JP2010015786A - 多色発光表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】下層部の発光効率が改善される多色発光表示装置を提供する。
【解決手段】基板と、該基板上に設けられる下部電極層と、該下部電極層上に設けられ層の数がnである電極層と、該下部電極層と該電極層との間、及び該電極層と該電極層との間に設けられ少なくとも発光層を含む有機化合物層と、から構成され、該下部電極層及び該電極層のうち少なくとも1層が選択反射電極であることを特徴とする、多色発光表示装置。
【選択図】図1
【解決手段】基板と、該基板上に設けられる下部電極層と、該下部電極層上に設けられ層の数がnである電極層と、該下部電極層と該電極層との間、及び該電極層と該電極層との間に設けられ少なくとも発光層を含む有機化合物層と、から構成され、該下部電極層及び該電極層のうち少なくとも1層が選択反射電極であることを特徴とする、多色発光表示装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、有機発光素子を利用した多色発光表示装置に関する。
有機発光素子(有機発光素子、有機エレクトロルミネッセンス素子)が現在盛んに研究開発されている。最近では、表示装置のうち共通する領域から所望の色を発光できるように、所望の色を発光することができる有機発光素子を複数配列した高解像度多色表示装置の研究開発が進められている。
多色発光表示装置として、例えば、特許文献1では、表示装置を構成する各積層体から所望の色の光を発光させるために、各々の積層体に対して個別のバイアス電圧を入力できるように構成され、多色表示する表示装置が開示されている。
しかし特許文献1のように、複数の発光層を積層させて構成する従来技術においては、光取り出し側に対して最下層部の発光が上部の積層膜、特に、電極層により妨げられるため、装置全体として高い発光効率が得られないという課題がある。
本発明の目的は、下層部の発光効率が改善される多色発光表示装置を提供することである。
本発明の多色発光表示装置は、基板と、
該基板上に設けられる下部電極層と、
該下部電極層上に設けられ層の数がnである電極層と、
該下部電極層と該電極層との間及び該電極層と電極層との間に設けられ少なくとも発光層を含む有機化合物層と、から構成され、
該下部電極層及び該電極層のうち少なくとも1層が選択反射電極であることを特徴とする。
該基板上に設けられる下部電極層と、
該下部電極層上に設けられ層の数がnである電極層と、
該下部電極層と該電極層との間及び該電極層と電極層との間に設けられ少なくとも発光層を含む有機化合物層と、から構成され、
該下部電極層及び該電極層のうち少なくとも1層が選択反射電極であることを特徴とする。
本発明によれば、多色発光表示装置において、少なくとも1つの電極層を選択反射電極とする。これにより下部層の発光効率が改善された多色発光表示装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の多色発光表示装置は、基板と、該基板上に設けられる下部電極層と、該下部電極層上に設けられ層の数がnである電極層と、該下部電極層と該電極層との間、及び該電極層と該電極層との間に設けられ少なくとも発光層を含む有機化合物層と、から構成される。例えば、図1に示されるように、基板100上に、第1電極層(下部電極層)110と第1有機化合物層11とが順次設けられる。そして、以後第2電極層120、第2有機化合物層12、第3電極層130、第3有機化合物層13、第4電極層140、というように電極層と有機化合物層とが交互に積層される。最後は、第n電極層C、第n有機化合物層B、第n+1電極層Aの順に形成される。尚、図1において、150は保護膜である。
ただし、表示装置に設けられている電極層に電圧を印加する関係上、nの値は、通常、2乃至12である。
本発明の多色発光表示装置において、好ましくは、nが3又は4である。
即ちnが3の場合は、多色発光表示装置は、基板と、基板上に備える3層の電極層と、この3層の電極層間に設けられる2層の有機化合物層と、から構成されるものである。具体的には、1層目の電極層である第1電極層は、基板上に設けられるものである。この第1電極層上には、所定の色を発する第1発光層を含む第1有機化合物層が設けられる。この第1有機化合物層上には、第2電極層が設けられる。この第2電極層上には、所定の色を発する第2発光層を含む第2有機化合物層が設けられる。この第2有機化合物層上には、第3電極層が設けられる。
一方、nが4の場合は、多色発光表示装置は、基板と、基板上に備える4層の電極層と、この4層の電極層間に設けられる3層の有機化合物層と、から構成されるものである。具体的には、1層目の電極層である第1電極層は、基板上に設けられるものである。この第1電極層上には、所定の色を発する第1発光層を含む第1有機化合物層が設けられる。この第1有機化合物層上には、第2電極層が設けられる。この第2電極層上には、所定の色を発する第2発光層を含む第2有機化合物層が設けられる。この第2有機化合物層上には、第3電極層が設けられる。この第3電極層上には、所定の色を発する第3発光層を含む第3有機化合物層が設けられる。この第3有機化合物層上には、第4電極層が設けられる。
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。図2は、本発明の多色発光表示装置における第1の実施形態を示す断面模式図である。図2の多色発光表示装置2は、いわゆるトップエミッション型の表示装置である。また図2の多色発光表示装置2は、基板20上に合計4層(n=4)の電極層(210,220,230,240)と、電極層間に設けられる合計3層の有機化合物層(21,22,23)と、から構成されるものである。
本発明の多色発光表示装置は、電極層と有機化合物層とがそれぞれ交互に積層されている。例えば、図2の多色発光表示装置2においては、支持体200、TFT駆動回路201、コンタクトホール202及び平坦化膜204からなる基板21上に、第1電極層210が形成されている。第1電極層210の上には、第1有機化合物層21、第2電極層220、第2有機化合物層22、第3電極層230、第3有機化合物層23、第4電極層2140、保護層250がこの順でそれぞれ設けられている。
図2の多色発光表示装置2は、第1有機化合物層21乃至第3有機化合物層23のいずれかを発光させるために、発光させる有機化合物層を挟持している電極層に通電する。こうすることで、陽極になる電極層から注入されたホールと、陰極になる電極層から注入された電子とが、陽極と陰極とに挟持されている有機化合物層において再結合することにより、それぞれの光a1,b1,c1を放出することになる。
一方、干渉効果を利用して光を外部に効率よく取り出すためには、複数ある電極層の一部が金属からなる反射電極であって、下記に示す関係式(1)を満たす構成にすることが好ましい。
2nL=λ(m−δ/2π) (1)
2nL=λ(m−δ/2π) (1)
式(1)において、nは、屈折率を表す。Lは、各反射電極間の光学的な距離を表す。δは、反射電極における位相シフト量を現し、mは自然数を表す。
しかしながら、多色積層型発光表示装置の場合、下層部の発光、即ち、第1有機化合物層21や第2有機化合物層22から発せられた光は、上層に配置される電極層によって反射されたり、吸収されたりすることにより表示装置から取り出しにくい状態にある。特に第3電極層230の反射(反射光c3)及び第4電極層240の反射(反射光b2及びc2)による遮蔽が大きい。即ち、干渉効果を利用するために使用される反射電極が結果的に下層部の有機化合物層の光取り出しを妨げてしまうので、全ての有機化合物層において発光効率を改善するのが困難である。
そこで本発明の多色発光表示装置は、上部に配置される電極層を、可視光において透過率及び反射率が光の波長に依存する特性を持つ選択反射電極にする。こうすることで、下層部からの発光も効果的に表示装置から取り出すことができる。
一方、本発明の多色発光表示装置では、有機化合物層の積層順は特に限定されるものではない。ただしその積層順に応じて、選択反射電極を選ぶことが好ましい。例えば、第1有機化合物層の発光色が赤、第2有機化合物層の発光色が緑、第3有機化合物層の発光色が青の場合、第2電極層を、緑の波長領域において反射率が高く、赤の波長領域において透過率が高い選択反射電極を用いるのが好ましい。また、このときに第3電極層を、青の波長領域において反射率が高く、緑及び赤の波長領域において透過率が高い選択反射電極を用いるのが好ましい。同様に、例えば、第1有機化合物層の発光色が青、第2有機化合物層の発光色が緑、第3有機化合物層の発光色が赤の場合、第2電極層を、緑の波長領域において反射率が高く、青の波長領域において透過率が高い選択反射電極を用いるのが好ましい。また、このときに第3電極層は、赤の波長領域において反射率が高く、緑及び青の波長領域において透過率が高い選択反射電極を用いるのが好ましい。また、これら電極層は両方共に選択反射電極にする必要はない。必要に応じて、例えば、第2電極層及び第3電極のいずれかは一つの層で構成される金属膜又は透明導電膜であってもよい。
上述した選択反射電極は、電極として利用できる導電率を有し、かつ可視光において透過率及び反射率に波長依存性を有していれば特に限定されない。好ましくは、透明導電膜と、金属膜と、からなる4層以上の積層体であることが好ましい。
透明導電膜としては酸化物導電体で構成される薄膜を採用することができる。酸化物導電体として、具体的には、Indium Tin Oxide(ITO)やIndium Zinc Oxide(IZO)、Indium Tin Zinc Oxide(ITZO)等が挙げられる。尚、ここでいう「透明」とは、可視光に対して透過率が80%以上であることをいい、より具体的には、複素屈折率κが0.05以下、好ましくは0.01以下であることをいうものである。
金属膜としては、Al、Mg、Cu、Ti、Au、Pt、Ag、Cr、Pd、Se、Ir等の金属単体からなる薄膜及びこれら金属単体を複数組み合わせた合金からなる薄膜等が挙げ、Ag及びその合金である。
選択反射電極の形成方法は特に限定はされないが、真空蒸着法、スパッタリングが好適である。
選択反射電極の構成として、例えば、Al/ITO/Al/ITO、ITO/Al/ITO/Al、Ag/ITO/Ag/ITO、ITO/Ag/ITO/Ag、Al/ITO/Ag/ITO、Al/ITO/Ag/ITO、Al/IZO/Al/IZO、IZO/Al/IZO/Al、Ag/IZO/Ag/IZO、IZO/Ag/IZO/Ag、Al/IZO/Ag/IZO、Al/IZO/Ag/IZO、Ag/ITZO/Ag/ITZO、ITZO/Ag/ITZO/Ag、ITO/Ag/IZO/Ag、Al/ITO/Al/ITO/Al、Al/ITO/Al/ITO/Al/ITO、Ag/ITO/Ag/ITO/Ag、Ag/ITO/Ag/ITO/Ag/ITO、Al/IZO/Al/IZO/Al、Al/IZO/Al/IZO/Al/IZO、Ag/IZO/Ag/IZO/Ag、Ag/IZO/Ag/IZO/Ag/IZO、Al/IZO/Al/IZO/Al/IZO/Al/IZO、Ag/IZO/Ag/IZO/Ag/IZO/Ag/IZO等が挙げられる。
選択反射電極を構成する各層の膜厚は特に限定されないが、透明導電膜の場合は、5nm乃至300nmが好ましい。一方、金属膜の場合は、1nm乃至20nmが好ましい。また、選択反射電極のトータルの膜厚は20nm乃至300nmが好ましい。
また、選択反射電極において、反射させたい光の波長領域における反射率は、好ましくは30%以上であり、より好ましくは40%以上である。一方、選択反射電極において、透過させたい光の波長領域における透過率は、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上である。図3は、本発明で用いる選択反射電極の波長特性の一例を示す図である。図3において、(A)は、赤の波長領域の光を透過し、青や緑の波長領域の光を反射する電極である。また(B)は、赤の波長領域の光を反射し、青や緑の波長領域の光を透過する電極である。
本発明の多色発光表示装置は、保護層側から光を取り出すトップエミッション型と、基板側から光を取り出すボトムエミッション型とのいずれにも適用することができる。ただし、アクティブマトリックス駆動の表示装置を考えた場合、開口率の確保という観点から、トップエミッション型が好ましい。
図4は、本発明の多色発光表示装置における第2の実施形態を示す断面概略図である。図4の多色発光表示装置3において、基板30は、支持体300と、TFT駆動回路301と、コンタクトホール302と、平坦化膜303とからなる。
この基板30上には、第1電極層310が設けられている。この第1電極層310上には、第1ホール注入層311と、第1ホール輸送層312と、第1発光層313と、第1電子輸送層314と、第1電子注入層315と、がこの順に積層されている第1有機化合物層31が設けられている。尚、第1電極層310が陰極として機能する場合は、第1有機化合物層は、第1電子注入層、第1電子輸送層、第1発光層、第1ホール輸送層及び第1ホール注入層の順に積層されている積層体であってもよい。
第1有機化合物層31上には、第2電極層320が設けられている。この第2電極層320上には、第2ホール注入層321と、第2ホール輸送層322と、第2発光層323と、第2電子輸送層324と、第2電子注入層325と、がこの順に積層されている第2有機化合物層32が設けられている。尚、第2電極層320が陰極として機能する場合は、第2有機化合物層は、第2電子注入層、第2電子輸送層、第2発光層、第2ホール輸送層及び第2ホール注入層の順に積層されている積層体であってもよい。
第2有機化合物層32上には、第3電極層330が設けられている。この第3電極層330上には、第3ホール注入層331と、第3ホール輸送層332と、第3発光層333と、第3電子輸送層334と、第3電子注入層335と、がこの順に積層されている第3有機化合物層33が設けられている。尚、第3電極層330が陰極として機能する場合は、第3有機化合物層は、第3電子注入層、第3電子輸送層、第3発光層、第3ホール輸送層及び第3ホール注入層の順に積層されている積層体であってもよい。尚、第1電極層310、第2電極層320及び第3電極層330は、それぞれ単一の層で構成されてもよいし、複数の電極膜(例えば、2層の電極膜)からなる電極層であってもよい。
第3有機化合物層33上には、第4電極層340と、保護層350とがこの順で設けられている。尚、本発明の多色発光表示装置において、各有機化合物層(31,32,33)の層構成は、発光層(又は発光層に相当する層)が含まれていれば特に限定されるものではない。
本発明の多色発光表示装置で使用される支持体300は、特に限定されないが、金属、セラミックス、ガラス、石英等が挙げられる。また、プラスチックシート等のフレキシブルシート上にTFTを作成して、フレキシブル表示装置とすることも可能である。
TFT回路を覆う平坦化膜は特に限定されないが、窒化シリコン、窒化酸化シリコン等の金属窒化物膜や、酸化タンタル等の金属酸化物膜、アクリル、ポリイミド、ポリパラキシレン、ポリエチレン、シリコン樹脂、ポリスチレン樹脂等の高分子膜が挙げられる。
各電極層310、320、330、340のうち少なくとも1層は、上述した選択反射電極である。一方、選択反射電極ではない電極層の構成材料として、Al、Mg、Cu、Ti、Au、Pt、Ag、Cr、Pd、Se、Ir等の金属単体及びこれら金属単体を複数組み合わせた合金、ポリシリコン、シリサイド、ITO、IZO、ITZO、SnO2等の無機材料、ハイドープされたポリピリジン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンに代表される導電性高分子に炭素粒子、銀粒子等を分散した導電性インク等が挙げられる。また、Al/ITO、Ag/IZO、Ag/Mg、Al/Mgといったように、電極層を2層構成とすることもできる。
電極層の形成方法は特に限定はされない。例えば、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマあるいは、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により薄膜を形成する。
ホール注入層及びホール輸送層の構成材料として、トリフェニルジアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ポリフィリル誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体等の低分子化合物、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリピリジン誘導体等の共役高分子化合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。蒸着プロセスが利用できる観点から低分子化合物が好ましい。
発光層の構成材料として、前記したホール輸送層の構成材料及び後述する電子輸送層の構成材料を使用してもよい。具体的には、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリーレン誘導体、芳香族縮合多環化合物、芳香族複素環化合物、芳香族複素縮合環化合物、これらのオリゴ体あるいは、複合オリゴ体、Al錯体、Mg錯体、亜鉛錯体、Ir錯体、Au錯体、Ru錯体、Re錯体、Os錯体等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。蒸着プロセスが利用できる観点から低分子化合物が好ましい。また、これらの発光材料の一種以上をホール輸送層又は電子輸送層にドーピングすることで得られる混合層を発光層としてもよい。
電子輸送層はアルミキノリノール誘導体、フェナントロリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェニルキノキサリン誘導体、シロール誘導体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。蒸着プロセスが利用できる観点から低分子化合物が好ましい。また発光特性が優れているフェナントロリン誘導体がより好ましい。
電子注入層はアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属、それらの酸化物、塩化物、フッ化物、炭酸塩及び、それらと前記電子輸送層との混合物が挙げられる。好ましくはリチウム化合物あるいはセシウム化合物と電子輸送層の混合物が好ましい。
有機化合物層の形成方法は特に限定はされない。例えば、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマあるいは、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により薄膜を形成することができる。
保護層は、酸素や水分等との接触を防止する目的で設けられる。保護層としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン等の金属窒化物膜や、酸化タンタル等の金属酸化物膜、ダイヤモンド薄膜、また、フッ素樹脂等が挙げられる。さらに、ポリイミド、ポリパラキシレン、ポリエチレン、シリコン樹脂、ポリスチレン樹脂等の高分子膜、さらには、光硬化性樹脂等が挙げられる。また、ガラス、気体不透過性フィルム、金属などをカバーし、適当な封止樹脂により素子自体をパッケージングすることもできる。また、防湿性を高める為に、保護層内に吸湿材を含有させてもよい。尚、透明基板上に透明電極を形成し、その上に有機EL層、反射性電極を積層したボトムエミッション構成においても本発明を実施することは可能であり、特に限定されるものではない。
本発明の多色発光表示装置は、面内に複数の有機発光素子となる部材を縦方向に複数有する表示装置である。好ましくは、ディスプレイの情報表示部に用いられる。ディスプレイのサイズは特に制限されないが、例えば、1インチから30インチまでが好ましい。またディスプレイに内蔵される画素数は特に制限はない。例えばQVGA(320×240画素)、VGA(640×480画素)、XGA(1024×728画素)、SXGA(1280×1024画素)、UXGA(1600×1200画素)、QXGA(2048×1536画素)が挙げられる。また、駆動方法としては単純マトリックス方法、アクティブマトリックス方法、何れにおいても有効である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明していくが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
図5に示される多色発光表示装置を以下に示される方法により作製した。
図5に示される多色発光表示装置を以下に示される方法により作製した。
スパッタリング法により、ガラス基板(支持体400)上に銀合金(AgPdCu)を成膜し銀合金薄膜を形成した。このとき銀合金薄膜の膜厚を100nmとした。次に、スパッタリング法により銀合金薄膜上にITOを成膜しITO薄膜を形成した。このときITO薄膜の膜厚を70nmとした。尚、形成した銀合金薄膜及びITO薄膜は、第1電極層410として機能する。次に、ITO薄膜の表面をイソプロピルアルコール(IPA)で超音波洗浄し、煮沸洗浄後乾燥した後、UV/オゾン処理を行った。
次に、第1電極層410が形成されている支持体400を真空蒸着装置に移動させた。次に、真空蒸着法により、ITO薄膜上に4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPD)を成膜して第1ホール輸送層411を形成した。このとき第1ホール輸送層411の膜厚を170nmとし、成膜速度を0.50nm/ses乃至0.52nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第1ホール輸送層411上に、Alq3と[4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(4−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン](DCM)とを重量比99:1の比率で共蒸着して第1発光層412を形成した。このとき第1発光層412の膜厚を30nmとした。次に、真空蒸着法により、第1発光層412上に、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)を成膜し第1電子輸送層413を形成した。このとき第1電子輸送層413の膜厚を20nmとし、成膜速度を0.30nm/ses乃至0.32nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第1電子輸送層413上に、BCPと炭酸セシウムとを重量比9:1の比率で共蒸着して第1電子注入層414を形成した。このとき第1電子注入層414の膜厚を40nmとした。
次に、スパッタリング法により、第1電子注入層414上に、IZOを成膜し第2電極層420を形成した。このとき第2電極層420の膜厚を30nmとした。
次に、真空蒸着法により、第2電極層420上にNPDを成膜して第2ホール輸送層421を形成した。このとき第2ホール輸送層421の膜厚を90nmとし、成膜速度を0.50nm/ses乃至0.52nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第2ホール輸送層421上に、Alq3とクマリン6とを重量比99:1の比率で共蒸着して第2発光層422を形成した。このとき第2発光層422の膜厚を40nmとした。次に、真空蒸着法により、第2発光層422上に、BCPを成膜し第2電子輸送層423を形成した。このとき第2電子輸送層423の膜厚を20nmとし、成膜速度を0.30nm/ses乃至0.32nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第2電子輸送層423上に、BCPと炭酸セシウムとを重量比9:1の比率で共蒸着して第2電子注入層424を形成した。このとき第2電子注入層424の膜厚を40nmとした。
次に、スパッタリング法により、第2電子注入層424上に、Agを成膜し銀薄膜を形成した。このとき銀薄膜の膜厚を3nmとした。次に、この銀薄膜上にIZOを成膜しIZO薄膜を形成した。このときIZO薄膜の膜厚を55nmとした。尚、第2電子注入層424上に順次形成された銀薄膜及びIZO薄膜は第3電極層430として機能する。
次に、真空蒸着法により、第3電極層430上にNPDを成膜して第3ホール輸送層431を形成した。このとき第3ホール輸送層431の膜厚を50nmとし、成膜速度を0.50nm/ses乃至0.52nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第3ホール輸送層431上に、下記に示す化合物[I]と化合物[II]とを重量比4:1の比率で共蒸着して第3発光層432を形成した。このとき第3発光層432の膜厚を40nmとした。
次に、真空蒸着法により、第3発光層432上に、BCPを成膜し第3電子輸送層433を形成した。このとき第3電子輸送層433の膜厚を20nmとし、成膜速度を0.30nm/ses乃至0.32nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第3電子輸送層433上に、BCPと炭酸セシウムとを重量比9:1の比率で共蒸着して第3電子注入層434を形成した。このとき第3電子注入層434の膜厚を60nmとした。
次に、スパッタリング法により、第3電子注入層434上にAgを成膜し第4電極層440を形成した。このとき第4電極層440の膜厚を10nmとした。
次に、スパッタリング法により、第4電極層440上に窒化酸化シリコンを成膜し保護膜450を形成した。このとき保護膜の膜厚1200nmとした。以上により多色発光表示装置が得られた。
得られた表示装置において、第1有機化合物層41(赤色発色)、第2有機化合物層42(緑色発色)、第3有機化合物層43(青色発色)のそれぞれについて、室温にて電流(電流密度:20mA/cm2)を通電したときの発光輝度を測定した。また測定により得られた発光輝度から電流効率を算出した。算出結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、第2電極層420の層構成を、IZO(膜厚55nm)/Ag(膜厚3nm)/IZO(膜厚5nm)/Ag(膜厚7nm)とする以外は、実施例1と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表1に示す。
実施例1において、第2電極層420の層構成を、IZO(膜厚55nm)/Ag(膜厚3nm)/IZO(膜厚5nm)/Ag(膜厚7nm)とする以外は、実施例1と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、第3電極層430の層構成を、Ag(膜厚11nm)とする以外は実施例1と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表1に示す。
実施例1において、第3電極層430の層構成を、Ag(膜厚11nm)とする以外は実施例1と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、第2電極層420層構成を、ITO(膜厚30nm)とした。また第3電極層430の層構成を、Ag(3nm)/IZO(55nm)/Ag(8nm)/IZO(5nm)から、ITO(8nm)/Ag(3nm)/ITO(60nm)/Ag(9nm)とした。これらを除いては、実施例1と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表1に示す。
実施例1において、第2電極層420層構成を、ITO(膜厚30nm)とした。また第3電極層430の層構成を、Ag(3nm)/IZO(55nm)/Ag(8nm)/IZO(5nm)から、ITO(8nm)/Ag(3nm)/ITO(60nm)/Ag(9nm)とした。これらを除いては、実施例1と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、第2電極層420層構成を、ITO(膜厚30nm)とした。また第3電極層430の層構成を、Ag(膜厚11nm)に変更した。これらを除いては、実施例1と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表1に示す。
実施例1において、第2電極層420層構成を、ITO(膜厚30nm)とした。また第3電極層430の層構成を、Ag(膜厚11nm)に変更した。これらを除いては、実施例1と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表1に示す。
[実施例4]
図5に示される多色発光表示装置を以下に示される方法により作製した。
図5に示される多色発光表示装置を以下に示される方法により作製した。
スパッタリング法により、ガラス基板(支持体400)上に銀合金(AgPdCu)を成膜し銀合金薄膜を形成した。このとき銀合金薄膜の膜厚を100nmとした。次に、スパッタリング法により銀合金薄膜上にITOを成膜しITO薄膜を形成した。このときITO薄膜の膜厚を70nmとした。尚、形成した銀合金薄膜及びITO薄膜は、第1電極層410として機能する。次に、ITO薄膜の表面をイソプロピルアルコール(IPA)で超音波洗浄し、煮沸洗浄後乾燥した後、UV/オゾン処理を行った。
次に、第1電極層410が形成されている支持体400を真空蒸着装置に移動させた。次に、真空蒸着法により、NPDを成膜して第1ホール輸送層411を形成した。このとき第1ホール輸送層411の膜厚を50nmとし、成膜速度を0.50nm/ses乃至0.52nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第1ホール輸送層411上に、化合物[I]と化合物[II]とを重量比4:1の比率で共蒸着して第1発光層412を形成した。このとき第1発光層412の膜厚を40nmとした。次に、真空蒸着法により、第1発光層412上に、BCPを成膜し第1電子輸送層413を形成した。このとき第1電子輸送層413の膜厚を20nmとし、成膜速度を0.30nm/ses乃至0.32nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第1電子輸送層413上に、BCPと炭酸セシウムとを重量比9:1の比率で共蒸着して第1電子注入層414を形成した。このとき第1電子注入層414の膜厚を60nmとした。
次に、スパッタリング法により、第1電子注入層414上に、IZOを成膜し第2電極層420を形成した。このとき第2電極層420の膜厚を30nmとした。
次に、真空蒸着法により、第2電極層420上にNPDを成膜して第2ホール輸送層421を形成した。このとき第2ホール輸送層421の膜厚を90nmとし、成膜速度を0.50nm/ses乃至0.52nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第2ホール輸送層421上に、Alq3とクマリン6とを重量比99:1の比率で共蒸着して第2発光層422を形成した。このとき第2発光層422の膜厚を40nmとした。次に、真空蒸着法により、第2発光層422上に、BCPを成膜し第2電子輸送層423を形成した。このとき第2電子輸送層423の膜厚を20nmとし、成膜速度を0.30nm/ses乃至0.32nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第2電子輸送層423上に、BCPと炭酸セシウムとを重量比9:1の比率で共蒸着して第2電子注入層424を形成した。このとき第2電子注入層424の膜厚を90nmとした。
次に、スパッタリング法により、第2電子注入層424上に、Agを成膜し第1の銀薄膜を形成した。このとき第1の銀薄膜の膜厚を5nmとした。次に、この第1の銀薄膜上にIZOを成膜し第1のIZO薄膜を形成した。このとき第1のIZO薄膜の膜厚を30nmとした。次に、この第1のIZO薄膜上にAgを成膜し第2の銀薄膜を形成した。このとき第2の銀薄膜の膜厚を9nmとした。次に、この第2の銀薄膜上にIZOを成膜し第2のIZO薄膜を形成した。このとき第2のIZO薄膜の膜厚を5nmとした。尚、第2電子注入層424上に順次形成されたAg/IZO/Ag/IZOからなる積層体は第3電極層430として機能する。
次に、真空蒸着法により、第3電極層430上にNPDを成膜して第3ホール輸送層431を形成した。このとき第3ホール輸送層431の膜厚を160nmとし、成膜速度を0.50nm/ses乃至0.52nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第3ホール輸送層431上に、Alq3とDCMとを重量比99:1の比率で共蒸着して第3発光層432を形成した。このとき第3発光層432の膜厚を40nmとした。次に、真空蒸着法により、第3発光層432上に、BCPを成膜し第3電子輸送層433を形成した。このとき第3電子輸送層433の膜厚を20nmとし、成膜速度を0.30nm/ses乃至0.32nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第3電子輸送層433上に、BCPと炭酸セシウムとを重量比9:1の比率で共蒸着して第3電子注入層434を形成した。このとき第3電子注入層434の膜厚を60nmとした。
次に、スパッタリング法により、第3電子注入層434上にAgを成膜し第4電極層440を形成した。このとき第4電極層440の膜厚を10nmとした。
次に、スパッタリング法により、第4電極層440上に窒化酸化シリコンを成膜し保護膜450を形成した。このとき保護膜の膜厚1200nmとした。以上により多色発光表示装置が得られた。
得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例4において、第3電極層430の層構成を、Ag(14nm)にする以外は、実施例4と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表1に示す。
実施例4において、第3電極層430の層構成を、Ag(14nm)にする以外は、実施例4と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例4において、第2電極層420の層構成を、IZO(5nm)/Ag(10nm)/IZO(5nm)/Ag(3nm)/IZO(5nm)とし、第4電極層440の層構成をIZO(30nm)にした。これ以外は、実施例4と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表1に示す。
実施例4において、第2電極層420の層構成を、IZO(5nm)/Ag(10nm)/IZO(5nm)/Ag(3nm)/IZO(5nm)とし、第4電極層440の層構成をIZO(30nm)にした。これ以外は、実施例4と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例4において、第3電極層430の層構成を、Al(3nm)/IZO(37nm)/Al(5nm)/IZO(12nm)とし、第4電極層440の層構成をIZO(30nm)にする以外は、実施例4と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表1に示す。
実施例4において、第3電極層430の層構成を、Al(3nm)/IZO(37nm)/Al(5nm)/IZO(12nm)とし、第4電極層440の層構成をIZO(30nm)にする以外は、実施例4と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例4において、第3電極層430の層構成を、Ag(14nm)とし、第4電極層440の層構成をIZO(30nm)にする以外は、実施例4と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表1に示す。
実施例4において、第3電極層430の層構成を、Ag(14nm)とし、第4電極層440の層構成をIZO(30nm)にする以外は、実施例4と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表1に示す。
以上の実施例1,2と比較例1と、実施例3と比較例2と、実施例4と比較例3と、実施例5,6と比較例4と、を比較すると明らかであるが、本発明の多色発光表示装置は、下層部の発光効率が高いことがわかる。
[実施例7]
図6に示される多色発光表示装置を以下に示される方法により作製した。
図6に示される多色発光表示装置を以下に示される方法により作製した。
スパッタリング法により、ガラス基板(支持体500)上に銀合金(AgPdCu)を成膜し銀合金薄膜を形成した。このとき銀合金薄膜の膜厚を100nmとした。次に、スパッタリング法により銀合金薄膜上にITOを成膜しITO薄膜を形成した。このときITO薄膜の膜厚を70nmとした。尚、形成した銀合金薄膜及びITO薄膜は、第1電極層510として機能する。次に、ITO薄膜の表面をイソプロピルアルコール(IPA)で超音波洗浄し、煮沸洗浄後乾燥した後、UV/オゾン処理を行った。
次に、第1電極層510が形成されている支持体500を真空蒸着装置に移動させた。次に、真空蒸着法により、ITO薄膜上にNPDを成膜して第1ホール輸送層511を形成した。このとき第1ホール輸送層511の膜厚を170nmとし、成膜速度を0.50nm/ses乃至0.52nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第1ホール輸送層511上に、Alq3とDCMとを重量比99:1の比率で共蒸着して第1発光層512を形成した。このとき第1発光層512の膜厚を30nmとした。次に、真空蒸着法により、第1発光層512上に、BCPを成膜し第1電子輸送層513を形成した。このとき第1電子輸送層513の膜厚を20nmとし、成膜速度を0.30nm/ses乃至0.32nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第1電子輸送層513上に、BCPと炭酸セシウムとを重量比9:1の比率で共蒸着して第1電子注入層514を形成した。このとき第1電子注入層514の膜厚を60nmとした。
次に、スパッタリング法により、第1電子注入層514上に、Agを成膜し第1の銀薄膜を形成した。このとき第1の銀薄膜の膜厚を3nmとした。次に、IZOを成膜し第1のIZO薄膜を形成した。このとき第1のIZO薄膜の膜厚を5nmとした。次に、Agを成膜し第2の銀薄膜を形成した。このとき第2の銀薄膜の膜厚を2nmとした。次に、IZOを成膜し第2のIZO薄膜を形成した。このとき第2のIZO薄膜の膜厚を55nmとした。次に、Agを成膜し第3の銀薄膜を形成した。このとき第3の銀薄膜の膜厚を6nmとした。次に、IZOを成膜し第3のIZO薄膜を形成した。このとき第3のIZO薄膜の膜厚を5nmとした。尚、第1電子注入層514上に順次形成されるAg/IZO/Ag/IZO/Ag/IZOからなる積層体は第2電極層520として機能する。
次に、真空蒸着法により、第2電極層520上にNPDを成膜して第2ホール輸送層521を形成した。このとき第2ホール輸送層521の膜厚を50nmとし、成膜速度を0.50nm/ses乃至0.52nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第2ホール輸送層421上に、化合物[I]と化合物[II]とを重量比4:1の比率で共蒸着して第2発光層522を形成した。このとき第2発光層522の膜厚を40nmとした。次に、真空蒸着法により、第2発光層522上に、BCPを成膜し第2電子輸送層523を形成した。このとき第2電子輸送層523の膜厚を20nmとし、成膜速度を0.30nm/ses乃至0.32nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第2電子輸送層523上に、BCPと炭酸セシウムとを重量比9:1の比率で共蒸着して第2電子注入層524を形成した。このとき第2電子注入層524の膜厚を60nmとした。
次に、スパッタリング法により、第2電子注入層524上にAgを成膜し第3電極層530を形成した。このとき第3電極層530の膜厚を10nmとした。
次に、スパッタリング法により、第3電極層530上に窒化酸化シリコンを成膜し保護膜450を形成した。このとき保護膜の膜厚1200nmとした。以上により多色発光表示装置が得られた。
得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表2に示す。
[比較例5]
実施例7において、第2電極層520の層構成をAg(膜厚11nm)にする以外は、実施例7と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表2に示す。
実施例7において、第2電極層520の層構成をAg(膜厚11nm)にする以外は、実施例7と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表2に示す。
[実施例8]
図6に示される多色発光表示装置を以下に示される方法により作製した。
図6に示される多色発光表示装置を以下に示される方法により作製した。
スパッタリング法により、ガラス基板(支持体500)上に銀合金(AgPdCu)を成膜し銀合金薄膜を形成した。このとき銀合金薄膜の膜厚を100nmとした。次に、スパッタリング法により銀合金薄膜上にITOを成膜しITO薄膜を形成した。このときITO薄膜の膜厚を20nmとした。尚、形成した銀合金薄膜及びITO薄膜は、第1電極層510として機能する。次に、ITO薄膜の表面をイソプロピルアルコール(IPA)で超音波洗浄し、煮沸洗浄後乾燥した後、UV/オゾン処理を行った。
次に、第1電極層510が形成されている支持体500を真空蒸着装置に移動させた。次に、真空蒸着法により、ITO薄膜上にNPDを成膜して第1ホール輸送層511を形成した。このとき第1ホール輸送層511の膜厚を100nmとし、成膜速度を0.50nm/ses乃至0.52nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第1ホール輸送層511上に、Alq3とクマリン6とを重量比99:1の比率で共蒸着して第1発光層512を形成した。このとき第1発光層512の膜厚を40nmとした。次に、真空蒸着法により、第1発光層512上に、BCPを成膜し第1電子輸送層513を形成した。このとき第1電子輸送層513の膜厚を20nmとし、成膜速度を0.30nm/ses乃至0.32nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第1電子輸送層513上に、BCPと炭酸セシウムとを重量比9:1の比率で共蒸着して第1電子注入層514を形成した。このとき第1電子注入層514の膜厚を60nmとした。
次に、スパッタリング法により、第1電子注入層514上に、Agを成膜し第1の銀薄膜を形成した。このとき第1の銀薄膜の膜厚を3nmとした。次に、IZOを成膜し第1のIZO薄膜を形成した。このとき第1のIZO薄膜の膜厚を5nmとした。次に、Agを成膜し第2の銀薄膜を形成した。このとき第2の銀薄膜の膜厚を2nmとした。次に、IZOを成膜し第2のIZO薄膜を形成した。このとき第2のIZO薄膜の膜厚を55nmとした。次に、Agを成膜し第3の銀薄膜を形成した。このとき第3の銀薄膜の膜厚を6nmとした。次に、IZOを成膜し第3のIZO薄膜を形成した。このとき第3のIZO薄膜の膜厚を5nmとした。尚、第1電子注入層514上に順次形成されるAg/IZO/Ag/IZO/Ag/IZOからなる積層体は第2電極層520として機能する。
次に、真空蒸着法により、第2電極層520上にNPDを成膜して第2ホール輸送層521を形成した。このとき第2ホール輸送層521の膜厚を50nmとし、成膜速度を0.50nm/ses乃至0.52nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第2ホール輸送層421上に、化合物[I]と化合物[II]とを重量比4:1の比率で共蒸着して第2発光層522を形成した。このとき第2発光層522の膜厚を40nmとした。次に、真空蒸着法により、第2発光層522上に、BCPを成膜し第2電子輸送層523を形成した。このとき第2電子輸送層523の膜厚を20nmとし、成膜速度を0.30nm/ses乃至0.32nm/sesとした。次に、真空蒸着法により、第2電子輸送層523上に、BCPと炭酸セシウムとを重量比9:1の比率で共蒸着して第2電子注入層524を形成した。このとき第2電子注入層524の膜厚を60nmとした。
次に、スパッタリング法により、第2電子注入層524上にAgを成膜し第3電極層530を形成した。このとき第3電極層530の膜厚を10nmとした。
次に、スパッタリング法により、第3電極層530上に窒化酸化シリコンを成膜し保護膜450を形成した。このとき保護膜の膜厚1200nmとした。以上により多色発光表示装置が得られた。
得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表2に示す。
[比較例6]
実施例8において、第2電極層520の層構成をAg(膜厚11nm)にする以外は、実施例8と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表2に示す。
実施例8において、第2電極層520の層構成をAg(膜厚11nm)にする以外は、実施例8と同様の方法により多色発光表示装置を得た。得られた表示装置について実施例1と同様の手法により電流効率を算出した。算出結果を表2に示す。
実施例7と比較例5と、実施例8と比較例6と、を比較すると明らかであるが、本発明の多色発光表示装置は下層部の発光効率が高いことがわかる。
20、30、100 基板
200、300、400、500 支持体
201、301 TFT駆動回路
202、302 コンタクトホール
203、303 平坦化膜
110、210、310、410、510 第1電極層
11、21、31、41,51 第1有機化合物層
120、220、320、420、520 第2電極層
12、22、32、42、52 第2有機化合物層
130、230、330、430、530 第3電極層
13、23、33、43 第3有機化合物層
140、240、340、440 第4電極層
150、250、350、450、550 保護層
311 第1ホール注入層
312、411、511 第1ホール輸送層
313、412、512 第1発光層
314、413、513 第1電子輸送層
315、414、514 第1電子注入層
321 第2ホール注入層
322、421、521 第2ホール輸送層
323、422、522 第2発光層
324、423、523 第2電子輸送層
325、424、524 第2電子注入層
331 第3ホール注入層
332、431 第3ホール輸送層
333、432 第3発光層
334、433 第3電子輸送層
335、434 第3電子注入層
200、300、400、500 支持体
201、301 TFT駆動回路
202、302 コンタクトホール
203、303 平坦化膜
110、210、310、410、510 第1電極層
11、21、31、41,51 第1有機化合物層
120、220、320、420、520 第2電極層
12、22、32、42、52 第2有機化合物層
130、230、330、430、530 第3電極層
13、23、33、43 第3有機化合物層
140、240、340、440 第4電極層
150、250、350、450、550 保護層
311 第1ホール注入層
312、411、511 第1ホール輸送層
313、412、512 第1発光層
314、413、513 第1電子輸送層
315、414、514 第1電子注入層
321 第2ホール注入層
322、421、521 第2ホール輸送層
323、422、522 第2発光層
324、423、523 第2電子輸送層
325、424、524 第2電子注入層
331 第3ホール注入層
332、431 第3ホール輸送層
333、432 第3発光層
334、433 第3電子輸送層
335、434 第3電子注入層
Claims (5)
- 基板と、
該基板上に設けられる下部電極層と、
該下部電極層上に設けられ層の数がnである電極層と、
該下部電極層と該電極層との間、及び該電極層と該電極層との間に設けられ少なくとも発光層を含む有機化合物層と、から構成され、
該下部電極層及び該電極層のうち少なくとも1層が選択反射電極であることを特徴とする、多色発光表示装置。 - 基板と、
該基板上に設けられる第1電極層と、
該第1電極層上に設けられ所定の色を発する第1発光層を含む第1有機化合物層と、
該第1有機化合物層上に設けられる第2電極層と、
該第2電極層上に設けられ所定の色を発する第2発光層を含む第2有機化合物層と、
該第2有機化合物層上に設けられる第3電極層と、
該第3電極層上に設けられ所定の色を発する第3発光層を含む第3有機化合物層と、
該第3有機化合物層上に設けられる第4電極層と、から構成され、
該第1電極層、該第2電極層、該第3電極層及び該第4電極層のうち少なくとも1層が選択反射電極であることを特徴とする、多色発光表示装置。 - 基板と、
該基板上に設けられる第1電極層と、
該第1電極層上に設けられ所定の色を発する第1発光層を含む第1有機化合物層と、
該第1有機化合物層上に設けられる第2電極層と、
該第2電極層上に設けられ所定の色を発する第2発光層を含む第2有機化合物層と、
該第2有機化合物層上に設けられる第3電極層と、から構成され、
該第1電極層、該第2電極層及び該第3電極層のうち少なくとも1層が選択反射電極であることを特徴とする、多色発光表示装置。 - 前記選択反射電極が、可視光において透過率及び反射率に波長依存性を有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の多色発光表示装置。
- 前記選択反射電極が透明導電膜と、金属膜と、からなり、4層以上の積層体であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の多色発光表示装置。
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WO2016063169A1 (en) * | 2014-10-23 | 2016-04-28 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Light-emitting element |
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2008
- 2008-07-02 JP JP2008173895A patent/JP2010015786A/ja not_active Withdrawn
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