザ素子510および緑色半導体レーザ素子520とは電気的に絶縁される一方、赤色半導体レーザ素子540への電流供給用の導電部材として利用することができるので、赤色半導体レーザ素子540のp側電極45を容易に外部に接続することができる。
本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態の変形例による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。 本発明の第2実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した断面図である。 図14に示した第2実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図14に示した第2実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図14に示した第2実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した断面図である。 図18に示した第3実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図18に示した第3実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図18に示した第3実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図18に示した第3実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第4実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。 図23に示した第4実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。 図23に示した第4実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第5実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した断面図である。 本発明の第5実施形態の変形例による半導体レーザ装置の構造を示した断面図である。 図27に示した第5実施形態の変形例による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。
符号の説明
10、410 赤外半導体レーザ素子(第1半導体レーザ素子)
11 n型AlGaAsクラッド層(第1導電型の第1半導体層)
12、22、512、522 活性層(第1活性層)
13 p型AlGaAsクラッド層(第2導電型の第2半導体層)
20、420 赤色半導体レーザ素子(第1半導体レーザ素子)
21 n型AlGaInPクラッド層(第1導電型の第1半導体層)
23 p型AlGaInPクラッド層(第2導電型の第2半導体層)
40、240 青紫色半導体レーザ素子(第2半導体レーザ素子)
41 n型AlGaNクラッド層(第4半導体層)
42、542 活性層(第2活性層)
43 p型AlGaNクラッド層(第3半導体層)
51、351 n型GaAs基板(導電性半導体)
51a、551a、601a 凹部
51b、551b、601b 底部
52、52a、52b、52c アンドープGaAs層(絶縁性を有する層)
60 融着層
70、270、275 基台(放熱基台)
80 n型GaN基板(成長用基板)
352 導通部(接続領域)
510 青色半導体レーザ素子(第1半導体レーザ素子)
511 n型AlGaNクラッド層(第1導電型の第1半導体層)
513 p型AlGaNクラッド層(第2導電型の第2半導体層)
520 緑色半導体レーザ素子(第1半導体レーザ素子)
521 n型AlGaNクラッド層(第1導電型の第1半導体層)
523 p型AlGaNクラッド層(第2導電型の第2半導体層)
540 赤色半導体レーザ素子(第2半導体レーザ素子)
541 n型AlGaInPクラッド層(第4半導体層)
543 p型AlGaInPクラッド層(第3半導体層)
551 n型GaN基板(導電性半導体)
552、552a、552b ZnドープGaN層(絶縁性を有する層)
580 n型GaAs基板(成長用基板)
601 Siドープn型GaN層(導電性半導体)

Claims (7)

  1. 導電性半導体の表面上に形成され、絶縁性を有する層、第1導電型の第1半導体層、第1活性層および第2導電型の第2半導体層の順に有する第1半導体レーザ素子と、
    前記導電性半導体の表面上に融着層を介して接合されるとともに、前記導電性半導体と電気的に接続され、前記導電性半導体の側から、第1導電型または第2導電型の一方の導電型の第3半導体層、第2活性層および前記第1導電型または前記第2導電型の他方の導電型の第4半導体層の順に有する第2半導体レーザ素子とを備える、半導体レーザ装置。
  2. 前記絶縁性を有する層は、高抵抗半導体層からなる、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記第3半導体層は、前記第2半導体層と同じ導電型である、請求項1または2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記第1導電型は、n型である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  5. 導電性半導体の表面上に、絶縁性を有する層、第1導電型の第1半導体層、第1活性層および第2導電型の第2半導体層の順に積層することにより、第1半導体レーザ素子を形成する工程と、
    成長用基板の表面上に、第1導電型または第2導電型の一方の導電型の第4半導体層、第2活性層、および、前記第1導電型または前記第2導電型の他方の導電型の第3半導体層の順に積層することにより、第2半導体レーザ素子を形成する工程と、
    前記導電性半導体の表面上の前記第1半導体レーザ素子が形成されていない領域に、融着層を介して前記第3半導体層を接合することにより、前記第3半導体層と前記導電性半導体とが電気的に接続された状態で前記第1半導体レーザ素子と前記第2半導体レーザ素子とを貼り合わせる工程とを備える、半導体レーザ装置の製造方法。
  6. 前記導電性半導体の表面上の前記第1半導体レーザ素子が形成されていない領域に、底部が前記導電性半導体まで達する凹部を形成する工程をさらに備え、
    前記貼り合わせる工程は、前記底部に前記融着層を介して前記第3半導体層を接合することにより、第1半導体レーザ素子と第2半導体レーザ素子とを貼り合わせる工程を含む、請求項5に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  7. 前記第1半導体レーザ素子と前記第2半導体レーザ素子とを貼り合わせる工程の後に、前記成長用基板を除去する工程をさらに備える、請求項5または6に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
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